平成14(わ)135 非現住建造物等放火,詐欺未遂被告

裁判年月日・裁判所
平成14年10月30日 福岡地方裁判所
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判決文本文8,430 文字)

平成14年10月30日宣告平成14年(わ)第135号,第304号非現住建造物等放火,詐欺未遂被告事件判決 主文 被告人を懲役5年に処する。 未決勾留日数中180日をその刑に算入する。 理由 (犯行の経緯)被告人は,平成4年ころから,運送業,中古車販売業,保安用品のリース業,自動車の修理業等を次々と始め,平成13年4月福岡県糟屋郡a町大字bc番地dにおいて,トラック2台の上にトレーラーハウス2棟を乗せて飲食店の店舗とする「A」を開業した。被告人は,同月27日同店舗に関し,B保険会社との間で,建物の火災焼失,設備・什器,商品・製品及び休業による損失等の補償を内容とした保険契約を締結した。被告人は,手がけていた事業の経営が思わしくない上,Aの売り上げも落ちてきたことなどから,同店舗に放火して火災保険金を詐取することを思い立った。そこで,被告人は,同年9月上旬,友人であるCの事務所(福岡市e区fg丁目h番i号)を訪れ,Aに1500万円から2000万円の保険をかけている,この保険金を得るため,同店に放火してくれる人物を捜して欲しい,Cにも報酬を出す旨話して,Aに放火する人物の手配を依頼し,火災保険金を詐取することを持ちかけたところ,同人も了承した。更に被告人はCに対し,Aの定休日,午前2時には従業員も帰り無人になるので,その後放火して欲しいこと,店の厨房付近の小窓から中に入りやすいこと,防犯カメラが入口の左右に付いているが,ダミーであること,夜でも自動車の通りが多いことなどを話した。 このようにしてCが放火の実行犯を手配することになり,その日のうちに,同人は弟のようにかわいがって カメラが入口の左右に付いているが,ダミーであること,夜でも自動車の通りが多いことなどを話した。 このようにしてCが放火の実行犯を手配することになり,その日のうちに,同人は弟のようにかわいがっていたDに対して,50万円の報酬で放火を引き受けてくれる実行犯の手配を依頼した。Dは,実父のEに相談したところ,同人は,知人で関西在住のFに話を持ちかけ,同人から30万円の報酬で放火する約束を取り付けた。Fは,更に,関西在住のGを誘い込み,FとGの2人が放火を実行することになり,ここにおいて,被告人,C,D,E,F,Gの間において,Aに放火する共謀が成立した。 放火の実行犯が見つかったことから,Cは被告人に対して前金として実行犯に渡す50万円の支払を求め,被告人は,同年9月24日ころ,Cに実行犯の報酬金50万円を渡し,同人はそのころ,この50万円をDに渡した。 同月28日,F,Gが福岡市へ来た。同月30日未明,F,Gが閉店後の無人になったAへ赴き,放火しようとしたが,防犯カメラに気付き,この日の犯行をやめた。その後,F,Gは,D,Cを通じて被告人に確認したところ,防犯カメラがダミーであることを知って,再び放火を試みることにした。 F及びGは,同年10月1日,Eが準備した自動車に乗り,Dが準備したポリ容器に入ったガソリン等を携帯してAに赴き,同日午前3時15分ころ,Gが車内に残って見張りをし,Fが前記ガソリン入りポリ容器を持ってAに入った。 (罪となるべき事実)被告人は,第1 保険会社との間に火災保険契約を締結していた福岡県糟屋郡a町大字bc番地dの現に人が住居に使用せず,かつ,現に人がいない自己所有の飲食店Aの店舗(木骨木造金属板葺平屋建,約119.25平方メートル)に放火して同保険金を取得しようと企て,C,D,E,F及びGと共謀の上,平 の現に人が住居に使用せず,かつ,現に人がいない自己所有の飲食店Aの店舗(木骨木造金属板葺平屋建,約119.25平方メートル)に放火して同保険金を取得しようと企て,C,D,E,F及びGと共謀の上,平成13年10月1日午前3時15分ころ,同店舗内において,Fが,同店舗床面に所携のガソリンをまき散らし,これに点火して火を放ち,その火を同店舗の床面や壁面等に燃え移らせてこれを全焼させ,もって,保険を付した自己の所有建造物であって,現に人が住居に使用せず,かつ,現に人がいない建造物を焼損した。 第2 Cと共謀の上,前記自己所有の飲食店店舗につきB保険会社との間に前記保険契約を締結していたことを奇貨として,人を欺いて保険金支払名下に金員を交付させようと企て,同年11月13日ころ,福岡市j区kl丁目m番n号の同保険会社福岡支店において,同支店損害サービス1課火災保険査定担当課長H(当時49歳)らに対し,情を知らない被告人の妻Iを介するなどして,真実は,同年10月1日に発生した前記飲食店店舗の火災は被告人らの放火によるものであり,保険金の支払を受けられない場合であるのに,前記放火の事実を秘し,原因不明の出火により焼失したもののように装って,保険金請求書兼事故報告書等を前記B保険会社と代理店委託契約を締結している情を知らない有限会社J従業員K(当時40歳)を通じて提出するなどして,店舗総合保険金1500万円,事業経営総合保険金958万8,922円及び休業損失等の支払方を請求し,前記Hらをしてその旨誤信させ,前記保険金等の支払を受けようとしたが,平成14年1月28日被告人が前記放火の事実で逮捕されたことから,その目的を遂げなかった。 (法令の適用)罰条第1の行為につき刑法60条,109条1項,115条第2の行為 28日被告人が前記放火の事実で逮捕されたことから,その目的を遂げなかった。 (法令の適用)罰条第1の行為につき刑法60条,109条1項,115条第2の行為につき刑法60条,250条,246条1項併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条,14条(重い第1の罪の刑に法定の加重)未決勾留日数の算入刑法21条(量刑の理由)第1 争点についての判断 1 弁護人の主張等(1)弁護人の主張弁護人は,公訴事実自体は争わないものの,被告人の弁解を前提として,Cが被告人に対して火災保険金詐取を目的として放火をもちかけたなどとして,本件の主犯は,計画立案,実行犯の選定,実行行為の段取り等をしたCであるとし,Cは,判示第2の詐欺未遂罪で起訴されていないにもかかわらず,懲役3年8か月に処せられているのであるから,被告人は,Cより重く処罰されるべきではないと主張している。なお,以下,年については,特に記載しない限り平成13年を意味する。 (2)被告人の弁解の概要被告人は,平成14年1月28日第1の犯行で逮捕,その後勾留されて,同年2月18日同犯行で起訴されるまで犯行を否認したが,その後の取調(同年2月22日付警察官調書(乙4))において認めるに至り,同年3月22日第2の犯行で起訴された。被告人が第1の犯行を認めるに至ってからの供述の概要は次のとおりである。 かねてよりCから同人の経営する事業の経営状態が悪いことを聞かされており,平成13年5月末ころにも愚痴を聞かされ,被告人は酒の勢いもあって,「うちの店(A)好きにせんですか。保険も入っとうけんが。」と話し,その後,六,七月ころ,Cから,「保険が2500万円出るなら1000万円浮くから,浮いた1000万円をこっちに回しちゃらんやろか。 「うちの店(A)好きにせんですか。保険も入っとうけんが。」と話し,その後,六,七月ころ,Cから,「保険が2500万円出るなら1000万円浮くから,浮いた1000万円をこっちに回しちゃらんやろか。」と頼まれたため,Cを助けたい一心で承諾した。8月末,Cは「いつでもAを燃やす準備はできとる。ガソリンも用意しとるし,全て段取りもできとる」と言った。9月4日ころから同月10日ころまでの間に,実行犯の報酬としてCから言われた50万円を同人に渡した(被告人の検察官調書(乙20)等)。被告人は,9月30日CからFらが放火に失敗した話を聞いた際,50万円はいらないので好きにしていい,放火を止めようという旨を話したが,Cは承諾しなかった(被告人の公判供述)。 (3)Cの供述の概要Cは,捜査段階において,次のとおり供述している。 9月上旬,被告人がCの事務所へ来て,手広くやっている被告人の事業が経済的に苦しく,Aに1500万円から2000万円位火災保険をかけている,Cに謝礼を出すので放火の実行役を探して欲しい旨頼まれてこれを承諾した。被告人から,実行犯へ渡される報酬額が100万円に決まった。Cは,被告人から,Aの定休日,店の概要,防犯カメラがダミーであることなどを聞いた。CはDに実行犯探しを持ちかけた。その後,DがEにもちかけ,Eを通じて,関西に住むFが実行することになり,Fを通じて,更に実行犯としてGが加わることになったが,Cは,F,Gとは面識がない。Cは,Dから,実行犯が見つかったから50万円用意するように言われたのでその旨被告人に話した。当初,Dから,実行犯は2人で各25万の報酬ということで話をすすめたが,その後,実行犯は3人で,1人20万円という話になり,不足分の10万円は,火災保険が下りてから払うことになった。 9月24日,被告人がC ,実行犯は2人で各25万の報酬ということで話をすすめたが,その後,実行犯は3人で,1人20万円という話になり,不足分の10万円は,火災保険が下りてから払うことになった。 9月24日,被告人がCの事務所へ来て,放火の実行犯に渡す報酬として50万円をCに渡した。このとき,被告人から,「放火の話はなかったことにして欲しい」という趣旨の話が出たことはない。その後,Cは,Dに50万円を渡した。 2 判断(1)C供述は,合理的かつ自然であり,当時のAの経営状況とも合致し,Cから実行犯探しをもちかけられたD供述とも整合している。被告人がCに渡した50万円も,実行犯に渡される報酬であって,Cが供述するように,火災保険金のほとんどを被告人が取得するからこそ,被告人が実行犯に渡される報酬を負担したものと考えるのが合理的であって,被告人が弁解するように,火災保険金を被告人とCが山分けするのであれば,被告人が50万円を負担することを合理的に説明できない。更に,被告人が,火災による損害額として保険会社に申告した額がかなり水増しされていたことも,C供述の信用性を高めている。 弁護人は,経済的に困窮していたのは被告人ではなくCの方であるとして,この点についてのC供述の信用性を弾劾している。 確かに,関係証拠によれば,Cは,自己の経営する事業がうまくいかず,自宅を担保に入れている株式会社商工ファンドからの借金があって,本件当時四百数十万円の残債があったことが認められる。しかし,Cは第1の犯行で逮捕されるまで一部の遅滞はあるもののそれなりに借金の返済を続けていたし,債権者側から,担保に入っているCの自宅を差し押さえるような話も出ていなかった(C(甲90),L(甲93)の警察官調書)。更に,Cはそれまでにも実父,岳父から,合計2000万円以上の多額の支援を受け 権者側から,担保に入っているCの自宅を差し押さえるような話も出ていなかった(C(甲90),L(甲93)の警察官調書)。更に,Cはそれまでにも実父,岳父から,合計2000万円以上の多額の支援を受けていたが,本件当時もこれらの親族から見放されていたわけではなく,経済的な協力を受けられる状況にあったのであるから(M(甲91),N(甲95,96)O(甲97)の警察官調書。 電話筆記用紙(甲94)),火災保険金目的の放火に手を染めるほどの窮地には立たされていなかったものと認められる。 被告人は放火の実行犯との面識がなかったところ,それは,被告人のCに対する依頼の内容が実行犯の手配であり,CがDに実行犯の手配を依頼した結果にすぎず,このことをもって,Cが主犯となることの徴表とは理解できない。 保険金が詐取できた場合の利得にしても,実行犯に最終的に渡されるのは合計60万円であり,Cに対して他に100万円渡されるにしても,その余の保険金額は被告人が取得することになるのであるから,保険金のほとんどを被告人が取得する。この点からも,最も強く非難されるのは被告人である。 弁護人指摘のとおり,放火を実行したFらは9月30日未明放火しようとして失敗したにもかかわらず,翌日の10月1日第1の犯行に及んでいる。しかし,Cとしては,被告人の依頼を受けて放火の実行犯探しをDに依頼してDがEにもちかけ,F,Gを手配したというものであって,実行犯に犯行の時期を任せた状態にあったのであるから,Fらが2日続けて犯行に及んだことと,Cが犯行を主導したものではないこととは矛盾しない。被告人が実行犯と面識がないことは被告人の刑事責任が最も重いことと矛盾しない。 弁護人指摘のとおり,第1の犯行後,保険金請求のため,Aの建築工事の架空見積もりにつき,被告人にあてがなかったため,被告 告人が実行犯と面識がないことは被告人の刑事責任が最も重いことと矛盾しない。 弁護人指摘のとおり,第1の犯行後,保険金請求のため,Aの建築工事の架空見積もりにつき,被告人にあてがなかったため,被告人から相談を受けて,Cが「P」に依頼して見積書を作成してもらった(被告人の警察官調書(乙18))。しかし,これも,Cとしては,被告人から「内外装工事一式で500万円位の見積書をちゃんとした会社名で作って欲しい」と具体的な金額まで指定されて頼まれたため,つてを頼って架空の工事見積もりを作ってもらったものであって(Q(甲85),R(甲86),C(甲88)の警察官調書),被告人が主導したという認定を左右するものではない。 (2)これに対し,被告人の供述内容は,被告人が,開店から半年もしないのに,いかに親しい友人の経済的苦境を助けるためとはいえ,苦労して開店し,経営状態も悪くなかったと弁解するAを,保険金目的の放火に提供すること自体極めて不自然かつ不合理である。 また,被告人は,4月下旬Aを開店し,以後本件まで経営を続けたものであるところ,正確な帳簿等が残っていないので経営状況の詳細は判然としないものの,Aの店長であるS(同人の検察官調書(甲16)),店員T(検察官調書(甲17)),U(検察官調書(甲18)),V(検察官調書(甲19))の供述,Aへの商品納入業者であるW(警察官調書(甲20)),X(警察官調書(甲21))の供述等によれば,8月から狂牛病の騒ぎなどの影響で売り上げが相当落ち込んでいたことは明らかである。特に,9月の売上げにつき,被告人は捜査段階では,これまでの中で最も良かったと述べているが(被告人の検察官調書(乙10)),9月の売上げが相当低下したことは関係証拠から明白であり,被告人の供述は信用できない。 加えて,被告人は,平成 査段階では,これまでの中で最も良かったと述べているが(被告人の検察官調書(乙10)),9月の売上げが相当低下したことは関係証拠から明白であり,被告人の供述は信用できない。 加えて,被告人は,平成13年8月末ころ,Cから,「いつでもAを燃やす準備ができとる。ガソリンも用意しとるし,全て段取りもできとる。」と告げられた旨述べている(被告人の検察官調書(乙20),警察官調書(乙16))。しかしながら,この時期は,実際には,放火の実行犯さえ決まっていない時期であって(D(甲49,50),E(甲59),G(甲67)の検察官調書謄本),被告人の供述は,このような客観的事実とも整合しない。 被告人は,妻名義で4月20日Y保険株式会社との間でAの店舗の火災保険(保険期間1年,保険の種類「普通火災」,保険金額2000万円)に加入していたところ,第1の犯行前である9月21日解約されている点につき,公判で,7月ころ妻と相談して解約することにした,解約は妻に任せた旨述べている。しかし,火災保険は,複数の保険会社との間で保険契約を締結していても,実際に火災を生じて補填されるのは,実際の損害額にとどまるものであって,各保険会社から,実際の損害額を超えて補填されるものではない。被告人の弁解によっても,被告人はCに対して,保険金額として2500万円位を口にしたというのであるから,被告人は,火災保険としては,実際の損害額以上の保険金が補填されるものではないことを知っていたものと思われる。被告人は,これまで,何回も保険金を入手しており,保険の知識を相当有していたものと考えられるから,被告人は,第1の犯行前にこの点に気付いたものと思われ,保険金が多額な方を残し,小額な方のY保険会社との契約を解除したものと考えるのが相当である。 被告人は,第1の犯行で逮捕されて起訴され るから,被告人は,第1の犯行前にこの点に気付いたものと思われ,保険金が多額な方を残し,小額な方のY保険会社との契約を解除したものと考えるのが相当である。 被告人は,第1の犯行で逮捕されて起訴されるまでの間の捜査段階において犯行を否定し,自分が冗談でAの建物に放火してもよいと言ったことをCが本気にしてしまい,そのことが分かって止めさせるために50万円渡した,放火がCの仕業とは思いもしなかった,放火の犯行はCが誰かと組んで勝手に行ったものと供述していたが,起訴後,放火自体については,Cとの共謀を認める供述をするようになった。しかし,被告人の供述は,自己の刑事責任を軽減するための防衛的なものが多く,犯行の経緯等の点でかなり不自然かつ不合理な内容を含んでおり,信用できない点が多い。 3 まとめ以上述べたとおりであり,被告人が第1の犯行をCに持ちかけたものであるし,詐取する火災保険金についてもそのほとんどを被告人が取得する予定になっていたものであるから,被告人が放火の実行犯の手配をせず,実行犯と面識がなく,具体的な犯行日時,犯行態様の選定も被告人が行ったものではないが,犯人の中では被告人の刑事責任が最も重いことは明らかであり,Cよりも相当重い。 第2 量刑理由本件は,被告人が火災保険金を詐取することを目的として,Cら5名と共謀の上,自己の経営するAに放火して焼損させ(第1の犯行),Cと共謀の上,火災保険金を詐取しようとして未遂に終わった(第2の犯行)事案である。 第1の犯行により,被告人の経営する飲食店店舗が全焼したが,同店舗に近接して8世帯が入居する2階建て木造共同住宅があり,本件火災により2階ベランダ外壁,雨樋が延焼するなどしており,寝静まった深夜隣接店舗で突然起きた火災に入居者は大きな恐怖感を受けている。被告人が目論んだ火災保険 が入居する2階建て木造共同住宅があり,本件火災により2階ベランダ外壁,雨樋が延焼するなどしており,寝静まった深夜隣接店舗で突然起きた火災に入居者は大きな恐怖感を受けている。被告人が目論んだ火災保険金の額は,店舗総合保険金が1500万円,事業経営総合保険金が958万円余,休業損失(上限は4000万円)であって,多額の保険金詐取を目論んだ上での放火は強く非難される。更に,本件のような火災保険金目的の放火は,模倣性がある。被告人は,自ら犯行に手を染めることなく,実行犯探しをCに依頼し,Cらを通じて探した実行犯が放火を実行しているが,被告人が共犯者を犯行に巻き込んだのであり,しかも,火災保険金を入手すれば,そのほとんどは被告人が取得することになっていたのであるから,犯人の中では,被告人の責任が最も重い。しかも,本件犯行は,実行役が店内にガソリンを撒いて放火した際,重傷の火傷を負ってその後死亡したのであって,自業自得とはいえ,犯行により,人命を失う結果を生じた。 これらの点から考えると,被告人の刑事責任は重いものがある。 他方で,第2の犯行は未遂に終わったこと,第1の犯行により延焼した共同住宅の損害については,所有者が加入していた火災保険により損害が補填されたこと,被告人は第1の犯行につき不合理な弁解をしているものの,犯行自体については認めていること,離婚して別の女性と再婚し,今後は更生したいと述べていることなど,被告人のために汲むべき事情もある。 そこでこれらの諸事情を総合考慮した上,主文の刑を量定した。 よって,主文のとおり判決する。 (求刑懲役7年)平成14年10月30日福岡地方裁判所第2刑事部裁判長裁判官林秀文裁判官一木泰造 懲役7年)平成14年10月30日福岡地方裁判所第2刑事部裁判長裁判官林秀文裁判官一木泰造裁判官永井美奈

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