令和7年5月26日宣告令和7年(わ)第25号、第43号住居侵入、強盗、建造物侵入、窃盗被告事件主文 被告人を懲役6年6月に処する。 未決勾留日数中50日をその刑に算入する。 理由 【犯罪事実】第1 被告人は、氏名不詳者と共謀の上、金品窃取の目的で、令和7年1月20日午前9時31分頃から同日午前10時38分頃までの間、有限会社A取締役Bが看守する佐賀県伊万里市(住所省略)同社C営業所に北西側浴室腰高窓の施錠を解いて侵入し、その頃、同所において、同人管理のスーツケース2個(時価合計約1万5000円相当)を窃取した。 第2 被告人は、現金を強取しようと考え、氏名不詳者と共謀の上、令和7年1月20日午後1時21分頃、佐賀県唐津市(住所省略)D方前において、門扉を開けたD(当時62歳)に対し、いきなりその首に腕を巻き付けて絞めるなどの暴行を加えて同門扉から同人方敷地内に侵入し、その頃から同日午後1時58分頃までの間、同門扉付近及び同人方居宅内において、同人に対し、その両手首を粘着テープで縛り、「金出せ。」などと言って、その顔付近に包丁を突き付けるなどの暴行脅迫を加えて、その反抗を抑圧し、同人管理の現金約500万円及び財布1点(時価約8000円相当)を強取した。 【法令の適用】罰条第1の行為のうち建造物侵入の点について刑法60条、130条前段窃盗の点について刑法60条、235条第2の行為について住居侵入の点について刑法60条、130条前段 強盗の点について刑法60条、236条1項科刑上一罪の処理 第2の行為について住居侵入の点について刑法60条、130条前段 強盗の点について刑法60条、236条1項科刑上一罪の処理いずれも刑法54条1項後段、10条(第1については1罪として重い窃盗罪の刑で、第2については1罪として重い強盗罪の刑でそれぞれ処断)刑種の選択第1について懲役刑併合罪の加重刑法45条前段、47条本文、10条(重い強盗罪の刑に法定の加重)未決勾留日数の算入刑法21条訴訟費用の不負担刑事訴訟法181条1項ただし書【量刑の理由】本件は、建造物侵入・窃盗1件と住居侵入・強盗1件の事案である。 被告人は、稼働しており、収入があったものの、報酬欲しさから、知人から紹介された闇バイトをすることとし、本件各犯行に荷担することとなったものであり、動機は短絡的で経緯に酌むべき事情はない。 本件各犯行はいずれも氏名不詳者らが高額の現金等を窃取・強取することを計画し、指示役が、実行役となる被告人に具体的な指示を出し、そのとおり被告人が実行したものであり、組織的な背景が窺われ、計画的で悪質な犯行というほかない。 強盗の事案についてみると、被告人が、塗装業者を装って被害者を玄関に呼び出して、いきなり被害者の首を絞め、地面に倒した上で、手首に粘着テープを巻き付けるなどし、さらに、居宅内においては被害者宅にあった包丁を取り出して被害者の顔面付近に突き付けるなどしたものであり、非常に危険な犯行というべきである。被害額は現金約500万円に及ぶ多額なものであり、凶悪な犯行により被害者が大きな恐怖と精神的苦痛を味わったことは明らかであり、被害は重大である。被害額の一部還付を受けてい 危険な犯行というべきである。被害額は現金約500万円に及ぶ多額なものであり、凶悪な犯行により被害者が大きな恐怖と精神的苦痛を味わったことは明らかであり、被害は重大である。被害額の一部還付を受けているとしても、被害者の処罰感情が強いのも当然のことといえる。また、このような凶悪な犯行により周辺住民に与えた影響も軽視できない。 窃盗の事案についてみると、被告人が、被害建物の窓ガラスをハンマーで割って建物内 に侵入して、さまざまなものを散乱させるなどして建物内を荒らして窃盗に及んだものであり、態様は粗暴で悪質といえる。被害額は1万5000円にとどまったものの、建物内を荒らされて財物を盗み取られた被害者の処罰感情が強いのももっとものことといえる。 被告人は、いずれも指示役から具体的な指示を受け、実行役として本件各犯行を遂げている。たしかに、被告人は指示役の指示に従って行動したといえるが、いずれの犯行に際しても指示役からの指示を受けて臆したり、拒んだりした様子は見受けられず、積極的に各犯行に重要な役割を引き受け、実行したものである。本件各犯行後には報酬として100万円弱の現金を受け取って自らのものとしており、被告人の役割は大きく、その責任も重いというほかない。 以上に照らせば、被告人の刑事責任は重大というほかない。他方で、強盗の事案において67万円が被害者に還付されていることに加え、被告人は若年で前科はないこと、被告人は事実関係を認め、反省の弁を述べていることなど被告人にとって酌むべき事情を考慮して、その刑期を定める。 (求刑懲役7年)令和7年5月26日佐賀地方裁判所刑事部 裁判官松村一成 令和7年5月26日 佐賀地方裁判所刑事部 裁判官松村一成
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