【DRY-RUN】○ 主文 原告の請求はいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実 第一、当事者の求めた裁判 一、請求の趣旨 1 被告は足寄町に対し、金二〇四、〇四六円を支払え。 2 訴訟費用は被告の負
○ 主文原告の請求はいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実第一、当事者の求めた裁判一、請求の趣旨1 被告は足寄町に対し、金二〇四、〇四六円を支払え。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 二、請求の趣旨に対する答弁主文同旨第二、当事者の主張一、請求原因1 原告は昭和二七年から北海道足寄郡足寄町の住民である。 2 (一)被告は足寄町の町長をしていたものであるが、その在任中、昭和三九年三月一二日、同日付「広報あしよろ」特集号第二集を、発行所・足寄町役場、編集・広報係、発行人・Aをして発行させて、同町内全世帯に配布するとともに、そのころ右発行費用一八、九四六円を同町町費から支出した。 (二) ところで、足寄町が発行していた「広報あしよろ」は同町の広報機関誌であつて、同町として町民に周知せしめることが町民の利益になることを知らしめるためのものである。 しかるに、前記特集号には、次のような内容の記事を掲載している。 (1) 「町民のみなさんにご心配をかけています『公用廃止地問題』について一新聞の誤報を解くために」(2) 「この対価交換については当時、建設部に対し土地交換に関し評価についての意見を聴し交換坪数を算定し、それぞれ区画割をして、潰地に交換することにしたのです。これは工事施行の関係上、急を要し措置されたのです。このような話し合い中に工事はどんどん進められていたのです。こうして最終的には議会協議会で了承されたのです」「この工事にかかわる潰地に要する補償相当経費はとくに町の要望による拡巾であるから、開発建設部の予算関係上、町において負担されたとのことであり、議会建設常任委員会との話し合いの結果、その条件をのんで工事施工が決定となつたのです。しかし代替地提供家屋移転補償など直接、間接の出費も多いことから建設部に対し要請を いて負担されたとのことであり、議会建設常任委員会との話し合いの結果、その条件をのんで工事施工が決定となつたのです。しかし代替地提供家屋移転補償など直接、間接の出費も多いことから建設部に対し要請を重ねた結果、これに応えられて、翌年度補償費として各所有者名儀で支出されることに決定を見、それぞれ委任をうけて町長が受領した次第であります。したがつて登記簿上の名儀は関係者個人でも内容は交換により潰地を町が取得し、国に提供したのであるからその補償費は当然町の収入となるべきものであります。このことについては関係者は充分了承していることであり第三者のようかいすべきことではないと思います。」「この代金は開発建設部より、潰地にたいして算定のうえ支払われていますが、町の責任において代替地を関係者に対価交換することによつて配分してあるので各人に交付となるものではありません、この補償費は公用地下付にともない、町は区画整理事業を実施しなければならない責任がありますので、その一端としておこなわれたものとし、したがつて土地処分金は区画整理事業にともなう収入として歳入歳出外経理の中で収入役が保管しています。区画整理事業が実施段階にはいればもちろん特別会計を設けて事業費に充てる金で現在の扱いは当然であつて毎月監査費の監査をうけて了承されており議会においても、そのことを明確に説明しております。」「対価交換の基本原則に基き作業をすすめ開発建設部から価格の教示を仰ぎ、これにもとづいて算定がおこなわれたものです。建設部は潰地に対する評価と交換地の評価も一環しておこなつたものであり・・・・・・・・・」(3) 「工事着工の過程においてのべているように現実には対価交換がおこなわれていることであり、これがおこなわなければ巾の広い補装道路の実現は出来なかつたことなのです。」「・・・・ ・・・・・・・」(3) 「工事着工の過程においてのべているように現実には対価交換がおこなわれていることであり、これがおこなわなければ巾の広い補装道路の実現は出来なかつたことなのです。」「・・・・・・・・・(1)(2)(3)の配分については二級国道補装促進上、既に内定したことはやむをえなかつたものと了承すると云うことで、二級国道拡巾潰地の代替地について、この事項の結論がなされたのであります。・・・・・・・・・当時、B氏の新取得地(三角地)に入つたことは前にものべたとおりであります。・・・・・・・・・以上述べたとおり交換取得地については登記未了と雖もそれぞれ使用収益することは当然であり、議会協議会の了承という行政措置も為されたことでもあり第三者の干渉すべきことではないと思います。」「協議事項について議決を見るべく・・・・・・提案しました。・・・・・・・・・議決をねがうことが本来でありますが公用廃止地の総合的な問題について、すべて解決された後、措置すべきだとして撤回の形とはなりましたが、・・・・・・・・・議決を延期することが当時適当であると判断されたので理事者提案を引込めたのであつてその理由を充分理解されたいと思います。以上二級国道拡巾問題の事実を書きましたが町の行政は一方的なものの考えによつて行われるものではないのです。この問題が行政的に措置されたればこそ完全道路の実現を見、産業観光上の重要路線とし将来また中心足寄市街の都市的形態の整備上からも大きな役割をはたした町政推進上の重要な行政措置であつたと確信しております。」(三) 前記記事は、被告が、二級国道の拡巾に関連して次のような違法行為を行いながら、その違法なことをおゝいかくすための宣伝として、ことさらに虚偽の内容を掲載したものであつて、もつぱら被告の個人的利益のために発行されたもの が、二級国道の拡巾に関連して次のような違法行為を行いながら、その違法なことをおゝいかくすための宣伝として、ことさらに虚偽の内容を掲載したものであつて、もつぱら被告の個人的利益のために発行されたものであるから、被告が右発行費用を負担すべきものである。 (1) (イ)別紙第一目録記載の土地は、もと国有河岸地であつたが、昭和三五年下月一七日足寄町が北海道知事より三五河第一、六一八号をもつて、都市計画法(大正八年法律第三六号)九条の規定による公用廃止地として下付を受け、足寄町有地となつた。 (ロ) ところで、同町町長(当時被告が在任していた)は、昭和三五年一二月九日、雪印乳業株式会社との間で、右土地と同会社所有の別紙第二目録記載の各土地との交換契約を締結した。(右交換契約は、同年五月ころから一〇月ころまで双方の間で交渉が進められ、その間、同年六月二七日に開催された同町議会議員協議会に報告し、その了承を得て、最終的に交換合意の成立したのは同年一二月九日である。)(ハ) しかしながら、右土地は都市計画法九条の規定に基づいて下付された土地であるから、同法施行令二八条、二九条ならびに土地区画整理法五二条および五五条により、同町が事業施行者となつて都市計画事業の計画を樹て北海道知事の認可を受けたうえ処分すべき土地である。 (ニ) また、右交換契約については、地方自治法九六条に基づいて制定された当時の同町条例「議会の議決及又は住民の一般投票に付すべき財産営造物又は議会の議決に付すべき契約に関する条例」により同町議会の議決を経なければならないものである。 (ホ) しかるに、被告は右(ハ)の認可手続も(ニ)の議決も経ずに、前記交換契約を締結したものであるから、右各法令等に違反し、無効である。 (2) (イ)足寄町町長(当事被告が在任していた)は、昭和三六年四月 しかるに、被告は右(ハ)の認可手続も(ニ)の議決も経ずに、前記交換契約を締結したものであるから、右各法令等に違反し、無効である。 (2) (イ)足寄町町長(当事被告が在任していた)は、昭和三六年四月二八日および同年八月四日の二回に亘り、国道帯広・弟子屈線の二級国道拡巾に伴う潰地補償金として、北海道帯広開発建設部から雪印乳業株式会社、C、被告に対して支払われるべき次の金員を足寄町々長として右三名の代理人として同建設部より受領した。 四月二八日雪印乳業株式会社に対する分一、六六八、〇〇〇円Cに対する分四一六、五〇〇円被告に対する分一、一五七、二四〇円八月四日被告に対する分八〇一、五〇〇円(ロ) 被告は同町町長として、右金員を保管していたところ、被告個人の取得分についてはのちに同人に還付したものの、雪印乳業およびCの取得分については両名に対して還付せず、昭和四〇年三月二四日、足寄都市計画中部土地区画整理事業特別会計予算において、右両名の取得分合計二、〇八四、五〇〇円を歳入として計上した。 (ハ) しかし、右金員は同町に歳入すべき金員ではなく、また右両名から寄付採納願の申出もない。したがつて、地方自治法二三一条による調定、納入の通知もなされていないから、右歳入に計上した処分は違法である。 (3) (イ)足寄町町長(当時被告が在任していた)は、昭和四〇年一二月一四日、D、E、Fとの間で、右三名各所有の別紙第四目録記載の土地(各一二〇坪づつ)と同第三目録記載の土地との交換契約を締結した。 (ロ) しかし、別紙第三目録記載の土地は、前記(1)(ロ)の交換契約により同町が同第一目録記載の土地との交換に雪印乳業株式会社から取得したとされている同第二目録記載の土地の一部である。したがつて、右雪印乳 しかし、別紙第三目録記載の土地は、前記(1)(ロ)の交換契約により同町が同第一目録記載の土地との交換に雪印乳業株式会社から取得したとされている同第二目録記載の土地の一部である。したがつて、右雪印乳業株式会社との交換契約は前記理由により無効であるから、右D外二名との交換契約によつて、同第三目録記載の土地の所有権が右D外二名に移転することはない。 (ハ) また、右D外二名との交換契約については、同町議会の議決を経ていないから、地方自治法二三七条二項に違反し、無効である。 (ニ) さらに、別紙第四目録記載の土地は、もと被告の所有地であつたのを、前記D外二名が買い受けたものであるところ、被告が当時同町の町長の地位にあつたことを利用して、自己の利益のため右土地の代替地として同第三目録記載の土地と交換したものであつて、形式的には、右D外二名と同町との土地交換契約となつているが、実体は同町町長であつた被告が登記簿上自己所有名義となつている同第四目録記載の土地と同町が雪印乳業株式会社より取得したとされている同第三目録記載の土地とを交換したものであつて、これは職員の行為を制限する地方自治法二三八条の三に違反して無効である。 (四) したがつて、被告の前記公金の支出は違法であり、被告は右支出によつて足寄町に対し右発行費用と同額の一八、五〇〇円の損害を与えたものである。 (五) そこで原告は、昭和四一年一月二六日足寄町監査委員に対し、前記発行費用の支出について監査請求を行つたが、同委員は、同年三月二五日「地方自治法二四二条一項の規定外および同条二項の規定該当により却下する」旨の通知を発し、右通知はそのころ原告に到達した。 (六) しかしながら、前記広報の内容が虚偽の事実を記載したものであることは、昭和四〇年一二月二四日の足寄町議会における「昭和四〇年度足寄都市計 る」旨の通知を発し、右通知はそのころ原告に到達した。 (六) しかしながら、前記広報の内容が虚偽の事実を記載したものであることは、昭和四〇年一二月二四日の足寄町議会における「昭和四〇年度足寄都市計画中部土地区画整理事業特別会計予算」の議決制定により、はじめて町民に明らかとなつたものであるから、前記監査請求の日が広報発行費用支出の日から一年を経過していたとしても、原告には、地方自治法二四二条二項但書の正当事由がある。 3 (一)原告は、昭和三九年八月二二日、足寄町町長Bを被告として、釧路地方裁判所に「土地交換処分の行政措置と、これに伴う町議会の議決取消」を求める行政訴訟を提起した(同庁昭和三九年(行ウ)第三号事件。なお、右訴訟は、昭和四一年一月一五日休止満了により訴えの取下が擬制され、終了した。)。 (二) 当時同町町長であつた被告は、右応訴費用(報酬、旅費等)として、昭和三九年一二月三日I弁護士に一七〇、〇〇〇円、昭和四〇年七月一五日指定代理人A助役に四、九〇〇円、同年八月一九日同助役に五、三〇〇円、指定代理人G係長に四、九〇〇円の合計一八五、一〇〇円を同町町費から支出させて、同人らに支払つた。 (三) しかしながら、地方自治法二四二条の二の住民訴訟に関する応訴費用は、当該地方公共団体が被告となる場合をのぞぎ、当該職員が個人で負担すべきものである。 このことは、昭和三八年五月一六日付、自治省行発第四一号、行政課長から福島県総務部長宛の弁護士料を含む応訴費用に対する回答(甲第七号証)、および本件訴訟の応訴費用に対する昭和四一年一〇月二四付十勝支庁長から足寄町町長宛の北海道地方課長からの移達回答(甲第一二号証)によつて確認されている。 したがつて、前記応訴費用の支出は違法であり、これによつて足寄町は右支出額と同額の一八五、一〇〇円の損失を受け から足寄町町長宛の北海道地方課長からの移達回答(甲第一二号証)によつて確認されている。 したがつて、前記応訴費用の支出は違法であり、これによつて足寄町は右支出額と同額の一八五、一〇〇円の損失を受け、被告は同金額相当の不当な利得を得たものである。 (四) そこで原告は、昭和四一年一月二六日足寄町監査委員に対し、前記応訴費用の支出について監査請求を行つたが、同委員は、同年三月二五日「支出完了年月日は昭和三九年一二月三日であり、地方自治法二四二条二項の規定に該当する」との理由で却下する旨の通知を発し、右通知はそのころ原告に到達した。 (五) しかし、原告が、前記応訴費用が支出されたことを知つたのは、ずつと後のことであり、支出当時は知らなかつたものである。 足寄町の一町民である原告が右支出を当時知らなかつたことはやむをえないことである。 したがつて、原告には、同法二四二条二項但書の正当理由がある。 4 よつて原告は被告に対し、足寄町を代位して、前記2については、不法行為による損害賠償請求として、一八、九四六円、3については、不当利得による返還請求として一八五、一〇〇円、合計二〇四、〇四六円を同町に支払うよう求める。 二、請求原因に対する認否1 請求原因1の事実は認める。 2 請求原因2の(一)のうち、被告が発行させたとの点をのぞき、その余の事実は認める。広報の発行責任者は、当時町助役であつたAであつて、被告は右発行には関与していない。 2の(二)の事実は認める。前記特集号は、足寄町住民に町行政を周知させるための純然たる広報活動として発行されたものである。 2の(三)のうち(1)の(イ)、(ハ)、(2)の(イ)、(ロ)の事実、(3)の(ロ)のうち、別紙第三目録記載の土地が同第二目録記載の土地の一部であること、(ハ)のうち議決を経ていないこと、(ニ)のう の(三)のうち(1)の(イ)、(ハ)、(2)の(イ)、(ロ)の事実、(3)の(ロ)のうち、別紙第三目録記載の土地が同第二目録記載の土地の一部であること、(ハ)のうち議決を経ていないこと、(ニ)のうち別紙第四目録記載の土地がもと被告の所有であり、D外二名が買受けたことは認める。その余の事実は否認し、法律上の主張は争う。 2の(四)は争う。正当な支出である。 2の(五)の事実は認める。 2の(六)のうち、昭和四〇年一二月二四日の足寄町議会において、原告主張の予算の議決のなされたことは認めるが、その余は否認する。 3 請求原因3の(一)の事実は認める。しかし、右訴の被告の表示は「被告足寄町長B」であり、また、請求の趣旨は「被告Bは昭和三九年三月二四日の足寄町議会に議案第四六号『二級国道拡巾舗装工事施行に伴う土地交換処分の行政措置について』を提出して原案どうりの議決をさせたが、これを取消す。訴訟費用は被告の負担とする。」というものであつた。原告が右の訴により求めようとしていたのは、住民訴訟における行政処分たる当該行為の取り消しまたは無効確認であつたと考えられるが、右請求の趣旨によると議会の議決の取り消しを求めるかの如く受け取られるものであつたため、当時足寄町々長であつた被告としては、右訴は、被告個人または機関である足寄町々長Bを相手方としたものではなく、足寄町を相手方として提起されたものと考え、これに応訴したものである。 3の(二)のうち、I弁護士に対する応訴費用支出の点およびその余の各指定代理人に原告主張の旅費が支出されていることは認めるが、右指定代理人に対する支出が右事件の応訴費用として支出されたものかどうかは知らない。 3の(三)は争う。甲第七号証は、昭和三八年六月八日公布法九九号による改正前の地方自治法二四三条の二(すなわち旧法)により、機 に対する支出が右事件の応訴費用として支出されたものかどうかは知らない。 3の(三)は争う。甲第七号証は、昭和三八年六月八日公布法九九号による改正前の地方自治法二四三条の二(すなわち旧法)により、機関または職員の不法財産処分に基づく場合において、機関または職員が被告となつた場合についてのものである。前記事件の被告の場合は右に該当しない。 3の(四)の事実は認める。 3の(五)の事実は否認する。 三、抗弁かりに、釧路地方裁判所昭和三九年(行ウ)第三号事件の応訴費用を被告が負担すべきものであつたとしても、現在においては、被告にはなんらの利益も現存していない。したがつて、地方自治法二四二条の二、一項但書後段により、被告に返還義務はない。 四、抗弁に対する認否否認する。 第三、証拠(省略)○ 理由一、原告が足寄町の住民であることは当事者間に争いがない。 二、そこで、まず、原告の本件訴の適否について検討する。 原告が昭和四一年一月二六日足寄町監査委員に対して本件広報発行および行政訴訟への応訴に基づく足寄町長被告の不当支出に関する監査請求をしたのに対し、同監査委員が同年三月二五日付で、右広報発行費用については、監査請求の対象となりえず、また当該行為のあつた日から一年経過後になされたものであり、右応訴費用についても支出完了日から一年経過後になされたものであるとの理由で、いずれも却下したことは当事者間に争いがない。 1 本件広報発行費用について、原告が主張する如く被告が右広報を自己の違法行為をおゝいかくすための宣伝として虚偽の記事を掲載し、もつぱら被告の個人的利益のために発行したものとすれば、被告は右行為によつて足寄町に対し右同額の損害を与えたことになり、原告は地方自治法二四二条の二、一項四号によつて損害賠償請求の訴を提起することができるものであり、し 益のために発行したものとすれば、被告は右行為によつて足寄町に対し右同額の損害を与えたことになり、原告は地方自治法二四二条の二、一項四号によつて損害賠償請求の訴を提起することができるものであり、したがつてまた、同法二四二条一項にいう違法な公金の支出というべく、同項に該当せずとして監査委員が本件監査請求を却下したのは違法というべきである。 2 監査請求の期間が徒過したとの点について(一) 本件広報発行費が昭和三九年三月一二日ころ支出されたことは当事者間に争いがないから、本件監査請求は右支出行為のあつた日から一年経過後になされたことは明らかであるが、成立に争いのない甲第一号証の二ないし八、同第二号証の一ないし三、同第三号証の一ないし一〇、同第四号証の一ないし四、同第五、六号証、同第一一ないし第一三号証、同第一五ないし第一八号証、同第二三号証、乙第九号証、(甲第一号証の三ないし五、七、同第二号証の一、同第三号証の一、四ないし六、九、同第四号証の一ないし三、同第五、六号証、同第一七号証、乙第九号証については原本の存在についても争いがない)、原告本人尋問の結果および弁論の全趣旨を総合すると、後記認定のような足寄町駅前通りの改良工事に際して、同町々長であつた被告がとつた措置に関し、原告は当初から疑惑をいだき、原告の発行する「とかち新聞」紙上でとりあげ、右被告の行為について監査請求をしたこともあること、それに対し被告においても本件広報特集号を発行したが、原告は当時その内容が事実に反する点があるのではないかと考えていたものの、その確信をいだくまでにはいたつていなかつたこと、さらに被告は原告を相手として、昭和三九年に前記新聞記事によつて名誉を毀損されたという理由で損害賠償請求の訴を提起し、右訴については、昭和四〇年一月二三日被告は後記工事に伴う潰地およ いなかつたこと、さらに被告は原告を相手として、昭和三九年に前記新聞記事によつて名誉を毀損されたという理由で損害賠償請求の訴を提起し、右訴については、昭和四〇年一月二三日被告は後記工事に伴う潰地およびその代替地に関し、従来町長としてとつた手続が土地区画整理法に則つてなされた正式なものでないことを認め今後正式な手続によつて処理するよう努力すること等を内容とする裁判上の和解が成立したこと、しかし右努力がなされずに昭和四〇年一二月二四日の同町議会によつて、昭和四〇年度足寄都市計画中部土地区画整理事業特別会計補正予算が議決されたが、後記認定の潰地補償費について前記特集号にあるような特別会計を設けて事業費に充てられることなく、その一部が被告に還付されることとなり、こゝに原告は前記特集号に虚偽の記載があることを確知したことが認められ、右のような経過および本件事案の性質からして本件特集号の内容が虚偽であり、被告が自己の利益のために発行したものであることは一般住民がたやすくこれを知り得なかつたことは明らかであるから、本件支出行為があつた日から一年を経過した後の昭和四一年一月二六日に監査請求をしたことについて原告に地方自治法二四二条二項たゞし書にいう「正当な理由」があるというべきである。 (二) また、原告が昭和三九年八月二二日原告主張の行政訴訟を提起したこと、右訴訟は昭和四一年一月一五日休止満了により訴の取下が擬制されて終了したこと、右応訴費用として昭和三九年一二月三日I弁護士に対し一七〇、〇〇〇円が町費から支払われたこと、昭和四〇年七月一五日A助役に四、九〇〇円、同年八月一九日同助役に五、三〇〇円、G係長に四、九〇〇円が町費から支払われたことについては当事者間に争いがなく、成立に争いのない甲第二五号証によれば、右A、Gに対する支出は、前記訴訟の応訴費 円、同年八月一九日同助役に五、三〇〇円、G係長に四、九〇〇円が町費から支払われたことについては当事者間に争いがなく、成立に争いのない甲第二五号証によれば、右A、Gに対する支出は、前記訴訟の応訴費用としてなされたものであることが認められ、本件監査請求は、I弁護士に対する費用支払いの日から一年経過後になされたが、他の支出のなされた日からは一年経過していないことが明らかである。 ところで、ある訴訟に対する応訴費用の支出については、個々の支出が行われた日ではなく、その支出を一連のものとみてその訴訟に関して最終的な支出のなされた日をもつて、地方自治法二四二条二項にいう「当該行為の・・・・・・終つた日」として、その日から一年の期間を起算するものと解するのが相当であるから、本件監査請求は右期間内になされたものというべきである。 (三) そうすると、監査委員が本件監査請求を地方自治法二四二条二項に基づき却下したのは違法である。 3 したがつて、本件において原告は、監査委員が監査請求のあつた日から六〇日以内に監査または勧告を行わない場合に該当するものとして、裁判所に出訴することができるものと解すべきであるから、本件訴はいずれも適法である。 三、次に、不法行為による損害賠償請求(請求原因2の主張)について判断する。 1 足寄町が、同町として町民に周知させることが町民の利益となることを知らせるため、広報機関誌「広報あしよろ」を発行していたこと、被告が同町町長に在任中であつた昭和三九年三月一二日、請求原因2の(二)、(1)ないし(3)記載のような内容の同日付「広報あしよろ」特集号第二集が、発行所・足寄町役場、編集・広報係、発行人・Aとして発行され、同町内全世帯に配付されたこと、そのころ右発行費用一八、九四六円が同町々費から支出されたことについては当事者間に争いが 」特集号第二集が、発行所・足寄町役場、編集・広報係、発行人・Aとして発行され、同町内全世帯に配付されたこと、そのころ右発行費用一八、九四六円が同町々費から支出されたことについては当事者間に争いがない。 2 成立に争いのない甲第三号証の七、八、同第一五、一六号証、同第一九ないし第二一号証、同第二三号証、原本の存在および成立に争いのない甲第一号証の三ないし五、七、同第三号証の四ないし六、九、同第五、六号証、公文書であることから、真正に成立したものと推定される甲第九号証、および証人A重夫、同Hの各証言、原告本人尋問の結果ならびに弁論の全趣旨によれば、(一) 足寄町は、昭和三三年ころから、二級国道弟子屈・帯広線の足寄駅前通りの改良工事(拡巾・舗装)の施行を希望し、北海道開発局帯広開発建設部に対し、その旨の陳情を繰り返していたところ、翌三四年に入つて同建設部から「路面拡巾に伴い支障家屋があり、かつ敷地となるベき用地の取得上の問題もありかなりの難行を予想されるが、これ等を同町の責任において解決するならば同建設部において工事施行に努力する。支障物件と用地問題の解決の見通しにつき回報を得たい」旨の照会にせつし、同町としては右用地問題について同町が責任をもつて解決する旨回答し、なお同建設部と折衝をつゞけていたこと、同年五月に同町町長に就任した被告においても、右工事施行の実現を期し、土地・家屋移転について同町で解決するため、右工事により潰地予定地とされた土地の所有者である雪印乳業株式会社(以下「雪印」という)等と交渉を進めたが、被告としては前記建設部の照会の趣旨が、予算の関係上道路敷地を寄付してもらえるなら早期施行が可能である旨のものと解釈し、右土地を同町で取得したうえ国に寄付する予定でいたこと、右工事にともなう潰地には、雪印、Cおよび被告所有地が該当 が、予算の関係上道路敷地を寄付してもらえるなら早期施行が可能である旨のものと解釈し、右土地を同町で取得したうえ国に寄付する予定でいたこと、右工事にともなう潰地には、雪印、Cおよび被告所有地が該当し、雪印・C両者は金銭補償でなく代替地の提供を強く希望したので、被告所有地をも含め、対価交換による代替地を提供することとしたが、右道路工事にともない玉川木工場が別紙第四目録記載の土地(以下「本件土地四」という)に移転拡張することとなつたので、同地を占有使用していたD・E・F等も移転をよぎなくされ、これらの問題を解決するため、潰地となる部分だけでなく、それ以上の土地について交換することにしたこと(なお、本件土地四は、被告名義の登記がなされていたが、現実には前記三名の所有になつていたこと-この点は当事者間に争いがない)、ところで、昭和三三年ころ、利別川の国有河岸地であつた別紙第一目録記載の土地(以下「本件土地一」という)が、同町に下付される見込みが明確になつていたので、同町としては、本件土地一と雪印所有の前記漬地となる部分を含む別紙第二目録記載の土地(以下「本件土地二」という)とを、前記Dら三名所有の本件土地四と本件土地二の一部である別紙第三目録記載の土地(以下「本件土地三」という)とを、それぞれ対価交換することとし、その坪数の決定については、開発建設部に土地二の評価を依頼した際、同建設部は近傍地における取引事例を回答したのみで、実際に評価はしなかつたが、右回答を参考にしたこと、右公用廃止地は同町が土地区画整理事業施行者となることを前提として下付されることとなつていたので、右交換についての話し合いは、将来区画整理事業の中で、正式に決定されるものであつたが、右決定を得る前に前記Dらは本件土地三に移転し使用収益を開始したこと、以上の交換計画については ととなつていたので、右交換についての話し合いは、将来区画整理事業の中で、正式に決定されるものであつたが、右決定を得る前に前記Dらは本件土地三に移転し使用収益を開始したこと、以上の交換計画については、前記公用廃止地の下付の正式決定をみていなかつたこともあつて、同町議会の正式な議決を得ることができなかつたものの、昭和三五年六月二七日同議会協議会に諮つてその了承を受けたこと、一方、開発建設部としては、前記照会は道路用地の寄付を求めたのではなく、工事にともなう家屋移転、土地買収についての一般的協力を要請したにすぎず、いずれは補償費を支払う予定であつたこと、同建設部は、雪印、C、被告から昭和三五年四月二六日付の起工承諾書を提出させたうえ、同地の取得問題解決前に工事に着手したこと、昭和三六年四月二八日および同年八月四日の二回にわたつて雪印、C、被告に対し、原告主張の金額の潰地補償費を支払つたこと(この点については当事者間に争いがない)、被告としては前記のとおり交換の話し合いがついており、いずれ土地区画整理事業の認可がおりれば潰地は同町のものとなることになつており、右雪印ら三名もそれについて異存がなかつたため、右三名の委任状を提出し、同町町長として右補償金を受領し、整理事業認可後の事業費にあてるため同町で保管していたこと、同年一二月九日付で同町と雪印間の前記本件土地一と本件土地二との交換契約について、正式にその旨の合意が得られたこと、その後、被告は昭和三九年三月二七日、同町議会に右土地交換等に関する議案を提出したが、種々の問題が生じ、翌二八日撤回したこと、本件公用廃止地は、昭和三五年一一月一九日同町に下付された(この点については当事者間に争いがない)が、右廃止地の処分および前記のごとき土地交換は、土地区画整理事業の認可を得てやるべきことであつて、 本件公用廃止地は、昭和三五年一一月一九日同町に下付された(この点については当事者間に争いがない)が、右廃止地の処分および前記のごとき土地交換は、土地区画整理事業の認可を得てやるべきことであつて、以上の措置は手続的に問題のあること。 (二) 同町の広報誌「広報あしよろ」は、その発行についての規定は設けられてはいなかつたが、毎年そのための予算がくまれ、それに基づいて発行され費用が支出されていたこと、発行責任者は助役であつて、通常係のものが作成した文案について、町長からクレームがつけられることはなかつたこと、前記特集号も右のような通常の経過で作成されたものであつて、町長であつた被告の指示によつて発行されたものではなく、(一)で認定した問題について、原告が編集・発行していた「とかち新聞」に大きく取りあげられたため、同町として事の真相を町民に知らせる必要を感じ、当時助役をしていたAの責任のもとで、記事を作成し、一応被告の了承を得たものの、その訂正等を命ぜられることもなく発行されたものであること、が認められ、右認定に反する証拠はない。 しかし、以上の事実と原告が請求原因2の(二)(1)ないし(3)で指摘する部分を比較しても、一部に編集者の一方的な解釈、表現の適切でない点がみられるものの、右記載内容の大筋は右認定事実に合致しているものというべく、さらに、その発行手続も通常の経過をたどつていて、特に町長であつた被告の指示に基づいて発行されたものといえないこと前示のとおりであるから、以上の事実をもつてしては、未だ原告主張のように、被告が自己の違法行為をおゝいかくすための宣伝として、ことさらに虚偽の内容の記事を掲載して、発行配布せしめたものということはできず、他に原告の右主張事実を認めるに足りる証拠はない。 3 そうすると、右特集号第二集の発行費用一八、 くすための宣伝として、ことさらに虚偽の内容の記事を掲載して、発行配布せしめたものということはできず、他に原告の右主張事実を認めるに足りる証拠はない。 3 そうすると、右特集号第二集の発行費用一八、九四六円を町費から支出した被告の行為はなんら違法ということはできず、原告の本件請求は、この点においてすでに理由がない。 四、つぎに不当利得返還請求(請求原因3の主張)について判断する。 1 原告が、昭和三九年八月二二日、釧路地方裁判所に対し「足寄町長B」を被告として、「土地交換処分の行政措置と、これに伴う町議会の議決取消」を求める行政訴訟(同庁同年(行ウ)第三号)を提起し、右訴訟は、昭和四一年一月一五日休止満了により訴の取下が擬制され終了したことについては、当事者間に争いがない。 2 原本の存在および成立に争いのない乙第一ないし第九号証によると、前記行政訴訟事件の訴状記載の請求の趣旨は「被告Bは、昭和三九年三月二四日の足寄町議会に議案第四六号『二級国道拡巾舗装工事施行に伴う土地交換処分の行政措置について』を提出して原案どおり議決させたが、これを取消す。」というのであり、被告の釈明に答えた昭和三九年九月一八日付準備書面には「議決の取消しといえども、その議決取消しの議案を町議会に提出しなければならないが、被告にはその議案提出権があるのだから、この請求は当然のことである」旨の記載があり、さらに昭和四〇年三月二二日付訴状変更申立書の請求の趣旨は「被告は、昭和三九年三月一二日付をもつて足寄町役場が発行した『広報あしよろ』の記事中・・・・・・の文言は取消すべし。被告は、昭和三九年三月二四日の足寄町議会に議案第四六号『二級国道拡巾舗装工事施行に伴う土地交換処分の行政措置について』を提出して議決させたが、これは無効とする。被告は、現在足寄町役場が歳入歳出外の現 告は、昭和三九年三月二四日の足寄町議会に議案第四六号『二級国道拡巾舗装工事施行に伴う土地交換処分の行政措置について』を提出して議決させたが、これは無効とする。被告は、現在足寄町役場が歳入歳出外の現金として保管中の、帯広開発建設部からB、雪印乳業株式会社、Cらに支払われた土地代金を各名儀人に引渡すべし。被告は、昭和三九年一〇月三一日の足寄町議会に行政訴訟事件費用二〇万円の支出を議決させたが、これは無効とする。被告は、昭和四〇年二月一〇日付をもつて足寄町役場が発行した『広報あしよろ』の記事中『民事訴訟事件臨時法廷で和解』と題する記事全文を取消すべし」というのであること、および右準備書面、訴状変更申立書のいずれにも被告として「足寄町長B」とあることが認められる。 以上の事実に前示争いのない事実をあわせ考えると、原告の提起した右行政訴訟は、足寄町町長(当時本件被告が在任)を相手方とした、地方自治法二四二条の二、一項二号の訴である(右訴として適法であるかは別にして)ものと解するのが相当である。 3 ところで、地方自治法二四二条の二、一項二号の訴において、その被告とされるのは当該行政処分をなした行政庁または行政機関であるが、右行政庁あるいは行政機関は本来行政処分の効果の帰属する主体ではなく、その帰属主体である国または公共団体の一機関にすぎないのであるが、訴を提起する者の便宜と、攻撃防禦方法を尽させ、裁判の適正・迅速を期するうえで望ましいといつた観点から、被告適格を認められたものであること、同二号で訴えられている行政庁または行政機関を構成する者が交替したときは、新構成員が当然にその訴訟を承継すべきものであること、右訴に応訴することもその職務執行の一部と考えうること等の点から考えて、同号に基づき訴えられている町長の応訴費用は当該町において負担すべきも きは、新構成員が当然にその訴訟を承継すべきものであること、右訴に応訴することもその職務執行の一部と考えうること等の点から考えて、同号に基づき訴えられている町長の応訴費用は当該町において負担すべきものと解するのが相当である。確かに原告主張のごとく、行政実例中には、応訴費用を町で負担することができないとするものがみられるが、当裁判所に顕著である昭和四二年一月五日自治行第二号福井地方裁判所長宛回答によれば、右実例は本件とは事案を異にすることがうかゞえ、さらに右実例のごとく解さねばならない合理的根拠を見い出しがたいので、原告の主張を採るをえない。 4 そうすると、本件不当利得返還請求についても、さらに判断をすゝめるまでもなく理由のないこと明らかである。 五、よつて、原告の本訴請求はいずれも失当としてこれを棄却し、訴訟費用の負担について、民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官山中紀行菅野孝久赤塚信雄)(別紙省略)
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