- 1 - 主文 被告人を懲役3年に処する。 この裁判が確定した日から5年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、小田原市環境部環境事業センター施設係主査であったものであるが、小田原市から薬剤の代金名目で金銭をだまし取ろうと考え、株式会社A従業員Bと共謀の上、別表記載のとおり、平成31年2月1日頃から令和2年3月9日頃までの間に、31回にわたり、提出日記載の年月日頃、神奈川県小田原市ab番地小田原市環境事業センターにおいて、同部環境事業センター所長である支出命令権者欄記載のCほか1名に対し、真実は、同センターでは、上記Aから水増し分欄記載の数量分の薬剤の納品を受けておらず、小田原市が上記Aに同欄記載の代金額を支払う必要はないのに、水増し分欄記載の数量及び代金額を含む納品書・請求書記載の薬剤名、数量及び代金額が記載された納品書及び請求書を提出して、同欄記載の代金額の支払を請求し、上記Cらをして、同センターが、上記Aから同欄記載の数量の薬剤の納品を受けており、同欄記載の代金額を支払う必要がある旨誤信させ、その頃、上記Aに同欄記載の代金額を支払う旨の支出命令を行わせ、よって、平成31年2月13日から令和2年3月25日までの間に、29回にわたり、小田原市出納室職員をして、株式会社D銀行E支店に開設された上記A名義の当座預金口座に振込送金させた合計3021万794円のうち水増し分欄記載の代金相当額合計441万3140円の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた。 (量刑の理由)本件犯行の態様は、数量を水増しした請求書等を共犯者である発注先の会社従業員から入手した上、これを担当者を通じて支出命令権者に提出するという巧妙なもの 欺いて財物を交付させた。 (量刑の理由)本件犯行の態様は、数量を水増しした請求書等を共犯者である発注先の会社従業員から入手した上、これを担当者を通じて支出命令権者に提出するという巧妙なものである上、専門性の高い薬剤の発注業務等を任されていたという職務上の立場を悪用した点においても悪質である。被告人は、1年間以上の期間に、多数- 2 -回にわたり同種の犯行を重ねたものであって、本件は常習的犯行といえる。水増し額は合計で約441万円と相当高額に上っており、犯行の結果も重い。水増し分を含む現金の振込は発注先の会社に対して行われているものの、被告人は水増し分の現金を同社にプールさせてこれを共犯者を通じて管理し、その一部を自己の用途に費消するなどしており、本件犯行で現に利益を得てもいる。被告人がかつて本件当時と同じ部署で薬剤の発注業務等を担当していた際にそこで本件と同様の水増し請求が行われていたとしても、本件については、被告人が自ら発注先の会社従業員に協力を求めてそれまで行われていなかった水増し請求をさせたものである。被告人は本件犯行を主導したということができ、その意思決定は強く非難されるべきである。以上の犯罪事実に係る情状からすれば、本件は、被告人を実刑に処することも検討すべき事案といえる。 他方、被告人は、上記水増し額を小田原市に弁償しており、このことは相応に考慮すべきある。加えて、被告人は公判で事実を認め、今後内定を得ている会社で働き、父から借りた被害弁償金を返済する旨述べて反省の態度を示している。 また、出廷した被告人の妻も、被告人の立ち直りを支援する旨述べている。 以上の事実を総合的に考慮すると、被告人を主文の懲役刑に処してその刑事責任を明らかにした上、その執行を猶予することが相当である。 (求刑懲役3年)令和 立ち直りを支援する旨述べている。 以上の事実を総合的に考慮すると、被告人を主文の懲役刑に処してその刑事責任を明らかにした上、その執行を猶予することが相当である。 (求刑懲役3年)令和6年5月31日横浜地方裁判所第4刑事部 裁判官倉知泰久
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