1,314 文字
主文 本件抗告を棄却する。抗告費用は抗告人の負担とする。理由 本件抗告理由は末尾添付のとおりである。<要旨>金銭債権の差押命令は、第三債務者に対し債務者に支払をフることを禁じ、又債務者に対しその債権の処分</要旨>殊に取立をしてはならないことを命ずる効力を生ずるものであるから(民事訴訟法第五九八条)、差押命令には、差押債権か債務者の第三債務者に対する他の債権と区別できる程度にその種類と数額とか明示されなければならないのであつて、差押債権がこの程度に特定されていないときは、債権差押の効力を生じないものといわなければならない。ところが神戸地方裁判所昭和二十七年(ル)第一六九号債権差押命令には「差押うべを債権の表示」として、「一、金五百万円也。債務者Aが第三債務者株式会社伊予銀行大阪支店に対して有する、一、昭和二十七年九月十五日約定の金五百万円の定期預金債権。一、昭和二十七年九月二十二日約定の金五百万円の定期預金債権。一、昭和二十七年九月二十四日約定の金五百万円の定期預金債権。右合計金千五百万円の中金五百万円也。」と記載されであつて、右三個の債権の内五百万円というに止まり、本件で問題となつている右九月十五日約定の五百万円の定期預金債権の内何程を差押債権とするものか、その数額が示されていないから、右五百万円の債権の内差し押えられるべき部分が特定されず、従つてこれについて差押の効力を生するに由がない。債権者は差押命令の申請について差し押うべき債権の種類と数額とを明示してこれを特定することを要するものであつて(民事訴訟法第五九六条)、裁判所は申請の趣旨に基いて差押の許否を調査するけれども、その債権の存否を認定するものではない。九月十五日約定の五百万円の定期預金債権の内実際に存在していた部 るものであつて(民事訴訟法第五九六条)、裁判所は申請の趣旨に基いて差押の許否を調査するけれども、その債権の存否を認定するものではない。 いて差し押うべき債権の種類と数額とを明示してこれを特定することを要するものであつて(民事訴訟法第五九六条)、裁判所は申請の趣旨に基いて差押の許否を調査するけれども、その債権の存否を認定するものではない。九月十五日約定の五百万円の定期預金債権の内実際に存在していた部 るものであつて(民事訴訟法第五九六条)、裁判所は申請の趣旨に基いて差押の許否を調査するけれども、その債権の存否を認定するものではない。九月十五日約定の五百万円の定期預金債権の内実際に存在していた部分が客観的には定つていたとしても、差押命令にその部分が数額を示して特定されなかつた以上、この部分について有効な差押があつたものということはできない。右のように差押債権が特定しないため差押の効力が生じなかつたものであるから、抗告人主張のような超過差押の問題は生じない。以上の説明で明らかなとおり、抗告人の主張はすべて採用の余地なく、原決定にはこれを取り消すべき違法の点はないから、本件抗告を棄却することとし、抗告費用の負担について民事訴訟法第八九条を適用し主文のとおり決定する。(裁判長判事大野美稲判事松村寿伝夫判事熊野啓五郎)
▼ クリックして全文を表示