昭和48(行ウ)79 相続税更正処分等取消請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和54年10月17日 大阪地方裁判所 租税
ファイル
hanrei-pdf-17517.txt

タグ

判決文本文11,960 文字)

○ 主文原告らの請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。○ 事実第一当事者双方の申立原告ら(一) 被告が昭和四八年一二月一二日付でなした 1 Aの昭和四五年六月一九日の相続開始にかかる相続税についての再更正処分(但し異議決定により一部減額されたのちのもの)のうち、取得財産価額六、五〇八万七、二〇一円、相続税額一、九六五万二、八二五円を超える部分を 2 原告B、同C、同DおよびEの昭和四五年六月一九日の相続開始にかかる各相続税についての各再更正処分(但し異議決定により一部減額されたのちのもの)のうち、それぞれ取得財産価額一、八三九万二、七四三円、相続税額六二三万九、一三三円を超える各部分を取消す。(二) 訴訟費用は被告の負担とする。被告主文と同旨第二請求の原因一 1 Fは昭和四五年六月一九日死亡し、妻である亡・A、子である原告B、亡・E、原告C原告Dが相続によりその地位を承継した。2 Eは昭和四七年八月二六日死亡し、夫である原告G、子である原告H、亡・I、原告Jが相続によりその地位を承継した。3 Iは昭和四七年一〇月一一日死亡し、妻である原告K、子である原告Lが相続によりその地位を承継した。4 Aは本訴提起後の昭和五四年一月三一日死亡し、子である原告B、同C、同D、孫である原告H、同J、曾孫である原告Lが相続によりその地位を承継し、Aの本訴部分を承継した。二 1Fが昭和四五年六月一九日死亡したことにより相続が開始し、その相続人である亡・A、原告B、亡・E、原告C、原告D(以下、「五名の者」という)は、被告に対し、昭和四五年一二月一九日相続税申告書(共同相続)を、さらに昭和四六年二月五日遺産分割協議書に基づく相続税修正申告書を提出した。2 これに対し、被告は昭和四六年一一月一八日付で更正処分をなした。対し、昭和四五年一二月一九日相続税申告書(共同相続)を、さらに昭和四六年二月五日遺産分割協議書に基づく相続税修正申告書を提出した。 ・A、原告B、亡・E、原告C、原告D(以下、「五名の者」という)は、被告に対し、昭和四五年一二月一九日相続税申告書(共同相続)を、さらに昭和四六年二月五日遺産分割協議書に基づく相続税修正申告書を提出した。2 これに対し、被告は昭和四六年一一月一八日付で更正処分をなした。対し、昭和四五年一二月一九日相続税申告書(共同相続)を、さらに昭和四六年二月五日遺産分割協議書に基づく相続税修正申告書を提出した。2 これに対し、被告は昭和四六年一一月一八日付で更正処分をなした。3 株式会社大阪鉛錫精錬所(以下、大阪鉛錫という)は、昭和四七年三月二二日の臨時株主総会において、被相続人である亡・F(同社前社長)に対し退職金三、〇〇〇万円を支給する旨決議した。そこで、五名の者は、昭和四七年六月二七日付で被告に対し、別表1ないし3の各修正申告額欄記載のとおり相続税修正申告をした。4 これに対し、被告は昭和四八年一二月一二日付で別表4の再更正処分欄記載のとおりの再更正処分(以下、本件処分という)をなした。5 亡・A、原告B、同C、同D、同G、同H、同J、同K、同Lは、昭和四九年二月一二日本件処分につき被告に対し異議申立をした。6 被告は、右異議申立につき昭和四九年五月八日付で別表4の異議決定欄記載のとおり、本件処分の一部を取消す旨の決定ををした。三しかしながら、本件処分(異議決定により一部取消されたのちのもの)には、五名の者の相続による各取得財産価額を過大に認定した違法があるから、前記二、3の修正申告にかかる各取得財産価額を超える部分およびそれに伴う相続税額部分の取消を求める。第三被告の答弁一請求の原因一は認める。二同二は次の点を除き全部認める。同二、1の修正申告書を提出した者は、亡・E、原告C、原告Dの三名であり、原告Bは更正の請求書を提出した。三同三は争う。第四被告の主張一被相続人Fの相続財産の種類別明細は別表1(但し、金額は被告主張額欄記載)のとおりである。二五名の者の各人ごとの取得財産価額、課税価額、税額等は別表2(但し、金額は被告主張額欄記載)のとおりである。三 Fの相続財産の明細 明細は別表1(但し、金額は被告主張額欄記載)のとおりである。二五名の者の各人ごとの取得財産価額、課税価額、税額等は別表2(但し、金額は被告主張額欄記載)のとおりである。三 Fの相続財産の明細および財産の取得者または債務承継者に係る価額は別表3(但し、金額は被告主張額欄記載)のとおりである。 取得財産価額、課税価額、税額等は別表2(但し、金額は被告主張額欄記載)のとおりである。三 Fの相続財産の明細 明細は別表1(但し、金額は被告主張額欄記載)のとおりである。二五名の者の各人ごとの取得財産価額、課税価額、税額等は別表2(但し、金額は被告主張額欄記載)のとおりである。三 Fの相続財産の明細および財産の取得者または債務承継者に係る価額は別表3(但し、金額は被告主張額欄記載)のとおりである。四大阪鉛錫の株式の評価について五名の者が相続により取得した大阪鉛錫の株式の評価額は次のとおりである。(一) 大阪鉛錫は、故鉛故錫の再生精錬、故鉛故錫の売買交易、非鉄金属の再生精錬並びに加工売買交易等を目的として昭和二二年七月二一日設立された株式会社であるが、本件相続開始時である昭和四五年六月一九日当時資本金一、一二〇万円、発行済株式数二二万四、〇〇〇株で、株主及びその持株数はF一〇万五、四〇〇株、原告Gが三万五、〇〇〇株、原告Bが三万四、〇〇〇株、その他一八名四万九、六〇〇株であり、Fは旧代表取締役、原告Gは代表取締役、原告Bは取締役であつた。そして、その株式は、譲渡について取締役会の承認を要する譲渡制限株式であり、かつ取引相場のない株式であつた。(二) 大阪鉛錫の本件相続税課税時期の直前期末の昭和四五年三月三一日当時における資産の帳簿価額の合計額は五億五、三八一万二、二二七円であり、右直前期末以前一年間における大阪鉛錫の取引金額は一三億三、二六二万〇、九九四円であるから、昭和三九年四月二五日付直資五六、直審(資)一七「相続税財産評価に関する基本通達」(但し、昭和四七年六月二〇日直資三~一六「相続税財産評価に関する基本通達の一部改正について」により改正された後のもの。以下、「基本通達」という)によれば、大阪鉛錫は基本通達にいう中会社に相当し、その株式を取得した五名の者は同族株主であるから、基本通達にいう一般株主にあたる(別表5、6参照 より改正された後のもの。以下、「基本通達」という)によれば、大阪鉛錫は基本通達にいう中会社に相当し、その株式を取得した五名の者は同族株主であるから、基本通達にいう一般株主にあたる(別表5、6参照)。(三) したがつて、基本通達による大阪鉛錫の株式評価の計算式は次のとおりである。1 基本通達一七九項により、次の算式により一株当りの評価額を算出する(別表6参照)。 いう一般株主にあたる(別表5、6参照 より改正された後のもの。以下、「基本通達」という)によれば、大阪鉛錫は基本通達にいう中会社に相当し、その株式を取得した五名の者は同族株主であるから、基本通達にいう一般株主にあたる(別表5、6参照)。(三) したがつて、基本通達による大阪鉛錫の株式評価の計算式は次のとおりである。1 基本通達一七九項により、次の算式により一株当りの評価額を算出する(別表6参照)。類似業種比準価額×L+純資産価額(相続税評価額)×(1-L)Lは評価対象会社(本件では大阪鉛錫)の直前期末における総資産価額(帳簿価額によつて計算した金額)又は直前期末以前一年間における取引金額に応じて、別表7の割合のうちいずれか大きい方の割合である。2 類似業種比準価額は基本通達一八〇頁により次の算式により算出する(別表6参照)。A×((B)/B+(C)/C+(D)/D/3)×0.7-HAは類似業種の株価、Bは類似業種の一株当りの配当額、Cは類似業種の一株当りの年利益金額、Dは類似業種の一株当りの純資産価額(資本金額-左の払込否認金額+資本金積立金額+利益積立金額/発行済株式数)(B) 、(C)、(D)はそれぞれ評価対象会社の一株当りの配当額、年利益金額、純資産価額であり、右算式中の〇・七は評価対象会社が類似会社と比較した場合に流通性が劣ること、及び評価の安全性を確保することから設けられたものである。また直前期末の翌日から課税時期までの間に配当金の支払が確定している場合、いわゆる配当落の修正をする必要があり、右算式により算出された数値からその金額Hを控除する。3 基本通達一八八項(6)により一株当りの純資産価額(相続税評価額)は次の算式により算出する。E-(E-F)×47%/発行済株式指数Eは相続税の評価額によつて評価替した総資産価額より負債の金額を控除したも 一八八項(6)により一株当りの純資産価額(相続税評価額)は次の算式により算出する。E-(E-F)×47%/発行済株式指数Eは相続税の評価額によつて評価替した総資産価額より負債の金額を控除したもの、Fは帳簿価額によつて計算した総資産価額より負債の金額を控除したものであり、評価時点で評価対象会社が解散した場合には清算所得に対する法人税、地方税がかかるので、この税率四七%を評価益に乗じ、これを評価時点における会社の純財産から控除する。 資産価額(相続税評価額)は次の算式により算出する。E-(E-F)×47%/発行済株式指数Eは相続税の評価額によつて評価替した総資産価額より負債の金額を控除したもの、Fは帳簿価額によつて計算した総資産価額より負債の金額を控除したものであり、評価時点で評価対象会社が解散した場合には清算所得に対する法人税、地方税がかかるので、この税率四七%を評価益に乗じ、これを評価時点における会社の純財産から控除する。(四) 右の各計算式の各数値は本件において次のとおりとなる。1 L・・・〇・七五大阪鉛錫の直前期末における総資産価額(帳簿価額によつて計算した金額)は別表9の資産の部、帳簿価額合計欄のとおり五億五、三八一万二、二二七円であり、直前期末以前一年間における取引金額は一三億三、二六二万〇、九九四円である。これを別表7にあてはめた。2 A・・・一〇二円類似業種は非鉄金属製造業である。以下、B、C、Dについても同じ。3 B・・・四・九円 4 C・・・二二円 5 D・・・一二一円 6 (B)・・・一五円 7 (C)・・・四八七円 8 (D)・・・八三四円大阪鉛錫の資本金額一、一二〇万円(払込否認金額はなし)、資本積立金額は〇円であり、その申告書によれば利益積立金額は一億七、五六五万五、二七七円である。9 H・・・二〇円 10 E・・・二億〇、七〇三万九、五四一円本件課税時期(昭和四五年六月一九日)直前の大阪鉛錫の期末(同年三月三一日)の貸借対照表は別表8のとおりであり、これらを含めた当時の資産および負債の内訳は別表9の帳簿価額欄記載のとおりであるところ、これらを相続税評価額によつて評価替えすると、同表の相続税評価額欄記載のとおりとなる。これをさらに問題点に限つて説明すると次のとおりとなる。(イ) 土地相続税評 簿価額欄記載のとおりであるところ、これらを相続税評価額によつて評価替えすると、同表の相続税評価額欄記載のとおりとなる。これをさらに問題点に限つて説明すると次のとおりとなる。(イ) 土地相続税評価額合計二、三二八万六、三八二円大阪鉛錫所有の大阪市<地名略>宅地一三三坪九三、尼崎市<地名略>宅地二五九坪九八を路線価方式で評価すると右金額となる。(ロ) 建物相続税評価額合計八五九万一、五七八円大阪鉛錫所有の大阪市<地名略>所在未登記家屋一棟外七戸の建物の昭和四五年分固定資産税評価額と同額である。 額欄記載のとおりとなる。これをさらに問題点に限つて説明すると次のとおりとなる。(イ) 土地相続税評価額合計二、三二八万六、三八二円大阪鉛錫所有の大阪市<地名略>宅地一三三坪九三、尼崎市<地名略>宅地二五九坪九八を路線価方式で評価すると右金額となる。(ロ) 建物相続税評価額合計八五九万一、五七八円大阪鉛錫所有の大阪市<地名略>所在未登記家屋一棟外七戸の建物の昭和四五年分固定資産税評価額と同額である。(ハ) 貸付金相続税評価額二五五万円債務者Mに対する右貸付金は、そのうち七〇万円につき昭和四六年一〇月三〇日から昭和四九年二月一二日までの間九回にわたつて回収されており、本件相続時において回収不能な不良債権でなかつたことは明らかである。したがつて、右債権は資産に計上すべきものである。(ニ) 不渡手形相続税評価額二七五万一、二〇一円N振出の約束手形額面二七五万一、〇〇〇円は、昭和四三年四月三〇日から昭和四七年一二月三一日までの間三三回にわたつて回収されており、本件相続時において不渡手形でなかつたことは明らかである。したがつて、右手形債権は資産に計上すべきものである。(ホ) 借地権相続税評価額合計五、〇二五万二、〇五七円大阪鉛錫が他から賃借中の大阪市<地名略>宅地九五〇坪一三のうち四四九坪一六外五カ所の土地を路線価方式あるいは倍率方式で評価し、借地権割合〇・五を乗じた合計額である。11 F・・・一億六、〇三四万〇、八九七円(五) したがつて、基本通達によれば、五名の者が取得した大阪鉛錫の株式の評価額は一株七六三円となる。五三和銀行甲子園支店のA名義の普通預金一一五万七、六一六円(別表3の番号26)はFの相続財産であり、三井銀行難 、基本通達によれば、五名の者が取得した大阪鉛錫の株式の評価額は一株七六三円となる。五三和銀行甲子園支店のA名義の普通預金一一五万七、六一六円(別表3の番号26)はFの相続財産であり、三井銀行難波支店のA名義の定期預金四〇万円(別表3の番号46)は相続開始前三年以内にAがFから贈与された財産である。六したがつて、被告のなした本件処分には違法な点は存しない。第五被告の主張に対する原告らの答弁および反論一被告の主張一ないし三に対する原告らの主張は別表1ないし3(但し、金額は各修正申告額欄記載)のとおりである。なお、別表3の番号37についての被告の主張は認める。 はFの相続財産であり、三井銀行難波支店のA名義の定期預金四〇万円(別表3の番号46)は相続開始前三年以内にAがFから贈与された財産である。六したがつて、被告のなした本件処分には違法な点は存しない。第五被告の主張に対する原告らの答弁および反論一被告の主張一ないし三に対する原告らの主張は別表1ないし3(但し、金額は各修正申告額欄記載)のとおりである。なお、別表3の番号37についての被告の主張は認める。二(一) 被告の主張四の(一)、(二)は認める。(二) 同(三)は争う。取引相場のない大阪鉛錫の評価は、被告主張の基本通達によるべきではなく、額面価額によるべきであり、さらに一九五七年シユツツトガルト方式によるのが最も合理的である。(三) 同(四)のうち、(イ) 6、7、9、11は認める。(ロ) 1は争う。但し、主張の各金額は認める。(ハ) 2ないし5は争う。但し、非鉄金属製造業が類似業種であるとすれば、主張の各数値は認める。(ニ) 8は争う。大阪鉛錫の資本金額等が被告主張のとおりとなつていることは認めるが、利益積立金額一億七、五六五万五、二七七円のうちに含まれている特別積立金二、一八〇万円は、昭和三八年頃西淀川税務署長の認定決定によるものであり、根拠不明で利益留保性がないから加算すべきではない。(ホ) 10は争う。本件課税時期(昭和四五年六月一九日)直前の大阪鉛錫の期末(同年三月三一日)の貸借対照表が別表8のとおりであること、これらを含めた当時の資産および負債の内訳がほぼ別表9の帳簿価額欄記載のとおりであることは認めるが、相続税評価額によつて評価替えされ の期末(同年三月三一日)の貸借対照表が別表8のとおりであること、これらを含めた当時の資産および負債の内訳がほぼ別表9の帳簿価額欄記載のとおりであることは認めるが、相続税評価額によつて評価替えされた価額について次の点を争う。(a) 土地は二、三二一万三、〇〇〇円である。(b) 建物は帳簿価額欄記載のとおりである。(c) 債務者Mに対する貸付金二五五万円は不良債権であり、資産として計上すべきではない。(d) N振出の約束手形額面二七五万一、〇〇〇円は不渡手形であり、資産として計上すべきではない。(e) 大阪鉛錫が他から賃借中の土地(被告主張の土地)についての借地権価額は争う。(f) 特定資産のうちから役員退職金引当保険料一九六万五、〇〇〇円を控除すべきである。 る。(b) 建物は帳簿価額欄記載のとおりである。(c) 債務者Mに対する貸付金二五五万円は不良債権であり、資産として計上すべきではない。(d) N振出の約束手形額面二七五万一、〇〇〇円は不渡手形であり、資産として計上すべきではない。(e) 大阪鉛錫が他から賃借中の土地(被告主張の土地)についての借地権価額は争う。(f) 特定資産のうちから役員退職金引当保険料一九六万五、〇〇〇円を控除すべきである。(g) 負債として、貸倒引当金四三九万二、四〇〇円、賞与引当金一七九万円、価格変動準備金四九五万二、八〇〇円、債権償却特別勘定二一三万五、六〇〇円、役員従業員退職金引当金七、〇九八万六、〇〇〇円、従業員賞与引当金五五九万円を計上すべきである。三被告の主張五は否認する。主張にかかる預金はいずれもAの固有財産であり、相続財産ではない。第六証拠関係(省略)○ 理由一請求の原因一については各当事者間に争いがない。二同二については、1の修正申告書を提出した者にAおよび原告Bが含まれるとする点を除き各当事者間に争いがない。三 Fの相続財産の種類別明細についての被告の主張は別表1(但し、金額は被告主張額欄記載)のとおりであり、原告らの主張は同表(但し、金額は修正申告額欄記載)のとおりである。四五名の者の各人ごとの取得財産価額、課税価額、税額等についての被告の主張は別表2(但し、金額は被告主張額欄記載)のとおりであり、原告らの主張は同表(但し、金額は修正申告額欄記載)の おりである。四五名の者の各人ごとの取得財産価額、課税価額、税額等についての被告の主張は別表2(但し、金額は被告主張額欄記載)のとおりであり、原告らの主張は同表(但し、金額は修正申告額欄記載)のとおりである。五相続財産の明細及び財産の取得者または債務承継者に係る価額についての被告の主張は別表3(但し、金額は被告主張額欄記載)のとおりであり、原告らの主張は同表(但し、金額は修正申告額欄記載)のとおりである。なお、同表番号37については被告の主張どおりであることば各当事者間に争いがない。六以上によれば、本件の争点は、(1)五名の者が取得した大阪鉛錫の株式の評価額の適否、(2)三和銀行甲子園支店のA名義の普通預金一一五万七、六一六円(別表3の番号26)はFの相続財産か否か、(3)三井銀行難波支店のA名義の定期預金四〇万円(別表3の番号46)は相続開始前三年以内にAがFから贈与されたものであるか否かにつきる。 、同表番号37については被告の主張どおりであることば各当事者間に争いがない。六以上によれば、本件の争点は、(1)五名の者が取得した大阪鉛錫の株式の評価額の適否、(2)三和銀行甲子園支店のA名義の普通預金一一五万七、六一六円(別表3の番号26)はFの相続財産か否か、(3)三井銀行難波支店のA名義の定期預金四〇万円(別表3の番号46)は相続開始前三年以内にAがFから贈与されたものであるか否かにつきる。よつて、順次右の各点について判断する。七大阪鉛錫の株式の評価について(一) 被告の主張四、(一)及び(二)については各当事者間に争いがない。(二) 相続財産の価額は、当該財産の取得の時における時価による(相続税法二二条)とされているが、具体的な評価方法については同法において僅かの規定しか設けられていないため、取引相場のない大阪鉛錫の株式の評価をどうするかが問題となる。(三) 成立に争いがない乙第二六号証によれば、国税庁が基本通達を設け、相続財産の評価についての詳細を定めていること、基本通達によれば、五名の者が一般株主(同族株主)として取得した大阪鉛錫の株式の評価額は、被告の主張四、(三)の計算式により算出されることが認められる。(四) そこで、基本通達の定める取引相場のない株式の評価方法の合理性について検討する。前掲乙 して取得した大阪鉛錫の株式の評価額は、被告の主張四、(三)の計算式により算出されることが認められる。(四) そこで、基本通達の定める取引相場のない株式の評価方法の合理性について検討する。前掲乙第二六号証及び証人Oの証言によれば、基本通達の定める右評価方法は大略次のとおりである。まず株式取得者の特性に着眼して、同族株主以外の株主等(別表6の特定株主)の取得した株式については配当還元方式を採用する。次に同族株主(別表6の一般株主)の取得した株式の評価については、評価対象会社の規模により大会社、中会社、小会社に分類し(別表5参照)、大会社の場合は類似業種比準方式を、個人に等しい小会社の場合は純資産方式を、中間に位する中会社についてはその混合方式を採用し、しかも類似業種比準方式においては、株式取得者に有利な安全率を見込み、また中会社に関して混合方式を採用するについては、さらに会社の規模を三つに分けて、大会社と小会社の中間形態を細分し、その実体に沿つた評価方法を採用すべく腐心していることが認められる。 会社に分類し(別表5参照)、大会社の場合は類似業種比準方式を、個人に等しい小会社の場合は純資産方式を、中間に位する中会社についてはその混合方式を採用し、しかも類似業種比準方式においては、株式取得者に有利な安全率を見込み、また中会社に関して混合方式を採用するについては、さらに会社の規模を三つに分けて、大会社と小会社の中間形態を細分し、その実体に沿つた評価方法を採用すべく腐心していることが認められる。右事実によれば、大阪鉛錫の株式の評価にあたつて、被告が採用した基本通達の定める方式は合理的なものといえる。この点に関し、原告らは、まず、取引相場のない大阪鉛錫の株式の評価額は額面価額によるべき旨を主張するが、額面価額が株式の時価をあらわすものでないことは明らかであるから右主張を容れることはできないし、また、一九五七年シユツツトガルト方式によるべき旨を主張するが、同方式が前記被告採用の評価方法より合理的であるとも認められないから右主張を容れることはできない。(五) 1 被告の主張四、(四)の6、7、9、11については各当事者間に争いがない。2 同1については、被告主張の金額に争いがないのであるから、前掲乙第二六号証によれば、Lは〇・七五と ない。(五) 1 被告の主張四、(四)の6、7、9、11については各当事者間に争いがない。2 同1については、被告主張の金額に争いがないのであるから、前掲乙第二六号証によれば、Lは〇・七五となる。3 同2ないし5については、証人Oの証言により真正に成立したと認められる乙第二七号証によれば、大阪鉛錫の類似業種は非鉄金属製造業であることが認められるから、被告主張のとおりとなる。4 同8については、この点に関する原告らの主張を認めるに足りる証拠はないから、当事者間に争いのない資本金額、資本積立金額、利益積立金額にもとづき計算すれば、結局被告主張のとおりとなる。5 同10については、各当事者間に争いのある点は、(1)土地、(2)建物、゛(3)貸付金、(4)不渡手形、(5)借地権の相続税評価額によつて評価替えされた各金額並びに後記の(6)特定資産、(7)負債に関してであるところ、成立に争いがない乙第三号証の一ないし一一、第四号証の一ないし九、第五号証の一ないし五、第七号証の一ないし五、第九号証、第一〇号証の一、二、第一一ないし第一六号証、第一七号証の一、二、第一八号証、第一九号証の一、二、第二〇号証の一ないし四、弁論の全趣旨により真正に成立したと認められる乙第六、第八号証によれば、右(1)ないし(5)に関する被告主張の事実が認められ、右認定を左右する証拠はない。 るところ、成立に争いがない乙第三号証の一ないし一一、第四号証の一ないし九、第五号証の一ないし五、第七号証の一ないし五、第九号証、第一〇号証の一、二、第一一ないし第一六号証、第一七号証の一、二、第一八号証、第一九号証の一、二、第二〇号証の一ないし四、弁論の全趣旨により真正に成立したと認められる乙第六、第八号証によれば、右(1)ないし(5)に関する被告主張の事実が認められ、右認定を左右する証拠はない。なお、原告らは、(6)特定資産のうちから役員退職金引当保険料一九六万五、〇〇〇円を控除すべきである、(7)負債として、貸倒引当金、賞与引当金、価格変動準備金、債権償却特別勘定、役員従業員退職金引当金、従業員賞与引当金を計上すべきであると主張する。しかしながら、(6)の主張については、役員退職金引当保険料が本来資産であつてこれを資産から控除すべき理由はないから容れることはできな 員退職金引当金、従業員賞与引当金を計上すべきであると主張する。しかしながら、(6)の主張については、役員退職金引当保険料が本来資産であつてこれを資産から控除すべき理由はないから容れることはできないし、また(7)の主張については、主張にかかる貸倒引当金等は会計上の負債性引当金に相当するものの、現実に債務として確定しているわけではないから、相続財産としての株式の評価にあたつてはこれらを負債として計上すべきではない(なお、負債として、退職給与引当金一四四万四、六〇〇円が計上されているが、これは基本通達に基づき、法人税法五五条二項に規定する退職給与引当金額に相当する金額が計上されたものと認められるところ、退職給与引当金の特性にかんがみ、右の範囲で恩恵的、政策的に認められたに過ぎない。)。そうすると、10の数値は被告主張のとおりとなる。(六) よつて、前記(五)で得られた数値を前記(三)の計算式にあてはめると、五名の者が取得した大阪鉛錫の株式の評価額は一株七六三円となる。八三和銀行甲子園支店のA名義の普通預金一一五万七、六一六円について。成立に争いがない乙第一号証の一、二、証人Pの証言、証人Qの証言の一部によれば(1) 昭和四五年六月一九日当時三和銀行甲子園支店のA名義の普通預金一一五万七、六一六円が存していたこと(2) Aは当時大阪鉛錫の監査役として年額一〇万円の収入を得ていたに過ぎないこと(3) 右銀行口座には多額の金員の出し入れがなされているが、その原因の明確にされているものはおおむねFの金であることが認められ、右認定に反する証人Qの証言部分は採用できず、他に右認定を左右する証拠はない。 一部によれば(1) 昭和四五年六月一九日当時三和銀行甲子園支店のA名義の普通預金一一五万七、六一六円が存していたこと(2) Aは当時大阪鉛錫の監査役として年額一〇万円の収入を得ていたに過ぎないこと(3) 右銀行口座には多額の金員の出し入れがなされているが、その原因の明確にされているものはおおむねFの金であることが認められ、右認定に反する証人Qの証言部分は採用できず、他に右認定を左右する証拠はない。右認定の事実によれば、A名義の右普通預金は、Fの相続財産とみるほかはない。九三井銀行難波支店のA名義の定期預金四〇万円について。成立に争 証言部分は採用できず、他に右認定を左右する証拠はない。右認定の事実によれば、A名義の右普通預金は、Fの相続財産とみるほかはない。九三井銀行難波支店のA名義の定期預金四〇万円について。成立に争いがない乙第二号証の一、二、証人Pの証言によれば、Aは昭和四三年六月一〇日頃Fより贈与を受けた四〇万円を三井銀行難波支店で定期預金し、昭和四四年六月一九日これを解約し、同日再び定期預金していたことが認められ、右認定に反する証拠はない。右事実によれば、Aの右定期預金にかかる四〇万円は相続開始前三年以内にAがFから贈与されたものであることは明らかで、相続税の課税価格に算入されるべきものである。一〇 以上の次第で、五名の者の各人ごとの取得財産価額、課税価額、税額等は別表2の被告主張額欄記載のとおりとなるから、その範囲内でなされた本件処分にはなんら違法な点は存しない。一一よつて、原告らの請求は失当であるからいずれも棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条、九三条一項本文を適用して主文のとおり判決する。(裁判官荻田健治郎井深泰夫市川正己)別表1~4、8、9(省略)

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る