【DRY-RUN】主 文 原判決中有罪の部分を破棄し、事件を福岡高等裁判所に差戻す。 理 由 弁護人重富義男の上告趣意第一点及び第五点について。 原判決は賍物収受の事実摘示中
主文 原判決中有罪の部分を破棄し、事件を福岡高等裁判所に差戻す。 理由 弁護人重富義男の上告趣意第一点及び第五点について。 原判決は賍物収受の事実摘示中いわゆる知情の点について「被告人は……もと海軍大尉砲術長A並びにもと海軍将兵数名の者から同人らが終戦物資につき処分の権限なくして勝手に領得する賍物であることの情を察知しながら」と判示している。 しかし、原判決の挙示する証拠を見ると、被告人が犯行当時その賍物たるの情を知つていた点については、これを認むべき証拠の存しないこと所論指摘のとおりである。もつとも、原審公廷における被告人の、終戦当時のどさくさでもらつたのであるが、今から考えれば部隊の主計長といえども多量の品物を勝手に民間に払下げることはできなかつたと思われる旨の供述や第一審第三回公判調書中被告人の供述として、私が判示物品をもらい受けた当時は終戦直後で混乱していたので深い考もなかつたのであるが、今考えると、A等は勝手に軍の物資を被告人にやつたわけである旨の記載が証拠として挙示されているが、このような証拠だけでは犯行当時における賍物知情の点を認定し得ないこと勿論である。されば原判決には所論のような違法があるものといわなければならないから、この点において原判決中有罪の部分は破棄を免れ得ない。 論旨は理由がある。 よつて爾余の上告趣意に対する説明を省略し、旧刑訴四四七条、四四八条の二、一項に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 検察官松本武裕関与昭和二六年四月一三日最高裁判所第二小法廷- 1 -裁判長裁判官霜山精一裁判官栗山茂裁判官 最高裁判所第二小法廷- 1 -裁判長裁判官霜山精一裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎- 2 -
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