令和3(行ケ)10144 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和4年10月17日 知的財産高等裁判所 4部 判決 請求棄却
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判決文本文28,810 文字)

令和4年10月17日判決言渡令和3年(行ケ)第10144号審決取消請求事件口頭弁論終結日令和4年8月10日判決 原告グリッドマーク株式会社 同訴訟代理人弁理士細谷道代同平川明 被告ソニックステクノロジー株式会社 同訴訟代理人弁護士矢部耕三同髙畑豪太郎同岡本義則 同訴訟代理人弁理士松尾淳一 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求特許庁が無効2018-800155号事件について令和3年10月20日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要本件は、特許無効審判請求により特許を無効とした審決の取消訴訟である。 1 特許庁における手続の経緯等(当事者間に争いがない。) ⑴ 原告代表者は、平成20年9月1日、その名称を「ドットパターン」とする発明について特許出願(特願2008-223887号。以下「本件出願」という。)をしたところ、本件出願の願書に最初に添付した明細書及び特許請求の範囲請求項1の記載を、平成21年1月9日付け手続補正 る発明について特許出願(特願2008-223887号。以下「本件出願」という。)をしたところ、本件出願の願書に最初に添付した明細書及び特許請求の範囲請求項1の記載を、平成21年1月9日付け手続補正書で補正をし、さらに、同年6月15日付け手続補正書で補正をした(以下、この補正を「本 件補正」という。)。 ⑵ 原告代表者は、平成21年10月23日、本件出願に係る特許の設定登録(特許第4392521号、請求項の数3)を受けた(以下、この登録に係る特許を「本件特許」という。)。 その後、本件特許権は、原告代表者から原告に移転し、その旨の登録がさ れた。 ⑶ 被告は、平成30年12月28日、本件特許の請求項1ないし3に係る発明について特許無効審判請求(無効2018-800155号)をした。 ⑷ 原告は、令和3年3月30日付けで本件特許の請求項1に係る特許請求の範囲及び明細書の記載を訂正する訂正請求を行った(以下、この訂正を「本 件訂正」という。)。 特許庁は、令和3年10月20日、「令和3年3月30日付け訂正請求において、特許第4392521号の明細書を訂正請求書に添付された訂正明細書の段落0186、0187、0191、0192のとおり訂正することを認める。特許第4392521号の請求項1ないし3に係る発明についての 特許を無効とする。」との審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同月29日、原告に送達された。 ⑸ 原告は、令和3年11月26日、本件審決の取消しを求めて本件訴えを提起した。 2 特許請求の範囲の記載 本件訂正前の本件特許の請求項1ないし3の発明(以下、項番号順に「本件 発明1」のようにいい、本件発明1ないし3を合わ 起した。 2 特許請求の範囲の記載 本件訂正前の本件特許の請求項1ないし3の発明(以下、項番号順に「本件 発明1」のようにいい、本件発明1ないし3を合わせて「本件発明」ということがある。)及び本件訂正後の本件特許の請求項1ないし3の発明(以下、項番号順に「本件訂正発明1」のようにいい、本件訂正発明1ないし3を合わせて「本件訂正発明」ということがある。)に係る特許請求の範囲の記載は、次のとおりである。 ⑴ 本件発明1及び本件訂正発明1ア本件発明1(甲37、75)媒体面上に形成され、且つデータ内容が定義できる情報ドットが配置されたドットパターンであって、前記ドットパターンは、縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点で ある格子点を中心に、前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し、前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように、前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と、該 第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて、該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置されたことを特徴とするドットパターン。 (以下、「前記ドットパターンは、」から「データ内容を定義し、」までの段 落を「構成要件1」といい、構成要件1のうち点線「 」で示す部分を「本件補正第1部分」といい、一点破線「 」で示す部分を「構成要件2」という。)イ本件訂正発明1(甲76。訂正部分を下線「 」で示す。) 「 」で示す部分を「本件補正第1部分」といい、一点破線「 」で示す部分を「構成要件2」という。)イ本件訂正発明1(甲76。訂正部分を下線「 」で示す。)媒体面上に形成され、且つデータ内容が定義できる情報ドットが配置さ れたドットパターンであって、 前記ドットパターンは、縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に、前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°の2倍である90°ずつずらした前記縦横方向のうちいずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し、前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように、前記縦 方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第一方向ライン上と、該第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて、該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置されたことを特徴とするドットパターン。 ⑵ 本件発明2及び本件訂正発明2(甲37、75)前記ドットパターンは、水平方向および/または垂直方向に、複数繰り返されていることを特徴とする請求項1に記載のドットパターン。 ⑶ 本件発明3及び本件訂正発明3(甲37、75)前記格子ドットの1つは、前記格子点からのずれ方によって一般コードま たはXY座標を示すフラグを意味していることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のドットパターン。 3 本件審決の理由の要旨(本件訴訟に関連する部分に限る。下記訂正事項のほかに本件審決が認めた訂正事項がある。)本件審決は、①本件訂正中、請求項1に係る訂正(訂正事項1)は、特許 ーン。 3 本件審決の理由の要旨(本件訴訟に関連する部分に限る。下記訂正事項のほかに本件審決が認めた訂正事項がある。)本件審決は、①本件訂正中、請求項1に係る訂正(訂正事項1)は、特許法 第134条の2第1項ただし書に掲げるいずれかの事項を目的とするものではなく、同条第9項で準用する同法126条5項及び6項の規定に適合せず、また、本件特許に係る明細書及び図面(以下、本件訂正の前後を通じて「本件明細書」という。)【0009】に係る訂正(訂正事項2)は、特許法134条の2第9項で準用する同法126条5項の規定に適合しないとして、これら訂正 を認めず、②本件補正は、同法17条の2第3項の補正要件に違反するもので あるから、本件発明1ないし3に係る特許は同法123条1項1号の規定に該当し無効とすべきものである(無効理由2について)、③本件発明1ないし3は同法36条6項1号のサポート要件を充足しないものであるから、本件発明1ないし3に係る特許は同法123条1項4号の規定に該当し無効とすべきものである(無効理由3について)、④本件明細書は同法36条4項1号の実施可能 要件を充足しないものであるから、本件発明1ないし3に係る特許は同法123条1項4号の規定に該当し無効とすべきものである(無効理由1について)旨判断した。 それぞれの論点に関する本件審決の理由の要旨は、以下のとおりである。 ⑴ 訂正要件違反について ア訂正事項1について 訂正事項1は、前記2⑴イのとおりのものであるが、訂正前の構成が8方向にドットを配置できるものであったのに対し、訂正後の構成は4方向にしか情報ドットを配置することができず、定義できるデータ内容の個数を8個から4個に減らしてしま りのものであるが、訂正前の構成が8方向にドットを配置できるものであったのに対し、訂正後の構成は4方向にしか情報ドットを配置することができず、定義できるデータ内容の個数を8個から4個に減らしてしまうものであるから、両者は異なる 構成であり、訂正後の構成は、訂正前の構成を下位概念に限定したものとはいえない。 したがって、訂正事項1は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものとはいえない。 また、訂正事項1は、「誤記又は誤訳の訂正」、「明瞭でない記載の釈明」 又は「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」のいずれを目的とするものともいえないことは明らかである。 訂正事項1は、定義できるデータ内容の個数を異ならせるものであるから、実質上特許請求の範囲を変更するものである。 原告は、訂正事項1が本件明細書【図5】ないし【図8】、及び、【0 023】ないし【0027】に記載されている旨主張するが(以下、ここに記載されたドットパターンを「図5ドットパターン」という。)、図5ドットパターンは、情報ドットを格子点の中心から「どの程度ずらすか」によってデータ内容を定義しているものとはいえないから、訂正事項1に係る本件訂正発明1の「前記情報ドットを前記格子点の中心から 等距離で45°の2倍である90°ずつずらした前記縦横方向のうちいずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」との構成は、本件明細書に記載されたものではない。また、本件明細書【0191】には,「データは,図103に示すように,ドット605を格子ブロック内の中心点からどの程度ずらすかによってデータ内容が定義で きるよう 書に記載されたものではない。また、本件明細書【0191】には,「データは,図103に示すように,ドット605を格子ブロック内の中心点からどの程度ずらすかによってデータ内容が定義で きるようになっている。」旨の記載があるが、これは、【図103】ないし【図106】、及び、【0184】ないし【0195】に記載されたドットパターン(以下「図105ドットパターン」という。)に関する記載であって図5ドットパターンに関する記載ではなく、そして、図5ドットパターンと図105ドットパターンとを組み合わせることは、本件明 細書では想定されていないから、図5ドットパターンにおいて、図105ドットパターンの説明である【0191】の記載に基づく構成を採用することも想定されていない。 したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正ではない。 イ訂正事項2について訂正事項2は、訂正事項1で請求項1の記載を訂正することに対応して、対応する本件明細書【0009】の記載を訂正事項1と同様の内容で訂正するものであるから、上記アで検討した訂正事項1と同様の理由で、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事 項の範囲内の訂正ではない。 ⑵ 補正要件違反についてア本件明細書には、図5ドットパターンと図105ドットパターンの2つのドットパターンの記載があるところ、図105ドットパターンにおいては、情報ドットは、四隅を格子ドットで囲まれた領域の中心からずれた位置に置かれるところ、構成要件1の情報ドットは、格子線の交点である格 子点の中心からずれた位置に置かれるから、構成要件1は、図105ドット トは、四隅を格子ドットで囲まれた領域の中心からずれた位置に置かれるところ、構成要件1の情報ドットは、格子線の交点である格 子点の中心からずれた位置に置かれるから、構成要件1は、図105ドットパターンに基づく補正ではない。 図5ドットパターンにおいては、情報を表現するドットは、格子ドットから上下左右の格子線上にずらした位置に配置されるところ、構成要件1の情報ドットは、格子点の中心から等距離で45°ずつずらした方向のう ちいずれかの方向に配置されるものであるから、構成要件1は、図5ドットパターンに基づく補正ではない。 そのほか、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下「出願当初明細書等」という。)に構成要件1に含まれる本件補正第1部分に対応する記載は認められないから、本件補正前の本件補正第1部分に 対応する部分と構成要件1とを対比するまでもなく、本件補正第1部分は新たな技術的事項を導入するものである。 イ構成要件1に係る構成は、図5ドットパターンとして記載されているものではないが、構成要件2に係る構成は、図5ドットパターンとして記載されているとはいえる。 しかし、図5ドットパターンと図105ドットパターンの情報の定義方法は相当に異なるのであり、また、出願当初明細書等に、これらの異なる情報定義方法を採用した各ドットパターンが採用する情報定義方法を相互に入れ替えたり、重ねて採用したりすることについては何ら記載されていないから、出願当初明細書等に、これらのドットパターンを組み合わせ たものについての記載があるとはいえないし、それが当業者に自明である ともいえない。 したがって、出願当初明細書等には、本件補正によって変更さ を組み合わせ たものについての記載があるとはいえないし、それが当業者に自明である ともいえない。 したがって、出願当初明細書等には、本件補正によって変更された構成要件1及び構成要件2の構成をいずれも備えるドットパターンについての記載があるとはいえないから、本件補正は、出願当初明細書等に開示されていない新たな技術的事項を導入するものである。 ⑶ サポート要件の充足についてア前記⑵のとおり、本件明細書には、構成要件1に係る構成が記載されているとは認められず、加えて、本件発明1は、構成要件1と構成要件2をいずれも備えるドットパターンの発明であるところ、構成要件1及び構成要件2の構成をいずれも備えるドットパターンについての記載があると もいえない。したがって、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載されたものではないから、本件発明1はサポート要件に適合しない。 イ本件発明2及び3は、本件発明1の構成を全て含むものであるところ、本件発明1がサポート要件に適合しないものであるから、本件発明2及び3もサポート要件に適合しない。 ⑷ 実施可能要件の充足についてア本件発明1は、構成要件1及び構成要件2をいずれも備えるドットパターンの発明であるところ、前記⑵のとおり、本件明細書の発明の詳細な説明の記載には、構成要件1に係る構成あるいは構成要件1及び構成要件2の構成をいずれも備えるドットパターンの具体的な記載はないし、当業者 がそのドットパターンを製造し使用することができる程度に記載されているともいえない。 したがって、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものとはいえない。 ることができる程度に記載されているともいえない。 したがって、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものとはいえない。 イ本件発明2及び3は、本件発明1の構成を全て含むものであるから、本 件明細書の発明の詳細な説明の記載は、本件発明2及び3を当業者が実施 することができる程度に明確かつ十分に記載したものとはいえない。 4 取消事由本件訂正の訂正要件違反に関する判断の誤り第3 当事者の主張 1 原告 ⑴ 訂正要件違反に関する判断の誤りについてア訂正の目的及び特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項1による訂正は、特許請求の範囲の減縮に該当しないとされる「直列的に記載された発明特定事項の削除」ではなく、特許請求の範囲の減縮に該当するとされる「択一的記載の要素の削除」である。 本件審決の「(逆に、4個しか定義できない構成を8個定義できる構成に変更する場合であれば、そのための構成を付加し、上位概念から下位概念に限定したといえる余地もある。)」との説示(6頁)によれば、本件審決は、本件訂正とは逆の、4個から8個に定義できる構成への変更を、特許請求の範囲の減縮に該当する例とされる「発明を特定するため の事項の直列的付加」と解していると理解される。このように、定義できる構成の変更を直列的事項と理解しているということは、本件審決は、45°ずつずらすことで8個定義できる本件発明の構成を、①90°ずつ縦横方向にずらすことで4個しか定義できない構成と②この①の方向を除く斜め4方向にずらすことで4個しか定義できない構成とが直列的 に記載された構成とし、本件発明1の 発明の構成を、①90°ずつ縦横方向にずらすことで4個しか定義できない構成と②この①の方向を除く斜め4方向にずらすことで4個しか定義できない構成とが直列的 に記載された構成とし、本件発明1の構成から本件訂正発明1の構成への訂正を、直列的な発明特定事項となっている上記①及び②の記載から上記②を削除するものと理解し、それゆえ、特許請求の範囲の減縮には該当しないとしたものと考えられる。 しかしながら、本件発明1に「前記情報ドットを前記格子点の中心か ら等距離で45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に、どの程度 ずらすかによってデータ内容を定義し」とあるとおり、データ内容を定義する構成は一つの単一な構成であり、上記①及び②のような二つの構成に分離できることも、あるいは、二つの構成が結合したものとも本件明細書には記載されていない。すなわち、本件発明1の構成は、8通りの方向のいずれかに1個のドットを配置することにより8通りの情報 (3ビット)が形成されるのであって、縦横4方向のいずれかにドットを配置することにより、4通りの情報を、斜め4方向のいずれかにドットを配置することにより4通りの情報をそれぞれ定義し、これらの組み合わせによって合計16通りの情報を形成するものではない。 訂正事項1は、データ内容を定義する単一の構成において、「いずれか の方向」とする選択肢について、「45°ずつずらした方向のうち」に対して「45°の2倍である90°ずつずらした前記縦横方向のうち」とする制限を直列的に追加し、方向の範囲を8方向から4方向に制限するものといえ、限定的に特許請求の範囲を減縮するものである。 あるいは、訂正事項1は、ずらす方向の数であり、それぞれの方向が を直列的に追加し、方向の範囲を8方向から4方向に制限するものといえ、限定的に特許請求の範囲を減縮するものである。 あるいは、訂正事項1は、ずらす方向の数であり、それぞれの方向が 択一的記載の要素である「45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向」で定義される各方向を、「いずれかの方向」として8方向選択できたものを「いずれかの方向」として4方向にしか選択できなくするものである。すなわち、本件発明の「45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義」について、こ れを縦横方向に限定してみると、選択肢として少なくとも、①縦横方向の4方向でデータ内容を定義する選択肢、②縦横4方向のうちの3方向でデータ内容を定義する選択肢、③縦横4方向のうちの2方向でデータ内容を定義する選択肢、及び④縦横4方向のうちの1方向でデータ内容を定義する選択肢を含むものである。そうすると、本件訂正発明の「前 記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°の2倍である9 0°ずつずらした前記縦横方向のうちいずれかの方向に」は、上記①ないし④を一般化したものといえる。このようにみてみると、「45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向」というのは、45°ずつずらした8方向、7方向、6方向、5方向、4方向、3方向、2方向及び1方向のいずれかを選択してデータ内容を定義するものであり、これを4方向 以下の方向にすることは、択一的記載の要素の削除である。 数値による限定は、数値によって限定される範囲が小さくなるほど対象が具体的になるから、8方向から4方向への限定は、下位概念化である。 訂正事項1は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、か 値によって限定される範囲が小さくなるほど対象が具体的になるから、8方向から4方向への限定は、下位概念化である。 訂正事項1は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、か つ、訂正により新たな作用効果を奏するものではないから、特許請求の範囲の実質的な変更にもならない。 イ新規事項追加について 本件発明1は「等距離で45°の2倍である90°ずつずらした」と規定している。したがって、その後ろの「いずれかの方向に、どの程度 ずらすか」との規定から、本件発明が、ドットを可変の距離をずらすものと解釈し、訂正事項1が新規事項追加に当たるとすることはできない。 本件発明1の「いずれかの方向に、どの程度ずらすか」とは、縦横方向という4つの方向のうち、「どの程度の方向の数にずらすか」という方向の数の「多少」を意味している。そして、本件明細書【図5】ないし 【図8】には、縦横方向のうち、4方向でドットをずらすことによってデータ内容を定義する例が記載されている。そして、【図2】の図中には、「この部分で」「点AのX軸情報を表現」「下にずれているとき 0」「上にずれているとき 1」「各ドットで1ビットの情報」、「この部分で」「点AのY軸情報を表現」「左にずれているとき 0」「右にずれているとき 1」「各ドットで1ビットの情報」と記載されており、縦横4方向のうち の2方向でドットをずらすことによってデータ内容を定義する例が記載又は示唆されている。このような場合に、①縦横4方向のうちの3方向でドットをずらすことによってデータ内容を定義する(1方向は用いないもの)ものや、②縦横4方向のうちの1方向でドットをずらすことによってデータ内容を定義するものも 場合に、①縦横4方向のうちの3方向でドットをずらすことによってデータ内容を定義する(1方向は用いないもの)ものや、②縦横4方向のうちの1方向でドットをずらすことによってデータ内容を定義するものも存在することは自明である。本件訂 正発明1の「前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°の2倍である90°ずつずらした前記縦横方向のうちいずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」とは、このような、縦横方向の4方向にずらす図5ドットパターンと、縦横4方向のうちの2方向にずらす【図2】記載のドットパターンを一般化して、拡張したも のであるということができる。 なお、「いずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義」するためには、元の位置にドットがなければならないわけではない。 単に、元の位置が示されていれば、ドットが元の位置からずれた位置が分かるので、「いずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容 を定義」できる。しかも、【図5】ないし【図8】では、矢印の交点として元の位置も明確に示されているので、ここを元の位置として示すために、ずらさない場合のドットを置く必要もない。 以上のとおり、訂正事項1は本件明細書に記載された事項といえる。 仮に、「どの程度」という用語がずらす方向の数の多少の程度を意味す るものではないとしても、「どの程度ずらすか」は、ドットのずれを認識可能とするために格子点の中心からどの程度の固定距離(等距離)をずらす必要があるかということを意味しているのであり、「固定の距離をずらすか、ずらさないか」との意味も含み得る。すなわち、一般に、ドットを含む画像を認識する際には、ドットが格子点の中心から一定以上ず れていないと ことを意味しているのであり、「固定の距離をずらすか、ずらさないか」との意味も含み得る。すなわち、一般に、ドットを含む画像を認識する際には、ドットが格子点の中心から一定以上ず れていないとドットのずれを認識することができないことは証拠を示す までもなく明らかであり、この「一定以上」の具体的な数値は、解像度や認識方法により異なるから、「どの程度ずらすか」とは、ドットのずれを認識可能とするために格子点の中心からどの程度ずらす必要があるかということを意味しているのである。そして、本件明細書には、「中心点からどの程度ずらすかによってデータ内容が定義できる」(【0191】) とする実施例として【図103】が例示されているところ、【図103】ではドットが固定の距離ずらされている。 【0191】には、その後ろに、「なお、さらに中心点から距離を変更した点をさらに8個定義すれば16通り、すなわち4ビットのデータを表現できる。」との記載があるが、これは、固定の距離をずらす場合の変形例又は異なる実施例として「可 変の距離」をずらす方法を示したものにすぎず、この記載によって、「どの程度ずらすか」の原義が変更されることはない。 したがって、上記のように解したとしても、新規事項の追加とはならない。 ウ訂正事項2について 前記イと同旨。 ⑵ 取消事由について本件審決は、訂正事項1及び2による訂正を認めず、本件発明1を前提として無効理由1ないし3により本件特許が無効であると判断したものであるから、その判断には誤りがある。 ⑶ 予備的主張本件訂正が適法であったとしても、本件訂正後の本件特許が無効理由1ないし3により無効を免れないとする判断に備 判断したものであるから、その判断には誤りがある。 ⑶ 予備的主張本件訂正が適法であったとしても、本件訂正後の本件特許が無効理由1ないし3により無効を免れないとする判断に備えて、原告は、本件訂正により無効理由1ないし3の無効理由が解消されることを明らかにする。 アサポート要件の充足について 本件訂正発明は、少なくともその一例が、本件明細書【0022】、【0 023】、【0025】ないし【0027】並びに【図5】ないし【図8】に記載されているから、サポート要件を充足している。 なお、本件発明は、「前記ドットパターンは、縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に、前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に、どの 程度ずらすかによってデータ内容を定義し」との構成を除いて、本件明細書【0022】、【0023】、【0025】ないし【0027】並びに【図5】ないし【図8】に記載されたものである。そして、上記の「45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向」は、本件訂正発明の「45°の2倍である90°ずつずらした前記縦横方向のうちいずれかの方向」という 択一的記載の要素に対して、更に斜め方向である45°方向を追加するという関係にあるが、これは設計上の微差にすぎず、当業者には自明の範囲の微差である。したがって、本件訂正発明の「前記ドットパターンは、縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に、前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°の2倍である90°ずつ ずらした前記縦横方向のうちいずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」が上記のとおり本件明細書によ 記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°の2倍である90°ずつ ずらした前記縦横方向のうちいずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」が上記のとおり本件明細書によってサポートされている以上、本件発明は、これに設計上の微差を加えたものにすぎないことになる。そうすると、本件発明は、もともと本件明細書に記載されたものであるといえる。 仮に、設計上の微差とはいえないとしても、本件発明1のドットパターンは、「45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義」するのであるから、45°ずつずらした8方向、7方向、6方向、5方向、4方向、3方向、2方向及び1方向のいずれかを択一的に選択してデータ内容を定義するドットパターンが含ま れる。そして、これらのうち、4方向、3方向、2方向及び1方向を縦横 方向に限定したドットパターンのうち、少なくとも2つの例として、本件明細書【図5】ないし【図8】と【図2】のドットパターンが例示されている。したがって、本件発明はサポート要件を充足していたといえる。 イ実施可能要件の充足について本件明細書【0022】、【0023】、【0025】ないし【0027】 並びに【図5】ないし【図8】記載から、本件訂正発明は、図5ドットパターンとして、当業者がそのドットパターンを製造し使用できる程度に記載されたものとなった。 ウ補正要件違反について補正要件違反に関する本件審決の判断は、「45°」ずつずらしたとの本 件発明の特定事項を前提とするものであるが、本件訂正により本件発明は「90°」ずつずらしたものと訂正され、本件訂正が確定した場合に、審決の判断は前提を の判断は、「45°」ずつずらしたとの本 件発明の特定事項を前提とするものであるが、本件訂正により本件発明は「90°」ずつずらしたものと訂正され、本件訂正が確定した場合に、審決の判断は前提を誤認するものとなるから、補正要件違反の判断も誤りとなる。 2 被告 ⑴ 訂正要件違反に関する判断の誤りの主張についてア訂正の目的及び特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項1による訂正が特許請求の範囲の減縮に該当しないとした本件審決の判断には、誤りはない。 本件審決の、「(逆に、4個しか定義できない構成を8個定義できる構 成に変更する場合であれば、そのための構成を付加し、上位概念から下位概念に限定したといえる余地もある。)」との説示は、「余地もある」との表現から明らかなように、何ら審判合議体として確定的な判断を示すものではなく、この記載があるがゆえに、本件審決が、本件発明のデータ内容の定義を直列的付加と解したという根拠にはならない。 「45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に、どの程度ずらす かによってデータ内容を定義し」とは、「45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向」にずらした8種類の異なる情報ドットにより「データ内容が定義」されていると解釈すべきものであって、原告が主張するように、「45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向」で定義される方向のそれぞれの方向が択一的記載の要素であると解釈する余地はな い。 8方向に情報ドットを配置できる構成は、8方向に情報ドットを配置できることが要件であり、その下位概念も少なくとも8方向に情報ドットを配置できる構成を有する必要があるから、4方向にしか情報ドットを配置する に情報ドットを配置できる構成は、8方向に情報ドットを配置できることが要件であり、その下位概念も少なくとも8方向に情報ドットを配置できる構成を有する必要があるから、4方向にしか情報ドットを配置することができない構成がその下位概念にならないことは明らか である。 構成が変更されて下位概念ではない別の発明になっている場合、実質上特許請求の範囲の変更となる。 イ新規事項追加について 原告自身が、本件無効審判請求事件中に提出した答弁書において、「等 距離で」は、その直後の「45°ずつずらした」に係るものであり、読点によって区切られた後の「どの程度ずらすか」に係るものではないと回答しており(乙3)、本件発明において、ドットをずらすのが「等距離」というわけではない。本件発明1は、「等距離で・・・ずらした前記縦横方向のうち『いずれかの方向にずらすか』」ではなく、「等距離で・・・ ずらした前記縦横方向のうち『いずれかの方向に、どの程度ずらすか』」と特定されているから、「いずれかの方向に」だけではなく、「どの程度ずらすか」も必須の要件である。 また、本件明細書【図8】の図中の「表現可能範囲は、0≦コード≦236-1」との記載によるとc1~c36の36個のドットによる表 現可能範囲が236通りであること、すなわち、表現されるコードは、0 (全部白丸)の場合も、236-1(全部黒丸)の場合もあり得ることであって、【図8】は、ドットを1方向ないし3方向にずらすという概念に基づくものではなく、36か所の指定の位置にドットを配置するか否か(全部配置しない場合もある)との趣旨の記載であることは明らかである。 したがって、「どの程度ずらすか」が方向 に基づくものではなく、36か所の指定の位置にドットを配置するか否か(全部配置しない場合もある)との趣旨の記載であることは明らかである。 したがって、「どの程度ずらすか」が方向の数をいうという解釈は採り得ない。 距離が固定であれば、「いずれかの方向に、どの程度ずらすか」ではなく、「いずれかの方向にずらすか」との文言になるのが自然であり、「どの程度」は、可変の距離を示すとの本件審決の解釈は、文言解釈として 自然なものである。「どの程度ずらすか」は、文言上、「どの程度」ずらすかとしており、ずらすか、ずらさないかを意味するものではない。また、ずらさない場合には、方向は意味がなくなってしまうため、「いずれかの方向に」によって「データ内容の定義」をすることはできなくなってしまい、請求項の文言に整合しない。さらに、本件明細書【図5】な いし【図8】には、元の位置がどこかという記載もなければ、ずらさない場合にデータ内容がどのように定義されるのかの記載もなく、指定の位置にドットを配置するか否かを例示する記載しかない。 その上、本件明細書には、固定の距離をずらすか、ずらさないかによってデータ内容を定義するという記載すらもない。 したがって、「どの程度ずらすか」が固定の距離をずらすという解釈は採り得ない。 ウ訂正事項2について前記イと同旨。 ⑵ 取消事由について 本件訂正を不適法とした本件審決の判断に誤りはなく、原告の取消事由は 理由がない。 ⑶ 予備的主張についてアサポート要件の充足について 本件発明について本件発明の「前記ドットパターンは、縦横方向に等間隔に設けられ 理由がない。 ⑶ 予備的主張についてアサポート要件の充足について 本件発明について本件発明の「前記ドットパターンは、縦横方向に等間隔に設けられた 格子線の交点である格子点を中心に、前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」との構成は、図5ドットパターンにも図105パターンにもサポートされているものではないから、サポート要件を充足しない。また、本件訂正発明の「45°の2倍であ る90°ずつずらした前記縦横方向のうちいずれかの方向」との構成が、本件発明の「45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向」との構成の下位概念にはならないこと、また、択一的記載の削除ではないことは、前記⑴のとおりであるから、原告の主張は、前提を誤るものであり、理由がない。 本件訂正発明について図5ドットパターンには、4つの指定位置にドットを置くか置かないかの記載しかなく、ドットをずらすという記載はない。ましてや、「いずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」との記載もない。 イ実施可能要件の充足について本件明細書には、本件訂正発明1ないし3の構成のドットパターンの具体的な記載はなく、当業者がそのドットパターンを製造し使用することができる程度に記載されているともいえない。したがって、本件明細書の発明の詳細な説明の記載は、本件訂正発明1ないし3を、当業者が実施する ことができる程度に明確かつ十分に記載したものとはいえない。 ウ補正要件違反について本件補正による「格子点の中心か いし3を、当業者が実施する ことができる程度に明確かつ十分に記載したものとはいえない。 ウ補正要件違反について本件補正による「格子点の中心から等距離で45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向」は、図5ドットパターンに基づく補正であるとは認められないから、補正要件違反がある。 訂正請求をしても、本件補正が補正要件を満たさない補正であったとい う歴史的事実には変わりはなく、そして、訂正請求は、それが認められて確定しなければ遡及効(特許法128条、134条の2第9項)を生じないところ、本件訂正はいまだ確定していないから、訂正の遡及効は生じていない。 第4 当裁判所の判断 1 本件発明について本件明細書(甲75)には、別紙「本件明細書の記載事項(抜粋)」のとおりの記載があり、この記載によると、本件発明について、次のような開示があると認められる。 従来から、光センサを用いて絵本やゲームカードに印刷されたバーコードを 読み取り、特定の音声を発音させる音声発生玩具が提案されており(【0002】)、先行技術においては、バーコードに代わってドットパターンで印刷されたコード情報を読み取って情報を再生させる方法が提案されていた(【0005】)。同技術においては、ドットを所定の法則で紙面の二次元方向に印刷したドットパターンをペン型のスキャナで読み取り、このスキャナの走査速度と走 査方向を情報処理装置で解析してあらかじめ対応付けられた音声等の情報を再生させるが(【0006】)、動的にスキャナを走査させることを前提としているために、紙面上にキャラクタ等が自由に印刷配置された絵本等で静的に読取装置を当接させるだけで情報を再生させる用途には不向 再生させるが(【0006】)、動的にスキャナを走査させることを前提としているために、紙面上にキャラクタ等が自由に印刷配置された絵本等で静的に読取装置を当接させるだけで情報を再生させる用途には不向きであった(【0007】)。 本件発明は、印刷物に形成したドットパターン情報を光学的に読み取り該ド ットパターンに対応した種々の情報を再生する技術に関するものであり(【0 001】)、極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパターンを提案し、このドットパターンに基づいた情報再生方法及び情報再生装置を提案するものである(【0008】)。 そして、上記課題を解決するための手段として、本件発明1ないし3は、特許請求の範囲に記載のとおりの特徴を有するドットパターンをとるものである。 本件発明によれば、極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパターンを提供することができるとの効果を奏する(【0013】)。 2 ドットパターンについて⑴ 図5ドットパターンについて図5ドットパターンに関係して、本件明細書には、別紙の【0023】な いし【0027】の記載がある。これらには、情報を示すドットパターンについて、等間隔のドットにより構成されたラインが抽出されるとともに、そのうちの一つを水平ラインとして、そこから垂直に延びるラインを抽出し、その垂直ラインは、水平ラインを構成するドットの次の点、又は3つ目の点がライン上にないことから上下方向を認識し、情報領域を抽出して、その数 値情報を再生することが記載されている。 図105ドットパターンについて図105ドットパターンに関係して、本件明細書には、【0184】ないし【01 領域を抽出して、その数 値情報を再生することが記載されている。 図105ドットパターンについて図105ドットパターンに関係して、本件明細書には、【0184】ないし【0195】の記載がある。これらによれば、そのドットパターンは、格子状に配置されたドットで構成される。そして、格子ドットLDと呼ばれる ドットを四隅に配置し、その4つの格子ドットLDで囲まれた領域の中心からどの程度ずらすかによってテータ内容が定義され、同領域の中心から等距離の位置で45度ずつずらした点を8個定義することで、8通りのデータを表現でき、このずらす距離を変更した点を8個定義することで16通りのデータを表現できる。また、格子ドットLDは、本来、縦横方向の格子線の交 点上である格子点上に配置されるが、その位置をずらしたドットをキードッ トKDとして、このキードットKDに囲まれた領域、又は、キードットKDを中心にした領域が一つのデータを示している。また、キードットKDを格子点から等距離で45°ずつずらすことにより、その角度ごとに別の情報を定義することができることが記載されている。 ⑶ 本件明細書【図2】について 【図2】については,発明の詳細な説明にはドットパターンを示す一例であるとだけ記載され,ドットパターンの内容に関する説明はなく、図中の説明を見ても、当該説明がデータ内容を定義する情報ドットに関するものなのか不明であり、仮に、これを情報ドットに関する説明であるとしても結局そのデータ定義方法は不明であり、このドットパターンは図5ドットパターン 又は図105ドットパターンのいずれに関するものとも認められない。 3 取消事由について⑴ 訂正要件違反の有無についてア 不明であり、このドットパターンは図5ドットパターン 又は図105ドットパターンのいずれに関するものとも認められない。 3 取消事由について⑴ 訂正要件違反の有無についてア訂正事項1について訂正事項1は、前記第2の2⑴のとおり、本件発明1の「縦横方向に等 間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に、前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」との構成を、本件訂正発明1の「縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に、前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°の2 倍である90°ずつずらした前記縦横方向のうちいずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」との構成に訂正するものである。 本件訂正前の上記構成は、任意の45°間隔による8方向をドットの配置に利用できる方向として、情報の内容を表現するものである一方、本件 訂正後の上記構成は、縦横の4方向をドットの配置に利用できる方向とし て、情報の内容を表現するものであるから、情報の内容を定義する情報ドットの種類やデータの表現方法を異にするものであり、端的に、両者は異なる構成というべきものであって、包含ないしは上位下位概念の関係には立たない。したがって、訂正事項1は、特許法134条の2第1項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものとはいえない。 イ訂正事項2について訂正事項2は、訂正事項1による請求項1の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るため、対応する本件明細書【0009】の記載を訂正事項1と イ訂正事項2について訂正事項2は、訂正事項1による請求項1の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るため、対応する本件明細書【0009】の記載を訂正事項1と同様の内容で訂正するものであるところ、前記アのとおり、請求項1に係る訂正事項1が認められない以上は、訂正事 項2は、その訂正に係る請求項について訂正をしないものと帰すから、訂正事項2も訂正要件を充足しない(特許法134条の2第9項、126条4項参照)。 ウ原告の主張について 原告は、前記第3の1⑴アのとおり、①訂正事項1は、8方向のう ちの「いずれかの方向」とする選択肢についてこれを4方向にする制限を直列的に付加するものである、②「いずれかの方向に、どの程度ずらすか」というのは、ずらす方向の数を意味しており、このずらすことのできる各方向の選択肢の数を減らす択一的要素の削除であって、「特許請求の範囲の減縮」に当たる旨主張する。 しかしながら、原告が自らも前記第3の1⑴アにて主張するように、本件発明1の「いずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」との構成は、1つの単一な構成としてデータ内容を定義しているのであって、ある格子点を基準にして「いずれかの方向」とされる全ての各方向にドットをずらすか、ずらさないかによって当該格子点 を基準として定義し得る情報を特定するものであるから、ドットがずら されていない方向も、ドットがずれていないという意味で当該情報の定義に用いられているのであって、ドットがずらされている方向のみが情報の定義に利用されているというものではない。この点、原告は、「縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心 該情報の定義に用いられているのであって、ドットがずらされている方向のみが情報の定義に利用されているというものではない。この点、原告は、「縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に、前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45°ずつずらした方向のう ちいずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し」との記載の「いずれかの方向に、どの程度ずらすか」を、ずらす方向の数を規定するものである旨主張する。しかしながら、「方向の数」との趣旨を「どの程度」との文言で表現したとするのは文言解釈として不自然であって、「等距離で45°ずつずらした方向のうちいずれかの方向に、 どの程度ずらすか」とは、ある格子点を基準にして「いずれかの方向」とされる全ての各方向にドットをずらすか、ずらさないかによって当該格子点を基準として定義し得る情報を特定する際に、ドットをずらすのは等距離で45°ずつずらした各方向のうちどの方向にするのか、ずらされるドットは等心円上に配置されることになるが、この等心円の半径 をどの程度にするのかによってデータ内容を定義する趣旨であると理解するのが自然である。また、本件明細書(本件訂正後)にも、①「データは、図103に示すように、ドット605を格子領域内の中心点からどの程度ずらすかによってデータ内容が定義できるようになっている。 同図では、中心から等距離で45度ずつそれぞれずらした点を8個定義 することによって単一の格子領域で8通り、すなわち3ビットのデータを表現できるようになっている。」(【0191】の前半)、②「なお、さらに中心点から距離を変更した点をさらに8個定義すれば16通り、すなわち4ビットのデータを表現できる。」(【0191】の後半)との記載がある(本件訂正前にも、別 (【0191】の前半)、②「なお、さらに中心点から距離を変更した点をさらに8個定義すれば16通り、すなわち4ビットのデータを表現できる。」(【0191】の後半)との記載がある(本件訂正前にも、別紙記載のとおり、「格子領域」とある部分の 一部が「格子ブロック」となっているほかは同旨の記載がある。)のであ るから、特許請求の範囲の「いずれかの方向に、どの程度ずらすか」は、これらの記載に対応するものと解するのが自然であるし、上記①及び②のどちらも中心点からの距離についての記載であって、「どの程度ずらすか」が方向の数をいうものでないことは明らかである。 そうすると、それぞれの各方向を取り出してそれぞれに独立した意味 があるというものではなく、8方向全部が一体となり、中心点からの距離と相まって、データ内容の定義に用いられているのであるから、8方向を4方向に変更することは、ある格子ドットについて用いることのできる方向の数に制限が付されたとか、あるいは、ある格子ドットについて選択できる選択肢の数を制限したとかという単純なものではなく、端 的に、異なる情報定義体系を採用したことを意味するものというべきである。 以上によれば、訂正事項1を発明特定事項の直列的付加又は択一的要素の削除であるとすることができないから、「特許請求の範囲の減縮」と解する余地はない。したがって、原告の上記主張を採用することはでき ない。 原告は、前記第3の1⑴アのとおり、数値による限定は、数値によって限定される範囲が小さくなるほど対象が具体的になるから、8方向から4方向への限定は、下位概念化である旨主張するが、前記において説示したところによれば、本件発明において量的な大小で包含関係又 よって限定される範囲が小さくなるほど対象が具体的になるから、8方向から4方向への限定は、下位概念化である旨主張するが、前記において説示したところによれば、本件発明において量的な大小で包含関係又 は上位下位概念の関係を論じることが適切でないことは明らかであるから、その主張を採用することはできない。 なお、本件審決には、「(逆に、4個しか定義できない構成を8個定義できる構成に変更する場合であれば、そのための構成を付加し、上位概念から下位概念に限定したといえる余地もある。)」(6頁)旨の説示がみ られるが、単なる傍論にすぎないから、その説示の当否が前記判断を左 右するものではない。 エ小括以上のとおりであるから、その他の点について検討するまでもなく、本件訂正は訂正要件を満たさないものであるから、これを認めなかった本件審決の判断には誤りがない。 ⑵ 取消事由について前記⑴のとおり、本件訂正を認めなかった本件審決の判断には誤りはないところ、原告は、本件訂正が認められなかった場合の本件審決の誤りを主張するものではないから、本件訂正が認められた場合についての予備的請求の当否について判断するまでもなく、取消事由は理由がないことになる。 ⑶ サポート要件の充足についてア原告の予備的主張中には、前記第3の1アのとおり、本件発明がサポート要件を充足する旨の記載があり、その趣旨や内容は判然としないものではあるものの、これは、本件訂正を認めず、その上で本件発明がサポート要件を充足しないとした本件審決の判断の誤りを主張する趣旨と善解 する余地もないではないから、念のために、同主張についての判断を示す。 前記2⑵及び⑶のと その上で本件発明がサポート要件を充足しないとした本件審決の判断の誤りを主張する趣旨と善解 する余地もないではないから、念のために、同主張についての判断を示す。 前記2⑵及び⑶のとおり、本件明細書には、図5ドットパターンと図105ドットパターンについての記載がある。原告は、本件発明1のドットパターンは縦横4方向の図5ドットパターンに斜め4方向を付け加えた設計上の微差でしかないドットパターンであるか、あるいは、8方向にド ットをずらす本件発明1のドットパターンの一例として図5ドットパターンを位置付けることができるとして、本件発明1のドットパターンが図5ドットパターンに基づくものである旨主張するので、以下、これを前提に、本件発明1がサポート要件を充足するか検討する。 前記⑴アのとおり、縦横4方向をドットの配置に利用できる方向として 情報の内容を表現する図5ドットパターンの構成と、任意の45°間隔に よる8方向をドットの配置に利用できる方向として情報の内容を表現する本件発明1の構成は、情報の内容を定義する情報ドットの種類やデータの表現方法を異にするものであるから、両者の差異が微差であるということはできない。また、同ウのとおり、本件発明1の構成は、8方向全部が一体となり、中心点からの距離と相まって、データ内容の定義に用いら れているのであり、縦横4方向の図5ドットパターンの構成とは異なる情報定義体系を採用するものであるから、図5ドットパターンを本件発明1のドットパターンの一例として位置付けることもできない。以上からすると、図5ドットパターンに基づき、本件発明1のドットパターンが発明の詳細な説明に記載されたものということはできないから、本件発明1はサ ポート要件に適 て位置付けることもできない。以上からすると、図5ドットパターンに基づき、本件発明1のドットパターンが発明の詳細な説明に記載されたものということはできないから、本件発明1はサ ポート要件に適合しない。したがって、本件発明1の構成を全て含む本件発明2及び3もサポート要件を充足しない。 イこれに対して、原告は、前記第3の1⑶アのとおり、るる主張するところ、前示のとおり、いずれの点もその趣旨、内容は判然としないが、本件訂正が認められるべきものであることを前提にする主張が採用できない ことは明らかであるし、本件明細書の記載が本件発明をサポートする内容を含むものとは認められないことも前記アのとおりである。したがって、この点に係る原告の主張はいずれも当を得ないものというほかない。 ウ以上のとおり、いずれにせよ、本件発明はサポート要件に適合しないものである。 4 結論以上の次第であり、取消事由は理由がないから、原告の請求を棄却することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第4部 裁判長裁判官菅野雅之 裁判官本吉弘行 裁判官中村恭 (別紙)本件明細書の記載事項(抜粋)(本件訂正が認められた部分のうち、変更前の部分を二重線で抹消し、変更後の部分に下線を付す。) 【発明の詳細な説明】 (別紙)本件明細書の記載事項(抜粋)(本件訂正が認められた部分のうち、変更前の部分を二重線で抹消し、変更後の部分に下線を付す。) 【発明の詳細な説明】【技術分野】【0001】本発明は、印刷物に形成したドットパターン情報を光学的に読み取り該ドットパターンに対応した種々の情報を再生する技術に関する。 【背景技術】【0002】従来より、光センサを用いて絵本やゲームカードに印刷されたバーコードを読み取り、特定の音声を発音させる音声発生玩具が提案されている。これらの音声発生玩具では、読み込んだバーコードに対応した音声情報をメモリから読み出すことで 多種の音声情報を再生できるようにしていた。 【0003】しかし、このようなバーコードを用いた技術は、紙面上にバーコード印刷用の専用領域を確保しなければならず、かつバーコードは情報処理システムが読み取るためのものであり、絵本や書籍の読者にとっては目視でそのコード内容を把握しかね るものであったため、限られた紙面上にバーコードが印刷されていることは読者にとっては煩わしく絵本等書籍の製品価値を下げかねないものとなっていた。 【0004】さらに、上記のようにバーコード技術は、紙面上に印刷された文字、図形、記号に重ねて印刷することができないために、これらの文字、図形、記号等に対して音 声再生を行いたい場合に文字等の近傍にバーコードを印刷するしかなく、読者にと って直感的に文字等に別の音声情報等が付加されていることを伝えにくい特性を有していた。 【0005】この点について、特開平10-261059号公報に開示されている「ドットコード」技術では、ドットパターンで 字等に別の音声情報等が付加されていることを伝えにくい特性を有していた。 【0005】この点について、特開平10-261059号公報に開示されている「ドットコード」技術では、ドットパターンで印刷されたコード情報を読み取って情報を再生 させる方法が提案されている。 【0006】係る先行技術では、ブロック領域内のドットパターンの配置の仕方によってデータを定義するとともに、データドットパターンではあり得ないドットパターンでマーカを定義することにより、これを同期信号として機能させている。したがって、 この技術では、ドットを所定の法則で紙面の二次元方向に印刷したドットパターンをペン型のスキャナで読み取り、このスキャナの走査速度と走査方向を情報処理装置で解析して予め対応付けられた音声等の情報を再生させる方法となっている。 【0007】しかし、係るドットコード技術では、動的にスキャナを走査させることを前提と しているために、紙面に印刷された文字に沿って音声情報を再生することは可能であるものの、紙面上にキャラクタ等が自由に印刷配置された絵本等で静的に読取装置を当接させるだけで情報を再生させたいような用途には不向きであった。すなわち、このドットコード技術では意味のあるコード情報を取得するためにはXY座標上で一定の距離以上のスキャニングを実行する必要があるため、紙面上に印刷され た極小領域にドットコードを対応付けて印刷することはできなかった。 【特許文献1】特開平10-261059号公報【発明の開示】【発明が解決しようとする課題】【0008】 本発明は、極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパ ターンを提案し、係るドットパターンに基づいた情報再生 ようとする課題】【0008】 本発明は、極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパ ターンを提案し、係るドットパターンに基づいた情報再生方法および情報再生装置を提案するものである。 【課題を解決するための手段】【0009】本発明の請求項1は、媒体面上に形成され、且つデータ内容が定義できる情報ド ットが配置されたドットパターンであって、前記ドットパターンは、縦横方向に等間隔に設けられた格子線の交点である格子点を中心に、前記情報ドットを前記格子点の中心から等距離で45° ずつずらした方向のうちいずれかの方向に、どの程度ずらすかによってデータ内容を定義し、前記情報ドットが配置されて情報を表現する部分を囲むように、前記縦方向の所定の格子点間隔ごとに水平方向に引いた第 一方向ライン上と、該第一方向ラインと交差するように前記横方向の所定の格子点間隔ごとに垂直方向に引いた第二方向ライン上とにおいて、該縦横方向の複数の格子点上に格子ドットが配置されたことを特徴とするドットパターンである。 【0010】本発明の請求項2は、前記ドットパターンは、水平方向および/または垂直方向 に、複数繰り返されていることを特徴とする請求項1に記載のドットパターンである。 【0011】本発明の請求項3は、前記格子ドットの1つは、前記格子点からのずれ方によって一般コードまたはXY座標を示すフラグを意味していることを特徴とする請求項 1または2のいずれかに記載のドットパターンである。 【発明の効果】【0013】本発明によれば、極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパターンを提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 。 【発明の効果】【0013】本発明によれば、極小領域であってもコード情報やXY座標情報が定義可能なドットパターンを提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】・・・図2はドットパターンの一例を示す正面図である。・・・【0017】本発明のドットパターン601の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、音声情報を認識させるために微細なドット605を第一方向ライン603に所定の 規則に則って配列し、かつこの第一方向ライン603に交差するように配置した第二方向ライン604に所定の規則に則ってドット605を配列する。さらに、パソコン608内のメモリまたはカメラ602内に設けられたメモリにマッピングテーブルも生成する。この第一方向ライン603と第二方向ライン604とは90度の角度で交差させたものに限定されず、たとえば、60度の角度で交差させたもので もよい。 【0023】・・・図5から図8は他のドットパターンの一例を示す正面図である。 【0025】このドットパターンの認識では、先ず連続する等間隔のドット605により構成 されたラインを抽出し、その抽出したラインが正しいラインかどうかを判定する。 このラインが正しいラインでないときは別のラインを抽出する。 【0026】次に、抽出したラインの1つを水平ラインとする。この水平ラインを基準としてそこから垂直に延びるラインを抽出する。垂直ラインは、水平ラインを構成するド ットからスタートし、次の点もしくは3つ目の点がライン上にないことから上下方向を認識する。 【0027】最後に、情報領域を抽出してその情報を数値化し、この数値情報を再生する。 【0063】 本 トし、次の点もしくは3つ目の点がライン上にないことから上下方向を認識する。 【0027】最後に、情報領域を抽出してその情報を数値化し、この数値情報を再生する。 【0063】 本発明のドットパターン1の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、情 報を認識させるために微細なドット(キードット(KD)3a、格子ドット(LD)3b、情報ドット4)を所定の規則に則って配列する。・・・【0184】次に、本発明におけるドットパターンの仕様について図103~図106を用いて説明する。 【0185】ドットパターン部601は、図105に示すように、格子状に配置されたドットで構成されている。なお縦横方向の格子線はドットの配置位置を説明するためのものであり実際の印刷物上には存在しない。 【0186】 ここで、図105における4×45個の格子領域を1つのデータブロックまたは格子ブロックと呼び、この格子ブロック領域の四隅(格子線の交点(格子点)上)には格子ドットLDが配置されている。格子ドットLD同士の間隔は0.35mm~1.0mm、好ましくは0.5mm程度であることが最適である。また、ドットの直径は前記格子ドット間隔の8~10%程度であることが望ましい。 【0187】どの格子ブロック領域からどの格子ブロック領域までが1つのデータであるかを示すためにキードットKDを配置している。 【0188】キードットKDとは、格子ドットLDの位置をずらしたものである。すなわち、 格子ドットLDは本来格子点上に配置されているが、この位置をずらしてキードットKDを配置している。なお、キードットKDの格子点からのずれは約20%前後程度が好ましい。 【0189】前記キー 格子ドットLDは本来格子点上に配置されているが、この位置をずらしてキードットKDを配置している。なお、キードットKDの格子点からのずれは約20%前後程度が好ましい。 【0189】前記キードットKDに囲まれた領域、またはキードットKDを中心にした領域が 1つのデータを構成している。 【0190】このデータの並びは、図104に示すように、左上から下方向に向かって順番に配置されている。 【0191】データは、図103に示すように、ドット605を格子ブロック領域内の中心点 からどの程度ずらすかによってデータ内容が定義できるようになっている。同図では、中心から等距離で45度ずつそれぞれずらした点を8個定義することによって単一の格子ブロック領域で8通り、すなわち3ビットのデータを表現できるようになっている。なお、さらに中心点から距離を変更した点をさらに8個定義すれば16通り、すなわち4ビットのデータを表現できる。 【0192】本発明のドットパターンは、1個のデータブロックを構成する格子を自由に定義することができる点に特徴がある。つまり、前述のようにキードットKDがデータ領域の範囲を定義しているため、このキードットKDの配置を変更すれば任意の可変長の格子ブロック領域群をデータ格納領域として扱うことができるわけである。 【0193】また、本発明のドットパターンでは、キードットのずらし方を変更することにより、同一のドットパターン部であっても別の意味を持たせることができる。つまり、キードットKDは格子点からずらすことでキードットKDとして機能するものであるが、このずらし方を格子点から等距離で45度ずつずらすことにより8パターン のキードットを定義できる。 【0 り、キードットKDは格子点からずらすことでキードットKDとして機能するものであるが、このずらし方を格子点から等距離で45度ずつずらすことにより8パターン のキードットを定義できる。 【0194】ここで、ドットパターン部をC-MOS等の撮像手段で撮像した場合、当該撮像データは当該撮像手段のフレームバッファに記録されるが、このときもし撮像手段の位置が紙面の鉛直軸(撮影軸)を中心に回動された位置、すなわち撮影軸を中心 にして回動した位置(ずれた位置)にある場合には、撮像された格子ドットとキー ドットKDとの位置関係から撮像手段の撮像軸を中心にしたずれ(カメラの角度)がわかることになる。この原理を応用すれば、カメラで同じ領域を撮影しても角度という別次元のパラメータを持たせることができる。そのため、同じ位置の同じ領域を読み取っても角度毎に別の情報を出力させることができる。 【0195】 いわば、同一領域に角度パラメータによって階層的な情報を配置できることになる。 【0196】この原理を応用したものが図74、・・・に示すような例である。図74では、ミニフィギュア1101の底面に設けられたスキャナ部1105でこのミニフィギュ ア1101を台座上で45度ずつ回転させることでドットパターン部の読取り情報とともに異なる角度情報を得ることできるため、8通りの音声内容を出力させることができる。 【0197】本発明において、ダミードットDDを定義することができる。このダミードット DDは、4個の格子ドットLDの正中心に配置したドットである(図106(a)参照)。このようなダミードットは、マスク領域毎に境界を定義した絵本等に適している。図106(c)に示すようにmask1とmas は、4個の格子ドットLDの正中心に配置したドットである(図106(a)参照)。このようなダミードットは、マスク領域毎に境界を定義した絵本等に適している。図106(c)に示すようにmask1とmask2の領域の境界にダミードットDDを配置している。このようなマスク境界にダミードットDD領域を配置することにより、それぞれのマスク領域に定義されたコード情報を同時に読み取 ってしまうことを防止している。図106(d)はダミードットDDの配置状態を示した図である。 【0198】また、絵本等の背景部分については、格子ドットの中心にドットを配置しない空ドットを配置することが好ましい。空ドットは、情報が記録された通常のデータド ットに比べてドット数が少ないため、ドットパターンの目立たない印刷が可能とな る。また、空ドットの連続であるために、模様が生じにくく、単一色の背景に適している。 【0199】また、本発明では、本来撮影中心を含む1ブロック分のデータを解析する必要があるが、撮影中心の近傍の格子データ(情報データ)をブロックをまたがって読取 りデータとしてもよい。このような場合、本来の1ブロックから欠けている情報データに該当するデータを隣り合う他のブロックから読み込んで1ブロック分のデータに補完して入力を完了することができる。 【0200】XY座標を定義するドットパターンについては、撮影中心とは異なるブロックか らそれに相当するXY座標を構成する情報ドットを読み、補正をかけて撮影中心のXY座標値とすることができる。 【0201】本発明は、以上に説明したような、格子ドットを用いたドットパターンであるため、撮影条件にあまり左右されないという特性を有している。すなわち、撮影条件 標値とすることができる。 【0201】本発明は、以上に説明したような、格子ドットを用いたドットパターンであるため、撮影条件にあまり左右されないという特性を有している。すなわち、撮影条件 (カメラのレンズのひずみ、カメラの写す角度、紙の変形)によってドットパターン全体がひずみを起こした場合、4個の格子ドットで形成される形状と、情報ドットの位置のずれが同様に起きるため、格子ドットからの相対的な位置関係にかわりはなく、これら格子ドットを基準に補正計算を行えば、各情報ドット、キードットについての真の位置がわかる。 【0202】つまり、本発明の格子ドットを用いたドットパターンは歪みに強いといえる。 【図面の簡単な説明】【0300】【図2】ドットパターンの一例を示す正面図である。 【図5】他のドットパターンの一例を示す正面図である。 【図6】他のドットパターンの一例を示す正面図である。 【図7】他のドットパターンの一例を示す正面図である。 【図8】他のドットパターンの一例を示す正面図である。 【図74】実施形態の使用例を示す図である。 【図103】実施形態のドットパターンの仕様を説明した図(1)である。 【図104】実施形態のドットパターンの仕様を説明した図(2)である。 【図105】実施形態のドットパターンの仕様を説明した図(3)である。 【図106】実施形態のドットパターンの仕様を説明した図(4)である。 【符号の説明】【0301】 1、601 ドットパターン 3 キードット 4 情報ドット6、601、607、803、1122 ドットパターン部 603 第一方向 604 第二方向 605 ドッ キードット 情報ドット6、601、607、803、1122ドットパターン部 第一方向 第二方向 ドット

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