平成30(ワ)31428 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
令和2年6月30日 東京地方裁判所
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令和2年6月30日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成30年(ワ)第31428号損害賠償請求事件口頭弁論終結日令和2年2月4日判決 原 告 X 被告東海旅客鉄道株式会社 上記訴訟代理人弁護士宍戸一樹 同吉川景司同首藤 聡 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求被告は,原告に対し,10万円及びこれに対する平成30年10月25日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等 1 本件は,発明の名称を「座席管理システム」とする特許権(特許第3995133号。以下「本件特許権」といい,この特許を「本件特許」といい,その特許出願の願書に添付されたとみなされる明細書と図面を「本件明細書」という。)を有する原告が,被告が運営等する東海道新幹線で使用されている車内改札システム(以下「被告システム」という。)は本件特許の請求項1及び2の発明の技術的 範囲に属するものであると主張して,被告に対し,民法709条に基づき損害賠 償金(一部請求)及び遅延損害金の支払を求める事案である。 2 前提事実(当事者間に争いがない事実及び後掲各証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認められる事実)当事者原告は,後記の本件特許権を有する個人である。 被告は,旅客鉄道事業等を営むことを目的とする株式会社であり,東海地方を中心に新幹線及び在来線による旅客鉄道を運営している。 当事者原告は,後記の本件特許権を有する個人である。 被告は,旅客鉄道事業等を営むことを目的とする株式会社であり,東海地方を中心に新幹線及び在来線による旅客鉄道を運営している。 原告の有する本件特許権原告は,以下の本件特許権を有している。 特許番号第3995133号 出願日平成12年5月8日公開日平成13年11月16日登録日平成19年8月10日発明の名称座席管理システム発明の内容等 ア本件特許の請求項1の発明本件特許の請求項1の記載は以下のとおりである(以下,同請求項に記載された発明を「本件発明1」という。)。 「カードリーダで読取られた座席指定券の券情報或いは券売機等で発券された座席指定券の発券情報等を管理する管理センターに備えられるホス トコンピュータと,該ホストコンピュータと通信回線で結ばれて,指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機とから成る,指定座席を管理する座席管理システムであって,前記ホストコンピュータが,前記券情報と前記発券情報とを入力する入力手段と,該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ,前記座席管理地に設置される指定 座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と, 該作成手段によって作成された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と,該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を伝送する伝送手段と,前記端末機が,前記伝送手段によって伝送された前記座席表示情報を入力する入力手段と,該入力手段によって入力された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と,該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を表示する表示手 段と,を備えて成ることを特徴とす 表示情報を入力する入力手段と,該入力手段によって入力された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と,該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を表示する表示手 段と,を備えて成ることを特徴とする座席管理システム。」イ本件発明1の分説本件発明1を分説すると,以下のとおりである(以下,分説された各構成を「構成要件1A」又は「1A」などと表記することがある。他の発明についても同様である。)。 1A1 カードリーダで読取られた座席指定券の券情報或いは券売機等で発券された座席指定券の発券情報等を管理する管理センターに備えられるホストコンピュータと,1A2 該ホストコンピュータと通信回線で結ばれて,指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機と 1A3 から成る,指定座席を管理する座席管理システムであって,1B 前記ホストコンピュータが,前記券情報と前記発券情報とを入力する入力手段と,1C 該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ,前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づい て表示する座席表示情報を作成する作成手段と,1D 該作成手段によって作成された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と,1E 該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を伝送する伝送手段と, 1F 前記端末機が,前記伝送手段によって伝送された前記座席表示情報を 入力する入力手段と,1G 該入力手段によって入力された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と,1H 該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を表示する表示手段と, 1I を備えて成ることを特徴とする座席管理システム。 なお,原告は,請求原因事実の 情報を記憶する記憶手段と,1H 該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を表示する表示手段と, 1I を備えて成ることを特徴とする座席管理システム。 なお,原告は,請求原因事実の一部訂正として,構成要件1Gを「前記端末機が,該入力手段によって入力された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と」と,構成要件1Hを「該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて前記端 末機が表示する表示手段」とそれぞれ訂正する旨主張する。 ウ本件特許の請求項2の発明本件特許の請求項2の記載は以下のとおりである(以下,同請求項に記載された発明を「本件発明2」といい,本件発明1と本件発明2を併せて「本件発明」ということがある。)。 「カードリーダで読取られた座席指定券の券情報或いは券売機等で発券された座席指定券の発券情報等を管理する管理センターに備えられるホストコンピュータと,該ホストコンピュータと通信回線で結ばれて,複数の座席管理地に備えられる端末機とから成る,指定座席を管理する座席管理システムであって,前記ホストコンピュータが,前記券情報と前記発券情報とを 入力する入力手段と,該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とを,複数の前記座席管理地又は前記端末機を識別する座席管理地識別情報又は端末機識別情報別に集計する集計手段と,該集計手段によって集計された前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ,前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する 作成手段と,該作成手段によって作成された前記座席表示情報を記憶する記 憶手段と,該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を伝送する伝送手段と,前記端 する座席表示情報を作成する 作成手段と,該作成手段によって作成された前記座席表示情報を記憶する記 憶手段と,該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を伝送する伝送手段と,前記端末機が,前記伝送手段によって伝送された当該座席管理地識別情報又は端末機識別情報の前記座席表示情報を入力する入力手段と,該入力手段によって入力された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と,該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を表示する表示手段と,を備えて 成ることを特徴とする座席管理システム。」エ本件発明2の分説本件発明2を分説すると,以下のとおりである。 2A1 カードリーダで読取られた座席指定券の券情報或いは券売機等で発券された座席指定券の発券情報等を管理する管理センターに備えら れるホストコンピュータと,2A2 該ホストコンピュータと通信回線で結ばれて,複数の座席管理地に備えられる端末機と2A3 から成る,指定座席を管理する座席管理システムであって,2B1 前記ホストコンピュータが,前記券情報と前記発券情報とを入力す る入力手段と,2B2 該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とを,複数の前記座席管理地又は前記端末機を識別する座席管理地識別情報又は端末機識別情報別に集計する集計手段と,2C 該集計手段によって集計された前記券情報と前記発券情報とに基づ き,かつ,前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と,2D 該作成手段によって作成された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と,2E 該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を伝送する伝送手 段と, 2F 前記端末機が,前記伝送手段によって 段によって作成された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と,2E 該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を伝送する伝送手 段と, 2F 前記端末機が,前記伝送手段によって伝送された当該座席管理地識別情報又は端末機識別情報の前記座席表示情報を入力する入力手段と,2G 該入力手段によって入力された前記座席表示情報を記憶する記憶手段と,2H 該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報を表示する表示手 段と,2I を備えて成ることを特徴とする座席管理システム。 なお,原告は,請求原因事実の一部訂正として,構成要件2Cを「該集計手段によって集計された前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ,複数の前記座席管理地に設置されるそれぞれの指定座席のレイアウトに基づい て表示するそれぞれの座席表示情報を作成する作成手段と」と,構成要件2Fを「複数の前記端末機が,前記伝送手段によって伝送されたそれぞれの当該座席管理地識別情報又は端末機識別情報により識別され集計された前記座席表示情報を入力する入力手段と」と,構成要件2Gを「複数の前記端末機が,該入力手段によって入力された前記座席表示情報を記憶する記憶手段 と」と,構成要件2Hを「複数の前記端末機が,該記憶手段によって記憶された前記座席表示情報をそれぞれの指定座席のレイアウトに基づいて表示する表示手段と」とそれぞれ訂正する旨主張する。 被告の行為被告は,被告が運行等する東海道新幹線において,業として被告システムを 使用している。 構成要件の充足被告システムは,構成要件1A2,1A3,2A2,2A3を充足する。(構成要件1A2,1A3については争いがなく,構成要件2A2,2A3については弁論の全趣旨) 3 争点 成要件の充足被告システムは,構成要件1A2,1A3,2A2,2A3を充足する。(構成要件1A2,1A3については争いがなく,構成要件2A2,2A3については弁論の全趣旨) 3 争点 被告システムが本件発明1,2の技術的範囲に属するか否か(争点1)ア 「該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ,前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と」(構成要件1C),「該集計手段によって集計された前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ,前記座席管理 地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と」(構成要件2C)等の充足性(争点1-1)イ被告システムは,特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして特許発明の技術的範囲に属するか否か(予備的主張)(争点1-2) 損害の発生の有無及びその額(争点2) 4 争点に関する当事者の主張「該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ,前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と」(構成要件1C),「該集計手段によって集計された前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ,前記座席管理地に設置 される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と」(構成要件2C)等の充足性(争点1-1)について(原告の主張)ア被告システムの構成は,以下のとおりである。 1a1 自動改札機で読み取られた座席指定券の自動改札通過データを管 理する管理センターに備えられる自動改札機通過情報サーバーと,券売機等で発券され 告システムの構成は,以下のとおりである。 1a1 自動改札機で読み取られた座席指定券の自動改札通過データを管 理する管理センターに備えられる自動改札機通過情報サーバーと,券売機等で発券された座席指定券の発売実績データを管理するマルスサーバーと,1a2 該自動改札機通過情報サーバー及びマルスサーバーと通信回線で結ばれて,指定座席を設置管理する複数の新幹線の車内に備えられる車 掌携帯端末と, 1a3 から成る,車内改札システムであって,1b1 前記改札機通過情報サーバーが,前記自動改札通過データを入力する入力手段と,並びに,マルスサーバーが,前記発売実績データを入力する入力手段と,1b2 該入力手段によって改札情報サーバー及びマルスサーバーにそれ ぞれ入力された前記自動改札通過データと前記発売実績データとを,複数の新幹線列車に備えられた端末機を識別する新幹線列車識別情報別に集計する集計手段と,1c 該集計手段によってそれぞれ新幹線列車識別情報別に集計された自動改札通過データと発売実績データとを,各改札情報サーバー及びマル スサーバーにおいて,当該列車の指定座席のレイアウト(座席レイアウト情報)に基づいて,各指定座席の利用状況(前記自動改札通過データによる乗車の有無及び前記発売実績データによる座席発売の有無)を表示するための座席表示データ(座席表示情報)を各作成する作成手段と,1d 該作成手段によって作成された前記座席表示データ(座席表示情報) を記憶する記憶手段と,1e 該記憶手段によって記憶された前記座席表示データ(座席表示情報)を伝送する伝送手段と,1f 前記車掌携帯端末が,前記伝送手段によって伝送された前記座席表示データ(座席表示情報)を入力する入力手段と, って記憶された前記座席表示データ(座席表示情報)を伝送する伝送手段と,1f 前記車掌携帯端末が,前記伝送手段によって伝送された前記座席表示データ(座席表示情報)を入力する入力手段と, 1g 該入力手段によって入力された前記座席表示データ(座席表示情報)を記憶する記憶手段と,1h 該記憶手段によって記憶された前記座席表示データ(前記自動改札通過データによる乗車の有無及び前記発売実績データによる座席指定券発売の有無という各指定座席の利用状況)を,前記端末内に設置される指 定座席のレイアウトに基づいて表示する表示手段と, 1ⅰ を備えて成ることを特徴とする車内改札システム。 イ本件発明における「座席表示情報」は,本件明細書の記載や技術常識に照らせば,券情報と発券情報に基づき,かつ,指定座席のレイアウトに基づいて作成されるものであり,日付,列車番号,号車番号,座席番号等から構成される券情報や発券情報などの文字情報であって,端末機のディスプレイに 表示される画像情報そのものではない。 被告システムで2つのサーバーが使用されているとしても,それらは本件発明における「ホストコンピュータ」に該当する。被告システムにおけるセンターサーバー(改札情報サーバー及びマルスサーバー)は,それらに入力された自動改札通過データと発売実績データに基づき,各データを列車番号 (識別情報)別に集計する集計手段と,その集計手段によって集計された自動改札通過データと発売実績データを,指定座席のレイアウト(座席レイアウト情報)に基づき各指定座席の利用状況(自動改札通過データと発売実績データとの有無)を表示するための基となる座席データ(座席表示情報)を作成する作成手段を有するものであるから,被告システム(上記1c)は構 成 指定座席の利用状況(自動改札通過データと発売実績データとの有無)を表示するための基となる座席データ(座席表示情報)を作成する作成手段を有するものであるから,被告システム(上記1c)は構 成要件1C,2Cを充足する。 ウ上記と同様の理由から,被告システム(上記1dないし1h)は,構成要件1Dないし1H,構成要件2Dないし2Hを充足する。 (被告の主張)ア本件発明の構成要件1C,2Cは,「ホストコンピュータ」において券情 報,発券情報及び指定座席のレイアウトを統合処理し,座席表示情報を作成することを内容とするものである。これに対し,被告システムは,自動改札機からの自動改札通過データが伝送される先のサーバーと券売機等からの発売実績データが伝送される先のサーバーはそれぞれ別々のものであり,センターサーバー(ホストコンピュータ)において全ての列車の自動改札通過 データと発売実績データを一括管理し,号車番号や座席番号順に並べるなど して座席表示情報を作成し,これを車掌携帯端末に伝送するという処理はしていない。 したがって,被告システムの構成は構成要件1C,2Cを充足しない。 イまた,同様の理由から,被告システムは,構成要件1Dないし1H,構成要件2Dないし2Hを充足しない。 被告システムは,特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして本件発明の技術的範囲に属するか否か(予備的主張)(争点1-2)について(原告の主張)本件発明は,券情報と発券情報を,1つのホストコンピュータに集約して情報を処理し,それらの両情報を1回線の通信回線を使用して端末機に伝送する ものである。 他方,被告システムは,自動改札通過データと発売実績データを,2台のサーバーに別々に集約して情 約して情報を処理し,それらの両情報を1回線の通信回線を使用して端末機に伝送する ものである。 他方,被告システムは,自動改札通過データと発売実績データを,2台のサーバーに別々に集約して情報を処理し,それらの両情報を2回線の通信回線を使用して車掌携帯端末に伝送する構成を有している。 本件発明の特許請求の範囲に記載された構成と被告システムの構成は,上記 のとおり異なる部分が存在するが,そのように異なる部分が存在する場合であっても,①対象製品等との相違部分が特許発明の本質的部分ではないこと(第1要件),②相違部分を対象製品等におけるものと置き換えても,特許発明の目的を達成することができ,同一の作用効果を奏することができること(第2要件),③相違部分を対象製品等におけるものと置き換えることが対象製品等 の製造等の時点において容易に想到できたこと(第3要件),④対象製品等が特許発明の出願時における公知技術と同一でなく,又は公知技術から容易に推考できたものではないこと(第4要件),⑤対象製品等が特許発明の出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情がないこと(第5要件)の各要件を満たす場合には,当該対象製品等は特 許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして特許発明の技術的範囲に 属することになる。 ア第1要件について本件発明は各指定座席の座席指定券の発券情報と自動改札機で読み取られた券情報の両情報をサーバーによって適宜整序処理し,それらの整序処理された両情報をサーバー側から指定座席を管理する列車車内の携帯可能な 端末機に伝送し,伝送された各指定座席の両情報を上記端末機に表示し,その表示を車掌が目視で確認できるようにしたものであり,これが本件発明の本質 バー側から指定座席を管理する列車車内の携帯可能な 端末機に伝送し,伝送された各指定座席の両情報を上記端末機に表示し,その表示を車掌が目視で確認できるようにしたものであり,これが本件発明の本質的部分である。本件発明の特許請求の範囲に記載された構成と被告システムの構成の異なる部分は,上記のとおりサーバーと通信回線の個数に関する相違であって,本件発明の本質的部分に関係するものとはいえない。した がって,第1要件を満たす。 イ第2要件について本件発明の作用効果は,車掌が携帯する端末機に表示される各指定座席の利用状況(自動改札通過情報及び発売実績情報の有無)を車掌が目視で確認できるようにして,車内改札を本来空席であるはずの座席に座っている乗客 に対して従来のように切符の提示を求めるだけで足りるようにしたものであり,これにより車内改札の省略化を図るというものである。本件発明の構成要件の「ホストコンピュータ」を,被告システムの構成の「自動改札通過情報サーバー」と「マルスサーバー」に置き換えた場合であっても,全く同一の作用効果を実現することができる。したがって,第2要件を満たす。 ウ第3要件について上記のとおり本件発明の特許請求の範囲に記載された構成と被告システムの構成の異なる部分に関して,本件発明の特許請求の範囲に記載された構成を被告システムの構成に置き換えることは,当業者は容易に想到することができた。したがって,第3要件を満たす。 エ第4要件,第5要件について 被告システムの構成は本件発明の出願時における公知技術と同一又は公知技術から容易に推考できたものではなく,被告システムが本件発明の出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものであるともいえない。した 構成は本件発明の出願時における公知技術と同一又は公知技術から容易に推考できたものではなく,被告システムが本件発明の出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものであるともいえない。したがって,第4要件,第5要件を満たす。 オ以上によれば,被告システムは,本件発明に係る特許請求の範囲に記載さ れた構成と均等なものとして,本件発明の技術的範囲に属する。 (被告の主張)本件発明はホストコンピュータにおいて券情報,発券情報及び指定座席のレイアウトといった情報を統合処理し,座席表示情報を作成することを構成要件の一つ(構成要件1C,2C)とする発明であるのに対し,被告システムは本 件発明のホストコンピュータに相当しうる各サーバーにおいて自動改札通過データや発売実績データといった個々の情報を1つの情報に統合するという処理等を行っていない点で相違する。 ア第1要件について本件発明は,従来の座席指定席利用状況監視装置で券情報と発券情報の両 情報を管理センターから受ける場合は,伝送される情報量が2倍になるため,通信回線の負担が2倍になり,端末機の記憶容量と処理速度を2倍にしなければならなかったという課題について,この課題を解決するための手段として,管理センターに備えられるホストコンピュータで券情報と発券情報の両情報に基づいて座席表示情報を作成した後,当該座席表示情報をホストコン ピュータから座席管理地に備えられる端末機へ送信することにより,端末機に伝送される情報量や,通信回線の負担と端末機の記憶容量と処理速度を半減することを可能にした発明であり,これらの部分が本件発明の本質的部分であるといえるから,上記の相違点は本件発明の本質的部分に関するものである。したがって,第1要件を満たさない。 度を半減することを可能にした発明であり,これらの部分が本件発明の本質的部分であるといえるから,上記の相違点は本件発明の本質的部分に関するものである。したがって,第1要件を満たさない。 イ第2要件について 本件発明は,ホストコンピュータにおいて,券情報,発券情報及び指定座席のレイアウトといった情報を統合処理して座席表示情報を作成するという構成によって,ホストコンピュータから端末機へ伝送される情報量や,通信回線の負担と端末機の記憶容量及び処理速度を半減するという効果を生じさせている。これに対し,被告システムは,自動改札機から自動改札通過 データが伝送される先のサーバーと,券売機等から発売実績データが伝送される先のサーバーは別々であるため,各データはそれぞれ異なる送信元サーバーから異なるタイミングで車掌携帯端末に伝送される。本件発明の構成を被告システムの構成に置き換えても同一の作用効果を奏することはない。したがって,第2要件を満たさない。 ウ第3要件について上記イのとおり,本件発明と被告システムの構成の相違部分には置換可能性がなく,異なる課題及び解決手段並びに作用効果を持つ発明間では当業者には置換の動機付けが生じないから,第3要件を満たさない。 エ以上のとおり,本件においては,均等論の第1要件ないし第3要件を満た さないから,第4要件,第5要件について検討するまでもなく,均等侵害が成立しないことは明らかである。 損害の発生の有無及びその額(争点2)について(原告の主張)被告は,平成28年3月から被告システムの使用を開始し,現在も被告シス テムを使用している。被告が被告システムを使用することにより,原告の特許権を侵害した期間は,平成28年3月から平 被告は,平成28年3月から被告システムの使用を開始し,現在も被告シス テムを使用している。被告が被告システムを使用することにより,原告の特許権を侵害した期間は,平成28年3月から平成30年9月までの約2年7か月である。本件発明は,座席を管理するシステムとして,極めて高い価値を有するものであるから,本件特許権を実施するための正当な権利を得るためには高額な実施料を要することになる。 原告は,被告に対し,民法709条に基づき,上記実施料についての一部請 求として10万円を請求する。 (被告の主張)否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 本件発明の概要 本件明細書の記載(甲2)ア従来の技術及び発明が解決しようとする課題「従来,指定座席を管理する座席管理システムとしては,カードリーダで読取られた座席指定券の券情報及び券売機等で発券された座席指定券の発券(座席予約)情報等を,例えば列車車内において,端末機(コンピュータ) で受けて記憶し表示して,指定座席の利用状況を車掌が目視できるようにして車内検札を自動化する座席指定席利用状況監視装置(特公H5-47880号公報)が発明されている。」(【0002】)「図2は,前記座席指定席利用状況監視装置に備えられる端末機の概略図を示すもので,券情報入力15で受けたカードリーダで読取られた座席指定 券の券情報と,発券情報入力16で受けた券売機等で発券された座席指定券の発券情報等の情報をCPU17に記憶して情報処理して,各指定座席の使用及び空席等の利用状況をディスプレイ18に表示して,該表示を車掌が目視できるようにして,車内検札を自動化した座席管理装置である。」(【0003】) 報処理して,各指定座席の使用及び空席等の利用状況をディスプレイ18に表示して,該表示を車掌が目視できるようにして,車内検札を自動化した座席管理装置である。」(【0003】) 「このように,前記座席指定席利用状況監視装置は,共に指定座席の使用及び空席等の利用状況を表示する座席表示情報となり,かつ,車内検札を自動化するのに絶対不可欠な前記券情報或いは前記発券情報を用いて,列車車内において各指定座席の利用状況を表示するようにしたことで,初めて車内改札を自動化した画期的な発明である。さらにともに表示情報として作用す る前記券情報と前記発券情報との両情報を独立して表示できるとともに,前 記発券情報による表示を前記券情報による表示に優先して表示して発券されていない例えば変造や偽造の座席指定券の使用を防止できるようにしているが,例えばこれ等の両情報を地上の管理センターから受ける場合,伝送される情報は2種になるために通信回線の負担を1種の場合に比べて2倍にするとともに端末機の記憶容量と処理速度とをともに2倍にするなどの 問題がある。」(【0004】)「本発明が解決しようとする課題は,上記発明の座席指定席利用状況監視装置は上記券情報と上記発券情報とに基づいて各座席指定席の利用状況を表示するにはこれ等の両情報を地上の管理センターから受ける場合,伝送される情報量が2倍になるために,該情報を伝送する通信回線の負担を2倍に するとともに端末機の記憶容量と処理速度とをともに2倍にするなどの点にある。」(【0005】)イ課題を解決するための手段及び作用「上記問題を解決するために,本発明は,上記管理センターに備えられるホストコンピュータが,カードリーダで読取られた座席指定券の券情報 05】)イ課題を解決するための手段及び作用「上記問題を解決するために,本発明は,上記管理センターに備えられるホストコンピュータが,カードリーダで読取られた座席指定券の券情報と券 売機等で発券された座席指定券の発券情報とを入力して,これ等の両情報に基づいて表示する座席表示情報を作成して,作成された前記座席表示情報を,前記ホストコンピュータと通信回線で結ばれて,指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機へ伝送して,該端末機が,前記座席表示情報を入力して表示してするように構成したことを主要な特徴とする。」(【000 6】)「本発明は,これ等の構成によって,上記ホストコンピュータから上記端末機へ伝送される情報量が上記券情報と上記発券情報との両表示情報から1つの表示情報となる上記座席表示情報にすることで半減され,これによって通信回線の負担と端末機の記憶容量と処理速度とを半減する。」(【000 7】) ウ実施例「ホストコンピュータ1において,券情報入力3は前記券情報を受けてこれをCPU6へ入力して,さらに発券情報入力4は前記発券情報を受けてこれをCPU6へ入力して,制御情報入力5は端末機2から情報の伝送を指令する伝送指令情報或いは前記座席管理地において発券された座席指定席の 発券情報等を受けてこれ等の情報をCPU6へ入力する。」(【0009】)「CPU6は,券情報入力3から入力された前記券情報及び発券情報入力4から入力された前記発券情報それに制御情報入力5から入力された前記発券情報等を記憶するとともに,これ等の情報に基づき,かつ,前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて,例えば前記券情報及び 前記発券情報の両情報又 情報入力5から入力された前記発券情報等を記憶するとともに,これ等の情報に基づき,かつ,前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて,例えば前記券情報及び 前記発券情報の両情報又は前記券情報若しくは前記発券情報が存在するときは「1」(使用席)とし,両情報が存在しないときは「0」(空席)として,各指定座席の利用状況を表示する座席表示情報を作成して,これを記憶するとともに,該座席表示情報を,制御情報入力5から前記伝送指令情報が入力されたとき表示情報出力8へ出力する。」(【0010】。なお,訂正審決(訂 正2009-390150)により訂正された後のものを記載した。)「ディスプレイ7はCPU6に記憶された前記座席表示情報を受けて表示し,さらに表示情報出力8は,制御情報入力5が前記伝送指令情報を受けてCPU6に入力したときCPU6から出力された前記座席表示情報を通信回線に乗せて端末機2へ伝送する。また操作部9は,CPU6のプログラム のシーケンスを制御して,前記した各種情報の入力の受付や,前記座席表示情報を受けて表示されるディスプレイ7の画像をスクロールする等の操作をする。」(【0011】)「次に,端末機2において,表示情報入力10は,ホストコンピュータ1と通信回線で結ばれて,伝送された前記座席表示情報を受けてこれをCPU 11へ入力する。」(【0012】) 「CPU11は表示情報入力10から入力された前記座席表示情報を受けてこれを記憶するとともに,ホストコンピュータ1へ情報の伝送を指令する伝送指令情報を記憶する。さらにディスプレイ12はCPU11に記憶された前記座席表示情報を受けて,当該座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて各指定座席の利用状 1へ情報の伝送を指令する伝送指令情報を記憶する。さらにディスプレイ12はCPU11に記憶された前記座席表示情報を受けて,当該座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて各指定座席の利用状況を表示する。」(【0013】) 「これ等のことから,本発明の座席管理システムは,カードリーダ(改札機等)で読取られた座席指定券の券情報或いは券売機等で発券された座席指定券の発券情報等を管理する管理センターに備えられるホストコンピュータ1が,前記券情報と前記発券情報,それに,ホストコンピュータ1と通信回線で結ばれて,指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機2 からの,当該座席管理地で発券された座席指定券の発券情報等を受けて,これ等の情報に基づいて,かつ,前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて座席表示情報を作成して,これを表示するとともに,作成された座席表示情報を,端末機2からの前記座席表示情報の伝送を指令する伝送指令情報を受けて伝送して,さらに,端末機2が,ホストコンピュータ 1から伝送された前記座席表示情報を受けてこれを表示するとともに,当該座席管理地において,座席指定券が発券されたときの発券情報によって前記座席表示情報及びその表示が更新されて,座席管理者が各指定座席の利用状況を目視できるようにしている。」(【0016】)「さらに,端末機2でする前記座席表示情報の表示は,当該座席管理地に 設置される指定座席の各座席ごとの着席されているか否かに係る着席情報を入力して,該着席情報と前記座席表示情報とに基づいて新たな座席表示情報を作成して表示して,各指定座席の利用状況の表示をより正確にするとともに,例えば座席指定券が発券されていない座席が占有されるような場合であっても, 報と前記座席表示情報とに基づいて新たな座席表示情報を作成して表示して,各指定座席の利用状況の表示をより正確にするとともに,例えば座席指定券が発券されていない座席が占有されるような場合であっても,これを表示して座席管理者がリアルタイムに目視確認できるよう にして,指定座席の間違え又は不正占有等の発見をリアルタイムに,かつ, 迅速にできるようにするとよい。」(【0018】)エ発明の効果「以上説明したように本発明の座席管理システムは,上記管理センターに備えられるホストコンピュータが,カードリーダ(改札機等)で読取られた座席指定券の券情報と券売機等で発券された座席指定券の発券情報とを入 力して,これ等の両情報に基づいて表示する座席表示情報を作成して,作成された前記座席表示情報を,前記ホストコンピュータと通信回線で結ばれて,指定座席を設置管理する座席管理地に備えられる端末機へ伝送して,該端末機が前記座席表示情報を入力して表示してするようにしたことで,該端末機がする各指定座席の利用状況の表示を前記券情報と前記発券情報との両表 示情報から1つの表示情報となる前記座席表示情報で実現できるようになり,これによって前記ホストコンピュータから前記端末機へ伝送する情報量が半減され,通信回線の負担と端末機の記憶容量と処理速度等を軽減するとともに,端末機のコストダウンが計られて,本発明のシステムの構築を容易にする。」(【0020】) 本件発明の課題,解決手段及び効果本件発明は,指定座席を管理する座席管理システムに関するものである。 従来,指定座席を管理する座席管理システムとして,カードリーダで読み取られた座席指定券の券情報及び券売機等で発券された座席指定券の発券(座席予約)情報等を する座席管理システムに関するものである。 従来,指定座席を管理する座席管理システムとして,カードリーダで読み取られた座席指定券の券情報及び券売機等で発券された座席指定券の発券(座席予約)情報等を,例えば列車車内において,端末機(コンピュータ)で受けて 記憶し表示して,指定座席の利用状況を車掌が目視できるようにして車内検札を自動化する座席指定席利用状況監視装置が発明されていた。 しかし,上記の発明では,券情報と発券情報の両情報を地上の管理センターから受ける場合,伝送される情報が2種類になるため,通信回線の負担は情報が1種類の場合と比べて2倍になり,それにより端末機の記憶容量と処理速度 を2倍にする必要があるなどの課題があった。 本件発明は,管理センターに備えられるホストコンピュータが,券情報と発券情報を入力して,これらの両情報に基づいて表示される座席表示情報を作成し,その作成された座席表示情報を車掌が携帯する端末機へ伝送し,端末機が座席表示情報を入力してそれを表示するように構成したことにより,ホストコンピュータから端末機へ伝送される情報量が半減され,また,通信回線の負担 と端末機の記憶容量及び処理速度が半減されるという効果を奏するものである。 2 後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の各事実が認められる。 被告システムは,自動改札機で読み取った座席指定券の駅改札通過情報(自動改札通過データ)と,券売機等で発券された座席指定券の予約状況に関する 情報(発売実績データ)を,東海道新幹線の車内で乗務する車掌が持つ携帯端末(車掌携帯端末)に表示するものであり,以下の機能等を有する(なお,被告システムは平成30年3月に仕様変更がされており,その前後で,下記のとおり機能等が一部異なっている。)。(乙1 掌が持つ携帯端末(車掌携帯端末)に表示するものであり,以下の機能等を有する(なお,被告システムは平成30年3月に仕様変更がされており,その前後で,下記のとおり機能等が一部異なっている。)。(乙1,2,弁論の全趣旨)ア仕様変更前の被告システムの機能等 自動改札通過データ及び発売実績データは,自動改札通過データは改札情報サーバーから,発売実績データはマルスサーバーから,それぞれ車掌携帯端末に送信される。 車掌は,乗務開始時前に車掌携帯端末を操作し,乗務する列車の運用を表す数字や記号(例えば「のぞみ1号」であれば「1A」と表記される。)を設 定し,車両の形式・車種などの対象列車の編成パターンを設定する。車掌が乗務を開始した後,「号車指定席情報」を取得したい停車駅を指定して車掌携帯端末上で読み込み操作を行うと,車掌携帯端末は,改札情報サーバーから対象列車の号車ごとの自動改札通過人数の情報を取得し,車掌携帯端末の画面に表示する。続いて,車掌が「座席詳細情報」を取得したい「号車」を 指定して読み込み操作を行うと,車掌携帯端末は,改札情報サーバーから対 象列車の指定された号車の指定席の自動改札通過データを取得し,当該号車の指定座席のレイアウトに沿って画面表示する。 車掌は,当該号車の指定座席のレイアウトに沿って,自動改札通過データと発売実績データを重ね合わせて画面表示することを選択することもできる。車掌が,上記のように重ね合わせて画面表示することを選択した場合に は,車掌携帯端末上で発売実績データを取得しようとする号車を指定してその読み込み操作を行い,車掌携帯端末がマルスサーバーから発売実績データを取得し,先に取得していた自動改札通過データと重ね合わせる処理を行った上で,当該号車の指定座 を取得しようとする号車を指定してその読み込み操作を行い,車掌携帯端末がマルスサーバーから発売実績データを取得し,先に取得していた自動改札通過データと重ね合わせる処理を行った上で,当該号車の指定座席のレイアウトに沿って画面表示する。 イ仕様変更後の被告システムの機能等 車掌が,車掌携帯端末において停車駅及び号車を選択し,情報を取得する操作を行うと,上記アとは異なり,車掌携帯端末は,最初にマルスサーバーから発売実績データを取得し,その後,車掌が改めて操作を行わなくても自動的に改札情報サーバーから自動改札通過データを取得し,それらの情報を重ね合わせて画面上に車内改札用のシートマップを表示する。その他の機能 等は,上記アと基本的に同じである。 によれば,被告システムは,以下の構成を有すると認められる。 a1 自動改札機で読み取られた座席指定券の駅改札通過情報(自動改札通過データ)を管理する管理センターに備えられた改札情報サーバーと,a2 券売機等で発券された座席指定券の予約状況に関する情報(発売実績デ ータ)を管理する管理センターに備えられたマルスサーバーと,a3 前記改札情報サーバー及び前記マルスサーバーと通信回線で結ばれて,指定座席を設置管理する複数の新幹線の車内に備えられる車掌携帯端末と,a4 から成る,東海道新幹線の指定座席を管理する車内改札システムであっ て, b1 前記改札情報サーバーが,駅の自動改札機で読み取られた前記駅改札通過情報(自動改札通過データ)を入力する第1の入力手段と,b2 前記第1の入力手段によって入力された駅改札通過情報(自動改札通過データ)を記憶する第1の記憶手段と,b3 前記第1の記憶手段によって記憶された駅改札通過情報(自 力する第1の入力手段と,b2 前記第1の入力手段によって入力された駅改札通過情報(自動改札通過データ)を記憶する第1の記憶手段と,b3 前記第1の記憶手段によって記憶された駅改札通過情報(自動改札通過 データ)を特定の列車番号ごとに集計し,前記携帯端末の要求に応じて,特定の列車番号の号車に関する駅改札通過情報(自動改札通過データ)を抽出する第1の抽出手段と,b4 前記第1の抽出手段によって抽出された駅改札通過情報(自動改札通過データ)を前記携帯端末に伝送する第1の伝送手段と,を有し, c1 前記マルスサーバーが,券売機等で発券された前記座席指定券の予約状況に関する情報(発売実績データ)を入力する第2の入力手段と,c2 前記第2の入力手段によって入力された座席指定券の予約状況に関する情報(発売実績データ)を記憶する第2の記憶手段と,c3 前記第2の記憶手段によって記憶された座席指定券の予約状況に関す る情報(発売実績データ)を特定の列車番号ごとに集計し,前記携帯端末の要求に応じて,特定の列車番号の号車に関する座席指定券の予約状況に関する情報(発売実績データ)を抽出する第2の抽出手段と,c4 前記第2の抽出手段によって抽出された座席指定券の予約状況に関する情報(発売実績データ)を前記携帯端末に伝送する第2の伝送手段と, を有し,d1 前記携帯端末が,前記第1の伝送手段によって伝送された駅改札通過情報(自動改札通過データ)と,前記第2の伝送手段によって伝送された座席指定券の予約状況に関する情報(発売実績データ)を各入力する各入力手段と, d2 前記各入力手段によって入力された駅改札通過情報(自動改札通過デー タ)と座席指定券の予約状況に関する情報(発売 する情報(発売実績データ)を各入力する各入力手段と, d2 前記各入力手段によって入力された駅改札通過情報(自動改札通過デー タ)と座席指定券の予約状況に関する情報(発売実績データ)を記憶する第3の記憶手段と,d3 前記第3の記憶手段によって記憶された駅改札通過情報(自動改札通過データ)と座席指定券の予約状況に関する情報(発売実績データ)とを重ね合わせた情報を作成する手段と, d4 前記作成手段により作成された情報を記憶する第4の記憶手段と,d5 前記第4の記憶手段によって記憶された情報を,前記特定の列車の号車の指定座席のレイアウトに沿って前記携帯端末の画面に表示する手段と,e を備えて成ることを特徴とする車内改札システム。 3 「該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ, 前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と」(構成要件1C),「該集計手段によって集計された前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ,前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と」(構成要件2C)等の充足性(争点1-1)について 構成要件1Cは「該入力手段によって入力された前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ,前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表示情報を作成する作成手段と」であり,構成要件2Cは「該集計手段によって集計された前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ,前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表 示情報を作成する作成手段と」である。そして,「ホストコンピュータ」におい れた前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ,前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する座席表 示情報を作成する作成手段と」である。そして,「ホストコンピュータ」において,上記の「座席表示情報」が作成され(構成要件1C,2C),記憶され(構成要件1D,2D),伝送される(構成要件1E,2E)。また,「端末機」において,その伝送された「座席表示情報」を入力,記憶,表示する(構成要件1Fないし1H,2Fないし2H)。 ここで,「座席表示情報」は,「前記券情報と前記発券情報とに基づき,かつ, 前記座席管理地に設置される指定座席のレイアウトに基づいて表示する」(構成要件1C,2C)ものであるから,座席表示情報は,特許請求の範囲の文言上,少なくとも「券情報と発券情報と」に基づいて作成されるものであり,また,ホストコンピュータにおいて作成され,端末機に伝送されるものである。 本件明細書をみると,従来の技術について,「前記座席指定席利用状況監視 装置(判決注:特公H5-47880号)は,共に指定座席の使用及び空席等の利用状況を表示する座席表示情報となり,かつ,車内検札を自動化するのに絶対不可欠な前記券情報或いは前記発券情報を用いて,列車車内において各指定座席の利用状況を表示するようにしたことで,初めて車内改札を自動化した画期的な発明である。…例えばこれ等の両情報(判決注:券情報と発券情報) を地上の管理センターから受ける場合,伝送される情報は2種になるために通信回線の負担を1種の場合に比べて2倍にするとともに端末機の記憶容量と処理速度とをともに2倍にするなどの問題がある」(【0004】「…座席指定席利用状況監視装置は上記券情報と上記発券情報とに基づいて各座席指定席の利用状況を表示するに るとともに端末機の記憶容量と処理速度とをともに2倍にするなどの問題がある」(【0004】「…座席指定席利用状況監視装置は上記券情報と上記発券情報とに基づいて各座席指定席の利用状況を表示するにはこれ等の両情報を地上の管理センタ ーから受ける場合,伝送される情報量が2倍になるために,該情報を伝送する通信回線の負担を2倍にするとともに端末機の記憶容量と処理速度とをともに2倍にする」(【0005】 前記ア)などの課題があった。これに対し,本件発明の構成をとることで,「該端末機がする各指定座席の利用状況の表示を前記券情報と前記発券情報との両表示情報から1つの表示情報となる前記 座席表示情報で実現できるようになり,これによって前記ホストコンピュータから前記端末機へ伝送する情報量が半減され,通信回線の負担と端末機の記憶容量と処理速度等を軽減するとともに,端末機のコストダウンが計られて,本発明のシステムの構築を容易にする。」(【0020】 前記エ)と記載されている。 これらの記載に照らしても,従来の技術においては,券情報と発券情報の2 つの情報をそれぞれ端末機に対して伝送しており,そのため,1つの情報が伝送される場合に比べて情報量が2倍になり通信回線の負担が2倍になるなどしていたところ,本件発明は,これと異なり,「ホストコンピュータ」において,少なくとも券情報と発券情報という2つの情報に基づいて1つの座席表示情報を作成するものであり,そのように作成された座席表示情報を端末機に伝 送することによって,端末機へ伝送される情報量が半減されて通信回線の負担が軽減されるという効果を奏するものである。このような本件明細書の発明の詳細な説明に照らしても,本件発明において,「座席表示情報」は,「ホストコンピュータ」に される情報量が半減されて通信回線の負担が軽減されるという効果を奏するものである。このような本件明細書の発明の詳細な説明に照らしても,本件発明において,「座席表示情報」は,「ホストコンピュータ」において少なくとも券情報と発券情報の2つの情報に基づいて作成され,端末機に伝送される情報であると認められ,「ホストコンピュータ」 は,少なくとも券情報と発券情報との2つの情報に基づいて「座席表示情報」を作成する作成手段を備え,また,そのように作成された「座席表示情報」を伝送する伝送手段を備えるものである。 には改札情報サーバーとマルスサーバーがあり(構成a1,a2),改札情報サーバーは自動改札機で読み取られた駅改札 通過情報を入力して記憶し,必要な情報を抽出し,その抽出された情報を車掌携帯端末に伝送する(構成b1ないし4)。マルスサーバーは発券機等で発券された座席指定券の予約情報を入力して記憶し,必要な情報を抽出し,その抽出された情報を車掌携帯端末に伝送する(構成c1ないし4)。そして,新幹線の車内に備えられる車掌携帯端末において,駅改札通過情報と座席指定券の予 約状況に関する情報を重ね合わせた情報が作成される(構成d3)。 被告システムの駅改札通過情報は本件発明の券情報に相当し,被告システムの座席指定券の予約情報は本件発明の発券情報に相当する。ここで,被告システムでは,改札情報サーバーにおいては駅改札通過情報に基づく情報が作成され,マルスサーバーにおいては座席指定券の予約情報に基づく情報が作成され る。これらのいずれのサーバーにおいても,駅改札通過情報と座席指定券の予 約情報という2つの情報に基づいて1つの情報が作成されることはなく,また,被告システムにおいては,駅改札通過情報と座席指定券 らのいずれのサーバーにおいても,駅改札通過情報と座席指定券の予 約情報という2つの情報に基づいて1つの情報が作成されることはなく,また,被告システムにおいては,駅改札通過情報と座席指定券の予約情報という2つの情報に基づいて作成された1つの情報が,車掌携帯端末に伝送されることはない。 そうすると,ける「座席表示情報」とは,「ホ ストコンピュータ」において少なくとも券情報と発券情報の2つの情報に基づいて作成され,端末機に伝送される情報であるところ,被告システムにおいては,改札情報サーバーにおいてもマルスサーバーにおいても,このような本件発明における「座席表示情報」が作成されているとはいえず,その作成手段があるとはいえないから,被告システムは構成要件1C,2Cを充足しない。ま た,被告システムにおいては,本件発明における「座席表示情報」が作成され,その「座席表示情報」を記憶し,伝送する「ホストコンピュータ」があるとはいえないから,被告システムは,少なくとも,構成要件1D及び1E,2D及び2Eを充足しない。 ア原告は,本件発明における「座席表示情報」は,本件明細書の記載や技術 常識に照らせば,券情報と発券情報に基づき,かつ,指定座席のレイアウトに基づいて作成されるものであり,日付,列車番号,号車番号,座席番号等から構成される券情報や発券情報などの文字情報であって,端末機のディスプレイに表示される画像情報そのものではないと主張する。そして,被告システムにおけるセンターサーバー(改札情報サーバー及びマルスサーバー) は,それらに入力され,集計された自動改札通過データと発売実績データを,指定座席のレイアウト(座席レイアウト情報)に基づき各指定座席の利用状況(自動改札通過データと発売実績データとの有無)を は,それらに入力され,集計された自動改札通過データと発売実績データを,指定座席のレイアウト(座席レイアウト情報)に基づき各指定座席の利用状況(自動改札通過データと発売実績データとの有無)を表示するための基となる座席データ(座席表示情報)を作成する作成手段を有することを挙げて,被告システムは構成要件1C等を充足する旨主張する。 確かに,本件発明において「座席表示情報」が画像情報である旨の限定は ない。しかし,上記のとおり,本件発明における座席表示情報は,少なくとも「券情報と発券情報と」に基づいて作成された情報であるところ,被告システムの改札情報サーバーにおいて作成される情報は券情報に基づくものであり,マルスサーバーにおいて作成される情報は発券情報に基づくものである。これらのサーバーにおいて作成される情報は,券情報又は発券情報の いずれか1つの情報に基づいて作成されるものであるから(構成b3,c3),「券情報と発券情報と」に基づいて作成されるものではく,本件発明の「座席表示情報」には該当しない。 イ原告は,被告システムで2つのサーバーが使用されているとしても,それらは本件発明における「ホストコンピュータ」に該当すると主張し,被告シ ステムが本件発明の構成要件を充足すると主張する。 本件明細書に「ホストコンピュータ」を構成するサーバーの個数についての記載はなく,サーバーの個数自体が1つに限定される理由はない。しかし,本件発明における「ホストコンピュータ」は,前記のとおり,少なくとも券情報と発券情報とに基づき座席表示情報を作成する作成手段やその座席表 示情報を記憶する記憶手段,伝送する伝送手段を備えるものである。これに対し,被告システムの改札情報サーバーとマルスサーバー 情報と発券情報とに基づき座席表示情報を作成する作成手段やその座席表 示情報を記憶する記憶手段,伝送する伝送手段を備えるものである。これに対し,被告システムの改札情報サーバーとマルスサーバーは,券情報に基づく情報又は発券情報に基づく情報を作成する作成手段を備えるとしても,いずれも,券情報と発券情報という2つの情報に基づく「座席表示情報」を作成する作成手段を備えるものではなく,また,そのような2つの情報に基づ く「座席表示情報」を記憶する記憶手段や伝送する伝送手段を備えるものではないから,少なくとも構成要件1Cないし1E,2Cないし2Eを充足するものではない。 ウ以上によれば,被告システムは,少なくとも構成要件1Cないし1E,2CないしEを充足しない。 4 被告システムは,特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして特許発 明の技術的範囲に属するか否か(予備的主張)(争点1-2)について上記3のとおり,本件発明では「ホストコンピュータ」において「座席表示情報」が作成され,それが伝送されるなどする(構成要件1Cないし1E,2Cないし2E)。これに対し,被告システムでは改札情報サーバーとマルスサーバーにおいて,それぞれ情報が作成等されるのであり,それぞれのサーバー は券情報と発券情報とに基づく「座席表示情報」(構成要件1C,2C)の作成手段等を備えず,「車掌携帯端末」において「駅改札通過情報と座席指定券の予約状況に関する情報を重ね合わせた情報」が作成される(構成d3)などの構成の相違がある。 原告は,被告システムは本件発明と均等であるとして均等侵害の主張をする。 特許請求の範囲の記載の文言を充足せず,特許請求の範囲に記載された構成中に,相手方が製造等をする製品等 原告は,被告システムは本件発明と均等であるとして均等侵害の主張をする。 特許請求の範囲の記載の文言を充足せず,特許請求の範囲に記載された構成中に,相手方が製造等をする製品等(以下「対象製品等」という。)と異なる部分が存する場合であっても,①同部分が特許発明の本質的部分ではなく,②同部分を対象製品等におけるものと置き換えても,特許発明の目的を達することができ,同一の作用効果を奏するものであって,③上記のように置き換えるこ とに,当該発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)が,対象製品等の製造等の時点において容易に想到することができたものであり,④対象製品等が,特許発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者がこれから当該出願時に容易に推考できたものではなく,かつ,⑤対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外され たものに当たるなどの特段の事情もないときは,同対象製品等は,特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして,特許発明の技術的範囲に属するものと解される(以下,上記①ないし⑤の要件をそれぞれ「第1要件」ないし「第5要件」という。)。 ア第1要件にいう特許発明における本質的部分とは,当該特許発明の特許請 求の範囲の記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する 特徴的部分であり,特許請求の範囲及び明細書の記載に基づいて,特許発明の課題及び解決手段とその効果を把握した上で,特許発明の特許請求の範囲の記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が何であるかを確定することによって認定される(知的財産高等裁判所平成27年(ネ)第10014号同28年3月25日判決)。 ここで,本件明 見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が何であるかを確定することによって認定される(知的財産高等裁判所平成27年(ネ)第10014号同28年3月25日判決)。 ここで,本件明細書をみると,従来の技術においては,券情報と発券情報の2つの情報をそれぞれ端末機に対して伝送していたため情報量が2倍になり通信回線の負担が2倍になっていた。本件発明は,このような従来の技術と異なり,「ホストコンピュータ」において,券情報と発券情報という2つの情報に基づいて1つの座席表示情報を作成するものであり,それによって, 端末機へ伝送される情報量が半減されて通信回線の負担が軽減されるという効果を奏するものである(【0002】~【0007】,【0020】)。 このような本件明細書の発明の詳細な説明の記載に照らせば,本件発明において,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分である本質的部分は,「ホストコンピュータ」が券情報と発券情報との2つの情 報に基づいて1つの「座席表示情報」を作成する作成手段を有し,そのようにして作成された「座席表示情報」が「ホストコンピュータ」から端末機に伝送される点にあるといえる。 被告システムにおいては,券情報と発券情報との2つの情報に基づいて1つの情報が作成されるサーバーはなく,したがって,それらの2つの情報に 基づいて作成された1つの情報を端末機に伝送するサーバーもない。そうすると,本件発明の本質的部分において,本件発明の構成と被告システムの構成は異なる。したがって,被告システムが均等侵害の第1要件を充足することはない。 また,被告システムは,端末機に対して券情報と発券情報という2つの情 報に基づいて作成された1つの情報が伝送されるものではないから,券情報 均等侵害の第1要件を充足することはない。 また,被告システムは,端末機に対して券情報と発券情報という2つの情 報に基づいて作成された1つの情報が伝送されるものではないから,券情報 と発券情報がそれぞれ端末機に伝送されるシステムに比べて通信回線の負担と端末機の記憶容量及び処理速度を半減するものではない。したがって,本件発明と同一の作用効果を奏するものではなく,第2要件を満たさない。 イ原告は,第1要件について,本件発明の特許請求の範囲に記載された構成と被告システムの構成の異なる部分は,サーバーと通信回線の個数に関する 相違であって,本件発明の本質的部分に関係するものとはいえない旨主張する。しかし,上記アのとおり,券情報と発券情報とに基づく情報が作成され,そのようにして作成された情報が伝送されるサーバーがあることは,均等侵害の第1要件にいう本件発明の本質的部分であるといえ,被告システムは,その本質的部分において,本件発明と異なる。 また,原告は,本件発明の作用効果は,車掌が携帯する端末機に表示される各指定座席の利用状況(自動改札通過情報及び発売実績情報の有無)を車掌が目視で確認できるようにして,車内改札を本来空席であるはずの座席に座っている乗客に対して従来のように切符の提示を求めるだけで足りるようにしたものであり,これにより車内改札の省略化を図るというものであり, 被告システムの作用効果と同じである旨主張する。しかし,前記のとおり,本件明細書の記載に照らせば,従来技術と比較した本件発明の効果は,券情報と発券情報がそれぞれ端末機に伝送されるシステムに比べて通信回線の負担と端末機の記憶容量及び処理速度を半減するところにある。したがって,被告システムが本件発明と同じ作用効果を有するとはいえない。 と発券情報がそれぞれ端末機に伝送されるシステムに比べて通信回線の負担と端末機の記憶容量及び処理速度を半減するところにある。したがって,被告システムが本件発明と同じ作用効果を有するとはいえない。 上記のとおり,被告システムは,少なくとも均等侵害の第1要件,第2要件を充足せず,特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして本件発明の技術的範囲に属するものであるということはできない。 5 小括以上によれば,被告システムが本件発明の技術的範囲に属すると認めることは できない。 第4 結論よって,原告の請求は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官柴田義明 裁判官佐藤雅浩 裁判官安岡美香子は転勤のため署名押印できない。 裁判長裁判官柴田義明

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