1主文1 一審原告(附帯被控訴人)らの各控訴及び一審被告(附帯控訴人)の附帯控訴に基づき、原判決を次の2項から4項のとおり変更する。 2 一審原告(附帯被控訴人)らの各訴えのうち、令和6年2月29日以降に生ずべき損害の賠償請求に係る部分を却下する。 53 一審被告(附帯控訴人)は、次の各金員を支払え。 (1) 別紙2-1「損害賠償認容額一覧表1」の「原告氏名」欄記載の一審原告(附帯被控訴人)らに対し、同一審原告(附帯被控訴人)らに各対応する同表の「元利金合計額」欄記載の金員及びうち「元金額」欄記載の金員に対する「始期」欄記載の日付から支払済みま10で年5分の割合による金員(2) 別紙2-2「損害賠償認容額一覧表2」の「原告氏名」欄記載の一審原告(附帯被控訴人)らに対し、同一審原告(附帯被控訴人)らに各対応する同表の「元利金合計額」欄記載の金員並びにうち「元金額(年利5%)」欄記載の金員に対する令和6年2月29日15から支払済みまで年5分の割合による金員及びうち「元金額(年利3%)」欄記載の金員に対する前同日から支払済みまで年3%の割合による金員(3) 別紙2-3「損害賠償認容額一覧表3(訴訟承継人分No.1)」の「原告氏名」欄記載の一審原告(附帯被控訴人)(訴訟承継人)20らに対し、一審原告(附帯被控訴人)(訴訟承継人)らに各対応する同表の「元利金合計額」欄記載の金員並びにうち「元金額(年利5%)」欄記載の金員に対する令和6年2月29日から支払済みまで年5分の割合による金員及びうち「元金額(年利3%)」欄記載の金員に対する前同日から支払済みまで年3%の割合による金員25(4) 別紙2-4「損害賠償認容額一覧表4(訴訟承継分No.2)」 2の「原告氏名」欄記載の一審原 額(年利3%)」欄記載の金員に対する前同日から支払済みまで年3%の割合による金員25(4) 別紙2-4「損害賠償認容額一覧表4(訴訟承継分No.2)」 2の「原告氏名」欄記載の一審原告(附帯被控訴人)(訴訟承継人)らに対し、一審原告(附帯被控訴人)(訴訟承継人)らに各対応する同表の「元利金合計額」欄記載の金員及びうち「元金額(年利5%)」欄記載の金員に対する令和6年2月29日から支払済みまで年5分の割合による金員54 一審原告(附帯被控訴人)らのその余の請求をいずれも棄却する。 5 一審原告(附帯被控訴人)らのその余の控訴並びに一審被告(附帯控訴人)のその余の附帯控訴及び一審被告(附帯控訴人)の控訴をいずれも棄却する。 6 訴訟の総費用は、全事件を通じ、これを4分し、その3を一審原告10(附帯被控訴人)らの負担とし、その余を一審被告(附帯控訴人)の負担とする。 7 この判決は、第3項(1)から(4)に限り、一審被告(附帯控訴人)に送達された日から14日を経過したときは、仮に執行することができる。 15ただし、一審被告(附帯控訴人)が、別紙2-1「損害賠償認容額一覧表1」、別紙2-2「損害賠償認容額一覧表2」、別紙2-3「損害賠償認容額一覧表3(訴訟承継人分No.1)」及び別紙2-4「損害賠償認容額一覧表4(訴訟承継分No.2)」記載の各一審原告(附帯被控訴人)らに対し、同一審原告(附帯被控訴人)らに各20対応する「担保額」欄記載の金員の担保を提供するときは、担保を提供した一審原告(附帯被控訴人)らとの関係でその仮執行を免れることができる。 事実及び理由第1 当事者の求めた裁判251 一審原告(附帯被控訴人)らの控訴の趣旨 3(1) 原判決を次のとおり変更する。 との関係でその仮執行を免れることができる。 事実及び理由第1 当事者の求めた裁判251 一審原告(附帯被控訴人)らの控訴の趣旨 3(1) 原判決を次のとおり変更する。 (2) 原判決中、一審原告(附帯被控訴人)らの請求を却下した部分を取り消す。 (3) 一審被告(附帯控訴人)は、次の金員をそれぞれ支払え。 ア 別紙3「居住経過一覧表」(以下「本件居住経過一覧表」という。)の5「原告種別」欄に「1」の記載のある一審原告(附帯被控訴人)ら(以下「原告種別1の一審原告ら」という。)に対し、それぞれ148万8400円及びうち138万7241円に対する平成29年12月18日から支払済みまで年5分の割合による金員イ 本件居住経過一覧表の「原告種別」欄に「2」の記載のある一審原告10(附帯被控訴人)ら(以下「原告種別2の一審原告ら」という。)に対し、それぞれ別紙4「原告種別2の原告ら・請求の趣旨2項一覧表」の「請求金額(過去)」欄記載の金員及びうち「請求金額(過去・元金のみ)」欄記載の金員に対する平成29年12月18日から支払済みまで年5分の割合による金員15ウ(ア) 本件居住経過一覧表の「原告種別」欄に「3」の記載のある一審原告(附帯被控訴人)ら(以下「原告種別3の一審原告ら」という。)に対し、それぞれ148万8136円及びうち138万7241円に対する平成30年7月2日から支払済みまで年5分の割合による金員(イ) 一審原告(附帯被控訴人)A135(亡A134の訴訟承継分に限20る。)に対し、74万4068円及びうち69万3620円に対する平成30年7月2日から令和5年11月24日まで年5分の割合による金員(ウ) 一審原告(附帯被控訴人)A134-2に対し、37万2034円及 し、74万4068円及びうち69万3620円に対する平成30年7月2日から令和5年11月24日まで年5分の割合による金員(ウ) 一審原告(附帯被控訴人)A134-2に対し、37万2034円及びうち34万6810円に対する平成30年7月2日から令和5年1125月24日まで年5分の割合による金員 4(エ) 一審原告(附帯被控訴人)A134-3及びA134-4に対し、それぞれ18万6017円及びうち17万3405円に対する平成30年7月2日から令和5年11月24日まで年5分の割合による金員エ 本件居住経過一覧表の「原告種別」欄に「4」の記載のある一審原告(附帯被控訴人)ら(以下「原告種別4の一審原告ら」という。)に対し、5それぞれ別紙5「原告種別4の原告ら・請求の趣旨2項一覧表」の「請求金額(過去)」欄記載の金員及びうち「請求金額(過去・元金のみ)」欄記載の金員に対する平成30年7月2日から支払済みまで年5分の割合による金員オ 原告種別1及び2の一審原告らに対し、平成29年12月19日以降、10新田原飛行場の使用により、一審被告(附帯控訴人)が防衛施設について用いている算定方法によるWECPNLの値が75以上の航空機騒音、エンジン作動音その他一切の騒音(以下「航空機騒音等」という。)を同一審原告(附帯被控訴人)らの居住地に到達させなくなり、かつ、午後5時から翌日午前8時までの間、航空機騒音等を同一審原告(附帯被控訴人)15らの居住地に到達させなくなる日まで、平成30年1月1日限り1万6146円及び同年2月1日以降毎月1日限り各3万8500円、並びにこれらに対する令和2年3月31日以前発生分については当該各月の翌月1日(同一審原告(附帯被控訴人)らの令和4年1月31日付け「訴えの変更申立書」では、当該各 降毎月1日限り各3万8500円、並びにこれらに対する令和2年3月31日以前発生分については当該各月の翌月1日(同一審原告(附帯被控訴人)らの令和4年1月31日付け「訴えの変更申立書」では、当該各月としているが、翌月1日の趣旨と認める。以下同20じ。)から支払済みまで年5分の割合による金員、同年4月1日以降発生分については当該各月の翌月1日から支払済みまで年3%の割合による金員カ(ア) 原告種別3及び4の一審原告(附帯被控訴人)らに対し、平成30年7月3日以降、新田原飛行場の使用により、一審被告(附帯控訴人)が25防衛施設について用いている算定方法によるWECPNLの値が75以 5上の航空機騒音等を同一審原告(附帯被控訴人)らの居住地に到達させなくなり、かつ、午後5時から翌日午前8時までの間、航空機騒音等を同原告らの居住地に到達させなくなる日まで、平成30年8月1日限り3万6017円及び同年9月1日以降毎月1日限り各3万8500円、並びにこれらに対する令和2年3月31日以前発生分については当該各5月の翌月1日から支払済みまで年5分の割合による金員、同年4月1日以降発生分については当該各月の翌月1日から支払済みまで年3%の割合による金員(イ) 一審原告(附帯被控訴人)A135(亡A134の訴訟承継分に限る。)に対し、平成30年7月3日以降、新田原飛行場の使用により、10一審被告(附帯控訴人)が防衛施設について用いている算定方法によるWECPNLの値が75以上の航空機騒音等を同原告の居住地に到達させなくなり、かつ、午後5時から翌日午前8時までの間、航空機騒音等を同一審原告(附帯被控訴人)の居住地に到達させなくなる日まで、平成30年8月1日限り1万8008円及び同年9月1日以降令和5年1151月1日まで 午後5時から翌日午前8時までの間、航空機騒音等を同一審原告(附帯被控訴人)の居住地に到達させなくなる日まで、平成30年8月1日限り1万8008円及び同年9月1日以降令和5年1151月1日まで毎月1日限り各1万9250円、令和5年12月1日限り1万5400円、並びにこれらに対する令和2年3月31日以前発生分については当該各月の翌月1日から支払済みまで年5分の割合による金員、同年4月1日以降発生分については当該各月の翌月1日から令和5年11月24日まで年3%の割合による金員20(ウ) 一審原告(附帯被控訴人)A134-2に対し、平成30年7月3日以降、新田原飛行場の使用により、一審被告(附帯控訴人)が防衛施設について用いている算定方法によるWECPNLの値が75以上の航空機騒音等を同原告の居住地に到達させなくなり、かつ、午後5時から翌日午前8時までの間、航空機騒音等を同一審原告(附帯被控訴人)の居25住地に到達させなくなる日まで、平成30年8月1日限り9004円及 6び同年9月1日以降令和5年11月1日まで毎月1日限り各9625円、令和5年12月1日限り7700円、並びにこれらに対する令和2年3月31日以前発生分については当該各月の翌月1日から支払済みまで年5分の割合による金員、同年4月1日以降発生分については当該各月の翌月1日から令和5年11月24日まで年3%の割合による金員5(エ) 一審原告(附帯被控訴人)A134-3及びA134-4に対し、それぞれ、平成30年7月3日以降、新田原飛行場の使用により、一審被告(附帯控訴人)が防衛施設について用いている算定方法によるWECPNLの値が75以上の航空機騒音等を同一審原告(附帯被控訴人)らの居住地に到達させなくなり、かつ、午後5時から翌日午前8時までの10 附帯控訴人)が防衛施設について用いている算定方法によるWECPNLの値が75以上の航空機騒音等を同一審原告(附帯被控訴人)らの居住地に到達させなくなり、かつ、午後5時から翌日午前8時までの10間、航空機騒音等を同原告らの居住地に到達させなくなる日まで、平成30年8月1日限り4502円及び同年9月1日以降令和5年11月1日まで毎月1日限り各4812円、令和5年12月1日限り3850円、並びにこれらに対する令和2年3月31日以前発生分については当該各月の翌月1日から支払済みまで年5分の割合による金員、同年4月1日15以降発生分については当該各月の翌月1日から令和5年11月24日まで年3%の割合による金員キ 原告番号57の一審原告(附帯被控訴人)(A57)に対し、平成30年3月29日以降、新田原飛行場の使用により、一審被告(附帯控訴人)が防衛施設について用いている算定方法によるWECPNLの値が75以20上の航空機騒音等を同原告の居住地に到達させなくなり、かつ、午後5時から翌日午前8時までの間、航空機騒音等を同一審原告(附帯被控訴人)の居住地に到達させなくなる日まで、平成30年4月1日限り3725円及び同年5月1日以降毎月1日限り各3万8500円、並びにこれらに対する令和2年3月31日以前発生分については当該各月の翌月1日から支25払済みまで年5分の割合による金員、同年4月1日以降発生分については 7当該各月の翌月1日から支払済みまで年3%の割合による金員2 一審被告(附帯控訴人)の控訴及び附帯控訴の趣旨(1) 原判決中、一審被告(附帯控訴人)の敗訴部分及び一審原告(附帯被控訴人)らの令和2年12月22日から令和6年2月28日までの損害の賠償請求に係る訴えを却下した部分をいずれも取り消す。 5(2 原判決中、一審被告(附帯控訴人)の敗訴部分及び一審原告(附帯被控訴人)らの令和2年12月22日から令和6年2月28日までの損害の賠償請求に係る訴えを却下した部分をいずれも取り消す。 5(2) 上記取消部分に係る一審原告(附帯被控訴人)らの請求をいずれも棄却する。 第2 事案の概要以下、略称は、本判決で定めるもののほかは、原判決のものによる。 1 本件は、航空自衛隊が使用している新田原飛行場(本件飛行場)の周辺に居10住し又は居住していた住民である一審原告(附帯被控訴人)ら(特に断りがない限り、訴訟承継人を含む。以下「一審原告ら」という。)が、本件飛行場において運航される航空自衛隊使用の航空機(自衛隊機)が発する騒音等によって、睡眠妨害等による身体的被害や精神的苦痛の各種被害を被っていると主張して、一審被告(附帯控訴人)(以下「一審被告」という。)に対し、国家賠15償法2条1項に基づき、一審原告ら種別1及び2の一審原告らは平成26年12月18日(ただし、種別2の一審原告らのうち、A16(原告番号16)は平成28年8月1日、A64(原告番号64)は平成29年1月4日、A79(原告番号79)は平成27年8月6日)から、一審原告ら種別3(ただし、亡A134(原告番号134)を含む。)及び4の一審原告らは平成27年720月2日から、一審原告A57(原告番号57)は平成30年3月29日から、一審被告が防衛施設について用いている算定方法によるWECPNLの値で75以上となる航空機騒音等を、本件飛行場の使用によって一審原告ら(訴訟承継人を除く。)の居住地に到達させなくなり、かつ、午後5時から翌日午前8時までの間、航空機騒音等を一審原告ら(訴訟承継人を除く。)の居住地に到25達させなくなる日まで(ただし、本件訴訟係属 訟承継人を除く。)の居住地に到達させなくなり、かつ、午後5時から翌日午前8時までの間、航空機騒音等を一審原告ら(訴訟承継人を除く。)の居住地に到25達させなくなる日まで(ただし、本件訴訟係属中に死亡した一審原告らについ 8ては、その死亡日まで)、それぞれ毎月1日限り3万8500円の損害賠償金及び同日から各支払済みまで、損害の発生日に応じて改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金又は改正後民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 原審は、一審原告らの請求のうち、①令和2年12月22日(原審口頭弁論5終結日の翌日)以降に生ずべき損害の賠償請求に係る部分を不適法として却下し、②同月21日(原審の口頭弁論終結日)までに生じた損害賠償請求について、平成14年騒音調査に基づき作成された騒音コンター(本件騒音コンター)のうち、W値が75Wの本件騒音コンター(75Wの本件騒音コンター)の外側に居住している一審原告ら(原告番号31、32、58、59、118、11031)の請求は、騒音暴露の状況が社会生活上受忍すべき限度を超えるとは認められないとして棄却し、③その余の一審原告らの請求は、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(環境整備法)による現行の第一種又は第二種に指定する告示によって区分されるW値ごとに、1か月当たり、75Wの地域に居住している一審原告らにつき4000円、80Wの地域に居住している一審15原告らにつき8000円、85Wの地域に居住している一審原告らにつき1万2000円、90Wの地域に居住している一審原告らにつき1万6000円、95Wの地域に居住している一審原告らにつき2万円の割合による慰謝料(ただし、住宅防音工事(ただし外郭防音工事を除く。)の助成を受けた一審原告ら及びその同 住している一審原告らにつき1万6000円、95Wの地域に居住している一審原告らにつき2万円の割合による慰謝料(ただし、住宅防音工事(ただし外郭防音工事を除く。)の助成を受けた一審原告ら及びその同居者である一審原告らにつき、防音工事を施工した室数に応じて、2010%から30%までの割合で減額し、外郭防音工事の助成を受けた一審原告ら及びその同居者である一審原告らにつき、30%の割合で減額した額。また、訴訟承継人につき、被承継人である一審原告らが死亡した日までに生じた分)及びその10%に当たる弁護士費用の支払を求める限度で認容し、その余の請求を棄却した。 25これに対し、一審原告ら及び一審被告が、それぞれ敗訴部分を不服として本 9件控訴を提起し、また、一審被告は、上記①のうち、原審の事実審の口頭弁論終結日までの一審原告らの請求を却下した部分について、原判決を取り消し、請求棄却を求める旨の本件附帯控訴を提起した。 なお、一審原告らは、当審において、各時点において発生している損害賠償額につき、令和2年3月31日まで年5分、同年4月1日から年3%の割合に5よる遅延損害金を請求していたのを、同年3月31日までに発生した損害賠償額につき年5分、同年4月1日以降発生した損害賠償額につき年3%の割合による遅延損害金を請求する内容に請求を整理した。 また、本件訴訟が当審に係属中、原告番号1、43、59、105、134、151、166の各一審原告ら(以下「控訴審死亡一審原告ら」という。)は、10いずれも控訴審における口頭弁論終結日(令和6年2月28日)の前に死亡し、それぞれ相続人が訴訟承継した。 2 前提事実、争点及びこれに関する当事者の主張は、下記(1)のとおり補正し、当審における一審原告ら及び一審被告の補充・追加主張を下記(2 2月28日)の前に死亡し、それぞれ相続人が訴訟承継した。 2 前提事実、争点及びこれに関する当事者の主張は、下記(1)のとおり補正し、当審における一審原告ら及び一審被告の補充・追加主張を下記(2)に加えるほかは、原判決の「事実及び理由」中「第2章 前提事実」(以下「原判決第215章」という。)及び「第3章 当事者の主張」に記載のとおりであるから、これを引用する。以下、補正して引用する原判決第2章の第1から第5まで前提事実を、同章の符号により「前提事実第1の1」などという。 (1) 原判決の補正ア 原判決8頁16行目の「末尾記載の証拠」の次に「(特に断りがない限20り、枝番を含む。以下同じ。)」を加え、同頁20行目の「平成30年7月31日現在」を削り、同頁21行目の「所在し」を「またがって所在する。平成30年7月31日時点で」と改める。 イ 原判決9頁20行目から21行目にかけての「平成29年12月18日」を「令和6年2月28日」と改める。 25ウ 原判決10頁3行目の「平成29年12月18日」を「令和6年2月2 108日」と、同頁12行目から13行目にかけて及び同頁16行目の各「平成30年7月31日」をいずれも「令和6年2月28日」と、同頁24行目の「旨」を「と」と、同行の「同法3条」を「3条1項」とそれぞれ改め、同頁25行目及び26行目の各「同法」をいずれも削る。 エ 原判決15頁22行目の「W70」、同行の「W75」をそれぞれ「750W」、「75W」と改める。 オ 原判決16頁6行目の「W70」を「70W」と改める。 カ 原判決19頁3行目の「W70」、同行の「W75」をそれぞれ「70W」、「75W」と改める。 キ 原判決28頁7行目の「以前から順次」を「以前に制定され、その後、 0」を「70W」と改める。 カ 原判決19頁3行目の「W70」、同行の「W75」をそれぞれ「70W」、「75W」と改める。 キ 原判決28頁7行目の「以前から順次」を「以前に制定され、その後、10順次」と、同頁16行目の「の上記規定を受けて」を「が定める施工すべき工法の適用区域に関して」とそれぞれ改める。 ク 原判決29頁12行目の「第1」を「第Ⅰ」と改める。 ケ 原判決33頁22行目から34頁9行目までを以下のとおり改める。 「ア 一審原告らは、いずれも少なくとも75Wの本件告示コンター内に15現に居住又は居住したことがあるところ、原告番号30、33ないし37、57、86、88、107ないし110、146、170ないし173の各一審原告ら住所及び居住期間は、本件居住経過一覧表(居住状況に争いがある者)の「居住状況(古い順に記載)」欄の「(原告が陳述書等で主張した住所)」部分に記載のとおりであり、20その他の一審原告ら(後記イの控訴審死亡一審原告らを含み、その訴訟承継人は除く。)の住所及び居住期間は、本件居住経過一覧表(居住状況に争いがない者)の「居住状況(古い順に記載)」欄に記載のとおりである。また、一審原告らの居住地が属する本件告示コンター等のW値は、本件居住経過一覧表の「W値」欄記載のとおりである。 25イ 控訴審死亡一審原告らは、いずれも控訴審における口頭弁論終結日 11(令和6年2月28日)より前に死亡しているところ、その死亡日は、本件居住経過一覧表の「終期」欄記載の年月日(複数の終期の記載がある場合は、最も新しい日付)と同じである。また、控訴審死亡一審原告らに各対応する本件居住経過一覧表の「原告氏名」欄に承継人と記載された者が、控訴審死亡一審原告らの権利をそれぞれ相続した5(ただし、原告 、最も新しい日付)と同じである。また、控訴審死亡一審原告らに各対応する本件居住経過一覧表の「原告氏名」欄に承継人と記載された者が、控訴審死亡一審原告らの権利をそれぞれ相続した5(ただし、原告番号134番の亡A134については、妻であるA135(原告番号135)が2分の1、子であるA134-2が4分の1、死亡した子の子ら(代襲相続人ら)であるA134-3及びA134-4がそれぞれ8分の1の割合で相続した。)。」コ 原判決37頁2行目の「B40)」の次に「、令和2年及び令和4年の10時点においても顕著な変動がないこと(甲B82)」を加え、同頁7行目の「原告ら」から8行目の「原告ら6名。」までを「一審原告らのうち9名(原告番号3、4、26、27、31、32、58、118、131。」と改め、同頁15行目から17行目にかけての「騒音コンター外原告らの陳述書(甲D31、58、118及び131)によれば、」を削る。 15サ 原判決38頁3行目の「であり、」の次に「同時間帯に」を、同頁4行目の末尾の次に「九州防衛局が行った騒音測定に誤りはないし、一審被告から提供を受けた「報告書-航空機騒音日報分析-」(甲B26)によれば、一審被告が主張する本件飛行場の自主規制が遵守されておらず、一審原告らが主張する騒音の暴露が裏付けられる。」をそれぞれ加える。 20シ 原判決39頁2行目及び同頁21行目の「特徴」をいずれも「特性」と改める。 ス 原判決42頁21行目の末尾の次に「そして、騒音コンター外原告ら9名にも実際に会話が妨害される被害が生じている。」を加える。 セ 原判決44頁7行目の「W70」を「70W」と、同頁24行目の「嘉25手納基地訴訟第一審判決」を「第3次嘉手納基地訴訟判決」とそれぞれ改 12め、同頁25行目の「判 る。」を加える。 セ 原判決44頁7行目の「W70」を「70W」と、同頁24行目の「嘉25手納基地訴訟第一審判決」を「第3次嘉手納基地訴訟判決」とそれぞれ改 12め、同頁25行目の「判時2340号3頁」の次に「、福岡高裁那覇支部令和元年9月11日判決、最高裁令和3年3月24日判決」を加える。 ソ 原判決48頁2行目の「ものとして」の次に「(令和2年4月1日より前に生じた損害賠償金には年5分、同日以降に生じた損害賠償金には年3%の割合による。)」を加え、同頁3行目を「したがって、一審原告ら5が請求する損害元本(弁護士費用を含む。)は以下のとおりで、遅延損害金を含めると一審原告らの請求額は、第1の1(3)記載のとおりとなる。」と、同頁4行目から49頁14行目までを以下のとおりとそれぞれ改める。 「(1) 提訴日までに発生した損害ア 原告種別1及び3の一審原告らにおいては,提訴日から遡って過10去3年分の慰謝料(原告種別1の一審原告らにおいては平成26年12月18日から提訴日の平成29年12月18日までの居住期間に対応する慰謝料,原告種別3の一審原告らにおいては平成27年7月2日から提訴日である平成30年7月2日までの居住期間に対応する慰謝料)及び各慰謝料に対応する弁護士費用(ただし、一審原告A13155、同A134-2、同A134-3及びA134-4については、原告番号134の亡A134が取得した損害賠償金の法定相続分割合の限度)イ 原告種別2及び4の一審原告らにおいては,それぞれ本件飛行場周辺に転入又は出生した日から提訴日までの居住期間に対応する慰謝料20及び各慰謝料に対応する弁護士費用(2) 提訴日の翌日以降に発生する損害ア 原告種別1及び2の一審原告らにおいては,提訴日の翌日以降、一審被 日から提訴日までの居住期間に対応する慰謝料20及び各慰謝料に対応する弁護士費用(2) 提訴日の翌日以降に発生する損害ア 原告種別1及び2の一審原告らにおいては,提訴日の翌日以降、一審被告の侵害行為がなくなる日まで,平成30年1月1日限り1万6146円及び同年2月1日以降毎月1日限り各3万8500円25イ 原告種別3及び4の一審原告らにおいては,提訴日の翌日以降,一 13審被告の侵害行為がなくなる日まで,平成30年8月1日限り3万6017円及び同年9月1日以降毎月1日限り各3万8500円(ただし、一審原告A135、同A134-2、同A134-3及びA134-4については、原告番号134の亡A134が取得した損害賠償金の法定相続分割合の限度)5(3) 原告番号57の一審原告(A57)については,75Wの告示コンター内で居住を開始した日である平成30年3月29日以降,一審被告の侵害行為がなくなる日まで,平成30年4月1日限り3725円及び同年5月1日以降毎月1日限り各3万8500円」タ 原判決51頁3行目の「30、」の次に「33ないし37、」を加え、10同行の「110、」の次に「146、」を加え、同頁26行目の「算術」を「算出」と改める。 チ 原判決55頁12行目の「6名」を「9名」と、同頁21行目から22行目にかけての「乙41」を「乙B41、47、59」とそれぞれ改める。 ツ 原判決57頁6行目の「管制回数の過去6年間の合計は17回にすぎな15いこと(乙B41、D1)」を「管制回数は、平成26年度から令和3年度(6月まで)までの7年3か月間で合計20回にとどまり、このうち、平成26年度、平成27年度及び令和3年度はいずれも0回であり、平成26年度から令和2年度までの自衛隊機の年間平均離着陸回数 和3年度(6月まで)までの7年3か月間で合計20回にとどまり、このうち、平成26年度、平成27年度及び令和3年度はいずれも0回であり、平成26年度から令和2年度までの自衛隊機の年間平均離着陸回数は約2.86回と非常に少なく、自衛隊機から発せられる騒音回数もまたこれに相応20する回数になるはずであること(乙B41、47、59、D1)」と改める。 テ 原判決62頁6行目から7行目にかけての「平成30年度」から8行目の「第4表)。」までを「令和4年度までの累計で、約709億6396万円を、また、令和4年度までの累計で、空調機器機能復旧工事に約4325億1553万円、防音建具機能復旧工事に約96億0509万円をそれぞ 14れ支出した(乙E150)。」と改める。 ト 原判決64頁7行目、15行目から16行目にかけての各「平成30年度」をいずれも「令和4年度」と、同頁8行目の「総額約779万円を支出した(乙E89の第3表)。」を「総額約804万円を支出した(乙E150の第3表)。」と、同頁16行目の「約246億8125万円」を5「約261億4486万円」と、同行から17行目にかけて及び20行目の各「乙E89」をいずれも「乙E150」と、同頁19行目の「平成31年」を「令和4年」と、同行の「約23億1475万円」を「約25億3268万円」と、同頁26行目の「平成30年度」を「令和4年度」と、同行から65頁1行目にかけての「約90億6488万円」を「約95億105522万円」とそれぞれ改める。 ナ 原判決65頁1行目から2行目にかけての「(乙E89の第10表)、約151万2502平方メートル」を「(乙E150の第10表)、平成4年度までの累計で、166万6240平方メートル」と、同頁3行目から4行目にかけての「合計約5 かけての「(乙E89の第10表)、約151万2502平方メートル」を「(乙E150の第10表)、平成4年度までの累計で、166万6240平方メートル」と、同頁3行目から4行目にかけての「合計約53万8044平方メートルの土地の無償使15用を許可した(乙E89の第19表)。」を「合計約8万3546.5平方メートルの土地の無償使用を許可した(乙E150の第19表)。」と、同頁8行目から9行目にかけての「平成30年度までの累計で、総額約2億1137万円に上る(乙E89の第16表)。」を「令和4年度までの累計で、総額約2億2113万円に上る(乙E150の第16表)。」と、20同頁13行目から14行目にかけての「平成30年度までの累計金額は、約59億1878万円に上る(乙E89の第9表)。」を「令和4年度までの累計金額は、約66億3364万円に上る(乙E150の第9表)。」と、同頁16行目の「平成30年度」を「令和4年度」と、同頁17行目から18行目にかけての「約134億7761万円(乙E89の第1125表)」を「約163億2539万円(乙E150の第11表)」と、同頁 1519行目の「約123億3672万円(乙E89の第12表)」を「約141億1468万円(乙E150の第12表)」と、同頁21行目の「約71億1765万円(乙E89の第13表)」を「約90億8080万円(乙E150の第13表)」と、同頁22行目から23行目にかけての「約84億3026万円(乙E89の第14表)」を「約90億24195万円(乙E150の第14表)」と、同頁25行目から26行目にかけての「平成30年度までの累計で、約24億2838万円に上る(乙E89の第15表)。」を「令和4年度までの累計で、約25億1760万円に上る(乙E150の第15 」と、同頁25行目から26行目にかけての「平成30年度までの累計で、約24億2838万円に上る(乙E89の第15表)。」を「令和4年度までの累計で、約25億1760万円に上る(乙E150の第15表)。」とそれぞれ改める。 ニ 原判決68頁10行目から11行目にかけての「管制回数の過去6年間10の合計は17回にすぎない(乙B41、D1)」を「管制回数は、平成26年度から令和3年度(6月まで)までの7年3か月間で合計20回にとどまり、このうち、平成26年度、平成27年度及び令和3年度はいずれも0回であり、平成26年度から令和2年度までの自衛隊機の年間平均離着陸回数は約2.86回と非常に少なく、自衛隊機から発せられる騒音回15数もまたこれに相応する回数になる(乙B41、47、59.D1)」と改める。 ヌ 原判決70頁19行目の「死亡原告ら(原告番号16、17及び68の各原告。)は」を「死亡原告ら(原告番号16、17及び68の各死亡原告)及び控訴審死亡一審原告ら(原告番号1,43,59,105,13204,151及び166)は」と、同頁23行目の「41、50、51、86、88、129及び162」を「11、41、50.51、63、64、86、88、109、115、116、128、129、162、170ないし172」とそれぞれ改める。 (2) 当審における当事者らの補充・追加主張25ア 一審原告らの補充・追加主張 16(ア) 本件飛行場周辺の騒音状況は、令和2年及び令和3年時点でも告示コンターの設定時と比較して改善していないから、一審原告らの騒音暴露量は、本件告示コンター等に基づいて認定されるべきである。 騒音コンター外原告らは、損害賠償請求の対象期間において、いずれも75Wの告示コンターの内側に居住して していないから、一審原告らの騒音暴露量は、本件告示コンター等に基づいて認定されるべきである。 騒音コンター外原告らは、損害賠償請求の対象期間において、いずれも75Wの告示コンターの内側に居住しており、実際にも受忍限度を超5える騒音に暴露されているから、損害賠償が認められるべきである。 また、一審原告らのうち、控訴審係属中に騒音コンター外の地域に転入した一審原告ら5名(原告番号133、178、179、180及び181。以下「転入一審原告ら」という。)は、転入日以降の期間についても75Wの告示コンターの内側に居住しているから、上記転入の前10後を通じて、損害賠償請求の対象期間において、受忍限度を超える騒音に暴露されており、転入日の前後の期間を通じて損害賠償が認められるべきである。 (イ) 本件飛行場においては、自主規制が遵守されておらず、週2回の夜間訓練があり、夏場は午後9時まで、冬場は午後8時まで行われているた15め、一審原告らは、夕方5時以降にも重大な生活被害を受けているから、一審原告らが受けている平穏生活権の侵害は重大である。 (ウ) 国連の主要機関である国連環境計画が、各国の政策立案者や実務家によって科学的評価に基づきタイムリーかつ効果的な行動をとれるようにするため作成したフロンティア2022(甲総C144。以下「フロン20ティア報告書」という。)において、「夜間の騒音は睡眠を妨げ、翌日の健康に影響を与えます。推定によると、ヨーロッパでは2200万人が慢性的な騒音の不快感に、650万人が睡眠障害に、それぞれ苦しんでいると推定されています。」「睡眠はホルモンの調節と心血管の機能に必要なため、騒音による覚醒は、さまざまな生理的および心理的スト25レス反応を引き起こします。」「交通騒音への暴露が、高血圧や動脈 いると推定されています。」「睡眠はホルモンの調節と心血管の機能に必要なため、騒音による覚醒は、さまざまな生理的および心理的スト25レス反応を引き起こします。」「交通騒音への暴露が、高血圧や動脈性 17高血圧症、冠動脈疾患、糖尿病などの心血管や代謝の異常を引き起こす危険因子であるという証拠が増えてきています。」「長期的に環境騒音に晒されることが、ヨーロッパで毎年、控え目に見積もって4万8000件の虚血性心疾患の新規発症と1万2000件の早死をもたらしていることが示されています」「異なる大陸の多くの地域を代表する研究か5ら得られた科学的根拠がWHOの調査で用いられ、その科学的根拠は、騒音曝露の閾値の基準の根拠を提供しています。この広範囲の研究は、世界中の騒音規制政策に情報提供すべく、これらの閾値が採用されることを支持しています。」などと指摘するとともに、欧州WHO環境騒音ガイドライン2018(甲総C106)が、多くの研究成果をもとに、10航空機騒音について健康障害や睡眠障害のリスクが生じないようにするために、日平均騒音暴露の基準値として45dB(Lden、W値換算で58W相当)及び夜間騒音暴露の基準値として40dB(Lnight)を強く勧告した。これは、欧州WHO環境騒音ガイドラインの基準は、国連環境計画としても健康を維持するうえで重要な基準として示さ15れたことを意味するものであり、一審原告らが健康被害のリスクに晒されていることが一層明らかとなった。 (エ) 防音工事を施工したとしても、一審被告が主張する目標計画防音量が達成されていない住宅が存在する。すなわち、一審原告らが測定を依頼した騒音測定の専門業者である日本音響エンジニアリングによる騒音測20定の結果(甲B56)によれば、調査対象となった2件の住 量が達成されていない住宅が存在する。すなわち、一審原告らが測定を依頼した騒音測定の専門業者である日本音響エンジニアリングによる騒音測20定の結果(甲B56)によれば、調査対象となった2件の住宅(A15宅及びA69宅)において、屋外で70dBの騒音が計測された場合のほとんどにおいて、目標計画防音量である25dBを達成できていないことが判明し、本件訴訟の控訴審において、令和5年5月23日に実施された進行協議の際の測定結果でも、A15宅において、目標計画防音25量が達成できない場合があることが改めて確認されるとともに、防音工 18事を施工したとしても、居室内に80dB程度の騒音が届く結果も出ており、居室内において極めてうるさい騒音が居住者の耳に届いていることも明らかとなった。また、横田基地近くの住宅において、防音工事が施工された部屋と施工されていない部屋の航空機騒音を同時に測定してその結果を比較した横田基地周辺航空機騒音測定報告書(甲B41)に5よれば、異なる時期に2回の測定が行われているが、1回目の測定日においては、騒音が発生した69回のうち62回で防音工事を施工した部屋の方が、騒音がひどい(うるさい)というデータが得られており、そのデータから、防音効果がほとんど発揮されない住宅が存在することが裏付けられる。 10仮に住宅防音工事に一定程度の防音効果が得られるとしても、防音工事によって騒音自体が消失するわけではなく、騒音被害の根本的な解決とはならないこと、防音工事は生活様式の制限、建物の歪みの発生、エアコン稼働に伴う電気代増、日常生活音が遮られることで生じる不便等一定の防音効果と引換えに不利益をもたらすこと、防音工事によって減15額するには、建物自体が有する防音効果を除いた防音工事のみの防音効果が存在す 電気代増、日常生活音が遮られることで生じる不便等一定の防音効果と引換えに不利益をもたらすこと、防音工事によって減15額するには、建物自体が有する防音効果を除いた防音工事のみの防音効果が存在することが必要不可欠であるが、上記横田基地周辺航空機騒音測定報告書や一審原告らによるA69宅の測定結果からは、防音工事のみの防音効果が十分に確認できない住宅があることや、防音工事自体の防音効果はほとんどないことが明らかとなっている。 20したがって、防音工事が施工されている住宅について、損害賠償額を減額すべきではないし、防音工事に一定の効果を認めて損害賠償額を減額するとしても、住宅防音工事が施工されている部屋数や工事種別に応じて損害賠償額の減額率を増加させることや、最大で30%もの減額をするのは相当でなく、減額率は10%を限度とすべきである。 25(オ) 一審原告らが75W以上の騒音に晒されている状況は平成14年から 19ほとんど変わっておらず、今後、本件飛行場にF35Bが配備されることに伴い、飛行回数は相当程度増加することが予測されており、本件飛行場周辺の爆音被害はこれまで以上に深刻化することが見込まれること、客観的な騒音暴露状況が変わらない限り、一審原告らの損害が変わるものではないこと、一審原告らの多くは今後も本件飛行場周辺の爆音被害5が発生する地域に居住し続けることが予測されることからすれば、一審原告らの将来の損害賠償請求が認められるべきであり、少なくとも控訴審口頭弁論終結日以降、控訴審判決までの期間は、騒音被害状況や一審原告らの居住状況が変動し難いことが明らかであり、かつ、変動が生じた場合には、一審被告が口頭弁論の再開を申請して、主張立証すること10は容易であるから、控訴審の判決日までの損害賠償請求は認められる 告らの居住状況が変動し難いことが明らかであり、かつ、変動が生じた場合には、一審被告が口頭弁論の再開を申請して、主張立証すること10は容易であるから、控訴審の判決日までの損害賠償請求は認められるべきである。 イ 一審被告の補充・追加主張(ア) 一審原告らの損害賠償請求対象期間における騒音暴露状況を認定するに当たっては、実勢騒音に基づいて判断すべきであるところ、本件告示15コンター等は10年以上前に作成されたもので、その後、一審原告らの損害賠償請求対象期間の起点日(平成26年12月18日)までの間に騒音低減のため、様々な音源対策が施されるなどしたことによって、騒音が減少傾向にあることもあって、本件各コンター等は実勢騒音を表すものになっていない。本件飛行場周辺における実勢騒音がおおむね減少20傾向にあることは明らかで、少なくとも、騒音コンター外原告らについては、年間平均で75Wに相当する騒音暴露はなく、受忍限度の範囲を超えた騒音被害は認められない。 また、転入一審原告らについて、騒音コンター外の地区に転入した日以降の期間は、受忍限度の範囲を超えた騒音被害は認められない。 25(イ) 本件飛行場においては、運用規則(乙E74)に基づき、午後9時か 20ら翌日の午前7時までの間、領空侵犯に対する措置のための緊急発進、災害派遣、特別の訓練などの真にやむを得ない場合を除き、航空機の離着陸を行っておらず、午後10時から翌日の午前7時までの間は、地上における整備上の試運転についても、航空機の移動のための地上滑走及びアイドル運転(地上試運転を含む。)を除いて行っていない。管制航5空交通量集計結果(乙B41、47、59)は、本件飛行場の管制官により、通常の業務の過程で作成されたものであり、高度の信用性を有するところ、 (地上試運転を含む。)を除いて行っていない。管制航5空交通量集計結果(乙B41、47、59)は、本件飛行場の管制官により、通常の業務の過程で作成されたものであり、高度の信用性を有するところ、これによれば、睡眠時間帯における騒音の発生回数は、平成26年度及び平成27年度0回、平成28年度1回、平成29年度2回、平成30年度5回、令和元年度9回、令和2年度3回、令和3年度109回、令和4年度17回、令和5年度12回(8月末まで)にすぎず、一審原告らを含め、本件飛行場の睡眠時間帯における騒音の発生状況は極めて限定的といえる。また、睡眠は個人差が顕著で、航空機騒音による人の精神面に対する影響も個人差が顕著な主観的反応であるから、一審原告らに共通して発生している損害とはいえない。 15なお、九州防衛局が本件飛行場に設置した自動騒音測定機による測定結果は、上記騒音の発生回数とは一致しないものとなっているが、同測定結果は、航空機騒音以外の音も航空機騒音として計上しており、令和3年3月末に自動騒音測定機に実音収録機能を付加した上で測定結果を分析したところ、航空機騒音として計上された音の中に、緊急車両のサ20イレン音、鳥の鳴き声、雷音等が含まれていることが判明しているから、上記自動騒音測定機による測定結果は実際の航空機騒音の発生状況を示すものではない。 (ウ) フロンティア報告書は、欧州WHO環境騒音ガイドライン(甲総C第106号証)において示された勧告値を引用するなどしてこれを敷衍す25るものにとどまり、上記ガイドラインにおいて勧告値が示されたこと 21は、航空機騒音の暴露による各種疾病の発症リスクの増加を直接的に裏付けるものではないから、フロンティア報告書の内容は、健康被害のリスクが一審原告らに生じているという一 告値が示されたこと 21は、航空機騒音の暴露による各種疾病の発症リスクの増加を直接的に裏付けるものではないから、フロンティア報告書の内容は、健康被害のリスクが一審原告らに生じているという一審原告らの主張の裏付けとなるものではない。 (エ) 防音工事が施工されている住宅では防音効果が確認されており、本件5訴訟の控訴審において、令和5年5月23日に実施された進行協議の際の測定結果でも、85W地区に所在し、いずれも外郭防音工事が施工されているA15宅を含めた2件の住宅で騒音測定が実施されたところ、計画防音量を上回る防音効果があったか、又はおおむね計画防音量に近い防音効果があったことが確認されている。 10一審原告らが騒音測定を実施したとする騒音測定結果のうち、A15宅については、平成21年に外郭防音工事が行われて以降、住宅防音工事が実施されていない状況で騒音測定が行われ、A69宅は、昭和59年に住宅防音工事が実施された以降、一度も建具復旧工事が実施されておらず、建具機能が低下している可能性のある状況の居室において測定15が行われているから、一審原告らによるA15宅及びA69宅における騒音測定の結果は、一審被告による住宅防音工事が十分な防音効果を生じさせていないことの根拠となるものではない。 そして、一審原告らの請求は、一定以上の騒音に暴露したことを前提とするところ、公平の見地から、住宅防音工事が実施された住宅に居住20する一審原告らの損害額は、住宅防音工事を実施した居室数に応じて比例的にされるべきである。 (オ) 本件飛行場は、令和3年度以降も依然として西日本における防空の中心的な役割を果たしており、本件飛行場は太平洋に面した西日本唯一の防空作戦を担う航空作戦基地と位置付けられ、その戦略的価値は極めて25 件飛行場は、令和3年度以降も依然として西日本における防空の中心的な役割を果たしており、本件飛行場は太平洋に面した西日本唯一の防空作戦を担う航空作戦基地と位置付けられ、その戦略的価値は極めて25高い。また、本件飛行場に常駐する部隊によって、令和3年度以降も、 22引き続き災害派遣活動、民生協力活動が実施され、国民の貴重な生命身体及び財産の保護に寄与した実績があるほか、社会貢献活動や地域経済の活性化につながる行事等が実施されている。 また、一審被告は、令和3年度以降も、本件飛行場の使用により必然的に生じる航空機騒音が、本件飛行場周辺地域の住民に対して、日常生5活上の不便や支障を生じさせるものであることに鑑み、本件飛行場において、可能な限り周辺地域の住民に配慮した様々な騒音対策を行い、できるかぎり周辺地域の住民に生活上の支障が生じないよう十分に配慮している。それによって直ちに騒音値が低下するものではないが、周辺住民の生活の安定及び福祉の向上を図るものであり、本件飛行場周辺地域10に対する全体的、地域的対策及び各個人に対する助成等を含めた総合的な対策も、航空機騒音の影響を解消させるために一定の効果を有するといえる。一審被告が周辺住民の生活の安定及び福祉の向上のために諸対策を講じ、そのために努力を尽くしていること自体が、周辺住民の騒音源に対する否定的評価を解消し又は軽減している。本件飛行場の航空機15騒音についての一審原告らの受忍限度についての判断には、これらの点が十分に考慮されるべきである。 第3 当裁判所の判断1 当裁判所は、①一審原告らの各訴えのうち、令和6年2月29日以降に生ずべき損害の賠償請求に係る部分は不適法であり、②上記①を除いた一審原告ら20の請求は、後記4(1)アからエの金員の支払を求める限 裁判所は、①一審原告らの各訴えのうち、令和6年2月29日以降に生ずべき損害の賠償請求に係る部分は不適法であり、②上記①を除いた一審原告ら20の請求は、後記4(1)アからエの金員の支払を求める限度で理由があるが、その余は理由がないと判断する。その理由は、下記2のとおり補正し、当審における当事者らの補充・追加主張に対する判断を下記3のとおり加えるほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第5章 当裁判所の判断」の第1から第8までに記載のとおりであるからこれを引用する。以下、補正して引用する原判決25第5章の認定事実を、同章の符号により「認定事実第2の1(1)」などという。 232 原判決の補正(1) 原判決75頁3行目の「30、」の次に「33ないし37、」を、同頁4行目の「110、」の次に「146、」を、同頁5行目から6行目にかけての「本件居住経過一覧表」の次に「(居住状況に争いがない者)」を、同頁7行目の「30、」の次に「33ないし37、」をそれぞれ加え、同行の5「107ないし110」を「107、108、110、146」と改め、同頁9行目の「甲個30C(枝番号を含む。)、」の次に「原告番号33ないし37の一審原告らにつき甲個33Cないし37C、」を加え、同頁12行目の「ないし110」を「、108、110」と改め、同行の「甲個108C(枝番号を含む。)、」の次に「原告番号146の一審原告につき甲個11046C、」を加え、同頁14行目の「によれば、本件居住経過一覧表」を「のほか、上記原告番号の各一審原告らが、その主張する住居地に実際に住んでおらず、また、本件訴訟の係属期間中に同居住地から転出したことをうかがわせる事情も認められないことからすれば、本件居住経過一覧表(居住状況に争いがある者)」と改め、同頁15行目の 居地に実際に住んでおらず、また、本件訴訟の係属期間中に同居住地から転出したことをうかがわせる事情も認められないことからすれば、本件居住経過一覧表(居住状況に争いがある者)」と改め、同頁15行目の末尾の次に「一方、原告番15号109番の一審原告(A109)は、平成17年7月7日に、85Wの本件告示コンター等内の区域である「宮崎県児湯郡(住所省略)」に転入し、平成31年3月28日まで同所に居住し、同日、上記区域内の「宮崎県児湯郡(住所省略)」に転居し、令和4年4月1日まで同所に居住していたと認められるが(甲個107C、108C、109C、110C)、同日、本件20告示コンター等外の区域である新潟県長岡市(住所省略)へ転居した旨の届出がされており(弁論の全趣旨)、上記届出の内容が上記一審原告の実際の居住状況と異なることを認めるに足りる証拠はないから、上記一審原告は、同日以降、本件告示コンター等内の区域に居住しているとは認められない。」を加え、同頁17行目の「死亡原告ら(原告番号16、17及び68の各原25告)は」を「原審における死亡原告ら(原告番号16、17及び68の各原 24告)及び控訴審死亡一審原告ら(原告番号1,43,59,105,134,151及び166)は」と改め、同頁18行目の「原告番号16」から20行目の「死亡原告ら」までを削り、同頁23行目の「相続した」の次に「(ただし、控訴審死亡一審原告らのうち、原告番号134番の亡A134については、妻であるA135(原告番号135)が2分の1、子であるA5134-2が4分の1、死亡した子の子ら(代襲相続人ら)であるA134-3及びA134-4がそれぞれ8分の1の割合で相続した。)」を加える。 (2) 原判決77頁21行目の「施設庁方式は、」の次に「航空機の運航 4分の1、死亡した子の子ら(代襲相続人ら)であるA134-3及びA134-4がそれぞれ8分の1の割合で相続した。)」を加える。 (2) 原判決77頁21行目の「施設庁方式は、」の次に「航空機の運航状況等に大きな違いがある」を加え、同頁22行目の「同じW値であれば、同じ住民反応が示されるようにするため」を「住民反応が同程度であれば、算出さ10れるW値が同等の値となるようにするため」と改める。 (3) 原判決78頁7行目の「おおむね3W」から9行目の末尾までを「3ないし5W程度高くなること(甲B15)、この幅の範囲内のいずれの数値を採用しても、不合理な読み替えに当たるものではなく、一審原告らが、補正に当たって、環境庁方式のW値に、上記の中間値である4を加えるのが相当で15あると主張していることを踏まえると、環境庁方式のW値を補正して施設庁方式の数値の近似値を求める場合、環境庁方式のW値に4を加えることとする。」と、同頁16行目の「6、8」を「6ないし8」とそれぞれ改める。 (4) 原判決79頁17行目の「から現在に至るまで」を「以降」と、同頁26行目から80頁1行目にかけての「変更されることなく現在も有効とされ」20を「、控訴審の口頭弁論終結日(令和6年2月28日)においても変更されておらず」とそれぞれ改める。 (5) 原判決80頁25行目の「甲B39」を「44、45、52、65、甲B39、82」と改める。 (6) 原判決81頁1行目の「騒音発生回数等は、別紙7」から4行目の末尾ま25でを「騒音発生回数等(時間帯別)は、別紙7-2のとおり(ただし、別紙 257-2は、そのうち令和3年9月までの数値を集計したものであり、同年度では4月から9月までの測定結果になっている。)である。九州防衛局騒音対策課ではその後も騒 -2のとおり(ただし、別紙 257-2は、そのうち令和3年9月までの数値を集計したものであり、同年度では4月から9月までの測定結果になっている。)である。九州防衛局騒音対策課ではその後も騒音測定がされているところ、令和5年11月までの騒音測定結果を反映した各騒音測定地点における年度別平均W値、年度別騒音発生回数は、別紙7-3(令和5年度は、4月から11月まで)のとおりで5ある(乙B65)。」と改め、同頁9行目の「36」の次に「、85」を加え、同頁10行目の「平成31年3月」を「令和5年3月」と、同頁11行目の「24」を「35」と、同頁12行目の「別紙8」を「別紙8-2」とそれぞれ改め、同頁16行目の「37」の次に「、83」を加え、同頁20行目の「別紙9」を「別紙9-2」と、同頁22行目の「3W」を「4W」10とそれぞれ改める。 (7) 原判決82頁9行目、16行目から17行目にかけて、19行目、23行目の各「平成14騒音調査」をいずれも「平成14年騒音調査」と、同頁11行目の「証拠上最も新しい平成31年度の年間W値」を「令和4年度の年間平均W値の施設庁方式近似値」と、同頁12行目の「1.5W減少」を15「2.0ポイント減少」と、同行の「0.2W増加」を「3.9ポイント減少」と、同頁13行目の「5.7W減少」を「5.9ポイント減少」と、同行の「4.5W減少」を「4.9ポイント減少」と、同頁14行目の「0. 2W減少」を「4.1ポイント減少」と、同行の「3.0W増加」を「1. 7ポイント減少」と、同頁15行目の「また、」を「一方」と、同頁17行20目から18行目にかけての「平成13年度と証拠上最も新しい平成30年度の年間W値は同一であり」を「平成13年度のW値と令和3年度の推定W値(Lden+13)は同一であり」と 」と、同頁17行20目から18行目にかけての「平成13年度と証拠上最も新しい平成30年度の年間W値は同一であり」を「平成13年度のW値と令和3年度の推定W値(Lden+13)は同一であり」と、同頁20行目の「と平成30年度の年間W値を比較すると0.7W減少」を「の年間W値と令和3年度の推定W値(Lden+13)を比較すると1.7ポイント減少」とそれぞれ改め、25同頁21行目から22行目にかけての「証拠上最も新しい」を削り、同行の 26「0.3W減少」を「0.3ポイント減少」と、同頁24行目から25行目にかけての「平成30年度の年間W値を比較すると3.5W減少」を「令和3年度の推定W値(Lden+13)を比較すると3.5ポイント減少」とそれぞれ改める。 (8) 原判決83頁1行目から2行目にかけての「1年を下回るものが多く、長5期的なW値の推移を把握することが困難である。」を「比較的短く、これら資料から長期的なW値の推移を把握するのは困難であるところ、2年以上にわたってほぼ継続的に測定が行われている2地点(③十文字西、㉙十文字)では、当初の観測時点(③十文字西は平成26年4月、㉙十文字は令和2年3月)と最終の観測時点(③十文字西は平成28年4月、㉙十文字は令和410年12月)を比較するとW値は増加しており(③十文字西は2.1ポイント、㉙十文字は0.2ポイント)、令和5年3月時点まで1年にわたって継続的に観測されている地点(㉘平伊倉)では、令和4年4月と令和5年3月のW値を比較すると0.6ポイント増加しているから、長期的にW値が減少傾向にあるというのは困難である。」と、同頁4行目の「全体的に」から8行目15の「踏まえても」までを「減少している地点が多くみられるとはいえ、変わらなかったり、増加したりしている地 にW値が減少傾向にあるというのは困難である。」と、同頁4行目の「全体的に」から8行目15の「踏まえても」までを「減少している地点が多くみられるとはいえ、変わらなかったり、増加したりしている地点もあり、一地点(九州防衛局騒音測定結果のNo.3の地点)においては、施設庁方式近似値に換算したW値は、令和2年度が84.7Wであったのに対し、令和3年度が85.9W、令和4年度が85.6Wと増加し、上記地点に係る告示コンターのW値(85W)20を上回っている。このことに加え、上記比較した各地点におけるW値(これに近似する値等を含む)の比較において、減少がみられる地点においても、減少幅の多くが5ポイント未満であり、一地点(九州防衛局騒音測定結果のNo.3の地点)の観測の過程において、5ポイント以上の減少がみられた地点があることを踏まえても」とそれぞれ改め、同頁20行目の「ないか25ら、」の次に「一審被告の上記①の主張は」を加え、同頁21行目から84 27頁4行目までを以下のとおり改める。 「 また、②九州防衛局、新富町及び宮崎県における観測結果によれば、本件飛行場周辺における騒音量は、平成14年騒音調査及び本件各コンター作成後、減少している地点が多くみられるとはいえ、変わらなかったり、増加したりしている地点もあり、一地点(九州防衛局騒音測定結果のNo. 53の地点)においては、施設庁方式に換算したW値は、令和3年度及び令和4年度において、令和2年度より増加し、上記地点に係る告示コンターのW値(85W)を上回っており、上記比較した各地点におけるW値(これに近似する値等を含む)の比較において、減少がみられる地点においても、減少幅の多くが5ポイント未満であり、一地点(九州防衛局騒音測定10結果のNo.3の地点)の観測の過程に 点におけるW値(これに近似する値等を含む)の比較において、減少がみられる地点においても、減少幅の多くが5ポイント未満であり、一地点(九州防衛局騒音測定10結果のNo.3の地点)の観測の過程において、5ポイント以上の減少がみられたことを踏まえても、本件告示コンター作成当時の騒音量との乖離が顕著であるといえないことは、上記第2の1 (2)ア(ウ)dのとおりであるから、一審被告の上記②の主張も採用することができない。 したがって、一審被告の上記主張は採用することができない。」15(9) 原判決84頁11行目から12行目にかけての「5W未満」を「4W」と、同頁16行目から86頁7行目までを以下のとおりとそれぞれ改める。 「 前提事実第4の1(2)エ及び同第5の2(1)及び(2)によれば、本件告示コンターは、自衛隊等の行為又は防衛施設の設置若しくは運用により生ずる障害の防止等のため防衛施設周辺地域の生活環境等の整備について必要20な措置を講ずるとともに、自衛隊の特定の行為により生ずる損失を補償することにより、関係住民の生活の安定及び福祉の向上に寄与するとの目的(環境整備法1条)の下、その一環として、自衛隊等の航空機の離陸、着陸等のひん繁な実施により生ずる音響に起因する障害が著しいと認めて防衛大臣が指定する防衛施設の周辺の区域に当該指定の際現に所在する住宅25について、その所有者又は当該住宅に関する所有権以外の権利を有する者 28がその障害を防止し、又は軽減するため必要な工事を行うときは、その工事に関し助成の措置を採るものとされたことを受けて(環境整備法4条)、上記指定を適切に実施するために、大規模かつ精密な平成14年騒音調査を元に作成された正確かつ信頼性の高いものである騒音コンターに、特に関係の深い地方自 るものとされたことを受けて(環境整備法4条)、上記指定を適切に実施するために、大規模かつ精密な平成14年騒音調査を元に作成された正確かつ信頼性の高いものである騒音コンターに、特に関係の深い地方自治体との調和を図るため、関係地方公共団体の意見を聴5取した上で、行政区画、集落の状況、道路、河川等に即して最小限の修正を施して定められたと認められる。そうすると、本件告示コンターは、大規模かつ精密な上記騒音コンターに当該地域の実情に精通した関係地方公共団体の意見を踏まえて必要かつ相当な限度で修正を施したものであって、防衛施設周辺地域の騒音暴露状況に即した適正な行政を実施する基礎とす10るのにふさわしいものであるいえ、本件飛行場周辺の騒音状況について強い推認力を有するものであって、本件飛行場周辺の騒音暴露状況を認定するための資料として最も適切なものといえる。また、一定地域における住宅防音工事は、その性質上相応の期間にわたって実施されることが想定されるから、その助成の基礎となる本件告示コンター等もまた相応の期間に15わたって基準となるものとの想定の下で作成されたと考えられ、一審被告が、平成14年以降、長期的に騒音暴露の低減状況が続いているとしながら、本件告示コンター等の改定を行っていない事実はこれを裏付けるものといえる。これらに照らせば、前記第2の1(2)ア(ウ)a記載のとおり、本件告示コンター等作成時の騒音状況が、その後の事情の変更により、実際20の騒音状況との乖離が顕著となっていない限りは、本件告示コンター等に基づいて騒音状況を認定するのが合理的であって、このことは、上記修正の結果、本件告示コンターと本件騒音コンターが一致しない部分についても変わることはないというべきである。 そして、騒音コンター外原告らの居住地及び転入一 するのが合理的であって、このことは、上記修正の結果、本件告示コンターと本件騒音コンターが一致しない部分についても変わることはないというべきである。 そして、騒音コンター外原告らの居住地及び転入一審原告らの転入する25前後の居住地は、「本件居住経過一覧表」の「居住状況(古い順に記載)」 29欄のとおりであるところ、いずれも本件告示コンターの区域内に位置すること(弁論の全趣旨)、いずれも陳述書(甲D3、26、31、58、118、131、133、178)により、自身及び同居家族が日々被っている騒音被害につき陳述するほか、A3(原告番号3)、A26(原告番号26)、A32(原告番号32)、A58(原告番号58)及びA1158(原告番号118)は、令和5年の時点まで、生活に支障が出る程度の航空機騒音に継続的に暴露されている旨を陳述し(甲B67ないし71)、当審における本人尋問において同旨の供述をしていること、前記第2の1(2)ア(ウ)d及び同eのとおり、本件告示コンター等と実際の騒音状況との乖離が顕著であると認められないことからすれば、騒音コンター外原告ら10及び転入一審原告らを含め、一審原告らは、いずれも損害賠償請求の対象期間について、75Wを超える騒音に暴露されていたと認めるのが相当である。」(10) 原判決86頁12行目から91頁6行目までを以下のとおり改める。 「 九州防衛局では、自動騒音測定器によって、平成14年から70dB以15上の騒音を航空機騒音とみなして測定しているところ、別紙7-2に基づき、平成27年度と令和2年度(なお、令和3年度は、4月から9月までの測定結果である。)における騒音発生回数をみるに、その回数は、①No.1の地点で、1万8122回(平成27年度)、1万0042回(令和2年度)、② 令和2年度(なお、令和3年度は、4月から9月までの測定結果である。)における騒音発生回数をみるに、その回数は、①No.1の地点で、1万8122回(平成27年度)、1万0042回(令和2年度)、②No.2の地点で、1万5708回(平成27年度)、120万0907回(令和2年度)、③No.3の地点で、1万6172回(平成27年度)、1万0479回(令和2年度)、④No.4の地点で、1万1955回(平成27年度)、5801回(令和2年度)、⑤No.5の地点で、2679回(平成27年度)、2360回(令和2年度)、⑥No.6の地点で、5440回(平成27年度)、8081回(令和2年25度)であるところ、そのうち、午後7時から翌日午前7時までの時間帯に 30おける70dB以上の騒音の発生回数をみるに、その回数は、①No.1の地点で、993回(平成27年度)、941回(令和2年度)、②No. 2の地点で、1038回(平成27年度)、990回(令和2年度)、③No.3の地点で、1354回(平成27年度)、859回(令和2年度)、④No.4の地点で、626回(平成27年度)、458回(令和52年度)、⑤No.5の地点で、70回(平成27年度)、158回(令和2年度)、⑥No.6の地点で、245回(平成27年度)、730回(令和2年度)にとどまり、更に午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数をみるに、その回数は、①No. 1の地点で、14回(平成27年度)、65回(令和2年度)、②No. 102の地点で、106回(平成27年度)、35回(令和2年度)、③No. 3の地点で、347回(平成27年度)、33回(令和2年度)、④No. 4の地点で、17回(平成27年度)、7回(令和2年度)、⑤No.5の地点 06回(平成27年度)、35回(令和2年度)、③No. 3の地点で、347回(平成27年度)、33回(令和2年度)、④No. 4の地点で、17回(平成27年度)、7回(令和2年度)、⑤No.5の地点で、45回(平成27年度)、17回(令和2年度)、⑥No.6の地点で、15回(平成27年度)、44回(令和2年度)となっており、15午後7時から10時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数を控除すると、70dB以上の騒音の発生回数は限られている。また、令和3年3月末に実音収録機能を付加し、令和3年4月から同年6月までの間に実音収録機能により収録された音を分析した結果によると、航空機騒音として記録されたものの中に70dB以上の緊急車両のサイレン音、鳥20の鳴き声、雷音等、航空機騒音以外の音源によるものも含まれていたことが判明したとされ(乙B50。それに反する証拠は存しない。)、令和3年4月から同年9月までの6か月間においては、No.1からNo.6の各地点における騒音の発生回数は、それぞれNo.1で5219回、No. 2で4888回、No.3で5530回、N0.4で3076回、No. 255で898回、No.6で3790回となっているところ、午後7時から 31午後10時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は、No. 1で658回、No.2で581回、No.3で689回、No.4で383回、No.5で84回、No.6で472回にとどまり、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は、いずれも0回となっている。その後の70dB以上の騒音の発生回数をみ5ても(前述のとおり、別紙7-2は、令和3年9月までの騒音測定結果を集計したものである。)、令和4年度においては、N0.1からNo. も0回となっている。その後の70dB以上の騒音の発生回数をみ5ても(前述のとおり、別紙7-2は、令和3年9月までの騒音測定結果を集計したものである。)、令和4年度においては、N0.1からNo.6の各地点における騒音発生回数は、No.1で1万2030回、No.2で1万1366回、No.3で1万0720回、No.4で6624回、No.5で2145回、No.6で7006回であるところ(乙B45の104)、午後7時から午後10時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は、No.1で1111回、No.2で848回、No.3で839回、No.4で551回、No.5で106回、No.6で424回になっており、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は、No.1で7回、No.2で6回、No. 153で7回、No.4で2回、NO.5で2回、No.6で6回(乙B45の4)にとどまる。 一方、本件飛行場における運用規則(乙E74)によれば、午後9時から翌日の午前7時までの間は、領空侵犯に対する措置のための緊急発進、災害派遣、特別の訓練などの真にやむを得ない場合を除き、航空機の離着20陸を行わず、午後10時から翌日の午前7時までの間は、地上における整備上の試運転についても、航空機の移動のための地上滑走及びアイドル運転(地上試運転を含む。)を除いて行わず、夜間飛行訓練は、原則として週2日間とすることとされており、本件飛行場における航空機の運航について管制官による管制が行われ、管制官が管制業務の結果に基づいて作成25した日誌を作成しているところ(乙B53)、同日誌に基づいて管制回数 32を算定した航空交通量集計結果(乙B41、乙B47、乙B59)によれば、本件飛行場における午後10時1分 て作成25した日誌を作成しているところ(乙B53)、同日誌に基づいて管制回数 32を算定した航空交通量集計結果(乙B41、乙B47、乙B59)によれば、本件飛行場における午後10時1分から翌日午前7時までの時間帯において航空機の離発着が行われた発生回数は、平成26年度及び平成27年度0回、平成28年度1回、平成29年度2回、平成30年度5回、令和元年度9回、令和2年度3回、令和3年度9回、令和4年度17回、令5和5年度11回(8月末まで)にとどまり、本件飛行場における運用規則(乙E74)と沿う内容になっている(ただし、航空交通量集計結果は、単に、午後10時1分から翌日午前7時までの時間帯において離発着した航空機の数を集計したものというのであるから(乙B49の2)、1回の離着陸によって同一航空機の騒音が特定の観測地点において、複数回観測10されたりすることまで否定されるものではないといえる。)。実際、一審原告らのうち、A3(原告番号3)、A18(原告番号18番)、A24(原告番号24番)、A26(原告番号26番)及びA58(原告番号58番)は、令和5年7月12日に実施された当審における本人尋問において、本件飛行場において航空機が飛行している時間につき、概ね、夏場は15午後9時頃まで、冬場は午後8時頃までであるとの旨を供述していることがそれぞれ認められる。 一審原告らは、午後5時から翌朝午前8時までの航空機騒音を問題とするところ、上記事実によれば、そのうち午後7時から翌日午前7時までの時間帯において、航空機騒音の発生が認められるものの、午前7時から午20後7時までの時間帯の航空機騒音の発生回数と比較すると格段に少ない上、そのうち午後7時から午後10時までの時間帯においては、相応の航空機騒音の発生が認め 生が認められるものの、午前7時から午20後7時までの時間帯の航空機騒音の発生回数と比較すると格段に少ない上、そのうち午後7時から午後10時までの時間帯においては、相応の航空機騒音の発生が認められるものの、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における騒音の発生は限られており、このような状況は、当審口頭弁論終結日(令和6年2月28日)まで継続していると考えられる(なお、一25審原告らが一審被告から提供を受けた資料に基づき、平成28年4月1日 33から平成30年3月31日までの間、No.1の地点における時間別の70dB以上の航空機騒音の発生回数を集計したとする資料(甲B26)によれば、午後5時台から午後7時台までの時間帯において、午前9時台から午前11時台、午後1時台から午後3時台ほどではないが、70dB以上の航空機騒音が一定の回数(毎日ではない)あり、午前7時台も僅かだ5があることが認められる。)。そして、航空機騒音の特性等に照らすと、地域及び期間によって程度の違いはあるものの、基本的な傾向は一審原告らの居住地全般にあてはまると考えられること、自衛隊の飛行機1機当たりの騒音自体は日中でも夜間でも基本的に異ならないことにも照らせば、一審原告らは、午後7時から翌日午前7時までの時間帯において、午前710時から午後7時までの時間帯のような頻度ではないものの、航空機騒音に暴露していると認められる。 (4) 一審原告らの騒音暴露状況のまとめ以上によれば、一審原告らは、騒音コンター外原告ら及び転入原告らを含め、全員が、損害賠償請求対象期間において、本件飛行場における自衛15隊機の運航から生じる年間75W以上の航空機騒音に暴露していると認められる。 また、一審原告らは、午後7時から翌日午前7時までの時間帯に 賠償請求対象期間において、本件飛行場における自衛15隊機の運航から生じる年間75W以上の航空機騒音に暴露していると認められる。 また、一審原告らは、午後7時から翌日午前7時までの時間帯において、日中ほどの頻度ではないものの、航空機騒音に暴露していること、そのうち、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒20音の発生回数は限られていることが認められる。」(11) 原判決91頁12行目の「その存在を」から15行目の末尾までを「航空機が飛行する際に通常発生すると考えられるものであって、本件飛行場における航空機の飛行によって一定程度は発生していると思われるが、その発生状況を具体的に把握できる証拠はなく、独立の不法行為を構成する25ほどの違法性を有するといえる受忍限度を超えた振動や排気ガスの発生の 34事実を認めることはできない。」と改める。 (12) 原判決93頁10行目の「自立神経」を「自律神経」と、同頁25行目の「③睡眠妨害」を「①睡眠妨害」とそれぞれ改める。 (13) 原判決98頁5行目と6行目の間に以下のとおり加え、同行の「エ」を「オ」と改める。 5「エ フロンティア報告書国連環境計画が令和4年に公表したフロンティア報告書(甲総C144)には、次の記載がある。 「公衆衛生に対する騒音の悪影響は多岐にわたり、世界的な懸念を高めています。」「夜間の騒音は睡眠を妨げ、翌日の健康に影響を与え10ます。推定によると、ヨーロッパでは2200万人が慢性的な騒音の不快感に、650万人が睡眠障害に、それぞれ苦しんでいると推定されています。」「睡眠はホルモンの調節と心血管の機能に必要なため、騒音による覚醒は、さまざまな生理的および心理的ストレス反応を引き起こします。」「交通騒音への暴露が に、それぞれ苦しんでいると推定されています。」「睡眠はホルモンの調節と心血管の機能に必要なため、騒音による覚醒は、さまざまな生理的および心理的ストレス反応を引き起こします。」「交通騒音への暴露が、高血圧や動脈性高血圧症、15冠動脈疾患、糖尿病などの心血管や代謝の異常を引き起こす危険因子であるという証拠が増えてきています。」「長期的に環境騒音に晒されることが、ヨーロッパで毎年、控え目に見積もって4万8000件の虚血性心疾患の新規発症と1万2000件の早死をもたらしていることが示されています。」「異なる大陸の多くの地域を代表する研究20から得られた科学的根拠がWHOの調査で用いられ、その科学的根拠は、騒音曝露の閾値の基準の根拠を提供しています。この広範囲の研究は、世界中の騒音規制政策に情報提供すべく、これらの閾値が採用されることを支持しています。」」(14) 原判決99頁7行目の「オ」を「カ」と、同頁20行目の「など」を「、25フロンティア報告書においても、「夜間の騒音は睡眠を妨げ、翌日の健康 35に影響を与えます。推定によると、ヨーロッパでは2200万人が慢性的な騒音の不快感に、650万人が睡眠障害に、それぞれ苦しんでいると推定されています。」「睡眠はホルモンの調節と心血管の機能に必要なため、騒音による覚醒は、さまざまな生理的および心理的ストレス反応を引き起こします。」と記載されており、夜間の騒音が睡眠を妨げることや、騒音5によって覚醒した場合に様々な生理的及び心理的ストレス反応を引き起こすとされていること」と、同頁22行目の「加えて」を「また」とそれぞれ改める。 (15) 原判決100頁2行目の「航空機騒音は、」の次に「一般的に、」を加え、同頁4行目の「原告らは」から同頁6行目から7行目にかけての「暴 頁22行目の「加えて」を「また」とそれぞれ改める。 (15) 原判決100頁2行目の「航空機騒音は、」の次に「一般的に、」を加え、同頁4行目の「原告らは」から同頁6行目から7行目にかけての「暴10露していると認められ」を「午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は限られる一方、午後7時から午後10時までの時間帯において、70dB以上の騒音の発生は相応に認められ、睡眠を取る時間が常に午後10時から翌日午前7時までの時間帯と限られるものではないこと」と改め、同頁8行目の「上記時間帯において」15を削り、同頁22行目の「現在の最新の」を「専門的科学的」と、同頁23行目の「利害調整」を「観点からの検討」と、同頁24行目の「その有用性」から25行目の「超えている。」までを「これが法律的評価を行う際の尺度となるものでないとする一審被告の上記主張は採用することができない。」とそれぞれ改める。 20(16) 原判決101頁3行目の「有益な証拠」を「有用な資料」と改める。 (17) 原判決104頁3行目の「85W」を「85Wから90W」と改める。 (18) 原判決111頁5行目の「理解できるところである。」を「理解されるほか、フロンティア報告書が、「騒音による覚醒は、さまざまな生理的および心理的ストレス反応を引き起こします。」としていることからも裏付25けられる。」と改める。 36(19) 原判決112頁13行目の「特に提出されていない」を「見当たらない」と、同頁15行目の「及ぼし得ると認めることはできない。」を「及ぼし得る程度のものであることを認めるには足りない。」とそれぞれ改める。 (20) 原判決116頁2行目の「客観的証拠は」から4行目の末尾までを「証拠は見当たらず、上記聴覚 ことはできない。」を「及ぼし得る程度のものであることを認めるには足りない。」とそれぞれ改める。 (20) 原判決116頁2行目の「客観的証拠は」から4行目の末尾までを「証拠は見当たらず、上記聴覚障害が航空機騒音ではない疾患等によって生じ5た可能性も否定できないことも考慮すれば、一審原告らがアンケートにおいて訴える聴覚障害が本件飛行場の航空機騒音によって生じたかは明らかでなく、本件飛行場の航空機騒音が周辺住民らの聴覚障害の発症リスクを増大させるものであるか否かも不明というほかない。」と、同頁12行目の「異なるのであって、現に、」を「異なること、」とそれぞれ改める。 10(21) 原判決127頁5行目の末尾の次に「また、フロンティア報告書には、「睡眠はホルモンの調節と心血管の機能に必要なため、騒音による覚醒は、さまざまな生理的および心理的ストレス反応を引き起こします。」「交通騒音への暴露が、高血圧や動脈性高血圧症、冠動脈疾患、糖尿病などの心血管や代謝の異常を引き起こす危険因子であるという証拠が増えてきてい15ます。」「長期的に環境騒音に晒されることが、ヨーロッパで毎年、控え目に見積もって4万8000件の虚血性心疾患の新規発症と1万2000件の早死をもたらしていることが示されています。」「異なる大陸の多くの地域を代表する研究から得られた科学的根拠がWHOの調査で用いられ、その科学的根拠は、騒音曝露の閾値の基準の根拠を提供しています。この20広範囲の研究は、世界中の騒音規制政策に情報提供すべく、これらの閾値が採用されることを支持しています。」との記載があり(前記第3の3(1)エ)、フロンティア報告書の公表時までに、一定以上の騒音暴露が心血管や代謝の異常を引き起こす危険因子であることや、騒音暴露と上記疾患との相関関係を示唆 ています。」との記載があり(前記第3の3(1)エ)、フロンティア報告書の公表時までに、一定以上の騒音暴露が心血管や代謝の異常を引き起こす危険因子であることや、騒音暴露と上記疾患との相関関係を示唆する一定数の研究結果が発表されたことがうかがわ25れるが、その発表結果から一審原告らの航空機騒音の暴露によって、一審 37原告らが主張する各種疾病の発症リスクの増加が一審原告らの共通損害となるものとして、直接裏付けられているとは認め難い。」を、同頁23行目の「原告らが」の次に「共通して」をそれぞれ加え、同頁25行目の「いずれにせよ」から128頁1行目の末尾までを「上記WHO環境騒音ガイドラインの指摘する心循環器系への影響が一審原告らの共通損害とい5うことはできない。」と改める。 (22) 原判決131頁9行目の「原告らの」から11行目の末尾までを「上記3ないし5の判断が妨げられることはないというべきである。」と、同頁16行目の「36等」を「36、乙E154から159等」とそれぞれ改める。 10(23) 原判決132頁3行目から4行目にかけての「平成30年6月」を「令和5年12月」と、同行の「128件」を「163件」と、同頁5行目の「平成30年10月」を「令和5年12月」と、同行の「148件」を「159件」と、同頁22行目から23行目にかけての「平成30年度」から24行目の末尾までを「令和4年度までの累計で約709億639615万円、空調機器機能復旧工事の助成費として令和4年度までの累計で約43億1552万9000円、防音建具復旧工事の助成費として令和4年度までの累計で約96億508万8000円をそれぞれ支出している(乙E150)。」とそれぞれ改める。 (24) 原判決134頁14行目と15行目との間に以下のとおり加 復旧工事の助成費として令和4年度までの累計で約96億508万8000円をそれぞれ支出している(乙E150)。」とそれぞれ改める。 (24) 原判決134頁14行目と15行目との間に以下のとおり加える。 20「e 本件訴訟の控訴審における令和5年5月23日に実施された現地進行協議期日における測定結果(甲B77、乙B57)令和5年5月23日、本件訴訟の控訴審における現地進行協議期日において、本件飛行場周辺に位置するいずれも本件85W指定地域に位置し、外郭防音工事が実施された住宅2棟(一審被告協力者宅と一審原告25A15(原告番号15)の住宅(A15宅)。一審被告協力者宅は令和 384年度に外郭防音工事が実施された住宅であり、A15宅は、昭和53年度に2室、昭和56年度に3室の住宅防音工事、平成21年度に外郭防音工事及び建具復旧工事が実施された住宅である(乙E144)。)の内部の居室及び屋外でそれぞれ騒音測定を実施したところ、一審被告協力者宅では、一審原告らの測定では、29.4dBから37.3dB5の、一審被告の測定では、29.7dBから36.6dBの防音効果が認められ、A15宅では、一審原告らの測定では、17.7dBから26.5dBの、一審被告の測定では、23.2dBから25.0dBの防音効果が認められた。」(25) 原判決135頁13行目の「平成30年度」を「令和4年度」と、同頁1014行目の「総額約779万円を支出した(乙E89の第3表)。」を「総額約803万6000円を支出した(乙E150の第3表)。」と、同頁22行目から23行目にかけての「平成30年度」から24行目の末尾までを「令和4年度までの累計で、総額261億4486万6000円を支出した(乙E150の第6表及び第8表)。」と、同頁26行目の 同頁22行目から23行目にかけての「平成30年度」から24行目の末尾までを「令和4年度までの累計で、総額261億4486万6000円を支出した(乙E150の第6表及び第8表)。」と、同頁26行目のか15ら136頁1行目にかけての「平成31年3月末までの累計で、」から2行目の末尾までを「令和5年3月末までの累計で、総額25億3268万2000円を支出した(乙E150の第7表)。」とそれぞれ改める。 (26) 原判決136頁5行目の「平成30年度」を「令和4年度」と、同頁6行目の「約90億6488万円を支出した(乙E89の第10表)。」を20「約95億5522万2000円を支出した(乙E150の第10表)。」と、同頁8行目の「新富町に対し、合計約53万8044平方メートル」を「本件飛行場周辺地区の緑地帯整備の実績は、昭和39年度から令和4年度までの累計で166万6239.72平方メートルに及んでいるほか、新富町長を被許可者として、65万4864.74平方メートル」と、同25頁9行目の「無償使用を許可している(乙E89の第19表)。」を「使 39用(うち無償使用分は8万3546.5平方メートル)を許可している(乙150の第17表及び第19表)。」と、同頁13行目から14行目にかけての「平成30年度までの累計で、総額約2億1137万円を支出した(乙E89の第16表)。」を「令和4年度までの累計で、総額約2億2112万6000円を支出した(乙E150の16表)。」と、同頁518行目から19行目にかけての「平成30年度までの累計で、約59億1878万円を支出した(乙E89の第9表)。」を「令和4年度までの累計で、約66億3364万円を支出した(乙E150の第9表)。」と、同頁20行目の「平成30年度」を「令和4年度」と で、約59億1878万円を支出した(乙E89の第9表)。」を「令和4年度までの累計で、約66億3364万円を支出した(乙E150の第9表)。」と、同頁20行目の「平成30年度」を「令和4年度」と、同頁21行目から22行目にかけての「約134億7761万円を(乙E89の第11表)」10を「約163億2539万1000円(乙E150の第11表)」と、同頁23行目から24行目にかけての「約123億3672万円を(乙E89の第12表)」を「約141億1467万7000円(乙E150の第12表)」と、同頁25行目から26行目にかけての「約71億1765万円を(乙E89の第13表)」を「約90億8080万3000円(乙15E150の第13表)」と、同行から137頁1行目にかけての「約84億3026万円を(乙E89の第14表)」を「約90億2418万9000円(乙E150の第14表)」とそれぞれ改める。 (27) 原判決137頁3行目の「平成30年度までの累計で、」から4行目の末尾までを「令和4年度までの累計で、約25億1759万7000円を20支出した(乙E150の第15表)。」と改める。 (28) 原判決138頁20行目から21行目までを削り、同頁22行目の「75Wの」から23行目の「原告らは」までを「一審原告らは」と、同頁25行目から26行目にかけての「夜間早朝においても、午後9時から翌日午前7時まで」を「午後10時から翌日午前7時までの時間帯における7250dB以上の騒音の発生回数は限られる一方、午後7時から午後10時ま 40での時間帯において、70dB以上の騒音の発生回数は相応に認められ、睡眠を取る時間が常に午後10時から翌日午前7時までの時間帯と限られるものではないこと、複数の一審原告が、陳述書等で、スクラン 0での時間帯において、70dB以上の騒音の発生回数は相応に認められ、睡眠を取る時間が常に午後10時から翌日午前7時までの時間帯と限られるものではないこと、複数の一審原告が、陳述書等で、スクランブル発進により目を覚ました経験があることなどを訴えていることからすると」とそれぞれ改める。 5(29) 原判決139頁22行目の「75Wの本件騒音コンター内」を「本件告示コンター等の内側」と改める。 (30) 原判決140頁1行目から11行目までを削り、同頁15行目の「75Wの本件騒音コンター内」を「本件告示コンター等の内側」と改める。 (31) 原判決141頁14行目の「相当であり、」から142頁4行目の末尾10までを以下のとおりと改める。 「相当である。もっとも、前記第5の2のとおり、居住者は住宅防音工事が実施された居室のみで生活するわけではなく、防音工事による被害軽減の効果を享受する機会は一定程度限定されていること、防音工事がされている住宅において、防音効果を得るために当該居室を密閉状態にする必要が15あり、その場合、空調機器を使用せざるを得ず、電気料金の負担が増すほか、閉塞感等を抱いたり、重量化した建具の取扱いに労力を要したりするなどの弊害もあって、防音工事が実施された居室の数が多数であったり、外郭防音工事が実施された場合、防音工事が実施された居室の数が少ない場合や外郭防音工事が実施されていない場合に比べて当然に騒音被害に伴20う精神的苦痛を軽減する効果があると見込まれるものとはいえないし、防音性能を維持するためには、相応期間経過後において、防音建具機能復旧工事を要するとの事情もある。これらに照らせば、防音工事については、個別の住居における防音効果を具体的に測定した上で、その結果をしんしゃくするのではなく、一審 応期間経過後において、防音建具機能復旧工事を要するとの事情もある。これらに照らせば、防音工事については、個別の住居における防音効果を具体的に測定した上で、その結果をしんしゃくするのではなく、一審被告が航空機騒音を低減する目的で、同工事の25実施のため多額の資金を投入するなどの努力をしたことにつき信義則ない 41しこれに類する観点から一定評価し、一審被告の助成により防音工事が実施されたことを、同工事が実施された住居に居住する一審原告らの被害を一定程度軽減させた事情として、慰謝料算定の際に考慮するのが相当である。 そして、防音工事が実施された場合の慰謝料の減額割合については、前5記第5の2のとおり、被害を根本的な解消を実現するものではないこと、上記の弊害もあり、防音工事がされた居宅の居住者が、日常生活において、常時防音工事による防音効果を十全に得ることは困難であること等に照らせば、一審被告からの助成を受けて防音工事を実施した一審原告ら及びその同居者につき、防音工事を実施した居室の数や工事の種別に関わりなく、10最初の防音工事の実施後の慰謝料の額を一律に10%減額するのが相当である。」(32) 原判決142頁5行目の「そして、損害計算の便宜のほか」を「また」と、同頁11行目の「行うこととする」を「行うのが相当である」とそれぞれ改め、同頁21行目の末尾の次に「ただし、一審原告らが月の半ばま15でに区切って発生した損害賠償金を請求している月の損害賠償金については、その月において一審原告らが請求を区切った日、当審における口頭弁論を終結した月に発生した損害賠償金については、令和6年2月28日をそれぞれ遅延損害金の発生の起算日とする。」を加える。 (33) 原判決143頁18行目の「年間W値に」の次に「つき、告示コンタ 弁論を終結した月に発生した損害賠償金については、令和6年2月28日をそれぞれ遅延損害金の発生の起算日とする。」を加える。 (33) 原判決143頁18行目の「年間W値に」の次に「つき、告示コンター20の数値と現実の騒音暴露状況との乖離が顕著であるといえるほどの」を加え、同頁19行目の「航空機騒音の」から20行目の「認められる上、」までを削る。 (34) 原判決144頁10行目の「に対する」の次に「控訴審の」を加え、同行から11行目にかけての「令和2年12月22日」を「令和6年2月2259日」と改める。 423 当審における当事者らの補充・追加主張について(1) 一審原告らの補充・追加主張についてア 一審原告らは、一審原告らの騒音暴露量の認定は、本件告示コンター等に基づいてされるべきところ、騒音コンター外原告及び転入一審原告らは、損害賠償の対象期間において、75Wの告示コンターの内側に居住して、5受忍限度を超える騒音に晒されているから、損害賠償が認められるべきである旨を主張するところ、騒音コンター外原告及び転入一審原告らは、損害賠償の対象期間において、本件告示コンター等の内側に居住しており、いずれも75Wを超える騒音に晒されていたと認められること、上記騒音暴露が受忍限度を超えるものであることは、前記補正して引用する原判決10第5章第2の1(2)イ(イ)及び同第6のとおりである。 イ 一審原告らは、本件飛行場においては、自主規制が遵守されておらず、週2回の夜間訓練があり、夏場は午後9時まで、冬場は午後8時まで行われているため、一審原告らは、夕方5時以降にも重大な生活被害を受けている旨を主張する。 15しかしながら、本件飛行場において、一審被告が主張する自主規制が遵守されており、午後7時から まで行われているため、一審原告らは、夕方5時以降にも重大な生活被害を受けている旨を主張する。 15しかしながら、本件飛行場において、一審被告が主張する自主規制が遵守されており、午後7時から翌日午前7時までの時間帯において、航空機騒音の発生が認められるものの、午前7時から午後7時までの時間帯の航空機騒音の発生回数と比較すると格段に少ない上、そのうち午後7時から午後10時までの時間帯においては、相応の航空機騒音の発生が認められ20るものの、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における騒音の発生は限られており(なお、一審原告らが一審被告から提供を受けた資料に基づき、平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間、No.1の地点における時間別の70dB以上の航空機騒音の発生回数を集計したとする資料(甲B26)によれば、午後5時台から午後7時台までの時間25帯において、午前9時台から午前11時台、午後1時台から午後3時台ほ 43どではないが、70dB以上の航空機騒音が一定の回数(毎日ではない)あり、午前7時台も僅かだがあることが認められる状況にある。)、このような状況は、当審口頭弁論終結日(令和6年2月28日)まで継続していると考えられることは、前記補正して引用する原判決第5章第2の1(3)のとおりであり、これと異なる一審原告らの主張は採用することがで5きない。 ウ 一審原告らは、共通の損害として健康被害のリスクに晒されており、このことは、フロンティア報告書からも裏付けられる旨を主張するところ、フロンティア報告書の記載内容を踏まえても、一審原告らが主張する健康被害のリスクが一審原告らの共通損害として認められないことは、前記補10正して引用する原判決第5章第3の7記載のとおりである。 よって、一審原告らの 載内容を踏まえても、一審原告らが主張する健康被害のリスクが一審原告らの共通損害として認められないことは、前記補10正して引用する原判決第5章第3の7記載のとおりである。 よって、一審原告らの上記主張は採用することができない。 エ 一審原告らは、①騒音測定の専門業者である日本音響エンジニアリングによる騒音測定の結果(甲B56)、本件訴訟の控訴審において令和5年5月23日に実施された進行協議の際の騒音測定結果、横田基地近くの住15宅において、防音工事が施工された部屋と施工されていない部屋の航空機騒音を同時に測定して、その結果を比較した報告からすると、防音効果がほとんど発揮されない住宅が存在することが裏付けられており、仮に住宅防音工事に一定程度の防音効果が得られるとしても、防音工事によって騒音自体が消失するわけではなく、騒音被害の根本的な解決とはならないか20ら、防音工事が施工されている住宅について、損害賠償額を減額すべきではないし、②防音工事に一定の効果を認めて損害賠償額を減額するとしても、住宅防音工事が施工されている部屋数や工事種別に応じて損害賠償額の減額率を増加させることや、最大で30%もの減額をするのは相当でなく、減額率は10%を限度とすべきである旨を主張する。 25しかしながら、①一審原告らが提出する測定結果に係る証拠(甲B56) 44によれば、日本音響エンジニアリングによる騒音測定は、令和4年1月に実施されているところ、A69宅の防音工事がされている居室は、屋外及び防音工事がされていない居室と比較して概ね最大防音レベルが低い結果が得られており、外郭防音工事がされているA15宅も、室内の方が屋外よりも同様に概ね最大防音レベルが低いとの結果が得られ(なお、令和元5年6月14日に実施されたB宅の再度検証 音レベルが低い結果が得られており、外郭防音工事がされているA15宅も、室内の方が屋外よりも同様に概ね最大防音レベルが低いとの結果が得られ(なお、令和元5年6月14日に実施されたB宅の再度検証結果(甲B41)については、3回のみ測定が実施されたにすぎず、測定回数が少なく、その結果から直ちに同居宅の防音効果を判断することは相当でないというべきである。)、防音工事に一定の効果があることがうかがわれる上、A69宅は、昭和59年に住宅防音工事が実施されてから住宅防音工事が実施されておらず10(乙E145によれば、平成13年に建具復旧工事がされているが、その部屋は、このときの測定箇所と別の部屋と思われる。)、A15宅は平成21年に外郭防音工事が実施されてから住宅防音工事が実施されていない(乙E144)との事情があることが認められる。しかも、令和5年5月23日に実施された本件訴訟の控訴審における現地進行協議の際のA1515宅における騒音測定では、一審原告らの測定では、17.7dBから26. 5dBの、一審被告の測定では、23.2dBから25.0dBの防音効果が認められており(認定事実第5の1(1)イ(ア)e)、目標計画防音量を超える防音効果が測定されたこともあることからすれば、A15宅に施工された防音工事が計画防音量を達成していないとはいえない。そうすると20一審原告らの当審における主張立証の内容をしんしゃくしても、前記補正して引用する原判決第5章第5の1(1)のとおり、一審被告による住宅防音工事の結果、基本的に目標計画防音量を達成した防音効果が得られると考えられるとの結論が左右されるとはいえない。 また、②一審被告の助成により防音工事が実施されたことは、同工事が25実施された住居に居住する一審原告らの被害を一定程度軽減する 音効果が得られると考えられるとの結論が左右されるとはいえない。 また、②一審被告の助成により防音工事が実施されたことは、同工事が25実施された住居に居住する一審原告らの被害を一定程度軽減する事情とし 45て、慰謝料算定の際に考慮するのが相当であり、慰謝料の減額割合については、一審被告からの助成を受けて防音工事を実施した一審原告ら及びその同居者につき、防音工事を実施した居室の数や工事の種別に関わりなく、最初の防音工事の実施後の慰謝料の額を一律に10%減額するのが相当であることは、前記補正して引用する原判決第5章第7の2記載のとおりで5ある。 よって、一審原告らの上記主張は、最初の防音工事の実施後の慰謝料の額を一律に10%減額するのが相当であるとの点を除き、採用することができない。 オ 一審原告らは、平成14年以降、一審原告らの騒音暴露状況はほとんど10変わっておらず、今後、本件飛行場にF35Bが配備されることに伴い、飛行回数は相当程度増加することが予測されており、本件飛行場周辺の爆音被害はこれまで以上に深刻化することが見込まれること、客観的な騒音暴露状況が変わらない限り、一審原告らの損害が変わるものではないこと、一審原告らの多くは今後も本件飛行場周辺の爆音被害が発生する地域に居15住し続けることが予測されることからすれば、一審原告らの将来の損害賠償請求が認められるべきであり、少なくとも控訴審口頭弁論終結日以降、控訴審判決までの期間については、騒音被害状況や一審原告らの居住状況が変動し難いことが明らかであり、変動が生じた場合には一審被告が口頭弁論の再開を申請した上、主張立証することは容易であるから、控訴審の20判決日までの損害賠償請求は認められるべきである旨を主張する。 しかしながら、本件飛行場周辺の告 じた場合には一審被告が口頭弁論の再開を申請した上、主張立証することは容易であるから、控訴審の20判決日までの損害賠償請求は認められるべきである旨を主張する。 しかしながら、本件飛行場周辺の告示コンター内の地域において、平成14年以降、年間W値につき、告示コンターの数値が現実の騒音暴露状況と乖離が顕著であるといえるほどの大きな変動はないものの、本件飛行場の運用に伴い発生する航空機騒音の程度は、本件飛行場を拠点とする航空25自衛隊の部隊や運用機種等によっても変動すると考えられるから、本件飛 46行場周辺において、将来にわたり現在と同程度の航空機騒音が継続することが予測されるとはいえない。一審原告らの損害賠償請求権は、侵害行為の態様及び程度、被侵害利益の性質及び内容、侵害行為のもつ公共性や公益上の必要性の内容及び程度、被害の防止に関する措置の内容及び効果等を総合考慮してその成否及び額が判断されるところ、騒音暴露状況のほか、5騒音被害の軽減措置の進展等によってもこのような考慮要素の内容及び評価は変わり得るから、損害賠償請求権の成否及びその額をあらかじめ一義的に明確に認定することは困難であるし、一審原告らが75Wの本件騒音コンターの外側やW値のより低い地域に転居するなど、一審原告らの個人的事情につき、一審被告が逐一把握するのは相当な困難を伴うものといえ10るから、これらを専ら債務者の立証すべき新たな権利成立阻却事由の発生としてとらえてその負担を債務者に課すことは相当でないことは、前記補正して引用する原判決第5章第8のとおりである。平成14年以降、一審被告らの騒音暴露状況はほとんど変わっていないことのほか、今後、本件飛行場にF35Bが配備されることに伴い、飛行回数は相当程度増加する15ことが予測されていることなど、 る。平成14年以降、一審被告らの騒音暴露状況はほとんど変わっていないことのほか、今後、本件飛行場にF35Bが配備されることに伴い、飛行回数は相当程度増加する15ことが予測されていることなど、一審原告らの主張内容を前提としても、将来にわたって同様の航空交通量があることや一審原告らの居住状況について確定できるものではないから、一審原告らの将来の損害賠償請求を認めるのは、相当でない。 また、一審原告らが、予備的に主張する控訴審の判決日までの損害賠償20請求についても、比較的短期間のうちは騒音被害が継続する可能性があるとしても、控訴審の判決日まで同様の航空交通量があることや一審原告らの居住状況について確定できるものではなく、控訴審の判決日までと終期を定めた上で将来請求を認容した場合には、一審被告が、事情の変動に伴って、請求異議訴訟を提起することを余儀なくさせ、一審原告の転居の事25実などを主張・立証させることになる点において、債務者に格別の負担を 47求めることに変わりはなく、相当ではない。 よって、一審原告らの上記主張は採用することができない。 (2) 一審被告の補充・追加主張についてア 一審被告は、①損害賠償請求対象期間における騒音暴露状況を認定するに当たっては、実勢騒音に基づいて判断すべきであるところ、本件告示コ5ンター等は、10年以上前に作成されたものであり、その後、一審原告らの損害賠償請求対象期間の起点日(平成26年12月18日)までの間に騒音低減のための様々な音源対策が施されるなどしたことにより、騒音が減少傾向にあることもあり、実勢騒音を表すものとはいえない、②少なくとも、騒音コンター外原告らは、年間平均で75Wに相当する騒音暴露は10なく、受忍限度の範囲を超えた騒音被害は認められないし、転入 少傾向にあることもあり、実勢騒音を表すものとはいえない、②少なくとも、騒音コンター外原告らは、年間平均で75Wに相当する騒音暴露は10なく、受忍限度の範囲を超えた騒音被害は認められないし、転入一審原告らも、同様に騒音コンター外の地区に転入した日以降の期間、受忍限度の範囲を超えた騒音被害は認められない旨を主張する。 しかしながら、①本件告示コンター作成時の騒音状況と本件訴訟の控訴審の口頭弁論終結日(令和6年2月28日)の騒音状況との乖離が顕著で15あるとは認められないことは、前記補正して引用する原判決第5章第2の1(2)ア(ウ)dのとおりである。 また、②本件告示コンターは、大規模かつ精密な上記騒音コンターに当該地域の実情に精通した関係地方公共団体の意見を踏まえて相当な修正をしたものであって、防衛施設周辺地域の騒音暴露状況に即した適正な行政20を実施する基礎とするのにふさわしいものであり、本件飛行場周辺の騒音状況について強い推認力を有するものであって、本件告示コンター等作成時の騒音状況が、その後の事情の変更により、実際の騒音状況との乖離が顕著となっていない限りは、本件告示コンター等に基づいて騒音状況を認定するのが合理的であって、このことは、上記修正の結果、本件告示コン25ターが本件騒音コンターと一致しない部分についても変わることはなく、 48騒音コンター外原告ら及び転入一審原告らにつき、損害賠償請求の対象期間について、75Wを超える騒音に暴露されていたと認めるのが相当であることは、前記補正して引用する原判決第5章第2の1(2)イ(イ)のとおりである。 よって、一審被告の上記主張は採用することができない。 5イ 一審被告は、①本件飛行場においては、運用規則(乙E74)に基づき、午後9時から翌日の午前7時ま 1(2)イ(イ)のとおりである。 よって、一審被告の上記主張は採用することができない。 5イ 一審被告は、①本件飛行場においては、運用規則(乙E74)に基づき、午後9時から翌日の午前7時までの間は、領空侵犯に対する措置のための緊急発進、災害派遣、特別の訓練などの真にやむを得ない場合を除き、航空機の離着陸を行っておらず、午後10時から翌日の午前7時までの間は、地上における整備上の試運転についても、航空機の移動のための地上滑走10及びアイドル運転(地上試運転を含む。)を除いて行っておらず、一審原告らを含め、本件飛行場の睡眠時間帯における騒音の発生状況は極めて限定的といえる、②睡眠は個人差が顕著であり、航空機騒音による人の精神面に対する影響が個人差の顕著な主観的反応であることからして、これらが一審原告らに共通して発生しているとはいえない旨を主張する。 15よって検討するに、①本件飛行場において、一審被告が主張する自主規制が遵守されており、午後7時から翌日午前7時までの時間帯において、航空機騒音の発生が認められるものの、午前7時から午後7時までの時間帯の航空機騒音の発生回数と比較すると格段に少ない上、そのうち午後7時から午後10時までの時間帯においては、相応の航空機騒音の発生が認20められるものの、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における騒音の発生は限られており、このような状況は、当審口頭弁論終結日(令和6年2月28日)まで継続していると考えられることは、前記補正して引用する原判決第5章第2の1(3)のとおりであり、一審被告の主張①はこれと同旨をいう限度で理由がある。 25一方、②欧州WHO環境騒音ガイドライン、フロンティア報告書等の記 49載内容に照らし、夜間早朝の航空機騒音は、一般的に、周辺住民の睡 告の主張①はこれと同旨をいう限度で理由がある。 25一方、②欧州WHO環境騒音ガイドライン、フロンティア報告書等の記 49載内容に照らし、夜間早朝の航空機騒音は、一般的に、周辺住民の睡眠妨害をもたらす原因であるといえ、夜間早朝の70dB以上の航空機騒音への暴露は、睡眠妨害をもたらすものと認められるところ、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は限られる一方、午後7時から午後10時までの時間帯において、70dB以上5の騒音の発生回数が相応に認められ、睡眠を取る時間が常に午後10時から翌日午前7時までの時間帯と限られるものではないこと、複数の一審原告が、陳述書等で、スクランブル発進により目を覚ました経験があることなどを訴えていることからすると、一審原告らが日常的ではないもののある程度の回数の航空機騒音に暴露し、一定の睡眠妨害を被っていると認め10ることができることは、前記補正して引用する原判決第5章第6のとおりであり、睡眠妨害について一審原告らの共通損害ということができる。 よって、一審被告の主張②は採用することができない。 ウ 一審被告は、フロンティア報告書は、欧州WHO環境騒音ガイドラインにおいて示された勧告値を引用するなどしてこれを敷衍するものにとどま15り、上記ガイドラインにおいて勧告値が示されたことは、航空機騒音の暴露による各種疾病の発症リスクの増加を直接的に裏付けるものではないから、フロンティア報告書の内容は、健康被害のリスクが一審原告らに生じているという一審原告らの主張の裏付けとなるものではない旨を主張するところ、一審原告らが主張する健康被害のリスクが一審原告らの共通損害20として認められないことは、前記補正して引用する原判決第5章第3の7のとおりである。 の裏付けとなるものではない旨を主張するところ、一審原告らが主張する健康被害のリスクが一審原告らの共通損害20として認められないことは、前記補正して引用する原判決第5章第3の7のとおりである。 エ 一審被告は、防音工事が施工されている住宅では相応の防音効果が確認されており、公平の見地から、住宅防音工事が実施された住宅に居住する一審原告らの損害額は、住宅防音工事を実施した居室数に応じて比例的に25されるべきである旨を主張する。 50しかしながら、一審被告が助成する住宅防音工事は、一審原告らが暴露する航空機騒音を物理的に軽減することで騒音被害を緩和するという効果をもたらすものの、防音効果を得るために当該居室を密閉状態にした場合、空調機器を使用せざるを得ず、電気料金の負担が増すほか、重量化した建具の取扱いに労力を要するなどの弊害も認められ、被害の根本的な解消を5実現するものではないことからすると、防音工事については、個別の住居における防音効果を具体的に測定した上で、その結果をしんしゃくするのではなく、一審被告が航空機騒音を低減する目的で、同工事の実施のため多額の資金を投入するなどの努力をしたことにつき信義則ないしこれに類する観点から一定評価し、これを慰謝料算定に当たり考慮することにして、10一審被告の助成により防音工事が実施されたことを、同工事が実施された住居に居住する一審原告らの被害を一定程度軽減させた事情として、慰謝料算定の際に考慮するのが相当である。そして、慰謝料の減額割合については、一審被告からの助成を受けて防音工事を実施した一審原告ら及びその同居者につき、防音工事を実施した居室の数や工事の種別に関わりなく、15最初の防音工事の実施後の慰謝料の額を一律に10%減額するのが相当であることは、補正して引 工事を実施した一審原告ら及びその同居者につき、防音工事を実施した居室の数や工事の種別に関わりなく、15最初の防音工事の実施後の慰謝料の額を一律に10%減額するのが相当であることは、補正して引用する原判決第5章第7の2及び前記(1)エのとおりである。 よって、一審被告の上記主張は、採用することができない。 オ 一審被告は、一審原告らに対する不法行為の成否及び慰謝料の額につい20て、令和3年度以降も、本件飛行場は依然として西日本における防空の中心的な役割を果たしており、太平洋に面した西日本唯一の防空作戦を担う航空作戦基地と位置付けられており、その戦略的価値は極めて高いこと、本件飛行場に常駐する部隊により、災害救助活動、民生協力活動が実施されているほか、社会貢献活動や地域経済の活性化につながる行事等が実施25されていること、一審被告が本件飛行場において、可能な限り周辺地域の 51住民に配慮して様々な騒音対策を行っていること等の点を、本件飛行場の航空機騒音についての一審原告らの受忍限度を判断するに当たり、十分に考慮されるべきである旨を主張する。 しかしながら、本件飛行場には安全保障政策上の公共性や公益上の必要性があるものの、本件飛行場の運用によりもたらされる利益は国民が等し5く享受する一方で、それに伴って不可避に発生する航空機騒音という軽視することができない不利益は、特定少数者としての本件飛行場の周辺住民である一審原告らが被っており、そこには看過し難い不公平が存在するのであって、本件飛行場の公共性や公益上の必要性という一事をもって、直ちに正当化できるものではなく、また、一審被告が助成する住宅防音工事10は被害の根本的な解消を実現するものではなく、その他の周辺対策、音源対策及び運航対策も、一審原告らが現に受けて をもって、直ちに正当化できるものではなく、また、一審被告が助成する住宅防音工事10は被害の根本的な解消を実現するものではなく、その他の周辺対策、音源対策及び運航対策も、一審原告らが現に受けている騒音被害を直接軽減する関係にないから、受忍限度に係る判断の考慮要素としては限定的な意義しか有しないことなどにも照らせば、損害賠償請求対象期間中に、本件告示コンター内に居住していた一審原告らは、その居住期間において、社会15生活上受忍すべき限度を超える違法な権利ないし法律上の利益の侵害を受けているということができることは、前記補正して引用する原判決第5章第6のとおりであり、当審において、一審被告が補充・追加して主張する本件飛行場の戦略的価値や、本件飛行場に常駐する部隊の活動、一審被告による周辺対策の実施の状況を踏まえても、上記結論は異ならない。 20よって、一審被告の上記主張は採用することができない。 4 まとめ(1) 以上によれば、①一審原告らの令和6年2月28日より後に生ずべき損害の賠償請求に係る訴えは不適法であるから却下することとし、②①を除いた一審原告らの損害賠償請求について、以下のアからエの限度で理由があるか25ら、その限度で認容し、その余は棄却するのが相当である。 52ア 別紙2-1「損害賠償認容額一覧表1」の「原告氏名」欄記載の一審原告らに対し、同一審原告らに各対応する同表の「元利金合計額」欄記載の金員及びうち「元金額」欄記載の金員に対する「始期」欄記載の日付から支払済みまで年5分の割合による金員イ 別紙2-2「損害賠償認容額一覧表2」の「原告氏名」欄記載の一審原5告らに対し、同一審原告らに各対応する同表の「元利金合計額」欄記載の金員並びにうち「元金額(年利5%)」欄記載の金員に対する令和6 紙2-2「損害賠償認容額一覧表2」の「原告氏名」欄記載の一審原5告らに対し、同一審原告らに各対応する同表の「元利金合計額」欄記載の金員並びにうち「元金額(年利5%)」欄記載の金員に対する令和6年2月29日から支払済みまで年5分の割合による金員及びうち「元金額(年利3%)」欄記載の金員に対する前同日から支払済みまで年3%の割合による金員10ウ 別紙2-3「損害賠償認容額一覧表3(訴訟承継人分N0.1)」の「原告氏名」欄記載の一審原告(訴訟承継人)らに対し、一審原告(訴訟承継人)らに各対応する同表の「元利金合計額」欄記載の金員並びにうち「元金額(年利5%)」欄記載の金員に対する令和6年2月29日から支払済みまで年5分の割合による金員及びうち「元金額(年利3%)」欄記15載の金員に対する前同日から支払済みまで年3%の割合による金員エ 別紙2-4「損害賠償認容額一覧表4(訴訟承継分No.2)」の「原告氏名」記載の一審原告(訴訟承継人)らに対し、「元利金合計額」欄記載の金員及びうち「元金額(年利5%)」欄記載の金員に対する令和6年2月29日から支払済みまで年5分の割合による金員(なお、一審原告A20135、同A134-2、同A134-3及びA134-4は、平成30年7月2日までに発生した損害賠償金に対する遅延損害金(年5分)は令和5年11月24日まで請求し、平成30年7月3日から令和5年11月24日までに発生した損害賠償金に対する遅延損害金は、うち令和2年3月31日以前発生分(年5分)につき支払済みまで、うち同年4月1日以25降発生分(年3%)につき令和5年11月24日まで請求している。) 53(2) また、一審原告らの申立てに基づき、上記(1)の請求を認容した部分について仮執行宣言を付すとともに、仮執行宣 降発生分(年3%)につき令和5年11月24日まで請求している。) 53(2) また、一審原告らの申立てに基づき、上記(1)の請求を認容した部分について仮執行宣言を付すとともに、仮執行宣言の執行開始時期は、本判決が一審被告に送達された日から14日を経過したときと定め、別紙2-1「損害賠償認容額一覧表1」、別紙2-2「損害賠償認容額一覧表2」、別紙2-3「損害賠償認容額一覧表3(訴訟承継人分No.1)」及び別紙2-45「損害賠償認容額一覧表4(訴訟承継人分No.2)」記載の各一審原告らに各対応する「担保額」欄記載の額の担保を立てることを条件とする仮執行免脱の宣言をすることとする。 第4 結論前記第3の4(1)のとおり、一審原告らの各訴えのうち、令和6年2月2910日以降に生ずべき損害の賠償請求に係る部分は不適法であり、一審原告らのその余の請求は、同(1)の限度で理由があるからその限度で認容し、その余は理由がないから棄却し、同(2)のとおり仮執行の宣言を付するとともに、仮執行免脱の宣言をすることが相当であるところ、これと異なる原判決は一部失当であって、一審原告らの本件控訴並びに一審被告の本件附帯控訴の一部は理由が15あるから、原判決を上記のとおり変更し、一審原告らのその余の控訴並びに一審被告のその余の附帯控訴及び一審被告の控訴はいずれも理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。 福岡高等裁判所宮崎支部 20裁判長裁判官西 森 政 一 裁判官25㑨 木 泰 治 54 裁判官石山仁朗は、転補につき、署名押印することがで 森 政 一 裁判官25㑨 木 泰 治 54 裁判官石山仁朗は、転補につき、署名押印することができない。 裁判長裁判官5西 森 政 一
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