令和7(行ケ)10032等 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和7年10月20日 知的財産高等裁判所 1部 判決 審決取消
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判決文本文19,006 文字)

- 1 - 令和7年10月20日判決言渡令和7年(行ケ)第10032号(A事件)、第10034号(B事件)、第10035号(C事件) 審決取消請求事件口頭弁論終結日令和7年8月25日判決 A事件原告・B事件被告・C事件被告株式会社アイスタイル(以下「原告」という。) 同訴訟代理人弁護士櫻林正己同訴訟代理人弁理士川口眞輝 A事件被告・B事件原告・C事件原告株式会社大勝軒 (以下「被告」という。) 同訴訟代理人弁護士藤本英介主文 1 特許庁が取消2023-300005号事件について令 和7年3月19日にした審決を取り消す。 2 被告のB事件請求及びC事件請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は、全事件を通じて被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 (A事件)- 2 - 主文第1項同旨(B事件)特許庁が取消2023-300003号事件について令和7年3月19日にした審決を取り消す。 (C事件) 特許庁が取消2023-300004号事件について同日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要被告は、別紙商標登録目録記載A~Cの各商標(以下、同目録記載の符号に応じて「本件商標A」などといい、併せて「本件各商標」という。また、本件商標Aに係る商標登録を「本件商標登録A」などといい、併せて「本件各商標登録」という。)の 商標権者である。 本件は、原告が請求した被告を被請求人とする商標法(以下「法」ともいう。)50条1項に基づく商標登録取消審判請求に対して、特許庁がした不成立審決(A 商標登録」という。)の 商標権者である。 本件は、原告が請求した被告を被請求人とする商標法(以下「法」ともいう。)50条1項に基づく商標登録取消審判請求に対して、特許庁がした不成立審決(A事件)又は取消審決(B事件及びC事件)に対する取消訴訟である。争点は、本件各商標ごとに、本件各商標の商標権者である被告、その専用使用権者又は通常使用権者のいず れかが、後記要証期間内に日本国内において、本件各商標に係る指定商品又は指定役務について本件各商標を使用していたか否かである。被告は、本件各商標のいずれについても、それぞれの要証期間内に法2条3項5号及び8号の「使用」をしており、これが法50条1項の「登録商標の使用」に該当すると主張している(ただし、本件商標Cについては、法2条3項8号の「使用」のみ。)。 1 特許庁における手続の経緯(A事件)原告は、令和4年12月29日、特許庁に対し、本件商標A(「池麺」)の指定役務中、第43類「飲食物の提供」(以下「本件A事件請求に係る役務」という。)についての登録の取消しを求めて審判請求をした。特許庁は、上記審判請求を令和5年 1月23日に登録し、取消2023-300005号事件として審理をした上、令和- 3 - 7年3月19日、上記審判請求は成り立たない旨の審決(以下「本件A事件審決」という。)をし、その謄本は、同年4月1日、原告に送達された。 原告は、同月15日、本件A事件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。 (B事件)原告は、令和4年12月29日、特許庁に対し、本件商標B(「いけめん」)の指 定役務中、第43類「うどんその他の飲食物の提供、うどんを含む飲食物のケータリング、うどん屋その他の飲食店・料理内容・その他の飲食物の提供に関する情報の提供 し、本件商標B(「いけめん」)の指 定役務中、第43類「うどんその他の飲食物の提供、うどんを含む飲食物のケータリング、うどん屋その他の飲食店・料理内容・その他の飲食物の提供に関する情報の提供」(以下「本件B事件請求に係る役務」という。)についての登録の取消しを求めて審判請求をした。特許庁は、上記審判請求を令和5年1月23日に登録し、取消2023-300003号事件として審理をした上、令和7年3月19日、本件商標B の指定役務中、本件B事件請求に係る役務についての登録を取り消す旨の審決(以下「本件B事件審決」という。)をし、その謄本は、同年4月1日、被告に送達された。 被告は、同月21日、本件B事件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。 (C事件)原告は、令和4年12月29日、特許庁に対し、本件商標C(「池麺」)の指定商 品中、第30類「ぎょうざ、しゅうまい、すし、たこ焼き、べんとう、ラビオリ」(以下「本件C事件請求に係る商品」という。)についての登録の取消しを求めて審判請求をした。特許庁は、上記審判請求を令和5年1月24日に登録し、取消2023-300004号事件として審理をした上、令和7年3月19日、本件商標Cの指定商品中、本件C事件請求に係る商品についての登録を取り消す旨の審決(以下「本件C 事件審決」といい、本件A事件審決及び本件B事件審決と併せて「本件各審決」という。)をし、その謄本は、同年4月1日、被告に送達された。 被告は、同月21日、本件C事件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。 2 要証期間(A事件及びB事件) 本件商標登録A及び本件商標登録Bについて、法50条2項に規定する「審判の請- 4 - 求の登録前3年以内」は、令和2年1月23日~令和5年1月22日の期間とな (A事件及びB事件) 本件商標登録A及び本件商標登録Bについて、法50条2項に規定する「審判の請- 4 - 求の登録前3年以内」は、令和2年1月23日~令和5年1月22日の期間となる(以下「本件A事件要証期間」又は「本件B事件要証期間」という。)。 (C事件)本件商標登録Cについて、同項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」は、令和2年1月24日~令和5年1月23日の期間となる(以下「本件C事件要証期間」 といい、本件A事件要証期間及び本件B事件要証期間と併せて「本件各事件要証期間」という。)。 3 本件各審決の理由の要旨(A事件)(1) 被告は、平成27年、東京都豊島区東池袋において、「滝野川大勝軒」を名称 とする飲食店(以下「本件店舗」という。)の営業許可申請を行い、以後、飲食店営業の営業許可を受けて、同店舗において、もりそば、ラーメン、つけ麺等の飲食物を提供していることがうかがわれる。 (2) 本件店舗内には、令和3年3月頃及び同年12月頃に、被告が制作し、四隅の上部に黒い金具が施され、一方の側面に、「池麺」の文字(以下「本件使用標章」 という。)と「KINGKONG」の文字とを、やや空白を設けて、「池麺 KINGKONG」と横書きした表示が付され、他の側面に、黒塗りの長方形内に白抜きで「KINGKONG」の文字を横書きした表示が付された麺箱(以下「本件麺箱」という。)が、取引者である製麺業者や需要者である顧客から見える状態で、本件店舗内に積まれていたと推認することができる。 (3) 麺箱は、ラーメンの麺の接受等に使用されるものであり、使用役務である「飲食物の提供」との関係においては、役務の提供の用に供する物に該当する。 (4) 本件商標Aと本件使用標章とは、文字種のみに変 ) 麺箱は、ラーメンの麺の接受等に使用されるものであり、使用役務である「飲食物の提供」との関係においては、役務の提供の用に供する物に該当する。 (4) 本件商標Aと本件使用標章とは、文字種のみに変更を加えた社会通念上同一の商標である。 (5) 以上によると、本件使用標章が付された本件麺箱を本件店舗内において取引 者や需要者から視認できる状態で積む行為は、法2条3項5号にいう「役務の提供の- 5 - 用に供する物に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為」に該当し、被告は、本件A事件要証期間内に、日本国内において、本件商標Aと社会通念上同一の商標を、本件商標Aの指定役務中、本件A事件請求に係る役務について使用していることを証明したと認められるから、本件商標Aの登録は取り消すことができない(なお、法2条3項8号の「使用」についての判断は、必要がないものとしてされていな い。)。 (B事件)(1) 前記(A事件)(1)~(3)に同じ。 (2) 上記(1)によると、被告は、本件B事件要証期間内に、本件B事件請求に係る役務を行うに当たり、役務の提供の用に供する物に本件使用標章を付したものを役務 の提供のために展示する行為をしたといえる。しかし、本件商標Bと本件使用標章は、その構成文字からいずれも「イケメン」の称呼が生じるとしても、本件商標Bからは「若い男性の顔かたちがすぐれていること。」の観念が生じ得るのに対し、本件使用標章は特定の意味合いを理解させるとはいえない造語であることからすると、これらによって同一の観念が生じるということはできない。したがって、本件使用標章は、 本件商標Bとは相違するものであって、本件商標Bと社会通念上同一の商標であると認めることはできない。 (3) 平成23年12月、包装に じるということはできない。したがって、本件使用標章は、 本件商標Bとは相違するものであって、本件商標Bと社会通念上同一の商標であると認めることはできない。 (3) 平成23年12月、包装に「池麺」の標章を付し、被告代表取締役の写真を付したカップ麺(以下「本件カップ麺」という。)がM社から発売され、そのニュースリリースが、同社のウェブサイトにおいて電磁的方法により提供され、また、被告が、 平成22年の「KINGKONG」の店舗開店の際に、フェイスブックやツイッター等にアカウントを持ち、被告の提供する役務及び商品を内容とする投稿情報に「池麺」の標章を付して電磁的方法により提供し、これらの情報が「滝野川大勝軒」に店名の変更をした後まで閲覧可能であったとしても、これらの情報に使用されている「池麺」の文字は、上記(2)と同様に、本件商標Bと社会通念上同一の商標とは認められない。 (4) よって、被告が、本件B事件要証期間内に、日本国内において、本件商標Bの- 6 - 使用をしていることを証明したと認めることはできないから、本件商標Bの登録は、その指定役務中、本件B事件請求に係る役務について取り消すべきである。 (C事件)(1) 前記(A事件)(1)に同じ。 (2) しかし、被告が、本件C事件要証期間内に、本件店舗において、本件使用標章 を付した本件麺箱を置いていたとしても、本件C事件請求に係る商品について使用されているものではなく、また、被告経営の他の店舗において、持ち帰り用のぎょうざを販売していることが推認されるが、当該店舗においては、本件商標Cが使用されていることが確認できないから、被告が、本件C事件要証期間内に、本件C事件請求に係る商品について、本件商標Cと社会通念上同一の商標を使用していたと認めること 当該店舗においては、本件商標Cが使用されていることが確認できないから、被告が、本件C事件要証期間内に、本件C事件請求に係る商品について、本件商標Cと社会通念上同一の商標を使用していたと認めること はできない。 (3) 平成23年12月、本件カップ麺がM社から発売され、そのニュースリリースが、同社のウェブサイトにおいて電磁的方法により提供されたとしても、当該カップ麺はM社の製造販売に係るものであるから、被告の業務に係るものとはいえない。 (4) 被告は、平成22年の「KINGKONG」の店舗開店の際に、フェイスブッ クやツイッター等にアカウントを持ち、被告の提供する役務及び商品を内容とする投稿情報に「池麺」の標章を付して電磁的方法により提供し、これらの情報が「滝野川大勝軒」に店名の変更をした後まで閲覧可能であったとしても、上記投稿情報は、つけ麺等の飲食物の提供を行う店舗に関する情報とみるべきものであって、本件C事件請求に係る商品に関する情報とはいえない。 (5) 以上によると、被告が、本件C事件要証期間内に、日本国内において、本件商標Cの使用をしていることを証明したと認めることはできないから、本件商標Cの登録は、その指定商品中、本件C事件請求に係る商品について取り消すべきである。 第3 原告の主張及び被告の主張に対する反論 1 A事件 (1) 審決取消事由(法2条3項5号について)- 7 - ア本件A事件要証期間内に本件使用標章が付された本件麺箱が本件店舗内に積まれていたとは認められず、被告による本件A事件要証期間内の本件使用標章の使用行為自体、認められない。 イ仮に本件店舗内に本件麺箱が置かれていたとしても、法50条1項の「登録商標の使用」とは、飽くまで「商標としての使用」でなければならな 事件要証期間内の本件使用標章の使用行為自体、認められない。 イ仮に本件店舗内に本件麺箱が置かれていたとしても、法50条1項の「登録商標の使用」とは、飽くまで「商標としての使用」でなければならないところ、本件店 舗について使用されている商標・営業表示は「滝野川大勝軒」であり、本件使用標章は自社商品役務の識別標章として使用されておらず、本件麺箱を本件店舗内に積む行為は、「商標としての使用」に該当しない。また、そもそも法2条3項5号にいう「役務の提供の用に供する物…に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為」にも該当しない。 ウ 「池麺 KINGKONG」から、「池麺」だけを分離観察することは許されないから、本件使用標章は本件商標Aと社会通念上同一の商標とは認められない。 (2) 被告の予備的主張に対する反論(法2条3項8号について)ア本件カップ麺の販売開始の告知記事が、明星食品株式会社(本件各審決における「M社」。以下「明星食品」という。)のウェブサイトにおいて電磁的方法により本 件A事件要証期間まで継続して提供されていることについては、本件A事件要証期間には既に製造が終了し市場に流通する可能性がなく、購入を求める需要者がいても購入することが不可能な商品について、同期間前の販売開始のニュースリリース記事が、たまたまその後もウェブサイト上に残存し本件A事件要証期間内に閲覧可能であっても、これが法2条3項8号の使用に該当するということはできない。 イ平成27年2月末に閉店した店舗(「池麺 KINGKONG」)に関する投稿記事が、たまたまその後もインターネット上に残存し、本件A事件要証期間内に閲覧可能であっても、これが法2条3項8号の使用に該当するということはできない。 2 B事件本件商標Bであ )に関する投稿記事が、たまたまその後もインターネット上に残存し、本件A事件要証期間内に閲覧可能であっても、これが法2条3項8号の使用に該当するということはできない。 2 B事件本件商標Bである「いけめん」から「池袋の麺」を連想することは一般常識的にみ てほぼ不可能であり、本件商標Bから、「池袋の麺」、「池麺」という観念は一般的に- 8 - は生じない。仮に、「池麺 KINGKONG」から「池麺」部分を取り出して認識することができたとしても、本件商標Bと本件使用標章とは社会通念上同一の商標に該当しない。 また、そもそも、本件B事件要証期間内における本件使用標章が付された本件麺箱の積み上げ行為自体認められない。加えて、本件麺箱が本件店舗内に積み上げられて いたとしても、それによって、本件使用標章が商標として使用されていたものと認められず、法2条3項5号の「役務の提供の用に供する物…に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為」にも該当しない。 3 C事件(1) 被告主張の取消事由1(以下「取消事由C1」という。)について 被告は、ラーメン専門店の広告には、別段の表示等がない限り、飲食物の提供のみならず、ぎょうざ等の商品の販売に関する広告も当然に含まれているというべきであると主張する。しかし、ラーメン専門店が、ラーメンのみならずぎょうざ等の提供をすることや、ラーメン、ぎょうざ等は出前や持ち帰りに応ずるのが通常であるとの経験則は存在しない。本件店舗において、ぎょうざの販売を認めることができないから、 同店舗における本件麺箱の積み上げ行為が仮に存在しても、それによって、ぎょうざについての本件商標Cの使用を認めることはできない。 (2) 被告主張の取消事由2(以下「取消事由C2」という。)について 舗における本件麺箱の積み上げ行為が仮に存在しても、それによって、ぎょうざについての本件商標Cの使用を認めることはできない。 (2) 被告主張の取消事由2(以下「取消事由C2」という。)について被告は、本件店舗において、少なくとも、平成30年4月以降、ぎょうざ又は「鴨餃子」の持ち帰り販売を続けており、また、本件C事件要証期間を含め、毎年12月 31日には「年越しそば」として、調理済みのつけ麺用の麺、つけ汁、具を持ち帰り販売しているところ、これは、本件C事件請求に係る商品に該当すると主張する。しかし、上記「鴨餃子」の持ち帰り販売の提供日に本件麺箱の積み上げ行為があった事実を認めるに足らず、また、商標法における「商品」とは、商取引の目的物として流通性のある有体物と解されるところ、本件店舗において顧客からの求めに応じて料理 を持ち帰り容器に詰めて持ち帰り用として有償で提供する場合の料理物は、いわばそ- 9 - の場で消費されるものに準ずるものであって、一般市場で流通に供されることを目的として生産された有体物ということはできないから、被告が持ち帰り用に提供したと主張する「鴨餃子」や「年越しそば」は、そもそも商標法における「商品」に当たらない。 (3) 被告主張の取消事由3(以下「取消事由C3」という。)について 被告は、被告の明星食品に対する商標及び肖像パブリシティ権の黙示のライセンスに基づいて本件カップ麺が製造販売されたものであるから、同製造販売は、被告による商標の使用と同視されると主張する。しかし、カップ麺は、商標法における商品としては、30類「即席そばの麺、即席中華そばの麺」であり、これは「穀物の加工品」の範ちゅうに属する商品であるから、本件カップ麺は、本件C事件請求に係る商品に 該当しない。また、本件カ る商品としては、30類「即席そばの麺、即席中華そばの麺」であり、これは「穀物の加工品」の範ちゅうに属する商品であるから、本件カップ麺は、本件C事件請求に係る商品に 該当しない。また、本件カップ麺について、本件C事件要証期間内における販売を証明する証拠は提出されていないから、そもそも上記要証期間内に製造販売されていない商品についての情報の提供が上記要証期間内にウェブサイト上で残存していても、上記要証期間内の「商品…に関する広告」には該当しない。さらに、本件カップ麺の販売主体は明星食品であるが、同社が本件商標Cの商標権の通常使用権者とは認めら れない。 (4) 被告主張の取消事由4(以下「取消事由C4」という。)について被告は、フェイスブック、X(旧ツイッター)やブログにおけるラーメン専門店に関する投稿があり、これは、本件C事件要証期間における本件C事件請求に係る商品についての使用に当たると主張する。しかし、被告が指摘する投稿情報は、平成27 年2月末をもって既に閉店している店舗に関する情報であり、また、本件C事件請求に係る商品についての記載ともいえず、この情報が本件C事件要証期間内にインターネット上で閲覧可能であったとしても、本件C事件請求に係る商品についての使用に当たらない。 (5) その他 その他、本件C事件要証期間内に本件麺箱が置かれていたことが立証されていない- 10 - こと、仮に本件店舗内に本件麺箱が置かれていたとしても、本件使用標章が商標として使用されていたとは認められないこと、本件商標Cと本件使用標章は社会通念上同一の商標に該当しないことからしても、本件C事件要証期間内における本件商標Cの使用は認められない。 第4 被告の主張及び原告の主張に対する反論 1 A事件( と本件使用標章は社会通念上同一の商標に該当しないことからしても、本件C事件要証期間内における本件商標Cの使用は認められない。 第4 被告の主張及び原告の主張に対する反論 1 A事件(1) 原告の主張に対する反論(法2条3項5号について)ア本件麺箱は、本件A事件要証期間前に作成され、同期間を経て現在も一定の形状で存在し続けているものであるから、本件A事件要証期間内の本件使用標章の使用を認定することができる。 イ法50条1項の「登録商標の使用」とは、商標がその指定商品又は役務について何らかの態様で使用されていれば十分あって、原告主張のような商標的使用に限定しなければならないとまではいえない。 仮に、法50条1項にいう「登録商標の使用」が商標的使用を意味するとしても、「池麺 KINGKONG」が被告の新ブランド又はセカンドブランドであることは 相当程度知られており、また、被告は、本件使用標章を、「役務の提供の用に供する物」である麺箱の側面に「池麺」の標章を付したものを役務の提供のために展示して使用していたのであって、麺箱の側面は、役務提供主体の識別のための表示をする場所として需要者に認識されているのであるから、このような使用は商標的使用に当たる。 ウ本件使用標章と本件商標Aとは社会通念上同一である。 (2) 予備的主張(法2条3項8号について)ア平成23年12月には、被告の了解のもと、包装に「池麺」の標章を付し、被告代表取締役の写真を付した「トロフルみそ豚骨ラーメン」との名称のカップ麺(本件カップ麺)が明星食品から発売され、同社のニュースリリースとして、同社のウェ ブサイトにおいて電磁的方法により提供された。このニュースリリースは、飲食物の- 11 - 提供を行っている被告 ップ麺)が明星食品から発売され、同社のニュースリリースとして、同社のウェ ブサイトにおいて電磁的方法により提供された。このニュースリリースは、飲食物の- 11 - 提供を行っている被告の広告となっており、平成23年11月1日から、本件A事件要証期間を経て、少なくとも被告が同ウェブページをダウンロードして印刷した令和6年2月7日まで継続していた。そうすると、このニュースリリースは、本件A事件要証期間中に、本件商標Aの通常使用権者である明星食品が、本件商標Aの指定役務に関する広告を内容とする情報に本件商標Aの標章を付して電磁的方法により提供 する行為に該当する。 イ被告は、平成22年の「KINGKONG」の開店に際し、フェイスブック、X、アメブロなどにアカウントを持ち、被告の提供する役務を内容とする情報を投稿するとともに、これに「池麺」の標章を付して電磁的方法により提供した。この投稿は平成27年2月末に店名を「KINGKONG」から「滝野川大勝軒」に変更した ころまで継続された。「KINGKONG」は、同月末に閉店したが、上記投稿記事は、その後も、本件A事件要証期間を経て、少なくとも被告が上記投稿記事をダウンロードして出力をした令和6年まで閲覧可能であった。そうすると、上記投稿記事は、被告が、本件A事件要証期間中に、本件商標Aの役務に関する広告を内容とする情報に本件商標Aの標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当する。 2 B事件の審決取消事由本件商標Bから生じ得る観念は、「若い男性の顔かたちがすぐれていること」に限らず、指定役務との関係では「味などがすぐれた麺」、「池袋その他「いけ」に関する地名で提供される麺」、「「いけ」に関する者が提供する麺」等の複数の観念を、「掛詞」、「語呂合わせ」、「駄洒 こと」に限らず、指定役務との関係では「味などがすぐれた麺」、「池袋その他「いけ」に関する地名で提供される麺」、「「いけ」に関する者が提供する麺」等の複数の観念を、「掛詞」、「語呂合わせ」、「駄洒落」等の文化に基づき生じ得るものである。そし て、本件使用標章もまた、本件商標Bと同じ複数の観念を生じ得る。 したがって、本件商標Bと本件使用標章は、称呼及び観念が同一であり、ひらがなを漢字に変換したのみのものであるから、社会通念上同一であり、本件商標Bが、被告によって本件B事件要証期間内に使用されたといえる。 3 C事件の審決取消事由 (1) 取消事由C1- 12 - ラーメン専門店の広告には、別段の表示等がない限り、経営する全ての店舗における飲食物の提供のみならず、ぎょうざ等の商品の販売に関する広告も当然に含まれているというべきである。被告は、本件C事件要証期間中、本件店舗において、本件麺箱に本件使用標章を付して展示していたから、これは、法2条3項8号の「商品…に関する広告…に標章を付して展示…する行為」に該当する。 (2) 取消事由C2被告は、本件店舗において、少なくとも、平成30年4月以降、令和3年末まで、ぎょうざの持ち帰り販売を続けていた。また、本件店舗においては、ぎょうざ以外でも、本件C事件要証期間を含め、毎年12月31日には年越しそばとして、調理済みのつけ麺用の麺、つけ汁、具を持ち帰り販売してきたところ、これは、本件C事件請 求に係る商品(「ぎょうざ、しゅうまい、すし、たこ焼き、べんとう、ラビオリ」)に該当する。 (3) 取消事由C3本件カップ麺は、被告の明星食品に対する商標及び肖像パブリシティ権の黙示のライセンスに基づいて、明星食品において製造販売されているものであり、同社は通常 )に該当する。 (3) 取消事由C3本件カップ麺は、被告の明星食品に対する商標及び肖像パブリシティ権の黙示のライセンスに基づいて、明星食品において製造販売されているものであり、同社は通常 使用権者となるから、同社の本件カップ麺の製造販売は、被告の業務に係るものである。 また、被告の従業員が作成しているインターネット上のブログでも、本件カップ麺の宣伝をしているから、本件カップ麺に関する広告は被告によっても行われている。 (4) 取消事由C4 被告が主張する投稿情報において、商品に関する言及がないとしても、ラーメン専門店は、ラーメンのみならず、ぎょうさ等の提供をするのが通常であるから、ラーメン専門店に関する情報であっても商品に関する情報といえる。 また、被告の従業員が作成しているインターネット上のブログでも、本件カップ麺に関する投稿がされており、これは、カップ麺という商品(「べんとう」に該当する。) の広告に関する情報に、本件商標Cを付して電磁的方法により提供する行為に当た- 13 - る。 第5 当裁判所の判断 1 認定事実後掲各証拠(枝番を含む。以下同じ。)及び弁論の全趣旨によると、以下の事実が認められる。 (1) 被告は、平成22年8月以降、東京都豊島区東池袋において、「池麺 KINGKONG」又は「KINGKONG」との名称でラーメン、つけ麺の店舗(以下「旧店舗」という。)を営んでいたが、平成27年2月28日をもって閉店した(甲4~7、28(乙17))。 被告は、「滝野川大勝軒」を名称とする飲食店(本件店舗)の営業許可申請を行っ て飲食店営業の営業許可を受け、旧店舗閉店後、同店舗建物部分において、本件店舗を開店し、もりそば、ラーメン、つけ麺等の飲食物を提供している。同店の店舗 る飲食店(本件店舗)の営業許可申請を行っ て飲食店営業の営業許可を受け、旧店舗閉店後、同店舗建物部分において、本件店舗を開店し、もりそば、ラーメン、つけ麺等の飲食物を提供している。同店の店舗看板には、「滝野川大勝軒」、のれんには「大勝軒」と表示されていた。(甲2、3、16(乙5)、17(乙6))(2) 本件麺箱は、四隅の上部に黒い金具が施され、一方の側面に、「池麺」の文字 (本件使用標章)と「KINGKONG」の文字とを、やや空白を設けて、旧店舗名である「池麺 KINGKONG」と横書きした表示が付され、他の側面に、黒塗りの長方形内に白抜きで「KINGKONG」の文字を横書きした表示が付された麺箱である(甲13(乙1)、26(乙15))。麺箱は、需要者に提供する麺を、製麺業者(自家製麺の場合は製麺場所)との間で受け渡し、それを店舗内で保管しておく ために用いられる箱である(甲20(乙9))。 (3) 旧店舗内には、平成22年11月頃、本件麺箱が、取引者である製麺業者や需要者である顧客から見える状態で積まれていた(甲28(乙17))。 (4) 本件店舗内には、平成3年3月頃及び同年12月頃、本件麺箱が、本件店舗の隅に、取引者である製麺業者や需要者である顧客から見える状態で積まれていた (甲14(乙2)、27(乙16))。 - 14 - 他方、本件店舗の店舗表示、店頭看板、のれん、メニュー、飲食物を盛る丼等の器、箸袋、コップ等には、「滝野川大勝軒」又は「大勝軒」との標章が付されており、本件使用標章は使用されていなかった。また、本件各事件要証期間内において、ウェブサイト上の写真で本件店舗内の様子が確認できた43件中、麺箱の積み上げが確認できたのは6件のみであり、本件麺箱が積み上げられていた場所には、ビール箱 かった。また、本件各事件要証期間内において、ウェブサイト上の写真で本件店舗内の様子が確認できた43件中、麺箱の積み上げが確認できたのは6件のみであり、本件麺箱が積み上げられていた場所には、ビール箱等が積 み上げられていたこともあった。(甲14(乙2)、33、34)(5) 明星食品は、平成23年11月1日、ウェブサイト上において、カップ麺「明星トロフルみそ豚骨ラーメン」(本件カップ麺)を同年12月5日に発売する旨のニュースリリースを公開した。同ニュースリリースには、本件カップ麺が、「池麺KINGKONG」の店主である被告代表取締役ほか1名がプロデュースしたカップ 麺であり、その包装には旧店舗名である「池麺 KINGKONG」との標章が表示されている(甲29(乙18))。 (6) 被告がフェイスブック、Xに投稿した記事には、旧店舗が平成22年8月に開店したことやその後の営業の状況が記載され、被告がアメブロに投稿した記事には、本件カップ麺が販売されたことが記載されている(甲31(乙20)、32(乙21)、 乙37)。 2 A事件についての判断(1) 商標法上、商標の本質的機能は、自他商品又は役務の識別機能にあると解するのが相当であるから(法3条参照)、法50条1項にいう「登録商標の使用」というためには、当該登録商標が商品又は役務の出所を表示し、自他商品又は役務を識別 するものと取引者及び需要者において認識し得る態様で使用されることを要すると解するのが相当である。 この点に関し、被告は、上記「登録商標の使用」といえるためには、当該登録商標がその指定商品又は役務について何らかの態様で使用されていれば足りる旨主張するが、上記のとおりの商標の本質的機能に照らし、採用することができない。 (2) 法2条3 るためには、当該登録商標がその指定商品又は役務について何らかの態様で使用されていれば足りる旨主張するが、上記のとおりの商標の本質的機能に照らし、採用することができない。 (2) 法2条3項5号該当性について- 15 - 被告は、本件使用標章(「池麺」)を、「役務の提供の用に供する物」である麺箱の側面に「池麺」の標章を付したものを役務の提供のために展示して使用していたと主張する。 しかし、前記1(1)~(4)の認定事実によると、本件麺箱に記載されている「池麺 KINGKONG」との標章は旧店舗名であり、本件麺箱は旧店舗が営業していた際に 同店舗内において積み上げられていたことがあるのであるから、本件店舗内において積み上げられていた本件麺箱は、旧店舗において麺箱として利用されていたものが、本件店舗においても引き続いて利用され、それが、本件店舗内において積み上げられていたものと認められる。しかも、本件麺箱が積み上げられていた場所は本件店舗の隅である上、常に積み上げられていたわけではなく、同じ場所にビール箱等が積み上 げられていたこともあったことからすると、本件麺箱が積み上げられていたのは一時的なものであったと認められる。そして、本件店舗の店舗表示、店頭看板、のれん、メニュー、飲食物を盛る丼等の器、箸袋、コップ等には、「滝野川大勝軒」又は「大勝軒」との標章が付されており、本件使用標章が付されていたのは本件麺箱のみであったことも認められる。 そうすると、被告が主張する本件店舗内における本件麺箱の積み上げ行為は、既に閉店した旧店舗において利用され、同店舗名が記載された本件麺箱が、異なる店名である本件店舗において利用され、本件店舗の隅に一時的に積み上げられていたということのみにとどまるものである。また、本件A事 閉店した旧店舗において利用され、同店舗名が記載された本件麺箱が、異なる店名である本件店舗において利用され、本件店舗の隅に一時的に積み上げられていたということのみにとどまるものである。また、本件A事件要証期間内において、「池麺 KINGKONG」が被告の新ブランド又はセカンドブランドであることが取引者又は 需要者において相当程度知られていたと認めるに足りる証拠はない。 したがって、被告が主張する本件店舗内における本件麺箱の積み上げ行為は、その態様等に照らし、本件A事件請求に係る役務につき、法2条3項5号にいう「役務の提供の用に供する物に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為」に該当するとは認められない。 (3) 法2条3項8号該当性について- 16 - ア被告は、審判手続において、本件店舗内における本件麺箱の積み上げ行為は、本件A事件請求に係る役務につき、法2条3項8号にいう「役務に関する広告に…標章を付して展示…する行為」に該当すると主張する。 しかし、前記判示のとおり、被告が主張する本件店舗内における本件麺箱の積み上げ行為は、既に閉店した旧店舗において利用され、同店舗名が記載された本件麺箱が、 異なる店名である本件店舗において利用され、本件店舗の隅に一時的に積み上げられていたということのみにとどまるのであるから、これが、本件A事件請求に係る役務につき、法2条3項8号にいう「役務に関する広告に…標章を付して展示…する行為」に該当するとは認められない。 イ被告は、本件カップ麺のニュースリリースが、本件A事件要証期間中に、本件 商標Aの通常使用権者である明星食品が、本件商標Aの指定役務に関する広告を内容とする情報に本件商標Aの標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当すると主張する。 A事件要証期間中に、本件 商標Aの通常使用権者である明星食品が、本件商標Aの指定役務に関する広告を内容とする情報に本件商標Aの標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当すると主張する。 しかし、前記1(5)の認定事実によると、明星食品は、平成23年11月1日、ウェブサイト上において、本件カップ麺を同年12月5日に発売する旨のニュースリリー スを公開したことは認められるが、同カップ麺が本件A事件要証期間内(令和2年1月23日~令和5年1月22日)において販売されていたことを認めるに足りる証拠はない。そうすると、本件カップ麺が本件A事件要証期間内において販売されていたとは認められない以上、同期間前のニュースリリースが、その後もウェブサイト上に残存し、本件A事件要証期間内に閲覧可能であっても、これが、本件A事件請求に係 る役務に関し、法2条3項8号にいう「役務に関する広告…を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当すると認めることはできない。 ウ被告は、平成22年の旧店舗の開店に際してフェイスブック、X、アメブロなどに投稿した記事の存在をもって、本件商標Aの役務に関する広告を内容とする情報に本件商標Aの標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当すると主張する。 前記1(6)の認定事実によると、被告がフェイスブック及びXに投稿した記事には、- 17 - 旧店舗が平成22年8月に開店したことやその後の営業の状況が記載され、被告がアメブロに投稿した記事には、本件カップ麺が販売されたことが記載されている。しかし、上記フェイスブック及びXの投稿記事は、既に閉店した旧店舗の営業に関する記事であり、上記アメブロの投稿記事は、本件A事件要証期間内の販売の事実が認められない本件カップ麺に関す 載されている。しかし、上記フェイスブック及びXの投稿記事は、既に閉店した旧店舗の営業に関する記事であり、上記アメブロの投稿記事は、本件A事件要証期間内の販売の事実が認められない本件カップ麺に関する記事であるから、これらの記事がその後もインターネッ ト上に残存し、本件A事件要証期間内に閲覧可能であっても、これが、本件A事件請求に係る役務に関し、法2条3項8号にいう「役務に関する広告…を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当すると認めることはできない。 (4) 以上によると、被告が主張する、本件店舗内における本件麺箱の積み上げ行為、 本件カップ麺のニュースリリース及びフェイスブック等の投稿記事の存在をもっては、いずれも、法2条3項5号及び8号にいう「使用」には該当しない。そして、これまで判示したところからすると、これらの行為及び投稿記事につき、本件A事件請求に係る役務の出所を表示し、自他商品又は役務を識別するものと取引者及び需要者において認識し得る態様で使用されているとも認められないから、法50条1項にい う「登録商標の使用」に該当するとも認められない。 したがって、被告が、本件A事件要証期間内において、本件A事件請求に係る役務について、本件商標Aを使用していることを証明したと認めることはできないから、本件商標登録Aは、その指定役務中、本件A事件請求に係る役務について、同項により取り消すべきものである。これと異なる本件A事件審決の判断は誤りであり、原告 の取消事由の主張は理由がある。 3 B事件についての判断被告は、本件商標Bについて、本件店舗内における本件麺箱の積み上げ行為が法2条3項5号に該当し、また、本件店舗内における本件麺箱の積み上げ行為、本件カップ麺のニュースリリース及びフ についての判断被告は、本件商標Bについて、本件店舗内における本件麺箱の積み上げ行為が法2条3項5号に該当し、また、本件店舗内における本件麺箱の積み上げ行為、本件カップ麺のニュースリリース及びフェイスブック等の投稿記事の存在をもって、法2条3 項8号に該当すると主張する。 - 18 - しかし、被告が主張する本件商標Bの使用態様及び本件B事件要証期間はA事件と同一であり、本件B事件請求に係る役務も本件A事件請求に係る役務と同様の飲食物の提供等に関するものである。そうすると、前記2における判示と同様の理由により、被告が、本件B事件要証期間内において、本件B事件請求に係る役務について、本件商標Bを使用していることを証明したと認めることはできない。 したがって、本件商標登録Bは、その指定役務中、本件B事件請求に係る役務について、法50条1項により取り消すべきものであるから、本件B事件審決の判断は、その余について判断するまでもなく、結論において相当である。 4 C事件についての判断被告は、本件商標Cについて、本件店舗内における本件麺箱の積み上げ行為、本件 カップ麺のニュースリリース及びフェイスブック等の投稿記事の存在をもって、法2条3項8号に該当すると主張する。 しかし、本件商標Aと本件商標Cは同一の商標であり、被告が主張する本件商標Cの使用態様もA事件と同一であり、その要証期間は同様である(1日異なるのみである。)。そして、前記2における判示内容からすると、本件A事件請求に係る役務と 本件C事件請求に係る商品との相違は判断内容を左右しない。そうすると、前記2における判示内容と同様の理由により、被告が、本件C事件要証期間内において、本件C事件請求に係る商品について、本件商標Cを使用していることを証明したと認 相違は判断内容を左右しない。そうすると、前記2における判示内容と同様の理由により、被告が、本件C事件要証期間内において、本件C事件請求に係る商品について、本件商標Cを使用していることを証明したと認めることはできない。したがって、本件商標登録Cは、その指定商品中、本件C事件請求に係る商品について、同項により取り消すべきものであるから、本件C事件審決の判断は、その余について判断するまでもなく、結論において相当である。 5 結論以上によると、A事件に関する原告主張の取消事由は理由があるから、本件A事件審決は取り消されるべきであり、他方、本件B事件審決及び本件C事件審決に取り消すべき違法はないから、被告の請求を棄却することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第1部 裁判長裁判官 本多知成 裁判官 伊藤清隆 裁判官 天野研司 (別紙)商標登録目録 A(A事件) 1 登録番号第5716665号 2 登録日平成26年11月7日 3 商標権の存続期間の更新登録日令和6年8月21日 4 登録商標「池麺」の文字を標準文字により表して成るもの 5 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務第43類「宿泊施設の提供、飲食物の提供」 B(B事件) 1 登録番号第4741943号 2 登録日平成16年1月23日 3 商標権の存続期間 務の区分並びに指定商品又は指定役務第43類「宿泊施設の提供、飲食物の提供」 B(B事件) 1 登録番号第4741943号 2 登録日平成16年1月23日 3 商標権の存続期間の更新登録日令和5年8月4日 4 登録商標 「いけめん」の文字を標準文字により表して成るもの 5 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務第43類「うどんその他の飲食物の提供、うどんを含む飲食物のケータリング、うどん屋その他の飲食店・料理内容・その他の飲食物の提供に関する情報の提供、宿泊施設の提供、宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ、動物の宿泊施設の提供、保育所における乳幼児の保育、老人の養護、会議室の貸与、展示施設の貸与、布団の貸与、業務用加熱調理機械器具の貸与、業務用食器乾燥機の貸与、業務用食器洗浄機の貸与、加熱器の貸与、調理台の貸与、流し台の貸与、カーテンの貸与、家具の貸与、壁掛けの貸与、敷物の貸与、タオルの貸与」 - 21 - C(C事件) 1 登録番号第5710894号 2 登録日平成26年10月17日 3 商標権の存続期間の更新登録日令和6年7月10日 4 登録商標 「池麺」の文字を標準文字により表して成るもの 5 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務第9類「電気通信機械器具(携帯電話機用ストラップを含む。)、眼鏡、携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM、映写フィルム、スライドフィルム、スライドフィルム用マウント、インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル、録画済みビデオディスク及びビデオテープ、電子出版物」第16類「紙製包装用容器、衛生手ふき、紙製タオル、紙製テーブルナプキン、紙製手ふき、紙製ハン て受信し、及び保存することができる画像ファイル、録画済みビデオディスク及びビデオテープ、電子出版物」第16類「紙製包装用容器、衛生手ふき、紙製タオル、紙製テーブルナプキン、紙製手ふき、紙製ハンカチ、文房具類、印刷物(カレンダーを含む。)、書画、写真、写真立て」第21類「ガラス製又は陶磁製の包装用容器、なべ類、コーヒー沸かし(電気式のものを除く。)、鉄瓶、やかん、食器類(どんぶりを含む。)、アイスペール、泡立て器、こし器、こしょう入れ、砂糖入れ、塩振り出し容器、卵立て、ナプキンホルダー、ナプキンリング、盆、ようじ入れ、ざる、シェーカー、しゃもじ、手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき、じょうご、すりこぎ、すりばち、ぜん、栓抜、大根卸し、タルト取り分け用へら、なべ敷き、はし、はし箱、ひしゃく、ふるい、まな板、麺棒、焼き網、ようじ、レモン絞り器、ワッフル焼き型(電気式のものを除く。)、清掃用具及び洗濯用具、コッフェル」第24類「オイルクロス、ゴム引防水布、ビニルクロス、ラバークロス、レザークロス、ろ過布、布製身の回り品(タオルを含む。)、織物製テーブルナプキン、ふきん、のぼり及び旗(紙製のものを除く。)、織物製いすカバー、織物製壁掛け、カーテン、テーブル掛け、どん帳、布製ラベル」- 22 - 第25類「被服(ティーシャツを含む。)、靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)、運動用特殊衣服、運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」第30類「菓子及びパン、みそ、ウースターソース、グレービーソース、ケチャップソース、しょうゆ、食酢、酢の素、そばつゆ、ドレッシング、ホワイトソース、マヨネーズソース、焼肉のたれ、うま味調味料、ぎょうざ、サンドイッチ、しゅうまい、すし、たこ焼き、肉まんじゅう、ハンバ ャップソース、しょうゆ、食酢、酢の素、そばつゆ、ドレッシング、ホワイトソース、マヨネーズソース、焼肉のたれ、うま味調味料、ぎょうざ、サンドイッチ、しゅうまい、すし、たこ焼き、肉まんじゅう、ハンバーガー、ピザ、べんとう、ホットドッグ、ミートパイ、ラビオリ、食用粉類」第33類「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」以上

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