令和3年11月11日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和元年(ワ)第23164号特許権に基づく損害賠償請求事件口頭弁論終結日令和3年9月3日判決 原告 A 被告キヤノン株式会社 同訴訟代理人弁護士鮫島正洋 同小栗久典同髙野芳徳 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求被告は,原告に対し,600万円及びこれに対する令和元年9月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 本件は,画像形成装置に係る特許権を有する原告が,被告の製造販売等に係る,別紙被告製品目録記載の製品(以下「被告製品」という。)とスマートスピーカーとを組み合わせた装置(以下「被告装置」という。)は,上記の特許に係る特許請求の範囲に記載された構成の各要件を文言上充足し,又は,特許請求の範囲に記載された構成と均等なものであり,その特許発明の技術的範囲に属 すると主張し,また,被告製品の製造販売等は上記特許権の間接侵害(特許法 101条1号,2号)に該当するなどと主張して,被告に対し,民法709条及び特許法102条3項に基づく損害賠償として600万円及びこれに対する不法行為の後の日である令和元年9月19日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 これに対する不法行為の後の日である令和元年9月19日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 前提事実(証拠等を掲げた事実以外は,当事者間に争いがない。なお,枝番号の記載を省略したものは,枝番号を含む(以下同様)。)(1) 本件特許原告は,次の特許権を有している(以下,この特許を「本件特許」という。 甲1,2)。 発明の名称画像形成装置特許番号特許第6055971号登録日平成28年12月16日出願番号特願2016-92216号(以下「本件特許出願」という。また,同出願の明細書(図面を含む。)を「本 件明細書」といい,その該当部分の記載を【0001】などと表すこととする。)出願日平成28年5月2日(2) 本件特許に係る出願の経過本件特許出願は,次のとおりの分割出願(特許法44条1項)の経過を辿 った。 アまず,本件出願1(平成25年4月23日に出願された特願2013-90149号(特許第5641509号)に基づき,本件出願2(特願2014-223879号。出願日:平成26年11月4日。特許第5842210号。乙2の3)が分割出願として出願された。 イ次に,本件出願2に基づき,本件出願3(特願2015-205148 号。出願日:平成27年10月19日。乙2の2)が分割出願として出願された。 ウそして,本件出願3に基づき,本件特許出願が分割出願として出願された。 (3) 本件発明1,2 ア本件特許に係る特許請求の範囲の請求項1,2の各記載は,次のとおりである(以下 。 ウそして,本件出願3に基づき,本件特許出願が分割出願として出願された。 (3) 本件発明1,2 ア本件特許に係る特許請求の範囲の請求項1,2の各記載は,次のとおりである(以下,請求項1に記載された発明を「本件発明1」と,請求項2に記載された発明を「本件発明2」といい,これらを併せて,「本件各発明」ということがある。甲2)。 (ア) 本件発明1 加工の実施に関する表示内容を複数に分け必要な表示内容に切り替えて表示するメーンとなる画面の表示手段と,このメーンとなる画面の表示手段を表示して,表示したこのメーンとなる画面の表示内容を実施する手段を設けた画像形成装置において,更に,登録した複数の加工条件からなるコピーメニューのコピー,登録した複数の加工条件からなるプ リントメニューのプリント,原稿原画の情報の保存,保存した原稿原画の情報のコピーのいずれかの一つ或は複数の加工を実施する画像形成装置において,前記のメーンとなる画面の表示手段を表示せずに,更に,画面を切り替えずに,前記の加工を実施する指示を出す手段を設けた画像形成装置。 (イ) 本件発明2音声により,前記の加工を実施する手段を設けた請求項1の画像形成装置。 イ本件発明1,2は,次のとおり構成要件に分説することができる。 (ア) 本件発明1 1-A 加工の実施に関する表示内容を複数に分け必要な表示内容 に切り替えて表示するメーンとなる画面の表示手段と,1-B このメーンとなる画面の表示手段を表示して,表示したこのメーンとなる画面の表示内容を実施する手段を設けた1-C 画像形成装置において,1-D 更に,登録した複数の加工条件からなるコピーメニューの コピー,登録した複数の加工条 したこのメーンとなる画面の表示内容を実施する手段を設けた1-C 画像形成装置において,1-D 更に,登録した複数の加工条件からなるコピーメニューの コピー,登録した複数の加工条件からなるプリントメニューのプリント,原稿原画の情報の保存,保存した原稿原画の情報のコピーのいずれかの一つ或は複数の加工を実施する画像形成装置において,1-E-1 前記のメーンとなる画面の表示手段を表示せずに,更に, 画面を切り替えずに,1-E-2 前記の加工を実施する指示を出す手段を設けた1-F 画像形成装置。 (イ) 本件発明22-G 音声により,前記の加工を実施する手段を設けた 2-H 請求項1の画像形成装置。 (4) 被告は,平成30年9月頃から,被告製品について,販売又は販売の申出をしている。 2 争点(1) 被告装置の構成(争点1) (2) 被告装置の,本件各発明の技術的範囲への属否等(争点2)ア文言充足の有無(構成要件1-A,1-B,1-D,1-E-1の充足性)(争点2-1)イ均等侵害の成否(争点2-2)ウ間接侵害の成否(争点2-3) (3) 本件特許は特許無効審判により無効にされるべきものであるか(争点3) (4) 原告の損害及び損害額(争点4) 3 争点に関する当事者の主張(1) 被告装置の構成(争点1)(原告の主張)被告装置の構成は,次のとおりである。 1-a 用紙サイズ,紙種,濃度調整,モノクロ/カラー,拡大/縮小,その他コピー機能を複数に分け必要な細分化したコピー機能に切り替えて表示する液晶モニターの画面と,1-b この液晶モニターの画面を表示して,表示した 調整,モノクロ/カラー,拡大/縮小,その他コピー機能を複数に分け必要な細分化したコピー機能に切り替えて表示する液晶モニターの画面と,1-b この液晶モニターの画面を表示して,表示した液晶モニターの画面の細分化したコピー機能の設定で印刷をする方法を設 けた1-c プリンター(被告製品)において,1-d 更に,ぬりえ,ナンプレ,レポート用紙,五線譜,チェックリストなどのいろいろなコンテンツを同プリンター(被告製品)に保存して,このコンテンツの原稿原画を用意し持参する必要 が無く,この原稿原画をプリンターの原稿台にセットする必要が無く,このコンテンツの印刷をするプリンターにおいて,1-e-1 ウォームアップ時,待機電力時において,前記の液晶モニターの画面を表示せずに,更に,画面を切り替えずに,1-e-2 話しかけることにより前記の印刷をする指示を出すスマー トスピーカーを設けた1-f プリンター。 2-g スマートスピーカーに話しかけることにより,前記のぬりえ,ナンプレ,レポート用紙,五線譜,チェックリストなどのコンテンツの印刷をする方法を設けた 2-h 前記のプリンター。 (被告の主張)原告の上記主張は,争う。次の点を指摘することができる。 ア構成1-dについて,被告装置は,スマートスピーカーに話しかけることにより印刷されるコンテンツを被告製品に保存していない。 イ構成1-e-1について,被告装置は,スマートスピーカーに話しかけ ることにより印刷されるコンテンツの印刷を行う場合,ウォームアップ時及び待機電力時のいずれの状態からの印刷においても,プリンターの液晶モニターの画面が表示され,画面が切り替わる。ま に話しかけ ることにより印刷されるコンテンツの印刷を行う場合,ウォームアップ時及び待機電力時のいずれの状態からの印刷においても,プリンターの液晶モニターの画面が表示され,画面が切り替わる。また,被告装置は,液晶モニターの画面が表示された状態で,コンテンツの印刷を行う。 (2) 争点2-1(文言充足の有無)(構成要件1-A,1-B,1-D,1-E -1の充足性)(原告の主張)被告装置は,次のとおり,構成要件1-A,1-B,1-D,1-E-1を充足し,本件発明1,2の技術的範囲に属する。 ア被告装置の構成1-aの「用紙サイズ,紙種,濃度調整,モノクロ/カ ラー,拡大/縮小,その他コピー機能」は,構成要件1-Aの「加工の実施に関する表示内容」に当たり,同1-aの「液晶モニターの画面」は,同1-Aの「メーンとなる画面の表示手段」に当たるから,被告装置の構成1-aは,構成要件1-Aを充足する。 イまた,被告装置の構成1-bの「液晶モニターの画面」は,構成要件1 -Bの「メーンとなる画面の表示手段」に当たり,同1-bの「液晶モニターの画面の細分化したコピー機能の設定」は,構成要件1-Bの「メーンとなる画面の表示内容」に当たるから,被告装置の構成1-bは,構成要件1-Bを充足する。 ウまた,被告装置の構成1-dの「いろいろなコンテンツ…の印刷」は, 構成要件1-Dの「加工」に当たるから,被告装置の構成1-dは,構成 要件1-Dの構成要件を充足する。 エさらに,被告装置の構成1-e-1の「ウォームアップ時,待機電力時において,」は,構成要件1-E-1の「表示手段を表示せずに,更に,画面を切り替えずに,」に当たり,同1-e-1の「液晶モニターの画面」は,構成要件1-E-1の「メーンと ォームアップ時,待機電力時において,」は,構成要件1-E-1の「表示手段を表示せずに,更に,画面を切り替えずに,」に当たり,同1-e-1の「液晶モニターの画面」は,構成要件1-E-1の「メーンとなる画面の表示手段」に当たるから,被 告装置の構成1-e-1は,構成要件1-E-1を充足する。 (被告の主張)原告の上記主張は,争う。被告装置は,次のとおり,構成要件1-A,1-B,1-D,1-E-1を充足しない。 ア構成要件1-A,1-Bについて 原告は,被告装置の構成1-d及びこれを前提とする構成1-e-2の「コンテンツの印刷」が,構成要件1-D及びこれを前提とする構成要件1-E-2の「加工」に当たる旨主張する。しかし,原告は,構成1-a,1-bでは,「コンテンツの印刷」とは全く異なる「コピー」に基づいて,構成要件1-A,1-Bを充足するとの主張をしており,誤った対比をし ている。 イ構成要件1-Dの非充足構成要件1-Dは,「保存した原稿原画の情報のコピー」との文言であるが,この「原稿原画の情報のコピー」に対応する,スマートスピーカーに話しかけることにより印刷されるコンテンツは,被告装置には保存してい ない。また,原告は,構成要件1-Dの「登録した複数の加工条件からなるコピーメニューのコピー,登録した複数の加工条件からなるプリントメニューのプリント,原稿原画の情報の保存」に対応する構成を被告装置が有することを,何ら主張,立証していない。 ウ構成要件1-E-1の非充足 構成要件1-E-1は,「画面の表示手段を表示せずに,更に,画面を切 り替えずに」との文言であるが,被告装置では,スマートスピーカーに話しかけることにより印刷されるコンテンツの印刷を行う場合,ウォーム -1は,「画面の表示手段を表示せずに,更に,画面を切 り替えずに」との文言であるが,被告装置では,スマートスピーカーに話しかけることにより印刷されるコンテンツの印刷を行う場合,ウォームアップ時及び待機電力時のいずれの状態からの印刷においても,プリンターの液晶モニターの画面が表示され,画面が切り替わる。また,被告装置は,液晶モニターの画面が表示された状態で,コンテンツの印刷を行っている。 (3) 争点2-2(均等侵害の成否)(原告の主張)被告装置が,本件発明1,2の構成要件と相違する部分(相違部分)があるとしても,被告装置は,次のとおり,均等の第1要件ないし第3要件を満たし,本件発明1,2と均等なものとして,その技術的範囲に属するから, 均等侵害が成立する。 ア第1要件本件発明1,2の本質的部分は,構成要件1-E-1の「前記のメーンとなる画面の表示手段を表示せずに,更に,画面を切り替えずに」という部分である。 構成要件1-E-2の「前記の加工を実施する指示を出す手段」は,画像形成装置本体部に設けられているのに対し,被告装置の構成1-e-2の「前記の加工を実施する指示を出すスマートスピーカー」は,画像形成装置本体部外に設けられているから,両者は,「加工を実施する指示を出す手段」の設置場所が相違する。しかし,上記に照らし,この相違部分は, 本件発明1の本質的部分ではない。 また,被告装置の構成1-e-1は,「ウォームアップ時,待機電力時において,前記の液晶モニターの画面を表示せずに,更に,画面を切り替えずに,」というものであって,その実質的内容は,上記構成要件1-E-1と同一であるから,本質的部分における相違はない。 イ第2要件 構成要件1 ,更に,画面を切り替えずに,」というものであって,その実質的内容は,上記構成要件1-E-1と同一であるから,本質的部分における相違はない。 イ第2要件 構成要件1-E-2の「前記の加工を実施する指示を出す手段」を,被告製品の1-e-2の「前記の加工を実施する指示を出すスマートスピーカー」に置き換えても,作用効果は同一である。 ウ第3要件本件発明1,2の「加工を実施する指示を出す手段」の設置場所を,画 像形成装置本体部からスマートスピーカーに置き換えることは,当業者が容易に想到できたものである。 (被告の主張)原告の上記主張は,争う。被告装置は,次のとおり,本件発明1,2と均等なものではない。 ア第1要件を満たさないこと原告は,「加工を実施する指示を出す手段」の設置場所の違いが第1要件を検討する上での相違部分に該当すると主張するものと解される。 しかし,被告装置に関し,文言侵害が成立しないこと(被告装置が少なくとも,構成要件1-A,1-B,1-D,1-E-1,2-Hを充足し ないこと)は,上記のとおりであり,このため,当該構成要件1-A,1-B,1-D,1-E-1,2-Hを充足しない被告装置の構成が,第1要件を検討する上での上記相違部分となる。 そうすると,当該相違部分を何ら考慮せず,「加工を実施する指示を出す手段」の設置場所の違いのみを論ずる原告の上記主張は,前提において誤 っている。 また,原告は,構成要件1-E-1に対応する構成が,本件発明1の本質的部分である旨主張するところ,被告装置は,上記のとおり,構成要件1-E-1に対応する構成において相違する部分を有しているから,本件発明1,2の本質的部分において相違しているものである。 的部分である旨主張するところ,被告装置は,上記のとおり,構成要件1-E-1に対応する構成において相違する部分を有しているから,本件発明1,2の本質的部分において相違しているものである。 イ第2要件を満たさないこと 原告は,「加工を実施する指示を出す手段」の設置場所の違いが第1要件を検討する上での相違部分に該当すると主張するものと解される。 しかし,上記のとおり,被告装置においては,構成要件1-A,1-B,1-D,1-E-1,2-Hを充足しない構成が,本件発明1,2との相違部分となる以上,当該部分についての検討を欠く原告の主張は,その前 提において誤っている。 また,原告は,第2要件の主張に係る作用効果として,構成要件1-E-1についての作用効果を主張するようであるが,上記のとおり,被告装置は構成要件1-E-1を充足しないので,構成要件1-E-1についての作用効果を奏するものではない。 ウ第3要件を満たさないこと原告は,「加工を実施する指示を出す手段」の設置場所の違いが第1要件を検討する上での相違部分に該当すると主張するものと解される。 しかし, 上記のとおり,被告装置においては,構成要件1-A,1-B,1-D,1-E-1,2-Hを充足しない構成が,本件発明1,2との相 違部分となる以上,当該部分についての検討を欠く原告の主張は,その前提において誤っている。 (4) 争点2-3(間接侵害の成否)(原告の主張)ア特許法101条1号の間接侵害について 被告装置は,スマートスピーカーで音声により指示を出し,画像形成装置(被告製品)で印刷をする技術であり,スマートスピーカーのみや画像形成装置(被告製品)のみでは,ナンプレ,ぬり絵,レポート用 被告装置は,スマートスピーカーで音声により指示を出し,画像形成装置(被告製品)で印刷をする技術であり,スマートスピーカーのみや画像形成装置(被告製品)のみでは,ナンプレ,ぬり絵,レポート用紙等の印刷を行うことができない(製品カタログ(甲8)15頁「新機能」参照)。 しかるに,被告製品は,被告装置における,上記製品カタログ(甲8)1 5頁「新機能」で示すナンプレ,ぬり絵,レポート用紙等の印刷のみに用 いられるものであるから,被告製品の販売等について,本件発明1,2に関して,特許法101条1号に規定する間接侵害が成立する。 イ特許法101条2号の間接侵害について被告装置におけるスマートスピーカーは,画像形成装置(被告製品)に対して,「メーンとなる画面の表示手段を表示せずに,更に,画面を切り替 えずに」加工を実施する指示を出すものである。 そして,このスマートスピーカーによる指示は,例えば,本件明細書において,「概しては,「発明が解決しようとする課題」の要約で挙げた通り,前記の「背景技術」で挙げた画面等の表示手段,指示手段の問題を解決する。即ち,使用者の加工の指示ミスを防止し,指示手段の不要な手間や時 間を無くす。不要な画面の表示や不要な画面の切り替えに関する電力や時間を無くす。」(【0032】)と記載されているように,課題の解決に不可欠のものである。 また,原告は,被告に対して令和元年6月17日付け警告書(甲4-1,甲4-2)を送り,警告をしたが,被告は,現在でも被告製品を販売して いるから,特許法101条2号に規定する主観的要件も満たしているから,被告製品の販売等について,本件発明1,2に関して,特許法101条2号に規定する間接侵害が成立する。 (被告の主張) るから,特許法101条2号に規定する主観的要件も満たしているから,被告製品の販売等について,本件発明1,2に関して,特許法101条2号に規定する間接侵害が成立する。 (被告の主張)ア被告装置に係る文言侵害,均等侵害の不成立 前記のとおり,被告装置について,本件発明1,2に関し,文言充足もなく均等侵害も成立しないから,被告が被告製品を販売等する行為が,特許法101条1号又は2号に規定する間接侵害に当たることはない。 イ特許法101条1号の間接侵害について特許法101条1号は,「その物の生産にのみ用いる物」を間接侵害の対 象とするから,被告が販売等する被告製品が,被告装置の生産にのみ用い る物に当たるかが問題となる(スマートスピーカーは,訴外の第三者が被告と関係なく販売等している。)。しかるに,被告製品は,パソコンと接続してプリンターとして使用する等,スマートスピーカーと組み合わせることなく,実用的に使用することが可能である。そうすると,被告製品の販売等は,被告装置との関係において,特許法101条1号に規定する間接 侵害に該当しない。 ウ特許法101条2号の間接侵害について特許法101条2号は,「その物の生産に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く。)であつてその発明による課題の解決に不可欠なもの」を間接侵害の対象とする。 そして,本件発明1,2による課題の解決は,原告も,スマートスピーカーが,「『メーンとなる画面の表示手段を表示せずに,更に,画面を切り替えずに』加工を実施する指示を出」すことによりなされるとしているように,スマートスピーカーによってなされており,被告製品によりなされているものではないから,このような被告製品が,「 に,画面を切り替えずに』加工を実施する指示を出」すことによりなされるとしているように,スマートスピーカーによってなされており,被告製品によりなされているものではないから,このような被告製品が,「課題の解決に不可欠な もの」に当たるとはいえない。 また,原告は,令和元年6月17日付け警告書(甲4の1,2)を被告に送付したことを挙げて,特許法101条2号に規定する主観的要件を充足する旨主張するが,当該警告書では,被告製品を型番等により具体的に特定するものではないから,「その物がその発明の実施に用いられること」 を被告に通知したことにならない。 そうすると,被告製品の販売等は,被告装置との関係において,特許法101条2号に規定する間接侵害に該当しない。 (5) 本件特許は特許無効審判により無効にされるべきものであるか(争点3)(被告の主張) ア分割要件違反 特許出願の分割は,その実体的要件の一つとして,分割出願の明細書等に記載された事項が,原出願の分割直前の明細書等に記載された事項の範囲内であることが要求される。 しかして,本件特許出願は,本件出願1から本件出願2,本件出願2から本件出願3,本件出願3から本件特許出願というように,順次分割出願 されたものであるところ,本件出願2に関して,その分割出願の明細書等に記載された事項は,実施例についての説明及び新規な図面が増やされており,新規事項が追加されたものであって,原出願の分割直前の明細書等に記載された事項の範囲内にないものである。 すなわち,本件出願2の分割出願の明細書等(乙2の7の1,乙2の7 の2。以下「本件出願2分割時明細書」という。)は,その原出願(本件出願1)の分割直前の明細書等(本件出願1の特許 である。 すなわち,本件出願2の分割出願の明細書等(乙2の7の1,乙2の7 の2。以下「本件出願2分割時明細書」という。)は,その原出願(本件出願1)の分割直前の明細書等(本件出願1の特許査定時の明細書等。乙2の6。以下「本件出願1査定時明細書」という。)と比較して,実施例についての説明及び新規な図面が増やされており,新規事項の追加に当たるものである。 しかして,本件出願2の出願は,本件出願1の特許査定後になされたものであり,本件出願1査定時明細書について補正をすることができる時期になされたものでない。 そうすると,本件出願1査定時明細書に新規事項を追加した本件出願2分割時明細書は,原出願の分割直前の明細書等に記載された事項の範囲内 のものとはいえず,本件出願2は特許出願の分割の要件を満たしておらず不適法なものである。 したがって,本件出願2は,本件出願1の出願時になされたものとはみなされず,出願日は実際の出願日である,2014年(平成26年)11月4日となる。そうすると,本件出願2の分割出願である本件出願3の更 なる分割出願である本件特許出願もまた,その出願日は,せいぜい,本件 出願2の実際の出願日である2014年(平成26年)11月4日になされたものとみなすことができるだけであり,本件出願1の出願日(平成25年4月23日)になされたものとみなされることはない。 イ新規性・進歩性の欠如しかして,本件発明1,2は,いずれも,上記の2014年(平成26 年)11月4日の前である2013年(平成25年)10月17日に頒布された刊行物である特開2013-214848号公報(乙2の1)に記載された発明と同一又は乙2の1に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができた 13年(平成25年)10月17日に頒布された刊行物である特開2013-214848号公報(乙2の1)に記載された発明と同一又は乙2の1に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条1項3号又は同条2項に該当し,本件発明1,2に係る各特許は,特許無効審判により 無効とされるべきものである(特許法123条1項2号)。 (原告の主張)本件出願2において,分割要件違反が発生し,本件特許が,この分割要件違反の影響を受けて違法状態にあるとしても,本件特許に関する行政の瑕疵は,特許審査官の「分割直前の明細書等」と「出願当初の明細書等」の事務 的で単純な照合間違いに起因するものである。 すなわち,これは,出願人が行った審査請求時の行政の手続の誤りであり,出願人が提出した特許明細書等に記載した発明そのものの解釈に一切関係せず,出願人が一切関与せず,行政が一方的に犯した瑕疵であるから,本件特許は特許無効審判により無効にされるべきものであるとはいえない。 (6) 原告の損害及び損害額(争点4)(原告の主張)本件特許の技術分野,被告製品の市場,コスト構造,類似事例,実務慣行に鑑みれば,本件特許を実施するに当たっての相当な実施料率は,0.2%を下るものではない。しかるに,被告の平成30年9月から現在まで被告製 品の売上高は,30億円を下らないから,原告は,被告による被告製品の販 売等の行為によって,少なくとも600万円相当の損害を被ったものであるといえ,被告に対し,同額の損害賠償請求権を有する。 (被告の主張)争う。 第3 当裁判所の判断 1 本件の事案に鑑み,まず,争点3(本件特許は特許無効審判により無効にされるべきもので ,被告に対し,同額の損害賠償請求権を有する。 (被告の主張)争う。 第3 当裁判所の判断 1 本件の事案に鑑み,まず,争点3(本件特許は特許無効審判により無効にされるべきものであるか)について判断する。 (1) 分割要件違反についてア本件特許出願は,本件出願1の分割出願である本件出願2に係る,更にその分割出願である本件出願3に係る,更にその分割出願に係る特許出願 であるところ,被告は,本件出願2が分割要件違反になる旨を主張するので,この点について検討する。 イところで,分割出願が適法な場合には,その効果は原出願の出願日に遡及する(特許法44条2項本文)が,分割出願が不適法な場合には,分割出願をした時点を基準として実体審査が行われることになる。そして,分 割出願の出願日が原出願の出願日へ遡及するためには,①分割出願の明細書等に記載された事項が,原出願の出願当初の明細書等に記載された事項の範囲内であること,及び,②分割出願の明細書等に記載された事項が,原出願の分割直前の明細書等に記載された事項の範囲内であることを要するものと解するのが相当である。 なお,原出願の明細書等について補正をすることができる時期に特許出願の分割がされた場合には,上記①の要件が満たされれば,上記②の要件も満たされるものと解されるところ,本件出願2は,本件出願1について特許査定の謄本の送達がされた平成26年10月7日(乙2の4)より後の平成26年11月4日に分割出願がされており(乙2の3),本件出願1 の明細書等について補正をすることができる時期(特許法17条の2第1 項参照)にされたものではないことからすれば,本件出願2の分割要件としては上記①の要件とは別に,上記②の要件を の明細書等について補正をすることができる時期(特許法17条の2第1 項参照)にされたものではないことからすれば,本件出願2の分割要件としては上記①の要件とは別に,上記②の要件を満たすことも必要となると解される。 ウしかして,本件出願2が分割出願された時点における本件出願1の明細書等,すなわち,本件出願1の特許査定時の明細書等(本件出願1査定時 明細書。乙2の6)と,本件出願2の明細書等(本件出願2分割時明細書。 乙2の7の1,乙2の7の2)とを比較すると,本件出願2分割時明細書は,例えば,指定キープ指示部によって,電源OFF後も加工条件をキープし,次回以降最初に表示される画面に表示することに関する記載が追加されている点(段落【0100】),倍率を指示する「一つ上」や「一つ下」 の表示によって,使用頻度の高い加工条件である倍率の設定数を減らし,メニューの設定数を減らすことに関する記載が追加されている点(段落【0105】),登録されたメニューを変更不可にロックする手段を設けることによって,安易なメニュー変更による誤指示を防止することに関する記載が追加されている点(段落【0145】),図7ないし図15及びこれ に関連する記載が追加されている点(段落【0041】,【0042】,【0052】,【0135】,【0141】ないし【0182】)で,本件出願1査定時明細書の記載と相違しており,本件出願2分割時明細書は,本件出願1査定時明細書には存在しない記載事項を含むものであるから,本件出願1査定時明細書に記載された事項の範囲内であるとはいえないというほ かない。 そうすると,本件出願2は,上記イの②の分割要件を満たさないから,分割要件違反となるものというべきであり,本件出願2には特許法 れた事項の範囲内であるとはいえないというほ かない。 そうすると,本件出願2は,上記イの②の分割要件を満たさないから,分割要件違反となるものというべきであり,本件出願2には特許法44条2項の適用がない。 エ以上によれば,本件特許出願が本件出願3に対して分割要件を満たし, 本件出願3が本件出願2に対して分割要件を満たすとしても,本件出願2 は本件出願1に対して分割要件を満たしていないから,本件出願2の出願日は,本件出願1の出願日まで遡及せず,現実の出願日である平成26年11月4日であることとなり,同様に,本件特許出願の遡及する出願日は,本件出願2の出願日である平成26年11月4日であることとなる。 オ原告の主張について 原告は,本件出願2において分割要件違反(重大かつ明白な行政の瑕疵)が発生し,本件特許出願がこの分割要件違反の影響を受けて違法状態にあるとした上で,かかる行政の瑕疵は,特許審査官による分割直前の明細書等と出願当初の明細書等の単純な照合間違いに起因するものであり,出願人が一切関与せず,行政が一方的に犯した瑕疵である旨を主張する。 しかし,本件出願2の特許査定に至る審査において,審査官が分割要件違反について指摘しなかったことが審査官の事務的な瑕疵といえるか否かに関わらず,分割出願をどのように行うかは出願人に任されているものであり,分割出願を適法に行う責任は第一次的には出願人が負うものというべきであるから,原告の上記主張は,本件出願2の分割要件違反に関す る前記ウの判断を左右するものとはいえない。 (2) 新規性欠如についてア以上によれば,平成25年10月17日に発行された特開2013-214848号公報(乙 件違反に関す る前記ウの判断を左右するものとはいえない。 (2) 新規性欠如についてア以上によれば,平成25年10月17日に発行された特開2013-214848号公報(乙2の1。以下,これに記載された発明を「乙2の1発明」という。)は,本件特許の出願日よりも前に頒布された刊行物となる ところ,被告は,本件各発明が乙2の1発明と同一であり,新規性欠如の無効理由があると主張するので,この点について検討する。 イ乙2の1公報の記載乙2の1公報には,以下のとおりの記載がある。 (ア) 【技術分野】 【0001】 コピー機や,製版印刷機や,プリンタや,コピー機能やプリント機能やスキャナー機能やファクス機能を装備した複合機等の画像形成装置に関する。 (イ) 【発明を実施するための形態】【0041】 図2 ,3 ,4 ,5 は,本発明に関する代表図であり,コピー,プリント,スキャン機能を備える画像形成装置の操作部を示す。 図2は,装置の操作を行なう為の操作盤1を示す。 図3は,非表示状態にある画面2とメモ板又はメモ入れ12を示す。 図4は,メニューの変更画面2aを示す。 図5は,登録・保存メニューの画面2bを示す。 【0042】図2の操作盤1は,次の操作・指示手段を備える。 メニューのスタート指示具3である各「スタート」ボタンは,電源を「ON」後に,複数の加工条件から成るメニューの加工をこの一押しで 実施する。 【0043】原稿原画の情報の保存指示具5である各「保存」ボタンは,電源を「ON」後に,原稿原画に記録された情報の保存を,この ら成るメニューの加工をこの一押しで 実施する。 【0043】原稿原画の情報の保存指示具5である各「保存」ボタンは,電源を「ON」後に,原稿原画に記録された情報の保存を,この一押しで実施する。 【0044】 メニューの変更指示具6である各「変更」ボタンは,電源を「ON」後に,非表示状態にある画面から,複数の加工条件から成るメニューの加工条件の変更を行なう為のメニューの変更画面2aの表示をこの一押しで実施する。 【0045】 画面切り替えスイッチ7である「画面切替」スイッチは,「非表示」(「O FF」,「ECO」),「表示」の各モードに切り替え可能である。 「OFF」のモードの設定は,画面が非通電の非表示の状態である。 「ECO」のモードの設定は,画面が待機電力の非表示の状態である。 「表示」のモードの設定は,画面が表示の状態である。 「表示」のモードの設定は,登録・保存メニューの画面2b或いはメ ニューの変更画面2a或いはその他の画面を電源の「ON」により表示する。 【0046】画面切り替えスイッチ7は,電源が「OFF」の状態でも「ON」の状態でも切り替え可能である。 画面切り替えスイッチ7が「非表示」の状態でも,(「表示」の状態でも,)メニューのスタート指示具3や原稿原画の情報の保存指示具5やメニューの変更指示具6や数字キー10は,稼動可能である。 電源が「OFF」の状態で,画面切り替えスイッチ7を「非表示」にセットしておけば,電源の「ON」時に,手間を要せず,画面に関する 電力を節約できる。 画面切り替えスイッチ7が「表示」の状態でも,画面(例えば,メニュー り替えスイッチ7を「非表示」にセットしておけば,電源の「ON」時に,手間を要せず,画面に関する 電力を節約できる。 画面切り替えスイッチ7が「表示」の状態でも,画面(例えば,メニューの変更画面2a,登録・保存メニューの画面2b等)の表示が完了するのを待つ事無く,メニューのスタート指示具3や原稿原画の情報の保存指示具5や数字キー10による作業の開始が可能である。 【0047】画面2の非表示の状態からのメニューの変更画面2aの表示は,メニューの変更指示具6である「変更」ボタンの選択や画面切り替えスイッチ7 の「非表示」から「表示」のモードの切り替えにより可能である。 又,画面2の非表示の状態からの登録・保存メニューの画面2bの表 示は,画面切り替えスイッチ7の「非表示」から「表示」のモードの切 り替えにより可能である。 【0048】尚,メニューの変更指示具6の選択により最初に表示される画面を,メニューの変更画面2aに設定する事により,電源を「ON」後に,一つの指示で,メニューの変更の加工を可能にする。 尚,画面切り替えスイッチ7 の「非表示」から「表示」のモードの切り替えにより最初に表示される画面を,登録・保存メニューの画面2bに設定する事により,電源を「ON」後に,一つの指示で,登録・保存メニューの加工を可能にする。 【0049】 尚,画面切り替えスイッチ7により表示された画面が,希望する画面が表示されない場合は,図4,5等で示す「画面変更」16a,16b等の表示部の選択により希望する画面の表示の切り替えを可能にする。 或いは,最初に表示する画面を指定できる様に,登録・保存メニューの画面2bやメニューの変更画面2aやそ 更」16a,16b等の表示部の選択により希望する画面の表示の切り替えを可能にする。 或いは,最初に表示する画面を指定できる様に,登録・保存メニューの画面2bやメニューの変更画面2aやその他の画面の表示を選択でき るモードを画面切り替えスイッチ7である「画面切替」スイッチに設ける事が可能である。 或いは,登録・保存メニューの画面2bやメニューの変更画面2aやその他の画面の,それぞれの画面を表示する為のそれぞれの専用ボタンを設ける事が可能である。 【0055】図2の例では,加工枚数を表示する為の枚数表示部9を操作盤1の上方に1つ設けているが,「複数の加工条件の一部」4aを示す表示部のそれぞれの枚数を示す部分に設ける事が可能である。 (即ち,図2の例では,「標準コピー」や「エココピー」や「書類コピ ー」や「標準写真」や「標準スキャン」の各「メニュー」の「複数の加 工条件の一部」4aを示す表示部の枚数の「1枚」又は「各1枚」の表示部分を加工枚数に応じて,例えば「2枚」,「3枚」,……や「各2枚」,「各3枚」,……や「個人指定」,「個別指定」等と変化して表示する表示部の手段を設ける事が可能である。)【0063】 画面が非表示でも,メニューのスタート指示具3や原稿原画の情報の保存指示具5や数字キー(登録・保存メニューのスタート指示具10b)による加工の作業が可能である。 【0064】尚,数字キー(登録・保存メニューのスタート指示具10b)による 加工の作業は,画面が表示されなくとも,(定期的に使用する原稿原画の)登録・保存番号を使用者が記憶していれば,(操作盤1上の数字キーで登録・保存番号を入力すれば,)作業が実施可能である。 【0066】図4 されなくとも,(定期的に使用する原稿原画の)登録・保存番号を使用者が記憶していれば,(操作盤1上の数字キーで登録・保存番号を入力すれば,)作業が実施可能である。 【0066】図4は,メニューの変更画面2aを示す。 この画面は,操作盤1上の画面切り替えスイッチ7である「画面切替」スイッチの「表示」モードの設定や,メニューの変更指示具6である「変更」ボタンの選択により,非表示の画面から表示される。 【0067】この画面の表示内容は,「分類名群」13と「分類内容」14と「その 他の複数の加工条件」4bと「処理方法」15の表示部が表示される。 【0068】「分類名群」13の表示部は,使用者が選択したメニューに関する複数の加工条件を分類別に収め,「倍率」や「用紙サイズ」や「給紙サイズ」や「紙種」‥‥‥ 等の分類名を付け配置している。 【0069】 「分類内容」14の表示部は,前記の分類名が,使用者が選択したメニューの操作盤1上に表示された「複数の加工条件の一部」4aに関しており,分類名の中に含まれている加工条件を,「自動」や「100%」や「一つ上」や「一つ下」‥‥‥等と表示している。 【0070】 「その他の複数の加工条件」4bの表示部は,使用者が選択したメニューの操作盤1上に表示されない複数の加工条件であり,「カセット」や「普通紙」や「片面」や「標準スピード」等を表示している。 【0071】「分類内容」14の表示部を開示する分類名は,「分類名群」13の表 示部より抜粋して設け,「分類内容」14の表示部と「その他の複数の加工条件」4bの表示部と「分類名群」13の表示部は同じ順位で配置され,「分類名群」13の表示部の使用者が選択したメニューを収めた分 示部より抜粋して設け,「分類内容」14の表示部と「その他の複数の加工条件」4bの表示部と「分類名群」13の表示部は同じ順位で配置され,「分類名群」13の表示部の使用者が選択したメニューを収めた分類名と「分類内容」14の表示部の使用者が選択したメニューの加工条件は強調されて表示される。 【0072】加工条件の変更は,「分類内容」14内の表示部の変更したい加工条件の表示部をタッチする。[タッチすると,(先に設定してある,)メニューの加工条件の強調が解除され,(新たに,)タッチした加工条件が強調されて表示される。] 【0073】「分類内容」14の表示部内に使用者が変更したい加工条件が無い場合は,「分類名群」13の表示部の使用者が変更したい分類名の表示部をタッチする。(タッチした分類名が強調されて表示される。)次に,タッチしたメニューの加工条件を含む「分類内容」14の表示 部が表示され,前記段落に準じて実施する。 【0074】この処理は,「処理方法」15の「スタート」や「登録」や「登録→スタート」の表示部の選択により行なう。 「スタート」の表示部の選択は,変更したメニューでの加工を実施する。 「登録」の表示部の選択は,変更したメニューを登録・保存メニューの画面2bに表示状態で登録をする。 「登録→スタート」の表示部の選択は,変更したメニューでの加工を実施し,変更したメニューを登録・保存メニューの画面2bに表示状態で登録をする。 【0098】登録・保存メニューのスタート指示具17である「スタート」の表示部の選択は,「スタート」の表示部と同列の「NO」,「区分」,「原稿原画の情報・加工条件」での加工を実施する。 (ウ) 【実施例1 登録・保存メニューのスタート指示具17である「スタート」の表示部の選択は,「スタート」の表示部と同列の「NO」,「区分」,「原稿原画の情報・加工条件」での加工を実施する。 (ウ) 【実施例1】 【0107】以上,本発明に関する装置の各部の詳細について示したが,これ以降は,各請求項の代表例について示す。 図2の代表図が示す請求項1の発明は,例えば,電源を「ON」後に,(ガラス板上に原稿原画をセットして,メニューのスタート指示具3で ある「標準コピースタート」のボタンを,一押しするだけ等の)一つの指示で,(「倍率」条件が「100%」,「サイズ」条件が「自動」で選択,「カラー」条件が「自動」で選択,「枚数」条件が「1枚」,等の)複数の加工条件から成る(標準コピーの)メニューの(コピーの)加工を,実行できるメニューのスタート指示具(3)手段を設けた(コピー,プ リント,スキャン機能を備える装置の)画像形成装置である。 【0108】前記の条件で枚数変更を行なう場合は,枚数変更を先に行う。 例えば,使用者の希望枚数10枚に変更する場合は,電源を「ON」後に,ガラス板上に原稿原画をセットして,数字キー10の枚数の変更指示具10aの(上部の「●」以外の場所の)「1」と「0」を押し,メ ニューのスタート指示具3である「標準コピースタート」のボタンを押して,(「倍率」条件が「100%」,「サイズ」条件が「自動」で選択,「「カラー」条件が「自動」で選択,「枚数」条件が「10枚」,等の)複数の加工条件から成る(標準コピーの)メニューの(コピーの)加工を実行する。 【0109】図2の代表図が示す請求項2の発明は,例えば,電源を「ON」後に,(ガラス板上に原稿原画をセットして,原稿原画の情報 (標準コピーの)メニューの(コピーの)加工を実行する。 【0109】図2の代表図が示す請求項2の発明は,例えば,電源を「ON」後に,(ガラス板上に原稿原画をセットして,原稿原画の情報の保存指示具5である「保存」のボタンを,一押しするだけ等の)一つの指示で,原稿原画に記録された情報を(走査等のセンサー手段により読み取り,装置 の記憶装置に)保存(し,次回のコピー時に,この原稿原画を持参する必要が無く,この原稿原画をガラス板上にセットする必要が無く,コピーを行なう事が)できる原稿原画の情報の保存指示具手段を設けた(コピー,プリント,スキャン機能を備える装置の)画像形成装置である。 【0110】 図2 ,5の代表図が示す請求項3の発明は,例えば,(使用者が希望する「登録・保存番号」が「16」,「原稿原画の情報」名が「提案用紙」,「加工枚数」が「10」枚のコピーを行なう場合に於いて,)(画面切り替えスイッチ7である「画面切替」スイッチを「表示」のモードにセットしておき,)電源を「ON」後に,(ガラス板上に原稿原画をセットす る必要が無く,登録・保存メニューの画面2bに表示された「16」,「原 稿」,「提案用紙」,「10枚」と同列の登録・保存メニューのスタート指示具17である「スタート」の表示部をタッチするだけ等の,)一つの指示で,(メニューの変更画面2aで)登録した複数の加工条件から成るメニューの加工や,(原稿原画の情報の保存指示具5で)保存した原稿原画に記録された情報の加工(の中から,「登録・保存番号」が「16」,「原 稿原画の情報」名が「提案用紙」,「加工枚数」が「10」枚を取り出し,コピーの加工)を実行できる登録・保存メニューのスタート指示具(17である表示部)手段を設けた(コ 存番号」が「16」,「原 稿原画の情報」名が「提案用紙」,「加工枚数」が「10」枚を取り出し,コピーの加工)を実行できる登録・保存メニューのスタート指示具(17である表示部)手段を設けた(コピー,プリント,スキャン機能を備える装置の)画像形成装置である。 【0114】 図2の代表図が示す請求項4の発明は,例えば,(画面切り替えスイッチ7である「画面切替」スイッチを「OFF」や「ECO」の「非表示」のモードにセットして,) 画面(2)が非表示の状態でも(請求項1の発明のメニューのスタート指示具3手段や,請求項2の原稿原画の情報の保存指示具5手段や,請求項3の発明の数字キー10の登録・保存メ ニューのスタート指示具10b手段が)実行可能である,エコ手段を設けた請求項1,2 ,3 の(コピー,プリント,スキャン機能を備える装置の)画像形成装置である。 (エ) 【実施例2】【0123】 例えば,請求項1の発明は,(音声モードスイッチを予め「ON」にセットし,)電源を「ON」後に,(ガラス板上に原稿原画をセットして,「標準コピースタート」と発声するだけ等の)一つの指示で,(「倍率」条件が「100%」,「サイズ」条件が「自動」で選択,「カラー」条件が「自動」で選択,「枚数」条件が「1枚」,等の)複数の加工条件から成 る(標準コピーの)メニューの(コピーの)加工を,実行できるメニュ ーのスタート指示具手段を設けた(コピー,プリント,スキャン機能を備える装置の)画像形成装置である。 【0124】或いは,例えば,請求項1 ,7の発明は,(音声モードスイッチを予め「ON」にセットし,)電源を「ON」後に,(ガラス板上に原稿原画 をセットして,「標準コピーの変更,倍率一つ下,枚数10枚 或いは,例えば,請求項1 ,7の発明は,(音声モードスイッチを予め「ON」にセットし,)電源を「ON」後に,(ガラス板上に原稿原画 をセットして,「標準コピーの変更,倍率一つ下,枚数10枚,スタート」と発声するだけ等の)一つの指示で,[「倍率」条件が「86% 」,「サイズ」条件が「B4」( 原稿サイズ「A3」),「カラー」条件が「自動」,「枚数」条件が「10枚」,等の]複数の加工条件から成る(標準コピーの変更)メニューの(コピーの)加工を,実行できるメニューのスター ト指示具手段を設けた(コピー,プリント,スキャン機能を備える装置の)画像形成装置である。 【0125】例えば,請求項2の発明は,(音声モードスイッチを予め「ON」にセットし,)電源を「ON」後に,(ガラス板上に原稿原画をセットして, 「保存」或いは「保存,提案用紙」と発声するだけ等の)一つの指示で,原稿原画に記録された情報を(走査等のセンサー手段により読み取り,装置の記憶装置に)保存(し,次回のコピー時に,この原稿原画を持参する必要が無く,この原稿原画をガラス板上にセットする必要が無く,「提案用紙」のコピーを行なう事が)できる原稿原画の情報の保存指示 具手段を設けた(コピー,プリント,スキャン機能を備える装置の)画像形成装置である。 【0126】例えば,請求項3,6の発明は,(音声モードスイッチを予め「ON」にセットし,)電源を「ON」後に,(ガラス板上に原稿原画をセットす る必要が無く,「登録・保存番号16」と発声するだけ等の)一つの指示 で,(メニューの変更画面2aで)登録した複数の加工条件から成るメニューの加工や,(原稿原画の情報の保存指示具5で)保存した原稿原画に記録された情報の加工(の中から,「登録・保 指示 で,(メニューの変更画面2aで)登録した複数の加工条件から成るメニューの加工や,(原稿原画の情報の保存指示具5で)保存した原稿原画に記録された情報の加工(の中から,「登録・保存番号」が「16」,「原稿原画の情報」名が「提案用紙」,「加工枚数」が「10」枚を取り出し,コピーの加工) を,実行できる登録・保存メニューのスタート指示具手 段を設けた(コピー,プリント,スキャン機能を備える装置の)画像形成装置である。 【0127】例えば,請求項5の発明は,(音声モードスイッチを予め「ON」にセットし,)電源を「ON」後に,(「標準コピーの変更画面の表示」と発声 するだけ等の)一つの指示で,非表示の画面から,(「倍率」条件が「100%」,「サイズ」条件が「自動」で選択,「カラー」条件が「自動」で選択,「枚数」条件が「1枚」,等の)複数の加工条件から成る(「標準コピー」の) メニューの加工条件の変更を行なう為のメニューの変更画面(2a)を,(「「標準コピーの変更画面の表示」と発声した時に)表示す るメニューの変更指示具手段を設けた(コピー,プリント,スキャン機能を備える装置の)請求項1,2,3,4の画像形成装置である。 【図2】 【図3】 【図4】 【図5】 ウ乙2の1公報の開示内容前記イの記載事項によれば,乙2の1公報には,以下のような開示があると認められる。 (ア) コピー,プリント,スキャン機能を備え,操作盤1と画面2とを含む画像形成装置に関するものである(段落【0001】,【0041】,図2, 4,5)。 (イ) 前記画 められる。 (ア) コピー,プリント,スキャン機能を備え,操作盤1と画面2とを含む画像形成装置に関するものである(段落【0001】,【0041】,図2, 4,5)。 (イ) 前記画像形成装置の画面2は,使用者が画面に表示された「分類名群」13の表示部をタッチすることで,「分類内容」14に表示される加工条件を切り替えることができる(段落【0066】ないし【0074】)。 (ウ) 前記画像形成装置は,使用者が画面2に表示される加工条件を選択し, 当該加工条件による加工を実施する手段を備えている(段落【0042】,【0063】,【0064】,【0066】ないし【0074】,【0098】,図4)。 (エ) 前記画像形成装置は,複数の加工条件からなる標準コピーのメニューの加工を実行すること,複数の加工条件からなる標準写真のメニューの 加工を実行すること,及び,原稿原画の情報を保存し,当該保存した原稿原画の情報のコピーを行うことができる(段落【0055】,【0107】ないし【110】,図2)。 (オ) メニューのスタート指示具3手段や,原稿原画の情報の保存指示具5手段や,数字キー10の登録・保存メニューのスタート指示具10b手 段は,複数の加工条件からなるメニューの加工を一押しで実施するものである(段落【0042】)が,「非表示モード」にセットすると,画面2が非表示の状態でもメニューのスタート指示具3手段の実行が可能である(段落【0045】ないし【0049】,【0114】)。 (カ) 「標準コピースタート」と発声するだけ等の一つの指示で,複数の加 工条件からなる標準コピーのメニューのコピーの加工を実行できるメ ニューのスタート指示手段を設けた画像形成装置である(段落【012 」と発声するだけ等の一つの指示で,複数の加 工条件からなる標準コピーのメニューのコピーの加工を実行できるメ ニューのスタート指示手段を設けた画像形成装置である(段落【0123】ないし【0127】)。 エ本件各発明と乙2の1発明との対比(ア) 構成要件1-A,1-B,1-C,1-Fとの対比乙2の1発明の「画面に表示された「分類名群」13の表示部をタッ チすることで,「分類内容」14に表示される加工条件を切り替える」ことができる「画面2」(前記ウ(イ))は,本件発明1,2の「加工の実施に関する表示内容を複数に分け必要な表示内容に切り替えて表示するメーンとなる画面の表示手段」(構成要件1-A)に相当すると認められる。 また,乙2の1発明の「画面2に表示される加工条件を選択し,当該 加工条件による加工を実施する手段」(前記ウ(ウ))は,本件発明1,2の「メーンとなる画面の表示手段を表示して,表示したこのメーンとなる画面の表示内容を実施する手段」(構成要件1-B)に相当し,乙2の1発明の「コピー,プリント,スキャン機能を備え,操作盤1と画面2とを含む画像形成装置」(前記ウ(ア))は,本件発明1,2の「画像形成装 置」(構成要件1-C,1-F)に相当すると認められる。 (イ) 構成要件1-Dとの対比乙2の1発明の「複数の加工条件から成る標準コピーのメニューの加工を実行すること,複数の加工条件から成る標準写真のメニューの加工を実行すること,及び,原稿原画の情報を保存し,当該保存した原稿原 画の情報のコピーを行うこと」(前記ウ(エ))とは,本件発明1,2の「更に,登録した複数の加工条件からなるコピーメニューのコピー,登録した複数の加工条件からなるプリントメニューのプリント 原 画の情報のコピーを行うこと」(前記ウ(エ))とは,本件発明1,2の「更に,登録した複数の加工条件からなるコピーメニューのコピー,登録した複数の加工条件からなるプリントメニューのプリント,原稿原画の情報の保存,保存した原稿原画の情報のコピーのいずれかの一つ或は複数の加工を実施する」(構成要件1-D)ことに相当すると認められる。 (ウ) 構成要件1-E-1,1-E-2との対比 乙2の1発明の「画面2が非表示の状態でも」「複数の加工条件からなる加工を実施する指示を出す」,「スタート指示具3手段」や「保存指示具5手段」や「スタート指示具10b手段」(前記ウ(オ))については,ここにいう「画面2が非表示の状態」においては,「画面を切り替え」ないことは明らかであるから,前記ウ(オ)の記載は,本件発明1,2の「前 記のメーンとなる画面の表示手段を表示せずに,更に,画面を切り替えずに,」「前記の加工を実施する指示を出す手段」(構成要件1-E-1,1-E-2)に相当すると認められる。 (エ) 構成要件2-Gとの対比乙2の1発明の「「標準コピースタート」と発声するだけで,複数の加 工条件からなるメニューの加工を,実行できるメニューのスタート指示手段」(前記ウ(カ))は,音声によりコピーなどの加工を実施する手段といえるから,本件発明2の「音声により,前記の加工を実施する手段」(構成要件2-G)に相当すると認められる。 (オ) 上記(ア)ないし(ウ)のとおり,本件発明1と乙2の1発明とは, 「加工の実施に関する表示内容を複数に分け必要な表示内容に切り替えて表示するメーンとなる画面の表示手段と,このメーンとなる画面の表示手段を表示して,表示したこのメーンとなる画面の表示 「加工の実施に関する表示内容を複数に分け必要な表示内容に切り替えて表示するメーンとなる画面の表示手段と,このメーンとなる画面の表示手段を表示して,表示したこのメーンとなる画面の表示内容を実施する手段を設けた画像形成装置において, 更に,登録した複数の加工条件からなるコピーメニューのコピー,原稿原画の情報の保存,保存した原稿原画の情報のコピーのいずれかの一つ或は複数の加工を実施する画像形成装置において,前記のメーンとなる画面の表示手段を表示せずに,更に,画面を切り替えずに, 前記の加工を実施する指示を出す手段を設けた 画像形成装置。」である点で一致し,両者の間に相違点はない。 (カ) また,上記(オ)に加え,上記(エ)によれば,本件発明2と乙2の1発明との間に相違点はない。 オしたがって,本件各発明は,いずれも本件特許の出願前に頒布された刊 行物である乙2の1に記載された発明であると認められるから,特許法29条1項3号に該当し,新規性欠如の無効理由があるものと認められる。 (3) 以上によれば,本件各発明に係る本件各特許は,特許無効審判により無効とされるべきものと認められるから,特許法104条の3第1項の規定により,原告は,被告に対し,本件各特許権を行使することができない。 2 結論原告は,その他も縷々主張するが,その主張内容を慎重に検討しても,上記説示を左右するに足りるものはない。 よって,その余の争点について判断するまでもなく,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第47部 裁判長裁判官 主文 点について判断するまでもなく,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 理由 東京地方裁判所民事第47部 裁判長裁判官 田中孝一 裁判官 小口五大 裁判官 稲垣雄大 (別紙)被告製品目録 対象機種XK80,TS8230,TS6230,TS5030S,TS5130S,TR9530 以上
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