平成16(行コ)7 文書不開示処分取消請求控訴事件(原審・仙台地方裁判所平成13年(行ウ)第6号)

裁判年月日・裁判所
平成16年9月30日 仙台高等裁判所 情報公開
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判決文本文6,844 文字)

主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人が控訴人に対し平成13年5月2日付けでした別紙文書目録記載1の文書の明細欄及び同目録記載2の文書を開示しないとの処分を取り消す。 3 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 第2 事案の概要 1 事案の概要(争いのない事実等,争点,争点に関する当事者の主張,等)は,下記2のとおり削除,訂正,付加するほか,原判決の「事実及び理由」欄の「第2事案の概要」に記載されたとおり(原判決の1頁14行目から14頁10行目まで)であるから,これを引用する。 2(1) 原判決の別紙文書目録記載1の文書の表示のうち「の支払明細欄」を削り,2頁10行目の「支払議決書」を「支払決議書」と改め,2頁22行目の次に行を変えて次のとおり加える。 「 本件支払明細書のうち,開示された平成10年4月分の支払明細書は別紙「4月分調査活動費支払明細書」のとおりであり,それは別紙書式に従って作成されたものである。」(2) 原判決の6頁2・3行目,7頁24行目,8頁13行目及び10頁4行目の「当てられた」をいずれも「充てられた」と改め,10頁18行目の「調査対象者ら何らかの関係のある」を「調査対象者らと何らかの関係のある」と改め,12頁14行目の「取扱責任者」を「取扱者名」と改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,控訴人の本件請求を棄却すべきものと判断する。その理由は,下記2のとおり付加,訂正し,下記3に補充の判断を示すほか,原判決の「事実及び理由」欄の「第3 争点に対する判断」に記載されたとおり(原判決の14頁12行目から34頁19行目まで)であるから,これを引用する。 2(1) 原判決の15頁10行目冒頭の「 ほか,原判決の「事実及び理由」欄の「第3 争点に対する判断」に記載されたとおり(原判決の14頁12行目から34頁19行目まで)であるから,これを引用する。 2(1) 原判決の15頁10行目冒頭の「欠くこと」の次に「等によりその判断が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くこと」を加え,15頁25行目の「のであるとすれば,」の次に「本件文書には虚偽の情報が記録されていることになるから,」を加え,16頁9行目から14行目までを次のとおり改める。 「 しかして,4号該当性の有無が問題になる情報が行政文書中に複数ある場合に,一部の情報が不正支出に係るものであるときは,その情報に限って不開示事由がないに止まることになるから,原告においてこれを特定する必要があり,これが特定されないときは,本件文書中の全部又は相当数の情報が不正支出に係るものであることが認められない限り,本件文書の不開示処分について被告に裁量権の逸脱又は濫用があるとはいえないこととなる。」(2) 原判決の17頁13行目から18行目までを次のとおり改める。 「(イ) 調査活動費の簡易な計算証明の取扱い調査活動費のうち,事件その他の情報収集経費,事件等調査活動の経費,その他機密事案の経費の支出に関しては,その秘密保持の必要性が高いため,計算証明規則11条により,個々の支出に係る役務提供者等の請求書,領収書等につき毎月の会計検査院に対する提出が免除され,その代わり,①毎月支払明細書等を会計検査院に提出すること,②役務提供者等の請求書,領収書等の証拠書類は会計検査院から要求された場合にこれを提出できるよう証明責任者が保管することとされて,会計検査院から「簡易な計算証明」によることが承認されている(これが特例払である。)。」(3) 原判決の18頁25行目の「平成10年」を「平成8年」と改め,19 う証明責任者が保管することとされて,会計検査院から「簡易な計算証明」によることが承認されている(これが特例払である。)。」(3) 原判決の18頁25行目の「平成10年」を「平成8年」と改め,19頁9行目の末尾に「そして,仙台地検は,平成8年度に公安部が特別刑事部に公安事務課が特別刑事事務課にそれぞれ改編され,平成10年度に刑事資料課が特別刑事資料課に採証課が情報システム管理課にそれぞれ改編された。」を加え,19頁22・23行目を「合理化して減額していく一方,コンピューター関連の新規整備の予算を増額していった。」と改める。 (4) 原判決の23頁24行目の「各地検の次席検事や法務省の職員を集めた会議が開かれて,」を「管内各地検の次席検事や事務局長を集めた会議が開かれて(法務省から係官が出席),」と改め,24頁6行目の「高松地検次席検事を」の次に「,平成10年4月から平成11年7月まで名古屋高検総務部長を」を加え,24頁15・16行目の「見たことがないとするなど,重要部分については推測が多い。」を「見たことがないと供述しつつ,麻雀する場合はすぐ耳に入ってきますからわかりますとか,(裏金が使われていたと断言できる根拠を問われて)当時の事務局長が大分愚痴っていたからと供述するなど,支出に関する具体的な事実については伝聞や推測に基づく内容が多く見受けられる。」と改め,25頁7行目の「全体的に推測に基づく」を「全体的に伝聞ないし推測に基づく」と改め,26頁16行目の「協力依頼文」の前に「平成5年4月27日付け」を加え,26頁20行目の「庶務課長」を「総務課長」と改め,28頁11行目の「情報収集が重要性」を「情報収集の重要性」と改め,28頁12行目の「外部協力者からの情報収集よりも」を「調査活動費を合理化して」と改め,28頁17行目の「調査活動 務課長」と改め,28頁11行目の「情報収集が重要性」を「情報収集の重要性」と改め,28頁12行目の「外部協力者からの情報収集よりも」を「調査活動費を合理化して」と改め,28頁17行目の「調査活動費」を「調査活動費の全額」と改める。 (5) 原判決の29頁22行目の「全国一律に調査活動費の不正流用が行われ」を「全国一律に調査活動費の全額につき不正流用が行われ」と改め,29頁24行目の「本件調査活動費の不正流用」を「本件調査活動費の全額が不正に流用されたこと」と改め,31頁3行目から8行目までを次のとおり改める。 「 そして,仮に,本件文書中に調査活動費の不正流用に係る情報が一部含まれている疑いがあるとしても,本件全証拠によっても,どの情報がそれに当たるのかを区別して特定することはできないから,本件調査活動費が全額又は相当額不正流用されたことが認められない以上,全体として本件文書には実際に調査活動に使用された金員の支払に関する情報が記録されていないということはできないことになる。」(6) 原判決の32頁17行目の「会計検査院に対する証明」を「会計検査院に対する計算証明」と改め,32頁18行目の「生命身体の確保」を「生命身体の安全確保」と改め,32頁18行目の「調査受託者」を「役務提供者」と改め,32頁20行目の「取扱責任者が保管する「簡易な証明方法」」を「証明責任者が保管する「簡易な計算証明」」と改め,33頁8行目の「したがって,」の次に「後記3で述べるとおり,」を加える。 (7) 原判決の33頁25・26行目の「部分開示を認めるべきか否かを論ずるのは相当でない。」を「情報公開法6条1項に基づく部分開示を認めることはできないものである。」と改め,34頁10行目の「本件文書」から13行目の「なるのであるから」までを「情報公開法でいう1個の情 のは相当でない。」を「情報公開法6条1項に基づく部分開示を認めることはできないものである。」と改め,34頁10行目の「本件文書」から13行目の「なるのであるから」までを「情報公開法でいう1個の情報の範囲を原告主張のようにとらえることは情報公開法6条1項と2項の文理に反するものであるから」と改め,34頁17行目から19行目にかけての「4号該当性が認められるのであるから,情報公開法6条2項を適用する余地はない」を「4号に該当するものとして不開示が相当であると判断されたのであるから,本件文書が1号に該当するか否か(争点(3))につき判断する必要性が認められない本件においては,1号に該当する情報について部分開示を規定している情報公開法6条2項の適用を論ずる余地はない」と改める。 3 補充の判断(1) 争点(1)(4号該当性を争う訴訟における審理,判断の方法と主張立証責任)についてア控訴人は,「行政機関の長の第一次的な判断を尊重するとしても,行政機関の長の判断が裁量権を逸脱し又は濫用したときに限り不開示処分を取り消すことができるとするのは,原則公開例外非公開の理念に照らして,行過ぎであり,行政機関の長の判断に合理的な疑問があれば,たとえ裁量権の逸脱又は濫用とまではいえない場合であっても,4号の「相当の理由」がないものとして不開示処分を取り消すべきである。」旨を主張する。 しかし,4号は「公にすることにより,犯罪の予防,鎮圧又は捜査,公訴の維持,刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」を不開示情報と規定して,行政機関の長に広く裁量権を認め,その第一次的判断を尊重しているから,行政機関の長の判断が裁量権を逸脱し又は濫用したと認められる場合に限って不開示処分を取り 理由がある情報」を不開示情報と規定して,行政機関の長に広く裁量権を認め,その第一次的判断を尊重しているから,行政機関の長の判断が裁量権を逸脱し又は濫用したと認められる場合に限って不開示処分を取り消すべきものである。控訴人の上記主張は採用することができない。 イ控訴人は,「4号の「相当の理由」が存在することの主張立証責任は行政機関の長が負うべきである。」旨を主張する。 しかし,この点については,原判決が説示するように(原判決の14頁~15頁),まず,行政機関の長において,当該情報が同号所定のおそれがあると判断し得る情報であることを主張立証し,次いで,これが立証された場合には,控訴人において,行政機関の長の判断の基礎とされた重要な事実に誤認があること等によりその判断が全く事実の基礎を欠くか又は事実に対する評価が明白に合理性を欠くこと等によりその判断が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかであることを主張立証すべきものと解するのが相当であるから,控訴人のこの点の主張も採用することができない。 (2) 争点(2)(本件文書の4号該当性)についてア控訴人は,「仙台地検における平成10年度の調査活動費(本件調査活動費)の支出はそのすべてが不正支出であった。」旨を主張する。 しかし,原判決が認定説示するとおり(原判決の17頁~31頁),本件全証拠によるも,本件調査活動費の支出の全部が不正支出であったとは認められないのであり,また,本件調査活動費の支出中に不正支出があったとも認め難いのであり,やはり,本件証拠上は,本件調査活動費の支出中に不正支出があったものと疑う余地がないではないという程度にとどまるものというべきである。控訴人の上記主張も採用することができない。 イ控訴人は,「少なくとも,本件調査活動費の支出のうち相当数は不正支出であ があったものと疑う余地がないではないという程度にとどまるものというべきである。控訴人の上記主張も採用することができない。 イ控訴人は,「少なくとも,本件調査活動費の支出のうち相当数は不正支出であったから,本件調査活動費の支出に不正支出が全くないことを前提として本件文書に記録されたすべての情報を不開示とした被控訴人の判断は,全く事実の基礎を欠くものであり,また,この判断はこの不正支出を隠ぺいするという不正な目的をもってなされたのであるから,本件文書に記録されたすべての情報について,裁量権の逸脱又は濫用があったものというべきである。この場合において,開示された本件文書の中に正規の支出に係る情報(不開示情報)があったとしても,それは,被控訴人が開示すべき情報をことさら隠ぺいした結果であるから,その不利益は被控訴人が甘受すべきものである。」旨を主張する。 しかしながら,本件全証拠によるも本件調査活動費の支出のうちの相当数が不正支出であったとは認められないことは,上記説示のとおりであるから,控訴人の主張はその前提を欠くものである。 仮にこの点をしばらくおき,本件調査活動費の支出の一部に不正支出があり,そのために本件文書に記録された情報の一部が虚偽記載であるとしても,控訴人においてどの調査活動費の支出が不正支出であるかあるいはどの情報が虚偽記載であるかを他と区別して特定することができないのであり,また,本件全証拠によってもその特定はできないのであるから,そうとすれば,本件調査活動費の支出の全部又は相当数が不正支出であるとの立証がなされない以上(そのような立証はなされていない。),本件文書に記録されたすべての情報についてこれを不開示とすることはやむを得ないものというべきであり,それが裁量権の逸脱又は濫用に当たるものとはいえないというべきである うな立証はなされていない。),本件文書に記録されたすべての情報についてこれを不開示とすることはやむを得ないものというべきであり,それが裁量権の逸脱又は濫用に当たるものとはいえないというべきである。控訴人の上記主張も採用することができない。 ウ控訴人は,「被控訴人において,本件文書(本件支払明細書及び本件領収書)に記録されている個々の支払及び受領についての情報を公にすると,調査対象者又は一般人が入手できる情報と照合,分析されることにより,仙台地検の調査活動の内容,対象,目的及びその協力者が推認され,調査活動に対する妨害,罪証隠滅工作等が行われたり,協力者に危害が加えられたりして,今後の調査活動が阻害され,ひいては検察権の適切な行使が妨げられるおそれがあると判断したことは,明白な合理性を欠くものである。」旨を主張する。 しかし,この点についても,原判決が説示するとおりであって(原判決31頁~32頁),本件文書を開示することにより今後の仙台地検の調査活動が阻害されひいては検察権の適切な行使が妨げられるおそれがあると認められるから,被控訴人の上記判断が明白な合理性を欠いているということはできない。 (3) 争点(4)(部分開示の要否)について控訴人は,「いわゆる「独立した一体的な情報」論は,一個の情報の範囲が極めてあいまいであって,誤りである。本件支払明細書の明細欄に記録された情報については,調査活動費の支出が行われた年月日,金額,目的,取扱者名等というように重層的にとらえることができ,本件領収書についても,受領年月日,受領金額,受領者の氏名(印影を含む。)というように重層的にとらえることができるから,本件文書については,開示することが適当でないと認められるひとまとまりをもって不開示情報の単位を画すべきであり,その余の部分については,情報 影を含む。)というように重層的にとらえることができるから,本件文書については,開示することが適当でないと認められるひとまとまりをもって不開示情報の単位を画すべきであり,その余の部分については,情報公開法6条1項により部分開示されるべきものである。」旨を主張する。 しかしながら,この点についても,原判決が説示するとおり(原判決の33頁~34頁),本件支払明細書の明細欄の記録内容は,調査活動費の個々の支出ごとに,その支払年月日,支払金額,使用目的,取扱者名及び備考の各記述が一体となって独立した一個の情報とみるべきであり,本件領収書の記録内容も,調査活動費の個々の受領ごとに,その受領年月日,受領金額,受領者の氏名(印影を含む。)の各記述が一体となって独立した一個の情報とみるべきであって,これらの記述を細分化するのは相当でないから,控訴人の上記主張も採用することができない。 第4 結論よって,控訴人の本件請求を棄却した原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 仙台高等裁判所第2民事部裁判長裁判官原田敏章裁判官鈴木陽一裁判官中村恭(別紙)文書目録 1 仙台地方検察庁の平成10年度分(平成10年4月から平成11年3月まで)の調査活動費支払明細書 2 仙台地方検察庁の平成10年度分(平成10年4月から平成11年3月まで)の調査活動費の個々の支払に関する領収書

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