令和5(行ケ)4 地方自治法第251条の5に基づく違法な国の関与(是正の指示)の取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和6年2月15日 福岡高等裁判所 那覇支部 棄却
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判決文本文33,692 文字)

主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求の趣旨 被告が沖縄県に対して地方自治法245条の7第1項に基づき令和5年3月29日付け4水管第3986号をもって行った、沖縄防衛局の原告に対する令和4年7月22日付け沖防第4697号及び同第4698号に係るさんご類の採捕の許可申請について、文書到着の日の翌日から起算して7日以内に許可処分をすることを求める是正の指示を取り消す。 第2 事案の概要等沖縄防衛局は、沖縄県宜野湾市所在の普天間飛行場の代替施設を同県名護市辺野古沿岸域に設置するための公有水面の埋立て(以下「本件埋立事業」という。)に関連して、原告(沖縄県知事)に対し、令和4年7月22日付けで沖縄県漁業調整規則(令和2年沖縄県規則第53号。以下「本件規則」という。) 40条1項に基づく造礁さんご類を対象とする2件の採捕の許可申請(以下「本件各申請」という。)をしたが、同年9月5日付けで不許可処分(以下「本件各不許可処分」という。)を受けた。これに対し、沖縄防衛局が行政不服審査法に基づく審査請求をしたところ、被告(農林水産大臣)は、同年12月16日付けの裁決(以下「本件裁決」という。)により、本件各不許可処分 を取り消した。また、被告は、沖縄県に対し、地方自治法245条の7第1項に基づき、令和5年3月29日付けで、本件各申請について許可処分をするよう是正の指示(以下「本件指示」という。)をした。原告は、本件指示を不服として、国地方係争処理委員会に対し、審査の申出をしたが、同年7月14日付けで、本件指示は違法でないと認める旨の審査の結果の通知を受けた。 本件は、原告が、上記の審査の結果を不服として、地方自治法251条 係争処理委員会に対し、審査の申出をしたが、同年7月14日付けで、本件指示は違法でないと認める旨の審査の結果の通知を受けた。 本件は、原告が、上記の審査の結果を不服として、地方自治法251条の5 第1項に基づき、本件指示が違法な国の関与であると主張し、その取消しを求める事案である。 1 関係法令の定め関係法令の定めは、別紙2のとおりである。 2 前提事実(当事者間に争いのない事実又は後掲証拠等及び弁論の全趣旨によ って容易に認められる事実)特別採捕許可に関する規則及び審査基準の定め等ア漁業法119条2項1号は、都道府県知事が、漁業調整のため、水産動植物の採捕等に関する制限又は禁止に関して必要な規則を定めることができる旨を規定する。同法119条2項の規定により都道府県が処理するこ ととされている事務は、法定受託事務である(同法187条1号、地方自治法2条9項1号)。 イ沖縄県漁業調整規則(本件規則)は、漁業法119条2項にいう「規則」であり、漁業法、水産資源保護法その他漁業に関する法令と相まって、沖縄県における水産資源の保護培養及び漁業調整を図り、もって漁業生産力 を発展させることを目的とするものである(本件規則1条)。本件規則は、何人も造礁さんご類を採捕してはならない旨を規定するが(34条2項2号)、試験研究、教育実習又は増養殖用の種苗(種卵を含む。)の供給(自給を含む。)(以下「試験研究等」という。)のための水産動植物の採捕について知事の許可(以下「特別採捕許可」という。)を受けた者が行う当 該試験研究等については、同号の規定を適用しないものとしている(40条1項)。同条2項は、特別採捕許可を受けようとする者は、所定の申請書を知事に提出しなければならない旨を規定する。(乙 う当 該試験研究等については、同号の規定を適用しないものとしている(40条1項)。同条2項は、特別採捕許可を受けようとする者は、所定の申請書を知事に提出しなければならない旨を規定する。(乙8)ウ沖縄県知事は、特別採捕許可の申請について、標準処理期間(行政手続法6条)を45日と定める(乙10)とともに、次のとおりの内容で、申 請を審査する際の審査基準(同法5条。本件規則の施行前の審査基準と実 質的に同旨の内容であることから、以下、改正の前後を問わず「本件審査基準」という。)を定めた上、これらを公にしている(甲4、乙9、弁論の全趣旨)。 形式審査① 申請書は本件規則40条2項に掲げる全ての事項について、必要な 記載があること。 ② 実施計画書が添付されていること。 ③ 採捕予定海域の図面等が添付されていること。 内容審査① 申請者は試験研究、教育実習及び増殖用種苗の供給を目的としてい ること。 ② 申請者及び採捕従事者に、採捕行為を行う上での適格性が認められること。 ③ 申請内容に、必要性と妥当性が認められること。 ④ 採捕行為の実施により、漁業調整上又は水産資源の保護培養上、問 題が生じるおそれがないと認められること。 公有水面の埋立ての承認及び環境監視等委員会の設置ア沖縄防衛局は、沖縄県名護市辺野古に所在する辺野古崎地区及びこれに隣接する水域(以下、この水域を「本件水域」という。)に普天間飛行場の代替施設を設置するため、平成25年3月22日付けで、沖縄県知事に 対し、本件水域の公有水面の埋立ての承認を求めて願書を提出した(以下、この出願を「本件埋立出願」という。)。同願書に添付された環境保全に関し講ずる措置を記載した図書(以下「環境保全図書」という。)は 対し、本件水域の公有水面の埋立ての承認を求めて願書を提出した(以下、この出願を「本件埋立出願」という。)。同願書に添付された環境保全に関し講ずる措置を記載した図書(以下「環境保全図書」という。)は、本件埋立事業に係る環境影響評価書を踏まえて作成されたものであるところ、環境保全図書には、本件水域内に生息するさんご類について、避難措置と して適切な場所に移植を行う旨が記載されていた。(乙17の1~15) イ当時の沖縄県知事は、同年12月27日付けで、本件埋立出願につき、公有水面埋立法4条1項各号の要件に適合すると判断して、同法42条1項に基づく公有水面の埋立ての承認(以下「本件承認処分」という。)をした。本件承認処分の留意事項では、「実施設計に基づき環境保全対策、環境監視調査及び事後調査などについて詳細検討し県と協議を行うこと。 なお、詳細検討及び対策等の実施にあたっては、各分野の専門家・有識者から構成される環境監視等委員会(仮称)を設置し助言を受けるとともに、特に、外来生物の侵入防止対策、ジュゴン、ウミガメ等海生生物の保護対象の実施について万全を期すこと。」とされた。(乙18)ウ沖縄防衛局は、平成26年4月11日、科学的・専門的助言を行うこと を目的とした普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会(以下「環境監視等委員会」という。)を設置した。環境監視等委員会の委員には、複数名のさんご類に関する専門家も含まれている。(乙19~21)本件承認処分の変更承認申請に関する紛争の経過ア沖縄防衛局は、本件承認処分の後に判明した事情を踏まえ、地盤改良工 事を追加して行うなどするため、令和2年4月21日付けで、原告(沖縄県知事)に対し、本件埋立事業に係る設計の概要について変更の承認の申請 、本件承認処分の後に判明した事情を踏まえ、地盤改良工 事を追加して行うなどするため、令和2年4月21日付けで、原告(沖縄県知事)に対し、本件埋立事業に係る設計の概要について変更の承認の申請(以下「別件変更申請」という。)をした(乙36の1~9)。原告は、令和3年11月25日付けで、公有水面埋立法42条3項において準用する同法13条ノ2第1項、並びに、同法42条3項において準用する同法 13条ノ2第2項において準用する同法4条1項1号及び2号の各規定(以下、これらの各規定を「別件各規定」という。)の要件に適合しないなどとして、別件変更申請を不承認とする処分(以下「別件変更不承認」という。)をした(甲15、乙37)。なお、別件変更申請に係る沖縄県の事務は法定受託事務である(公有水面埋立法51条1号、地方自治法2条 9項1号)。 イ沖縄防衛局は、別件変更不承認を不服として、令和3年12月7日付けで、地方自治法255条の2第1項1号に基づき、公有水面埋立法を所管する大臣である国土交通大臣に対し、審査請求をした(乙38)。国土交通大臣は、別件変更不承認に係る原告の判断は裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものであって、別件各規定に反し違法であるなどとして、 令和4年4月8日付けで、別件変更不承認を取り消す旨の裁決(以下「別件裁決」という。)をした(甲16、乙39)。 ウ原告は別件裁決後も別件変更申請に係る変更の承認(以下「別件変更承認」という。)をしなかったところ、国土交通大臣は、これが原告の裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものであり、「都道府県の法定受 託事務の処理が法令の規定に違反している」(地方自治法245条の7第1項)と認められるなどとして、令和4年4月28日付けで、沖縄県 囲を逸脱し、又はこれを濫用したものであり、「都道府県の法定受 託事務の処理が法令の規定に違反している」(地方自治法245条の7第1項)と認められるなどとして、令和4年4月28日付けで、沖縄県に対し、別件変更承認をするよう是正の指示(以下「別件指示」という。)をした(甲17)。 エ原告は、別件裁決及び別件指示をいずれも不服として、それぞれ令和4 年5月9日及び同月30日付けで、国地方係争処理委員会に対し、地方自治法250条の13第1項に基づく審査の申出をしたが、別件裁決については同年7月12日付けでその申出を却下する旨の審査の結果の通知を、別件指示については同年8月19日付けで別件指示は違法でないと認める旨の審査の結果の通知をそれぞれ受けた(乙40、41)。 オ原告は、国地方係争処理委員会の上記各判断を不服として、別件裁決については令和4年8月12日に、別件指示については同月24日に、それぞれが違法な国の関与に当たると主張して、福岡高等裁判所那覇支部に対し、地方自治法251条の5第1項1号に基づき、その取消しを求める各訴えを提起した(乙99、101、顕著な事実)。 カ福岡高等裁判所那覇支部は、令和5年3月16日、別件裁決の取消しを 求める原告の訴えを却下する旨の判決を言い渡すとともに、原告の別件変更不承認が公有水面埋立法の別件各規定に違反するとの実体判断をした上で、別件指示は地方自治法245条の7第1項所定の要件を満たすものとして適法である旨判示し、別件指示の取消しを求める原告の請求を棄却する旨の判決を言い渡した(乙42、43)。 キ原告は、福岡高等裁判所那覇支部の上記各判決を不服として最高裁判所に上告した(乙44、45の1)が、最高裁判所は、令和5年8月24日、上記訴え却下 旨の判決を言い渡した(乙42、43)。 キ原告は、福岡高等裁判所那覇支部の上記各判決を不服として最高裁判所に上告した(乙44、45の1)が、最高裁判所は、令和5年8月24日、上記訴え却下判決に対する原告の上告受理申立てを受理しない旨の決定をし(乙45の2)、同年9月4日、上記請求棄却判決につき、原告の上告を棄却する旨の判決(最高裁令和5年(行ヒ)第143号同年9月4日第 一小法廷判決・裁判所時報1823号1頁。以下「令和5年最高裁判決」という。)を言い渡した(乙45の3)。 DEHN地区における特別採捕許可申請に関する経過ア沖縄防衛局は、環境監視等委員会に諮った上で、令和2年6月26日付けで、原告に対し、本件埋立事業に係る環境影響評価書に基づく環境保全 措置(造礁さんご類の移植技術に関する試験研究)を実施する目的(以下「本件目的」という。)で、本件水域の大浦湾側のDEHN地区に生息する小型さんご類約3万5350群体及び同大浦湾側に生息するしょうがさんご9群体を本件水域外の近隣の水域に移植すること(移築することを含む。以下同じ。)を内容とする特別採捕許可の申請をするとともに、本件 目的で、同大浦湾側に生息する大型さんご類21群体を本件水域外の近隣の水域に移植することを内容とする特別採捕許可の申請をした(乙46、47。以下、これらの申請を併せて「第一次特別採捕許可申請」という。)。 これに対し、原告は、令和3年1月22日付けで、第一次特別採捕許可申請をいずれも不許可とする処分をした(乙52、53)。 イ沖縄防衛局は、環境監視等委員会に諮った上で、令和3年12月21日 付けで、原告に対し、本件目的で、本件水域の大浦湾側のDEHN地区に生息する小型さんご類約3万5350群体及び同大浦 イ沖縄防衛局は、環境監視等委員会に諮った上で、令和3年12月21日 付けで、原告に対し、本件目的で、本件水域の大浦湾側のDEHN地区に生息する小型さんご類約3万5350群体及び同大浦湾側に生息するしょうがさんご8群体を本件水域外の近隣の水域に移植することを内容とする特別採捕許可の申請をするとともに、本件目的で、同大浦湾側に生息する大型さんご類21群体を本件水域外の近隣の水域に移植することを内容と する特別採捕許可の申請をした(乙54、55。以下、これらの申請を併せて「第二次特別採捕許可申請」という。)。 これに対し、原告は、令和4年2月10日付けで、第二次特別採捕許可申請をいずれも不許可とする処分をした(乙56、57)。 ウ沖縄防衛局は、環境監視等委員会に諮った上で、令和4年7月22日付 けで、原告に対し、本件目的で、本件水域の大浦湾側のDEHN地区に生息する小型さんご類約8万4000群体及び同大浦湾側に生息するしょうがさんご8群体を本件水域外の近隣の水域に移植することを内容とする特別採捕許可の申請をするとともに、本件目的で、同大浦湾側に生息する大型さんご類21群体を本件水域外の近隣の水域に移植することを内容とす る特別採捕許可の申請をした(当該2件の申請が本件各申請である。以下、本件各申請において移植の対象とされているさんご類を総称して、「本件さんご類」という。)(甲2、3、乙1、2)。 これに対し、原告は、本件各申請について、①申請書に本件規則40条2項に掲げる全ての事項について必要な記載があり、②実施計画書として、 採捕の計画が記載された「調査計画書」が添付され、③移植元及び移植先を表す採捕予定海域の図面等が添付されていることから、本件審査基準のうち形式審査の基準(前記ウ。以下「形 計画書として、 採捕の計画が記載された「調査計画書」が添付され、③移植元及び移植先を表す採捕予定海域の図面等が添付されていることから、本件審査基準のうち形式審査の基準(前記ウ。以下「形式審査基準」という。)に適合するものであることを認め、本件審査基準のうち内容審査の基準(同。 以下、同基準を「内容審査基準」といい、同①ないし④を「1項」ない し「4項」という。)に適合するか否かの審査を行った上、同年9月5日 付けで、本件各申請をいずれも不許可とする処分(本件各不許可処分)をした(甲5、6、乙3、4、61の3)。 エ原告が第一次特別採捕許可申請をいずれも不許可とした理由は、申請内容に必要性が認められない上、申請内容に係る妥当性及び水産資源の保護培養上問題が生じるおそれがないことも認められないから、内容審査基準 3項及び4項に適合しないというものであったのに対し、原告が第二次特別採捕許可申請及び本件各申請をいずれも不許可とした理由は、申請内容に必要性が認められないことから、その余の点を判断するまでもなく内容審査基準に適合しないというものであった(甲5、6、乙3、4、52、53、56、57)。 そして、第二次特別採捕許可申請及び本件各申請について、申請内容に必要性が認められないと原告が判断する理由は、実質的に同一であり、要旨、次のとおりである。 本件各申請で採捕を予定しているさんご類が生息する箇所(以下、後記までにおいて「本件さんご類生息箇所」という。)は、本件水域 の大浦湾側に所在しているところ、大浦湾側には広範に軟弱地盤が存在することが埋立承認(本件承認処分)の後に判明しており、沖縄防衛局は、埋立承認を受けた設計の概要に従った工事を適法に実施し得る法的地位を有していても、本 いるところ、大浦湾側には広範に軟弱地盤が存在することが埋立承認(本件承認処分)の後に判明しており、沖縄防衛局は、埋立承認を受けた設計の概要に従った工事を適法に実施し得る法的地位を有していても、本件さんご類生息箇所については、埋立承認を受けた設計の概要には記載のない地盤改良工事を先行して行わなければ、 事実の問題として、埋立承認を受けた設計の概要に従った工事を実施することは不可能であると認められる。 そして、沖縄防衛局は、原告に対し、令和2年4月21日付けで大浦湾に存在する軟弱地盤部分の地盤改良工事の追加等を内容とする設計の概要の変更承認申請(別件変更申請)をしたが、同申請は承認されて おらず、沖縄防衛局は、大浦湾側の地盤改良工事を適法に実施する法的 地位をいまだ取得していない。 したがって、沖縄防衛局は本件さんご類生息箇所について埋立承認を受けた設計の概要に従った工事を適法に実施し得る法的地位を有し、埋立承認を受けた設計の概要に従った工事のための環境保全措置として本件各申請がなされているとしても、事実の問題として、沖縄防衛局は、 本件さんご類生息箇所について埋立承認を受けた設計の概要に従った工事を実施することは不可能な状況において本件各申請をしたものであるから、本件各申請の内容に必要性が認められない。 本件裁決及び本件指示に関する経過並びに本件訴訟に至る経緯ア沖縄防衛局は、本件各不許可処分を不服として、令和4年9月20日付 けで、地方自治法255条の2第1項1号に基づき、漁業法を所管する大臣である被告(農林水産大臣)に対し、審査請求をした(甲7、乙58)。 これに対し、被告は、同年12月16日付けで、本件各不許可処分が本件規則及び漁業法に反し、違法かつ不当であるとして、同各処分を取り である被告(農林水産大臣)に対し、審査請求をした(甲7、乙58)。 これに対し、被告は、同年12月16日付けで、本件各不許可処分が本件規則及び漁業法に反し、違法かつ不当であるとして、同各処分を取り消す旨の裁決(本件裁決)をした(甲9、乙5)。 イ原告は本件裁決後も本件各申請に対する許可処分をしなかったところ、被告は、本件裁決のとおり本件各申請の内容に必要性が認められ、本件各申請によるさんご類の移植の具体的内容・方法等に妥当性が認められるなど、本件各申請は本件審査基準に形式面でも内容面でも適合するものであって、本件各申請に対する許可処分をしない沖縄県の法定受託事務の処理 は漁業法119条2項1号に違反しており、「法令の規定に違反している」(地方自治法245条の7第1項)と認められるなどとして、令和5年3月29日付けで、沖縄県に対し、本件各申請に対する許可処分をするよう是正の指示(本件指示)をした(甲1、乙6)。 ウ原告は、本件指示を不服として、令和5年5月1日付けで、国地方係争 処理委員会に対し、地方自治法250条の13第1項に基づく審査の申出 をした(甲26、乙74の2)が、同年7月14日付けで、本件指示は違法でないと認める旨の審査の結果の通知を受けた(甲27、乙74の9)。 エ原告は、上記審査の結果を不服として、令和5年8月17日、地方自治法251条の5第1項1号に基づき、本件指示の取消しを求める本件訴えを提起した(顕著な事実)。 3 争点及び争点に対する当事者の主張地方自治法245条の7第1項の規定によれば、被告(農林水産大臣)は、その所管する漁業法に係る沖縄県の法定受託事務の処理が同法の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認 7第1項の規定によれば、被告(農林水産大臣)は、その所管する漁業法に係る沖縄県の法定受託事務の処理が同法の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、沖縄県に対し、当該法定受託事務の処理について違反の是 正又は改善のため講ずべき措置に関し、必要な指示をすることができる。 本件において、原告は、①本件各申請が内容審査基準(前提事実ウ)に適合していないから、本件各申請に対する許可処分をしないことは法令の規定に違反しない、②本件さんご類の採捕による移植が本件水域に不可逆的な環境変化をもたらすこと等の事情を踏まえれば、本件各申請に対する許可処分をし ないことは上記の「著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害している」との要件(以下「公益侵害等要件」という。)に該当しない、③本件指示は被告の関与権限を濫用したものであって、それ自体違法無効であると主張して、本件指示の適法性及び有効性を争っている。 以上を踏まえ、本件の争点は、①原告が本件各申請に対する許可処分をしな いという沖縄県の法定受託事務の処理(以下「本件事務処理」という。)について、地方自治法245条の7第1項の「法令の規定に違反していると認めるとき」に該当するか否か、②本件事務処理が公益侵害等要件に該当するか否か、③本件指示が被告の関与権限を濫用したものであるか否かである。 争点1(本件事務処理について、地方自治法245条の7第1項の「法令 の規定に違反していると認めるとき」に該当するか否か)について (被告の主張)ア令和5年最高裁判決によれば、法定受託事務に係る申請を棄却した都道府県知事の処分がその根拠となる法令の規定に違反するとして、これを取り消す裁決がされた場合において (被告の主張)ア令和5年最高裁判決によれば、法定受託事務に係る申請を棄却した都道府県知事の処分がその根拠となる法令の規定に違反するとして、これを取り消す裁決がされた場合において、都道府県知事が当該処分と同一の理由に基づいて当該申請を認容する処分をしないことは、地方自治法245条 の7第1項の「法令の規定に違反していると認めるとき」に該当する。 イ原告(沖縄県知事)は、法定受託事務である特別採捕許可について、沖縄防衛局の本件各申請を不許可とする本件各不許可処分をしたが、被告は、沖縄防衛局の審査請求を受けて、行政不服審査法所定の手続を経た上で本件裁決をし、同裁決において、水産資源の保護培養等の観点から、本件さ んごを移植して避難させる必要性が認められることからすれば、本件各申請の内容に必要性が認められないとして本件各申請を不許可とした原告の判断は、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たることなどを理由に、本件各不許可処分が本件規則及び漁業法に反し、違法かつ不当であるとして、それらを取り消した。このような行政不服審査法に基づく本件裁決の 結果について、処分をした行政庁(以下「処分庁」という。)と審査請求がされた行政庁(以下「審査庁」という。)との間の争訟手続においてこれが変更されることは予定されておらず、本件裁決が取消権限のある者によって取り消されていない以上、本件裁決は有効に存在している。 ウ本件裁決の拘束力により、原告は、本件各申請が内容審査基準3項のう ち「申請内容に必要性が認められること。」の項目(以下「必要性の項目」という。)に該当することを争うことができない。また、本件各申請は、次のとおり、内容審査基準のうち必要性の項目を除く1項から4項までの各項目(以下「残余の各項目」という。 項目(以下「必要性の項目」という。)に該当することを争うことができない。また、本件各申請は、次のとおり、内容審査基準のうち必要性の項目を除く1項から4項までの各項目(以下「残余の各項目」という。)にも該当している。 本件各申請は、本件埋立事業に係る埋立工事等の実施により生息環 境に重大な影響を受けるさんごについて、環境保全措置の一環として 移植することを目的とするものであり、このような移植は本件規則40条1項の試験研究等に含まれるから、本件各申請は内容審査基準1項に適合する。 沖縄防衛局は、本件さんご類の採捕を、過去に複数回沖縄県内でさんご類の移植に係る採捕に従事した経験を有する2つの会社に委託し、 各会社の潜水士免許を有する調査員に実施させることとしているから、本件各申請の申請者及び採捕従事者について、採捕行為を行う上での適格性があるといえ、本件各申請は内容審査基準2項に適合する。 本件さんごは生息地域から移植しなければ本件埋立事業の影響により死滅等を免れないところ、沖縄防衛局は、本件さんごを本件水域 外に避難させる目的で、環境保全図書において明示された方針に則り、環境監視等委員会(さんご類の研究実績が豊富な学術研究者をその委員に含む。)の指導・助言や事前の調査結果等を踏まえて、移植の対象となるさんご類の種類及び数量や、現在の生息地域と類似する移植先をそれぞれ選定し、人力での採取を基本とする移植の具体的な方法を決定し、 移植後のさんご類の生育状況について事後調査を実施するものとしているから、本件各申請は内容審査基準3項のうち「申請内容に妥当性が認められること。」の項目(以下「妥当性の項目」という。)に該当する。 本件埋立事業の実施により失われる一定のさんご類を移植することは から、本件各申請は内容審査基準3項のうち「申請内容に妥当性が認められること。」の項目(以下「妥当性の項目」という。)に該当する。 本件埋立事業の実施により失われる一定のさんご類を移植することは、水産資源の保護に資するものといえるし、上記のとおり、移植の対 象となるさんご類及びその移植先の各選定や、移植の方法の決定等について手厚い配慮もされているから、本件各申請に係る採捕行為の実施により、漁業調整上又は水産資源の保護培養上、問題が生じるおそれはないものと認められ、本件各申請は内容審査基準4項に適合する。 エ原告は、本件裁決後も、本件各申請が必要性の項目に該当しないと主張 して、それらを許可する処分をしない。これは、本件各申請につき、原告 が残余の各項目の該当性を明らかにしていないことと相まって、本件各不許可処分と同一の理由に基づいて本件各申請を許可する処分をしないものといえるし、その点を措くとしても、上記ウのとおり、本件各申請が残余の各項目に該当するものであることからすれば、他の不許可理由がない以上、原告は本件各不許可処分と同一の理由に基づいて本件各申請を許可す る処分をしないものといえる。このような沖縄県の本件事務処理は、漁業法119条2項1号の規定に違反しており、地方自治法245条の7第1項の「法令の規定に違反していると認めるとき」に該当する。 (原告の主張)ア令和5年最高裁判決は、別件変更申請に関し、別件裁決で問題となった もの以外の不承認理由がないことにまで、別件裁決の拘束力が及ぶと判断したものではない。原告は、本件各申請について、内容審査基準のうち必要性の項目に該当しないと判断して本件各不許可処分をしたが、残余の各項目については該当性を判断しておらず、要件裁量に基づき第一次的に したものではない。原告は、本件各申請について、内容審査基準のうち必要性の項目に該当しないと判断して本件各不許可処分をしたが、残余の各項目については該当性を判断しておらず、要件裁量に基づき第一次的に判断権を行使すべき原告が審査していない残余の各項目の該当性について、 本件訴訟で裁判所が認定を行うことはできない。本件各申請につき、本件裁決の拘束力によって、必要性の項目に該当すると原告が判断すべきことには令和5年最高裁判決の射程が及ぶとしても、残余の各項目に該当することにまでは同判決の射程が及ばないから、原告が本件各申請に対する許可処分をしないという沖縄県の本件事務処理は漁業法119条2項1号の 規定に違反しておらず、地方自治法245条の7第1項の「法令の規定に違反していると認めるとき」に該当しない。 イ本件指示は令和5年3月29日付けで行われたものであるから、その後、最高裁判所が同年8月から9月にかけて、別件裁決や別件指示に関し、原告の上告受理申立ての不受理決定や令和5年最高裁判決をしたことにより、 別件裁決や別件指示が取り消されない結果となったからといって、遡って 本件指示の時点で、沖縄防衛局が別件変更承認を得て適法に埋立てをなし得る法的地位を付与されていたことになるものではない。 ウさんご類の移植については、移植後の生残率が低く、安易な移植がされることによって水産資源の保護に逆行するおそれがあるから、その移植に係る特別採捕許可の申請について、必要性の項目に該当するか否かの判断 は、許可権者である原告の裁量に委ねられているというべきである。 エ本件各申請については、次のとおり、必要性の項目に該当しない。 本件各申請の対象となっている本件さんご類のほとんどは、本件水域の大浦湾側における、別 の裁量に委ねられているというべきである。 エ本件各申請については、次のとおり、必要性の項目に該当しない。 本件各申請の対象となっている本件さんご類のほとんどは、本件水域の大浦湾側における、別件変更申請による設計の概要の変更の対象地域に生息している。沖縄防衛局は本件指示の時点で別件変更承認を受け ておらず、上記の対象地域において変更後の設計の概要に基づく埋立工事を遂行し得る法的地位にない(当該法的地位が付与される見込みがあることは、当該法的地位があることとは異なるものである。)。本件さんご類が埋立工事によって死滅することが避けられない状況はいまだ生じていないから、本件さんご類を移植することによってその避難措置を図 る必要性は認められない。 仮に、沖縄防衛局が別件変更申請による設計の概要の変更の対象地域において変更後の設計の概要に基づく埋立工事を遂行し得る法的地位が付与される見込みがあるというだけで、本件さんご類を移植することによってその避難措置を図る必要性が認められるとしても、①別件裁決 は、沖縄防衛局がその「固有の資格」(行政不服審査法7条2項)において受けた処分についての不適法な審査請求に対して行われた不適法な裁決であり、かつ、国土交通大臣の関与権限を濫用した裁決であり、更に国土交通大臣が審査庁たり得ないにもかかわらず行われた裁決であって、違法無効であること、②別件指示は国土交通大臣の関与権限を濫用 した是正の指示であって、違法無効であること、③別件変更不承認は別 件変更申請が別件各規定に反し、承認処分のための要件を欠くとの適正な判断によって行われたものであることからすれば、別件変更不承認は失効せず有効に存続しているのであり、沖縄防衛局には上記法的地位が付与される見込みもないという し、承認処分のための要件を欠くとの適正な判断によって行われたものであることからすれば、別件変更不承認は失効せず有効に存続しているのであり、沖縄防衛局には上記法的地位が付与される見込みもないというべきである。 争点2(本件事務処理が公益侵害等要件に該当するか否か)について (被告の主張)沖縄県の本件事務処理が地方自治法245条の7第1項の「法令の規定に違反していると認めるとき」に該当することを一旦措くとしても、埋立事業を含む公益事業は水産動植物の生息環境に重大な影響を与え得るものであるから、このような場合にこれらの水産動植物について移植等の措置を執るこ とは、試験研究としての意義を有するだけでなく、当該水産動植物の保護・保全に資するものである。本件各申請の内容等を踏まえれば、本件さんご類の移植の必要性は極めて高く、当該移植をさせないことは水産資源の保護に真っ向から反する。被告が前記において主張したところに照らしても、原告の本件規則40条1項に基づく判断が著しく適正を欠くものであり、かつ、 これが適切な環境保全措置の実施を妨げ、水産資源の保護等の公益を害するものであることは明らかである。 (原告の主張)法定受託事務も地方公共団体の事務であって、地方公共団体への関与はその目的を達成するために必要な最小限度のものとするとともに、普通地方公 共団体の自主性及び自立性に配慮しなければならない(地方自治法245条の3第1項)のであるから、法令を所管する大臣が是正の指示を行う要件として、地方公共団体の法定受託事務の処理が法令の規定に違反しているだけでは足りず、当該処理が著しく不適正であり、かつ、それによって公益が害されていることが明らかであると客観的に認められることを要し、そうした 事態に至らない限り、 が法令の規定に違反しているだけでは足りず、当該処理が著しく不適正であり、かつ、それによって公益が害されていることが明らかであると客観的に認められることを要し、そうした 事態に至らない限り、法定受託事務の処理は当該地方公共団体における自治 的な是正・改善に委ねられているというべきである。 本件各申請に対する特別採捕許可がされれば、本件水域の埋立工事に伴う環境保全措置として大量のさんご類の群体が移植されることになるから、沖縄防衛局において本件埋立事業の埋立予定区域のうち大浦湾側において埋立工事を施工することができない状態にある中で、対象区域における過半のさ んご類を死滅させ、環境影響上も水産資源保護上も不可逆的な損失を生じさせることとなる本件各申請に対して原告が許可処分をしないことは、地方公共団体として地域の自然環境と産業資源を保護する役割を有する沖縄県の自主性・自立性に基づく事務処理として、何ら適正を欠くものではないし、公益を害するものでもない。 争点3(本件指示が被告の関与権限を濫用したものであるか否か)について(原告の主張)国の機関である被告は、事業者として審査請求人となった国の機関である沖縄防衛局と意を通じながら、地方自治法255条の2における審査庁とし ての立場と、同法245条の7等の関与をなす関与庁(法令を所管する大臣)としての立場を国にとって最も有利になるように使い分けて、恣意的に権限を行使している。被告は、審査庁としての立場で本件裁決を行い、その後、沖縄防衛局において抗告訴訟を提起するなどの自らの権利利益の救済を得るための手段を講じていないにもかかわらず、被告は、関与庁としての立場で 本件指示を行い、本件裁決と本件指示とを組み合わせることによって、原告がした原処分 起するなどの自らの権利利益の救済を得るための手段を講じていないにもかかわらず、被告は、関与庁としての立場で 本件指示を行い、本件裁決と本件指示とを組み合わせることによって、原告がした原処分である本件各不許可処分を取り消しただけでなく、原告に対して本件各申請を許可させようとしているが、これは、地方公共団体と国とが対等協力の関係にあることを踏まえて審査庁に処分の変更や一定の処分をすべき旨の命令はなし得ないものとした行政不服審査法の制度趣旨(同法46 条1項ただし書、同条2項、49条3項参照)に反しており、被告が審査庁 としての立場と関与庁としての立場とを不当に連結して仕組みを濫用した違法かつ無効なものというべきである。 被告が恣意的に権限を行使していることは、①被告が、本件水域の他の地区におけるさんご類の特別採捕許可についても、沖縄防衛局が迅速に本件埋立事業を遂行することができるように、行政不服審査手続等において便宜を 図ってきたこと、②被告の指揮監督下にある水産庁が、名護漁業協同組合による漁業権の一部放棄の議決を追認して、沖縄防衛局が本件水域において岩礁破砕許可処分の手続を免れることができるようにしたこと、③閣議決定に基づき推進されている本件埋立事業について、内閣の一員である被告がこれを一体として遂行する立場にあるため、審査庁として公正中立の立場から処 分についての審査をすることができず、関与庁として適正な法の執行を期待することができないことからも明らかである。 (被告の主張)本件裁決は、被告が、行政不服審査法に基づき、処分を受けた者からの不服申立てである審査請求を受け、審査庁として漁業法及び本件規則による当 該処分の適否・当不当を審査する見地から行ったものである。その有効性は明らかで 不服審査法に基づき、処分を受けた者からの不服申立てである審査請求を受け、審査庁として漁業法及び本件規則による当 該処分の適否・当不当を審査する見地から行ったものである。その有効性は明らかであって、被告は審査庁の立場を濫用していない。また、本件指示は、被告が、地方自治法に基づき、漁業法を所管する大臣として、法定受託事務に係る所管法令の適用の適正確保の見地から行ったものである。その有効性は明らかであって、被告が本件裁決と整合する内容の本件指示をしたことを もって、権限の濫用であるとの評価をされる理由はない。なお、行政不服審査法や地方自治法において、法令を所管する大臣が裁決と是正の指示の双方を行うことを禁止し又は制限する規定はない。 本件裁決や本件指示のような個別具体的な事案における判断は、閣議決定等から直接帰結されるものではないし、被告はその所管する法令に基づいて 本件裁決や本件指示の判断を行っている。原告は、岩礁破砕許可をめぐる紛 争に係る水産庁の判断について指摘するが、本件との関連性が認められない上、水産庁の対応は個別具体的な事案に即して法令を解釈適用した結果に基づくものである。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所は、原告が本件各申請に対する許可処分をしないという沖縄県の法 定受託事務の処理(本件事務処理)は漁業法119条2項1号の規定に違反するものであり、本件事務処理は上記法令違反に加えて公益侵害等要件に該当することを要するものではなく、本件指示が被告の関与権限を濫用したものであるとは認められないことから、本件指示は適法かつ有効であり、原告の請求には理由がないものと判断する。その判断の詳細は、次のとおりである。 2 争点1(本件事務処理について、地方自治法245条の7第1項の「法令 ことから、本件指示は適法かつ有効であり、原告の請求には理由がないものと判断する。その判断の詳細は、次のとおりである。 2 争点1(本件事務処理について、地方自治法245条の7第1項の「法令の規定に違反していると認めるとき」に該当するか否か)について判断枠組み行政不服審査法は、52条1項において、審査庁がした裁決は関係行政庁を拘束する旨を、同条2項において、申請を棄却した処分が裁決で取り消さ れた場合には、処分庁は、裁決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分をしなければならない旨を規定しており、これは審査庁が処分庁の上級行政庁であるか否かによって異なるものではない。その趣旨は、処分庁を含む関係行政庁に裁決の趣旨に従った行動を義務付けることにより、速やかに裁決の内容を実現し、もって、審査請求人の権利利益の簡易迅速かつ実効的な救済を 図るとともに、行政の適正な運営を確保することにあるものと解される。 そうすると、法定受託事務に係る申請を棄却した都道府県知事の処分について、これに対する審査請求を受けて同処分を取り消す裁決がされた場合、都道府県知事は、上記裁決の趣旨に従って、改めて上記申請に対する処分をすべき義務を負うというべきである。仮に、上記裁決がされたにもかかわら ず、都道府県知事が上記処分と同一の理由に基づいて上記申請を認容する処 分をしないことが許されるとすれば、処分の相手方が不安定な状態に置かれ、紛争の迅速な解決が困難となる事態が生ずることとなり、上記裁決が国と普通地方公共団体との間の紛争処理の対象にならないものとされていること(地方自治法245条3号括弧書き)に照らしても、相当でない。 以上によれば、法定受託事務に係る申請を棄却した都道府県知事の処分が その根拠となる法令の規定 の対象にならないものとされていること(地方自治法245条3号括弧書き)に照らしても、相当でない。 以上によれば、法定受託事務に係る申請を棄却した都道府県知事の処分が その根拠となる法令の規定に違反するとして、これを取り消す裁決がされた場合において、都道府県知事が上記処分と同一の理由に基づいて上記申請を認容する処分をしないことは、地方自治法245条の7第1項の「法令の規定に違反していると認めるとき」に該当する(以上につき令和5年最高裁判決参照)。 本件においては、法定受託事務に係る本件各申請を不許可とした原告(沖縄県知事)の本件各不許可処分について、これを取り消す本件裁決がされたが(前提事実ア)、原告は本件裁決後も本件各申請を許可する処分をしない。そこで、以下、本件裁決が本件各不許可処分を取り消した理由を踏まえ、原告が本件各申請を許可する処分をしない理由が本件各不許可処分と同一の 理由に基づくものか否かにつき検討する。 本件裁決が本件各不許可処分を取り消した理由についてア本件裁決の判断内容本件裁決の判断部分の概要は、次のとおりである(甲9、乙5)。 本件さんご類は、本件水域に生息し、本件埋立事業の遂行に伴って 死滅等に至ることが避けられないから、本件さんご類を移植することは、水産資源保護上、必要な措置である。 沖縄防衛局が本件さんご類の生息地域において地盤改良工事を行うためには、本件水域の大浦湾側の設計の概要について変更される必要があるが、そのことをもって、沖縄防衛局が本件埋立事業を継続し、計画 された区域の埋立てを完遂する見込みが失われたとか、不可能になった とはいえない。このように、さんご類に影響を与える場所で工事を行う見込みや計画は維持されており、本件さんご類が本 された区域の埋立てを完遂する見込みが失われたとか、不可能になった とはいえない。このように、さんご類に影響を与える場所で工事を行う見込みや計画は維持されており、本件さんご類が本件水域の大浦湾側の設計の概要の変更を要する地盤改良工事が必要な場所に生息しているとしても、本件各申請の内容の必要性が肯定されることに変わりはない。 原告がした別件変更不承認は、国土交通大臣によって違法かつ不当 なものであるとして取り消すとの裁決(別件裁決)がされている。沖縄県は、別件裁決後も合理的な理由なく別件変更承認をせず、国土交通大臣から別件変更承認をするよう是正の指示(別件指示)を受けたから、これに従って別件変更承認をすべき義務を負っている。このような原告の違法な事務処理の状況等を踏まえると、沖縄防衛局は、別件変更承認 を受けて適法に埋立てができる法的地位を付与されてしかるべき状況にあるといえる。沖縄防衛局が別件変更承認を受けていないことをもって、本件各申請の内容の必要性を否定すべきとはいえない。 加えて、本件さんご類の移植には相当程度の期間を要するところ、水産資源保護の観点からは、移植対象となるさんご類への影響が生じる 埋立工事が行われる前に、それぞれの移植を終えておく必要がある。 以上によれば、水産資源の保護培養等の観点から、本件さんご類を移植して避難させる必要性が認められる。したがって、本件各申請の内容の必要性を否定してこれらを不許可とした本件各不許可処分は、本件規則40条1項及び漁業法119条2項1号に反し、違法かつ不当であ り、本件各申請の内容の必要性が認められる。加えて、本件各申請の内容について妥当性を欠くものとはうかがわれず、その他不許可とすべき事情もないから、本件各不許可処分は違法かつ不 法かつ不当であ り、本件各申請の内容の必要性が認められる。加えて、本件各申請の内容について妥当性を欠くものとはうかがわれず、その他不許可とすべき事情もないから、本件各不許可処分は違法かつ不当である。 イ特別採捕許可に係る処分の違法と漁業法違反との関係平成30年法律第95号による改正前の漁業法(以下「旧漁業法」とい う。)65条2項1号は、漁業取締りその他漁業調整のため、同改正前の 水産資源保護法(以下「旧水産資源保護法」という。)4条2項1号は、水産資源の保護培養のため、それぞれ都道府県知事が水産動植物の採捕に関する制限又は禁止に関して必要な規則を定めることができる旨を規定していたが、平成30年法律第95号による改正により、旧水産資源保護法における水産動植物の採捕の制限等に関する規定は同改正後の漁業法に移 行されることとなり、漁業法119条2項1号は、都道府県知事が、漁業調整(特定水産資源の再生産の阻害の防止若しくは特定水産資源以外の水産資源の保存及び管理又は漁場の使用に関する紛争の防止のために必要な調整をいう(同法36条2項)。)のため、水産動植物の採捕又は処理に関する制限又は禁止に関して、必要な規則を定めることができる旨を規定す るに至った。このような法改正の経過に照らし、漁業法119条2項1号は、旧漁業法65条2項1号及び旧水産資源保護法4条2項1号と同趣旨の規定であって、都道府県知事が、規則を定めるに当たり、行政庁の裁量判断により事案ごとの個別具体的な事情に即した妥当な措置がされることを予定したものであると解されるから、その趣旨は、都道府県知事の定め る規則及びこれに基づく行政庁の個別具体的な措置の双方により、漁業法の目的(水産資源の持続的な利用を確保するとともに、水面の総合 定したものであると解されるから、その趣旨は、都道府県知事の定め る規則及びこれに基づく行政庁の個別具体的な措置の双方により、漁業法の目的(水産資源の持続的な利用を確保するとともに、水面の総合的な利用を図り、もって漁業生産力を発展させることをいう(同法1条)。)に従って水産動植物の採捕等を制限し又は禁止するところにあるというべきである(最高裁令和3年(行ヒ)第76号同年7月6日第三小法廷判決・民 集75巻7号3422頁参照)。 本件規則は、漁業法119条2項に基づいて定められた規則であり、令和2年沖縄県規則第53号による改正前の沖縄県漁業調整規則(昭和47年沖縄県規則第143号)と同様に、漁業法、水産資源保護法その他漁業に関する法令と相まって、沖縄県における水産資源の保護培養及び漁業調 整を図るもので(本件規則1条)、造礁さんご類の採捕を全面的に禁止し つつ(同規則34条2項2号)、知事から個別の特別採捕許可を受けた者が行う試験研究等に限り、その禁止を例外的に解除することとしている(同規則40条1項)。 以上のような漁業法119条2項1号の趣旨及び本件規則40条1項等の文言からすれば、漁業法119条2項1号は、水産動植物の採捕等に関 する制限又は禁止に関し、都道府県知事に対して規則の制定を授権するとともに、当該規則に基づく行政庁の個別具体的な措置を認めた規定であり、本件規則40条1項は、これを受けて、特別採捕許可に関し、沖縄県知事が上記の個別具体的な措置として許可又は不許可の処分をすることを定めた規定であるというべきである。そうすると、特別採捕許可の申請に対す る沖縄県知事の許可又は不許可の判断が、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たると認められるときは、本件規則40条1項に違反するととも あるというべきである。そうすると、特別採捕許可の申請に対す る沖縄県知事の許可又は不許可の判断が、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たると認められるときは、本件規則40条1項に違反するとともに、漁業法119条2項1号にも違反することとなると解するのが相当である。 ウ本件各不許可処分の取消理由上記アのとおり、本件裁決は、上記イと同旨の見解に立った上、原告が 特別採捕許可の申請を審査する際の審査基準として本件審査基準(行政手続法5条所定の審査基準であり、特段の事情がない限りこれと異なる取扱いをすることが許されないという意味において、処分庁を拘束するものである。)を定め、これを公にしていること(前提事実ウ)を踏まえ、本件審査基準の内容審査基準のうち必要性の項目について、本件さんご類を 移植することは水産資源保護上必要な措置であるなど本件各申請が客観的に同項目に該当すると認められるにもかかわらず、これに該当しないとした原告の判断が裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たるものと認め、本件規則40条1項に違反するとともに、漁業法119条2項1号にも違反し、他に不許可とすべき事情もないとして、本件各不許可処分を取り消し たものである。 原告が本件各申請を許可する処分をしない理由が本件各不許可処分と同一の理由に基づくものか否かについて前記のとおり、原告は、本件各申請に対する本件各不許可処分において、内容審査基準のうち残余の各項目につき該当性の判断を示しておらず(前提 事実 エ)、本件訴訟においても、本件各申請は必要性の項目に該当しない と主張するのみで、本件各申請が残余の各項目に該当しない理由を主張せず、この点についての原告の判断を明らかにしていない。 原告は、法定受託事務に係る本件各申請が形 請は必要性の項目に該当しない と主張するのみで、本件各申請が残余の各項目に該当しない理由を主張せず、この点についての原告の判断を明らかにしていない。 原告は、法定受託事務に係る本件各申請が形式審査基準に適合すること(同ウ)を前提として、内容審査基準のうち必要性の項目に該当しないことを理由に本件各不許可処分をしたが、当該各処分はその根拠となる漁業法 119条2項1号等に違反するとして本件裁決によって取り消されたところ、本件各申請が本件審査基準の全てに適合することを理由に本件各申請を許可する処分をするよう求めた被告の沖縄県に対する本件指示(同イ)について、原告が、本件訴訟においてその適法性及び有効性を争うに当たり、上記のとおり、本件各申請は必要性の項目に該当しないと主張するのみで、残余 の各項目の該当性につき自らの判断を明らかにしていないことからすれば、原告が本件各申請を許可する処分をしない理由は本件各不許可処分と同一の理由に基づくものであると認められる。 したがって、原告が本件各申請を許可する処分をしないという沖縄県の法定受託事務の処理(本件事務処理)は、漁業法119条2項1号の規定に違 反しており、地方自治法245条の7第1項の「法令の規定に違反していると認めるとき」に該当する。 これに対し、原告は、本件指示の時点で、沖縄防衛局は別件変更承認を得て適法に埋立てをなし得る法的地位になく、当該法的地位が付与される見込みもなかったから、別件変更承認を前提とした埋立工事によって本件さんご 類が死滅することが避けられない状況はいまだ生じておらず、本件さんご類 を移植することによってその避難措置を図る必要は認められないと主張する。 しかしながら、上記のとおり、原告は、本件各申請が内容審査基準のう れない状況はいまだ生じておらず、本件さんご類 を移植することによってその避難措置を図る必要は認められないと主張する。 しかしながら、上記のとおり、原告は、本件各申請が内容審査基準のうち必要性の項目に該当しないという、本件裁決によって取り消された本件各不許可処分と同一の理由に基づいて本件各申請を許可する処分をしないものにすぎず、原告の上記主張は、沖縄県の本件事務処理が漁業法119条2項1 号の規定に違反していると認められるとの判断を左右しない。 アなお、事案に鑑み、以下、残余の各項目の該当性についても検討しておくこととする。 後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば、本件各申請は、次のとおり、内容審査基準のうち残余の各項目に該当するものと認められる。 本件各申請は、本件埋立事業に係る環境影響評価書に基づく環境保全措置(造礁さんご類の移植技術に関する試験研究)を実施する目的で行われているところ(前提事実ウ)、本件さんご類の生息地が埋め立てられることに伴う環境保全措置としての移植は、造礁さんご類を生息地とは異なる場所に移植することを試み、その移植技術の向上を図るも のであって、本件規則40条1項の試験研究等に含まれるというべきであるから、本件各申請は内容審査基準1項に適合する。 沖縄防衛局は、環境監視等委員会(前提事実ウのとおり、複数名のさんご類に関する専門家をその委員に含む。)から本件さんご類の採捕につき助言等を受けており(乙85)、その採捕を沖縄県内でさんご 類の移植に係る採捕に従事した経験がある2つの会社に委託し、各会社の潜水士免許を有する調査員に実施させることとしているから(乙1、2)、申請者及び採捕従事者に採捕行為を行う上での適格性が認められるといえ、本件各申請は内容審査基準2項に 2つの会社に委託し、各会社の潜水士免許を有する調査員に実施させることとしているから(乙1、2)、申請者及び採捕従事者に採捕行為を行う上での適格性が認められるといえ、本件各申請は内容審査基準2項に適合する。 ①本件各申請において移植の対象とされた本件さんご類(小型さん ご類約8万4000群体、しょうがさんご8群体及び大型さんご類21 群体)は、本件埋立事業に係る埋立て等により消失する海域のうち、大浦湾側において被度5パーセント以上で0.2ヘクタール以上の規模を持つ分布域の中にある長径10センチメートル以上の小型さんご類、沖縄防衛局が沖縄県から被度にかかわらず移植を検討すべきと指摘されたさんご類(しょうがさんご、とげさんご、におうみどりいし等)のうち 存在が確認されたもの及び単独であっても長径1メートルを超える大型さんご類である。沖縄防衛局は、環境監視等委員会の助言等を受けた上で上記のとおり選定した。(乙1、2、85)また、②沖縄防衛局は、本件各申請における移植先の選定に当たり、環境保全図書で示された移植先想定地域の中から、各種調査結果等を踏 まえ、複数の移植先候補地を設定した上で、さんご類の生息環境(生物相、地形、波浪)を包括的に示すハビタットマップにより、さんご類の生息場としての環境が最も類似している場所を移植先に選び、波、潮流、塩分、水温、濁度、基盤の状態といった物理的・化学的な環境について長期的・定量的なデータを記録するためのモニタリング結果から、移植 元と移植先の環境が同様であることの詳細確認を行った。その結果を基に、本件各申請においては、小型さんご類はS4地区を移植先とし、しょうがさんごはS1地区を移植先とし、大型さんご類は、水深1メートルから3メートルまでの範囲に生息する10群 認を行った。その結果を基に、本件各申請においては、小型さんご類はS4地区を移植先とし、しょうがさんごはS1地区を移植先とし、大型さんご類は、水深1メートルから3メートルまでの範囲に生息する10群体につきT1地区を移植先とし、水深4メートルから6メートルまでの範囲に生息する11群体 につきT2地区を移植先とするとされた。沖縄防衛局は、環境監視等委員会の助言等を受けた上で上記のとおり選定した。(乙1、2、85)さらに、③本件各申請において、本件さんご類の移植方法は、採取について、潜水士による人力での採取を基本としつつ、大型さんご類についてはその重量に応じた規模の機械を用いることとし、移植先への 運搬について、採捕したさんご類への悪影響を最小限に抑えるために収 容や曳航の方法等を工夫し、移植先での固定及び静置について、移植経験が豊富な潜水士が従事し、移植時に採取したさんご類の種類、大きさ、形状及び固定場所の波当たり等を勘案して、多様性の維持に配慮しつつ、安定した場所に固定又は静置を行い、移植の時期について、埋立工事の影響が及ぶ前に、水温や移植時の波浪に留意し、平穏な海象条 件時に移植を実施することとするが、対象となるサンゴ類の繁殖活動が確認された場合は、繁殖活動が終了するまで移植を中断するとされた。 沖縄防衛局は、環境監視等委員会の助言等を受けた上で上記のとおり方法を決定した。(乙1、2、85)加えて、④本件各申請において、事後調査は、移植した全群体を対 象に、移植から1か月後までおおむね週1回、主に固定状況を確認する調査を実施し、その後、移植した小型さんご類は全群体の10パーセントを対象に、移植したしょうがさんごは全群体を対象に、移植した大型さんご類は全群体を対象に、いずれも移植の 、主に固定状況を確認する調査を実施し、その後、移植した小型さんご類は全群体の10パーセントを対象に、移植したしょうがさんごは全群体を対象に、移植した大型さんご類は全群体を対象に、いずれも移植の1か月後から1年後まではおおむね3か月に1回、移植の1年後から5年目までは年1回、それ ぞれ生残・死亡状況、成長状況等を確認する調査を実施するなどし、移植したさんご類が移植先に以前から生息していたさんご類と同様に生息しており移植先の環境に順応しているかという観点から、移植の成果及び妥当性の評価を行うものとされた。沖縄防衛局は、環境監視等委員会の助言等を受けた上で上記のとおり内容、頻度等を決定した。(乙1、 2、85)本件各申請における以上のような対象、内容、方法等によるさんご類の移植は、本件埋立事業の実施により失われるさんご類を避難させるための手段(環境保全措置)として妥当性が認められるから、本件各申請は内容審査基準3項のうち妥当性の項目に該当する。 本件各申請における本件さんご類の移植は、本件埋立事業の実施に より失われるさんご類を避難させるための手段(環境保全措置)であって、水産資源の保護に資するものといえる。そして、上記のとおり、本件各申請においては、採捕行為を行う上での適格性が認められる採捕従事者が本件さんご類の生息地域において採捕を行うものとされ、上記のとおり、移植対象となるさんご類の選定、当該さんご類の移植先の 選定、当該さんご類の移植方法の決定及び事後調査の内容等の決定についても妥当性が認められ、他に本件さんご類の移植が適正に実施されないことをうかがわせる事情も見当たらない。そうすると、本件さんご類の採捕行為の実施により、漁業調整上又は水産資源の保護培養上、問題が生じるおそれが 認められ、他に本件さんご類の移植が適正に実施されないことをうかがわせる事情も見当たらない。そうすると、本件さんご類の採捕行為の実施により、漁業調整上又は水産資源の保護培養上、問題が生じるおそれがないと認められるから、本件各申請は内容審査基準4 項に適合する。 イ本件各申請が内容審査基準のうち残余の各項目に該当するものであることからすれば、原告は、形式審査基準に適合する本件各申請が残余の各項目に該当しないことをもって、本件各申請を許可する処分をしない理由とすることができないから、原告が本件各申請を許可する処分をしない理由 は、原告が主張する必要性の項目に該当しないというものに限られ、本件各不許可処分と同一の理由に基づくものであると認められる。 したがって、原告が本件各申請を許可する処分をしないという沖縄県の法定受託事務の処理(本件事務処理)は、漁業法119条2項1号の規定に違反しており、地方自治法245条の7第1項の「法令の規定に違反し ていると認めるとき」に該当する。 ウ上記の点に関し、原告は、本件各申請について、内容審査基準のうち必要性の項目に該当しないと判断して本件各不許可処分をしたが、残余の各項目については該当性を判断しておらず、要件裁量に基づき第一次的に判断権を行使すべき原告が審査していない残余の各項目の該当性について、 本件訴訟で裁判所が認定を行うことはできないと主張する。 しかしながら、沖縄防衛局が令和4年7月22日付けで本件各申請をしたのに対し、原告が同年9月5日付けで本件各不許可処分をし(前提事実ウ)、被告が同年12月16日付けで本件各不許可処分を取り消す本件裁決をし(同ア)、その後、令和5年3月29日付けで本件指示をした(同イ)という事実経過の下で、本件各申請の 可処分をし(前提事実ウ)、被告が同年12月16日付けで本件各不許可処分を取り消す本件裁決をし(同ア)、その後、令和5年3月29日付けで本件指示をした(同イ)という事実経過の下で、本件各申請の標準処理期間が45日で あること(同ウ)や、原告が令和2年6月26日付けの第一次特別採捕許可申請を令和3年1月22日付けで不許可とした際には、内容審査基準の各項目について該当性を判断していたこと(同ア、エ)、原告が本件裁決に係る審査請求手続においても本件各申請につき残余の各項目の該当性に関する主張をしていなかったこと(乙59、61の1・3)を考慮す れば、本件指示の時点において、原告は、内容審査基準のうち残余の各項目の該当性につき判断をすることができたのに、あえてこれをしなかったものであって、そのような措置は処分庁としての裁量権を濫用するものといわざるを得ない。そうすると、原告は、自らが本件各申請について残余の各項目の該当性を判断していないことを理由に、本件訴訟において、裁 判所が残余の各項目の該当性を判断することを拒むことができないものというべきである。原告の上記主張は、採用することができない。 小括以上によれば、沖縄県の本件事務処理は、地方自治法245条の7第1項の「法令の規定に違反していると認めるとき」に該当する。 3 争点2(本件事務処理が公益侵害等要件に該当するか否か)について原告は、被告が沖縄県に対して本件指示をするための要件として、本件事務処理が法令の規定に違反していると認められるだけでは足りず、本件事務処理が著しく不適正であり、かつ、それによって公益が害されていることが明らかであると客観的に認められることを要する旨を主張する。 しかしながら、地方自治法245条の7第1項は、法令を 件事務処理が著しく不適正であり、かつ、それによって公益が害されていることが明らかであると客観的に認められることを要する旨を主張する。 しかしながら、地方自治法245条の7第1項は、法令を所管する大臣が是 正の指示を行う要件として、「都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき」と、「著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるとき」(公益侵害等要件)を選択的に規定し、いずれかの要件を満たせば足りるものとしていることが、その文言から明らかであって、都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していることに加えて公益 侵害等要件の充足も要するとの解釈は、同項の文理に反するものである。また、都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反しているにもかかわらず、当該法令を所管する大臣が是正の指示を行うことができないとすれば、地方公共団体の法定受託事務の処理に関して、全国的な統一性、広域的な調整、行政事務の適正な執行の確保を図る等の行政目的を実現することが困難となるが、 そのような事態は地方自治法が普通地方公共団体に対する国の関与の制度を設けた趣旨に照らして不当であるといわざるを得ない。 前記2で判示したとおり、本件事務処理は地方自治法245条の7第1項の「法令の規定に違反していると認めるとき」に該当するから、公益侵害等要件を充足するか否かにかかわらず、被告は本件指示をすることができる。 したがって、原告の上記主張は、採用することができない。 4 争点3(本件指示が被告の関与権限を濫用したものであるか否か)について原告は、被告が本件裁決と本件指示とを組み合わせることによって、本件各不許可処分を取り消しただけでなく、原告に対して本件各申請を許可させようとしているが 与権限を濫用したものであるか否か)について原告は、被告が本件裁決と本件指示とを組み合わせることによって、本件各不許可処分を取り消しただけでなく、原告に対して本件各申請を許可させようとしているが、これは、地方公共団体と国とが対等協力の関係にあることを踏 まえて審査庁に処分の変更や一定の処分をすべき旨の命令はなし得ないものとした行政不服審査法の制度趣旨に反しており、被告が審査庁としての立場と関与庁(法令を所管する大臣)としての立場とを不当に連結して仕組みを濫用した違法かつ無効なものである旨を主張する。 しかしながら、被告は、本件において、地方自治法255条の2第1項1号 に基づき審査庁として審査請求に対する裁決(本件裁決)をし、同法245条 の7第1項に基づき法令を所管する大臣として是正の指示(本件指示)をしたもので、本件裁決の主体と本件指示の主体とが一致することは、法が予定している事態である。また、前記2で判示したところに照らすと、原告が本件裁決後も本件各申請を許可する処分をしないという沖縄県の法定受託事務の処理に関し、被告が本件裁決の存在を前提として本件指示をしたことは、処分庁を 含む関係行政庁に裁決の趣旨に従った行動を義務付けることにより、速やかに裁決の内容を実現し、もって、審査請求人の権利利益の簡易迅速かつ実効的な救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保するという行政不服審査法52条の趣旨に合致するものというべきである。被告が審査庁としての立場と関与庁(法令を所管する大臣)としての立場とを不当に連結して仕組みを濫用して いるとする原告の主張は、独自の見解に立つものといわざるを得ない。 なお、原告は、被告が恣意的に権限を行使していることを示す事情として、①被告が本件水域の他の地区における て仕組みを濫用して いるとする原告の主張は、独自の見解に立つものといわざるを得ない。 なお、原告は、被告が恣意的に権限を行使していることを示す事情として、①被告が本件水域の他の地区におけるさんご類の特別採捕許可についても沖縄防衛局に対して行政不服審査手続等において便宜を図ってきた、②被告の指揮監督下にある水産庁において、沖縄防衛局が本件水域において岩礁破砕許可処 分の手続を免れることができるようにした、③閣議決定に基づき推進されている本件埋立事業について、内閣の一員である被告がこれを一体として遂行する立場にあると指摘するが、①については、本件水域の他の地区における被告の行政不服審査手続に係る裁決等が違法又は不当なものであることが具体的に示されていない上、被告が沖縄防衛局と意を通じていることを客観的に裏付ける 証拠はなく、②については、岩礁破砕許可に関する水産庁の判断と本件との関連性が不明であるといわざるを得ず、③については、直ちに被告の中立性や公平性を疑うべき事情とはいい難いから、原告の上記指摘を踏まえても、被告が恣意的に権限を行使していると認めることはできない。 したがって、原告の上記主張は、採用することができない。他に本件指示が 被告の関与権限を濫用したものであると認めるべき事情もない。 5 結論よって、原告の請求は理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用することとして、主文のとおり判決する。 福岡高等裁判所那覇支部民事部 裁判長裁判官三浦隆志 裁判官下和弘 裁判官吉賀朝哉 (別紙1) 判長裁判官三浦隆志 裁判官下和弘 裁判官吉賀朝哉 (別紙1)省略 (別紙2)関係法令の定め【地方自治法】(関与の意義)第245条本章において「普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与」と は、普通地方公共団体の事務の処理に関し、国の行政機関(中略)又は都道府県の機関が行う次に掲げる行為(中略)をいう。 一普通地方公共団体に対する次に掲げる行為イ~ホ (略)ヘ指示 ト (略)二普通地方公共団体との協議三前二号に掲げる行為のほか、一定の行政目的を実現するため普通地方公共団体に対して具体的かつ個別的に関わる行為(相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的としてされる裁定その他の行為(その双方を名あて人とするも のに限る。)及び審査請求その他の不服申立てに対する裁決、決定その他の行為を除く。)(是正の指示)第245条の7 各大臣は、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく 適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対し、当該法定受託事務の処理について違反の是正又は改善のため講ずべき措置に関し、必要な指示をすることができる。 2~4 (略)(国の関与に関する審査の申出) 第250条の13 普通地方公共団体の長その他の執行機関は、その担任する事務 に 置に関し、必要な指示をすることができる。 2~4 (略)(国の関与に関する審査の申出) 第250条の13 普通地方公共団体の長その他の執行機関は、その担任する事務 に関する国の関与のうち是正の要求、許可の拒否その他の処分その他公権力の行使に当たるもの(次に掲げるものを除く。)に不服があるときは、委員会に対し、当該国の関与を行った国の行政庁を相手方として、文書で、審査の申出をすることができる。 一〜四 (略) 2〜7 (略)(国の関与に関する訴えの提起)第251条の5 第250条の13第1項又は第2項の規定による審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、高等裁判所に対し、当該審査の申出の相手方となった国の行政庁(国の関 与があった後又は申請等が行われた後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、当該他の行政庁)を被告として、訴えをもって当該審査の申出に係る違法な国の関与の取消し又は当該審査の申出に係る国の不作為の違法の確認を求めることができる。ただし、違法な国の関与の取消しを求める訴えを提起する場合において、被告とすべき行政庁がないときは、当該訴えは、国を被告として 提起しなければならない。 一第250条の14第1項から第3項までの規定による委員会の審査の結果又は勧告に不服があるとき。 二~四 (略)2〜10 (略) (審査請求)第255条の2 法定受託事務に係る次の各号に掲げる処分及びその不作為についての審査請求は、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、当該各号に定める者に対してするものとする。この場合において、不作為についての審査請求は、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、当該各号に定める 請求は、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、当該各号に定める者に対してするものとする。この場合において、不作為についての審査請求は、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、当該各号に定める者に代えて、当 該不作為に係る執行機関に対してすることもできる。 一都道府県知事その他の都道府県の執行機関の処分当該処分に係る事務を規定する法律又はこれに基づく政令を所管する各大臣二〜四 (略) 2 (略)【行政手続法】 (審査基準)第5条行政庁は、審査基準を定めるものとする。 2 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。 3 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とさ れている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。 (標準処理期間)第6条行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(法令により当該行政庁と異なる機関が当該申 請の提出先とされている場合は、併せて、当該申請が当該提出先とされている機関の事務所に到達してから当該行政庁の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間)を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。 【行政不服審査法】(目的等)第1条この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民 1条この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図 るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。 2 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(以下単に「処分」という。)に関する不服申立てについては、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 (審査請求をすべき行政庁)第4条審査請求は、法律(条例に基づく処分については、条例)に特別の定めが ある場合を除くほか、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める行政庁に対してするものとする。 一~四 (略)(裁決の拘束力)第52条裁決は、関係行政庁を拘束する。 2 申請に基づいてした処分が手続の違法若しくは不当を理由として裁決で取り消され、又は申請を却下し、若しくは棄却した処分が裁決で取り消された場合には、処分庁は、裁決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分をしなければならない。 3・4 (略)【公有水面埋立法】 第2条埋立ヲ為サムトスル者ハ都道府県知事(地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項ノ指定都市ノ区域内ニ於テハ当該指定都市ノ長以下同ジ)ノ免許ヲ受クヘシ 2 前項ノ免許ヲ受ケムトスル者ハ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ左ノ事項ヲ記載シタル願書ヲ都道府県知事ニ提出スベシ 一氏名又ハ名称及住所並法人ニ在リテハ其ノ代表者ノ氏名及住所二埋立区域及埋立ニ関スル工事ノ施行区域三埋立地ノ用途四設計ノ概要五埋立ニ関スル工事ノ施行ニ要スル期間 3 前項ノ願書ニハ国土交通省 法人ニ在リテハ其ノ代表者ノ氏名及住所二埋立区域及埋立ニ関スル工事ノ施行区域三埋立地ノ用途四設計ノ概要五埋立ニ関スル工事ノ施行ニ要スル期間 3 前項ノ願書ニハ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ左ノ図書ヲ添附スベシ 一埋立区域及埋立ニ関スル工事ノ施行区域ヲ表示シタル図面二設計ノ概要ヲ表示シタル図書三資金計画書四埋立地(公用又ハ公共ノ用ニ供スル土地ヲ除ク)ヲ他人ニ譲渡シ又ハ他人ヲシテ使用セシムルコトヲ主タル目的トスル埋立ニ在リテハ其ノ処分方法及予定 対価ノ額ヲ記載シタル書面五其ノ他国土交通省令ヲ以テ定ムル図書第4条都道府県知事ハ埋立ノ免許ノ出願左ノ各号ニ適合スト認ムル場合ヲ除クノ外埋立ノ免許ヲ為スコトヲ得ズ一国土利用上適正且合理的ナルコト 二其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト三埋立地ノ用途ガ土地利用又ハ環境保全ニ関スル国又ハ地方公共団体(港務局ヲ含ム)ノ法律ニ基ク計画ニ違背セザルコト四埋立地ノ用途ニ照シ公共施設ノ配置及規模ガ適正ナルコト五第2条第3項第4号ノ埋立ニ在リテハ出願人ガ公共団体其ノ他政令ヲ以テ定 ムル者ナルコト並埋立地ノ処分方法及予定対価ノ額ガ適正ナルコト六出願人ガ其ノ埋立ヲ遂行スルニ足ル資力及信用ヲ有スルコト2・3 (略)第13条ノ2 都道府県知事正当ノ事由アリト認ムルトキハ免許ヲ為シタル埋立ニ関シ埋立区域ノ縮少、埋立地ノ用途若ハ設計ノ概要ノ変更又ハ前条ノ期間ノ伸長 ヲ許可スルコトヲ得 2 第3条、第4条第1項及第2項並第11条ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル埋立地ノ用途ノ変更ノ許可ニ関シ第4条第1項及第2項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル埋立区域ノ縮少又ハ設計ノ概要ノ変更ノ許可ニ関シ之ヲ準用ス 2 第3条、第4条第1項及第2項並第11条ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル埋立地ノ用途ノ変更ノ許可ニ関シ第4条第1項及第2項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル埋立区域ノ縮少又ハ設計ノ概要ノ変更ノ許可ニ関シ之ヲ準用ス第42条国ニ於テ埋立ヲ為サムトスルトキハ当該官庁都道府県知事ノ承認ヲ受ク ヘシ 2 (略) 3 第2条第2項及第3項、第3条乃至第11条、第13条ノ2(埋立地ノ用途又ハ設計ノ概要ノ変更ニ係ル部分ニ限ル)乃至第15条、第31条、第37条並第44条ノ規定ハ第1項ノ埋立ニ関シ之ヲ準用ス但シ第13条ノ2ノ規定ノ準用ニ依リ都道府県知事ノ許可ヲ受クベキ場合ニ於テハ之ニ代ヘ都道府県知事ノ承認ヲ 受ケ第14条ノ規定ノ準用ニ依リ都道府県知事ノ許可ヲ受クヘキ場合ニ於テハ之ニ代ヘ都道府県知事ニ通知スヘシ第51条本法ノ規定ニ依リ地方公共団体ガ処理スルコトトサレタル事務ノ内左ニ掲グルモノハ地方自治法第2条第9項第1号ニ規定スル第一号法定受託事務トス一第2条第1項及第2項(第42条第3項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第3 条第1項乃至第3項(第13条ノ2第2項及第42条第3項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第13条、第13条ノ2第1項(第42条第3項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、(中略)第42条第1項並第43条ノ規定ニ依リ都道府県又ハ地方自治法第252条の19第1項ノ指定都市ガ処理スルコトトサレタル事務二 (略) 【漁業法】(目的)第1条この法律は、漁業が国民に対して水産物を供給する使命を有し、かつ、漁業者の秩序ある生産活動がその使命の実現に不可欠であることに鑑み、水産資源の保存及び管理のための措置並びに漁業の許可及び免許に関する制度その他の漁 業生産に関する基本的制度を定めることにより、水産資源の持続 生産活動がその使命の実現に不可欠であることに鑑み、水産資源の保存及び管理のための措置並びに漁業の許可及び免許に関する制度その他の漁 業生産に関する基本的制度を定めることにより、水産資源の持続的な利用を確保するとともに、水面の総合的な利用を図り、もつて漁業生産力を発展させることを目的とする。 (漁業調整に関する命令)第119条 (1項略) 2 農林水産大臣又は都道府県知事は、漁業調整のため、次に掲げる事項に関して 必要な農林水産省令又は規則を定めることができる。 一水産動植物の採捕又は処理に関する制限又は禁止(前項の規定により漁業を営むことを禁止すること及び農林水産大臣又は都道府県知事の許可を受けなければならないこととすることを除く。)二水産動植物若しくはその製品の販売又は所持に関する制限又は禁止 三漁具又は漁船に関する制限又は禁止四漁業者の数又は資格に関する制限3~8 (略)(事務の区分)第187条この法律の規定により都道府県が処理することとされている事務のう ち、次に掲げるものは、地方自治法第2条第9項第1号に規定する第一号法定受託事務とする。 一 (前略)第119条第1項、第2項、第7項及び第8項、(中略)並びに第127条の規定により都道府県が処理することとされている事務二 (略) 【沖縄県漁業調整規則】(目的)第1条この規則は、漁業法(中略)、水産資源保護法(中略)その他漁業に関する法令と相まって、沖縄県における水産資源の保護培養及び漁業調整を図り、もって漁業生産力を発展させることを目的とする。 (禁止期間及び全長等の制限)第34条 (1項略) 2 何人も、次に掲げる水産動植物を採捕してはならない。 一 (略)二造 図り、もって漁業生産力を発展させることを目的とする。 (禁止期間及び全長等の制限)第34条 (1項略) 2 何人も、次に掲げる水産動植物を採捕してはならない。 一 (略)二造礁さんご類(いしさんご目、あなさんごもどき科、うみとさか目(石灰軸 亜目、角軸亜目及び石軸亜目(むらさきはなづた及びさんご科を除く。)に限 る。)、くださんご科及びあおさんご目の刺胞動物をいう。) 3 (略)(試験研究等の適用除外)第40条この規則のうち水産動植物の種類若しくは大きさ、水産動植物の採捕の期間若しくは区域又は使用する漁具若しくは漁法についての制限又は禁止に関す る規定は、試験研究、教育実習又は増養殖用の種苗(種卵を含む。)の供給(自給を含む。)(以下この条において「試験研究等」という。)のための水産動植物の採捕について知事の許可を受けた者が行う当該試験研究等については、適用しない。 2 前項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を知事に 提出しなければならない。 一申請者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)二目的三適用除外の許可を必要とする事項 四使用する船舶の名称、漁船登録番号、総トン数及び所有者名五採捕しようとする水産動植物の名称及び数量(種苗の採捕の場合は、供給先及びその数量)六採捕の期間及び区域七使用する漁具及び漁法 八採捕に従事する者の氏名及び住所3~8 (略)以上

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