令和2(ワ)25892 特許権侵害差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和5年11月29日 東京地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-92563.txt

キーワード

判決文本文102,456 文字)

令和5年11月29日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 令和2年(ワ)第25892号特許権侵害に基づく差止等請求事件 口頭弁論終結日令和5年9月6日判決 原告アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド(以下「原告アール・エイ・アイ」という。) 原告ニコベンチャーズトレーディングリミテッド(以下「原告ニコベンチャーズ」という。) 原告ら訴訟代理人弁護士設樂隆一同大野聖二同小林英了同高橋美智留 原告ら訴訟復代理人弁護士井深大 原告ら訴訟代理人弁理士松野知紘 被告フィリップ・モリス・ジャパン合同会社(以下「被告フィリップモリス」という。) 被告双日株式会社(以下「被告双日」という。) 被告ら訴訟代理人弁護士田中昌利同小原淳見同中島慧同中所昌司 被告ら訴訟復代理人弁護士生田敦志 主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 3 この判決に対する控訴のための付加期間を30日と定める。 事実及び理由 第1 請求 1 被告らは、別紙被告製品目録記載2の各製品を販売し、輸入し、又は販売の申出をしてはならない。 2 被告らは、原告アール・エイ・アイに対し、連帯して、1億円及びこれに対する令和2年10月31日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払 品を販売し、輸入し、又は販売の申出をしてはならない。 2 被告らは、原告アール・エイ・アイに対し、連帯して、1億円及びこれに対する令和2年10月31日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 3 被告らは、原告ニコベンチャーズに対し、連帯して、1億円及びこれに対する令和2年10月31日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は、発明の名称を「喫煙物品、および吸引材をもたらすために喫煙物品を用いること」とする特許権を譲り受けた原告アール・エイ・アイ及び原告ア ール・エイ・アイから独占的通常実施権の許諾を受け、さらに専用実施権の設 定を受けた原告ニコベンチャーズが、被告製品目録記載1の各製品のうちの1の製品及び同記載2の各製品のうちの1の製品からなる製品が原告アール・エイ・アイの有する特許権に係る発明の技術的範囲に属し、被告らの同記載1の各製品の輸入、販売又は販売の申出が特許法101条1号及び2号にあたり、同記載2の各製品の輸入、販売又は販売の申出が同条2号にあたり、原告アー ル・エイ・アイの有する特許権並びに原告ニコベンチャーズの有する独占的通常実施権及び専用実施権を侵害すると主張して、被告らに対し、特許法100条1項に基づき、それぞれ、同記載2の各製品の販売等の差止めを求めるとともに、原告アール・エイ・アイは、民法709条及び特許法102条3項に基づき、本件特許が登録された平成28年7月29日から原告ニコベンチャーズ に対して独占的通常実施権の許諾をした日の前日である令和元年8月28日までに生じた損害金1億円(ただし、原告アール・エイ・アイが前特許権者から譲り受けた不法行為に基づく損害賠償請求権の損害金を含む。)及び不法行為の後である令和2年10月31日から 令和元年8月28日までに生じた損害金1億円(ただし、原告アール・エイ・アイが前特許権者から譲り受けた不法行為に基づく損害賠償請求権の損害金を含む。)及び不法行為の後である令和2年10月31日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を、原告ニコベンチャーズは、民法709条及び特許法 102条2項に基づき、独占的通常実施権の許諾を受けた令和元年8月29日以降の損害金1億円及び不法行為の日(訴状送達の日の翌日)である令和2年10月31日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を、求めた事案である。 1 前提事実(当事者間に争いのない事実及び証拠上容易に認められる事実等。 証拠等は括弧で付記した。なお、書証は特記しない限り枝番を全て含み、英文と翻訳文とを区別しない。また、西暦で表記されている場合も含めすべて和暦で記載する。以下同じ。)⑴ 当事者原告アール・エイ・アイは、たばこ製品に関する知的財産権の保有及びラ イセンスを業とする米国法人であり、原告ニコベンチャーズは、加熱式たば こ製品及びニコチン等関連製品の開発及び商業化を業とする英国法人である(弁論の全趣旨)。 被告フィリップモリスは、たばこ及びたばこ関連製品のマーケティング、販売、輸入及びプロモーションを業とする合同会社であり、被告双日は、たばこ及びたばこ関連製品の販売及び輸入を業とする株式会社である(争いが ない事実)。 ⑵ 原告アール・エイ・アイが保有する特許権についてア訴外アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニー(以下「訴外レイノルズ社」という。)は、平成28年7月29日、下記の内容の特許権(以下「本件特許権」という。)の設定登録を受けた(甲1)。 登録番号特許第5978 バコ・カンパニー(以下「訴外レイノルズ社」という。)は、平成28年7月29日、下記の内容の特許権(以下「本件特許権」という。)の設定登録を受けた(甲1)。 登録番号特許第5978303号出願番号 2014-525108発明の名称喫煙物品、および吸引材をもたらすためにその喫煙物品を用いること出願年月日平成24年8月8日 優先日平成23年8月9日イ原告アール・エイ・アイは、令和元年6月26日、訴外レイノルズ社から、本件特許権の譲渡を受けた(甲1)。 ウ原告ニコベンチャ-ズは、令和2年2月21日、原告アール・エイ・アイから、本件特許権について、以下の内容の専用実施権の設定を受けた (甲1)。 地域日本国全域期間本特許権の存続期間専用実施権の内容全部エ令和2年8月21日、本件特許権について、特許請求の範囲を訂正する 審決がされ、同年9月2日、確定した(甲1)。また、令和4年7月13 日、本件特許権について、特許請求の範囲を訂正する審決がされ、その後、確定した。(甲14、弁論の全趣旨)⑶ 特許請求の範囲について本件特許権の請求項1の特許請求の範囲(ただし、訂正後のもの。)は、以下のとおりである(以下、同請求項に記載された発明を「本件発明」とい う。)。 「カートリッジと、電気加熱部材と、制御ハウジングと、を含む電気喫煙物品であって、前記カートリッジは、実質的に筒状のカートリッジ本体と、吸引可能な物質をともに含む実質的に筒状の吸引可能な物質媒体であって、前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体との間にポリマー材料を含 む環状空間を定めるように、前記カートリッジ本体内に配置されている、前記カートリッ 的に筒状の吸引可能な物質媒体であって、前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体との間にポリマー材料を含 む環状空間を定めるように、前記カートリッジ本体内に配置されている、前記カートリッジ本体の一端部と近接する第1端部及び前記カートリッジ本体の他端部と近接する第2端部を有し、前記カートリッジ本体とほぼ同じ長さの吸引可能な物質媒体と、前記カートリッジ本体より長く、前記カートリッジ本体を取り囲むオーバーラップ部であって、前記オーバーラップ部におけ る前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジの吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う、オーバーラップ部と、を有し、前記電気加熱部材は、前記カートリッジのオーバーラップ部内に配置され、前記制御ハウジングは、前記カートリッジに機能可能に連結されている嵌合端部を有するとともに、前 記電気加熱部材に電力を供給する電気エネルギー源を含み、前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分に、前記吸引可能な物質媒体の少なくとも一部を加熱するように、前記吸引可能な物質媒体が前記電気加熱部材と機能可能に配置され、前記カートリッジの前記オーバーラップ部は、前記制御ハウジングへの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキ ングを外面に有する、電気喫煙物品。」 ⑷ 本件発明の分説について本件発明を分説すると、以下のとおりとなる(以下、各構成を分説後の符号に従い、「構成要件A」などという。なお、訴訟係属中に訂正が確定したことと本件訴訟の経過の関係から、符号はアルファベット順に付されていない。)。 I カートリッジと、電気加熱部材と、制御ハウジングと、を含む電気喫煙物品であって、前記カートリッジは、 定したことと本件訴訟の経過の関係から、符号はアルファベット順に付されていない。)。 I カートリッジと、電気加熱部材と、制御ハウジングと、を含む電気喫煙物品であって、前記カートリッジは、A 実質的に筒状のカートリッジ本体と、B 吸引可能な物質をともに含む実質的に筒状の吸引可能な物質媒体であって、前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体との間にポリマー材 料を含む環状空間を定めるように、前記カートリッジ本体内に配置されている、前記カートリッジ本体の一端部と近接する第1端部及び前記カートリッジ本体の他端部と近接する第2端部を有し、前記カートリッジ本体とほぼ同じ長さの吸引可能な物質媒体と、J 前記カートリッジ本体より長く、前記カートリッジ本体を取り囲むオー バーラップ部であって、前記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジの吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う、オーバーラップ部と、を有し、C 前記電気加熱部材は、前記カートリッジのオーバーラップ部内に配置さ れ、D 前記制御ハウジングは、前記カートリッジに機能可能に連結されている嵌合端部を有するとともに、前記電気加熱部材に電力を供給する電気エネルギー源を含み、 F 前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分に、前記吸引可能な物質媒体の少なくとも一部を加熱するように、前記吸引可能な物質媒体が前記電気加熱部材と機能可能に配置され、G 前記カートリッジの前記オーバーラップ部は、前記制御ハウジングへの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキングを外面に有する、 H 電気喫煙物品。 ⑸ 被告らの製品について(争いがない 、G 前記カートリッジの前記オーバーラップ部は、前記制御ハウジングへの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキングを外面に有する、 H 電気喫煙物品。 ⑸ 被告らの製品について(争いがない事実)ア被告フィッリプモリスは、平成28年7月29日から少なくとも令和3年2月26日まで、別紙被告製品目録記載1の各商品名の加熱式タバコスティックの輸入、販売及び販売の申出を行っており、被告双日は、同期 間、同目録記載1の各商品名の加熱式タバコスティックの輸入及び販売を行っていた。ただし、同目録記載1の各商品名の加熱式タバコスティックのうち、同目録記載1⑺及び⑻の各加熱式タバコスティックについては令和2年5月15日から期間限定品として販売されたものであり、その他の同目録記載1の各商品名の加熱式タバコスティックのうちの一部は、平成 28年7月29日より後に各被告らにより輸入、販売及び販売の申出がされたものである。 イ別紙被告製品目録記載1の各商品名の加熱式タバコスティックは、以下の略図1のとおり、概要、包装紙に包まれ、フィルタ部、PLAポリマー部、スペーサー及びタバコロットからなる製品であり、PLAポリマー部 にメンソールを含有するスレッドが挿入されていた。もっとも、令和3年2月26日時点において、別紙被告製品目録記載1の加熱式タバコスティックのうちの一部については既にスレッドが挿入されておらず、かつ、その後全ての製品についてスレッドが挿入されなくなる予定であった(以下、別紙被告製品目録記載1の各商品名の加熱式タバコスティックのう ち、上記スレッドが挿入されているものを総称して「被告製品1」とい う。)。また、被告製品1を包装している6枚の紙は、略図2のとおりであり、吸い口端側外装紙、タバコ端側外装紙、フ クのう ち、上記スレッドが挿入されているものを総称して「被告製品1」とい う。)。また、被告製品1を包装している6枚の紙は、略図2のとおりであり、吸い口端側外装紙、タバコ端側外装紙、フィルタ部用内装紙、PLAポリマー部用内装紙、スペーサー用内装紙及びタバコロッド用内装紙(以下、これらの6枚の紙について「本件各包装紙」という。)である。 【略図1】 【略図2】 ウ被告フィッリプモリスは、平成28年7月29日より後から少なくとも令和3年2月26日当時まで、別紙被告製品目録記載2の各加熱式喫煙具(以下、これらの加熱式喫煙具を総称して「被告製品2」という。)の輸 入、販売及び販売の申出を行っており、被告双日は、同期間、同目録記載 1の各商品名の加熱式タバコスティックの輸入及び販売を行っていた。ただし、被告製品2のうち、同目録記載2⑵の各加熱式喫煙具については、被告らは、現在輸入、販売及び販売の申出をしていない。 エ被告製品2は、以下の写真のように、概要、メインボディとメインボディから取り外し可能なエンドキャップから構成され、メインボディにはヒ ータブレードとバッテリーが設けられ、エンドキャップにはその底面にヒータブレードが差し込まれるスリッドが空けられており、加熱式タバコスティックを受け入れるように構成されている。 【被告製品2⑵の写真】 【被告製品2⑵のエンドキャップを、加熱式タバコスティックを差し込む方向から撮った写真】 ⑹ 被告製品1及び被告製品2を組み合わせた製品(以下「被告製品」という。)被告製品は、以下の構成を有する(以下、被告製品の各構成を符号に従い「構成a」などという。なお、原被告間において、被告製品の各構成のうちの一部について、それをどの (以下「被告製品」という。)被告製品は、以下の構成を有する(以下、被告製品の各構成を符号に従い「構成a」などという。なお、原被告間において、被告製品の各構成のうちの一部について、それをどのような文言で表現するかについての争いはある エンドキャッメインボディ が、被告製品の構成それ自体には争いはない。括弧で付したのは構成の表現について争いがある部分についての被告による表現であり、下線で記載した表現が原告による表現である。)。以下の構成のうち、被告製品の構成iが構成要件Iを、構成hが構成要件Hを、それぞれ充足することは当事者間に争いがない。 i 加熱式タバコスティックと、ヒータブレードと、エンドキャップ及びメインボディと、を備える電気加熱式タバコであって、前記加熱式タバコスティックは、aPLAポリマーシートをちょうど覆う長さのPLAポリマー部用内装紙と、 b 多数の細い糸を円柱状に撚って形成された、メンソールを含むスレッドであり、細い糸同士の間には隙間があり(実質的に隙間がなく)、PLAポリマーシートをまとめて形成された円柱状のPLAポリマー部内に配置され、PLAポリマーシートと共にPLAポリマー部用内装紙により巻かれているスレッドであって、スレッドの外面と円筒状のPLAポリマー部 用内装紙は互いに接することなく離間しており、軸方向の長さがスレッドの長さと同一であるPLAポリマーシートの間には、軸方向に伸びる空間(隙間)が存在しており、スレッドの一端はPLAポリマー部用内装紙の一端の近傍にあり、スレッドの他端はPLAポリマー部用内装紙の他端の近傍にあり、かつ、スレッドはPLAポリマー部用内装紙と同じ長さであ る、スレッドと、j 一端が吸い口端に位置し、他端がPLAポリマー部 り、スレッドの他端はPLAポリマー部用内装紙の他端の近傍にあり、かつ、スレッドはPLAポリマー部用内装紙と同じ長さであ る、スレッドと、j 一端が吸い口端に位置し、他端がPLAポリマー部用内装紙の一部を覆う吸い口端側外装紙であって、吸い口端側外装紙におけるPLAポリマー部用内装紙を覆っていない部分が、加熱式タバコスティックの吸い口端とスレッドとの間に配置された吸い口端フィルタを覆う吸い口端側外装紙と、 一端がPLAポリマー部用内装紙の吸い口側端部に位置し、他端がPLA ポリマー部用内装紙のタバコロッド側端部を超えてタバコロッドの端部まで伸びるタバコ端側外装紙と、を有し、吸い口端側外装紙の一端からタバコ端側外装紙の他端までの長さは、PLAポリマー部用内装紙より長く、c ヒータブレードはタバコロッド用内装紙及びタバコ端側外装紙内にあるタバコロッドに突き刺さるものであり、ベース部と、ベース部上に形成さ れた導電トラックと、を有し、d (加熱式デバイスは、)加熱式タバコスティックを受け入れるエンドキャップと、エンドキャップの底面に形成されたスリットを貫通してエンドキャップ内まで延びるヒータブレードのベース部上に形成された導電トラックに電力を供給するバッテリーを含むメインボディと、を有する加熱式 喫煙デバイスであって、使用者はエンドキャップの底面に達するまで加熱式タバコスティックを挿入可能であり、該挿入によってヒータブレードのベース部が加熱式タバコスティックに挿入され、加熱式喫煙デバイスのスイッチが入れられると、タバコロッドを加熱するために、ヒータブレードの導電トラックがバッテリーと通電し、 f タバコ及びメンソールの成分を含む蒸気及びエアロゾルをタバコロッド内に形成させるのに充分に、前記タバコ タバコロッドを加熱するために、ヒータブレードの導電トラックがバッテリーと通電し、 f タバコ及びメンソールの成分を含む蒸気及びエアロゾルをタバコロッド内に形成させるのに充分に、前記タバコロッド内のタバコシートを約300度まで加熱するように、ヒータブレードが前記タバコロッドに突き刺さるが、前記ヒータブレードの長さは、前記ヒータブレードが前記タバコロッドを突き抜けない長さにとどまり、前記タバコロッド以外の加熱式タバ コスティックの部材は前記ヒータブレードに接触せず、メンソールを含有するスレッドを含むPLAポリマー部は、ヒータブレードの影響を減らすようヒータブレードが挿入されるタバコロッドからスペーサーを挟んで離れて配置されるが、ヒータブレードからの熱の一部はスレッド及びPLAポリマーシートにも伝わり、それによってスレッドのタバコロッドに近い 位置での最高温度は100度以上となり、かつ、タバコロッドからの蒸気 及びエアロゾルの少なくとも一部がPLAポリマーシートの軸方向に伸びる空間(隙間)を通過し、また、スレッドから蒸発したメンソールは、スレッドの外面とPLAシートの内面との間の空間に充満し、g 吸い口端側外装紙の外面には、銀色の線(又は「DIMENSIONS」の文字)が印刷されており、加熱式タバコスティックは、この印刷された線(又は 「DIMENSIONS」の文字)まで加熱式喫煙デバイスに挿入される、h 電気加熱式タバコ。 2 争点⑴ 被告製品が本件発明の技術的範囲に属するか(争点1)ア構成要件Aの充足性(争点1-1) イ構成要件Bの充足性(争点1-2)ウ構成要件Jの充足性(争点1-3)エ構成要件Cの充足性(争点1-4)オ構成要件Dの充足性(争点1-5)カ構成 充足性(争点1-1) イ構成要件Bの充足性(争点1-2)ウ構成要件Jの充足性(争点1-3)エ構成要件Cの充足性(争点1-4)オ構成要件Dの充足性(争点1-5)カ構成要件Fの充足性(争点1-6) キ構成要件Gの充足性(争点1-7)⑵ 無効理由の有無(争点2)ア本件発明が、WO2011/060961A1国際特許公開公報(以下「乙19公報」という。)に記載された発明(以下「乙19発明」という。)を主引例として容易に発明できたか(争点2-1) イ本件発明が、WO2007/085830A2国際特許公開公報(以下「乙20公報」という。)に記載された発明(以下「乙20発明」という。)を主引例として容易に発明できたか(争点2-2)ウ本件発明が、WO2011/050964A1国際特許公開公報(以下「乙31公報」という。)に記載された発明(以下「乙31発明」とい う。)を主引例として容易に発明できたか(争点2-3) エサポート要件違反又は明確性要件違反の有無(争点2-4)⑶ 間接侵害の成否(争点3)⑷ 被告製品2の無限定の差止請求の可否(争点4)⑸ 原告らの損害額等(争点5) 3 争点に対する当事者の主張 ⑴ 被告製品が本件発明の技術的範囲に属するか(争点1)ア争点1-1(構成要件Aの充足性)について(原告らの主張)被告製品1は、PLAポリマーシートをちょうど覆う長さの「PLAポリマー部用内装紙」を有し、この「PLAポリマー部用内装紙」をさらに 「外装紙」が覆っている。構成aにおけるこの「PLAポリマー部用内装紙」が構成要件Aの「カートリッジ本体」に該当する。構成要件Aには、「カートリッジ本体」が第1の外層と第2の内層からなるという特定 「外装紙」が覆っている。構成aにおけるこの「PLAポリマー部用内装紙」が構成要件Aの「カートリッジ本体」に該当する。構成要件Aには、「カートリッジ本体」が第1の外層と第2の内層からなるという特定はない。 本件発明における「カートリッジ本体」は、「カートリッジ」 全体に対して、その一部分の部材を指すものとして「本体」と称されているにすぎず、「本体」が「主要な部分」あるいは「主体」という意味を持つものではない。本件発明に係る明細書及び図面(以下、同明細書と図面を併せて「本件明細書」という。)においても、カートリッジ本体はオーバーラップ部より相当程度小さいものであってよいこと(【0 025】、【0063】、【図4】等)、紙から形成されてよいこと(【0041】)が開示されており、「小さな内装紙」であるとしても「カートリッジ本体」に該当する。 構成要件Dで「前記制御ハウジングは、前記カートリッジに機能可能に連結されている嵌合端部を有する」と特定されているとおり、「制御ハ ウジング」の「嵌合端部」は、「カートリッジ」に連結されればよく、 「カートリッジ本体」に連結されることは必須の要件ではない。 (被告らの主張)構成要件Aの「カートリッジ本体」は、第1の外層と開口構造化された第2の内層からなるものであり、カートリッジの「付属物をのぞいた主要な部分」又は「主体」を意味し、「カートリッジ本体」が制御ハウ ジングにはめ込まれること(カートリッジ本体が制御ハウジングの受容端部に嵌合すること)を前提とすると解すべきである。被告製品1の「PLAポリマー部用内装紙」はこれらの構成を有さないから、被告製品1は構成要件Aを充足する部分を有しない。 すなわち、原告アール・エイ・アイは、訂正に係る審判において、当 べきである。被告製品1の「PLAポリマー部用内装紙」はこれらの構成を有さないから、被告製品1は構成要件Aを充足する部分を有しない。 すなわち、原告アール・エイ・アイは、訂正に係る審判において、当該 訂正が本件明細書の図4bに係るものであると主張して、訂正がされた。 図4bに関する本件明細書の【0053】及び【0054】には、「カートリッジ本体」が、第1の外層306と、開口構造化された第2の内層307からなるものであることが明確に記載されていて、構成要件Aのカートリッジ本体は、第1の外層と開口構造化された第2の内層から なるものを指す。 また、「本体」とは、「物の、付属物をのぞいた主要な部分。主体。」をいうから、構成要件Aの「カートリッジ本体」とは、文字どおり、カートリッジの「付属物をのぞいた主要な部分」又は「主体」を意味する。 被告製品のPLAポリマー部用内装紙は、被告製品の一部である被告製 品1のごく一部を構成する小さな内装紙にすぎないため、カートリッジの「付属物をのぞいた主要な部分」又は「主体」とはいえない。 さらに、「カートリッジ」とは「はめこみ式の交換部品」という意味であり、「カートリッジ本体」とは「はめこみ式の交換部品」の「本体」であるから、本件発明においては、「カートリッジ本体」が制御ハウジ ングにはめ込まれること(カートリッジ本体が制御ハウジングの受容端 部に嵌合すること)が当然の前提とされている。このことは、本件明細書において、「制御ハウジングとカートリッジ本体は、機能可能に連結されるものとして特徴づけることができる。」(【0008】)、「カートリッジ本体の嵌合端部」(【0025】等)、「カートリッジ本体305は、制御ハウジング200の受容チャンバー210と嵌合する嵌 合端部31 て特徴づけることができる。」(【0008】)、「カートリッジ本体の嵌合端部」(【0025】等)、「カートリッジ本体305は、制御ハウジング200の受容チャンバー210と嵌合する嵌 合端部310・・・を有する。」(【0040】)などと記載されていることからも明らかである。これに対し、被告製品のPLAポリマー部用内装紙は、被告製品の一部である被告製品1のごく一部を構成する内装紙にすぎず、制御ハウジングにはめ込まれる(制御ハウジングの受容端部に嵌合する)ものではない。 イ争点1-2(構成要件Bの充足性)について(原告らの主張)構成bの「メンソール」、「多数の細い糸を円柱状に撚って形成された…スレッド」、「PLAポリマーシート」、「PLAポリマー部用内装紙」は、それぞれ、構成要件Bの「吸引可能な物質」、「実質的に筒状 の吸引可能な物質媒体」、「ポリマー材料」、「カートリッジ本体」にそれぞれ該当する。したがって、被告製品は構成要件Bを充足する。 すなわち、「吸引可能な物質」について、特許請求の範囲に、加熱によって初めて放出される「タバコ構成要素またはタバコ由来の材料」をいうとする限定はなく、「吸引可能な物質」には「香味含有物質」が含ま れる。このような「香味含有物質」は、タバコ構成要素又はタバコの材料のみに限定されて「香味」がタバコの香味のみに限定されるものではない。本件明細書には、「タバコ材料または吸引可能な物質媒体は概して、糖、グリセリン、バニラ、ココア、甘草、およびメントールなどのその他の香味材料のようなその他の構成要素をさらに含むことができ る。」(【0046】)、「加熱部材のうちの1つを特定の香味剤(例 えばメントール)と関連付けてよい。」(【0048】)との記載があり、加熱の対象と 他の構成要素をさらに含むことができ る。」(【0046】)、「加熱部材のうちの1つを特定の香味剤(例 えばメントール)と関連付けてよい。」(【0048】)との記載があり、加熱の対象となる香味含有物質を含む「吸引可能な物質」としてメンソールも想定されているのは明らかである。 また、構成要件Bには、「前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体との間にポリマー材料を含む環状空間を定める」という「吸引可能 な物質媒体」の外面を特定する記載があるにすぎず、「吸引可能な物質媒体」の内部の形状を限定する記載はない。「多数の細い糸を円柱状に撚って形成された…スレッド」は、「実質的に筒状の吸引可能な物質媒体」に当たる。構成要件は「実質的に筒状」と特定しており、国際出願における原文も「substantiallytubularshaped(訳:実質的に筒状)」 とされている。図4bを含む本件特許の明細書の記載は例示にすぎず、それに限定されるものではない。そして、仮に、被告らの主張を前提としても、構成bの「スレッド」の内部には細い糸同士の間に隙間(空洞)があるから、スレッドは「実質的に筒状の吸引可能な物質媒体」に該当する。 さらに、特許請求の範囲には、本件発明の「環状空間」の内側が内面及び外面を有する吸引可能な物質媒体壁の外面である必要があるとの限定はなく、被告製品のスレッドの外面と外側の包装紙との間の空間が、構成要件Bの「環状空間」に該当する。また、「環状空間」について仮に被告ら主張のように解釈するとしても、スレッドの外面が「物質媒体壁 の外面」に該当し、被告製品は「環状空間」を有する。 (被告らの主張)構成要件Bの「吸引可能な物質」とは、加熱によって初めて放出される、「タバコ構成要素またはタバコ由来 が「物質媒体壁 の外面」に該当し、被告製品は「環状空間」を有する。 (被告らの主張)構成要件Bの「吸引可能な物質」とは、加熱によって初めて放出される、「タバコ構成要素またはタバコ由来の材料」を、「実質的に筒状の吸引可能な物質媒体」は、内部が空洞のものを、「環状空間」の内側は、内面及 び外面を有する吸引可能な物質媒体壁の外面であることを必要とする。 そして、被告製品のメンソールは、ヒータブレードが被告製品1のタバコロッドを加熱する前から被告製品1の内部に広く拡散しており、「吸引可能な物質」に該当しない。また、被告製品のスレッドは、単なる糸の束にすぎず、内部が空洞になっていないほか、被告製品の加熱部材であるヒータブレードがスレッドの内側に挿入されることもなく、吸引可 能な物質媒体の内部が空洞であることから得られる発明の効果を得られず、「実質的に筒状」ではないため、「実質的に筒状の吸引可能な物質媒体」に該当しない。そして、スレッドは、内部が空洞になっておらず筒状ではないことから、内面及び外面を有する吸引可能な物質媒体壁を有しない。そのため、被告製品においては、内面及び外面を有する吸引 可能な物質媒体壁の外面が存在しない。よって、被告製品は構成要件Bを充足しない。 すなわち、「吸引可能な物質」の意義に関して、本件明細書の【0042】には、「吸引可能な物質媒体350は、加熱されると、香味含有物質のような吸引可能な物質を放出するいずれかの材料であることができ る。・・・吸引可能な物質は具体的には、タバコ構成要素またはタバコ由来の材料(すなわち、タバコ中に元々あるか、タバコから直接単離できるか、または合成によって調製される材料)であってよい。」と記載されている。したがって、「吸引可能な物質」とは、加 要素またはタバコ由来の材料(すなわち、タバコ中に元々あるか、タバコから直接単離できるか、または合成によって調製される材料)であってよい。」と記載されている。したがって、「吸引可能な物質」とは、加熱によって初めて放出される、「タバコ構成要素またはタバコ由来の材料」をいうもの と解される。 また、広辞苑第七版の「筒」の項目には、「① 円く細長くて中空になっているもの。管かん。『紙を丸めて―にする』」と記載されている。本件発明1の「実質的に筒状の吸引可能な物質媒体」は、国際出願日における国際出願の請求の範囲の請求項1の「asubstantial lytubularshapedinhalablesubs tancemedium」の日本語訳であり、そのうち「筒状の」は、「tubular」の日本語訳である。他方で、国際出願日における国際出願の明細書には、吸引可能な物質媒体の形状について「tubular」と記載している箇所が複数あるところ、本件明細書においては、これを「筒状の」と訳している箇所と「管状の」と訳している箇所があ るが、リーダーズ英和辞典(第3版)の「tubular」の項目には、「1 管の;管状の;管からなる[作られた]、・・・」と記載されている。 したがって、構成要件Bの「筒状の」は、①上記のリーダーズ英和辞典第3版の「tubular」の項目にも記載され、また、②本件明細書においても「tubular」の訳語として用いられている、「管状の」 と同じ意味と解すべきである。広辞苑第七版の「管(かん)」の項目には、「① くだ。気体・液体などの輸送に用いる長い中空のもの。」と記載されており、「管(くだ)」の項目には、「① 円く細長く、中のうつろなもの。」と記載されている。したがって、構成要件Bの「筒 目には、「① くだ。気体・液体などの輸送に用いる長い中空のもの。」と記載されており、「管(くだ)」の項目には、「① 円く細長く、中のうつろなもの。」と記載されている。したがって、構成要件Bの「筒状の」は、「管状の」、すなわち、「長い中空のもの」又は「円く細長く、 中のうつろなもの」の意味であると解するべきである。 さらに、本件明細書では、図4、7及び8等の説明において、吸引可能な物質媒体350は「管状」であるとされ、その内部には「中央空洞部351」が存在する。そして、電気加熱部材であるコイルが取り付けられた突出部225が、吸引可能な物質媒体350の内部の中央空洞部 351に挿入され、これにより、吸引可能な物質媒体は、その内部から加熱されるとされ、いずれの図においても、吸引可能な物質媒体の内部は空洞である。本件明細書には、吸引可能な物質媒体の内部が空洞になっている発明しか開示されていない。そして、本件明細書に記載された本件発明の実施形態では、電気加熱部材であるコイルが取り付けられた 突出部が、吸引可能な物質媒体の内部の意図的に設計された空洞部分に 挿入され、これにより、吸引可能な物質媒体が内部から加熱されることで、吸引可能な物質を含むエアロゾル又は蒸気が、カートリッジ本体壁の内面と吸引可能な物質媒体壁の外面との間の所定の容積の環状空間内に放出される構成が開示されている。「管状の吸引可能な物質媒体の内側空間内に加熱部材400が存在する」ことにより、「吸引中に物品内 を流れる空気流から加熱部材を分離する」ことができ、その結果、加熱部材の熱は、空気流に奪われることなく、効率的に吸引可能な物質媒体に伝達されることになる。これにより、熱の伝達の最大化、エネルギー消費量の軽減、バッテリー寿命の延長などの様々な効 き、その結果、加熱部材の熱は、空気流に奪われることなく、効率的に吸引可能な物質媒体に伝達されることになる。これにより、熱の伝達の最大化、エネルギー消費量の軽減、バッテリー寿命の延長などの様々な効果を得ることができ(【0087】)ることが記載されている。このような効果は、吸引 可能な物質媒体の内部に加熱部材を配置し、①吸引可能な物質媒体の外側の環状空間を空気流の通路とし、空気流と加熱部材との接触を回避すること、②吸引可能な物質媒体から発生する蒸気と加熱部材との接触を回避することにより、得られるものである。したがって、吸引可能な物質媒体の内部が空洞になっている構成は、構成要件Bや構成要件Fに記 載された環状空間とも関連するものであり、本件発明において、重要な技術的意義を有する。これらの理由から、「実質的に筒状の吸引可能な物質媒体」に該当するためには、内部が空洞になっている必要がある。 さらに、「環状空間」につき、構成要件Bの文言上は、「前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体との間にポリマー材料を含む環状空 間を定める」とされているが、本件明細書上は、「内面と外面を有する壁352を有する実質的に筒状の吸引可能な物質媒体350を含んで、吸引可能な物質媒体壁352の外面とカートリッジ本体305の壁の内面との間に所定の容積の環状空間を定める」(【0116】)などと記載されている。すなわち、環状空間の内側は、単なる「吸引可能な物質 媒体」ではなく、「吸引可能な物質媒体壁352の外面」(【011 6】)であって、この「吸引可能な物質媒体壁352」は、「内面と外面を有する壁352」(【0116】)である。したがって、本件発明の「環状空間」の内側は、内面及び外面を有する吸引可能な物質媒体壁の外面である必要がある 「吸引可能な物質媒体壁352」は、「内面と外面を有する壁352」(【0116】)である。したがって、本件発明の「環状空間」の内側は、内面及び外面を有する吸引可能な物質媒体壁の外面である必要がある。 ウ争点1-3(構成要件Jの充足性)について (原告らの主張)構成jにおける「吸い口端側外装紙」と「タバコ端側外装紙」をまとめたものが構成要件Jの「オーバーラップ部」に該当する。具体的には、構成jにおける「吸い口端側外装紙の一端からタバコ端側外装紙の他端までの長さは、PLAポリマー部用内装紙より長」いことが構成要件Jの「前 記カートリッジ本体より長く」に該当し、構成jにおける「タバコ端側外装紙」の「一端がPLAポリマー部用内装紙の吸い口側端部に位置し、他端がPLAポリマー部用内装紙のタバコロッド側端部を超えてタバコロッドの端部まで伸びる」ことが構成要件Jの「前記カートリッジ本体を取り囲」みに該当し、構成jにおける「吸い口端側外装紙におけるPLAポリ マー部用内装紙を覆っていない部分が、加熱式タバコスティックの吸い口端とスレッドとの間に配置された吸い口端フィルタを覆う」ことが構成要件Jの「前記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジの吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う」に該当する。 すなわち、「オーバーラップ部」について、構成要件Jには「オーバーラップ部」と「カートリッジ本体」との間にデッドスペースを有するとは規定されていない。また、本件明細書の【0063】に「オーバーラップ部は、下のバルク層と、紙巻きタバコにおける典型的なラップ紙のような上層のような複数の層で形成されていてもよい。」と記載されて いる ていない。また、本件明細書の【0063】に「オーバーラップ部は、下のバルク層と、紙巻きタバコにおける典型的なラップ紙のような上層のような複数の層で形成されていてもよい。」と記載されて いるように、「オーバーラップ部」が単一の部材でなければならないと 限定される理由はない。したがって、被告製品の「吸い口端側外装紙」と「タバコ端側外装紙」という複数の層をまとめたものは、「オーバーラップ部」に該当する。そして、仮に、構成要件Jが「カートリッジ本体」の全体を取り囲むことを要すると解されるとしても、「吸い口端側外装紙」と「タバコ端側外装紙」をまとめたものは「PLAポリマー部 用内装紙」の全体を取り囲んでおり、被告製品は、構成要件Jを充足する。 (被告らの主張)「オーバーラップ部」は、「カートリッジ本体」との間に「デッドスペース」を有するものと解され、また、「前記カートリッジ本体より長く、 前記カートリッジ本体を取り囲むオーバーラップ部」は、「カートリッジ本体」を全長にわたって取り囲むものと解される。被告製品の「吸い口端側外装紙」は、「PLAポリマー部用内装紙」との間に「デッドスペース」を有しない。また、被告製品の「吸い口端側外装紙」は、「PLAポリマー部用内装紙」の一部を取り囲むものであるにすぎず、被告製品に構成要 件Jを充足する部分はない。 すなわち、「オーバーラップ部」は、本件明細書の【0040】、【0083】において、「カートリッジ本体」との間に「デッドスペース」を有するものであるとされ、さらに、本件明細書の【0053】、【0063】においては、「カートリッジ本体」又は「オーバーラップ部」 が(間にデッドスペースを有しない)複数の層からなるときには、各層が別々の部材(「カートリッジ本体」及び の【0053】、【0063】においては、「カートリッジ本体」又は「オーバーラップ部」 が(間にデッドスペースを有しない)複数の層からなるときには、各層が別々の部材(「カートリッジ本体」及び「オーバーラップ部」)となるのではなく、全層が合わさって「カートリッジ本体」又は「オーバーラップ部」を構成するものである旨記載されている。 また、「吸い口端側外装紙」と「タバコ端側外装紙」とは、軸方向に 一部が重なっているにすぎないのであるから、「複数の層」(本件明細 書の【0063】)であるとはいえない。仮に「吸い口端側外装紙」と「タバコ端側外装紙」とが、軸方向に一部が重なっていることからこれらを「まとめたもの」をもって、1つの部材とみなすのであれば、本件各包装紙を全て「まとめたもの」をもって、1つの部材とみなすべきであるが、その場合、被告製品には、「カートリッジ本体」(構成要件A) に該当する部材がなくなることになる(「PLAポリマー部用内装紙」が「オーバーラップ部」(構成要件J)及び「カートリッジ本体」(構成要件A)の両方に該当すると主張することは許されない)ため、被告製品は構成要件Aを充足しないことになる。 さらに、構成要件J及び本件明細書においては、「オーバーラップ部」 は、「カートリッジ本体より長く」構成されることにより、「カートリッジ本体」を全長にわたって「取り囲む」ものである。 エ争点1-4(構成要件Cの充足性)について(原告らの主張)上記ウのとおり、被告製品の「吸い口端側外装紙」と「タバコ端側外装 紙」をまとめたものが本件発明の「オーバーラップ部」に該当するから、構成cにおいて「ヒータブレード」が「タバコ端側外装紙内にあるタバコロッドに突き刺さる」ことが、構成要件Cの「前記電気加 装 紙」をまとめたものが本件発明の「オーバーラップ部」に該当するから、構成cにおいて「ヒータブレード」が「タバコ端側外装紙内にあるタバコロッドに突き刺さる」ことが、構成要件Cの「前記電気加熱部材は、前記カートリッジのオーバーラップ部内に配置され」に該当する。 (被告らの主張) 原告らの主張は、上記ウのとおり、本件各包装紙のうち恣意的に2枚の紙を「まとめたもの」をもって「オーバーラップ部」に当たるとするものであり、許されない。そして、「タバコ端側外装紙」のみが「オーバーラップ部」に当たると主張する場合、「タバコ端側外装紙」は、被告製品のフィルタ部を囲っていないため、被告製品の構成は、「前記オーバーラッ プ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッ ジの吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う」に該当しないことになる。したがって、被告製品は構成要件Cを充足する部分を有しない。 オ争点1-5(構成要件Dの充足性)について(原告らの主張) 「エンドキャップ」と「メインボディ」とを組み合わせた「加熱式喫煙デバイス」が構成要件Dの「制御ハウジング」に該当し、エンドキャップの底面に達するまで加熱式タバコスティックが挿入されるから、エンドキャップの底面が構成要件Dの「篏合端部」に該当する。また、エンドキャップの底面に達するまで加熱式タバコスティックが挿入され、該挿入によ ってヒータブレードのベース部が加熱式タバコスティックに挿入されるから、このベース部も構成要件Dの「篏合端部」に該当する。 本件明細書の【0008】には「本発明の物品は、カートリッジの嵌合端部と嵌合する受容端部を有する制御ハウジングも含むことができる。」との から、このベース部も構成要件Dの「篏合端部」に該当する。 本件明細書の【0008】には「本発明の物品は、カートリッジの嵌合端部と嵌合する受容端部を有する制御ハウジングも含むことができる。」との記載があり、この(制御ハウジングが有する)「嵌合する受容端部」 を構成要件Dにおいて「嵌合端部」と表現している。 そして、「嵌合」とは、文字どおり「嵌め合わせる」ことを意味しており、「形状が合った物」という追加的な限定を含むものではない。また、「エンドキャップの底面」に関し、エンドキャップに加熱式タバコスティックがぴったりとはまるのであるから、エンドキャップの底面と、加 熱式タバコスティックの先端面は、ほぼ同径の円形であり、正に「形状が合った物」である。そして、「エンドキャップの底面に達するまで加熱式タバコスティックを挿入可能であ」ることは「嵌め合わせる」ことである。さらに、「ヒータブレードのベース部」に関し、「ヒータブレードのベース部が加熱式タバコスティックに挿入され」ると、加熱式タ バコスティックにおけるタバコロッドがヒータブレードのベース部に押 圧されて凹部が形成され、当該凹部にヒータブレードのベース部(凸部)がはまった状態となる。 (被告らの主張)被告製品の「エンドキャップの底面」及び「ヒータブレードのベース部」は、加熱式タバコスティックと「嵌合」するものではなく、原告らのいう 被告製品の「エンドキャップの底面」及び「ヒータブレードのベース部」は、「カートリッジに機能可能に連結されている嵌合端部」に該当しない。 したがって、被告製品は構成要件Dを充足する部分を有しない。 「カートリッジに機能可能に連結されている嵌合端部」(制御ハウジングが有するものとして規定されている「嵌合端部」)は、本件明細書に い。 したがって、被告製品は構成要件Dを充足する部分を有しない。 「カートリッジに機能可能に連結されている嵌合端部」(制御ハウジングが有するものとして規定されている「嵌合端部」)は、本件明細書に 記載されていない部材であり、その意義自体が不明確である。 また、「嵌合」とは、「形状が合った物を嵌め合わせること。(例)受け孔と突起が嵌合する。凹部に凸起が嵌合して部材が位置決めされる。」という意味を有する技術用語であり、2つの部材が「嵌合」するためには、それぞれの部材において互いにはまり合う形状(受け孔と突起や、 凹部と凸起など)が存在することが前提となる。この点に関し、本件明細書の【0008】においては、カートリッジの「嵌合端部」と制御ハウジングの「受容端部」とが嵌合するものとされている。 被告製品においては、単に、ヒータブレードが加熱式タバコスティックのタバコロッドに挿入されるにすぎず、「エンドキャップの底面」及 び「ヒータブレードのベース部」とはまり合う構造は加熱式タバコスティックに設けられていない(被告製品のタバコロッドには、ヒータブレードが挿入されるための空洞はない。)。 カ争点1-6(構成要件Fの充足性)について(原告らの主張) 被告製品の構成fは「ヒータブレードからの熱の一部はスレッド及びP LAポリマーシートにも伝わり、それによってスレッドのタバコロッドに近い位置での最高温度は100度以上となり、かつ、タバコロッドからの蒸気及びエアロゾルの少なくとも一部がPLAポリマーシートの軸方向に伸びる空間を通過し、また、スレッドから蒸発したメンソールは、スレッドの外面とPLAシートの内面との間の空間に充満し、」であるから、構 成要件Fの「前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に 伸びる空間を通過し、また、スレッドから蒸発したメンソールは、スレッドの外面とPLAシートの内面との間の空間に充満し、」であるから、構 成要件Fの「前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分に、前記吸引可能な物質媒体の少なくとも一部を加熱」を充足する。また、特許請求の範囲の文言上、「吸引可能な物質媒体」の「機能」とは、当該「物質媒体」に含まれる「吸引可能な物質」(構成要件B)が「加熱」されることによって「蒸気」を「形成」することである。そのよ うな「機能」が「可能」となるように「電気加熱部材」が「配置される」ことを、構成要件Fにおいて「前記吸引可能な物質媒体が前記電気加熱部材と機能可能に配置され」と特定している。被告製品は、ヒータブレードがタバコロッド全体を突き抜けないとしても、スレッド(「吸引可能な物質媒体」)に含まれるメンソール(「吸引可能な物質」)が、ヒータブレ ードからの熱や、ヒータブレードによる加熱によってタバコロッドから発生した高温の蒸気及びエアロゾルの熱により「加熱」されることによって蒸発し、メンソールの「蒸気」を周囲の空間に「形成」するものであるから、構成要件Fの「前記吸引可能な物質媒体が前記電気加熱部材と機能可能に配置され」を充足する。 ヒータブレードからの熱や、ヒータブレードによる加熱によってタバコロッドから発生した高温の蒸気及びエアロゾルの熱により、スレッド又はPLAポリマーシートからメンソールが蒸発してPLAポリマー部内の空間に分布する以上、「前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分に、前記吸引可能な物質媒体の少なくとも一 部を加熱」する。また、スレッドの少なくともタバコロッドに近い位置 での最高温度は100度以上となり、少 気を前記環状空間内に形成させるのに充分に、前記吸引可能な物質媒体の少なくとも一 部を加熱」する。また、スレッドの少なくともタバコロッドに近い位置 での最高温度は100度以上となり、少なくとも当該100度以上となった部分からメンソールが蒸発するのは明らかである。また、スレッドはPLAポリマー部内に配置されており、PLAポリマー部はPLAポリマーシートをまとめて形成されたものであって、PLAポリマー部内には隙間があるので、熱によりスレッド内のメンソール量は減る。した がって、スレッドからのメンソール蒸気がPLAポリマー部内(スレッドの外面と外側の包装紙との間)の隙間に移動する。また、本件明細書を参酌しても、吸引可能な物質を含む蒸気を環状空間内の「全体」に形成しなければならないと限定的に解すべき理由はない。PLAポリマーシートの内面とスレッドの外面との間の隙間にメンソール蒸気が充満す ることが構成要件Fの「前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分」に該当する。 さらに、特許請求の範囲に、「機能可能に配置され」に該当するためには、カートリッジの軸に垂直な同一断面内に、吸引可能な物質媒体と電気加熱部材が存在することを要するという限定はない。本件明細書の 【0080】には、「吸引可能な物質媒体350、電気加熱部材400、および電気エネルギー源220が整列する。このような整列は、これらの3つの構成要素の断面が直接整列することに起因し得る」と記載されており、特許請求の範囲に記載された「配置」とは異なる用語である「整列」が用いられているから、特許請求の範囲に記載された「配置」 を本件明細書の記載で限定して解釈すべき理由はない。 (被告らの主張)被告製品は、「環状空間」に該当する部分を 用語である「整列」が用いられているから、特許請求の範囲に記載された「配置」 を本件明細書の記載で限定して解釈すべき理由はない。 (被告らの主張)被告製品は、「環状空間」に該当する部分を有しないのであるから、「前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させる」こともあり得ないほか、「前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内 に形成させるのに充分に、」に当たるというためには、吸引可能な物質 を含む蒸気が環状空間のごく一部に形成されるだけでは足りない。加えて、「機能可能に配置され」に該当するためには、カートリッジの軸に垂直な同一断面内に、吸引可能な物質媒体と電気加熱部材が存在することを要する。被告製品1の加熱式タバコスティックを被告製品2に所定の深さまで挿入した場合であっても、加熱式タバコスティックの軸に垂 直な同一断面内に、スレッドとヒータブレードが存在することはない。 したがって、被告製品は構成要件Jを充足する部分を有しない。 被告製品のヒータブレードは、タバコロッドを加熱してタバコを含む蒸気を発生させるための部材であって、スレッドを加熱するための部材ではない。現に、ヒータブレードは、加熱式タバコスティックのタバコロ ッドに挿入されるにすぎず、スペーサーやPLAポリマー部には到達しないように意図的に設計されているから、スレッドと隣接して配置されるものではない。また、スペーサーは、PLAポリマー部が熱で溶けることがないように、加熱されたタバコロッドで発生した蒸気の温度を、PLAポリマー部に到達する前に下げるため、一定の長さを有する部材 である。そして、試験報告書(甲9)からは、タバコロッドからの蒸気及びエアロゾルが、メンソールを蒸発させるのに十分な温度であるか否かは、明らかではない。 に下げるため、一定の長さを有する部材 である。そして、試験報告書(甲9)からは、タバコロッドからの蒸気及びエアロゾルが、メンソールを蒸発させるのに十分な温度であるか否かは、明らかではない。また、PLAポリマーシートの軸方向の長さは、スレッドの長さと同一である。そのため、スレッドの外面と外側の包装紙との間の部分において、気体は、軸方向には移動することができるが、 軸と垂直な面内においては、PLAポリマーシートにさえぎられて、自由に移動することができない。したがって、仮に、喫煙時にスレッドからメンソールの蒸気が発生するとしても、当該メンソールの蒸気が、スレッドから、PLAポリマーシートの部分(スレッドの外面と外側の包装紙との間の部分)に自由に移動するとはいえない。 ヒータブレードによる加熱によってタバコロッド内に発生したタバコ の成分を含む蒸気の一部は、PLAポリマー部のポリマーシート材の間を通過することにより、冷却されエアロゾルを生成するのであり、空気は、タバコロッドから吸い口端に向けて流れる。したがって、仮に喫煙時にスレッドからメンソールの蒸気が発生するとしても、当該メンソールの蒸気が、PLAポリマーシートの部分(スレッドの外面と外側の包 装紙との間の部分)に形成されるとはいえない。 よって、被告製品のヒータブレードは、メンソールを含む蒸気をPLAポリマーシートの部分(スレッドの外面と外側の包装紙との間の部分)に形成させるのに充分にスレッドを加熱するものではなく、「前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分に、前記 吸引可能な物質媒体の少なくとも一部を加熱する」を充足しない。 また、本件明細書の【0011】、【0088】には、吸引可能な物質が放出される「環状空間の容 空間内に形成させるのに充分に、前記 吸引可能な物質媒体の少なくとも一部を加熱する」を充足しない。 また、本件明細書の【0011】、【0088】には、吸引可能な物質が放出される「環状空間の容積」について記載されている。仮に、吸引可能な物質が、環状空間のごく一部のみに放出されればよいのであれば、「環状空間の容積」について記載する意味はないし、本件明細書に、吸 引可能な物質が環状空間のごく一部に放出されればよい旨の記載もない。 したがって、吸引可能な物質を含む蒸気が環状空間のごく一部に形成されるだけでは、構成要件Fの「前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分に、」を充足するとはいえない。よって、仮に、被告製品において、ヒータブレードの加熱によって、原告らが 「隙間」であると主張する部分にメンソールの蒸気が形成されるとしても、当該「隙間」は、原告らが「環状空間」に該当すると主張する部分のごく一部にすぎないのであるから、「前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分に、」に該当しない。 さらに、本件発明の「機能可能に配置され」は、少なくとも、「前記吸 引可能な物質媒体が前記電気加熱部材と機能可能に配置され」との文言 上、吸引可能な物質媒体と電気加熱部材との位置関係に関する要件である。本件明細書の【0080】において、「機能可能な整列」とは、「吸引可能な物質媒体350の少なくとも一部分を加熱できる」ように、カートリッジの軸に垂直な同一断面内に、少なくとも吸引可能な物質媒体350と電気加熱部材400の両部材が存在することを意味するもの と定義されている。よって、「機能可能に配置され」に該当するためには、カートリッジの軸に垂直な同一断面内に、吸引可能な物質媒体と電気加 と電気加熱部材400の両部材が存在することを意味するもの と定義されている。よって、「機能可能に配置され」に該当するためには、カートリッジの軸に垂直な同一断面内に、吸引可能な物質媒体と電気加熱部材が存在することを要する。本件明細書において、「整列」と「配置」が同様の意味で用いられていることは明らかである。メンソールは、使用前から、被告製品1の全体に拡散しているのであるから、仮 に、原告らが主張するような広い解釈を前提とすると、被告製品1の任意の部分は、「機能可能に配置され」ていることになり得てしまい、不合理である。 キ争点1-7(構成要件Gの充足性)について(原告らの主張) 被告製品の構成gは「吸い口端側外装紙の外面には、銀色の線(又は「DIMENSIONS」の文字)(以下、単に「銀色の線」という。)が印刷されており、加熱式タバコスティックは、この印刷された線(又は「DIMENSIONS」の文字)まで加熱式喫煙デバイスに挿入される、」であるから、構成gは構成要件Gを充足する。構成要件Gは、カートリッジ(す なわち電気喫煙物品)が分割加熱であるか一括加熱であるかを特定していない。 (被告らの主張)被告製品の外側の包装紙が「カートリッジ本体」に該当しないほか、「前記制御ハウジングへの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキング」 (構成要件G)の意義は不明確であり、仮に本件明細書の「マーク」の趣 旨であるとしても、「分割加熱」を前提としたものに限られる。被告製品は、分割加熱を前提とするものではないので、被告製品の銀色の線(又は「DIMENSIONS」の文字)は、「前記制御ハウジングへの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキング」に該当しない。よって、被告製品は構成要件Gを充足しない。 いので、被告製品の銀色の線(又は「DIMENSIONS」の文字)は、「前記制御ハウジングへの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキング」に該当しない。よって、被告製品は構成要件Gを充足しない。 すなわち、構成要件Gの文言上、「前記カートリッジの前記オーバーラップ部は、前記制御ハウジングへの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキングを外面に有する」とされているが、本件明細書においては、「マーキング」の用語が使われている箇所はなく、「マーク」に関する記載(【0090】及び【0091】)は、カートリッジ300を、制 御ハウジング200の受容チャンバー210内に、喫煙しながら少しずつより深く差し込んでいく(「割り送り」)、「分割加熱」を前提としている。そして、本件明細書の【0113】において、分割加熱と対比される一括加熱については、「マーク」に関する記載はない。 ⑵ 争点2(無効理由の有無)について ア争点2-1(本件発明が、乙19発明を主引例として容易に発明できたか)について(被告らの主張)本件発明は、以下のとおり、本件特許の優先日より前の平成23年5月26日に公開された乙19公報に記載された乙19発明に基づいて当業者 が容易に発明をすることができた。 乙19発明の内容は以下のとおりである。 「タバコロッドと、ロッドエンドフィルタセグメントと、マウスエンドフィルタセグメントと、電気加熱要素と、を含む加熱式喫煙物品であって、 前記タバコロッドは、包装紙に包まれ、 前記タバコロッドは、前記ロッドエンドフィルタセグメントの第1の端部に接し、前記マウスエンドフィルタセグメントは、セルロースアセテートトウからなり、前記マウスエンドフィルタセグメントは、前記ロッドエンドフィルタセ ッドエンドフィルタセグメントの第1の端部に接し、前記マウスエンドフィルタセグメントは、セルロースアセテートトウからなり、前記マウスエンドフィルタセグメントは、前記ロッドエンドフィルタセ グメントの第2の端部に接し、前記ロッドエンドフィルタセグメントは、前記ロッドエンドフィルタセグメントと同じ長さの筒状のフィルタプラグラップに包まれ、前記ロッドエンドフィルタセグメントは、前記ロッドエンドフィルタセグメントの中心長手方向軸線に沿って前記ロッドエンドフィルタセグメ ントの第1の端部から第2の端部まで延在し、メンソールが充填された中心香味担持スレッドであって、前記筒状のフィルタプラグラップとの間にセルロースアセテートトウを含むように配置されている前記中心香味担持スレッドを有し、前記包装紙に包まれた前記タバコロッドと、前記筒状のフィルタプラグ ラップに包まれた前記ロッドエンドフィルタセグメントと、前記セルロースアセテートトウからなる前記マウスエンドフィルタセグメントとは、チッピング紙に包まれており、前記中心香味担持スレッドの少なくとも一部が加熱されることにより、 前記メンソールが前記中心香味担持スレッドと前記筒状のフィルタプラグラップとの間に放出される、加熱式喫煙物品。」本件発明と乙19の発明と対比させると、以下の点が相違点である。 a 本件発明は、「前記カートリッジに機能可能に連結されている嵌合 端部を有するとともに、前記電気加熱部材に電力を供給する電気エネ ルギー源を含」む「制御ハウジング」を含む(構成要件D)のに対し、乙19公報には、タバコ材料又は別のエアロゾル生成材料が電気加熱要素によって加熱されてエアロゾルを生じることは記載されているものの、それ以外には制御ハウジ ハウジング」を含む(構成要件D)のに対し、乙19公報には、タバコ材料又は別のエアロゾル生成材料が電気加熱要素によって加熱されてエアロゾルを生じることは記載されているものの、それ以外には制御ハウジングの構成について具体的な記載はない点(以下「相違点1‐1」という。)。 b 本件発明において、「オーバーラップ部」内に「電気加熱部材」が「配置され」(構成要件C)、「オーバーラップ部」が「前記制御ハウジングヘの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキングを外面に有」する(構成要件G)のに対し、乙19公報には、タバコ材料又は別のエアロゾル生成材料が電気加熱要素によって加熱されてエアロゾルを 生じることは記載されているものの、電気加熱要素がチッピング紙と包装紙をまとめたものの内部に配置されること、及び、チッピング紙と包装紙をまとめたものが外面にマーキングを有することの明記はない点(以下「被告相違点1-2」という。)。 なお、原告らは、被告相違点1-2について、本件発明の「カート リッジ本体」(構成要件A)に該当する構成を有しないことを前提に、乙19公報には構成要件Jに相当する開示がない旨主張する。しかしながら、仮に、被告製品の「PLAポリマー部用内装紙」が「カートリッジ本体」(構成要件A)に該当する旨の原告らの主張を前提とすると、乙19発明の「フィルタプラグラップ」は、本件発明の「カー トリッジ本体」(構成要件A)に該当することになる。また、仮に、被告製品の「吸い口端側外装紙」と「タバコ端側外装紙」を「まとめたもの」が「前記カートリッジ本体より長く、前記カートリッジ本体を取り囲むオーバーラップ部であって、前記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジの吸 い口端と、前記吸引 ートリッジ本体より長く、前記カートリッジ本体を取り囲むオーバーラップ部であって、前記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジの吸 い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設け られたフィルター材料を囲う、オーバーラップ部」(構成要件J)に該当する旨の原告らの主張を前提とすると、乙19発明の「チッピング紙」と「包装紙」をまとめたものは、「前記カートリッジ本体より長く、前記カートリッジ本体を取り囲むオーバーラップ部であって、前記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部 分が、前記カートリッジの吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う、オーバーラップ部」(構成要件J)に該当することになる。 c 原告らは、「本件発明は、前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体との間にポリマー材料を含む環状空間を定め、前記吸引可能 な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分に加熱するのに対し、乙19発明は本件発明の「カートリッジ本体」に該当する構成を有しないから、本件発明における「前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体との間」の「環状空間」を観念できないし、仮に空間が存在するとしても複数の環状穿孔がチッピング紙を通って設 けられるため、環状空間が定まらず、複数の環状穿孔は周囲空気でフィルタを通って吸い込まれる主流煙を通気するため、吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに十分に加熱するか不明である点。」が相違点である旨主張する(以下、原告らが主張するこの点を「原告相違点1-3」という。)。しかし、被告製品の「PL Aポリマー部用内装紙」が「カートリッジ本体」(構 加熱するか不明である点。」が相違点である旨主張する(以下、原告らが主張するこの点を「原告相違点1-3」という。)。しかし、被告製品の「PL Aポリマー部用内装紙」が「カートリッジ本体」(構成要件A)に該当する旨の原告らの主張を前提とすると、乙19発明の「フィルタプラグラップ」は、本件発明の「カートリッジ本体」(構成要件A)に該当することになる。したがって、仮に充足論における原告らのクレーム解釈を前提とした場合には、乙19発明の「中心香味担持スレッ ド」の外面と「フィルタプラグラップ」との間の空間は、「環状空 間」に該当する。よって、原告相違点1-3は、本件発明と乙19発明の相違点ではない。 d また、原告らは、「本件発明は「カートリッジ本体」を有し(構成要件A)、の「吸引可能な物質媒体」は、「前記カートリッジ本体の一端部と近接する第1端部及び前記カートリッジ本体の他端部と近接 する第2端部を有し、前記カートリッジ本体とほぼ同じ長さ」(構成要件B)であるのに対し、乙19発明は本件発明の「カートリッジ本体」に該当する構成を有しない点。」が相違点である旨主張する(以下、原告らが主張するこの点を「原告相違点1-4」という。)。しかしながら、乙19公報には、「ロッドエンドフィルタセグメント」 が「筒状のフィルタプラグラップ」に包まれていることが開示されている。したがって、仮に、被告製品の「PLAポリマー部用内装紙」が「カートリッジ本体」(構成要件A)に該当する旨の原告らの主張を前提とすると、乙19発明の「フィルタプラグラップ」は、本件発明の「カートリッジ本体」(構成要件A)に該当することになる。よ って、原告相違点1-4は、本件発明と乙19発明の相違点ではない。 a 乙19公報には、「本発明のフィル グラップ」は、本件発明の「カートリッジ本体」(構成要件A)に該当することになる。よ って、原告相違点1-4は、本件発明と乙19発明の相違点ではない。 a 乙19公報には、「本発明のフィルタセグメントは、材料が燃焼ではなく加熱されてエアロゾルを生じる喫煙物品にも使用できる。加熱式喫煙物品の1つの形式において、タバコ材料又は別のエアロゾル 生成材料は、1つ又はそれ以上の電気加熱要素によって加熱されてエアロゾルを生じるようになっている。」と記載されている。よって、乙19発明は、電気加熱要素によってタバコ材料等を加熱してエアロゾルを生じさせる加熱式喫煙物品、すなわち、「電気喫煙物品」(構成要件E及びH)である。 まず、このような電気喫煙物品が電気加熱要素によってタバコ材料 等を加熱するために、電気エネルギー源が必要不可欠であることは、自明である。 また、仮に充足論における原告らの主張を前提とすると、相違点1-1に係る構成(構成要件Dの構成)は、多数の先行文献及び多数の公然実施品により開示されていた。 よって、電気喫煙物品において、相違点1-1に係る構成(構成要件Dの構成)は、当業者にとって、周知・慣用技術であったといえる。 乙19公報には、乙19発明が電気喫煙物品であることの記載はあるのであるから、当業者が、乙19発明に、上記の周知・慣用技術を適用して、相違点1-1に係る構成(構成要件Dの構成)に想到する ことは、極めて容易であった。 b 構成要件Cに相当する構成に関しては、乙19公報には、「本発明のフィルタセグメントは、材料が燃焼ではなく加熱されてエアロゾルを生じる喫煙物品にも使用できる。加熱式喫煙物品の1つの形式において、タバコ材料又は別のエアロゾル生成材料は、1つ又はそれ以上 本発明のフィルタセグメントは、材料が燃焼ではなく加熱されてエアロゾルを生じる喫煙物品にも使用できる。加熱式喫煙物品の1つの形式において、タバコ材料又は別のエアロゾル生成材料は、1つ又はそれ以上 の電気加熱要素によって加熱されてエアロゾルを生じるようになっている。」との記載はあるものの、電気加熱要素がチッピング紙の内部に配置されることの明記はない。 しかしながら、加熱式喫煙物品において、電気加熱要素がタバコロッドに挿入されることは、周知技術であった。そのため、当業者は、 乙19発明の電気加熱要素を、タバコロッドに挿入する構成とすることについて、極めて容易に想到することができた。また、乙19発明のタバコロッドは、「包装されたタバコロッド12とフィルタ14を接合するチッピング紙」によって包まれている。 したがって、当業者は、乙19発明の電気加熱要素がチッピング紙 の内部に配置されることについて、極めて容易に想到することができ た。よって、当業者は、構成要件C(「前記電気加熱部材は、前記カートリッジのオーバーラップ部内に配置され、」)に相当する構成に極めて容易に想到することができた。 また、仮に、被告製品1の銀色の線が本件発明の構成要件Gを充足する旨の原告らの主張を前提とすると、構成要件Gに相当する構成は、 多数の公然実施品並びにこれらのマニュアルに開示されている周知・慣用技術であった。 前記のとおり、乙19公報には、乙19発明が電気喫煙物品であることの記載はあるのであるから、当業者が、乙19発明に、上記の周知・慣用技術を適用して、被告相違点1-2に係る構成(構成要件G の構成)に想到することは、極めて容易であった。 c なお、仮に原告相違点1-3及び原告相違点1-4が、仮に本件発明と乙 の周知・慣用技術を適用して、被告相違点1-2に係る構成(構成要件G の構成)に想到することは、極めて容易であった。 c なお、仮に原告相違点1-3及び原告相違点1-4が、仮に本件発明と乙19発明の相違点であるとしても、これらの構成に係る本件発明の構成は先行文献に記載されており、当業者が、原告相違点1-3及び原告相違点1-4に係る構想に相当することは極めて容易であっ た。 (原告らの主張)本件発明と乙19発明との相違点に係る本件発明の構成は当業者が容易に想到できたものではないから、本件発明は進歩性を有する。 乙19公報には「フィルタプラグラップ」に関する構成が開示され ておらず、また、「マウスエンドフィルタセグメント」を備えていないから、被告らが認定した乙19発明は適切ではない。乙19発明は以下のとおり認定すべきである。 「タバコロッドと、ロッドエンドフィルタセグメントと、セルロースアセテートトウのと、電気加熱要素と、を含む加熱式喫煙物品であって、 前記タバコロッドは、包装紙に包まれ、 前記タバコロッドは、前記ロッドエンドフィルタセグメントの第1の端部に接し、前記マウスエンドフィルタセグメントは、セルロースアセテートトウからなり、前記セルロースアセテートトウのプラグは、前記ロッドエンドフィルタ セグメントの第2の端部に接し、前記ロッドエンドフィルタセグメントは、前記ロッドエンドフィルタセグメントの中心長手方向軸線に沿って前記ロッドエンドフィルタセグメントの第1の端部から第2の端部まで延在し、メンソールが充填された中心香味担持スレッドであって、ロッドエンドフィルタセグメントにあ るセルロースアセテートトウの中心を通って軸方向に延びる前記中心香味担持スレッドを有し、 まで延在し、メンソールが充填された中心香味担持スレッドであって、ロッドエンドフィルタセグメントにあ るセルロースアセテートトウの中心を通って軸方向に延びる前記中心香味担持スレッドを有し、前期包装紙に包まれた前記タバコロッドと、前記筒状の前記ロッドエンドフィルタセグメントと隣接する部分と、前記ロッドエンドフィルタセグメントの全体とは、チッピング紙に包まれており、 前記中心香味担持スレッドの少なくとも一部が加熱されることにより、前記メンソールが前記中心香味担持スレッドから主流煙の中に放出される、加熱式喫煙物品。」a 被告相違点1-2は、以下のように訂正されるべきである。 本件発明は、「前記カートリッジ本体より長く、前記カートリッジ本体を取り囲むオーバーラップ部であって、前記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジの吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う、オーバーラップ部」を有し(構成 要件J)、「オーバーラップ部」内に「電気加熱部材」が「配置され」 (構成要件C)、「オーバーラップ部」が「前記制御ハウジングへの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキングを外面に有」する(構成要件G)のに対し、乙19発明には、そのような「オーバーラップ部」に相当するものを有しない点。(以下「原告相違点1-2」という。)b また、本件発明と乙19発明には、被告らが指摘する相違点のほか に、以下の相違点も存在する。 「本件発明は、前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体との間にポリマー材料を含む環状空間を定め、前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分に加熱するのに対し、乙19発明は本 件発明は、前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体との間にポリマー材料を含む環状空間を定め、前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分に加熱するのに対し、乙19発明は本件発明の「カートリッジ本体」に該当する構成を有し ないから、本件発明における「前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体との間」の「環状空間」を観念できないし、仮に空間が存在するとしても複数の環状穿孔がチッピング紙を通って設けられるため、環状空間が定まらず、複数の環状穿孔は周囲空気でフィルタを通って吸い込まれる主流煙を通気するため、吸引可能な物質を含む蒸気 を前記環状空間内に形成させるのに十分に加熱するか不明である点。」(原告相違点1-3)「本件発明は「カートリッジ本体」を有し(構成要件A)、「吸引可能な物質媒体」は「前記カートリッジ本体の一端部と近接する第1端部及び前記カートリッジ本体の他端部と近接する第2端部を有し、 前記カートリッジ本体とほぼ同じ長さ」(構成要件B)であるのに対し、乙19発明は本件発明の「カートリッジ本体」に該当する構成を有しない点。」(原告相違点1-4)a 原告相違点1-3及び原告相違点1-4について、乙19公報には、被告らが本件発明の「カートリッジ本体」に該当すると主張する ところの「(ロッドエンドフィルタセグメントを包む)フィルタプラ グラップ」の開示はないし、乙19公報には「商業的に入手可能なフィルタプラグラップの全てが、本発明での使用に適切であるとは限らない」と明記されている。したがって、乙19発明に対し、他の先行文献に開示された技術に基づく「商業的に入手可能なフィルタプラグラップ」を適用する動機付けはない。 原告相違点1-3及び原告相違点1-4に係る本件発 。したがって、乙19発明に対し、他の先行文献に開示された技術に基づく「商業的に入手可能なフィルタプラグラップ」を適用する動機付けはない。 原告相違点1-3及び原告相違点1-4に係る本件発明の構成は、当業者が容易に想到できたものではない。 b 被告相違点1-2又は原告相違点1-2について、乙19公報に「フィルタの全長及び包装されたタバコロッド12の隣接す・・・る部分・・・を囲むチッピング紙」と記載されるように、「チッピング 紙」はタバコロッド12の全体を包んでいるのではなく、タバコロッド12のフィルタ(ロッドエンドフィルタセグメント14)側の「隣接する部分」を包んでいる。そのため、仮にタバコロッド12に電気加熱要素を挿入したとしても、電気加熱要素がチッピング紙の内部に配置されることにはなるとは限らない。よって、仮に電気加熱要素が タバコロッドに挿入され得ることが周知であるとしても、構成要件Cの構成(「オーバーラップ部」内に「電気加熱部材」が「配置され」ること)を容易に想到できたことにはならない。 また、乙19公報は、タバコスティックを吸うために使用されるヒーターの型や形状を開示していない。加えて、タバコスティックは、 ユーザがタバコスティックの端に火をつけて消費する可燃性タイプであってよいことが開示されている。したがって、乙19発明の外部に本件発明における「マーキング」を適用する動機付けはない。 さらに、乙19公報には「複数の環状穿孔(図示せず)は、フィルタ14に沿った場所にあるチッピング紙を通って設けられ、周囲空気 でフィルタ14を通って吸い込まれる主流煙を通気する。」との記載 があるように、乙19発明のチッピング紙(被告らによれば本件発明の「カートリッジ本体」に相当)には、複数の環 、周囲空気 でフィルタ14を通って吸い込まれる主流煙を通気する。」との記載 があるように、乙19発明のチッピング紙(被告らによれば本件発明の「カートリッジ本体」に相当)には、複数の環状穿孔が設けられている。そのようなチッピング紙に乙24-1に開示されるブランド名を付したとすると、複数の環状穿孔によってブランド名の一部が欠落してしまい、ブランドを棄損することになりかねない。また、そのよ うなチッピング紙に乙25及び乙26に開示されるラインを付しても、複数の環状穿孔によってラインが途切れてしまって使用者がラインであると認識できなくなってしまう。このように、複数の環状穿孔が設けられたチッピング紙にマーキングを付すには阻害要因がある。 したがって、構成要件Gに相当する構成は当業者が容易に想到でき たものではない。 イ争点2-2(本件発明が、乙20発明を主引例として容易に発明できたか)について(被告らの主張)本件発明は、以下のとおり、本件特許の優先日より前の平成19年8月 2日に公開された乙20公報に記載された乙20発明に基づいて当業者が容易に発明できた。 乙20発明の内容は以下のとおりである。 「タバコロッドと、第1フィルターエレメントと、第2フィルターエレメントと、電気的な加熱手段と、を含む電気喫煙物品であって、 前記タバコロッドは、ラッパーに包まれ、前記第1フィルターエレメントの第1の端部に接し、前記第2フィルターエレメントは、前記第1フィルターエレメントの第2の端部に接し、前記第1フィルターエレメントは、前記第1フィルターエレメントと同 じ長さの筒状のプラグラップに包まれ、 前記第1フィルターエレメントは、前記第1フィルターエレメントの中心長手方向軸線に 第1フィルターエレメントは、前記第1フィルターエレメントと同 じ長さの筒状のプラグラップに包まれ、 前記第1フィルターエレメントは、前記第1フィルターエレメントの中心長手方向軸線に沿って前記第1フィルターエレメントの第1の端部から第2の端部まで延在し、メンソールがコーティング及び/又は含浸された円柱形の固体サポートであって、前記筒状のプラグラップとの間にポリマーを含むように配置されている前記固体サポートを有し、 前記ラッパーに包まれた前記タバコロッドと、前記筒状のプラグラップに包まれた前記第1フィルターエレメントと、前記第2フィルターエレメントとは、チッピングラッパーに包まれており、前記固体サポートの少なくとも一部が加熱されることにより、前記メンソールが前記固体サポートと前記筒状のプラグラップとの間に放出され、 味覚特性又は香り特性を付与する、電気喫煙物品。」本件発明と乙20発明と対比すると、以下の相違点がある。 a 本件発明は、「前記カートリッジに機能可能に連結されている嵌合端部を有するとともに、前記電気加熱部材に電力を供給する電気エネ ルギー源を含」む「制御ハウジング」を含む(構成要件D)のに対し、乙20公報には、電気的な加熱手段により、熱分解生成物への分解が燃焼なしに起こる温度まで喫煙材料が加熱されることは記載されているものの、それ以外には制御ハウジングの構成について具体的な記載はない点(以下「相違点2-1」という。)。 b 本件発明においては、「オーバーラップ部」内に「電気加熱部材」が「配置され」(構成要件C)、「オーバーラップ部」が「前記制御ハウジングヘの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキングを外面に有」する(構成要件G)のに対し、乙20公報には、電気的な加熱手段 材」が「配置され」(構成要件C)、「オーバーラップ部」が「前記制御ハウジングヘの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキングを外面に有」する(構成要件G)のに対し、乙20公報には、電気的な加熱手段により、熱分解生成物への分解が燃焼なしに起こる温度まで喫煙材 料が加熱されることは記載されているものの、電気的な加熱手段がチ ッピングラッパーとラッパーをまとめたものの内部に配置されること、及び、チッピングラッパーとラッパーをまとめたものが外面にマーキングを有することの明記はない点(以下「被告相違点2-2」という。)。 なお、原告らは、被告相違点2-2について、乙20発明では、チ ッピングラッパーはプラグラップより長いか否か及びチッピングラッパーがプラグラップを取り囲むか否かが不明であるし、チッピングラッパーがプラグラップから突出した部分があるのか否か不明であり、仮にあるとしてもそのような部分が第2フィルターエレメントを囲うのか否か不明であるとして、乙20公報には構成要件Jに相当する開 示がない旨主張する。しかしながら、乙20発明のチッピングラッパーは、タバコロッド、第1フィルターエレメント及び第2フィルターエレメントを包んでいる。したがって、仮に、被告製品の「吸い口端側外装紙」と「タバコ端側外装紙」を「まとめたもの」が「前記カートリッジ本体より長く、前記カートリッジ本体を取り囲むオーバーラ ップ部であって、前記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジの吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う、オーバーラップ部」(構成要件J)に該当する旨の原告らの主張を前提とすると、乙20発明の「チッピングラッパー」と「ラッ パ な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う、オーバーラップ部」(構成要件J)に該当する旨の原告らの主張を前提とすると、乙20発明の「チッピングラッパー」と「ラッ パー」をまとめたものは、「前記カートリッジ本体より長く、前記カートリッジ本体を取り囲むオーバーラップ部であって、前記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジの吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う、オーバーラップ部」 (構成要件J)に該当することになる。 c 原告らは、本件発明と乙20発明の相違点として、「本件発明は、前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体との間にポリマー材料を含む環状空間を定め、前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに十分に加熱するのに対し、乙20発明は、プラグラップと固体サポートとの間に環状空間が存在しないし、仮に空 間が存在するとしてもチッピングラッパーに換気孔があるため、環状空間が定まらず、換気孔によって換気されるため、吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに十分に加熱するか不明である点。」がある旨主張する(以下、原告らが主張するこの点を「原告相違点2-3」という。)。しかし、乙20公報には、乙20発明 の固体サポートとラッパーとの間のフィルターが、繊維性のセルロースアセテートトウからなることが記載され、「フィルター」には、当然、空気が通過することができる空間が存在する。したがって、乙20発明の固体サポートとラッパーとの間には空間がある。よって、仮に充足論における原告らの解釈を前提とした場合には、乙20発明の 固体サポートの外面とラッパーとの間の空間は、 。したがって、乙20発明の固体サポートとラッパーとの間には空間がある。よって、仮に充足論における原告らの解釈を前提とした場合には、乙20発明の 固体サポートの外面とラッパーとの間の空間は、「環状空間」に該当する。よって、原告相違点2-3は、本件発明と乙20発明の相違点とはならない。 d 原告らは、本件発明と乙20発明の相違点として、「本件発明の「吸引可能な物質媒体」は、「前記カートリッジ本体の一端部と近接 する第1端部及び前記カートリッジ本体の他端部と近接する第2端部を有し、前記カートリッジ本体とほぼ同じ長さ」(構成要件B)と特定されるのに対し、乙20発明の「固体サポート」は、「プラグラップチッピングラッパー」の一端部及び他端部とそれぞれ近接する第1端部及び第2端部を有するか不明であるし、「固体サポート」は「プ ラグラップチッピングラッパー」とほぼ同じ長さであるか不明である 点。」がある旨主張する(以下、原告らが主張するこの点を「原告相違点2-4」という。)。しかしながら、乙20発明の「固体サポート」は第1フィルターエレメントの第1の端部から第2の端部まで延在する。したがって、仮に、被告製品の「PLAポリマー部用内装紙」が「カートリッジ本体」(構成要件A)に該当し、被告製品のスレッ ドが「前記カートリッジ本体の一端部と近接する第1端部及び前記カートリッジ本体の他端部と近接する第2端部を有し、前記カートリッジ本体とほぼ同じ長さの吸引可能な物質媒体」(構成要件B)に該当する旨の原告らの主張を前提とすると、乙20発明は、「前記カートリッジ本体の一端部と近接する第1端部及び前記カートリッジ本体の 他端部と近接する第2端部を有し、前記カートリッジ本体とほぼ同じ長さの吸引可能な物質媒体」(構成要件B)に 発明は、「前記カートリッジ本体の一端部と近接する第1端部及び前記カートリッジ本体の 他端部と近接する第2端部を有し、前記カートリッジ本体とほぼ同じ長さの吸引可能な物質媒体」(構成要件B)に相当する構成を有することになる。よって、原告相違点2-4は、本件発明と乙20発明の相違点とはならない。 a 乙20公報には、「喫煙可能な材料は、タバコ材料であることが 可能であり」、「喫煙物品は、熱分解生成物への分解が燃焼なしに起こる温度まで喫煙材料が加熱されるものであることが可能である。そのような物品は、よく知られており、電気的な・・・加熱手段・・・を組み込んでいる。」と記載されている。よって、乙20発明は、電気的な加熱手段によってタバコ材料等を加熱する喫煙物品、すなわち、 「電気喫煙物品」(構成要件E及びH)である。このような電気喫煙物品が電気加熱要素によってタバコ材料等を加熱するために、電気エネルギー源が必要不可欠であることは、自明である。また、仮に充足論における原告らの主張を前提とすると、電気喫煙物品において、構成要件Dの構成は、当業者にとって、周知・慣用技術であったといえ る。よって、当業者が、乙20発明に、上記の周知・慣用技術を適用 して、構成要件Dの構成に想到することは、極めて容易であった。 b 前記bのとおり、構成要件Jに相当する構成に関しては、乙20公報に開示されており、仮に被告相違点2-2について原告主張のとおり認定されるとしても、当業者は当該相違点について、極めて容易に想到できた。 また、乙20発明の「タバコロッド」は、「ラッパー」に包まれている。そのため、仮に、被告製品の「吸い口端側外装紙」と「タバコ端側外装紙」を「まとめたもの」が「オーバーラップ部」(構成要件J)に該当する 、乙20発明の「タバコロッド」は、「ラッパー」に包まれている。そのため、仮に、被告製品の「吸い口端側外装紙」と「タバコ端側外装紙」を「まとめたもの」が「オーバーラップ部」(構成要件J)に該当する旨の原告らの主張を前提とすると、乙20発明の「チッピングラッパー」と「ラッパー」をまとめたものは、「オーバーラ ップ部」(構成要件J)に該当し、タバコロッドに挿入される電気的な加熱手段は、「オーバーラップ部」内に配置されることになる。また、加熱式喫煙物品において、電気的な加熱手段(電気加熱要素)がタバコロッドに挿入されることは、周知技術であった。したがって、当業者は、乙20発明の電気的な加熱手段が「チッピングラッパー」 と「ラッパー」をまとめたものの内部に配置されることについて、極めて容易に想到することができた。よって、当業者は、構成要件Cに相当する構成について、極めて容易に想到することができた。 さらに、原告らの主張を前提とすると、タバコスティック上に何らかのブランド名等の文字、線、模様等が印刷されていれば、当該印刷 が単に装飾やブランド表示の目的のものであったとしても、構成要件Gに該当することになる。加熱式タバコスティックの公然実施品において、被告製品1と同様の線又はブランド名の印刷があり、従来からの燃焼式タバコスティックにおいても、外面に、ブランド名等の文字、線、模様等を印刷することは、周知・慣用技術であった。そのため、 乙20発明において、従来からの燃焼式タバコスティックの周知・慣 用技術と同様に、ブランド名等の文字、線、模様等を印刷することは、当業者が極めて容易に想到し得ることであるところ、仮に原告らの主張を前提とすると、このような構成は、構成要件Gに相当することになる。そして、構成要件Gに相当 名等の文字、線、模様等を印刷することは、当業者が極めて容易に想到し得ることであるところ、仮に原告らの主張を前提とすると、このような構成は、構成要件Gに相当することになる。そして、構成要件Gに相当する構成は、多数の公然実施品並びにこれらのマニュアルに開示されている周知・慣用技術である。 したがって、当業者は、構成要件Gに相当する構成について、極めて容易に想到することができた。 (原告らの主張)本件発明と乙20発明との相違点に係る本件発明の構成は当業者が容易に想到できたものではないから、本件発明は進歩性を有する。 被告らが認定した乙20発明は、乙20公報には、「プラグラップ」が「第1フィルターエレメントと同じ長さ」であることの開示がなく、「第1フィルターエレメントの第1の端部から第2の端部まで延在」する「固定サポート」の開示もなく、「第2フィルターエレメント」が「チッピングラッパー」に「包まれ」ることの開示もないことから、適 切ではない。乙20発明については、以下のとおり認定すべきである。 「タバコロッドと、第1フィルターエレメントと、第2フィルターエレメントと、電気的な加熱手段と、を含む電気喫煙物品であって、前記タバコロッドは、前記第1フィルターエレメントの第1の端部に接し、 前記第2フィルターエレメントは、前記第1フィルターエレメントの第2の端部に接し、前記第1フィルターエレメント及び前記第2フィルターエレメントは、筒状のプラグラップに包まれ、メンソールがコーティング及び/又は含浸された円柱形の固体サポートを有し、 前記タバコロッドと、前記第1フィルターエレメントとは、チッピング ラッパーに包まれており、前記固体サポートの少なくとも一部が加熱されることにより、前記メ 形の固体サポートを有し、 前記タバコロッドと、前記第1フィルターエレメントとは、チッピング ラッパーに包まれており、前記固体サポートの少なくとも一部が加熱されることにより、前記メンソールが前記固体サポートと前記筒状のプラグラップとの間に放出され、味覚特性又は香り特性を付与する、電気喫煙物品。」 被告らが指摘する被告相違点2-2は、以下のように訂正されるべきである。 a 本件発明は、「前記カートリッジ本体より長く、前記カートリッジ本体を取り囲むオーバーラップ部であって、前記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジ の吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う、オーバーラップ部」を有し(構成要件J)、「オーバーラップ部」内に「電気加熱部材」が「配置され」(構成要件C)、「オーバーラップ部」が「前記制御ハウジングへの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキングを外面に有」する(構成 要件G)のに対し、乙20発明の「チッピングラッパー」は「プラグラップ」より長いか否か不明であり、「プラグラップ」を取り囲むか否か不明であり、「チッピングラッパー」が「プラグラップ」から突出した部分があるのか否か不明であり、仮にあるとしてもそのような部分が第2フィルターエレメントを囲うのか否か不明であるから、 「オーバーラップ部」に相当するとはいえない点(以下「原告相違点2-2」という。)。 b また、本件発明と乙20の発明と対比させると、被告らが指摘する相違点のほかに、以下の相違点が存在する。 「本件発明は、前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体と の間にポリマー材料を含む環状空間を定め、前記吸引可能な物質を ると、被告らが指摘する相違点のほかに、以下の相違点が存在する。 「本件発明は、前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体と の間にポリマー材料を含む環状空間を定め、前記吸引可能な物質を含 む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに十分に加熱するのに対し、乙20発明は、プラグラップと固体サポートとの間に環状空間が存在しないし、仮に空間が存在するとしてもチッピングラッパーに換気孔があるため、環状空間が定まらず、換気孔によって換気されるため、吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに十分に 加熱するか不明である点。」(原告相違点2-3)「本件発明の「吸引可能な物質媒体」は、「前記カートリッジ本体の一端部と近接する第1端部及び前記カートリッジ本体の他端部と近接する第2端部を有し、前記カートリッジ本体とほぼ同じ長さ」(構成要件B)と特定されるのに対し、乙20発明の「固体サポート」は、 「プラグラップチッピングラッパー」の一端部及び他端部とそれぞれ近接する第1端部及び第2端部を有するか不明であるし、「固体サポート」は「プラグラップチッピングラッパー」とほぼ同じ長さであるか不明である点。」(原告相違点2-4)a 被告相違点2-2について、乙20公報は、タバコスティックを 吸うために使用されるヒーターの型や形状を開示していない。また、タバコスティックは、ユーザがタバコスティックの端に火をつけて消費する可燃性タイプであってよいことが開示されている。したがって、乙20発明の外部に本件発明における「マーキング」を適用する動機付けはない。 さらに、乙20公報には「チッピングラッパーがその中の換気孔によって換気されることが非常に好ましい。」との記載があるように、乙20発明のラッパー(被告らに 」を適用する動機付けはない。 さらに、乙20公報には「チッピングラッパーがその中の換気孔によって換気されることが非常に好ましい。」との記載があるように、乙20発明のラッパー(被告らによれば本件発明の「カートリッジ本体」に相当。)には、換気孔が設けられている。そのようなラッパーに乙24-1に開示されるブランド名を付したとすると、換気孔によ ってブランド名の一部が欠落してしまい、ブランドを毀損することに なりかねない。また、そのようなラッパーに乙25及び乙26に開示されるラインを付しても、換気孔によってラインが途切れてしまって使用者がラインであると認識できなくなってしまう。このように、換気孔が設けられたラッパーにマーキングを付すには阻害要因がある。 したがって、被告相違点2-2に係る構成は当業者が容易に想到で きたものではなく、当然に、原告相違点2-2に係る構成も当業者が容易に想到できたものではない。 b 原告相違点2-3について、乙20公報には、環状空間を定めること及び前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分に加熱することについて、記載も示唆もない。乙20発明に おいて、原告相違点2-3に係る本件発明の構成を採用することは動機付けがないというべきであり、相違点2-3に係る本件発明の構成を得ることは、当業者が容易になし得ることではない。 c 原告相違点2-4に係る本件発明の構成が容易に想到できたものではない。 ウ争点2-3(本件発明が、乙31発明を主引例として容易に発明できたか)について(被告らの主張)本件発明は、以下のとおり、本件特許の優先日より前の同年5月5日に公開された乙31公報に記載された乙31発明に基づいて当業者が容易に 発明をするこ できたか)について(被告らの主張)本件発明は、以下のとおり、本件特許の優先日より前の同年5月5日に公開された乙31公報に記載された乙31発明に基づいて当業者が容易に 発明をすることができた。 乙31発明の内容は以下のとおりである。 「実質的に筒状のカートリッジと、タバコ揮発性香味化合物又は非タバコ揮発性香味化合物を含む筒状の固体エアロゾル形成基体であって、前記固体エアロゾル形成基体と前記カ ートリッジとの間に、不織炭素繊維マット、熱安定性ポリマーマトリッ クス又は天然セルロース繊維からなる筒状担体を含む環状の空間を定めるように、前記カートリッジ内に配置されている固体エアロゾル形成基体と、電気加熱式の筒状の内部ヒーターであって、内部ヒーターの外径が前記固体エアロゾル形成基体の内径と同じである内部ヒーターと、 前記筒状の固体エアロゾル形成基体を受け取るハウジングであって、前記内部ヒーターに電力を供給する電源と前記電力の供給を制御する電子回路とを含むハウジングと、を含む電気加熱式喫煙システムであって、前記内部ヒーターが前記固体エアロゾル形成基体を内面から加熱するこ とにより、前記タバコ揮発性香味化合物又は非タバコ揮発性香味化合物が、前記固体エアロゾル形成基体から、前記環状の空間に放出される、電気加熱式喫煙システム。」本件発明と乙31発明を対比すると、以下の相違点がある。 a 本件発明は、「前記カートリッジ本体より長く、前記カートリッジ 本体を取り囲むオーバーラップ部であって、前記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジの吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う、オーバーラップ 、前記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジの吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う、オーバーラップ部」を有し(構成要件J)、「オーバーラップ部」が「前記制御ハウジングヘの必要な 挿入深さを示す1つ以上のマーキングを外面に有」する(構成要件G)のに対し、乙31公報には、「カートリッジ本体」、「フィルター材料」及び「マーキング」に関する明記がない点(以下「相違点3-1」という。)。 b 本件発明のカートリッジ本体は実質的に筒状であり、前記吸引可能 な物質媒体と前記カートリッジ本体との間にポリマー材料を含む環状 空間を定め、前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分に加熱するのに対し、乙31公報には「カートリッジ本体」に関する明記がない点。(以下「相違点3-2」という。)c 本件発明の「吸引可能な物質媒体」は、「前記カートリッジ本体の一端部と近接する第1端部及び前記カートリッジ本体の他端部と近接 する第2端部を有し、前記カートリッジ本体とほぼ同じ長さ」(構成要件B)と特定されるのに対し、乙31公報には「カートリッジ本体」に関する明記がない点。(以下「相違点3-3」という。)a 喫煙物品において、タバコロッドやタバコウェブ等を当該タバコロッドやタバコウェブ等と同じ長さの紙等で包むことは、周知・慣用 技術であった。そのため、当業者にとって、乙31発明に上記周知・慣用技術を適用して、筒状担体及び筒状の固体エアロゾル形成基体を、これらと同じ長さの紙等で包むことは、容易に想到することができた。 筒状担体及び筒状の固体エアロゾル形成基体を紙等で包む場合、当該紙等は実質的に筒状である。また、熱に の固体エアロゾル形成基体を、これらと同じ長さの紙等で包むことは、容易に想到することができた。 筒状担体及び筒状の固体エアロゾル形成基体を紙等で包む場合、当該紙等は実質的に筒状である。また、熱により固体エアロゾル形成基 体から放出される「タバコ揮発性香味化合物又は非タバコ揮発性香味化合物」は、固体エアロゾル形成基体の外側の、不織炭素繊維マット、熱安定性ポリマーマトリックス又は天然セルロース繊維からなる筒状担体を含む環状の空間に、放出されることになる。 したがって、相違点3-2及び相違点3-3に係る本件発明の構成 は、当業者が容易に想到することができた。 b 前記のとおり、喫煙物品において、タバコロッドやタバコウェブ等を当該タバコロッドやタバコウェブ等と同じ長さの紙等で包み、さらに外側のチッピングペーパー等によって当該タバコロッドやタバコウェブ等とマウス側のフィルタとを接続することは、周知・慣用技術で あった。被告製品の「吸い口端側外装紙」と「タバコ端側外装紙」を 「まとめたもの」が「前記カートリッジ本体より長く、前記カートリッジ本体を取り囲むオーバーラップ部であって、前記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジの吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う、オーバーラップ部」(構成要 件J)に該当する旨の原告らの主張を前提とすると、当業者は、構成要件Jに相当する構成に、容易に想到することができた。 また、原告らの主張を前提とすると、タバコスティック上に何らかのブランド名等の文字、線、模様等が印刷されていれば、当該印刷が単に装飾やブランド表示の目的のものであったとしても、構成要件G に該当することになる。 前提とすると、タバコスティック上に何らかのブランド名等の文字、線、模様等が印刷されていれば、当該印刷が単に装飾やブランド表示の目的のものであったとしても、構成要件G に該当することになる。そのため、乙31発明に対して、従来からの燃焼式タバコスティックの周知・慣用技術と同様に、ブランド名等の文字、線、模様等を印刷すれば、構成要件Gの構成に該当することになる。また、構成要件G(「前記カートリッジの前記オーバーラップ部は、前記制御ハウジングヘの必要な挿入深さを示す1つ以上のマー キングを外面に有する、」)の構成も、当業者にとって、周知・慣用技術であった。よって、当業者が、乙31発明から構成要件Gの構成に想到することも、極めて容易であった。 なお、構成要件Cに相当する構成が相違点であるとしても、当業者は、構成要件Cに相当する構成について、極めて容易に想到すること ができた。 したがって、相違点3-1に係る構成は、当業者が容易に想到することができた。 (原告らの主張)本件発明と乙31発明との相違点に係る本件発明の構成は当業者が容易 に想到できたものではないから、本件発明は進歩性を有する。 乙31公報において「容器又はカートリッジ」の形状や大きさは不明であり、内部ヒーターが「容器又はカートリッジ」内にあるとは理解できない。 原告が指摘する相違点3-1は、以下のように訂正されるべきである。 本件発明は、「前記カートリッジ本体より長く、前記カートリッジ本体を取り囲むオーバーラップ部であって、前記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジの吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う、オーバーラップ部」 記オーバーラップ部における前記カートリッジ本体から突出した部分が、前記カートリッジの吸い口端と、前記吸引可能な物質媒体の吸い口側の端部と、の間に設けられたフィルター材料を囲う、オーバーラップ部」を有し(構成要件J)、 「オーバーラップ部」内に「電気加熱部材」が「配置され」(構成要件C)、「オーバーラップ部」が「前記制御ハウジングヘの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキングを外面に有」する(構成要件G)のに対し、乙31公報には、「カートリッジ本体」、「オーバーラップ部」、「フィルター材料」及び「マーキング」に関する明記がない点。 被告らは「タバコロッドやタバコウェブ等を当該タバコロッドやタバコウェブ等と同じ長さの紙等で包むこと」を周知・慣用技術であると主張するが、そのような認定はできない。 また、被告らの主張を前提とすると、乙31発明は「固体エアロゾル形成基体は、熱安定性担体上に…提供する」ものであり、「担体は、そ の内面…に堆積させた固体基体の薄い層を有する筒状担体」である。このように、「筒状担体」の内表面に「固体エアロゾル形成基体」が一体的に設けられた構成の乙31発明において、前記の周知技術を適用し、「固体エアロゾル形成基体」を「固体エアロゾル形成基体」と接するように紙等で包むようにする(「固体エアロゾル形成基体」と「筒状担体」 との間に紙等を設ける)必要性はなく、そのようにする動機付けはない。 仮に、乙31発明に対して、タバコロッド等と接するように紙等でタバコロッド等を包むという周知技術を適用したとすると、「固体エアロゾル形成基体」と「紙等」とが接することになる。この場合、被告らが本件発明の「吸引可能な物質媒体」及び「カートリッジ本体」に該当すると主張するところの「固体エアロゾル形成 したとすると、「固体エアロゾル形成基体」と「紙等」とが接することになる。この場合、被告らが本件発明の「吸引可能な物質媒体」及び「カートリッジ本体」に該当すると主張するところの「固体エアロゾル形成基体」及び「紙等」は完全 に接することになるから、両者の間には、本件発明の構成要件Bの「環状空間」に該当するものが定まらない。それゆえ、「環状空間」に「ポリマー材料」を含むこともできないし(構成要件B)、「吸引可能な物質を含む蒸気」を環状空間に形成させることもできない(構成要件F)。 被告らの主張を前提とすると、乙31公報において、固体エアロゾル 形成基体及び筒状担体は容器又はカートリッジに入れて提供される。仮に、「タバコロッドやタバコウェブ等を(当該タバコロッドやタバコウェブ等と接するか否かに関わらず)紙等で包むこと」が周知・慣用技術であるとしても、既に「容器又はカートリッジ」に入れられている固体エアロゾル形成基体及び筒状担体を、さらに「紙等」で包むようにする のは無駄でしかないから、そのようにする動機付けはない。 よって、仮に被告らが主張する周知技術を適用しても本件発明の構成には至らない。 エ争点2-4(サポート要件違反又は明確性違反の有無)について(被告らの主張) 構成要件Dの「カートリッジに機能可能に連結されている嵌合端部」(制御ハウジングが有するものとして規定されている「嵌合端部」)は、本件明細書に記載されていない部材であり、その意義が不明確である。 よって、本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許を受けようとする発明が本件明細書に記載されておらず、特許法36条6項1号に規定するサ ポート要件に違反する。また、本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許 を受けようとする発明が明確では 受けようとする発明が本件明細書に記載されておらず、特許法36条6項1号に規定するサ ポート要件に違反する。また、本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許 を受けようとする発明が明確ではなく、同項2号に規定する明確性要件に違反する。 (原告らの主張)本件明細書には、例えば【0008】に「本発明の物品は、カートリッジの嵌合端部と嵌合する受容端部を有する制御ハウジングも含むことがで きる。」との記載がある。制御ハウジングの受容端部は、カートリッジの嵌合端部と嵌合するのであるから、当該受容端部は嵌合する部材である。 この(制御ハウジングが有する)「嵌合する受容端部」を構成要件Dにおいて「嵌合端部」と表現しているのであり、本件明細書に記載されていない部材であるとの被告らの主張は失当である。 ⑶ 争点3(間接侵害の成否)について(原告らの主張)ア特許法101条1号所定の間接侵害の成否について上記⑴の原告らの主張のとおり、被告製品は本件発明の技術的範囲に属する。 そして、被告製品1及び被告製品2は、被告フィリップモリスのウェブサイトにおいて「専用たばこスティック」との表記と共に被告製品1のパッケージが示されているから、被告製品1は被告製品2と組み合わせて被告製品を生産すること以外に経済的、商業的又は実用的な用途がない「のみ品」であり、被告製品1は、被告製品2の専用品であって被 告製品の製造にのみ用いられるものであるから、被告製品1を販売等する行為は、特許法101条1号所定の間接侵害を構成する。 被告らは、被告製品1を加熱して喫煙するための「アイコス」と呼ばれる被告製品2の「互換機」と称される加熱式喫煙具が多数販売され、そのうち製品名を「EFOSE1」という製品(以下「本件互換機1」 被告らは、被告製品1を加熱して喫煙するための「アイコス」と呼ばれる被告製品2の「互換機」と称される加熱式喫煙具が多数販売され、そのうち製品名を「EFOSE1」という製品(以下「本件互換機1」 という。)については、加熱式タバコスティックを外側から加熱してお り、被告製品1と本件互換機1とを組み合わせたものは構成要件Cを充足しない旨主張する。 しかし、使用後のタバコスティックにおけるタバコ部分には、本件互換機1の「加熱部分」とされた円形状の部分と対応する形状のくぼみが形成されており、タバコスティックが挿入された場合に、加熱部分とさ れる円形状の部分は、加熱式タバコスティックの「タバコ端側外装紙」(構成要件Cの「オーバーラップ部」)の内側に位置する。よって、本件互換機1と被告製品1とを組み合わせたものは、構成要件Cの「オーバーラップ部内に配置され」を充足する。 被告らは、互換機のうち、被告製品1を奥まで挿入した場合、被告 製品1の銀色の線が互換機の挿入口から相当程度離れている互換機(以下、このような互換機を「本件互換機2」という。)が存在する旨主張する。 しかし、構成要件Gにおいて、「マーキング」は「前記制御ハウジングへの必要な挿入深さを示す」ものと特定されているから、マーキング がそのような指標を提供するかどうかが問題であり、マーキングが挿入口に正確な位置に合わせられるかどうかは問題ではない。そして、被告製品1の銀色の線の目的は本件互換機2に使用することでその目的が変わることはないが、被告製品1の銀色の線と本件互換機2の挿入口との距離は約1cmであり、この距離と、銀色の線から喫煙者はなお必要な 挿入深さを把握できるのであるから、被告製品1は本件互換機2とともに用いる場合も銀色の線は構 色の線と本件互換機2の挿入口との距離は約1cmであり、この距離と、銀色の線から喫煙者はなお必要な 挿入深さを把握できるのであるから、被告製品1は本件互換機2とともに用いる場合も銀色の線は構成要件Gに該当する。 イ特許法101条2号所定の間接侵害について本件発明の課題及びその解決手段本件明細書の【0005】に「タバコを電気加熱して、喫煙時の香味 と感覚を発生させる物品には、香味またはその他の吸引可能な物質が無 節操に放出される難点がある。」との記載があるように、本件発明は、従来、適切な量の香味や吸引可能な物質を発生させられなかったことを課題としている。 本件発明は、この課題を解決するため「前記吸引可能な物質媒体と前記カートリッジ本体との間にポリマー材料を含む環状空間を定め」、 「前記吸引可能な物質を含む蒸気を前記環状空間内に形成させるのに充分に、前記吸引可能な物質媒体の少なくとも一部を加熱するよう」にしたものである。つまり、環状空間を定めて、その環状空間内に充分な、吸引可能な物質を含む蒸気を加熱により形成させることで、適切な量の香味や吸引可能な物質を発生させて上記課題を解決するというものであ り、これは、従来技術にない特徴的な技術的手段である。 被告製品1が「課題の解決に不可欠なもの」に該当すること被告製品1は、PLAポリマー部に、メンソールを含むスレッドの外面と外側の包装紙との間の空間を有する(構成b)。このような被告製品1によって初めて上記本件発明の特徴的な技術的手段が実現され、課 題が解決される。よって、被告製品1は「課題の解決に不可欠なもの」に該当する。 被告製品2が「課題の解決に不可欠なもの」に該当すること被告製品2は、ヒータブレードをバッテリーと通電して加 題が解決される。よって、被告製品1は「課題の解決に不可欠なもの」に該当する。 被告製品2が「課題の解決に不可欠なもの」に該当すること被告製品2は、ヒータブレードをバッテリーと通電して加熱式タバコスティックを加熱するものであり(構成d)、この加熱によって、スレ ッド及びPLAポリマーシートに含有されたメンソールが、前記(2)で述べた空間を含む加熱式タバコスティック内に十分に蒸発する(構成f)。このような被告製品2によって初めて上記本件発明の特徴的な技術的手段が実現され、課題が解決される。なお、このような被告製品2は、本件特許の優先日において、文献公知の加熱式喫煙具でもないし、 公然実施されてきた加熱式喫煙具と同様でもない。よって、被告製品2 は「課題の解決に不可欠なもの」に該当する。 小括被告製品1及び被告製品2は本件発明の技術的範囲に属する被告製品の生産に用いられる。そして、被告製品1及び被告製品2は、いずれも本件発明の課題の解決に不可欠であり、被告らは少なくとも本訴状の送 達により、本件発明が特許発明であること並びに被告製品1及び被告製品2が本件発明の実施に用いられることを認識したものである。よって、被告製品1及び被告製品2を販売等する行為は、特許法101条2号所定の間接侵害を構成する。 (被告らの主張) ア特許法101条1号所定の間接侵害の成否について被告製品が本件発明の技術的範囲に属するとしても、本件互換機1、本件互換機2と被告製品1とを組み合わせたものは、以下のように、構成要件C又はGを満たさないから、被告製品1は、本件発明に係る物の「生産にのみ用いる物」(特許法101条1号)に当たらないため、同 号の間接侵害は成立しない。 本件互換機1については、加熱 成要件C又はGを満たさないから、被告製品1は、本件発明に係る物の「生産にのみ用いる物」(特許法101条1号)に当たらないため、同 号の間接侵害は成立しない。 本件互換機1については、加熱スティックを挿入するための凹部の底面が平面であり、ヒータブレードを有さず、加熱式タバコスティクを外側から加熱するものであるから、被告製品1と本件互換機1とを組み合わせたものは、構成要件Cの「前記電気加熱部材は、前記カートリッ ジのオーバーラップ部内に配置され、」に該当しない。 本件互換機2は、寸法上、被告製品1を完全に挿入した際に、被告製品1の銀色の線が、本件互換機の挿入口から約1cmも離れた位置になる。構成要件Gは、「前記カートリッジは、前記制御ハウジングへの必要な挿入深さを示す1つ以上のマーキングを外面に有する、」という ものであり、被告製品1と互換機等の加熱式喫煙具とを組み合わせたも のが、本件発明の技術的範囲に属するか否かの判断においては、当該加熱式喫煙具との関係で、被告製品1の銀色の線が、当該加熱式喫煙具への「必要な挿入深さを示す・・・マーキング」(構成要件G)に該当するものであるか否かが問題となるところ、喫煙者は、被告製品1の銀色の線を見ても、本件互換機2への「必要な挿入深さ」(構成要件G)を 把握できない。このような本件互換機2との関係では、被告製品1の銀色の線は、「前記制御ハウジングへの必要な挿入深さを示す・・・マーキング」(構成要件G)に該当しない。 イ特許法101条2号所定の間接侵害について本件発明の課題及びその解決手段 本件明細書には、なぜ、「環状空間を定めて、その環状空間内に充分な、吸引可能な物質を含む蒸気を加熱により形成させること」によって、「適切な量の香味や吸引可能な 発明の課題及びその解決手段 本件明細書には、なぜ、「環状空間を定めて、その環状空間内に充分な、吸引可能な物質を含む蒸気を加熱により形成させること」によって、「適切な量の香味や吸引可能な物質を発生させて上記課題を解決する」ことになるのかについて、何ら記載されておらず、原告らはこの点について明らかにしていない。したがって、本件発明の上記構成と原告らが 主張する上記課題の解決との関係(なぜ、環状空間に係る上記構成によって、香味や吸引可能な物質の発生量を適切にすることができるのか)は、一切不明である。 被告製品1と「課題の解決に不可欠なもの」原告らは、被告製品1が、具体的にどのような作用及び効果を奏する ことによって上記の原告らが主張する課題を解決するものであるかについて、明らかにせず、明確に主張していない。よって、被告製品1が、「課題の解決に不可欠なもの」に該当するとはいえない。 被告製品2と「課題の解決に不可欠なもの」特許法101条2号の「課題の解決に不可欠なもの」の要件について は、それを用いることにより初めて「発明の解決しようとする課題」が 解決されるような部品、道具、原料等が「発明による課題の解決に不可欠なもの」に該当する。 被告製品2は、本件特許の優先日前から文献公知の加熱式喫煙具又は公然実施されてきた加熱式喫煙具と同様のものである。なお、被告製品2による加熱態様は、加熱式タバコスティック中のスレッドの有無によ って変わらない(被告製品2は、スレッドのない加熱式タバコスティックを加熱吸引するためにも用いられる。)。したがって、被告製品2によって初めて本件発明の課題が解決されるわけではない。 よって、被告製品2は、「課題の解決に不可欠なもの」に該当しない。 小括 を加熱吸引するためにも用いられる。)。したがって、被告製品2によって初めて本件発明の課題が解決されるわけではない。 よって、被告製品2は、「課題の解決に不可欠なもの」に該当しない。 小括 以上のとおり、被告製品1及び被告製品2は、いずれも本件発明の「課題の解決に不可欠なもの」とはいえない。よって、被告製品1及び被告製品2を販売等する行為は、特許法101条2号所定の間接侵害を構成しない。 ⑷ 争点4(被告製品2の無限定の差止請求の可否)について (被告らの主張)被告製品2は、そもそもメンソールを含有しない加熱式タバコスティックやスレッドを有しない加熱式タバコスティック(以下、これらの加熱式タバコスティックを「非含有加熱式タバコスティック等」という。)を加熱する用途にも用いられるものであり、実際に、上記1⑸イのとおり、被告製品1 をスレッドのないものに変更している最中であって、被告製品2の消費者の中には、非含有加熱式タバコスティック等のみに被告製品2を使用する者も相当な割合で存在する。そして、仮に直接侵害に関する原告らの主張を前提としても、非含有加熱式タバコスティック等を挿入した被告製品2は本件発明の実施品に該当しないから、そもそも非含有加熱式タバコスティック等の みに被告製品2を使用する行為は直接侵害を構成するものではなく、このよ うな利用を行う顧客の利益は正当なものとして保護されるべきである。そのような行為をも対象として包含する原告らの差止請求は、顧客の正当な利益を害するものであり、過剰である。 したがって、仮に特許法101条2号の間接侵害が成立するとしても、被告製品2について、何らの限定をも付さずに差止めをすることは、過剰な範 囲について差止めを求めるものであり、認められない 。 したがって、仮に特許法101条2号の間接侵害が成立するとしても、被告製品2について、何らの限定をも付さずに差止めをすることは、過剰な範 囲について差止めを求めるものであり、認められない。 (原告らの主張)非含有加熱式タバコスティック等のみに被告製品2を使用する者が実際に存在するのか、存在するとしてもどの程度存在しているのかについては、立証がされていない。また、被告製品1が市場から完全に除かれたかどうかに ついても何ら立証がなく、依然として被告製品1が市場に存在する。そして、被告らは、スレッドを含む被告製品1とスレッドを有しない加熱式タバコスティックとを区別して販売しているとも認められず、顧客はスレッドを有しない加熱式タバコスティックのみを意図して購入することはできず、必然的にスレッドを含む被告製品1をも購入して使用することになる。 したがって、スレッドのない加熱式タバコのみに被告製品2を使用する顧客など存在しない蓋然性が高く、過剰な範囲の差止めを求めるものではない。 ⑸ 争点5(原告らの損害額等)について(原告らの主張)ア被告らは、本件特許が登録された平成28年7月29日から現在に至る まで、業として被告製品の販売等を行っている。 イ原告アール・エイ・アイは、訴外レイノルズ社から、本件特許権の譲渡を受ける際、併せて本件特許権の移転登録前の損害賠償請求権も譲渡を受けたところ、被告らの行為により、平成28年7月29日から独占的実施権の許諾を行った令和元年8月29日の前日である同月28日までの間に、 訴外レイノルズ社及び原告アール・エイ・アイが被る損害額は、少なくと も1億円を下ることはない。 ウ原告ニコベンチャーズは、原告アール・エイ・アイより本件特許権について、令和元年 訴外レイノルズ社及び原告アール・エイ・アイが被る損害額は、少なくと も1億円を下ることはない。 ウ原告ニコベンチャーズは、原告アール・エイ・アイより本件特許権について、令和元年8月29日から独占的通常実施権の許諾を受け、さらに令和2年2月21日専用実施権の設定を受けて日本でたばこ製品の販売を行っている。独占的通常実施権者は、本件特許権を独占的に実施できるとい う地位にある点で専用実施権者と変わるところはないから、独占的通常実施権の期間は特許法102条2項の類推適用があり、専用実施権設定以降は、同項の適用がある。そして、令和元年8月29日以降における被告らによる被告製品の販売等により、被告らが受けた利益は少なくとも1億円を下ることはない。 (被告らの主張)否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 本件発明及びその意義について⑴ 本件明細書には、以下の記載等がある(便宜上、発明の詳細な説明におけ る当該図面の説明部分に図面を示す。)。 ア技術分野本発明は、エアロゾル送出物品、およびタバコ構成要素または吸引可能な形状のその他の材料をもたらすためにその物品を用いることに関する。 この物品は、タバコから作られているか、もしくは由来していてよく、ま たはさもなければ、ヒトが摂取するためのタバコを組み込んでいてもよい。 さらに詳細には、本発明は、タバコ、タバコ由来材料、またはその他の材料を、好ましくはあまり燃焼させずに加熱して、吸引可能な物質をもたらす物品を提供し、その吸引可能な物質は、各種実施形態では、蒸気またはエアロゾル形状である。【0001】 イ背景技術長年にわたり、タバコの燃焼に基づく喫煙製品の改良品または代替品として、多くの喫煙物品が提案されてき 実施形態では、蒸気またはエアロゾル形状である。【0001】 イ背景技術長年にわたり、タバコの燃焼に基づく喫煙製品の改良品または代替品として、多くの喫煙物品が提案されてきた。例示的な代替品は、固体もしくは液体燃料を燃焼させて、熱をタバコに伝達するか、または、化学反応を用いて、このような熱源をもたらす用具を含んでいた。【0002】 喫煙物品の改良品または代替品のポイントは典型的には、不完全燃焼および熱分解生成物をあまり送出することなく、紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプの喫煙を連想させる感覚をもたらすことであった。このために、電気エネルギーを用いて揮発性材料を蒸発させるか、もしくは加熱するか、または、タバコを燃焼させずに、紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプの喫 煙の感覚をもたらそうと試みる多くの喫煙製品、香味発生体、および薬剤吸入具が提案されてきた。【0003】タバコを電気加熱して、喫煙時の香味と感覚を発生させる物品には、香味またはその他の吸引可能な物質が無節操に放出される難点がある。さらに、電気加熱する喫煙用具は多くの場合、不便かつ喫感を損なう外部の加 熱装置の必要性に限定される。したがって、タバコを燃焼させることなく、燃焼熱源の必要性なく、燃焼生成物を発生させずに、紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプの喫煙の感覚を与えることができる喫煙物品の提供が望ましいことがある。【0005】ウ発明の概要 本発明は概して、1つ以上の吸引可能な物質(ニコチンを含む)を肺に送出するのに用いることができる物品を提供する。特定の実施形態では、本発明は、電気加熱要素と電力源を用いて、蒸気またはエアロゾル形状の吸引可能な物質をもたらすとともに、好ましくは、タバコまたはその他の物質を実質的に ことができる物品を提供する。特定の実施形態では、本発明は、電気加熱要素と電力源を用いて、蒸気またはエアロゾル形状の吸引可能な物質をもたらすとともに、好ましくは、タバコまたはその他の物質を実質的に燃焼させないか、またはまったく燃焼させずに、一酸化炭 素を含む燃焼または熱分解生成物をほとんどまたはまったく発生させずに、 副流煙または副流臭をほとんどまたはまったく発生させずに、喫煙を連想させるその他の感覚ももたらす喫煙物品に関する。電気加熱部材は、喫煙物品から吸煙するとほぼすぐに加熱し、その吸煙を通じて、かつ、喫煙物品を約6~約10回(典型的な紙巻きタバコで得られる吸煙回数と同様の回数)吸煙する際にわたって、エアロゾルの送出を行うことができる。 【0007】したがって、特定の実施形態では、本発明は、吸引可能な物質の形成のための物品を提供する。この物品は、嵌合端部と、吸引可能な物質を消費者の方に運ぶように構成された反対側の吸い口端と、外面および内面を有する壁とを有する実質的に筒状のカートリッジ本体を含むことができる。 カートリッジ本体壁の内面は、内面および外面を有する壁を有する実質的に筒状の吸引可能な物質媒体を含む内側のカートリッジ空間を定めて、吸引可能な物質媒体壁の外面とカートリッジ壁の内面との間に所定の容積の環状空間を定めるようにできる。吸引可能な物質媒体は特に、カートリッジの吸い口端に近接する第1の端部と、カートリッジの嵌合端部に近接す る第2の端部も有することができる。本発明の物品はさらに、吸引可能な物質を含む蒸気を環状空間内に形成させるほど充分に、吸引可能な物質媒体壁の少なくとも一部分を加熱する電気加熱部材を含むことができる。本発明の物品は、カートリッジの嵌合端部と嵌合する受容端部を有する制御 質を含む蒸気を環状空間内に形成させるほど充分に、吸引可能な物質媒体壁の少なくとも一部分を加熱する電気加熱部材を含むことができる。本発明の物品は、カートリッジの嵌合端部と嵌合する受容端部を有する制御ハウジングも含むことができる。したがって、制御ハウジングとカートリ ッジ本体は、機能可能に連結されるものとして特徴づけることができる。 このような受容端部は特に、カートリッジの嵌合端部を受容する開口端部を有するチャンバーを含んでよい。制御ハウジングは、電気加熱部材に電力を供給する電気エネルギー源(その少なくとも一部は、受容端部に、および/または受容チャンバー内に配置することができる)をさらに含むこ とができる。特有の実施形態では、カートリッジの嵌合端部を制御ハウジ ングの受容端部と嵌合させると(カートリッジの嵌合端部を制御ハウジングのチャンバーの中まで所定の距離だけスライドさせるなどすると)、吸引可能な物質媒体と電気加熱部材が整列して、吸引可能な物質媒体の少なくとも一部分を加熱できるようになる。電気エネルギー源(またはその構成要素もしくは伸張部)は、吸引可能な物質媒体および電気加熱部材とも 整列してよい。したがって、電気加熱部材(および任意により電気エネルギー源)は、吸引可能な物質媒体とともに機能可能に配置されるものとして特徴づけることができる。【0008】本発明の物品は、多くの形および大きさを取ることができる。例えば、カートリッジは、実質的に円筒状の形であることができる。さらに、カー トリッジは、円形、楕円形、および正方形からなる群から選択した形によって定められた断面を有することができる。カートリッジの嵌合端部は、電気エネルギー源の少なくとも1つの構成要素を受容するのに充分な大きさおよび形を有する開口部 よび正方形からなる群から選択した形によって定められた断面を有することができる。カートリッジの嵌合端部は、電気エネルギー源の少なくとも1つの構成要素を受容するのに充分な大きさおよび形を有する開口部も含むことができる。カートリッジは、さまざまな特性を本発明の物品に付与するのに有用であり得るオーバーラップ部 も含むことができる。例えば、オーバーラップ部は、カートリッジの吸い口端に近接して配置されたフィルター材料を含んでよい。したがって、カートリッジの吸い口端は、部分的にふさがっているものとして特徴づけてよく、この特徴は、カートリッジの吸い口端にあるカートリッジフレームのような、カートリッジのさらなる構成要素にも関連することができる。 【0009】吸引可能な物質媒体は、1つ以上の吸引可能な物質の消費者への送出を促すのに有用な各種の材料を含むことができる。特定的な実施形態では、吸引可能な物質媒体は、タバコおよび/またはタバコ由来の材料を含むことができる。吸引可能な物質媒体はエアロゾル形成材料も含んでよく、そ のエアロゾル形成材料自体が、タバコ由来の材料を含んでもよい。特有の 実施形態では、エアロゾル形成材料は、多価アルコール(例えばグリセリン)であることができる。別の実施形態では、吸引可能な物質媒体は、固体基材を含むことができる。吸引可能な物質がこのような基材に適するように、基材自体がタバコを含んでよい(例えば再生タバコから形成されたタバコ紙)。あるいは、基材は単に、吸引可能な物質がコーティング、吸 収、または吸着されている紙材料またはその他の材料であってもよい。ある1つの特定的な実施形態では、吸引可能な物質媒体は、タバコと、固体基材にコーティング、吸収、または吸着されているエアロゾル形成材料とのスラリ 着されている紙材料またはその他の材料であってもよい。ある1つの特定的な実施形態では、吸引可能な物質媒体は、タバコと、固体基材にコーティング、吸収、または吸着されているエアロゾル形成材料とのスラリーを含むことができる。吸引可能な物質媒体はさらに、壁の内面または外面の一方にある蒸気バリアのようなその他の構成要素を含んでよ い。特に、蒸気バリアは、吸引可能な物質媒体を加熱するときに電気加熱部材に隣接する吸引可能な物質媒体壁の表面上に配置できる。【0010】吸引可能な物質媒体は、カートリッジ本体に、吸引可能な物質媒体の端部のみで取り付けられていてよい。この様式では、吸引可能な物質媒体は、カートリッジ内にゆるみなく張られているものとして特徴づけることがで きる。吸引可能な物質媒体壁の外面とカートリッジ本体壁の内面との間の環状空間の容積は、約5ml~約100mlであることができるとともに、エアロゾルと空気との混合物の経路であって、吸引可能な物質(すなわちエアロゾル形状)を望ましい量送出するために所望される平均吸煙容量に実質的に対応する経路をもたらす動的ヘッドスペースをもたらすことがで きる。ユーザーによる吸入のために、エアロゾルと吸引可能な物質が本発明の物品の吸い口端を通るよう導くように、吸引可能な物質媒体のカートリッジ本体の嵌合端部への取り付けは、空気の環状空間への移動を促すように構成させることができる。【0011】制御ハウジングの受容チャンバーは、内面と外面を有する壁によって定 めることができ、この壁は、カートリッジの断面と実質的に同様の形をし た断面を有する。チャンバー壁は、周囲空気をチャンバー内に侵入させ、それにより、上記のように、環状空間からの吸引可能な物質の移動を促す1つ以上の開口部も含 リッジの断面と実質的に同様の形をし た断面を有する。チャンバー壁は、周囲空気をチャンバー内に侵入させ、それにより、上記のように、環状空間からの吸引可能な物質の移動を促す1つ以上の開口部も含むことができる。あるいは、チャンバーは、制御ハウジングの受容端部になくてもよく、あるいは、制御ハウジングと適切に整列するようにカートリッジを誘導する1つ以上のガイド構成要素(例え ば制御ハウジングのケーシングの伸張部)に置き換えられていてもよい。 いくつかの実施形態では、チャンバーを定める壁は、ガイド構成要素の例として特徴づけてもよい。したがって、ガイド構成要素は、寸法において、チャンバー壁と実質的に同様であることができる。【0012】電気エネルギー源は本質的に、電源から加熱部材に電流を流すようにす るソケットであることができる。特有の実施形態では、電気エネルギー源は、制御ハウジングから(例えば受容チャンバーを通じて、かつ好ましくは、ほぼチャンバーの開口端部まで)延びる突出部を含むことができる。 電気加熱部材が、制御ハウジングの構成要素部分であるときには、電気加熱部材は具体的には、電気エネルギー源のこの突出部に取り付けられてい てもよい。このような実施形態では、加熱部材から延びて、電気エネルギー源のソケットの中まで入っている電気接点を加熱部材は含むことができる。これは、接点をソケット中に、永久的で取り外し不能な形で接続したものであることができる。【0013】加熱部材は具体的には、電流が流れると熱を発生させる抵抗線であるこ とができる。特有の実施形態では、加熱部材は、吸入物質媒体と一体的であってもよい。【0014】特有の実施形態では、加熱部材は複数の構成要素を含むことができる。 例えば、加熱部材は、実質的 とができる。特有の実施形態では、加熱部材は、吸入物質媒体と一体的であってもよい。【0014】特有の実施形態では、加熱部材は複数の構成要素を含むことができる。 例えば、加熱部材は、実質的に小さい寸法の抵抗線を含んでよく、より広い区域にわたって、発生した熱を放出させるように、放熱部材が加熱部材 と関連付けられていてもよい。【0015】 電気加熱部材(または放熱部材)は特に、突出部上に、所定の長さの部分のみに沿って存在してよく、このような部分は特に、チャンバーの開口端部にある突出部の端部に近接していてよい。所定の長さの部分は、突出部の長さの約5%~約50%を含んでよい。この様式では、加熱部材は、吸引可能な物質媒体の区域のうち、吸引可能な物質媒体の全長よりも短い 区域のみを含むことになるという点で、分割加熱をもたらすことができる。 加熱部材(または放熱部材)は、吸引可能な物質媒体の約6分の1~約10分の1の長さを含むのが好ましい(それにより、約6~約10個の区域、または約6~約10回の吸煙で、吸引可能な物質媒体を使い切ることができる)。これを実現させるために、カートリッジは具体的には、電気加熱 部材をその上に有する突出部部分を通って、ある距離だけ割り送りしてよい。このような割り送りは、押しボタンを用いてカートリッジを受容チャンバー内で前進させるか、または、単にカートリッジを軽くたたくなどして、消費者が手動で制御することができる。特有の実施形態では、本発明の物品は、突出部部分を越えてカートリッジを自動的に割り送る吸煙始動 式スイッチを含むことができる。これにより、割り送り中にカートリッジが進む距離は、吸煙の持続時間に直接関連させることができる。【0016】別の実施形態では、電気加熱部材は、 吸煙始動 式スイッチを含むことができる。これにより、割り送り中にカートリッジが進む距離は、吸煙の持続時間に直接関連させることができる。【0016】別の実施形態では、電気加熱部材は、制御ハウジング内に配置されていてもよいが、本発明の物品は、吸引可能な物質媒体の分割加熱ではなく、 一括加熱をもたらしてもよい。例えば、電気加熱部材(または放熱部材)は、突出部上に、吸引可能な物質媒体の長さの約75%~約125%である部分に沿って存在してもよい。この様式では、カートリッジは、使用持続時間にわたり、受容チャンバーの中まで実質的に完全に挿入され、その物品を吸引するたびに、吸引可能な物質媒体の全長(またはほぼ全長)が 加熱される。加熱部材の上に存在する電気接点は、電流を加熱部材に送出 できるように、ソケット(すなわち電気エネルギー源)と永久的に嵌合している。チャンバー壁がない場合には、カートリッジは、突出部が、その特有の構造により可能となる最大限まで、吸引可能な物質の中まで実質的に挿入されるように制御ハウジングと組み合わさるものとして特徴づけることができる。【0017】 別の実施形態では、加熱部材は、制御ハウジングではなく、カートリッジの構成要素部分であることができる。このような構成により、吸引可能な物質媒体の一括加熱を可能にできる。具体的には、加熱部材は、吸引可能な基材媒体の実質的に全長に沿って存在することができるとともに、電気エネルギー源内のソケットと嵌合する電気接点を含むことができる。加 熱を始動させると、電気加熱部材の全長に沿って、加熱が行われる。具体的には、電気加熱部材(または放熱構成要素)は、カートリッジ内に、吸引可能な物質媒体の長さの約75%~約100%である部分に沿って存在してよ せると、電気加熱部材の全長に沿って、加熱が行われる。具体的には、電気加熱部材(または放熱構成要素)は、カートリッジ内に、吸引可能な物質媒体の長さの約75%~約100%である部分に沿って存在してよい。【0018】加熱部材がカートリッジ内に存在するときには、分割加熱をもたらすこ ともできる。このような分割加熱を実現させるために、電気エネルギー源の突出部は、チャンバーの開口端部にある突出部の端部に近接する導電体を含むことができる。加熱を行うときに、突出部と電気的に接続している電気加熱部材部分に近接する吸引可能な物質媒体部分のみが加熱されるように、この導電体は、電気加熱部材の別個の部分と電気的接続を形成する。 突出部の導電体と電気的に接続している電気加熱部材部分は、吸引可能な物質媒体の長さの約5%~約50%を含むことができる。本発明の物品に関連する本発明の上記態様は概して、吸煙始動式割り送りの利用など、いずれの実施形態にも適用してよい。【0019】分割加熱は、その他の加熱手段によってももたらしてよい。例えば、所 定の加熱部材によって、吸引可能な物質媒体の特定部分のみが加熱される ように、吸引可能な物質媒体に対して、複数の加熱部材が配置されていてもよい。この複数の加熱部材は、制御ハウジングまたはカートリッジの構成要素であってよく、この複数の加熱部材は具体的には、吸引可能な物質でコーティングされていてもよい。さらに、バルクヒーター構造体を設けてもよいが、所定の時間に、バルクヒーターの特定部分のみに動力を供給 して、吸引可能な物質媒体の特定部分のみを加熱するように、この構造体を電子制御に適合させることができる。【0020】制御ハウジングは、本発明の物品の機能に必要なさらなる構成要素を含んでよい。 して、吸引可能な物質媒体の特定部分のみを加熱するように、この構造体を電子制御に適合させることができる。【0020】制御ハウジングは、本発明の物品の機能に必要なさらなる構成要素を含んでよい。制御ハウジングは、適切な刺激が加わると、電気エネルギー源から加熱部材への電流流動を始動させる開閉構成要素を含むことができる。 このような始動は、手動(例えば押しボタンの使用)であることも、自動(例えば吸煙始動式加熱)であることもできる。特有の実施形態では、始動作用により、連続的な電流流動が開始されて、加熱部材が素早く加熱される。【0021】本発明の物品は、電流流動を制御するさらなる構成要素を含むのが好ま しい。この制御は、電流流動の停止まで所定の期間、電流を流すようにする時間ベースの制御を含んでよい。このような時間ベースの調節は、電流流動を迅速に開始および停止させて、ヒーターを所定の温度に保つサイクルの期間を含むことができる。別の実施形態では、所定の温度が実現されたら、新たな吸煙によって再び始動されるまで電流調節器が電流流動を停 止させてもよい。開閉構成要素によって行われるこの開始および停止動作によって、約120℃~約300℃の加熱部材動作温度をもたらすのが好ましい。【0022】制御ハウジングはさらに、電力を電気エネルギー源に供給するための電力源を含む。このような電源は、1つ以上のバッテリーおよび/または少 なくとも1つのコンデンサー(または蓄電源をもたらすその他の手段)を 含んでよい。【0023】別の実施形態では、本発明の物品の一般的構成要素は別々に存在していてもよい。例えば、本発明は、再利用可能な喫煙物品とともに用いる使い捨てユニットを提供する。このような使い捨てユニットは、カートリッ 別の実施形態では、本発明の物品の一般的構成要素は別々に存在していてもよい。例えば、本発明は、再利用可能な喫煙物品とともに用いる使い捨てユニットを提供する。このような使い捨てユニットは、カートリッジに関して本明細書に記載されている対象のいずれも含むことができる。 【0024】特有の実施形態では、再利用可能な喫煙物品とともに用いる使い捨てユニットは、再利用可能な喫煙物品と嵌合するように構成された嵌合端部と、吸引可能な物質を消費者の方に運ぶように構成された反対側の吸い口端と、外面および内面(吸引可能な物質媒体壁の外面とカートリッジ本体壁の内 面との間の所定の容積の環状空間を定めるように、内面と外面を有する壁を有する実質的に筒状の吸引可能な物質媒体を含む内側のカートリッジ空間を定める)とを有する壁とを有する実質的に筒状のカートリッジ本体を含むことができ、上記の吸引可能な物質媒体は、カートリッジの吸い口端に近接する第1の端部を有するとともに、カートリッジの嵌合端部に近接 する第2の端部を有する。この使い捨てユニットは、吸引可能な物質を含む蒸気を環状空間内に形成させるほど充分に、吸引可能な物質媒体の少なくとも一部を加熱する電気加熱部材をさらに含むことができる。上記の電気加熱部材は、再利用可能な喫煙物品内の電気エネルギー源と電気的に接続する接点をさらに含むことができる。さらに、電気加熱部材は、筒状の 吸引可能な物質媒体内に配置されていることができ、好ましくは、吸引可能な物質媒体と直接接している。特定の実施形態では、蒸気バリアは、電気加熱部材としても機能ようにする構成要素を含んでよい。上記の使い捨てユニットは、カートリッジ本体を取り囲むオーバーラップ部をさらに含むことができ、このオーバーラップ部は、カートリッジ本体 アは、電気加熱部材としても機能ようにする構成要素を含んでよい。上記の使い捨てユニットは、カートリッジ本体を取り囲むオーバーラップ部をさらに含むことができ、このオーバーラップ部は、カートリッジ本体の嵌合端部を 越えて(例えば、カートリッジ本体の長さの約10%~約90%である距 離だけ越えて)延びることができる。オーバーラップ部は、カートリッジ本体の吸い口端に近接して配置されたフィルター材料も含むことができる。 【0025】同様に、本発明は、使い捨て喫煙物品とともに用いることができる再利用可能な制御ユニットを提供する。このような再利用可能な制御ユニット は概して、制御ハウジングに関して本明細書に記載されている対象のいずれも含んでよい。【0026】特有の実施形態では、使い捨て喫煙物品とともに用いる再利用可能な制御ユニットは、使い捨て喫煙物品の嵌合端部を受容する受容端部を含むとともに、電気加熱部材に電力を送出する電気エネルギー源(この電気エネ ルギー源は、制御ハウジングの受容端部から外側に延びる突出部を含むとともに、電気加熱部材上の電気接点と電気的接続を形成する構成要素を含む)を含む制御ハウジングと、電源を収容する制御ユニット部分と、電気エネルギー源から加熱部材への電流流動を始動させる開閉構成要素と、電気エネルギー源から電気加熱部材への、すでに開始済みの電流流動を調節 する流動調節構成要素とを含むことができる。受容端部は特に、突出部を取り囲む壁によって定められた受容チャンバーを含むことができる。例示的な電源としては、バッテリーおよび/または少なくとも1つのコンデンサーを挙げることができる。開閉構成要素は、吸煙始動式スイッチを含むことができ、あるいは、押しボタンを含んでもよい。電流調節構成要素は 源としては、バッテリーおよび/または少なくとも1つのコンデンサーを挙げることができる。開閉構成要素は、吸煙始動式スイッチを含むことができ、あるいは、押しボタンを含んでもよい。電流調節構成要素は 特に、時間ベースの構成要素であることができる。したがって、所定の温度が実現されたら、電流調節構成要素は、電気加熱部材への電流を停止させてよい。さらに、所定の温度が実現されたら、所定の温度が所定の期間保持されるように、電流調節構成要素は、電気加熱部材への電流を間欠的に循環させてよい。電気接点との電気的接続を形成させる構成要素は、電 気エネルギー源に収容されるソケットであってよい。あるいは、電気接点 との電気的接続を形成させる構成要素は、突出部の上に位置してもよい。 【0027】別の態様では、本発明は、本発明の物品のさまざまな構成要素、および本発明の物品のための付属品をさまざまな組み合わせで提供できるキットにも関する。具体的には、個々のキットは、1つ以上のカートリッジ、1 つ以上の制御ユニット、1つ以上の加熱部材、1つ以上のバッテリー、および1つ以上の充電構成要素のいずれかの組み合わせを含んでよい。このキットは、キットの1つ以上の構成要素を保管できるパッケージ(例えばケースまたは類似の物)を含んでよい。特に、このケースは、消費者のポケットに入る大きさ(例えば、典型的なシャツのポケット、ズボンのポケ ット、またはジャケットのポケットに適合する大きさ)であってよい。ケースは、キットの構成要素に応じて硬くても柔らかくてもよい。ケースは、本発明の物品の充電器として機能できる保管機構であってもよい。【0028】エ図面の簡単な説明 本発明の実施形態の理解を助けるために、以下では、添付の図面を参照していく ケースは、本発明の物品の充電器として機能できる保管機構であってもよい。【0028】エ図面の簡単な説明 本発明の実施形態の理解を助けるために、以下では、添付の図面を参照していく。これらの図面では、同様の参照番号は同様の要素を指し、添付の図面は必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではない。図面は例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものとして解釈すべきではない。【0029】 【図1】本発明の実施形態による物品であって、制御ハウジングと嵌合しているカートリッジを含み、そのカートリッジが制御ハウジングの中に最短距離のみで挿入されている物品の斜視図である。 【図2】図1に示されている物品であって、カートリッジが、制御ハウジング中のさらに奥まで割り送られている物品の斜視図である。 【図3】図1に示されている物品であって、カートリッジが、制御ハウジン グ中に完全に割り送られている物品の斜視図である。 【図4】本発明の実施形態による物品の一部の斜視図であり、制御ハウジングの受容チャンバーから外したカートリッジを示しており(一部のみが示されている)、制御ハウジングは、カートリッジ内の吸引可能な物質媒 体の分割加熱をもたらすように、突出部の上に位置する加熱部材を含んでおり、カートリッジと受容チャンバーは、物品の下層構成要素を見えるようにするために、部分的に切断されている。 【図4a】本発明の実施形態によるカートリッジの断面であり、この断面は、図4において点線で示されている平面で切断したものであり、この断面は、カートリッジの特定の構成要素の空間的関係と構成を示している。 【図4b】本発明によるカートリッジの代替的な実施形態の断面であり、この断面は、図4において点線で示さ のであり、この断面は、カートリッジの特定の構成要素の空間的関係と構成を示している。 【図4b】本発明によるカートリッジの代替的な実施形態の断面であり、この断面は、図4において点線で示されている平面で切断したものであり、この断面は、カートリッジの特定の構成要素の空間的関係と構成を示している。 【図4c】本発明によるカートリッジのさらなる代替的な実施形態の断面であり、この断面は、図4において点線で示されている平面で切断したも のであり、この断面は、カートリッジの特定の構成要素の空間的関係と構成を示している。 【図5】図4のカートリッジの吸い口端から見たカートリッジフレーム部材の正面平面図であり、このフレーム部材は、その構成要素を詳細に示す目 的で、カートリッジから分離した状態で示されている。 【図6】本発明の実施形態による物品の斜視図であり、制御ハウジングと嵌合しているカートリッジを示しており、下層構成要素が見えるように、制御ハウジングの外側の一部が除去されている。 【図7】図4の物品の斜視図であり、カートリッジが制御ハウジングの受容チャンバーの中に最短距離で挿入されており、突出部上の加熱部材が、管状の吸引可能な物質媒体の中央空洞部内に、かつ吸引可能な物質媒体の 少なくとも一部を加熱するほど充分に吸引可能な物質媒体と接触して配置されるような距離に、前記最短距離がなっている。 【図8】図7の物品の斜視図であり、突出部上の加熱部材が、カートリッジの嵌合端部からある距離だけ、かつ、カートリッジの吸い口端の方に同 じ距離だけ移動した状態になるように、管状の吸引可能な物質媒体の中央空洞部のさらに奥に配置されるように、カートリッジが、制御ハウジングの受容チャンバーの中に割り送 ートリッジの吸い口端の方に同 じ距離だけ移動した状態になるように、管状の吸引可能な物質媒体の中央空洞部のさらに奥に配置されるように、カートリッジが、制御ハウジングの受容チャンバーの中に割り送られている。 【図8a】本発明の実施形態による物品の一部の斜視図であり、制御ハウ ジングの受容端部と嵌合しているカートリッジを示しており(一部のみが示されている)、制御ハウジングは、カートリッジ内の吸引可能な物質媒体の分割加熱をもたらすように、その上に加熱部材を有する突出部を含ん でおり、カートリッジは、物品の下層構成要素を見えるようにするために、部分的に切断されている。 【図8b】本発明の実施形態による物品の一部の斜視図であり、制御ハウジングの受容端部から外したカートリッジを示しており(一部のみが示さ れており、チャンバーを定める壁を含まない)、制御ハウジングは、カートリッジ内の吸引可能な物質媒体の分割加熱をもたらすように、突出部上にあるとともに放熱部材に囲まれている加熱部材を含み、カートリッジは、物品の下層構成要素を見えるようにするために、部分的に切断されている。 【図9】本発明の実施形態による物品の一部の斜視図であり、その中に加熱部材を有するカートリッジであって、制御ハウジングの受容チャンバーと部分的に嵌合しているカートリッジを示しており(一部のみが示されて いる)、制御ハウジングは、カートリッジ内の吸引可能な物質媒体の分割加熱をもたらすように、カートリッジ内の加熱部材と相互作用する導電体をその上に有する突出部を含み、カートリッジと受容チャンバーは、物品の下層構成要素を見えるようにするために、部分的に切断されている。 【図10】本発明の実施形態による物品の一部の斜視図であり、制御ハ 有する突出部を含み、カートリッジと受容チャンバーは、物品の下層構成要素を見えるようにするために、部分的に切断されている。 【図10】本発明の実施形態による物品の一部の斜視図であり、制御ハウジングの受容チャンバーから外したカートリッジを示しており(一部のみが示されている)、制御ハウジングは、カートリッジ内の吸引可能な物質媒体の一括加熱をもたらすように、突出部上にある加熱部材を含んでおり、カートリッジと受容チャンバーは、物品の下層構成要素を見えるようにす るために、部分的に切断されている。 【図11】図10の物品の斜視図であり、加熱部材をその上に有する突出 部が、管状の吸引可能な物質媒体の中央空洞部の中に完全に挿入されて、それにより吸引可能な物質媒体の一括加熱をもたらすように配置されるように、カートリッジは、制御ハウジングの受容チャンバーの中に完全に挿入されている。 【図12】本発明の実施形態による物品の一部の斜視図であり、加熱部材をその中に有するカートリッジであって、制御ハウジングの受容チャンバーのソケットから外したカートリッジを示しており(一部のみが示されている)、制御ハウジングは、カートリッジ内の吸引可能な物質媒体の一括加熱をもたらすように、加熱部材上の電気接点を受容するためのソケット を有する電気エネルギー源を含んでおり、カートリッジと受容チャンバーは、物品の下層構成要素を見えるようにするために、部分的に切断されている。 【0030】オ発明を実施するための形態本発明は、電気エネルギーを用いて、(好ましくは材料をあまり燃焼させることなく)材料を加熱して、吸引可能な物質を形成させる物品であっ て、「携帯型」用具とみなされるほど充分に小型である物品を提供する。 は、電気エネルギーを用いて、(好ましくは材料をあまり燃焼させることなく)材料を加熱して、吸引可能な物質を形成させる物品であっ て、「携帯型」用具とみなされるほど充分に小型である物品を提供する。 特定の実施形態では、本発明の物品は特に、喫煙物品として特徴づけることができる。本明細書で使用する場合、喫煙物品とは、その物品のいずれの構成要素も実際には燃焼させずに、紙巻きタバコ、葉巻、またはパイプを喫煙している香味および/または感覚(例えば手触りまたは口触り)を 提供する物品を意味するよう意図されている。喫煙物品という用語は必ずしも、動作時に、その物品が、燃焼または熱分解の副生成物という意味における煙を発生させることを示すわけではない。むしろ、喫煙は、物品の使用時における、個人の身体的行為、例えば、物品を手に持つ、物品の一方の端部を吸う、物品から吸い込むという行為に関する。さらなる実施形 態では、本発明の物品は、蒸気生成物品、エアロゾル化物品、または医薬送達物品であるものとして特徴づけることができる。したがって、本発明の物品は、1つ以上の物質を吸引可能な状態で供給するように整えることができる。別の実施形態では、吸引可能な物質は、実質的に蒸気(すなわ ち、その臨界点よりも低い温度において気相である物質)の形状であることができる。別の実施形態では、吸引可能な物質は、エアロゾル(すなわち、微細固体粒子または液滴の気体中懸濁物質)の形状であることができる。吸引可能な物質の物理的形状は必ずしも、本発明の物品の性質によって限定されるわけではなく、蒸気状態またはエアロゾル状態で存在するか に関する、媒体および吸引可能な物質自体の性質に依存してよい。いくつかの実施形態では、これらの用語は置き換え可能であってよい。すなわち、簡潔化 はなく、蒸気状態またはエアロゾル状態で存在するか に関する、媒体および吸引可能な物質自体の性質に依存してよい。いくつかの実施形態では、これらの用語は置き換え可能であってよい。すなわち、簡潔化のために、本発明を説明するために用いられるこれらの用語は、別段の記載のない限り、置き換え可能であるものと理解する。【0032】ある1つの態様では、本発明による物品は概して、電気エネルギー源と、 電気エネルギー源から電力を供給される加熱部材と、電気エネルギー源から加熱部材への電気エネルギーの送出に関連する制御構成要素または制御ハウジングと、加熱部材に近接して、もしくは直接接して配置可能な吸引可能な物質媒体を含むことができる。加熱部材が吸引可能な物質媒体を加熱すると、消費者が吸入するのに適する物理的形状で、吸引可能な物質が 吸引可能な物質媒体から形成、放出、または生成される。(中略)具体的には、吸引可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾル、またはこれらの混合物の形状で放出される。【0033】図を参照すると、本発明による物品10は、制御ハウジング200とカートリッジ300を含むことができる。(略)【0034】 下に詳述されているように、本発明による物品は各種実施形態を取ってよいが、消費者による本発明の物品の使用は、その範囲において類似することになる。具体的には、本発明の物品は、使用の際に消費者が組み立てを行い、その後、消費者が分解を行う複数の構成要素として提供できる。 具体的には、消費者は、実質的に円筒状の形をしている再利用可能な制御 ハウジングであって、開口端部(または、チャンバー壁がないときには、 突出部端部)と反対側の閉鎖端部とを有する制御ハウジングを持ってよい。 制御ハウジングの閉鎖端部は、本発明 可能な制御 ハウジングであって、開口端部(または、チャンバー壁がないときには、 突出部端部)と反対側の閉鎖端部とを有する制御ハウジングを持ってよい。 制御ハウジングの閉鎖端部は、本発明の物品の使用進行状態に関するインジケーターを1つ以上含んでよい。消費者はさらに、制御ハウジングの開口端部と嵌合する1つ以上のカートリッジを持つことができる。本発明の物品を使用するには、本発明の物品が、下に論じられているように作動で きるように、消費者は、カートリッジを制御ハウジングの開口端部の中に挿入するか、さもなければ、カートリッジを制御ハウジングと組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、カートリッジは、構成要素の全体構造によって可能となる限り奥まで、制御ハウジングの中に挿入できる。典型的には、カートリッジの部分のうち、吸煙の際に消費者の口内に 挿入するのに少なくとも充分な大きさを有する部分が、制御ハウジングの外部に留まることができる。この部分は、カートリッジの吸い口端と称してよい。【0035】使用中、消費者は、吸引可能な物質媒体(またはその特定の層)に隣接する加熱部材の加熱を開始させ、媒体の加熱により、カートリッジ内側の 空間内に吸引可能な物質を放出させて、吸引可能な物質をもたらすようにする。消費者がカートリッジの吸い口端を吸うと、制御ハウジングおよび/またはカートリッジ自体の開口部を通じて、カートリッジの中に空気が入り込む。吸い込まれた物質が、カートリッジの吸い口端を出て消費者の口に入るので、入り込んだ空気と放出された吸引可能な物質との混合物を 消費者が吸い込む。(中略)充分な量の吸引可能な物質(例えば、典型的な喫煙体験と同等とみなすのに充分な量)が放出されたほど、消費者が充分な回数の吸煙を行 放出された吸引可能な物質との混合物を 消費者が吸い込む。(中略)充分な量の吸引可能な物質(例えば、典型的な喫煙体験と同等とみなすのに充分な量)が放出されたほど、消費者が充分な回数の吸煙を行ったら、カートリッジを制御ハウジングから外し、破棄することができる。【0036】別の実施形態では、カートリッジは最初、制御ハウジングの中に短い距 離で挿入するだけでもよい。使用中、カートリッジを制御ハウジングの中 に漸増的に押し込んでいくことができる。(中略)【0037】特有の実施形態を参照すると、図1~図3の実施形態に見られるように、本発明による物品10は、実質的に棒状、実質的に筒状、または実質的に円筒状の形であると定めてよい全体的形状を有することができる。図1~図3の実施形態では、物品10は、実質的に円形断面を有するが、他の断 面形状(例えば楕円形、正方形、三角形など)も本開示に含まれる。本発明の物品の物理的形状について説明するこのような言葉は、制御ハウジング200およびカートリッジ300を含め、物品10の個々の構成要素にも適用してよい。【0038】制御ハウジング200とカートリッジ300は具体的には、スライドす る形、またはその他の割り送り可能な形で、嵌合し合うように構成されている。図1で見られるように、作動中、カートリッジ300と制御ハウジング200が同軸関係になるように、カートリッジ300を制御ハウジング200の開口端部の中にスライドさせる。このような実施形態では、制御ハウジング200は、制御部205と、カートリッジ300が挿入され る受容チャンバー210とを含むことができる。下でさらに論じられているように、図2および図3は、いくつかの実施形態で、使用中に物品10が徐々に短くなるこ 05と、カートリッジ300が挿入され る受容チャンバー210とを含むことができる。下でさらに論じられているように、図2および図3は、いくつかの実施形態で、使用中に物品10が徐々に短くなることができる性質を示している。具体的には、特定の実施形態では、物品10がその最短の長さに達したら、カートリッジ300を使用し終わったと分かるように、カートリッジ300は、連続的または 分割的に制御ハウジング200の中に割り送ることができる。割り出しも用いてよい。カートリッジ300は、受容チャンバー210内の所定の位置で所定の停止を行うことなく、連続的に移動してもよい。別の実施形態では、カートリッジ300の割り送りにより、所定の長さのみの移動が行われるように、受容チャンバー210内で、カートリッジ300が、所定 の停止または所定の長さの移動を行うようにできる。本明細書でさらに論 じられているように、さまざまな割り送り手段が本発明に含まれる。いくつかの実施形態では、カートリッジ300は、消費者による使用の開始時に、制御ハウジング200の中に部分的または完全に挿入することができる。徐々に短くなるカートリッジに関して、割り送りを説明しているが、本発明は、使用時に、カートリッジを制御ハウジングの中に完全に挿入し、 カートリッジをハウジングから外側に割り出す実施形態も含む。 【0039】本発明による物品10についてはさらに、カートリッジ300と制御ハウジング200の受容チャンバー210の内部構成要素が見えるように、物品10の一部が切断されている図4に示されている特定の実施形態に関 して説明できる。カートリッジ300は、外面と内面を有する壁であって、カートリッジ本体305に実質的に管状の形をもたらす壁で形成されたカート 断されている図4に示されている特定の実施形態に関 して説明できる。カートリッジ300は、外面と内面を有する壁であって、カートリッジ本体305に実質的に管状の形をもたらす壁で形成されたカートリッジ本体305を含む。カートリッジ本体305は、制御ハウジング200の受容チャンバー210と嵌合する嵌合端部310と、吸引可能な物質を消費者に運べるようにするように構成された吸い口端315とを 定める対向末端部を有する。必須ではないが、カートリッジ本体305の壁は、末端部の一方または両方が、図4に示されているフランジ302などで補強されているのが有益であり得る。オーバーラップ部380が存在すると、フランジの存在により、(図4aに示されているように)カートリッジとオーバーラップ部との間にデッドスペース389をもたらすこと ができる。【0040】カートリッジ本体305は、管状の形のような適切な形態を形成および保持するのに適するとともに、吸引可能な物質媒体350をその中に保持するのに適するいずれかの材料で形成させることができる。カートリッジ本体305は、図4aに示されているように、単一の壁で形成させること ができる。いくつかの実施形態では、カートリッジ本体305は、本明細 書でさらに論じられているように、少なくとも電気加熱部材によってもたらされる加熱温度である温度で、その構造的完全性保持するように、例えば劣化しないように、耐熱性である材料(天然または合成)で形成されている。いくつかの実施形態では、耐熱性ポリマーを用いてよい。別の実施形態では、カートリッジ本体305は、実質的にストローの形をした紙の ような紙から形成されていてよい。本明細書でさらに論じられているように、紙チューブのようなカートリッジ本体305は 。別の実施形態では、カートリッジ本体305は、実質的にストローの形をした紙の ような紙から形成されていてよい。本明細書でさらに論じられているように、紙チューブのようなカートリッジ本体305は、それに付随する1つ以上の層であって、蒸気がカートリッジ本体305の中を移動するのを実質的に防ぐように機能する層を有してよい。(以後略)【0041】 カートリッジ本体305の壁の内面は、内側のカートリッジ空間を定め、吸 引可能な物質媒体350が前記空間に含まれている。吸引可能な物質媒体350は、加熱されると、香味含有物質のような吸引可能な物質を放出するいずれかの材料であることができる。図4の実施形態では、吸引可能な物質媒体350は、吸引可能な物質を含む固体基材である。吸引可能な物質は具体的には、タバコ構成要素またはタ バコ由来の材料(すなわち、タバコ中に元々あるか、タバコから直接単離できるか、または合成によって調製される材料)であってよい。例えば、吸引可能な物質媒体は、不活性な基材と組み合わせたタバコ抽出物またはその一部を含むことができる。吸引可能な物質媒体はさらに、その燃焼温度未満の温度に加熱されると、吸引可能な物質を放出する未燃タバコ、ま たは未燃タバコを含む組成物を含んでよい。あまり好ましくないが、吸引可能な物質媒体は、タバコ凝縮物またはその一部(すなわち、タバコの燃焼によって生成させた煙の凝縮構成要素で、香味と、できればニコチンを残した凝縮構成要素)を含んでもよい。【0042】さらに、吸引可能な物質媒体350は、吸引可能な物質またはその前駆 体がその中に組み入れられているか、またはさもなければその上に付着し ている不活性な基材を含んでよい。例えば、吸引可能な物質を含む液体を不活性な基材にコ 、吸引可能な物質またはその前駆 体がその中に組み入れられているか、またはさもなければその上に付着し ている不活性な基材を含んでよい。例えば、吸引可能な物質を含む液体を不活性な基材にコーティング、吸収、または吸着させて、熱を加えたら、吸引可能な物質が、陽圧または陰圧の印加によって本発明の物品を取り出せる形状で放出されるようにしてよい。【0044】吸引可能な物質(例えば、広くは香味、ニコチン、または医薬)に加え て、吸引可能な物質媒体は、多価アルコール(例えばグリセリン、プロピレングリコール、もしくはこれらの混合物)および/または水のような1つ以上のエアロゾル形成材料または蒸気形成材料を含むことができる。 (中略)吸引可能な物質自体が、加熱されると蒸気、エアロゾル、またはこれらの組み合わせとして放出される形状であってもよいことも分かる。 別の実施形態では、吸引可能な物質は必ずしも、蒸気またはエアロゾルの形状で放出しなくてもよいが、吸引可能な物質と組み合わせてもよい蒸気形成材料またはエアロゾル形成材料が、加熱されると蒸気またはエアロゾルを形成させて、本質的に吸引可能な物質自体の担体として機能することができる。したがって、吸引可能な物質は、基材にコーティングされてい るか、基材に吸収されているか、基材に吸着されているか、または基材の天然構成要素(すなわち、タバコもしくはタバコ由来の材料のような、基材を形成する材料)であるものとして特徴づけることができる。(中略)。 基材構成要素は、加熱部材が吸引可能な物質の放出を促せるようになる本明細書に記載の温度において、燃焼したり、またはさもなければ劣化した りしないいずれかの材料であってよい。例えば、タバコ紙(例えば、タバコ繊維および/または再生タバコを含む紙様 るようになる本明細書に記載の温度において、燃焼したり、またはさもなければ劣化した りしないいずれかの材料であってよい。例えば、タバコ紙(例えば、タバコ繊維および/または再生タバコを含む紙様材料)を含む紙材料を用いてよい。したがって、各種の実施形態では、吸引可能な物質媒体は、吸引可能な物質を含むものとして、あるいは、吸引可能な物質と別個のエアロゾル形成材または蒸気形成材とを含むものとして、あるいは、吸引可能な物 質と基材を含むものとして、あるいは、吸引可能な物質媒体と別個のエア ロゾル形成材または蒸気形成材と基材とを含むものとして特徴づけることができる。したがって、基材は、吸引可能な物質とエアロゾル形成材または蒸気形成材の一方または両方を含んでもよい。【0045】所望される場合、タバコ材料または吸引可能な物質媒体は概して、糖、グリセリン、バニラ、ココア、甘草、およびメントールなどのその他の香 味材料のようなその他の構成要素をさらに含むことができる。(中略)このようなさらなる構成要素の選択は、本発明の物品に所望される官能特性のような要因に基づき、さまざまであることができ、本発明は、このようないずれのさらなる構成要素も含むよう意図されており、このようなさらなる構成要素は、タバコ、タバコ関連製品、またはタバコ由来製品の分野 の通常の知識を有するものであれば容易にわかるであろう。(以後略)【0046】吸引可能な物質および/または別個の蒸気形成材料は、各種の構成で基材上に搭載してよい。例えば、基材の長さ沿いの各材料の濃度が実質的に一定になるように(例えば、基材を複数の長手方向区域に分割したときに、 個別の区域のそれぞれにおける材料の総濃度が、実質的に同程度(差が10質量%未満、5質量%未満、ま 各材料の濃度が実質的に一定になるように(例えば、基材を複数の長手方向区域に分割したときに、 個別の区域のそれぞれにおける材料の総濃度が、実質的に同程度(差が10質量%未満、5質量%未満、または2質量%未満であるなど)であり得るように、いずれの材料も、基材と結合させてよい。別の実施形態では、これらの材料の一方または両方が所定のパターンで存在してよい。例えば、このパターンは、基材の長さに沿って濃度が連続的に上昇または低下する 勾配であってよい。この様式では、物品を1回目に吸煙したときに、最後の吸煙時における吸引可能な物質の量よりも有意に多いかまたは少ない量の吸引可能な物質を供給できる。さらに、パターンは、基材の長さ沿いのある点(例えば物品を最初に吸煙したとき、最後に吸煙したとき、または何回目かの吸煙時に対応する点)で、ある用量の吸引可能な物質を供給す るようなものであってもよい。このようなパターンのいずれの異種形態も、 本開示を踏まえて想定してよく、そのような変形形態は、同様に本発明に含まれる。このようなパターン化は同様に、本明細書に記載されているようなさらなる構成要素(例えば香味剤)に適用してもよい。例えば、物品を最後に吸煙するとき、または最後から2回または3回目に吸煙するときに実質的に対応する位置に、ある用量の香味剤を基材上にもたらしてよい。 このような香味の放出は、その用具の最後の吸煙が近づいているか、または最後の吸煙が行われたという合図を消費者に伝えるものであってよい。 【0047】さらに、吸引可能な物質(および、香味剤のようないずれかのさらなる構成要素)の放出は、特定の加熱部材の始動と関連付けてもよい。例えば、 複数の加熱部材を設けてよく、少なくとも2つの異なる吸引可能な物質を個別に 物質(および、香味剤のようないずれかのさらなる構成要素)の放出は、特定の加熱部材の始動と関連付けてもよい。例えば、 複数の加熱部材を設けてよく、少なくとも2つの異なる吸引可能な物質を個別に、2つの異なる加熱部材と関連付けてよい。ある1つの非限定的な例では、10個の加熱部材を設けてよく、加熱部材のうちの9個を第1の吸引可能な物質(例えばタバコ構成要素)と関連付けてよく、加熱部材のうちの1つを特定の香味剤(例えばメントール)と関連付けてよい。(以 後略)【0048】特有の実施形態では、吸引可能な物質媒体が固体基材を含むとともに、吸引可能な物質媒体の、体積に対する表面積比が高いのが特に好ましいことがある。これは、基材として高熱伝導性材料を必要とせずに、同時に、基材から空気流の中に放出できる蒸気またはエアロゾルの体積を増加させ るとともに、所望の放出体積をもたらすのに必要な温度を低下させるのに特に有益であり得る。さらに、表面積の増大によって、基材と加熱部材との接触面積を大きくすることができ、その結果、加熱温度を低下させることができる。さらに詳細には、表面積の増大により、さらに低い蒸気圧でのエアロゾルの形成を促すことができ、それにより、さらに低い温度で望 ましい量のエアロゾルを形成可能になり、これは、エネルギー必要量の低 下と、無用の熱分解副生成物が形成される可能性の低下と関連づけることができる。特定的な実施形態では、表面積の増大は、気孔率が高く、および/または渦巻き状の表面形状を有する基材を用いることによってもたらすことができる。【0049】基材は特に、厚みに関して特徴づけてもよい。加熱部材から、揮発され る吸引可能な物質への迅速な熱伝達を促すように、基材は比較的薄いのが好ましい。(以後略 たらすことができる。【0049】基材は特に、厚みに関して特徴づけてもよい。加熱部材から、揮発され る吸引可能な物質への迅速な熱伝達を促すように、基材は比較的薄いのが好ましい。(以後略)【0050】図4の実施形態では、吸引可能な物質媒体350は実質的に筒状の形をしているとともに、内面と外面を有する壁352で形成されている。上記のように、基材壁352は実質的に、その中に元々吸引可能な物質を含む ことができる材料(例えばタバコ紙)で形成されていても、吸引可能な物質および/または蒸気形成材もしくはエアロゾル形成材をその中に混入させることができるいずれかのさらなる材料(例えば紙)で形成されていてもよい。吸引可能な物質および/または蒸気形成物質もしくはエアロゾル形成物質に加えて、基材壁は、追加の構成要素を含んでよい。例えば、蒸 気またはエアロゾルが吸引可能な物質媒体の内側の容積内に放出されるのを防いで、吸引可能な物質媒体壁352の外面とカートリッジ本体305の壁の内面によって定められる環状空間319への蒸気またはエアロゾルの放出を促すために、(図4aに示されているように)吸引可能な物質媒体の壁の内面上に蒸気バリア375を含めてよい。上記のような環状空間 は、内側のカートリッジ空間の一部を含むことができる。金属箔のようないずれかの蒸気バリア材料を用いてよい。あるいは、加熱部材が、吸引可能な物質媒体壁352の内面の反対側にある外面と接する実施形態では、蒸気バリアは、吸引可能な物質媒体壁352の外面上にあってもよい。蒸気バリアは、吸引可能な物質媒体350を加熱するときに加熱部材に隣接 する(または接する)壁面上に配置されているのが好ましい。(以後略) 【0051】さらなる実施形態では、吸引可 気バリアは、吸引可能な物質媒体350を加熱するときに加熱部材に隣接 する(または接する)壁面上に配置されているのが好ましい。(以後略) 【0051】さらなる実施形態では、吸引可能な物質媒体は、本発明の物品の動作温度周辺で軟化するか、または相を(特に固体から溶融相に)変化させる材料で形成されていてよい。(中略)同様に、吸引可能な物質媒体は、吸引可能な物質および/またはエアロゾル形成材料でコーティングされた蒸気 バリア層を含んでよい。(以後略)【0052】代替的な実施形態(図4bに示されているものなど)では、カートリッジ本体305は、複数の層で形成されていてよい。例えば、図4bは、カートリッジ本体が、第1の材料で形成された第1の外層306と、同じまたは異なる材料で形成された第2の内層307で形成されている代替的な 実施形態を示している。さらなる層も想定される。第1の外層306は、閉鎖構造を有する材料で形成されているのが好ましい。閉鎖構造とは、エアロゾルまたは蒸気が、カートリッジ本体305の長さに沿って、その吸い口端315に伝わるように、エアロゾルまたは蒸気がその層の内側に入るのをその材料が実質的に防ぐことを意味する。例えば、第1の外層30 6は、すでに上述したように、紙材料または好適なポリマー材料を含んでよい。(以後略)【0053】第2の内層307の厚みは、第1の外層306よりも厚いのが好ましく、約0.8mm~約4mm、約1mm~約3.5mm、または約1.2mm~約3.0mmであることができる。第2の内層は、タバコ基材材料35 0と直接接していてよい。したがって、第2の内層は実質的に開口構造を有するのが好ましい。直接接することにより、第2の内層は、吸引可能な物質媒体350をさらに 第2の内層は、タバコ基材材料35 0と直接接していてよい。したがって、第2の内層は実質的に開口構造を有するのが好ましい。直接接することにより、第2の内層は、吸引可能な物質媒体350をさらに支えることができる。したがって、カートリッジ本体、および特にその第2の内層307は、吸引可能な物質媒体350の実質的に全長(例えば、その長さの少なくとも約75%、少なくとも約8 5%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%)に沿って、吸引 可能な物質媒体350を連続的に支えるものとして特徴づけてよい。開口構造を有することにより、第2の内層は、形成されたエアロゾルまたは蒸気を吸引可能な物質媒体から移動させることができるようになり、その開口構造は、カートリッジ本体の長さに沿って、カートリッジ本体の吸い口端315まで延びているのが好ましい。この様式では、本発明において別 段に記載されているように、カートリッジ本体の内面と、吸引可能な物質媒体の外面によって定められる環状空間319は、カートリッジ本体の、開口構造化された第2の内層に取って代わられているとともに、同じ機能を提供する。したがって、カートリッジの第2の内層内の空隙は、本明細書に別段に記載されているような、環状空間の特徴(例えば体積など)と 実質的に同じ特徴を呈してよい。特有の実施形態では、第2の内層の開口構造は、体積ベースで、その層の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約85%が開口空隙空間であるようになっている。特有の実施形態では、第2の内層の開口空間は、第2の内層の約50体積%~約90体積%、約60体 積%~約85体積%、または約65体積%~約80体積%であってよい。 この比較的厚い多孔質層は る。特有の実施形態では、第2の内層の開口空間は、第2の内層の約50体積%~約90体積%、約60体 積%~約85体積%、または約65体積%~約80体積%であってよい。 この比較的厚い多孔質層は、エアロゾル収集/生成区域をもたらすものとしてとして特徴づけることができ、ある1つの例では、紙またはポリマー材料のアコーディオン層であってよい。あるいは、第2の内層は、セルロースアセテートトウのような材料、綿繊維、または不織多孔質マットを形 成させるのに有用ないずれかの数の材料(スパンボンドポリプロピレン、PLA繊維、PHA繊維、ガラス繊維など)の多孔質マットであってもよい。これは、連続気泡材料と称してよい。【0054】さらなる実施形態では、図4cで見られるように、カートリッジ本体は、実質的に閉じた構造である第1の外層306と、上記のような開口構造を 呈する第2の内層307で形成されていてよく、これらの2つの層は、本 明細書において別段に記載されているように、空隙空間308によって隔てられていてもよい。この様式では、吸引可能な物質媒体350は、実質的に連続的に支えられており、生成された蒸気またはエアロゾルは、第2の内層を通って空隙308に移動できるようになっており、蒸気またはエアロゾルは、実質的に第1の外層を透過することなく、空隙308の長さ に沿って、カートリッジ本体の吸い口端315まで移動できる。いずれかのエアロゾルまたは蒸気が、カートリッジ本体の長さに沿って、この空隙空間内で移動するのを制限せずに、第1の外層を第2の内層と相互連結する1つ以上の支柱309を空隙空間は含んでよい。 概して、カートリッジ300と同様に、吸引可能な物質媒体350の管 状の壁352は、カートリッジ本体305の吸い口端31 の内層と相互連結する1つ以上の支柱309を空隙空間は含んでよい。 概して、カートリッジ300と同様に、吸引可能な物質媒体350の管 状の壁352は、カートリッジ本体305の吸い口端315に近接する第1の端部353と、カートリッジ本体305の嵌合端部310に近接する第2の端部354という対向末端部を有する。吸引可能な物質媒体は特に、カートリッジ本体に、各構成要素の各末端部で取り付けられていてもよい。 このような取り付けは、直接的であっても間接的であってもよい。例えば、 図4では、吸引可能な物質媒体350の第2の端部354は、カートリッジ本体305の嵌合端部310に(具体的にはフランジ302の区域で)直接取り付けられている。(以後略)【0056】上述のように、カートリッジ300の嵌合端部310は、制御ハウジング200の中に挿入できる大きさおよび形である。制御ハウジング200 の受容チャンバー210は、内面と外面を有する壁212によって定められているものとして特徴づけることができ、その内面が、受容チャンバーの内側の容積を定めている。したがって、カートリッジ300の最大外径(または、実施形態の特定の断面形状に応じてその他の寸法)は、制御ハウジングの受容チャンバーの開口端部の壁の内面の内径(またはその他の 寸法)よりも小さい大きさであるのが好ましい。カートリッジが受容チャ ンバーの中にぴったり入るとともに、力を加えずに、摩擦力によってカートリッジの移動を防ぐように、各寸法の差は充分に小さいのが理想である。 一方、必要以上の力を要することなく、受容チャンバー内でカートリッジをスライドできるように、またはさもなければ、割り送れるように、上記の差は充分でなければならない。代替的な実施形態では、カートリッジ 、必要以上の力を要することなく、受容チャンバー内でカートリッジをスライドできるように、またはさもなければ、割り送れるように、上記の差は充分でなければならない。代替的な実施形態では、カートリッジ (またはその一部)が制御ハウジングの受容チャンバーの上および周囲でスライドするように、物品10を構成させてよい。例えば、カートリッジオーバーラップ部380の内径が、受容チャンバーの端部における制御ハウジングの外径よりも大きくなるように、カートリッジを構成させてよい。 この様式では、カートリッジオーバーラップ部が、制御ハウジングの上で スライドするが、それでもなお、カートリッジのさらなる構成要素は、制御ハウジングの受容チャンバーの中に挿入できるものとみなすこともできる。【0058】好ましい実施形態では、物品10は、紙巻きタバコまたは葉巻形状に匹敵する大きさを取ってよい。(中略)図4で見られるように、カートリッ ジのオーバーラップ部380は、吸い口端315に、直径が増大した区域を有するように形成してよい。この直径増大区域は好ましくは、その直径が少なくとも、制御ハウジングの受容端部の寸法となるようになっている。 したがって、カートリッジが制御ハウジングの受容チャンバーの中に全部入るのを防ぐ止め具として機能するように、吸い口端壁316が形成され ている。【0059】吸い口端壁は、その壁からカートリッジの吸い口末端までの距離として、カートリッジの吸い口端を定めてよい。これは、図4に示されている直径増大区域であってよい。【0060】制御ハウジング200とカートリッジ300は同様に、全体の長さに関 して特徴づけてもよい。(中略)制御ハウジングの長さは、制御部205 と受容端部(受容チャンバー210によっ 0】制御ハウジング200とカートリッジ300は同様に、全体の長さに関 して特徴づけてもよい。(中略)制御ハウジングの長さは、制御部205 と受容端部(受容チャンバー210によって、または突出部225によって定めてよい)との間で実質的に等分割してよい。あるいは、制御部205と受容端部のいずれか一方が、制御ハウジングの全長の約55%、約60%、約65%、または約70%を含んでもよい。【0061】突出部は、各種の材料で形成されていてよい。特有の実施形態では、突 出部を断熱材で形成するのが有用であり得る。加熱部材から突出部ではなく、吸引可能な物質媒体への熱流量を最大化するために、これが望ましいことがあり得る。【0062】カートリッジオーバーラップ部380は、追加の構造および/または大きさをカートリッジ本体305にもたらすのに有用ないずれかの材料で形 成されていてよい。(中略)【0063】あるいは、オーバーラップ部は存在しなくてもよく、吸引可能な物質媒体の長さが単に、カートリッジ本体よりも実質的に短くてもよい。同様に、オーバーラップ部とカートリッジ本体を本質的に一体化して、本明細書において別段に記載されているような、両方の要素の機能をもたらす単一の 要素にしてもよい。(中略)したがって、本発明は、いずれの実施形態においても、周囲空気を環状空間中に直接(例えば、吸引可能な物質媒体の第2の端部を通る必要なしに)流入させる必要性に応じて、構成要素内の孔または開口の存在を含む。【0064】オーバーラップ部は、カートリッジの吸い口端に特定の特性をもたらす 機能も果たすことができる。例えば、オーバーラップ部の構造および/または形および/または寸法は、ユーザーの口内で従来の紙巻きタバコの ーラップ部は、カートリッジの吸い口端に特定の特性をもたらす 機能も果たすことができる。例えば、オーバーラップ部の構造および/または形および/または寸法は、ユーザーの口内で従来の紙巻きタバコの感覚をもたらす機能を果たすことができる。(以後略)【0065】エアロゾルと香味の送出を最大化するために(最大化しなければ、オーバーラップ部380を介した放射状の空気(すなわち外気)の侵入により、 エアロゾルと香味が薄くなることがある)、非多孔質のタバコ巻紙層を1 つ以上用いて、カートリッジ(オーバーラップ部の有無は問わない)を包んでもよい。(中略)オーバーラップ部は、本発明の物品を使用中に形成される蒸気を実質的に通さない材料であるのが好ましい。所望に応じて、オーバーラップ部は、弾性板紙材、箔で裏打ちされた板紙、金属、ポリマー材料などを含むことができ、この材料をタバコ巻紙ラップで取り囲むこ とができる。さらに、オーバーラップ部380は、構成要素を取り囲むチップペーパーを含んでよく、任意により、本明細書において別段に記載されているように、チップペーパーを用いて、フィルター材料をカートリッジ300に取り付けてよい。【0068】再び図4を参照すると、カートリッジ300の吸い口端315における オーバーラップ部部分が実際に、カートリッジ本体305の端部を越えて延びているとともに、蒸気および/またはエアロゾルが物品10から消費者の方に自由に移動できるようにする開口部381を含むことを見ることができる。いくつかの実施形態では、具体的には、本発明の物品のこの区域(カートリッジ本体305の吸い口端315とオーバーラップ部380 の吸い口末端(図6に示されているようなもの)との間に配置されている区域など)にフィルター 具体的には、本発明の物品のこの区域(カートリッジ本体305の吸い口端315とオーバーラップ部380 の吸い口末端(図6に示されているようなもの)との間に配置されている区域など)にフィルター材料を含むのが望ましいことがある。したがって、カートリッジの吸い口端は、(すなわちフィルター材料の存在によって、および/または開口部の大きさによって)部分的にふさがっているものとしてとして特徴づけてよい。これは、消費者に送出される吸引可能な物質 の濃度を限定したり、または、吸引抵抗を制御したりするのに有益であり得る。あるいは、フィルターを介して送出されるエアロゾルをあまり制限しないように、用いるいずれのフィルター材料も、比較的低い除去効率を有するように設計してよい。【0069】制御ハウジング200は、電気加熱部材400に電力を供給する電気エ ネルギー源220を含む。このエネルギー源は、そのエネルギー源から延 びている突出部225を含み、その突出部の末端部が、ほぼ受容チャンバー210の端部まで延びるようになっている。絶縁特性を付与できるとともに、突出部がカートリッジの吸い口端315を貫通するような距離で、カートリッジ300が制御ハウジングの中に入り込むのを防ぐ完全止め具として機能することもできる基部230によって、電気エネルギー源は囲 まれている。突出部は、吸引可能な物質媒体350の壁352の内面によって定められる内側空間内でスライドする寸法になっている。吸引可能な物質媒体を加熱して、吸引可能な物質を放出させるように、突出部は、電気加熱部材を吸引可能な物質媒体に充分に近接させる(好ましくは吸引可能な物質媒体と直接接触させる)寸法にもなっている。したがって、広く はカートリッジまたはカートリッジ本体305の嵌 部は、電気加熱部材を吸引可能な物質媒体に充分に近接させる(好ましくは吸引可能な物質媒体と直接接触させる)寸法にもなっている。したがって、広く はカートリッジまたはカートリッジ本体305の嵌合端部310は具体的には、電気エネルギー源の少なくとも1つの構成要素(すなわち突出部225)を受容するのに充分な大きさおよび形を有する開口部を含むものとして特徴づけることができる。【0070】電気エネルギー源220は、電源275(図6に示されている)と電気 的に接続しているとともに、図4に示されているように、スイッチによる始動によって、接点410を介するなどして、電気エネルギーを加熱部材400に供給する電気ソケットとして特徴づけることができる。いくつかの実施形態では、この接点は、ソケットまたは電気エネルギー源220の中に永久的に挿入されていてもよい。別の実施形態では、接点が電気エネ ルギー源に永久的には挿入されておらず、接点が移動して電気エネルギー源と電気的に接続するようになるように充分にカートリッジ300が受容チャンバー210の中に挿入されているときのみに、接点が電気エネルギー源と電気的に接続するという点で、電気エネルギー源は、より文字どおりのソケットとして機能してもよい。さらに別の実施形態では、導電体2 22(図9で見られるような導電体)が突出部に存在し、電気加熱部材 (またはその一部)が導電体と接触しているときのみに電気加熱部材400が電気エネルギー源から電気エネルギーを受け取るという点で、突出部225は、電気エネルギー源の伸張部として機能できる。【0071】電気加熱部材400は、消費者が吸入するための吸引可能な物質の放出を促すのに充分な熱を供給するのに適するいずれかの装置であることがで き エネルギー源の伸張部として機能できる。【0071】電気加熱部材400は、消費者が吸入するための吸引可能な物質の放出を促すのに充分な熱を供給するのに適するいずれかの装置であることがで きる。特定の実施形態では、電気加熱部材は抵抗加熱要素である。(中略)図4で見られるように、電気加熱部材は、突出部225の末端部の近くに配置されたコイル405として構成され、接点410がそのコイルを電気エネルギー源に接続させている。このようなコイル(および任意によりリード線)は、上記されているようないずれかの好適な材料で形成されてい てよく、上記のような特性を呈するのが好ましい。【0072】別の実施形態では、加熱部材400は、他の構成を取ることができる。 例えば、吸引可能な物質媒体350の部分のうち、個々の加熱要素と直接接する部分のみを加熱するように、個別に制御される個々の加熱要素のアレイを加熱部材は含んでよい。より迅速かつ所要伝導率がより低い伝導加 熱をもたらす能力を考えると、このような直接的な接触の方が好ましいことがある。例えば、突出部225は、カートリッジ300内の吸引可能な物質媒体の形に対応する形をした上記のようなアレイを含んでよい。(以後略)【0073】さまざまな考え得るヒーター構成を考えると、本発明は、吸引可能な物 質媒体350を加熱要素(単一または複数)にコーティング、積層、またはさもなければ直接取り付けてよい実施形態も含む。(以後略)【0074】特定的な実施形態では、加熱部材は、吸引可能な物質媒体と一体的であることができる(以後略)【0075】 さらなる実施形態では、本明細書に記載されているさまざまな構造によ る従来の加熱部材は、吸引可能な物質媒体に少なくとも部分的に組み込 体的であることができる(以後略)【0075】 さらなる実施形態では、本明細書に記載されているさまざまな構造によ る従来の加熱部材は、吸引可能な物質媒体に少なくとも部分的に組み込まれるように、吸引可能な物質媒体と組み合わせてもよい。例えば、図12を参照すると、加熱コイル407の少なくとも一部が完全に、吸引可能な物質媒体の外壁および内壁内に配置されるように、加熱コイル407は、吸引可能な物質媒体350と一体形成されていてもよい。このような実施 形態では、電気接点410は、吸引可能な物質媒体の外に延びていてよい。 さらなる実施形態では、吸引可能な物質媒体上に存在する蒸気バリアが加熱部材としても機能してよい。【0076】制御ハウジング200は、好ましくは制御部205内に存在する追加の構成要素をさらに含むことができる(ただし、そのような追加の構成要素 の1つ以上が、完全または部分的に受容チャンバー210内に配置されていたり、または受容チャンバーと通じていたりしてもよい)。(以後略)【0077】制御構成要素は特に、吸引可能な物質媒体350に供給される熱の量を綿密に制御するように構成できる。1回の吸煙で望まれる量の吸引可能な 物質をもたらすのに充分な体積でエアロゾル形成物質を揮発させるのに必要な熱は、用いるそれぞれの特定の物質においてさまざまであることができるが、加熱部材が少なくとも120℃、少なくとも130℃、または少なくとも140℃の温度まで加熱するのが特に有用であり得る。(中略)本発明は特に、本発明の物品の構成要素を組み合わせたものと、比較的低 温で、吸引可能な物質を望ましい量でもたらす使用法とを提供することができる。したがって、「もたらす」とは、本発明の物品内でのエアロゾルの生成と の物品の構成要素を組み合わせたものと、比較的低 温で、吸引可能な物質を望ましい量でもたらす使用法とを提供することができる。したがって、「もたらす」とは、本発明の物品内でのエアロゾルの生成と、本発明の物品から消費者への送出の一方または両方を指すことができる。(中略)加熱の温度と持続時間は、本明細書にさらに説明されているように、エアロゾルと、カートリッジ本体305の壁の内面と、吸 引可能な物質媒体350の壁352の外面とによって定められた環状空間 319を通じて引き込まれるのが望ましい周囲空気との所望の体積に依存してもよい。しかしながら、本発明の物品は、所望の温度に到達するまでのみ加熱部材にエネルギーが付与されるように構成されていてもよいので、持続時間は、加熱部材の加熱速度によって異なってもよい。あるいは、加熱持続時間は、消費者による物品の吸引持続時間と結び付けてもよい。加 熱の温度と時間は、上記のように、制御ハウジングに含まれる1つ以上の構成要素によって制御できる。【0078】本発明の物品10によって放出される吸引可能な物質の量は、その吸引可能な物質の性質に基づきさまざまであることができる。物品10は、使用時にわたって望ましい量を放出させるように、充分な量の吸引可能な物 質、かつ充分な量のいずれかのエアロゾル形成材で、充分な温度にて充分な時間機能するように構成されているのが好ましい。この量は、物品10からの1回の吸入でもたらされてもよく、あるいは、何回もの物品からの吸煙を通じて、比較的短時間(例えば30分未満、20分未満、15分未満、10分未満、または5分未満)にわたりもたらされるように分割して もよい。(以後略)【0079】図4を参照すると、本発明の物品10の特定的な実施形態であっ 未満、20分未満、15分未満、10分未満、または5分未満)にわたりもたらされるように分割して もよい。(以後略)【0079】図4を参照すると、本発明の物品10の特定的な実施形態であって、吸引可能な物質媒体350の分割加熱をもたらすように、本発明の物品が割り送り可能である実施形態が示されている。使用時には、この実施形態によれば、カートリッジ300の嵌合端部310(カートリッジ壁305の 端部を越えて存在および延びているいずれかのオーバーラップ部を含む)を制御ハウジング200の受容チャンバー210に挿入する。図7にさらに明確に示されているように、カートリッジの嵌合端部を、最小限の機能可能な距離で受容チャンバーの中にスライドさせると、吸引可能な物質媒体350の少なくとも一部分を加熱できるように、吸引可能な物質媒体3 50、電気加熱部材400、および電気エネルギー源220が整列する。 このような整列は、これらの3つの構成要素の断面が直接整列することに起因し得る(例えば、吸引可能な物質媒体350、電気加熱部材400、および電気エネルギー源220の伸張部として機能する突出部225のすべての一部分を整列区域の断面が含むことができるように、これら3つの構成要素を整列させる)。あるいは、吸引可能な物質媒体350と電気加 熱部材400のみの断面が直接整列するようにしてもよいが、電気加熱部材が、電気エネルギー源220と電気的に接続するように、電気エネルギー源220と整列するという点で、電気エネルギー源220は、電気加熱部材と整列しているとみなしてよい。これは、機能可能な整列と称してよい。【0080】 図4および図7に示されている実施形態は、吸引可能な基材媒体350の分割加熱をもたらし、この分割加熱は、 と整列しているとみなしてよい。これは、機能可能な整列と称してよい。【0080】 図4および図7に示されている実施形態は、吸引可能な基材媒体350の分割加熱をもたらし、この分割加熱は、吸引可能な基材媒体の第2の端部354から、吸引可能な基材媒体の第1の端部353に軸方向に進む。 図7で見られるように、突出部225に取り付けられているとともに、電気エネルギー源220と電気的に接続している加熱部材400が、管状の 吸引可能な物質媒体の中央空洞部351の内側に配置されているようにするのに必要な最短の距離で、カートリッジ300が制御ハウジング200の受容チャンバー210の中に挿入されている。この実施形態では、吸引可能な物質媒体の第2の端部354は分割されており、分割端部は、カートリッジ本体305の嵌合端部310への取り付け点となっている。吸引 可能な物質媒体の第2の端部の分割されている性質は、環状空間319への空気の侵入を促すように、カートリッジの嵌合端部310に1つ以上の開口部が設けられるものであることができる。特定的な実施形態では、分割端部はフレア型であることもでき、これにより、吸引可能な物質媒体の管状の本体が、吸引可能な物質媒体の分割端部の直径よりも小さい直径を 有することができるようになる。このような分割および(任意により)フ レア型の配置は、吸引可能な物質媒体をカートリッジ本体内にゆるみなく張ること、管状のカートリッジ本体の直径よりも小さい直径を有する管状の吸引可能な物質媒体の構成、吸引可能な物質媒体の壁352の外面とカートリッジ本体の壁の内面によって定められる環状空間を通る空気の経路の提供のうちの1つ以上を促す。したがって、カートリッジの嵌合端部か らカートリッジの吸い口端315までの流 壁352の外面とカートリッジ本体の壁の内面によって定められる環状空間を通る空気の経路の提供のうちの1つ以上を促す。したがって、カートリッジの嵌合端部か らカートリッジの吸い口端315までの流体経路を実質的に、カートリッジ本体壁の内面と吸引可能な物質媒体壁の外面との間の環状空間319を通る経路に限定するような流路を含むものとして、カートリッジを特徴づけることができる。【0081】さらなる実施形態では、その他の手段を設けて、環状空間へ空気を流入 させることができる。例えば、吸引可能な物質媒体は、カートリッジ本体に直接取り付けられているフェルールに取り付けられていてもよい。このような実施形態では、フェルールおよび/または吸引可能な物質媒体の部分のうち、フェルールに近い部分に孔をあけてもよい。あるいは、カートリッジ(および任意により、オーバーラップ部が存在するときにはオーバ ーラップ部)は、空気を直接環状空間に流入させる開口または孔を含んでよい。【0082】カートリッジ本体305とカートリッジオーバーラップ部380の構成は、カートリッジ本体の周囲と、カートリッジ本体とオーバーラップ部との間の空気経路をかなり防ぐようなものが好ましい。したがって、図7に 示されているように、カートリッジ本体の嵌合端部310にあるフランジ302は、フランジの外縁が、カートリッジオーバーラップ部の外周全体にわたって、カートリッジオーバーラップ部と直接接するような大きさを有する。【0083】受容チャンバー210の内側に周囲空気が侵入できるように、受容チャ ンバー壁212は、その中に1つ以上の開口213を含むことができる。 消費者がカートリッジ300の吸い口端を吸うと、空気が受容チャンバーの中に引き込まれ、 侵入できるように、受容チャ ンバー壁212は、その中に1つ以上の開口213を含むことができる。 消費者がカートリッジ300の吸い口端を吸うと、空気が受容チャンバーの中に引き込まれ、カートリッジの中に移動し、吸引可能な物質媒体350の分割およびフレア型の第2の端部354を通じて引き込まれ、吸引可能な物質媒体とカートリッジ本体305との間の環状空間319に入り、消費者による吸入のために、カートリッジフレーム部材360内の開口空 間を通ることができる。オーバーラップ部380が存在する実施形態では、引き込まれた空気は、任意のフィルター390(図6に示されている)を介して、オーバーラップ部の吸い口端にある開口部381の外に、吸引可能な物質を運ぶ。【0084】(吸引可能な物質媒体350の第2の端部354の分割およびフレア型 の性質とともに、)カートリッジ本体305の嵌合端部310にある、カートリッジ本体305の幅広な開口部によって、管状の吸引可能な物質媒体350の内側の空間中への突出部225(その上に加熱部材400を有する)の誘導しやすさが促進される。吸引可能な物質媒体の管状部分の先頭区域の内側に配置された加熱部材では、加熱部材を始動させて、吸引可 能な物質媒体を加熱して、吸引可能な物質媒体とカートリッジ本体との間の環状空間に、吸引可能な物質を放出させることができる。いくつかの実施形態では、加熱部材の始動により、吸引可能な物質媒体のエアロゾル形成材料および/または吸引可能な物質を揮発させて、周囲空気が環状空間を通じて引き込まれ、揮発した材料(単一または複数)をエアロゾル化し て、空気中に混入させて、消費者による吸入のために、環状空間を通じて、吸い口端まで流すようにしてよい。【0085】物理的 じて引き込まれ、揮発した材料(単一または複数)をエアロゾル化し て、空気中に混入させて、消費者による吸入のために、環状空間を通じて、吸い口端まで流すようにしてよい。【0085】物理的に、制御ハウジング200の構成要素である加熱部材400によって分割加熱をもたらす実施形態では、加熱部材は典型的には、突出部225の上に、所定の長さの部分のみに沿って存在することになる。図4お よび図7に示されているように、加熱部材が配置されている区域は、受容 チャンバー210の開口端部における突出部の端部に近接していることができる。(以後略)【0086】管状の吸引可能な物質媒体の内側空間内でのエアロゾルまたは蒸気の形成を低減または防止するとともに、上記の環状空間内でのエアロゾルまたは蒸気の形成を最大化するように、上記のように、(図4aに示されてい るような)蒸気バリア375が、吸引可能な物質媒体350の壁352の内面上に存在してよい。さらに、管状の吸引可能な物質媒体の内側空間内に加熱部材400が存在することにより、蒸気と加熱部材との相互作用に起因することがある蒸気損失を低減できる。さらに、このような配置は、(上記のように)吸引中に物品内を流れる空気流から加熱部材を分離する 機能を果たすことができる。これは、加熱部材から吸引可能な物質媒体への熱の伝達を最大化するのに、すなわち、所望のエアロゾルの形成と吸引可能な物質の放出をもたらしつつ、加熱温度の低下および/または加熱持続時間の短縮化を可能にするのに有益であり得る。【0087】加熱中に放出されるエアロゾルまたは蒸気、および吸引可能な物質の内 容は、各種の要因に基づくことができる。いくつかの実施形態では、吸引可能な物質媒体350とカートリッジ本体305 87】加熱中に放出されるエアロゾルまたは蒸気、および吸引可能な物質の内 容は、各種の要因に基づくことができる。いくつかの実施形態では、吸引可能な物質媒体350とカートリッジ本体305(または、カートリッジとオーバーラップ部が一体化されている実施形態では外装体)との間の環状空間319が、所定の容積を有するのが有用であり得る。(中略)各種の実施形態では、1回の吸煙で生成されるエアロゾルの総体積は、環状空 間の容積よりも大きくてもよい。形成されるエアロゾルは、環状空間内に引き込まれる空気であって、エアロゾルと組み合わさって、総吸煙容量として消費者に送られる空気とともに連続的に押し流されるからである。 (以後略)【0088】上記から、実ヘッドスペースと動的ヘッドスペースの両方をもたらすこ とに関連させて、環状空間を定めることができることは明らかである。環 状空間は、吸引可能な物質媒体の長さ、吸引可能な物質媒体およびカートリッジの相対的直径、ならびに各構成要素の実際の形に基づき定量化可能な容積を有する点で、環状空間は実ヘッドスペースをもたらす。これに対し、本発明の物品が、1回の吸煙中に環状空間の実容積を満たすのに充分である体積のみのエアロゾルの生成に限定されない点で、環状空間は動的 ヘッドスペースとして定めることができる。むしろ、1回の吸煙中に、エアロゾルを連続的に形成させてよく、形成されたエアロゾルは吸煙中に、連続的に環状空間から引き出される。したがって、環状空間は、1回の吸煙中に環状空間を通じて引き出される総吸煙容量の観点で定量化できる動的ヘッドスペースをもたらす。この動的ヘッドスペースは、吸引強度およ び吸煙の長さに応じて、吸煙間でさまざまであってよい。動的ヘッドスペースの容積は、特定 れる総吸煙容量の観点で定量化できる動的ヘッドスペースをもたらす。この動的ヘッドスペースは、吸引強度およ び吸煙の長さに応じて、吸煙間でさまざまであってよい。動的ヘッドスペースの容積は、特定の実施形態では、約2秒の平均吸煙時間において、上記のとおりであってよい。【0089】いくつかの実施形態では、突出部225上の加熱部材400が、管状の吸引可能な物質媒体350の最初の加熱可能区域または部分中に正確に配 置されるように、カートリッジ300がいつ受容チャンバー210への最短挿入距離に達したかを示す何らかの表示を設けるのが有用なことがある。 例えば、カートリッジは、その外側(例えばカートリッジオーバーラップ部380の外面)に1つ以上のマーク(または目盛り尺)を含んでよい。 単一のマークが、(例えば図7に示されているように)使用するためのこ の最初に位置に達するのに必要な挿入深さを示していてもよい。吸引可能な物質媒体の区域のうち、吸引可能な物質の放出のためにまだ加熱されていない新たな区域上に加熱部材を配置するために、カートリッジを受容チャンバー中に割り送らなければならない距離を、さらなるマークが示していてもよい。(以後略)【0090】 図8は、本発明の実施形態の分割加熱をさらに示している。加熱部材4 00が図7に関して始動し、消費者による吸入のために、吸引可能な物質媒体350の加熱区域上の吸引可能な物質が放出されたら、電気加熱部材がその上に存在する突出部225の区域を通り過ぎてカートリッジ300が割り送られるように、カートリッジ300を受容チャンバー210の中にさらに割り送る。図8は、前記割り送りを行った後の物品10を示して いる。加熱部材は、管状の吸引可能な物質媒体内で、カートリッジ本体3 るように、カートリッジ300を受容チャンバー210の中にさらに割り送る。図8は、前記割り送りを行った後の物品10を示して いる。加熱部材は、管状の吸引可能な物質媒体内で、カートリッジ本体305の吸い口端のさらに近くに、かつ、吸引可能な物質媒体のすでに加熱済みの区域を越えて配置されている。(中略)ユーザーは、記載したような、カートリッジ上の目盛り付きマークによって、または、カートリッジが受容チャンバー内の別のノッチを通過したときの触覚によって(いずれ もすでに上で説明されている)、カートリッジを受容チャンバーの中に押し入れる必要がある適切な距離を判断してもよい。【0091】別の実施形態では、物品10は、カートリッジ300の受容チャンバー210内での割り送りを促すのに有用なさらなる構成要素を含んでよい。 (以後略)【0092】 押しボタン15の代わりに(または押しボタン15に加えて)、本発明の物品10は、消費者が物品を吸うのに応じて、加熱部材400にエネルギーを供給する(すなわち吸煙始動式加熱)構成要素を含むことができる。 (以後略)【0093】消費者が物品10の吸い口端を吸うと、電流始動手段によって、抵抗加 熱部材400を通る無制限または連続的な電流流動を可能にして、熱を迅速に発生させることができる。迅速な加熱により、(i)加熱部材を通る電流流動を調節して、抵抗要素の加熱と、抵抗要素がさらされる温度とを制御するため、および(ii)吸引可能な物質媒体350の過熱と劣化を防ぐために、電流調節構成要素を含めるのが有用であり得る。【0094】 上記を踏まえると、各種の機構を用いて、加熱部材400への電流の始 動/停止を促すことができることが分かる。(以後略)【0096】分割加 のが有用であり得る。【0094】 上記を踏まえると、各種の機構を用いて、加熱部材400への電流の始 動/停止を促すことができることが分かる。(以後略)【0096】分割加熱をもたらすさらなる実施形態では、吸煙による加熱部材400の始動は、受容チャンバー210中のカートリッジ300の移動に結び付けてよい。(以後略)【0097】本発明の物品10のさまざまな電気的構成要素に電力を供給するために 用いる電源275は、さまざまな実施形態を取ることができる。(以後略)【0098】物品10は、(図1に示されているように)1つ以上のインジケーター219も含んでもよい。このようなインジケーター219は、本発明の物品の複数の使用局面を通知できるライト(例えば発光ダイオード)であっ てもよい。(以後略)【0100】本発明の用具で用いる各種の材料(ヒーター、バッテリー、コンデンサー、開閉構成要素など)について説明してきたが、本発明は、例示された実施形態のみに限定されるものとして解釈すべきではない。むしろ、当業者であれば、本開示に基づき、本発明のいずれかの特定の構成要素と入れ 替えることができる、当該分野における類似の構成要素を認識できる。 (以後略)【0101】特定の実施形態に関して、本発明の物品について論じてきたが、本発明は、各種のさらなる実施形態も含む。例えば、図8aは、図8の実施形態を示しているが、制御ハウジング200は、受容チャンバーを含まない。 むしろ、(図8bに示されているように、)制御ハウジングは、受容端部211を含むものとして説明できる。このような受容端部は、受容チャンバーを含む実施形態に関して別段に記載されている構成要素のすべてを含むことができる。しかしながら、チ 、)制御ハウジングは、受容端部211を含むものとして説明できる。このような受容端部は、受容チャンバーを含む実施形態に関して別段に記載されている構成要素のすべてを含むことができる。しかしながら、チャンバー壁はなく、さらなる構成要素(例えば突出部225)が受容端部を定めるとともに、制御ハウジングの 制御部分から延びるようになっている。【0102】 上記の説明では特に、電気加熱部材400が突出部225に取り付けられているか、またはさもなければ、制御ハウジング200の構成要素部分として設けられている分割加熱について説明してきたが、図9には、電気加熱部材がカートリッジ300の構成要素部分である分割加熱の別の実施形態が示されている。このような実施形態では、加熱部材(この実施形態 では加熱コイル406)は特に、管状の吸引可能な物質媒体350の内側空間内に存在でき、加熱部材はこの空間内に、摩擦力によって、および/または、加熱コイルによって吸引可能な物質媒体に加えられる外向きの圧力(例えば、加熱コイルがばね作用を呈するとともに、挿入前にある程度圧縮される場合)によって、および/または、少なくとも部分的に吸引可 能な物質媒体内に埋め込むことによって保持してよい。【0103】このような実施形態における物品10の使用法は、上記の使用法と実質的に同じであることができる。具体的には、消費者は、カートリッジ300を制御ハウジング200の受容チャンバー210の中に挿入できる(または、チャンバー壁がない場合には、カートリッジを突出部225上でス ライドさせることができる)。カートリッジを受容チャンバーの中にスライドさせるときに、カートリッジの構成要素は、突出部225と整列して、突出部225を受容するように、カートリッジ内 5上でス ライドさせることができる)。カートリッジを受容チャンバーの中にスライドさせるときに、カートリッジの構成要素は、突出部225と整列して、突出部225を受容するように、カートリッジ内に配置できる。吸引可能な物質媒体350の加熱のために、すべての構成要素を整列させるのに必要な最短距離は、突出部上に存在する導電体222が加熱コイル406と 電気的に接続するのに(または、代替的な電気的接続体を機能可能に嵌合させるのに)必要な距離であることができる。導電体間の加熱コイル部分のみで電流が流れることができるという点で、分割加熱をもたらす。吸引可能な物質媒体350の最初の区域が加熱されたら、導電体が、カートリッジの次の区域の加熱コイルと接触できるように、カートリッジの割り送 りを上記のように進めることができる。吸引可能な物質媒体全体が使われ るまで(すなわち、吸引可能な物質とエアロゾル形成材料が吸引可能な物質媒体から放出されるまで)、吸煙始動式加熱と、それに続く割り送りが継続してよい。【0104】概して、一度に吸引可能な物質媒体の一部のみを加熱する様式では、本発明の分割加熱の実施形態は、加熱要素と吸引可能な物質媒体のいずれの 組み合わせにも起因できる。すなわち、用具を1回吸煙するごとに、加熱のために、吸引可能な物質媒体の本質的に新たな区域が加熱要素と整列する。したがって、本発明は、本明細書に記載されている分割加熱実施形態であって、いずれかの所定の時点に、吸引可能な物質媒体の一部のみが加熱されるように、吸引可能な物質媒体と加熱部材の一方または両方(カー トリッジと制御ハウジングまで延びていてもよい)を操作し、その操作によって、その後の各吸煙時に、加熱部材を吸引可能な物質媒体の新たな部分に配置する な物質媒体と加熱部材の一方または両方(カー トリッジと制御ハウジングまで延びていてもよい)を操作し、その操作によって、その後の各吸煙時に、加熱部材を吸引可能な物質媒体の新たな部分に配置する実施形態のいずれの変形形態も含む。例えば、制御ハウジングまたはカートリッジの一方を、(もう一方は動かさないで)ひねることは、ヒーターを吸引可能な物質媒体の新たな区域に配置するのに有効であ ることがある(任意により、カートリッジを制御ハウジングの受容チャンバー内で、内側または外側の方に動かしながら行う)。このような実施形態では、加熱部材は、吸引可能な物質媒体と実質的に同じ長さであってよい側面加熱要素(または一連の加熱要素)を含んでよい。【0105】図9で見られるように、導電体222が突出部225上に、受容チャン バー210の開口端部における突出部225の端部に近接して存在するのが好ましいことがある。したがって、上記との関連で、加熱が行われるときに、電気加熱コイル406の区域のうち、突出部225と電気的に接続している区域に近接する、吸引可能な物質媒体350の部分のみが加熱されるように、導電体222は、電気加熱コイル406の個別の区域と電気 的接続を形成する。(中略)【0106】 上記の説明に関して分かるように、本発明は、吸引可能な物質媒体350の分割加熱をもたらす物品10を含む。特に、加熱部材400は、再利用可能であることも、制御ハウジング200の構成要素として設けることも、突出部225の一部のみに設けることもできる。したがって、毎回、使用中に、吸引可能な物質媒体350の一部のみが加熱部材400と接し ている。消費者による使用の際に、カートリッジ300がコントローラー200の受容チャンバー210の中に る。したがって、毎回、使用中に、吸引可能な物質媒体350の一部のみが加熱部材400と接し ている。消費者による使用の際に、カートリッジ300がコントローラー200の受容チャンバー210の中に挿入されるまでは、吸引可能な物質媒体350のいずれの部分も、加熱部材400と物理的に接触したり、または加熱部材400に近接したりしない。別の実施形態では、加熱部材400は、使い捨て式であることも、カートリッジ300の構成要素として 設けることもできる。いずれの実施形態でも、加熱部材400は、電気エネルギー源220に接続するための接点410または導電体222(例えば電気エネルギー源220内のソケットに直接挿入するための接点410または導電体222、または電気エネルギー源220の突出部225に形成された接点410または導電体222)を一組しか必要としない。【0 107】分割加熱を用いるときには、吸引可能な物質媒体350は、所望に応じて、放出、量、および香味のさまざまな面を制御するように修正できる。 例えば、加熱される別個の区域のそれぞれが、実質的に同じ含有量の吸引可能な物質を放出させるように、吸引可能な物質を吸引可能な物質媒体3 50の上または中に均一に分散させてもよい。あるいは、吸引可能な物質媒体350の最初の区域(すなわち、吸引可能な物質媒体350の第2の端部にある区域)であって、加熱部材400と接する区域に、吸引可能な物質が多く搭載されてもよい。(中略)同様に、吸引可能な物質媒体350の区域のうち、加熱部材400によって加熱される最後の区域のような 1つの区域は、吸引可能な物質媒体350の残りの部分と異なる香味また はその他の材料を含んでよい。このように香味またはその他の材料が最後に放出されることは 熱される最後の区域のような 1つの区域は、吸引可能な物質媒体350の残りの部分と異なる香味また はその他の材料を含んでよい。このように香味またはその他の材料が最後に放出されることは、カートリッジ300が使い終わったことを消費者に通知する合図として機能してよい。したがって、分割加熱により、各加熱区域において、一定の量の吸引可能な物質をもたらすことも、進行についての明確は通知をもたらすことも、消費者が本発明の用具をさらに高度に 制御できるようにすることもできるのが分かる。【0108】各種の実施形態では、本発明の物品は、所与の時間に加熱されるかまたは最大限に加熱される吸引可能な物質媒体の総面積に関して特徴づけることができる。(以後略)【0109】別の実施形態では、物品10は、吸引可能な物質媒体350の一括加熱 をもたらすことができる。このような実施形態の1つが図10に示されており、この図では、加熱部材(加熱コイル407として示されている)が制御ハウジング200の構成要素として設けられている。図4に示されている実施形態と同様に、加熱コイルが突出部225を取り囲んでおり、電気接点410が加熱コイルから電気エネルギー源220内のソケットの中 まで延びている。しかしながら、加熱コイルは、突出部の小さい区域上のみに存在するのではなく、突出部の実質的に全長に沿って存在している(突出部の広い区域上に存在しているものとして説明してもよい)。(以後略)【0112】図11は、図10の実施形態であって、カートリッジ300が制御ハウ ジング200の受容チャンバー210の中に完全に挿入されている実施形態を示している。分割加熱とは異なり、一括加熱の実施形態では、カートリッジの完全な挿入は、カートリッジの使用 00が制御ハウ ジング200の受容チャンバー210の中に完全に挿入されている実施形態を示している。分割加熱とは異なり、一括加熱の実施形態では、カートリッジの完全な挿入は、カートリッジの使用を開始するためにカートリッジを典型的に挿入できる距離に対応できる。当然ながら、完全挿入は必須ではなく、消費者は、加熱中に放出される吸引可能な物質およびいずれか のエアロゾル形成材の量を減少させるために、カートリッジを部分的にの み挿入する選択肢を有することができる。1回または2回の加熱サイクル後、加熱コイル407が、実質的に吸引可能な物質媒体350の全長(例えば、吸引可能な物質媒体の長さの少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%)と接するように、カートリッジをさらに受容チャンバーの中に割り送りしてよい。最初の吸煙で、大量の吸引可能な物質 をもたらすとともに、2回目以降の各吸煙時に、1回目よりも少なく、より一定的な量をもたらすのが望ましいことがある実施形態で、一括加熱は有用であり得る。【0113】図12は、一括加熱のさらなる実施形態であって、加熱コイル407がカートリッジ300の構成要素として設けられており、すなわち、使い捨 て式である実施形態を示している。このような実施形態では、カートリッジが制御ハウジング200の受容チャンバー210の中に完全に挿入されているときに、加熱コイルの電気接点410が電気エネルギー源220のソケットと電気的に接続するように、電気接点410を構成させることができる。電気加熱部材(すなわちコイル407)がカートリッジ内におい て、吸引可能な物質媒体350の長さの約75%~約100%である部分に沿って存在するのが好ましいことがあり得る。【0114】カートリ 部材(すなわちコイル407)がカートリッジ内におい て、吸引可能な物質媒体350の長さの約75%~約100%である部分に沿って存在するのが好ましいことがあり得る。【0114】カートリッジ300と制御ハウジング200は、広くは完全な喫煙物品または医薬送達物品として併せて提供することができるが、構成要素を別々に提供してもよい。例えば、本発明は、再利用可能な喫煙物品または再 利用可能な医薬送達物品とともに用いる使い捨てユニットも含む。【0115】使い捨てユニットに加えて、本発明はさらに、再利用可能な喫煙物品または再利用可能な医薬送達物品で用いるための別個の制御ユニット200をもたらすものとして特徴づけてよい。特有の実施形態では、制御ユニッ トは概して、別個に提供されるカートリッジの嵌合端部を受容するための 受容端部(開口端部を有する受容チャンバー210を含んでよい)を有するハウジングであってよい。制御ユニットはさらに、電気加熱部材に電力を供給する電気エネルギー源220を含んでよく、この電気加熱部材は、制御ユニットの構成要素であっても、制御ユニットとともに用いるカートリッジに含まれていてもよい。電気エネルギー源は、電気エネルギー源か ら延びる突出部225を含むことができる。突出部は、(図4および図10の構成要素におけるように、)その突出部と組み合わされた電気加熱部材400を有することができ、その電気加熱部材は、その加熱部材を電気エネルギー源に接続させる付随の電気接点410を有することができる。 別の実施形態では、突出部は、加熱部材を含む代わりに、(図9の構成要 素222におけるように、)使い捨てカートリッジ内に設けられた電気加熱部材と相互作用できる電気接点を含んでよい。制御ユニットは、電力源 態では、突出部は、加熱部材を含む代わりに、(図9の構成要 素222におけるように、)使い捨てカートリッジ内に設けられた電気加熱部材と相互作用できる電気接点を含んでよい。制御ユニットは、電力源(バッテリーなど)、加熱部材中への電流流動を始動させる構成要素、ならびに、所望の時間にわたり所望の温度を保つため、および/または、所望の温度に達したとき、もしくは、所望の長さの時間にわたり加熱部材を 加熱したときに、電流流動を循環させるか、もしくは電流流動を停止させるように、上記のような電流流動を調節する構成要素を含め、さらなる構成要素も含むことができる。制御ユニットはさらに、加熱部材中への電流流動を始動させる構成要素と、そのような電流流動を調節する構成要素の一方または両方と関連付けられている1つ以上の押しボタンを含んでよい。 制御ユニットはさらに、ヒーターが加熱していることを通知し、および/または、制御ユニットとともに用いているカートリッジの残りの吸煙回数を通知するライトのようなインジケーターを含んでよい。【0118】本明細書に記載されているさまざまな図面は、動作関係にある制御ハウジング200とカートリッジ300を示しているが、制御ハウジング とカートリッジは別個の用具として存在してよいことが分かる。したが って、組み合わされている構成要素に関して、本明細書において別段に示されているいずれの説明も、個別および別個の構成要素としての制御ハウジングおよびカートリッジにも適用されるものとしても理解すべきである。【0119】⑵ 本件発明の技術的意義 本件明細書によれば、本件発明の技術的意義は、次のとおりであると認められる。 ア本件発明は、電気喫煙物品に関するものである。 イ従来から、タバコの燃 9】⑵ 本件発明の技術的意義 本件明細書によれば、本件発明の技術的意義は、次のとおりであると認められる。 ア本件発明は、電気喫煙物品に関するものである。 イ従来から、タバコの燃焼に基づく喫煙製品の改良品または代替品として、不完全燃焼および熱分解生成物をあまり送出することなく紙巻きタバコ、 葉巻、またはパイプの喫煙を連想させる電気喫煙物品が提供されてきたが、タバコを電気加熱して、喫煙時の香味と感覚を発生させる物品には、香味その他の吸引可能な物質が無節操に放出される難点があった(【0001】から【0005】)。 ウ本件発明は、本件発明の構成をとることによって、吸引可能な物質媒体 とカートリッジ本体との間に環状空間を定め、吸引可能な物質媒体の充分な加熱により、吸引可能な物質媒体とカートリッジ本体との間の環状空間内に、吸引可能な物質を含む蒸気を形成させることで、適切な量の香味や吸引可能な物質を発生させ、また、より適切な量の香味や吸引可能な物質を発生させるため、吸引可能な物質媒体の組成(各材料の濃度)を基材の 長さに沿って任意のパターン(一定でもよい)に制御し、最初の吸煙から最後まで、任意の量の香味や吸引可能な物質を発生させるように、吸引可能な物質媒体の加熱区域を制御することで、課題を解決しようとするものである(【0007】から【0028】)。 2 争点1-5(構成要件Dの充足性)について 本件事案の内容に鑑み、争点1-5(構成要件Dの充足性)から判断する。 ⑴ 篏合端部の意義について構成要件Dは、「前記制御ハウジングは、前記カートリッジに機能可能に連結されている嵌合端部を有するとともに、」というものであり、この「篏合端部」は、制御ハウジングに設けられている。 そして、 構成要件Dは、「前記制御ハウジングは、前記カートリッジに機能可能に連結されている嵌合端部を有するとともに、」というものであり、この「篏合端部」は、制御ハウジングに設けられている。 そして、本件明細書には、「本発明の物品は、カートリッジの嵌合端部と 嵌合する受容端部を有する制御ハウジングも含むことができる。したがって、制御ハウジングとカートリッジ本体は、機能可能に連結されるものとして特徴づけることができる。・・・特有の実施形態では、カートリッジの嵌合端部を制御ハウジングの受容端部と嵌合させると・・・」(【0008】)、「カートリッジ本体305は、制御ハウジング200の受容チャンバー21 0と嵌合する嵌合端部310と、吸引可能な物質を消費者に運べるようにするように構成された吸い口端315とを定める対向末端部を有する」(【0040】)、「特有の実施形態では、制御ユニットは概して、別個に提供されるカートリッジの嵌合端部を受容するための受容端部(開口端部を有する受容チャンバー210を含んでよい)を有するハウジングであってよい。」 (【0118】)との記載がある。また、図4については「制御ハウジングの受容チャンバーから外したカートリッジを示しており(一部のみが示されている)、制御ハウジングは、カートリッジ内の吸引可能な物質媒体の分割加熱をもたらすように、突出部の上に位置する加熱部材を含んでおり、」と説明され、図7については「カートリッジが制御ハウジングの受容チャンバ ーの中に最短距離で挿入されており、」と説明され、図8については「突出部上の加熱部材が、カートリッジの嵌合端部からある距離だけ、かつ、カートリッジの吸い口端の方に同じ距離だけ移動した状態になるように、管状の吸引可能な物質媒体の中央空洞部のさらに奥に配置さ ては「突出部上の加熱部材が、カートリッジの嵌合端部からある距離だけ、かつ、カートリッジの吸い口端の方に同じ距離だけ移動した状態になるように、管状の吸引可能な物質媒体の中央空洞部のさらに奥に配置されるように、カートリッジが、制御ハウジングの受容チャンバーの中に割り送られている。」と説 明されており(【0030】)、それらの図においては、制御ハウジング2 00の受容チャンバー210内に、嵌合端部310を有するカートリッジ300を挿入してその奥に送り込む形態が示されている。 これらによれば、構成要件Dの制御ハウジングの嵌合端部は、カートリッジの嵌合端部と嵌合するものであり、また、本件明細書では、受容チャンバーも含んでもよい受容端部として説明されているものであると認められる。 ⑵ 「篏合端部」の解釈についてア 「嵌合」は、特許技術用語集によれば、「tofitinto 形状が合った物を嵌め合わせること。」とされて、例として、「(例)受け孔と突起が嵌合する。凹部に凸起が嵌合して部材が位置決めされる。」と記載されている(乙13)。また、広辞苑(第7版)においては、「嵌合(かんご う)」の項目には、「かんごう【嵌合】⇒はめあい」と記載され、「嵌合(はめあい)」の項目には、「(機)軸が穴にかたくはまり合ったり、滑り動くようにゆるくはまり合ったりする関係をいう語。かんごう。」と記載されている。また、「嵌める(はめる)」の項目には、「②くぼみに入れて固定する。ある形のものに、ぴったり入れる、または、かぶせる。」 と記載され、「嵌まる(はまる)」の項目には、「⑥しっくりと合う。ぴったりとはいる。」と記載されている。 以上の語句の一般的な意義からすると、「篏合端部」は、一定の形状を有するもので、二つの嵌合端部は され、「嵌まる(はまる)」の項目には、「⑥しっくりと合う。ぴったりとはいる。」と記載されている。 以上の語句の一般的な意義からすると、「篏合端部」は、一定の形状を有するもので、二つの嵌合端部は、それぞれが相補形状を有して、その形状によって互いにほとんど隙間なくはまり合うものをいうと解される。 イ本件明細書には、「本発明の物品は、カートリッジの嵌合端部と嵌合する受容端部を有する制御ハウジングも含むことができる。したがって、制御ハウジングとカートリッジ本体は、機能可能に連結されるものとして特徴づけることができる。このような受容端部は特に、カートリッジの嵌合端部を受容する開口端部を有するチャンバーを含んでよい。・・・特有の 実施形態では、カートリッジの嵌合端部を制御ハウジングの受容端部と嵌 合させると(カートリッジの嵌合端部を制御ハウジングのチャンバーの中まで所定の距離だけスライドさせるなどすると)、吸引可能な物質媒体と電気加熱部材が整列して、吸引可能な物質媒体の少なくとも一部分を加熱できるようになる。」(【0008】)、「カートリッジ本体305は、制御ハウジング200の受容チャンバー210と嵌合する嵌合端部310 と、」(【0040】)との記載がある。また、図4、図7、図9等には、吸引可能な物質を消費者の方に運ぶように構成された反対側の吸い口端と、外面および内面を有する壁とを有する実質的に筒状のカートリッジの嵌合端部310が示されるとともに、電気加熱部材に電力を供給する電気エネルギー源を含む制御ハウジングの端部として、中央部の円筒状の突出部を 取り囲むように、円筒形のカートリッジの外壁の外径よりやや大きい内径を有する円筒形の受容チャンバー壁があり、カートリッジを受容チャンバーに挿入することで、カー して、中央部の円筒状の突出部を 取り囲むように、円筒形のカートリッジの外壁の外径よりやや大きい内径を有する円筒形の受容チャンバー壁があり、カートリッジを受容チャンバーに挿入することで、カートリッジの外壁であり嵌合端部の外側が、受容チャンバーの外壁の内側に、ほとんど隙間なく接する状態が示されている。 すなわち、本件明細書には、カートリッジの嵌合端部と制御ハウジング の嵌合端部(受容端部)が嵌合すると記載され、その実施形態として、カートリッジが制御ハウジングの受容チャンバーに挿入されることで、相補形状を有するといえる、円筒形の外壁という形状を有するカートリッジの嵌合端部と、円筒形の受容チャンバー壁という形状を有する制御ハウジングの嵌合端部(受容端部)とが、カートリッジの外壁の外側の嵌合端部が 受容チャンバーの外壁の内側に接することで、ほとんど隙間なく配置されるという状態ではまり合っていることが示されているといえる。これは、上記の「嵌合」についての一般的な意義に沿ったものである。他方、本件明細書には、制御ハウジングの「受容端部」あるいは「受容チャンバー」については、【0008】、【0040】以外に、本件明細書の【001 2】、【0018】、【0027】、【0059】、【0061】、【0 102】等にも記載があるが、カートリッジの嵌合端部の端面に接触又は近接するのみで、それを制御ハウジングの「受容端部」とする記載はないし、上記アの一般的な意義と異なる意味で「嵌合」が使われていることを示唆する記載もない。 ウ本件発明は、前記1のような技術的意義を有するところ、制御ハウジ ングとカートリッジの関係として、想定し得る様々な構成のうち、構成要件Dにおいて「前記制御ハウジングは、前記カートリッジに機能可 本件発明は、前記1のような技術的意義を有するところ、制御ハウジ ングとカートリッジの関係として、想定し得る様々な構成のうち、構成要件Dにおいて「前記制御ハウジングは、前記カートリッジに機能可能に連結されている嵌合端部を有する」として、それぞれの嵌合端部が「嵌合」するものであることを明確に定めている。そして、そのような構成の下で、制御ハウジングとカートリッジが「機能可能に連結され」、また、「吸引 可能な物質媒体と電気加熱部材が整列して、吸引可能な物質媒体の少なくとも一部分を加熱できるように」なることがあるとしている。 本件発明においては、制御ハウジングとカートリッジの関係が上記のとおり定められているところ、「嵌合」の語句の一般的な意義(前記ア)や本件明細書の記載(前記イ)もその一般的な意義を前提としていると 解されることからも、「前記カートリッジに機能可能に連結されている嵌合端部」とは、その嵌合端部自体が一定の形状を有するとともに、ハウジングの嵌合端部も一定の形状を有し、それら両嵌合端部の形状が、相補形状であり、それぞれの形状によって、互いにほとんど隙間なくはまり合うものをいうと解される。 ⑶ 被告製品の構成dについてア被告製品の構成dは、「加熱式デバイスは、加熱式タバコスティックを受け入れるエンドキャップと、エンドキャップの底面に形成されたスリットを貫通してエンドキャップ内まで延びるヒータブレードのベース部上に形成された導電トラックに電力を供給するバッテリーを含むメインボディ と、を有する加熱式喫煙デバイスであって、使用者はエンドキャップの底 面に達するまで加熱式タバコスティックを挿入可能であり、該挿入によってヒータブレードのベース部が加熱式タバコスティックに挿入され、加熱式喫煙デバ バイスであって、使用者はエンドキャップの底 面に達するまで加熱式タバコスティックを挿入可能であり、該挿入によってヒータブレードのベース部が加熱式タバコスティックに挿入され、加熱式喫煙デバイスのスイッチが入れられると、タバコロッドを加熱するために、ヒータブレードの導電トラックがバッテリーと通電し、」である。 そして、構成要件Dの「カートリッジ」に当たり得るのは加熱式タバコ スティックであり、当該加熱式タバコスティックの篏合端部に当たり得るのは、加熱式タバコスティックの吸い口とは反対の先端部である。 イ原告らは、エンドキャップに加熱式タバコスティックがぴったりとはまるから、エンドキャップの底面と、加熱式タバコスティックの先端面は、ほぼ同径の円形であり、「形状が合った物」であり、「エンドキャップの 底面に達するまで加熱式タバコスティックを挿入可能であ」ることは「はめ合わせる」ことである旨主張する。 しかしながら、加熱式タバコスティックの先端面の形状とエンドキャップの底面の形状自体はほぼ同径の円形であるとしても、エンドキャップの底面に達するまで加熱式タバコスティックを挿入した状態は、加熱式 タバコスティックの先端面がエンドキャップの底面に突き当たって接した状態になっているのみである。加熱式タバコスティックの先端面とエンドキャップの底面のそれぞれの形状は、相補形状ではなく、それぞれの形状によって、互いにほとんど隙間なくはまり合うものであるとはいえない。 なお、制御ハウジングは、構成要件Dの文言上、「前記電技加熱部材に電力を供給する電気エネルギー源を含(む)」(構成要件D)ものであるところ、被告製品における制御ハウジングはメインボディであるから、エンドキャップそれ単独では、制御ハウジングに当たることはな 部材に電力を供給する電気エネルギー源を含(む)」(構成要件D)ものであるところ、被告製品における制御ハウジングはメインボディであるから、エンドキャップそれ単独では、制御ハウジングに当たることはない。 ウ原告らは、ヒータブレードのベース部が「篏合端部」に当たるとも主張 する。 しかしながら、前記のとおり、構成要件Dの「カートリッジ」に当たり得るのは加熱式タバコスティックであり、当該加熱式タバコスティックの篏合端部に当たり得るのは、円筒状の形状を有する加熱式タバコスティックの吸い口とは反対の先端部であるが、当該先端部は、原告らが「篏合端部」と主張するヒータブレードのベース部の形状と、相補形状ではなく、 それぞれの形状によって、互いにほとんど隙間なくはまり合うものであるとはいえない、なお、このことは、ヒータブレードのベース部とエンドキャップ底面とを合わせた構成を考えても同様である。 エ以上によれば、被告製品の構成dのヒータブレードのベース部とエンド キャップ底面は、いずれも構成要件Dの「篏合端部」に当たらず、その他、これに該当する部分はないといえる。 そうすると、被告製品は、構成要件Dを充足する部分を有せず、その余を判断するまでもなく本件発明の技術的範囲に属さない。 3 以上によれば、被告製品は、少なくとも、構成要件Dを充足しないから、他 の構成要件の充足性を判断するまでもなく、本件発明の技術的範囲に属さない。 第4 結論よって、原告らの各請求はいずれも理由がないから、これらをいずれも棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条を適用し、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官柴田義 も棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条を適用し、主文のとおり判決する。 主文 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官柴田義明 裁判官杉田時基 裁判官仲田憲史 別紙被告製品目録(省略)

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る