平成19(行ウ)216 既得権有効確認請求事件

裁判年月日・裁判所
平成19年12月26日 東京地方裁判所 警察関係
ファイル
hanrei-pdf-36649.txt

判決文本文9,011 文字)

- 1 -主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1請求被告は,原告に対し,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律28条1項の規定又は2項の規定に基づく条例の規定を,原告が営む店舗型性風俗特殊営業(所在・東京都中央区α××番地14,名称・a)について,適用しないことを確認する。 第2事案の概要原告は,肩書地所在の建物において,いわゆるファッションヘルス業を営んでいたところ,同営業は,昭和59年法律第76号による改正後の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「昭和59年風営法」という。)の施行に伴い,同法の規制対象である風俗関連営業に該当することとなったが,原告が東京都公安委員会に対し,同法27条1項,昭和59年法律第76号附則4条に基づく届出をしたことから,昭和59年風営法28条3項により,同条2項に基づく条例の適用を受けないものとして営業を継続していた。 原告は,平成16年2月,上記建物の工事を行ったところ,所轄警察署より,同工事は大規模な修繕等に当たり,平成10年法律第55号による改正後の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「平成10年風営法」という。)28条2項に基づく条例の適用を受ける結果,今後は上記営業を継続できないとされたことから,上記工事は大規模な修繕等に該当せず,原告の営業には同条3項が適用されるとして,上記営業について同条1項の規定又は2項に基づく条例の規定を適用しないことの確認を求めた事案である。 法令の規定等(1) 風俗営業等取締法の一部を改正する法律(昭和59年法律第76号)は昭- 2 -和60年2月13日に施行されたが,昭和59年風営法2条4項には,新たに「風俗関連営業」が規定され,同法27条1項で,同営業の届出が 締法の一部を改正する法律(昭和59年法律第76号)は昭- 2 -和60年2月13日に施行されたが,昭和59年風営法2条4項には,新たに「風俗関連営業」が規定され,同法27条1項で,同営業の届出が規定され,同法28条2項により,都道府県は条例により地域を定めて風俗関連営業を営むことを禁止することができる旨が規定され,同条3項では,施行の際現に同法27条1項の届出書を提出して風俗関連営業を営んでいる者の当該風俗関連営業については,同法28条1項の規定又は2項に基づく条例の規定は適用されないとされた。 また,昭和59年法律第76号附則4条2項では,風俗関連営業に関する経過措置が規定され,風俗関連営業を営んでいる者は,施行日から1月以内に届出書を提出すれば,昭和59年風営法28条3項の規定の適用については,施行の際現に届出書を提出して当該風俗関連営業を営んでいる者とみなされ,同条1項の規定又は2項に基づく条例の規定の適用を受けない旨が規定された。 (2) その後,平成10年法律第55号風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律により,「風俗関連営業」は,「店舗型性風俗特殊営業」と名称が変更され,平成10年風営法2条6項に規定され,同法27条1項,28条2項及び同条3項において,それぞれ改正前と同旨の規定がなされた。 そして,平成10年法律第55号附則4条2項では,昭和59年風営法27条1項の届出書を提出して風俗関連営業を営んでいる者は,平成10年風営法28条3項の規定の適用については,平成10年法律第55号の施行の際現に平成10年風営法27条1項の届出書を提出して店舗型性風俗特殊営業を営んでいる者とみなす旨が規定された。 (3) 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(昭和59年12月20日東京都条 成10年風営法27条1項の届出書を提出して店舗型性風俗特殊営業を営んでいる者とみなす旨が規定された。 (3) 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(昭和59年12月20日東京都条例第128号,以下「風営法施行条例」という。)10条1項は,平成10年風営法28条2項を受け,店舗型性風俗特殊営業は,- 3 -台東区千束四丁目の一部の地域以外の地域では営んではならない旨を規定している。 (4) 「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について」(平成14年1月22日付け警察庁丙生環発第4号,警察庁丙少発第3号,以下「本件基準」という。)別添第18の1(2)には,次のような定めがある。 風営法28条3項の規定の適用対象となる「当該店舗型性風俗特殊営業」とは,当該規定の施行又は適用の際現に営んでいる店舗型性風俗特殊営業の範囲内の営業を意味するものであり,営業所の新築,移築,増築等をした場合には,その店舗型性風俗特殊営業については同項の適用はなくなる。 なお,「営業所の新築,移築,増築等」には,次のような行為が該当する。 ①営業所の建物の新築,移築又は増築②営業所の種別に応じ営業所内の次の部分の改築(A)風営法2条6項2号の営業にあっては,当該個室③営業所の建物につき行う大規模の修繕若しくは大規模の模様替又はこれらに準ずる程度の間仕切り等の変更(注)「改築」とは,建築物の一部(当該部分の主要構造部のすべて)を除却し,又はこれらの部分が災害等によって消滅した後,これと用途,規模,構造の著しく異ならないものを造ることをいう。 「大規模の修繕」とは,建築物の一種以上の主要構造部の過半に対しおおむね同様の形状,寸法,材料により行われる工事をいう。 「大規模の模様替」とは,建築物の一種以上の主要構造部の過 造ることをいう。 「大規模の修繕」とは,建築物の一種以上の主要構造部の過半に対しおおむね同様の形状,寸法,材料により行われる工事をいう。 「大規模の模様替」とは,建築物の一種以上の主要構造部の過半に対し行われるおおむね同様の形状,寸法によるが材料,構造等は異なるような工事をいう。 - 4 -「主要構造部」とは,壁,柱,床,はり,屋根又は階段をいう。 ただし,間仕切り,最下階の床,屋外階段等は含まない(建築基準法2条5項参照)。 「これらに準ずる程度の間仕切り等の変更」とは,営業所の過半について間仕切りを変更し,個室の数,面積等を変える場合等をいう。 争いのない事実(1) 原告は,昭和59年11月26日,肩書地所在の建物(以下「本件建物」ないし「本件営業所」という。)において,「b」の名称(後に「a」に改称)で,客に対し女性従業員がマッサージ等のサービスを提供する業務,いわゆるファッションヘルス業を開始した。 (2) 原告は,昭和60年3月6日,東京都公安委員会に対し,昭和59年風営法27条1項,昭和59年法律第76号附則4条に基づき,風俗関連営業営業開始届出書を提出した。 (3) 本件営業所は,風営法施行条例10条1項の禁止区域に所在し,本件営業所における営業は,昭和59年風営法2条4項「風俗関連営業」及び平成10年風営法2条6項「店舗型性風俗特殊営業」の2号に該当する。 (4) 原告は,平成16年2月,本件営業所につき,耐火構造にするためとして工事をした(以下「本件工事」という。)。 (5) 警視庁中央警察署の警察官は,同月24日ころ,当時の原告代表者に対し,本件工事は営業所の建物につき行う大規模の修繕等に該当し,今後,本件営業所において営業することはできず,仮に営業をすれば取締りの対象となることを告げた。 争点 原告は, 当時の原告代表者に対し,本件工事は営業所の建物につき行う大規模の修繕等に該当し,今後,本件営業所において営業することはできず,仮に営業をすれば取締りの対象となることを告げた。 争点 原告は,昭和59年11月26日以来,本件営業所で営業し,昭和60年3月6日に昭和59年風営法27条1項,昭和59年法律第76号附則4条に基- 5 -づく風俗関連営業営業開始届出書を提出した者であることから,平成10年風営法28条3項の規定の適用について,平成10年法律第55号の施行の際現に平成10年風営法27条1項の届出書を提出して店舗型性風俗特殊営業を営んでいる者とみなされる(平成10年法律第55号附則4条2項)ことを前提に,現在,原告が本件営業所で営む店舗型性風俗特殊営業について,平成10年風営法28条1項の規定又は2項の規定に基づく条例の規定が適用されないことの確認を求めている。 そこで,本件の争点は,原告が営む店舗型性風俗特殊営業は,本件工事後も,平成10年風営法28条3項によって,同法1項,2項の適用を受けない店舗型特殊性風俗営業に該当するといえるか否かである。 争点に関する当事者の主張(被告の主張)(1) 平成10年風営法28条3項の規定の適用対象となる当該店舗型性風俗特殊営業とは,当該規定の施行又は適用の際,現に営んでいる店舗型性風俗特殊営業の範囲内の営業を意味するものであり,本件基準の定めるとおり,営業所の新築,移築,増築等をした場合には,その店舗型性風俗特殊営業については同項の適用はなくなる。そして,営業所の新築,移築,増築等には,営業所の建物につき行う「大規模の修繕」若しくは「大規模の模様替」又は「これらに準ずる程度の間仕切り等の変更」が該当する。 (2) 本件建物の床と壁の工事は「大規模の修繕」に当たり,屋根の新設は「大 営業所の建物につき行う「大規模の修繕」若しくは「大規模の模様替」又は「これらに準ずる程度の間仕切り等の変更」が該当する。 (2) 本件建物の床と壁の工事は「大規模の修繕」に当たり,屋根の新設は「大規模の修繕」又は「大規模の模様替」に当たる。また,1階個室の工事は,「間仕切り等の変更」に当たり,2階個室の工事は,「個室の改築」に該当する。 (3) したがって,本件工事は,「個室の改築」及び「営業所の建物につき行う大規模の修繕若しくは大規模の模様替又はこれらに準ずる程度の間仕切り等の変更」に該当し,本件工事後の原告の営業には,平成10年風営法28条- 6 -3項が適用されず,同条2項が適用されることは明らかである。 (原告の主張)(1) 本件工事は,柱,はり,小屋組等を昭和23年建築時の構造のままそのまま使用しており,建築基準法上も確認申請受付の要件に該当しない簡略な修繕ないし模様替え工事にすぎないため,大規模な修繕,大規模な模様替えに該当せず,個室の改築にも該当しない。 (2) 原告は,平成16年2月13日,東京都公安委員会に対し,本件工事の内容を明らかにした上で,平成10年風営法27条2項の規定に基づき変更届を提出し,正式に受理されている。また,これに先立つ同年1月後半に,当時の原告代表者が本件工事の設計者とともに中央警察署に赴き,担当者に本件工事の具体的内容を説明し,営業の同一性は一切損なわれないよう注意して工事する旨伝え,担当者の了解を得て変更届の書き方の指導まで受けていたから,本件工事が既得権の喪失に該当しないことは事前に明確になっていた。 (3) 本件営業所の営業は,平成10年風営法28条3項が適用される,いわゆる既得権営業に該当し,法律により明確に保障された権利に基づくものであるにもかかわらず,権利の消滅を定めた本件基準は た。 (3) 本件営業所の営業は,平成10年風営法28条3項が適用される,いわゆる既得権営業に該当し,法律により明確に保障された権利に基づくものであるにもかかわらず,権利の消滅を定めた本件基準は著しく不明確であり,その法規範性自体疑われる。今回,警察当局は,同法で求められている指示処分及び営業禁止命令又は営業廃止命令の措置は一切とっていないが,被告が原告の既得権が消滅したと評価するならば,いかなる基準により本件工事のどの点が問題となったのかを明らかにし,その上で原告に対し,明確に不利益処分として書面により説明がなされてしかるべきである。 第3争点に対する判断 そもそも原告が営むファッションヘルス営業は,個室を設け,当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供するものであるところ,かかる営業は,露骨に性を対象としたものであって,売春などの違- 7 -法行為が行われることが懸念されることから,昭和59年風営法は,善良の風俗と清浄な風俗環境の保持及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため,風俗関連営業として同法の規制対象とし,同法28条1項に定める地域において禁止されるほか,都道府県が条例により地域を定めて風俗関連営業を営むことを禁止することができるとし(同条2項),これに基づき,東京都は風営法施行条例により,地域の実情に応じて具体的に禁止区域を定めている。 したがって,かかる禁止区域において風俗関連営業を営むことは,本来許されないことであって,昭和59年法律第76号施行時に現に風俗関連営業を営んでいる者であっても,禁止区域にある限りその営業は当然禁止されるべきものである。もっとも,風俗関連営業は,昭和59年法律第76号による改正前は規制されておらず,それまで適法に営業されてきたことから,経過規定 であっても,禁止区域にある限りその営業は当然禁止されるべきものである。もっとも,風俗関連営業は,昭和59年法律第76号による改正前は規制されておらず,それまで適法に営業されてきたことから,経過規定として,昭和59年風営法28条3項は,施行の際,現に同法27条1項の届出書を提出して風俗関連営業を営んでいる者の当該風俗関連営業について,例外的に,禁止区域における営業の継続を認めたものであり,平成10年風営法28条3項も同様の規定であると解される。 かかる法の趣旨に鑑みれば,同法28条3項が適用されるのは,あくまでも昭和59年風営法施行の際に営業しており,同法27条1項の届出をした風俗関連営業と同一の営業の場合に限られるべきであって,当該営業が,営業所の建物の新築,増改築,大規模な修繕や模様替え等を行ったことによって,以前の営業所における営業との同一性が失われるような場合には,もはや従前より営んでいたことによる例外的な保護を与える必要は毫も存しないのであるから,同法28条3項の適用が除外されると解すべきである。 そうすると,本件基準において,営業所の建物の新築,移築及び増築,個室の改築,並びに営業所の建物につき行う大規模の修繕若しくは模様替え又はこれに準ずる程度の間仕切り等の変更がなされた場合,その店舗型性風俗特殊営業は「当該店舗型性風俗特殊営業」に当たらないとされているのは,このよう- 8 -な場合はもはや営業としての同一性が失われるとしたものであって,同法28条3項の解釈基準として相当かつ合理的なものというべきである。 そこで,以上を前提として,本件工事後の本件営業所の営業が,風営法28条3項の適用を受けなくなるか否かを検討する。 (1) まず,証拠(甲3(4,5頁),乙1(写真番号9ないし11))及び弁論の全趣旨によれば,本件工事 して,本件工事後の本件営業所の営業が,風営法28条3項の適用を受けなくなるか否かを検討する。 (1) まず,証拠(甲3(4,5頁),乙1(写真番号9ないし11))及び弁論の全趣旨によれば,本件工事によって,本件建物の2階部分の床部分は,床材と根太がすべて新設され,梁は一部が新設されて一部は従前の材料が補強されたことが認められる(なお,乙2号証の写真の一部には,2階部分の床が取り除かれた否かが明らかでないものもあるが,これらの写真が撮影されたのは平成16年3月10日であり,写真の内容から既に工事が相当進んだ段階のものであると認められ,いずれも床が新設された後に撮影されたとも考えられるから,これらの写真は上記認定を覆すに足りるものとはいえない。)。 また,証拠(甲3(4頁),乙1(写真番号3,4,5,8,9,10),乙2(写真番号1,2,4,5,7,9))によれば,本件建物の壁の大部分が取り除かれた上,新たに設置されたことが認められる。 したがって,本件工事は,本件建物の2階床及び壁の大部分を取り外して新設したものであり,本件基準における「営業所の建物につき行う大規模の修繕」に当たると解される。 (2) 次に,証拠(乙1(写真番号1,12ないし16),乙2(写真番号16ないし18))によれば,本件建物の既存の屋根の上に,材料,構造等が異なる屋根が新たに設置されたものと認められ,これは本件基準における「営業所の建物につき行う大規模の模様替」に当たると解される。この点,甲5には,「壁・屋根は既存下地を利用すること」との記載があるが,甲5は原告が工事業者に予め工事内容を指示した際の書面であり,原告が主張するように,壁については,実際に工事を始めると,土壁が全部崩れ落ちてしまっ- 9 -たため,工事業者の判断で必要な補修工事を行っている(原告準 者に予め工事内容を指示した際の書面であり,原告が主張するように,壁については,実際に工事を始めると,土壁が全部崩れ落ちてしまっ- 9 -たため,工事業者の判断で必要な補修工事を行っている(原告準備書面(1)3頁参照)のであって,屋根についても甲5での指示内容と全く同じ工事しかされなかったとは考え難く,上記認定を覆すに足りるものではない。 (3) また,証拠(甲1,3)によれば,1階にある2つの個室は,営業開始届出時と本件工事後とで,配置,形状,構造が全く異なることが認められる。 原告は,平成9年当時における間仕切りは,本件工事後のものと同様であったと主張するが,同主張を認めるに足りる証拠はないのみならず,仮に平成9年当時における間仕切りが,本件工事後のものと同様であって,昭和59年風営法施行時に届け出た内容と異なるものであったというのであれば,原告は,そもそも昭和59年風営法施行時か平成10年風営法施行時において,虚偽内容の届出をしていたことになり,およそ有効な届出をしていたとはいえない疑いさえ生じるのであって,いずれにしてもこの点についての原告の主張は理由がないといわざるを得ない。 (4) このほか,証拠(乙1(写真番号9ないし11),乙2(写真番号9,10,12ないし14))によれば,本件工事の際,2階部分の個室の間仕切りが取り去られたことが認められる。 (5) 以上の事実によれば,本件工事によって,本件基準における「営業所の建物につき行う大規模の修繕,模様替」がされたものと認められるのであり,個室に対する工事を含め,このような本件工事がされた後の本件営業所における営業は,もはや従前の営業との同一性が失われたというべきである。 原告は,本件工事に先立ち,予め東京都公安委員会に変更届出書(甲4)を提出して受理されており,中央警察署 れた後の本件営業所における営業は,もはや従前の営業との同一性が失われたというべきである。 原告は,本件工事に先立ち,予め東京都公安委員会に変更届出書(甲4)を提出して受理されており,中央警察署の担当者にも具体的に説明していたから,本件工事後も平成10年風営法28条3項に該当することが明らかであった旨を主張する。しかしながら,同条項の適用がなくなるか否かは,現実に行われた工事の結果に基づき客観的に判断されるべきであって,原告主張の事実から当然に同条項が適用される結果になるわけではない。また,上記変更届出書に- 10 -は変更事項として「外壁,内壁の耐火構造の補修工事,ボイラーの新規設置工事及び配管工事」とあるだけで,具体的な工事箇所や工法等は不明であり,予定された工事が大規模の修繕に当たるか否か判断できないし,中央警察署の担当者に対する説明も,原告が当初予定していたように(甲5参照),壁は既存下地を利用する工法である等の内容であったと推認されるところ,現実には事前の説明内容を超えて,壁の大部分を新設する工事を行ったものであるから,これらの事前の届出や説明をもって,現実の工事が大規模の修繕に当たらないことを推認することはできず,原告の上記主張は理由がない。 また,原告は本件基準が不明確である旨の主張もしているが,前示のとおり,法の趣旨に鑑みれば,営業の同一性が失われれば平成10年風営法28条3項による例外的な適用除外規定の対象から外れることはけだし当然のことであり,本件基準は,その内容をできる限り具体的に示したものにすぎず,それ自体が必ずしも一義的に明確でないとしてもそれによって,法規範性が失われるという性質のものではないことは明らかである上,およそ営業としての同一性が失われるようなものは許されないとの法の趣旨を十分に考慮し,か ずしも一義的に明確でないとしてもそれによって,法規範性が失われるという性質のものではないことは明らかである上,およそ営業としての同一性が失われるようなものは許されないとの法の趣旨を十分に考慮し,かつ,前示の本件基準別添第18の1(2)に付記された注なども合わせて本件基準を見るならば,社会通念上,十分にその基準を看取できるのであって原告の上記主張もまた理由がない。 その他,本件工事が行われた後に原告が本件営業所で行っている営業に対して,平成10年風営法28条3項の適用をすべきであると解すべき理由は見出し難い。 以上よりするならば,本件工事後の本件営業所の営業には,風営法28条3項が適用されないというべきである。 第4 結論 以上によれば,原告の請求は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のと- 11 -おり判決する。 東京地方裁判所民事第3部裁判長裁判官定塚誠裁判官中山雅之裁判官進藤壮一郎

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る