令和7(わ)1415 恐喝

裁判年月日・裁判所
令和7年9月26日 名古屋地方裁判所
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判決文本文1,371 文字)

- 1 - 主文 被告人を拘禁刑3年に処する。 この裁判が確定した日から5年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、美人局により、示談金名目でAから現金を脅し取ろうと考え、C及びBと恐喝の限度で共謀の上、令和7年6月7日午前1時6分頃、名古屋市a区bc丁目d番e号fホテルg号室において、Bが同室に誘い込んだA(当時32歳)に対し、BがCの17歳の妹であるかのように装い、Cが、「俺の妹に何してんだ。」「会社知ってるぞ。」「17歳で警察に言っても対応してくれないぞ。」などと言って因縁を付けたものの、Aに抵抗されるなどしたため、Cが単独で、その反抗を抑圧して金品を奪おうと考え、同日午前1時8分頃、同室において、Aの背後から右腕を頸部に回し、Aをベッド上にうつ伏せに押し倒すなどして、その頸部を絞め付ける暴行を加え、よって、その頃、Aを頸部圧迫に基づく窒息により死亡するに至らせ、同日午前1時11分頃、A所有又は管理の現金約4万2876円、図書カード1枚(額面2000円)、マナカカード1枚(残高8398円)及び財布等18点在中のクラッチバッグ1個(時価合計13万6000円相当)を奪い取ったが、被告人においては、恐喝の犯意を有するにとどまっていた。 (量刑の理由)本件は、被告人が、CとBとともに、美人局の方法による恐喝を共謀し、Bが被害者をホテルに誘い込み、Cが被害者に因縁を付けて脅迫したところ、被害者から抵抗を受けたことからCが被害者を殺害し、その結果現金等を得たという事案で、被告人の共謀は恐喝の範囲にとどまるものであったから、被告人については恐喝罪のみが成立するものである。 複数名で役割を分担して上記のとおりホテルに被害者 を殺害し、その結果現金等を得たという事案で、被告人の共謀は恐喝の範囲にとどまるものであったから、被告人については恐喝罪のみが成立するものである。 複数名で役割を分担して上記のとおりホテルに被害者を誘い込んだ上で因縁を付けるという計画的かつ狡猾な犯行であり、その態様自体恐喝の事案の中でも悪質といえ - 2 -る上、被害金額も約13万円相当と多額である。被告人は、実行行為自体には関与していないものの、自身も利益を得る目的もあって、Cとともに美人局を行うことを計画した上、Bを勧誘するなど不可欠な役割を果たし、相応の分け前を得ているのであって、犯行に果たした役割を軽視することはできない。また、被害者の遺族は厳しい被害感情を述べており、被告人の責任が恐喝の範囲にとどまることは当然の前提ではあるが、その範囲で、この点も一定程度考慮すべきものといえる。 以上からすれば、被告人の刑事責任には相応に重いものがあるが、被告人に前科がないことを前提として、被告人が事実を認めた上、反省文をしたためるなどして反省の気持ちを示していること、父親が出廷の上監督を誓約していること、本件に関する反省と贖罪の気持ちを示すため贖罪寄付を行っていることなどの酌むべき事情も認められる。そこで、被告人に対しては、主文の刑に処することとした上、その刑の執行を猶予し、今回に限り社会内での更生の機会を与えることが相当であると判断した。 令和7年9月29日名古屋地方裁判所刑事第4部 裁判官藤根桃世

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