昭和32(オ)281 約束手形金請求

裁判年月日・裁判所
昭和36年6月9日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 名古屋高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人青木米吉の上告理由第四点について。  民法七一五条に所謂「事業ノ執

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判決文本文1,550 文字)

主文 原判決を破棄する。 本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人青木米吉の上告理由第四点について。 民法七一五条に所謂「事業ノ執行ニ付キ」とは、被用者の職務の執行行為其のものには属しないが、その行為の外形から観察して、恰も被用者の職務の範囲内の行為に属するものと見られる場合をも包含するものと解すべきであることは既に当裁判所の判例とするところである(昭和三二年七月一六日第三小法廷判決、判例集一一巻一二五八頁、大審院大正一五年一〇月一三日民刑連合部判決、民事判例集五巻七九六頁)。すなわち、被用者が使用者の具体的な命令又は委任に基かず、その地位を濫用して自己又は第三者の利益を図つたような場合も、被用者の行為が何人の利益を図つたかということは外部からこれを認識することは難きを強いるものであるから、使用者、被用者側のこれら主観的事情によつて使用者責任を否定することは、同条の法意に反するものといわなければならない。 本件につき原審の確定した事実関係は、被上告組合は、株式会社D以下の鋳造業を営む四会社を組合員とするものであり、書記Eは同組合の唯一人の被用者であつて、同人は組合の取引関係金融関係の事務及び手形事務を担当し、理事長の記名印、印鑑等を保管していたこと、被上告組合は、事実上組合員をしてFから金融を得させることのみを常務とし、Eは右目的のため事務を処理する権限を有していたが、取引関係なき第三者に理事長名義の融通手形を独断専行して作成交付する権限は付与されていなかつたこと、本件手形は右無権限を知つて融通手形の交付を歎願したG株式会社の依頼に応じEが前記記名印、印鑑等を使用して被上告組合理事長名義をもつて作成したものであること、及び右手形の受取人Gはこれを上告人に裏書譲- 1 無権限を知つて融通手形の交付を歎願したG株式会社の依頼に応じEが前記記名印、印鑑等を使用して被上告組合理事長名義をもつて作成したものであること、及び右手形の受取人Gはこれを上告人に裏書譲- 1 -渡し上告人は善意無過失で取得したと認められるというにある。しかして以上の事実関係によれば、本件被用者の行為は、本来の職務を逸脱しその地位を濫用して為されたものであるが、その行為は本来の職務と密接の関連を有し外形上本来の職務の執行と見られるから、被上告組合は上告人に対し、他に特段の事情のないかぎり、前段説示の理由により使用者としての責任を負わなければならないと解するを相当とする。ところで、使用者は、その被用者の選任、監督につき相当の注意を用い、被用者が職務上の地位を濫用して、職務上保管する理事長の記名印、印鑑等を不正に使用して他人に損害を及ぼすことなきよう常に監視警戒を怠らない責に任ずべきであるから、若し被上告組合がその注意を怠り被用者Eをしてその地位を濫用して本件の如き手形を発行させたものとすれば、被上告組合はその責を辞するを得ないものといわざるを得ないのである。されば、原審が上告人の民法七一五条に基く予備的請求につき、右手形の作成交付が事業の執行についてなされた証拠はないとして、たやすく右主張を排斥したのは同条の解釈を誤つた違法があるか、若くは審理不尽理由不備の違法があるものであつて、論旨は理由があるものといわなければならない。よつて、その余の論旨に対する判断を省略し、原判決を破棄し、これを原審に差し戻すべく、民訴四〇七条一項に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官藤田八郎裁判官池田克 の意見で主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官藤田八郎裁判官池田克裁判官河村大助裁判官奥野健一裁判官山田作之助- 2 -

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