平成11年(行ケ)第337号特許取消決定取消請求事件口頭弁論終結日平成13年5月15日判決原告旭テクノグラス株式会社訴訟代理人弁理士須山佐一同友野英三被告特許庁長官及川耕造指定代理人富永正史同森田ひとみ同大橋良三同江藤保子 主文 1 特許庁が平成10年異議第71247号事件について平成11年9月2日にした決定を取り消す。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 1 原告の請求(1) 主文1項と同旨。 (2) 訴訟費用は被告の負担とする。 2 当事者間に争いのない事実(1) 特許庁における手続の経緯原告は,発明の名称を「固体撮像素子パッケージ用窓ガラス」とする特許2660891号の特許(平成4年11月6日出願,優先権主張日平成4年1月8日,平成9年6月13日設定登録,以下「本件特許」といい,その発明を「本件発明」という。)の特許権者である。 本件特許につき,平成10年4月8日に特許異議の申立てがなされ,特許庁は,これを平成10年異議第71247号事件として審理した結果,平成11年9月2日,「特許第2660891号の特許を取り消す。」との決定をし,同年9月6日に,その謄本 許異議の申立てがなされ,特許庁は,これを平成10年異議第71247号事件として審理した結果,平成11年9月2日,「特許第2660891号の特許を取り消す。」との決定をし,同年9月6日に,その謄本を原告に送達した。 (2) 決定の理由決定の理由は,要するに,本件発明は,特許法29条2項の規定に違反して登録されたものであるから,取り消されるべきである,とするものである。 (3) 原告は,本訴が係属中の平成12年2月4日,本件特許の出願の願書に添付された明細書の訂正をすることについて審判を請求し,特許庁は,これを訂正2000-39010号事件として審理した結果,平成13年2月2日に上記訂正をすることを認める旨の審決(以下「訂正審決」という。)をし,これが確定した。 (4) 訂正審決による訂正の内容は,次のとおりである。 (ア) 訂正審決による訂正前の本件特許の特許請求の範囲「熱膨張係数48~75×10-7K-1の硼珪酸系ガラスからなり,ガラス中の放射性同位元素の含有量の合計が100ppb以下であり,ガラスからのα線放出量が0.05c/cm2・h以下であることを特徴とする固体撮像素子パッケージ用窓ガラス。」(イ) 訂正審決による訂正後の特許請求の範囲(下線部が訂正された箇所である。)「熱膨張係数が48~75×10-7K-1の硼珪酸系ガラスからなり,Fe2O3,TiO2,PbOおよびZrO2が各々100ppm以下で,ガラス中の放射性同位元素の含有量の合計が100ppb以下であり,ガラスからのα線放出量が0.05c/cm ・h以下であることを特徴とする固体撮像素子パッケージ用窓ガラス。」 3 当裁判所の判断上記の当事者間に争いのない事実によれば,本件特許については, ラスからのα線放出量が0.05c/cm ・h以下であることを特徴とする固体撮像素子パッケージ用窓ガラス。」 3 当裁判所の判断上記の当事者間に争いのない事実によれば,本件特許については,特許法29条2項の規定に違反して登録された特許であることを理由に特許を取り消した決定の取消しを求める訴訟の係属中に,当該特許に係る特許請求の範囲の減縮を含む訂正の審決が確定したということになり,決定は,結果として,判断の対象となるべき発明の要旨の認定を誤ったものとなる。この誤りが決定の結論に影響を及ぼすことは明らかである。したがって,決定は取消しを免れない。 4 以上によれば,本訴請求は理由がある。そこで,これを認容し,訴訟費用の負担については,原告に負担させるのを相当と認め,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法62条を適用して,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第6民事部 裁判長裁判官山下和明 裁判官設樂隆一 裁判官阿部正幸
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