令和6(わ)598 有印私文書偽造・同行使、電磁的公正証書原本不実記録・同供用被告事件

裁判年月日・裁判所
令和6年9月19日 千葉地方裁判所
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判決文本文1,300 文字)

令和6年(わ)第598号有印私文書偽造・同行使、電磁的公正証書原本不実記録・同供用被告事件令和6年9月19日千葉地方裁判所刑事第5部判決 主文 被告人を懲役1年6月に処する。 未決勾留日数中90日をその刑に算入する。 千葉地方検察庁で保管中の婚姻届1通(令和6年千葉検領第1665号符号2)の偽造部分を没収する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、Aが自己と婚姻する意思がないことを知りながら、Aとの婚姻を偽装しようと考え、令和5年9月下旬頃から同年10月10日までの間に、日本国内において、行使の目的で、同人に無断で婚姻届の「届出人署名」欄の「夫」欄に「A」と記入するなどし、もって同人と被告人が婚姻する旨の婚姻届1通(主文掲記のもの)を偽造し、同日、千葉県富里市七栄652番地1富里市役所において、同市役所市民課職員に対し、前記偽造に係る婚姻届が真正に成立したもののように装ってこれを提出して行使し、同月16日、同市役所において、情を知らない同課職員に、権利義務に関する公正証書の原本として用いられるAの戸籍の原本である電磁的記録にその旨不実の記録をさせ、これを同所に備え付けさせて公正証書の原本としての用に供したものである。 (量刑の理由)被告人は、知人男性との婚姻届を偽造して市役所の職員に提出して行使し、戸籍の原本である電磁的記録に不実の記録をさせた上、これを同市役所に備え付けさせたものであって、本件は私文書のみならず、身分関係に関わる公文書の信用をも害 する犯行である。本件犯行により、知人男性が戸籍の記載を是正するため、婚姻無効確認請求訴訟を提起せざるを得なくなったことも看過することはできない。被告人は、知人男性が開設する動画配信サ 害 する犯行である。本件犯行により、知人男性が戸籍の記載を是正するため、婚姻無効確認請求訴訟を提起せざるを得なくなったことも看過することはできない。被告人は、知人男性が開設する動画配信サイトの動画を見て同人に好意を抱くようになり、メッセージを送信して連絡を取り一度金銭を支払って肉体関係を持ったことがあったが、その後はメッセージを送信したり同人方を訪問したりしても同人に受け入れられなかったことから、自らの感情を満たそうとして本件犯行に及んだものであり、その経緯及び動機に酌量の余地はない(なお、知人男性の婚姻意思の認識に関する被告人の供述には変遷があるが、被告人と知人男性との関係や本件犯行に至るまでの経緯などに照らして、知人男性が被告人との婚姻を望んでいなかったことは明らかであり、被告人もそれを認識していたものと認められる。)。被告人は、累犯前科などにより相応期間服役した経験を有するところ、いずれの犯行も好意を持った男性への未練を断ち切れなかったことがその動機となっている。被告人が服役後も自己の姿勢を改めずに、同様の理由から本件犯行に及んでいることも非難されるべきである。そうすると、本件は相応期間の実刑に処すほかない事案である。 被告人が反省の弁を述べていることなども踏まえて、主文のとおり量定した。 (裁判官鎌倉正和)

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