主文 1 被告が,原告Aに対してした平成15年9月19日付け葬祭料支給申請却下処分を取り消す。 2 被告が,原告Bに対してした平成15年10月20日付け健康管理手当支給申請却下処分を取り消す。 3 被告が,原告Cに対してした平成15年12月18日付け健康管理手当支給申請却下処分を取り消す。 4 被告が,原告Dに対してした平成16年3月29日付け保健手当認定申請却下処分を取り消す。 5 訴訟費用は,被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求主文第1ないし4項と同旨。 第2 事案の概要原告Aは,被告が原告Aからその夫で被爆者であるEの死亡による葬祭料の支給申請を受け,これを却下する処分(主文第1項の処分)をしたのは違法であるとして,同処分の取消しを求めた。 原告B及び原告Cは,被告が被爆者である原告B及び原告Cから健康管理手当の支給申請を受け,これらを却下する処分(主文第2,3項の各処分)をしたのは違法であるとして,同各処分の取消しを求めた。 原告Dは,被告が被爆者である原告Dから保健手当の支給申請を受け,これを却下する処分(主文第4項の処分)をしたのは違法であるとして,同処分の取消しを求めた。 1 関連法規の規定(1) 被爆者及び健康管理手帳の交付原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(以下「法」という。)1条は,原子爆弾が投下された際当時の広島市若しくは長崎市の区域内又は政令で定めるこれらに隣接する区域内に在った者等であって,被爆者健康手帳の交付を受けたものを「被爆者」とする旨定める(以下,これに当たる者を「被爆者」という。)。 法2条1項は,「被爆者健康手帳の交付を受けようとする者は,その居住地(居住地を有しないときは,その現在地とする。)の都道府県知事に申請しなければならない。」と定め,同条2項は,「都道府県知事は,1項 2条1項は,「被爆者健康手帳の交付を受けようとする者は,その居住地(居住地を有しないときは,その現在地とする。)の都道府県知事に申請しなければならない。」と定め,同条2項は,「都道府県知事は,1項の規定による申請に基づいて審査し,申請者が法1条各号のいずれかに該当すると認めるときは,その者に被爆者健康手帳を交付する。」旨定める。 (2) 健康管理手当ア法27条1項は,「都道府県知事は,被爆者であって,造血機能障害,肝臓機能障害その他の厚生労働省令で定める障害を伴う疾病(原子爆弾の放射能の影響によるものでないことが明らかであるものを除く。)にかかっているものに対し,健康管理手当を支給する。」と定め,同条2項は,「1項に規定する者は,健康管理手当の支給を受けようとするときは,同項に規定する要件に該当することについて,都道府県知事の認定を受けなければならない。」旨規定する。 イ原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律施行規則(以下「施行規則」という。)52条1項は,「法27条2項の認定の申請は,健康管理手当認定申請書に,所定の障害を伴う疾病についての法19条1項の規定による指定を受けた病院又は診療所の医師の診断書を添えて,これを居住地の都道府県知事に提出することによって行わなければならない。」と定め,同条2項は,「都道府県知事は,1項の場合において,同項に規定する診断書を添えることができないことについてやむを得ない理由があると認めるときは,法19条1項の規定による指定を受けていない病院又は診療所の医師の診断書をもってこれに代えさせることができる。」と定める。 (3) 保健手当ア法28条は,「都道府県知事は,被爆者のうち,原子爆弾が投下された際爆心地から2キロメートルの区域内に在った者又はその当時その者の胎児であった者に対し,保健手当 。」と定める。 (3) 保健手当ア法28条は,「都道府県知事は,被爆者のうち,原子爆弾が投下された際爆心地から2キロメートルの区域内に在った者又はその当時その者の胎児であった者に対し,保健手当を支給する。」とし,同条2項は,「1項に規定する者は,保健手当の支給を受けようとするときは,同項に規定する要件に該当することについて,都道府県知事の認定を受けなければならない。」と定める。また,同条3項は,同項1号所定の「厚生労働省令で定める範囲の身体上の障害(原子爆弾の傷害作用の影響によるものでないことが明らかであるものを除く。)がある者」や同項2号所定の者については,増額した保健手当を支給する旨定める。 イ施行規則56条は,「法28条2項の認定の申請は,保健手当認定申請書に,その者が爆心地から2キロメートル以内で被爆した事実を認めることができる書類(当該書類がない場合においては,当該事実についての申立書)を添えて,これを居住地の都道府県知事に提出することによって行わなければならない。」と定める。 (4) 葬祭料ア法32条は,「都道府県知事は,被爆者が死亡したときは,葬祭を行う者に対し,政令で定めるところにより,葬祭料を支給する。ただし,その死亡が原子爆弾の傷害作用の影響によるものでないことが明らかである場合は,この限りでない。」と定める。 イ施行規則71条は,「葬祭料の支給を受けようとする者は,葬祭料支給申請書に,死亡診断書又は死体検案書を添えて,これを被爆者の死亡の際における居住地の都道府県知事に提出しなければならない。」と定める。 ウ原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律施行令(以下「施行令」という。)19条は,「葬祭料は,被爆者の死亡の際における居住地の都道府県知事が支給するものとし,その額は,19万3000円とする。」と 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律施行令(以下「施行令」という。)19条は,「葬祭料は,被爆者の死亡の際における居住地の都道府県知事が支給するものとし,その額は,19万3000円とする。」と定める。 (5) 広島市及び長崎市以上の各規定中「都道府県知事」又は「都道府県」とあるのは,広島市又は長崎市について,「市長」又は「市」と読み替えるものとされている(法49条)。 (6) 立法委任法52条は,「この法律に特別の規定があるものを除くほか,この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は,厚生労働省令で定める。」と規定する。 2 争いのない事実(末尾に証拠の記載がないもの)及び証拠により容易に認められる事実(1) 原告らア原告Aの夫であるE(昭和4年10月31日生)は,平成12年5月26日に被告から被爆者健康手帳の交付を受けた被爆者であったところ,平成14年7月30日に死亡した。 原告Aは,Eの葬儀を行い,その費用を支出した。(甲4,5)イ原告B(昭和7年2月4日生)は,昭和52年11月11日に被告から被爆者健康手帳の交付を受けた被爆者である。 ウ原告C(大正14年6月9日生)は,昭和55年9月18日に東京都知事から被爆者健康手帳の交付を受けた被爆者である。 エ原告D(昭和6年1月1日生)は,昭和44年8月1日に被告から被爆者健康手帳の交付を受けた被爆者である。 (2) 原告らに対する処分ア原告Aは,平成15年7月,被告に対し,アメリカ合衆国の居住地から郵送によりEの前記葬祭料支給申請を行ったところ,被告は,「同申請は施行規則71条に定める葬祭料の支給要件に該当しない。」との理由により,同年9月19日付けで上記申請を却下する処分を行い,同月26日,同処分の通知は原告Aに到達した。 イ ころ,被告は,「同申請は施行規則71条に定める葬祭料の支給要件に該当しない。」との理由により,同年9月19日付けで上記申請を却下する処分を行い,同月26日,同処分の通知は原告Aに到達した。 イ原告Bは,平成15年9月3日,被告に対し,アメリカ合衆国の居住地から弁護士足立修一を介して健康管理手当認定申請を行ったところ,被告は,「健康管理手当認定申請書は,居住地の都道府県知事(広島市,長崎市にあっては当該市の長)に提出することになっている(施行規則52条1項)が,申請者の居住地は広島市ではないため,認定できない。」との理由により,同年10月20日付けで上記申請を却下する処分を行い,同月29日,同処分の通知は原告Bに到達した。 ウ原告Cは,平成15年11月25日,被告に対し,アメリカ合衆国の居住地から郵送により健康管理手当認定申請を行ったところ,被告は,「健康管理手当認定申請書は,居住地の都道府県知事(広島市,長崎市にあっては当該市の長)に提出することになっている(施行規則52条1項)が,申請者の居住地は広島市ではないため,認定できない。」との理由により,同年12月18日付けで上記申請を却下する処分を行い,同月30日,同処分の通知は原告Cに到達した。 エ原告Dは,平成16年3月22日ころ,被告に対し,アメリカ合衆国の居住地から郵送により保健手当認定申請を行ったところ,被告は,「保健手当認定申請書は,居住地の都道府県知事(広島市,長崎市にあっては当該市の長)に提出することになっている(施行規則56条1項)が,申請者の居住地は広島市ではないため,認定できない。」との理由により,同月29日付けで上記申請を却下する処分を行い,同年4月3日,同処分の通知は原告Dに到達した。 (以下,上記アないしエの処分を「本件各処分」という。) 3 争点 認定できない。」との理由により,同月29日付けで上記申請を却下する処分を行い,同年4月3日,同処分の通知は原告Dに到達した。 (以下,上記アないしエの処分を「本件各処分」という。) 3 争点(1) 法27条,28条及び32条にいう「都道府県知事」の意義。 (2) 施行規則52条,56条,71条及び施行令19条の適法性。 (3) 本件各処分の適法性。 4 争点(1)(法27条,28条及び32条にいう「都道府県知事」の意義)に関する当事者の主張(1) 被告の主張ア立法の経緯について法は,平成6年,原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(以下「原爆医療法」という。)及び原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律(以下「被爆者特措法」といい,原爆医療法と併せて「旧原爆二法」という。)を一本化し,総合的な被爆者対策を実施する観点から制定されたものである。旧原爆二法の下においては,国外からの被爆者健康手帳や各手当の申請は認められていなかったのであって,法はこれらを一本化して制定されたものであるから,法が国外からの申請を予定したものでないことは明らかである。 イ立法者意思について平成6年12月6日の参議院厚生委員会の審議において,政府委員(厚生省保健医療局長)は,「新法の適用については,現行の原爆二法と同様に日本国内に居住する者を対象とするという立場をとる。」旨答弁しており,このほかに特段「国外からの申請を認める」旨の審議がなされずに,旧原爆二法と同様の規定を有する法が可決成立した。このような立法時の審議経過からみて,旧原爆二法と同様に国外からの申請は認められないとする立法者意思が存在したものというべきである。 ウ法全体の趣旨法2条1項は,「被爆者健康手帳の交付を受けようとする者は,その居住地(居住地を有しないときは,その現 外からの申請は認められないとする立法者意思が存在したものというべきである。 ウ法全体の趣旨法2条1項は,「被爆者健康手帳の交付を受けようとする者は,その居住地(居住地を有しないときは,その現在地とする。)の都道府県知事に申請しなければならない。」としており,申請者が日本国内に居住,現在することを前提とし,国外からの申請を想定していない。 一方,健康管理手当等の申請手続については,法の文言上は「都道府県知事」とされ,「居住地」や「現在地」の都道府県知事という限定はなされていない。しかし,法は,都道府県知事が,被爆者の健康保持,増進及び福祉向上のために健康診断等,健康管理手当等の支給及び福祉事業を実施することとしており,これらの事業は被爆者の日常的な健康状態と密接に関わるものであるから,これを容易に把握できる居住地ないし現在地の都道府県知事が健康管理手当等の支給を行うことが法の目的の達成及び事業の適正な運営に資するものである。 エ支給の適正確保法は,健康管理手当については,「被爆者であって,造血機能障害,肝機能障害その他の厚生労働省令で定める障害を伴う疾病(原子爆弾の放射能の影響によるものでないことが明らかであるものを除く。)にかかっている者」にこれを支給することとし,保健手当については,「被爆者のうち,原子爆弾が投下された際爆心地から2キロメートルの区域内に在った者又はその者の胎児であった者」に対し,これを支給することとし,厚生労働省令で定める範囲の身体上の障害(原子爆弾の傷害作用の影響によるものでないことが明らかであるものを除く。)がある者等については,増額した保健手当を支給することとし,申請者が支給要件を充たすか否かについて都道府県知事が実質審査をする認定制度を採用している(法27条2項,28条2項)。同制度が採用され )がある者等については,増額した保健手当を支給することとし,申請者が支給要件を充たすか否かについて都道府県知事が実質審査をする認定制度を採用している(法27条2項,28条2項)。同制度が採用されたのは,上記各手当の支給の適正を図るためであり,この制度趣旨にかんがみれば,法は,申請者の支給要件の存否を調査しやすい申請者の居住地ないし現在地の都道府県知事を申請先としているとみるべきである。 そして,仮に国外からの申請を許容するとなれば,都道府県知事は提出された診断書等の書面によって判断せざるを得ず,例えば,申請者が法27条1項所定の疾病にかかっているか否かについて医師の意見を聞く等の実質審査が困難となり,形式的な書面審査となることから,受給資格のない者に対して支給認定がなされるおそれが生じる。また,国内の医療機関が作成した診断書等は,国内の免許制度による免許を受けた医師等の有資格者が作成したものであることが明白であるから,その内容についても一定の信用性を具備しているといえる上,虚偽の診断書等を作成する等した場合には刑罰及び行政罰による制裁が科されるから,これによってもその信用性が担保されている。これに対し,国外の医師又は医療機関の診断書は,日本と異なる医療制度及び医療水準の下で作成され,類型的な信用性があるとはいえず,刑罰等の制裁による信用性の担保もなく,翻訳も必要である。 さらに,葬祭料の支給については,法32条ただし書が「被爆者の死亡が原子爆弾の傷害作用の影響によるものでないことが明らかである場合は,この限りでない。」旨規定しており,申請の対象者がかかる除外事由に該当するか否かを実質的に審査するための死亡診断書や死体検案書についても,上記で述べたのと同様の問題がある。 加えて,国外にいる被爆者に対しては,医療費の支援や日本から ,申請の対象者がかかる除外事由に該当するか否かを実質的に審査するための死亡診断書や死体検案書についても,上記で述べたのと同様の問題がある。 加えて,国外にいる被爆者に対しては,医療費の支援や日本から医師団を派遣しての健康診断等,各種の支援事業が実施されており,各種手当等の支給を認めなくとも,被爆者の救済に欠けるところはない。 オ以上の点を総合すると,法27条,28条にいう「都道府県知事」とは,法2条1項と同様に「その居住地(居住地を有しないときは,その現在地とする。)の都道府県知事」と,法32条にいう「都道府県知事」とは,「被爆者の死亡の際における居住地の都道府県知事」と,各解すべきである。 もっとも,すでに都道府県知事の認定を受け健康管理手当や保健手当の受給権を取得したが,その後離日し国内に居住地及び現在地を有しない者に対する関係では,上記各手当の支給(認定は除く。)を行う「都道府県知事」の解釈について例外があり,当該受給権者の国内における最後の居住地又は現在地の都道府県知事も,「都道府県知事」に該当するものと解される。しかし,このような解釈は,いったん認定されて受給権を取得した者が国外に転居した場合にその受給権を喪失すると解することは相当でないとして採られた例外的なものであり,国外からの上記各手当の支給申請の場合にまで同様の解釈をすべき事情はない。 (2) 原告らの主張ア立法趣旨について旧原爆二法及び法は,被爆による健康被害に苦しむ被爆者を広く救済することを目的として立法され,社会保障法と国家補償法という2つの法的性格を合わせ有する法律であり,この点に照らせば,明文の規定もないのに在外被爆者を適用除外とする解釈は立法趣旨に反し,許されない。 イ法全体の趣旨について法には,国外にいる被爆者であること を合わせ有する法律であり,この点に照らせば,明文の規定もないのに在外被爆者を適用除外とする解釈は立法趣旨に反し,許されない。 イ法全体の趣旨について法には,国外にいる被爆者であることを理由に手当等の申請ができないとする明文規定は存在せず,法27条,28条,32条は,手当等の支給義務者について,単に「都道府県知事」と定めるにとどまる。また,法には,手当等の申請に関する手続について明文の規定はなく,手当等の申請権は,居住地の国内外を問わず全ての被爆者に等しく認められるべきものである。 法は,健康管理手当等の各種手当の支給の実施主体を都道府県知事と定めているが,これは,単に援護の実施主体を定め,所定の援護と援護の実施主体とを連結するための管轄を定めた技術的規定であり,受給者が日本に居住又は現在していることを当然の前提とするものとはいえない。 ウ支給の適正確保について被告は,手当の支給の適正を図るために,実質審査が困難な国外からの申請を排除することには合理性がある旨主張する。しかし,被爆者の地位は属人的なものであり,被爆者の申請権を審査体制の不十分という手続的な不備を理由に排除し,行政立法により被爆者の権利を剥奪することは本末転倒である。また,被告は,健康管理手当及び保健手当について,国外の医師が作成した診断書等には類型的に信用性がなく,信用性の担保もされていない旨主張するが,厚生労働省が実施する国民健康保険,障害年金,国民年金,労災保険等の各種社会保険制度では,国外の医師の診断書等に基づいて給付決定することを認める多くの事例があるし,日本の医師免許を有する医師が海外で被爆者を診察し,診断書を作成する場合も考えられる。さらに,情報通信技術の発達等にかんがみれば,診断書等の翻訳や照会が困難であるとはいえない。 の事例があるし,日本の医師免許を有する医師が海外で被爆者を診察し,診断書を作成する場合も考えられる。さらに,情報通信技術の発達等にかんがみれば,診断書等の翻訳や照会が困難であるとはいえない。 また,葬祭料は,被爆者が死亡し,遺族等が葬祭を行った場合には,それに対する援護という観点から給付がなされるものであって,被爆者の日常的な健康状態を把握する必要はなく,当該被爆者が死亡したという事実確認ができれば十分である。 エ以上のように,法は,日本国外に居住する被爆者の健康管理手当等の申請権を承認していると解され,法にいう「都道府県知事」を「居住地又は現在地の都道府県知事」と限定的に解釈することはできない。 5 争点(2)(施行規則52条,56条,71条及び施行令19条の適法性。)に関する当事者の主張(1) 被告の主張ア施行規則52条について(ア) 前記のとおり,法27条2項は,健康管理手当の認定者及び申請先を申請者の居住地又は現在地の都道府県知事に限定していると解されるところ,これを受けた施行規則52条は,「法27条2項の認定の申請は,健康管理手当認定申請書に,前条に規定する障害を伴う疾病についての法19条1項の規定による指定を受けた病院又は診療所の医師の診断書を添えて,これを居住地の都道府県知事に提出することによって行わなければならない。」と定めており,同規定が法27条2項の委任の趣旨に合致することは明らかである。 (イ) 法2条1項は,被爆者健康手帳の交付について,申請先を居住地又は現在地の都道府県知事としている。被爆者健康手帳の交付は,申請者を「被爆者」として認め,公費を支給財源とする各種給付を受ける権利を付与する前提となるものであるから,各種手当等の支給の適正を確保し,法所定の事務が円滑・適正に行われるように 健康手帳の交付は,申請者を「被爆者」として認め,公費を支給財源とする各種給付を受ける権利を付与する前提となるものであるから,各種手当等の支給の適正を確保し,法所定の事務が円滑・適正に行われるようにするために,書面審査にとどまらず,直接申請者から事情を聴取し,本人確認や被爆状況の事実確認をする必要がある。このため,法2条1項は,被爆者健康手帳の申請時に,当該申請者が日本に居住又は現在することを要件としているのであり,このような法の定めに合理性があることは明白である。 (ウ) 施行規則52条1項は,上記法2条1項と同様の趣旨から,健康管理手当認定の申請先を「居住地の都道府県知事」と規定し,国内に居住も現在もしない「被爆者」からの申請を排除している。また同項は,上記申請書には,法27条所定の障害を伴う疾病についての被爆者一般疾病医療機関(法19条1項,18条1項)の医師の診断書を添えて提出しなければならないとしているが,これは,被爆者の負傷又は疾病に係る診断・治療等を行う医療機関として,都道府県知事が指定した被爆者一般疾病医療機関の診断書を要求することにより,類型的に診断の適正と信用性を担保しようとするものである。これら被爆者一般疾病医療機関に指定される「病院若しくは診療所(これらに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)又は薬局」等としては,国内の医療機関が予定されている。なお,施行規則52条2項は,都道府県知事が,申請者が同条1項に規定する診断書を添えることができないことについてやむを得ない理由があると認めるときは,被爆者一般疾病医療機関以外の医師の診断書をもって代えさせることができる旨規定しているが,この「やむを得ない理由」は,近隣に一般疾病医療機関がない等の理由により,最寄りの医療機関で治療を受けている場合等を想定しており, 関以外の医師の診断書をもって代えさせることができる旨規定しているが,この「やむを得ない理由」は,近隣に一般疾病医療機関がない等の理由により,最寄りの医療機関で治療を受けている場合等を想定しており,国外に居住しているために,国内の被爆者一般疾病医療機関の医師の診断書を添えることができない場合を予定したものではない。 よって,施行規則52条が,健康管理手当認定の申請先を居住地の都道府県知事と限定していることは,法の委任の趣旨に適合したものであって,適法有効である。 イ施行規則56条の適法性について前記4(1)のとおり,法28条が定める保健手当の支給義務者は「居住地の都道府県知事」と解すべきである。そして,施行規則56条が,かかる法28条の趣旨に合致すること,手当支給の適正を確保するために申請先を「居住地の都道府県知事」と限定していることには,実質的合理性があることは上記アと同様であり,同条は適法有効である。 ウ葬祭料に関する施行規則71条及び施行令19条の適法性について(ア) 前記4(1)のとおり,法32条が定める葬祭料の支給義務者は「被爆者の死亡の際における居住地の都道府県知事」と解すべきである。そして,これを受けて施行規則71条は,「葬祭料の支給を受けようとする者は,葬祭料支給申請書に,死亡診断書又は死体検案書を添えて,これを被爆者の死亡の際における居住地の都道府県知事に提出しなければならない。」と,施行令19条は,「葬祭料は,被爆者の死亡の際における居住地の都道府県知事が支給する。」と各定めており,法の趣旨に合致するものである。 (イ) また,法32条ただし書は,「被爆者の死亡が原子爆弾の傷害作用の影響によるものでないことが明らかである場合は,葬祭料を支給しない。」旨定めており,都道府県知事が葬祭料の支給・不支給を決定する (イ) また,法32条ただし書は,「被爆者の死亡が原子爆弾の傷害作用の影響によるものでないことが明らかである場合は,葬祭料を支給しない。」旨定めており,都道府県知事が葬祭料の支給・不支給を決定するに当たって,その支給の適正等を図るため,被爆者の死亡が原子爆弾の傷害作用の影響によるものでないことが明らかであるかどうかを実質的に審査し,場合によっては,「被爆者」の死亡診断を行った医師等から事情聴取を行ったり,医学的専門知識を有する専門家の意見を聴くことも必要となる。仮に,死亡の際に海外に居住していた被爆者にかかる葬祭料支給申請を許容するとなれば,支給決定事務が書面審査のみになり,受給資格のない申請者に支給決定がなされるおそれが生じかねない。また,国内の医療機関作成の死亡診断書や死体検案書が信用性を類型的・制度的に担保されているのに対し,国外のものはこのような信用性があるとはいえないことは前記のとおりである。このため,施行令19条,施行規則71条は,「被爆者」の死亡の際における居住地が日本国内であることを要件としたものであり,葬祭料を支給する者を「被爆者の死亡の際における居住地の都道府県知事」と規定し,国外に居住していた「被爆者」の死亡に係る申請を排除していることは,法の全体の趣旨からみても,審査の適正を期すという実質的な面からみても,法の委任の趣旨に適合するものであって,適法・有効である。 (2) 原告B及び原告Cの主張(施行規則52条の適法性について)前記のとおり,法27条2項は,日本国外に居住する被爆者の健康管理手当受給権を承認し,申請先を申請者の居住地又は現在地の都道府県知事に限定するものではないと解される。したがって,施行規則52条1項は,法の委任の範囲を逸脱したものであり,違法無効である。在外被爆者が健康管理手当の申請を 請先を申請者の居住地又は現在地の都道府県知事に限定するものではないと解される。したがって,施行規則52条1項は,法の委任の範囲を逸脱したものであり,違法無効である。在外被爆者が健康管理手当の申請をするには,申請先を広島市長とし,国外の医師作成の診断書を添付することで足りると解すべきである。 (3) 原告Dの主張(施行規則56条の適法性について)前記のとおり,法28条は,日本国外に居住する被爆者の保健手当受給権を承認し,支給義務者を居住地又は現在地の都道府県知事に限定していないと解される。しかし,施行規則56条は,保健手当認定の申請先を居住地の都道府県知事に限定しており,これは,法の委任の範囲を逸脱したものであり,違法無効である。 被告は,保健手当の支給資格を認定するに当たり,被爆者の居住地の都道府県知事による実質審査が必要である旨主張するが,法28条1項は,被爆者のうち,原子爆弾が投下された際爆心地から2キロメートルの区域内に在った者等に対して保健手当を支給する旨規定し,同条2項は,1項の要件に該当することについて,都道府県知事の認定を要するとしている。しかし,爆心地からの距離は,被爆者健康手帳等から明らかであり,書類上の形式的な審査で足りるのであるから,実質的審査をせずに認定が可能であり,そもそも被告が実質審査を必要とする理由は存在しない。 (4) 原告Aの主張(施行令19条及び施行規則71条の適法性について)前記のとおり,葬祭料に関する法32条は,申請先を被爆者の死亡の際における居住地の都道府県知事に限定していない。 被告は,誤払の防止のため,住民基本台帳等により当該被爆者の死亡の事実,その原因及び申請者が当該被爆者の葬祭を行う者であるか否かを審査・確認する必要があり,そのために施行令19条及び施行規則71 被告は,誤払の防止のため,住民基本台帳等により当該被爆者の死亡の事実,その原因及び申請者が当該被爆者の葬祭を行う者であるか否かを審査・確認する必要があり,そのために施行令19条及び施行規則71条が,死亡した際に国外に居住する被爆者の葬祭を行う者による申請を排除することには合理性がある旨主張する。しかし,被爆者が死亡の際に日本国内に居住していなくとも,被爆者の死亡の事実及び申請者が当該被爆者の葬祭を行う者であることの実質的審査は可能である。 被告は,死亡診断書等の言語や信用性を問題にするが,例えば,日本国外に居住ないし現在する被爆者が死亡し,我が国の医師により死亡診断書や死体検案書が作成された場合においても,葬祭料の支給申請は認められないことになるという不合理が生じる。また,日本国外に居住し,手当を受給していた被爆者が死亡した場合,当該受給権者に手当等を支給する都道府県知事に対し,死亡を証する書類を添えて死亡届を提出すれば,直ちに手当の支給が打ち切られることになるはずであり,このような場合は,国外の医師による診断書の信用性等が問題にされることはない。さらに,葬祭を行う者の認定について,被告は,申請者が死体火葬許可申請者と同一であれば,同人を葬祭を行う者として取り扱うとしているが,かかる取り扱いこそ,まさに書面審査だけの形式的なものにほかならず,日本国外に居住する被爆者が死亡した場合についても,埋葬許可にかかる書類又はそれに準ずる書類の提示を求めれば足りる。さらに,被告は,申請者と死体火葬許可申請者とが異なる場合には,申請者から,同人が葬祭を行う者と判断し得る資料を提出させた上で,個別に判断を行うとするが,このような判断をするために,死亡した被爆者が日本国内に居住していなければならない理由はない。よって,被告の主張に合理性はない。 者と判断し得る資料を提出させた上で,個別に判断を行うとするが,このような判断をするために,死亡した被爆者が日本国内に居住していなければならない理由はない。よって,被告の主張に合理性はない。 以上のとおり,施行令19条,施行規則71条は,法の委任の範囲を逸脱したものであり,違法無効である。 6 争点(3)(本件各処分の適法性)に関する当事者の主張(1) 被告の主張施行規則52条,56条,71条及び施行令19条により,国外からの各手当等の申請は認められない。よって,原告らの申請を却下した本件各処分は適法である。 (2) 原告らの主張前記のとおり,国外からの申請を認めない施行規則52条,56条,71条及び施行令19条は無効であり,原告らは,法27条,28条,32条に基づき,全国各地の都道府県知事,広島市長又は長崎市長のいずれに対しても申請することができると解される。したがって,原告B及びCの申請を却下した本件処分は,法27条に反し違法である。 原告Dが,爆心地から1.2キロメートルの地点である東千田町で被爆した事実は,被爆者健康手帳から明らかである。全域が2キロメートル以内という要件を充足している。よって,原告Dの申請を却下した処分は,法28条に反し違法である。 原告Aは,亡Eの葬儀を行った者として,葬祭料を支出したことは明らかであり,原告Aの申請を却下した処分は,法32条に反し違法である。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(法27条,28条及び32条にいう「都道府県知事」の意義)について(1) 法の目的旧原爆二法は,被爆者の健康面に着目して公費により必要な医療の給付をするという社会保障法の性格を有するものといえるが,それが被爆者のみを対象としていることからすれば,原子爆弾の被爆による健康上の障害がかつて例をみ 被爆者の健康面に着目して公費により必要な医療の給付をするという社会保障法の性格を有するものといえるが,それが被爆者のみを対象としていることからすれば,原子爆弾の被爆による健康上の障害がかつて例をみない特異かつ深刻なもので,それが結局は戦争によってもたらされたものであり,被爆者の多くが一般の戦争被害者よりも不安定な状態に置かれていることから,原子爆弾による障害という特殊な戦争被害について戦争遂行主体であった国が自己の責任として救済を図るという国家補償的配慮が制度の根底にあると解される(原爆医療法に関する最高裁判所昭和53年3月30日第一小法廷判決・民集32巻2号435頁参照)。そして,法は,平成6年,旧原爆二法を統合したものとして制定され,その前文で,「国の責任において,原子爆弾の投下の結果として生じた放射能に起因する健康被害が他の戦争被害とは異なる特殊の被害であることにかんがみ,高齢化の進行している被爆者に対する保健,医療及び福祉にわたる総合的な援護対策を講じ,あわせて,国として原子爆弾による死没者の尊い犠牲を銘記するため,制定する。」と宣しており,このような立法経緯や法の目的に照らせば,法は,社会保障の趣旨からだけでなく,国家補償の趣旨からも,原爆による健康被害に苦しむ被爆者を広く救済することを目的としていると解される。 (2) 「都道府県知事」の意義についてア被爆者健康手帳の交付申請手続について定める法2条1項は,申請先を申請者の「居住地(居住地を有しないときは,現在地)の都道府県知事」と規定するが,これと異なり,法27条,28条,32条は,健康管理手当等の支給の申請先を,単に「都道府県知事」と規定している。 イ法6条は,「国は,被爆者の健康の保持及び増進並びに福祉の向上を図るため,都道府県並びに広島市及び長崎市と連携を図りな 条は,健康管理手当等の支給の申請先を,単に「都道府県知事」と規定している。 イ法6条は,「国は,被爆者の健康の保持及び増進並びに福祉の向上を図るため,都道府県並びに広島市及び長崎市と連携を図りながら,被爆者に対する援護を総合的に実施するものとする。」と規定し,法42条は,健康管理手当等は,都道府県等の支弁とする旨規定しているが,法43条及び施行令20条は,上記の都道府県等が支弁する費用は国が交付すると規定し,法51条の2は,健康管理手当等の支給事務を地方自治法2条9項1号に規定する第1号法定受託事務(法律又はこれに基づく政令により都道府県等が処理することとされる事務のうち,国が本来果たすべき役割に係るものであって,国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの)としている。これらの規定を総合勘案すると,法は,国を健康管理手当等の本来の支給主体とし,都道府県知事等を,被爆者に対する支給事務の担当者として位置づけたものと解され,健康管理手当等の支給の実施義務者を「都道府県知事」とした法の趣旨は,当該措置について都道府県知事と厚生労働大臣との事務分配を定めたにすぎないものと解される。 さらに,法は,10条以下において,被爆者に対する診察や医療の給付の給付義務者及び申請先を厚生労働大臣とし,さらに,被爆者の負傷又は疾病が原子爆弾の障害作用に起因する旨の厚生労働大臣の認定を受けることを受給の条件としている。 以上の解釈や規定に照らすと,法は,必ずしも被爆者の健康状態を容易に把握し得る者が誰かという観点から被爆者に対する援護措置の実施主体を定めているとはいえないから,法が,健康管理手当等の申請先は被爆者の居住地の都道府県知事(葬祭料については被爆者の死亡の際における居住地の都道府県知事 という観点から被爆者に対する援護措置の実施主体を定めているとはいえないから,法が,健康管理手当等の申請先は被爆者の居住地の都道府県知事(葬祭料については被爆者の死亡の際における居住地の都道府県知事)であるとし,これを当然の前提としているとは考えにくい。 ウ上記アの条文上の文言や上記イに説示したところに加えて,健康管理手当等の申請は,すでに被爆者健康手帳の交付を受け被爆者と認定された者の存在を前提とする手続であるから,これに被爆者健康手帳の交付申請手続と同じ手続的要件を求めること自体不合理といえなくもないこと,前記(1)のとおり,法の目的が,社会保障の趣旨からだけでなく国家補償の趣旨からも,原爆による健康被害に苦しむ被爆者を広く救済する点にあることを総合勘案すれば,健康管理手当及び保健手当の申請先を「居住地(居住地を有しないときは,現在地)の都道府県知事」と,葬祭料の申請先を「被爆者の死亡時の居住地(居住地を有しないときは,現在地)の都道府県知事」と各限定して解釈するのは相当でないというべきであり,健康管理手当及び保健手当については国外に居住する被爆者であっても,葬祭料については被爆者の死亡時の居住地が国外であっても,国外から直接に健康管理手当等の支給の申請をすることができると解するのが相当である。 (3) 被告の主張について前記のとおり,被告は,「援護の実施主体が都道府県知事とされていることや手当等の支給の適正という見地からすれば,法文上明記されていなくとも,申請先を法は『居住地(居住地を有しないときは,現在地)の都道府県知事』に限定する趣旨である。上記解釈は,立法過程及び立法意思にも沿う。」旨主張する。 しかし,前記(2)に判示したとおり,健康管理手当等の支給主体が都道府県知事とされていることから当然に,申請先を「居住地 する趣旨である。上記解釈は,立法過程及び立法意思にも沿う。」旨主張する。 しかし,前記(2)に判示したとおり,健康管理手当等の支給主体が都道府県知事とされていることから当然に,申請先を「居住地(居住地を有しないときは,現在地)の都道府県知事」と限定して解釈すべきであるということはできない。 また,政府は,旧原爆二法が施行されていた当時,同法の適用対象者は日本国内に居住ないし現在する者に限定され,国外に居住の被爆者は,受給権取得後に離日した者も含み,その対象とはされないと解釈し,法の立法過程における政府委員の答弁も上記政府見解を述べたにとどまるものであったが,その後,政府は,施行規則等を改正し,受給権取得後に離日し国外に居住する被爆者も健康管理手当等の申請者としての資格を有することとし,当初の政府見解とは解釈を異にするに至ったのであり(乙8,弁論の全趣旨),この経緯にかんがみれば,必ずしも健康管理手当等の申請先を「居住地(居住地を有しないときは,現在地)の都道府県知事」とするのが立法意思であったということはできない。 さらに,被告が主張するとおり,支給の可否及び適正の判断は医師の診断書によらざるを得ないところ,国外の医師又は医療機関の診断書は,日本と異なる医療制度や医療水準の下で作成され,類型的な信用性があるとは必ずしもいえない場合があり,その翻訳も必要であるし,診断書の内容の不明点を照会するについても,日本の医師に照会する場合と比較して,困難であるといえる。しかし,国外の医師作成の診断書の信用性が低いとは必ずしもいえないこと,診断書の翻訳がさほどに困難な作業であるとはいえないこと,診断書の不明点に対する照会は,現代の発達した情報通信手段を利用することにより十分可能であること,そもそも支給の適正は個々の支給申請について提出された診 訳がさほどに困難な作業であるとはいえないこと,診断書の不明点に対する照会は,現代の発達した情報通信手段を利用することにより十分可能であること,そもそも支給の適正は個々の支給申請について提出された診断書等を精査し十分な審査を行うことによってなされるべき性質の事項であること,法の目的からみて,国外に居住する被爆者が国外から直接健康管理手当等の支給を申請することを一律に禁止したとは考えにくいことにかんがみれば,被告の主張に沿う上記の点を考慮しても,健康管理手当等の申請先を「居住地(居住地を有しないときは,現在地)の都道府県知事」と限定して解釈することはできない。 したがって,この点に関する被告の主張は採用できない。 2 争点(2)(施行規則52条,56条,71条及び施行令19条の適法性)について前示のとおり,法27条,28条,32条は,国外からの健康管理手当等の申請を許容する趣旨であると解されるから,施行規則52条,56条は,申請先を「居住地の都道府県知事」と限定している点で,施行規則71条及び施行令19条は,申請先を「被爆者死亡の際の居住地の都道府県知事」と限定している点で,法の委任の範囲を逸脱しているので,その限度で違法無効というべきである。 なお,施行規則52条は,申請に際し,法19条1項の被爆者一般疾病医療機関の医師が作成した診断書を添えなければならない旨規定するが,この診断書には国外の医療機関の医師が作成したものも含まれると解するのが相当である。 また,施行規則71条の「死亡診断書又は死体検案書」には国外の医療機関の医師が作成したものも含まれると解するのが相当である。 3 争点(3)(本件各処分の適法性)について前示のとおり,法は,国外からの健康管理手当等の申請を許容しているところ,国外からの申請については,申請先 たものも含まれると解するのが相当である。 3 争点(3)(本件各処分の適法性)について前示のとおり,法は,国外からの健康管理手当等の申請を許容しているところ,国外からの申請については,申請先について法令上の規定が存在しない以上,同申請者は,法27条,28条,32条及び49条に従い,被爆者健康手帳の交付をどの都道府県知事から受けたかに関わりなく,いずれの都道府県知事,広島市長又は長崎市長に対しても申請することができると解せられる。 したがって,前記「事案の概要」2(2)の「原告らに対する処分」のアないしエの原告らの申請はいずれも適法であり,同イ及びウの処分は法27条に,同エの処分は法28条に,同アの処分は法32条に,それぞれ反し,違法であるから,これらを取り消すのが相当である。 4 結論よって,原告らの請求は,いずれも理由があるからこれを認容することとし,主文のとおり判決する。 広島地方裁判所民事第3部裁判長裁判官能勢顯男裁判官財津陽子裁判官田中一隆は転補のため署名押印できない。 裁判長裁判官能勢顯男
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