平成13(わ)1162 覚せい剤取締法違反,銃砲刀剣類所持等取締法違反

裁判年月日・裁判所
平成14年3月15日 神戸地方裁判所
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判決文本文2,781 文字)

判決平成14年3月15日宣告神戸地方裁判所平成13年(わ)第1162号,第1218号覚せい剤取締法違反,銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件 主文 被告人を懲役12年及び罰金400万円に処する。 未決勾留日数中80日を懲役刑に算入する。 罰金を全額納めることができないときは,1万円を1日に換算した期間労役場に留置する。 チャック付きポリ袋入り覚せい剤白色結晶粉末13袋(平成13年押第211号の1から13),自動装填式けん銃1丁(同号の14),実包16発(同号の15,鑑定のため,いずれも試射済み。)を没収する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,第1 営利の目的で,みだりに,平成13年10月18日午後5時14分ころ,大阪府堺市A町a番地のB203号室で,フエニルメチルアミノプロパン塩類を含有する覚せい剤白色結晶粉末合計約568.721グラム(平成13年押第211号の1から13はその鑑定残量)を所持した。 第2 法定の除外事由がないのに,同日午後5時37分ころ,同室で,自動装填式けん銃1丁(同号の14)を,これに適合し,かつ,けん銃に使用することができる実包16発(同号の15,鑑定のため,いずれも試射済み。)とともに保管して所持した。 (証拠の標目)省略(累犯前科)被告人は,平成6年9月14日C地方裁判所D支部で覚せい剤取締法違反の罪により懲役5年及び罰金60万円に処せられ,平成11年7月9日その懲役刑の執行を受け終わったものであって,この事実は検察事務官作成の前科調書(検察官請求番号82),判決書謄本(同番号88)に 反の罪により懲役5年及び罰金60万円に処せられ,平成11年7月9日その懲役刑の執行を受け終わったものであって,この事実は検察事務官作成の前科調書(検察官請求番号82),判決書謄本(同番号88)によって認める。 (法令の適用)被告人の判示第1の所為は覚せい剤取締法41条の2第2項,1項に,判示第2の所為のうち,けん銃の加重所持の点は銃砲刀剣類所持等取締法31条の3第2項,1項,3条1項に,けん銃実包を所持した点は同法31条の8,3条の3第1項にそれぞれ該当するところ,判示第2は1個の行為が2個の罪名に触れる場合であるから,刑法54条1項前段,10条により1罪として重いけん銃の加重所持の罪の刑で処断し,判示第1の罪について情状により所定刑中懲役刑及び罰金刑を選択し,被告人には前記の前科があるので同法56条1項,57条により判示第1の罪の懲役刑及び判示第2の罪の刑にそれぞれ再犯の加重(いずれも同法14条の制限に従う。)をし,以上は同法45条前段の併合罪であるから,懲役刑について同法47条本文,10条により重い判示第2の罪の刑に同法14条の制限内で法定の加重をし,罰金刑については同法48条1項によりこれをその懲役刑と併科し,その刑期及び所定の金額の範囲内で被告人を懲役12年及び罰金400万円に処し,同法21条を適用して未決勾留日数中80日を懲役刑に算入し,罰金を全額納めることができないときは,同法18条により1万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置し,押収してあるチャック付きポリ袋入り覚せい剤白色結晶粉末13袋(平成13年押第211号の1から13)は判示第1の罪に係る覚せい剤であって犯人である被告人の所有するものであるから覚せい剤取締法41条の8第1項本文によりこれを没収し,自動装填式けん銃1丁(同号の14),実包16発(同号の ら13)は判示第1の罪に係る覚せい剤であって犯人である被告人の所有するものであるから覚せい剤取締法41条の8第1項本文によりこれを没収し,自動装填式けん銃1丁(同号の14),実包16発(同号の15,鑑定のため,いずれも試射済み。)はいずれも判示第2のけん銃の加重所持の犯罪行為を組成した物で被告人以外の者に属しないから,刑法19条1項1号,2項本文を適用してこれを没収することとする。 (量刑の理由) 1 本件は,前記累犯前科に掲記したものを含め,覚せい剤の密売事犯により2回処罰を受けた被告人が,約568グラムにものぼる極めて多量の密売用覚せい剤を所持すると同時に,16発もの適合実包とともに自動装填式けん銃1丁を所持していた事案であって,それだけを見ても極めて重大であって悪質な犯行である。しかも, 被告人は,覚せい剤を密売するため,他人名義の携帯電話や密売用の覚せい剤の保管場所として本件アパートの部屋を契約し,覚せい剤計量用のはかりや多数の新品の注射器等も保管していたこと,被告人は,覚せい剤の仲卸を企図していたものとうかがわれ,被告人が所持していた約568グラムの覚せい剤は,すでに13袋に分包され,直ちに密売できる状況にあったもので,覚せい剤の害悪が社会に拡散する危険性は高かったこと,被告人が覚せい剤の密売を企てた動機は,借金返済資金を得るためであり,自己の利益のためには,社会に覚せい剤の害悪が拡散することを一顧だにしない極めて身勝手で,自己中心的なものであること,被告人には本件と同種の前科3犯があり,本件は,前刑の覚せい剤営利目的所持事犯による服役出所後,程なく被告人により企てられたもので,被告人は,覚せい剤の入手経路について,あいまいな供述に終始して明らかにしていないこと,以上のように多量の覚せい剤の密売を企てていた被告人は,さ 服役出所後,程なく被告人により企てられたもので,被告人は,覚せい剤の入手経路について,あいまいな供述に終始して明らかにしていないこと,以上のように多量の覚せい剤の密売を企てていた被告人は,さらに,適合実包16発とともに自動装填式けん銃1丁も隠匿所持していたもので被告人が当時暴力団構成員であり,その入手動機,入手先について不合理な弁解に終始してこれらを明らかにしないこと等からすると,そのけん銃が現実に使用される危険性は大きいものがあったというべきであること等の事情にかんがみると,被告人の刑事責任は大変重いというべきである。 2 しかしながら,他方,被告人は,公判で,本件犯行を反省している旨述べていること,被告人は,本件覚せい剤を実際には密売できず,また,本件けん銃を一度も使用しておらず,本件けん銃には,その適合する実包は装填されていなかったこと,被告人の知人が被告人の更生に協力すると証言していること,被告人は,本件犯行を機に,暴力団から脱退したこと等の被告人のために酌むべき事情も認められる。 3 そこで,以上のような諸事情を総合して考慮し,被告人には主文の刑を科するのが相当であると判断した。 平成14年3月15日神戸地方裁判所第4刑事部裁判長裁判官白神文弘裁判官寺本明広裁判官谷口吉伸

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