昭和23(オ)22 不動産登記抹消並損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
昭和23年10月12日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 福岡高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  本件上告理由は末尾添附の上告理由と題する書面記載のごとくであつて、これに 対す

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判決文本文2,210 文字)

主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  本件上告理由は末尾添附の上告理由と題する書面記載のごとくであつて、これに 対する判断は次のとおりである。  上告理由第一点について。  本件記録を調べてみると、被上告人は本訴請求の原因として(一)訴外Dは昭和 十二年三月四日福岡区裁判所において破産の宣告を受け、被上告人はその破産管財 人に選任されたのであるが、前記Dは営業の失敗によつて多額の債務を負担してい たので財産隠匿の目的で昭和十一年二月十七日上告人との間に右Dの所有に係る本 件不動産につき虚偽の売買を仮装して同日福岡区裁判所東郷出張所受附第四七七号 をもつて売買に因る所有権移転の登記をして右不動産を上告人名義に変更したので あるが、右の登記は仮装の売買に因る無効のものである(二)仮りに、右の売買が 仮装のものでないとしても、訴外Dは右売買当時債務超過の状態にあつて本件不動 産を処分することが一般の債権者を害することを知りながら右の売買をしたのであ るから被上告人は受益者である上告人に対して右の売買を否認すると主張して上告 人に対し本件不動産の所有権移転登記の抹消を求めたことが明かである。すなわち、 被上告人は(一)においては本件不動産の所有権が終始訴外Dに帰属していたこと を主張し(二)においては仮りに然らずとしても被上告人の否認権の行使によつて 否認の効力が発生して本件不動産の所有権は当然訴外Dに復帰したのであつて、い ずれにしても本件不動産が訴外Dの所有に属することを主張してその所有権に基く 物上請求権を本訴の訴訟物として登記の抹消という一個の請求をしたものであり、 前記(一)(二)の主張は右の物上請求権を理由あらしめこれを維持するための攻 - 1 - 撃方法として提出したものに外ならず、所 上請求権を本訴の訴訟物として登記の抹消という一個の請求をしたものであり、 前記(一)(二)の主張は右の物上請求権を理由あらしめこれを維持するための攻 - 1 - 撃方法として提出したものに外ならず、所論のごとく売買の効力に関する請求と否 認権の行使に関する請求との本来別個の二個の請求を予備的に併合したものではな い。つまり攻撃方法が二個あつただけで訴が二個あつたのではない其故第一審にお いても(一)の主張に対しては理由中で判断をしただけで請求棄却の裁判をして居 らず従つて被上告人は控訴など出来なかつたものであるされば、前記(二)の主張 を是認して被上告人主張の物上請求権に因る本訴請求を認容した第一審判決を不服 として上告人が提起した控訴において原審が前記(一)の主張を是認して被上告人 の本訴請求を認容して上告人の控訴を棄却したからとて原審は上告人が控訴審にお いて抗争した被上告人主張の前記物上請求権の有無について審判したことに変りは ないのであるから、所論のように不服申立の限度を超えて第一審判決を上告人の不 利益に変更したものと言うことはできない。論旨は以上と異なつた見解を前提とし て原判決を非難するものであつて理由がない。  同第二点について。  しかし、原判決が挙示する被上告人の援用した証拠が信用できるものとすれば( そして原審はその自由裁量権によつて信用できるものと判断したのである)これら の証拠によつて原判決の認定したような事実が認定し得られるのであり又上告人が 論旨に摘録する上告人援用の証拠については原判決はこれらの証拠が信し難いこと 若しくは原判決の認定を左右し得ないこと等一々証拠に対する判断を与えているの であるから、原判決は所論のように上告人提出の証拠を看過したものではなくその 他採証法則の違反、審理不尽若しくは理由不備の違法はない。論旨は原審の自由裁 量に いこと等一々証拠に対する判断を与えているの であるから、原判決は所論のように上告人提出の証拠を看過したものではなくその 他採証法則の違反、審理不尽若しくは理由不備の違法はない。論旨は原審の自由裁 量に属する証拠の取捨判断を非難するに帰着するので採用することができない。  同第三点について。  しかし、原判決は所論のように売買代金が授受されなかつた一事によつて本件売 買を虚偽仮装の売買と認定したわけではなく、原判決に挙示する甲第四、五号証そ - 2 - の他多数の証拠を総合して本件売買が訴外Dと上告人との間に通謀してなされた虚 偽の意思表示であることを認定したものであつて、所論のように財産保全の目的で その保管を委託するため本件不動産の所有権を移転したことを認定したものではな い。本論旨も原審の自由裁量の範囲に属する事実の認定を非難するに帰着するので 採用することができない。  よつて民事訴訟法第四百一条第九十五条第八十九条に従い主文のとおり判決する。  以上は裁判官全員の一致した意見である。      最高裁判所第三小法廷          裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎             裁判官    井   上       登             裁判官    島           保             裁判官    河   村   又   介 - 3 -

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