平成9(行ウ)28 公文書一部非公開決定取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成11年1月29日 京都地方裁判所 情報公開
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判決文本文8,912 文字)

主文 一被告が原告に対し平成九年八月一日付けでした「経費支出について」(ただし、他の指定都市の監査委員の氏名を除く。)と「第一〇〇回指定都市監査委員協議会議題集」の公文書一部非公開決定を取り消す。 二訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第一請求主文と同旨第二事案の概要一本件は、原告が、京都市公文書の公開に関する条例(平成三年七月一日京都市条例第一二号。以下「条例」という。)に基づいて、第一〇〇回指定都市監査委員協議会の経費の支出決定書と右協議会の議題集の公開を請求したのに対し、その一部を非公開とした被告の決定(以下「本件処分」という。)の取消しを求める抗告訴訟である。 二争いのない事実等争いのない事実及び証拠により認定することができる事実は次のとおりであり、〔 〕内は認定に供した証拠である。 1(当事者)(1) 原告は京都市民であり、条例五条一項一号に基づき公文書の公開を請求することができる者である。 (2) 被告は、京都市の執行機関であり、条例二条一号の公文書の公開を実施する機関である。 2(監査委員)(1) 地方自治法(以下「法」という。)は、普通地方公共団体の財務に関する事務の執行、その経営にかかる事業の管理を監査するため地方公共団体に監査委員を置くことを規定する。これは住民自治の促進をはかる前提として、住民に行政の実態を知らせ、また、行政が合理的、公正に実施されるようにするため自主監査の制度を設けたものである。 (2) 監査委員は、監査事務の重要性及び特殊性に鑑み、地方公共団体の長が議会の同意を得て選任するが、地方公共団体の長の指揮監督から独立した執行機関である。政令指定都市の監査委員は四名とされ、人格が高潔で地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を の同意を得て選任するが、地方公共団体の長の指揮監督から独立した執行機関である。政令指定都市の監査委員は四名とされ、人格が高潔で地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有する者及び議員のうちから選任される。 3(監査委員事務局)市の監査委員には条例の定めにより事務局を置くことができ、事務局の職員は監査委員に関する事務に従事するものとされている。 4(指定都市)いわゆる政令指定都市とは、法二五二条の一九第一項に規定する政令で指定する人口五〇万以上の市(指定都市)をいい、現在、大阪市、名古屋市、京都市、横浜市、神戸市、北九州市、札幌市、川崎市、福岡市、広島市、仙台市、千葉市の一二市がその指定を受けている。 5(本件協議会)(1) 指定都市の監査委員は定期的に協議会を開催してきた。この一〇年間は開催都市を持ち回りとして毎年二回春と秋に行われている。右協議会は、指定都市の監査委員が集合して、各都市の監査実施上の諸問題、疑問点等について、各都市から提出された議題に基づき、実情、見解、解決等の意見交換を図るための会議である。〔甲四、証人A〕(2) 平成六年五月一二日と一三日には、京都市を開催都市として、前記一二都市の監査委員及び職員が集まり、第一〇〇回指定都市監査委員協議会(以下「本件協議会」という。)が開催された。会議は、五月一二日の午後二時から五時まで京都市国際交流会館で開催されたが、その議題は次のとおりであり、また、会議の出席者は別紙①記載のとおりである。〔甲三、四〕① 住民監査請求における正当理由認容事例の有無等について② 事務局監査の実施体制について③ 住民監査請求における要件審査の考え方などについて④ 例月現金出納検査について⑤ 行政監査の実施状況について(3) 五月一二日午後六時からは京都国 等について② 事務局監査の実施体制について③ 住民監査請求における要件審査の考え方などについて④ 例月現金出納検査について⑤ 行政監査の実施状況について(3) 五月一二日午後六時からは京都国際ホテルで懇親会が開かれたが、その出席者は別紙②記載のとおりである。〔甲三、四〕6(本件処分)(一) 原告は、被告に対し、平成九年七月一六日条例五条一項に基づき、①本件協議会の開催に要した経費(会場費用、懇親会費用)の支出決定書(直近のもの)、②右協議会の議題、回答集という内容の公文書の公開を請求した。 (2) これに対し、被告は、同年八月一日付けで右請求にかかる公文書を「経費支出について」と題する決定書(以下「本件支出決定書」という。)と「第一〇〇回指定都市監査委員協議会議題集」と題する冊子(以下「本件議題集」という。)と特定し、①本件支出決定書のうちの他都市の監査委員及び職員の氏名部分(別紙①、②の白抜き部分)、②本件議題集のうち議題と回答部分は、いずれも「公開することにより、他都市との協力関係又は信頼関係を損なうとともに、監査業務の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じると認められる」ので条例八条四号、七号に該当するとして、これらを非公開とする決定をし、同日付けでその旨原告に通知した。 (3) 本件議題集は、提出議題とこれに対する各都市の回答を事前に当番市である京都市が冊子の形でとりまとめたもので、会議の意見交換の基となる資料として配付された。そのうちの議題と回答に関する部分である五頁から七〇頁が非公開とされた。〔甲四、証人A〕7(条例が規定する非公開事由)条例は、八条で(公開しないことができる公文書)として、「実施機関は、次の各号の一に該当する情報が記録されている公文書については、公文書の公開をしないことができる。」と規定する。 る非公開事由)条例は、八条で(公開しないことができる公文書)として、「実施機関は、次の各号の一に該当する情報が記録されている公文書については、公文書の公開をしないことができる。」と規定する。 (1) 条例八条四号国等協力関係情報本市と国、他の地方公共団体又はこれらに準じる団体(以下「国等」という。)との間における協議、協力、依頼等により行う事務に関して作成し、又は取得した情報で、公開することにより当該国等との協力関係又は信頼関係を損なうと認められるもの(2) 条例八条七号行政運営支障情報本市又は国等が行う許可、認可、試験、争訟、交渉、渉外、入札、人事その他の事務事業に関する情報で、公開することにより次のいずれかに該当するものア当該事務事業の目的が著しく損なわれると認められるものイ特定のものに不当に利益又は不利益を与えると認められるものウ関係当事者間の信頼関係が著しく損なわれると認められるものエアからウまでに掲げるもののほか、当該事務事業又は同種の事務事業の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じると認められるもの8(他都市の意見聴取)ところで、被告は、平成六年度及び平成七年度分の「指定都市監査委員協議会の復命書(第一〇一回、第一〇二回協議会)。議題及び回答を含む。」についての公文書の公開請求を受け、平成七年一〇月に他の一一の指定都市の監査委員に対し、条例六条五項の第三者の意見聴取の規定により公開に関する意見を照会した。右照会に対し、一一都市のうち札幌市監査委員は条件付きで公開に支障がないとし、六都市が支障があると回答したが、その詳細は別紙のとおりである。なお、三都市は公開に支障がない旨回答し、一都市からの回答はなかった。〔乙二から九、証人A〕9(一部公開)被告は、本訴係属中の平成一〇年一一月ころに本件支出 たが、その詳細は別紙のとおりである。なお、三都市は公開に支障がない旨回答し、一都市からの回答はなかった。〔乙二から九、証人A〕9(一部公開)被告は、本訴係属中の平成一〇年一一月ころに本件支出決定書のうち、本件処分では非公開としていた他の指定都市の監査委員の氏名を原告に対し公開し、原告はこれに応じて本件訴えのうち右公開された部分を取り下げた。〔甲三、乙一〇、一一、証人A〕三争点 1 本件支出決定書中の他都市の職員の氏名が条例の定める非公開事由に該当するか。 2 本件議題集のうち議題と回答部分が条例の定める非公開事由に該当するか。 四争点に対する当事者の主張〔被告〕 1 他都市がどの職員を本件協議会に出席させたかは各都市の内部情報で、その出席者の氏名を公開すると京都市と他都市との信頼関係を損なうので条例八条四号に該当し、さらに監査業務の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じるので同条七号に該当する。 2 本件議題集のうち議題と回答部分について(1) 本件協議会は、各都市の監査の充実と向上に資するため、各都市の監査実施上の疑問、考え方及び監査の実情等監査業務に関わる議題について監査委員がそれぞれの立場で自由闊達な意見交換を図るとともに監査委員の研鑽を図るため、従前から非公開を前提として運営されてきている。右議題と回答部分は、こうした会議運営を前提として他都市監査委員との協議、協力等により行う事務に関して作成されたものであり、これら文書は非公開を前提に作成されたものであるから、これを京都市が公開すると他都市との協力関係又は信頼関係を著しく損なうことになり、条例八条四号に該当する。 (2) 右議題と回答部分は、一京都市及び他都市の監査業務における検討、調査、研究等に関する情報や疑問点に関する見解をとりまとめたもので、各都市の監査実施の うことになり、条例八条四号に該当する。 (2) 右議題と回答部分は、一京都市及び他都市の監査業務における検討、調査、研究等に関する情報や疑問点に関する見解をとりまとめたもので、各都市の監査実施の基本である監査対象の実施周期、例月現金出納検査や行政監査の実施頻度及び住民監査請求への対応に関する事項などについての実情や取扱いが記載されている。これらの見解や取扱い等の内容は、各都市の監査執行上において重要な事項として活用され、また参考とされるものであり、このような監査実施の方針、基準ともいえる事項については、監査業務の性質上、その公正かつ適正な執行を確保するため各都市とも公開していない。したがって、議題集の内容が公開されることが前提となれば、議題の提出や回答内容が事実上制約されることにつながり、各都市の監査委員の自由闊達な意見交換が阻害され、協議会の運営に支障が生じ、京都市及び他都市が行う今後の監査業務の公正かつ適正な執行に著しい支障が生じるから、条例八条七号に該当する。 〔原告〕 1 本件支出決定書には、本件協議会で行われた協議内容や意見内容が記載されている訳でなく、出席者の氏名を公開しても支障はない。また、本件協議会の性質上、出席者の氏名が秘密とされることが要請される訳でなく、本件協議会が有意義で公のものであるならその公開に問題はない。被告の主張は抽象的で、出席者の氏名が公開されると何故他都市との信頼関係が損なわれ、監査業務の執行に支障が生じるか不明である。 2 本件議題集のうち議題と回答部分についての反論(1) 自由な意見交換を保障するために協議会を非公開にするという問題と当日の意見交換の基となる資料の公開とは別問題であり、被告は討論の基礎資料まで非公開とする理由、公開により他都市との信頼関係を損なうという実質的理由を明らかにしてお 協議会を非公開にするという問題と当日の意見交換の基となる資料の公開とは別問題であり、被告は討論の基礎資料まで非公開とする理由、公開により他都市との信頼関係を損なうという実質的理由を明らかにしておらず、条例八条四号に該当しない。 (2) 地方公共団体の監査業務の適正性を監視するためには、その業務内容を市民に公開することが望ましく、いたずらに秘密にすべきでない。右議題と回答部分はその内容が公開されていないためどの程度の秘密性が要請されているか不明であるが、監査実施の方針、基準事項については監査業務の公正かつ適正な執行を確保するためにこそ市民に公開されるべきである。 第三当裁判所の判断一争点1(他都市の職員の氏名)について 1 条例八条四号該当性被告は、他都市がどの職員を本件協議会に出席させたかはその団体の内部情報であり、その氏名を公開すると京都市と他都市との信頼関係を損なうと主張する。まず、本件協議会に出席した他都市の職員の氏名が、京都市と他の団体との間の協議により行う事務に関して取得した情報に当たることは明らかである。しかし、(1)本件協議会は公的なものであり、他都市の事務局職員は公務として参加していると考えられること、(2)本件協議会、懇親会での監査委員事務局職員の職務は監査委員を補佐するなどの庶務的な事務と考えられ、その職員の氏名を秘匿すべき事情は考え難いことに鑑みると、他都市がその職員名を公開されることにより不利益を受けるとは認め難いから、他都市の職員の氏名の公開により当該都市との信頼関係を損なうということはできない。 したがって、条例八条四号に該当しない。 2 条例八条七号該当性被告は、他都市の職員の氏名を公開すると監査業務の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じると主張する。まず、本件協議会に出席した他都市の職員の氏名 、条例八条四号に該当しない。 2 条例八条七号該当性被告は、他都市の職員の氏名を公開すると監査業務の公正かつ適切な執行に著しい支障が生じると主張する。まず、本件協議会に出席した他都市の職員の氏名が、京都市が行うその他の事務事業に関する情報に当たることは明らかである。しかし、前示のとおり、本件協議会、懇親会での監査委員事務局職員の職務は監査委員を補佐するなどの庶務的な事務と考えられるから、これに出席した他都市の職員の氏名を公開しても監査業務の執行に著しい支障が生じるとは認め難い。 したがって、条例八条七号に該当しない。 3 以上のとおり、他都市の職員の氏名は条例八条四号、七号に該当せず、これを非公開とすることは許されない。 二争点2(本件議題集のうち議題と回答部分)について 1 非公開事由(1) 本件議題集のうち議題と回答部分の内容は前示のとおりであって、これらが他の団体との間の協議により行う事務に関して取得した情報に該当し、また、京都市が行うその他の事務事業に関する情報に当たることは明らかである。 (2) 被告は、本件協議会は監査委員が自由闊達な意見交換を図るため非公開を前提として運営されたところ、右議題と回答部分は他都市監査委員との協議、協力等により行う事務に関して非公開を前提に作成したものであるから、これを被告が公開すると他都市との協力、信頼関係を著しく損なう旨主張する。しかし、会議の非公開と議題と回答部分の非公開とは別個の問題であるし、その公開が他都市との協力関係又は信頼関係を損なうとする具体的理由は明らかではなく、これだけの理由で条例八条四号に該当するとして非公開とすることはできない。 (3) また、被告は、①右議題と回答部分には、監査対象の実施周期や住民監査請求への対応などの各都市の実情や取扱いが記載されており、これら監査実 例八条四号に該当するとして非公開とすることはできない。 (3) また、被告は、①右議題と回答部分には、監査対象の実施周期や住民監査請求への対応などの各都市の実情や取扱いが記載されており、これら監査実施の方針、基準となる事項を公開すると、監査業務の性質上、各都市が行う今後の監査業務の公正かつ適正な執行に著しい支障が生じる、②議題集の公開が前提となれば、議題の提出や回答内容が事実上制約され、自由闊達な意見交換が阻害され、協議会の運営に支障が生じる旨主張する。この点、具体的に生じる支障を判断するには具体的な議題ごとに個別に判断する必要があるので、以下個別に検討する。 2 各議題ごとの検討(1) 住民監査請求における正当理由認容事例の有無等について京都市監査事務局第一課課長補佐のAは、正当理由の判断は解釈を伴うもので、監査委員により差異があるから、これを公開することにより他都市との信頼関係を著しく損なうとする(乙一)。しかし、これは過去の事例に関するものであって秘密保持の要請はないばかりか、かえって監査委員は法二四二条三項により監査請求について実体判断した場合(正当理由を容認した場合)には監査結果の公表義務を負うのであって、公開により監査業務の執行に著しい支障が生じるとか、他都市との信頼関係を著しく損なうということはできない。また、同人は京都市では住民監査請求の却下事例を公表していないから公開することができないというが(同証人の証言)、右議題は正当理由の認容事例の有無に関するものであって却下の場合でないから、これを非公開とするのを正当化する理由となっていないし、また、却下事例を公表することに支障があるとも考え難いから(請求者のプライバシーには配慮を要すると思われるが、匿名により公表するなどの工夫は施されるべきであろう。)、これまた理由がない ていないし、また、却下事例を公表することに支障があるとも考え難いから(請求者のプライバシーには配慮を要すると思われるが、匿名により公表するなどの工夫は施されるべきであろう。)、これまた理由がない。 (2) 事務局監査の実施体制について乙一、証人Aの証言によれば、右議題は定期監査のサイクルに関するものであったと認められるところ、同人は、これを公開して監査の対象となる部局にサイクルが知れると、監査対象となる期間だけ注意して、それ以外は事務処理がなおざりにされる恐れがあるから監査業務の執行に支障が生じるとともに、他都市との信頼関係を損なうとする(同証人の証言)。ところで、この定期監査(定例監査)は法一九九条四項の監査であると考えられるが、その実施回数及び期日は条例で一定しておくことが望ましいといわれるものである。また、監査委員は必要があると認めるときはいつでも抜き打ち的に監査をすることができるのであるから(法一九九条五項)、この随時監査を有効適切に活用することでAの指摘する支障は解消することができるのであって、この議題を公開しても指定都市の監査業務に著しい支障が生じたり、他都市との信頼関係が損なわれるものとは認め難い。 (3) 住民監査請求における要件審査の考え方などについてAは、監査委員の住民監査請求の適法要件の判断には法令の解釈適用等の判断作用が伴い、各都市により考え方が異なるので、各都市の実情、見解を公開すると、監査業務の適切な執行に支障が生じるとともに、他都市との信頼関係を著しく損なうとする(乙一、同証人の証言)。まず、各都市の監査委員の考え方が異なるので、各都市の実情、見解を公開すると監査業務に支障が生じるというが、その具体的理由は明らかでない。問題は、監査委員の法的見解が抽象的にせよ公表されると、具体的な事件の解決に不当な の考え方が異なるので、各都市の実情、見解を公開すると監査業務に支障が生じるというが、その具体的理由は明らかでない。問題は、監査委員の法的見解が抽象的にせよ公表されると、具体的な事件の解決に不当な影響を与えるのではないかという危惧は考えられなくもないが、翻って考えると、適法要件の判断は客観的な法の解釈の問題であり、公の場で正々堂々と議論することがあるべき姿である。このような公共性の高さを併せ考えると、前記危惧感をもって監査業務の執行に対する著しい支障ということはできない。 したがって、この議論を公開しても、指定都市の監査業務の執行に著しい支障が生じたり、他都市との信頼関係が損なわれるとは認め難い。 (4) 例月現金出納検査について法二三五条の二第一項は、「普通地方公共団体の現金の出納は、毎月例日を定めて監査委員がこれを検査しなければならない。」と規定するが、これが現金出納検査(例月検査)と呼ばれるものである。これは出納長又は収入役の権限に属する現金の出納の毎月の事務処理の適正を客観的に担保し、現金保管にからむ事故を防止する目的で行われる。 ところで、Aは、財務会計オンラインシステムの導入の有無、支出命令書等の検査の方法の取扱いなど例月現金出納検査の方法が各都市で異なるので、その実情及び見解を公開することは他都市との信頼関係を著しく損なうとする(乙一)。しかし、このような各都市の出納検査の方法を公開することで監査業務の執行に著しい支障が生じたり、他都市との信頼関係が損なわれるものとは認め難い。 (5) 行政監査の実施状況について行政監査(法一九九条二項)は、平成三年四月の改正により導入されたもので、機関委任事務を含め一般行政事務についても監査を行うことができるとされたものである。ところで、乙一、証人Aの証言によれば、右議題は、行政 法一九九条二項)は、平成三年四月の改正により導入されたもので、機関委任事務を含め一般行政事務についても監査を行うことができるとされたものである。ところで、乙一、証人Aの証言によれば、右議題は、行政監査の実施体制、方針、監査対象に関するものであったと認められるところ、同人は、これらを公開することにより他都市との信頼関係を損なうとするが、これを具体的に認めることは困難である。 3 以上のとおり、本件議題集のうち議題と回答部分は条例八条四号、七号に該当せず、これを非公開とすることは許されない。 三結論以上のとおり、原告の本訴請求は理由があるから認容し、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法七条、民訴法六一条を適用して、主文のとおり判決する。 本件口頭弁論終結の日平成一〇年一二月九日京都地方裁判所第三民事部裁判長裁判官大谷正治裁判官山本和人裁判官平井三貴子

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