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昭和30(ラ)14 不動産仮差押命令申請却下決定に対する抗告事件

裁判所

昭和30年5月16日 広島高等裁判所

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1,222 文字

主文 原決定を取消す。本件を山口地方裁判所下関支部に差戻す。理由 本件抗告の趣旨及び理由は別紙記載の通りである。相手方所有の本件不動産に対し、すでに下関市において滞納処分による差押をなし昭和二十八年九月十日その差押の登記のなされていることは、本件記録上明白である。ところで、滞納処分により差押えられた不動産に対し、更に競売開始決定をなしこれを差押えることは許されないものと解せられる。同様に、右不動産の強制管理を目的とする仮差押も、滞納処分の執行の妨げとなるから、国税徴収法第十九条に照し、その許されな<要旨>いことは明らかである。しかし単に仮差押命令の登記簿記入を執行方法とする仮差押は、滞納処分の執行につ</要旨>き何等の妨げとならないのみならず、滞納処分による公売が実施せられた場合には右仮差押はその効力を失い、仮差押の登記は当然抹消せられることになるのであるから、滞納処分により差押えられた不動産に対し右如き仮差押を許しても何等実害の生ずるおそれはない。一方、税金完納その他何等かの理由により右不動産に対する差押が滞納処分手続の中途において解除せられた場合に、若し右の如き仮差押の登記が存在しないと、債務者が右不動産を他に譲渡し又はこれに担保物権を設定したときに、債権者は右不動産に対し仮差押をなす機会を失い又は仮差押をしても右担保物権の存するためにその目的を達し得ないこととなる。従つて、滞納処分により差押えられた不動産に対する仮差押を許容すれば、差押の解除せられた場合、債務者は右仮差押の効力によりその不動産を処分し得ないこととなり、債権者は将来行うべを強制執行を保全する目的を達し得る利益を有することになる。以上に説明したところから判断すれば、国税徴収法第十九条に示された租税優先主義と によりその不動産を処分し得ないこととなり、債権者は将来行うべを強制執行を保全する目的を達し得る利益を有することになる。 れた不動産に対する仮差押を許容すれば、差押の解除せられた場合、債務者は右仮差押の効力によりその不動産を処分し得ないこととなり、債権者は将来行うべを強制執行を保全する目的を達し得る利益を有することになる。以上に説明したところから判断すれば、国税徴収法第十九条に示された租税優先主義と によりその不動産を処分し得ないこととなり、債権者は将来行うべを強制執行を保全する目的を達し得る利益を有することになる。以上に説明したところから判断すれば、国税徴収法第十九条に示された租税優先主義と一般債権者の保護とを調和せしめる見地より、右の如き仮差押を許容するのが相当である。しからば抗告人の本件仮差押申請を不適法として却下した原決定は失当であつて、これを取消すべきものである。なお、本件申請につき更に仮差押の理由を疏明させるため、本件を原裁判所に差戻すこととし、主文の通り決定する。(裁判長裁判官植山日二裁判官佐伯欽治裁判官松本冬樹)

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