昭和50(行コ)9 所得税更正処分等取消請求控訴事件(原審・広島地方裁判所昭和44年(行ウ)第12号)

裁判年月日・裁判所
昭和63年5月30日 広島高等裁判所 租税
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判決文本文32,230 文字)

- 1 -○ 主文 本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。○ 事実 第一申立一控訴人原判決を取り消す。被控訴人が控訴人の昭和三九年分所得税についてした昭和四三年三月四日付更正及び過少(、)、申告加算税の賦課決定但し広島国税局長の審査裁決による一部取消後のもののうち所得金額六一万六八六七円を超える部分を取り消す。訴訟費用は、原審及び当審とも、被控訴人の負担とする。二被控訴人主文同旨第二主張一請求原因 更正及び決定被控訴人は、昭和四三年三月四日、控訴人の昭和三九年分の所得及び税額等について、別紙所得一覧表B欄のとおり更正及び過少申告加算税の賦課決定(以下「本件更正決定」という)をした。審査裁決控訴人は、昭和四三年四月四日、被控訴人に対し、本件更正決定について異議申立をしたところ、これが広島国税局長に対する審査請求とみなされ、同局長は、別紙所得一覧表C欄のとおり右更正決定を一部取り消す旨の審査裁決(以下「本件裁決」という)をした。違法事由本件更正決定は、控訴人の不動産の譲渡所得の認定に際して租税特別措置法(昭和三九年法律第二四号の改正によるもの、以下「措置法」という)三八条の六の適用を誤り、控訴人の所得金額について、金六一万六八六七円を超える部分において過大に認定し、これを前提にしているから、違法である。結論 よつて、控訴人は、本件更正決定(但し、本件裁決による一部取消後のもの)のうち、所得金額六一万六八六七円を超える部分の取消を求める。二請求原因に対する認否請求原因1、2は認め、同3は争う。三抗弁 確定申告控訴人は、被控訴人に対し、昭和三九年分の所得及び税額等について、別紙所得一覧表A欄のとおり確定申告(以下「本件確定申告」という)をした。譲渡所得(一) 、同3は争う。三抗弁 確定申告控訴人は、被控訴人に対し、昭和三九年分の所得及び税額等について、別紙所得一覧表A欄のとおり確定申告(以下「本件確定申告」という)をした。 を求める。二請求原因に対する認否請求原因1、2は認め、同3は争う。三抗弁 確定申告控訴人は、被控訴人に対し、昭和三九年分の所得及び税額等について、別紙所得一覧表A欄のとおり確定申告(以下「本件確定申告」という)をした。譲渡所得(一) 、同3は争う。三抗弁 確定申告控訴人は、被控訴人に対し、昭和三九年分の所得及び税額等について、別紙所得一覧表A欄のとおり確定申告(以下「本件確定申告」という)をした。譲渡所得(一)譲渡資産控訴人は、昭和三九年五月六日、鹿島建設株式会社に対し、居住の用に供していた広島市- 2 -<地名略>宅地五九・四〇坪(以下「本件一土地」という)を代金五九一〇万三〇〇〇円、(「」)で事業の用に供していた同所<地名略>宅地四八・五一坪以下本件二上地というを代金四八五一万円でそれぞれ売り渡し、その必要経費として、前者について金九〇二万九六〇四円を、後者について金六三万六四六一円をそれぞれ要し、さらに、控訴人は、同年一一月一二日、Aに対し、広島市<地名略>宅地及び同所<地名略>宅地合計一一七坪を代金五二六万五〇〇〇円で売り渡し、その必要経費として金五〇九万九三〇〇円を要した。(二)買換資産被控訴人は「控訴人は、居住用買換資産として、昭和三九年一〇月二〇日、Bから、別、紙買換資産表番号5の資産(以下「本件5資産」という)を代金六三七万六七八〇円で取得し、事業用買換資産として、昭和四〇年一月二六日日本銀行広島支店から別紙買換資産表番号7の資産(以下「本件7資産」という)を代金四四九万六五一九円で、同年一一月Cに建築注文して同表番号8の資産(以下「本件8資産」という)を代金三七四万三六八〇円で、同年九月七日Dから同表番号16の資産(以下「本件16資産」という)のうち同表番号17の資産(以下「本件17資産」という)の敷地部分九八・五一坪の持分二分の一を代金二四九万八九一〇円で、同年八月三〇日Cに建築注文して本件17資産を代金一八一万八〇二九円で、それぞれ取得し、右事業用買換資産の取得価額合計額は金一二五五万七一三九円に ・五一坪の持分二分の一を代金二四九万八九一〇円で、同年八月三〇日Cに建築注文して本件17資産を代金一八一万八〇二九円で、それぞれ取得し、右事業用買換資産の取得価額合計額は金一二五五万七一三九円に達した」ものと認定した。。(三)譲渡所得金額(1)主位前記(一(二)により、譲渡所得の金額は、別紙計算表一のとおり金三九九一万六六)、八六円となる。 事業用買換資産の取得価額合計額は金一二五五万七一三九円に ・五一坪の持分二分の一を代金二四九万八九一〇円で、同年八月三〇日Cに建築注文して本件17資産を代金一八一万八〇二九円で、それぞれ取得し、右事業用買換資産の取得価額合計額は金一二五五万七一三九円に達した」ものと認定した。。(三)譲渡所得金額(1)主位前記(一(二)により、譲渡所得の金額は、別紙計算表一のとおり金三九九一万六六)、八六円となる。(2)予備仮に、本件一土地のうち居住用部分二・五七坪を除く五六・八三坪の部分(譲渡価額金五六五三万三〇〇〇円)が事業の用に供されていたとしても、譲渡所得の金額は、別紙計算表二のとおり金四二一七万五三三九円となる。適法性、、、(、前記20のとおり譲渡所得の金額は主位予備のいずれにしても本件更正決定但し本件裁決による一部取消後のもの)における譲渡所得の金額二二一五万三七六五円を上回るから、その範囲内でなされた右更正決定(同)は適法である。四抗弁に対する認否抗弁1は認める。抗弁2(一)のうち、控訴人が本件一土地のうち五六・八三坪を居住の用に供していたとの点は争い、その余は認める。()。、、、、抗弁2二は認めるなお控訴人は事業用買換資産として昭和四〇年一月二六日日本銀行広島支店から、本件7資産を代金四四九万六五一九円で取得したものであるが、被控訴人認定のうちその余の点は争う。抗弁2(三、3は争う。)- 3 -五再抗弁 譲渡資産の事業供用控訴人は、前記譲渡の当時、本件一土地のうち五六・八三坪を事業の用に供していた。買換資産の取得(一)居住用控訴人は、本件一土地のうち居住用部分二・五七坪を譲渡し、その買換資産として、昭和三九年一〇月二〇日、Bから、被控訴人が自認する本件5資産のほかに別紙買換資産表番号6の資産( の取得(一)居住用控訴人は、本件一土地のうち居住用部分二・五七坪を譲渡し、その買換資産として、昭和三九年一〇月二〇日、Bから、被控訴人が自認する本件5資産のほかに別紙買換資産表番号6の資産(以下「本件6資産」という)を代金合計九三三万九六〇〇円で取得し、同月三〇日居住の用に供した。(二)事業用控訴人は、本件一土地のうちの事業用部分五六・八三坪及び本件二土地を譲渡し、事業用の買換資産として、次のとおり各資産を合計代金一億一三九八万九六一一円で取得し、事業の用に供した。なお、控訴人は、被控訴人に対し、昭和三九年中に取得できなかつた買換資産について、翌年中に買換資産の取得の見込であり、かつ右取得後一年以内に事業供、。 代金合計九三三万九六〇〇円で取得し、同月三〇日居住の用に供した。(二)事業用控訴人は、本件一土地のうちの事業用部分五六・八三坪及び本件二土地を譲渡し、事業用の買換資産として、次のとおり各資産を合計代金一億一三九八万九六一一円で取得し、事業の用に供した。なお、控訴人は、被控訴人に対し、昭和三九年中に取得できなかつた買換資産について、翌年中に買換資産の取得の見込であり、かつ右取得後一年以内に事業供、。用の見込である旨の措置法三八条の六第三項所定の期間延長申請をしその承認を受けた(1)資産本件7資産取得昭和四〇年一月二六日取得先日本銀行広島支店代金金四四九万六五一九円事業供用昭和四〇年一二月(2)資産別紙買換資産表番号2の資産(以下「本件2資産」という)取得昭和三九年七月二一日取得先E代金金八三一万五五九〇円事業供用昭和三九年八月二七日()、(「、」) 資産別紙買換資産表番号34の資産以下本件34資産という取得昭和四〇年一二月一四日取得先株式会社平和オフイス代金金三二〇万円事業供用昭和四一年四月(4)資産本件8資産取得昭和四〇年一一月建築注文先元請人F下請人国保工務店代金金五三二万三六八〇円事業供用昭和四〇年一二月(5)資産別紙買換資産表番号9の資産(以下「本件9資産」という)取得昭和四〇年六月二五日取得先G他二名- 4 -代金金一五〇万円事業供用昭和四〇年一二月二七日(6)資産別紙買換資産表 産別紙買換資産表番号9の資産(以下「本件9資産」という)取得昭和四〇年六月二五日取得先G他二名- 4 -代金金一五〇万円事業供用昭和四〇年一二月二七日(6)資産別紙買換資産表番号10の資産(以下「本件10資産」という)取得昭和四〇年一二月一〇日建築注文先F代金金三六七万四八〇五円事業供用昭和四〇年一二月二七日(7)資産別紙買換資産表番号11の資産(以下「本件11資産」という)取得昭和四〇年八月一三日取得先H代金金一八三〇万七〇〇〇円事業供用昭和四一年一二月(8)資産別紙買換資産表番号12の資産(以下「本件代資産」という)取得昭和三九年一二月九日取得先H代金金二七九万五一〇五円事業供用昭和四〇年三月(9)資産別紙買換資産表番号13の資産(以下「本件13資産」という)取得昭和四一年一〇月三〇日建築注文先野村建設株式会社代金金四二二〇万九三〇〇円事業供用昭和四一年一二月(10)資産別紙買換資産表番号14の資産(以下「本件14資産」という)取得昭和四〇年六月二〇日取得先I代金金一〇〇万円事業供用昭和四〇年九月三〇日資産別紙買換資産表番号15の資産(以下「本件15資産」という)取得昭和四〇年九月三〇日取得先J代金金五三〇万〇六九〇円事業供用昭和四〇年九月三〇日(12)資産本件16資産取得昭和四〇年九月七日取得先D代金金六三六万九七二〇円事業供用昭和四〇年九月二〇日(13)資産本件17資産取得昭和四〇年八月三〇日- 5 -建築往文先元請人F下請人国保工務店代金金三〇九万七二〇二円事業供用昭和四〇年九月二〇日(14)資産別紙買換資産表番号18の資産(以下「本件18資産」という)取得 〇年九月三〇日取得先J代金金五三〇万〇六九〇円事業供用昭和四〇年九月三〇日(12)資産本件16資産取得昭和四〇年九月七日取得先D代金金六三六万九七二〇円事業供用昭和四〇年九月二〇日(13)資産本件17資産取得昭和四〇年八月三〇日- 5 -建築往文先元請人F下請人国保工務店代金金三〇九万七二〇二円事業供用昭和四〇年九月二〇日(14)資産別紙買換資産表番号18の資産(以下「本件18資産」という)取得 〇日- 5 -建築往文先元請人F下請人国保工務店代金金三〇九万七二〇二円事業供用昭和四〇年九月二〇日(14)資産別紙買換資産表番号18の資産(以下「本件18資産」という)取得昭和四〇年四月二〇日取得先西部通商株式会社代金金二七八万八〇〇〇円事業供用昭和四〇年四月二〇日(15)資産別紙買換資産表番号19、20の資産(以下「本件19、20資産」という)取得昭和四〇年九月一五日取得先漢和製薬株式会社代金金二六一万一〇〇〇円事業供用昭和四〇年九月一五日(16)資産別紙買換資産表番号21の資産(以下「本件21資産」という)取得昭和四〇年一二月二五日取得先K代金金三〇〇万一〇〇〇円事業供用昭和四〇年一二月二五日なお、本件13資産について、その取得及び事業供用が昭和四一年となつたのは、当初昭和四〇年中に新築完成の予定であつたものが、やむを得ない敷地の一部引渡遅延のため、同年一二月二〇日ようやく建築着工の運びとなつたことに起因するところ、この件に関して、控訴人は、同年一一月ころ、被控訴人に対し、措置法三八条の六第三項かつこ内所定の期間延長承認申請をし、被控訴人はその承認をした。仮に被控訴人が明示的には右承認をしなかつたとしても、同条項所定の買換資産の承認は、所轄税務署長の裁量権に属することであるから、被控訴人が、控訴人の右期間延長承認申請に対し、承認しない旨の通知をせず、右資産に関して同法三八条の七第三項所定の更正もしなかつた経過からすれば、右承認があつたものとみなすべきである。時機に後れた攻撃防御方法等仮に本件2ないし4、6、8ないし21資産の全部又は一部が買換資産に当たらないとしても、いまさら被控訴人がその旨の主張をすることが許されないことは次のとおりである。控訴人が本件 れた攻撃防御方法等仮に本件2ないし4、6、8ないし21資産の全部又は一部が買換資産に当たらないとしても、いまさら被控訴人がその旨の主張をすることが許されないことは次のとおりである。 みなすべきである。時機に後れた攻撃防御方法等仮に本件2ないし4、6、8ないし21資産の全部又は一部が買換資産に当たらないとしても、いまさら被控訴人がその旨の主張をすることが許されないことは次のとおりである。控訴人が本件 れた攻撃防御方法等仮に本件2ないし4、6、8ないし21資産の全部又は一部が買換資産に当たらないとしても、いまさら被控訴人がその旨の主張をすることが許されないことは次のとおりである。控訴人が本件更正決定に異議を申し立て、その取消を求めて本訴を提起したのは、右更正決定には、譲渡した本件一土地を事業の用に供している資産と認定しなかつた点に違法があつたから、その是正を求めるためであつた。被控訴人は、当初滞納処分の段階では、本件10、15資産について、控訴人の資産であることを認めてこれを差し押さえるなどしていたうえ、右異議及び本訴原審の段階では、専ら右一土地の事業供用性を争い、本件2ないし21資産が事業用又は居住用の買換資産であることについては、すべてこれを認めてなんら争つていなかつた。ところが、被控訴人は、本訴当審に至り、控訴人の主張立証- 6 -の結果、右一土地の事業供用性を認めざるを得なくなつたためか、従来の態度を覆し、右2ないし21資産のうち、5、7資産を除くその余の資産について、買換資産であることを争うに至つた。このような被控訴人の態度は、控訴人が譲渡した本件一土地の事業供用性の存否に関する判定を誤つたため取り消されるべき違法な本件更正決定について、従来全く争いになつていなかつた買換資産該当性認定の問題を持ち出すことによつて、これを適法化し維持しようとするものであり、実質的には国税通則法七〇条一項の制限期間三年を経過した後における右更正決定の更正にほかならないところ、控訴人は、もはや更正された更正及び賦課決定に異議の申立をすることもできず、税法上の不服申立権を不当に剥奪されることとなるから、いまさら被控訴人が買換資産該当性について争うことは、手続の公正を害し、また、時機に後れた攻撃防御方法として、許されない。また、被控訴人は、当 、税法上の不服申立権を不当に剥奪されることとなるから、いまさら被控訴人が買換資産該当性について争うことは、手続の公正を害し、また、時機に後れた攻撃防御方法として、許されない。また、被控訴人は、当審において買換資産該当性の認否を覆すに先立ち、国税局訟務官室所属の職員に調査を実施させたが、右職員に調査権を認める法的根拠はなく、また、右は国税通則法二四条により税務署長が更正前に行なう調査にも当たらないところ、被控訴人が本件更正決定後訴訟継続中なされた法的根拠のない右調査結果を踏まえて本件更正決定の正当性を維持防御しようとすることは、税法上の調査の趣旨にも反し、許されない。 。また、被控訴人は、当審において買換資産該当性の認否を覆すに先立ち、国税局訟務官室所属の職員に調査を実施させたが、右職員に調査権を認める法的根拠はなく、また、右は国税通則法二四条により税務署長が更正前に行なう調査にも当たらないところ、被控訴人が本件更正決定後訴訟継続中なされた法的根拠のない右調査結果を踏まえて本件更正決定の正当性を維持防御しようとすることは、税法上の調査の趣旨にも反し、許されない。六再抗弁に対する認否再抗弁1は争う。再抗弁2(一)のうち、控訴人が、昭和三九年一〇月二〇日、Bから、本件5資産を取得し、同月三〇日居住の用に供したことは認めるが、その余は争う。再抗弁2(二)の冒頭の事実のうち、控訴人が、被控訴人に対し、昭和三九年中に取得できなかつた買換資産について、翌年中に買換資産の取得の見込であり、かつ右取得後一年以内に事業供用の見込である旨の措置法三八条の六第三項所定の期間延長申請をし、その承認を受けたことは認めるが、その余は争う。控訴人が事業用買換資産として、再抗弁2(二(1(9)のとおり各資産を取得した))、ことは認めるが、同2(二)ないし(8(10(11(13)ないし(16、末、)、)、)、、)尾のなお書は争う。再抗弁2(二(12)のうち、事業供用は争い、その余は認める。)再抗弁3は争う。被控訴人が控訴人に対する滞納処分として本件10、15資産を差し押さえたのは、右各資産について、控訴人が脱税目的で真実の所有者に依頼するなどして事実に反する保存登記を経由していたのを、当時真実の登記と信頼していたためであり、 納処分として本件10、15資産を差し押さえたのは、右各資産について、控訴人が脱税目的で真実の所有者に依頼するなどして事実に反する保存登記を経由していたのを、当時真実の登記と信頼していたためであり、右差押の事実は、本件更正決定をなんら違法とするものではない。課税処分の取消訴訟において、処分の実体的違法が争われているときに、審理の対象となるのは、実体的処分要件である所得の存否であり、処分庁は、処分当時把握していた所得に限らず、その後に得た資料によつて認識した所得であつても、訴訟の経過に応じて随時新たにこれを主張することができるものであるから、本訴において、買換資産についての- 7 -被控訴人の主張に変動があつたとしても、これをもつて争点のすりかえとすることはできず、実質的に新たな更正及び賦課決定がなされたということもできない。 となるのは、実体的処分要件である所得の存否であり、処分庁は、処分当時把握していた所得に限らず、その後に得た資料によつて認識した所得であつても、訴訟の経過に応じて随時新たにこれを主張することができるものであるから、本訴において、買換資産についての- 7 -被控訴人の主張に変動があつたとしても、これをもつて争点のすりかえとすることはできず、実質的に新たな更正及び賦課決定がなされたということもできない。従つて、国税通則法七〇条一項の三年の期間制限違反の問題は生じないし、また、控訴人の税法上の不服申立権が不当に剥奪されたものともいえない。国税局訟務官室所属の職員には、所得税法二三四条及び大蔵省組織規程一二四条の五により、税務調査権及び質問検査権があり、また、民事訴訟規則四条により、被控訴人には本件更正決定に関する主張立証を尽くす義務があり、そのために右職員が事実関係の調査をするのは、当然のことである。第三証拠(省略)○ 理由 一更正及び決定請求原因1は当事者間に争いがない。二審査裁決請求原因2は当事者間に争いがない。三確定申告抗弁1は当事者間に争いがない。四譲渡所得 譲渡資産抗弁2(一)は、控訴人が本件一土地のうち五六・八三坪を居住の用に供していたとの点を除いて、当事者間に争いがない。右争いのない事実に加えて、成立に争いのない甲第五、第一四、第一五号証、乙第一号証の一ないし七、第二ない 人が本件一土地のうち五六・八三坪を居住の用に供していたとの点を除いて、当事者間に争いがない。右争いのない事実に加えて、成立に争いのない甲第五、第一四、第一五号証、乙第一号証の一ないし七、第二ないし第四号証、第六、第一一、第一二、第一四号証、弁論の全趣旨により成立の認められる乙第五号証、原審証人L(一部、同M(同、同N、同O、同))P、同Q、同R(同、同S(同、同T(同、同Uの各証言及び弁論の全趣旨によれば、次)))の事実が認められる。控訴人は、自動二輪車の修理販売等を業とする広島ウエスタンオート株式会社(以下「広島ウエスタン」という)に対し、昭和二八年一二月一日以来、控訴人所有の本件一土地上に存在する広島市<地名略>家屋番号同町四三番木造瓦葺平家建事務所床面積一七坪五〇、付属建物符号一木造扮葺平家建物置一五坪〇〇、符号二木造扮葺平家建工場二六坪〇〇のうちの付属建物部分(以下「本件一建物」という)を、隣接する控訴人所有の本件二上地の地上建物等とともに、一体として右会社の営業用に賃貸し、右会社は、本件一建物を修理工場及び倉庫等として使用していた。 年一二月一日以来、控訴人所有の本件一土地上に存在する広島市<地名略>家屋番号同町四三番木造瓦葺平家建事務所床面積一七坪五〇、付属建物符号一木造扮葺平家建物置一五坪〇〇、符号二木造扮葺平家建工場二六坪〇〇のうちの付属建物部分(以下「本件一建物」という)を、隣接する控訴人所有の本件二上地の地上建物等とともに、一体として右会社の営業用に賃貸し、右会社は、本件一建物を修理工場及び倉庫等として使用していた。なお、隣接地上に存在する控訴人が所有し居住する建物の一部二・五七坪が、本件一土地上にはみ出していたため、本件一建物の敷地部分は五六・八三坪となつていた。昭和三七年一月二一日、本件一建物は、広島ウエスタンの従業員の失火により、主柱等を残してほぼ全焼した。このため、控訴人は、広島ウエスタンに対し、本件一土地のうち右- 8 -建物の敷地部分の明渡とともに、右火災による損害の賠償等を求めたところ、右会社は、右建物が全焼しておらず、その賃借権が存続しているなどと主張して、従来どおりの使用を求めるなどし、双方とも譲らなかつたため紛糾を生じ、控訴人が、右土地の周辺に板塀を廻らしたうえ、昭和三 、右会社は、右建物が全焼しておらず、その賃借権が存続しているなどと主張して、従来どおりの使用を求めるなどし、双方とも譲らなかつたため紛糾を生じ、控訴人が、右土地の周辺に板塀を廻らしたうえ、昭和三七年一〇月下旬には、右会社に対し、右土地の立ち入り使用を禁止する旨通告するに至つたことから、これに対抗して、右会社が、同月二九日、控訴人らを被申請人として、広島地方裁判所に対し、右建物の賃借権の存続を理由に、控訴人らの右土地への立ち入り禁止を求める仮処分申請をし、同月三〇日、その旨の仮処分決定が出、、、、。されると今度は控訴人がこれに異議申し立てをするなどして紛争が継続していたところが、広島ウエスタンは、右仮処分異議事件の進行とともに、その敗訴の見通しが濃厚となつてきたため、昭和三八年六月ころ、控訴人と話し合い、本件一建物の賃借権の存続についての従来の主張を撤回し、控訴人に対して前記火災による損害賠償金六〇万円を支払う旨の示談をし、同月中に前記仮処分申請を取り下げる旨の手続をとり、同年一〇月には、双方間に、右建物を除く他の賃貸借建物の賃料について、これを増額する旨の新たな合意が成立した。以後、控訴人は、本件一建物が取り払われて空き地となつた本件一土地の右建物敷地部分の全部を占有し管理するようになつたが、従来と同様右敷地部分を利用して賃料収入を得るため、広島市の中心的繁華街に位置する場所柄から、近く賃貸用ビルの建築などを予定していたところ、昭和三九年になつて、周辺土地の買取りを進めていた鹿島建設株式会社から、右土地買取りの申入れを受けてこれに応じ、前記隣接地上建物のうち本件一土地上にはみ出していた部分を取り払つたうえ、同年五月六日、右会社に対し、本件二土地等とともに、本件一土地を売り渡した。 たが、従来と同様右敷地部分を利用して賃料収入を得るため、広島市の中心的繁華街に位置する場所柄から、近く賃貸用ビルの建築などを予定していたところ、昭和三九年になつて、周辺土地の買取りを進めていた鹿島建設株式会社から、右土地買取りの申入れを受けてこれに応じ、前記隣接地上建物のうち本件一土地上にはみ出していた部分を取り払つたうえ、同年五月六日、右会社に対し、本件二土地等とともに、本件一土地を売り渡した。なお、右一土地の売渡代金の内訳は、右 てこれに応じ、前記隣接地上建物のうち本件一土地上にはみ出していた部分を取り払つたうえ、同年五月六日、右会社に対し、本件二土地等とともに、本件一土地を売り渡した。なお、右一土地の売渡代金の内訳は、右建物敷地部分二・五七坪が金二五七万円、本件一建物敷地部分五六・八三坪が金五六五三万三〇〇〇円であつた。以上のとおり認められ、原審証人L、同M、同R、原審当審証人S及び同Tの各証言中、右認定に反する部分は容易に信用できず、他に右認定を左右する証拠はない。ところで、措置法三八条の六第一項の譲渡資産といいうるための要件である「事業(事業に準ずるものとして政令-租税特別措置法施行令(昭和三八年政令第九八号の改正によるもの)二五条の六第一項-で定めるものを含む)の用に供しているもの」とは、譲渡の当時、現に事業の用に供している資産だけでなく、たまたま現に事業の用に供していなくても、事業の用に供する意図の下に所有している資産も含むが、その意図は近い将来において実現されることが客観的に明白なものでなければならないと解するのが相当である。右認定事実によれば、控訴人が本件一土地を譲渡した当時、広島ウエスタンとの本件一建物についての賃貸借契約は終了した後であり、右土地のうち右建物の敷地部分五六・八三坪は、現に事業の用に供していなかつたことは明らかであるが、他方、控訴人が、従来同様賃料収入確保のため、場所柄を考慮して、近く右土地部分に賃貸用ビルの建築などを予定していたことからすると、控訴人が、右譲渡当時、右土地部分について、事業に準ずるものとして、貸付けその他これに類する行為を相当の対価を得て継続的に行なおうと意図し、その意図は、近い将来において実現が客観的に明白であつたということができる。- 9 -従つて、本件一土地のうち本件一建物敷地剖分五六・八三坪は、措置 行為を相当の対価を得て継続的に行なおうと意図し、その意図は、近い将来において実現が客観的に明白であつたということができる。 、右譲渡当時、右土地部分について、事業に準ずるものとして、貸付けその他これに類する行為を相当の対価を得て継続的に行なおうと意図し、その意図は、近い将来において実現が客観的に明白であつたということができる。- 9 -従つて、本件一土地のうち本件一建物敷地剖分五六・八三坪は、措置 行為を相当の対価を得て継続的に行なおうと意図し、その意図は、近い将来において実現が客観的に明白であつたということができる。- 9 -従つて、本件一土地のうち本件一建物敷地剖分五六・八三坪は、措置法三八条の六の「事業の用に供するもの」に該当するものと解するのが相当である。以上によれば、本件一土地のうち前記控訴人居住建物敷地部分二・五七坪(代金二五七万円)は措置法三五条の居住用の譲渡資産に、本件一建物敷地部分五六・八三坪(代金五六五三万三〇〇〇円)は措置法三八条の六の事業用の譲渡資産に、それぞれ該当するものといえる。買換資産(一)居住用(1)本件5資産再抗弁2(一)のうち、控訴人が、昭和三九年一〇月二〇日、Bから、本件5資産を取得し、同月三〇日居住の用に供したとの点は、当事者間に争いがない。、、成立に争いのない乙第二一号証当審証人Tの証言により成立の認められる甲第三〇号証弁論の全趣旨により成立の認められる乙第六二号証、当審証人Tの証言及び弁論の全趣旨によれば、控訴人がBから取得した本件5資産の取得価額は金六三七万六七八〇円であることが認められ、右認定を左右する証拠はない。(2)本件6資産控訴人は、再抗弁2(一)のとおり買換資産として本件6資産を取得した旨主張し、甲第三〇号証、第八〇ないし第八四号証及び当審証人Tの証言(一部)中には、これに沿い、又は沿うかのような部分があるが、前掲乙第二一号証、同第六二号証及び右証言中「右資産は控訴人の息子のTの妻Vが買い受けたが、その売買契約書(甲第三〇号証)には便宜買受人を控訴人と表示した」との趣旨の供述部分に照らし、容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。(二)事業用再抗弁2(二)の冒頭の事実のうち、控訴人が、被控訴人に対し、昭和三九年中に取得できなかつた買 た」との趣旨の供述部分に照らし、容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。(二)事業用再抗弁2(二)の冒頭の事実のうち、控訴人が、被控訴人に対し、昭和三九年中に取得できなかつた買換資産について、翌年中に買換資産の取得の見込であり、かつ右取得後一年以内に事業供用の見込である旨の措置法三八条の六第三項所定の期間延長申請をし、その承認を受けたことは、当事者間に争いがない。 取得できなかつた買 た」との趣旨の供述部分に照らし、容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。(二)事業用再抗弁2(二)の冒頭の事実のうち、控訴人が、被控訴人に対し、昭和三九年中に取得できなかつた買換資産について、翌年中に買換資産の取得の見込であり、かつ右取得後一年以内に事業供用の見込である旨の措置法三八条の六第三項所定の期間延長申請をし、その承認を受けたことは、当事者間に争いがない。(1)本件7資産抗弁2(二)のうち、本件7資産に関する部分は当事者間に争いがない。再抗弁2(二(1)は当事者間に争いがない。)(2)本件2資産控訴人は、再抗弁2(二(2)のとおり主張し、乙第七二号証、当審証人S及び原審当)審、、、証人Tの各証言中にはこれに沿う部分があるが原本の存在成立に争いのない乙第七一第七三号証及び弁論の全趣旨に照らし、容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。(3)本件3、4資産控訴人は、再抗弁20対のとおり主張し、甲第二四号証、当審証人S及び原審当審証人Tの各証言中には、これに沿う部分があるが、成立に争いのない甲第二五、第二六号証及び- 10 -弁論の全趣旨に照らし、容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。(4)本件8資産控訴人は、再抗弁2(二(4)のとおり主張するところ、その方式趣旨により公務員が)職、、務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第二七号証当審証人C同T(一部)の各証言及び弁論の全趣旨によれば、控訴人は、昭和四〇年二月ころ、建築請負を業とするCに対し、本件8資産の建築を注文し、同年七月ころ完成引渡しを受け、代金としては金三七四万三六八〇円を支払つたにすぎないことが認められ、当審証人Tの証言中、右認定に反し、控訴人主張の右再抗弁に沿う部分 に対し、本件8資産の建築を注文し、同年七月ころ完成引渡しを受け、代金としては金三七四万三六八〇円を支払つたにすぎないことが認められ、当審証人Tの証言中、右認定に反し、控訴人主張の右再抗弁に沿う部分は前掲証拠に照らして採用できず、他に右認定を左右する証拠はない。(5)本件9資産控訴人は、再抗弁2(二(5)のとおり主張し、甲第三一号証及び当審証人Tの証言中)には、これに沿う部分がある。しかし、その方式趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第一九号証、乙第三〇号証の一、当審証人G及び同T(一部)の各証言、甲第三一号証の存在自体並びに弁論の全趣旨によれば、甲第三一号証(土地賃貸借契約証書)の作成名義人の一人として表示されているW(Gの長男でその名はX、それを誤記したもの)名下の印影は、Gの印章により顕出されたものであるが、右甲号証は、貸主としての作成名義人G、X、Gの次男Yに無断で、T方に出入りの建築業者であるFが内容を筆記し、さらに、何者かが、G及びY各名下に両名の印章ではないZ表示の印章を捺印し、Xとすべきを誤記したW名下には、Gが、職場の上司であり、Tと昵懇のHに従前から預けていたGの印章を持ち出して、冒捺したことが認められ、当審証人Tの証言中右認定に反する部分は採用できず、他に右認定を左右する証拠はない。 、右甲号証は、貸主としての作成名義人G、X、Gの次男Yに無断で、T方に出入りの建築業者であるFが内容を筆記し、さらに、何者かが、G及びY各名下に両名の印章ではないZ表示の印章を捺印し、Xとすべきを誤記したW名下には、Gが、職場の上司であり、Tと昵懇のHに従前から預けていたGの印章を持ち出して、冒捺したことが認められ、当審証人Tの証言中右認定に反する部分は採用できず、他に右認定を左右する証拠はない。このような次第で甲第三一号証及び当審証人Tの証言中、前記再抗弁に沿う部分は容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。(6)本件10資産控訴人は、再抗弁2(二(6)のとおり主張し、甲第四六ないし第四九号証、第五九な)い、、し第七九号証及び当審証人Tの証言中にはこれに沿い又は沿うかのような部分があるが前掲乙第一九号証、その方式趣旨により公務員が職務上作成したものと認め 甲第四六ないし第四九号証、第五九な)い、、し第七九号証及び当審証人Tの証言中にはこれに沿い又は沿うかのような部分があるが前掲乙第一九号証、その方式趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第三一号証、原本の存在成立に争いのない乙第七七、第七八号証に照らし、容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。(7)本件11資産控訴人は、再抗弁2(二(7)のとおり主張し、甲第三五号証及び当審証人Tの証言中)にはこれに沿う部分がある。しかし、その方式趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第二〇号証、第三三号証の一、甲第三五号証の存在自体及び弁論の全趣旨によれば、甲第三五号証は、Hがかねて昵懇のTから控訴人の脱税工作に協力を求められ、対税務署用に形だけを整えるために作成に応じたものである- 11 -ことが認められ、当審証人Tの証言中右認定に反する部分は採用できず、他に右認定を左右する証拠はない。右認定事実並びに原本の存在成立に争いのない乙第八〇、第八一、第八四、第一〇二、第一〇三号証及び弁論の全趣旨に照らすと、甲第三五号証及び当審証人Tの証言中、前記主張に沿う部分は容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。(8)本件12資産控訴人は、再抗弁2(二(3)のとおり主張し、当審証人Tの証言中にはこれに沿う部)分があるが、前掲乙第三三号証の一に照らし、容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。 存在成立に争いのない乙第八〇、第八一、第八四、第一〇二、第一〇三号証及び弁論の全趣旨に照らすと、甲第三五号証及び当審証人Tの証言中、前記主張に沿う部分は容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。(8)本件12資産控訴人は、再抗弁2(二(3)のとおり主張し、当審証人Tの証言中にはこれに沿う部)分があるが、前掲乙第三三号証の一に照らし、容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。(9)本件13資産再抗弁2(二(9)は当事者間に争いがない。)控訴人は、再抗弁2(二)の末尾のなお書のとおり主張するが、控訴人が、(、本件13資産の建築に昭和四〇年中に着工したことを認めるに足りる証拠はなくむしろ当審証人Tの は当事者間に争いがない。)控訴人は、再抗弁2(二)の末尾のなお書のとおり主張するが、控訴人が、(、本件13資産の建築に昭和四〇年中に着工したことを認めるに足りる証拠はなくむしろ当審証人Tの証言及びこれにより成立の認められる甲第八五号証、弁論の全趣旨により成立の認められる乙第四五号証によれば、右着工は昭和四一年三月二五日であつたことが認められ、右認定を左右する証拠はない、また、控訴人が、被控訴人に対し、右資産につ)いて、措置法三八条の六第三項かつこ内所定の期間延長承認申請をし、被控訴人がその承認をしたことを認めるに足りる証拠もない。さらに、右期間延長承認申請に対し、被控訴人が承認しない旨の通知をせず、同法三八条の七第三項所定の更正をしなかつたからといつて、右承認があつたものとみなすべき法的根拠もない。なお、弁論の全趣旨によれば、本件更正決定は、本件13資産について、措置法三八条の六第三項かつこ内所定の期間延長の承認があつたものと誤認し、これを買換資産に該当するものとして算出された所得税額に拠つていることが認められ、右認定を左右する証拠はないが、このような過誤があつたからといつて、以後、右資産を事実に反してまで、買換資産に該当するものとして所得税額の計算をしなければならなくなるものでもない。(10)本件14資産控訴人は、再抗弁2(二(10)のとおり主張し、甲第三六号証及び当審証人Tの証言)中にはこれに沿う部分がある。しかし、添付の計算書の成立に争いがなく、その余の部分は方式趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第二二号証、同様真正な公文書と推定すべき乙第三五号証の一、第四三号証の一、原本の存在成立に争いのない乙第九五号証の一、甲第三六号証の存在自体及び弁論の全趣旨によれば、P1は、 二(10)のとおり主張し、甲第三六号証及び当審証人Tの証言)中にはこれに沿う部分がある。しかし、添付の計算書の成立に争いがなく、その余の部分は方式趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第二二号証、同様真正な公文書と推定すべき乙第三五号証の一、第四三号証の一、原本の存在成立に争いのない乙第九五号証の一、甲第三六号証の存在自体及び弁論の全趣旨によれば、P1は、 公文書と推定すべき乙第二二号証、同様真正な公文書と推定すべき乙第三五号証の一、第四三号証の一、原本の存在成立に争いのない乙第九五号証の一、甲第三六号証の存在自体及び弁論の全趣旨によれば、P1は、娘Jの夫P2が多額の借財を負つているTから、控訴人の脱税工作に協力を求められ、対税務署用に形だけを整えるために甲第三六号証の作成に応じたものであることが認められ、当審証人Tの証言中右認定に反する部分は採用できず、他に右認定を左右する証拠はない。右認定事実及び弁論の全趣旨に照らすと、甲第三六号証及び当審証人Tの証言中、前記主張に沿う部分は容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。- 12 -(11)本件15資産控訴人は、再抗弁2(二(11)のとおり主張し、)当審証人Tの証言中にはこれに沿う部分があるが、前掲乙第二二号証、第三五号証の一、第四三号証の一、第九五号証の一に照らし、容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。(12)本件16資産再抗弁2(二(12)のうち、事業供用の点を除くその余は、当事者間に争いがない。)成立に争いのない乙第二三号証、原本の存在成立に争いのない乙第八八号証の二、当審証人Tの証言により成立の認められる甲第三七号証、その方式趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第八八号証の一、第八九号証、当審証人Tの証言及び弁論の全趣旨によれば、控訴人は、Mとともに、本件16資産の持分二分の一ずつを、代金及び付帯費用合計金六三六万九七二〇円ずつで買い受け、昭和四〇年九月ころ、右資産面積二四七・五二坪のうち九八・五一坪を敷地として、賃貸用の共同住宅である本件17資産を建築し、これを他に賃貸する反面、空き地として残つた土地一四九・〇一坪については、昭和四二年一月他に ころ、右資産面積二四七・五二坪のうち九八・五一坪を敷地として、賃貸用の共同住宅である本件17資産を建築し、これを他に賃貸する反面、空き地として残つた土地一四九・〇一坪については、昭和四二年一月他に転売したことが認められ、右認定を左右する証拠はない。 坪を敷地として、賃貸用の共同住宅である本件17資産を建築し、これを他に賃貸する反面、空き地として残つた土地一四九・〇一坪については、昭和四二年一月他に ころ、右資産面積二四七・五二坪のうち九八・五一坪を敷地として、賃貸用の共同住宅である本件17資産を建築し、これを他に賃貸する反面、空き地として残つた土地一四九・〇一坪については、昭和四二年一月他に転売したことが認められ、右認定を左右する証拠はない。右認定事実によれば、本件16資産のうち控訴人が事業の用に供したのは、九八・五一坪の持分二分の一であつたといえるから、右資産の持分二分の一の取得費用金六三六万九七二〇円を全面積坪数二四七・五二で除し、これに事業供用面積坪数九八・五一を乗じて得た金二五三万五〇七二円が、控訴人の買換資産の取得価額となる。他に、本件16資産について、右認定をこえる取得価額を認めるに足りる証拠はない。(13)本件17資産前掲乙第二七号証、当審証人C、同T(一部)の各証言及び弁論の全趣旨によれば、控訴人は、Mとともに、昭和四〇年九月ころ、建築請負業者であるCに対し、賃貸用共同住宅である本件17資産の建築を注文し、同年一一月末ころ完成引渡しを受けて、代金として少なくとも金三六三万六〇五八円を支払い、右費用は折半したことが認められ、当審証人Tの証言中右認定に反し、前記再抗弁に沿う部分は前掲証拠に照らして採用できず、他に右認定を左右する証拠はない。右認定事実によれば、本件17資産の取得価額は、右折半額の金一八一万八〇二九円となる。(14)本件18資産控訴人は、再抗弁2(二(14)のとおり主張し、)甲第三八号証及び当審証人Tの証言中にはこれに沿う部分があるが、その方式趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第二四号証、原本の存在成立に争いのない乙第二八号証、弁論の全趣旨により西部通商株式会社とP3との間の本件18資産の売買代金領収書の写真と認められる乙第二九号証、弁論の全趣旨 な公文書と推定すべき乙第二四号証、原本の存在成立に争いのない乙第二八号証、弁論の全趣旨により西部通商株式会社とP3との間の本件18資産の売買代金領収書の写真と認められる乙第二九号証、弁論の全趣旨により右両者間の右資産売渡証書の写真と認められる乙第九〇号証及び弁論の全趣旨に照らし、容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。 資産の売買代金領収書の写真と認められる乙第二九号証、弁論の全趣旨 な公文書と推定すべき乙第二四号証、原本の存在成立に争いのない乙第二八号証、弁論の全趣旨により西部通商株式会社とP3との間の本件18資産の売買代金領収書の写真と認められる乙第二九号証、弁論の全趣旨により右両者間の右資産売渡証書の写真と認められる乙第九〇号証及び弁論の全趣旨に照らし、容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。(15)本件19、20資産控訴人は、再抗弁2(二(15)のとおり主張し、甲第三九、第四〇号証及び当審証人)- 13 -Tの証言中にはこれに沿う部分がある。しかし、その方式趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第二五号証、第六〇号証の一、当審証人Tの証言(一部、甲第三九、第四〇号証の存在自体及び弁論の全趣旨によれば、漢)和製薬株式会社の代表者代表取締役P4は、昭和四〇年二月ころ、Tから融資を受けた際、同人の求めにより、右会社代表者印を預託していたところ、右会社に無断で、右印鑑が冒用され、甲第三九、第四〇号証が作成されたことが認められ、当審証人Tの証言中右認定に反する部分は採用できず、他に右認定を左右する証拠はない。右認定事実及び弁論の全趣旨に照らすと、甲第三九、第四〇号証及び当審証人Tの証言中、前記主張に沿う部分は容易に採用できず他にこれを認めるに足りる証拠はない。(16)本件21資産控訴人は、再抗弁2(二(16)のとおり主張し、甲第四一ないし第四四号証及び当審)証人Tの証言中にはこれに沿う部分がある。しかし、前掲乙第三五号証の一、その方式趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第二六、、、、号証の一二甲第四一ないし第四四号証の存在自体及び弁論の全趣旨によればP2は昭和四〇年八月ころ、本件21資産の根抵当 職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第二六、、、、号証の一二甲第四一ないし第四四号証の存在自体及び弁論の全趣旨によればP2は昭和四〇年八月ころ、本件21資産の根抵当権者からの競売申立を妨害する必要から、Tの入れ知恵により、右資産の控訴人への売買を仮装するため、父Kから印鑑の交付を受けて、甲第四一ないし第四四号証の作成に応じたこと、さらに、Kは、同年一二月ころ、Tから、控訴人の脱税工作に協力を求められ、対税務署用の外形を整えるため、右資産について控訴人のため売買予約による所有権移転登記請求権仮登記の経由に応じたことが認められ、当審証人Tの証言中右認定に反する部分は採用できず、他に右認定を左右する証拠はない。 恵により、右資産の控訴人への売買を仮装するため、父Kから印鑑の交付を受けて、甲第四一ないし第四四号証の作成に応じたこと、さらに、Kは、同年一二月ころ、Tから、控訴人の脱税工作に協力を求められ、対税務署用の外形を整えるため、右資産について控訴人のため売買予約による所有権移転登記請求権仮登記の経由に応じたことが認められ、当審証人Tの証言中右認定に反する部分は採用できず、他に右認定を左右する証拠はない。右認定事実及び弁論の全趣旨に照らすと、甲第四一ないし第四四号証及び当審証人Tの証言中、前記主張に沿う部分は容易に採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。(17)取得価格の合計事業用買換資産の取得価額の合計は、前記中の金四四九万六五一九円、同(4)の金三七四万三六八〇円、同心の金二五三万五〇七二円及び同(13)の金一八一万八〇二九円を合算して得た金一二五九万三三〇〇円となる。時機に後れた攻撃防御方法等控訴人は、再抗弁3のとおり主張する。記録によれば、本訴原審において、控訴人は、専ら譲渡資産である本件一土地の事業供用性を主張し、買換資産については、第六回口頭弁論陳述の昭和四五年三月四日付準備書面をもつて「広島市<地名略>宅地五五・六六坪外一九筆を代金合計一億〇八〇二万五六、一二円で買い受けた」との概括的な主張をしたのみで、個々の買換資産の買換えの事実及び価額等の個別的具体的な主張はしなかつたこと、これに対し、被控訴人は、控訴人の事業用買換資産の取得価額について、第一回口頭弁論陳述の答弁 との概括的な主張をしたのみで、個々の買換資産の買換えの事実及び価額等の個別的具体的な主張はしなかつたこと、これに対し、被控訴人は、控訴人の事業用買換資産の取得価額について、第一回口頭弁論陳述の答弁書をもつて、その合計額を金六三八一万九九四五円と主張し、第一二回口頭弁論陳述の昭和四五年一〇月二一日付準備- 14 -書面をもつて、これを変更して金五二〇〇万二一三九円と主張し、仮に控訴人主張のとおり本件一土地に事業供用性があつたとしても、右買換資産取得価額合計額に基づいて算出した譲渡所得金額は本件更正決定のそれを上回るから、右更正決定は適法である旨主張したが、個々の買換資産の買換えの事実及び価額に関する具体的な主張は、控訴人同様これをしなかつたこと、被控訴人は、右のとおり、原審において控訴人の買換資産の取得に関する主張を取得価額計金五二〇〇万二一三九円の限度で自白したものであるが、その一部は、被控訴人が、控訴人の作為に欺罔されたことによるものであること、その後、控訴人は、第一五回口頭弁論で「本件の争点が事業用資産の買換えか否か、或は、買換えの取得価額等をも争うかは次回までに明らかにする旨陳述したうえ第一六回口頭弁論で本。 これをしなかつたこと、被控訴人は、右のとおり、原審において控訴人の買換資産の取得に関する主張を取得価額計金五二〇〇万二一三九円の限度で自白したものであるが、その一部は、被控訴人が、控訴人の作為に欺罔されたことによるものであること、その後、控訴人は、第一五回口頭弁論で「本件の争点が事業用資産の買換えか否か、或は、買換えの取得価額等をも争うかは次回までに明らかにする旨陳述したうえ第一六回口頭弁論で本。」、「件の争点は、事業用資産の買換えか否かであつて、その余の点は争わない」旨陳述し、立証も、買換資産に関しては、甲第八号証、第九号。証の一、二、第一〇号証(いずれも買換資産の概略を箇条書きにしたもの)を提出した程度で、専ら本件一土地の事業供用性の有無に終始したこと、当審に至り、控訴人は、昭和五一年三月二九日の第二回口頭弁論陳述の昭和五一年二月二三日受付準備書面をもつて、はじめてほぼ再抗弁2(二)のように具体的に事業用買換資産についての主張をし、以後、本判決事実摘示のとおり、控訴人被控訴人間で、個々の買換資産の 頭弁論陳述の昭和五一年二月二三日受付準備書面をもつて、はじめてほぼ再抗弁2(二)のように具体的に事業用買換資産についての主張をし、以後、本判決事実摘示のとおり、控訴人被控訴人間で、個々の買換資産の買換えの事実及び価額等が、具体的な主張立証の対象とされるようになつたこと、以上の経緯が認められる。ところで、課税処分によつて確定された税額が租税実体法によつて客観的に定まつている税額を超えていなければ、処分理由のいかんにかかわりなく、当該処分は適法であるといえるから、その取消訴訟において、税務署長は、処分の適法性を維持するため、処分時の認定理由に拘束されることなく、その後新たに発見した事実を追加し、又は右事実を交換することにより、口頭弁論終結に至るまで、処分理由を随時差し替ることができるものというべきであり、また、処分理由を差し替えたからといつて、新たな課税処分をしたものとはいえず、納税者の異議申立権を不当に剥奪することにもならないものといえる。従つて、被控訴人が、本訴において、本件更正決定の適法性の維持のため、右更正決定の理由となつた本件一土地の事業供用性に関する事実のほかに、買換資産の買換えの存否及びその価額に関する事実を追加して主張することは許されるところであり、これをもつて、控訴人の税法上の不服申立権を剥奪することになるものとはいえない。 課税処分をしたものとはいえず、納税者の異議申立権を不当に剥奪することにもならないものといえる。従つて、被控訴人が、本訴において、本件更正決定の適法性の維持のため、右更正決定の理由となつた本件一土地の事業供用性に関する事実のほかに、買換資産の買換えの存否及びその価額に関する事実を追加して主張することは許されるところであり、これをもつて、控訴人の税法上の不服申立権を剥奪することになるものとはいえない。また、措置法三八条の六の譲渡資産の事業供用性並びに買換資産の存在及びその価額は、譲渡所得の減免事由であるから、右事由の存在については、これによつて利益を受ける納税者の側において、その主張立証責任を負うと解するのが相当であり、控訴人は、当初より再抗弁2(二)の各買換資産に関して具体的な主張立証をなすべきであつたといえる。しかし、右認定の経緯のとおり、控訴人は、原審において、専ら本件一土地の事業供用性の主 が相当であり、控訴人は、当初より再抗弁2(二)の各買換資産に関して具体的な主張立証をなすべきであつたといえる。しかし、右認定の経緯のとおり、控訴人は、原審において、専ら本件一土地の事業供用性の主張立証に終始し、買換資産に関しては取得価額合計額の主張に止め、被控訴人において、右取得価額合計額を金五二〇〇万二一三九円と主張し、仮に控訴人主張のとおり本件一土地に事業供用性があつたとしても、被控訴人の右主張額をもつて算出しな譲渡所得金額は本件更正決定のそれを上回ることを理由に、右更正決定は適法である旨反論していたにもかかわらず、買換資産の取得価格合計額が被控訴人の右主張額に止まらない旨の当然すべきであつた具体的個別的な主張立証をしないまま、原審- 15 -を終了し、当審に至つて、ようやくその主張立証を始めたものであり、これに対して、被控訴人は、控訴人の主張立証に応じて、請求棄却を求めるに必要な限度で、これに応答して来たものといえる。このような事実関係からすると、原審当時から、本件一土地の事業供用性と併せて、買換資産の買換えの事実及び価額も、本訴の重要な争点であつたのに、控訴人は、この点を看過し、なすべき主張立証を怠つていたものというべきであり、控訴人主張のように、原審における争点が右一土地の事業洪用性に限られていたとも、被控訴人が当審において従来全く争いになつていなかつた買換資産の問題を持ち出し、争点をすりかえたともいえないのみならず、被控訴人が、控訴人から、当審においてはじめてなされた個々の買換資産に関する具体的な主張に対し、具体的な反論をしたからといつて、手続の公正を害するわけのものでも、時機に後れた攻撃防御方法となるわけのものでもない。 主張のように、原審における争点が右一土地の事業洪用性に限られていたとも、被控訴人が当審において従来全く争いになつていなかつた買換資産の問題を持ち出し、争点をすりかえたともいえないのみならず、被控訴人が、控訴人から、当審においてはじめてなされた個々の買換資産に関する具体的な主張に対し、具体的な反論をしたからといつて、手続の公正を害するわけのものでも、時機に後れた攻撃防御方法となるわけのものでもない。さらに、所得税法(昭和四〇年法律第三三号の改正によるもの)二三四条並びに大蔵省組織規程の国税訟務官 らといつて、手続の公正を害するわけのものでも、時機に後れた攻撃防御方法となるわけのものでもない。さらに、所得税法(昭和四〇年法律第三三号の改正によるもの)二三四条並びに大蔵省組織規程の国税訟務官室の事務及び国税訟務官に関する規定によれば、国税訟務官室所属の職員は、直接国税に係る訴訟に関する事務の処理について、調査及び質問の権限を有するものと解するのが相当であるから、本訴における右職員による調査質問の実施が、税法上の調査の趣旨に反する許されないものとは到底いえない。他に、被控訴人が、買換資産の買換えの事実及び価額に関する控訴人の主張を争うことについて、これを妨げる事由を認めるに足りる証拠はない。譲渡所得金額前記1、2によれば、控訴人の昭和三九年分の譲渡所得の金額は、別紙計算表三のとおり金四二一五万八八五九円となる。五適法性前記四4のとおり、控訴人の昭和三九年分の譲渡所得の金額は、本件更正決定(但し、本件裁決による一部取消後のもの)における譲渡所得の金額二二一五万三七六五円を上回るから、その範囲内でなされた右更正決定(同)は適法である。六 結論 以上よれば、控訴人の請求は理由がないから、これを棄却した原判決は結論において不当ではなく、本件控訴は理由がない。よつて、本件控訴を棄却することとし、民事訴訟法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。(裁判官中原恒雄弘重一明矢延正平)参照原審判決の主文、事実及び理由原審判決の主文、事実及び理由原告の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は、原告の負担とする。○ 事実 第一当事者の求めた裁判(原告)被告が原告に対し昭和四三年三月四日付をもつてなした昭和三九年分所得税の更正処分につき更正所得金額三〇、六四九、四三二円のうち金六一六、八六七円を超える部分及び過- 16 - 適用して、主文のとおり判決する。(裁判官中原恒雄弘重一明矢延正平)参照原審判決の主文、事実及び理由原審判決の主文、事実及び理由原告の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は、原告の負担とする。○ 事実 第一当事者の求めた裁判(原告)被告が原告に対し昭和四三年三月四日付をもつてなした昭和三九年分所得税の更正処分につき更正所得金額三〇、六四九、四三二円のうち金六一六、八六七円を超える部分及び過- 16 - の求めた裁判(原告)被告が原告に対し昭和四三年三月四日付をもつてなした昭和三九年分所得税の更正処分につき更正所得金額三〇、六四九、四三二円のうち金六一六、八六七円を超える部分及び過- 16 -少申告加算税賦課決定のうち右超過金額に対応する同加算税額の部分(広島国税局長の裁決による取消後のもの)を取り消す。訴訟費用は、被告の負担とする。(被告)主文と同旨第二当事者の主張(原告の請求原因)、、、一原告は昭和三九年分の所得金額及び所得税額をそれぞれ六〇三一六七円及び一一〇〇〇円と申告したところ、被告は、昭和四三年三月四日付で、所得金額三〇、六四九、四三二円、所得税額一五、八八八、四〇〇円、過少申告加算税額七九三、七〇〇円との内容の更正処分及び過少申告加算税賦課決定をして、その旨原告に通知した。そこで原告は被告に対し、昭和四三年四月四日に異議申立をしたところ、これは同年六月、、二〇日に審査請求の扱いとなり広島国税局長は昭和四四年二月七日付で所得金額を二二七五六、九三二円、所得税額を一一、一三一、八〇〇円、過少申告加算税額を五五六、〇〇〇円とする一部取消の裁決をして、その旨原告に通知した。二しかしながら、被告の右更正処分及び賦課決定には、譲渡所得の認定につき、つぎのとおりの違法がある。すなわち、原告は昭和三九年五月六日にその所有する事業用資産広島市<地名略>宅地一九六・三六平方メートル(五九・四〇坪、別紙図面斜線部分、以下本件宅地という)同。所<地名略>・<地名略>宅地一六〇・三六平方メートル(四八・五一坪)を訴外鹿島建設株式会社(以下、鹿島建設という)に譲渡し、別途に事業用資産を購入した。したがつ。て、右譲渡代金については、租税特別措置法三八条の六の適用がある。しかるに、被告は、原告が譲渡した右各土地を 設株式会社(以下、鹿島建設という)に譲渡し、別途に事業用資産を購入した。したがつ。 〇坪、別紙図面斜線部分、以下本件宅地という)同。所<地名略>・<地名略>宅地一六〇・三六平方メートル(四八・五一坪)を訴外鹿島建設株式会社(以下、鹿島建設という)に譲渡し、別途に事業用資産を購入した。したがつ。て、右譲渡代金については、租税特別措置法三八条の六の適用がある。しかるに、被告は、原告が譲渡した右各土地を 設株式会社(以下、鹿島建設という)に譲渡し、別途に事業用資産を購入した。したがつ。て、右譲渡代金については、租税特別措置法三八条の六の適用がある。しかるに、被告は、原告が譲渡した右各土地を事業の用に供していなかつたものと認定して前記更正決定等を行なつた。しかし、右各土地は、いずれも原告が訴外広島ウエスタンオート株式会社(以下、広島ウエスタンという)に賃貸していた広島市<地名略>、<地名略>、<地名略>上の建物。の敷地の一部をなし、同会社において事業用に占有使用していた。そして、本件宅地はもともと独立では使用できない土地であつて、一見して右賃貸建物の敷地の一部であることは明白であるのに、被告は、ことさらこれを独立させて事業用に供する土地でないと認定したものである。そして、広島国税局長は、審査の結果、右のうち同町<地名略>・<地名略>宅地一六〇・三六平方メートル(四八・五一坪)のみを事業用地と認めて被告の処分を一部取消す旨の裁決をしたが、右のとおり、本件宅地についても事業用地と認定されるべきものである。三ところで、原告には、前記一のとおり申告したほかに、広島市<地名略>及び<地名略>を金五、二六五、〇〇〇円でAへ譲渡したことによる譲渡所得金一五、七〇〇円があ- 17 -る。四よつて原告は、請求の趣旨記載のとおりの判決を求める。(請求原因に対する認否)請求原因事実中、第一、三項の事実は認める。同第二項中、原告がその主張のとおり所有土地を鹿島建設に譲渡し、別途に事業用資産を購入したこと、被告が、右譲渡された土地が事業の用に供されていなかつたと認定して本件更正決定等を行なつたこと、右譲渡された土地かもと原告が広島ウエスタンに賃貸していた建物の敷地の一部なすものであること、広島国税局長が、審査の結果、広島市<地名略>・< れていなかつたと認定して本件更正決定等を行なつたこと、右譲渡された土地かもと原告が広島ウエスタンに賃貸していた建物の敷地の一部なすものであること、広島国税局長が、審査の結果、広島市<地名略>・<地名略>宅地一六〇・三六平方メートル(四八・五一坪)を事業用資産と認めて被告の処分を一部取消す旨の裁決をしたことは認めるが、その余の事実は争う。 であること、広島国税局長が、審査の結果、広島市<地名略>・< れていなかつたと認定して本件更正決定等を行なつたこと、右譲渡された土地かもと原告が広島ウエスタンに賃貸していた建物の敷地の一部なすものであること、広島国税局長が、審査の結果、広島市<地名略>・<地名略>宅地一六〇・三六平方メートル(四八・五一坪)を事業用資産と認めて被告の処分を一部取消す旨の裁決をしたことは認めるが、その余の事実は争う。本件宅地上にも原告が広島ウエスタンに賃貸中の建物が存在していたが、昭和三七年一月二一日地上建物が火災で焼失し、本件宅地の使用について両者間に紛争を生じたが、結局広島ウエスタンは占有権原が消滅したことを認め以後該土地の使用をしなかつた。(被告の主張)一被告が、本件宅地の利用状況について調査した結果、右宅地の譲渡日(昭和三九年五月六日)現在、その一部(約八・五〇平方メートル)に原告名義の建物が存在していただけでその余の部分は空地となつていた。そして、右建物は原告において使用しており、また、右空地部分を他人に賃貸していた事実はなかつた。したがつて、本件宅地は、原告の自用地というべきものである。本件宅地譲渡所得金額の計算関係は別表一のとおりであり、本件処分は、右譲渡所得金額に原告の申告にかかる不動産所得六〇三、一六七円を加えた金額の範囲内でなされているものであるから、適法である。二仮りに、本件宅地が広島ウエスタンに賃貸中の建物の敷地の一部で同会社に占有権原あるものであつて、租税特別措置法三八条の六の事業用資産の買換えの規定に該当するとしても、本件の場合、譲渡所得金額の計算関係は別紙二のとおりとなり、原告の真実の買、、、、、換え取得資産の価格は五八三七九九一九円であるから譲渡所得金額は二二四二一五八〇円となる。したがつて、本来、原告は同法三八条の七第二項の規定に従つて修正申告をすべきで 買、、、、、換え取得資産の価格は五八三七九九一九円であるから譲渡所得金額は二二四二一五八〇円となる。したがつて、本来、原告は同法三八条の七第二項の規定に従つて修正申告をすべきであつたが、それもなされていない。そして、右金額は本件処分の譲渡所得金額二二、一五三、七六五円を上回ることとなり、本件処分は、その範囲内でなされたものであるから適法である。(被告の主張に対する認否)本件宅地について、火災後広島ウエスタンが占有権原を失つたことは否認する。 一九円であるから譲渡所得金額は二二四二一五八〇円となる。したがつて、本来、原告は同法三八条の七第二項の規定に従つて修正申告をすべきであつたが、それもなされていない。そして、右金額は本件処分の譲渡所得金額二二、一五三、七六五円を上回ることとなり、本件処分は、その範囲内でなされたものであるから適法である。(被告の主張に対する認否)本件宅地について、火災後広島ウエスタンが占有権原を失つたことは否認する。同会社は本件宅地をその表側にあたる前記五四番、五五番地上の賃貸建物とともにそれに付随して引続き占有使用していたから、これが事業用資産に該当することは明白である。その余の被告主張事実は争わない。第三証拠関係(省略)○ 理由 一請求原因事実中、第一、三項の事実及び第二項のうち、原告が、その主張のとおり所- 18 -有土地を鹿島建設に譲渡し、別途に事業用資産を購入したこと、被告は、原告の右譲渡土地が事業の用に供されていなかつたものと認定して本件更正決定等を行なつたこと、右譲渡土地は、もと原告が広島ウエスタンに賃貸していた建物の敷地の一部をなすものであつたこと、広島国税局長は、審査の結果、広島市<地名略>・<地名略>宅地一六〇・三六平方メートル(四八・五一坪)を事業用資産と認めて、被告の本件処分を一部取消す旨の裁決をしたことは当事者間に争いがなく、原告は、被告主張の本件宅地にかかる別表一、二の租税特別措置法の適用に関する計算関係を明らかに争わない。二そこで、本件宅地が事業用資産に該当するかどうかについて検討する。成立に争いのない甲第三、五、一四、一五、一七、二〇号証乙第一号証の一ないし七、第二ないし第六号証、第九ないし第一七号証、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認めら するかどうかについて検討する。成立に争いのない甲第三、五、一四、一五、一七、二〇号証乙第一号証の一ないし七、第二ないし第六号証、第九ないし第一七号証、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる甲第一三号証、証人M、同L、同T、同S、同U、同Q、同O、同N、同Pの各証言(但し、証人M、同L、同T、同Sの各証言中、後記採用しない部分を除く)及び。弁論の全趣旨を総合すれば、次の事実が認められる。、、、 広島ウエスタンは主として自動二輪車の修理販売等を業としていたものであるが昭和二八年一二月一日に原告および訴外Vから広島市<地名略>(本件宅地)<地名略>・<地名略>、<地名略>の各土地上の三棟の建物を、賃料月金六〇、〇〇〇円、期間を同社が存続している限りの約で借受け、右五四番・五六番五、五五番地上の建物(以下、五五番宅地等上の建物という)内において、自動二輪車、部品の陳列、販売及び自動二輪。 、、 広島ウエスタンは主として自動二輪車の修理販売等を業としていたものであるが昭和二八年一二月一日に原告および訴外Vから広島市<地名略>(本件宅地)<地名略>・<地名略>、<地名略>の各土地上の三棟の建物を、賃料月金六〇、〇〇〇円、期間を同社が存続している限りの約で借受け、右五四番・五六番五、五五番地上の建物(以下、五五番宅地等上の建物という)内において、自動二輪車、部品の陳列、販売及び自動二輪。車の修理を行ない、また本件宅地上の建物を乗用自動車の修理、工具の保管等のために使用していたところ、昭和三七年一月二一日に従業員の失火によつて、本件宅地上の建物を、主柱等を残してほぼ全焼させたこと。原告は、右火災後間もなく、その一部に出入口を設けたものの、五四番・五六番五、五五番の各宅地と本件宅地との境等に板塀を設置し、原告の次男訴外S、訴外株式会社西部オフイス(以下、西部オフイスという、当時原告を代理して本件宅地等を管理して。)いた訴外Tは、連名のうえ、昭和三七年二月三日に広島ウエスタンに対し、本件宅地部分の明渡、火災による損害の賠償、五五番宅地等上の建物を修理工場として使用することの禁止等を申入れ、さらに原告は、同月一六日に本件宅地につき、西部オフイスのために、同月九日契約を原因とする賃借権設定登記を経由したこと。賠償、五五番宅地等上の建物を修理工場として使用することの禁止等を申入れ、さらに原告は、同月一六日に本件宅地につき、西部オフイスのために、同月九日契約を原因とする賃借権設定登記を経由したこと。広島ウエスタンは、右火災後も、本件宅地上の建物は全焼しておらず右建物の借家権は依然として存続しているとの見解のもとに本件宅地の一部を使用していたところ、原告は、右損害賠償金として一、〇〇〇、〇〇〇円余りを要求し、また、右本件宅地の明渡等の申入れをするなどして、前年八月頃から続いていた賃料値上げの問題もあつて、原告と広島ウエスタンとの間に紛糾が続いたこと。ところで、昭和三七年一月頃の広島ウエスタンの経営状態は極めて悪く、本件宅地付近にあつた同社所有土地を売却し、その資金で再建する以外に同社を存続させる方途がないため、広島ウ- 19 -エスタンの株式を五五パーセント余り保有し同社経営の実質的支配権を掌握していた訴外P5、同O父子は、資格は有しないが不動産の売買につき経験があり、かねてから付き合いのあつた訴外Mを昭和三七年二月に取締役として迎入れ、同訴外人に主として右所有土地の売却にあたらせることにしたこと、右Mは、その後同年七月に代表取締役に就任し、右MとP6父子の親族である訴外P7とがそれぞれ単独で広島ウエスタンを代表することとなつたが、同社の経営は、前示のとおりP5父子が実質的に支配しており、右M、P7は、同社の経営に関し発生した事柄を逐一右P5父子に報告していたこと。 てから付き合いのあつた訴外Mを昭和三七年二月に取締役として迎入れ、同訴外人に主として右所有土地の売却にあたらせることにしたこと、右Mは、その後同年七月に代表取締役に就任し、右MとP6父子の親族である訴外P7とがそれぞれ単独で広島ウエスタンを代表することとなつたが、同社の経営は、前示のとおりP5父子が実質的に支配しており、右M、P7は、同社の経営に関し発生した事柄を逐一右P5父子に報告していたこと。その後昭和三七年一〇月頃、西部オフイス代表者訴外P8名義で、前示板塀の出入口付近に、同一一月一日から許可なく出入を禁ずる旨の立札が掲げられるに至つたため、広島ウエスタンは、訴外早川弁護士から本件宅地上の建物は全焼しており、右建物に対する借家権は消滅しているとの助言を受 口付近に、同一一月一日から許可なく出入を禁ずる旨の立札が掲げられるに至つたため、広島ウエスタンは、訴外早川弁護士から本件宅地上の建物は全焼しており、右建物に対する借家権は消滅しているとの助言を受けていたが、本件宅地は乗用自動車の修理をするために同社にとつて重要なものであるため、同一〇月二九日、原告、V、西部オフイスを被申請人として、当庁に対し被申請人らの本件宅地への立入禁止を求める仮処分を申請し(当庁昭和三七年(ヨ)第三八八号事件、当裁判所は、同三〇日にその旨の仮処分決定をな)したところ、原告、西部オフイスは、同一一月一七日、右仮処分決定に対する異議申立をしたこと、なお、本件宅地は、その西側が公道に接しており、前示五四番・五六番五、五五番各宅地とは関係なく独立してこれを使用しえないわけではなく、また右仮処分申請事件にはMが広島ウエスタンの代表者として関与したこと。その後、広島ウエスタンは、昭和三七年一二月頃に原告に対し火災見舞金として金一〇〇、〇〇〇円を支払い、また、前示仮処分決定に対する異議申立事件につき、六回の口頭弁論を重ねた後、原告らの異議が認容されるという見通しの下に、同社が本件宅地上の建物につき借家権を主張しないということで原告らと話合いが成立し、広島ウエスタンは翌三八年六月一九日に右仮処分申請を取下げたこと。ところで、Mは、原告所有の広島市<地名略>宅地四三五・二四平方メートル(一三一・六六坪)の仮換地広島市C地区一六四ブロツク二一ロツト上に家屋番号四三番の三木造瓦葺二階建二階事務所一棟床面積六四・四六平方メートル(一九・五坪)を所有していたが、昭和三六年に原告から無断占有を理由として建物収去土地明渡訴訟を提起されていた(当庁昭和三六年第四七二号事件)ところ、右事件につき、昭和三八年五月三〇日、Mは原告に対し Mは、原告所有の広島市<地名略>宅地四三五・二四平方メートル(一三一・六六坪)の仮換地広島市C地区一六四ブロツク二一ロツト上に家屋番号四三番の三木造瓦葺二階建二階事務所一棟床面積六四・四六平方メートル(一九・五坪)を所有していたが、昭和三六年に原告から無断占有を理由として建物収去土地明渡訴訟を提起されていた(当庁昭和三六年第四七二号事件)ところ、右事件につき、昭和三八年五月三〇日、Mは原告に対し 一九・五坪)を所有していたが、昭和三六年に原告から無断占有を理由として建物収去土地明渡訴訟を提起されていた(当庁昭和三六年第四七二号事件)ところ、右事件につき、昭和三八年五月三〇日、Mは原告に対し右建物を金二〇〇、〇〇〇円で売渡す旨の和解が成立したこと。原告は、昭和三八年九月頃、広島ウエスタンに対し、同社に賃貸中の建物の一部を訴外P9に売却したので、以後、右売却部分の賃料は同訴外人に支払うようにとの通知をしたこと、これによつてP9に対し支払うこととなる資料は極めて高額であり、当時広島ウエスタンが原告、Vから賃借中の建物の賃料値上げ問題が懸案となつていたため、右一部値上げによつてこれに及ぼす影響を心配した広島ウエスタンは、五五番宅地等地上の建物につき、賃料確定の調停を申立てたこと、右調停手続において、原告らは、当初、土地の価格を坪当たり五〇〇、〇〇〇円と評価し、その一〇パーセントを賃料とするように要求し、広島ウエスタンは五パーセントを主張したが、結局、これを九パーセントとすることで合意が成立し、その結果、昭和三八年一〇月三日に調停が成立し、右建物の資料は坪当- 20 -たり年四五、〇〇〇円(月三、七五〇円、総額一四〇、六二五円になつたこと、右資料)は付近の貸ビル等の賃料と比較し、かなりの高額であるが、広島ウエスタンとしては従来の五五番宅地等上の建物の賃料が既に一か月一二万五〇〇〇円となつていたうえ原告らの執拗な増額請求を早期に解決するため、譲歩をよぎなくされたものであること、なお、広島ウエスタンはこの頃本件宅地をも従来どおり使用させて欲しい旨原告に要望したが、原告は借地権を生ずることを恐れて終始これを拒否していたため、右土地使用を断念し、右調停ではこれを固執せず、また、右調停申立は、P7が広島ウエスタンを代表して行ない、Mはこ しい旨原告に要望したが、原告は借地権を生ずることを恐れて終始これを拒否していたため、右土地使用を断念し、右調停ではこれを固執せず、また、右調停申立は、P7が広島ウエスタンを代表して行ない、Mはこれにほとんど関与しなかつたこと。 、原告は借地権を生ずることを恐れて終始これを拒否していたため、右土地使用を断念し、右調停ではこれを固執せず、また、右調停申立は、P7が広島ウエスタンを代表して行ない、Mはこ しい旨原告に要望したが、原告は借地権を生ずることを恐れて終始これを拒否していたため、右土地使用を断念し、右調停ではこれを固執せず、また、右調停申立は、P7が広島ウエスタンを代表して行ない、Mはこれにほとんど関与しなかつたこと。Mは、広島ウエスタン取締役に就任後、同社所有土地を有利な条件で売却するにはある程度まとまつた地積の土地とする必要があるところから、原告をはじめとする同社所有土地周辺の土地所有者と折衝を重ねていたところ、昭和三九年一月頃には、原告ら周辺土地所有者の協力を得て、一団のまとまつた土地として鹿島建設へ売却することに話が進展し、同五月六日には本件宅地等の売買契約がなされたこと、右本件宅地が売却された頃、本件宅地上には原告所有建物家屋番号二三番三の一部約八・五〇平方メートルの部分が存在していたが、原告はこれを自ら使用し、その余の土地は空地となつていたこと、また、本件宅地にSのために同年一月二四日賃借権設定登記が為されていたが、Sは原告に対し所定の賃料を支払つたことがないのはもちろんこれを使用し若しくは使用せんとしたこともなく、右はいわば実体の伴わないものであつたこと。以上のとおり認められる。甲第一六号証の一ないし一〇の存在、証人Rの証言はいまだ右認定を左右するに足らないし、右認定に反する証人M、同L、同T、同Sの各証言の一部は、前掲各証拠及び右認定事実に照らして容易に採用できない。もつとも、甲四号証には原告主張のように昭和三八年五月二七日Tが前記Mに対し、広島ウエスタンの本件宅地に対する使用を従前どおり認めることを約した趣旨の記載がある。けれども、右記載は化粧品の広告用紙の裏面にメモ様になされているうえ、証人Tの証言によると右覚書は後日清書されたというのにその提出がないばかりでなく、右認定の経過にてらすと、右両者間に本 載がある。けれども、右記載は化粧品の広告用紙の裏面にメモ様になされているうえ、証人Tの証言によると右覚書は後日清書されたというのにその提出がないばかりでなく、右認定の経過にてらすと、右両者間に本件宅地の使用を認める合意が成立したとは考えられないから、右書面は右原告主張事実を認めるための資料とすることはできず、他に前記認定事実を覆えずに足る証拠はない。 りでなく、右認定の経過にてらすと、右両者間に本 載がある。けれども、右記載は化粧品の広告用紙の裏面にメモ様になされているうえ、証人Tの証言によると右覚書は後日清書されたというのにその提出がないばかりでなく、右認定の経過にてらすと、右両者間に本件宅地の使用を認める合意が成立したとは考えられないから、右書面は右原告主張事実を認めるための資料とすることはできず、他に前記認定事実を覆えずに足る証拠はない。右認定事実によれば、原告が本件譲渡当時、本件宅地を広島ウエスタンに対し車両修理等用地として賃貸し、若しくは賃貸建物の付随地として占有使用を認めていたとはいえないし、その他第三者に賃貸する等して本件宅地を事業の用に供していたと認めるに足りる証拠もないから、本件宅地の譲渡については、租税特別措置法三八条の六の適用を受けるに由ないものといわなければならない。三以上の次第で、原告の本件請求は理由がないから棄却することとし、訴訟費用につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

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