- 1 -令和4年10月18日東京地方裁判所刑事第3部宣告令和4年刑第474号、第702号、第1203号各詐欺被告事件 主文 被告人両名をそれぞれ懲役3年に処する。 被告人両名に対し、この裁判が確定した日から5年間、それぞれその刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人両名は、中小企業庁が所管する持続化給付金制度を利用して同給付金の名目で現金をだまし取ろうと考え第1 C、D、E、F、G及び氏名不詳者らと共謀の上、令和2年7月16日、いずれかの場所において、氏名不詳者が、インターネット回線に接続されたパーソナルコンピューター又は携帯電話機等を使用して、同庁から同給付金申請の審査等について業務委託を受けた一般社団法人Xが開設した給付申請用ホームページに接続し、真実は、Gが平成30年12月14日に開業したサービス業を営む個人事業者であり同事業の前年同月比の事業収入が50%以上減少した月があるなどの事実が存在しないのに、同事実が存在し、同給付金の給付要件を満たすかのように装い、Gが同日に開業したサービス業を営む個人事業者であり、前年の年間事業収入が165万4056円、売上減少の対象月が4月、売上減少の対象月の月間事業収入が0円、売上減少の対象月の前年売上額が13万7838円であるなどの虚偽の情報を入力し、同入力内容に沿う内容虚偽の所得税確定申告書の控え、売上台帳等の画像データを添付し、これらを送信して同給付金の給付申請をし、その頃、東京都内、千葉県内又は愛知県内において、X事務局長補佐Yら審査担当者にこれらを閲覧させ、同給付申請が給付要件を満たす個人事業者からの正当な給付申請であると誤信させ、Yに、Gに- 2 -対する同給付金100万円の給付を決定させ いて、X事務局長補佐Yら審査担当者にこれらを閲覧させ、同給付申請が給付要件を満たす個人事業者からの正当な給付申請であると誤信させ、Yに、Gに- 2 -対する同給付金100万円の給付を決定させ、よって、令和2年7月27日、Xから業務委託を受けた株式会社Zの担当者に、株式会社a銀行l支店に開設されたG名義の普通預金口座に現金100万円を振込入金させ(令和4年5月30日付け追起訴状、第1)第2 C、D、E、F、G、H及び氏名不詳者らと共謀の上、令和2年7月20日、いずれかの場所において、氏名不詳者が、インターネット回線に接続されたパーソナルコンピューター又は携帯電話機等を使用して、前記給付申請用ホームページに接続し、真実は、Hが平成30年5月9日に開業したサービス業を営む個人事業者であり同事業の前年同月比の事業収入が50%以上減少した月があるなどの事実が存在しないのに、同事実が存在し、同給付金の給付要件を満たすかのように装い、Hが同日に開業したサービス業を営む個人事業者であり、前年の年間事業収入が189万1565円、売上減少の対象月が4月、売上減少の対象月の月間事業収入が0円、売上減少の対象月の前年売上額が15万7630円であるなどの虚偽の情報を入力し、同入力内容に沿う内容虚偽の所得税確定申告書の控え、売上台帳等の画像データを添付し、これらを送信して同給付金の給付申請をし、その頃、東京都内、千葉県内又は愛知県内において、前記Yら審査担当者にこれらを閲覧させ、同給付申請が給付要件を満たす個人事業者からの正当な給付申請であると誤信させ、令和2年7月27日、Yに、Hに対する同給付金100万円の給付を決定させ、よって、同月28日、前記株式会社Zの担当者に、株式会社b銀行に開設されたH名義の通常貯金口座に現金100万円を振込入金させ(令和 年7月27日、Yに、Hに対する同給付金100万円の給付を決定させ、よって、同月28日、前記株式会社Zの担当者に、株式会社b銀行に開設されたH名義の通常貯金口座に現金100万円を振込入金させ(令和4年3月28日付け追起訴状)第3 C、D、E、F、I及び氏名不詳者らと共謀の上、令和2年7月23日、いずれかの場所において、氏名不詳者が、インターネット回線に接続されたパーソナルコンピューター又は携帯電話機等を使用して、前記給付申請用ホームページに接続し、真実は、Iが平成30年12月3日に開業したサービス業を営む個人事業者であり同事業の前年同月比の事業収入が50%以上減少した月が- 3 -あるなどの事実が存在しないのに、同事実が存在し、同給付金の給付要件を満たすかのように装い、Iが同日に開業したサービス業を営む個人事業者であり、前年の年間事業収入が189万1059円、売上減少の対象月が4月、売上減少の対象月の月間事業収入が0円、売上減少の対象月の前年売上額が15万7588円であるなどの虚偽の情報を入力し、同入力内容に沿う内容虚偽の所得税確定申告書の控え、売上台帳等の画像データを添付し、これらを送信して同給付金の給付申請をし、その頃、東京都内、千葉県内又は愛知県内において、前記Yら審査担当者にこれらを閲覧させ、同給付申請が給付要件を満たす個人事業者からの正当な給付申請であると誤信させ、令和2年7月29日、Yに、Iに対する同給付金100万円の給付を決定させ、よって、同月30日、前記株式会社Zの担当者に、株式会社c銀行m支店に開設されたI名義の普通預金口座に現金100万円を振込入金させ(令和4年5月30日付け追起訴状、第2)第4 C、D、E、F、J及び氏名不詳者らと共謀の上、令和2年7月24日、いずれかの場所において、氏名不詳者が、イン 金口座に現金100万円を振込入金させ(令和4年5月30日付け追起訴状、第2)第4 C、D、E、F、J及び氏名不詳者らと共謀の上、令和2年7月24日、いずれかの場所において、氏名不詳者が、インターネット回線に接続されたパーソナルコンピューター又は携帯電話機等を使用して、前記給付申請用ホームページに接続し、真実は、Jが平成30年12月7日に開業したサービス業を営む個人事業者であり同事業の前年同月比の事業収入が50%以上減少した月があるなどの事実が存在しないのに、同事実が存在し、同給付金の給付要件を満たすかのように装い、Jが同日に開業したサービス業を営む個人事業者であり、前年の年間事業収入が165万2405円、売上減少の対象月が4月、売上減少の対象月の月間事業収入が0円、売上減少の対象月の前年売上額が13万7700円であるなどの虚偽の情報を入力し、同入力内容に沿う内容虚偽の所得税確定申告書の控え、売上台帳等の画像データを添付し、これらを送信して同給付金の給付申請をし、その頃、東京都内、千葉県内又は愛知県内において、前記Yら審査担当者にこれらを閲覧させ、同給付申請が給付要件を満たす個人- 4 -事業者からの正当な給付申請であると誤信させ、令和2年7月30日、Yに、Jに対する同給付金100万円の給付を決定させ、よって、同月31日、前記株式会社Zの担当者に、株式会社c銀行n支店に開設されたJ名義の普通預金口座に現金100万円を振込入金させ(令和4年3月4日付け起訴状、第1)第5 C、D、E、F、K及び氏名不詳者らと共謀の上、令和2年7月24日、いずれかの場所において、氏名不詳者が、インターネット回線に接続されたパーソナルコンピューター又は携帯電話機等を使用して、前記給付申請用ホームページに接続し、真実は、Kが平成30年12月2日に開 、いずれかの場所において、氏名不詳者が、インターネット回線に接続されたパーソナルコンピューター又は携帯電話機等を使用して、前記給付申請用ホームページに接続し、真実は、Kが平成30年12月2日に開業したサービス業を営む個人事業者であり同事業の前年同月比の事業収入が50%以上減少した月があるなどの事実が存在しないのに、同事実が存在し、同給付金の給付要件を満たすかのように装い、Kが同日に開業したサービス業を営む個人事業者であり、前年の年間事業収入が180万5699円、売上減少の対象月が4月、売上減少の対象月の月間事業収入が0円、売上減少の対象月の前年売上額が15万474円であるなどの虚偽の情報を入力し、同入力内容に沿う内容虚偽の所得税確定申告書の控え、売上台帳等の画像データを添付し、これらを送信して同給付金の給付申請をし、その頃、東京都内、千葉県内又は愛知県内において、前記Yら審査担当者にこれらを閲覧させ、同給付申請が給付要件を満たす個人事業者からの正当な給付申請であると誤信させ、令和2年7月30日、Yに、Kに対する同給付金100万円の給付を決定させ、よって、同月31日、前記株式会社Zの担当者に、株式会社d銀行o支店に開設されたK名義の普通預金口座に現金100万円を振込入金させ(令和4年5月30日付け追起訴状、第3)第6 C、D、E、F、L及び氏名不詳者らと共謀の上、令和2年7月29日、いずれかの場所において、氏名不詳者が、インターネット回線に接続されたパーソナルコンピューター又は携帯電話機等を使用して、前記給付申請用ホームページに接続し、真実は、Lが平成30年12月5日に開業したサービス業を営む個人事業者であり同事業の前年同月比の事業収入が50%以上減少した月が- 5 -あるなどの事実が存在しないのに、同事実が存在し、同給付金の 実は、Lが平成30年12月5日に開業したサービス業を営む個人事業者であり同事業の前年同月比の事業収入が50%以上減少した月が- 5 -あるなどの事実が存在しないのに、同事実が存在し、同給付金の給付要件を満たすかのように装い、Lが同日に開業したサービス業を営む個人事業者であり、前年の年間事業収入が159万5456円、売上減少の対象月が4月、売上減少の対象月の月間事業収入が0円、売上減少の対象月の前年売上額が13万2954円であるなどの虚偽の情報を入力し、同入力内容に沿う内容虚偽の所得税確定申告書の控え、売上台帳等の画像データを添付し、これらを送信して同給付金の給付申請をし、その頃、東京都内、千葉県内又は愛知県内において、前記Yら審査担当者にこれらを閲覧させ、同給付申請が給付要件を満たす個人事業者からの正当な給付申請であると誤信させ、令和2年8月3日、Yに、Lに対する同給付金100万円の給付を決定させ、よって、同月4日、前記株式会社Zの担当者に、株式会社c銀行p支店に開設されたL名義の普通預金口座に現金100万円を振込入金させ(令和4年5月30日付け追起訴状、第4)第7 C、D、E、F、M及び氏名不詳者らと共謀の上、令和2年7月30日、いずれかの場所において、氏名不詳者が、インターネット回線に接続されたパーソナルコンピューター又は携帯電話機等を使用して、前記給付申請用ホームページに接続し、真実は、Mが平成30年10月16日に開業したサービス業を営む個人事業者であり同事業の前年同月比の事業収入が50%以上減少した月があるなどの事実が存在しないのに、同事実が存在し、同給付金の給付要件を満たすかのように装い、Mが同日に開業したサービス業を営む個人事業者であり、前年の年間事業収入が189万8108円、売上減少の対象月が4月、売上減少の対 いのに、同事実が存在し、同給付金の給付要件を満たすかのように装い、Mが同日に開業したサービス業を営む個人事業者であり、前年の年間事業収入が189万8108円、売上減少の対象月が4月、売上減少の対象月の月間事業収入が0円、売上減少の対象月の前年売上額が15万8175円であるなどの虚偽の情報を入力し、同入力内容に沿う内容虚偽の所得税確定申告書の控え、売上台帳等の画像データを添付し、これらを送信して同給付金の給付申請をし、その頃、東京都内、千葉県内又は愛知県内において、前記Yら審査担当者にこれらを閲覧させ、同給付申請が給付要件を満たす個人事業者からの正当な給付申請であると誤信させ、令和2年8月6日、Yに、- 6 -Mに対する同給付金100万円の給付を決定させ、よって、同月7日、前記株式会社Zの担当者に、株式会社c銀行q支店に開設されたM名義の普通預金口座に現金100万円を振込入金させ(令和4年3月4日付け起訴状、第2)もってそれぞれ人を欺いて財物を交付させた。 (量刑の理由)本件は、被告人両名を含む投資グループのメンバーらが、感染症拡大で特に大きな影響を受けた事業者に対する支援を目的とした持続化給付金制度について、申請名義人となる者を勧誘して内容虚偽の申請をし、給付金をだまし取ることを繰り返した事案である。被告人らは、名義人の勧誘、確定申告書の作成、申請手続行為などを役割分担の上、勧誘した大学生等を名義人として内容虚偽の申請手続を繰り返し、だまし取った給付金から報酬を得ていた。困窮した事業者を救済するための制度を悪用し、職業的に繰り返した、利欲的で、狡猾な犯行であり、悪質である。本件起訴に係る被害は、7件分の給付、合計700万円であり、多額である。国税局職員であった経験を有する被告人Aは、内容虚偽の確定申告書の作成を担当し、金 した、利欲的で、狡猾な犯行であり、悪質である。本件起訴に係る被害は、7件分の給付、合計700万円であり、多額である。国税局職員であった経験を有する被告人Aは、内容虚偽の確定申告書の作成を担当し、金融機関に勤務していた経験を有する被告人Bは、申請手続を担当した。被告人両名は、1件当たり、それぞれ5万円の報酬を約束されて犯行を繰り返し、実際にこれを得ていたというのであり、グループが多数の犯行を効率的に行うため、中心的役割を果たした。被告人両名の刑事責任は重く、厳しい非難が向けられるべきである。 他方、被害全額を名義人となった共犯者が利得した判示第3、第6の犯行については、その共犯者において被害の全額を返還していること、残りの第1、第2、第4、第5、第7の犯行については、被告人両名と同じく中心的役割を果たした共犯者Dの3名で被害の全額を等分に負担して返還したこと(一人当たりの負担額は合計211万円余り。)、被告人両名は、上位者の指示を受けて犯行に及んだものであること、それぞれ、290万円を関わりのある地方自治体に寄附したこと、素直に罪を認めて反省の態度を示したこと、前科がないこと、父が監督を誓ったことなど、酌むことができる事情が認められる。そこで、被告人両名をそれぞれ主文の刑に処- 7 -するが、その刑の執行を猶予するのが相当と判断した。 (求刑被告人両名に対しそれぞれ懲役4年)令和4年10月18日東京地方裁判所刑事第3部 裁判官深野英一
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