主文 原略式命令を破棄する。 被告人を罰金10万円に処する。 上記罰金を完納することができないときは金5000円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。 理由 小田原簡易裁判所は,平成15年7月11日,「被告人は,法定の除外事由がないのに,平成14年2月2日午後1時40分ころ,神奈川県秦野市a町b番c号付近道路において,国土交通大臣の委任を受けた最寄りの地方運輸支局長の行う検査を受けておらず,有効な自動車検査証の交付を受けているものでなく,かつ,自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済の契約が締結されていない普通自動車(車台番号FE518BN500015号)を運転して運行の用に供したものである。」との事実を認定した上,(1) 平成14年法律第89号による改正前の道路運送車両法(以下「道路運送車両法」という。)108条1号,58条1項,62条1項,平成14年政令第343号による改正前の同法施行令(以下「同法施行令」という。)9条1項2号,2項1号,(2) 平成13年法律第83号による改正前の自動車損害賠償保障法(以下「自動車損害賠償保障法」という。)87条1号,5条,(3) 刑法54条1項前段その他の関係法令を適用し,被告人を罰金30万円に処する旨の略式命令を発し,この命令は同月31日確定した。しかし,上記(1)の罪の法定刑は「6月以下の懲役又は20万円以下の罰金」,上記(2)の罪のそれは「6月以下の懲役又は5万円以下の罰金」であるところ,原略式命令が被告人の所為は1個の行為が2個以上の罪名に触れる場合に当たるものとして刑法54条1項前段を適用したのは正当であり,本件については,犯情の重い上記(1)の罪の刑で処断すべきものとして,罰金刑を選択した場合には,その処断刑の多額は- 1 - 場合に当たるものとして刑法54条1項前段を適用したのは正当であり,本件については,犯情の重い上記(1)の罪の刑で処断すべきものとして,罰金刑を選択した場合には,その処断刑の多額は- 1 -20万円である。したがって,これを超過して被告人を罰金30万円に処した原略式命令は,法令に違反し,かつ,被告人のため不利益である。 よって,刑訴法458条1号により,原略式命令を破棄し,被告事件について更に判決することとする。 原略式命令の確定した事実に法令を適用すると,被告人の所為のうち,無車検車両を運行の用に供した点は道路運送車両法108条1号,58条1項,62条1項,105条1項,2項,同法施行令9条1項2号,2項1号に,無保険車両を運行の用に供した点は自動車損害賠償保障法87条1号,5条にそれぞれ該当するところ,これは,1個の行為が2個の罪名に触れる場合であるから,刑法54条1項前段,10条により1罪として犯情の重い無車検車両を運行の用に供する罪の刑で処断することとし,所定刑中罰金刑を選択し,その金額の範囲内で被告人を罰金10万円に処し,この罰金を完納することができないときは,同法18条により金5000円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置することとし,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官吉田博視公判出席(裁判長裁判官北川弘治裁判官福田博裁判官滝井繁男裁判官津野修)- 2 -
▼ クリックして全文を表示