【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人山田文夫、同林千衛上告趣意第一点について。 被告に財物喝取の故意があり、且つAが畏怖の結果金員を被告人に手交した
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人山田文夫、同林千衛上告趣意第一点について。 被告に財物喝取の故意があり、且つAが畏怖の結果金員を被告人に手交したことは、原判決挙示の証拠によつて肯認し得られるところである。所論の如く、他にB、Cという血気の若者が現場にいたことや被告人がその際所持のライター金二百円をBに手渡したことを理由として、前記事実を否定する根拠とすることはできない。 論旨は、事実審である原審の自由裁量権に属する事実認定の不当を非難するに帰着し、上告適法の理由とはならないのである。 同第二点について。 証人については、被告人側から申請のあつた者を総て調べなければならぬという訳のものでなく、事案との関係の親疎、遠近、重要性の有無、及び程度その他諸般の事情を考慮して、事実審が適度に取捨選択をすることができる。弁護人の申請した証人Aは、既に第一審公判において訊問されておるから再度取調の必要を認めなかつたものであろうし、又他の二名についても事案に直接関係薄きものとして訊問の必要を認めず却下したものであろう。前記Aについては、弁護人の証人申請を却下しながら、同人に対する第一審第二回公判調書中の供述記載を証拠として採用している点において、刑訴応急措置法第一二条に違反する疑をいだく者があるかも知れない。しかしながら、同条に「証人の供述を録取した書類」という中には、公判における証人の供述を録取した公判調書は、含まれないものと解すべきである。なぜならば、かかる証人の供述は公正な公判廷において被告人の訊問する機会が当時既に与えられたからである。 論旨は、結局原審の裁量権に属する証拠の取捨を非難するものであるから、上告- 1 -適法の理由とはなし難い。 同第三点について。 記録によつて公判調書を 機会が当時既に与えられたからである。 論旨は、結局原審の裁量権に属する証拠の取捨を非難するものであるから、上告- 1 -適法の理由とはなし難い。 同第三点について。 記録によつて公判調書を調べてみても、弁護人が原審で被告人は犯行当時心神耗弱の状態にあつた旨を主張した記載を発見することができない。それ故、原判決が右事実に対する判断を示さなかつたことは、何等の違法を招来するものではあり得ない。論旨は、それ故に理由なきものである。 よつて、刑訴第四六六条に従い主文のとおり判決する。 この判決は、裁判官全員の一致した意見である。 検察官下秀雄関与昭和二三年六月一〇日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官眞野毅裁判官澤田竹治郎裁判官齋藤悠輔裁判官岩松三郎- 2 -
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