平成16(行ウ)110 固定資産審査決定取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成18年9月8日 東京地方裁判所 租税
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判決文本文34,213 文字)

主文 被告が原告に対して平成15年12月18日付けでした別紙物件目録記載の各土地の固定資産課税台帳に登録された平成6年度の価格についての審査の申出に対する決定のうち,同目録記載1の土地の価格が22億9782万2340円を超える部分及び同目録記載2の土地の価格が3億8050万0270円を超える部分をいずれも取り消す。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は,これを50分し,その49を原告の負担とし,その余は被告の負担とする。 事実 及び理由第1請求被告が原告に対して平成15年12月18日付けでした別紙物件目録記載の各土地の固定資産課税台帳に登録された平成6年度の価格についての審査の申出に対する決定を全部取り消す(訴状記載の上記決定の日付は「平成15年12月8日」とされているが,誤記と認める。 。)第2事案の概要本件は,東京都千代田区所在の土地の共有者の1人である原告が,固定資産課税台帳に登録された同土地の平成6年度の価格について,適正な時価を上回る違法なものであると主張して,被告に対して審査の申出をし,これを棄却する旨の決定を受けたため,その取消しを求める訴えを提起したところ,同決定を取り消す旨の判決がされ,その後同判決が確定したため,被告から上記登録価格を減額する旨の決定を受けたものの,減額後の価格もなお適正な時価を上 回る違法なものであると主張して,同決定の取消しを求める事案である。 法令及び通達の定め等(1)土地の評価に関する法令の規定等ア固定資産税は,固定資産に対し,その所有者(質権又は100年より永い存続期間の定のある地上権の目的である土地については,その質権者又。 。)(,は地上権者とする以下同じに課する地方税である地方税法342条)。 ,343条1項土地に対し 100年より永い存続期間の定のある地上権の目的である土地については,その質権者又。 。)(,は地上権者とする以下同じに課する地方税である地方税法342条)。 ,343条1項土地に対して課する基準年度の固定資産税の課税標準は当該土地の基準年度に係る賦課期日(当該年度の初日の属する年の1月1日。本件では,平成6年1月1日である。同法359条)における価格,,「」,(,すなわち適正な時価で土地課税台帳又は土地補充課税台帳以下これらを併せて土地課税台帳というに登録されたものである同法「」。)(341条5号,349条1項。 )イ市町村長(東京都の特別区においては,東京都知事。地方税法734条1項以下同じは固定資産の状況及び固定資産税の課税標準である固。 。),定資産の価格を明らかにするため,固定資産課税台帳(土地課税台帳,家屋課税台帳等)を備えなければならない(同法349条1項,380条1項。 )ウ固定資産課税台帳に登録される価格以下登録価格というの決定(「」。)に際しての固定資産の評価については,総務大臣(平成6年当時においては自治大臣以下同じが評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続,。 。)を定め告示しなければならないとされ地方税法388条1項前段こ,(),の規定に基づき,固定資産評価基準(昭和38年12月25日自治省告示 。 「」。)。 ,第158号以下評価基準というが告示されている市町村長は評価基準によって,固定資産の価格を決定しなければならない(同法403条1項。 )評価基準の取扱いに関しては自治事務次官の依命通達固定資産評価,(「基準の取扱いについて」昭和38年12月25日自治乙固発第30号。以下「取 を決定しなければならない(同法403条1項。 )評価基準の取扱いに関しては自治事務次官の依命通達固定資産評価,(「基準の取扱いについて」昭和38年12月25日自治乙固発第30号。以下「取扱通達」という)が発せられている。 。 なお,総務大臣は,市町村長に対して,固定資産の評価に関する資料の作成又は助言による技術的援助を与えなければならないとされているが同法388条4項この規定は総務大臣に市町村の徴税吏員又は固(),,,定資産評価員を指揮する権限を与えるものと解釈してはならないとされている(同法402条。 )エ市町村長は,固定資産評価員から所定の手続による評価調書を受理したときは,これに基づいて毎年3月31日(平成6年当時においては,毎年2月末日)までに評価基準によって土地の価格等を決定し(地方税法410条直ちにこれを土地課税台帳に登録しなければならない同法411),(条1項。 )(2)評価基準が定める土地の評価方法の概要ア土地の評価は,田,畑,宅地等の現況による地目別に行う。このうち宅地とは,建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地をいうこととされている。 宅地の評価は,各筆の宅地についての評点数を付設し,当該評点数を評点1点当たりの価額に乗じて各筆の宅地の価額を求める方法による。 イ各筆の宅地の評点数は,市町村の宅地の状況に応じ,主として市街地的形態を形成する地域における宅地については市街地宅地評価法によっ,「」て付設する。 ウ「市街地宅地評価法」による宅地の評点数の付設の手順(ア)宅地を商業地区,住宅地区,工業地区,観光地区等に区分し,当該各地区について,街路の状況,公共施設等の接近の状況,家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等からみて相当に相違する地域ごとに 手順(ア)宅地を商業地区,住宅地区,工業地区,観光地区等に区分し,当該各地区について,街路の状況,公共施設等の接近の状況,家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等からみて相当に相違する地域ごとに区分し(,「」以下上記のとおり区分される状況が類似した地域を状況類似地区という当該地域の主要な街路に沿接する宅地のうち奥行間口形。),,,,状等の状況が当該地域において標準的なものと認められる標準宅地を選定する。 (イ)上記の標準宅地について,売買実例価額を基に,正常な条件の下において成立する正常売買価格を評定して,適正な時価を求め,これに基づいて当該標準宅地の沿接する主要な街路について路線価を付設する。 (ウ)次に,主要な街路以外の街路の路線価を付設する。その際には,主要な街路の路線価と比較して,価格形成原因となる街路条件,交通接近条件,環境条件,行政的条件等の差異を比準表に基づき格差率に置き換え,その格差率を主要な街路の路線価に乗じて,路線価を付設する。 (エ)そして,各筆の宅地の評点数は,その沿接する路線価を基礎とし,各筆につき評価の対象とすべき画地を認定し,奥行のある画地,正面と側面あるいは裏面等に路線がある画地等の状況に従って,所定の補正を加える方式(画地計算法)を適用して付設する。 (3)平成6年度の評価替えに関する通達等ア自治事務次官は,平成6年度評価替えに当たり,取扱通達を一部改正する旨の通知(平成4年1月22日自治固第3号。以下「7割評価通達」という)を各都道府県知事あてに発した。 。 7割評価通達の骨子は,土地の評価は,売買実例価額から求める正常売買価格に基づいて適正な時価を評定する方法によるものであるとしていた従前の取扱通達に,宅地の評価に当たっては,地価公示法による地価公示価格,国土利用 子は,土地の評価は,売買実例価額から求める正常売買価格に基づいて適正な時価を評定する方法によるものであるとしていた従前の取扱通達に,宅地の評価に当たっては,地価公示法による地価公示価格,国土利用計画法施行令による都道府県地価調査価格及び不動産鑑定士又は不動産鑑定士補による鑑定評価から求められた価格を活用することとしこれらの価格の一定割合当分の間この割合を7割程度とするを,(。)めどとするというものである。 イそして,自治省税務局資産評価室長は,地価変動に伴う鑑定評価価格の修正について平成6年度評価替え土地に伴う取扱いについてと題,「()」する通知(平成4年11月26日自治評第28号)を各都道府県総務部長及び東京都主税局長あてに発した。 これは,平成6年度の評価替えは,平成4年7月1日を価格調査基準日として標準宅地について鑑定評価価格を求め,その価格の7割程度を目標に評価の均衡化及び適正化を図ることとしているが,最近の地価の下落傾向にかんがみ,同5年1月1日時点における地価動向も勘案し,地価変動に伴う修正を行うこととするというものである。 (4)東京都特別区における評価方法東京都特別区においては,前記のとおり,東京都知事が固定資産の価格を 決定するものとされ地方税法734条1項410条評価の方法につい(,),ては,評価基準及び7割評価通達を取り込んだ東京都固定資産(土地)評価事務取扱要領(昭和38年5月22日主課固発第174号主税局長決裁。以「」。)(「」。)下取扱要領という及び東京都土地価格比準表以下比準表というによることとされていた(以下,評価基準,取扱基準,7割評価通達,取扱要領及び比準表を総称して「評価基準等」という)。 前提事実証拠等により容易に認めることの 都土地価格比準表以下比準表というによることとされていた(以下,評価基準,取扱基準,7割評価通達,取扱要領及び比準表を総称して「評価基準等」という)。 前提事実証拠等により容易に認めることのできる事実は,その旨記載した。それ以外の事実は,当事者間に争いがない。 (1)当事者原告は,別紙物件目録記載1及び2の土地(以下,それぞれを「本件土地 本件土地2といいこれらを総称して本件各土地というの共」,「」,「」。)有持分1000分の575を有する者であり,本件各土地の固定資産税の納税義務者である(甲2,3,弁論の全趣旨。 )(2)本件各土地の概要本件土地1と本件土地2は隣接する土地であり,一体として利用されている。本件各土地の形状は,別紙図面のとおりであって,南東側が間口約18メートルで幅員約11メートルの道路に接面しており,奥行は約25メートルで,接面する道路から約13メートル奥まった地点で南西側が7メートル程度広くなっていて,背後部分の長さは約25メートルである。 ,,本件各土地のうち接面する道路からの距離が20メートル以内の部分は商業地域に指定され,容積率が500パーセントとされているが,それ以遠 の部分は,第2種住居地域に指定され,容積率は400パーセントとされている。このため,本件各土地の基準容積率は,約477パーセントとなっている。 本件各土地の上には,原告が共有持分を有する鉄骨鉄筋コンクリート造陸。(,,,)屋根地下1階付9階建の建物が建てられている甲416乙1819(3)東京都知事がした本件各土地の評価ア東京都知事は,本件各土地の平成6年度の価格を次のとおり決定し,これらの価格は平成6年3月31日付けで土地課税台帳に登録された甲,,(1。 )①本件土地1 知事がした本件各土地の評価ア東京都知事は,本件各土地の平成6年度の価格を次のとおり決定し,これらの価格は平成6年3月31日付けで土地課税台帳に登録された甲,,(1。 )①本件土地123億8511万0200円②本件土地23億9495万4410円イ東京都知事による本件各土地の評価の根拠は,次のとおりである(甲19,乙1,弁論の全趣旨。 )(ア)本件各土地の不動産登記簿上及び現況の地目はいずれも宅地であり,主として市街地的形態を形成する地域における宅地に該当する。 そこで,市街地宅地評価法により評価した。 (イ)本件各土地の付近は,日常生活圏の中心地で,概して街路沿いのみに多種類の店舗が連なっているが,高度商業地区や繁華街に比べて資本投下量が少ない店舗が連なっている地区に該当する。そこで,本件各土地が属する地域の用途地区区分を普通商業地区として評価した。 (ウ)上記普通商業地区について,状況類似地区ごとに区分した上で,本件各土地の所在する地区の標準宅地を選定すると,標準宅地は本件土地 1となる。 (エ)本件各土地は,鉄骨鉄筋コンクリート造地上9階建居宅事務所ビルの敷地として利用されている。 評価基準等では,画地の認定は,原則として土地課税台帳に登録された1筆の宅地を1画地とするものであるが,例外として,隣接する2筆以上の宅地にまたがり,恒久的建物が存在する土地等については,2筆以上の宅地を合わせて評価するものと規定している。 そこで,本件各土地は,隣接する2筆以上の宅地にまたがり恒久的建物が存在する土地として,1画地として評価する(以下,1画地として評価される本件各土地を「本件画地」という。 。)(オ)本件画地の正面路線の路線価は次のとおりである。 a本件土地1に沿接する主要な街路の路線価545万点 地として評価する(以下,1画地として評価される本件各土地を「本件画地」という。 。)(オ)本件画地の正面路線の路線価は次のとおりである。 a本件土地1に沿接する主要な街路の路線価545万点標準宅地に当たる本件土地1に係る適正な時価については,P1不動産鑑定士が行った価格調査基準日である平成4年7月1日時点の不動産鑑定価格910万円(甲19。以下,P1不動産鑑定士による同鑑定をP1鑑定というを活用するとともに同5年1月1日ま「」。),での6か月間の地価動向を勘案し,マイナス14.3パーセントの時点修正を行い,その7割程度の価格をもって545万点とし,同価格に基づいて路線価を付設した。 b本件画地に沿接する正面路線の路線価545万点上記主要な街路と本件画地に沿接する正面路線が一致するため,正面路線の路線価を545万点と付設した。 (カ)画地計算法に基づく算定結果は次のとおりである。 a正面路線から本件画地の奥行きは24.5メートルである。 b本件画地の単位地積当たりの評点528万6500点そこで,取扱要領付表1に基づき,奥行価格補正率0.97を正面,。 路線の路線価545万点に乗じて単位地積当たりの評点を算出したc本件土地1の評価額23億8511万0200円上記単位地積当たりの評点528万6500点に本件土地1の地積451.17平方メートルを乗じて総評点を23億8511万0205点と算出し,これに評点1点当たりの価格1.00円を乗じて,本(,)。 件土地1の評価額を算定したただし10円未満の端数切り捨てd本件土地2の評価額3億9495万4410円上記単位地積当たりの評点528万6500点に本件土地2の地積74.71平方メートルを乗じて総評点を3億9495万4415点と算出し,こ 数切り捨てd本件土地2の評価額3億9495万4410円上記単位地積当たりの評点528万6500点に本件土地2の地積74.71平方メートルを乗じて総評点を3億9495万4415点と算出し,これに評点1点当たりの価格1.00円を乗じて,本件土地2の評価額を算定した(ただし,10円未満の端数切り捨て。 )(4)本件訴訟に至る経過,,,,ア原告は上記(3)アの価格を不服として被告に対し平成6年5月2日地方税法432条1項に基づき,審査の申出(以下「本件審査申出」というをしたこれに対して被告は同9年2月7日付けで本件審査申出。)。 ,,を棄却する旨の決定(以下「第1次決定」という)をした(甲1)。 。 イ原告は平成9年5月6日上記(3)アの価格は適正な時価を上回る,,,「」として第1次決定の取消しを求める訴え以下前訴というを当庁,(「」。) に提起した。 前訴の第1審において,原告は,①東京都知事は,平成6年度の評価替えに当たり,7割評価通達により,土地の評価額を公示価格の13パーセント水準から一挙に70パーセント水準に大幅に引き上げたが,通達によるこのような大幅な評価割合の引上げは,租税法律主義に違反する,②市街地宅地評価法による評価は非科学的手法であるから,これによる評価はし意的なものというべきである,③標準宅地(本件土地1)の価格についてのP1鑑定には,取引事例の土地と本件各土地に類似性がなく,取引事例比較法を採用したことに誤りがあること,標準宅地の調査基準日及び時点修正率の認定に誤りがあること,継続賃料を採用する収益還元法は適正でないこと,還元利回りが過小であること,基準地との格差率に誤りがあること,基準地価格と地価公示価格を参考としたことに誤りがあることなど,多 認定に誤りがあること,継続賃料を採用する収益還元法は適正でないこと,還元利回りが過小であること,基準地との格差率に誤りがあること,基準地価格と地価公示価格を参考としたことに誤りがあることなど,多くの誤りがある,④東京都知事が価格の決定に用いている奥行価格補正率は,不平等で,不当なものである,⑤本件各土地の時価として求めるべき価格は,更地価格ではなく,建物の敷地としての土地価格でなければならない,⑥最有効使用の状態にある収益用不動産である本件各土地の評価は,収益還元法による収益価格によってされるべきである,⑦本件各土地の登録価格は,適正な時価を上回っているなどと多彩な主張を展開した(乙1)。 ウ当庁民事第2部は,平成13年2月20日,第1次決定を取り消す旨の判決(以下「前訴第1審判決」という)をした。 。 前訴第1審判決の示した理由は,①固定資産の「適正な時価」とは,客 観的な交換価値をいうものと解すべきである,②評価基準を適用し,7割評価による修正を経て算定された価格が賦課期日における客観的時価を上回らない限り,被告が行った第1次決定に違法があるとはいえない,③従前の評価額が時価に比して著しく低額であったとしても,そのような低い価格をもって地方税法及び評価基準の前提とする「適正な時価」であると解することはできないから,7割評価通達が租税条例主義に反するとはいえない,④当該土地上に建物が建築されている場合であっても,当該土地の価値は,当該土地上の建物の存在を所与の前提として評価すべきものではない,⑤評価基準における市街地宅地評価法は,全体として「適正な時価」への接近方法として合理的であって,地方税法の委任の趣旨に従ったものであるということができ,また,取扱要領及び比準表の定めも,全体として客観的時価への接近方法として合理性を 全体として「適正な時価」への接近方法として合理的であって,地方税法の委任の趣旨に従ったものであるということができ,また,取扱要領及び比準表の定めも,全体として客観的時価への接近方法として合理性を有する,⑥P1不動産鑑定士が求めた標準的画地の標準価格は,原告が依頼したP2不動産鑑定士による鑑定評価以下P2鑑定というを参考に検討しても適正とい(「」。),うべきである,⑦奥行価格補正率の定めは合理的なものと認めることができる,⑧本件土地1と相当の状況類似性があるものと認められる地価公示地(千代田×-××)の平成5年1月1日から同6年1月1日までの地価. ,下落率313パーセントは一応の規範性を有するものというべきであり標準宅地(本件土地1)の同5年1月1日から同6年1月1日までの地価下落率が3割を超えていなかったと断ずることは困難というべきである,⑨P1鑑定を前提とした第1次決定においては,本件各土地の容積率が実際には500パーセントを下回ることを勘案したものとは認められないと ころ,本件各土地を評価するに当たっては,標準的画地と容積率が異なることに伴う価格修正が少なくともマイナス3パーセント程度は必要である,⑩7割評価通達に従った場合に生ずる評価誤差の許容範囲は3割あるが,標準宅地(本件土地1)の同5年1月1日から同6年1月1日までの地価下落率が3割を超えない範囲にあるといえないこと及び容積率による減価補正を行っていないことからして,本件各土地に係る登録価格は客観的時価を超えていると認められるから,違法というべきである,⑪固定資産評価審査委員会の決定は,全体として1個で不可分なものであり,そのうちの価格に関する部分の一部のみを取り消すことは許されないとするものであった(乙1)。 エ原告及び被告が前訴第1 る,⑪固定資産評価審査委員会の決定は,全体として1個で不可分なものであり,そのうちの価格に関する部分の一部のみを取り消すことは許されないとするものであった(乙1)。 エ原告及び被告が前訴第1審判決に対してそれぞれ控訴したところ,控訴審である東京高等裁判所第17民事部は,平成13年12月26日,原告の控訴はその利益を欠く不適法なものであるから却下し,被告の控訴は理(「」。)。 由がないから棄却する旨の判決以下前訴控訴審判決というをした前訴控訴審判決の示した理由は,①固定資産評価審査委員会の審査決定取消訴訟においては,適正な時価が認定できる場合に,登録価格が適正な時価を超える部分だけを取り消す一部取消判決をすることができる場合もあると解されるが,本件では,登録価格が客観的時価を超えていることは認定することができても,適正な時価が幾らであるかを確定することはできないから,第1次決定を全部取り消すべきであるとした上で,前訴第1審判決の示した前記ウ①から⑩までの判断を引用し,さらに,②奥行価格補正率については,その見直しの状況及び本件に適用された奥行価格補正 率表と新たな補正率表との差で最大の格差は1.33倍にとどまるものであることも考えれば,旧補正率を適用したことは平等原則に違反しない,③本件各土地の評価基準日である平成5年1月1日から賦課期日である同6年1月1日までの地価の下落率が30パーセントを超える可能性のあることは否定できず,このことはまた,本件各土地についてP1鑑定の結果の約7割をもって決定された登録価格が賦課期日における適正な時価を超えていることを推認させる,④P1鑑定は,容積率による減価修正を行っていないが,P2鑑定は,本件各土地の容積率を477パーセントとした上で,標準的画地に対する格差修正を3パーセン ける適正な時価を超えていることを推認させる,④P1鑑定は,容積率による減価修正を行っていないが,P2鑑定は,本件各土地の容積率を477パーセントとした上で,標準的画地に対する格差修正を3パーセントとし,また,平成9年度における固定資産登録価格の決定に際し本件各土地の評価を行ったP3(,「」。)不動産鑑定士以下同不動産鑑定士の行った鑑定をP3鑑定というは,本件各土地の容積率は約480パーセントであるとした上で,4パーセントの減価修正をしていることから,同4年7月1日の本件各土地に関してP1鑑定の結果から更に少なくとも3パーセント程度の減価修正をする必要があった,⑤以上のとおり,本件各土地の同5年1月1日から同6年1月1日までの地価の下落率が30パーセントを超えている疑いがある上,P1鑑定による評価に更に3パーセント程度の減価補正をする必要もあると認められるから,その登録価格が適正な時価の範囲内にあることを認めることはできず,したがって,第1次決定は違法というべきであるとするものであった(乙2)。 オ前訴控訴審判決を不服として,原告は上告及び上告受理申立てを,被告,,,は上告受理申立てをしたが最高裁判所は平成15年9月30日付けで これらをいずれも退ける旨の決定(以下,これらの決定を併せて「前訴上告審決定」という)をした(乙3の1,3の2。 。 )カ前訴上告審決定を受けて,被告は,平成15年12月18日付けで,本(「」。)件各土地の価格を次のとおり減額する決定以下第2次決定というをした。 ①本件土地123億4134万6710円②本件土地23億8770万7540円第2次決定の示した理由は,①本件各土地の地価下落率については,前訴第1審判決において本件土地1の平成5年1月1日から同6年1 23億4134万6710円②本件土地23億8770万7540円第2次決定の示した理由は,①本件各土地の地価下落率については,前訴第1審判決において本件土地1の平成5年1月1日から同6年1月1,「日までの地価下落率が3割を超えていなかったと断ずることは困難というべきである」とされたことから,同期間における地価下落率を判定するに当たっては,地価公示地(千代田×-××)の同期間の下落率に基づくものとし,31.3パーセントの下落があったと認定する,②基準容積率の差に基づく標準的画地に対する格差修正については,前訴第1審判決においてP2鑑定及びP3鑑定が本件各土地の価格決定に当たっては容,「,,積率が500パーセントでないことに伴って3パーセント又は4パーセントの価格修正が必要であるとしていることからすれば,本件各土地を評価するに当たっては,標準的画地と容積率が異なることに伴う価格修正が,少なくともマイナス3パーセント程度は必要であるといわざるを得ない」とされまた前訴控訴審判決においても平成4年7月1日の本件各土,,,「地に関してP1鑑定の結果から更に少なくとも3パーセント程度の減価修正をする必要があったというべきである」とされたが,不動産の鑑定評価 において,標準的画地とは,対象不動産の近隣地域における標準的な使われ方をしている土地をいい,鑑定を行う人によってそのとらえ方は異なるのであって,標準的画地と本件各土地との基準容積率の差は,P2鑑定で. ,,は2295パーセントP3鑑定では約20パーセントであるのに対しP1鑑定では6.14パーセントであるから,減価補正は不要である,③固定資産評価は,7割評価通達により,適正な時価との比較では3割の余裕があるから,3割の余裕をもってしてもなお適正な時価 るのに対しP1鑑定では6.14パーセントであるから,減価補正は不要である,③固定資産評価は,7割評価通達により,適正な時価との比較では3割の余裕があるから,3割の余裕をもってしてもなお適正な時価を超える1.3パーセントについて,平成6年度の課税台帳に登録した価格を修正するというものであった(乙4)。 キ原告は,平成16年3月11日,第2次決定によって修正された後の価格もなお「適正な時価」を上回るものであるとして,第2次決定の取消しを求める本件訴訟を当庁に提起した(当裁判所に顕著な事実。 ) 争点 (1)第2次決定における本件各土地の価格が「適正な時価」を上回るか。 (2)原告の主張が前訴判決の拘束力に反するか。 (3)被告の主張が前訴判決の拘束力に反するか。 (4)原告の主張が権利濫用,信義則違反等により許されないか。 争点に関する当事者の主張の要旨(1)第2次決定における本件各土地の価格が適正な時価を上回るかについ「」て(争点(1))(原告の主張)ア7割評価通達の違憲性 憲法84条の要請により,租税債権の実体法的構成要件の重要部分は,行政機関の命令に委任することができないから,自治大臣の定める評価基準のうち,地方税法403条の委任を受けた範囲は,評価手続の部分のみである。 7割評価通達により,平成6年度から評価割合が公示価格の7割とされたが,評価割合は重要な課税実体法要件であり,何十年も行われてきた評価割合を一片の通達で変更することは,憲法84条に違反する。 イ収益還元法の採用の必要性日本不動産鑑定士協会と国土庁は,平成10年9月22日に,賃料収入の予測が可能な期間を想定し,各年度の純収益を予測し,かつ,想定保有期間の終了時の資産価格を求めた上で,それら各年の純収益と資産価格を各期ごとに現在価格に 国土庁は,平成10年9月22日に,賃料収入の予測が可能な期間を想定し,各年度の純収益を予測し,かつ,想定保有期間の終了時の資産価格を求めた上で,それら各年の純収益と資産価格を各期ごとに現在価格に割り戻した原状価格の総和を求める方式(DCF方式)を発表し,鑑定評価手法として初めて収益還元法が公式に採用されることになった。 土地基本政策が「所有から利用へ」と大きく転換し,不動産の価格決定プロセスも,国内外の投資家も,収益用不動産の取引価格の指標として収益価格を重視し,実際の売買に際してもそれを中心に価格が決定されている。 最有効使用の状態にある収益用不動産に関しては,現実の利用に基づいた収益構造を前提とした価格が,最も規範力がある形で確実に定着している。本件各土地は,最有効使用の状態にある収益用不動産であるから,収益還元法で評価するのが妥当である。 ウ更地評価の不当性本件各土地は,更地ではなく,建物の敷地であるから,建物の敷地としての土地価格が本件において求めるべき価格である。 P1鑑定は,更地として本件各土地を鑑定しているが,建物が存在する本件各土地を更地として評価するのは,非現実的である。更地の利用は,駐車場や資材置場くらいで,わずかの地代しか得ることができない。高い家賃は,建物の効用である。本件各土地を更地として評価することは,重要な経験則に違反する。 エ賃料水準の下落傾向の考慮の必要性賃料が下落傾向にある場合は,それは還元利回りに反映されなければな。 ,。 らない賃料が一定であるとして算出される収益価格は実質的ではない平成4年から同5年へ推移する際,賃料水準は急激に下落した。このような賃料の急激な下落傾向は,本件各土地の安全性プレミアムとして,加算されなければならない。 オ換金困難リスクの考慮の必要性一般的に, 4年から同5年へ推移する際,賃料水準は急激に下落した。このような賃料の急激な下落傾向は,本件各土地の安全性プレミアムとして,加算されなければならない。 オ換金困難リスクの考慮の必要性一般的に,不動産は即時の換金が困難であり,預貯金や国債等と比べると,相当の換金困難性がある。このようなプレミアムを還元利回りの中に加算すべきである。 カ不動産のその他リスクの考慮の必要性不動産には,不動産以外の一般的な投資対象と比較した場合,地震,火災その他の様々なリスクが存在する。当該不動産において傷害事件や殺人事件が発生しただけでも,換金が困難となる。本件各土地についても,こ のようなその他のリスクプレミアムを加算すべきである。 キ収益価格算出に還元利回りを用いることの不当性還元利回りは,不動産の収益性を表すものであり,金融市場における利子率等と密接な関連性を持っている。還元利回りは,長期投資商品の最も一般的なものである10年国債の流通利回りを基本利回りとして設定し,本件不動産の危険性,流動性及び管理困難性は,基本利回りを上げる要素として把握する。また,不動産価格の下落期は,資産安全性が基本利回りを上げる要素となる。 したがって,本件において,基本利回りを下回る還元利回りを採用して収益価格を算出することは,致命的な誤りである。P1鑑定は,収益価格を試算するのに3パーセントの利回りを用いているが,10年国債の流通利回り(5パーセント)よりも低い利回りを用いることは,不動産評価に関する上記の多くのプレミアムを無視するもので,専門的経験則に違背する違憲性の高い評価である。 ク鑑定のし意性行政鑑定では,不動産鑑定士への報酬が極端に安く,不動産鑑定士が十分な調査に基づく鑑定を行っていない。現地調査や取引事例調査等を現実に行っていないことも多く, 性の高い評価である。 ク鑑定のし意性行政鑑定では,不動産鑑定士への報酬が極端に安く,不動産鑑定士が十分な調査に基づく鑑定を行っていない。現地調査や取引事例調査等を現実に行っていないことも多く,行政鑑定書は,課税等の行政目的のために作出された「作文」である。低い鑑定をすれば,翌年度から鑑定の依頼がなくなるので,東京都の意向に逆らうことができる不動産鑑定士は,ほとんどいない。不動産鑑定士のほとんどは,官に依存した業務を行っているから,東京都の意向どおりに評価額を決定せざるを得ない。現在,固定資産 評価額で東京23区内の土地を売却するのが極めて困難であることが,その何よりの証拠である。 ケ取引事例選択の不当性P1鑑定は,3件の取引事例を採用している。これらは,平成3年12月から同4年1月という時価の極端に高い時期のサンプルをわずか3件だけ選択したものであって,本件各土地との類似性は何ら存在しない。取引時点が全く参考にならず,時点修正率も不十分である。仮に,本件各土地以外の取引事例が真に存在したとしても,本件各土地の個別要因の証明と,。 はならず本件各土地の客観的時価を科学的に証明したことにはならない,,,,,上記3件の取引事例は評価時点存在区域面積形状等の点において余りにも本件各土地と異別性があり,類似性又は相似性が全くない。 コ収益価格算出の根拠の欠落P1鑑定は,本件各土地の比準価格を1平方メートル当たり1010万円とし,収益価格を同575万円とした上で,全く意味のない理由を述べて,時価を910万円と算定している。本件各土地は収益用土地であるのに,なぜ収益価格ではいけないのかという点について,全く説明しておらず,時価を910万円と算定した根拠が不明である。 P1鑑定の評価は,白紙の理由付けで,1平方メート 。本件各土地は収益用土地であるのに,なぜ収益価格ではいけないのかという点について,全く説明しておらず,時価を910万円と算定した根拠が不明である。 P1鑑定の評価は,白紙の理由付けで,1平方メートル当たり910万円と評価するもので,全く根拠を欠く。 サ基準地価格の採用の不当性公示価格は時価を全く表していないのに,P1鑑定は,本件各土地の価()。 ,格を基準地千代田区×××の土地の公示価格に合わせているこれは 評価額を高くするために,基準地価格を引用しているにすぎない。 シ実勢の賃料等の額からのかい離収益還元法においては実際の賃料額を利用すべきであるところ,P1鑑定における収益価格の算出に用いられた賃料等は,平成6年1月1日当時の実勢価格から大きくかい離している。 ス収益還元価格の客観性の欠如P1鑑定で考慮された収益還元法においては,収益価格の算出に用いられた実際の賃料等の客観性を担保する計算書等が提出されておらず,収益還元価格の客観性が何ら証明されていない。 セ基準地価格との格差の根拠の欠如P1鑑定においては,基準地との格差が32パーセントであるとされているが,その内訳書が提出されておらず,格差を32パーセントとした根拠が不明であるソ奥行価格補正率の不当性(憲法14条違反)平成6年のビル街区の補正率表は,東京都が自治大臣の固定資産評価基準に先駆けて,従来から独自に定めた用途地域に設定したものであるが,東京都は,同9年に,ビル街区について,新たに設定された固定資産評価基準の高度商業地区のⅠの奥行価格補正率表の経過的な表を採用した。これにより,東京都の奥行補正率は,財産基本通達の補正率からのかい離率,. ,,が同6年の時点では最大で118であったものが同9年の時点では1.37に拡大している。 このように誤っ 採用した。これにより,東京都の奥行補正率は,財産基本通達の補正率からのかい離率,. ,,が同6年の時点では最大で118であったものが同9年の時点では1.37に拡大している。 このように誤った奥行価格補正率が採用されているため,最も高めに評 価されている土地は,最も低めに評価されている土地である「奥行きが長大な大規模な土地」と比較して,最大で60パーセントの誤差が生じている。本件各土地についても,最も低めに評価されている土地の奥行価格補正率に合わせて,平等に取り扱うべきである。 タ本件各土地の平成5年から同6年までの地価下落率本件各土地の平成5年1月1日から同6年1月1日までの地価の下落率は,31.3パーセントを下らないというべきである。 チ容積率による減価補正の必要性本件各土地の容積率は477パーセントであるから,容積率500パーセントの比較対象地の価格から最低3パーセントの減価をすべきである。 ツ不整型減価の必要性P1鑑定は,P2鑑定,P3鑑定,P4不動産鑑定士による鑑定(以下「」。)(「」P4鑑定という及びP5不動産鑑定士による鑑定以下P5鑑定というのいずれとも異なり本件土地1のみを鑑定し本件土地2を鑑。),,定していないが,2筆の土地を一団の土地として見た場合には,不整型地による評価減を個性率に反映すべきである。 東京都の依頼した鑑定評価書においても,個性率の内訳の中で,P3鑑定及びP4鑑定においては2パーセントの,P5鑑定においては5パーセントの減価がされている。P1鑑定は,長方形の本件土地1のみを鑑定の対象としたため,不整型による減価を怠ったのである。上記3つの鑑定評,。 価からでも最低で2パーセントの減価が必要であることが明らかである(被告の主張) ,。 ア原告の主張 のみを鑑定の対象としたため,不整型による減価を怠ったのである。上記3つの鑑定評,。 価からでも最低で2パーセントの減価が必要であることが明らかである(被告の主張) ,。 ア原告の主張のうちアからソまでについては不知又は否認若しくは争うイ原告の主張のうちタについて本件各土地周辺には,半径500メートルの範囲内に地価公示地(商業地)が2地点,東京都基準地(商業地)が3地点存在する。このうち,地価公示地2地点の平成5年1月1日から同6年1月1日までの地価下落率は30パーセントを超えず,東京都基準地3地点の同期間の地価下落率はおよそ26.5パーセントである。また,本件標準宅地の鑑定に当たり,(). 基準とされた東京都基準地千代田×-× の同期間の地価下落率は281パーセントである。 これらによれば,本件各土地の同期間の地価下落率が31.3パーセントを超えることはないということができる。 ウ原告の主張のうちチについて,,本件各土地の近隣地域における標準的画地を検討すると①近隣地域は本件各土地を中心にして,その前面の幅員約11メートルの区道沿いに南西方,北東方それぞれ100メートルの範囲内にあり,その行政的条件は商業地域と第2種住居地域にまたがっていること,②次に,近隣地域の中の土地利用状況を見ると,標準的使用は,標準的画地400ないし450平方メートル程度の事務所共同住宅併用ビルの敷地と判断され,その画地は近隣地域においては商業地域と第2種住居地域の2つの用途地域にまたがることが認められる。 このように標準的画地を商業地域と第2種住居地域にまたがる土地とした場合,基準容積率の差に基づく標準的画地に対する格差を,千代田区及 び中央区を担当する地価公示の区部第1分科会が100パーセントにつき5から10パーセントの格 第2種住居地域にまたがる土地とした場合,基準容積率の差に基づく標準的画地に対する格差を,千代田区及 び中央区を担当する地価公示の区部第1分科会が100パーセントにつき5から10パーセントの格差を目安にしていることを参考にすると,標準的画地(間口18メートル,奥行き25メートル,面積450平方メートル)の基準容積率が480パーセントであるのに対して,本件各土地の基準容積率は473.64パーセントと,その差は6.36パーセントであって,格差は0.31ないし0.63ポイントにすぎないから,格差はないというべきである。 エ原告の主張のうちツについてP1鑑定は,標準宅地として本件土地1のみをとらえているのであり,本件土地1は長方形の整形地であるから,不整型地補正をすべきであるとする原告の主張は失当である。 (2)原告の主張が前訴判決の拘束力に反するかについて(争点(2))(被告の主張)ア拘束力の及ぶ客観的範囲行政事件訴訟法33条1項は取消判決の拘束力として処分又は裁決,,「を取り消す判決は,その事件について,当事者たる行政庁その他の関係行政庁を拘束する」と規定する。 。 法が取消判決に拘束力を定めたのは,行政庁に,判決の判断内容を尊重し,以後その事件については判決の趣旨に従って行動することを義務付けるためである。しかし,そうであるからといって,適法と判断されたその他の事由について,判決の判断内容を尊重しなくてもいいということにはならない。当然,違法と判断された事由と同様に,裁判所の判決を遵守す ることが求められているのである。判決の拘束力が,処分又は裁決を違法とした場合に主に問題とされてきたのは,行政庁が,適法と判断された事由について,あえて判決に相反する内容で判断し直すことが実際には想定し難かったからにほかならない 判決の拘束力が,処分又は裁決を違法とした場合に主に問題とされてきたのは,行政庁が,適法と判断された事由について,あえて判決に相反する内容で判断し直すことが実際には想定し難かったからにほかならない。 したがって,取消判決の拘束力は,違法事由があるとされた部分のみならず,適法と判断されたその他の事由に対しても及ぶというべきである。 こうした結論が妥当性を有することは,最高裁昭和63年(行ツ)第10号平成4年4月28日第三小法廷判決・民集46巻4号245頁以下最(「高裁平成4年判決というが取消判決の拘束力は判決主文が導き」。)「(),出されるのに必要な事実認定及び法律判断にわたるものであるから,審判。」官は取消判決の右認定判断に抵触する認定判断をすることは許されないとしたことからも裏書きされる。なぜなら,判決主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断には,違法の判断のみならず適法の判断も当然含まれるところ,こうした認定判断に抵触する新たな認定判断をすることを同判例は禁じているということができるからである。 イ拘束力の及ぶ主観的範囲,,行政事件訴訟法33条1項によると取消判決の拘束力を受ける対象は取消訴訟の当事者たる行政庁及びその関係行政庁に限られている。したがって,原告は,文理上,取消判決の拘束力を直接受けることはない。 しかし,そうであるからといって,原告が前訴で主張したすべての争点について改めてその違法性を主張した場合,拘束力が及ばないことを理由に,裁判が完全に振出しに戻り,すべての争点について再度判断しなけれ ばならないことになれば,従前の裁判の実質的判断は全くの無為に帰することになり,訴訟経済に反することは極めて甚だしい。 最高裁平成4年判決は,審判官は再度の審判手続において,拘束力の及ぶ判決 ばならないことになれば,従前の裁判の実質的判断は全くの無為に帰することになり,訴訟経済に反することは極めて甚だしい。 最高裁平成4年判決は,審判官は再度の審判手続において,拘束力の及ぶ判決理由中の認定判断が誤りであるとして,従前と同様の主張を繰り返したり,そのような主張を裏付けるための新たな立証を許すべきでないと判示している。 そうすると,仮に,原告が前訴と同様の主張を繰り返したとしても,確定判決において適法と判断されている以上,行政庁としてはもはやこれに反する判断をすることは許されないのであるから,結果として,判決の拘束力は原告にも及んでいるということができる。 ウ本件に対する当てはめ以上に述べたことを前提に本件を検討すると,原告は,本件訴訟において,①7割評価通達の違憲性,②収益還元法の採用の必要性,③更地評価の不当性,④賃料水準の下落傾向の考慮の必要性,⑤換金困難リスクの考慮の必要性,⑥不動産のその他リスクの考慮の必要性,⑦収益価格算出に還元利回りを用いることの不当性,⑧鑑定のし意性,⑨取引事例選択の不当性,⑩収益価格算出の根拠の欠如,⑪基準地価格の採用の不当性,⑫実勢の賃料等の額からのかい離,⑬収益還元価格の客観性の有無,⑭基準地価格との格差の根拠の欠如,⑮奥行価格補正率の不当性,⑯本件各土地の平成5年から同6年までの地価下落率,⑰容積率による減価補正の必要性及び⑱不整型減価の必要性を第2次決定の違法事由として主張している。 これに対して,確定した取消判決は,<ア>固定資産の「適正な時価」と は,客観的な交換価値をいうものと解すべきである,<イ>評価基準を適用し,7割評価による修正を経て算定された価格が賦課期日における客観的時価を上回らない限り被告が行った決定に違法があるとはいえない<ウ,,>従前の評価額が のと解すべきである,<イ>評価基準を適用し,7割評価による修正を経て算定された価格が賦課期日における客観的時価を上回らない限り被告が行った決定に違法があるとはいえない<ウ,,>従前の評価額が時価に比して著しく低額であったとしてもそのような低,い価格をもって地方税法及び評価基準の前提とする「適正な時価」であると解することはできないから,7割評価通達が租税条例主義に反するとはいえない,<エ>当該土地上に建物が建築されている場合であっても,当該土地の価値は,当該土地上の建物の存在を所与の前提として評価すべきものではない,<オ>評価基準における市街地宅地評価法は,全体として「適正な時価」への接近方法として合理的であって,地方税法の委任の趣旨に,,,従ったものであるということができまた取扱要領及び比準表の定めも全体として客観的時価への接近方法として合理性を有する,<カ>P1不動産鑑定士が求めた標準的画地の標準価格は,原告が依頼したP2不動産鑑定士による鑑定評価を参考に検討しても,適正というべきである,<キ>奥行価格補正率の定めは合理的なものと認めることができる,<ク>7割評価通達に従った場合に生ずる評価誤差の許容範囲は3割あるが,本件各土地に係る標準宅地の平成5年1月1日から同6年1月1日までの地価下落率が3割を超えないとまでは認められないこと及び本件各土地に係る容積率による減価補正を前記評価誤差の許容範囲内においてすべて吸収することはできないから,本件各土地に係る登録価格は客観的時価を超えているものと推認するのが相当であるが,本件では,登録価格が客観的時価を超えていることは認定できても適正な時価が幾らであるか確定することはでき ないとして,<ア>ないし<キ>の事由については適法であるが,<ク>の事由については適法とはいえ ,登録価格が客観的時価を超えていることは認定できても適正な時価が幾らであるか確定することはでき ないとして,<ア>ないし<キ>の事由については適法であるが,<ク>の事由については適法とはいえないとして,結果として,第1次決定を全部取り消している。 そうすると,原告が本件訴訟において違法事由として主張するもののうち,①については<ウ>の判示部分において,②については<ア>の判示部分において,③については<エ>の判示部分において,④から⑥までについては<ア>及び<イ>の判示部分において,⑦から⑭については<カ>の判示部分において,⑮については<キ>の判示部分において,それぞれ既に判断されているのであるから,本件訴訟の中で,原告が上記主張をすることは,取消判決の拘束力に抵触し,許されないというべきである。 (原告の主張)ア拘束力の及ぶ客観的範囲最高裁平成4年判決によれば,拘束力は,判決主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断に生じることになる。また,課税処分取消判決の理由中において,具体的な所得額や税額についての判断がされている場合には,課税所得額及び税額が課税要件であるから,税額の判断に対しても拘束力を認めるべきことになる。 イ拘束力の及ぶ主観的範囲,,行政事件訴訟法33条1項によると取消判決の拘束力を受ける対象は取消訴訟の当事者たる行政庁及びその関係行政庁であって,原則的に,その他の者には,取消判決の拘束力は及ばない。 最高裁平成4年判決は,拘束力に従った審決を取り消した原審の判決を 法令違反として破棄した判決であり,飽くまで,原審の判断を違法と判断しただけであり,私人に対して拘束力が及ぶことを判断していない。したがって最高裁平成4年判決を拘束力が私人に対して反射的効力を有す,,「る」と理解することは ,飽くまで,原審の判断を違法と判断しただけであり,私人に対して拘束力が及ぶことを判断していない。したがって最高裁平成4年判決を拘束力が私人に対して反射的効力を有す,,「る」と理解することは誤りである。 ,,,したがって前訴判決について拘束力が発生していてもその拘束力は私人である原告には及んでいない。 ウ本件に対する当てはめ,,,本件では前訴判決の拘束力は①第1次決定は時価を超えていること②時価を超えている原因の1つは,地価下落率であり,31.3パーセント減価しなければならないこと,③もう1つの原因は,容積率であり,少,,. なくとも3パーセント減価しなけばならないこと④すなわち合計343パーセントを減価しなければならないことであるから,原告が前記主張をすることは,取消判決の拘束力に抵触しないというべきである。 このように,いずれにせよ,前訴判決の拘束力は,反射的にも原告に及ぶことはない。 (3)被告の主張が前訴判決の拘束力に反するかについて(争点(3))(原告の主張)ア拘束力の及ぶ範囲行政事件訴訟法33条1項は処分又は裁決を取り消す判決はその事,「,件について当事者たる行政庁その他の関係行政庁を拘束すると規定す,。」るそして最高裁平成4年判決は拘束力は判決主文が導き出される。 ,,「,のに必要な事実認定及び法律判断にわたる」と判断している。 最高裁平成4年判決にいう「判決主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断」には,控訴審判決が支持した第1審判決の主文を導く事実認定や法律判断も含まれる。したがって,控訴審において第1審判決の理由が明白に取り消された場合や,第1審判決と控訴審判決の理由に積極的な矛盾がある場合を除き,第1審の取消判決が控訴審判決によって支持され,確 判断も含まれる。したがって,控訴審において第1審判決の理由が明白に取り消された場合や,第1審判決と控訴審判決の理由に積極的な矛盾がある場合を除き,第1審の取消判決が控訴審判決によって支持され,確定した場合には,第1審判決の理由中の判断について拘束力が生じることになる。 イ容積率について前訴第1審判決は本件各土地を評価するに当たっては標準的画地と,「,容積率が異なることに伴う価格修正が,少なくともマイナス3パーセント程度は必要であると理由中で判断しまた前訴控訴審判決は平成4」,,,「年7月1日の本件各土地に関してP1鑑定の結果から更に少なくとも3パーセント程度の減価修正をする必要があった」と理由中で判断している。 これらからすると,両判決は,減価修正を行っていないP1鑑定を採用せず,更に少なくとも3パーセントの減価修正が必要であるとの判断をしたものである。これは,容積率の減価評価について,P3鑑定が4パーセント,P2鑑定が3パーセントの減価をすべきものと判断が分かれていた,。 のでこれをまとめて3パーセント程度とひとくくりに表現したのであるしたがって,この「少なくとも」という表現からすると,3パーセントを上回る減価修正をすべきことに拘束力が生ずる。 ウ地価下落率について前訴第1審判決は平成5年1月1日から同6年1月1日までの地価の,「 下落率31.3パーセントは一応の規範性を有する」と理由中で判断し,また前訴控訴審判決は本件各土地の評価基準日である平成5年1月1,,「日から賦課期日である同6年1月1日までの地価の下落率も30パーセントを超える可能性のあることを否定できず,このことはまた,本件各土地についてP1鑑定の結果の約7割をもって決定された登録価格が賦課期日における適正な時価を超えてい 日までの地価の下落率も30パーセントを超える可能性のあることを否定できず,このことはまた,本件各土地についてP1鑑定の結果の約7割をもって決定された登録価格が賦課期日における適正な時価を超えていることを推認させる」としている。 以上からすると,地価下落率について,前訴控訴審判決は前訴第1審判決を取り消しておらず,理由中の判断においても前訴第1審判決と積極的に矛盾した判断をしていない。 したがって,前訴第1審判決の地価下落率は31.3パーセントを下らないという判断について拘束力が発生している。 エまとめ以上によれば,前訴第1審判決及び前訴控訴審判決は,時価から減価する数値を合計34.3パーセントとする点について拘束力が生じており,31.3パーセントしか減価していない第2次決定は,上記の拘束力に従っていないことが明らかである。 (被告の主張)ア地価下落率について前訴控訴審判決は本件各土地の平成5年1月1日から同6年1月1日,「までの地価の下落率が30パーセントを超えている疑いがある」と判示しているにすぎず,第1審判決が判示した地価下落率31.3パーセントを是認していないから,前訴が地価下落率は31.3パーセントを下らない ことを判断しているとする原告の主張は誤りである。 そうすると,地価下落率に関して認められる前訴判決の拘束力は,飽くまで30パーセントを超えている疑いがあるというにとどまり,それ以上のものではないというべきである。 イ容積率について前訴控訴審判決は結論としてP1鑑定による評価に更に3パーセン,,「ト程度の減価補正をする必要もあると判示しているのであって少なく」,「とも」などとして限定はしていない。 そして,第2次決定と前訴判決の減価補正の差異の根底にある標準画地の基準容積率の相違は,これを5 減価補正をする必要もあると判示しているのであって少なく」,「とも」などとして限定はしていない。 そして,第2次決定と前訴判決の減価補正の差異の根底にある標準画地の基準容積率の相違は,これを500パーセントと見たか,480パーセント程度と見たかの相違にすぎないことにかんがみれば,この「3パーセント程度」の中には「0パーセント」の減価補正も結果として含まれていると見ることができる。 そうであるとすれば3パーセント程度の程度の中に0パーセ,「」「」「ント」の減価補正も結果として含まれていると解することに何らの問題もないというべきである。 ウまた,仮に,容積率による減価補正が必要であるとしても,上記のとおり前訴の判決は地価下落率について30パーセントを超えている疑,,,「いがある」と判示しているにすぎないところ,第2次決定は,31.3パーセントであることを認めて,従来の固定資産評価額を低めに評価し直しているのであるから,地価下落率による減価と容積率による減価は合わせて十分にされているというべきである。 (4)原告の主張は権利濫用,信義則違反等により許されないか。 (被告の主張)原告は,前訴において,不整型による減価の主張をすることが十分に可能であったにもかかわらず,これを主張しないまま弁論が終結され,判決が確定したという経緯があり,しかも,新しい違法事由の主張を禁じることによって,紛争の蒸し返しを防ぐという利点が認められるから,かかる主張は,権利濫用,信義則違反等を理由として禁じられるというべきである。 また,本件訴訟の審理の対象は,飽くまで当該固定資産の平成6基準年度の評価額が「適正な時価」であるか否かであり,その評価に当たって利用した鑑定評価書は最初の段階から開示されていたのである。そうである また,本件訴訟の審理の対象は,飽くまで当該固定資産の平成6基準年度の評価額が「適正な時価」であるか否かであり,その評価に当たって利用した鑑定評価書は最初の段階から開示されていたのである。そうであるとすれば,賦課期日から5ないし7年後の千代田区の商業用地の鑑定評価書が開示されなければ不整型減価の主張ができなかったとはいえないから,原告の主張は失当である。 (原告の主張)情報公開法が平成13年4月1日に施行され,原告は,平成11年分から同13年分の千代田区の商業用地の鑑定評価書の開示を求めた。しかしながら,平成13年7月16日に一部開示がされたものの,開示された鑑定評価書は黒塗り部分が多く,内容が不明であった。原告は,これに対して不服申立てを行い,同16年2月13日の答申を受けて,鑑定評価書のかなりの部。 ,分を見ることができたこれらの鑑定評価書を入手して分析した結果として不整型減価の主張をするに至ったのであって,信義則違反や権利濫用には当たらない。 第3争点に対する判断 原告の主張が前訴判決の拘束力に反するかについて(争点(2))事案にかんがみ,まず,争点(2)について判断する。 (1)本件訴訟において原告は①7割評価通達の違憲性②収益還元法の採,,,用の必要性,③更地評価の不当性,④賃料水準の下落傾向の考慮の必要性,,,⑤換金困難リスクの考慮の必要性⑥不動産のその他リスクの考慮の必要性⑦収益価格算出に還元利回りを用いることの不当性,⑧鑑定のし意性,⑨取引事例選択の不当性,⑩収益価格算出の根拠の欠如,⑪基準地価格の採用の,,,不当性⑫実勢の賃料等の額からのかい離⑬収益還元価格の客観性の有無⑭基準地価格との格差の根拠の欠如,⑮奥行価格補正率の不当性,⑯本件各土地の平成5年から同6年までの地価下落率, の採用の,,,不当性⑫実勢の賃料等の額からのかい離⑬収益還元価格の客観性の有無⑭基準地価格との格差の根拠の欠如,⑮奥行価格補正率の不当性,⑯本件各土地の平成5年から同6年までの地価下落率,⑰容積率による減価補正の必要性及び⑱不整型減価の必要性を主張して,第2次決定による変更後の本件各土地の価格は「適正な時価」を超えているから,第2次決定は違法である旨主張している。 (2)ところで前記前提事実のとおり原告は前訴の第1審においても本,,,,件訴訟とほぼ同様の多彩な主張を展開し,これに対して前訴第1審判決は,①固定資産の「適正な時価」とは,客観的な交換価値をいうものと解すべきである,②評価基準を適用し,7割評価による修正を経て算定された価格が賦課期日における客観的時価を上回らない限り,被告が行った第1次決定に違法があるとはいえない,③従前の評価額が時価に比して著しく低額であったとしても,そのような低い価格をもって地方税法及び評価基準の前提とする「適正な時価」であると解することはできないから,7割評価通達が租税 条例主義に反するとはいえない,④当該土地上に建物が建築されている場合であっても,当該土地の価値は,当該土地上の建物の存在を所与の前提として評価すべきものではない,⑤評価基準における市街地宅地評価法は,全体として「適正な時価」への接近方法として合理的であって,地方税法の委任の趣旨に従ったものであるということができ,また,取扱要領及び比準表の定めも,全体として客観的時価への接近方法として合理性を有する,⑥P1不動産鑑定士が求めた標準的画地の標準価格は,原告の依頼によるP2鑑定を参考に検討しても,適正というべきである,⑦奥行価格補正率の定めは合理的なものと認めることができる旨の判断をした。 そして,前記前提事 鑑定士が求めた標準的画地の標準価格は,原告の依頼によるP2鑑定を参考に検討しても,適正というべきである,⑦奥行価格補正率の定めは合理的なものと認めることができる旨の判断をした。 そして,前記前提事実のとおり,前訴控訴審判決は,固定資産評価審査委員会の審査決定取消訴訟においては,登録価格が適正な時価を超える部分だけを取り消す一部取消判決をすることができる場合もあると解されるが,本件では適正な時価が幾らであるかを確定することはできないから,第1次決定を全部取り消すべきであるとした上で,前訴第1審判決の理由のうち,上記①から⑦までの判断をいずれも引用し,さらに,奥行価格補正率が平等原則に違反しない旨の判断などを付け加えたものであり,前訴控訴審判決に対する不服は,前訴上告審決定によっていずれも退けられている。 したがって,上記①から⑦までの判断は,前訴控訴審判決及び前訴上告審決定において,いずれも支持されているものというべきである。 (3)そうすると,原告が本件訴訟において違法事由として主張するもののうち(1)①7割評価通達の違憲性については(2)③において(1)②収益,「」,「還元法の採用の必要性」については(2)①において,(1)③「更地評価の不当 性」については(2)④において,(1)⑮「奥行価格補正率の不当性」については(2)⑦において,それぞれ既に判断されていることが明らかである。 また(1)④賃料水準の下落傾向の考慮の必要性(1)⑤換金困難リス,「」,「クの考慮の必要性(1)⑥不動産のその他リスクの考慮の必要性(1)⑦収」,「」,「益価格算出に還元利回りを用いることの不当性(1)⑧鑑定のし意性(1)」,「」,⑨取引事例選択の不当性(1)⑩収益価格算出の根拠の欠如(1 慮の必要性(1)⑦収」,「」,「益価格算出に還元利回りを用いることの不当性(1)⑧鑑定のし意性(1)」,「」,⑨取引事例選択の不当性(1)⑩収益価格算出の根拠の欠如(1)⑪基「」,「」,「準地価格の採用の当否(1)⑫実勢の賃料等の額からのかい離(1)⑬収」,「」,「」「」益還元価格の客観性の有無及び(1)⑭基準地価格との格差の根拠の欠如については,結局のところ,P1不動産鑑定士が標準的画地の標準価格を求める際に基礎とした収益価格の還元利回り,取引事例の選択,基準地価格等の採用について合理性が欠けるとしたり,あるいは,P1鑑定自体がし意的なものであるとするものであっていずれも(2)⑥において既に判断されてい,るものというべきである。 (4)以上によれば第2次決定による変更後の本件各土地の価格が適正な時,「価を超えていることの根拠として原告が指摘する前記(1)の諸点のうち①」,から⑮までについては,いずれも前訴における争点として争われ,最終的に原告の主張が排斥されたものであるから,本件訴訟において原告がこれらの点を主張して争うことは,実質的に前訴の蒸し返しであって,信義則に違反し許されないと解するのが相当である。 被告の主張が前訴判決の拘束力に反するかについて(争点(3))(1)前記前提事実のとおり前訴第1審判決は①本件土地1と相当の状況類,,似性があるものと認められる地価公示地(千代田×-××)の平成5年1月 1日から同6年1月1日までの地価下落率31.3パーセントは一応の規範性を有するものというべきであり,標準宅地(本件土地1)の同5年1月1日から同6年1月1日までの地価下落率が3割を超えていなかったと断ずることは困難というべきである,②P1鑑定を セントは一応の規範性を有するものというべきであり,標準宅地(本件土地1)の同5年1月1日から同6年1月1日までの地価下落率が3割を超えていなかったと断ずることは困難というべきである,②P1鑑定を前提とした第1次決定においては,本件各土地の容積率が実際には500パーセントを下回ることを勘案したものとは認められないところ,本件各土地を評価するに当たっては,標準的画地と容積率が異なることに伴う価格修正が少なくともマイナス3パーセント程度は必要である,③7割評価通達に従った場合に生ずる評価誤差の許容範囲は3割あるが,標準宅地(本件土地1)の平成5年1月1日から同6年1月1日までの地価下落率が3割を超えない範囲にあるといえないこと及び容積率による減価補正を行っていないことからして,本件各土地に係る登録価格は客観的時価を超えていると認められるから,違法というべきであるとして,第1次決定を取り消したものである。 ,,,,また前記前提事実のとおり前訴控訴審判決は上記判断を引用した上さらに,④本件各土地の評価基準日である平成5年1月1日から賦課期日である同6年1月1日までの地価の下落率が30パーセントを超える可能性のあることは否定できず,このことはまた,本件各土地についてP1鑑定の結果の約7割をもって決定された登録価格が賦課期日における適正な時価を超えていることを推認させる,⑤P1鑑定は,容積率による減価修正を行って,,,いないがP2鑑定は本件各土地の容積率を477パーセントとした上で標準的画地に対する格差修正を3パーセントとし,また,平成9年度における固定資産登録価格の決定に際し本件各土地の評価を行ったP3不動産鑑定 士は,本件各土地の容積率は約480パーセントであるとした上で,4パーセントの減価修正をしていることから,平成4年 度における固定資産登録価格の決定に際し本件各土地の評価を行ったP3不動産鑑定 士は,本件各土地の容積率は約480パーセントであるとした上で,4パーセントの減価修正をしていることから,平成4年7月1日の本件各土地に関してP1鑑定の結果から更に少なくとも3パーセント程度の減価修正をする必要があった,⑥以上のとおり,本件各土地の平成5年1月1日から同6年1月1日までの地価の下落率が30パーセントを超えている疑いがある上,P1鑑定による評価に更に3パーセント程度の減価補正をする必要もあると認められるから,その登録価格が適正な時価の範囲内にあることを認めることはできない,したがって,第1次決定は違法というべきであるとして,原告及び被告の各控訴をいずれも退けたものであり,前訴控訴審判決に対する不服は,前訴上告審決定によっていずれも退けられている。 したがって,上記の諸点,すなわち,<ア>平成5年1月1日から同6年1月1日までの地価の下落率が30パーセントを超えている疑いのあること,及び<イ>本件各土地を評価するに際しては標準的画地と容積率が異なることに伴う減価補正として少なくとも3パーセント程度は必要であることは,判決主文が導き出されるのに必要な事実認定及び法律判断に当たるということができるから,これらの点について,前訴判決の拘束力が発生しており,前訴の取消判決の当事者である被告が,これらの判断に反する処分又は裁決をすることは,許されないというべきである(最高裁平成4年判決参照。 )(2)そこでまず第2次決定が前訴判決の拘束力のうち上記<ア>の点に反す,,るか否かについて検討すると,第2次決定は,本件土地1の平成5年1月1日から同6年1月1日までの地価の下落率が31.3パーセントであるとし,,,て東京都知事がした本件各土地の登 に反す,,るか否かについて検討すると,第2次決定は,本件土地1の平成5年1月1日から同6年1月1日までの地価の下落率が31.3パーセントであるとし,,,て東京都知事がした本件各土地の登録価格の決定を変更しておりこれは 上記<ア>の判断に沿ったものということができるから,第2次決定は,上記<ア>の点について生じた拘束力には反していないというべきである。 次に,上記<イ>の点について見ると,前記前提事実のとおり,第2次決定は,不動産の鑑定評価において,標準的画地とは対象不動産の近隣地域における標準的な使われ方をしている土地をいい,鑑定を行う人によってそのと,,らえ方は異なるのであって標準的画地と本件各土地との基準容積率の差はP2鑑定では22.95パーセント,P3鑑定では約20パーセントであるのに対し,P1鑑定では6.14パーセントであるから,減価補正は不要であるとしたものである。そこで,この点についてより詳細に検討すると,乙第4号証によると,第2次決定に係る決定書では,減価補正を行わない理由について,次のとおり記載されていることが認められる。 東京高裁判決でも判示しているようにP2鑑定及びP3鑑定とP1鑑「,『定との間に容積率を理由とする減価補正の要否について差異が生じたのは,比較の対象となる標準的画地の間口距離及び奥行距離の差異によるもの,すなわちP2鑑定及びP3鑑定はこれをいずれも20.0mとしていることによるもの』です。つまり,各鑑定においては,次のように標準的画地と本件各土地の容積率を設定しているため,減価補正の要否に差が生じています。 (ア)P2鑑定では,標準的画地の基準容積率が500%,本件各土地の基準容積率が477.05%ですので,標準的画地と本件各土地の基準容積率の差は22.95%となります。これ 否に差が生じています。 (ア)P2鑑定では,標準的画地の基準容積率が500%,本件各土地の基準容積率が477.05%ですので,標準的画地と本件各土地の基準容積率の差は22.95%となります。これにより,3%の減価修正を行っています。 (イ)P3鑑定では,標準的画地の基準容積率が500%,本件各土地の基 準容積率が約480%ですので,標準的画地と本件各土地の基準容積率の差は約20%となります。これにより,4%の減価修正を行っています。 ,. ,. (ウ)P1鑑定では標準的画地の間口距離を180m奥行距離を240mとしましたので,基準容積率は483.72%となります。本件各土地の基準容積率が477.58%ですので,標準的画地と本件各土地の基準容積率の差は6.14%となります。そのため,減価補正を不要としています。 東京高裁判決では本件で提出されている資料で標準画地の間口距離及び,『奥行き距離をP1鑑定のように想定することが適正なものであることは確定できず,むしろ二人の不動産鑑定士が一致してこれをいずれも20mと想定していることはこの点に関するP1鑑定の判断に問題があることを示唆するものであるとして少なくとも3%との結論を導いていますが前述の。』,『』,ように標準的画地とは概念的なものであり,土地の価格は標準的画地との相対的な比較により導き出されるものです。 P1鑑定において,標準的画地と本件各土地の基準容積率の差に関する減価補正は行っていませんが,標準的画地の価格を算定する際に,基準容積率. 。 ,,が48372%であることは既に加味されていますそこで当委員会は標準的画地と本件各土地の基準容積率の差が6.14%にとどまる場合においては減価補正をする必要はないと判断します」。 他方で,乙第2号証によると, %であることは既に加味されていますそこで当委員会は標準的画地と本件各土地の基準容積率の差が6.14%にとどまる場合においては減価補正をする必要はないと判断します」。 他方で,乙第2号証によると,前訴控訴審判決に係る判決書では,減価補正の要否について,次のとおり記載されていることが認められる。 「本件各土地は,幅員11mの道路に接する土地であり,道路から20m以 内については商業地域に属し,容積率は500%であるのに対し,道路から20m以遠は第二種住居地域に属しているから,容積率は400%であるところ,P1鑑定は,この点を理由とする減価補正はしていない。しかし,P2鑑定は,本件各土地の容積率を477%とした上で,標準的画地に対する格差修正率を3%とし,また,平成9年度における固定資産登録価格の決定に際し本件各土地の評価を行った不動産鑑定士P3は,本件各土地の容積率は約480%であるとした上で,4%の減価修正をしていることが認められる。 ,,. ところで1審被告はP1鑑定においては標準的画地の間口距離を180m,奥行距離を24.0mとしているため,標準的画地の基準容積率は483.72%となり,本件各土地と標準的画地の基準容積率の差は6.14%にしかならず,P1鑑定において格差率を0と認定したことは適正であると主張し,これに沿うP1作成の「標準宅地の容積率による減価補正について」と題する書面(乙50)を提出している。P2鑑定及びP3鑑定とP1鑑定との間に容積率を理由とする減価補正の要否について差異が生じたの,,は比較の対象となる標準的画地の間口距離及び奥行距離の差異によるものすなわちP2鑑定及びP3鑑定はこれをいずれも20.0mとしていることによるものである。そして,本件で提出されている資料で標準画地の間口距離及び奥行距離を 画地の間口距離及び奥行距離の差異によるものすなわちP2鑑定及びP3鑑定はこれをいずれも20.0mとしていることによるものである。そして,本件で提出されている資料で標準画地の間口距離及び奥行距離をP1鑑定のように想定することが適正なものであることを確定できず,むしろ二人の不動産鑑定士が一致してこれをいずれも20mと想定していることはこの点に関するP1鑑定の判断に問題のあることを示唆するものである。したがって,平成4年7月1日の本件各土地に関してP1 鑑定の結果から更に少なくとも3%程度の減価修正をする必要があったというべきである」。 以上によれば,前訴控訴審判決は,P1鑑定における標準的画地の想定に問題があることが示唆されているとして,P1鑑定の結果から更に少なくとも3パーセント程度の減価修正をする必要があった旨判断しているのに対し,第2次決定は,P1鑑定における標準的画地の想定には問題がないとして,減価補正の必要がないとしているのであるから,前訴判決について生じた拘束力に反するものというべきである。 (3)なお被告は仮に容積率による減価補正が必要であるとしても前訴,,,,控訴審判決は地価下落率について30パーセントを超えている疑いがあ,,「る」と判示しているにすぎないところ,第2次決定は,31.3パーセントであることを認めて,従来の固定資産評価額を低めに評価し直しているのであるから,地価下落率による減価と容積率による減価は合わせて十分にされているというべきである旨主張する。 しかしながら,上記のとおり,前訴控訴審判決は,P1鑑定の結果から更に少なくとも3パーセント程度の減価修正をする必要があった旨判断しているのであるから,前訴の当事者である被告は,かかる判断に拘束されることが明らかであり,他の事項につき 判決は,P1鑑定の結果から更に少なくとも3パーセント程度の減価修正をする必要があった旨判断しているのであるから,前訴の当事者である被告は,かかる判断に拘束されることが明らかであり,他の事項につき相応の考慮をしていることを理由に拘束力が及ばないなどとする被告の上記主張は失当であって,採用することができない。 原告の主張は権利濫用,信義則違反等により許されないかについて(争点(4)) 被告は,原告は,前訴において不整型による減価の主張をすることが十分に可能であったにもかかわらず,これを主張しないまま弁論が終結され,判決が確定したという経緯があるとした上で,本件訴訟の争点は,平成6年度の評価額が「適正な時価」であるか否かであり,その評価に当たって利用された鑑定評価書は最初の段階から開示されていたのであるから,賦課期日から5ないし7年後の千代田区の商業用地の鑑定評価書が開示されなければ不整型減価の主張ができなかったとはいえず,原告の主張は,権利濫用,信義則違反等を理由に許されないとする。 確かに,本件訴訟の争点は,平成6年度の評価額が「適正な時価」であるか否かであり,その評価に当たって利用されたP1不動産鑑定士作成の鑑定評価書は当初から開示されていたのであるから,平成16年2月13日の開示決定を受けて入手した鑑定評価書がなかったとしても,前訴において不整型減価の主張をすることは不可能とまではいえなかったものと認められる。 しかしながら,前訴及び本件訴訟の内容,殊に,事案の複雑性や専門性等を考慮すると,原告が本件訴訟に至って初めて不整型減価に関するP1鑑定の問題点についての主張をしたことは,やむを得ないものと認めるのが相当であるから,原告の主張が権利濫用,信義則違反等を理由に許されないとする被告の上記主張を採用することはできないとい 関するP1鑑定の問題点についての主張をしたことは,やむを得ないものと認めるのが相当であるから,原告の主張が権利濫用,信義則違反等を理由に許されないとする被告の上記主張を採用することはできないというべきである。 本件各土地の「適正な時価」について,「」(1)これまでに認定判断したところを踏まえて本件各土地の適正な時価について検討することとする。 前記認定判断によれば,原告が第2次決定による変更後の本件各土地の価 格が「適正な時価」を超えている根拠として挙げている18の点のうち,検討の対象とすべき点は,①本件各土地の平成5年から同6年までの地価下落率,②容積率による減価補正の必要性及び③不整型減価の必要性の3点ということになる。 このうち,まず,①の点について見ると,前訴第1審判決(乙1)においては,本件各土地の周辺(半径500メートル以内)において,平成5年度及び同6年度に商業地の地価公示地点であった地点は2地点(千代田×-××及び千代田×-××)存するところ,平成5年1月1日から同6年1月1日までの地価下落率は,それぞれ28.7パーセント及び31.3パーセントであり,また,P1鑑定において比準価格算定の基礎とされた千代田×-,. ,×の同期間における地価下落率は282パーセントであるとされた上で千代田×-××の地価公示地と本件土地1との間には相当の状況類似性があるものと認められるとして,千代田×-××の同期間における地価下落率31.3パーセントは一応の規範性を有するものというべきであるとされている。他方で,千代田×-×は,状況の類似性において千代田×-××よりも優れているものともいえず,千代田×-××は,本件土地1との状況の類似性を認めるに足りる証拠がないとしている。 以上の点に加えて,前記前提事実のとおり, ×は,状況の類似性において千代田×-××よりも優れているものともいえず,千代田×-××は,本件土地1との状況の類似性を認めるに足りる証拠がないとしている。 以上の点に加えて,前記前提事実のとおり,第2次決定において本件各土地の地価下落率が31.3パーセントとされたことを考慮に入れると,同期間の本件各土地の地価下落率は,31.3パーセントと認めるのが相当である。 次に,②の点について見ると,前記のとおり,前訴第1審判決及び前訴控 訴審判決は,いずれも本件各土地と標準的画地との容積率が異なることにより,少なくとも3パーセント程度の減価修正をする必要があった旨判断しており,また,証拠(乙1,2)によると,P2鑑定が3パーセント,P3鑑定が4パーセントの減価修正を行っていることが認められる。そうすると,本件各土地については,標準的画地と容積率が異なることにより,3パーセントの減価修正をするのが相当である。 最後に,③の点について見ると,前記前提事実のとおり,本件各土地は,一体として利用されており,間口約18メートル,奥行約25メートルで,南西側が道路から約13メートル奥まったところで7メートル程度広くなっており,背後部分の長さが約25メートルのL字状の土地であって,不整型の土地であることが認められる。P1鑑定は,本件土地1のみを鑑定し,本件土地2を鑑定していないため,不整型の減価を行っていないが,上記のとおり,これらの2筆の土地は,一体の土地として利用されているので,不整型地による評価減を個性率に反映すべきである。また,東京都の依頼に係る,,()鑑定評価書においても個性率の内訳の中でP3鑑定甲18付属資料7及びP4鑑定(乙6)においては2パーセントの,P5鑑定(甲18付属資料6)においては5パーセントの減価がそれぞれされているこ ()鑑定評価書においても個性率の内訳の中でP3鑑定甲18付属資料7及びP4鑑定(乙6)においては2パーセントの,P5鑑定(甲18付属資料6)においては5パーセントの減価がそれぞれされていることが認められる。そうすると,本件各土地については,不整型地であることにより2パーセントの減価修正をするのが相当である。 (2)ア以上によれば平成4年7月1日時点の本件各土地の価格は第2次決,,定において基礎とされた価格に,容積率の差により3パーセントの減価補正を加え,さらに,不整型による減価として2パーセントの補正をするの が相当である。 そうすると,P1鑑定を基準にした平成4年7月1日時点の本件各土地の単位地積当たりの価格は,次のとおり,865万0460円となる。 9,100,000円×(1-0.03)×(1-0.02)=8,650,460円イ平成4年7月1日から同5年1月1日までの地価下落率は,東京都知事による評価において採用された14.3パーセントと認めるのが相当であるので,同日時点における本件各土地の単位地積当たりの価格は,次のとおり,741万3440円となる。 460円×1-0 =7 440円 ,,(. ),,(0円未満の端数切り捨て)ウ本件各土地の評価基準日である平成5年1月1日から賦課期日である同6年1月1日までの地価の下落率は,前記のとおり31.3パーセントと認めるのが相当であるから,同日時点における本件各土地の単位地積当たりの価格は,次のとおり,509万3030円となる。 440円×1-0 =5 030円 ,,(. ),,(0円未満の端数切り捨て)エ上記単位地積当たりの価格に本件土地1の地積451.17平方メートルを 440円×1-0 =5 030円 ,,(. ),,(0円未満の端数切り捨て)エ上記単位地積当たりの価格に本件土地1の地積451.17平方メートルを乗じると,本件土地1の価格は,次のとおり,22億9782万2340円となる。 5,093,030円×451.17=2,297,822,340円(10円未満の端数切り捨て) また,上記単位地積当たりの価格に本件土地2の地積74.71平方メートルを乗じると,本件土地2の価格は,次のとおり,3億8050万0270円となる。 5,093,030円×74.71=380,500,270円(10円未満の端数切り捨て)オ以上によれば,平成6年1月1日の時点における本件土地1の適正な時価は22億9782万2340円,本件土地2の適正な時価は3億8050万0270円とそれぞれ認めるのが相当である。 まとめ上記のとおり,本件土地1の適正な時価は22億9782万2340円,本件土地2の適正な時価は3億8050万0270円とそれぞれ認められるから,第2次決定による修正後の本件各土地の価格のうち,これらの金額を上回る部分は違法であり,取消しを免れないというべきである。 第4 結論 よって,原告の請求は,主文第1項の限度で理由があるから,その限度で認容することとし,その余は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第38部裁判長裁判官杉原則彦 裁判官市原義孝裁判官島村典男 義孝裁判官 島村典男

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