昭和29(オ)317 農地売渡通知書取消処分の取消請求

裁判年月日・裁判所
昭和31年6月1日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を東京高等裁判所に差戻す。          理    由  上告人等の上告理由第一点について。  原判決理由が引用する第一審判決は、本件売渡

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判決文本文1,373 文字)

主    文      原判決を破棄する。      本件を東京高等裁判所に差戻す。          理    由  上告人等の上告理由第一点について。  原判決理由が引用する第一審判決は、本件売渡通知書の記載によれば上告人等四 名に対する売渡区域が特定されていない故をもつて、本件売渡処分を当然無効と解 し、被上告人が右売渡の無効を宣言する趣旨でこれを取り消したのは違法でない旨 を判示し、論旨はこの判示を非難するのである。  自作農創設特別措置法二〇条によれば、農地の売渡は、農地の売渡通知書の交付 によつて行うのであるから、売渡通知書で売渡区域を特定しなければならないこと は原判示のとおりである。昭和二六年三月八日の当裁判所第一小法廷の判決(判例 集五巻四号民一五一頁)が買収農地の区域を特定していない買収令書の違法を判示 しているのも同じ趣旨である。  しかしながら、これを本件の場合について見るに、右先例の場合のように一筆の 土地の一部分を買収した場合ではなく、上告人等に売り渡されたのは、Dもとa番 のbの農地全部であつて、従つて売渡区域が明確でないというのではなく、たゞ上 告人等各人が売渡を受けた区域について、将来の分筆を予定して新地番を附しその 面積を表示しているけれども未だ分筆登記が行われていなかつたため、各人の売渡 を受けた区域が明確でなかつたというに過ぎないのである。そしてこのような売渡 通知は違法というべきではあるが、それだからといつてこの違法が直ちに本件売渡 処分の全体を無効に帰せしめるものと即断することはできない。本件においては、 上告人等の主張によれば、その後本件取消処分前既に、売渡通知書の趣旨に従つて 本件農地は分筆登記され、現在においては通知書のとおりその区域は特定されてい - 1 - るというのであるから、そうだとすると、前記通知書の違法の瑕疵は完 後本件取消処分前既に、売渡通知書の趣旨に従つて 本件農地は分筆登記され、現在においては通知書のとおりその区域は特定されてい - 1 - るというのであるから、そうだとすると、前記通知書の違法の瑕疵は完全に治癒さ れているものというべきである。殊に本件売渡処分後三年近く経過し、しかも通知 書どおり特定された後、被上告人自身の過誤による売渡通知書の前示瑕疵をもつて 直ちにこれを無効と解し、被上告人自ら売渡処分を取り消すことはゆるされないも のといわなければならない。  以上説明のとおりであるから、原判決が、本件売渡処分を無効と解しその取消処 分を是認したのは自作農創設特別措置法二〇条の解釈を誤つた違法があるものとい うべく、論旨は理由があつて原判決はこの点において破棄を免れない。よつて爾余 の論旨に対する判断を省略し、民訴四〇七条一項により主文のとおり判決する。      最高裁判所第二小法廷          裁判長裁判官    栗   山       茂             裁判官    小   谷   勝   重             裁判官    藤   田   八   郎             裁判官    谷   村   唯 一 郎             裁判官    池   田       克 - 2 -

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