昭和46(オ)659 建物収去土地明渡請求

裁判年月日・裁判所
昭和47年7月18日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄差戻 福岡高等裁判所 昭和44(ネ)572
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判決文本文1,375 文字)

主文 原判決を破棄する。本件を福岡高等裁判所に差し戻す。理由 上告人の上告理由について。借地上の建物の所有権が第三者に移転する場合には、それが売買等任意譲渡による場合であると、任意競売、強制競売等国家機関の介入による場合であるとを問わず、建物取りこわしの目的で売買したとか借地を転貸する合意があつた等の特別の事情が存しないかぎり、その敷地の借地権は、建物の所有権とともに当然に第三者に移転するものと解すべく、右特別の事情の存することの主張・立証責任は、これを自己の利益に援用する者の側にあるものというべきである(最高裁判所昭和三七年(オ)第七六五号同三九年一二月一一日第二小法廷判決、民集一八巻一〇号二一二七頁、同裁判所昭和三九年(オ)第一〇三三号同四〇年五月四日第三小法廷判決、民集一九巻四号八一一頁、大審院大正一五年(オ)第一二〇七号昭和二年四月二五日判決、民集六巻一八二頁各参照)。本件についてみるに、原判決(その引用する第一審判決を含む。以下同じ。)は、訴外D精機株式会社が被上告人から本件土地(第一審判決添付物件目録(一)の土地)を建物所有の目的で貸借し、右土地上に本件建物(第一審判決添付物件目録(二)の建物)を所有していたこと、右建物の所有権が競落により同訴外会社から訴外Eに、さらに売買により訴外Eから上告人に移転したことを認定しているのであるから、特別の事情が存しないかぎり、右土地の借地権も、右当事者間においては、右建物の所有権とともに訴外会社から訴外Eを経て上告人に移転しているものと解さなければならない。しかし、原判決は、訴外Eが訴外会社から賃借権の譲渡を受け、さらに上告人が訴外Eからその譲渡を受けたことはいずれもこれを認めるに足りる証- 1 -拠がないとしてその間の のと解さなければならない。しかし、原判決は、訴外Eが訴外会社から賃借権の譲渡を受け、さらに上告人が訴外Eからその譲渡を受けたことはいずれもこれを認めるに足りる証- 1 -拠がないとしてその間の賃借権の譲渡を認めず、さらにこれを前提として、上告人の権利濫用および建物買取請求権の主張を排斥しているが、本件において右のような特別の事情が存することは被上告人においてなんら主張・立証していないし、原判決もまたこれを認定・判示していない。 し、原判決は、訴外Eが訴外会社から賃借権の譲渡を受け、さらに上告人が訴外Eからその譲渡を受けたことはいずれもこれを認めるに足りる証- 1 -拠がないとしてその間の賃借権の譲渡を認めず、さらにこれを前提として、上告人の権利濫用および建物買取請求権の主張を排斥しているが、本件において右のような特別の事情が存することは被上告人においてなんら主張・立証していないし、原判決もまたこれを認定・判示していない。したがつて、原判決には法令解釈の誤りがあり、ひいては理由不備ないし理由齟齬の違法があるものというべきであるから、論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。そして、本件については、さらに審理を尽くす必要があるから、これを原審に差し戻すのが相当である。よつて、民訴法四〇七条を適用して、裁判官全員の一致により、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官田中二郎裁判官関根小郷裁判官天野武一裁判官坂本吉勝- 2 -

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