平成13(行ウ)2 産業廃棄物処理施設設置不許可処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成16年3月31日 和歌山地方裁判所 警察関係
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判決文本文72,721 文字)

主文 1 原告が平成12年11月7日付けでした産業廃棄物処理施設設置の許可申請について,被告が平成13年4月25日付けでした不許可処分を取り消す。 2 訴訟費用のうち,補助参加により生じた費用は,被告補助参加人らの負担とし,その余は,被告の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 原告(1) 主文1項と同旨(2) 訴訟費用は,被告の負担とする。 2 被告及び被告補助参加人ら(以下「補助参加人ら」という。)(1) 原告の請求を棄却する。 (2) 訴訟費用は,原告の負担とする。 第2 事案の概要 1 事案の要旨原告は,被告が,平成12年11月7日付けで原告のした産業廃棄物処理施設設置許可申請(以下「本件許可申請」という。)に対し,平成13年4月25日付けでした不許可処分(以下「本件不許可処分」という。)は,①不許可事由が存在しないにもかかわらずされた違法な処分である,②行政指導による補正が容易にできたにもかかわらず,これをせずにした信義則違反及び裁量権を逸脱ないし濫用した違法な処分であるとして,本件不許可処分の取消しを求めた。 これに対し,被告及び補助参加人らは,原告の本件許可申請が,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成12年法律第105号による改正後のもの,以下「廃掃法」という。)15条の2第1項1号並びに同法施行規則(平成13年環境省令第26号による改正前のもの,以下「廃掃法施行規則」という。)12条及び12条の2において定められた技術上の基準に適合していないこと,また同法15条の2第1項2号に定める周辺地域や周辺施設の生活環境の保全について適正な配慮がされていないことから,本件不許可処分は適法なものであると主張し,また,被告が本件不許可処分をするに当たり,原告主張の裁量権の逸脱,濫用等の違法を否認して,争っている。 の保全について適正な配慮がされていないことから,本件不許可処分は適法なものであると主張し,また,被告が本件不許可処分をするに当たり,原告主張の裁量権の逸脱,濫用等の違法を否認して,争っている。 2 前提事実以下の事実は,当事者間に争いがないか,証拠(甲1ないし8,26,乙2ないし8,9《枝番号省略。以下,同様に書証の枝番号を省略する。》,16,17,21,丙の1ないし16,32,37ないし39,証人A,証人B,証人C,証人D及び弁論の全趣旨により,容易に認めることができる。 (1) 当事者等原告は,産業廃棄物の収集,運搬,処理及び処分等を業とする株式会社である。ただし,原告は,産業廃棄物の収集,運搬,処理について,被告の許可を受けておらず,現時点において,当該事業を行っていない。 和歌山市は,保健所を設置する市であり,その市長である被告は,廃掃法15条1項(同法8条1項参照)所定の産業廃棄物設置の許可権者である。 補助参加人らは,本件土地から概ね半径4キロメートル以内の地域に居住すると疎明された者,本件土地から約2キロメートル南方に位置する和歌山大学の教職員若しくは学生と疎明された者又は本件土地から約2.5キロメートル東方に位置する逢帰ダムから取水された上水道の水を飲料用等に利用していると疎明された者である。 (2) 事実経過の概要原告は,その所有する和歌山市梅原の土地(以下,「本件土地」という。)に産業廃棄物処理施設を設置することを計画し,平成12年11月7日,被告に対し,①廃プラスチック類単独焼却炉(処理能力:24時間当たり48トン),②廃プラスチック類混合焼却炉(処理能力:24時間当たり33トン),③廃油の焼却施設(処理能力:24時間当たり27トン),④汚泥の焼却施設(処理能力:24時間当たり23トン),⑤その他の焼却 ン),②廃プラスチック類混合焼却炉(処理能力:24時間当たり33トン),③廃油の焼却施設(処理能力:24時間当たり27トン),④汚泥の焼却施設(処理能力:24時間当たり23トン),⑤その他の焼却施設(処理能力:24時間当たり61トン),⑥建設系混合廃プラスチック類破砕施設(処理能力:8時間当たり134. 4トン),⑦廃プラスチック類破砕施設(処理能力:8時間当たり124.8トン)といった産業廃棄物中間処理施設(以下,一括して「本件各施設」という。)設置の許可申請をし(本件許可申請),被告は,同月9日これを受理した。 被告は,平成13年4月25日,原告に対し,本件許可申請に対し,本件不許可処分をし,同日,これを原告に通知した。本件不許可処分に記載された不許可処分の理由は,以下のとおりである。 ア産業廃棄物処理施設の設置に関する計画が,環境省令が定める技術上の基準に適合していない(廃掃法15条の2第1項1号)。 (ア) 灰出し設備として,煤塵又は焼却灰が飛散,流出しない構造ではない(以下「不許可事由1」という。)。 (イ) 破砕施設においては,破砕によって生ずる粉塵の周囲への飛散を防止するための必要な集塵機,散水装置が設けられていない(以下「不許可事由2」という。)。 (ウ) 爆発による被害を防止するために,必要な防爆設備又は爆風逃がし口の設備,その他必要な措置が講じられていない(以下「不許可事由3」という。)。 (エ) 保管施設から排水を放流する場合において,その水質を生活環境保全上の支障が生じないものとするための必要な排水処理設備が設けられていない(以下「不許可事由4」という。)。 (オ) 産業廃棄物の飛散及び流出並びに悪臭の発散を防止するために必要な設備が設けられていない(以下「不許可事由5」という。)。 (カ) 産業廃棄物の受入設備 ない(以下「不許可事由4」という。)。 (オ) 産業廃棄物の飛散及び流出並びに悪臭の発散を防止するために必要な設備が設けられていない(以下「不許可事由5」という。)。 (カ) 産業廃棄物の受入設備及び処理された産業廃棄物の貯留設備が,施設の処理能力に応じ,十分な容量を確保できていない(以下「不許可事由6」という。)。 イ産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画が当該産業廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全について適正な配慮がされていない(同法同条同項2号,以下「不許可事由7」という。)。 (ア) 近隣市町村である大阪府泉南郡岬町(以下「岬町」という。)における生活環境の保全のための大気汚染(ダイオキシン類を含む。),悪臭,搬入車両による騒音,振動等について検討されておらず,気象条件によっては,生活環境の保全に影響を及ぼす恐れがあり,これに対する適正な配慮がされていない。 (イ) 焼却設備が混合焼却炉と単独焼却炉の2基設置する計画で,大きな規模の設備といえるにもかかわらず,地形が複雑で工場の建物があり高台にある状況下でありながら,上層気象(風向,風速,気温)等の現況把握が不十分であり,ダウンウオッシュ,無風下等における大気汚染(ダイオキシン類を含む。),悪臭等について検討されておらず,周辺地域の生活環境の保全について適正な配慮がされていない。 3 争点及びこれに対する当事者の主張(1) 本件不許可処分の理由として掲げられた不許可事由1ないし7の存否(被告及び補助参加人らの主張)ア不許可事由1について本件各施設は,焼却炉で焼却された廃棄物は,焼却灰ないし飛灰となって灰出しコンベアーやダストコンベアーによって灰貯留場やダスト貯留場に運ばれる構造とされているところ,上記各コンベアーは,屋外を経由しているから,この 却炉で焼却された廃棄物は,焼却灰ないし飛灰となって灰出しコンベアーやダストコンベアーによって灰貯留場やダスト貯留場に運ばれる構造とされているところ,上記各コンベアーは,屋外を経由しているから,この灰出し設備は,灰が飛散ないし流出しない構造となっていなければならない。 しかしながら,本件許可申請の申請書類上,本件各施設の灰出し設備には,上蓋が存在せず,灰が飛散ないし流出しない構造とはなっていない。 したがって,本件各施設の灰出し設備は,環境省令である廃掃法施行規則12条の2第5項,4条1項7号リに定める技術上の基準には適合していない。 イ不許可事由2について本件各施設の破砕設備の建屋は開口部が広く,破砕による粉塵が外部に飛散するおそれがあるところ,本件各施設の破砕設備のうち,建設混合系廃棄物破砕設備についてみると,本件許可申請の申請書添付の事業計画にサイクロンやバグフィルター装置,散水装置を設けると簡単に記載されているのみで,サイクロンやバグフィルター装置につき混合焼却炉設備のものを使用するのか新たに設けるのか明らかではなく,また設置する場合の設置場所も不明であり,散水装置についても抽象的に記載されているだけであり,具体的な記載はなく,どのような散水方法をとるのか,散水の経路がどのようなものかも明らかではないから,建設混合系廃棄物破砕設備については,粉塵対策がされていないとみるほかない。 また,本件各施設のうち,廃プラスチック類の破砕設備については,バグフィルター装置などを付けず散水程度の粉塵対策を行うなどとなっているのみであるところ,申請書類上,散水の位置,経路,方法に関する図面や説明の記載もないことからすれば,散水による粉塵対策がとられていないとみるほかない。したがって,本件許可申請は,環境省令である廃掃法施行規則12条の ,申請書類上,散水の位置,経路,方法に関する図面や説明の記載もないことからすれば,散水による粉塵対策がとられていないとみるほかない。したがって,本件許可申請は,環境省令である廃掃法施行規則12条の2第9項所定の技術上の基準に適合していないこととなる。 なお,原告から,和歌山市の担当者であるBが,口頭で,廃プラスチック類の単独廃棄物の破砕施設における粉塵対策として散水するとの説明を受けた事実は認めるが,散水の方法や散水後の経過について資料や図面の提出があったわけではなく,Bにおいて,これを了解したとの点は,否認する。 ウ不許可事由3について防爆設備は,産業廃棄物処理施設の許可基準としては規定されていない(廃掃法施行規則12条の2第9項参照)が,一般廃棄物処理施設については,廃掃法施行規則4条1項11号ロにおいて必要とされており,産業廃棄物処理施設において処理の対象となる廃棄物に,プロパンボンベ,自動車のボンベ,スプレー缶,プラスチック容器等が混入されていることが十分予想され,不時の爆発のおそれが存在することにかんがみると,産業廃棄物処理施設においても防爆設備は必要と解すべきである。 しかしながら,本件各施設には,防爆設備は存在しないから,本件許可申請は,上記の技術上の基準を充たさないものというほかない。 エ不許可事由4について本件各施設は,2基の焼却炉を有する焼却施設と破砕施設等からなる巨大な施設であり,①ごみピット排水,②運搬車の洗車排水,③運搬車が廃棄物をピットに搬入するプラットホームの洗浄排水,④灰出し排水,⑤ボイラー排水,⑥粉塵飛散防止のための散水による排水,⑦生活排水,⑧建屋,敷地に降った雨水の排水,⑨その他の排水といったさまざまな種類,内容の排水が生ずる。原告は,本件許可申請において,本件各施設の排水については,雨水,生 止のための散水による排水,⑦生活排水,⑧建屋,敷地に降った雨水の排水,⑨その他の排水といったさまざまな種類,内容の排水が生ずる。原告は,本件許可申請において,本件各施設の排水については,雨水,生活排水はそのまま公共下水道に放流し(ただし,本件土地の近郊には公共下水道は存在しないから,三笠池に直接放流することになると推測される。),その他の排水については,施設外には排出しないとしている。しかしながら,本件各施設の排水については,以下のとおり,数々の欠陥がある上,保管施設である貯留ヤードや破砕施設等からの排水について排水処理設備もなく,適切な処理がされることはないから,廃掃法施行規則12条6号所定の技術上の基準を充たさない。 (ア) 本件各施設では,建屋施設内で行われる破砕作業の粉塵対策として散水が行われ,また,保管施設の貯留ヤードにおいても荷下時などの粉塵対策として散水が行われることとなっており,これら散水された水は,当然のことながら,廃棄物ないし粉塵に汚染されている。 しかしながら,本件許可申請においては,散水の位置,散水量,散水によって滴下された水がどのように集水されどのような経過を辿って最終的にどのように処理されるのかといった点について,本件許可申請に図面が添付されていないばかりか,何らの資料も説明も存在しなかったのであり,本件許可申請において,これらの散水について,適切な排水処理はされていないとみるほかない。 また,散水された水と大雨の際の雨水(雨水は,後記(イ)のとおり,公共下水道に放流することとされていた。)とが明確に区別されてはおらず,この点でも,適切な排水処理がされてはいないこととなる。 (イ) 本件各施設においては,保管施設の屋根など建屋や敷地に降った水を含め,施設に降った雨水は,雨水用のピットに一旦貯留し,その後は場外 ず,この点でも,適切な排水処理がされてはいないこととなる。 (イ) 本件各施設においては,保管施設の屋根など建屋や敷地に降った水を含め,施設に降った雨水は,雨水用のピットに一旦貯留し,その後は場外つまり公共下水道に放出することとされており,雨水についての排水処理施設は存在しない。保管施設の建屋や敷地に焼却や破砕の操業によって生じた塵芥や粉塵が付着していることは避け難いところであり,本件許可申請によれば,これらの塵芥,粉塵を含む雨水が場外にそのまま排出されることとなってしまい,適切な排水処理はされていないというほかない。 また,原告の主張によれば,本件各施設の貯留ヤードの横から入り込んだ雨水は,廃液受入槽に入り,その後,燃焼室に送られるとのことであるが,本件各施設の廃液受入槽は,容量50立方メートルのものが3基あるだけであるところ,大量の水分を燃焼室に入れると燃焼温度が低下するため,燃焼室で処理できる水分の量には限度があるから,大雨の際には,廃液受入槽から散水後の水や洗車排水などが一緒にあふれ出てしまうことも予想されるにもかかわらず,本件各施設は,この点について何らの対応もしていないから,やはり,適切な排水処理はされていないものというほかない。 (ウ) 本件各施設では,燃焼炉で焼却された廃棄物の焼却灰は,補給水により冷却され,コンベアーで灰貯留場に運ばれることとされているところ,濡れた灰から浸出してくる汚染水について処理する施設は存在しない。また,濡れた灰から浸出してくる汚染水は,灰貯留場にも貯まることとなるが,その処理施設も存在しない。 したがって,本件各施設において,適切な排水処理がされないのは明らかである。 これに対し,原告は,濡れた灰ごと委託処分するため,濡れた灰から汚染水が浸出することはないと主張する。 しかしながら,灰をトラック って,本件各施設において,適切な排水処理がされないのは明らかである。 これに対し,原告は,濡れた灰ごと委託処分するため,濡れた灰から汚染水が浸出することはないと主張する。 しかしながら,灰をトラックに載せる際にも相当の汚水が漏れることは容易に推測できる上,そもそも,灰を委託処理するには,手で握り手の形状が残る程度にまで乾燥させる必要があり,濡れた灰ごと委託処分することはできない。 (エ) 本件各施設のうち,廃プラスチックの焼却設備には,廃熱ボイラーが設置されており,廃熱のために水が使用されるところ,廃熱の結果,水蒸気になった水は冷却されて水となり,さらにこれが廃熱に利用されるという具合に,水と水蒸気が循環する構造となっている。そして,この水は,何度も前記の循環が繰り返されることにより劣化し,この劣化した水が外部へ放棄ないし排出されることになる。しかしながら,本件各施設には,この外部へ放棄ないし排出される水を処理する設備が存在しないから,本件各施設において,適切な排水処理がされないのは明らかである。 これに対し,原告は,廃熱ボイラーから排出される水は,焼却炉内に噴霧され焼却されるため,特別な排水処理の必要はない旨主張する。 しかしながら,本件許可申請の申請書類上,廃熱ボイラーから排出される水が,焼却炉に噴霧される構造になっている旨の記載は存在しない。 オ不許可事由5について(ア) 本件各施設では,汚泥等強い悪臭を発生させるものも貯留ピットに投入されることとなっている。この場合,搬入口にエアカーテンを設置して外部と遮断するなどして,悪臭を防止すべきであるところ,本件許可申請によれば,本件各施設には,そのような設備は予定されていない。 原告は,本件各施設において,貯留ピット内で発生する悪臭に対し,押込送風機により,誘引して悪臭を防止するという方 あるところ,本件許可申請によれば,本件各施設には,そのような設備は予定されていない。 原告は,本件各施設において,貯留ピット内で発生する悪臭に対し,押込送風機により,誘引して悪臭を防止するという方法を採用するかのようであるが,本件許可申請の申請書類上,悪臭が最も発生する貯留ピットないしストックヤードに送風機があるとの記載はない。この点を措くとしても,押込送風機は,本来二次燃焼室に空気を送り込むためのものであり,送風機による吸引に使用するには効率が悪い(悪臭の防止のためには,誘引送風機を使用するのが一般的である。)。また,誘引するにしても,悪臭の発生する場所の近傍で誘引するのが効果的であるにもかかわらず,原告がどの地点で誘引するのかが明らかでない。さらに,貯留ヤードが密閉されていれば,誘引の効率はなお上昇するが,本件各施設の貯留ヤードに予定されているシャッター式の扉では,搬入車の出入りの都度扉を開放することとなるし,また,開けっ放しにしておくことも多いから,効率はより悪くなる。 以上によれば,本件許可申請における本件各施設の悪臭対策は,産業廃棄物の飛散及び流出並びに悪臭の発散を防止するために必要な構造又は必要な設備が設けられていることを産業廃棄物処理施設に要求する廃掃法施行規則12条4号に適合しないことは明らかである。 (イ)a 本件許可申請によれば,本件各施設には,混合廃棄物焼却炉及び廃プラスチック焼却炉の2基の焼却炉を設置することとされており,混合廃棄物焼却炉の最大処理能力は,1日当たり45トン(毎時1.875トン),廃プラスチック焼却炉の最大処理能力は,1日当たり48トン(毎時2トン)とされている。原告は,混合廃棄物焼却炉の最大処理能力については,汚泥,廃油,廃プラスチック,その他の廃棄物の平均処理能力を合算して,前記のとおりの最大 大処理能力は,1日当たり48トン(毎時2トン)とされている。原告は,混合廃棄物焼却炉の最大処理能力については,汚泥,廃油,廃プラスチック,その他の廃棄物の平均処理能力を合算して,前記のとおりの最大処理能力を算出しているが,その前提となる処理能力の平均の内訳の根拠は不明である上,最大数量ではなく単なる平均数量を基礎として算出されたものであり,ダイオキシン類対策特別措置法の規制対象となる焼却能力を表したものとみることはできない。 前記混合廃棄物焼却炉の1日当たりの焼却能力は,廃プラスチックのみを燃やす場合は33トン,廃油のみを燃やす場合は27トン,汚泥のみを燃やす場合は23トン,その他のものを燃やす場合は61トンであり,公害発生施設を規制する法規の適用に当たっては,より安全な側に立って解釈すべきであるから,前記混合廃棄物焼却炉の焼却能力は,1日当たり61トン(毎時約2.54トン)とみるべきである。 そして,ダイオキシン類対策特別措置法の立法趣旨である国民の健康の保護の観点やダイオキシン類対策特別措置法施行令別表第1第5号の文理にかんがみると,規制の対象となる焼却炉の焼却能力は,炉単体のものではなく,同一施設内の焼却炉の焼却能力の合計を基準とすべきであると解すべきところ,本件各施設における1日当たりの最大処理能力は,混合廃棄物焼却炉と廃プラスチック焼却炉とを合わせると1日当たり合計109トン(毎時約4.54トン)であり,同法8条,同法施行規則別表第1により,1時間当たり4トン以上の焼却能力を有する焼却炉にあっては,ダイオキシン類の排出規制値は,1立方メートル当たり0.1ナノグラム以下となるべきところ,原告は,本件許可申請において,混合焼却炉のダイオキシン類排出量を1立方メートル当たり5ナノグラム以下としているのであり,同法所定のダイオキシン メートル当たり0.1ナノグラム以下となるべきところ,原告は,本件許可申請において,混合焼却炉のダイオキシン類排出量を1立方メートル当たり5ナノグラム以下としているのであり,同法所定のダイオキシン類排出基準を達成するだけの構造を備えていないことは明らかであるから,産業廃棄物の飛散及び流出並びに悪臭の発散を防止するために必要な構造又は必要な設備が設けられていることを産業廃棄物処理施設に要求する廃掃法施行規則12条4号に適合しないものというほかない。 b 本件各施設の混合焼却炉は,ロータリーキルン,ストーカー炉及び2次燃焼室の合計容積が140立方メートルに及ぶものであるところ,不完全燃焼によるダイオキシン類等の有毒ガスの発生を抑止するためには,最低でも炉の容積1立方メートル当たり15万キロカロリー以上の燃焼室熱負荷が必要であるから,本件各施設の混合焼却炉において不完全燃焼を防ぐためには,少なくとも1日100トンを超える廃棄物を焼却する必要があり,かつ,同焼却炉はその程度の焼却能力を有する可能性もあるはずである。しかしながら,排ガス冷却室の能力やダスト処理能力がこれに対応しておらず,バグフィルタに故障が発生しバイパス装置が稼働して大量のダイオキシン類を含む有毒ガスが大気中に放出される可能性がある。したがって,本件各施設は,廃掃法施行規則12条4号に定める技術上の基準には適合しない。 c 本件各施設においては,廃油,廃酸,廃アルカリ等有機塩素系化合物を焼却することとなっているが,濃度変化に関係なく一定量の消石灰を供給する方式となっているため,高濃度に対応することができず,塩化水素を除去することが不十分となる。 また,写真廃液と思われる廃アルカリの燃焼に伴って発生する高濃度硫黄酸化物を除去する装置もない。そして,中和装置を利用して写真廃液を中和す 応することができず,塩化水素を除去することが不十分となる。 また,写真廃液と思われる廃アルカリの燃焼に伴って発生する高濃度硫黄酸化物を除去する装置もない。そして,中和装置を利用して写真廃液を中和すると大量の硫黄酸化物が発生するが,これを除去する装置も設置されておらず,大気中に排出される可能性がある。 したがって,このような観点からも,本件各施設は,廃掃法施行規則12条4号に定める基準には適合しないといわざるを得ない。 (ウ) 前記(イ)の主張が,本件不許可処分に新たな不許可事由を追加するものであり,法的に許されないとの原告の後記主張は争う。 前記(イ)の主張は,本件不許可処分の理由の1つである廃掃法15条の2第1項1号,同法施行規則12条4号の範囲内の主張であり,従前とは異なる新たな許可要件の欠缺を主張しているものではなく,本件各施設につき産業廃棄物の流出及び悪臭の排出の事実を主張しているにすぎないから,本件訴訟の訴訟物の範囲内の主張であることは明らかである。 そして,前記(イ)の主張が,到底座視することのできない本件各施設の重大な構造的欠陥であることに照らすと,この主張を追加することが,不許可理由を明示することを要請する法の趣旨に反するものということはできないし,原告が本件訴訟の後に同様の訴訟を提起することなく1度に解決できるという点で,原告にも利益になるというべきである。 カ不許可事由6について以下の各事実に照らすと,原告のした本件許可申請において,本件各施設には,産業廃棄物の貯留設備の点につき,施設の処理能力に応じて充分な容量を確保できているとはいえないから,本件許可申請は,廃掃法施行規則12条7号の定める技術上の基準に適合しないことは明らかである。 (ア) 本件各施設の処理能力は,1日当たり259.2トンであり,これに対応する いるとはいえないから,本件許可申請は,廃掃法施行規則12条7号の定める技術上の基準に適合しないことは明らかである。 (ア) 本件各施設の処理能力は,1日当たり259.2トンであり,これに対応する貯留能力は合計2000立方メートルであるところ,本件許可申請によれば,見かけ比重と破砕効率からみて処理量が最大となるのは,ゴム屑とされ,ゴム屑の比重が0.52であることからすれば,保管能力は,平均約4日分(≒2000×0.52÷259.2)となる。しかしながら,実際に本件各施設において処理の対象には,ゴム屑だけでなくゴム屑よりも比重の少ない廃プラスチック(比重0. 12),木屑(比重0.18)なども含まれ,その平均的な比重は,0.3程度となるから,本件各施設全体の貯留能力は約2.3日分(≒2000×0.3÷259.2)にすぎない。 また,本件各施設のうち,建設混合廃棄物破砕施設についてみると,1日の処理量が500立方メートルで134.3トンである一方,その貯留能力は1000立方メートルであり,2日分の貯留能力しかない。 (イ) 他方,処理後の排出量をみると,本件各施設の混合廃棄物破砕設備の処理量が1日当たり500立方メートル,134.13トンであるところ,廃プラスチックほか8品目を焼却する量は46.73トンと3分の1であるから,残りの3分の2はリサイクル又は埋立処分されることとなる。そうすると,1日のうちに,これら全てを搬出する必要が生ずることとなることを考慮する必要が生ずる。しかるに,本件許可申請においては,この点は何ら考慮されていない。 (ウ) 貯留能力が足らないことが本件不許可処分の不許可理由とはなり得ないとの原告の後記主張は争う。 原告は,貯留能力の許可基準については,上限の定めはあっても下限の定めはないから,貯留能力の不足は,不許可の事由 力が足らないことが本件不許可処分の不許可理由とはなり得ないとの原告の後記主張は争う。 原告は,貯留能力の許可基準については,上限の定めはあっても下限の定めはないから,貯留能力の不足は,不許可の事由とならないと主張する。 しかしながら,下限の規定がないから,貯留能力がどんなに少なくてもよいということにはならず,一般的には,貯留能力は1週間程度が適当とされ,和歌山市の担当者においても,最低1週間程度の貯留能力は必要と判断している。そして,設備の点検や修理のための休止,年末年始あるいは盆休暇時の設備の休止や廃棄物の大量持ち込みなどを考慮すると,2日分程度の貯留能力では,あまりにも貯留能力が不足するといわざるを得ず,廃棄物が野積みされる可能性が高いといわざるを得ない。 キ不許可事由7について(ア) 本件土地は,和歌山県と大阪府の府県境にまたがるいわゆる紀泉山脈に位置し,孝子峠の頂上に近い標高約100メートルの高台にあり,南側の下方には和歌山市街があり,南下方約1キロメートルのところにはE株式会社(以下「E」という。)の工場が,南下方約1.7キロメートルのところにはG中学校があり,南下方約2キロメートルのところには和歌山大学があるなど,近くには文教施設も存在する。その一方,本件土地は,東方及び西方の山からは低い南北にまたがる谷間に近いところに位置し,極めて複雑な地形の中にある。そして,本件土地の北方約800メートルのところには,岬町の民家が点在している。したがって,本件土地においては,谷の方向に沿って南北の方向に谷風が吹くことが予想され,北寄りの風が吹く場合には,南下方のG中学校やEの工場,さらには和歌山市街に煤煙が拡散することは容易に想像できる。したがって,大気質に関する生活環境影響調査を行うに当たっては,調査事項及び調査対象地域の選定,現 吹く場合には,南下方のG中学校やEの工場,さらには和歌山市街に煤煙が拡散することは容易に想像できる。したがって,大気質に関する生活環境影響調査を行うに当たっては,調査事項及び調査対象地域の選定,現況把握並びに予測結果及び影響分析に当たって,慎重な配慮が要請されるべきところ,以下のとおり,原告は,本件許可申請に当たり,これらの点について,必要な配慮を欠いていたのであるから,本件許可申請が,廃掃法15条の2第1項2号所定の周辺地域の生活環境の保全についての適正な配慮を欠くものであることは明らかである。 a 本件許可申請における原告の生活環境影響調査の調査事項についてみると,その調査項目は,長期濃度については,二酸化窒素,浮遊粒子状物質,二酸化硫黄,一酸化炭素,ダイオキシン類の5項目であり,短期濃度については,二酸化窒素,浮遊粒子状物質,二酸化硫黄,一酸化炭素,塩化水素の5項目であり,環境基準に定められているベンゼン,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレンについての調査はされていなかった。和歌山市の担当者は,原告に対し,この点について質したものの,本件不許可処分に至るまで,何らの回答もなく,また,調査ないし検討中である旨の報告もなかった。 他方,原告の生活環境影響調査の調査対象地域についてみると,原告は,当初,本件土地の北方800メートルに人家のある岬町について全く調査対象としておらず,本件許可申請後に岬町からその旨の指摘を受けた和歌山市担当者から連絡,指導を受けて,慌てて調査対象地域に付け加えたのであり,このことからも,原告の調査が岬町に対する配慮に欠けていたことは明らかである。また,原告が付加した岬町に関する生活環境影響調査は,実地の測定に基づくものではなく,到底信用性に欠ける。 また,厚生省(当時)生活衛生局作成の廃棄物処理施設生活環 慮に欠けていたことは明らかである。また,原告が付加した岬町に関する生活環境影響調査は,実地の測定に基づくものではなく,到底信用性に欠ける。 また,厚生省(当時)生活衛生局作成の廃棄物処理施設生活環境影響調査指針(以下「指針」という。)によれば,1時間当たり2トンの廃棄物を処理する規模の処理施設の設置許可申請に当たっては,事業申請土地から半径4キロメートルの範囲にわたり調査すべきとされているところ,本件各施設は,混合廃棄物焼却設備において1時間当たり1.375トン,廃プラスチック焼却設備では1時間当たり2トン,煙突の実体高さは30メートルで,本件土地が標高約100メートルの高台にあることなどを考慮すると,原告は,本件許可申請に当たり,生活環境影響調査として,半径4キロメートルの範囲について調査しなければならないというべきである。しかるに,原告は,本件土地から半径2キロメートルの範囲しか本件許可申請にかかる生活環境影響調査の対象の範囲としていなかった。 さらに,廃掃法15条の2第1項2号は,産業廃棄物処理施設の設置許可に当たり,環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮を要請するところ,本件土地の南下方約1キロメートルの地点には,Eが,南下方約1.7キロメートルの地点にはG中学校が存在するにもかかわらず,原告がした生活環境影響調査には,これらの施設について何ら触れられておらず,何らの配慮もされていないことは明らかである。 b 大気中での煤煙の拡散の予測に当たっては,風向,風速,風の乱れ,大気の安定度などの気象条件の現況を把握することが必要であり,既存の文献資料でこれらを十分に把握できない場合には,現地調査により把握する必要があるというべきである。そして,本件土地が前記のとおり,特殊な地理的条件下にあり,既存の資料は存在しないことからすれ 既存の文献資料でこれらを十分に把握できない場合には,現地調査により把握する必要があるというべきである。そして,本件土地が前記のとおり,特殊な地理的条件下にあり,既存の資料は存在しないことからすれば,原告は,本件許可申請に当たっての生活環境影響調査につき,本件土地及びその周辺の実地調査を行う必要があったことは明らかである。 原告は,生活環境影響調査において,風向,風速については本件土地において平成12年9月20日から同月26日まで及び同月30日から同年10月20日までの約1か月間の調査結果をもって,1年間を代表するものとして把握している。 しかしながら,原告のした上記調査は,①同年9月27日から同月29日までの間の調査結果が含まれていない理由が明らかでなく作為的であるとの疑問がある上,②ダイオキシン類測定時に気象調査を行っていない,③汚染物質の拡散と密接な関係を有する大気安定度の実地調査をしておらず,大阪管区気象台における気象観測結果(日射量,雲量)をもって代替しているため,現地の実情に合わない予測,評価となっている,④指針によれば大規模施設で煙突が高い(50メートル以上)場合には,上層気象の調査を行うべきであるとされているところ,原告は,前記のとおり,本件土地の標高が約100メートルと高く複雑な地形であり,そこに高さ30メートルの煙突を立てることとしていた以上,上層気象の調査が必要であったにもかかわらず,何らこの調査をしていないという問題がある。 また,原告の上記調査による現況把握は,1年間における現地の風向,風速,大気の安定度を把握するものであるとみる根拠を欠き,かえって,和歌山地方気象台の年間の気象の変動と齟齬するばかりか,本件土地から約1キロメートル南にあり,和歌山市街からは同じく高台にあるEが当該地点で測定した調査結果や岬町孝子 あるとみる根拠を欠き,かえって,和歌山地方気象台の年間の気象の変動と齟齬するばかりか,本件土地から約1キロメートル南にあり,和歌山市街からは同じく高台にあるEが当該地点で測定した調査結果や岬町孝子所在の観測所における1年間の調査結果とも齟齬するものであり,およそ,現況を把握したものとはいえないことは明らかである。 さらに,孝子峠を越えた南側にある本件土地における1か月間の調査結果をもって,本件土地の北側にある岬町の生活環境影響調査の結果とみる根拠を欠いている。 c 原告は,本件許可申請に関する生活環境影響調査において,長期濃度の予測については,本件土地における1か月間の実測の結果を用いて,プルーム式やパフ式により大気拡散計算を行い,本件各施設の稼働による寄与濃度の年平均値を算出し,短期濃度の予測については,予測対象地域における寄与濃度の1時間値の最大着地濃度を予測し,長期評価,短期評価とも環境保全目標との対比により,これを満足するとしている。 しかしながら,原告の調査並びに予測及び評価には,①前記のとおり,平成12年9月ないし10月の1か月間の実地調査のみで,本件土地における1年間の気象条件を代表しているということはできず,四季の変動に応じた予測,評価がされたとも言い難い,②大気安定度の調査がされていないために,本件土地周辺でどのような大気安定度にあることが多く,また,その場合の汚染濃度がどのようになるのかの予測,評価がされていない,③気象状態によっては,上空に行くほど気温が高くなったり,等温になるなどのいわゆる逆転層が生じ,この場合,気流が上にふたをかぶせられたような状態となり,汚染された煤煙が拡散せずに溜まった状態になることがあるところ,このような状態になった場合における環境への影響について何ら予測,評価がされていない,④煙突から にふたをかぶせられたような状態となり,汚染された煤煙が拡散せずに溜まった状態になることがあるところ,このような状態になった場合における環境への影響について何ら予測,評価がされていない,④煙突からのガスの排出速度が風速より小さく,実煙突高付近の風速が煙りの吐出速度の1.5ないし2分の1以上の場合(本件各施設においては,風速約7メートル以上であり,頻繁に生ずることが推測される。)に空気が煙突の風下部分に回り込むことができず,煙突の側面の気圧が下がり,そこに煙が巻き込まれることにより,煙突近傍に高濃度の煙突が生ずるダウンウオッシュが発生した場合における環境影響評価が全くされていない,⑤煙突に近い所に高濃度の煤煙が生ずることのある無風状態下における環境影響評価が全くされていない,というように,予測結果及び影響分析に欠陥がある。 (イ) 指針によれば,生活環境影響調査においては,悪臭について予測,評価をしなければならないこととされ,煙突から排出される悪臭による影響については,大気汚染における煙突から排出される排ガスによる影響と同様の考え方で設定することとされている。この場合,現況把握に当たっては,土地利用状況と気象について調査がされることとなり,その予測,評価は,プルーム式,パフ式等の大気拡散式に基づき寄与濃度が最大となると予測される地点及びその周辺の人家等を含む地域における影響を分析するものとされている。 しかしながら,原告は,本件許可申請に関する生活環境影響調査において,アンモニアと特定悪臭物質について1日だけ現地調査を実施したものの,風向きによりどのような状態になるのかを全く明らかにしておらず,その予測,評価も全くしないで,悪臭は出ないと簡単に片付けてしまっており,この点についても,本件許可申請は,周辺地域の生活環境の保全についての適正な のような状態になるのかを全く明らかにしておらず,その予測,評価も全くしないで,悪臭は出ないと簡単に片付けてしまっており,この点についても,本件許可申請は,周辺地域の生活環境の保全についての適正な配慮を欠いたものというほかない。 (ウ) 指針によれば,廃棄物運搬車両の走行によって発生する騒音の影響については,廃棄物運搬車両により交通量が相当程度変化する主要搬入道路沿道の周辺の人家等が存在する地域について影響評価することとされており,振動についても騒音と同様の考え方で測定することとされている。そして,本件許可申請における廃棄物の搬入計画では,搬入車両が和歌山市内からのみ流入するとは限定されておらず,道路状態からみても,国道26号線が存在することからみて,岬町方面からの搬入車両は当然予定されているということができ,特に岬町方面の道路は下り坂で山間部にあることから,岬町での騒音,振動がどのようになるのかを検討する必要があったというべきである。 しかしながら,原告が本件許可申請に当たり行った生活環境影響調査においては,岬町方面の道路沿道の周辺についての調査はされておらず,当然,予測,評価はされていない。 したがって,この点からみても,本件許可申請は,周辺地域の生活環境の保全についての適正な配慮を欠いたものというほかない。 (原告の主張)ア不許可事由1について原告は,本件許可申請の申請書に添付された書類に,本件各施設の灰出し設備の機器の仕様を明記するとともに,①焼却灰を飛灰と分離し,水浸させ冷却して取り出し,飛散,流出しないよう屋根付きの貯留場内に貯蔵し,埋立処分場に搬出する,②飛灰を飛散流出しないよう屋根付きの貯留場内に貯蔵し,埋立処分場に搬出することも明記している。 また,原告は,法が要求する煤塵と焼却灰を分離して排出し,貯留すること 蔵し,埋立処分場に搬出する,②飛灰を飛散流出しないよう屋根付きの貯留場内に貯蔵し,埋立処分場に搬出することも明記している。 また,原告は,法が要求する煤塵と焼却灰を分離して排出し,貯留することができる灰出し設備,貯留設備という構造基準に対する本件各施設の対応として,焼却灰を灰出しコンベアーにより灰貯留場に,廃熱ボイラー及び減温塔での落下煤塵を灰出しコンベアーによりダスト貯留場に,集塵機捕集ダスト及び煤塵をダストコンベアーを経由して灰加湿装置で薬剤処理後ダスト貯留場に,それぞれ分離する旨を,本件許可申請の申請書添付書類に明記している。 そして,本件各施設の灰出しコンベアー及びダストコンベアーが,ケースに入って外部とは隔離されるケーシングがされていることは,本件許可申請の申請書添付書類の図面からも明らかである。 イ不許可事由2について本件各施設のうち,破砕施設は,建設混合廃棄物の破砕施設と廃プラスチック類単独廃棄物の破砕施設であるところ,以下のとおり,本件許可申請の書類上,いずれの施設についても,粉塵対策は基準に適合していたものである。 (ア) 原告は,建設混合廃棄物の破砕施設については,本件許可申請の許可申請書添付の事業計画書に,公害防止対策として,施設より発生する粉塵については,集じん装置排気口において0.1g/Nm3の規制値以下にすることとし,粉塵が発生する箇所や機械設備には,必要に応じて間仕切りを設けるほか,十分な能力を有するサイクロン及びバグフィルタ装置(集じん装置)や撤水装置を設けて粉塵対策を考慮すると記載し,粉塵が周囲へ飛散することを防止する対策を具体的に記載した。 また,原告は,具体的にどのようにバグフィルタを設置するかについて,事業計画書添付の混合廃棄物中間処理施設フローシートにも明記するとともに,生活環境影響調 することを防止する対策を具体的に記載した。 また,原告は,具体的にどのようにバグフィルタを設置するかについて,事業計画書添付の混合廃棄物中間処理施設フローシートにも明記するとともに,生活環境影響調査報告書1-12頁に計画設備の粉塵計画として明記した。 (イ) 原告は,廃プラスチック類単独廃棄物の破砕施設についても,生活環境影響調査報告書1-12頁に,計画設備の粉塵対策として記載されたとおり,粉塵が発生する箇所や機械設備には,必要に応じ間仕切りを設けるほか,十分な能力を有するサイクロン,バグフィルタ装置及び散水装置を設け,貯留ヤードにおいては,トラック荷下時の粉塵対策として散水を行うことで,その発生を防止することとしていた。 なお,原告は,単独廃棄物の破砕施設については,3方の壁と屋根で覆う形の施設を予定しており,建設混合廃棄物の破砕とは異なり粉塵が発生しにくいため,粉塵対策を本件許可申請の申請書類には明記しなかったが,和歌山市の担当者との間では,口頭で散水すると説明をして,その了解を得たものであり,具体的にどのような設備にするかについては,同市の担当者との間で協議をしながら(被告からの行政指導を受けながら)進めることにしており,被告もこれを前提として,本件許可申請を受理したものである。 ウ不許可事由3について環境省令である廃掃法施行規則上,本件各施設に防爆設備を講じることを要求する旨の規定は存在せず,一般廃棄物処理施設の技術上の基準として破砕施設において防爆設備の設置等を要求する同規則4条1項11号ロの準用もされていない。その趣旨は,その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者は,その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合,受託者である産業廃棄物処理業者に対し,産業廃棄物の種類,数量等を記載した産業廃棄物管理票を交付しなければ 事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者は,その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合,受託者である産業廃棄物処理業者に対し,産業廃棄物の種類,数量等を記載した産業廃棄物管理票を交付しなければならないとされており(廃掃法12条の3第1項,同法施行規則8条の21第1項),一般廃棄物と異なり,廃棄物中に爆発可能性のある廃棄物が含まれていないかを確認することができることに基づくものである。よって,解釈上も,本件各施設に対する設置基準として,防爆設備が要求されると解することはできないというべきである。 エ不許可事由4について以下のとおり,本件各施設の保管施設からの排水の水質を生活環境の保全上支障が生じないものとするために必要な設備は不要であるから,この点について,技術上の基準に適合しないということはできない。 (ア) 原告は,本件許可申請に添付した生活環境影響調査報告書(甲9)において,施設内のプラント排水は,焼却炉内へ吹き込むクローズドシステムを採用しており,雨水及び生活排水以外の排水は場外へ排水されないと明記しており,そもそも雨水及び生活排水を除き,本件各施設から水を排出させないよう計画しており,産業廃棄物や処理物の保管施設から排水を放流するものではなく,廃掃法施行規則12条6号で要求される排水処理施設は必要ない。 (イ) 原告は,本件許可申請に添付した生活環境影響調査報告書において,本件各施設内での散水において,散水後の水は,ピットに集約し,プラント排水と同様に焼却炉に吹き込むクローズドシステムを採用し,これら散水による排水は場外へ排水しないと明記しており,散水後の排水をピットに集約して施設外に排出しない構造となっているから,散水後の排水を処理する施設も必要ではない。 (ウ) 原告は,本件許可申請添付の事業計画書添付のフローシート(甲 いと明記しており,散水後の排水をピットに集約して施設外に排出しない構造となっているから,散水後の排水を処理する施設も必要ではない。 (ウ) 原告は,本件許可申請添付の事業計画書添付のフローシート(甲3の図面番号HE-44973)において,廃熱ボイラーから出るいわゆるブロー水が,最終的にプラント排水として焼却炉内に噴霧され焼却されることを明記しており,原告のこの計画によれば,ブロー水のために特別な排水処理施設は必要ない。 (エ) 原告は,本件各施設において,焼却灰に散水をした後,灰に余分な水分が含まれないように,コンベアーで一旦上に上げる構造を採用し,この焼却灰を濡れた状態で委託処分することとしており,濡れた灰から汚染水が浸出することもない。 オ不許可事由5について(ア) 被告及び補助参加人らの主張のオ(ア)の主張は争う。 原告は,本件各施設において,押込送風機により誘引して二次燃焼室に吹き付けることによって悪臭を防止するという方法を採用しており,この方法が,悪臭対策として不十分であるとの根拠はないことは,和歌山市の担当者であるAも認めている。 また,原告は,貯留ピットの扉としてシャッター式扉を設置する予定であり,悪臭対策として十分な構造設備を設けているということができる。 (イ) 被告及び補助参加人らが,本件訴訟において,被告及び補助参加人らの主張のオ(イ)を追加主張することが許されるとの点は争う。 本件訴訟の審理の対象(訴訟物)は,被告のした本件不許可処分の理由とされた不許可事由1ないし7の各事実が存在するか否かであり,この点と全く関係のない被告及び補助参加人らの上記主張は,本件訴訟と無関係である。 また,このような新たな不許可理由の追加主張を許すことは,不許可理由の存否について行政庁に慎重かつ公正妥当な判断を担保しその恣意を抑制するととも 及び補助参加人らの上記主張は,本件訴訟と無関係である。 また,このような新たな不許可理由の追加主張を許すことは,不許可理由の存否について行政庁に慎重かつ公正妥当な判断を担保しその恣意を抑制するとともに,不許可の理由を申請者に知らせて不服申立ての便宜を与えるという不許可理由を明示する法制度の趣旨を没却することにもなるから,このような新たな不許可理由を追加して主張することは許されないというべきである。 (ウ) 仮に,上記追加主張が許されるとしても,以下のとおり,その主張は理由がない。 a 本件各施設の混合廃棄物焼却炉において焼却の対象となるのは,汚泥,廃油,廃プラスチック,その他の廃棄物(木屑,紙屑,動植物残さ等)であり,仮に,各品目のみを焼却するとした場合の混合廃棄物焼却炉の1日当たりの計算上の最大焼却能力は,廃プラスチックのみを焼却する場合が33トン,廃油のみを焼却する場合が27トン,汚泥のみを焼却する場合が23トン,その他のもののみを焼却する場合が61トンとなるところ,原告は,本件許可申請において,現実に混合廃棄物焼却炉を用いて1品目のみを焼却処理することはあり得ないから,混合廃棄物焼却炉の1日当たりの最大処理量を45トンと定め(これ以上は処理しない。),熱バランスや受入予測を考慮して,各品目の最大処理量を割り振っているのであり,その結果が,1日当たり汚泥7.5トン,廃油1.43トン,廃プラスチック26. 34トン,その他9.73トン(合計45トン)としているのであり,混合廃棄物焼却炉の最大処理能力は,1日当たり45トンである。そして,原告は,本件許可申請に当たり,ダイオキシン類対策特別措置法,同法施行規則別表第1の基準に従い,混合廃棄物焼却炉からのダイオキシン類排出量を1立方メートル当たり1ナノグラム以下,1日当たり48トンの最大処理 件許可申請に当たり,ダイオキシン類対策特別措置法,同法施行規則別表第1の基準に従い,混合廃棄物焼却炉からのダイオキシン類排出量を1立方メートル当たり1ナノグラム以下,1日当たり48トンの最大処理能力である廃プラスチック焼却炉からのダイオキシン類排出量を1立方メートル当たり0.7ナノグラム以下とそれぞれ設定しているのである。 b 被告及び補助参加人らは,本件各施設の廃プラスチック焼却炉と混合廃棄物焼却炉の焼却能力の合計を基礎として,ダイオキシン類対策特別措置法及び同法施行規則別表第1の基準を適用すべきであると主張する。 しかしながら,同法は,ダイオキシン類の排出規制の規制値については,個々の廃棄物焼却炉の焼却能力を基礎として判断することとしており,廃棄物焼却炉の焼却能力を合算したものを基礎とはしていないから,被告及び補助参加人らの上記主張は,法的根拠を欠く。 c 被告及び補助参加人らは,本件各施設の混合廃棄物焼却炉が,1日当たり100トンを超える処理能力を有することを前提として,同焼却炉が技術上の基準に適合しない旨主張する。 しかしながら,焼却能力を算出する前提となる焼却室の容積は,1次燃焼室の容積であり,これに2次燃焼室や火格子より下部の容積を含むとして,焼却能力を算出する被告及び補助参加人らの手法は誤っており,これを前提とする焼却能力の数値もまた誤っている。 カ不許可事由6について産業廃棄物処理施設の貯留能力について,法令は,最大14日間を超えてはならないということだけであり,貯留能力の最小限度を定めた基準はない。 そして,産業廃棄物処理施設に必要な貯留能力は,施設の処理能力との関連で考慮されるべきである。例えば,本件各施設のうち,2つの破砕施設の1日の処理能力の合計は259.2トンであるところ,上記両施設の貯留能力は,合計2000 設に必要な貯留能力は,施設の処理能力との関連で考慮されるべきである。例えば,本件各施設のうち,2つの破砕施設の1日の処理能力の合計は259.2トンであるところ,上記両施設の貯留能力は,合計2000立方メートルであり,約8日間の処理能力に相当する貯留能力を有することとなるから,十分な貯留設備であるというべきである。 キ不許可事由7について(ア) 原告は,平成12年7月19日,和歌山市の担当者に対し,生活環境影響調査計画書(案)(甲10)を交付したところ,同年8月末までに,同市担当者から特段の見解や指導がなかったことから,原告は,同計画書(案)記載の計画に基づき,生活環境影響調査を進めた。その後,原告は,同市担当者から,気象条件の現地調査及び土壌の現地調査を追加するようにとの行政指導を受けたことから,調査を追完し,同年11月7日,生活環境影響調査報告書(甲11)を添付して,本件許可申請をし,同申請は,同月9日正式に受理された。 このように,本件許可申請のような許可申請が,正式に受理されたということは,申請書類等の形式的体裁が整うのみならず,内容的にも根本的に問題がないという行政庁の判断が前提となっているのは公知の事実であるから,正式に受理される前の段階において,許可申請の内容がこのような状態に至るように行政庁による行政指導がされることは当然であり,前記のとおり,本件許可申請においても,和歌山市の担当者による行政指導を経て,正式に受理されたのであり,それに添付されたものが,甲11であった。 そして,正式受理の後,同市担当者より,岬町に関する生活環境影響調査を実施するようにとの行政指導があったことから,岬町も調査範囲に加えた修正をした調査報告書(甲9)を再度提出した。 その後,原告は,平成13年1月23日,同市担当者との協議において,①大気 影響調査を実施するようにとの行政指導があったことから,岬町も調査範囲に加えた修正をした調査報告書(甲9)を再度提出した。 その後,原告は,平成13年1月23日,同市担当者との協議において,①大気質,②水質,③騒音,振動,④悪臭についてさらに調査をするようにとの行政指導を受け,直ちに追加調査を実施した。そして,原告は,同年2月5日に実施されたいわゆる勉強会において,同市担当者に対し,2時間程度にわたり,協議において質問された事項について具体的に回答するとともに,必要な調査,検討を行うことを約束し,これを実施した。 このように,原告は,被告と本件許可申請にかかる生活環境影響調査の方法について,本件許可申請前から本件許可申請後においても,和歌山市の担当者と協議し,その行政指導に従い,生活環境影響調査を継続していたのであるから,本件許可申請が,生活環境に適正な配慮がなされていないものであると評価することはできない。 (イ) 本件土地から1ないし1.7キロメートル離れた施設が,廃掃法15条の2第1項2号にいう周辺の施設に該当するとの被告及び補助参加人らの主張は争う。 他の地方公共団体においては,産業廃棄物処理施設と周辺施設との距離を概ね500メートルと定めていることと対比すると,1ないし1.7キロメートルも離れた場所にある施設まで周辺施設に該当するということはできず,これを前提として,周辺施設に対する適正な配慮がされていないことを理由として本件不許可処分をすることはできない。 (2) 本件不許可処分をするに当たり,被告に信義則違反,裁量権の逸脱ないし濫用があったか。 (原告の主張)ア行政庁は,申請の形式上の要件に適合しない申請については,速やかに,申請をした者に対し,相当の期間を定めて当該申請を求め,又は当該申請により求められた許認可の許否を があったか。 (原告の主張)ア行政庁は,申請の形式上の要件に適合しない申請については,速やかに,申請をした者に対し,相当の期間を定めて当該申請を求め,又は当該申請により求められた許認可の許否をしなければならないとされている(行政手続法7条参照)ところ,行政庁が,申請者に対し補正を求めるか,これを求めず直ちに不許可処分とするかは,その裁量に委ねられていると解されるものの,その裁量の範囲を決するに当たっては,当該許認可の内容,性質等のみならず,申請者としては,不許可処分を受けた上で改めて申請し直すことと比較すると,従前の申請を生かしたままで補正することによって許認可が得られるのであれば,その方が手続的な便宜等種々の点で利益になるのが通例であることを勘案すると,処分者である行政庁は,補正を求めることなく申請に対し不許可ないし不認可の処分を行うには,法律上の合理的な理由がなければならないものと解すべきである。 これを本件についてみると,原告は,平成12年11月7日に本件許可申請をする前から,和歌山市の担当者と本件許可申請に関し打ち合わせをしており,その過程で,同市の担当者は,原告側の交渉担当者であったCに対し,本件各施設からの排水について質問し,Cからクローズドシステムを採用しているから,廃棄物処理の過程で散水したりした排水についても場外には流出しない計画であるとの回答を受け,その後,本件許可申請に,不許可事由1ないし6記載の技術上の基準に適合しないような問題点はないと判断し,同年11月9日,本件許可申請を受理し,同月末ころ,本件許可申請を許可する方向で決裁を仰いでいた。そして,原告と同市の担当者らとは,平成13年1月23日と同年2月5日の2度にわたり,生活環境影響調査の方法や環境影響評価の方法について協議したが,その際,不許可事由1ない 方向で決裁を仰いでいた。そして,原告と同市の担当者らとは,平成13年1月23日と同年2月5日の2度にわたり,生活環境影響調査の方法や環境影響評価の方法について協議したが,その際,不許可事由1ないし6記載の技術上の問題点については,何らの質問ないし指導もなく,検討もされなかった。 ところが,被告ないし同市の担当者は,原告に対し,何らの質問又は行政指導をすることなく,本件許可申請を受理してから4か月以上経過した同年3月末ころ,突如として,技術上の面についての不許可事由を探し始め,同年4月25日に本件不許可処分をしているのであり,このような被告の対応に照らすと,技術上の基準に適合しないとする不許可事由1ないし6を根拠として,本件不許可処分をするのは,信義則に反し,裁量権を逸脱ないし濫用をした違法があるというべきである。 イ不許可事由6については,法が規定しているのは,貯留能力が最大14日分を超えてはならないということであり,何日分以上の貯留能力がなければならないということを定めた基準は存在しない。この点,被告は,処理施設にどの程度の貯留能力が必要かについて,1週間程度の貯留能力が必要であると主張するが,客観的な基準とはいえず,また,この基準は,原告に全く示されていない。 したがって,被告ないし和歌山市において,本件各施設により大きな貯留能力が必要であると判断するのであれば,行政指導により,その基準を明確にすべきである。それにもかかわらず,被告ないし同市の担当者が,このような対応をせず,原告に対し,どの程度の貯留能力を必要と考えているのかを明らかにすることなく,貯留能力不足を本件不許可処分の不許可事由とすることは,信義則に反し,裁量権の逸脱ないし濫用の違法があり,許されないというべきである。 ウ不許可事由7についても,以下のとおり,信義則に違 ことなく,貯留能力不足を本件不許可処分の不許可事由とすることは,信義則に反し,裁量権の逸脱ないし濫用の違法があり,許されないというべきである。 ウ不許可事由7についても,以下のとおり,信義則に違反し,裁量権を逸脱ないし濫用した違法がある。 (ア) 廃掃法15条の2第1項2号所定の周辺地域や周辺施設の生活環境の保全をする前提として実施すべき生活環境影響調査の具体的内容は,法令自体によって明確に特定されているわけではなく,指針を基礎としてされる被告ないし和歌山市の担当者による行政指導によって初めて特定されるものであり,このような具体的な行政指導がなければ,申請者はどの点をどの程度まで調査しなければならないかについて判断することができないことは,指針において,個別の状況に応じて都道府県知事が判断することとされていることから明らかである。 したがって,原告において,指針の内容を被告が想定している内容のとおりに正確に特定して実施すべきであり,その結果が被告の想定しているものと異なれば,直ちに不許可処分をしても何ら違法ではないとの主張を前提とする,被告ないし和歌山市担当者において,原告に対し,行政指導の義務はないとの主張や,事後的に原告のした調査の欠点を捉えて,周辺地域の生活環境の保全に対する配慮がされていないとして,直ちに本件不許可処分をすることは,信義則に反し,裁量権の逸脱ないし濫用であり,許されないというべきである。 (イ) また,原告は,前記(1)の原告の主張キ(ア)のとおり,本件許可申請前から同申請後においても,和歌山市の担当者と協議し,その行政指導に従い,生活環境影響調査を継続していたところ,これに対し,被告が,その生活環境影響調査が完了していないことを奇貨として,そのことを理由として,本件不許可処分をするのは,信義則に反し,裁量権の 指導に従い,生活環境影響調査を継続していたところ,これに対し,被告が,その生活環境影響調査が完了していないことを奇貨として,そのことを理由として,本件不許可処分をするのは,信義則に反し,裁量権の逸脱ないし濫用に当たり違法であることは明らかである。 (被告及び補助参加人らの主張)ア行政手続法7条は,形式上の要件に適合しない申請については申請の補正を求め又は当該申請により求められた許認可等の許否を判断しなければならない旨定めているところ,前記のような具体的内容の欠陥についてまで補正を求めることは要請されていない。また,行政指導を含め行政の権限不行使が違法とされるのは,危険が切迫しており,それの予見可能性,回避可能性が存在し,補充性があり,かつ国民の権限行使への期待がある場合に限られると解すべきところ,本件許可申請を許可するか否かという問題は,危険が切迫しているわけでも,その予見があるわけでもなく,また,国民が権限行使に期待しているわけでもないことは明らかであるから,被告ないし和歌山市の担当者において,行政指導をすべき義務があったということはできない。したがって,同市の担当者において,上記義務があることを前提として,本件不許可処分に当たり,被告に裁量権の逸脱ないし濫用等があるとの原告の主張は,その前提を欠くものである。 また,許可を得られた場合に生ずる莫大な利益を求めて自らの意思で書類を作成して許可申請をする以上は,まず許可申請者において許可権者の法解釈や技術上の見解について質問し,また自らの技術や設備内容を説明するなどして許可が得られるよう努力すべきものであり,原告が,被告ないし和歌山市の担当者にこのような質問や説明等をしなかった以上,被告ないし和歌山市の担当者において,積極的に照会したり,指導したりしなかったことにより,本件不許可処 力すべきものであり,原告が,被告ないし和歌山市の担当者にこのような質問や説明等をしなかった以上,被告ないし和歌山市の担当者において,積極的に照会したり,指導したりしなかったことにより,本件不許可処分に何ら手続違反や裁量違反もないというべきである。 さらに,本件許可申請は,平成13年1月31日の経過により,告示縦覧の期間が満了しているところ,告示縦覧期間経過後においては,手続の安定性や告示縦覧制度の趣旨にかんがみ,縦覧された趣旨,内容の範囲を超える書類の差し替え変更や内容の変更を招来するような指導は許されないと解されること,申請者に費用や犠牲を伴う内容の指導は,第三者に危害が及ぶ等の特段の事情がない限り避けられるべきこと,業者である申請者との馴れ合い,癒着のおそれを生じさせるような指導は,原則として許されるべきではないことに照らすと,被告ないし和歌山市の担当者が,原告に対し,本件許可申請につき,行政指導をすることはかえって相当でないというべきであるから,このような行政指導がされなかったからといって,本件不許可処分に瑕疵が生ずるということもできないというべきである。 イ本件各施設からの排水の問題点(不許可事由4)についてみると,和歌山市の担当者らは,原告の担当者らに対し,平成13年1月23日に開催された勉強会において,散水により滴下された水の集水経路及び処理方法,大雨の場合の雨水と散水された水との区分の可否,雨水の集水経路及び処理方法,廃熱ボイラーから排出される水の集水経路及び処理方法について,質問したが,原告は,これらの点について,本件不許可処分に至るまでの間,何らの回答もしなかった。したがって,不許可事由4を理由とする本件不許可処分が,裁量権の逸脱ないし濫用等によってされたものでないことは明らかである。 ウ以下に述べるとおり,和歌山 分に至るまでの間,何らの回答もしなかった。したがって,不許可事由4を理由とする本件不許可処分が,裁量権の逸脱ないし濫用等によってされたものでないことは明らかである。 ウ以下に述べるとおり,和歌山市の担当者は,原告に対し,生活環境影響調査の方法及びその評価方法について,許される範囲で十分な指導を行っており,原告は,できる限り,生活環境影響調査にかかる費用を抑えようとするため,この指導に従わなかったものであるから,本件不許可処分に裁量権の逸脱ないし濫用等があったということはできない。 (ア) 和歌山市環境事業部業務第1課生活環境部廃棄物対策室(現在の名称は,生活環境部環境対策室であり,以下「対策室」という。)の室長であったAは,原告に対し,平成12年9月22日,本件土地が山間部谷筋に位置し,気象条件的に特殊な地域であり,1週間の観測データでは和歌山地方気象台の風向,風速データとは異なっているものと考えられ,同気象台の年間データを用いた場合,予測結果の程度に問題が生ずるから,四季ごとのデータが必要であると指導した。しかしながら,原告は,和歌山気象台の年平均値と本件土地での1か月間の実測結果とを比較するという誤りを犯し,これを改善させる意向も示さなかった。 なお,Aが,原告の示した生活環境影響調査の方法に対して了解したことはなかったものである。 (イ) Aは,平成12年6月,和歌山市の担当者と原告との面談に加わった際,生活環境影響調査については,長期的な気象観測,悪臭測定,土壌のダイオキシン類測定等の必要があることを指導し,同年7月19日ころ,原告に指針を閲覧させるとともに,その写しを交付し,これに従うよう指導し,同年9月22日,前記(ア)のとおり,指導をした。 そうであるにもかかわらず,原告は,前記(ア)のとおり,和歌山地方気象台の年平均値 針を閲覧させるとともに,その写しを交付し,これに従うよう指導し,同年9月22日,前記(ア)のとおり,指導をした。 そうであるにもかかわらず,原告は,前記(ア)のとおり,和歌山地方気象台の年平均値と比較した上で,本件土地における1か月間の実測データを利用して,予測,評価をした生活環境影響調査報告書を提出した。 そこで,和歌山市の担当者は,原告に対し,平成13年1月23日,大気質の現地調査は,年間を通じ,かつ本件土地が谷部に位置することを考慮に入れて調査すべきであると説明し,1か月間の現地調査が年間を代表しているとする根拠は何か,本件土地が谷部であるにもかかわらず,平地部と同等に予測を行っている根拠は何かと質問し,指導した。 しかしながら,原告は,この点について何ら回答せず,本件不許可処分がされるまでの間,何らの報告もしなかった。 (ウ) 和歌山市の担当者は,岬町から本件許可申請に当たって提出された生活環境影響調査報告書(甲11)には岬町に関する環境影響評価が行われていないとの連絡を受けたことから,原告に対し,直ちにこれを加えるよう指示し,原告は,これを加えたものとして生活環境影響調査報告書(甲9)を提出した。しかしながら,その内容は,大阪管区気象台の気象の概況のデータや岬町の工業の概況などの既存の資料を掲載したにすぎないものであり,岬町についての現況把握,予測,評価は何ら行われていない。 そこで,Aは,平成13年1月23日,原告に対し,岬町を含めて,全般的に事業予定地が谷部であることから,これを考慮した気象データによる予測を行うよう指示し,さらに,これに先立つ同月11日,原告は,岬町環境影響評価委員会に呼ばれ,同委員会において,岬町側ではどのような影響が出るのかその測定に関する話題が出されており,同月30日付けの新聞報道において,1か月間 ,これに先立つ同月11日,原告は,岬町環境影響評価委員会に呼ばれ,同委員会において,岬町側ではどのような影響が出るのかその測定に関する話題が出されており,同月30日付けの新聞報道において,1か月間の実測データと岬町の気象条件とは明らかに異なる旨の記事が掲載された。 それにもかかわらず,原告は,その後提出した説明資料(甲16)によっても,岬町について測定するとの意向を全く示さず,岬町孝子測定局における気象データを用いて検討を行うと述べるのみであり,これが岬町側の四季を通じた気象条件を代表する根拠となり得るのかの説明も示さなかったのであり,岬町について現況把握も予測も評価も行っておらず,その後,本件不許可処分に至るまで,何らの報告,連絡も行わなかった。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実(1) 前提事実(2)のほか,証拠(甲1ないし13,15ないし17,23,25,26,29,33ないし36,乙1ないし9,11ないし13,16,17,20ないし22,26ないし30,丙1,2,23,26,37,41,42,証人A,同B,同F,同C,同D,同G,同H)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア本件土地は,大阪府(岬町)と隣接する和歌山市北西部にあり,南方の和歌山市街からは高台にある一方,北,西,東の三方を山に囲まれた谷あいの標高約95.6メートルの地点に位置している。本件土地の南下方約1キロメートルの地点には農業用水の水源として利用されている三笠池及びEの工場が,南下方約1.7キロメートルの地点にはG中学校及び和歌山大学が,南下方約2キロメートルの地点には農業用水の水源として利用されている上池,下池,万蔵池及び寺谷池が,南下方約2.5キロメートルの地点に,G小学校が,東方約2.5キロメートルの地点には多目的ダムとして上水道の水源 メートルの地点には農業用水の水源として利用されている上池,下池,万蔵池及び寺谷池が,南下方約2.5キロメートルの地点に,G小学校が,東方約2.5キロメートルの地点には多目的ダムとして上水道の水源等に利用されている逢帰ダムがある。 イ(ア) 対策室において,産業廃棄物処理施設設置許可に関する事務を担当していたBは,原告から,平成12年5月ころ,和歌山市内において,同市内の焼却炉製造会社の焼却施設を利用した産業廃棄物処理施設の設置計画がある旨の説明を受けるとともに,同社の製造する焼却施設について照会を受け,同社製造の焼却施設が和歌山市内の様々な事業所に設置されて稼働しているところ,以前からその付近住民から煤煙に関する苦情が多数寄せられており,その性能には問題があると考えられるので,焼却施設の製造会社の選定については,再度検討すべきであると回答した。 原告は,その後,環境プラント等の施工販売を行うことを業とする株式会社Iの子会社であるJ株式会社(以下,一括して「I」という。)のCに対し,最新の焼却施設に関する状況や法規制等について説明を求めた。原告は,その後,Iに対し,本件土地において,原告が経営する予定の産業廃棄物処理施設の許可申請,設計施工,完成後の運転指導を含めて発注し,Iは,それを受諾し,本件許可申請に関する手続等を行うこととなった。 (イ) 原告は,B及び対策室の室長であったAに対し,平成12年6月ころ,本件土地上に,Iが製造する焼却施設を設置するとともに破砕施設を設置した総合的な産業廃棄物処理施設を設置したい旨申し入れ,A及びBから,産業廃棄物処理施設設置許可申請に関する手続等の説明を受けた。 (ウ) 原告は,和歌山市の担当者に対し,平成12年7月19日ころ,産業廃棄物処理施設設置に伴う生活環境影響調査計画書(案)(甲10,以下「 廃棄物処理施設設置許可申請に関する手続等の説明を受けた。 (ウ) 原告は,和歌山市の担当者に対し,平成12年7月19日ころ,産業廃棄物処理施設設置に伴う生活環境影響調査計画書(案)(甲10,以下「調査計画書案」という。)を交付し,本件許可申請に当たって必要な生活環境影響調査につき,以下のとおりの調査計画書案記載の調査で足りるか否か,足りない場合に,どのような調査が必要となるかを行政指導するよう依頼した。 これに対し,同市の担当者は,調査計画書案に記載された生活環境影響調査の方法について,同年9月22日に協議をするまでの間,特段の意見ないし見解を原告に対し伝えなかった。 a 大気汚染において想定される影響要因は,煙突排ガス及び廃棄物運搬車両が挙げられる。煙突排ガスにおける調査対象項目は,二酸化硫黄,二酸化窒素,浮遊粒子状物質,塩化水素及びダイオキシン類とし,廃棄物運搬車両における調査対象項目は,二酸化窒素及び一酸化炭素とする。 b 水質汚濁において想定される影響要因は,施設排水が挙げられるが,本件各施設からの施設排水はない。なお,施設内からの排水としては,管理室からの生活排水及び雨水がある。雨水においては,油水分離槽を経由させること,生活排水は浄化槽を設置することから,周辺地域に及ぼす影響は軽微であると判断される。したがって,水質汚濁においては,現況把握のための現地調査を実施することとし,周辺地域に及ぼす影響が軽微であることが明確化した場合には,予測・評価の対象から除外する。調査対象項目は,生物化学的酸素要求量,浮遊物質量,pH,溶存酸素,大腸菌群数,健康項目(カドミウム,全シアン,鉛,6価クロム等)及びダイオキシン類とする。 c 騒音において想定される影響要因は,施設の稼働及び廃棄物運搬車両が挙げられる。そこで,騒音の影響要因は,施設の 群数,健康項目(カドミウム,全シアン,鉛,6価クロム等)及びダイオキシン類とする。 c 騒音において想定される影響要因は,施設の稼働及び廃棄物運搬車両が挙げられる。そこで,騒音の影響要因は,施設の稼働及び廃棄物運搬車両とし,調査対象項目は騒音レベルとする。 d 振動において想定される影響要因は,施設の稼働及び廃棄物運搬車両が挙げられる。そこで,振動の影響要因は,施設の稼働及び廃棄物運搬車両とし,調査対象項目は振動レベルとする。 e 悪臭において想定される影響要因は,煙突排ガス及び施設からの漏洩が挙げられる。そこで,悪臭の影響要因は,煙突排ガス及び施設からの漏洩とし,調査対象項目は,特定悪臭物質(アンモニア,硫化水素等合計22物質)及び臭気濃度(臭気指数)とする。 f 調査対象区域は,煙突排ガスに関する調査については,本件各施設における煙突を中心とする半径5キロメートル程度とし,廃棄物運搬車両に関する調査(大気汚染,騒音及び振動)ついては,本件各施設の沿道とし,水質汚濁に関する調査については,本件各施設から排水される排水口付近及びその排水が流入する河川において,水質の濃度に一定程度以上の影響を及ぼすと想定される範囲とし,施設の稼働に伴う騒音,振動に関する調査については,本件土地の境界から200メートル程度の範囲とし,悪臭に関する調査については,本件土地の敷地境界とする。 g 大気質の調査に当たっては,既存文献又は資料の収集・整理を行い,本件土地及び近傍における気象及び大気質の現況について年間を通じた変化を概ね把握する。また,本件土地沿道等における自動車交通量について資料調査を行い,その概要を把握する。すなわち,地上気象については,本件土地又はその近傍の気象台,大気測定局等における風向,風速,気温,日射量及び放射収支量を,大気質濃度調査につ 動車交通量について資料調査を行い,その概要を把握する。すなわち,地上気象については,本件土地又はその近傍の気象台,大気測定局等における風向,風速,気温,日射量及び放射収支量を,大気質濃度調査については,本件土地近傍の大気測定局における二酸化硫黄,二酸化窒素,浮遊粒子状物質,一酸化炭素,塩化水素及びダイオキシン類を,自動車交通量については,本件土地の近傍にある国道26号線における自動車交通量について,既存文献又は資料を収集し,検討することとする。 上記のとおりの既存の文献又は資料による調査を補完するため,一般環境の調査として,二酸化硫黄,二酸化窒素,浮遊粒子状物質,塩化水素及びダイオキシンにつき,煙突排ガスによる影響が大きくなると想定される区域の現況濃度を把握するとともに気象状況について,本件土地の境界等の1地点において,年に1回現地調査をし,併せて,廃棄物運搬車両による影響が大きくなると想定される本件土地の沿道の現況を把握するため,本件土地の沿道の1地点において,二酸化窒素及び一酸化炭素の濃度並びに自動車交通量(自動車交通量にあっては,平日の午前7時から翌日午前7時までの全交通量)を年に1回現地調査することとする。 そして,煙突排ガス及び廃棄物運搬車両による大気汚染の予測は,本件各施設の排ガスデータ,車両排ガスデータから,環境への負荷の程度(汚染物質排出量等)を大気拡散式(プルーム式,パフ式)によって予測し,予測・評価地点(最大着地濃度地点等)における有害物質の寄与濃度を算出することにより行うこととし,煙突排ガスに関する調査のうち,二酸化硫黄,浮遊粒子状物質については年平均値及び1時間値を,二酸化窒素及びダイオキシン類については年平均値を,塩化水素については1時間値を予測し,車両排ガスに関する調査(調査項目は二酸化窒素及び一酸化炭素) 浮遊粒子状物質については年平均値及び1時間値を,二酸化窒素及びダイオキシン類については年平均値を,塩化水素については1時間値を予測し,車両排ガスに関する調査(調査項目は二酸化窒素及び一酸化炭素)については,年平均値を予測することとする。 h 水質の調査に当たっては,既存文献又は資料の収集・整理を行い,本件土地及び近傍における水象及び水質の現況について把握することとし,水象については,水域の特性を考慮し水質の状況を適切に把握できる地点における河川の形状等を,水質については,環境基準点等における生物化学的酸素要求量,浮遊物質量,pH,溶存酸素,大腸菌群数,健康項目及びダイオキシン類について調査することとする。 既存文献又は資料を補完するため,年に1回,U字溝(排水口の上流及び下流各1地点),河川(流入口の上流及び下流各1地点)において,生物化学的酸素要求量,浮遊物質量,pH,溶存酸素,大腸菌群数,健康項目及びダイオキシン類について現地調査を行い,放流先の水質を把握することとする。 水質においては,確認のための現況調査を行い,現況把握等に努め,この影響が軽微であることが明確となれば,予測・評価については除外することとするが,予測・評価が必要となった場合は,予測は定性的又は定量的手法により行うものとする。 i 騒音の調査に当たっては,既存文献又は資料の収集・整理を行い,本件土地を含む調査対象区域内の環境騒音の状況等を把握するとともに,本件土地の沿道等における自動車交通量についても資料調査を行い,その概要を把握することとする。 既存文献又は資料を補完するため,年に1回,環境騒音(本件土地の境界の1地点において,平日の24時間のうち,毎正時10分間),道路交通騒音(本件土地の沿道の1地点において,平日の午前7時から午後7時までのうち毎正時10分間) め,年に1回,環境騒音(本件土地の境界の1地点において,平日の24時間のうち,毎正時10分間),道路交通騒音(本件土地の沿道の1地点において,平日の午前7時から午後7時までのうち毎正時10分間)及び自動車交通量(上記騒音測定地点において平日の午前7時から午後7時までのうち毎正時10分間)の現地調査を行うこととする。 騒音の予測は,環境騒音については騒音伝播モデル,道路交通騒音については,ASJ1998モデルによる計算によって行うこととする。 j 振動の調査に当たっては,既存文献又は資料の収集・整理を行い,本件土地を含む調査対象区域内の環境振動の状況等について把握するとともに,本件土地の沿道等における自動車交通量について資料調査を行い,その概要を把握することとする。 既存文献又は資料を補完するため,年に1回,環境振動(本件土地の境界の1地点において,平日の24時間のうち,毎正時10分間),道路交通振動(本件土地の沿道の1地点において,平日の午前7時から午後7時までのうち毎正時10分間)及び自動車交通量(上記騒音測定地点において平日の午前7時から午後7時までのうち毎正時10分間)の現地調査を行うこととする。 振動の予測は,環境振動(本件各施設の振動)については,振動伝播理論式,道路交通振動については土木研究所提案式による計算によって行うこととする。 k 悪臭の調査に当たっては,既存文献又は資料の収集・整理を行い,本件土地及び近傍における気象について年間を通じた変化の概要を把握するとともに,本件土地近傍の調査対象区域内の悪臭の状況について把握することとする。 既存の文献又は資料を補足するため,年1回,本件土地の敷地境界線上における1地点において,特定悪臭物質及び臭気濃度(臭気指数)の現地調査を行い,敷地境界における悪臭の現況を把握することとする。 る。 既存の文献又は資料を補足するため,年1回,本件土地の敷地境界線上における1地点において,特定悪臭物質及び臭気濃度(臭気指数)の現地調査を行い,敷地境界における悪臭の現況を把握することとする。 悪臭の予測は,類似施設の事例等から周辺地域への影響を類推することにより,定性的な手法により行うこととする。 (エ) 原告は,Aに対し,平成12年7月ころ,以下の内容の本件各施設の事業計画書,本件土地付近の見取図,設備全体図,産業廃棄物焼却設備フローシート(施設の流れ図),廃棄物焼却設備フローシート等を提出した。 a 産業廃棄物処理施設は,以下の7施設(a) 廃プラスチック類の破砕施設処理能力1日当たり134.13トン(b) 廃プラスチック類の破砕施設処理能力1日当たり124.8トン(c) 汚泥の焼却施設処理能力1日当たり23トン(d) 廃油の焼却施設処理能力1日当たり27トン(e) 廃プラスチック類の焼却施設処理能力1日当たり33トン(f) その他の焼却施設処理能力1日当たり61トン(g) 廃プラスチック類の焼却施設処理能力1日当たり48トンb 設置場所は,本件土地であり,同土地は,平成12年6月,工業地域に指定された。 和歌山市では,同年7月末ころ,原告が提出した上記事業計画書,フローシート,見取図,図面等の書類に基づき,原告が本件各施設の設置許可申請を進めることを許容するかどうかについての政策調整会議が開催され,原告が本件各施設の設置許可申請を進めることを許容する旨の決定がされ,原告に通知された。原告は,Cに対し,本件許可申請の手続を進めるよう依頼し,これに基づき,Cは,同年8月9日,Bと面会し,政策調整会議における協議内容について説明を受けた。 その後,C,原告専務取締役K及び原告環境事業部長Lは,Bと数度にわたり面 請の手続を進めるよう依頼し,これに基づき,Cは,同年8月9日,Bと面会し,政策調整会議における協議内容について説明を受けた。 その後,C,原告専務取締役K及び原告環境事業部長Lは,Bと数度にわたり面談し,その際,Bから,本件許可申請に当たっての申請書類の作成方法や記載内容等について説明を受ける一方,粉塵防止対策をどうするかという質問に対し,散水する旨回答し,施設排水の処理をどうするかとの質問に対し,排水を焼却炉に噴霧して焼却処理するクローズドシステムを採用しており,施設排水が施設外に排出されることはない旨回答するなど,Bからの質問に対し,主としてCが回答する方法により,本件各施設の技術的な面に関する点についても協議を進めた。 (オ) I(担当者はC)は,環境アセスメント,環境測定等を業とするシステム計画コンサルタント株式会社に対し,平成12年8月31日,原告の本件許可申請に当たって必要な本件各施設に関する生活環境影響調査をするよう依頼をし,同社技術部のFが,その調査を担当することとなった。和歌山市の担当者から,原告ないしIに対し,同月末までの間に,調査計画書案の内容について特段の意見,指導がなかったことから,Fは,調査計画書案に基づき,以下のとおり,生活環境影響調査を行った。 a 大気質の調査のうち,一般環境に関する調査として,本件土地の境界の1地点において,平成12年9月15日から同月17日まで,二酸化硫黄,浮遊粒子状物質,窒素酸化物,一酸化炭素,塩化水素の濃度測定が,同月13日から同月14日までの24時間,ダイオキシン類の濃度測定が,同月14日から同月20日まで,気象調査が,それぞれ行われた。 大気質の調査のうち,沿道環境に関する調査として,本件土地と国道26号線との境界にある本件土地の入口脇の空き地において,同月14日から同月15日 日から同月20日まで,気象調査が,それぞれ行われた。 大気質の調査のうち,沿道環境に関する調査として,本件土地と国道26号線との境界にある本件土地の入口脇の空き地において,同月14日から同月15日までの24時間,窒素酸化物,一酸化炭素,浮遊粒子状物質の濃度測定が行われた。 b 騒音及び振動の調査のうち一般環境に関する調査については,本件土地の境界の1地点において,騒音レベル及び振動レベルの測定が,沿道環境に関する調査については,本件土地と国道26号線との境界にある本件土地の入口脇の空き地において,騒音レベル及び振動レベル並びに交通量の測定が,いずれも,平成12年9月14日の24時間行われた。 c 悪臭の調査については,特定悪臭物質22種及び臭気濃度の調査が,平成12年9月18日,本件土地の境界付近の1地点において,行われた。 (カ) Fは,原告及びI(担当者はC)と協議の上,生活環境影響調査を行うに当たり,対策室の担当者から事前に指導を受ける必要があると判断し,Cとともに,平成12年9月22日,Aと面談し,本件許可申請に当たっての生活環境影響調査として,何をすべきかについて質問した。Aは,Fに対し,①本件土地は,山間部谷筋に位置し,特殊な地域であるから,1週間の観測結果では,和歌山地方気象台の風向風速データとは異なるものと考えられ,同気象台の風向風速の年間データを利用して大気汚染予測をしても,予測結果の精度に問題が生ずるから,本件土地における気象観測を1か月程度行い,その観測結果から予測計算を行う方向によって,現地調査の実施を進めるべきである,②雨水を除き,本件各施設からの処理排水はないから,水質の現地調査までは不要である,③産業廃棄物を焼却する場合,土中のダイオキシン類が問題となる場合があり,本件各施設の稼働後にダイオキシン類の測定を 雨水を除き,本件各施設からの処理排水はないから,水質の現地調査までは不要である,③産業廃棄物を焼却する場合,土中のダイオキシン類が問題となる場合があり,本件各施設の稼働後にダイオキシン類の測定をした際,本件各施設からの影響がない場合でも,ダイオキシン類が検出されると大きな問題となるから,調査対象地点及び地点数は未定であるものの調査項目に土壌調査を追加し,土壌成分の分析を本件各施設の施設稼働前に行う必要がある旨回答した。 Fは,Aからの回答を受けて,本件許可申請に当たっての生活環境影響調査の調査実施内容の変更ないし追加について,原告及びIとの間で協議した上,同年10月2日,Aに対し,以下の内容の調査実施内容の変更ないし追加に関する案を提出して説明を行い,Aは,これを了承した。 a 気象条件の現地調査本件土地は,南に向かって開けた谷間に位置することから,谷沿いの風が卓越していることが考えられ,1か月程度,気象(風向風速)観測を実施し,大気拡散予測に反映させることを目的とする。 調査場所は,本件土地の境界付近の地上10メートルの高さの地点であり,調査項目は,気象(風向風速)である。 本件土地の風向風速のデータ(24時間×30日間)を整理するとともに,同期間における和歌山地方気象台における風向風速のデータ(24時間×365日間)の収集整理,平成11年度1年間の和歌山地方気象台における風向風速のデータ(24時間×365日間)の収集整理を行い,和歌山気象台における風向風速のデータを利用して,調査時期と年間の気象条件との関係を分析し,その分析結果を基礎として,本件土地の風向風速のデータを利用して,1年間における気象条件を推定する。 b 土壌現地調査本件土地周辺における土壌汚染の現況を把握し,本件各施設稼働後の土壌環境を把握する際の基礎資料とするこ て,本件土地の風向風速のデータを利用して,1年間における気象条件を推定する。 b 土壌現地調査本件土地周辺における土壌汚染の現況を把握し,本件各施設稼働後の土壌環境を把握する際の基礎資料とすることを目的とする。 試料の採取場所は,本件土地の北寄りの斜面及び本件土地の南寄りの斜面とし,この両地点から,5点混合法により試料を採取し,土壌環境基準項目及びダイオキシン類について調査することとする。 Fは,上記調査実施内容の変更ないし追加に関する案に基づき,大気質の調査のうち一般環境に関する調査として,本件土地の境界の地点において,平成12年9月30日から同年10月20日までの間,気象調査を実施するとともに,土壌汚染の調査として,同月4日,本件土地の境界付近の2地点から各1検体ずつ採取し,環境基準項目(24物質)及びダイオキシン類の濃度測定の調査を行った。 (キ) K,L及びCは,平成12年10月26日,Bに対し,本件各施設のうち混合廃棄物焼却施設についての事業計画書,設計計算書,維持管理に関する計画書,その他図面等(本件許可申請において提出したものとほぼ同じもの)を持参し,内容を説明し,検討を依頼した。Bは,後日の協議において,原告ないしCに対し,混合廃棄物焼却施設の申請書類のまとめ方を,1つの書類ではなく焼却されるべき廃棄物ごとに申請書を作成すべきである等と必要な指導をした。 ウ原告は,平成12年11月7日,Bに対し,本件許可申請の申請書及び生活環境影響調査報告書を含む添付書類を提出した。Bは,申請書提出時において,原告に対し,廃プラスチック類の破砕施設2件の申請書別紙に記載すべき廃棄物の種類等の記載及び本件各施設全部(7件)の申請書の添付書類である本件各施設全体の配置図にその申請を行う施設の廃棄物保管場所の位置について記載するよう求めた。 施設2件の申請書別紙に記載すべき廃棄物の種類等の記載及び本件各施設全部(7件)の申請書の添付書類である本件各施設全体の配置図にその申請を行う施設の廃棄物保管場所の位置について記載するよう求めた。A及びBは,原告がこれらを記載した後,本件許可申請の許可申請書の件数が多いことから,許可申請書を一時預かりとし,許可申請書の記載漏れ,添付書類の不備について審査するとともに,申請内容に問題がないか審査し,これらの審査をした後の同月9日,本件許可申請に形式面,内容面とも特段の問題点はないとして,これを正式に受理した。 本件許可申請の申請書類に基づく本件各施設の概要は,以下のとおりである。なお,(イ)ないし(オ)は,同一の混合廃棄物焼却施設の設置許可申請に関するものであるが,焼却されるべき廃棄物ごとに別個の許可申請書が作成されたものである。 (ア) 廃プラスチック類焼却設備(専焼)a 型式ロータリーキルン+ストーカ炉(I製)b 処理能力(最大)1時間当たり2トン(1日当たり48トン)c 処理した廃棄物の処分方法燃えがら(含水率33パーセント)及び煤塵(含水率32パーセント)を,最終処分業者であるMに委託し,泉大津沖に埋立処分する。 d 排煙の方法バグフィルタによる高度集塵(排出口の実高さ30メートル,補正された排出口の高さ45.7メートル)e 排水の処理方法廃棄物を処理するための排水はない。 f 放流水の水量,水質,放流方法及び放流先の概要廃棄物を処理するための排水はない。 g 保管施設の概要(a) 保管場所の面積ピット 80平方メートル(b) 保管能力 400立方メートル(1日80トン)(c) 保管する廃棄物廃プラスチック類,ゴム屑h 公害防止対策ダイオキシン類の排出を1立方メートル当たり1ナノグラム以下とする。 ートル(b) 保管能力 400立方メートル(1日80トン)(c) 保管する廃棄物廃プラスチック類,ゴム屑h 公害防止対策ダイオキシン類の排出を1立方メートル当たり1ナノグラム以下とする。 (イ) 廃プラスチック類混合焼却炉(混合廃棄物焼却設備)a 型式ロータリーキルン+ストーカ炉(I製)b 処理能力(最大)1時間当たり1.375トン(1日当たり33トン)c 処理した廃棄物の処分方法燃えがら(含水率33パーセント)及び煤塵(含水率32パーセント)を,最終処分業者であるMに委託し,泉大津沖に埋立処分する。 d 排煙の方法バグフィルタによる高度集塵(排出口の実高さ30メートル,補正された排出口の高さ42.8メートル)e 排水の処理方法廃棄物を処理するための排水はない。 f 放流水の水量,水質,放流方法及び放流先の概要廃棄物を処理するための排水はない。 g 保管施設の概要(a) 保管場所の面積ピット 120平方メートル感染性廃棄物室 55平方メートル(b) 保管能力ピット 600立方メートル(1日120トン)感染性廃棄物室 15立方メートル(1日3トン)(c) 保管する廃棄物廃プラスチック類,ゴム屑(d) 1日当たりの平均取扱い量 26.34トンh 公害防止対策ダイオキシン類の排出を1立方メートル当たり1ナノグラム以下とする。 (ウ) 廃油焼却施設(混合廃棄物焼却設備)a 型式ロータリーキルン+ストーカ炉(I製)b 処理能力(最大)1時間当たり1.25立方メートル(1.125トン)1日当たり30立方メートル(27トン)c 処理した廃棄物の処分方法燃えがら(含水率33パーセント)及び煤塵(含水率35パーセント)を,最終処分業者であるMに委託し, トル(1.125トン)1日当たり30立方メートル(27トン)c 処理した廃棄物の処分方法燃えがら(含水率33パーセント)及び煤塵(含水率35パーセント)を,最終処分業者であるMに委託し,泉大津沖に埋立処分する。 d 排煙の方法バグフィルタによる高度集塵(排出口の実高さ30メートル,補正された排出口の高さ42.9メートル)e 排水の処理方法廃棄物を処理するための排水はない。 f 放流水の水量,水質,放流方法及び放流先の概要廃棄物を処理するための排水はない。 g 保管施設の概要(a) 保管場所の面積タンクヤード 100平方メートルドラム缶ヤード 50平方メートル(b) 保管能力タンクヤード 50立方メートル1基,1.95立方メートル1基,0.49立方メートル1基ドラム缶ヤード 0.2立方メートル100本(c) 保管する廃棄物廃油(引火性廃油を含む。)(d) 1日当たりの平均取扱い量1.43トン(1.58立方メートル)h 公害防止対策ダイオキシン類の排出を1立方メートル当たり1ナノグラム以下とする。 (エ) 汚泥焼却施設(混合廃棄物焼却設備)a 型式ロータリーキルン+ストーカ炉(I製)b 処理能力(最大)1時間当たり0.87立方メートル(0.96トン)1日当たり20.91立方メートル(23トン)c 処理した廃棄物の処分方法燃えがら(含水率33パーセント)及び煤塵(含水率32パーセント)を,最終処分業者であるMに委託し,泉大津沖に埋立処分する。 d 排煙の方法バグフィルタによる高度集塵(排出口の実高さ30メートル,補正された排出口の高さ32.4メートル)e 排水の処理方法廃棄物を処理するための排水はない。 f 放流水の水量 する。 d 排煙の方法バグフィルタによる高度集塵(排出口の実高さ30メートル,補正された排出口の高さ32.4メートル)e 排水の処理方法廃棄物を処理するための排水はない。 f 放流水の水量,水質,放流方法及び放流先の概要廃棄物を処理するための排水はない。 g 保管施設の概要(a) 保管場所の面積ピット 40平方メートル(b) 保管能力ピット 200立方メートル(c) 保管する廃棄物汚泥(d) 1日当たりの平均取扱い量 7.5トン(6.8立方メートル)h 公害防止対策ダイオキシン類の排出を1立方メートル当たり1ナノグラム以下とする。 (オ) その他焼却施設(混合廃棄物焼却設備)a 型式ロータリーキルン+ストーカ炉(I製)b 処理能力(最大)紙屑専焼時 1時間当たり2.54トン(1日当たり61トン)c 処理した廃棄物の処分方法燃えがら及び煤塵(含水率いずれも33パーセント)を,最終処分業者であるMに委託し,泉大津沖に埋立処分する。 d 排煙の方法バグフィルタによる高度集塵(排出口の実高さ30メートル,補正された排出口の高さ42.6メートル)e 排水の処理方法廃棄物を処理するための排水はない。 f 放流水の水量,水質,放流方法及び放流先の概要廃棄物を処理するための排水はない。 g 保管施設の概要(a) 保管場所の面積ピット 120平方メートルタンクヤード 160平方メートル(b) 保管能力ピット 600立方メートルタンクヤード 50立方メートル3基(c) 保管する廃棄物木屑,紙屑,繊維屑,動植物性残さ,廃酸,廃アルカリ,金属屑, ガラス屑及び陶磁器屑h 公害防止対策ダイオキシン類の排出を1立方メートル当たり1ナノグラム以下とする。 ) 保管する廃棄物木屑,紙屑,繊維屑,動植物性残さ,廃酸,廃アルカリ,金属屑, ガラス屑及び陶磁器屑h 公害防止対策ダイオキシン類の排出を1立方メートル当たり1ナノグラム以下とする。 (カ) 廃プラスチック類の破砕施設(建設混合廃棄物リサイクルプラント)a 型式竪型シュレッダ(ハンマ方式)SV200K型(N株式会社製)b 処理能力(最大)がれき類1時間当たり16.8トン(1日134.4トン)c 処理した廃棄物の処理方法廃プラスチック類,紙屑,木屑,繊維屑については,本件各施設内の焼却施設で焼却し,ガラス及び陶磁器屑については,Mに委託して,泉大津沖に埋立処分し,がれき類,金属屑及び木屑の一部については,再利用する。 d 排煙の処理方法発生しない。 e 排水の処理方法廃棄物を処理するための排水はない。 f 放流水の水量,水質,放流方法及び放流先の概要廃棄物を処理するための排水はない。 g 保管施設の概要(a) 保管場所の面積 400平方メートル(b) 保管能力 1000立方メートル(c) 保管する廃棄物の種類建設混合廃棄物(d) 1日当たりの平均取扱量134.13トン(500立方メートル)(キ) 廃プラスチック類の破砕施設(産業廃棄物破砕設備)a 型式2軸解砕機SG-200F型(N株式会社製)b 処理能力(最大)ゴム屑時 1時間当たり15.6トン(1日124.8トン)c 処理した廃棄物の処理方法廃プラスチック類,紙屑,木屑,繊維屑及びゴム屑については,本件各施設内の焼却施設で焼却し,木屑の一部については,再利用する。 d 排煙の処理方法発生しない。 e 排水の処理方法廃棄物を処理するための排水はない。 f 放流水の水量,水質,放流方法及び放流先の概要廃棄物を処理するための排水は の一部については,再利用する。 d 排煙の処理方法発生しない。 e 排水の処理方法廃棄物を処理するための排水はない。 f 放流水の水量,水質,放流方法及び放流先の概要廃棄物を処理するための排水はない。 g 保管施設の概要(a) 保管場所の面積 400平方メートル(b) 保管能力 1000立方メートル(c) 保管する廃棄物の種類産業廃棄物(廃プラスチック,紙屑,木屑,繊維屑,ゴム屑,混合廃棄物)(d) 1日当たりの平均取扱量 45トンエ Bは,本件許可申請を受理した後の平成12年11月下旬ころ,Aに対し,本件許可申請に対し,許可処分が相当であるとして,決裁を求めた。 しかしながら,Aは,本件許可申請につき,廃掃法15条4項所定の告示及び縦覧の手続並びに同法15条の2第3項所定の,許可申請にかかる産業廃棄物処理施設の設置,維持管理に関する計画が,当該処理施設にかかる周辺地域の生活環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮がされたものであるか否かに関して,生活環境の保全に関し環境省令で定める事項について専門的知識を有する者(以下「専門委員」という。)の意見を聴く手続が行われていなかったことから,許可の決裁を保留した。そして,A及びBは,同月21日,本件許可申請の告示及び縦覧について同月27日に告示をするとともに,同日から1か月間本件許可申請のうち,廃プラスチック類焼却設備及び混合廃棄物焼却設備に関する書類を縦覧に供する旨の決裁を得て,同日,これを告示させるとともに本件許可申請の申請書及び生活環境影響調査報告書を縦覧に供させ,同月29日付けで,O株式会社大阪理化学試験所所長のP並びに和歌山大学システム工学部のQ及びRに対し,専門委員として,本件各施設の設置,維持管理に関する計画が,周辺地域の生活環境の保全及び環境省令 同月29日付けで,O株式会社大阪理化学試験所所長のP並びに和歌山大学システム工学部のQ及びRに対し,専門委員として,本件各施設の設置,維持管理に関する計画が,周辺地域の生活環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮がされたものであるか否かについて意見を求め,岬町長に対しても,廃掃法15条5項に基づき,本件各施設の設置,維持管理に関する計画が,周辺地域の生活環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮がされたものであるか否かについて意見を求めた。 Aは,同年12月15日,岬町の担当者から,原告の提出した生活環境影響調査報告書に岬町に関する環境調査事項がなく,意見を出すことができない旨の電話連絡を受けた。そこで,Aは,対策室の班のSに対し,原告に,岬町に関する環境調査事項を含んだ生活環境影響調査報告書を追完させるよう指示した。この指示を受けた原告は,岬町に関する記述及び環境予測を追加した生活環境影響調査報告書を提出した。和歌山市は,岬町からの要望を受けて,岬町からの意見聴取の回答期限を平成13年1月31日まで延長するとともに,縦覧中の生活環境影響調査報告書を前記のとおり追完されたものと差し替えたことから,縦覧期間を同月15日まで延長した。 オ被告は,原告に対し,平成12年11月末ころ,本件許可申請に関し,本件土地の近隣の住民から承諾を得るよう要求した。原告は,廃掃法上,産業廃棄物処理施設の設置許可に当たり,近隣住民の同意は要件とされていないと反論したものの,被告の要望により,近隣住民に周知する目的で地元説明会を開催することとし,同年12月11日以降,10回以上にわたり地元説明会を開催した。 本件許可申請について新聞報道された同年11月29日以降,本件土地近隣の住民並びに和歌山大学の教職員及び学生等を中心とし することとし,同年12月11日以降,10回以上にわたり地元説明会を開催した。 本件許可申請について新聞報道された同年11月29日以降,本件土地近隣の住民並びに和歌山大学の教職員及び学生等を中心として,本件各施設の設置に反対する運動が展開され,被告及び和歌山市は,再三にわたり,本件許可申請を不許可処分とされたいとの要望を受けた。 カ(ア) Pは,和歌山市生活環境部長に対し,平成13年1月15日付けで,専門委員として,以下の内容の意見書を提出した。 a 大気汚染について原告が提出した生活環境影響調査報告書には,本項目についての一応の検討はされているものの,①本件土地が山間,谷間にあり,和歌山地方気象台や大阪管区気象台の各平年値との相関をもって本件土地の自然的条件とすることは代表性の面で無理がある上,これを補完するために実施された現地調査が,延べ1か月に満たない期間のものにすぎず,少なくとも四季のデータについて確認しなければ,重点的に検討すべき対象地域すら特定できないおそれがある,②環境基準が定められているベンゼン,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレンが調査対象項目とされていない上,現地調査の測定回数がわずか1回で十分と判断する根拠が不明である,③プラスチック類の混入が多い廃棄物を焼却する場合,ダイオキシン類の排出量を1立方メートル当たり1ナノグラム以下に抑えることは困難であり,本件各施設の混合廃棄物焼却炉及び廃プラスチック焼却炉においても,かなり厳しい操業条件となることが予想できるから,ダイオキシン類の濃度遵守に対する担保方法を行政として考慮することが望ましい,④上記①ないし③の点については,検討の密度が荒く,適切な将来予測を行うには不安が多いと危惧せざるを得ない。 b 土壌汚染について重金属も含めた土壌汚染や地下浸透の防止に対して原 することが望ましい,④上記①ないし③の点については,検討の密度が荒く,適切な将来予測を行うには不安が多いと危惧せざるを得ない。 b 土壌汚染について重金属も含めた土壌汚染や地下浸透の防止に対して原告がどのような対策を検討しているのかについての検討結果の記述が必要である。 最近接民家とされている岬町及び本件土地の南側の宅地造成中の地区において事前に土壌を調査する必要がある。 土壌汚染の現況調査地点が明らかでない。 c 水質汚濁について本件土地の位置する流域河川の系統が特定されていないため,和歌山側,大阪側ともに,どの河川が監視対象となるのかが不明である。 雨水の取扱いについての記述がない。 本件土地上には,重車両や重機,オイルタンク等が存在するので,日常稼働に伴う潤滑油の洩油等による汚染や事故時の流出を想定すべきである。 本件土地の雨水の排水位置の明示と排水口での水質管理に関する記述が必要である。 d 悪臭についてピット内の空気を燃焼用として使用するため悪臭の漏洩はないとの記述があるが,焼却炉には定期修理や突発停止等の炉休止がつきものであり,この時に燃焼用の空気は不要となり,この事態に対する対策をどうするかについての記述がない。 焼却炉の排気ガスが有する臭気を無視する根拠が不明である。 平成12年9月18日に臭気指数の調査をしたとの記載があるが,その結果が記載されていない。 e 騒音,振動について低周波空気振動についての記述がないところ,本件土地の南側の宅地造成中の地域に対し,行政として配慮が必要と思料される。 f 廃棄物の保管について少なくとも,保管基準や保管基準に対応した設備計画について,具体的な内容の明示が必要である。 g 非定常作業について焼却炉については,立ち上げ/下げ等の非定常作業に対し特別な配慮が必要であり,特にダイオキシン類 管基準や保管基準に対応した設備計画について,具体的な内容の明示が必要である。 g 非定常作業について焼却炉については,立ち上げ/下げ等の非定常作業に対し特別な配慮が必要であり,特にダイオキシン類については,温度,酸素,一酸化炭素濃度等が不安定な操炉条件に対して特別な操業管理が必須であるところ,原告の認識に合わせた具体的な対策方法についての計画のない段階では不安が残る。 (イ) Q及びRは連名で,被告に対し,平成13年1月19日付けで,専門委員として,以下の内容の意見書を提出した。 a 全般的事項原告の現地調査は,平成12年9月から同年10月までの約1か月間に行われているが,本件各施設の焼却炉の規模からみて,環境の現況把握には,最低1年間の調査が望ましい。特に,排ガスの拡散計算の条件となる気象調査については,風向風速のみならず,日射量,放射収支量を現地で実測することが重要である。さらに,本件土地は,峠に近接しており,地形が局地気象に大きな影響を及ぼしていると予想されるが,それについて記述がない。これらの事情から,本件各施設による近隣の生活環境への影響の程度を判断することは困難である。 また,調査者,分析機関,調査地点,予測条件等が不明確あるいは不適切であり,誤記の多いことと考え合わせると,影響評価の信頼性は乏しいと判断せざるを得ない。 本件各施設の維持管理計画については,1か月に1回の点検と1年に1回のオーバーホールが予定されているが,点検項目,所要日数等を含め,具体的な事項は示されていない。本件各施設のうち焼却施設は,24時間連続稼働を前提としているものの,焼却対象物の搬入量の変動や点検等により,焼却炉の立ち上げ,休止は不可避である。これらの時には燃焼が不安定になりやすく特に注意が必要であるので,具体的な操業実態を想定した運転管理 としているものの,焼却対象物の搬入量の変動や点検等により,焼却炉の立ち上げ,休止は不可避である。これらの時には燃焼が不安定になりやすく特に注意が必要であるので,具体的な操業実態を想定した運転管理及び維持管理計画が必要である。維持管理状況の記録については,ダイオキシン等の測定が示されているが,地域住民への情報開示の方法について記されていないことは不適切である。 b 個別事項(原告提出の生活環境影響調査報告書の記載の問題点)(a) 事業の特性を明らかにするため,事業の概要として,より詳細な記述が求められるべきところ,本件各施設の全体配置図は,縮尺が小さすぎて,どこに何が設置されるか判別できず,焼却施設は2基とされるが,煙突も2基であるのかが不明瞭であり,最大処理能力が記載されていないなどの問題がある。 (b) 処理対象物についてより詳細な記述が求められるべきであり,処理対象物を誰がどこから搬入するのか,搬入量及び搬入車両台数の変動(年間,日間)はどの程度であり,最大値はいくらと予想されるのかを明示する必要がある。 (c) 本件土地周辺の特性を把握する必要があり,特に,集落の分布状況や周辺にどのような施設があるのかを明示し,生活環境影響調査に当たっての留意事項を把握する必要がある。 (d) 生活環境影響調査報告書に「環境基本計画を策定中である。」と記載されているのは誤りである。同計画は,平成12年1月,策定され,公表された。 (e) 気象調査が,1週間と3週間の2回に分けて行われているのは,不自然であるから,その理由を明確にする必要がある。また,ダイオキシン類の測定の際,気象調査がおこなわれていないのは,不適切である。なお,全般的事項のとおり,気象調査の充実が不可欠である。 (f) 気象調査結果において,風配図を示し,特徴を指摘する必要がある。 シン類の測定の際,気象調査がおこなわれていないのは,不適切である。なお,全般的事項のとおり,気象調査の充実が不可欠である。 (f) 気象調査結果において,風配図を示し,特徴を指摘する必要がある。 (g) 振動の現地調査の概要において,調査項目の記載に誤りがある。 (h) 法面を土壌調査の調査地点とするのは,適当ではない。 (i) 大気汚染に関する調査についてみると,①4週間の気象データを用いて年平均値を算出するのは適当ではない,②稼働日数や煙突の本数等計算の条件が明確ではない,③拡散条件である大気安定度の状況が明示されていない上,大阪管区気象台の日射量や雲量を利用して大気安定度を設定することの妥当性が示されていない,④人家のない本件土地の短期的な測定値をバックグラウンド濃度とすることは適当ではない上,塩化水素については,現地測定結果とは異なる値が利用されている,⑤長期濃度予測結果が実状と整合していない,⑥紀ノ川周辺においては,冬季に逆転層がしばしば発生するため,そのような気象条件下での予測,評価を加えることが望ましい,といった問題点があり,大気汚染の予測,評価については,気象観測から全面的にやり直すことが適当である。 (j) 運搬車両の通行による騒音,振動の予測については,予測地点を和歌山市梅原,岬町孝子など人家のある地点に設定すべきである。 (k) 大阪府側から廃棄物の搬入がある場合,運搬車両は,峠を越えた直後に右折進入することとなるので,その場合における交通流に与える影響について配慮が必要である。 (ウ) A,S及びBは,前記のとおり,専門委員であるP並びにQ及びR(以下,一括して「専門委員ら」という。)から原告の本件許可申請に当たっての生活環境影響調査に対する意見が提出されたことを受け,平成13年1月23日,原告(担当者は,L,C及び あるP並びにQ及びR(以下,一括して「専門委員ら」という。)から原告の本件許可申請に当たっての生活環境影響調査に対する意見が提出されたことを受け,平成13年1月23日,原告(担当者は,L,C及びFである。)との間で打ち合わせ協議を行い,原告に対し,以下の点について,説明を求め,原告は,これらの点につき,和歌山市で2月議会が開催される関係から,なるべく早期のうちに説明資料を作成し提出することとした。なお,原告は,後記a(h)の点につき,口頭で,濃度を下げる手法として,二酸化窒素に対しては煙突出口において尿素水噴霧及び脱硝触媒をし,浮遊粒子状物質に対してはバグフィルタを設置する計画としていると回答した。 a 大気汚染について(a) 1か月間の気象調査の結果が,1年間を代表している根拠を明らかにするとともに,本件土地が谷部という特殊地形であるから,山谷部の地形を考慮した風の流れを考慮して気象予測を行わなければならない。 (b) 環境基準項目に掲げられているベンゼン,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレンについても濃度調査し,現況を把握すべきである。 (c) 大気質予測における発生源条件の根拠を説明せよ。 (d) 大気質予測条件のうち,廃棄物運搬車両を16時間当たり200台とした根拠を説明せよ。 (e) 大気質予測における計算過程を説明せよ。 (f) 施設供用後の大気質評価結果につき,影響について分かりやすく説明せよ。 (g) 施設供用後の道路沿道大気質評価結果が,環境基準との対比において不適となっているが,見解を示せ。 (h) 施設供用後の濃度を抑制する方法を説明せよ。 b 水質汚濁について本件各施設にあっては,雨水のみ排水としているところ,大雨の際に,雨水排水が三笠池に流入する懸念があることから,本件各施設の排水処理の流れを具体的に分かりや 方法を説明せよ。 b 水質汚濁について本件各施設にあっては,雨水のみ排水としているところ,大雨の際に,雨水排水が三笠池に流入する懸念があることから,本件各施設の排水処理の流れを具体的に分かりやすく示し,次の観点からそれぞれの影響を説明せよ。 (a) 大雨の際などの雨水排水は,どのように処理し,場外へ排出されるのか(①過去10年程度の中の最大降水量が生じた場合に,廃棄物に触れた汚水が場外に流出しないのか,②本件土地内にどの程度の貯留池《ピット》を設置するのか,③本件土地内の路盤は,どのように整備されるか)。 (b) 廃棄物搬入車の洗浄時の油分等はどのように処理するのか。 (c) 本件各施設の屋根の雨水は,どのような経路で処分又は排出するのか。 (d) 井戸水採取の影響はないのか。 c 騒音,振動について(a) 騒音,振動予測における発生源条件の根拠を示せ。 (b) 各建設機械の騒音寄与を明記した上で,騒音予測における計算過程を示せ。 (c) 各建設機械の振動寄与を明記した上で,振動予測における計算過程を示せ。 (d) 騒音,振動が1日間の測定で代表できるのか,何を根拠にその1日を選定しているのかを説明せよ。 d 低周波音について焼却炉から低周波音が発生する可能性があるところ,現地調査に関する見解を示せ。なお,この点については,専門委員から,焼却炉そのものからの低周波音(息吹き現象)に関し,類似事例での現況測定を行い,これを基礎として,本件各施設の場合に類推する必要があるとの指摘があった。 e 悪臭についてアンモニアが高い濃度となっている理由を示せ。 f 土壌について土壌の調査地点の選定根拠を説明せよ。 また,調査結果において,ダイオキシン類の濃度が高い理由を説明せよ。 g 施設関連について焼却設備等について,生活環境影響調査報告書に示されている 土壌について土壌の調査地点の選定根拠を説明せよ。 また,調査結果において,ダイオキシン類の濃度が高い理由を説明せよ。 g 施設関連について焼却設備等について,生活環境影響調査報告書に示されている施設規模,能力が必要となる理由を示せ。 (エ) 岬町長は,被告に対し,平成13年1月25日付けで,以下の内容の市町村長の生活環境の保全上の見地からの意見を送付し,被告に対し,本件許可申請に当たっての生活環境影響調査は,岬町域での調査が極めて不十分であり,原告の本件各施設の設置及び維持管理に関する計画は,周辺地域の生活環境の保全について適正な配慮がされていないものと判断されるから,本件許可申請を許可しないよう申し入れた。 a 大気汚染による影響(a) 指針によれば,本件各施設と同等の規模の焼却施設の煙突から排出される排ガスによる影響に関する調査の範囲は,半径4キロメートル内とされているところ,本件許可申請に当たっての生活環境影響調査では,半径2キロメートルの範囲内の調査しかされておらず,見直しが必要である。 (b) 気象調査は,四季を通じた調査が必要であり,殊に岬町大気汚染測定局(孝子局)の平成10年度測定結果では,南寄りの風(東南東から西南西)が通年で約46パーセントを占めており,特に,7,8月では60パーセント強である上,本件土地のような谷地では,一般的な気象条件もさることながら,山谷風の実態を現地観測に即して評価すべきところ,原告の実施した気象調査は,平成12年9月14日から同月20日まで及び同月30日から同年10月20日までの間の現地調査結果を基礎に,和歌山地方気象台データを参考としているにすぎない。 (c) 現地調査において大気汚染の予測に不可欠な大気安定度の検討が一切されていない。 (d) 孝子地区を始めとする岬町域においては,光化学 基礎に,和歌山地方気象台データを参考としているにすぎない。 (c) 現地調査において大気汚染の予測に不可欠な大気安定度の検討が一切されていない。 (d) 孝子地区を始めとする岬町域においては,光化学オキシダントが環境基準を超過しているところ,光化学オキシダントについての調査,予測,評価がされていない。 (e) 本件各施設では,特別管理産業廃棄物を処理する計画であるにもかかわらず,環境基本法16条の規定に基づく大気汚染に係るベンゼン,トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンが調査項目とされていない。 (f) 廃棄物運搬車両については,時間別交通量に各時間帯ごとの影響を調査し,影響を回避するために必要な対策を検討する必要がある。 b 水質汚濁による影響指針によると,調査対象地域は,当該地域の水象のほか,行政区域,地形,土地利用,水利用の状況も勘案することとされているところ,本件各施設は稼働及び運搬車両の通行に伴う濁水等の汚水は生じないとされているが,汚水及び雨水により汚染物質が本件土地以外に流出することも考えられるから,保全対策について記載するとともに,影響を予測,評価する必要がある。 c 騒音,振動による影響指針によると,施設の稼働による影響の調査対象地域は,対象施設から発生する騒音,振動が距離減衰式等により相当程度変化すると考えられる地域であり,人家等が存在する地域とし,敷地境界より概ね100メートルまでの範囲とされているが,交通量が相当程度変化する主要搬入道路沿道の周辺の人家が存在する岬町域においても影響を調査し,評価することが必要である。 d 悪臭による影響悪臭については,施設外に漏洩しないとしているが,指針によれば,施設からの悪臭の漏洩による影響については,対象施設周辺の人家等が存在する地域において問題となることから,岬町域にお d 悪臭による影響悪臭については,施設外に漏洩しないとしているが,指針によれば,施設からの悪臭の漏洩による影響については,対象施設周辺の人家等が存在する地域において問題となることから,岬町域においても現況調査を行う必要がある。 e モニタリング岬町域におけるモニタリングの方法,その調査結果の公表手法が示されておらず,環境保全対策が不十分である。 (オ) 原告(出席者はC及びFである。)は,平成13年2月5日,対策室(出席者はS及びBである。)との打ち合わせ協議において,同年1月23日に対策室から説明を求められた事項について,説明資料を提出し,約2時間にわたり,回答内容を説明した。 a 大気汚染について(a) 原告は,1か月間の気象調査の結果が,1年間を代表している根拠を明らかにするとともに,本件土地が谷部という特殊地形であるから,山谷部の地形を考慮した風の流れを考慮して気象予測を行わなければならないとの質問に対し,検討中としつつ,大阪府から,岬町孝子測定局における平成11年度の気象データを平成13年1月31日に入手したので,①孝子局の年間気象集計(風配図作成),②孝子局の年間,季節別大気安定度集計,③本件土地の気象集計(風配図作成),④本件土地の大気安定度集計の諸点について,検討を行っており,これらの比較から,谷部における風向,風速の状況の比較検討を行うと回答した。 (b) 原告は,大気質予測における発生源条件の根拠を説明せよ,との質問に対し,生活環境影響調査報告書に記載された本件各施設の稼働にかかる大気汚染物質排出量は,本件各施設の混合廃棄物焼却設備,配プラスチック類焼却設備ともに,各焼却設備の能力から算定したものであると回答した。 (c) 原告は,大気質予測条件のうち,廃棄物運搬車両を16時間当たり200台とした根拠を説明せよ,と 物焼却設備,配プラスチック類焼却設備ともに,各焼却設備の能力から算定したものであると回答した。 (c) 原告は,大気質予測条件のうち,廃棄物運搬車両を16時間当たり200台とした根拠を説明せよ,との質問に対し,本件各施設稼働時において,廃棄物運搬車両は,午前6時から午後10時までの16時間に運行する計画であり,予測に当たっては,廃棄物運搬車両を全て大型車と想定し,車両台数については,生活環境影響調査報告書に記載された車両台数100台の往復分を予測上考慮していると回答した。 (d) 原告は,大気質予測における計算過程を説明せよ,との質問に対し,長期濃度予測については,本件各施設の煙突からの排出ガスについて,プルーム式,パフ式により大気拡散計算を行い,本件各施設の稼働による寄与濃度の年平均値を算出している旨回答し,計算過程の詳細をある風向の1風速階級,1大気安定度の条件下において,ある時間の1予測点における濃度を算定する過程を示した。 (e) 原告は,施設供用後の大気質評価結果につき,影響について分かりやすく説明せよ,との質問に対し,長期的予測(年平均値の予測)に基づく最大着地濃度は,すべての物質で環境基準を達成する結果となっており,本件各施設の排ガスの最大着地濃度が,将来濃度に占める割合は,浮遊粒子状物質,一酸化炭素については,将来濃度の1パーセント以下,ダイオキシン類については約6パーセントと低い割合となっている一方,二酸化窒素については将来濃度の約2割,二酸化硫黄については約5割と高い比率を示していると回答した。 (f) 原告は,施設供用後の道路沿道大気質評価結果が,環境基準との対比において不適となっているが,見解を示せ,との質問に対し,運搬車両の通行に伴う浮遊粒子状物質については,車両からの排ガス量,年間の気象データ等を用いて大気拡 路沿道大気質評価結果が,環境基準との対比において不適となっているが,見解を示せ,との質問に対し,運搬車両の通行に伴う浮遊粒子状物質については,車両からの排ガス量,年間の気象データ等を用いて大気拡散計算を行い,最も濃度が大きくなる官民境界において,濃度の算出を行い,その値にバックグラウンド濃度を加算し,さらに日平均値の2パーセント除外値を浮遊粒子状物質の環境基準と比較した場合,環境基準を超過していたところ,その要因としては,①浮遊粒子状物質の予測結果が,環境基準を超過する要因は,バックグラウンド濃度が高いことに起因していると考えられる,②バックグラウンド濃度は,現地測定結果をもとに設定しているが,現地調査段階では,本件土地が未整備であり,粉塵等が飛散しやすい状況にあった,③将来的に本件各施設の設置に伴う整備が進めば,これらの粉塵等の飛散は抑えられ,濃度は低下することが予想されると回答した。 また,原告は,貯留ヤードのトラック荷下ろし時の粉塵については,散水を行うことで,その発生を防止する予定であると回答するとともに,本件土地の現地調査は,平成12年9月に行われているところ,さらに,本件土地周辺の状況を把握する目的で,浮遊粒子状物資の現地測定を進めていると回答した。 (g) 原告は,施設供用後の濃度を抑制する方法を説明せよ,との質問に対し,窒素酸化物排出量について指導があった場合には,①燃焼ガスに尿素水を吹き込むと,尿素はアンモニアと二酸化炭素に分解され,アンモニアが燃焼ガス中の窒素酸化物と反応して窒素に還元する無触媒脱硝法,②触媒を用いて窒素酸化物を水と窒素に分解する脱硝触媒による窒素酸化物低減法により,排出量の抑制を行うこととなると回答した。 b 水質汚濁について原告は,本件各施設の排水処理の流れを具体的に分かりやすく示せ,との 酸化物を水と窒素に分解する脱硝触媒による窒素酸化物低減法により,排出量の抑制を行うこととなると回答した。 b 水質汚濁について原告は,本件各施設の排水処理の流れを具体的に分かりやすく示せ,との質問に対し,廃棄物はピットに貯留され,焼却炉内へ吹き込むクローズドシステムで処理されるため,直接廃棄物に触れた汚水が場外へ排出されることはないと回答し,大雨の際などの雨水排水は,どのように処理し,場外へ排出されるのか(ⅰ過去10年程度の中の最大降水量が生じた場合に,廃棄物に触れた汚水が場外に流出しないのか,ⅱ本件土地内にどの程度の貯留池《ピット》を設置するのか,ⅲ本件土地内の路盤は,どのように整備されるか),との質問に対しては,台風,大雨時の対策は,現在都市計画において申請している数字を基礎に計算し,それに従って敷地内のピットの規模を検討する,場内の搬入,搬出車両はアスファルト又はコンクリート舗装とすると回答し,廃棄物搬入車の洗浄時の油分等はどのように処理するのか,との質問に対し,油分等は分離処理を行った後,炉内に噴霧し償却処理すると回答し,本件各施設の屋根の雨水は,どのような経路で処分又は排出するのかとの質問に対し,施設の屋根の雨水は,一時雨水ピットに貯留し,その後場外に流出させると回答し,井戸水採取の影響はないのか,との質問に対し,井戸水に対しては,ボーリング調査の結果が確定できた段階で影響を検討し,その結果を提出すると回答した。 c 騒音,振動について(a) 原告は,騒音,振動予測における発生源条件の根拠を示せとの質問に対し,本件各施設からの騒音レベル及び振動レベルは,本件各施設に導入予定の設備と同等の設備において測定を行い,その結果を予測に適用している旨回答した。 (b) 原告は,各建設機械の騒音寄与を明記した上で,騒音予測における計 騒音レベル及び振動レベルは,本件各施設に導入予定の設備と同等の設備において測定を行い,その結果を予測に適用している旨回答した。 (b) 原告は,各建設機械の騒音寄与を明記した上で,騒音予測における計算過程を示せとの質問に対し,本件各施設の稼働にかかる予測手順を示すとともに,ある1施設の機械の稼働時の騒音レベルを算定する過程を示した。 (c) 原告は,各建設機械の振動寄与を明記した上で,振動予測における計算過程を示せとの質問に対しても,前記騒音の場合と同様に計算過程を示した。 d 低周波音について原告は,焼却炉から低周波音が発生する可能性があるところ,現地調査に関する見解を示せとの質問に対しては,指針に基づき低周波については調査対象としていなかったが,指導に従い,現地調査を実施すると回答した。 なお,原告は,平成13年2月8日から同月9日までの24時間,本件土地の境界付近及び国道26号線沿道の4地点において,低周波音の測定を実施し,同年4月,その調査報告書を作成した。 e 悪臭について原告は,アンモニアが高い濃度となっている理由を示せとの質問に対し,現地調査及び再調査の結果,アンモニアが高い濃度を示したものであり,このように高い濃度を示す原因を特定することは難しい状況にあるが,本件土地周辺の現況をより詳細に把握するため,再度現地調査を実施する旨回答した。 f 土壌について原告は,土壌の調査地点の選定根拠を説明せよとの質問に対し,今後本件各施設が設置されても,土壌に変化がないと考えられる地点を選定し,1地点では比較検討が困難なため,2地点を対象としたと回答し,調査結果において,ダイオキシン類の濃度が高い理由を説明せよとの質問に対しては,環境庁が平成10年度に実施したダイオキシン類緊急全国一斉調査の結果(土壌中のダイオキシン類の濃度は286地 と回答し,調査結果において,ダイオキシン類の濃度が高い理由を説明せよとの質問に対しては,環境庁が平成10年度に実施したダイオキシン類緊急全国一斉調査の結果(土壌中のダイオキシン類の濃度は286地点の算術平均値)と比較すると,調査結果の数値が高いとはいえない旨回答した。 g 施設関連について原告は,焼却設備等について,生活環境影響調査報告書に示されている施設規模,能力が必要となる理由を示せとの質問に対し,採算性及び周辺地域から発生すると考えられる焼却物量等を検討した結果,現在の施設規模,能力が必要となったと回答した。 キ和歌山市議会は,平成13年3月7日,同年2月から開催された定例市議会において,本件各施設の設置に対する反対決議を求める請願を受理し,これを採択した。 Aは,同年3月末ころ,「産業廃棄物処理施設設置の不許可処分について」と題する書面(乙20)を作成した。その中で,本件許可申請の不許可事由として掲げられていたのは以下のとおりである。 (ア) 廃掃法施行規則4条1項7号チ所定の煤塵を焼却灰と分離して排出し,貯留することができる灰出し設備及び貯留設備が設けられていない。 (イ) 廃掃法施行規則4条1項7号リ所定の灰出し設備として,煤塵又は焼却灰が飛散,流出しない構造でない(不許可事由1)。 (ウ) 廃掃法施行規則4条1項10号イ所定の破砕施設にあっては,破砕によって生ずる粉塵の周囲への飛散を防止するために必要な集塵機,散水装置が設けられていない(不許可事由2)。 (エ) 廃掃法施行規則4条1項10号ロ所定の爆発による被害を防止するために,必要な防爆設備又は爆風逃がし口の設備その他必要な措置が講じられていない(不許可事由3)。 (オ) 廃掃法施行規則4条1項13号所定の保管施設から排水を放流する場合は,その水質を生活環境保全上の支 必要な防爆設備又は爆風逃がし口の設備その他必要な措置が講じられていない(不許可事由3)。 (オ) 廃掃法施行規則4条1項13号所定の保管施設から排水を放流する場合は,その水質を生活環境保全上の支障が生じないものとするために,必要な廃水処理設備が設けられていない(不許可事由4)。 (カ) 廃掃法施行規則12条1項4号所定の産業廃棄物の飛散及び流出並びに悪臭の発散を防止するために必要な構造のものであり又は必要な設備が設けられていない(不許可事由5)。 (キ) 産業廃棄物の受入設備及び処理された産業廃棄物の貯留設備は,施設の処理能力に応じ,十分な容量を確保できていない(不許可事由6)。 (ク) 近隣市町村である岬町に対し生活環境の保全について,すべての環境項目に配慮されていない(不許可事由7の一部)。 ク Aは,平成13年4月17日付けで,本件許可申請を不許可処分とすることについて,和歌山市の政策調整会議に付議し,同月25日開催された同会議において,本件許可申請を不許可処分とする旨決定し,同日付けで,原告に対し,不許可事由1ないし7を理由とする本件不許可処分を通知した。 (2)ア被告は,前記(1)イ(ウ),(カ)の認定に反し,対策室の担当者が原告から調査計画書案の提出を受け,Aが原告に対し計画書案記載の生活環境影響調査の手法を承認したこと及びその後Fとの協議の結果原告が採用した生活環境影響調査方法を承認したことはいずれもなく,和歌山市の担当者(A)が,原告の本件許可申請に当たっての生活環境影響調査を担当していたFに対し,平成12年7月19日ころ,同調査において調査すべき事項等については,指針の内容に基づいて調査するよう指導し,指針を閲覧させるとともにその写しを交付し,同年9月22日,気象調査は本件土地が特殊な山間谷部であるから四季ごとの観測結 査において調査すべき事項等については,指針の内容に基づいて調査するよう指導し,指針を閲覧させるとともにその写しを交付し,同年9月22日,気象調査は本件土地が特殊な山間谷部であるから四季ごとの観測結果が必要であるが,四季を通じて気象の変化等がなく,当該調査が四季を代表する結果となるのであれば,調査を最低1か月程度行えば足りると意見を述べたと主張する。そして,証拠(乙16,証人A,同B)中には,被告の上記主張に沿う陳述記載ないし証言部分が存在する。また,指針(乙10)には,焼却施設の生活環境影響調査の手法として,大気汚染の状況の調査に当たっては,年間(四季)を通した変動が把握できるように大気環境調査を行うのが原則であるが,既存の文献又は資料によってその変動傾向が把握できる場合には,施設規模に応じて2季又は1季の調査とすることができる(1季当たりの調査期間は1ないし2週間程度とする例が多い。),地上気象の状況の調査に当たっては,原則として1年間連続の地上気象調査を行う,上層気象の状況の調査に当たっては,原則として四季又は2季の上層気象調査を行う(1季当たりの調査期間は,5ないし7日間とする。)との記載がある。 しかしながら,通常の場合,行政指導に従わなければ申請の許可を受けられないおそれのある原告において,合理的な理由がないにもかかわらず,受けた行政指導と異なる調査方法により,生活環境影響調査を行うとはにわかに考え難い(この点,被告及び補助参加人らは,原告が経費を削減するために,本件許可申請にかかる生活環境影響調査調査を軽微なものにしようとした旨主張するが,これを認めるに足りる的確な証拠はない。)。また,もし,Aが被告の前記主張のような行政指導をしたのであれば,前記(1)ウ認定のとおり,原告が,Aから行政指導受けた平成12年7月19日から約 するが,これを認めるに足りる的確な証拠はない。)。また,もし,Aが被告の前記主張のような行政指導をしたのであれば,前記(1)ウ認定のとおり,原告が,Aから行政指導受けた平成12年7月19日から約3か月半を経過したにすぎない同年11月7日に本件許可申請をしていることからみて,本件許可申請に伴い提出された生活環境影響調査報告書は,Aがした行政指導とは異なるより軽微な調査方法によりされた調査に基づくことは明らかであるにもかかわらず,対策室の担当者であるB及びその上司であるAは,その内容を審査した上(この点については,後記イで詳述する。),特に問題がないと判断して,本件許可申請を受理したことになるが,このように,行政指導に従わないでされた生活環境影響調査報告書を伴う許可申請につき,何らの指摘もすることなくそのまま受理するという事態も,行政庁に申請の受理義務があることを考慮しても,通常想定し難いものといわざるを得ない。以上の事実関係に照らすと,生活環境影響調査の方法に関する行政指導の内容についてのA及びBの陳述記載ないし証言部分を信用することはできず,他に前記認定を覆すに足りる証拠はない。 イ被告は,対策室の担当者であるA及びBが,原告及び原告から本件許可申請に関する事務手続等の委託を受けたIの担当者であるCに対し,本件許可申請が受理されるまでの間に,本件許可申請の内容面すなわち技術面に関わる行政指導ないし審査をしたことはなく,本件許可申請に当たり,形式的な点に限って行政指導ないし審査をしたにすぎないと主張する。そして,証拠(乙17,証人A,同B)中には,被告の上記主張に沿う又は沿うかに見えるBの陳述記載並びにA及びBの証言部分が存在する。 しかしながら,A及びBは,本件許可申請に先立つ事前相談の段階から内容面について検討し,原告ないしIの には,被告の上記主張に沿う又は沿うかに見えるBの陳述記載並びにA及びBの証言部分が存在する。 しかしながら,A及びBは,本件許可申請に先立つ事前相談の段階から内容面について検討し,原告ないしIの担当者であるCに対し,説明を求めたり,行政指導をした旨の証言及び本件許可申請を受理する平成12年11月7日から同月9日までの間において,内容面についても検討した旨の証言もしている。また,前記(1)ウ,エ認定のとおり,本件許可申請が,7件分の産業廃棄物処理施設設置許可申請を含むものであるにもかかわらず,Bが,本件許可申請を受理して間もない同月下旬ころ,Aに対し,本件許可申請について,設置許可処分をする方向で決裁を求めたことに照らすと,担当者であるBにおいて,上記のような短期間で,許可処分の決裁を求めるには,本件許可申請が受理されるまでの間において,内容面についても原告ないしIの担当者であるCと協議し,本件許可申請を許可するために必要な内容面での行政指導を行っていなければ不自然である。以上の事実関係に照らすと,Bの前記陳述記載並びにA及びBの前記証言部分は信用することができず,他に,前記認定を覆すに足りる証拠はない。 2 争点(2)(被告における信義則違反,裁量権の逸脱ないし濫用の存否)について被告のした本件不許可処分が,信義則に違反し,裁量権を逸脱ないし濫用してされた処分であるかという問題は,不許可事由1ないし7の存否に関する争点(1)とは関係なく本件不許可処分の違法を根拠付けるものとして機能するから,争点(1)についての判断をする前に,先に争点(2)について判断する。 (1) 不許可事由1ないし3,5(ただし,前記第2の3(1)の被告及び補助参加人らの主張オ(イ)に関する部分を除く。以下,本項について同じ。)及び6についてア前記1(1)イ(エ ついて判断する。 (1) 不許可事由1ないし3,5(ただし,前記第2の3(1)の被告及び補助参加人らの主張オ(イ)に関する部分を除く。以下,本項について同じ。)及び6についてア前記1(1)イ(エ),(キ),ウ,エ,カ(ウ),(オ)認定のとおり,原告(主たる担当者はC)は,平成12年7月末ころから,対策室の担当者であるBとの間で,廃掃法15条の2第1項1号,同法施行規則12条,12条の2所定の技術上の基準に関する事項について協議を進めてきたこと,同年11月7日に原告が提出した本件許可申請の申請書類の内容を審査した上,同月9日,特に内容的に問題がないとして,これを受理したこと,Bにおいて,同月末ころまでに本件許可申請における本件各施設が技術上の基準に適合するかの審査をした上,Aに対し,許可処分とすることが相当であるとして決裁を求め,Aは,内容的な理由ではなく,必要な手続が未了であるという理由でこれを留保したこと,平成13年1月23日及び同年2月5日に和歌山市の担当者と原告との間の協議においても,不許可事由1ないし3,5及び6にかかる事項については,全く話題とされなかったことに加えて,証拠(甲26,証人A,同B,同C)によれば,Bが,対策室の担当から外れた同年2月ころまでの間において,本件各施設が,技術上の基準に適合しないとの判断をしたことはなく,Aも,少なくとも乙20を作成する同年3月ころまで,本件各施設が技術上の基準に適合しないとは判断していなかったこと,和歌山市の担当者が,原告に対し,本件許可申請受理後本件不許可処分までの間において,不許可事由1ないし3,5及び6に関する点について,質問,指導等の対応を全くとらなかったことが認められることに照らすと,原告においては,本件許可申請の許可権者である被告ないし和歌山市の担当者から,本件許可 由1ないし3,5及び6に関する点について,質問,指導等の対応を全くとらなかったことが認められることに照らすと,原告においては,本件許可申請の許可権者である被告ないし和歌山市の担当者から,本件許可申請の受理後本件不許可処分に至るまでの間,不許可事由1ないし3,5及び6について何らの質問,指導を受けていなかったのであるから,本件許可申請が許可される見込みが高いか,少なくとも,不許可事由1ないし3,5及び6を理由として,本件不許可処分がされることはないと信頼し,本件各施設の設置又は本件許可申請の許可に向けて必要な準備活動をしていたと推認される一方,被告ないし和歌山市の担当者は,平成13年3月末ころに至って初めて,本件各施設に,不許可事由1ないし3,5及び6の技術上の基準に適合しない事実があると判断したと推認され,上記各推認を覆すに足りる証拠はない。 以上の各事実に照らすと,被告ないし和歌山市の担当者においては,原告の上記信頼を保護するため,それまでと異なり,不許可事由1ないし3,5及び6について,技術上の基準に適合しないないしその疑いがあることを指摘し,原告をして,これらの事項についての説明や本件許可申請の補正をするなどの対応を検討させる機会を与えるべき信義則上の義務があったというべきであり,このような機会を与えることなく,不許可事由1ないし3,5及び6を理由として,本件不許可処分をすることは,信義則上許されないというべきである。 イ(ア) 被告及び補助参加人らは,和歌山市の担当者において,許可申請の具体的内容の欠陥についてまで補正を求めるような行政指導を行う義務は原則として存在しないから,このような行政指導を行う義務の存在を前提として,本件不許可処分を違法であるということはできないと主張する。 しかしながら,前記説示のとおり,本件において 政指導を行う義務は原則として存在しないから,このような行政指導を行う義務の存在を前提として,本件不許可処分を違法であるということはできないと主張する。 しかしながら,前記説示のとおり,本件においては,和歌山市の担当者が,少なくとも平成13年3月ころまでの間,不許可事由1ないし3,5及び6の各点について,何ら問題となるべき点はないかのような対応をしていたことにより,原告において,前記各点に特段の問題点はなく,技術上の基準に適合すると信頼したことを保護する必要が生じたために,例外的に信義則上の義務が発生したというべきであり,被告及び補助参加人らが想定する原則的な事態とはいえないから,被告及び補助参加人らの主張は採用することができない。 (イ) 被告及び補助参加人らは,許可申請をするに当たっては,まず許可申請者において,許可権者の法解釈や技術上の見解について質問し,また自らの技術や設備内容を説明するなどして許可を得られるよう努力すべきであり,原告がこのような対応をしなかった以上,被告ないし和歌山市の担当者において,原告に対し,積極的に照会したり指導したりしなかったことが,本件不許可処分に手続違反や裁量違反の問題を生じさせることはない旨主張する。 しかしながら,前記1(1)イ(エ),(キ)認定のとおり,原告は,和歌山市の担当者との間で,本件許可申請に先立ち,本件各施設の技術的な点についても協議をしていたのであるから,被告及び補助参加人らの主張は,そもそも前提を欠き,採用することができない。 (ウ) 被告及び補助参加人らは,本件許可申請においては,平成13年1月31日の経過により,告示縦覧手続が満了しているから,縦覧された趣旨,内容の範囲を超える書類の差し替え変更や内容の変更を招来するような指導は許されないと主張する。そして,縦覧期間が経過した後 年1月31日の経過により,告示縦覧手続が満了しているから,縦覧された趣旨,内容の範囲を超える書類の差し替え変更や内容の変更を招来するような指導は許されないと主張する。そして,縦覧期間が経過した後の申請書類等の変更の許否ないし許されるとした場合の手続について明文の規定はなく,告示縦覧制度の趣旨に照らし,縦覧に供された後に縦覧に供された書類を差し替えるなどして変更することは,原則として許されないと解すべきであるということができる。 しかしながら,上記のように解するべきであるとしても,訂正の必要性が大きいなど特段の事情がある場合にも常に禁止されるとまで解することはできない一方,生活環境影響調査報告書も縦覧の対象とされている(廃掃法15条4項)ところ,前記1(1)カ(ウ),(オ)認定のとおり,和歌山市の担当者は,原告に対し,平成13年1月23日及び同年2月5日に開催された協議において,生活環境影響調査について,説明を求めたり,再度の調査を求めるなどして,生活環境影響調査報告書の追完や貯留ピットの規模等についての補正を求めるかのような対応をとっていることに照らすと,生活環境影響調査報告書以外の書類の追完は許されないと主張することは,いわゆる禁反言の原則に違背し,信義則に違反するものとして許されないというべきである。 したがって,被告及び補助参加人らの前記主張は,採用することができない。 (エ) 被告及び補助参加人らは,申請者に費用や犠牲を伴う内容の指導は,原則として許されない,業者との馴れ合いになるような行政上の許可に関わる事項の指導は,原則として許されないなどと主張する。 しかしながら,一般論としてはともかく,前記説示のとおり,本件は,和歌山市の担当者の本件許可申請受理前後の対応によって,原告に生じた信頼を保護する必要が生じた以上,信義則上 されないなどと主張する。 しかしながら,一般論としてはともかく,前記説示のとおり,本件は,和歌山市の担当者の本件許可申請受理前後の対応によって,原告に生じた信頼を保護する必要が生じた以上,信義則上,その信頼を保護する義務があるといわざるを得ないから,被告及び補助参加人らの主張は採用することができない。 (2) 不許可事由4について前記1(1)イ(エ),(キ),ウ,エ,カ(ウ),(オ)認定のとおり,原告は,平成12年7月末ころから,対策室の担当者であるBとの間で,廃掃法15条の2第1項1号,同法施行規則12条,12条の2所定の技術上の基準に関する事項について協議を進めてきたこと,同年11月7日に原告が提出した本件許可申請の申請書類の内容を審査した上,同月9日,特に内容的に問題がないとして,これを受理したこと,Bにおいて,同月末ころまでに本件許可申請における本件各施設が技術上の基準に適合するかの審査をした上,Aに対し,許可処分とすることが相当であるとして決裁を求め,Aは,内容的な理由ではなく,必要な手続が行われていないという理由でこれを留保したこと,原告は,平成13年1月23日に開催された和歌山市の担当者との協議において,同市の担当者が,同月15日付けの専門委員であるPの意見に基づき,大雨の際に雨水排水が三笠池に流入する懸念があることから,①大雨の際などの雨水排水は,どのように処理し,場外へ排出されるのか,②過去10年程度の中の最大降水量が生じた場合に,廃棄物に触れた汚水が場外に流出しないのか,③本件土地内にどの程度の貯留池を設置するのか,④本件土地内の路盤は,どのように整備されるか,⑤廃棄物搬入車両の洗浄時の油分等はどのように処理するのか,⑥本件各施設の屋根の雨水は,どのような経路で処分又は排出するのか,⑦井戸水採取の影響はないのか,と 地内の路盤は,どのように整備されるか,⑤廃棄物搬入車両の洗浄時の油分等はどのように処理するのか,⑥本件各施設の屋根の雨水は,どのような経路で処分又は排出するのか,⑦井戸水採取の影響はないのか,との質問を受けたこと,原告は,同年2月5日に開催された和歌山市の担当者との協議において,上記の質問に対し,①本件各施設において廃棄物はピットに貯留され,焼却炉内へ吹き込むクローズドシステムで処理されるため,直接廃棄物に触れた汚水が場外へ排出されることはない,②台風,大雨時の対策は,現在都市計画において申請している数字を元に計算し,それに従って敷地内のピットの規模を検討する,③場内の搬入,搬出車両は,アスファルト又はコンクリート舗装とする,④油分等は分離処理を行った後,炉内で噴霧として処理する,⑤本件各施設の屋根の雨水は,一時雨水用ピットに貯留し,その後場外へ流出させる,井戸水に対しては,ボーリング調査の結果確定できた段階で,影響を検討し,その結果を提出と回答したことに加えて,証拠(甲26,証人A,同B,同C)によれば,原告は,同日の協議の後,本件各施設からの排水について,本件不許可処分に至るまでの間,何らの質問ないし指導を受けなかったこと,Aにおいて,乙20を作成する同年3月末ころまでは,和歌山市の担当者であるB及びAは,不許可事由4を含め,本件各施設が技術上の基準に適合しないとは判断していなかったことが認められることに照らすと,原告と和歌山市の担当者は,同年1月15日付けのPの意見書が提出されるまでは,不許可事由4にかかる事実が,本件各施設が技術上の基準に適合しない問題点であるとは認識しておらず,同年1月23日及び同年2月5日に協議を行った後においても,被告ないし和歌山市の担当者は,同年3月末ころに至るまで,不許可事由4にかかる事実について, 基準に適合しない問題点であるとは認識しておらず,同年1月23日及び同年2月5日に協議を行った後においても,被告ないし和歌山市の担当者は,同年3月末ころに至るまで,不許可事由4にかかる事実について,技術上の基準に適合しない問題点であるとは判断していなかったこと及び原告は,同年2月5日に実施された協議の後,被告ないし和歌山市の担当者から特段の指導等を受けなかったことから,原告において,和歌山市の担当者らに対し回答した内容で,被告ないし和歌山市の担当者が了解し,この点を不許可事由とは判断しなかったと信頼し,本件許可申請の許可に向けた準備を継続したことが推認される。 以上の各事実に照らすと,原告の上記信頼を保護するため,被告ないし和歌山市の担当者においては,平成13年3月末ころ,不許可事由4にかかる事実を本件各施設において,技術上の基準に適合しない問題点であるないしその疑いがあると判断した段階において,従前と異なり,不許可事由4について,技術上の基準に適合しないないしその疑いがあることを指摘し,原告をして,これらの事項についての説明や本件許可申請の補正をするなどの対応を検討させる機会を与えるべき信義則上の義務があったというべきであり,このような機会を与えることなく,不許可事由4を理由として,本件不許可処分をすることは,信義則上許されないというべきである。 これに対し,被告及び補助参加人らは,平成13年1月23日に開催された勉強会において,和歌山市の担当者らが,原告の担当者に対し,散水により滴下された水の集水経路及び処理方法,大雨の場合の雨水と散水された水との区分の可否,雨水の集水経路及び処理方法,廃熱ボイラーから排出される水の集水経路及び処理方法について質問したが,原告は,これらの点について,本件不許可処分に至るまでの間,何ら回答しなかったこ 水との区分の可否,雨水の集水経路及び処理方法,廃熱ボイラーから排出される水の集水経路及び処理方法について質問したが,原告は,これらの点について,本件不許可処分に至るまでの間,何ら回答しなかったことを前提として,本件不許可処分の処分の理由として,不許可事由4記載の事実を掲げることに,何らの問題も生じない旨主張する。 しかしながら,前記説示のとおり,原告は,同年2月5日,和歌山市の担当者に対し,同年1月23日の協議で指摘された事項について,一応の回答をしていること,和歌山市の担当者は,同年2月5日の協議において,原告からの回答を得た後,同年3月末に至るまで,不許可事由4にかかる事実があったとは判断していなかったことに照らすと,同市の担当者は,同年2月5日の原告からの回答に了解したものとみるほかないから,原告が同日において何ら回答しなかったことを前提とする被告及び補助参加人らの主張は採用することができない。 (3) 不許可事由7についてア前記1(1)イ(ウ),(カ),ウ,エ,カ(ウ),(オ)認定のとおり,和歌山市の担当者は,平成12年7月19日ころ,原告から,調査計画書案の交付を受け,本件許可申請に当たって必要な生活環境影響調査につき,指導をするよう依頼を受けたが,同年9月22日までの間,特に調査計画書案記載の生活環境影響調査の計画に対し,意見を述べなかったこと,本件許可申請に当たっての生活環境影響調査を行っていたF及び原告が,同日行われたAとの協議の際に同人からの回答に基づき,同年10月2日,生活環境影響調査の調査実施内容の変更ないし追加に関する提案をして,Aがこれを了承したこと,原告の生活環境影響調査が,調査計画書案及び前記提案に基づき実施されたこと,原告が,同年11月7日,本件許可申請に際し,生活環境影響調査報告書を提出し,これを検 提案をして,Aがこれを了承したこと,原告の生活環境影響調査が,調査計画書案及び前記提案に基づき実施されたこと,原告が,同年11月7日,本件許可申請に際し,生活環境影響調査報告書を提出し,これを検討した和歌山市の担当者において,内容的に問題がないとして,同月9日,本件許可申請を受理したこと,その後,原告が,和歌山市の担当者からの指示を受けて,岬町に関する環境調査事項を追加した生活環境影響調査報告書を提出したこと,和歌山市の担当者が,原告に対し,平成13年1月23日,専門委員らの意見に基づき,本件土地における1か月間の気象調査の結果が,本件土地の1年間の気象を代表している根拠を明らかにせよ,本件土地が谷部という特殊地形であるから,山谷部の地形を考慮した風の流れを考慮して気象予測を行わなければならない等,生活環境影響調査に対する質問及び指導をしたのに対し,原告が,和歌山市の担当者に対し,同年2月5日,説明資料を提出し,回答内容を説明したこと,原告が,その後,この回答内容に基づく調査を行っていたことに加えて,証拠(乙20,証人A)及び弁論の全趣旨によれば,和歌山市の担当者は,同日の協議以降本件不許可処分に至るまでの間,原告に対し,原告の回答ないしその説明に対し,何らかの質問ないし指導をしてはいなかったこと,Aが,同年3月末ころ,乙20を作成した時点において,不許可事由7のうち,「焼却設備が混合焼却炉と単独焼却炉の2基設置する計画で,大きな規模の設備といえるにもかかわらず,地形が複雑で工場の建物があり高台にある状況下でありながら,上層気象(風向,風速,気温)等の現況把握が不十分であり,ダウンウオッシュ,無風下等における大気汚染(ダイオキシン類を含む。),悪臭等について検討されておらず,周辺地域の生活環境の保全について適正な配慮がされていない ,気温)等の現況把握が不十分であり,ダウンウオッシュ,無風下等における大気汚染(ダイオキシン類を含む。),悪臭等について検討されておらず,周辺地域の生活環境の保全について適正な配慮がされていない。」との点は検討されていなかったことが認められることを併せると,原告は,本件許可申請に当たっての生活環境影響調査を実施する最初の段階から,和歌山市の担当者と協議し,その指導に従う形で,生活環境影響調査を実施し,本件許可申請が受理された後も,同市の担当者の指導に従い,岬町に関する生活環境影響調査の結果を追完し,同市の担当者からの質問に対しても一応の回答をしていたのであり,その回答に対し,被告ないし同市の担当者において,本件不許可処分に至るまで,特段の指導ないし質問をしたという事情がない以上,原告において,生活環境影響調査について,同市の担当者との同年1月23日及び同年2月5日の協議において,検討事項とされた点をさらに検討し,必要な調査を行うなどすれば,少なくとも生活環境影響調査の不備ないし不許可事由7を理由として,本件許可申請を不許可とされることはないと信頼し,前記の点について,検討及び調査をしていたものと推認される。また,一方で,被告ないし和歌山市の担当者において,不許可事由7のうち,岬町に関するもの以外の点については,本件不許可処分を行う直前まで,不許可事由として検討していたとは窺われないと推認される。 以上のような事実関係に照らすと,原告の上記信頼を保護するため,被告ないし和歌山市の担当者においては,不許可事由7のうち,岬町に関する調査,検討,予測がされていない点については,平成13年3月末ころ,Aにおいて,乙20を作成し,この点が本件許可申請に対する不許可事由となるないしその疑いがあると判断した時点において,その余の点については,本件不許 がされていない点については,平成13年3月末ころ,Aにおいて,乙20を作成し,この点が本件許可申請に対する不許可事由となるないしその疑いがあると判断した時点において,その余の点については,本件不許可処分に至るまでの間において,原告に対し,不許可事由ないしその疑いがあることを指摘し,原告をして,これらの点についての検討,調査などの対応をする機会を与えるべき信義則上の義務があったというべきであり,このような機会を与えることなく,不許可事由7を理由として,本件不許可処分をすることは,信義則上許されないというべきである。 イ(ア) 被告及び補助参加人らは,原告が,和歌山市の担当者の指導に従わずに,生活環境影響調査を実施し,その調査に瑕疵があった以上,同市の担当者において,原告に対し,生活環境影響調査の方法等について指導をしなくても,本件不許可処分の理由として,不許可事由7を掲げることが裁量権の逸脱ないし濫用等となることはない旨主張する。 しかしながら,前記1(1)イ(ウ),(カ)認定のとおり,原告ないしFが,和歌山市の担当者の指導に依拠して,本件許可申請に当たり,生活環境影響調査を実施したことに照らすと,被告及び補助参加人らの主張は,前提を欠き,採用することができない。 (イ) 被告及び補助参加人らは,原告が和歌山市の担当者の指示により,当初提出した生活環境影響調査報告書に付加した岬町に関する生活環境影響調査の結果は,何ら内容がなく,原告は,岬町に関する生活環境影響調査について,同市の担当者の行政指導を遵守しなかったというべきであるから,本件不許可処分の処分理由として,不許可事由7を掲げることは,何ら裁量権の逸脱ないし濫用等に当たるものではない旨主張する。 しかしながら,前記1(1)エ認定のとおり,原告は,平成12年12月15日にされた和歌山市 処分理由として,不許可事由7を掲げることは,何ら裁量権の逸脱ないし濫用等に当たるものではない旨主張する。 しかしながら,前記1(1)エ認定のとおり,原告は,平成12年12月15日にされた和歌山市の担当者からの指示により,その後まもなく,岬町に関する生活環境影響調査を付加した同調査報告書を提出したものであることに,その提出後,平成13年1月23日までの間,同市の担当者が,原告に対し,その内容に不備や問題があるなどの指摘をしたことを認めるに足りる証拠がないことを併せると,和歌山市の担当者においては,専門委員らからの意見が提出された同月19日ないし同月23日までは,原告のした生活環境影響調査の内容が不十分であるとは認識しておらず,原告も,同日実施された協議において,同市の担当者から生活環境影響調査の問題点を指摘されるまでの間,岬町に関する生活環境影響調査を含む生活環境影響調査について内容的に問題があったとは判断していなかったと推認される。そうすると,仮に,原告が生活環境影響調査報告書に付加した岬町に関する生活環境影響調査の結果等が不十分なものであったとしても,原告が,和歌山市の担当者の行政指導を遵守していなかったということはできないから,被告及び補助参加人らの前記主張は,採用することができない。 (ウ) 被告及び補助参加人らは,和歌山市の担当者らが,原告ないしFに対し,平成13年1月23日,生活環境影響調査の不備について,質問及び指導をしたにもかかわらず,同年2月5日の協議においても,また,その後,本件不許可処分に至るまで,何らの回答も報告もしなかったことを前提に,原告は,生活環境影響調査について,同市の担当者の行政指導を遵守していないから,本件不許可処分の処分理由として,不許可事由7を掲げることは,何ら裁量権の逸脱ないし濫用等に当たるも ったことを前提に,原告は,生活環境影響調査について,同市の担当者の行政指導を遵守していないから,本件不許可処分の処分理由として,不許可事由7を掲げることは,何ら裁量権の逸脱ないし濫用等に当たるものではない旨主張する。 しかしながら,前記1(1)カ(オ)認定のとおり,原告は,平成13年2月5日に行われた和歌山市の担当者らとの協議において,説明資料を配布の上,2時間程度にわたりその内容を説明するとともに,1か月間の気象調査の結果が1年間を代表している根拠,本件土地が谷部という特殊地形であることから,山谷部の地形を考慮した風の流れを考慮して気象予測を行うべきであるとの指導ないし質問に対しては検討中である,本件土地周辺の状況を把握するため,浮遊粒子状物質の現地測定を進めている,台風,大雨時の対策は,現在都市計画において申請している数字を基礎に計算し,それに従いピットの規模を検討する,低周波音については,現地調査を実施する,本件土地周辺のアンモニアの濃度が高いことに関連して,本件土地周辺の現況をより詳細に把握するため,再度現地調査を実施する,と指摘された問題点のうちいくつかに対し,検討及び調査をする旨回答しており,和歌山市の担当者が,同年1月23日,原告に対してした行政指導ないし質問に対し,一応の説明をするとともに,必要な調査検討をする旨回答したということができる。これに,証拠(証人A,同F,同C)及び弁論の全趣旨によれば,同日の協議以降,本件不許可処分に至るまでの間,和歌山市の担当者は,原告に対し,調査,検討の進捗状況等について確認したり,督促したりしてはいなかったことが認められることを併せると,前記説示のとおり,原告は,上記調査,検討を実施すれば,不許可事由7にかかる生活環境影響調査に関する問題点を解決することができ,この点を理由として, してはいなかったことが認められることを併せると,前記説示のとおり,原告は,上記調査,検討を実施すれば,不許可事由7にかかる生活環境影響調査に関する問題点を解決することができ,この点を理由として,本件許可申請が不許可とされることはないとの信頼を有するに至ったというべきであるから,被告及び補助参加人らの前記主張は,その前提を異にするとともに,和歌山市の担当者において,原告に生じた前記信頼を保護するための手続的な保障を欠くものであり,採用することができない。 (4) 不許可事由5のうち,前記第2の3(1)の被告及び補助参加人らの主張オ(イ)に関する部分について被告及び補助参加人らは,①混合廃棄物焼却炉の1日当たりの焼却能力は,1日当たり61トン(毎時約2.54トン)とみるべきであり,規制の対象となる焼却炉の焼却能力は,炉単体のものではなく,同一施設内の焼却炉の焼却能力の合計を基準とすべきであるから,本件各施設における1日当たりの最大処理能力は,混合廃棄物焼却炉と廃プラスチック焼却炉とを合わせると1日当たり合計109トン(毎時約4.54トン)であり,ダイオキシン類対策特別措置法8条,同法施行規則別表第1により,1時間当たり4トン以上の焼却能力を有する焼却炉にあっては,ダイオキシン類の排出規制値は,1立方メートル当たり0.1ナノグラム以下となるべきところ,原告は,本件許可申請において,混合焼却炉のダイオキシン類排出量を1立方メートル当たり5ナノグラム以下としていること,②本件各施設の混合焼却炉は,1日100トンを超える焼却能力を有する可能性すらあるところ,排ガス冷却室の能力やダスト処理能力がこれに対応しておらず,バグフィルタに故障が発生しバイパス装置が稼働して大量のダイオキシン類を含む有毒ガスが大気中に放出される可能性があること,③本件各施設 ろ,排ガス冷却室の能力やダスト処理能力がこれに対応しておらず,バグフィルタに故障が発生しバイパス装置が稼働して大量のダイオキシン類を含む有毒ガスが大気中に放出される可能性があること,③本件各施設においては,廃油,廃酸,廃アルカリ等有機塩素系化合物を焼却することとなっているところ,濃度変化に関係なく一定量の消石灰を供給する方式となっているため,高濃度に対応することができず,塩化水素を除去することが不十分となること,④写真廃液と思われる廃アルカリの燃焼に伴って発生する高濃度硫黄酸化物を除去する装置がなく,中和装置を利用して写真廃液を中和すると大量の硫黄酸化物が発生するが,これを除去する装置も設置されておらず,大気中に排出される可能性があることから,本件各施設は,廃掃法施行規則12条4号に定める基準には適合しない旨主張する。 補助参加人らは,平成14年5月21日の本件第5回口頭弁論期日において,前記①の主張を,平成15年7月1日の本件第12回口頭弁論期日において,前記②の主張をし,被告は,同年2月4日の本件第9回口頭弁論期日において,補助参加人らの前記①主張を援用するとともに,前記②の主張をし,平成16年1月30日の本件第14回口頭弁論期日(口頭弁論の終結の日)において,前記③の主張をしている(補助参加人らは,同口頭弁論期日において,被告の主張を援用している。)ところ,一般に取消訴訟においては,別異に解すべき特段の事情のない限り,行政庁は,当該処分の効力を維持するための一切の法律上及び事実上の根拠を主張することが許されると解すべきであるから,被告及び補助参加人らの主張も,特段の事情がない限り,本件訴訟において主張することが許されることとなる。 しかしながら,前記説示のとおり,原告は,本件許可申請前から,本件各施設の技術上の基準については主と び補助参加人らの主張も,特段の事情がない限り,本件訴訟において主張することが許されることとなる。 しかしながら,前記説示のとおり,原告は,本件許可申請前から,本件各施設の技術上の基準については主として対策室の担当者であるBから,生活環境影響調査については主として対策室の室長であるAからの指導に基づき,生活環境影響調査を実施し,本件各施設の設備や事業内容を確定した上で,平成12年11月7日,本件許可申請をし,和歌山市の担当者は,同月9日,本件許可申請の内容面に特に問題はないと判断してこれを受理し,その後,同市の担当者が,岬町の担当者から,本件許可申請にかかる生活環境影響調査報告書に岬町に関する記載がないとの指摘を受け,原告に対し,生活環境影響調査の追完を指示し,原告が,この指示に基づき,岬町に関する生活環境影響調査に関する記載を追加した生活環境影響調査報告書を提出し,和歌山市の担当者が,平成13年1月23日,専門委員らの意見を基に,本件各施設の排水面及び生活環境影響調査について質問及び指導を行ったのに対し,原告が,同年2月5日,回答するとともに必要な調査,検討をする旨約したものであるところ,被告ないし和歌山市の担当者は,本件許可申請受理後,平成13年3月末ころ,従前本件各施設が廃掃法施行規則所定の技術上の基準に適合しないとは判断していなかったにもかかわらず,これが基準に適合しないと判断を変更するとともに,生活環境影響調査に関しても,原告の調査,検討を待つことなく廃掃法15条の2第1項2号所定の周辺地域の生活環境への配慮がされていないと判断することとし,前記のとおり,同市の担当者の指示に従った対応をしており,これらの点が不許可事由とは判断されていないと信頼して,本件各施設の設置への向けての準備,調査を継続していた原告に対し,信義則上上記の ととし,前記のとおり,同市の担当者の指示に従った対応をしており,これらの点が不許可事由とは判断されていないと信頼して,本件各施設の設置への向けての準備,調査を継続していた原告に対し,信義則上上記のような判断の変更について説明ないし指導をする義務があったというべきであるにもかかわらず,これをすることなく,信義則上本件不許可処分の理由とすることができない不許可事由1ないし7(不許可事由5については,前記①ないし③の追加された主張を除く。)を理由として,本件不許可処分をしたのである。以上の事実経過に照らすと,被告及び補助参加人らに前記①ないし③の主張の追加を許すことにより,本件不許可処分がされた時点において,信義則に照らして不許可事由とすることができないものに基づいてされた違法なものといわざるを得ない本件不許可処分を違法でないとする余地を与えることは,信義則に照らしても,また,原告に対する手続保障の観点からも是認することはできないといわなければならない。 したがって,本件訴訟においては,行政庁ないしその補助参加人らにおいて,本件不許可処分の効力を維持するための一切の法律上及び事実上の根拠を主張することが許されない特段の事情があり,被告及び補助参加人らは,前記主張を追加して主張することは許されないというべきである。 (5) 小括以上の次第で,被告が,本件不許可処分の処分理由として掲げられた不許可事由1ないし7を,本件不許可処分の処分理由とすることは,信義則上許されないといわざるを得ない。 なお,上記のように,不許可事由1ないし7を本件不許可処分の不許可理由とすることができないとすると,廃掃法15条の2第1項各号の要件を充たさない疑いのある許可申請を不許可とすることができなくなり,同法15条の2第1項1号及び2号,廃掃法施行規則12条,12条の 理由とすることができないとすると,廃掃法15条の2第1項各号の要件を充たさない疑いのある許可申請を不許可とすることができなくなり,同法15条の2第1項1号及び2号,廃掃法施行規則12条,12条の2の趣旨を没却し,ひいては,法律による行政の原理を没却するかのようにみえる。 しかしながら,和歌山市の担当者らの本件許可申請前後における本件許可申請に対する対応によって,原告に生じた本件許可申請が許可されるのではないか,あるいは,少なくとも不許可処分とはされないのではないかとの信頼を保護するため,被告が,信義則上,不許可事由1ないし7を不許可理由とすることができないのは,本件不許可処分についてのみであり,被告ないし和歌山市の担当者が,和歌山市の担当者らの本件許可申請前後における本件許可申請に対する対応によって,原告に生じた本件許可申請が許可されるのではないか,あるいは,少なくとも不許可処分とはされないのではないかとの信頼を保護するために,必要な指導ないし見解の変更の告知を行い,原告に対し,これに対応するのに必要かつ十分な機会を与えた上であれば,被告は,審査の上で,前記各不許可事由が存在すると認められる場合,これらを理由として,改めて本件許可申請を不許可とすることができるのであるから,前記廃掃法及び廃掃法施行規則の各条項の趣旨や法律による行政の原理を没却することはなく,かえって,本件許可申請に対し,手続的に適正な方法によって,審査をすることができるものというべきである(なお,不許可事由3については,廃掃法施行規則12条及び12条の2の規定上,本件許可申請にかかる本件各施設の技術上の基準として,防爆設備は要件として掲げられていない。そして,廃掃法15条の2第1項所定の許可制が,平成3年法律第95号による廃掃法の改正により,届出制から移行したもので にかかる本件各施設の技術上の基準として,防爆設備は要件として掲げられていない。そして,廃掃法15条の2第1項所定の許可制が,平成3年法律第95号による廃掃法の改正により,届出制から移行したものであること,同法15条の2第4項に,許可権者が,産業廃棄物処理施設の設置許可をするに当たり,生活環境の保全上必要な条件を付することができると定められ,同条1項の要件を充たす場合には,産業廃棄物処理施設設置許可申請を許可しなければならないことが前提とされていると解されることに照らすと,前記の許可制は,私権の行使を公共の福祉のために制限するものにほかならず,同項各号の要件を満たさなければ産業廃棄物処理施設の設置を許可してはならない旨を定めた規定であると同時に,同項各号の要件を満たす場合には許可しなければならないことをも定めた規定でもあるというべきである。そうとすると,産業廃棄物処理施設の設置の許否の判断については,行政庁に裁量の余地はないと解すべきであり,それと同時に,その解釈適用さらには技術上の基準について定めた廃掃法施行規則12条,12条の2の解釈適用に当たっては,その文理に従うべきであり,明文上の根拠がないにもかかわらず,技術上の基準に関する規定を類推適用することにより,行政庁が裁量に基づくかのように新たな不許可要件を作出して処分するのと同視されるような処分をすることは許されないと解すべきである。したがって,本件各施設の技術上の基準として防爆設備が必要であるということはできないから,不許可事由3については,本件許可申請に対する不許可処分の理由とすることができないことは明らかである。)。 3 結論以上のとおり,本件不許可処分は,その掲げる不許可事由が,信義則上,本件不許可処分の処分理由とすることが許されないこととなるから,本件不許可処分は,結 とができないことは明らかである。)。 3 結論以上のとおり,本件不許可処分は,その掲げる不許可事由が,信義則上,本件不許可処分の処分理由とすることが許されないこととなるから,本件不許可処分は,結果として,処分理由を欠いた違法なものといわざるを得ない。よって,本件不許可処分はこれを取り消さざるを得ないので,原告の本件請求は,理由があるから認容することとして,主文のとおり判決する。 和歌山地方裁判所第二民事部裁判長裁判官礒  尾正裁判官秋本昌彦裁判官成田晋司

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