【DRY-RUN】主 文 本件各上告を棄却する。 理 由 弁護人関山清の上告趣意第一点について。 所論は、本件田(水田)一反二三歩は被告人Aの所有であり、ここに植付けられ た
主文 本件各上告を棄却する。 理由 弁護人関山清の上告趣意第一点について。 所論は、本件田(水田)一反二三歩は被告人Aの所有であり、ここに植付けられた原判決判示稲苗の毀損による被害者は判示Bであるのに本件告訴人は被害者でないCであるから本件公訴は不適法であり、原判決は憲法三一条に違反するというにあるから、所論は訴訟法違反を主張しこれを前提として違憲をいうものにほかならず、上告適法の理由とならない。(原判決は、要するに、本件水田は従来被告人Aの承諾の下にBが使用収益しその後BC老齢のためその長男Cにおいて事事上耕作して来たのであつて、原判示の経過で、昭和三〇年四月三〇日判示農業委員会はC方に耕作権があることをC方と被告人側に告知した事情もあり、被告人両名と右C両名とは互いに本件水田の所有権を主張して現在に至つているC両名は被告人らの返地要求を終始拒絶し未だ返地していない事情もあることに鑑み、そして、証拠により本件稲苗そのものはCの所有であることが認められるから、本件水田の所有権はいずれにありとしても、Bおよび同Cは本件水田につき少くとも使用収益の権利を有しこの権原に基いて本件稲苗を植え付けたものというべきである、従つて、被告人両名がCの所有物なることを認識の上互いに意思を通じて同三〇年五月一九日頃本件水田において右事実上耕作者Cがその頃ここに植え付けた本件稲苗約一二〇把分を抜き取り水田中に埋めるなどして毀棄した所為は毀棄罪を構成する、との趣旨を判示したのである。この認定によれば、毀棄された稲苗の所有者Cは本件毀棄罪の被害者にほかならないから同人が告訴人となつてした本件告訴、従つて本件起訴は適法であり、原判決には所論の違法はないこと明らかである。)同第二点は、本件の田および稲苗の所有者は被告 Cは本件毀棄罪の被害者にほかならないから同人が告訴人となつてした本件告訴、従つて本件起訴は適法であり、原判決には所論の違法はないこと明らかである。)同第二点は、本件の田および稲苗の所有者は被告人Aであり、BCは田の正権原- 1 -なき占有者であるという原判決の認定事実と異る事実を主張して犯罪の成立を否定するものであり、違憲の主張は憲法のいずれの規定に違反するかを示さないから、すべて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。 なお記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。 昭和三五年三月二二日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官垂水克己裁判官島保裁判官河村又介裁判官高橋潔裁判官石坂修一- 2 -
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