平成18(行コ)178 固定資産評価審査決定取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成10年(行ウ)第114号)

裁判年月日・裁判所
平成19年6月7日 東京高等裁判所 租税
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判決文本文12,051 文字)

- 1 -主文 原判決を取り消す。 被控訴人らの請求を棄却する。 訴訟の総費用(上告審で訴訟費用の負担を命ぜられた部分を除く)は,被。 控訴人らの負担とする。 事実及び理由 第1控訴の趣旨主文同旨。 第2事案の概要 被控訴人らの被相続人である亡A(以下「A」という)は,原判決別紙目。 録記載一及び二の各1の土地(以下,順次「本件土地1「本件土地2」と」,いい,これらを併せて「本件各土地」という)の共有持分100分の86を。 有する納税者であった。東京都知事は,本件各土地の平成9年度の価格を,本件土地1について7億7706万5460円,本件土地2について1億0994万3300円と決定し(以下「本件登録価格決定」という,土地課税台。)帳に登録された(以下,この登録された価格を「登録価格」という。Aは,。)本件登録価格決定による登録価格を不服として,控訴人に対し,審査の申出をしたが,控訴人は,平成10年3月24日付けでこれを棄却する旨の決定(以下「本件決定」という)をした。 。 本件は,Aが,①本件登録価格決定は固定資産評価基準及びこれに関する取扱要領等に適合していない違法がある,②本件各土地の登録価格は賦課期日に,,おける適正な時価を超えている③本件決定に手続的な瑕疵があると主張して本件決定の取消しを求めた事案である。 第1審は,①本件登録価格決定は固定資産評価基準等に適合しており,③本件決定に手続的な瑕疵があるとはいえないが,②本件各土地の適正な時価は,鑑定評価書による4億1297万0730円及び5842万9270円の合計- 2 -4億7140万円であると認定した上で,登録価格が賦課期日における対象土地の適正な時価以下でないときは,その限度で本件登録価格決定は違法となるところ,この違法事由の存在は 270円の合計- 2 -4億7140万円であると認定した上で,登録価格が賦課期日における対象土地の適正な時価以下でないときは,その限度で本件登録価格決定は違法となるところ,この違法事由の存在は本件決定の全部の取消事由となるとして,Aの請求を認容した。そこで,控訴人がこれを不服として控訴した。 Aは,平成▲年▲月▲日に死亡し,差戻し前控訴審において被控訴人らが本件訴訟手続を承継した。 ,()差戻し前控訴審は地方税法平成11年法律第15号による改正前のもの341条5号の適正な時価は,当該固定資産から得ることのできる標準的な収益を基準に資本還元した価格(収益還元価格)によって算定すべきであり,そうすると,賦課期日における本件各土地の適正な時価は3億8929万9728円及び5489万2532円の合計4億4419万2260円となるから,本件決定は上記の価格を超える部分について取り消さなければならないとし,。 ,,て原判決を変更して上記の限度で本件決定を取り消したそこで控訴人がこれを不服として上告及び上告受理の申立てをした。 上告審は,上告を棄却したが,本件を上告審として受理した上で,固定資産税は,その所有という事実に担税力を認めて課する一種の財産税であって,個々の土地の収益性の有無にかかわらず,その所有者に対して課するものであるから,その課税標準とされている土地の価格である適正な時価とは,正常な条件の下に成立する当該土地の取引価格,すなわち,客観的な交換価値をいい,適正な時価を,収益を基準に資本還元して導き出される価格をいうものと解す,,,()べき根拠はなくまた一般に土地の取引価格が上記の価格収益還元価格以下にとどまらなければ正常な条件の下に成立したものとはいえないと認める,,こともできないとして差戻し前 ,,,()べき根拠はなくまた一般に土地の取引価格が上記の価格収益還元価格以下にとどまらなければ正常な条件の下に成立したものとはいえないと認める,,こともできないとして差戻し前控訴審判決のうち控訴人の敗訴部分を破棄し本件決定に係る本件各土地の価格が賦課期日における客観的な交換価値及び評価基準によって決定される価格を上回るものでないかどうかについて審理を尽くさせるため,東京高等裁判所に差し戻した。 - 3 - 前提となる事実,法令の定め等及び本件登録価格決定の根拠は,次のとおり付加訂正するほか,原判決「事実及び理由」の「第二事案の概要」一ないし三(原判決3頁7行目から22頁8行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。 (1)原判決4頁10行目の「法三四一条五号」の前に「平成11年法律第15号による改正前の」を,5頁3行目の「法三八八条一項前段」の前に「平成11年法律第87号による改正前の」をそれぞれ加え,同7行目の「法四〇三条一項,同9行目の「法四一八条,同13行目の「四二二条の二第」」一項,6頁7行目の「法三八八条三項、四〇一条」及び同9行目の「法四」〇二条」のそれぞれ前に「平成11年法律第160号による改正前の」を加える。 (2)6頁12,13行目の「法四一〇条、四一一条一項」を「平成14年法律第17号による改正前の法410条,平成11年法律第15号による改正前の法411条1項」に,9頁1行目の「宅地の利用上の便等」を「街路の,,」状況公共施設等の接近の状況家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等にそれぞれ改め,同6行目末尾に「なお,市町村長は,宅地の状況に応じ,必要があるときは,画地計算法における評価基準別表第3の付表等について所要の補正をして,適用するものとする」を,同7行目の「( 等にそれぞれ改め,同6行目末尾に「なお,市町村長は,宅地の状況に応じ,必要があるときは,画地計算法における評価基準別表第3の付表等について所要の補正をして,適用するものとする」を,同7行目の「(一)1(3) 」。 、の次に「(一)4」をそれぞれ加え,10頁8行目の「法七三四条、四一〇,条」を「法734条1項,平成14年法律第17号による改正前の法410条」に,11頁13行目の「本件決定」を「本件登録価格決定」にそれぞれ改め,19頁10行目の「本件画地は」の次に「間口が7.5メートルで、あるため」を加える。 , 被控訴人らの主張(1)本件登録価格決定には評価基準等に適合していない違法があること本件登録価格決定には評価基準等に適合していない違法があることについ- 4 -ての主張は,原判決22頁12行目から33頁13行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,33頁1,2行目の「注意書きがされており」の次に「間口が狭小な場合には事例イを適用せず,相当に不整、形又は極端に不整形のものを適用するという趣旨である。そして」を加え,る。 (2)本件各土地の登録価格が適正な時価を超えていることア上記(1)の違法事由として主張する事情は,評価基準等に従って決定された価格が適正な時価を上回らないとの推認が認められない特別の事情に当たるというべきである。 イ本件各土地について不動産鑑定士Bが作成した不動産鑑定評価書(以下「B鑑定」という)によれば,平成8年7月1日の時点における本件各。 土地の時価は合計4億7140万円であり,当時の地価下落状況にかんがみれば,賦課期日である平成9年1月1日当時,客観的には,さらに時価が下落していたことは明らかである。 したがって,本件各土地の登録価格は,少なくとも4億7140万円を り,当時の地価下落状況にかんがみれば,賦課期日である平成9年1月1日当時,客観的には,さらに時価が下落していたことは明らかである。 したがって,本件各土地の登録価格は,少なくとも4億7140万円を上回る限度で適正な時価を超えることは明らかというべきであり,上記特別の事情に当たるというべきである。 (3)本件決定に手続的違法があること本件決定に手続的違法があることについての主張は,原判決34頁10行目から37頁1行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,37頁1行目の「法四三三条一項」の前に「平成11年法律第15号による改正前の」を加える。 控訴人の主張(1)本件登録価格決定が評価基準等に適合していること本件登録価格決定が評価基準等に適合していることについての主張は,原判決37頁4行目から47頁12行目までに記載のとおりのであるから,こ- 5 -れを引用する。 (2)本件各土地の登録価格が適正な時価を超えていないこと登録価格が評価基準によって決定される価格を上回らなければ,評価基準に定める市街地宅地評価法の一般的合理性を媒介として,登録価格が賦課期日における適正な時価を上回らないことが推認される。したがって,固定資産の価格の評価が評価基準に従って適正に行われている以上,評価基準自体が違法であるというような特別の事情がない限り,その価格は適正な時価とみることができるというべきである。 その他,本件各土地の登録価格が適正な時価を超えていないことについての主張は,原判決48頁1行目から51頁12行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。 争点 本件における争点は,原判決52頁11行目から54頁12行目までに記載,。 ,「」のとおりであるからこれを引用するただし52頁11行目の本件決定 るから,これを引用する。 争点 本件における争点は,原判決52頁11行目から54頁12行目までに記載,。 ,「」のとおりであるからこれを引用するただし52頁11行目の本件決定を「本件登録価格決定」に改め,54頁8行目の「B鑑定に基づいて」を削、る。 第3当裁判所の判断当裁判所は,被控訴人らの請求は理由がないものと判断する。その理由は,以下のとおりである。 適正な時価の意義とその評価について(1)適正な時価の意義等固定資産税は,固定資産課税台帳に登録された固定資産の価格を課税標準とすることを原則として(法349条1項,349条の2,固定資産の所)有者(質権又は100年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地についてはその質権者又は地上権者とする以下同じに対して法,。 。)(343条1項,資産の所有という事実に担税力を認めて課する一種の財産)- 6 -税であって,資産から生ずる現実の収益に着目して課税される収益税とは異。 ,,なるものである資産が土地である場合にはその土地の資産価値に着目しその所有という事実に担税力を認めて課税するものである。 このような固定資産税の性質からすると,その課税標準又はその算定基礎となる土地の適正な時価(平成11年法律第15号による改正前の法341条5号)とは,正常な条件の下に成立する当該土地の取引価格,すなわち客観的な交換価値(以下「客観的時価」という)をいうものと解される(最。 高裁平成15年6月26日第一小法廷判決・民集57巻6号723頁,最高)。 裁平成18年7月7日第二小法廷判決・裁判集民事220号621頁参照そして,法は,土地課税台帳に登録すべき価格を基準年度に係る賦課期日における価格としているから(法349条1項,上記登録価格を算 。 裁平成18年7月7日第二小法廷判決・裁判集民事220号621頁参照そして,法は,土地課税台帳に登録すべき価格を基準年度に係る賦課期日における価格としているから(法349条1項,上記登録価格を算定すべき)基準日は,賦課期日である当該年度の初日の属する年の1月1日であり,本件においては,平成9年1月1日の時点における客観的時価をもって登録価格とすべきこととなる。 (2)適正な時価の評価法は,土地課税台帳に登録される価格の決定に際しての固定資産の評価については,評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続を自治大臣の告示である評価基準にゆだね(平成11年法律第87号による改正前の法388条1項,市町村長は,評価基準によって,固定資産の価格を決定しなければ)ならないと定めている(平成11年法律第160号による改正前の法403条1項。これは,課税対象となる全国の大量の固定資産について,限りあ)る人的資源の下で,しかも一定の時間的制約の中で(平成14年法律第17号による改正前の法410条によれば,市町村長の価格決定は賦課期日の約2か月後に当たる毎年2月末日までに行うべきものとされている)課税の。 基礎となる価格の評価事務を効率的に行うとともに,反復,継続的に実施される評価について,全国一律の統一的な評価基準による評価によって,各市- 7 -町村全体の評価の均衡を図り,もって,評価に関与する者の個人差による評価の不均衡を解消することとしたものである。 もっとも,法は,適正な時価を算定するための技術的かつ細目的な基準の定めを評価基準にゆだねたのであり,適正な時価は賦課期日における客観的時価をいうものというべきであるから,評価基準に賦課期日における客観的時価を上回る価格を算定することまでゆだねたものではないと解される(前掲最高裁平成15年 あり,適正な時価は賦課期日における客観的時価をいうものというべきであるから,評価基準に賦課期日における客観的時価を上回る価格を算定することまでゆだねたものではないと解される(前掲最高裁平成15年6月26日判決参照。したがって,登録価格が賦課期)日における対象土地の客観的時価を上回るときは,その限度で登録価格の決定は違法ということになる。 (3)評価基準等の一般的合理性評価基準における市街地宅地評価法は,いわゆる路線価方式による評価法であり,大量の宅地の評価を短期間に相互の均衡を考慮しながら評価する方法として使用することができるものと解され,市街地宅地評価法において路。 ,線価方式を採用したことは一般的に合理性があるということができるまた上記評価方法は,各街路について付設する路線価は,売買実例価格を基礎として,街路の状況,公共施設等の接近状況,家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等を総合的に考慮して決める旨定めているが(乙69,このよう)な定めは,鑑定評価理論と矛盾するものではなく,客観的時価への接近方法として合理性を有するものであり,その他画地計算法の付表等についても合理性を欠くというべき事情はうかがわれない。そうすると,評価基準における市街地宅地評価法は適正な時価への接近方法として合理的であるというべきである。さらに,取扱要領(乙1)は,評価基準第1章第3節二(一)4の規定に基づき,画地計算法の付表等につきより詳細な補正率を定めるなど,より具体的に価格の算定方法を規定したものであるが,上記付表その他について宅地の評価法として合理性を欠くというべき事情は見当たらず,取扱要領における市街地宅地評価法も比準表等のその他の規範も含めて,評価基準- 8 -等は,適正な時価への接近方法として合理的であるというべきである。 このよう 性を欠くというべき事情は見当たらず,取扱要領における市街地宅地評価法も比準表等のその他の規範も含めて,評価基準- 8 -等は,適正な時価への接近方法として合理的であるというべきである。 このように,評価基準等における市街地宅地評価法が適正な時価への接近方法として一般的に合理性を有することからすると,同評価法に基づく商業,,,地区等の地区の区分状況が相当に相違する地域の区分主要な街路の選定標準宅地の選定,標準宅地の適正な時価の評定,主要な街路とその他の街路の各路線価の比準,画地計算法の適用等が適正に行われれば,上記評価方法によって算定した宅地の価格は,評価基準等自体が違法であるなど評価基準等によっては適正な時価を算定することができないというべき特別の事情がない限り,その適正な時価を超えるものではないと推認されるものというべきである。 そこで,まず,本件各土地の登録価格が,評価基準等に定める市街地宅地評価法によって適正に評価されたといえるか否かについて検討する。 本件登録価格決定は,評価基準等に適合しているといえるか否か。 本件登録価格決定は,評価基準等に適合しているものと判断する。その理由は,次のとおり付加訂正するほか,原判決「事実及び理由」の「第三当裁判所の判断」二(原判決59頁6行目から94頁8行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。 (1)原判決63頁11行目の乙一三を乙12に65頁3行目の一「」「」,「体として利用を図ることに客観的な合理性がある場合には」を「それぞれの土地を単独で利用するより一体として利用する方が,形状,接道状況等に照らし利用価値が増大するなど客観的な合理性がある場合には,実際の利用状況に従って」に,同8行目の「乙五」を「甲5」に,66頁7行目の「一,〇九万三二 り一体として利用する方が,形状,接道状況等に照らし利用価値が増大するなど客観的な合理性がある場合には,実際の利用状況に従って」に,同8行目の「乙五」を「甲5」に,66頁7行目の「一,〇九万三二三四円」を「109万0234円」にそれぞれ改め,71頁2,「」「()」,3行目の区分するものとしの次に評価基準第3節二(一)2(1)を同11行目の「多い地区をいう」の次に「取扱要領第二節第2」を,7()6頁6行目末尾に「なお,評価基準等の画地計算法においては個別具体的(- 9 -な容積率(使用可能容積率)に関する補正の定めはないが,後記のとおり,この点を考慮しなかったことによって,本件各土地の登録価格が客観的時価を超えるものであるとの事情を認めることはできない」をそれぞれ加え,。)同13行目,78頁3行目,79頁10行目及び80頁9行目の「本件決定は」をいずれも「本件登録価格決定は」に改める。 (2)80頁9行目の「乙六,七の一」を「乙7の1,8」に,82頁7行目の「乙二二」を「乙23」にそれぞれ改め,同11行目の「取扱要領」の次「()」,「、」に第九節第5の3(4)を86頁7行目の低くなるものであるのでの次に「奥行価格補正割合法等によって計算した単位当たり評点数に」をそれぞれ加え,93頁7行目冒頭から94頁8行目末尾までを次のとおり改める。 「(二)評価基準及び取扱要領による上記規定によれば,減価補正すべきがけ地というのは,通常の用途に供することができない,あるいは,宅地,,として使用することができない程度の傾斜地をいうものとされしかも,,がけ地の面積が総地積に占める割合が評価基準においては10%以上取扱要領においては20%以上でない限り補正は要しないものとされており,これに満た ができない程度の傾斜地をいうものとされしかも,,がけ地の面積が総地積に占める割合が評価基準においては10%以上取扱要領においては20%以上でない限り補正は要しないものとされており,これに満たない段差地については補正する旨の規定はない。これ,(),は上記のような条件に該当しない程度の傾斜地段差地の場合には段差のない土地に比較すればその有効利用度は劣ることがあるとしても,建物の形状や配置の工夫等によって宅地として有効利用することができることを考慮して,補正を行わないこととしたものと解され,評価基準等における上記取扱いは不合理とはいえない。そして,本件画地についていうと,控訴人が主張する段差が存在するとしても,なお上記のような工夫によって有効利用を図ることは可能であるということができるほか,建物の建築に当たって上記段差を理由に何らかの制限があることは証拠上うかがわれない。 - 10 -(三)したがって,本件画地についてがけ地補正を行わないことが評価基準等に適合しないものであるということはできない。 以上のとおり,被控訴人らが本件登録価格決定が評価基準等に適合しないとして指摘する点はいずれも採用することができない上,証拠(乙2ないし6,7の1・2,8ないし11)及び弁論の全趣旨並びに控訴人主張の本件登録価格決定における算定過程に照らせば,標準宅地の選定及び標準宅地に係る適正な時価の評価,さらに,画地認定,路線の選定及び各路線の格差認定に係る上記判断を前提とした各路線の路線価の付設及び画地計算法に基づく算定はいずれも評価基準等に従ったものということができる(なお,標準宅地の賦課期日における適正な時価についてみると,標準宅地aの鑑定評価に当たって規準地とした基準地(渋谷5-6)の平成8年1月1日に時点修正した価格は520 従ったものということができる(なお,標準宅地の賦課期日における適正な時価についてみると,標準宅地aの鑑定評価に当たって規準地とした基準地(渋谷5-6)の平成8年1月1日に時点修正した価格は520万円(乙10,同年7月1日の)価格は480万円(乙11,平成9年7月1日は465万円(乙28の)3)であり,平成9年1月1日の価格を推定すると(平成8年と平成9年の各基準地価格の平均値)472万5000円となり,平成8年1月1日と比較すると下落率は約9.1%であること,賦課期日における標準宅地aの価格の評定に当たり,価格調査基準日である平成8年1月1日の価格の約7割程度として修正を行い(乙69,さらに,同年7月1日までの)時点修正(修正率0.92)を行っていること(乙9ないし11)からすると,本件評価における標準宅地aの価格が賦課期日である平成9年1月1日における適正な時価を上回るものでないことは明らかというべきである。 。)そうすると,本件登録価格決定は,評価基準等に適合したものというべきである」。 本件各土地の登録価格が適正な時価を超えていると認められるか否か。 (1)評価基準等における市街地宅地評価法が適正な時価への接近方法として- 11 -一般的に合理性を有するものである以上,評価基準等による評価が適正に行われれば,上記評価方法によって算定した宅地の価格は,評価基準等自体が違法であるなど評価基準等によっては適正な時価を算定することができない特別の事情がない限り,その適正な時価を超えるものではないと推認されるものというべきであることは前記1において説示したとおりであり,上記の,,とおり本件画地の評価は評価基準等に適合するものというべきであるから上記特別の事情がない限り,適正な時価を超えないものと推認することがで あることは前記1において説示したとおりであり,上記の,,とおり本件画地の評価は評価基準等に適合するものというべきであるから上記特別の事情がない限り,適正な時価を超えないものと推認することができる。 (2)被控訴人らは,本件登録価格決定が評価基準等に適合していない違法事由として主張した事情は,評価基準等に従って決定された価格が適正な時価を上回らないとの推認が認められない特別の事情に当たる旨主張し,その趣旨は,上記違法事由として主張した事情は,上記の適合性についての違法事由としては認められないとしても,上記推認を覆す特別の事情に当たるとする主張であるものと解される。 しかしながら,被控訴人らが違法事由として主張する点がいずれも採用することができないことは既に認定説示したとおりであり,本件各土地の形状及び利用状況,各路線及び周囲の状況等先に認定説示した事情の下では,被控訴人らが主張する上記事情は,評価基準等における市街地宅地評価法の一般的合理性が妥当し得ないというべき事情とはいえず,上記特別の事情に当たるということは困難というべきである。 なお,評価基準等の画地計算法においては,個別具体的な容積率(使用可能容積率)及び段差地であることを補正要素として定めていないが,もとより,段差地については,先に説示したとおり,評価基準等に定めるがけ地補正に該当しない程度の段差地の場合は建物の形状や配置等の工夫により有効利用を図ることができることなどを考慮して減額要素としなかったものと考えられ,それ自体不合理とはいえないものであり,また,評価基準等は,既- 12 -に説示したとおり,大量の土地について可及的に適正な評価をするための技術的手法であり,典型的な価格形成要素についての評価を行って客観的時価に接近する方法であって,価格の評価上考慮の対象と 12 -に説示したとおり,大量の土地について可及的に適正な評価をするための技術的手法であり,典型的な価格形成要素についての評価を行って客観的時価に接近する方法であって,価格の評価上考慮の対象となる要素の範囲に多少,,の制約があることは制度の趣旨にかんがみやむを得ないところであるから個別的算定要素として挙げられる事情が評価基準等に網羅されていないとし,,ても評価基準等に従って算定された評価額が客観的時価を上回らない限り,,違法ということはできないものであるところ被控訴人らの主張によっても個別具体的な容積率(使用可能容積率)を考慮しなかったことによって本件各土地の登録価格が客観的時価を超えるものとなったとの事情を認めることはできない。 (3)次に,被控訴人らは,B鑑定(甲5)による評価額は平成9年1月1日における適正な時価であり,本件各土地の登録価格は適正な時価を上回るから,上記特別の事情に当たる旨主張する。 課税対象となる大量の固定資産の評価について,全国一律に評価の不均衡を解消することを目的として定められた評価基準等における市街地宅地評価法に一般的合理性が認められ,評価基準等自体が違法であるなど評価基準等によっては適正な時価を算定することができない特別の事情がない限りは,評価基準等に従って算定された価格は適正な時価と推認されるべきものであることは先に説示したとおりであって,対象土地に係る個別鑑定による評価,,額が本件各土地の登録価格を下回るとしても鑑定評価という事柄の性質上評価する者の個人差による評価の不均衡は不可避であり,上記評価基準等の制度趣旨にかんがみると,このような個別鑑定による評価額を根拠として上記特別の事情に当たるということはできないものというべきである。 ところで,B鑑定(甲5)の鑑定手法等は,原判 り,上記評価基準等の制度趣旨にかんがみると,このような個別鑑定による評価額を根拠として上記特別の事情に当たるということはできないものというべきである。 ところで,B鑑定(甲5)の鑑定手法等は,原判決94頁13行目から101頁2行目までに記載のとおりであるから,これを引用するものであると,,()()ころその概略は本件土地1有効宅地部分と本件土地2路地状画地- 13 -とを分けて,本件土地1は幅員3メールの北西側道路(二方路線Ⅱ)に接する土地として,本件土地2を通じて国道α号に接続することによる容積率の向上等の格差要因を考慮し,本件土地2は本件土地1への通路として使用されるだけであることなどの格差要因を考慮して,取引事例比較法により鑑定評価したものであり,これ自体は鑑定評価の手法の一つとして直ちに不合理であるとまではいえないが,その述べるところは,要するに一画地認定の是非や正面路線の選択など,本件画地の評価の評価基準等への適合性に関する被控訴人らの主張と同趣旨であって,この点については,被控訴人らの上記主張に関して既に説示したところが妥当し,これによっても,B鑑定をもって上記特別の事情に当たるということはできない。 したがって,被控訴人らの上記主張は採用することができない。 本件決定に至る手続的な瑕疵により,本件決定が違法となるか否か。 本件決定に至る手続には控訴人主張の瑕疵があったと認めることはできないものと判断する。その理由は次のとおり付加訂正するほか,原判決「事実及び理由」の「第三当裁判所の判断」四(原判決113頁9行目から117頁2行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。 原判決114頁10行目の「路線価等算出表などの資料を」を「路線価等算出表,副路線の状況類似地区区分図,副路線の鑑定評価書,画 9行目から117頁2行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。 原判決114頁10行目の「路線価等算出表などの資料を」を「路線価等算出表,副路線の状況類似地区区分図,副路線の鑑定評価書,画地計算の資料として画地測定一覧と題する表,時点修正の資料として標準宅地別修正率一覧表など提出を求められた資料の多くを」に改め,同13行目末尾に「なお,本件,,決定は上記の実地調査及び関係資料に加えて後記口頭審理の結果を踏まえて地価公示価格の7割と評価する根拠,本件各土地の評価(1画地認定,正面路線の選定等)等について判断を示して本件登録価格決定は評価基準等に則して適正にされたものと判断したものである」を加える。 。 結論 以上によれば,本件各土地の登録価格は賦課期日における適正な時価を上回- 14 -るものではなく,本件決定について手続的瑕疵も認められないから,本件決定,,。 は適法であって被控訴人らの請求は理由がないから棄却すべきものであるよって,本件控訴は理由があるから,原判決を取り消し,被控訴人らの請求を棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第7民事部裁判長裁判官大谷禎男裁判官八木一洋裁判官相澤眞木は,転補のため署名押印することができない。 裁判長裁判官大谷禎男

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