昭和26(う)381 賍物牙保強盗傷人被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和26年8月30日 広島高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件控訴を棄却する。          理    由  本件控訴の趣意は別紙控訴趣著書と題する書面記載のとおりである。よつて当裁 判所はこれに対し順次次のように判断する。  控

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判決文本文1,731 文字)

主文 本件控訴を棄却する。 理由 本件控訴の趣意は別紙控訴趣著書と題する書面記載のとおりである。よつて当裁判所はこれに対し順次次のように判断する。 控訴趣意書(一)について。 起訴状記載の公訴事実(第二事実)と原判決の認定事実(第二第三事実)とを比照するに共に「被告人は昭和二十五年八口三十日午後十二時頃宇部市a区床波駅西方宇部線踏切附近の県道上(起訴状は同踏切の東方約四十米の道路上となつており、原判決は同踏切より東方約八十五米の道路上となつておるが、共に同一場所と認められる)に於てAを殴打又は足蹴にする等の暴行を加えて左側耳穀切創、右側肩胛部打撲傷等全治約一週間を要する傷害を加え、次いで同人を前記踏切の西方約五十米の道路上(起訴状は前記踏切より約五十七米の道路上となつておるがこれも原判決と同一場所と認められる)に連行し所携の刺身庖丁でおどして現金千三百円を強取した」事実を掲記しておるのであつてこの事実を検察官は強盗傷人罪にあたるとの見解のもとに刑法第二百四十条前段の強盗傷人罪の罪名を記載したに過ぎないのであり、しかして原判決は右事実の前者を刑法第二百四条に該る傷害罪後者を同法第二百三十六条第一項に該る強盗罪と認定したのであつてその基本的事実関係においては何等異つていないのであるから公訴事実の同一性を害しておるとは云えないのである。 <要旨>従つて審判の請求を受けない事件について判決をしたとの非難はあたらないのである。しかし、公訴事実の</要旨>同一性を害しないとは言え右の如く刑法第二百四十条前段の強盗傷人の一罪として起訴されたものを傷害及び強盗の併合罪として認定する場合には自らその訴因及び罰条に変更をきたすのであるから、かかる場合には刑事訴訟法第三百十二条により検察官の請求又は裁判所が命 の強盗傷人の一罪として起訴されたものを傷害及び強盗の併合罪として認定する場合には自らその訴因及び罰条に変更をきたすのであるから、かかる場合には刑事訴訟法第三百十二条により検察官の請求又は裁判所が命ずることにより訴因及び罰条の変更が当然なさるべきであるが、然しこれとてもその変更によリ被告人の防禦に実質的な不利益を生ずる虞がないときにはあえてそれをしなかつたと言つても別段違法として咎むべき筋合のものでないことは刑事訴訟法第三百十二条第二百五十六条の規定の精神からも窺われるのである。而して本件においては強盗傷人の事実についても又傷害及び強盗の事実についても事実及び証拠について当事者双方の意見弁解及び申出はもとよりその取調べはあますところなく充分なされておるばかりでなく原判決は強盗傷人として起訴された事実をそれよりも軽い傷害及び強盗の併合罪として認定しておるのであつてこれは却つて被告人に利益になるとも不利益にはならないのである。従つて訴因及び罰条の変更をしなかつたとは言え、これにより被告人の防禦に実質的な不利益が生ずる虞があるものと認めることができないのである。してみれば原判決には所論のような違法はなく論旨は理由がない。 同(二)について。 しかし証拠の取捨判断は事実審である原裁判所の専権に属するところであるばかりでなく原判決の挙示する証拠によれば原判示事実は優にこれを認定することができるのであるから論旨は理由がない。 同(三)について。 しかし記録を精査するに被告人は昭和二十一年十月三十日山口区裁判所において窃盗罪で懲役十月昭和二十四年三月七日宇部簡易裁判所において同じく窃盗罪で懲役一年二月に処せられておりながら更に又本件を犯すに至つたものであることが認められるのであつてこれ等の事情によれば被信人を懲役五年及び罰金二千円に処した原判 日宇部簡易裁判所において同じく窃盗罪で懲役一年二月に処せられておりながら更に又本件を犯すに至つたものであることが認められるのであつてこれ等の事情によれば被信人を懲役五年及び罰金二千円に処した原判決の量刑は相当であつて何等不当の判決であると言うことができないので論旨は採用しない。 よつて刑事訴訟法第三百九十六条に則り主文のとおり判決する。 (裁判長判事柳田躬則判事藤井寛判事永見真人)

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