令和5(わ)31 脅迫被告事件

裁判年月日・裁判所
令和5年5月31日 徳島地方裁判所
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判決文本文1,771 文字)

- 1 - 主文 被告人を懲役10月に処する。 この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。 被告人をその猶予の期間中保護観察に付する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、徳島県小松島市a 町b 番地のcA団体徳島県地方本部の構成員を脅迫しようと考え、令和4年9月11日頃から同月14日までの間に、同本部建物1階に設置された同建物2階に居住するB方の郵便受けに、「先日ハ空砲ニヨル威嚇射撃で事亡キヲ得タガ、反日政策ヲ続ケル様デアレバ、次ハ実弾ニ寄ル消化ニヨッテ浄化スル。 -民族赤報隊-」と記載した文書在中の「A団体徳島県本御中」などと記載した封筒1通を投函し、これを受領した情を知らない前記Bを介して、同建物1階に設置された同本部郵便受けに同封筒を投函させ、同月16日、同本部事務所において、同本部団長C及び同本部事務員Dに前記文書を閲読させ、もって同人らの生命、身体及び財産等に危害を加える旨告知して脅迫したものである。 (量刑の理由)被告人は、大韓民国(以下「韓国」という。)が日本を敵対視して不利益な政策をとっている、A団体も韓国の反日政策に加担しているなどと考え、韓国、韓国人及びA団体に対し、一方的な嫌悪感を持つようになり、嫌悪感を増大させた。そして、被告人は、A団体に属している在日韓国人らを畏怖させようと考え、A団体徳島県地方本 部の建物に向かって火薬銃を発砲したが、特に反応がなかったため、脅迫文を送り付けて、在日韓国人らを畏怖させようとして、過去に銃殺事件の犯人が使用した赤報隊の名称を想起させる架空の団体名を騙って、先日の空砲による威嚇ではなく、今度は実弾で浄化する旨の文言を赤字で記載した文書を封筒に入れて、A団体徳島県地方本部の建物の郵便受けに投函 人が使用した赤報隊の名称を想起させる架空の団体名を騙って、先日の空砲による威嚇ではなく、今度は実弾で浄化する旨の文言を赤字で記載した文書を封筒に入れて、A団体徳島県地方本部の建物の郵便受けに投函した。 被告人が使用した脅迫文言は、A団体の在日韓国人を銃撃で殺害すると容易に理解- 2 - させる苛烈なものである。さらに、反日政策や浄化などといった被告人の韓国人に対する差別意識を強くうかがわせる言葉が使われており、被害者らに自分たちの出自や所属のみによって標的にされたことを理解させ、この点においても被害者らに強い恐れと不安を与えている。そうすると、本件脅迫は、被害者らを強度に畏怖させるものであり、実際に被害者らは理不尽な恐怖に苛まれている。 また、被告人の韓国等に対する考え方は、韓国、韓国人及びA団体に対する偏見にまみれたものであるだけでなく、自らと異なる思想信条を持つ者に恐怖を与えて排除しようとする極めて独善的かつ身勝手なものであり、そのような動機による犯行は到底許されるものではなく、甚だ悪質である。そして、被害者らを火薬銃で畏怖させようとして失敗し、執拗に畏怖させようと本件犯行に及んでいることからすれば、犯意 も極めて強固で、その意思決定は厳しい非難に値する。 これらの犯情等によると、被告人の刑事責任は相当重いと言わざるを得ない。なお、被告人には前科が1件あるが、10年以上前のものであり、これを特に重視することはできない。 一方で、被告人は、本件について認め、被害者らに対して謝罪及び示談金の支払い を申し出るなど一定の反省の態度を示していること、被告人の父が被告人を監督することを誓約していることなど被告人に有利な情状も認められるが、いずれも一般情状にとどまるものである。 そうすると、被告 を申し出るなど一定の反省の態度を示していること、被告人の父が被告人を監督することを誓約していることなど被告人に有利な情状も認められるが、いずれも一般情状にとどまるものである。 そうすると、被告人の刑事責任の重さを知らしめ、同種の犯行を抑止するという一般予防の観点からも、懲役刑を選択し、さらに被告人に有利な情状も踏まえて、今回 に限り刑の執行を猶予し、その猶予期間中保護観察に付するのが相当であるから、主文のとおり判決する。 (求刑・懲役10月)令和5年5月31日徳島地方裁判所 - 3 - 裁判官細包寛敏

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