主文 1 被告は,原告に対し,89万円及びうち別紙1「面会関係請求額一覧表」の「認容額」欄記載の各金員に対する同表の「遅延損害金起算日」欄記載の各年月日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用はこれを10分し,その9を原告の負担とし,その余は被告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求被告は,原告に対し,1000万円及びこれに対する平成27年6月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要①死刑確定者として大阪拘置所に収容されている原告は,平成29年4月5日,同月10日及び同月19日,弁護士宛てに,平成21年に和歌山地方裁判所に対してされた再審の請求に係る事件(以下「別件再審請求事件」という。)についての再審請求棄却決定(以下「別件再審請求棄却決定」という。)に対する即時抗告事件(以下「別件即時抗告事件」という。)の弁護人としての選任を依頼する旨の信書(合計33通)の発信申請(以下「本件各発信申請」という。)をしたところ,大阪拘置所長がいずれも不許可とした(以下,この不許可処分を「本件各発信不許可処分」という。)。②原告は,平成27年6月頃から平成29年10月頃までの間,再審請求弁護人と複数回にわたり面会をしたところ,大阪拘置所長が面会時間を60分に制限した。③原告は,上記各面会をしたところ,大阪拘置所長が再審請求弁護人による面会時のパソコンの使用を制限した。 本件は,原告が,上記①~③の大阪拘置所長の措置がいずれも違法であるなどと主張して,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料3185万円(上記①につき510万円,上記②及び③につき2675万円)のうち1000万円 及びこれに対する平成27年 法であるなどと主張して,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料3185万円(上記①につき510万円,上記②及び③につき2675万円)のうち1000万円 及びこれに対する平成27年6月1日(原告が主張する最初の違法行為の日)から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 関係法令等の定め⑴ 死刑確定者の信書の発受に関する法令等の定めア刑事収容施設法の定め刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(以下「刑事収容施設法」という。)141条において準用する同法130条1項は,刑事施設の長は,法務省令で定めるところにより,死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有する者を除く。以下同じ。)が発する信書の作成要領,その発信の申請の日及び時間帯,死刑確定者が発信を申請する信書の通数並びに死刑確定者の信書の発受の方法について,刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる旨規定する。 刑事収容施設法141条において準用する同法130条2項は,同条1項の規定により死刑確定者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは,その通数は,1月につき1通を下回ってはならない旨規定する。 イ刑事施設規則の定め刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則(以下「刑事施設規則」という。)78条は,刑事施設の長は,刑事収容施設法130条1項の規定により被収容者がする信書の発信の申請の日及び時間帯について制限をする場合にも,緊急の発信の必要があるときは,その発信の申請を受け付けなければならない旨規定する。 刑事施設規則79条は,刑事収容施設法130条1項の規定による被収容者が発信を申請する信書の通数についての制限は,次に掲げる信 があるときは,その発信の申請を受け付けなければならない旨規定する。 刑事施設規則79条は,刑事収容施設法130条1項の規定による被収容者が発信を申請する信書の通数についての制限は,次に掲げる信書以外の信書について行うことができるものとする旨規定する。 a 委員会に対して提出する書面b 審査の申請,再審査の申請,刑事収容施設法163条1項又は同法165条1項の規定による申告及び苦情の申出の書面c 被告人又は被疑者である被収容者であって未決拘禁者としての地位を有しないものについて,弁護人又は刑事訴訟法39条1項に規定する弁護人となろうとする者に対して発する信書⑵ 死刑確定者の面会に関する法令等の定めア刑事収容施設法の定め刑事収容施設法122条において準用する同法114条1項は,刑事施設の長は,死刑確定者の面会に関し,法務省令で定めるところにより,面会の相手方の人数,面会の場所,日及び時間帯,面会の時間及び回数その他面会の態様について,刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる旨規定する。 刑事収容施設法121条は,刑事施設の長は,その指名する職員に,死刑確定者の面会に立ち会わせ,又はその面会の状況を録音させ,若しくは録画させるものとする旨規定する一方で,そのただし書において,死刑確定者の訴訟の準備その他の正当な利益の保護のためその立会い又は録音若しくは録画をさせないことを適当とする事情がある場合において,相当と認めるときは,この限りでない旨規定する。 イ刑事施設規則の定め刑事施設規則73条は,刑事収容施設法114条1項の規定により被収容者の面会の時間について制限をするときは,その時間は,30分を下回ってはならない旨規定する一方で,そのただし書において,面会の申出の 刑事施設規則73条は,刑事収容施設法114条1項の規定により被収容者の面会の時間について制限をするときは,その時間は,30分を下回ってはならない旨規定する一方で,そのただし書において,面会の申出の状況,面会の場所として指定する室の数その他の事情に照らしてやむを得ないと認めるときは,5分を下回らない範囲内で,30分を下回る時間に制限することができる旨規定する。 2 前提事実当事者間に争いのない事実並びに証拠(以下,書証番号は,特記しない限り,各枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認定することができる事実は,次のとおりである。 ⑴ 原告ア原告は,平成14年12月11日,和歌山地方裁判所において,殺人,殺人未遂及び詐欺事件の被告人として,死刑判決の言渡しを受けた。原告は,これを不服として控訴したが,平成17年6月28日,大阪高等裁判所において,控訴棄却の判決を受けた。原告は,これを不服として上告したが,平成21年4月21日,上告も棄却され,同年5月19日,上記死刑判決が確定した。原告は,同年6月3日以降,死刑確定者として大阪拘置所に収容されている。(乙3,31の1)イ原告は,平成21年7月22日,和歌山地方裁判所に対し,再審の請求をした(別件再審請求事件)。同裁判所は,平成29年3月29日,再審請求を棄却した(別件再審請求棄却決定)。原告は,同日,これを不服として即時抗告を申し立てた(別件即時抗告事件)。(乙3)⑵ 本件各発信不許可処分ア大阪拘置所における通数制限大阪拘置所においては,平成29年頃,死刑確定者の信書の発信の申請通数は,原則として休庁日を除き,1日1通とし,これを超える信書の発信(以下「通数外発信」という。)の申請については,当該発信の宛先及び内容を踏まえ,その後の申請の機会に申 確定者の信書の発信の申請通数は,原則として休庁日を除き,1日1通とし,これを超える信書の発信(以下「通数外発信」という。)の申請については,当該発信の宛先及び内容を踏まえ,その後の申請の機会に申請したのでは当該被収容者が被る不利益の程度が大きいと客観的に認められるなど,緊急に当該信書を発信する必要性の有無を検討の上,許否判断を決定するとの取扱いをしていた(乙1,2)。 イ本件各発信不許可処分 大阪拘置所長は,原告に対し,次の各発信不許可処分(本件各発信不許可処分)をした。 本件発信不許可処分1a 本件発信申請1原告は,平成29年4月5日,大阪拘置所長に対し,知人宛ての礼状1通の発信を申請し,また,知人宛ての訴訟関係書類に係る信書3通の通数外発信を申請し,いずれも許可された。 その後,原告は,平成29年4月5日,別件再審請求事件の弁護人であった①A弁護士(以下「A弁護士」という。),②B弁護士(以下「B弁護士」という。),③C弁護士,④D弁護士(以下「D弁護士」という。),⑤E弁護士(以下「E弁護士」という。),⑥F弁護士,⑦G弁護士(以下「G弁護士」という。),⑧H弁護士(以下「H弁護士」という。)及び⑨I弁護士宛ての9通の信書の発信を申請した(以下,これらの申請を併せて「本件発信申請1」という。)。本件発信申請1により原告が発信を申請した信書は,いずれも別件即時抗告事件の弁護人としての選任を依頼する旨が記載されたものであった。 (以上につき,乙4~6)b 本件発信不許可処分1大阪拘置所長は,平成29年4月7日,原告に対し,本件発信申請1について,通数外発信をしなければならない緊急性が認められないとして,これらをいずれも不許可とし(以下,これらの不許可処分を併せて「本件発信不許可処分1 成29年4月7日,原告に対し,本件発信申請1について,通数外発信をしなければならない緊急性が認められないとして,これらをいずれも不許可とし(以下,これらの不許可処分を併せて「本件発信不許可処分1」という。),同日,これを原告に告知した(乙6)。 本件発信不許可処分2a 本件発信申請2原告は,平成29年4月10日,大阪拘置所長に対し,知人宛ての 礼状1通の発信を申請し,許可された。 その後,原告は,平成29年4月10日,上記イaの①~⑨の各弁護士及び⑩J弁護士宛ての10通の信書の発信を申請した(以下,これらの申請を併せて「本件発信申請2」という。)。本件発信申請2により原告が発信を申請した信書は,いずれも別件即時抗告事件の弁護人としての選任及び弁護人選任届出書の送付を依頼する旨が記載されたものであった。(以上につき,乙7~11)b 本件発信不許可処分2大阪拘置所長は,平成29年4月11日,原告に対し,本件発信申請2について,通数外発信をしなければならない緊急性が認められないとして,これらをいずれも不許可とし(以下,これらの不許可処分を併せて「本件発信不許可処分2」という。),同日,これを原告に告知した(乙10,11)。 本件発信不許可処分3a 本件発信申請3原告は,平成29年4月19日,知人宛ての礼状1通の発信を申請し,また,大阪地方裁判所宛ての訴訟関係書類に係る信書1通の通数外発信を申請し,いずれも許可された。 その後,原告は,平成29年4月19日,⑪K弁護士,⑫L弁護士(以下「L弁護士」という。),⑬M弁護士(以下「M弁護士」という。)及び⑭N弁護士ほか10名の弁護士宛ての14通の信書の発信を申請した(以下,これらの申請を併せて「本件発信申請3」という。)。本件発信申請3によ 」という。),⑬M弁護士(以下「M弁護士」という。)及び⑭N弁護士ほか10名の弁護士宛ての14通の信書の発信を申請した(以下,これらの申請を併せて「本件発信申請3」という。)。本件発信申請3により原告が発信を申請した信書は,別件即時抗告事件の弁護人選任届出書の提出を依頼するものであった。(以上につき,乙12,13)b 本件発信不許可処分3 大阪拘置所長は,平成29年4月19日,看守部長を通じて,原告に対し,通数外発信を申請する場合は通数外発信をしなければならない緊急性及び必要性を疎明するよう指導したところ,原告は「うん。」とうなずいたため,同日,原告に対し,上記aの各信書を返戻した(以下,これらの返戻措置を併せて「本件発信不許可処分3」という。)。 (乙14)。 ⑶ 原告と再審請求弁護人との面会における面会時間の制限及び再審請求弁護人による面会時のパソコン使用の制限ア原告と再審請求弁護人との面会原告は,平成27年6月8日から平成29年10月12日までの間,大阪拘置所において,95回にわたり,再審請求に関する打合せを目的として,主に別件再審請求事件又は別件即時抗告事件の再審請求弁護人ら(H弁護士,A弁護士,O弁護士,L弁護士,N弁護士,G弁護士,E弁護士,D弁護士,P弁護士〔以下「P弁護士)という。〕,B弁護士及びM弁護士)と面会をした。 面会の日,面会の相手方である再審請求弁護人,面会の開始時間,終了時間及び面会の実施時間は,それぞれ,別紙1の「面会実施日」欄,「相手氏名」欄,「開始」欄,「終了」欄及び「実施時間」欄記載のとおりである。 (以上につき,乙22)イ面会時間の制限大阪拘置所においては,平成27年6月頃から平成29年12月頃までの間,死刑確定者と再審請求のため選任された弁護人との面会 間」欄記載のとおりである。 (以上につき,乙22)イ面会時間の制限大阪拘置所においては,平成27年6月頃から平成29年12月頃までの間,死刑確定者と再審請求のため選任された弁護人との面会については,面会開始から30分を経過した時点で,再審請求弁護人に対して,予定時間が経過している旨を告知し,当該再審請求弁護人から面会時間の延長の申入れがあった場合,その時点で15分延長し,延長後,再度の延長の申入れがあった場合,更に15分延長し,最大で60分の面会 を認めるとの取扱いがされていた(乙1,25,27,40)。 原告は,別紙1の各面会の前に,大阪拘置所長に対し,面会時間の延長の申出をした。これに対し,大阪拘置所長は,「面会時間は定められた範囲で実施する」等として不許可とした(ただし,後記4⑵のとおり,申出の有無,大阪拘置所長が不許可としたか否かについては,当事者間に一部争いがある。)。(乙21,22,30,37,38,40,41)再審請求弁護人らは,別紙1の各面会に関し,大阪拘置所長に対し,面会時間の延長の申出をした。大阪拘置所長は,上記の申出のうち,面会実施時間が60分を超えない面会に関するものについては,不許可とすることはなく,その余については,不許可とした(ただし,後記4⑵のとおり,申出の有無,大阪拘置所長が不許可としたか否かについては,当事者間に一部争いがある。)。(乙22,30,37,38)ウ再審請求弁護人によるパソコン使用の制限原告は,別紙1の各面会に関し,大阪拘置所長に対し,再審請求弁護人が面会時にパソコンを使用することの申出をした。これに対し,大阪拘置所長は,平成29年5月12日の出願までは「願意取り計らわない」旨を原告に告知し,その後の出願については願箋の受理にとどめ,許否決定の告知 にパソコンを使用することの申出をした。これに対し,大阪拘置所長は,平成29年5月12日の出願までは「願意取り計らわない」旨を原告に告知し,その後の出願については願箋の受理にとどめ,許否決定の告知を行わなかった(ただし,後記4⑵のとおり,申出の有無,大阪拘置所長が不許可としたか否かについては,当事者間に一部争いがある。)。(乙21,22,30,37,38,40,41)A弁護士は,別紙1の各面会のうちA弁護士と原告との面会に関し,面会時にパソコンを使用することの申出をした。これに対し,大阪拘置所長は,いずれも不許可とした(ただし,後記4⑵のとおり,A弁護士による申出の一部,A弁護士以外の再審請求弁護人による面会時のパソコン使用の申出の有無については,当事者間に争いがある。)。(乙22,30,37,38) ⑷ 本件訴訟の提起原告は,平成30年6月22日,本件訴訟を提起した。 3 争点⑴ 本件各発信不許可処分は国家賠償法1条1項の適用上違法であるか否か(争点1)⑵ 大阪拘置所長が面会時間を60分に制限した措置は国家賠償法1条1項の適用上違法であるか否か(争点2)⑶ 大阪拘置所長が再審請求弁護人による面会時のパソコン使用を制限した措置は国家賠償法1条1項の適用上違法であるか否か(争点3)⑷ 損害(争点4) 4 争点に関する当事者の主張⑴ 争点1(本件各発信不許可処分は国家賠償法1条1項の適用上違法であるか否か)について(原告の主張)本件各発信不許可処分は,原告が弁護士らに宛てた別件即時抗告事件の弁護人としての選任を依頼するための信書の発信を不許可とするものであり,原告の弁護人選任権を侵害するものであって,違法である。 (被告の主張)ア刑事収容施設法141条において準用する同法130条の趣旨に ての選任を依頼するための信書の発信を不許可とするものであり,原告の弁護人選任権を侵害するものであって,違法である。 (被告の主張)ア刑事収容施設法141条において準用する同法130条の趣旨に照らすと,死刑確定者が,同法141条及び同法130条が規定する通数を超える信書の発信を申請した場合には,刑事施設の長は,刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができ,その制限の内容は,刑事収容施設法等の規定に反しない範囲で,刑事施設の長の合理的な裁量に委ねられていると解するのが相当である。 そうすると,信書の通数外発信の申請に対して発信を認めず当該信書を返戻することについては,当該信書の宛先,内容等の具体的事情を考慮し て,直ちに発信すべき緊急性及び必要性があり,申請を受け付けず当該信書を返戻することが不合理であると認められる場合に限り,国家賠償法1条1項の適用上違法となるというべきである。 イ本件各発信申請に係る各信書は,刑事施設規則79条各号の書面(通数制限の対象とならない書面)のいずれにも該当しないから,いずれも,通数制限の対象となる信書である。 そして,本件発信申請1及び本件発信申請2は,いずれも,通数制限を超えてされたもの(通数外発信)であるところ,通数外発信の緊急性及び必要性について願箋に何ら記載されておらず,また,疎明資料も提出されていないこと,A弁護士が本件発信申請1の6日前である平成29年3月29日に即時抗告の申立てを行ったばかりであり,別件即時抗告事件の手続が進行しておらず,同事件において直ちに弁護人選任を行う緊急性及び必要性が高い状況とは認められなかったこと等に照らせば,大阪拘置所長が,本件発信申請1及び本件発信申請2を不許可としたことは不合理とはいえない。 また,本件発信申請3に係る信書も,通数 緊急性及び必要性が高い状況とは認められなかったこと等に照らせば,大阪拘置所長が,本件発信申請1及び本件発信申請2を不許可としたことは不合理とはいえない。 また,本件発信申請3に係る信書も,通数制限を超えてされたもの(通数外発信)であるところ,通数外発信の緊急性及び必要性について願箋に何ら記載されておらず,また,疎明資料も提出されていないこと,別件即時抗告事件の手続が進行していない状況であったことに加え,原告は,本件発信申請3の前日である平成29年4月18日にA弁護士と面会し,別件即時抗告事件に向けた打合せ等を行っていたこと等に照らせば,大阪拘置所長が,本件発信申請3を不許可としたことは不合理とはいえない。 ウしたがって,大阪拘置所長による本件各発信不許可処分は,国家賠償法1条1項の適用上違法とはいえない。 ⑵ 争点2(大阪拘置所長が面会時間を60分に制限した措置は国家賠償法1 条1項の適用上違法であるか否か)について(原告の主張)原告及び再審請求弁護人は,別紙1の1~95の各面会の全てについて,大阪拘置所長に対し,面会時間の延長を申し出たが,大阪拘置所長は,何ら法令に基づく検討をすることなく,いずれも不許可とした。 これにより,原告の裁判を受ける権利及び弁護人選任権が侵害された。 (なお,令和3年4月30日における原告とI弁護士及びM弁護士との面会の際にも,打合せがまだ途中であるにもかかわらず,大阪拘置所の職員が面会室のドアを叩いて「もう時間だ。」と面会を終了するよう告げてきたことがあり,違法な行為が現在も続いている。)(被告の主張)ア原告が主張する違法行為について原告からの面会時間の延長の申出に対する措置について原告が,平成27年6月1日から平成29年12月1日までの間において,①面会の日 。)(被告の主張)ア原告が主張する違法行為について原告からの面会時間の延長の申出に対する措置について原告が,平成27年6月1日から平成29年12月1日までの間において,①面会の日時を特定しないでした面会時間の延長の申出,及び②面会の日時は特定されているが,特定された日時に面会が実施されなかった申出について,原告が違法行為として主張する請求原因であると特定するに至らなかった。 原告が主張する違法行為のうち特定に至ったものは,平成28年5月19日のA弁護士との面会(別紙1の34),同年6月15日のA弁護士との面会(同38),同月29日のA弁護士との面会(同39),平成29年5月26日のH弁護士との面会(同81),同年6月2日のA弁護士との面会(同82),同年7月7日のA弁護士との面会(同85),同月18日のA弁護士との面会(同87),同年9月7日のM弁護士との面会(同92),同年10月12日のA弁護士との面会(同94)及び同日のG弁護士との面会(同95)に係る延長の申出に対する措置(合計10 回)である。 また,このうち,平成29年5月26日のH弁護士との面会(同81),同年9月7日のM弁護士との面会(同92)及び同年10月12日のG弁護士との面会(同95)については,いずれも,60分以内に面会が終了したため,大阪拘置所長は,これらの面会に係る原告からの延長の申出を不許可としなかった。 再審請求弁護人からの面会時間延長の申出に対する措置について再審請求弁護人が,平成27年6月1日から平成29年12月1日までの間において,大阪拘置所長に対してした面会時間の延長の申出は,平成27年7月16日のA弁護士の面会(別紙1の8),平成28年5月19日のA弁護士の面会(同34),同年7月8日のE弁護士及びD弁護 の間において,大阪拘置所長に対してした面会時間の延長の申出は,平成27年7月16日のA弁護士の面会(別紙1の8),平成28年5月19日のA弁護士の面会(同34),同年7月8日のE弁護士及びD弁護士の面会(同42),同年9月1日のP弁護士の面会(同49),同月12日のG弁護士の面会(同51),同年12月19日のG弁護士の面会(同61),平成29年3月13日のG弁護士の面会(同72),同年6月2日のA弁護士の面会(同82),同年7月7日のG弁護士の面会(同86),同年9月7日のM弁護士の面会(同92)及び同年10月12日のG弁護士の面会(同95)に関するもの(合計11回)のみである。 また,このうち,平成28年9月1日のP弁護士の面会(同49),同月12日のG弁護士の面会(同51),同年12月19日のG弁護士の面会(同61),平成29年3月13日のG弁護士の面会(同72),同年7月7日のG弁護士の面会(同86),同年9月7日のM弁護士の面会(同92)及び同年10月12日のG弁護士の面会(同95)については,いずれも,大阪拘置所長は,これらの面会に係る再審請求弁護人からの延長の申出を不許可としなかった。 イ国家賠償法1条1項の適用上違法ではないこと公権力の行使に当たる公務員の行為が,法令の解釈・適用を誤ったもの であったとしても,直ちに国家賠償法1条1項の違法があると評価されるものではなく,職務上尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と当該行為をしたと認められる場合に限り,同項の違法性が肯定されるというべきである。 そして,公務員が,客観的には法令の解釈・適用を誤って職務行為を行ったときであっても,当該行為の時点で,法解釈につき争いや複数の見解があり,いずれかの解釈によることに相当の根拠があったのであれば,公務員が 公務員が,客観的には法令の解釈・適用を誤って職務行為を行ったときであっても,当該行為の時点で,法解釈につき争いや複数の見解があり,いずれかの解釈によることに相当の根拠があったのであれば,公務員が採用した法解釈に基づいて行った行為は,当該行為時点において,公権力の行使に当たって公務員が遵守すべき行為規範に反しているとはいえない。そうすると,当該法令の解釈を明らかに誤っているなど特段の事情がなく,相当の根拠に基づく解釈に従って処分をした場合には,職務上通常尽くすべき注意義務を尽くさなかったということはできず,国家賠償法1条1項の適用上違法であるということはできない。 大阪拘置所における死刑確定者と再審請求弁護人との面会における面会時間の制限及びパソコンの使用の制限については,大阪高裁平成28年(ネ)第477号同29年12月1日判決(乙31の1,44。以下「大阪高裁平成29年判決」という。)において違法との判断がされるまでは,違法でないとの司法判断がされていた(大阪地裁平成26年(ワ)第8881号同27年10月28日判決〔乙32〕,大阪地裁平成25年(ワ)第12789号同28年1月15日判決〔乙33〕,大阪地裁平成27年(行ウ)第87号同28年1月15日判決〔乙34〕,大阪高裁平成27年(ネ)第3354号同28年9月30日判決〔乙35〕)。このように,大阪拘置所長の法令の解釈・適用を是認した司法判断がされていたのであるから,大阪拘置所長が原告と再審請求弁護人との面会時間を60分に制限した措置は,各措置の当時において法令の解釈を明らかに誤っているなど特段の事情はなく,かつ,相当の根拠に基づく解釈に従ってされたといえるか ら,国家賠償法1条1項の適用上違法ということはできない。 ウ大阪拘置所長に過失がないこと公務員の職務行 など特段の事情はなく,かつ,相当の根拠に基づく解釈に従ってされたといえるか ら,国家賠償法1条1項の適用上違法ということはできない。 ウ大阪拘置所長に過失がないこと公務員の職務行為後に,裁判所の判決により当該行為において公務員が採用した法令の解釈が誤りであるとされたとしても,当該行為の根拠となる規定の有効性につき,実務上特に疑いを差し挟む解釈をされたことも裁判上問題とされたこともない場合において,従前と同様の行為を行ったときには,当該公務員が当該解釈に基づく行為をしたことについて過失を問うことはできないというべきである。 大阪拘置所長が死刑確定者と再審請求弁護人との面会時間を制限した措置の根拠となる法令等の違法性につき,大阪高裁平成29年判決までは実務上特に疑いを差し挟む解釈をされたことはなく,上記イのとおり,面会時間の制限に関する取扱いが適法であることを前提とした司法判断が繰り返されてきた。このような状況において,大阪拘置所長が,相当の根拠をもって違法性を疑うことなく,従前の運用に基づいて面会時間を制限する措置をしたことに過失はないことは明らかである。 ⑶ 争点3(大阪拘置所長が再審請求弁護人による面会時のパソコン使用を制限した措置は国家賠償法1条1項の適用上違法であるか否か)について(原告の主張)原告及び再審請求弁護人は,別紙1の1~95の各面会の全てについて,大阪拘置所長に対し,パソコンの使用を申し出たが,大阪拘置所長は,何ら法令に基づく検討をすることなく,いずれも不許可とした。 原告の刑事訴訟の資料等は,段ボール50箱以上あり,再審請求弁護人や原告が面会に持ち込むことは不可能であるし,再審請求弁護人は,必ずしも原告の刑事訴訟の第一審から弁護人を務めていたわけではないから,面会時に刑事訴訟の証拠書類 ボール50箱以上あり,再審請求弁護人や原告が面会に持ち込むことは不可能であるし,再審請求弁護人は,必ずしも原告の刑事訴訟の第一審から弁護人を務めていたわけではないから,面会時に刑事訴訟の証拠書類をデータ化して記録したパソコンを使用する必要があった。 上記の不許可により,原告の裁判を受ける権利,弁護人との面会する権利,再審裁判を受ける権利が侵害された。 (被告の主張)ア原告が主張する違法行為について原告からのパソコン使用の申出に対する措置について原告が,平成27年6月1日から平成29年12月1日までの間において,①面会の日時を特定しないでしたパソコン使用の申出,及び②面会の日時は特定されているが,特定された日時に面会が実施されなかった申出について,原告が違法行為として主張する請求原因であると特定するに至らなかった。 原告が主張する違法行為のうち特定に至ったものは,平成28年5月19日のA弁護士との面会(別紙1の34),同年6月15日のA弁護士との面会(同38),同月29日のA弁護士との面会(同39),平成29年5月26日のH弁護士との面会(同81),同年6月2日のA弁護士との面会(同82),同年7月7日のA弁護士との面会(同85),同月18日のA弁護士との面会(同87),同年10月12日のA弁護士との面会(同94)及び同日のG弁護士との面会(同95)に係る申出に対する措置(合計9回)である。 また,このうち,平成29年5月26日のH弁護士との面会(同81)及び同年10月12日のG弁護士との面会(同95)については,いずれも,面会時に再審請求弁護人がパソコンを持参しなかったため,大阪拘置所長は,これらの面会に係る原告からのパソコン使用の申出を不許可としなかった。 再審請求弁護人からのパソコン使用の申 は,いずれも,面会時に再審請求弁護人がパソコンを持参しなかったため,大阪拘置所長は,これらの面会に係る原告からのパソコン使用の申出を不許可としなかった。 再審請求弁護人からのパソコン使用の申出に対する措置について再審請求弁護人が,平成27年6月1日から平成29年12月1日までの間において,大阪拘置所長に対してしたパソコン使用の申出は,A 弁護士の次の面会に関するもの(合計41回)のみである。 すなわち,平成27年6月11日の面会(別紙1の2),同年7月13日の面会(同5),同月16日の面会(同8),同年8月25日の面会(同10),同年9月10日の面会(同12),同月24日の面会(同13),同年10月16日の面会(同14),同年11月4日の面会(同17),同月20日の面会(同19),同年12月18日の面会(同21),平成28年1月19日の面会(同24),同年2月23日の面会(同26),同年3月1日の面会(同28),同月10日の面会(同29),同年4月22日の面会(同32),同年5月19日の面会(同34),同年6月14日の面会(同37),同月15日の面会(同38),同月29日の面会(同39),同年7月21日の面会(同44),同月29日の面会(同46),同年8月19日の面会(同48),同年10月4日の面会(同54),同月18日の面会(同56),同年11月24日の面会(同58),同年12月13日の面会(同60),同月19日の面会(同62),平成29年1月27日の面会(同67),同年2月16日の面会(同69),同年3月3日の面会(同70),同年4月3日の面会(同76),同月18日の面会(同77),同年5月26日の面会(同80),同年6月2日の面会(同82),同年7月4日の面会(同84),同月7日の面会(同85),同月18 同70),同年4月3日の面会(同76),同月18日の面会(同77),同年5月26日の面会(同80),同年6月2日の面会(同82),同年7月4日の面会(同84),同月7日の面会(同85),同月18日の面会(同87),同年8月8日の面会(同89),同年9月5日の面会(同91),同年10月11日の面会(同93)及び同月12日の面会(同94)に関するもののみである。 イ国家賠償法1条1項の適用上違法ではないこと上記⑵(被告の主張)イのとおり,大阪高裁平成29年判決において,大阪拘置所における死刑確定者と再審請求弁護人との面会における面会時間の制限及びパソコンの使用の制限が違法と判断されるまでは,これらの制限は違法でないとの司法判断がされ,大阪拘置所長の法令の解釈・適 用を是認した司法判断がされていたのであるから,大阪拘置所長が原告と再審請求弁護人との面会におけるパソコンの使用を制限した措置は,各措置の当時において法令の解釈を明らかに誤っているなど特段の事情はなく,かつ,相当の根拠に基づく解釈に従ってされたといえるから,国家賠償法1条1項の適用上違法ということはできない。 ウ大阪拘置所長に過失がないこと大阪高裁平成29年判決まで,大阪拘置所長が死刑確定者と再審請求弁護人との面会におけるパソコンの使用を制限した措置の根拠となる法令等の違法性につき,実務上特に疑いを差し挟む解釈をされたことはなく,上記⑵(被告の主張)イのとおり,パソコンの使用の制限に関する取扱いが適法であることを前提とした司法判断が繰り返されてきた。このような状況において,大阪拘置所長が,相当の根拠をもって違法性を疑うことなく,従前の運用に基づいて面会時のパソコンの使用を制限する措置をしたことに過失はないことは明らかである。 ⑷ 争点4(損害)について において,大阪拘置所長が,相当の根拠をもって違法性を疑うことなく,従前の運用に基づいて面会時のパソコンの使用を制限する措置をしたことに過失はないことは明らかである。 ⑷ 争点4(損害)について(原告の主張)ア本件各発信不許可処分による損害合計510万円原告は,違法な本件各発信不許可処分により精神的苦痛を被った。この精神的苦痛に係る慰謝料は,合計510万円を下らない。 (内訳)本件発信不許可処分1 135万円本件発信不許可処分2 150万円本件発信不許可処分3 225万円イ面会時間の制限及びパソコン使用の制限合計2675万円(別紙1「面会関係請求額一覧表」参照)原告は,違法な面会時間の制限及びパソコン使用の制限により精神的苦 痛を被った。この精神的苦痛に係る慰謝料は,合計2675万円を下らない。 (内訳)A弁護士からの面会時間の延長及びパソコン使用の申出に対する措置(別紙1の8・34・82の各面会に係る申出に対するもの) 面会1回につき,各20万円(合計60万円)A弁護士からのいたもの(別紙1の2・5・10・12~14・17・19・21・24・26・28・29・32・37~39・44・46・48・54・56・58・60・62・67・69・70・76・77・80・84・85・87・89・91・93・94の各面会に係る申出に対するもの。 合計38回) 各措置につき,各15万円(合計570万円)E弁護士及びD弁護士からの面会時間の延長の申出に対する措置(別紙1の42の面会に係る申出に対するもの。合計2回) 各措置につき,各15万円(合計30万円)G弁護士からの面会時間の延長の申出に対する措置のうち,平成28年9月12日の面会に関するもの(別紙1の51の面会に係る申出に に対するもの。合計2回) 各措置につき,各15万円(合計30万円)G弁護士からの面会時間の延長の申出に対する措置のうち,平成28年9月12日の面会に関するもの(別紙1の51の面会に係る申出に対するもの) 15万円原告又は再審請求弁護人からの面会時間の延長又はパソコン使用の200回) 各措置につき,各10万円(合計2000万円)(被告の主張)原告の主張は争う。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(本件各発信不許可処分は国家賠償法1条1項の適用上違法であるか 否か)について⑴ 判断枠組み刑事収容施設法141条において準用する同法130条は,刑事施設の長は,死刑確定者が発信を申請する信書の通数等について,刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができるとしつつ,死刑確定者が発信を申請する信書の通数は1日につき1通を下回ってはならない旨定め,刑事施設規則78条は,被収容者がする信書の発信の申請の日及び時間帯について制限をする場合にも,緊急の発信の必要があるときは,その発信の申請を受け付けなければならない旨定める(第2の1⑴ア,イ)。これらの規定は,発信の申請があった信書の検査等を行う刑事施設の人的能力に限界があることから,被収容者に平等に信書の発信の機会を与えるため,発信を申請する信書の通数について,当該刑事施設の人的能力等に応じた合理的な制限を認めることをその趣旨とするものであると解される。そうすると,被収容者が発信を申請し得る信書の通数をどのように制限するかは,上記の最低保障に反しない範囲で,刑事施設の長の合理的な裁量に委ねられていると解するのが相当である。 ところで,刑事訴訟法440条1項は,検察官以外の者は,再審の請求をする場合には,弁護人を選任することができる旨規定し,検察官以外の再審請 の合理的な裁量に委ねられていると解するのが相当である。 ところで,刑事訴訟法440条1項は,検察官以外の者は,再審の請求をする場合には,弁護人を選任することができる旨規定し,検察官以外の再審請求権者に弁護人選任権を保障している。そうすると,刑事施設の長は,死刑確定者からその弁護人選任権の行使に関わる信書の発信の申請がされた場合において,信書の発信の許否の権限を行使するに当たっては,上記の最低保障に反するか否かの点を考慮してその権限を行使するのみならず,死刑確定者の弁護人選任権をも十分に尊重しなければならないというべきである。 そして,大阪拘置所においては,前記前提事実⑵アのとおり,死刑確定者の信書の発信の申請を原則として1日1通に制限しつつ,この制限を超える発信(通数外発信)の申請についても,当該発信の宛先及び内容を踏まえ, 緊急性,必要性の有無を検討の上,許否判断を決定することとしていたところ,このような制限は,上記の最低保障に反するものではなく,不合理であるということもできない。 そうすると,死刑確定者の弁護人選任権の行使に関わる信書の発信の申請が,上記の通数制限を超える場合に,これを不許可とすることは,当該信書の宛先,内容,当該信書の発信を許さないことにより死刑確定者の弁護人選任権が制約される程度等の具体的事情を考慮して,直ちに発信すべき緊急性,必要性があり,申請を不許可とすることが不合理であると認められる場合に限り,国家賠償法1条1項の適用上違法となるというべきである。 ⑵ 認定事実前記前提事実,掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア別件再審請求棄却決定に対する即時抗告の申立てA弁護士は,平成29年3月29日,原告の再審請求弁護人として,別件再審請求棄却決定に対して即時抗告を の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア別件再審請求棄却決定に対する即時抗告の申立てA弁護士は,平成29年3月29日,原告の再審請求弁護人として,別件再審請求棄却決定に対して即時抗告を申し立て,同年4月3日,原告に対し,その旨を記載した信書とともに,即時抗告申立書の写し1部を送付した(前記前提事実⑴イ,乙3,6)。 イ原告と再審請求弁護人との面会原告は,次のとおり,再審請求弁護人と面会した(乙18,22)。 平成29年3月30日 H弁護士平成29年3月30日 B弁護士平成29年4月3日 A弁護士平成29年4月18日 A弁護士ウ本件発信不許可処分1本件発信申請1原告は,平成29年4月5日,知人宛ての礼状1通の発信を申請し, また,知人宛ての訴訟関係書類に係る信書3通の通数外発信を申請し,いずれも許可された。 その後,原告は,平成29年4月5日,「していじかん外はっしん願」などと題する10枚の願箋を提出して,本件発信申請1をした。 原告が提出した各願箋には,「和歌山地方裁判所平成29年3月29日決定への即時抗告申立審の弁護人として選任のいしを本日発信したく本日面会がなくいしとして本日発信したく」(乙5・1枚目),「和歌山地方裁判所29年3月29日決定に対しての即時抗告審の弁護人として選任届を大阪高等裁判所へていしゅつするため,本日発信したく本日面会にこなければ自分のいしでしろと4/3面会でいわれており,2じすぎまでまつも弁護士面会がなく,私自身の選任のいしをしきゅう弁護士に発信したく」(乙5・3枚目),「英会話,英文とう,かんていしょう,論文のこととうで,必須弁護士であり,即時抗告審にて選任するため原審も選任していたが,入院してたので,かいにん届けをていしゅつも に発信したく」(乙5・3枚目),「英会話,英文とう,かんていしょう,論文のこととうで,必須弁護士であり,即時抗告審にて選任するため原審も選任していたが,入院してたので,かいにん届けをていしゅつも弁護士として早くよりもふっきしているため,本日選任の発信をしたく」(乙5・10枚目)などと記載されていた。 また,本件発信申請1により原告が発信を申請した信書は,いずれも「和歌山地方裁判所平成29年3月29日決定への即時抗告審の弁護人として選任してお願い申し上げたく,先生何としてでも一日も早く勝ちたくどうぞよろしくお願い申し上げます。選任届用紙を届けて下さりたく重ねてお願い申し上げます。」(乙6)などと記載されたものであった。 (以上につき,乙4~6)本件発信不許可処分1大阪拘置所長は,①原告は本件発信申請1と同日である平成29年4月5日に既に1通の信書の発信を申請して許可されていること,②本件発信申請1の際に提出された各願箋には,直ちに発信すべき緊急性及び 必要性があることについて記載されていないこと,③本件発信申請1に係る各信書の内容に照らしても,緊急性及び必要性があると解し得る記載は見受けられず,これを疎明する資料の提出もないこと,④同月3日,A弁護士から原告に対し,即時抗告申立書を和歌山地方裁判所宛てに発送した旨の受信があり,別件即時抗告申立事件に係る即時抗告申立書の写し1部が送付されていたことの事情からすれば,本件発信申請1に係る各信書について,同月5日中に通数外発信をしなければならないほどの緊急性及び必要性は認められないと判断した。 そして,大阪拘置所長は,平成29年4月7日,原告に対し,本件発信申請1について,通数外発信をしなければならない緊急性が認められないとして本件発信不許可処分1をし,同 認められないと判断した。 そして,大阪拘置所長は,平成29年4月7日,原告に対し,本件発信申請1について,通数外発信をしなければならない緊急性が認められないとして本件発信不許可処分1をし,同日,これを原告に告知した。 (以上につき,乙6)エ本件発信不許可処分2本件発信申請2原告は,平成29年4月10日,知人宛ての礼状1通の発信を申請し,許可された。 その後,原告は,平成29年4月10日,「通数外発信願」などと題する10枚の願箋を提出して,本件発信申請2をした。 原告が提出した各願箋には,「3/29決定に対して(和歌山地方裁判所)4/1付主任弁護人として即時抗告申立書をていしゅつしており,大阪高等裁判所刑事部での審理となり,新たに弁護人の選任届をていしゅつし,主任弁護人届出もていしゅつしないといけなく,2週いないの4/14までにていしゅつするべく所,本日選任届のいしを発信し,選任届が届き次第に,おそくとも4/17までに大阪高等裁判所刑事部へていしゅつするため,本日発信したく」(乙8・1枚目)などと記載されていた。 また,本件発信申請2により原告が発信を申請した信書は,いずれも「和歌山地方裁判所平成29年3月29日決定への即時抗告審の弁護人として選任してお願い申し上げたく,先生何としてでも一日も早く勝ちたくどうぞよろしくお願い申し上げます。選任届用紙を届けて下さりたく重ねてお願い申し上げます。」(乙10・2頁,11・1頁)などと記載されたものであった。(以上につき,乙7~11)本件発信不許可処分2大阪拘置所長は,と同様の理由から,本件発信申請2に係る各信書について,平成29年4月10日中に通数外発信をしなければならないほどの緊急性及び必要性は認められないと判断した。 そし 大阪拘置所長は,と同様の理由から,本件発信申請2に係る各信書について,平成29年4月10日中に通数外発信をしなければならないほどの緊急性及び必要性は認められないと判断した。 そして,大阪拘置所長は,平成29年4月11日,原告に対し,本件発信申請2について,通数外発信をしなければならない緊急性が認められないとして本件発信不許可処分2をし,同日,これを原告に告知した。 (以上につき,乙10,11)オ本件発信不許可処分3本件発信申請3原告は,平成29年4月19日,知人宛ての礼状1通の発信を申請し,また,大阪地方裁判所宛ての訴訟関係書類に係る信書1通の通数外発信を申請し,いずれも許可された。 その後,原告は,平成29年4月19日,「通数外特別発信願」と題する14枚の願箋を提出して,本件発信申請3をした。 原告が提出した各願箋には,「大阪高等裁判所刑事部での即時抗告審の弁護人として4/18付選任届出書にいんかんを押印して裁判所へていしゅつしてもらうため4/18A弁護人とのうちあわせ面会にて裁判所より早くていしゅつしろとのことで本日発信したく」(乙13・1枚目) などと記載されていた。 また,本件発信申請3により原告が発信を申請した信書は,別件即時抗告事件の弁護人選任届出書の提出を依頼するものであった。 (以上につき,乙12,13)本件発信不許可処分3大阪拘置所長は,本件発信申請3に係る各信書について,通数外発信をしなければならない緊急性が疎明されていないこと等から,平成29年4月19日,看守部長を通じて,原告に対し,信書の通数外発信を行う場合は通数外発信をしなければならない緊急性及び必要性を疎明した上で申請するよう指導したところ,原告は「うん。」とうなずいた。 そこで,大 ,看守部長を通じて,原告に対し,信書の通数外発信を行う場合は通数外発信をしなければならない緊急性及び必要性を疎明した上で申請するよう指導したところ,原告は「うん。」とうなずいた。 そこで,大阪拘置所長は,平成29年4月19日,本件発信不許可処分3をし,原告に対し,以上につき,前記)。 原告は,平成29年4月20日及び同月21日,知人宛ての礼状1通の発信をそれぞれ申請したが,本件発信申請3に係る各信書の発信は申請しなかった(乙19,20)。 ⑶ 本件についてア本件発信不許可処分1について前記前提事実及び上記⑵によれば,本件発信申請1に係る各信書は,いずれも,刑事施設規則79条各号の通数制限の対象とならない書面に該当するものとはいえず,通数制限の対象となる書面というべきところ,上記⑵のとおり,原告は,平成29年4月5日,本件発信申請1に先立ち,既に信書4通の発信の申請をしていたから,本件発信申請1は,通数制限を超えてされたもの(通数外発信)であると認められる。 本件発信申請1に係る各信書の内容は上記⑵ウのとおりであって,いずれも,原告が,弁護士らに対し,別件即時抗告事件の弁護人としての選任 を依頼する内容であり,原告の弁護人選任権の行使に関わる信書であると認められる。 しかし,①本件発信不許可処分1は,本件発信申請1に係る各信書の発信を全面的に不許可とするものではなく,平成29年4月5日中の発信を不許可とするものにすぎないこと(上記⑵ウ),②A弁護士は,本件発信申請1の6日前である同年3月29日,原告の再審請求弁護人として,再審請求棄却決定に対して即時抗告を申し立て,同年4月3日,原告に対し,その旨を記載した信書とともに,即時抗告申立書の写し1部を送付していたこと(上記⑵ア),③原告は,同年3月30 求弁護人として,再審請求棄却決定に対して即時抗告を申し立て,同年4月3日,原告に対し,その旨を記載した信書とともに,即時抗告申立書の写し1部を送付していたこと(上記⑵ア),③原告は,同年3月30日に,再審請求弁護人であったH弁護士及びB弁護士と面会し,同年4月3日には,A弁護士と面会し,再審についての打合せをしていたこと(上記⑵イ)等に照らせば,本件発信申請1に係る各信書が(翌日以降ではなく)即日に発信されないことにより原告の弁護人選任権が制約される程度は限定的であったというべきであるから,上記各信書について,通数制限を超えて同月5日中に発信しなければならない緊急性及び必要性があったということはできない。このことは,原告が,同月7日に本件発信不許可処分1を告知されたにもかかわらず,同月10日に,知人宛ての差し入れに対する礼状の発信を申請し,これが許可された後に本件発信申請2を行っていること(上記⑵)からもうかがわれるところである。そうすると,本件発信不許可処分1が不合理であるということはできない。 したがって,本件発信不許可処分1が国家賠償法1条1項の適用上違法であるということはできない。 イ本件発信不許可処分2について前記前提事実及び上記⑵によれば,本件発信申請2に係る各信書は,いずれも,刑事施設規則79条各号の通数制限の対象とならない書面に該当するものとはいえず,通数制限の対象となる書面というべきところ,上記 ⑵のとおり,原告は,平成29年4月10日,本件発信申請2に先立ち,既に信書1通の発信の申請をしていたから,本件発信申請2は,通数制限を超えてされたもの(通数外発信)であると認められる。 本件発信申請2に係る各信書の内容は上記⑵エのとおりであって,いずれも,原告が,再審請求弁護人であった弁護士らに対 ,本件発信申請2は,通数制限を超えてされたもの(通数外発信)であると認められる。 本件発信申請2に係る各信書の内容は上記⑵エのとおりであって,いずれも,原告が,再審請求弁護人であった弁護士らに対し,別件即時抗告事件の弁護人としての選任及び弁護人選任届出書の送付を依頼する内容であり,原告の弁護人選任権の行使に関わる信書であると認められる。 しかし,①本件発信不許可処分2は,本件発信申請2に係る各信書の発信を全面的に不許可とするものではなく,平成29年4月10日中の発信を不許可とするものにすぎないこと(上記⑵エ),②A弁護士は,本件発信申請1の6日前である同年3月29日,原告の再審請求弁護人として,再審請求棄却決定に対して即時抗告を申し立て,同年4月3日,原告に対し,その旨を記載した信書とともに,即時抗告申立書の写し1部を送付していたこと(上記⑵ア),③原告は,同年3月30日に,再審請求弁護人であったH弁護士及びB弁護士と面会し,同年4月3日には,A弁護士と面会し,再審についての打合せをしていたこと(上記⑵イ)等に照らせば,本件発信申請2に係る各信書が(翌日以降ではなく)即日に発信されないことにより原告の弁護人選任権が制約される程度は限定的であったというべきであるから,上記各信書について,通数制限を超えて同月10日中に発信しなければならない緊急性及び必要性があったということはできない。このことは,上記アのとおり,原告が,同月7日に本件発信不許可処分1を告知されたにもかかわらず,同月10日に,知人宛ての差し入れに対する礼状の発信を申請し,これが許可された後に本件発信申請2を行っていることからもうかがわれるところである。そうすると,本件発信不許可処分2が不合理であるということはできない。 したがって,本件発信不許可処分2が国家賠償法1 が許可された後に本件発信申請2を行っていることからもうかがわれるところである。そうすると,本件発信不許可処分2が不合理であるということはできない。 したがって,本件発信不許可処分2が国家賠償法1条1項の適用上違法 であるということはできない。 ウ本件発信不許可処分3について前記前提事実及び上記⑵によれば,本件発信申請3に係る各信書は,いずれも,刑事施設規則79条各号の通数制限の対象とならない書面に該当するものとはいえず,通数制限の対象となる書面というべきところ,上記⑵オのとおり,原告は,平成29年4月19日,本件発信申請3に先立ち,既に信書2通の発信の申請をしていたから,本件発信申請3は,通数制限を超えてされたもの(通数外発信)であると認められる。 本件発信申請3に係る各信書の内容は上記⑵オのとおりであって,いずれも,原告が,弁護士らに対し,弁護人選任届出書の提出を依頼する内容であると認められる。 しかし,①本件発信不許可処分3は,本件発信申請3に係る各信書の発信を全面的に不許可とするものではなく,平成29年4月19日中の発信を不許可とするものにすぎないこと(上記⑵オ),②A弁護士は,本件発信申請1の6日前である同年3月29日,原告の再審請求弁護人として,再審請求棄却決定に対して即時抗告を申し立て,同年4月3日,原告に対し,その旨を記載した信書とともに,即時抗告申立書の写し1部を送付していたこと(上記⑵ア),③原告は,本件発信申請3の前日である同年4月18日にA弁護士と面会し,再審についての打合せをしていたこと(上記⑵イ)等に照らせば,本件発信申請3に係る各信書が(翌日以降ではなく)即日に発信されないことにより原告の弁護人選任権が制約される程度は限定的であったというべきであるから,上記各信書について,通数制限 イ)等に照らせば,本件発信申請3に係る各信書が(翌日以降ではなく)即日に発信されないことにより原告の弁護人選任権が制約される程度は限定的であったというべきであるから,上記各信書について,通数制限を超えて同月19日中に発信しなければならない緊急性及び必要性があったとまではいえない。このことは,原告が,同日に本件発信不許可処分3を告知されたにもかかわらず,同月20日及び同月21日に,本件発信申請3に係る各信書の発信を申請することなく,知人宛ての礼状の発信を申請し ていること(上記⑵)からもうかがわれるところである。そうすると,本件発信不許可処分3が不合理であるということはできない。 したがって,本件発信不許可処分3が国家賠償法1条1項の適用上違法であるということはできない。 ⑷ 小括以上によれば,本件各発信不許可処分が国家賠償法1条1項の適用上違法であるということはできない。 2 争点2(大阪拘置所長が面会時間を60分に制限した措置は国家賠償法1条1項の適用上違法であるか否か)について⑴ 判断枠組みア刑事収容施設法122条において準用する同法114条1項は,刑事施設の長は,死刑確定者の面会に関し,法務省令で定めるところにより,面会の相手方の人数,面会の場所,日及び時間帯,面会の時間及び回数その他面会の態様について,刑事施設の規律及び秩序の維持その他管理運営上必要な制限をすることができる旨定めている(前記第2の1⑵ア)。 そして,刑事施設規則72条本文は,上記規定により被収容者の面会の時間帯について制限をするときは,その時間は1日につき6時間を下回ってはならない旨,刑事施設規則73条本文は,上記規定により被収容者の面会の時間について制限をするときは,その時間は30分を下回ってはならない旨それぞれ定めている ,その時間は1日につき6時間を下回ってはならない旨,刑事施設規則73条本文は,上記規定により被収容者の面会の時間について制限をするときは,その時間は30分を下回ってはならない旨それぞれ定めている(前記第2の1⑵イ)。 このように,面会の時間帯や面会の時間の制限が許されているのは,面会を行わせるためには,面会室等の整備や,被収容者の連行等に従事する拘置所職員の配置が必要であるところ,刑事施設の人的・物的能力には限界があることに基づく,管理運営上の理由によるものであると解される。 イところで,死刑確定者と再審請求弁護人が再審請求に関する打合せをするために秘密面会をする利益は,死刑確定者にとって重要な利益であり, 十分に尊重されなければならないものである(最高裁平成24年(受)第1311号同25年12月10日第三小法廷判決・民集67巻9号1761頁参照)。そうすると,刑事施設の長は,死刑確定者又は再審請求弁護人が再審請求に関する打合せをするために刑事施設の執務時間内における一定の時間の秘密面会の申出をした場合,面会に関する許否の権限を行使するに当たり,申出に係る秘密面会の時間を制限することにより十分な打合せができなくなることがないよう配慮すべきである。 ウしたがって,死刑確定者又は再審請求弁護人が再審請求に関する打合せをするために刑事施設の執務時間内における一定の時間の秘密面会の申出をした場合に,刑事施設の長が,面会に関する許否の権限を行使するに当たり,面会の時間を制限することが許されるためには,申出に係る時間の面会を許すことにより刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずる具体的なおそれがあると認められることが必要であり,そのような具体的なおそれがあるか否かについて考慮することなく漫然と面会時間を制限する刑事施設の長の より刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずる具体的なおそれがあると認められることが必要であり,そのような具体的なおそれがあるか否かについて考慮することなく漫然と面会時間を制限する刑事施設の長の措置は,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用して死刑確定者の秘密面会の利益を侵害するものとして,国家賠償法1条1項の適用上違法となると解するのが相当である。 ⑵ 認定事実前記前提事実,掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア面会に関する大阪拘置所の取扱い(平成27年6月頃から平成29年12月頃まで)大阪拘置所においては,平成27年6月頃から平成29年12月頃までの間,死刑確定者と再審請求弁護人との面会については,一般面会室(立合いを要しない面会用の構造のもの)で行い,面会開始から30分を経過した時点で,再審請求弁護人に対して,予定時間が経過している旨を告知 し,当該再審請求弁護人から面会時間の延長の申入れがあった場合,その時点で15分延長し,延長後,再度の延長の申入れがあった場合,さらに15分延長し,最大で60分の面会を認めるとの取扱いがされていた(前乙1,25,27,40)。 なお,大阪拘置所においては,上記取扱いを定めた大阪拘置所首席矯正処遇官(処遇担当)による指示(平成26年2月21日付け指示第18号)が平成30年2月13日付けで廃止されたことに伴い,上記取扱いは廃止され,あらかじめ確認した面会終了予定時間が経過した後も面会が継続している場合,面会時間を延長するか否かを確認し,他の面会に支障が生じている場合に限り,再審請求弁護人に対して面会の終了を申し入れることとなった(乙26)。 イ原告の申出について原告は,別紙1の各面会に関し,別紙2(別紙2の1~95の各面会は,それぞれ別紙 いる場合に限り,再審請求弁護人に対して面会の終了を申し入れることとなった(乙26)。 イ原告の申出について原告は,別紙1の各面会に関し,別紙2(別紙2の1~95の各面会は,それぞれ別紙1の1~95の各面会に対応する。)の「延長申出(原告)」欄の「申出年月日」欄記載の日に,大阪拘置所長に対し,面会時間を延長することの申出をした。 これに対し,大阪拘置所長は,上記アの取扱いどおり対応することとして受理にとどめるか,又は「面会時間は定められた範囲で実施する」若しくは「願意取り計らわない」として不許可として原告に告知し,いずれも面会時間の延長を認めない措置をした。(以上につき,前記前提事実⑶ア,乙21,22,30,37,38,40,41)ウ弁護士らの申出についてA弁護士,G弁護士,E弁護士,D弁護士,P弁護士及びM弁護士は,別紙1の各面会のうち,別紙2の「延長申出(弁護人)」欄に「〇」と記載がある面会について,大阪拘置所長に対し,各面会の実施日当日に面会申込書に記載するか,又は事前にファクシミリを送信して,原告との面会時 間を延長することの申出をした。 大阪拘置所長は,別紙2の「許否(弁護人申出)」欄に「×」と記載のある申出に対しては,面会時間の延長をいずれも不許可とし,同欄に「不許可なし」と記載のある申出に対しては,面会時間の延長をいずれも不許可とすることはなかった。(以上につき,前記前提事実⑶ア,乙21,22,30,37,38)⑶ 事実認定(上記⑵ウ)の補足説明ア申出の有無及び制限の有無に関する被告の主張について被告は,原告が,①面会の日時を特定しないでした申出,及び,②面会の日時は特定されているが,特定された日時に面会が実施されなかった申出,について,原告が違法行為として主張する請求原 主張について被告は,原告が,①面会の日時を特定しないでした申出,及び,②面会の日時は特定されているが,特定された日時に面会が実施されなかった申出,について,原告が違法行為として主張する請求原因であると特定するに至らなかった旨主張する。 しかし,証拠(乙21,22,37,38,40,41)によれば,①原告が面会の日時を特定しないで弁護人との面会時間の延長の申出をした場合(別紙2の1・3~9・11~33・35~37・40~80・86の各面会に係る申出),又は②面会の日時を特定して申出がされたが,申出に係る日時に面会が実施されなかった場合(別紙2の83・84・88〔L弁護士との面会に関するもの〕・89~91・93の各面会に係る申出)であっても,申出後,程なくして原告と当該申出に係る弁護人との面会が実施されているか,又は特定された面会の日時に程近い時期に面会が実施されていることが認められるから(申出日時及び特定された面会の日時については,それぞれ別紙2の「延長申出(原告)」欄の「申出年月日」欄及び「面会実施予定日」欄記載のとおりである。),原告が違法行為として主張する措置を特定することができないということはできず,実際に行われた面会の直近にされた申出に対する制限措置をもって,原告が違法行為として主張する措置であると特定することができる。 具体的には,上記⑵イのとおり,別紙2の「延長申出(原告)」欄の「申出年月日」欄に日付の記載のある申出に対して大阪拘置所長が面会時間を60分に制限した各措置が,原告が違法行為として主張する措置であると認められる。 したがって,被告の上記主張は採用することができない。 被告は,別紙1の81・92・95の各面会に係る原告からの面会時間延長の申出について,いずれも,60分以内に面会が終了した ると認められる。 したがって,被告の上記主張は採用することができない。 被告は,別紙1の81・92・95の各面会に係る原告からの面会時間延長の申出について,いずれも,60分以内に面会が終了したため,上記各申出に係る面会時間の延長を不許可としていない旨主張する。 しかし,証拠(乙38の47・60・66)によれば,大阪拘置所長は,上記各申出に対し,いずれも「定められた範囲で実施」と原告に告知したこと,すなわち,上記各申出に係る面会時間の延長を不許可とした旨を原告に告知したことが認められる。そうすると,大阪拘置所長は,上記各申出に係る面会時間の延長をいずれも不許可としたことが認められる。 したがって,被告の上記主張は採用することができない。 イ申出の有無及び制限の有無に関する原告の主張について原告は,別紙1の1~95の各面会の全てについて,原告及び再審請求弁護人は面会時間の延長の申出をし,いずれも不許可とされた旨主張するが,上記⑵イ及びウで認定したものを除いて,これらを認めるに足りる証拠はない。 ⑷ 本件について上記⑵によれば,大阪拘置所では,平成27年6月頃から平成29年12月頃までの間,死刑確定者と再審請求弁護人との面会については,一般面会に準じ,おおむね最大で60分間の面会を認め,必要に応じて面会時間を延長するとの運用がされており(上記⑵ア),大阪拘置所長は,上記運用に従い,上記⑵イの原告からの各申出及び上記⑵ウの再審請求弁護人からの各申出に 対し,面会時間の延長を認めない各措置をとったこと(上記⑵イ,ウ)が認められる。そして,本件全証拠によっても,上記各措置の当時,上記申出に係る60分を超える面会を許すことにより大阪拘置所の規律及び秩序を害する結果を生ずる具体的なおそれがあったような事情は認められず,ま られる。そして,本件全証拠によっても,上記各措置の当時,上記申出に係る60分を超える面会を許すことにより大阪拘置所の規律及び秩序を害する結果を生ずる具体的なおそれがあったような事情は認められず,また,大阪拘置所長が,上記各措置に当たって,上記各申出に係る60分を超える面会を許すことにより,大阪拘置所の規律及び秩序を害する結果を生ずる具体的なおそれがあるか否かについて考慮した事実は認められない。 そうすると,上記各措置(別紙2の「許否(原告申出)」欄に「×」と記載のある面会についての原告からの申出に対するもの,及び別紙2の「許否(弁護人申出)」欄に「×」と記載のある面会についての再審請求弁護人からの申出に対するもの)は,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用して,死刑確定者である原告の秘密面会の利益を侵害したものとして,国家賠償法1条1項の適用上違法であり,かつ,職務上尽くすべき注意義務を尽くさなかったものとして過失があったというべきである。 ⑸ 被告の主張についてこれに対し,被告は,上記各措置には,法令の解釈を明らかに誤っているなど特段の事情がなく,かつ,相当の根拠があったため,職務上尽くすべき注意義務違反がないから,違法性がなく,また,過失もない旨主張する。 しかし,被告が指摘する裁判例(大阪地裁平成26年(ワ)第8881号同27年10月28日判決〔乙32〕,大阪地裁平成25年(ワ)第12789号同28年1月15日判決〔乙33〕,大阪地裁平成27年(行ウ)第87号同28年1月15日判決〔乙34〕,大阪高裁平成27年(ネ)第3354号同28年9月30日判決〔乙35〕)は,いずれも,大阪拘置所長が死刑確定者と再審請求弁護人との面会時間の延長を不許可とする措置が一律に適法であると判示したものではなく,当該事案の下において,国家賠償法上 8年9月30日判決〔乙35〕)は,いずれも,大阪拘置所長が死刑確定者と再審請求弁護人との面会時間の延長を不許可とする措置が一律に適法であると判示したものではなく,当該事案の下において,国家賠償法上の違法はないと判示した下級審裁判例であるから,上記各措置の当時における上 記各裁判例の存在をもって,上記各措置に相当の根拠があったと解することはできない。 また,大阪拘置所における死刑確定者と再審請求弁護人との面会時間の制限は,法律やその委任を受けた規則,大阪拘置所長の上級行政機関による通達の定めに基づいて実施されていたものではなく,大阪拘置所においては,上記の大阪高裁平成29年判決がそれまでの面会時間の制限に係る措置が違法であると判示した後,速やかに面会時間の制限を原則としてなくす取扱いに変更していること(上記⑵ア)からすれば,大阪高裁平成29年判決がされる以前にも,大阪拘置所長は,死刑確定者と再審請求弁護人との面会時間の制限を緩和しても,大阪拘置所の規律及び秩序の維持に支障がないとの判断に至ることが十分に可能であったといえる。 以上のことからすれば,大阪拘置所長が,原告又は弁護人らの面会時間の延長の申出について一律に不許可としたことには,相当の根拠があったとはいえない。したがって,大阪拘置所長に職務上尽くすべき注意義務違反がなく,違法性又は過失がない旨の被告の上記主張は採用することができない。 3 争点3(大阪拘置所長が再審請求弁護人による面会時のパソコン使用を制限した措置は国家賠償法1条1項の適用上違法であるか否か)について⑴ 判断枠組み上記2⑴のとおり,死刑確定者と再審請求弁護人が再審請求に関する打合せをするために秘密面会をする利益は,死刑確定者及び再審請求弁護人のいずれにとっても重要な利益であり,刑事収容施設法 判断枠組み上記2⑴のとおり,死刑確定者と再審請求弁護人が再審請求に関する打合せをするために秘密面会をする利益は,死刑確定者及び再審請求弁護人のいずれにとっても重要な利益であり,刑事収容施設法121条ただし書(前記第2の1⑵ア)の解釈に当たっても十分に尊重されなければならないものである。したがって,死刑確定者及び再審請求弁護人が,秘密面会時に刑事訴訟法39条1項により弁護人と未決拘禁者との秘密交通権として保障される行為をする利益についても,死刑確定者及び再審請求弁護人にとって重要な利益であり,秘密面会をする利益の一部として十分に尊重され保護される べきものである。そして,再審請求に関する証拠資料等の情報がパソコンに電子データとして保存されている場合,弁護人が十分な弁護活動を行うためには,弁護人が,死刑確定者との面会時にパソコンに保存された電子データを文字等としてパソコン画面に表示しこれを閲覧しながら打合せをすることが必要不可欠であるから,再審請求弁護人が,死刑確定者の再審請求についての打合せにおいてパソコンを使用する行為は,上記の秘密交通権として保障される行為というべきである。 そうすると,死刑確定者又は再審請求弁護人が再審請求に関する打合せをするために秘密面会の申出をした場合に,刑事施設の長が,面会に関する許否の権限を行使するに当たり,再審請求弁護人が面会時にパソコンを使用する行為を制限することが許されるためには,面会時の上記行為を許すことにより刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずる具体的なおそれがあると認められることが必要であり,そのような具体的なおそれがあるか否かについて考慮することなく漫然と再審請求弁護人が面会時にパソコンを使用する行為を制限する刑事施設の長の措置は,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用 とが必要であり,そのような具体的なおそれがあるか否かについて考慮することなく漫然と再審請求弁護人が面会時にパソコンを使用する行為を制限する刑事施設の長の措置は,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用して死刑確定者の秘密面会の利益を侵害するものとして,国家賠償法1条1項の適用上違法となると解するのが相当である。 ⑵ 認定事実ア面会に関する大阪拘置所の取扱い(平成27年6月頃から平成29年12月頃まで)大阪拘置所においては,平成27年6月頃から平成29年12月頃までの間,死刑確定者と再審請求弁護人との面会時のパソコンの使用については,訴訟上の必要に基づく記録用等の使用目的に限るとの取扱いがされていた(乙24)。 なお,大阪拘置所においては,平成30年2月13日付けで上記取扱いを改め,パソコンの使用目的は,訴訟上の必要に基づく記録用のみならず, 証拠の閲覧用としても認めることとなった(乙26)。 イ原告の申出について原告は,別紙1の各面会に関し,別紙3(別紙3の1~95の各面会は,それぞれ別紙1の1~95の各面会に対応する。)の「パソコン申出(原告)」欄の「申出年月日」欄記載の日に,大阪拘置所長に対し,再審請求弁護人が面会時にパソコンを使用することの各申出をした。 これに対し,大阪拘置所長は,平成29年5月12日までの出願については,「願意取り計らわない」旨を原告に告知し,その後の出願については,原告が出願すべき内容でないから申出は無効であるとして,願箋の受理にとどめ,許否決定の告知を行わなかった。(以上につき,乙21,22,40,41)もっとも,平成29年5月26日のH弁護士との面会(別紙3の81)及び平成29年10月12日のG弁護士との面会(同95)の際,各弁護士はパソコンを持参しなかった(乙30, 1,22,40,41)もっとも,平成29年5月26日のH弁護士との面会(別紙3の81)及び平成29年10月12日のG弁護士との面会(同95)の際,各弁護士はパソコンを持参しなかった(乙30,37)。 ウ A弁護士の申出についてA弁護士は,別紙1の各面会のうち,別紙3の「パソコン申出(弁護人)」欄に「〇」と記載がある面会について,各面会の実施日当日に,大阪拘置所長に対し,原告との面会時にパソコンを使用することの申出をした。 これに対し,大阪拘置所長は,A弁護士からの上記各申出に係るパソコンの使用をいずれも認めなかった。大阪拘置所長が,面会時のパソコンの使用を認めなかった理由は,パソコンの持込みを許容すれば,パソコンの有する通信機能等やパソコン内に保存されたデータによって法律上許容される範囲を超えた外部交通が可能となり,職員の立会いが許されない面会においてはこれを防ぐ効果的な手立てはないというものであった。(以上につき,乙22,30,37,38) ⑶ 事実認定(上記⑵イ)の補足説明ア申出の有無及び制限の有無に関する被告の主張について被告は,原告が①面会の日時を特定しないでした申出,及び,②面会の日時は特定されているが,特定された日時に面会が実施されなかった申出について,原告が違法行為として主張する請求原因であると特定するに至らなかった旨主張する。 しかし,証拠(乙21,22,37,38,40,41)によれば,①原告が面会の日時を特定しないで再審請求弁護人による面会時のパソコン使用の申出をした場合(別紙3の1・3~9・11~22・24・27~32・36・37・40~80・86の各面会に係る申出),又は②面会の日時を特定して申出がされたが,申出に係る日時に面会が実施されなかった場合(別紙3の83・84 ・3~9・11~22・24・27~32・36・37・40~80・86の各面会に係る申出),又は②面会の日時を特定して申出がされたが,申出に係る日時に面会が実施されなかった場合(別紙3の83・84・88〔L弁護士との面会に関するもの〕・89~91・93の各面会に係る申出)であっても,申出後,程なくして原告と当該申出に係る弁護人との面会が実施されているか,又は特定された面会の日時に程近い時期に面会が実施されていることが認められるから(申出日時及び特定された面会の日時については,それぞれ別紙3の「パソコン申出(原告)」欄の「申出年月日」欄及び「面会実施予定日」欄記載のとおりである。),原告が違法行為として主張する措置を特定することができないということはできず,実際に行われた面会の直近にされた申出に対する制限措置をもって,原告が違法行為として主張する措置であると特定することができる。具体的には,上記⑵イのとおり,別紙3の「パソコン申出(原告)」欄の「申出年月日」欄に日付の記載のある申出に対して大阪拘置所長が再審請求弁護人による面会時のパソコン使用を制限した各措置が,原告が違法行為として主張する措置であると認められる。 したがって,被告の上記主張は採用することができない。 イ申出の有無及び制限の有無に関する原告の主張について 原告は,別紙1の1~95の各面会の全てについて,原告及び再審請求弁護人はパソコンの使用の申出をし,いずれも不許可とされた旨主張するが,上記⑵イ及びウで認定したものを除いて,これらを認めるに足りる証拠はない。 ⑷ 本件について上記⑵によれば,大阪拘置所長は,上記⑵イの原告からの各申出及び上記⑵ウのA弁護士からの各申出に対し,上記各申出に係る面会時のパソコンの使用を制限する各措置(申出に対して許否判断 ⑷ 本件について上記⑵によれば,大阪拘置所長は,上記⑵イの原告からの各申出及び上記⑵ウのA弁護士からの各申出に対し,上記各申出に係る面会時のパソコンの使用を制限する各措置(申出に対して許否判断を行わない行為も含む。)をとったことが認められる。そして,大阪拘置所長が,上記各措置をとるに当たっては,面会室へのパソコンの持込みを許容すれば,パソコンの有する通信機能等やパソコン内に保存されたデータによって法律上許容される範囲を超えた外部交通が可能となり,職員の立会いが許されない面会においてはこれを防ぐ効果的な手立てはない等といった一般的な検討がされたことがあることは認められるものの(上記⑵ウ),本件全証拠によっても,上記各措置の当時,上記申出に係る面会時のパソコンの使用を許すことにより大阪拘置所の規律及び秩序を害する結果を生ずる具体的なおそれがあったような事情は認められず,また,大阪拘置所の規律及び秩序を害する結果を生ずる具体的なおそれがあるか否かについて考慮した事実は認められない。 そうすると,上記各措置(別紙3の「許否(原告申出)」欄に「×」又は「許否判断なし」と記載のある面会についての原告からの申出に対するもの,及び別紙3の「許否(弁護人申出)」欄に「×」と記載のある面会についての再審請求弁護人からの申出に対するもの)は,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用して,死刑確定者である原告の秘密面会の利益を侵害したものとして,国家賠償法1条1項の適用上違法であり,かつ,職務上尽くすべき注意義務を尽くさなかったものとして過失があったというべきである。 ⑸ 被告の主張についてこれに対し,被告は,上記各措置には,法令の解釈を明らかに誤っているなど特段の事情がなく,かつ,相当の根拠があったため,職務上尽くすべき注意義務違反がない 。 ⑸ 被告の主張についてこれに対し,被告は,上記各措置には,法令の解釈を明らかに誤っているなど特段の事情がなく,かつ,相当の根拠があったため,職務上尽くすべき注意義務違反がないから,違法性がなく,また,過失もない旨主張する。 しかし,被告が指摘する裁判例は,いずれも,当該事案の下において,国家賠償法上の違法はないと判示した下級審裁判例であるから,上記各措置の当時における上記各裁判例の存在をもって,上記各措置に相当の根拠があったと解することはできない。 また,大阪拘置所における死刑確定者と再審請求弁護人との面会時のパソコンの使用の制限は,法律やその委任を受けた規則,大阪拘置所長の上級行政機関による通達の定めに基づいて実施されていたものではなく,大阪拘置所においては,上記の大阪高裁平成29年判決がそれまでの面会時のパソコンの使用の制限に係る措置が違法であると判示した後,速やかに証拠の閲覧用としてのパソコンの使用を許容する取扱いに変更していること(上記⑵ア)からすれば,大阪高裁平成29年判決以前にも,大阪拘置所長は,死刑確定者と再審請求弁護人との面会におけるパソコンの使用の制限を緩和しても,大阪拘置所の規律及び秩序の維持に支障がないとの判断に至ることが十分に可能であったといえる。 以上のことからすれば,大阪拘置所長が,原告又は再審請求弁護人らからの面会時におけるパソコンの使用の申出について一律に不許可としたことには,相当の根拠があったとはいえない。したがって,大阪拘置所長に職務上尽くすべき注意義務違反がなく,違法性又は過失がない旨の被告の上記主張は採用することができない。 4 争点4(損害)について⑴ 面会時間の制限に係る損害原告は,別紙1の1~95の各面会のうち,実際の面会の実施時間が60 分に ない旨の被告の上記主張は採用することができない。 4 争点4(損害)について⑴ 面会時間の制限に係る損害原告は,別紙1の1~95の各面会のうち,実際の面会の実施時間が60 分に満たないもの,60分を大幅に超過して実施された平成28年4月22日のA弁護士との面会(別紙1の32)及び面会時間の延長の申出がされなかったもの(別紙1の2・10)を除いたもの(別紙1の5・7・8・12~14・17・19・21・24・26・28・29・34・37~42・44・46・48・52・54・56・58・59・62・65・67~70・75・77・80・82・84~89・91・92・94・95の面会。 合計48回)については,面会時間を制限されたことにより,各面会において弁護人らから再審に係る援助を十分に受ける機会を妨げられたということができ,それにより生じた精神的苦痛に係る慰謝料は,48万円(面会1回につき1万円。別紙1の「認容額内訳」欄の「面会時間」欄記載の金員の合計金額)とすることが相当である。 ⑵ パソコン使用の制限に係る損害また,原告は,別紙1の1~95の各面会のうち,再審請求弁護人(A弁護士)がパソコンの使用を申し出たもの(別紙1の2・5・8・10・12~14・17・19・21・24・26・28・29・32・34・37~39・44・46・48・54・56・58・60・62・67・69・70・76・77・80・82・84・85・87・89・91・93・94の面会。合計41回)については,面会時のパソコンの使用を制限されたことにより,各面会において弁護人らから再審に係る援助を十分に受ける機会を妨げられたということができ,それにより生じた精神的苦痛に係る慰謝料は,41万円(面会1回につき1万円。別紙1の「認容額内訳」欄の「面会時 面会において弁護人らから再審に係る援助を十分に受ける機会を妨げられたということができ,それにより生じた精神的苦痛に係る慰謝料は,41万円(面会1回につき1万円。別紙1の「認容額内訳」欄の「面会時間」欄記載の金員の合計金額)とすることが相当である。 他方で,別紙1の1~95の各面会のうち,再審請求弁護人がパソコンの使用を申し出なかったものについては,再審請求弁護人が再審請求に関する証拠資料等のデータを保存したパソコンを面会時に持参して使用することを希望する場合には再審請求弁護人が自ら使用の申出をするのが通常であるこ とを考慮すると,パソコンを持参しなかったか,又はパソコンを持参したとしても再審請求弁護人としては面会時の使用を希望しなかったものと推認される。そうすると,原告が面会時のパソコンの使用の申出をしたとしても,再審請求弁護人がパソコンの使用を申し出なかった面会については,面会時のパソコンの使用を制限されたことによる損害が発生したと認めることはできない。 ⑶ 小括したがって,面会時間の制限及び弁護人によるパソコンの使用の制限により原告が被った精神的苦痛に係る慰謝料は,合計89万円(48万円+41万円。別紙1の「認容額」欄記載の金員の合計額)となる。 そして,上記の損害(慰謝料)に対する遅延損害金は各損害発生時である各面会時に遅滞に陥って発生しているから,認容すべき遅延損害金は,上記の各損害額(慰謝料額)に対する各面会時(損害発生時)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による金員となる(別紙1「面会関係請求額一覧表」の「認容額」欄記載の各金員に対する同表の「遅延損害金起算日」欄記載の各日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による金員である。)。 第4 結論よって,原告の請求は主文1項の限度で理由があるからこ 認容額」欄記載の各金員に対する同表の「遅延損害金起算日」欄記載の各日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による金員である。)。 第4 結論よって,原告の請求は主文1項の限度で理由があるからこれを認容し,その余の請求は理由がないからこれらをいずれも棄却することとし,仮執行宣言については,相当でないからこれを付さないこととして,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部 裁判長裁判官山地修 裁判官新宮智之 裁判官山田慎悟
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