平成17(わ)3471 住居侵入,強盗致死,強盗,強盗致傷被告事件

裁判年月日・裁判所
平成18年8月15日 大阪地方裁判所
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判決文本文9,066 文字)

主文 被告人を無期懲役に処する。 未決勾留日数中330日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,深夜に民家に押し入って金品を強取しようと企て,第1【平成17年12月27日付け起訴状公訴事実第1】甲,乙及び丙らと共謀の上,平成10年11月19日午前3時ころ,神戸市(以下略)所在のA方1階風呂場窓のアルミ格子を外して同窓から同人方に侵,,,()()入しそのころ同所1階居室においてB当時35歳及びC当時7歳,,に対しいきなり粘着テープなどでその両手両足を緊縛するなどの暴行を加えさらに,同所2階居室において,D(当時34歳)に対し,所携の刃物様の物をその頸部に押し付けた上,粘着テープなどでその両手両足を緊縛し,猿ぐつわをするなどの暴行を加えて,上記3名の反抗を抑圧した上,同所にあった上記Aら所有に係る現金約3384万1500円及び指輪等約67点(時価合計約1275万5000円相当)を強取し,その際,上記各暴行により,上記Bに全治約2週間を要する両手関節捻挫等の傷害を,上記Cに全治約1か月間を要する左中指末節骨皹裂骨折の傷害を,上記Dに加療約2週間を要する右手関節捻挫の傷害をそれぞれ負わせた第2【平成17年12月27日付け起訴状公訴事実第2】甲,乙及び丙らと共謀の上,平成10年12月14日午前4時過ぎころ,大阪府八尾市(以下略)所在のE方1階応接間南側窓のガラス戸に穴を開けて同穴から同人方に侵入し,同所2階南東側寝室において,F(当時24歳)に対し,その頭部を金属バットで1回殴打する暴行を加え,さらに,上記E(当時56歳G当時50歳及び上記Fに対し所携の刃物を突きつけ上記3),(),,名の両手等を手錠等で緊縛するなどの暴行を加えかねかねきんこきん,「。 。 。 に,上記E(当時56歳G当時50歳及び上記Fに対し所携の刃物を突きつけ上記3),(),,名の両手等を手錠等で緊縛するなどの暴行を加えかねかねきんこきん,「。 。 。 こなどと申し向けて脅迫して上記3名の反抗を抑圧した上同所にあった。」,,上記3名ら所有に係る現金約329万3000円及び紳士用腕時計等14点(時価合計353万3000円相当)を強取し,その際,上記各暴行により,上記Eに加療約1週間を要する両手首絞扼等の傷害を,上記Fに加療約10日間を要する頭部打撲等の傷害をそれぞれ負わせた第3【平成17年12月27日付け起訴状公訴事実第3】甲,乙,丙及び丁らと共謀の上,平成10年12月24日午前3時20分ころ,神戸市(以下略)所在のH方1階洗面所南側の無施錠の窓から同人方に侵入し,同所2階北西側和室において,I(当時23歳)に対し,その背後から所携の金属バットなどでその頭部等を多数回強打して失神させた上,ネクタイでその両手両足を緊縛する暴行を加え,同所2階南東側洋室において,就寝中のJ(当時49歳)を起こした上,同女に対し,所携の金属製の棒様の物でその左肘を殴打し,その両手に手錠をかける暴行を加え,さらに,同女の叫び声に気付いて同所2階東側洋室から廊下に出てきたK(当時26歳)に対し,所携の金属製の棒様の物でその頭部,背中等を多数回強打し,その両手に手錠をかけるなどの暴行を加え,上記3名の反抗を抑圧した上,同所にあった上記Iら所有に係る現金約11万5000円を強取し,その際,上記各暴行により,上記Iに全治約10日間を要する頭部・右肩後面・左上腕打撲症等の傷害を,上記Kに加療約10か月間を要する頭蓋骨骨折,急性硬膜外血腫,右鎖骨・左肩甲骨骨折の傷害をそれぞれ負わせた第4【平成18年3月 記Iに全治約10日間を要する頭部・右肩後面・左上腕打撲症等の傷害を,上記Kに加療約10か月間を要する頭蓋骨骨折,急性硬膜外血腫,右鎖骨・左肩甲骨骨折の傷害をそれぞれ負わせた第4【平成18年3月1日付け起訴状公訴事実第1】甲,乙,丙及び丁らと共謀の上,平成11年1月9日午前2時30分ころ,兵庫県明石市(以下略)所在のL方1階リビングの掃出窓の施錠を外して同窓から同人方に侵入し,そのころ,同所1階において,就寝中の同人(当時79)(),,「。 。 歳及びM当時52歳を起こした上両名に対し騒ぐなもの言うなしゃべるなかねかねきんこきんこあけろあけろなどと申し。」「,。 ,。」「,。」 向けつつ,模造刀剣様の物を上記Lの顔面に突き付け,手錠及び布テープ等で両名の両手両足を緊縛するなどの暴行を加え,両名の反抗を抑圧した上,同所にあった両名所有に係る現金約250万円及び指輪等35点(時価合計約1217万8000円相当)を強取し,その際,上記各暴行により,上記Lに加療約1週間を要する右眉部切創,両手関節部挫傷の傷害を,上記Mに加療約1週間を要する両手関節部挫傷の傷害をそれぞれ負わせた第5【平成18年3月1日付け起訴状公訴事実第2】甲,乙,丙及び丁らと共謀の上,平成11年1月26日午前4時ころ,大阪市東住吉区(以下略)所在のN方玄関扉の施錠を外して同玄関から同人方に侵入し,そのころ,同所母屋1階7畳間において,就寝中のO(当時70歳)に対し,紐でその両手両足を緊縛し,タオルで猿ぐつわをする暴行を加え,同所母屋1階南西側8畳間において,就寝中のP(当時8歳)に対し,紐でその両手両足を緊縛し,タオルで猿ぐつわをする暴行を加え,同所母屋2階南側6畳間において,就寝中のQ(当時10歳)に対し,紐でその両 母屋1階南西側8畳間において,就寝中のP(当時8歳)に対し,紐でその両手両足を緊縛し,タオルで猿ぐつわをする暴行を加え,同所母屋2階南側6畳間において,就寝中のQ(当時10歳)に対し,紐でその両手両足を緊縛し,布製粘着テープで猿ぐつわをする暴行を加え,同所母屋2階北西側寝室において,就寝中の上記N(当時39歳)及びR(当時36歳)を起こした上,両名に対し,手錠及び紐でその両手両足を緊縛し,タオル等で猿ぐつわをする暴行,,「。」「,。」を加えるとともに所携の包丁及び金属バットを示し静かにかねかねきんこきんこなどと申し向けて脅迫し上記Nら5名の反抗を抑圧した「,。」,上,同所にあった同人ほか2名所有に係る現金約533万円を強取した第6【平成17年11月30日付け起訴状公訴事実】甲,乙,丙及び丁と共謀の上,平成11年3月23日午前3時ころ,大阪府交野市(以下略)所在のS方1階台所のガラス戸の施錠をはずして同所から同人方に侵入しそのころ同所において就寝中のT当時56歳及びS当,,,()(時61歳の両名を順次起こした上両名に対しかねかねきんこきん),,「,,,こなどと申し向けつつ紐等でその両手両足を緊縛し下着等で猿ぐつわを。」,, するなどの暴行を加え,上記両名の反抗を抑圧した上,同所にあった上記S所有に係る現金約34万2000円,日本刀2振り,模造刀1振り及び腕時計1個並びに同人管理に係る指輪1個(時価合計約908万円相当)を強取した第7【平成18年2月17日付け起訴状公訴事実】甲,乙,丙及び丁と共謀の上,平成11年3月24日午前3時ころ,大阪府寝屋川市(以下略)所在のU方南側10畳間縁側の無施錠の窓から同人方に侵入し,そのころ,同所南側3畳 月17日付け起訴状公訴事実】甲,乙,丙及び丁と共謀の上,平成11年3月24日午前3時ころ,大阪府寝屋川市(以下略)所在のU方南側10畳間縁側の無施錠の窓から同人方に侵入し,そのころ,同所南側3畳間において,就寝中の同人(当時45歳)が被告人らの足音に気付いて起きるや,同人に対し,所携の日本刀でその右腕に切り付けた上,同人を同所北側7畳半の間に連れて行き,同室において,同人及(),「,。」「,び布団に寝て読書をしていたV当時40歳に対しかねどこきんこどこなどと申し向けつつ所携の日本刀の刃を鞘から抜いて見せ紐で両名。」,,の両手両足を緊縛するなどの脅迫,暴行を加え,その反抗を抑圧した上,同所にあった上記V所有に係る現金約24万5000円を強取し,その際,上記暴行により,同人に加療約1週間を要する右前腕切創の傷害を負わせた第8【平成18年3月1日付け起訴状公訴事実第3】,,,,甲乙丙及び丁と共謀の上平成11年年4月23日午前1時40分ころ大阪市東住吉区(以下略)所在のW方1階事務室の掃出窓の施錠を外して同窓,,,()から同人方に侵入しそのころ同所1階において就寝中のX当時65歳を起こした上,同女に対し,紐でその両手両足を緊縛し,下着等で猿ぐつわを,,,,しさらにその頭部を棒様の物で突くなどの暴行を加え同所2階において就寝中の上記W当時71歳を起こした上同人に対し日本刀を示しか(),,,「ねかねきんこきんこなどと申し向けて脅迫し紐等でその両手両足,。」「,。」,,,,を緊縛し下着等で猿ぐつわをする暴行を加え上記両名の反抗を抑圧した上同所にあった両名所有に係る現金約115万円及び腕時計等8点(時価合計約141万3000円相当)を強取し, ,。」,,,,を緊縛し下着等で猿ぐつわをする暴行を加え上記両名の反抗を抑圧した上同所にあった両名所有に係る現金約115万円及び腕時計等8点(時価合計約141万3000円相当)を強取し,その際,上記暴行により,上記Xに加療約7日間を要する左側頭部から目尻にかけて内出血を伴う打撲傷の傷害を負わ せた第9【平成17年6月21日付け起訴状公訴事実】甲,乙,丙及び丁と共謀の上,平成11年5月13日午前2時ころ,大阪府豊中市(以下略)所在のY方1階台所の無施錠の窓から同人方に侵入し,そのころ,同所において,1階北東側家政婦室7畳半の間で就寝中の同人方家政婦Z(当時66歳)に対し,その両手両足を紐で緊縛し,さらに,パジャマ上衣をその口に咬ませて猿ぐつわをし,強く締め付けるなどの暴行を加えてその反抗を抑圧した上,上記崔方台所にあった上記崔所有の現金約2万5000円を強取し,その際,上記暴行により,そのころ,上記Y方家政婦室において,同女を咽頭部圧迫により窒息死させたものである。 (法令の適用),,被告人の判示第1ないし第9の各所為中各住居侵入の点はそれぞれ刑法60条130条前段に,第1の所為中のB,C及びDに対する各強盗致傷,第2の所為中のE及びFに対する各強盗致傷,第3の所為中のI及びKに対する各強盗致傷,第4の所為中のL及びMに対する各強盗致傷,第7並びに第8の所為中の各強盗致傷の点はいずれも刑法60条,平成16年法律第156号附則3条1項による同法による改正前の刑法240条前段に,第5及び第6の各所為中の各強盗の点はいずれも刑法60条,236条1項(刑の長期は,いずれも行為時においては平成16年法律第156号による改正前の刑法12条1項に,裁判時においてはいずれもその改正後の刑法12条1項によることになるが,これは犯罪 法60条,236条1項(刑の長期は,いずれも行為時においては平成16年法律第156号による改正前の刑法12条1項に,裁判時においてはいずれもその改正後の刑法12条1項によることになるが,これは犯罪後の法令によって刑の変更があったときに当たるから刑法6条,10条によりいずれも軽い行為時法の刑によるに第9の所為中強盗致死の点は刑法60条240条後段にそれぞれ該当。),,するが,第1の住居侵入とB,C及びDに対する各強盗致傷,第2の住居侵入とE及びFに対する各強盗致傷,第3の住居侵入とI及びKに対する各強盗致傷,第4の住居侵入とL及びMに対する各強盗致傷,第7及び第8の各住居侵入と各強盗致 傷,第5及び第6の各住居侵入と各強盗,第9の住居侵入と強盗致死との間にはいずれもそれぞれ手段結果の関係があるので,同法54条1項後段,10条により,第1から第9までの罪をそれぞれ1罪として,第1については刑及び犯情の最も重いCに対する強盗致傷罪の刑で,第2については刑及び犯情の最も重いFに対する強盗致傷罪の刑で,第3については刑及び犯情の最も重いKに対する強盗致傷罪の刑で,第4については刑及び犯情の最も重いLに対する強盗致傷罪の刑で,第5及び第6についてはいずれも重い強盗罪の刑で,第7及び第8についてはいずれも重い強盗致傷罪の刑で,第9については重い強盗致死罪の刑でそれぞれ処断すること,,,,とし第1ないし第4第7第8の各罪についていずれも所定刑中有期懲役刑を第9の罪について所定刑中無期懲役刑をそれぞれ選択し,以上は刑法45条前段の併合罪であるが,第9の罪について無期懲役刑に処する場合であるから同法46条2項本文により他の刑を科さないこととし,被告人を無期懲役刑に処し,同法21条を適用して未決勾留日数中330日をその刑に算入し,訴訟 あるが,第9の罪について無期懲役刑に処する場合であるから同法46条2項本文により他の刑を科さないこととし,被告人を無期懲役刑に処し,同法21条を適用して未決勾留日数中330日をその刑に算入し,訴訟費用は刑事訴訟法181条1項ただし書を適用して被告人に負担させないこととする。 (量刑の理由)第1事案の概要本件は,平成10年11月から平成11年5月までの間に,大阪府及び兵庫県内において,被告人ら韓国人数名が実行犯の中心となって,職業的に累行した連続押し込み強盗9件であり,第1ないし第4,第7,第8は強盗致傷(被害者11名,第5,第6は強盗,第9は強盗致死という事案である。 )平成10年11月ころ,それまで丙を移動用の自動車の運転手役として侵入窃盗を行っていた甲は,更に多額の利得を得ることを狙って押し込み強盗をすることを考え,被告人及び乙らを実行役として誘い入れた。そして,資産家の邸宅についての情報を日本人等から得るようにし,被告人ら実行犯が韓国から来日して,深夜被害者宅に侵入し,暴行脅迫を加えて金品を奪い,実行犯らは犯行後まもなく帰国するということを繰り返していたものである。 その犯行態様は,資産家で自宅に現金や貴金属などが貯えられているとの情報や下見の結果をもとに,あらかじめ手袋,覆面あるいは刃物や手錠などを準備した上,実行犯役3,4名と案内役ないし運転手役1,2名が自動車で被害者方付近に赴き,実行役が塀を乗り越えるなどして敷地内に侵入し,無施錠の窓や道具を用いて施錠を外した窓などから室内に押し入り,深夜就寝中の家人,,「,。」,「,。」を起こすなどして両手両足を縛り上げかねかねきんこきんこなどと言って,現金や金庫の在処を聞き出し,あるいは,家人を緊縛した上で,,(,室内を物色し多額の現金や貴金属類 「,。」を起こすなどして両手両足を縛り上げかねかねきんこきんこなどと言って,現金や金庫の在処を聞き出し,あるいは,家人を緊縛した上で,,(,室内を物色し多額の現金や貴金属類などを奪うというもので高齢者第4第5,第8,第9)や年少の子ども(第1,第5)までも緊縛し,日本刀などの刃物(第1,第2,第4,第7,第8,金属バット(第2,第3,スタン))ガン(第8)などの凶器を用いて暴行脅迫を行っているもので,計画的かつ巧妙である上,非常に凶悪で危険である。 ,,その結果として9件の押し込み強盗のうち7件で被害者を死傷させており特に第3の被害者Kには金属製の凶器で頭部等をめった打ちにして加療約10か月間を要する頭蓋骨骨折,急性硬膜外血腫等により生命を危機に陥れる重傷を負わせ,遂に,第9の犯行においては,被害者に対する猿ぐつわをきつく締め上げたまま放置したことなどにより被害者を窒息死させており,本件各犯行により,死者1名,負傷者11名という重大な人的被害を生じさせたものである。また,財産的被害も,現金合計4600万円余り,物品被害時価総額3800万円余りと多額に上っており,本件は金品のためなら危険凶暴な行為も何ら辞さない連続緊縛強盗事件として知られ,広く社会の安全を損ない,住民の不安感を高じさせたもので,社会的影響も大きな犯行である。 第2被告人が犯行に加わるに至る経緯及び被告人の関与状況等 被告人は,韓国で出生し,20歳前後のころ同国でスリを犯して検挙されるなどし,その後ビリヤード店を経営するなどしたが,平成8年(1996年)ころにはその経営を止め,平成10年(1998年)ころ,以前にも一緒に盗 みをしたことがあり,ビリヤード店の常連でもあった甲から日本に行って盗みをすることを誘われ,同様に一緒に盗みをした 96年)ころにはその経営を止め,平成10年(1998年)ころ,以前にも一緒に盗 みをしたことがあり,ビリヤード店の常連でもあった甲から日本に行って盗みをすることを誘われ,同様に一緒に盗みをしたことがあった乙と共に実行犯役となり,それが単なる侵入窃盗ではなく凶悪な押し込み強盗であることがわかった上で甲の指図に従い,本件各犯行に加わった。 被告人の役割は,首謀者である甲の指示の下,乙とともに被害者方に押し入る実行犯役であり,家人を脅し,縛り上げるなどを他の2名とともにし,他の2名が室内を物色などする際は,既に縛り上げて抵抗できなくなった被害者の見張り役をもしていた。第9の犯行では,被害者を見張るように甲から命じられ,他の2名が物色中,被害者が声を立てて犯行が発覚することをおそれる余り,猿ぐつわをきつく締め直しており,被告人の行為が被害者が窒息により死亡するに至ったことに直接結びついている。 被告人は報酬目当てで犯行に加わったが,利益の分配は甲が行っており,その詳細はつまびらかでないものの,被告人は航空機代や来日時の生活費等を提供されたほか,多額の金品を強奪した際には,1回につき数万円ないし数十万円程度の分配を受けるなどし,生活費,娘の医療費などに充てた。 被告人は,第9の犯行後,甲に犯行に加わらない旨を伝え,犯行グループから離脱した。その後,韓国内での窃盗等により,禁錮3年に処せられて服役したが,出所後は,内妻の飲食店経営を手伝うなどしていたものの,本件が発覚し,検挙された。 第3当裁判所の判断 被告人は,金銭目当てで,以前に窃盗などの犯行を共に行ったことのある共犯者に誘われるままに,本件各犯行に加わっているもので,自己中心的かつ身勝手な犯行動機に酌量の余地はない。 本件犯行態様は,上記のとおり,計画的,巧妙,かつ凶 盗などの犯行を共に行ったことのある共犯者に誘われるままに,本件各犯行に加わっているもので,自己中心的かつ身勝手な犯行動機に酌量の余地はない。 本件犯行態様は,上記のとおり,計画的,巧妙,かつ凶悪な組織的職業的なものであり,被告人は被害者方に押し入る実行犯役の一人として重要かつ不可欠な役割をしており,その責任は共犯者間においても相当に重く,ことに,強 ,,盗致死の事案においては被告人は被害者の死亡に直結する暴行を加えておりその死亡という重大な結果についての被告人の責任は,とりわけ重い。 上記のように本件犯行により,1名を死亡させ,重傷者を含めて11名に傷害を負わせているもので,特に第9の被害者はかけがえのない生命を突然の凶行により奪われたもので,高齢ながら平穏に家政婦として働き,雇い主一家から家族同然に親しまれ,親族と旅行をすることを楽しみにしていた被害者の無念さ,その恐怖感,肉体的精神的苦痛の大きさは察するにあまりある。また,他の被害者も深夜安全であるべき自宅等で就寝中に突然凶行に遭い,殺害されるかもしれないという大きな恐怖や肉体的精神的苦痛を受け,その衝撃は事件後長期間にわたり被害者らの生活に大きな影響を及ぼしている。また,第9の被害者の突然の死亡に接し,雇い主の一家及び親族は深い悲しみとともに,強い憤慨の念を抱き,厳重な処罰を要請し,また,他の犯行による被害者らもおしなべて,厳重な処罰を要請していることは至極当然である。そして,被害者ないしその遺族らに対し,被害弁償はもとより何らの慰謝の措置も講じられていない。 そして,被告人は,本件の一連の犯行の前後に韓国において窃盗等による服役歴があり,本件の共犯者中,共に実行犯役を果たした者らとの関係は深く,被告人の犯罪傾向は顕著である。 他方で,被告人は一連の犯行を認 被告人は,本件の一連の犯行の前後に韓国において窃盗等による服役歴があり,本件の共犯者中,共に実行犯役を果たした者らとの関係は深く,被告人の犯罪傾向は顕著である。 他方で,被告人は一連の犯行を認めて記憶にある限りの事情を自供し,それを通じて自らの行為の重大さを次第に深刻に受け止めるようになり,被告人なりの言葉と態度で反省の姿勢を示していること,本件の最も重大な事案は強盗致死の事案であるが,殺傷の積極的な意図はなかったこと,被告人は首謀者の指示に従っていたもので実行犯3名の中では相対的に地位が低く,また,暴行脅迫行為においても他の2名の実行犯に比べると積極的ではなかったこと,内妻が来日して被告人の帰りを待つと公判廷で証言していることなど,被告人にとって酌むべき事情も認められる。 しかしながら,上記5記載のような被告人のために斟酌しうる事情をできる限り考慮しても,被告人が金銭欲から凶悪かつ卑劣な犯行を重ね,甚大な人的被害及び高額の金銭的損害を生じさせ,ついには落ち度のない被害者の尊い生命まで奪ったという各事案の内容,被告人の果たした役割,結果の重大性,態様の悪質性,犯罪歴などに照らすと,酌量減軽を相当とするような事情があるとは言えず,被告人に対しては,法定刑の範囲内で無期懲役刑に処し,終生本件各犯行を反省し,特に亡くなった被害者の冥福を祈りつつ,自己の行為についてのしょく罪に尽くすよう求めることが相当であると判断した。 よって,主文のとおり判決する。 (求刑無期懲役)平成18年8月15日大阪地方裁判所第4刑事部並木正男裁判長裁判官本つとむ裁判官栁中陳睦子裁判官 長裁判官 本つとむ 裁判官 栁中陳睦子 裁判官

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