【DRY-RUN】主 文 本件申請を却下する。 訴訟費用は申請人の負担とする。 事 実 (申立) 一、申請人 (一) 被申請人は本案判決確定に至るまで申請人を西陣郵便局集配課計画係員と して取扱わ
主文 本件申請を却下する。 訴訟費用は申請人の負担とする。 事実 (申立)一、申請人(一) 被申請人は本案判決確定に至るまで申請人を西陣郵便局集配課計画係員として取扱わなければならない。 (二) 訴訟費用は被申請人の負担とする。 二、被申請人(一) 本件申請を却下する。 (二) 訴訟費用は申請人の負担とする。 (申請人の主張)一、申請の理由(一) 申請人は昭和三三年三月、郵政省郵政研修所普通部終了後、西陣郵便局郵便課通常係に配属され、同三五年七月同課計画係員となり、同三七年一一月からは集配課計画係員として同局に勤務していた。 (二) ところが、昭和四二年五月二七日、西陣郵便局長Aは申請人に対し郵便課通常係に勤務することを命じた。 (三) しかしながら右命令(以下配転命令という)は以下に述べるとおり無効である。 (1) 集配課計画係および郵便課通常係の勤務時間、労働の内容は別紙記載のとおりである。要約すると前者は事務労働的であるが、後者は肉体労働的で、且、勤務時間、休日も一定しない変則的なものである。申請人と被申請人間の労働契約の内容は前者であつて、後者を含まない。従つて前者より後者へ勤務を変更せんとするについては双方の合意によるべく、申請人の同意がないのに被申請人の一方的な本件配転命令によつてなしうるものではない。 よつて、本件配転命令は無効である。 (2) 本件配転命令は西陣郵便局長が申請人およびその属する組合に対してなした不当労働行為であるから、無効である。 (イ) 申請人は西陣郵便局に勤務する労働者をもつて組織する全逓信労働組合西陣郵便局支部(以下支部という)の組合員であるところ、昭和三四年四月、同支部青年部委員に、同三五年四月から同四一年八月(但し昭和三七年を除く)まで支部執行委員に、同月支部書記長に る全逓信労働組合西陣郵便局支部(以下支部という)の組合員であるところ、昭和三四年四月、同支部青年部委員に、同三五年四月から同四一年八月(但し昭和三七年を除く)まで支部執行委員に、同月支部書記長に各選任され、支部の組合活動を指導してきた。 (ロ) 郵政省はかねてから全逓信労働組合(以下全逓という)を嫌悪し、同組合との団体交渉を拒否し、或は職場での組合活動を禁止する一方、第二組合たる全郵政労働組合の保護育成に狂奔していたが、西陣郵便局においても、郵政省の労務対策を受けて、同四一年一一月頃から、支部の破壊を企図し、局長ら管理者の策動により反全逓的な組織介入が行われ、遂に、同四二年五月、主事、主任を中心とする全逓脱退者により第二組合が結成されるに至り、支部の団結が危機に瀕した。そこで支部組合員らは脱退者の復帰と支部団結維持のための活動を精力的に展開し、なかでも、申請人は支部書記長としてこれら活動を指導していた。 (ハ) 西陣郵便局長は、右のように、支部書記長たる申請人の活躍が支部の団結維持のため、最も必要とされる時期を選んで本件配転命令を発した。申請人の本件配転後の勤務は、前記のとおり、勤務時間が変則的であるため、これまでのように支部書記長としての日常業務や臨機の組合業務を処理し組合を統轄指導していくことは不可能である。本件配転命令は、申請人の組合活動を封殺し、支部、ならびに支部組合員の組合活動を混乱させ、もつて、支部組織の破壊を目的とした同支部に対する支配介入行為であると同時に支部書記長たる申請人に対し、労働内容、勤務時間等に著しい不利益な変更を強いる不利益取扱いである。 (3) 本件配転命令は次の事情があるから権利濫用として無効である。 (イ) 本件配転命令は、従前からの、配転は本人の同意のうえで行うとの労働慣行に反して、申請人の意向を全く無 る不利益取扱いである。 (3) 本件配転命令は次の事情があるから権利濫用として無効である。 (イ) 本件配転命令は、従前からの、配転は本人の同意のうえで行うとの労働慣行に反して、申請人の意向を全く無視して行われたものである。 (ロ) 申請人を配転すべき業務上の必要性は全くない。 (四) 保全の必要性申請人は現在、更に重大な不利益を受けることのないよう、郵便課通常係に勤務し、事実上、違法無効の配転命令に従い、義務のない労働に従事している。よつて申請人は本件配転命令は無効であり、集配課計画係員としての業務にのみ従事すべき義務を負担するにすぎないことの確認を求める本訴を提起したが、本案判決の確定を待つていたのでは回復し難い損害を蒙ることとなる。 二、本案前の主張に対する反論公共企業体等労働関係法(以下公労法という)が適用される申請人ら現業国家公務員についても、国家公務員法の相当部分が適用されるのであるから、その身分関係に公法的規律が及ぶことは否定できない。しかしながら、右現業国家公務員には所謂労働三法等の適用が排除されていないし(公労法第四〇条一号、国公法附則第一六条)、労働条件に関する事項は団体交渉の対象とされ(公労法第八条各号)、更にこれについて労働協約を締結することもできるのである。このことは現業国家公務員の労働条件については、労使が対等な立場において交渉し決定し得ることを意味し、私企業において労働条件が決定される過程と全く同一である。そこには公権力の意思に優越的な地位を認むべき契機は何ら存在しないのであつて、かような関係を直視すれば、公労法の適用を受ける国家公務員の労働条件に関する事項についてはもつぱら私法をもつて律すべきものと解さねばならない。従つて労働契約の極めて重要な部分の変更を意味する配転の効力に関し民事訴訟手続によつて争う の適用を受ける国家公務員の労働条件に関する事項についてはもつぱら私法をもつて律すべきものと解さねばならない。従つて労働契約の極めて重要な部分の変更を意味する配転の効力に関し民事訴訟手続によつて争うべきは当然であり、被申請人の本案前の主張は失当である。 なお、国家公務員法第三五条および人事院規則八ー一二は官職に欠員を生じた場合の欠員補充の方法を定めた規定であつて、「採用、昇任、降任又は転任」(同法第三五条)或は「採用、昇任、転任、配置換又は降任」(同規則第六条)を行う権限を設定した規定ではない。 故に配転についても、同法第三五条は単に欠員補充の一方法としてこれを定めたものにすぎず、同条によつて配転を行政処分として本人の意に反して行いうる旨を定めたものではない。よつて右法条は配置換を公権力の行使に当る行為と解する論拠にはなり得ない。 (被申請人の答弁)一、本案前の主張本件配転命令は西陣郵便局長が国の行政機関として、その有する任命権に基き、国家公務員たる申請人に対して行つた形成的任命行為であり、所謂、公権力の行使に該る行為であるから、行政事件訴訟法第四四条により、仮処分によつてその効力を停止することは許されないものである。 実定法上、申請人の任免は国家公務員法第三三条、第三五条、人事院規則八ー一二により行われる。右規定によると、官職に欠員を生じた場合、それを補充するために任命権者は採用、昇任、転任、配置換等の任用方法のいずれか一つを任意に選択して職員を任命することができるのであり、任命に際しては任用基準に合致している限り、任命権者が自由にこれを行いうるのである。すなわち、申請人の任用に関する法律関係は私法関係ではなく、国家公務員法による公法上のものであるから、これらに関する行政庁の行為は国の行政機関としてする行政権の行使であつて行 れを行いうるのである。すなわち、申請人の任用に関する法律関係は私法関係ではなく、国家公務員法による公法上のものであるから、これらに関する行政庁の行為は国の行政機関としてする行政権の行使であつて行政処分といわなければならない。 二、申請の理由に対する答弁(一) 第一項は認める。但し、西陣郵便局において、集配課が設置されたのは昭和三五年一一月一日であり、申請人は同年一二月六日付で同課勤務を命ぜられた。 (二) 第二項は認める。 (三) 第三項(1)のうち、本件配転命令に申請人の同意を得ていないこと、および集配課、郵便課の各業務内容は認める。前述のとおり、本件配転命令は行政処分であるから、申請人の同意は不要である。又申請人の勤務関係が労働契約関係であり且つ契約内容としては集配課計画係で、郵便課通常係を含んでいないとの主張は失当である。仮りに契約関係としてとらえるとしても、申請人の労働契約は郵政事業全般に従事する内務職員としてであり、個別的、具体的に職務内容を指定したものではない。かよううな場合には使用者は、労働契約の履行の過程において、業務上の必要性に基き、職務内容を具体化する権限を有するものと言うべきである。 本件もこのような場合で本件配置換は労働契約の変更になるわけではないから、申請人の同意は不要である。 (四)(1) 第三項(2)の本件配転命令が不当労働行為として無効であるとの主張は争う。同項(2)(イ)、および同(ロ)のうち、全日本郵政労働組合西陣支部結成の事実は認める。同(ハ)は争う。 (2) 本件配転命令を出すに至つた経緯は次のとおりである。 大阪郵政局郵務部長は昭和四一年七月二〇日付大阪郵政局郵服第八〇号通達を以つて、西陣郵便局長に対し、西陣郵便局集配課内勤者定員をそのままにし、主任定員を一名増員すべき旨伝えた。当時の同課内勤者定 大阪郵政局郵務部長は昭和四一年七月二〇日付大阪郵政局郵服第八〇号通達を以つて、西陣郵便局長に対し、西陣郵便局集配課内勤者定員をそのままにし、主任定員を一名増員すべき旨伝えた。当時の同課内勤者定員は課長(一名)、副課長(一名)、課長代理(一名)の役職者のほか一名の一般職員の計四名であつた。そこで西陣郵便局長は同課内勤主任に、郵便課主任Bを任命した(同人の後任には、郵便課特殊係一般職員Cを当てた)。その結果、右記定員上申請人を他へ配転せざるをえなくなり、右配転により生じた郵便課の欠員補充のため、同課勤務の経歴を持つ申請人を同課へ配転した(なお、申請人を集配課主任に任命しなかつたのは、局内に申請人よりも主任昇格の適格を有する者が多数いたためである)。 又、配転の時期については、西陣郵便局長は、夏季、年末の繁忙期を避け、又、当時近く実施を予定していた班制度と併せてこれを行うことにした。そうして、昭和四二年五月二〇日、班制度の実施と共に本件配転命令を発したのである。時期あたかも全日本郵政労働組合西陣郵便局支部結成と重つたが、故意にそのような時期を選んだのではない。 以上で明らかなとおり、本件配転命令は正当な業務上の理由に基くものであるから不当労働行為ではない。 (3) 申請人が郵便課勤務についても、組合役員としての活動に著しい支障を生じることはない。成程、郵便課勤務においては、日勤、半日勤、中勤、夜勤等所謂交替勤務を命ぜられる。しかし、交替制勤務であつても、郵政省就業規則第二七条による勤務解除の制度、同第二八条による組合休暇の制度により、勤務時間中の組合活動は可能であるし、いわんや勤務時間外での組合活動は全く自由である。現に組合役員でありながら交替勤務についている例は多い。故に交替勤務が組合役員としての活動と両立しえないものではないことが の組合活動は可能であるし、いわんや勤務時間外での組合活動は全く自由である。現に組合役員でありながら交替勤務についている例は多い。故に交替勤務が組合役員としての活動と両立しえないものではないことが明白である。よつてこの観点からしても、本件配転が申請人の組合活動を妨げ組合組織の破壊を目的とする組合に対する支配介入行為であるとは到底いい難いのである。 (4) 本件配転により申請人の労働条件は不利益にはならない。前記のように郵便課勤務にあつては交替制勤務となるが、斯かる勤務の種類は全逓と国との協約によつて承認されたものであるから、組合役員であつても他の職員と同様、勤務の種類を定めうるのは当然である。又、郵便課通常係の作業に、郵便物区分の立作業があるが、この程度の肉体的労働は郵便局における最も一般的な軽労働で特に事務労働と区別されるほどのものではない。西陣郵便局においては、半数近くの内務職員が右同様の条件で就業しているのであつて、この程度の有利、不利は配転に伴い誰もが受忍しているものである。決して申請人のみが受ける不合理な差別ではない。 よつて本件配転が申請人に対する不利益取扱いではないことが明らかである。 (五) 第三項(3)は争う。西陣郵便局において、申請人主張の労働慣行は存在しない。又、本件配転は業務上の必要に基くもので、決して被申請人の恣意によるものではない。被申請人は本件配転については、申請人の組合役員としての地位に鑑み、事前に申請人の希望を聞き、これに添うべく考慮したが、前記の経緯から、その希望通りにはならなかつた。 (六) 以上述べたとおり、本件配転命令に違法無効の点は全くない。のみならず、本件配転命令によつて、申請人ならびに申請人の属する組合が何らの損害を受けないことも明らかである。よつて本件仮処分はその必要性を欠くものといわざる 本件配転命令に違法無効の点は全くない。のみならず、本件配転命令によつて、申請人ならびに申請人の属する組合が何らの損害を受けないことも明らかである。よつて本件仮処分はその必要性を欠くものといわざるをえない。 (証拠)省略 理由 一、申請人が西陣郵便局集配課計画係員として同局に勤務していたところ、昭和四二年五月二七日、西陣郵便局長より、申請人に対し、同局郵便課通常係に勤務するよう本件配転命令が発せられたことは当事者間に争いがない。 二、申請人が右配転命令を無効として、本件仮処分を申立てたのに対し、被申請人は、本件配転命令は行政事件訴訟法第四四条にいう行政庁の処分にあたるから民事訴訟法上の仮処分は許されないと主張するので、この点について判断する。 三、申請人の配転は申請人の任用に属する事項である。故に、問題は申請人の勤務関係、就中、任用の法律関係が実定法上どのように規定されているかということに帰する。 申請人は郵政省職員として国家公務員法の適用を受ける(郵政省設置法第三〇条)。国公法第三章第三節は国家公務員の任用に関する諸規定を持ち、これを受けて人事院規則八ー一二が右任用に関し詳細に規定する。 申請人は、又、国が経営する郵便、郵便貯金、郵便為替、郵便の振替、簡易生命保険及び郵便年金の事業に従事する郵政現業職員として公共企業体等労働関係法(公労法と略称)の適用をも受ける(同法第二条)が、同法は郵政現業職員らいわゆる現業公務員について、前記国公法の任用に関する規定の適用を排除していない(公労法第四〇条)。故に、申請人の任用が国公法の規定によつてなされることは明らかである。 四、国公法は任免の根本基準(第三三条)、欠員補充の方法としての採用、昇任、降任、転任等(第三五条、第三六条、第三七条)、任命権者(第五五条)に関し、規定し 定によつてなされることは明らかである。 四、国公法は任免の根本基準(第三三条)、欠員補充の方法としての採用、昇任、降任、転任等(第三五条、第三六条、第三七条)、任命権者(第五五条)に関し、規定している。右諸規定による任用の法律関係は何か。 国家公務員は憲法上、全体の奉仕者であつて一部の奉仕者ではないと規定され(憲法第一五条)、その事務掌理の基準を法律を以て定むべきものとし、これを受けて国公法は右任免に関する諸規定のほか、国家公務員について適用すべき各般の根本基準を定め、人事院規則もこれら規定をうけて詳細な規定をもつのである。してみると、国家公務員の勤務関係の基本的条件は法律によつて定められ、国によつても任意に決定しえないところのものといわねばならない。しかも、国家公務員の国に対する勤務関係は、単に労務給付の関係につきるものではなく、国の公共目的達成のため、国民全体の奉仕者として勤務すべき公法上の特別の地位に鑑み、国の規律権、支配権に服する特別な関係であることが看取されるのである。 国家公務員の勤務関係を右のように理解するならば、国家公務員の身分の変動、勤務内容等は原則として、法令又は任命権者の監督権に基いて、画一的、一方的に決められるべき性質のものであつて、その任用の法律関係は公法上のもので、前記一連の任用の諸手続はこれを行政処分として規定しているものと考えるのが相当である。 国公法第三五条は、官職に欠員を生じた場合には任命権者に職員の任命権があること、任命は、採用、昇任、降任、又は転任の方法によるべきことを定める(なお、前記人事院規則第六条一項によると任命とは採用、昇任、転任、配置換、降任という)。故に、任命権者は官職に欠員を生じた場合、法令の規定に反しない限り、右のうちいずれか一つの方法で自由に職員を任命することができる。国公 六条一項によると任命とは採用、昇任、転任、配置換、降任という)。故に、任命権者は官職に欠員を生じた場合、法令の規定に反しない限り、右のうちいずれか一つの方法で自由に職員を任命することができる。国公法は任用の欠格事由、採用、昇任の方法を具体的に規定している(同法第三八条、第三六条、第三七条)ので任命権者はこれに違反しえないし、又降任についても、本人の意に反する降任は同法第七八条により制限されているので、仮令、欠員補充のための降任であつても同条に違反しえないことは当然である。配転については、国公法に、格別これを制限する規定がないから、任命権者において、自由な裁量により任命することができるものといわなければならない。 五、現業公務員については公労法の適用があり、国公法の規定中のかなりの部分の適用が除外され、公労法第八条によると、現業公務員の労働組合には賃金その他の労働条件に関する事項等について団体交渉権、労働協約締結権が認められている。 故にその限りにおいて、現業公務員の勤務関係の内に、私企業における労使の関係と同様、私法的当事者自治が許容されていることは否定できない。然らばこれを以つて、現業公務員の勤務関係を当事者対等の労働契約関係とみ、その中で生起する法律関係の形成が全て当事者の自由な合意に委ねられているものといえるであろうか。 公労法第一七条によると現業公務員の争議行為は禁止されている。のみならず、団交権についても、企業の管理運営に関する事項は団体交渉の対象となしえないのである(同法第八条但書)。すなわち、現業公務員は団結権、団体交渉権についても、私企業の一般労働者と異る特別の取扱いを受けているのである。実定法上、斯様な取扱いがなされているのは、現業公務員の従事する国の経営する企業が、非権力的経済活動であるとはいえ、直接社会公共の利益 も、私企業の一般労働者と異る特別の取扱いを受けているのである。実定法上、斯様な取扱いがなされているのは、現業公務員の従事する国の経営する企業が、非権力的経済活動であるとはいえ、直接社会公共の利益を目的としているので、その管理運営は法律の定めるところ、すなわち、国民の意思に従い運営され、故に、現業公務員も国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且、職務の遂行にあたつては全力をあげてこれに専念しなければならない性質のものであるからに他ならない。してみると現業公務員の勤務関係における当事者自治は強力な制約を受けているのであつて、その勤務関係が一義的に当事者対等を原則とする労働契約関係であるとは到底いい難いのである。 以上の事実に照すと、現業公務員の勤務関係、身分関係の形成は当事者の自治に委ねられ、私法原理のみが適用されるものとはいえないのである。 六、公労法では右の如く現業公務員に団交権、労働協約締結権を認め、これに牴触する国公法の規定の適用を排除しているが、現業公務員もその身分において一般職国家公務員であるから、一般職国家公務員の身分と不可分な任用関係の規定はその適用が排除されていないのであつて、公労法に認める右当事者対等的自治領域は国営企業の特殊な労働関係を活かすために、その限りに於て認められたもので、本来公法関係である任用の本質を変更するものではなく、実体法上配転命令が行政処分であることを否定し得るものではない。 七、その方式により真正に成立したものと認める乙第一〇号証および成立に争いのない乙第四号証ならびに証人Aの証言に照すと、本件配転は申請人の任命権者である西陣郵便局長Aによつて、国公法第三五条、人事院規則八ー一二第六条に定める欠員補充方法の一としてなされた任命権者の処分と認められる。故に本件配転命令は同局長が行政権の主 配転は申請人の任命権者である西陣郵便局長Aによって、国公法第三五条、人事院規則八ー一二第六条に定める欠員補充方法の一としてなされた任命権者の処分と認められる。故に本件配転命令は同局長が行政権の主体としてなした処分その他公権力の行使にあたる行為である。 八、以上述べたとおり、本件配転命令は行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為であるから、その効力の停止を求める本件仮処分申請は前記行政事件訴訟法第四四条に照し、不適法として却下を免れない。よって、民事訴訟法第八九条を適用のうえ、主文のとおり判決する。 (裁判官林義雄蒲原範明山田敦生) (別紙) イ集配課計画係の勤務 (勤務時間)午前八時三〇分から午後五時一五分まで日曜・祭日は休日となる (労働の内容) 1 諸給与金の請求資料作成 2 休暇等の経理 3 私設郵便差出箱の事務処理 4 備品の請求および受領、保管 5 消耗品の請求および受領 6 出勤簿の整理 7 郵便差出箱の設置 8 被服類貸与の事務 9 使用済帳簿の保管と整理 10 郵一〇一号の処理 11 不着郵便物の調査 12 書留郵便物配達証等の整理および保管 13 法規類の加除訂正 14 設備電話の支払経理 15 各種統計資料の作成と報告 16 簡易文書の授受および保存 ロ郵便課通常係の勤務 (勤務時間)二四時間の交替制勤務であり、勤務時間および休日は一定しない (労働の内容) 1 普通通常郵便物の引受、差立、到着、配達および繰越の処理 2 郵袋の授受ならびに整理 3 小郵袋の授受および差立、到着、繰越の処理 4 料金未納不足料金受取人払郵便物の料金収納および市内特別郵便物の料金還付 5 事故郵便物の処理 6 自動押印機の保管および整理 7 諸統計調査資料の蒐集 料金未納不足料金受取人払郵便物の料金収納および市内特別郵便物の料金還付 事故郵便物の処理 自動押印機の保管および整理 諸統計調査資料の蒐集
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