平成22(ワ)18759 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成23年6月29日 東京地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-81485.txt

判決文本文46,517 文字)

平成23年6月29日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成22年(ワ)第18759号損害賠償請求事件口頭弁論終結日平成23年4月18日判決札幌市北区<以下略>原告株式会社プロサイト同訴訟代理人弁護士森田政明同補佐人弁理士森 正澄東京都杉並区<以下略>被告日本ヒューレット・パッカード株式会社同訴訟代理人弁護士城山康文同山本健策同村 田 真揮子同訴訟代理人弁理士山本秀策同補佐人弁理士砂金伸一 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求被告は,原告に対し,1億2540万円及びこれに対する平成22年6月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,別紙商標権目録1ないし3記載の各商標(以下,それぞれ「原告商標1」などといい,原告商標1ないし3を併せて「原告各商標」という。)について商標権(以下,それぞれ「原告商標権1」などといい,原告商標権1な いし3を併せて「原告各商標権」という。)を有する原告が,被告に対し,被告が別紙被告商品目録の「被告ヒューレット社製品名」欄記載の各商品(以下「被告商品」という。)に関する広告に別紙被告標章目録記載1ないし3の各標章(以下,それぞれ「被告標章1」などといい,被告標章1ないし3を併せて「被告各標章」という。)を付し,電磁的方法により提 下「被告商品」という。)に関する広告に別紙被告標章目録記載1ないし3の各標章(以下,それぞれ「被告標章1」などといい,被告標章1ないし3を併せて「被告各標章」という。)を付し,電磁的方法により提供するなどした行為が,原告各商標権を侵害すると主張して(商標法25条,37条1号,2条3項8号),民法709条及び商標法38条3項に基づき,平成19年5月から平成22年4月までの損害賠償として1億2540万円及びこれに対する訴状送達日の翌日である平成22年6月17日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 争いのない事実等(争いのない事実以外は,証拠等を末尾に記載する。)(1) 当事者原告は,コンピュータによる事務処理及び技術計算の請負,パッケージソフトウェアの開発及び販売,事務機器販売等を業とする会社である。 被告は,卓上型・携帯型計算機,電子計算機,電子計算機用周辺機器,民生用電気機械器具,電子応用装置及び通信機械器具並びにそれらの部品及びそれらの関連機器の研究開発及び製造,前記機械,機器及び製品のソフトウェアの作成及び製造等を業とする会社である。 (2) 原告の商標権原告は,別紙商標権目録1ないし3の各商標権(原告各商標権)を有する(甲34,43ないし46)。 (3) 被告の行為被告は,別紙被告商品目録記載の被告商品を販売している(甲48ないし57,59ないし84)。 2 争点(1) 被告による被告各標章の使用が,原告各商標と同一又は類似の商標 を使用するものとして,原告各商標権の侵害行為又は侵害とみなす行為(商標法37条1号)に該当するか。 ア被告各標章は,被告商品につき商標として使用されているか。 又は類似の商標 を使用するものとして,原告各商標権の侵害行為又は侵害とみなす行為(商標法37条1号)に該当するか。 ア被告各標章は,被告商品につき商標として使用されているか。 イ被告各標章は,原告各商標と同一又は類似の商標に該当するか。 (2) 原告各商標権の効力が商標法26条1項2号により被告各標章に及ばないか。 (3)ア原告商標1に基づく原告の被告に対する権利行使が権利濫用に当たるか。 イ原告商標2及び3の商標登録に商標法46条1項1号(同法3条1項3号)所定の無効事由があり,原告の原告商標権2及び3の行使が同法39条により準用される特許法104条の3第1項の規定に基づき制限されるか。 (4) 原告の損害第3 争点に対する当事者の主張 1 被告各標章は,被告商品について商標として使用されているか(争点(1)ア)。 (原告の主張)(1) 被告は,下記ア及びイのとおり,被告各標章を使用している。 ア商品に関する広告等の行為(商標法2条3項8号前段)(ア) 被告商品に関するカタログ(甲9,10)には,「必要な情報への即時アクセスでお客様のビジネスを快適にするクイックルック」,「ビジネスに欠かせない効率化を追求するHPQuickLookとは?」,「HPノートPCに,『HPQuickLook2』を搭載」,「電源OFFから個人データにアクセス『HPQuickLook2』」等と記載され,上記記載に並列して,被告標章3が表示されているところ,このような記載のあるカタログの 頒布は,商品に関する広告に商標を付して頒布する行為に該当する。 (イ) 被告商品には,キーボード前方に,被告標章2を想起させる図柄のボタン又はキーが配置されているところ,これは, ログの 頒布は,商品に関する広告に商標を付して頒布する行為に該当する。 (イ) 被告商品には,キーボード前方に,被告標章2を想起させる図柄のボタン又はキーが配置されているところ,これは,商品に関する広告に標章を付して展示する行為に該当する。 イ電磁的方法による商品情報提供行為(商標法2条3項8号後段)被告は,被告商品のカタログを電磁的方法により提供するに当たり,被告ソフトウェアの紹介中に「QuickLook」の文字を使用し,また,「QuickLookボタン」や「QuickLookキー」の写真及びこれらの文字を掲載している(甲47ないし57,59ないし84)ところ,上記掲載は,電磁的方法による商品情報提供行為に該当する。 (2) 被告による上記(1)の行為は,被告商品を「商品」として,被告各標章をその商標として使用する行為に該当し,原告各商標権を侵害する。 ア商標法上,「商品」の意義について特に定義はされていないが,同法1条の立法趣旨からすれば,取引市場に提供され,それぞれが選択と代替性を有する多数の競合する対象物の中から,特定の対象物を目印(商標)によって選択し入手し得る限りにおいては,その対象物こそが商標法上の対象商品であるというのが相当である。 イ被告商品においては,ノート型コンピュータに所定プログラムがバンドル(搭載)されることにより,ノート型コンピュータと同プログラムが結合して,独自のデータアクセス機能を奏する1つのまとまったシステム(以下「データアクセスシステム」という。)を構成するものである。このデータアクセスシステムは,ノート型コンピュータに,同システム専用に用いられる「ボタン」を設けており,ソフトウェアとハードウエアが構成上機能上不離一体となっている(甲9,10)。そ ものである。このデータアクセスシステムは,ノート型コンピュータに,同システム専用に用いられる「ボタン」を設けており,ソフトウェアとハードウエアが構成上機能上不離一体となっている(甲9,10)。そして,このデータアクセスシステムは,多数存在する他社同 種のコンピュータシステムとの間で,「クイックルック等」を標章として,選択され識別される。 そして,上記データアクセスシステムは,ノート型コンピュータに構成上機能上不離一体でかつコンピュータと共に授受されるのであるから,上記データシステムのみならず,ノート型コンピュータもまた,他社の同種のコンピュータとの間で,データアクセスシステムに係る「クイックルック等」を標章として,選択され識別される。 そうすると,被告商品(コンピュータ)は,多数の競合する対象物の中から,「クイックルック等」を目印として選択され,入手されるのであるから,被告各標章の付された商品ということができる。 (3) 仮に,被告各標章が被告商品を「商品」として使用されているものでないとしても,被告による前記(1)の行為は,被告ソフトウェアを「商品」として,被告各標章をその商標として使用するものであり,かつ被告商品の商品識別機能をも有するから,被告商品について,原告各商標権を侵害する。 ア被告各標章の被告ソフトウェアについての使用被告各標章は,被告の販売するコンピュータ製品において,コンピュータが待機・休止又は停止状態時に,電子メール,カレンダー,作業,タスク及び連絡先の情報に即時にアクセスすることを可能とする機能を果たすソフトウェアであって,マイクロソフトの各ウインドウズOSに適合するソフトウェア(以下「被告ソフトウェア」という。)の名称として使用されている。このことは,次の事実から明らかである。 機能を果たすソフトウェアであって,マイクロソフトの各ウインドウズOSに適合するソフトウェア(以下「被告ソフトウェア」という。)の名称として使用されている。このことは,次の事実から明らかである。 被告は,「QUICKLOOK」商標(商願2008-10518)を商標登録出願するに当たり,米国出願商標(甲22の1)を優先権主張の基礎とする優先権証明書提出書(甲89)を提出しており, 上記優先権証明書提出書には,米国出願においてされた被告ソフトウェアの使用証明が宣誓書とともに添付されているのであって,上記優先権証明書提出書に添付されたヒューレットパッカードデベロップメントカンパニーエル.ピー.(以下「米国HP」という。)作成に係るウェブサイト(「HPQuickLookSoftware-HPBusinessSupportCenter」)をダウンロードした書面(甲90)には,被告の販売するコンピュータ製品に使用されるソフトウェアとして「QuickLook」ソフトウェアが表示されているから,被告ソフトウェアは,市場において独立して商取引の対象とされ,流通の対象となる商品であるということができる。 イ被告商品(完成品)に組み込まれた後の被告ソフトウェア(部品)の独立商品性について商標の付された商品が部品として完成品に組み込まれた場合において,上記組込み後も,その部品が元の商品としての形態ないし外観を保っていて,その商標が当該部品の商品識別機能を保持していると認められる場合には,商標権の侵害が成立する(最高裁平成8年(あ)第342号同12年2月24日第一小法廷決定)。以下に述べるとおり,被告ソフトウェアは,コンピュータに組み込まれた後もソフトウェアの存在が明示され,認識されるのであるから,独立商品性を有し,商品 第342号同12年2月24日第一小法廷決定)。以下に述べるとおり,被告ソフトウェアは,コンピュータに組み込まれた後もソフトウェアの存在が明示され,認識されるのであるから,独立商品性を有し,商品識別機能を喪失していない。 (ア) 「QuickLook」ソフトウェアは,コンピュータに組み込まれた後も,他のソフトウェアと異なり,それ自体が単体で広告される(甲9,10)等,独立商品性を維持している。 (イ) 被告商品(コンピュータ)の販売促進広告において,「QuickLook」ソフトウェアの表示(甲47~57,59~84)がさ れており,各カタログの「スペック」の「主なソフトウェア」にその記載がある。これは,マイクロソフトオフィス等のビジネスソフトウェアもインストールされている場合はその旨表示されているのと同様である。このように,被告の「QuickLook」ソフトウェアは,コンピュータをして所定のソフトウェア機能を発揮させるものであり,これが被告商品(コンピュータ)に組み込まれた後も,そこに当該ソフトウェアが存在することが明示され,かつ認識されるのであるから,独立商品性を維持している。 (ウ) 加えて,「QuickLook」ソフトウェアは,被告商品(コンピュータ)への組込み前及び組込み後において,一貫して,「QuickLook」「クイックルック」と表示されているから,一般需要者及び取引者は,被告ソフトウェアの組込み後においても,ソフトウェアについての「QuickLook」商標を認識する。したがって,「QuickLook」商標は,被告ソフトウェアが被告商品(コンピュータ)に組み込まれた後であってもなお,ソフトウェアについての商品識別機能を保持している。 したがって,上記最高裁決定の趣旨によれば,被告各標章は, k」商標は,被告ソフトウェアが被告商品(コンピュータ)に組み込まれた後であってもなお,ソフトウェアについての商品識別機能を保持している。 したがって,上記最高裁決定の趣旨によれば,被告各標章は,部品たる被告ソフトウェアが完成品たる被告商品に搭載又はインストールされた後も,被告ソフトウェアの識別標章として機能し,その商標として使用されているものというべきである。 (エ) 被告商品についての商品識別機能そもそも,コンピュータはそれ自体では機能し得ず,必ずソフトウェアを必要とするものであって,取引者又は需要者は,コンピュータの購入に際し,どのようなソフトウェアが搭載されているかをその判断基準とするものであり,コンピュータのカタログ等においても,基本ソフト及びアプリケーションソフトの記載は必須項目であるなど, コンピュータとソフトウェア間には相互補完及び相互依存的な特殊事情が存在するのであって,一般消費者は,被告ソフトウェアが搭載されたコンピュータを購入したいとの認識をもって被告商品を購入するものであるから,コンピュータ購入の際の選択において,ソフトウェアの識別標章が,コンピュータの商品識別機能を有することは明らかである。 したがって,被告各標章は,被告商品の商品識別機能をも有するものであり,被告商品に使用されたものとして,原告各商標権を侵害する。 (被告の主張)(1) 被告は,被告各標章を使用していないことア被告標章2及び3の使用については否認する。被告は,ウェブサイト等において,「HPQuickLook(クイックルック)」,「HPQuickLook」,「HPQuickLook2」,「HPQuickLook3」,「QuickLookボタン」又は「QuickLookキー」と表示したに Look(クイックルック)」,「HPQuickLook」,「HPQuickLook2」,「HPQuickLook3」,「QuickLookボタン」又は「QuickLookキー」と表示したにすぎず,また,黒地に白抜きで,上段と下段にそれぞれ「Quick」及び「Look」と表示され,かつ,上下段にまたがって「2」又は「3」との表示がされた標章(以下,それぞれ「被告標章3-2」「被告標章3-3」という。)を表示したにすぎないものであって,これらの標章は,それぞれ全体として一体となったものであるから,被告が被告標章2及び3を使用した事実はない。 イまた,原告は,被告商品のキーボード前方に被告各標章を想起させる図柄のボタン又はキーが配置されており,これが,商品に関する広告等の行為(商標法2条3項8号前段)に該当すると主張するが,被告商品のキーボードには,甲49号証及び甲55号証に記載されているとおりの各図柄が表示されたボタンが配置されているにすぎず,被告商品のキ ーボード上に被告各標章が表示されているわけではないから,この点に関し,被告に,同法2条3項8号前段に該当する行為は存在しない。 (2) 被告各標章は,被告商品が有する機能の一部を記述的に表示したものにすぎず,商標法上の「商品」について使用されているものではないことアそもそも,商標法において,商標使用の対象は「商品」又は「役務」であり,ある標章を商標として使用しているというためには,少なくとも当該標章が「商品」又は「役務」について使用されている必要があるのであって,商標法における「商品」とは,市場において独立した商取引の対象として流通に供される物であると解されている(東京高判平成16年11月30日,東京高判平成13年2月28日等)ところ,下記(ア)ないし ,商標法における「商品」とは,市場において独立した商取引の対象として流通に供される物であると解されている(東京高判平成16年11月30日,東京高判平成13年2月28日等)ところ,下記(ア)ないし(コ)のとおり,被告各標章は,市場において独立した取引の対象として流通に供されている何らかの物について使用されているものではないから,被告各標章は,「商品」について使用されているものではない。 (ア) 甲9,10について甲9及び10においては,「必要な情報への即時アクセスでお客様のビジネスを快適にするクイックルック」,「HPのノートPCに,『HPQuickLook』新搭載」,「うれしい新機能『HPQuickLook(クイックルック)』がHPのノートPCに新登場」(甲9),「メールを見るためだけにOSを起動するのは面倒。 そこでHPはノートPCに『HPQuickLook2』を採用。」(甲10)などと記載されているのみであって,被告標章1は,被告商品が有する機能のうち,起動を待たずに素早くメール等を見ることができる機能についての説明文中の一単語として,または,「QuickLook」の読み方を片仮名表記するものとして使用されているにすぎず,被告標章2は,被告商品が有する上記機能についての 説明文中の一単語として使用されているにすぎない。このことは,甲9において,「必要な情報への即時アクセスでお客様のビジネスを快適にするクイックルック」との記載に続けて,「OFFからでもすぐチェック」,「電源がOFFでも,ボタンを押すだけでメールや予定がすぐ見られる。」などと,「素早く見ること(クイックルック)」をより具体的に敷衍した説明が記載されていることからも明らかである。 したがって,被告標章1及び2は,被告商品の上記機能を記述 や予定がすぐ見られる。」などと,「素早く見ること(クイックルック)」をより具体的に敷衍した説明が記載されていることからも明らかである。 したがって,被告標章1及び2は,被告商品の上記機能を記述したものにすぎず,市場において独立した取引の対象として流通している何らかの物について使用されているものではない。 また,甲10において,「Outlookのメールデータやスケジュール,電話帳,仕事リストなどの個人データについて,OSが起動していない状態から瞬時※にアクセス可能です。」,「「電源をオフしてしまったが,今すぐメールをチェックしたい」,そんな時,すばやくデータにアクセスできるので,忙しいビジネスパーソンにも嬉しい機能です。」との記載に隣接して,被告標章3-2が掲載されているところ,上記使用態様をみると,被告標章3-2が,被告標章1及び2と同様に,被告商品の上記機能を記述したものにすぎず,市場において独立した取引の対象として流通している何らかの物について使用されているものではないことが明らかである。 (イ) 甲47について甲47においては,「急いでメールや予定をチェックしたいのに,OSの起動待ちでイライラ。そこでHPはノートPCに『HPQuickLook2』を採用。電源OFFからでも専用ボタンを押すだけで,メール,スケジュール,電話帳,仕事リストをパッと表示」,「HPQuickLook2 Outlookのメールデータやス ケジュール,電話帳,仕事リストなどの個人データについて,OSが起動していない状態から瞬時※にアクセス可能です。」など,コンピュータ機能の説明文中に被告標章2が使用されているにすぎず,被告標章2は,起動を待たずに素早くメール等を見ることができるという点を記述したものにすぎないから,同標章 アクセス可能です。」など,コンピュータ機能の説明文中に被告標章2が使用されているにすぎず,被告標章2は,起動を待たずに素早くメール等を見ることができるという点を記述したものにすぎないから,同標章が,市場において独立した取引の対象として流通している物について使用されているものではないことが明らかである。 (ウ) 甲48,50,52,60ないし62,65,67について甲48,50,52,60ないし62,65,67において,「HPQuickLook2」(甲48,61については「HPQuickLook3」)は,被告商品の有する特徴のうち,ビジネス用途に最適な機能の一つとして,「世界をリードする3つのソリューショングループ」の中の「簡易性」グループの中に位置付けられて表示されており,かつ,「電源OFFから個人データにアクセス 『HPQuickLook2』」(甲48,61については「HPQuickLook3」)との表示が,「Outlookのメールデータやスケジュール,電話帳,仕事リストなどの個人データについて,OSが起動していない状態から瞬時※にアクセス可能です。」との説明文を付して使用されている。したがって,「HPQuickLook」は製品の一機能の名称にすぎず,被告標章2が,市場において独立した商取引の対象として流通している物について使用されているものではないことが明らかである。 (エ) 甲49,51,54,59,63,64,66について甲49,51,54,59,63,64,66において,「HPQuickLook3」は,被告商品の有する特徴のうち,ビジネス用途に最適な機能の一つとして,「世界をリードする3つのソリュー ショングループ」の中の「簡易性」グループの中に位置付けられて表示されており ok3」は,被告商品の有する特徴のうち,ビジネス用途に最適な機能の一つとして,「世界をリードする3つのソリュー ショングループ」の中の「簡易性」グループの中に位置付けられて表示されており,かつ,「QuickLookボタン」との表示が,「電源OFFから個人データにアクセス『HPQuickLook3』」というタイトルを付した上で,「『電源をオフしてしまったが,今すぐメールをチェックしたい』,そんな時,QuickLookボタンを押せばすばやくデータにアクセスできるので,忙しいビジネスパーソンにも嬉しい機能です。」との説明文中で使用されている。したがって,「HPQuickLook」は製品の一機能の名称にすぎず,「QuickLookボタン」は被告商品が有するクイックルック機能をワンタッチで起動させることができる付属ボタンを意味するにすぎないから,被告標章2が,市場において独立した取引の対象として流通している物について使用されているものではないことが明らかである。 (オ) 甲53,55ないし57について甲53,55ないし57において,「HPQuickLook3」は,被告製品の特徴のうち,ビジネス用に最適な機能の一つとして,「世界をリードする3つのソリューショングループ」の一つである「簡易性」グループの中に位置付けられて表示されており,かつ,「QuickLookキー」との表示が,「電源OFFから個人データにアクセス『HPQuickLook3』」とのタイトルを付した上で,「『電源をオフしてしまったが,今すぐメールをチェックしたい』,そんな時,QuickLookキーを押せばすばやくデータにアクセスできるので,忙しいビジネスパーソンにも嬉しい機能です。」との説明文中で使用されている。したがって,「HPQuickL したい』,そんな時,QuickLookキーを押せばすばやくデータにアクセスできるので,忙しいビジネスパーソンにも嬉しい機能です。」との説明文中で使用されている。したがって,「HPQuickLook」は製品の一機能の名称にすぎず,「QuickLookキー」は製品の付属キーの名称にすぎないから,被告標章2が,市 場において独立した取引の対象として流通している物について使用されているものではないことが明らかである。 (カ) 甲68,74,76,81について甲68,74,76,81においては,当該被告商品につき列挙されたスペックのうち「ワンタッチボタン」の項目に,「無線オン/オフボタン」等の表示と併記して,「QuickLookボタン」の表示がされているのであって,「QuickLookボタン」との表示は,被告製品が有するクイックルック機能をワンタッチで起動させることができる付属ボタンを意味するにすぎないから,被告標章2が,市場において独立した取引の対象として流通している物について使用されているものではないことが明らかである。 (キ) 甲69ないし73,80について甲69ないし73,80においては,当該被告商品につき列挙されたスペックのうち「ワンタッチボタン」の項目に,「無線ボタン」等と併記して,「QuickLookボタン」との表示がされ,かつ,「プリインストール/プリロード」の項目に,「HPProtectToolsセキュリティマネージャー」等と併記して,「HPQuickLook」との表示がされているところ,上記各表示のうち,「QuickLookボタン」については被告製品が有するクイックルック機能をワンタッチで起動させることができる付属ボタンを意味するにすぎず,「HPQuickLook」について ,上記各表示のうち,「QuickLookボタン」については被告製品が有するクイックルック機能をワンタッチで起動させることができる付属ボタンを意味するにすぎず,「HPQuickLook」についてはOSの起動を待たずに素早くメール等を見ることができる機能がプリインストールされていることを説明するものにすぎないことが明らかである。したがって,被告標章2が市場において独立した取引の対象として流通している物について使用されているものではない。 (ク) 甲75,77ないし79について 甲75,77ないし79においては,当該被告商品につき列挙されたスペックのうち「主なソフトウェア」の項目に,「HPProtectToolsセキュリティマネージャー」等と併記して,「HPQuickLook」との表示がされているところ,上記表示は,起動を待たずに素早くメール等を見ることができる機能が当該被告商品にインストールされていることを説明するものにすぎないのであるから,被告標章2が,市場において独立した取引の対象として流通している物について使用されているものではないことが明らかである。 (ケ) 甲82,84について甲82,84においては,当該被告商品につき列挙されたスペックのうち「ワンタッチボタン」及び「主なソフトウェア」の項目に,それぞれ「HPQuickLook」との表示がされているのであって,上記表示は,起動を待たずに素早くメール等を見ることができる機能が当該被告商品にインストールされていること及びこの機能をワンタッチで呼び出す付属ボタンが付されていることを説明するものにすぎないのであるから,被告標章2が,市場において独立した取引の対象として流通している物について使用されているものではないことが明らかであ ッチで呼び出す付属ボタンが付されていることを説明するものにすぎないのであるから,被告標章2が,市場において独立した取引の対象として流通している物について使用されているものではないことが明らかである。 (コ) 甲83について甲83においては,当該被告商品のスペックとして列挙された項目中の「ワンタッチボタン」の項目に,「HPQuickLook」との表示がされているのであって,上記表示は,起動を待たずに素早くメール等を見ることができる機能をワンタッチで呼び出す付属ボタンが付されていることを説明するものにすぎないのであるから,被告標章2が,市場において独立した取引の対象として流通している物について使用されているものではないことが明らかである。 イこの点につき,原告は,被告ソフトウェアが市場において独立して取引される商品である旨主張し,その根拠として,米国HPの「BusinessSupportCenter」のウェブサイト(甲90)の記載を挙げているが,仮に,上記主張が,被告ソフトウェアが商標法上の「商品」に該当するとの主張であるとすれば,当該主張は次のとおり失当である。 すなわち,上記ウェブサイトは,被告の販売するコンピュータを購入したカスタマーが,コンピュータに内蔵されるドライバやソフトウェア等を再インストールするために当該ドライバやソフトウェア等をダウンロードしたり,バグ修正等を行った新しいバージョンをダウンロードしたりすることにより,当該ソフトウェア等を無償で提供するものである。 被告ソフトウェアは,電源をオンにし,OSを起動させたときのみ稼働する通常のソフトウェアとは異なり,電源がオフの状態でOSの起動を待たずに専用ボタンを押すだけでメール等を表示させる機能を実現するものであり,この機能を出荷 をオンにし,OSを起動させたときのみ稼働する通常のソフトウェアとは異なり,電源がオフの状態でOSの起動を待たずに専用ボタンを押すだけでメール等を表示させる機能を実現するものであり,この機能を出荷時において備えるモデル以外のコンピュータにおいて,被告ソフトウェアをダウンロードしたとしても,上記機能は実現されない。 したがって,被告ソフトウェアは,市場において独立した商取引の対象として流通に供されるものとはいえず,商標法上の「商品」に当たらないことが明らかである。 (3) 被告各標章は,被告商品につき商品識別機能を果たす態様で使用されていないことア商標は,自己の営業に係る商品を他人の営業に係る商品と識別するための標章として機能する点にその本質があることから,標章の使用につき,自他商品識別機能を有しない場合には,商標としての使用とは認められないと解されているところ,次のとおり,被告による被告各標章は, いずれも,被告商品につき,出所表示機能・出所識別機能を果たす態様で用いられているとはいえない。 イすなわち,「クイックルック(quicklook)」なる用語は,「クイック(quick)」との語句と「ルック(look)」との語句を組み合わせて構成されているところ,「クイック(quick)」とは「素早く。すぐに。」を,「ルック(look)」とは「見る」をそれぞれ意味する語句であることから,「クイックルック(quicklook)」が「すぐに見る」との意味を有することは一見して明らかである。また,コンピュータ関連分野において,「クイックルック」及び「quicklook」なる用語は,上記の「すぐに見る」という意味を有する一般的な用語として広く使用されている(乙2ないし107)。 そうすると,「クイックルック」又は イックルック」及び「quicklook」なる用語は,上記の「すぐに見る」という意味を有する一般的な用語として広く使用されている(乙2ないし107)。 そうすると,「クイックルック」又は「quicklook」との語句が,原告各商標の指定商品である「電子応用機械器具及びその部品」について用いられた場合には,この語句に接した一般消費者は,この語句の有する前記意味を想起した上で,被告商品の有する各種機能のうちの一つである,起動を待たずに素早くメール等を見ることができるという機能(又は少なくとも何らかの情報を素早く見ることができるという機能)を端的に表示したものとして認識することは明らかである。 したがって,被告各標章は,一般消費者において,被告商品が有する機能の単なる記述又は当該機能の一つの名称であると認識するにとどまり,商品の特定の出所を識別するための標識であるとは認識されないものであるから,自他商品識別機能を有しないため,被告各標章は商標として使用されていない。 ウむしろ,被告商品の広告物等(甲9,10,47ないし57,59ないし84)において一般消費者の目を引くのは,被告又は米国HPのロ ゴであるところの,左上部に表示されたデザイン化された「hp」の文字である。また,被告各標章の近傍に表示された英文字(例えば,甲48号証では「HPMini 5102 NotebookPC」)が被告商品の商品名を表していることも,一般消費者には明らかである。 そうすると,上記広告物等に接した一般消費者は,「hp」の表示や商品名から被告商品の出所を想起するのであって,被告各標章から出所を想起するものではなく,被告各標章は,自他商品識別機能を有する態様で使用されているとはいえないから,上記広告物等における被告各標章の使用 から被告商品の出所を想起するのであって,被告各標章から出所を想起するものではなく,被告各標章は,自他商品識別機能を有する態様で使用されているとはいえないから,上記広告物等における被告各標章の使用は,商標としての使用に当たらない。 2 被告各標章は,原告各商標と同一又は類似の商標に該当するか(争点(1)イ)。 (原告の主張)(1) 原告商標1と被告標章1についてア原告商標1は,「QuickLook」の欧文字に,「oo」のやや中央部に黒点を配記したものであって,「Q」及び「L」を大文字で他の文字を小文字とする「QuickLook」の外観と,「クイックルック」の称呼,「Quick =即」,「Look=見」から「即見(すぐ見る)」の観念を備える。 イ被告標章1は,片仮名の「クイックルック」を横一連に配してなるものである。 ウ原告商標1の称呼は「クイックルック」のみであるから,原告商標1と被告標章1は,称呼を同一にする社会通念上同一の商標である。また,被告標章1は,「必要な情報へ即時アクセスでお客様のビジネスを快適にするクイックルック」(甲9)と表示されていることなどから明らかなように,「即見(すぐ見る)」の観念を顕在化しているものであり,本件における具体的な取引状況を勘案すると,原告商標1と被告標章1 が観念において紛らわしい関係にあることが明らかである。 したがって,原告商標1と被告標章1は,商品出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものであり,両者は類似するというべきである。 (2) 原告商標1と被告標章2ア被告標章2は,「Q」及び「L」を大文字で他の文字を小文字とする「QuickLook」の欧文字を横一連に配してなるものであり,「QuickL る。 (2) 原告商標1と被告標章2ア被告標章2は,「Q」及び「L」を大文字で他の文字を小文字とする「QuickLook」の欧文字を横一連に配してなるものであり,「QuickLook」の外観と,「クイックルック」の称呼及び「即見(すぐ見る)」の観念を生じる。 イ原告商標1と被告標章2を対比すると,両者は,外観上,「Q」及び「L」を大文字で他の文字を小文字とする「QuickLook」の欧文字を横一連に表記して構成される点で同一商標であり,ただ,原告商標1は「oo」のやや中央部に黒点を配記したものであるのに対し,被告標章2にはこれがない点及び原告商標1は「QuickLook」の欧文字を「oo」の箇所のみ接着し他は等間隔で配置しているのに対し,被告標章2は「QuickLook」を等間隔に配置している点の2点のみが異なるものである。このように,両者は外観が酷似し,称呼も同一であり,「即見(すぐ見る)」の同一観念を生じる。 取引者が外観,称呼,観念を手がかりに商品商標を記憶することにかんがみた場合,被告標章2は,「QuickLook」の外観,「クイックルック」の称呼,「即見(すぐ見る)」の観念が重畳的又は混在したイメージとして記憶され,原告商標1との間で,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあることは明白であるから,両者は類似するというべきである。 (3) 原告商標1と被告標章3ア被告標章3は,黒地背景に白抜きで「QuickLook」を二段に配し,「Look」の「oo」の文字に点状の模様を配記してなるもの であり,上下二段に記載されてはいるが,全体として「QuickLook」の外観と「クイックルック」の称呼及び「即見(すぐ見る)」の観念を生じるものである。 様を配記してなるもの であり,上下二段に記載されてはいるが,全体として「QuickLook」の外観と「クイックルック」の称呼及び「即見(すぐ見る)」の観念を生じるものである。 イ原告商標1と被告標章3は,「QuickLook」の欧文字が同一である上,「Look」の外観が酷似し,称呼及び観念が同一であり,両者は極めて紛らわしい類似商標である。 (4) 原告商標2と被告標章2原告商標2は,「Q」及び「L」を大文字で他の文字を小文字とする「QuickLook」の欧文字を横一連に配してなるものであり,被告標章2と外観,称呼,観念のいずれにおいても一見明らかに同一である。 (5) 原告商標3と被告標章1原告商標3は,片仮名の「クイックルック」を横一連に配してなるものであり,被告標章1と外観,称呼,観念のいずれにおいても一見明らかに同一である。 (6) 被告の主張に対する反論ア取引の実情について(ア) 被告は,取引の実情を考慮すれば,本件において原告各商標と被告各標章が誤認混同を生じることはない旨主張するが,本件のように被告各標章が原告各商標と同一の場合は,当然,商品出所の誤認混同を生ずるので,取引の実情を考慮する余地はない。また,原告商標2及び3は未使用であるから,類否判断に当たり,原告における取引の実情を考慮することを要しない。加えて,取引の実情は,指定商品であるソフトウェアにおける一般的,恒常的な取引の実情を指し,単に商標が現に使用されている商品についてのみの特殊的,限定的な状況を指すものではない。 (イ) また,仮に取引の実情を考慮しても,本件において,なお,商品 出所の誤認混同を生ずるおそれがあることは明白である。 限定的な状況を指すものではない。 (イ) また,仮に取引の実情を考慮しても,本件において,なお,商品 出所の誤認混同を生ずるおそれがあることは明白である。 すなわち,原告商品と被告商品はソフトウェアで共通し,主にインターネット上のカタログ販売により宣伝広告され,かつ,取引経路を共通にするものであり,商品の購入がインターネットや電話取引等で行われる場合は,商品出所の誤認混同を生ずるおそれがある。 また,原告商品の取引者が,仮に特定の業務に従事する者であるとしても,原告各商標と被告各標章の称呼は全く同一であるから,電話取引等の口答による取引では,上記特定業務従事者といえども商品を取り違えることがあり得る。 さらに,原告商品の取引に当たり,事務員等の一般需要者層と同等の知識レベルの履行補助者が製品を購入することもあるから,当該補助者がこれらの商品を取り違えることがあり得るものである。 イ 「HPQuickLook」等の表示についても,当該標章の要部は「QuickLook」又は「クイックルック」であって,これらは原告商標2又は3と外観,称呼,観念が全く同じものであるから,原告各商標と同一又は類似するものである。 (被告の主張)(1) 商品の類否の判断において,商標の有する外観,称呼及び観念の類似は,その商標を使用した商品につき出所を誤認混同するおそれを推測させる一応の基準にすぎず,従って,上記の各点につき類似する点があるとしても,他の点において著しく相違するか,又は取引の実情によって,何ら商品の出所を誤認混同するおそれが認められない場合には,商標の類似性は否定されることになる(最判平成9年3月11日民集51巻3号1055頁)。 著しく相違するか,又は取引の実情によって,何ら商品の出所を誤認混同するおそれが認められない場合には,商標の類似性は否定されることになる(最判平成9年3月11日民集51巻3号1055頁)。 (2) 原告商標1と被告標章1についてア原告商標1と被告標章1を比較するに,原告商標1は,「Quick L」なる6文字の欧文字と,「k」なる1字の欧文字の間に2つの縦長の楕円が挟まれており,上記各楕円は間隔を空けずに互いに接し,その接点を挟む各楕円の内側にそれぞれ黒点が配されており,これらが全体として横一列に記載されてなるものであり,寄り目で正視する縦長の両目玉を想起させるという点に特徴がある外観を有しているのであって,特に,「Look」の部分について上記のような特徴的な外観を有することから,原告商標1が生じさせる「すぐ見る」との観念のうち,「見る」という部分が殊更に強調される外観を有することになる。 これに対し,被告標章1は,単に片仮名文字を楷書体で横書き一列に記載したものに過ぎず,外観において特筆すべき特徴はない。 そうすると,原告商標1と被告標章1は,外観において著しく異なることになる。 イまた,取引の実情についてみると,原告商標1は,システム開発を行う顧客向けのデータベースビューアという販売対象及び用途が極めて限定されている商品の商品名を表す標準文字商標であり,しかも,上記商標が使用される商品の対象となるのは,Oracle社が提供する「Oracle 9I」以降のデータベース又はマイクロソフト社が提供する「SQLServer 2000」以降のデータベースに限られるところ,これらは,いずれも一般消費者の間で広く使用されているものではない。したがって,原告商標1が付された商品の需要者は,システム開発という Server 2000」以降のデータベースに限られるところ,これらは,いずれも一般消費者の間で広く使用されているものではない。したがって,原告商標1が付された商品の需要者は,システム開発という特定の業務に従事する企業のみであり,個人消費者はその対象ではない。これに対し,被告商品は,専門分野を問わず,また,個人であると企業であるとを問わず,PC関連市場において広く取引されているものである。そうすると,被告商品を購入する一般需要者は,被告商品について,それがシステム開発向けのデータベースビューアではないことは当然に認識しており,その出所が原告であると誤認すること がないことは明らかである。 ウそうすると,原告商標1と被告標章1は外観において著しく相違しており,かつ,取引の実情にかんがみて出所の誤認混同を生じるおそれが皆無であるから,両者は非類似である。 (3) 原告商標1と被告標章2についてア被告は,被告標章2を単独で使用したことはなく,「HPQuickLook」,「QuickLookボタン」又は「QuickLookキー」として使用しているものであるところ,これらのうち,「HPQuickLook」は,「HP」と「QuickLook」との語が結合してなるものである。「HP」は,被告及びそのグループ会社の総称である「Hewlett-Packard(ヒューレット・パッカード)」の略称であって,「H」及び「P」という二つの欧文字からなる極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなるものであるが,被告による長年の使用の結果,需要者の間で被告の業務に係る商品の商標であると認識されるに至ったとして,商標法3条2項に基づく商標登録がされている(乙108及び109)。これに対し,「QuickLook」「クイックルック」との語は 者の間で被告の業務に係る商品の商標であると認識されるに至ったとして,商標法3条2項に基づく商標登録がされている(乙108及び109)。これに対し,「QuickLook」「クイックルック」との語は,「すぐに見る」という意味を有する一般的な用語として,コンピュータ関連分野において一般に広く使用されており,何ら商品の出所を識別させるものではない(乙2ないし107)。 そうすると,強力な出所識別能力を有する「HP」の部分が「HPQuickLook」の要部となるが,これが原告商標1と類似していないことは明らかである。 また,「QuickLookボタン」及び「QuickLookキー」については,「QuickLook」に「ボタン」又は「キー」が追加されている点で原告標章1と外観,称呼及び観念が異なる。 加えて,原告商標1は,前記(2)アで主張したとおりの外観を有するものであるのに対し,被告標章2は,「QuickLook」なる語を欧文字で横書きにしたものであり,両者はその外観が著しく異なる。 イさらに,前記(2)ウで主張したとおり,取引の実情を考慮しても,両者に誤認混同が生ずるおそれは全くない。 ウしたがって原告商標1と被告標章2は非類似である。 (4) 原告商標1と被告標章3についてア被告は,被告標章3につき,上下段にまたがって「2」又は「3」と表示され,これらが「Quick」及び「Look」の表示と一体となったロゴ(被告標章3-2,被告標章3-3)として使用しているところ,上記標章は,黒地に白抜きであり,「Quick」と「Look」が二段に配されているために全体的な形状が正方形であり,かつ,「L」と「K」との間に挟まれているのは二つの正円であって,両者は互いに接することなく間隔を空けて並んでおり,こ uick」と「Look」が二段に配されているために全体的な形状が正方形であり,かつ,「L」と「K」との間に挟まれているのは二つの正円であって,両者は互いに接することなく間隔を空けて並んでおり,これらがそれぞれ英小文字の「o」を示すことは明らかである。そして,上記各「o」文字の内側の頂部には,それぞれ円形の白点が配されることにより,上目遣いの目玉を想起させる外観を有している。加えて,被告標章3-2,被告標章3-3では,他の文字よりも格段に目立つ大きさで,白抜きで「2」又は「3」と記載されている。 これに対し,原告商標1は,前記(2)アで主張したとおりの外観を有するものであって,両者は外観において著しく相違する。 イまた,前記(2)ウで主張したとおり,取引の実情を考慮しても,出所の誤認混同が生じるおそれは全くない。 ウしたがって,原告商標1と被告標章3は非類似である。 (5) 原告商標2及び3と被告標章1について前記(2)ウで主張したとおり,取引の実情にかんがみれば,被告製品の 需要者である一般消費者が原告の商品と被告の商品との出所を誤認混同するおそれはないのであるから,原告商標2及び3と被告標章1との間で出所の誤認混同が生じるおそれは皆無であり,これらは非類似である。 (6) 原告商標2及び3と被告標章2についてア前記(3)アで主張したとおり,被告は,被告標章2を「HPQuickLook」,「QuickLookボタン」又は「QuickLookキー」として使用しているものであるところ,「HPQuickLook」については,「HP」の部分が要部であって,これは原告商標2及び3のいずれとも類似せず,また,「QuickLookボタン」及び「QuickLookキー」については,「ボタン」又は「キ ckLook」については,「HP」の部分が要部であって,これは原告商標2及び3のいずれとも類似せず,また,「QuickLookボタン」及び「QuickLookキー」については,「ボタン」又は「キー」が追加されている点で外観,称呼,観念が異なる。 イ加えて,前記(2)イで主張したとおり,取引の実情を考慮すれば,原告商標2及び3と被告標章2との間で出所の誤認混同が生じるおそれはない。 ウしたがって,両者は非類似である。 (7) 原告商標2及び3と被告標章3についてア被告標章3―2,被告標章3-3は前記(4)アで主張したとおりの外観を有するものであるところ,原告商標2及び3とは外観において著しく異なる。 イまた,前記(2)イで主張したとおり,取引の実情を考慮すれば,原告商標2及び3と被告標章3―2,被告標章3-3との間で出所の誤認混同が生じるおそれはない。 ウしたがって,両者は非類似である。 3 原告各商標権の効力が商標法26条1項2号により被告各標章に及ばないものか(争点(2))。 (被告の主張) (1) 争点(1)アに関する被告の主張(3)イで主張したとおり,「クイックルック」及び「quicklook」は,コンピュータ関連市場において一般的に使用される言い回しであり,その意味も含め世の中において広く認識されているものである。そして,被告各標章は,いずれも普通の書体で表示されており,何ら特殊な表示は行われていない。 そうすると,被告各標章は,いずれも,起動を待たずに素早くメール等を見ることができるという被告商品が有する一機能の効能,用途を普通に用いられる方法で表示したものにすぎないから,原告各商標権の効力は商標法26条1項2号により被告各標章には及 待たずに素早くメール等を見ることができるという被告商品が有する一機能の効能,用途を普通に用いられる方法で表示したものにすぎないから,原告各商標権の効力は商標法26条1項2号により被告各標章には及ばないものである。 (2) なお,被告標章3―2,被告標章3-3は,「o」の字に白抜きの点を一つずつ付すというシンプルなデザインが施されているにすぎず,被告独自の創作が加えられた格別特異な構成を有するとはいえない。また,被告標章3は,「Look」の「oo」の部分を両目に見立てたものであるが,被告標章3―2,被告標章3-3が「見る」という意味を有するものであることからすれば,横に二つ並んだ「o」から両目を連想することはたやすく,かつ,ありふれたアイデアに基づくものである。 したがって,被告標章3―2,被告標章3-3も,被告標章1及び2と同様に,被告商品が有する一機能の効能,用途を普通の書体で表示したものに当たる。 (3) したがって,原告各商標の効力は,商標法26条1項2号により,被告各標章に及ばない。 (原告の主張)被告の主張は争う。 被告各標章は,単独で取引される被告ソフトウェア,コンピュータに組み込んだ後における被告ソフトウェア及び被告商品をそれぞれ表示する商標であるから,被告商品の効能,用途を普通の書体で表示したものには当たらな い。 4 原告商標1に基づく原告の被告に対する権利行使が制限されるか(争点(3)ア)。 (被告の主張)(1) 原告商標1は,原告が被告各標章との類似を主張していることから明らかなとおり,争点(1)イ被告の主張(2)アで述べた特徴的な外観について要部を構成するものではなく,ただ単に「QuickLook」との英文字から成る商標と相違ないこと 類似を主張していることから明らかなとおり,争点(1)イ被告の主張(2)アで述べた特徴的な外観について要部を構成するものではなく,ただ単に「QuickLook」との英文字から成る商標と相違ないことになるところ,「QuickLook」との表示は,「必要なデータをすぐに取り出す」という機能を示すものとして広く一般的に使われているから,原告商標1は,コンピュータ関連商品の効能や用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであり,商標登録の要件を満たしていない(商標法3条1項3号)。 (2) よって,原告商標1は,本来,無効審判により無効とされるべきものであるから,除斥期間の経過にかかわらず,原告商標1に基づく原告の被告に対する権利行使は制限されるべきものである(商標法39条,特許法104条の3第1項)。 (原告の主張)被告の主張は争う。原告商標1は,「QuickLook」の欧文字のうち,「oo」のやや中央部に黒点を配記してなるものであるところ,原告商標1は,「QuickLook」自体が下記のとおり自他商品識別機能を有するものであることから登録されたものであり,原告商標1は商標法3条1項3号に掲げる商標に該当しないから,原告商標1に基づく原告の被告に対する権利行使は制限されない。 (1) 「QuickLook」が普通名称ではないこと「QuickLook」及びその唯一の称呼である「クイックルック」は,辞書等にその意味内容が掲載されていない造語商標である。すなわち,片仮 名の「クイックルック」は,一般的な国語辞典(甲93添付の乙1。以下,同様に「添付乙1」などという。)や日本語大辞典(添付乙2),広辞苑(添付乙3)に掲載されていないし,欧文字の「quicklook」も,英和辞典(添付乙5,6 な国語辞典(甲93添付の乙1。以下,同様に「添付乙1」などという。)や日本語大辞典(添付乙2),広辞苑(添付乙3)に掲載されていないし,欧文字の「quicklook」も,英和辞典(添付乙5,6)はもとより,英和大辞典(添付乙7)にも掲載されていない。このように,「QuickLook」は,一般的に使用される標章ではない。 (2) 「QuickLook」の多義性について「QuickLook」を「quick」「クイック」及び「look」「ルック」の単語レベルに分解し,これらを組み合わせて用語の意味内容を検討してみれば明らかなように,「クイックルック」「quicklook」は多様な意味をもち,一定したものがない。 すなわち,「クイック」及び「quick」には,「動作のすばやいこと。」(旺文社国語辞典),「はやいこと。すばやいこと。」(日本語大辞典),「索引の作成法の一。」(広辞苑),「動作の速やかなさま。速いさま。」(広辞苑),「①(動作などが)速い,敏速な,②りこうな、(頭の働き・理解が)鋭い,③短気な」(スタディ英和辞典),「①(動作・行動などが)速い,すばやい,迅速な,機敏な,②(人が)理解が早い,賢い,(感覚などが)鋭い,敏感な,③(性質などが)短気な,怒りっぽい,④(資産などが)すぐ現金化できる,⑤(人が)生きている」(ジーニアス英和辞典),「①動きの速い,機敏な,敏捷に動く,(進行・手順などが)即座の,急速な,(…するのに)すばやい,迅速な,②瞬時の,時間のかからない,すぐ終わる,「類語」fast,rapid,③せっかちな,性急な,短気な,がまんのない,④(感情・感覚が)鋭い,鋭敏な,⑤理解が早い,利口な,賢い,⑥(曲りなどが)鋭い,急な、⑦生きている,⑧(火・炎・熱が)激しい,燃えさかった,(炉が)熱い,⑨すぐ ,性急な,短気な,がまんのない,④(感情・感覚が)鋭い,鋭敏な,⑤理解が早い,利口な,賢い,⑥(曲りなどが)鋭い,急な、⑦生きている,⑧(火・炎・熱が)激しい,燃えさかった,(炉が)熱い,⑨すぐ現金化〔換金〕できる,当座の,流動性のある,⑩(鉱脈などが)鉱石を含む,生産的な,⑪(衣類 が)ぴったり〔きちんと〕(身に)合う」(プログレッシブ英和大辞典)等の多様な意味がある。 また、「ルック」及び「look」には,「他の語と複合して,ある雰囲気を作り出す服装を表す。『サファリ・-』」(旺文社国語辞典),「様子。 スタイル。モード。『カレッジ・―』」(日本語大辞典),「外観。特に服装についていう。『ミリタリー・-』」(広辞苑),「自動詞①(気をつけて)見る,注視する,眺める,②・・・のように見える,・・・のようす〔顔つき〕をする,③(家などが)・・・向きである,・・・に面する,④注意する,気をつける,他動詞①〔人など〕を見つめる,熟視する,②(目つき・表情などで)・・・を示す,lookabout:見回す,・・・を探す,lookafter:・・・の世話をする,・・・に気をつける,lookaround:・・・を見回す,lookat:・・・に注目する,見る,lookback;ふり返る,lookdown:・・・を見おろす,lookfor;・・・を探す,lookforwardto:・・・を楽しみにして待つ,lookin:・・・を(ちょっと)のぞく,・・・に立ち寄る,lookinto:・・・の中をのぞく,・・・を調べる,looklike:・・・のように見える,・・・しそうである,lookon:・・・を傍観する,・・・とみなす,lookout:外を見る,・・・を警戒する,・・・に注意する,lookover:・・・ like:・・・のように見える,・・・しそうである,lookon:・・・を傍観する,・・・とみなす,lookout:外を見る,・・・を警戒する,・・・に注意する,lookover:・・・にざっと目を通す,lookthrough:・・・を通して見る,・・・を調べる,lookto:・・・の方を見る,・・・に注意する,・・・にたよる,lookup:上をみる,・・・を調べる,lookupto:・・・をあおいで見る,〔人〕を尊敬する,名詞①見ること,②目つき,容ぼう,顔つき,外観,様子」(スタディ英和辞典),「自動詞①(人・動物が)見る,注視〔注目〕する,見ようとする,②(人・物が)・・・に見える,(外見上)のように見える,・・・に似ている,・・・しそうだ,・・・らしい,③(家などが)〔・・・の方に〕向く,・・・に面している,④ 〔命令形で;しばしば怒りやいらだちを示して〕ほら,いいかい,⑤〔・・・しようと〕努める,他動詞①(人が)(事)を目つきで示す,態度・顔つきで表す,②(人が)〔・・・かどうかを〕(見て)確かめよ,調べよ,③(人)の〔・・・を〕じっと見つめる,直視する,・・・を見つけようとする,捜す,・・・を調べる,④・・・にふさわしく見える,・・・のように見える,⑤〔・・・することを〕期待する,⑥(人)を見つめて〔・・・〕させる,⑦〔・・・であるように〕気をつける,注意する,lookabout:見回す、捜し回る,lookafter:(人・物)の世話をする,(事)に気をつける、注意する」(ジーニアス英和辞典)等,多様な意味がある。 そうすると,「QuickLook」は,「すぐに(素早く)見る」すなわち「quicklook(at)」に限らず,「すぐに見回す『quicklook(about),quick 様な意味がある。 そうすると,「QuickLook」は,「すぐに(素早く)見る」すなわち「quicklook(at)」に限らず,「すぐに見回す『quicklook(about),quicklook(around)』」,「急にふり返る『quicklook(back)』」,「最初に探す『quicklook(for)』」,「ちょっと立ち寄る『quicklook(in)』」,「すぐに中をのぞく『quicklook(into)』」,「急に警戒する『quicklook(out)』」,「せっかちに上を見る『quicklook(up)』」,「ぴったり合う服装『クイック(プログレッシブ英和中辞典の⑪)ルック(広辞苑)』」,「短気な様子『クイック(スタディ英和辞典の③)ルック(日本語辞典)』」,「りこうそうな顔つき『quick(スタディ英和辞典の②)look(スタディ英和辞典の②)』」,「賢く見える『quick(ジーニアス英和辞典の②)look(ジーニアス英和辞典の②)』」等の意味内容や観念をもつことになる。 このように,「QuickLook」は,極めて漠然とした広範な意味内容・観念を生ずる造語であることが明白であるから,指定商品「電子応用機械器具及びその部品」とりわけ「コンピュータ」「ソフトウェア」において, これらの品質や機能を表示するものでないことは明白である。 (3) 「QuickLook」は,「コンピュータ」「ソフトウェア」の分野において通常使用される言葉ではないこと「新版コンピュータ英語活用辞典」,「2001-02パソコン用語事典」,「コンピュータ&情報通信用語事典」,「最新・基本パソコン用語事典」,「初・中級者のためのパソコン・IT・ネット用語辞典」,「日経パソコン用語事典2011」には,「q 1-02パソコン用語事典」,「コンピュータ&情報通信用語事典」,「最新・基本パソコン用語事典」,「初・中級者のためのパソコン・IT・ネット用語辞典」,「日経パソコン用語事典2011」には,「quicklook」及び「クイックルック」は掲載されていない。 なお,「最新・基本パソコン用語辞典」(株式会社秀和システム)は,多数の参考文献及び協力者(社)を擁しているところ,この協力者(社)に被告が加わっているにもかかわらず,「クイックルック」「quicklook」が掲載されていないことは,これが「コンピュータ」「ソフトウェア」の分野において通常使用される言葉ではないことを裏付けるものである。 したがって,「QuickLook」は,「コンピュータ」「ソフトウェア」の分野において通常使用される言葉ではないことが明白である。 (4) 「QuickLook」はソフトウェアの品質等を表示するものではないことア 「QuickLook」の有する観念が特定のものに収れんされないことは前記の通りであるが、「QuickLook」の意味内容のうち「すぐに(素早く)見る」に着目してみても,これは「ソフトウェア」の品質等を表示するものではない。 すなわち,特許庁商標審査基準は,商標法3条1項3号の規定について,「4.指定商品の『品質』,『効能』,『用途』等又は指定役務の『質』,『効能』,『用途』等を間接的に表示する商標は、本号の規定に該当しないものとする。」としている。また,「ソフトウェア」は,「コンピュータシステム上で何らかの処理を行うプログラムや手続き,およびそれらに 関する文書を指す言葉」(ウイキペディア「ソフトウェア」の項)である。 また,ソフトウェアの品質は,「プログラマの観点からはソースコードの品質,エンド 行うプログラムや手続き,およびそれらに 関する文書を指す言葉」(ウイキペディア「ソフトウェア」の項)である。 また,ソフトウェアの品質は,「プログラマの観点からはソースコードの品質,エンドユーザーの観点からはアプリケーションソフトウェアの品質を意味する」(ウイキペディア「ソフトウェア品質」の項)ものであり,さらに,ソースコードの品質としては,可読性,ソフトウェア保守等の容易性を,また,アプリケーションソフトウェアの品質としては、信頼性を始めとして,理解可能性,完全性,簡潔性等を意味するものである。 したがって,「QuickLook」が「すぐに(素早く)見る」との観念を生ずるとしても,何をどのようにして見るのか,どのような操作・手順によって見るのか,OSに組み込まれているのか,あるいは組み込まれていないアプリケーションソフトウェアなのか等について一定したものがなく,極めて漠然とした広範な意味を生ずるものである。さらに,「すぐに(素早く)見る」は,上記のソフトウェアの品質とは全く乖離しているものであることは明らかである。 このように,「QuickLook」は,当該ソフトウェアを用いて何かを見ることを暗示的に表現したものということはできても,指定商品「ソフトウェア」との関連において,商品が有する一定の品質を表示するものとして一般需要者,取引者に認識されるものでないことは明白である。 イ商標登録の要件に自他商品識別力が要求されるのは日本のみならず各国も同様であるところ,「QuickLook」に関しては,日本において,原告各商標に加え,「クイックルック/QuickLook」(登録第5338895号)及び「QUICKLOOK」(同第5351986号)が登録されている。また,米国HPは,アメリカ合衆国において,指定商品を「パ 加え,「クイックルック/QuickLook」(登録第5338895号)及び「QUICKLOOK」(同第5351986号)が登録されている。また,米国HPは,アメリカ合衆国において,指定商品を「パーソナルコンピュータ;ノートブック型コンピュータ;コンピュータがスタンバイ又は休止状態時にeメール,カレンダー,タスク及び連絡先情報にアクセスするためのソフトウェア」として,「QUICKLO OK」について商標登録を得ている上,上記アメリカ合衆国商標の商標登録出願を優先権主張の基礎として,同一商標及び同一指定商品について,世界34か国で商標登録を受けている。これらの事実は,「QuickLook」が自他識別機能を有し,ソフトウェアの品質等を表示するものではないことを示すものであり,とりわけ,「QUICKLOOK」標章が,英語を母国語・通用語とし,英語のニュアンスを明敏に看取できる諸国において登録されている事実は,これが商品の品質等を表示するものでないことを示すものである。 ウなお,被告は,日本において,前記イと同一指定商品について「QUICKLOOK」を商標登録出願した際に,特許庁から,上記標章は単に商品の品質(機能)を表示するにすぎないから,商標法3条1項3号に該当する旨の拒絶理由通知を受けたのに対し,上記標章は本願指定商品の品質(機能)を明確に表示しているとは認められず,それとなく本願商標の内容を暗示しているにすぎないのであって,指定商品の品質等を間接的に表示しているにすぎない等の旨の意見書(甲18)を提出しており,その結果,上記標章は,商標法3条1項3号には該当しないが,原告商標1に類似するとして拒絶査定を受けているのであり,上記経緯からも,「QuickLook」がソフトウェアの品質等を表示するものではないことが明ら 記標章は,商標法3条1項3号には該当しないが,原告商標1に類似するとして拒絶査定を受けているのであり,上記経緯からも,「QuickLook」がソフトウェアの品質等を表示するものではないことが明らかである。 5 原告商標2及び3の商標登録に商標法46条1項1号(同法3条1項3号)所定の無効事由があり,原告の原告商標2及び3の行使が商標法39条において準用する特許法104条の3第1項の規程に基づき制限されるか。 (被告の主張)(1) 最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決の説示によれば,商標法3条1項3号に該当する商標の類型としては,取引に際し,必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占的使用を認め るのを公益上適当としないもの(独占適応性欠如商標)及び一般的に使用される標章であっても,多くの場合自他商品・役務識別力を欠き,商標としての機能を果たし得ないもの(自他商品・役務識別力欠如商標)が挙げられる。 (2) 原告商標2及び3は,欧文字「QuickLook」又は片仮名文字「クイックルック」を標準文字に書してなる文字商標であり,極めて没個性的であって,需要者は,上記商標の意味が「すぐに(素早く)見ること」であることを極めて容易に理解することができる。また,上記各商標の指定商品第9類「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに含まれるコンピュータ又はコンピュータソフトウェアの分野においては,「クイックルック(QuickLook)」は,「すぐに(素早く)見ることができる」という機能・性能を表示する語句として広く使用されている(乙2ないし107)。 したがって,上記商標は,いずれも必要適切な表示として何人もその使用を欲する標章(独占適応性欠如商標)であることが明らかである。 (3) また,原 語句として広く使用されている(乙2ないし107)。 したがって,上記商標は,いずれも必要適切な表示として何人もその使用を欲する標章(独占適応性欠如商標)であることが明らかである。 (3) また,原告商標2及び3は,いずれもコンピュータ又はコンピュータソフトウェアの分野において,「すぐ(素早く)見ること」という意味で一般的に使用されているものであり,とりわけ,「クイックルック(QuickLook)」がコンピュータ関連の辞典に掲載されている事実は,上記語句が上記分野において一義的な意味を獲得していて,一般的に広く使用されていることの証左であるから,上記商標は,いずれも自他商品識別機能を有しない標章(自他商品・役務識別力欠如商標)であることが明らかである。 (4) 以上のとおり,原告商標2及び3は,電子応用機械器具及びその部品について使用された場合,一般消費者において指定商品が有する効能若しくは用途そのものの記述又はその名称であると認識することが明らかであり,当該指定商品に使用するときは,商標法3条1項3号に該当して登録要件を具備しないものであるところ,被告は,原告商標2及び3につき,平成22年10月14日付けで特許庁に対し無効審判請求を行っており(原告商標2につ き乙126,原告商標3につき乙127),上記商標は,いずれも上記商標登録無効審判により無効とされるべきものであるから,商標法39条,特許法104条の3第1項により,原告商標2及び3に基づく原告の被告に対する権利行使は制限されるべきである。 (原告の主張)争点(3)アに関する原告の主張と同じ。 6 損害額(争点(4))(原告の主張)被告が原告各商標権を侵害したことにより原告が被った損害(使用料相当損害金)は,次のとおり,1億2540万円を下らない(商 関する原告の主張と同じ。 6 損害額(争点(4))(原告の主張)被告が原告各商標権を侵害したことにより原告が被った損害(使用料相当損害金)は,次のとおり,1億2540万円を下らない(商標法38条3項)。 (1) 国内パソコンの出荷台数と被告の市場シェア平成19年から平成21年にかけての国内パソコンの出荷台数は,調査会社によって1200万台を切る数値から1400万台を超える数値まで差があるが,概ね1300万台前後と推測される。また,上記時期における被告の市場シェアも調査会社により差があるが,概ね8%程度と推測される。 (2) 「HPQuickLook」の出荷数「HPQuickLook」は,平成19年5月に発表と同時に出荷されたものと推測されるところ,「HPQuickLook」はノート型パソコンだけの搭載で発表され,現在は全ノート型パソコンに搭載されている。 全パソコンにおけるノート型パソコンの比率を,社団法人電子情報技術産業協会の資料(甲32)から推定すると,平成19年度69.5%,平成20年度67.8%,平成21年度70.6%と平均69.3%となるところ,「HPQuickLook」が発売当初から全ノートパソコンに搭載されていたと仮定すると,「HPQuickLook」の出荷本数は,下記計算式のとおり,209万本程度と推定される。 1300万本×2.9×0.08×0.693=209万本 (3) 商標使用料相当損害金「HPQuickLook」は,被告ホームページなどで大々的に宣伝され,被告製のノートパソコンを差別化するための戦略商品とされており,バージョンアップも2回にわたり行われている。 パソコンの価格を概ね10万円と算定し,「HPQuickLook」による付加価値を 告製のノートパソコンを差別化するための戦略商品とされており,バージョンアップも2回にわたり行われている。 パソコンの価格を概ね10万円と算定し,「HPQuickLook」による付加価値を2%と算定すると,「HPQuickLook」を搭載したパソコンによって得られた利益は,下記計算式のとおり41億8000万円と推定される。 10万円×0.02×209万本=41億8000万円原告の被告に対する商標使用料を3%と考えると,原告の商標使用料相当損害金は,1億2540万円(41億8000万円×0.03)と算定される。 (被告の主張)否認する。 第4 当裁判所の判断 1 被告各標章は,被告商品につき商標として使用されているか(争点(1)ア)について商標は,当該商標を使用された結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの(商標法3条2項),すなわち自他商品識別機能及び出所表示機能を有するものとして登録されるのであるから,ある標章が,当該登録商標の指定商品又は指定役務につき自他商品識別機能及び出所表示機能を果たしていない態様で使用されている場合には,形式的には同法2条3項各号に掲げる行為に該当するとしても,商標の「使用」には当たらず,商標権者の登録商標を使用する権利(同法25条)の侵害行為又は侵害とみなされる行為(同法36条1項,37条)には該当しないと解するのが相当である。そこで,本件の事案にかんがみ,被告各標章が被告商品の自他商品識別機能及び出所表示機能を有する態様で用いられているか,すなわち,被告 商品につき商標としての使用がされているかについて検討する。 (1) 被告各標章の構成等ア(ア) 被告標章1は,別紙被告標章目録記載1のとおり,ゴシック体の片 ,すなわち,被告 商品につき商標としての使用がされているかについて検討する。 (1) 被告各標章の構成等ア(ア) 被告標章1は,別紙被告標章目録記載1のとおり,ゴシック体の片仮名文字を横一連に配置した構成からなる標章である(甲9)。 (イ) 被告標章2は,別紙被告標章目録記載2のとおり,「Q」と「L」を大文字,他の文字を小文字として,ゴシック体のローマ文字を等間隔かつ横一連に配置した構成からなる標章である(甲9,10,47ないし57,59ないし84)。 (ウ) 被告標章3は,別紙被告標章目録記載3のとおり,黒色の横長長方形の中に,上下二段に分けて,白色のやや丸みを帯びたゴシック体のローマ文字により,「Q」及び「L」を大文字,他の文字を小文字とした「Quick」の文字列と,「L」の大文字及び「k」の小文字の間に,下から上にかけて次第に細くなる円形の線からなり,その頂部の内側に接する位置に点が付された二つの円(「O」の欧文字とみられるもの)を等間隔で配置した文字列とを配置した構成からなる標章である。 イ被告各標章は,いずれも「クイックルック」の称呼を生じると認められる。 ウ 「quick」(クイック),「look」(ルック)は,それぞれ「速い(素早い)」,「見る」等の意味を有する英単語であることを容易に理解することができ,これらの英単語の組合せである「quicklook」(クイックルック)からは,「速く(素早く)見る」との意味を理解できるのであって,被告各標章のいずれからも,同様の意味を理解することができる。 (2) 被告各標章の具体的使用態様証拠(甲9,10,47ないし57,59ないし84)及び弁論の全趣旨によれば,被告各標章は,具体的には下記の態様 意味を理解することができる。 (2) 被告各標章の具体的使用態様証拠(甲9,10,47ないし57,59ないし84)及び弁論の全趣旨によれば,被告各標章は,具体的には下記の態様によって使用されているこ とが認められる。 ア甲9及び10について(ア) 甲9は,被告のウェブサイトにおける「製品&サービス」に関する「広告ギャラリー」を開いたウェブページの一部である。①甲9のウェブページの上部には,当該ウェブページのタイトルとして,他より大きな文字で「必要な情報への即時アクセスでお客様のビジネスを快適にするクイックルック」と表示され,②その下には,横長の青色の長方形の背景の上に,右側にノート型コンピュータが広げられて鉛直方向に立ち上げられた写真,左側に黄色で大きくプラグを差し込む手先の図柄が描かれ,その手先の図柄の上には大きく黒い文字で「OFFからでもすぐチェック。」と記載されている。③その図の下には,「電源がOFFでも,ボタンを押すだけでメールや予定がすぐ見られる。HPのノートPCに,『HPQuickLook』新搭載。」,「急いでいるときほど,PCを起動し,スケジュール帳やメールソフトを立ち上げるのはめんどうなもの。そんなときにうれしい新機能『HPQuickLook(クイックルック)』がHPのノートPCに新登場。システムオフ状態でも,ボタンを押すだけ。わずか10秒※でメール,スケジュール,電話帳,仕事リストの表示が可能に。」,「ビジネスに欠かせない効率化を追求するHPQuickLookとは?」,「システムオフ状態(スリープ,シャットダウン,休止状態)から,最短10秒,ワン・ボタンで,個人データにアクセスし,閲覧することができます。」,「『電源をオフしてしまったが,今すぐメール とは?」,「システムオフ状態(スリープ,シャットダウン,休止状態)から,最短10秒,ワン・ボタンで,個人データにアクセスし,閲覧することができます。」,「『電源をオフしてしまったが,今すぐメールをチェックしたい』,そんな時,すばやくデータにアクセスできるので,忙しいビジネスパーソンにも嬉しい機能です。」と表示されている。 なお,原告は,被告が被告標章2を付したカタログ(甲9)を頒布していると主張するが,甲9は,被告のウェブサイト上における「広告ギ ャラリー」を開いたウェブページの一部であるものと認められ,被告が当該ページと同一内容のカタログを頒布していると認めるに足りる証拠はない。 (イ) また,①甲10のウェブページの上部には,当該ウェブページのタイトルとして,他より大きな文字で「起動を待たずに,素早くチェック。」と表示され,②その下には,紺色の長方形の背景の上に,中央下側にノート型コンピュータが通常の使用状態で広げられた写真,その上部に指先から引き出されるメールの図柄を挟んで,左側に「起動を待たずに」,右側に「素早くチェック」の文字が大きく記載されている。③その図の下には,「電源がOFFでも,ボタンを押すだけでメールや予定がすぐ見られる。HPノートPCに,『HPQuickLook2』を搭載。」,「メールを見るためだけにOSを起動するのは面倒。 そこでHPはノートPCに『HPQuickLook2』を採用。ボタンを押すだけで,短時間でメール,スケジュール,電話帳,仕事リストの表示が可能に。」と表示されている。さらに,上記表示の下に,「電源OFFから個人データにアクセス『HPQuickLook2』」との表示がされ,さらにその下に,「Outlookのメールデータやスケジュール,電話帳,仕事リストなどの個人データについ の下に,「電源OFFから個人データにアクセス『HPQuickLook2』」との表示がされ,さらにその下に,「Outlookのメールデータやスケジュール,電話帳,仕事リストなどの個人データについて,OSが起動していない状態から瞬時※にアクセス可能です。」との表示と並列して,被告標章3-2が表示されている。 この被告標章3-2は,上記ウェブサイト上の広告(甲10)において,黒色の正方形の中に上下二段に分けて,白色のやや丸みを帯びたゴシック体の欧文字により,「Q」及び「L」を大文字,他の文字を小文字とした「Quick」の文字列と,「L」の大文字及び「k」小文字の間に,下から上にかけて次第に細くなる円形の線からなり,その頂部の内側に接する位置に点が付された2つの円(「O」の欧文字とみられ るもの)を等間隔で配置した文字列とを配置し,上記正方形の右寄りの部分に,上記文字列と重なる部分については上記文字列に隠れるようにして,白色のアラビア数字の「2」を配置した構成からなる標章である。 この被告標章3-2は,各文字が長方形ではなく正方形の中に配置されている点及び上記正方形内に「2」が配置されている点で被告標章3とは異なるものであると認められる。 そうすると,被告は,甲10において被告標章3を使用しておらず,かつ,被告標章3-2の上記構成をみると,被告標章3に相当する部分を被告標章3-2から分離することも相当ではないと解されるから,甲10に被告標章3が使用されているとする原告の主張は理由がないというべきである(ただし,原告は,被告標章3-2及び他の書証にみられる被告標章3-3について,被告標章3に含まれるものと主張しているものと解されるため,以下においては,被告標章3-2,被告標章3-3についても,商標としての使用の有無を検 3-2及び他の書証にみられる被告標章3-3について,被告標章3に含まれるものと主張しているものと解されるため,以下においては,被告標章3-2,被告標章3-3についても,商標としての使用の有無を検討する。)。 イ甲47について甲47は,被告のウェブサイトにおける「製品&サービス」に関する「広告ギャラリー」を開いたウェブページの一部である。①上記ウェブページの上部には,当該ウェブページのタイトルとして,「急ぐときは,このボタン。」と表示され,②上記表示の下に,黄色の長方形の背景の上に,中央下側にノート型コンピュータが通常の使用状態で広げられた写真とコンピュータのボタンが押されてメールが引き出される図柄とが合成され,その上部に「急ぐときは,このボタン」と大きな文字が左右にわたって記載されている。③その図の下には,「電源OFFでも,ボタンを押すだけでメール・スケジュールがすぐ見られる。」とやや大きい文字で表示され,その下に,やや小さい文字で「急いでメールや予定をチェックしたいのに,OSの起動待ちでイライラ。そこでHPはノートPCに『HPQuic kLook2』を採用。電源OFFからでも専用ボタンを押すだけで,メール,スケジュール,電話帳,仕事リストをパッと表示。」との表示がされている。また,その下に,やや大きい文字で「HPQuickLook2」との表示がされ,さらにその下に,「Outlookのメールデータやスケジュール,電話帳,仕事リストなどの個人データについて,OSが起動していない状態から瞬時※にアクセス可能です。」,「『電源をオフしてしまったが,今すぐメールをチェックしたい』,そんな時,すばやくデータにアクセスできるので,忙しいビジネスパーソンにも嬉しい機能です。」との表示がされている。 能です。」,「『電源をオフしてしまったが,今すぐメールをチェックしたい』,そんな時,すばやくデータにアクセスできるので,忙しいビジネスパーソンにも嬉しい機能です。」との表示がされている。 ウ甲48ないし57,59ないし67について(ア) 甲48ないし57,59ないし67は,被告のウェブサイトにおいて,別紙被告商品目録記載1ないし19の各商品の特徴等を説明,紹介しているウェブページの一部である。 (イ) 甲48ないし57,59ないし67の各冒頭ページの上部には,「HPMini 5102 NotebookPC」,「HPEliteBook 2740pTabletPC」,「HPEliteBook 2730pNotebookPC」,「HPProBook 4320s/CTNotebookPC」等,別紙被告商品目録記載1ないし19の各商品名が表示されている。 (ウ) 甲48,49,51,53ないし57,59,61ないし64,66の各冒頭ページの中段には,「世界標準をリードする3つのソリューショングループ」(甲50,52,60,65及び67については「世界標準をリードする3つのソリューション」)とのタイトルの下に「安全性」,「信頼性」及び「簡易性」との見出しを付した三つのグループが枠を設けて表示されており,上記グループのうち,「簡易性」グループの枠内に,「HPQuickWeb」,「HPDayStarte r」,「HPIllumi-LiteDisplay」,「HPPowerAssistant」,「HPNightLight」,「周辺光センサー」,「HP ファスト・チャージ・テクノロジー」等の文字が,それぞれ黒色の正方形内に白色の線で電池やコンピ 「HPPowerAssistant」,「HPNightLight」,「周辺光センサー」,「HP ファスト・チャージ・テクノロジー」等の文字が,それぞれ黒色の正方形内に白色の線で電池やコンピュータ画面の形などを表示した図形とともに表示されている。そして,これらと並列して,「HPQuickLook2」又は「HPQuickLook3」との文字標章(なお,「HP」と「QuickLook2」又は「QuickLook3」はそれぞれ上下二段に分けて表示されている。)が,甲48ないし57についてはその上部の被告標章3-2又は被告標章3-3とともに,甲59ないし67については,その上部の文字と図形の複合標章(黒色の正方形内に白色の線で「Quick」「Look2」又は「Quick」「Look3」をそれぞれ上下二段書きにした文字からなるもの)とともに表示されている。 (エ) 甲48ないし57,59ないし67の各2枚目又は3枚目のページには,「電源OFFからWebへアクセス『HPQuickWeb』」(甲48,49,51,54ないし57,59,61,63,66),「暗い場所でも作業が出来る『HPNightLight』」(甲50,52,60,65),「短時間充電でモバイル性能アップ『HP ファスト・チャージ・テクノロジー』」(甲54,62),「周辺光センサー」又は「周辺光センサ」(甲50,52,60,65,67)等の表示と並列して,甲50,52,60,62,65,67については「電源OFFから個人データにアクセス『HPQuickLook2』」,甲48,49,51,53ないし57,59,61,63,64,66については「電源OFFから個人データにアクセス『HPQuickLook3』」との表示がされ,その下に,下記の表示がされてい 』」,甲48,49,51,53ないし57,59,61,63,64,66については「電源OFFから個人データにアクセス『HPQuickLook3』」との表示がされ,その下に,下記の表示がされている。 ・ 「電源をオフしてしまったが,今すぐメールをチェックしたい」,そんな時,QuickLookボタンを押せばすばやくデータにアクセスできるので,忙しいビジネスパーソンにも嬉しい機能です。 (甲48,49,51,54,59,61,63,64,66)・ 「電源をオフしてしまったが,今すぐメールをチェックしたい」,そんな時,すばやくデータにアクセスできるので,忙しいビジネスパーソンにも嬉しい機能です。(甲50,52,60,62,65,67)・「電源をオフしてしまったが,今すぐメールをチェックしたい」,そんな時,QuickLookキーを押せばすばやくデータにアクセスできるので,忙しいビジネスパーソンにも嬉しい機能です。(甲53,55ないし57)・さらに,QuickLook3ではメールの下書きやスケジュールの編集も可能になりました。(甲48,49,51,53ないし57,59,61,63,64,66)・ボタンを押すだけでメールや予定がすぐに見られるHPQuickLook3(48,49,51,53ないし57,59,61,63,64,66)・丸時計及び封筒を模した図形を表示したボタンの写真の下等に「QuickLookボタン」との表示(甲49,51,59,63,64,66)・丸時計及び封筒を模した図形を表示した「f5」キーの写真の下に「QuickLookキー」との表示(甲53,55ないし57)また,上記「QuickLook2」又は「QuickLook3」の説明の項の冒頭には,被告標章3-2(甲50,52,60,62, の下に「QuickLookキー」との表示(甲53,55ないし57)また,上記「QuickLook2」又は「QuickLook3」の説明の項の冒頭には,被告標章3-2(甲50,52,60,62,65),被告標章3-3(甲48,49,51,53ないし57)又は 文字と図形の複合標章(黒色の正方形内に白色の線で「Quick」「Look2」又は「Quick」「Look3」をそれぞれ上下二段書きにした文字からなるもの。甲59ないし67)が表示されている。 (オ) 原告は,被告が被告商品のキーボード前方に,被告標章2を想起させる図柄のボタン又はキーを配置しているところ,被告の上記行為は商品に関する広告に標章を付して展示する行為(商標法2条3項8号前段)に該当すると主張する。 確かに,証拠(甲48ないし57,59ないし84)によれば,被告商品のキーボードとディスプレイの間のスペース若しくはキーボードの右側面にはボタンが配置され,又は,「f5」キーが存在し,被告商品のウェブサイト上の広告又はカタログにおいては,それらについて,「QuickLookキー」,「QuickLookボタン」との名称が付与されていることが認められるが,それらの名称はウェブサイト上の広告又はカタログを参照して初めて判明するものであり,被告商品におけるボタン又はキー上には,丸時計及び封筒を模した図柄が表示されているのみであって,これらの図柄の表示をもって,被告商品に被告標章2が表示されているものとみることはできず,かつ,被告標章2を想起させる図柄が表示されているともみることができない。もっとも,上記「QuickLookキー」,「QuickLookボタン」の名称は,上記のとおり,被告商品のウェブサイトの広告又はカタログにおいて表示されているから されているともみることができない。もっとも,上記「QuickLookキー」,「QuickLookボタン」の名称は,上記のとおり,被告商品のウェブサイトの広告又はカタログにおいて表示されているから,被告商品に関する広告中には表示されているということができるが,その使用態様は,被告商品のキー又はボタンの意味を説明するものであって,被告商品そのものを表示するものとして使用されているとはいえない。したがって,後に検討するとおり,被告の上記行為が,被告商品の商標としての使用に当たるということはできない。 エ甲68ないし84について甲68ないし84は,被告商品目録記載20ないし36の各商品の技術仕様(スペック)を説明,紹介するウェブページの一部であり,各ウェブページの左上部に,「HPProBook4310s/CTNotebookPC」,「HPProBook 4510s/CTNotebookPC」,「HPEliteBook 2530pNotebookPC」等の,別紙被告商品目録記載20ないし36の各商品名の表示及び「スペック」との表示があり,当該表示の下に,「OS」,「プロセッサー」,「チップセット」等の項目及び上記各項目の具体的内容(「OS」について「WindowsVistaHomeBasic正規版 ServicePack 1(SP1)適用済み」等)の表示がされており,これらの表示と並列して,下記の表示がされている。 ・「ワンタッチボタン」との項目において,「無線オン/オフボタン」と並列して「QuickLookボタン」との表示(甲68)・「ワンタッチボタン」との項目において,「無線ボタン」と並列して「QuickLookボタン」との表示(甲69ないし73) と並列して「QuickLookボタン」との表示(甲68)・「ワンタッチボタン」との項目において,「無線ボタン」と並列して「QuickLookボタン」との表示(甲69ないし73)・「ワンタッチボタン」との項目において,「タッチ式コントロールボタン 6ボタン(プレゼンテーションモード,HPinfoCenter(HPQuickLook),無線オン/オフボタン,音量ミュート,音量大-小)」等との表示(甲74,76,80ないし84。なお,甲74においては,「HPinfoCenter」及び「-小」については印刷が途切れており,表示されていない。)。 ・「ソフトウェアプリインストール/プリロード」,「主なソフトウェア」又は「ソフトウェア」との項目において,「HPProtectToolsセキュリティマネージャー」,「PDFComplete」,「McAfeeTotalProtection(60日試 用版)」等と並列して「HPQuickLook2」との表示(甲69ないし73,75,77ないし80,82,84)(3) 被告各標章の使用の商標的使用該当性以上を前提に,被告各標章(被告標章3については被告標章3-2及び被告標章3-3として)の使用が商標的使用に該当するか否かについて検討する。 ア甲9,10のウェブページ上の表示について(ア) 前記(2)アのとおり,甲9及び10において,被告標章1及び2は,「必要な情報への即時アクセスでお客様のビジネスを快適にするクイックルック」,「『HPQuickLook』新搭載」,「うれしい新機能『HPQuickLook(クイックルック)』」,「『HPQuickLook2』を搭載」,「ノ 様のビジネスを快適にするクイックルック」,「『HPQuickLook』新搭載」,「うれしい新機能『HPQuickLook(クイックルック)』」,「『HPQuickLook2』を搭載」,「ノートPCに『HPQuickLook2』を採用」などのウェブページのタイトル又は文章中でそれぞれ使用されているものであり,「必要な情報への即時アクセスでお客様のビジネスを快適にする」,「メールや予定がすぐ見られる」,「わずか10秒※でメール,スケジュール,電話帳,仕事リストの表示が可能に。」,「システムオフ状態(スリープ,シャットダウン,休止状態)から,最短10秒,ワン・ボタンで,個人データにアクセスし,閲覧することができます。」,「電源がOFFでも,ボタンを押すだけでメールや予定がすぐ見られる」等の文章は,「クイックルック」,「HPQuickLook」,「HPQuickLook2」,「HPQuickLook(クイックルック)」の内容をそれぞれ説明するために表示されているものと認められる。また,被告標章3-2は,「電源OFFから個人データにアクセス『HPQuickLook2』」との文章を中見出しとする「Outlookの・・・(中略)・・・アクセス可能です。」との 文章の横に並んで表示されているものであって,上記文章は,被告標章3-2の内容を説明又は意味するものとして表示されていると認められる。 (イ) また,証拠(甲9,10,47ないし57,59ないし84,89,90)及び弁論の全趣旨によれば,被告は,被告製のノート型コンピュータに,「HPQuickLook」(「HPQuickLook2」及び「HPQuickLook3」は,いずれも,そのバージョンアップ版であると認められる。)との名称で特定される ート型コンピュータに,「HPQuickLook」(「HPQuickLook2」及び「HPQuickLook3」は,いずれも,そのバージョンアップ版であると認められる。)との名称で特定されるプログラムを搭載することにより,コンピュータの電源を切った状態やスリープ状態,休止状態等においても,当該コンピュータの「QuickLookボタン」又は「QuickLookキー」との名称を付されたボタン又はキーを押すことにより,十秒程度でメールやスケジュール等の内容を確認することができる機能をもたせており,米国HPは,そのビジネスサポートセンターのウェブサイトにおいて,マイクロソフト社製の特定のオペレーションシステム(OS)を搭載したコンピュータについては,「HPQuickLook」との名称で特定される上記ソフトウェアをダウンロードできるようにしていることが認められる。 (ウ) また,前記(2)アでみた甲9及び10の表示内容からすれば,甲9及び10は,被告製のノート型コンピュータ全般に関する機能として,前記のとおり電源を切るなどした状態においても十秒程度でメール等を表示することができる機能を有することを広告することを目的とするものであって,甲9及び甲10は,特定の型番又は商品名のコンピュータ商品を対象とする広告情報ではないと認められる。 (エ) そうすると,被告は,「HPQuickLook」又は「HPQuickLook2」,「HPQuickLook3」との表示 を,上記ソフトウェア又は機能の名称として使用しているものであって,甲9又は10に接したコンピュータ商品の需要者は,前記(3)ア(ア)でみた甲9及び10における「クイックルック」,「HPQuickLook」,「HPQuickLook2」,「HPQuickLo 9又は10に接したコンピュータ商品の需要者は,前記(3)ア(ア)でみた甲9及び10における「クイックルック」,「HPQuickLook」,「HPQuickLook2」,「HPQuickLook3」,「HPQuickLook(クイックルック)」及び被告標章3-2に関する説明表示の内容並びに前記(ウ)でみた甲9及び10の広告目的に加えて,前記(1)ウでみたとおり,「quicklook」が「速く(すばやく)見る」との意味を有するものと理解されることとも相まって,被告各標章(ただし被告標章3については被告標章3-2)につき,被告製のノート型コンピュータの電源が切られているなど,直ちにメールやスケジュールを開くことができない状態であっても,専用ボタンを押すことにより,すばやくメール等の内容をコンピュータの画面に表示させることができるという,被告製のノート型コンピュータが一般的に有する一つの機能又は上記機能を実現させるために当該コンピュータに搭載されたソフトウェアの名称を表示又は意味すると認識するにとどまるものと認められ,被告各標章から,特定のコンピュータ商品としての被告商品の出所を識別するものとしてその出所を想起するものではないと認められる。 (オ) したがって,被告各標章が甲9及び10のウェブページにおいて被告商品の自他商品識別機能・出所表示機能を果たす態様で用いられているものと認めることはできないから,甲9及び10のウェブページにおける被告各標章の使用は,被告商品に関して,商標としての使用(商標的使用)に当たらない。 イ甲47について(ア) 前記(2)イのとおり,甲47において,被告標章2は,「HPQuickLook2」として使用されているものであり,「電源OF Fからで イ甲47について(ア) 前記(2)イのとおり,甲47において,被告標章2は,「HPQuickLook2」として使用されているものであり,「電源OF Fからでも専用ボタンを押すだけで,メール,スケジュール,電話帳,仕事リストをパッと表示。」,「Outlookのメールデータやスケジュール,電話帳,仕事リストなどの個人データについて,OSが起動していない状態から瞬時※にアクセス可能です。」などの文章は,上記の「HPQuickLook2」の具体的内容を説明するものとして表示されていることが認められる。 また,甲47には,上記表示と並列して,「またテンキー付きフルサイズキーボードを搭載し,入力作業が効率アップ。多忙なビジネスの現場を,実践機能でサポートするHPのノートです。」との表示があるのであって,これらの表示内容を併せて考慮すると,甲47は,被告製のノート型コンピュータ全般に関し,すばやくメール等を表示することができる機能や,テンキー付きフルサイズキーボードを搭載していることにより,ビジネス用途に利便性を有する旨広告することを目的とするものであって,特定の型番又は商品名のコンピュータ商品を対象とする広告情報ではないと認められる。 (イ) 以上の甲47の表示内容に加えて,前記のとおり被告が「HPQuickLook2」との表示を,前記ソフトウェア又は前記機能の名称として使用しているものと認められること及び前記(1)ウでみた「quicklook」の意味を併せて考慮すると,甲47に接したコンピュータ商品の需要者は,被告標章2につき,被告製のノート型コンピュータのOSが起動していない状態であっても,専用ボタンを押すことにより,すばやくメール等の内容をコンピュータの画面に表示させるこ ンピュータ商品の需要者は,被告標章2につき,被告製のノート型コンピュータのOSが起動していない状態であっても,専用ボタンを押すことにより,すばやくメール等の内容をコンピュータの画面に表示させることができるという,被告製のノート型コンピュータが一般的に有する機能又は上記機能を実現させるために当該コンピュータに搭載されたソフトウェアの名称を表示又は意味すると認識するにとどまるものと認められ,被告標章2から,特定のコンピュータ商品と しての被告商品を識別するものとしてその出所を想起するものではないと認められる。 (ウ) したがって,被告標章2が甲47のウェブページにおいて被告商品の自他商品識別機能・出所表示機能を果たす態様で用いられているものと認めることはできないから,甲47のウェブページにおける被告標章2の使用は,被告商品に関し,商標としての使用(商標的使用)に当たらない。 ウ甲48ないし57,59ないし67について(ア) 前記(2)ウでみたとおり,甲48ないし57及び甲59ないし67は,被告商品のうち,別紙被告商品目録1ないし19の各商品の特徴等を説明,紹介しているウェブページの一部であり,被告標章2は,「HPQuickLook2」,「HPQuickLook3」,「QuickLookボタン」又は「QuickLookキー」との表現の中で使用されているものであって,これらの表示のうち「HPQuickLook2」又は「HPQuickLook3」は,「HPQuickWeb」,「HPPowerAssistant」,「HPNightLight」,「周辺光センサー」等と並列して表示されているものであるところ,甲48ないし57,59ないし67の各2ページ目以降において,「HP PowerAssistant」,「HPNightLight」,「周辺光センサー」等と並列して表示されているものであるところ,甲48ないし57,59ないし67の各2ページ目以降において,「HPQuickWeb」につき「事前に専用ウィザードでネットワーク接続の設定をしておけば,QuickWebボタンを押すことで,OSを起動しないで専用ブラウザが起動し,すばやくWebにアクセスが可能です。」,「HPPowerAssistant」につき「消費電力を管理するためにOSやデバイスの構成設定を簡単に変更が可能です。」,「HPNightLight」につき「キーボードを照らすLEDライトをディスプレイ上に搭載しました。」,「周辺光センサー」につき「周 囲の明るさをセンサーが感知して,画面の明るさを自動調整します。」等と各説明されていることからすれば,「HPQuickWeb」,「HPPowerAssistant」,「HPNightLight」,「周辺光センサー」等は,いずれも,当該被告商品の有する設備,機能,特徴等を短い言葉で表現したものとして列挙されているものと認められ,これらと並列して表示されている「HPQuickLook2」及び「HPQuickLook3」は,前記「HPQuickWeb」等と同様に,当該被告商品の有する設備,機能,特徴等を短い言葉で表現したものの一つとして表示されているものと認められる。 (イ) また,前記(2)ウ(オ)でみた使用態様に照らせば,「QuickLookボタン」又は「QuickLookキー」との表示は,「HPQuickLook2」又は「HPQuickLook3」との表示の後に,「QuickLookボタン(若しくはQuickLookキー)を押せばすばやくデータにアクセ ookキー」との表示は,「HPQuickLook2」又は「HPQuickLook3」との表示の後に,「QuickLookボタン(若しくはQuickLookキー)を押せばすばやくデータにアクセスできる」との文章中で,又は,コンピュータ製品上のボタン(若しくはキー)写真とともに表示されているものであり,「HPQuickLook2」又は「HPQuickLook3」で表現される設備,機能,特徴等において使用されるボタン又はキーの名称として表示されているものと認められる。 また,簡易性の説明において「HPQuickLook2」「HPQuickLook2」が被告標章3-2又は被告標章3-3(「QuickLook2」又は「QuickLook3」についての文字と図形の複合標章を含む。)とともに使用されている場合についても,利用者の注目を集めるために機能の表示として用いられているにすぎず,特に,特定の商品と結びついて使用されているものとは 認められない。 (ウ) そうすると,これらの事情に加え,前記(2)ウでみたとおり,「HPQuickLook2」又は「HPQuickLook3」が,「すばやくデータにアクセスできるので,忙しいビジネスパーソンにも嬉しい機能です。」,「ボタンを押すだけでメールや予定がすぐ見られる」などの文章と併せて表示されていること及び前記(1)ウでみた「quicklook」の意味とも相まって,甲48ないし57,59ないし67に接したコンピュータ商品の需要者は,被告標章2につき,当該被告商品が有する設備,機能,特徴等のうち,OSが起動していない状態等であっても,すばやくメール等の内容をコンピュータの画面に表示させることができるという機能又は当該機能において使用されるボ ,当該被告商品が有する設備,機能,特徴等のうち,OSが起動していない状態等であっても,すばやくメール等の内容をコンピュータの画面に表示させることができるという機能又は当該機能において使用されるボタン若しくはキーの名称を表示するものと認識するにとどまると認められ,コンピュータ商品である当該被告商品そのものの出所については,当該ウェブページの左上に記載された製品名から想起するものであって,被告標章2から想起するものではないと認められる。 (エ) したがって,被告標章2が甲48ないし57,59ないし67のウェブページにおいて被告商品の自他商品識別機能・出所表示機能を果たす態様で用いられているものと認めることはできないから,上記ウェブページにおける被告標章2の使用は,被告商品に関し,商標としての使用(商標的使用)に当たらない。 エ甲68ないし84について(ア) 前記(4)エのとおり,甲68ないし84は,被告商品のうち,別紙被告商品目録記載20ないし36の各商品の技術仕様(スペック)を説明,紹介するウェブページの一部であり,被告標章2は,「QuickLookボタン」又は「HPQuickLook2」との表示 の中で表示されているものであるところ,これは,「OS」「プロセッサー」,「チップセット」等の項目と並列して表示されている「ワンタッチボタン」や「ソフトウェアプリインストール/プリロード」,「主なソフトウェア」との項目の後の,上記の項目の具体的内容を列挙した表示の中で使用されているものであるから,当該表示は,当該被告商品が,その技術仕様の一部として,「QuickLookボタン」との名称のワンタッチボタンや,「HPQuickLook2」との名称のソフトウェアを搭載していることを表 るから,当該表示は,当該被告商品が,その技術仕様の一部として,「QuickLookボタン」との名称のワンタッチボタンや,「HPQuickLook2」との名称のソフトウェアを搭載していることを表示するものとして使用されているものと認められる。 (イ) そうすると,甲68ないし84に接したコンピュータ商品の需要者は,被告標章2につき,当該被告商品に搭載されているワンタッチボタン又はソフトウェアの名称を表示するものと認識するにとどまるものであって,コンピュータ商品である当該被告商品そのものの出所については,各ウェブページ左上に表示されている各製品名から想起し,被告標章2から想起するものではないと認められる。 (ウ) したがって,被告標章2が甲68ないし84のウェブページにおいて被告商品の自他商品識別機能・出所表示機能を果たす態様で用いられているものと認めることはできないから,上記ウェブページにおける被告標章2の使用は,被告商品に関し,商標としての使用(商標的使用)に当たらない。 (4) 原告の主張についてア原告は,被告商品に被告ソフトウェアが搭載又はインストールされることにより,被告商品と被告ソフトウェアが結合して一つのまとまったデータアクセスシステムを構成し,これが,取引市場において多数存在する他社同種のコンピュータシステムとの間で,被告各標章を識別標章として選択され,識別されると主張するが,被告各標章が,被告商品の 機能又は被告ソフトウェアの名称を意味又は表示するものとして使用されているにすぎないことは前記のとおりであり,これらがデータアクセスシステム全体を示す標章として使用されていることを認めるに足りる証拠はない。 イまた,原告は,被告各標章は被告ソフ として使用されているにすぎないことは前記のとおりであり,これらがデータアクセスシステム全体を示す標章として使用されていることを認めるに足りる証拠はない。 イまた,原告は,被告各標章は被告ソフトウェアの名称として用いられているものであるところ,被告ソフトウェアは,被告商品に搭載又はインストールされた後も独立商品性を有し,かつ,その存在が明示されるものであって,被告各標章は,被告ソフトウェアが被告商品に搭載又はインストールされた後も,被告ソフトウェアの識別標章として機能するものであり,コンピュータの需要者は,被告各標章で識別される被告ソフトウェアが搭載又はインストールされたコンピュータを購入したいとの認識をもって被告商品を購入するものであるから,被告各標章は被告商品の商標として使用されていると主張する。 しかし,被告各標章が,被告商品の機能又は被告ソフトウェアの名称を意味又は表示するものとして使用されているにすぎないことは前記のとおりであり,被告ソフトウェアが被告商品に組み込まれた後において,被告各標章が被告ソフトウェアを表示するものとして認識されることがあるとしても,そのことから直ちに,被告商品の取引者,需要者が,被告各標章を被告商品の識別標識として認識していることが認められるものではない。前記(2)ウ(ウ)の具体的使用態様において検討したとおり,被告商品には,「HPQuickWeb」,「HPDayStarter」,「HPPowerAssistant」等の多くのソフトウェア又は機能が組み込まれており,それらも同様に被告のウェブサイト等によって広告されているのであるから,それらとは別個に,被告各標章のみが,被告商品を識別するものとして取引者,需要者に認識されているものとはいえない。また,甲8によれ らも同様に被告のウェブサイト等によって広告されているのであるから,それらとは別個に,被告各標章のみが,被告商品を識別するものとして取引者,需要者に認識されているものとはいえない。また,甲8によれば,被告とは別会社が販 売するアップルコンピュータにおいても,「QuickLook」が「ソフトの起動をまつイライラ」を解消する機能を有するものとして搭載されており,この点からみても,コンピュータの取引者,需要者において,被告各標章が被告商品を識別し,その出所を表示するものとして認識されていたものとは認め難い。 ウ以上のとおり,被告各標章が,コンピュータ商品である被告商品を他の商品と識別する標章として機能し,かつ,被告商品の取引者又は需要者が,被告商品を,被告各標章を識別標識として,他のコンピュータ商品と識別し,これを選択しているものと認められず,原告の上記主張はいずれも採用することができない。 2 小括以上によれば,原告の主張する被告による被告各標章の使用は,商標としての使用(商標的使用)に当たらないから,その余の点について判断するまでもなく,原告各商標権の侵害行為又は侵害とみなす行為(商標法25条,37条1号)のいずれにも該当しないというべきである。 第5 結論以上の次第で,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求は,いずれも理由がないから,これらを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官大須賀滋 裁判官菊池絵理 裁判官森川さつき 裁判官菊池絵理 裁判官森川さつき

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る