平成15(行コ)38 軽油引取税決定処分等取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成13年(行ウ)第117号)

裁判年月日・裁判所
平成15年9月24日 東京高等裁判所 租税
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判決文本文3,392 文字)

主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用(参加に係る費用を含む。)は,控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求める裁判 1 控訴人(1) 原判決中,控訴人敗訴部分を取り消す。 (2) 被控訴人が,控訴人に対してした原判決別表記載の各軽油引取税決定処分及び不申告加算金賦課決定処分をいずれも取り消す(原審認容部分を含む。)。 (3) 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 2 被控訴人主文同旨第2 事案の概要等事案の概要は,次のとおり付け加えるほか,原判決「事実及び理由」中の「第2事案の概要」及び「第3 争点と争点に関する当事者双方の主張」に記載のとおりであり,証拠関係は,本件記録中の証拠目録記載のとおりであるから,これらを引用する。 1 原判決書2頁16行目の「地方税法700条の3第3項」の次に「(東京都都税条例(以下「都税条例」という。)103条の2第4項)」を,4頁1行目の末尾の次に「都税条例1条は,東京都都税及びその賦課徴収については,法令その他に別に定めがあるもののほか,この条例の定めるところによる旨規定しているほか,同条例103条の2第3項は,軽油引取税は,特約業者又は元売業者が地方税法700条の3第3項に規定する燃料炭化水素油(同条例103条の2第4項において「燃料炭化水素油」という。)を自動車の内燃機関の燃料として販売した場合においては,同項に規定する販売量を課税標準として,当該特約業者又は元売業者に課する旨,同条例103条の2第4項は,軽油引取税は,同条1項ないし3項に規定する場合のほか,特約業者又は元売業者以外の石油製品の販売業者が軽油に軽油以外の炭化水素油(炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で,1気圧において温度15度で液状であるものを含む。)を混和し若 合のほか,特約業者又は元売業者以外の石油製品の販売業者が軽油に軽油以外の炭化水素油(炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で,1気圧において温度15度で液状であるものを含む。)を混和し若しくは軽油以外の炭化水素油と軽油以外の炭化水素油を混和して製造された軽油を販売した場合又は燃料炭化水素油を自動車の内燃機関の燃料として販売した場合においては,地方税法700条の3第4項に規定する販売量を課税標準として,当該石油製品販売業者に課する旨,同条例103条の2第5項は,軽油引取税は,同条1項ないし4項に規定する場合のほか,地方税法700条の3第5項に規定する自動車の保有者が炭化水素油を自動車の内燃機関の燃料として消費した場合(当該自動車を道路において運行の用に供するため消費した場合に限る。)においては,当該炭化水素油の消費に対し,同項に規定する消費量を課税標準として,当該自動車の保有者に課する旨,それぞれ定めている。」を,5頁9行目の「消費した分)」の次に「並びに都税条例103条の2第4項,第5項等」を,6頁8行目の末尾の次に「なお,本件規定を受けて都税条例103条の2第4項が,本件規定等を受けて都税条例103条の2第3項ないし第5項がそれぞれ定められており,本件規定及び本件規定等についての解釈は都税条例103条の2第4項及び同条例103条の2第3項ないし第5項にも当てはまるものである。」を,12行目の「について」の次に「その混和の組合せ及び化学成分に関する」を,同行目の「置いておらず,」の次に「その混和物も明確にされていない。」を,10頁2行目の「比重」の次に「(0.8017以下で軽油よりも軽くガソリンと同程度である。)」を,4行目の「明らかである」の次に「(本件燃料は,軽油引取税が課税対象としているディーゼル車の内燃機関燃料とし 行目の「比重」の次に「(0.8017以下で軽油よりも軽くガソリンと同程度である。)」を,4行目の「明らかである」の次に「(本件燃料は,軽油引取税が課税対象としているディーゼル車の内燃機関燃料として使用されるものではなく,ガソリン車の内燃機関燃料として使用されているものである。)」をそれぞれ加え,5行目の「CO2」を「CO2」に,12頁25行目の「軽油取引税」を「軽油引取税」にそれぞれ改め,13頁21行目の末尾の次に「(軽油引取税の課税客体は,軽油又は軽油類似品である。)」を,16頁1行目の「甲13,」の次に「58,」を,同行目の「60」の次に「,乙9」を,2行目の「行われてきたのである」の次に「(行政慣行)」をそれぞれ加える。 2 控訴人の当審における追加的主張(アムビギュイティの法理違反)アムビギュイティの法理(又は厳格解釈の法理)とは,法令や契約書の文言,用語に疑問や不明確な部分があるときは,その法令や契約書は,その契約書を作成したり,その文言,用語を使用した当事者に不利に,反対の当事者に有利に解釈しなければならないという法理であり,米国において刑事法の分野で発展してきたものであるが,今日では民事事件,とりわけ税務や規制がある行政分野で広く適用されている。アムビギュイティの法理は,法治国家であり,租税法律主義(課税要件明確主義)が憲法で強く要請されている我が国の税法の解釈,適用にもそのまま妥当するものである。 本件規定は,「炭化水素油」について定義規定が欠落しており,その混合物の内容や化学成分等があいまいである。このようなあいまいな規定を納税者に不利に解釈することは,アムビギュイティの法理に違反するもので許されない。さらに,軽油引取税の対象となる「自動車」についても定義規定が欠落し,その範囲が不明確である。この「自動車」の範 定を納税者に不利に解釈することは,アムビギュイティの法理に違反するもので許されない。さらに,軽油引取税の対象となる「自動車」についても定義規定が欠落し,その範囲が不明確である。この「自動車」の範囲を納税者に不利に解釈,適用することも明らかにアムビギュイティの法理に違反するものである。したがって,本件各処分は違法な決定であり,いずれも取り消されるべきものである。 3 控訴人の当審における追加的主張に対する被控訴人の主張炭化水素油及び自動車の各規定は,合理的な解釈により明確になるものであるから,定義規定ないし範囲が不明確であるとの控訴人の主張は失当である。 第3 当裁判所の判断当裁判所も,控訴人の請求はいずれも原裁判所が認容した限度でのみ理由があるものと考えるが,その理由は,次のとおり付け加えるほか,原判決「事実及び理由」中の「第4 争点に対する判断」に記載のとおりであるから,これを引用する。 1 原判決書19頁8行目の末尾の次に「本件規定が」を加え,20頁5行目の「CO2」を「CO2」に改める。 2 控訴人の当審における追加的主張に対する判断控訴人は,本件規定は,「炭化水素油」について定義規定が欠落しており,その混合物の内容や化学成分等があいまいであり,また,軽油引取税の対象となる「自動車」についても定義規定が欠落し,その範囲が不明確であるとして,このような場合に「炭化水素油」や「自動車」の範囲を納税者に不利に解釈,適用することは明らかにアムビギュイティの法理に違反する旨主張する。 しかし,原判決「事実及び理由」中の「第4 争点に対する判断」第2項及び第4項に説示したとおり,これらの規定の内容は,合理的な解釈によって確定することが可能であり,その内容があいまいであるとはいえないから,この点に関する控訴人の主張は失当である。 第4 断」第2項及び第4項に説示したとおり,これらの規定の内容は,合理的な解釈によって確定することが可能であり,その内容があいまいであるとはいえないから,この点に関する控訴人の主張は失当である。 第4 結論よって,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法67条1項本文,61条,66条を適用して,主文のとおり判決する。 (平成15年7月9日口頭弁論終結)東京高等裁判所第17民事部裁判長裁判官秋山壽延裁判官志田博文裁判官藤村啓は,転補のため署名押印することができない。 裁判長裁判官秋山壽延

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