平成31(行ウ)8 産業廃棄物処理施設変更許可処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和7年6月27日 千葉地方裁判所
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判決文本文101,250 文字)

平成31年(行ウ)第8号産業廃棄物処理施設変更許可処分取消請求事件令和7年6月27日千葉地方裁判所民事第3部判決口頭弁論終結日令和7年1月24日 主文 1 本件訴えのうち、別紙原告及び居住状況等一覧表の原告番号1、5、6、8、9、11~13、15、28、29、41、43、44、48~50、52、55、59、61、62、69、70、72、73、76、83~85、87、88、93、95、96、98、100、105、106、108、113~115、119、122、134、13 9、143~146及び151の各原告らの訴えをいずれも却下する。 2 その余の原告らの請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求 処分行政庁が平成30年8月6日付けで新井総合施設株式会社に対し許可番号30-ハ-変-1をもってした産業廃棄物処理施設の変更に係る許可を取り消す。 第2 事案の概要等 1 事案の要旨 新井総合施設株式会社(以下「新井総合」という。)は、平成13年3月に産業廃棄物処理施設設置許可を取得して、平成16年4月以降、千葉県君津市において、「君津環境整備センター」との名称の管理型最終処分場(以下、施設全体を総称して「本件処分場」という。)を運営している。新井総合は、平成22年3月、埋立地を増設する内容の産業廃棄物処理施設変更許可を取得した(以 下、この変更前の当初の埋立地を「第Ⅰ期埋立地」といい、この変更により増 設された埋立地を「第Ⅱ期埋立地」という。)。 ところで、平成24年1月頃、本件処分場の第Ⅰ期埋立地の地下水の観測井戸(以下「モニタリング井戸」という。)から高濃度の塩化 この変更により増 設された埋立地を「第Ⅱ期埋立地」という。)。 ところで、平成24年1月頃、本件処分場の第Ⅰ期埋立地の地下水の観測井戸(以下「モニタリング井戸」という。)から高濃度の塩化物イオンが検出されるという出来事があり(以下、この出来事を「第Ⅰ期漏えい事故」という。)、被告は、新井総合に対し、「産業廃棄物最終処分場の適正管理について」と題し て、原因究明や必要な対策の実施、それまでの間の廃棄物の搬入の停止を勧告した。第Ⅰ期漏えい事故は、第Ⅰ埋立地の内部に高い水位で貯留した廃棄物の保有水及び雨水等(以下「保有水」という。)が埋立地外に漏えいしたものであったが、その後も保有水の水位に有意な低下はなく、第Ⅰ期埋立地への廃棄物の搬入は現在も停止されたままである。 そのような中、新井総合は、平成25年1月、第Ⅱ期埋立地の運用を開始し、次いで、平成28年12月7日、処分行政庁に対し、埋立地を更に増設する内容の産業廃棄物処理施設変更許可申請(以下「本件変更許可申請」といい、この申請に係る埋立地を「第Ⅲ期埋立地」という。)をした。最終的な本件変更許可申請の内容は、本件処分場の処理能力を、それまでの埋立面積8万7840 ㎡、埋立容量200万2260㎥から、埋立面積17万1240㎡、埋立容量420万9640㎥に増加させるものであった。そして、処分行政庁は、平成30年8月6日、新井総合に対し、本件変更許可申請を許可する旨の処分(以下「本件変更許可処分」という。)をした。 本件は、本件処分場の周辺に居住する原告らが、本件変更許可処分は一般廃 棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令等で定める許可の基準に適合していないにもかかわらずされた違法なものであると主張して、処分行政庁が属する被 分は一般廃 棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令等で定める許可の基準に適合していないにもかかわらずされた違法なものであると主張して、処分行政庁が属する被告に対し、本件変更許可処分の取消しを求める事案である。 2 関係法令等の定め 別紙産業廃棄物の最終処分場許可基準一覧表(乙C11)及び別紙一般廃棄 物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分に係る技術上の基準を定める省令/運用に伴う留意事項(乙C12)記載のとおりである(以下、廃棄物の処理及び清掃に関する法律を「廃棄物処理法」、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則を「施行規則」、一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令を「基準省令」、一般廃棄物の最終処分場 及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令の運用に伴う留意事項について(平成10年7月16日公布、環水企301・衛環63。乙C3、C12)を「留意事項通知」、産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理施設の許可事務等の取扱いについて(通知)(平成30年3月30日環循規発第18033029号。乙C9)を「許可事 務通知」とそれぞれいう。)。 3 前提事実(当事者間に争いがない事実並びに後掲証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認定することができる事実。証拠について、特に必要のない場合は枝番の記載を省略し、また、重複あるいは類似する証拠がある場合は、そのうちの認定に供した主要な証拠を摘示する。なお、争いのない事実については、 証拠原因を記載しない。)(1) 当事者等ア原告らは、いずれも千葉県内である別紙原告及び居住状況等一覧表の「住所」欄記載の住所地に居住する者である。 お、争いのない事実については、 証拠原因を記載しない。)(1) 当事者等ア原告らは、いずれも千葉県内である別紙原告及び居住状況等一覧表の「住所」欄記載の住所地に居住する者である。 イ新井総合は、産業廃棄物最終処分場施設の建設及び運営等を目的とする 株式会社である。 新井総合は、平成13年3月に産業廃棄物処理施設設置許可を取得し、平成16年3月に管理型最終処分場である本件処分場(第Ⅰ期埋立地)を建設するとともに産業廃棄物処分業許可を得て、同年4月以降、「君津環境整備センター」の名称で、千葉県君津市怒田にある本件処分場を運営し ている(甲A1の1・4頁)。 (2) 本件処分場ア本件処分場は、管理型最終処分場(遮断型処分場及び安定型処分場で処分される産業廃棄物以外の産業廃棄物及び一般廃棄物を埋め立てる処分場)であり、千葉県君津市怒田に所在する。 本件処分場の北西に原告らの多くが居住する久留里地区(千葉県君津 市大字久留里及びその近辺をいうものとして用いる。)がある。本件処分場内には、本件処分場の排水が放流される御腹川の源流がある。御腹川は本件処分場から北に向かって流れており、本件処分場の北西約10㎞付近の地点で小櫃川に合流する。 イ本件処分場には、第Ⅰ期埋立地、第Ⅱ期埋立地及び第Ⅲ期埋立地があり、 いずれも、燃え殻、汚泥、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ばいじん等を埋立ての方法で処理するものとされている(甲A1の2・3頁、甲A2、甲A83)。 ウ本件処分場の各埋立地の構造は基本的に同様であり、いずれも、地山の 法面(斜面)を利用しつつ、土堰堤(土砂 の方法で処理するものとされている(甲A1の2・3頁、甲A2、甲A83)。 ウ本件処分場の各埋立地の構造は基本的に同様であり、いずれも、地山の 法面(斜面)を利用しつつ、土堰堤(土砂を転圧した盛土であり、廃棄物の流出を防ぐ堤防の役割を果たす。)を環状に設けてその内側に廃棄物を埋め立て、土堰堤の高さまで廃棄物が埋め立てられると、全体に中間覆土をしてその上に新たな土堰堤を設けてその内側に廃棄物を埋め立てるというものである。これを段階的に繰り返して所定の高さに至ると、天端に 覆土をして埋立ては終了となり、土堰堤の外側が一つの大きな法面を形成する。 土堰堤の設置状況等の簡略な模式図は、別紙図面1のとおりである。 (以上につき甲A1の2・12、13頁、第20回口頭弁論調書63頁)。 エ本件処分場の各埋立地には、基準省令所定の各設備が設けられている。 本件処分場の埋立地の底面や地山の法面には、埋立地外への保有水の 浸出を防止するための遮水工があり(土堰堤への遮水工の要否は、当事者間に争いがある。)、遮水工の外側には、地下水を集めて排出するための集排水設備(地下水集排水設備)があり、遮水工の内側には、保有水を集めて排出するための集排水設備(保有水等集排水設備。保有水等集排水管の本管と支管が葉脈状に配置される。)がある。保有水等集排水管の先には、 集められた保有水の水量及び水質を調整することができる調整池があり、その先に保有水を排水基準に適合させて放流するための浸出液処理設備がある。 これらの全体の簡略な模式図は別紙図面2のとおりであり、集配水路の概略は別紙図面3のとおりである。(以上につき、甲A1の2・16~ 42頁)オ本件処分場の各埋立地では、埋立地内に張り巡らされた保有水等集排水管のう 別紙図面2のとおりであり、集配水路の概略は別紙図面3のとおりである。(以上につき、甲A1の2・16~ 42頁)オ本件処分場の各埋立地では、埋立地内に張り巡らされた保有水等集排水管のうちの埋立地底面の法面に沿った集排水管及び垂直に伸びる竪型集排水管又はガス抜き管が大気に開放されており、準好気性埋立構造となっている(甲A1の2・11頁、39頁、40頁)。 (3) 第Ⅰ期漏えい事故ア平成24年1月、第Ⅰ埋立地のモニタリング井戸から高濃度の塩化物イオンが検出された(第Ⅰ期漏えい事故)。 被告は、平成24年1月31日、新井総合に対し、「産業廃棄物最終処分場の適正管理について(勧告)」と題して、モニタリング井戸において塩化 物イオンの濃度が上昇した原因を究明するとともに、その改善計画を同年3月末日までに報告し、その計画に基づき必要な対策を実施することや、その対策が実施されたことを県が確認するまでの間、埋立地への廃棄物の搬入を停止することを勧告した(甲A46、A70)。 イ新井総合は、平成24年3月26日、要旨、埋立地内に保有水が高い水 位で貯留したことにより、①土堰堤の法尻(土堰堤で構成される外側法面 の下端部分をいう。)及び②埋立地底面の法面に沿った集排水管兼ガス抜き管(以下、単にガス抜き管という場合はこれを指す。)の法尻付近の管頭から保有水が浸出し、これが埋立地外に漏えいしたと考えられる旨の改善計画書を被告に提出した(甲A46)。 次いで、新井総合は、平成25年11月22日、①法尻については、既 設の遮水シートに新たな遮水シートを溶着して土堰堤側に折り返し、折り返した内側内部に透水管を設け、これを浸出液処理設備に接続する対策を、②ガス抜き管については、ガス抜き管の管頂部付近を排水管 設の遮水シートに新たな遮水シートを溶着して土堰堤側に折り返し、折り返した内側内部に透水管を設け、これを浸出液処理設備に接続する対策を、②ガス抜き管については、ガス抜き管の管頂部付近を排水管で連結して、同じく浸出液処理設備に接続するとともに、ガス抜き管の管頂部に蓋をし、又は管を継ぎ足す対策(以下、これらの対策を併せて「法尻対策工事」と いう。)をそれぞれ講じるなどした結果、保有水の埋立地外への漏えいを防止することができたが、原因である保有水の水位に大きな低下はみられないことから、引き続き保有水の低下のための対策を講じる旨の改善報告書(以下「平成25年改善報告書」という。)を提出した(乙A60・「1. 勧告についての回答書」の各頁下部に記載された頁番号1~17。以下、 乙A60号証の具体的な箇所を摘示する際は、同書証の冒頭1枚目に記載された1~4の各書類の番号とそれらの書類の各頁の下部に記載された頁数をもって、「乙A60・1の1~17頁」のように特定する。)。 ウその後、保有水の水位に有意な低下はなく、平成28年12月までに第Ⅰ期埋立地の全体に遮水シートが敷設された(乙A62・12、13頁)。 第Ⅰ期埋立地への廃棄物の搬入は現在も停止されたままである。 なお、新井総合は、令和5年12月11日付け「Ⅰ期埋立地改善工事計画書」を被告に提出し、自主的な改善対策として、第Ⅰ期埋立地の一部の廃棄物及び中間覆土を掘削しながら、埋立地内部の保有水の水位の低下及び滞水エリアの解消方法を模索する旨の意向を表明した(乙A61)。 (4) 本件変更許可申請に至る経緯 ア新井総合は、第Ⅰ期漏えい事故に先立つ平成22年3月、第Ⅱ期埋立地を増設する内容の産業廃棄物処理施設変更許可を取得しており、平成25年1月 (4) 本件変更許可申請に至る経緯 ア新井総合は、第Ⅰ期漏えい事故に先立つ平成22年3月、第Ⅱ期埋立地を増設する内容の産業廃棄物処理施設変更許可を取得しており、平成25年1月からその運用を開始したが(甲A1の1・4頁)、併せて、その頃、第Ⅲ期埋立地の増設を計画した。 君津市、木更津市及び富津市の各市議会は、平成25年6月以降、埋立 地の増設計画に反対する意見書を採択するなどしたが、新井総合は、平成26年4月には環境影響評価手続を開始し、平成28年12月にこれを終了した。 イ新井総合は、平成28年12月7日、処分行政庁に対し、廃棄物処理法15条3項所定の生活環境影響調査書(以下「本件環境影響調査書」とい い、これに係る調査を「本件環境影響調査」という。甲A1の12)を添付して、第Ⅲ期埋立地を増設する内容の産業廃棄物処理施設変更許可申請(本件変更許可申請)をした。 その内容は、要旨、本件処分場の処理能力を、それまでの埋立面積8万7840㎡、埋立容量200万2260㎥から、埋立面積17万3100 ㎡、埋立容量423万3250㎥に増加させるというものであり(その後、変更の申出がされて、埋立面積を17万1240㎡、埋立容量を420万9640㎥に増加させるものと修正された。)、埋立期間を、本件処分場全体で40年間、第Ⅲ期埋立地で26年間とするものであった。 なお、第Ⅲ期埋立地には2区画(以下「第Ⅲ-1期埋立地」のようにい う。)があり、並行して整備しつつ、先に整備を終える第Ⅲ-1埋立地から運用を開始するものとされていた。 (以上につき甲A1の1、A1の2・3、7頁、A1の12、乙A1)(5) 本件変更許可処分等処分行政庁は、平成30年8月6日、新井総合に対し、本件変更許可申請 を開始するものとされていた。 (以上につき甲A1の1、A1の2・3、7頁、A1の12、乙A1)(5) 本件変更許可処分等処分行政庁は、平成30年8月6日、新井総合に対し、本件変更許可申請 について変更を許可する旨の処分(本件変更許可処分)をした(甲A2)。 その後、令和2年2月4日からは第Ⅲ-1期埋立地が、令和4年12月21日からは第Ⅲ-2期埋立地の運用が、それぞれ開始されている(乙B1の2・7頁)。 (6) 訴えの提起原告らは、平成31年1月31日、本件訴えを提起した(当裁判所に顕著 な事実)。 第3 争点 1 原告適格(争点1) 2 本件変更許可処分の違法性(1) 遮水工の基準適合性(基準省令1条1項5号イ)(争点2) (2) 土堰堤の遮水工の基準適合性(基準省令1条1項5号イ)(争点3)(3) 保有水等集排水設備の基準適合性(基準省令1条1項5号ニ)(争点4)(4) 調整池の基準適合性(基準省令1条1項5号ホ)(争点5)(5) 浸出液処理設備の基準適合性(基準省令1条1項5号ヘ)(争点6)(6) 経理的基礎の有無(施行規則12条の2の3第2号)(争点7) (7) 不正等のおそれの有無(廃棄物処理法7条5項4号ト)(争点8)第4 争点に関する当事者の主張 1 原告適格(争点1)(1) 原告らの主張ア原告適格の考え方 産業廃棄物の最終処分場の周辺に居住する住民のうち、当該最終処分場から有害な物質が排出された場合にこれに起因する大気や土壌の汚染、水質の汚濁、悪臭等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は、当該最終処分場の設置許可処分や施設変更許可処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として、その取 水質の汚濁、悪臭等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は、当該最終処分場の設置許可処分や施設変更許可処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として、その取消訴訟 における原告適格を有するというべきである。 イ原告らが原告適格を有すること原告らの住所や職業、本件処分場との位置関係や距離、井戸水の使用の有無や用途、河川水や水道水の使用の有無、風評被害の有無や内容等は、別紙原告及び居住状況等一覧表の各欄に記載したとおりである。 そして、原告らは、以下のとおり、いずれも本件処分場から有害な物質 が排出された場合にこれに起因する健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者であるから、原告適格を有する。 (ア) 井戸水を飲用する原告ら原告らの中には、自家用又は共用井戸の井戸水を飲用として利用する者が多数いる。これらの原告らは、仮に、本件処分場から有害な物質を 含む保有水(以下「汚染水」という。)が漏えいしてこれがその利用する井戸に到達した場合には、汚染水を体内に取り込むこととなり、生命、身体に重大な被害を受ける。 a 本件処分場から5㎞圏内にある井戸を利用する者これらの原告らは、本件処分場から汚染水が漏えいした場合に最も 強い影響を受ける。本件環境影響調査書においても、本件処分場から5㎞圏内にある飲料用の井戸の調査がされている。 b 本件処分場から10㎞圏内にある井戸を利用する者これらの原告は、汚染水が漏えいした場合にこれを体内に取り込む危険が高い者である。本件環境影響調査書においても、本件処分場か ら10㎞程度の距離にある井戸の調査がされている。 c 本件処分場から10㎞圏外にある井戸を利用する者 れを体内に取り込む危険が高い者である。本件環境影響調査書においても、本件処分場か ら10㎞程度の距離にある井戸の調査がされている。 c 本件処分場から10㎞圏外にある井戸を利用する者これらの原告も、地下水を取水源とする井戸を飲用として利用する以上、汚染水を体内に取り込むおそれがある。 (イ) 井戸水を生活用水として利用する原告ら(飲用の利用なし) 井戸水を飲用に利用しない原告らについても、食器洗いや入浴その他 生活用水として井戸水を利用しており、汚染水を体内に取り込むおそれがあることに変わりはないから、井戸水を飲用する原告らと同様に原告適格を有する。 (ウ) 河川水を利用する原告ら原告らの中には、小櫃川又は御腹川の水を水稲栽培等に職業利用する 者がいる。御腹川は、本件処分場の排水が放流される河川であり、小櫃川に合流しているから、漏えいした汚染水は当然に御腹川及び小櫃川に流入することとなるのであり、本件環境影響調査書においても、両河川の流域や合流地点の調査がされている。そして、汚染水が河川に流入した場合には、農作物を飲食する者の健康が害され、また、農作物の枯死 や幼魚の死滅ないし汚染が生じ、河川水を職業利用する原告らの生業が成り立たなくなるおそれがある。このため、小櫃川及び御腹川の河川水を職業利用する原告らについても、原告適格を有する。 (エ) 公営水道水を利用する原告ら(井戸の利用なし)原告らの中には、公営水道のみを利用する者もいるが、その水道水の 取水源は小櫃川沿いに設けられた浄水場(大寺浄水場)であるから、水道水のみを利用する原告らであっても、汚染水による健康被害のおそれがある。したがって、公営水道水を利用する原告らについても の 取水源は小櫃川沿いに設けられた浄水場(大寺浄水場)であるから、水道水のみを利用する原告らであっても、汚染水による健康被害のおそれがある。したがって、公営水道水を利用する原告らについても、原告適格を有する。 (オ) 本件処分場から10㎞圏内に居住する原告ら 本件処分場から10㎞圏内に居住する原告らは、井戸水を利用していなくとも生活上の被害がある。例えば、廃棄物を運搬するトラックの頻繁な往来による事故の危険や騒音、振動、悪臭等があり、本件環境影響調査書でも、本件処分場から一定程度離れた国道沿いの地点の調査がされている。本件処分場から10㎞圏内に居住する原告らについては、井 戸水を利用していなくても、原告適格を有する。 (カ) 職業的影響のある原告ら原告らの中には、以下のとおり、職業上の影響(風評被害)の観点からも原告適格を有する者がいる。 a 井戸水を飲用等に職業利用する原告ら原告らの中には酒造業を営む者がいるが、酒造では全ての工程で水 が必須であり、味の決め手となるものでもあるから、井戸水が汚染されると、酒造業は成り立たなくなる。また、キャンプ場を営む原告もいるが、キャンプ場の利用者の飲用として井戸水が使用されているから、これが汚染されると、キャンプ場業は成り立たなくなる。 b 井戸水、河川水を飲用以外に職業利用する原告ら 農業等が中心であり、前記(ウ)と同様である。 c その他本件処分場の事故による影響がある職業の原告ら久留里は銘水の郷として名高く、久留里地区ではこうした久留里の特徴やイメージが業務に活用されるなどしている。こうした活用は、農作物や花きの通信販売のほか、美容業や果物園業、音楽家業、キャ ンプ場 里は銘水の郷として名高く、久留里地区ではこうした久留里の特徴やイメージが業務に活用されるなどしている。こうした活用は、農作物や花きの通信販売のほか、美容業や果物園業、音楽家業、キャ ンプ場業、市議会議員としての業務にまで及んでおり、本件処分場で汚染水の漏えい事故が発生した場合には、重大な風評被害が生じかねない。 ウ被告の主張について(ア) 被告は、第Ⅲ期埋立地から汚染水が漏えいしても、汚染水が久留里地 区等の原告らの井戸に到達することはなく、原告らに健康被害が生ずる蓋然性はない旨主張する。 しかし、現地調査の結果を踏まえた専門家の分析によれば、汚染水が漏えいした場合には、久留里地区には40年後に、久留里市街地には50年後に、浦田地区には60年後に、汚染水が深い位置にある砂層に最 初に到達し、更に時間が経てば、汚染水はより浅い地層に順次到達し、 結果、久留里地区の地下水が全て汚染されることが判明している。こうした専門家の分析結果を踏まえると、原告らに健康被害の蓋然性があることは明白である。 (イ) また、被告は、別紙原告及び居住状況等一覧表の「認否反論」欄記載のとおり、本件処分場からの距離が概ね10㎞を超える原告や、本件処 分場の東の方角に居住する原告、井戸水を飲用以外の用途で使用する原告、水道水の利用が可能である原告、風評被害を受けるおそれのある原告等について、原告適格を否定してこれを争っている。 しかし、本件処分場からの距離や方角のみで汚染水の到達の危険性を判断することはできないし、飲用以外で井戸水を使用しても生活の様々 な場面で汚染水が摂取され得ることや、公営水道であっても水道水が汚染されるおそれがあること、風評被害のおそれがあること等は、前記イのとおりである。具体的 用以外で井戸水を使用しても生活の様々 な場面で汚染水が摂取され得ることや、公営水道であっても水道水が汚染されるおそれがあること、風評被害のおそれがあること等は、前記イのとおりである。具体的な反論は、別紙原告及び居住状況等一覧表の「原告らの反論」欄記載のとおりである。 (2) 被告の主張 原告らは、第Ⅲ期埋立地が増設されると、それ自体で地下水の汚染等が生じる蓋然性があるかのように主張するが、本件変更許可申請では、万一保有水が浸出しても、本件処分場外には漏えいしない計画となっているから、原告らの主張は前提を欠く。 また、原告らの住所地は相当な広範囲にわたっており、原告らの全員につ いて法益侵害の危険が生じる蓋然性があるとはいえない。個々の原告の原告適格に関する被告の認否反論は、別紙原告及び居住状況等一覧表の「認否反論」欄記載のとおりであり、原告適格については、地下水の流動方向が北北西から北西方向であり、少なくとも本件処分場の東側に位置する養老川上流部方向に流出する可能性は低いと考えられることその他の諸事情が勘案され るべきである。 2 遮水工の基準適合性(基準省令1条1項5号イ(1)(ハ))(争点2)(1) 原告らの主張ア第Ⅰ期漏えい事故の原因(ア) 第Ⅰ期漏えい事故は、第Ⅰ期埋立地の内部に大量に貯留した保有水が漏えいしたものであるが、その原因は遮水工の破損であると合理的に推 認することができる。 すなわち、地下水集水ピット(地下水集排水管の流末にある集水場)からは、自然界に存在しないはずの有機フッ素化合物や、廃棄物由来としか考え得ない塩化物イオンが高い濃度で検出されており、保有水が漏えいしたことは明らかといえる。そして、地下水集水ピットや地下水集 排水管等の地下 しないはずの有機フッ素化合物や、廃棄物由来としか考え得ない塩化物イオンが高い濃度で検出されており、保有水が漏えいしたことは明らかといえる。そして、地下水集水ピットや地下水集 排水管等の地下水集排水設備は、遮水工の直下にあり、遮水工の破損等による保有水の漏えいの有無を監視する設備としての役割も果たすものであるから、地下水集排水設備に浸出水が漏えいしているということは、遮水工が破損していることを意味する。また、地下水集水ピットには、その後も大量の水が貯留、流入し続けているところ、それらの地下水か ら引き続き高濃度の塩化物イオンが検出されているというのであるから、このことも遮水工の破損を示すものといえる。 第Ⅰ期埋立地からは、1日当たり60~120㎥という、雨水の浸透量をはるかに上回る量の保有水が排出されているが、保有水の水位は第Ⅰ期漏えい事故から10年以上を経過した現在でもいまだ低下していな い。その原因として考えられるのは地下水の流入であり、地下水が流入しているということは、すなわち、遮水工が破損していることを意味する。 (イ) 被告は、第Ⅰ期漏えい事故の原因について、土堰堤の法尻及びガス抜き管から保有水が浸出し、これが埋立地外に漏えいしたものであり、漏 水検知システムから漏水が検知されたことがないこと、地下水集水ピッ トに流入する水が暗渠排水管からのものであることを新井総合の作業員が確認しており、地下水集水ピットに流入する水は暗渠排水管から流入したものであることを挙げて、遮水工の破損が生じていない旨主張する。 しかし、地下水集排水管の位置からしても、土堰堤の法尻付近から漏 えいした保有水が地下水集排水管で集水されることはあり得ないから、土堰堤の法尻付近からの漏えいがあったとしても、こ する。 しかし、地下水集排水管の位置からしても、土堰堤の法尻付近から漏 えいした保有水が地下水集排水管で集水されることはあり得ないから、土堰堤の法尻付近からの漏えいがあったとしても、これと併せて遮水工の破損による漏えいもあったと考えるべきである。 また、地下水集水ピットは暗渠配水管とも接続されているが、暗渠配水管は旧沢筋に沿ってわずかに配置されているにすぎないから、地下水 集水ピットに集水された地下水は、遮水工直下にくまなく張り巡らされた地下水集排水管により集水されたものと考えるのが合理的である。新井総合の作業員が入坑して地下水集水ピットを目視した際に地下水集排水管からの流入が少なかったとしても、限られた機会に目視したものにすぎず、地下水集排水管による集水が乏しかったことの根拠となるも のではない。 漏水検知システムは、信頼性を欠くものである上、被告からしかるべき証拠の提出もなく、遮水工の破損を否定する根拠となり得ない。 イ第Ⅲ期埋立地の遮水工の基準適合性第Ⅰ期埋立地の遮水工が破損し、その破損部位から保有水が漏えいして いることは、前記アのとおりであるが、第Ⅰ期埋立地と第Ⅲ期埋立地では、同様の遮水シートが同様の構造で設置されている。 そうであれば、第Ⅲ期埋立地でも、遮水シートが破損して保有水が漏えいする事故が発生する蓋然性があり、このような遮水工は、基準省令1条1項5号イ(1)(ハ)所定の基準に適合した遮水工ということはできないか ら、本件変更許可処分は、同号イ(1)の基準に適合する遮水工を設けなけれ ばならないとの許可の要件を満たさないのにされた違法な処分である。 (2) 被告の主張ア第Ⅰ期漏えい事故の原因(ア) 第Ⅰ期漏えい事故の原因は、第Ⅰ期埋立地の内部に を設けなけれ ばならないとの許可の要件を満たさないのにされた違法な処分である。 (2) 被告の主張ア第Ⅰ期漏えい事故の原因(ア) 第Ⅰ期漏えい事故の原因は、第Ⅰ期埋立地の内部に不透水層が形成されたことや、保有水等集排水管が目詰まりして排水機能が低下したこと により貯留した保有水が、土堰堤の法尻やガス抜き管から浸出し、これが埋立地外に漏えいしたものである。実際、ボーリング調査により、第Ⅰ期埋立地の内部に不透水層が形成されていることが確認されており、土壌の電気伝導率(EC)の調査でも、土堰堤の法尻のガス抜き管周囲の測定値が高いことが確認されている。 (イ) 原告らは、第Ⅰ期漏えい事故の原因について、遮水シートが破損したことによるものである旨主張する。 しかし、遮水工には漏水検知システムが設けられており、正常に稼働していることが確認されているが、漏水が検知されたことはなく、遮水工の損傷を示すような計測結果もない。遮水工が破損しているならば、 保有水の漏えいが続き、地下水から高濃度の塩化物イオンが検出され続けるはずであるが、塩化物イオンの濃度は漸減傾向を示している(なお、塩化物イオンの濃度に一時的な上昇がみられることがあるが、これは、第Ⅰ期漏えい事故の際に漏えいした保有水の塩化物イオンが、降雨によって流れ出したことによるものと考えることができる。)。 また、地下水集排水管は、第Ⅰ期埋立地の運用開始以来、渇水状態であったのであり、新井総合の作業員も、地下水集水ピットに流入する水が暗渠配水管からのものであることを目視により確認している。地下水集水ピットの水は暗渠配水管から流入したものであるから、地下水集水ピットから廃棄物由来の物質が検出されたからといって、遮水工が破損 していることを示す あることを目視により確認している。地下水集水ピットの水は暗渠配水管から流入したものであるから、地下水集水ピットから廃棄物由来の物質が検出されたからといって、遮水工が破損 していることを示すものではない。 イ第Ⅲ期埋立地の遮水工の基準適合性第Ⅰ期埋立地と第Ⅲ期埋立地で同様の遮水シートが同様の構造で設置されていることは認めるが、これらの遮水工は、基準省令1条1項5号イ(1)(イ)所定の層であるベントナイト改良層の表面に遮水シートを敷設するものであるとともに、同(ハ)所定の二重の遮水シートを敷設するもので もあり、更に、遮水シートの下部には自己修復シートが敷設されていて、同号イ(1)柱書にいう「同等以上の効力を有する」ものでもある。 したがって、第Ⅰ期漏えい事故の原因がどのようなものであったにせよ、いずれにしても、本件変更許可申請における第Ⅲ期埋立地の遮水工は、基準省令1条1項5号イ(1)に適合するものである。 3 土堰堤の遮水工の基準適合性(基準省令1条1項5号イ)(争点3)(1) 原告らの主張ア土堰堤の遮水工の必要性(ア) 基準省令1条1項5号柱書は、埋立地からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染を防止するための措置を講じることを求めており、 同号イは、その措置の一つとして遮水工を設けることを求めている。こうした基準省令の定めからすれば、土堰堤であっても、浸出液による汚染を防止する必要がある限りは遮水工を設ける必要がある。実際、第Ⅰ期埋立地では、土堰堤の底面に遮水工がなかったため保有水が浸出したのであり、土堰堤が公共の水域及び地下水の汚染を防止するための 重要な構造の一部であることは明らかである。 また、遮水工を設けなければならないのは埋立地であり、埋立地とは め保有水が浸出したのであり、土堰堤が公共の水域及び地下水の汚染を防止するための 重要な構造の一部であることは明らかである。 また、遮水工を設けなければならないのは埋立地であり、埋立地とは埋立処分の場所をいう(基準省令1条1項1号)が、土堰堤は埋立処分になくてはならない構造であるから、埋立処分の場所を構成するものということができるのであり、この点からも土堰堤には遮水工を設け る必要があるといえる。 (イ) 管理型最終処分場の土堰堤にも遮水工を設けることは、環境省が定める留意事項通知及び被告が定める指導要綱(千葉県廃棄物処理施設の設置及び維持管理に関する指導要綱)からも裏付けられる。 すなわち、基準省令1条1項4号は、「擁壁、えん堤その他の設備」を「擁壁等」と規定するところ、留意事項通知(Ⅰ五、Ⅳ五)は、同号 に関し、「擁壁等が埋立地の一部を構成する場合には、保有水等の擁壁等からの浸出を防止するために命令第1条第1項第5号イ(1)の遮水層と同等の遮水の機能を有する必要があること」と定める。また、指導要綱は、土堰堤については、「しゃ水工を施すこと」(基準第4-4-(1)ハ)と定めている。 (ウ) 新井総合も、「囲い」の役割を果たすものとして、土堰堤に現に遮水工を設けたと考えられるのであって、土堰堤について、内側法面及び底面に遮水工を設けるべきであることは明らかである。 イ土堰堤の遮水工の基準適合性土堰堤に遮水工を設けなければならないことは、前記アのとおりであり、 現に、第Ⅲ期埋立地では、土堰堤の内側法面及び底面に二重の遮水シートが敷設されている。しかるに、処分行政庁は、この遮水シートが基準省令1条1項5号イ所定の要件を満たす遮水工であるかの審査をしていない。 したがっ 埋立地では、土堰堤の内側法面及び底面に二重の遮水シートが敷設されている。しかるに、処分行政庁は、この遮水シートが基準省令1条1項5号イ所定の要件を満たす遮水工であるかの審査をしていない。 したがって、本件変更許可処分には、土堰堤の遮水工が基準省令所定の許可の要件を満たすものであるかが不明であるのにされた違法がある。 (2) 被告の主張ア土堰堤の遮水工の必要性基準省令は、埋立地には遮水工の設置を求めているが、土堰堤を含む擁壁等(埋め立てる一般廃棄物の流出を防止するための擁壁、えん堤その他の設備をいう。)には遮水工の設置を求めていない。 原告らが指摘する留意事項通知(Ⅰ五、Ⅳ五)は、擁壁等が埋立地の一 部を構成する場合には、遮水工を設置すべきことを定めているけれども、擁壁等が埋立地の一部を構成する場合とは、少なくとも擁壁等が基礎地盤と一体となっている場合をいうものとされている。本件処分場の各埋立地の土堰堤は、埋立地の内部に造成されており、埋立地の一部を構成するものでないことが明らかであるから、原告らが指摘する留意事項通知は、本 件処分場の土堰堤に当てはまるものではない。 イ土堰堤の遮水工の基準適合性法令上、本件処分場の土堰堤に遮水工を設ける必要がないことは前記アのとおりであるから、土堰堤の遮水工が基準に適合するものであるか否かは、本件変更許可申請に対する審査の対象外であり、本件変更許可処分の 効力に影響しない。 なお、本件処分場の土堰堤それ自体は、基準省令1条1項4号所定の構造基準を満たすものである。 4 保有水等集排水設備の基準適合性(基準省令1条1項5号ニ)(争点4)(1) 原告らの主張 第Ⅰ期埋立地の内部に大量の保有水が貯留しており、その原因が遮水工の破 を満たすものである。 4 保有水等集排水設備の基準適合性(基準省令1条1項5号ニ)(争点4)(1) 原告らの主張 第Ⅰ期埋立地の内部に大量の保有水が貯留しており、その原因が遮水工の破損であることは、前記2(1)アのとおりである。 もっとも、大量の保有水の貯留の原因が第Ⅰ期埋立地内部に形成された不透水層によるものであったとしても、新井総合が第Ⅰ期埋立地において不透水層の形成を防ぎ得なかったことに変わりはなく、そうであれば、同じ性状 の廃棄物が同じ業者によって埋め立てられることとなる第Ⅲ期埋立地でも、同様に内部に不透水層が形成される可能性が高い。そして、埋立地内部に不透水層が形成された場合には、いかに竪型集排水管を導入し、集排水管の口径を拡大したところで、そもそも保有水は集排水管に到達することができないから、保有水が排水されることはない。管が目詰まりする可能性も一概に は否定し得ない。 そうとすれば、第Ⅲ期埋立地の保有水等集排水設備をもって「保有水を有効に集め、速やかに排出することができる」ということはできないから、本件変更許可処分には、基準省令1条1項5号ニの基準に適合する保有水等集排水設備を設けるという許可の要件を満たさないのにされた違法がある。 (2) 被告の主張 第Ⅱ期埋立地以降、本件処分場では、混合埋立て(廃棄物を搬入する車両を事前に調整することにより、受け入れ品目が偏らないようにして、不透水層の形成を防止する埋立ての方法のこと。)が行われているから、第Ⅲ期埋立地で不透水層が形成される可能性は極めて低い。 また、第Ⅱ期埋立地以降、埋立地の底面部の保有水等集排水管の本管の管 径を1000㎜に拡大し、竪型集排水管及び埋立地の内部に一定の深さごとに葉脈状に保有水等集排水管の支管を 性は極めて低い。 また、第Ⅱ期埋立地以降、埋立地の底面部の保有水等集排水管の本管の管 径を1000㎜に拡大し、竪型集排水管及び埋立地の内部に一定の深さごとに葉脈状に保有水等集排水管の支管をそれぞれ設置したほか、土堰堤の内側法面と底面のそれぞれに遮水シートを敷設するといった対策が講じられており、第Ⅲ期埋立地ではこれらに加えた更なる集排水機能の強化が図られている。その結果、現に、第Ⅱ期埋立地では保有水の水位は適切に保たれている のであり、これと同等である第Ⅲ期埋立地の保有水等集排水設備も適切に機能する性能を有するものといえる。 したがって、第Ⅲ期埋立地の保有水等集排水設備は、基準省令1条1項5号ニの基準に適合するものである。 5 調整池の基準適合性(基準省令1条1項5号ホ)(争点5) (1) 原告らの主張ア水収支基準省令1条1項5号ホにいう調整池とは、保有水等集排水管で集水された浸出水を浸出液処理設備が処理するまでの間に貯留する調整池であり、未処理の浸出水の量が調整池の容量を超過しないものでなければな らない。具体的には、未処理の浸出水の量は、降雨量×埋立地の面積×浸 出係数(雨水が埋立地内部に浸透する割合)で算出され、これを基に日々の降雨量に基づいて算出される浸出水の量を加算し、浸出液処理設備の1日当たりの処理量を減算して水収支を計算し、調整池の容量が十分なものであり、未処理の浸出水が溢れ出ることのないものであるかを検討することとなる。 これを前提として、本件変更許可申請の申請内容に従い、その埋立ての程度に応じた3段階のステップ(第Ⅲ-1期埋立地の運用時、第Ⅲ-2期埋立地のレベル170m(貯留堰堤)時、第Ⅲ-2既埋立地のレベル205m(最大)時。以下「ステップ1」のようにいう。 、その埋立ての程度に応じた3段階のステップ(第Ⅲ-1期埋立地の運用時、第Ⅲ-2期埋立地のレベル170m(貯留堰堤)時、第Ⅲ-2既埋立地のレベル205m(最大)時。以下「ステップ1」のようにいう。)に分けて計算すると、以下のとおり、調整池の容量が不足していることがわかる。 (ア) 令和元年秋頃と同等の降雨があった場合には、新井総合が採用した数値を前提としても、ステップ1の段階で未処理の浸出水の量が調整池の容量(3万㎥)を超過する。 (イ) 新井総合は、①ステップ1の調整池の最大容量を3万㎥、ステップ2以降のそれを4万5000㎥とした上で、②埋立中区画の浸出係数 を0.8としつつ、第Ⅱ期埋立地及び第Ⅲ-1埋立地のそれを0.3とし、③既埋立区画及び未埋立区画(以下、併せて「既・未埋立区画」という。)の浸出係数を第Ⅰ期埋立地については0.3、第Ⅱ期埋立地以降については0.1として水収支を計算している。 しかし、調整池の最大容量は、水処理施設が常時完全に機能すること を前提とした場合の理論値にすぎず、実際には水処理施設の停止が多々あり得ることからすれば、実質的な最大容量は理論値の9割(2万7000㎥ないし4万0500㎥)とすべきである。 また、浸出係数についても、公益社団法人全国都市清掃会議が発行する「廃棄物最終処分場整備の計画・設計・管理容量2010改訂版」(以 下「平成22年管理要領」という。)は、埋立中区画の浸出係数を0. 8としており、現に新井総合もこの数値を採用している。それにもかかわらず、第Ⅱ期埋立地と第Ⅲ-1期埋立地の埋立中区画に限って浸出係数を0.3とすることに合理性はない。既・未埋立区画の浸出係数についても、浸出係数を埋立中区画の6割とするのが一般的な知見であるから わらず、第Ⅱ期埋立地と第Ⅲ-1期埋立地の埋立中区画に限って浸出係数を0.3とすることに合理性はない。既・未埋立区画の浸出係数についても、浸出係数を埋立中区画の6割とするのが一般的な知見であるから、埋立中区画の浸出係数0.8の6割に相当する0.48で統一さ れるべきである。 (ウ) その上で、令和元年秋頃と同雨量の降雨があったとした場合、ステップ1はもちろん、ステップ2及び3でも、未処理の浸出水の量が調整池の実質的な容量を超過することになる。 イ被告の主張について 被告は、①第Ⅱ期埋立地の埋立中区画の浸出係数を0.3としたのは、「埋立処分場における浸出液処理システムの開発に関する研究」という昭和54年の研究(以下「昭和54年研究」という。)に依拠したものであって、合理性がある、②既・未埋立区画の浸出係数を0.3としたものについても、埋立中区画の浸出係数を昭和54年研究に基づいて0.5と した上でその6割としたものであって、合理性がある、③既・未埋立区画の浸出係数を0.1としたものについて、第Ⅱ期埋立地以降は、土堰堤の内側法面のみならず、底面にも遮水シートが敷設されているから、雨水の内部への浸透はなく、合理性がある、④第Ⅲ期埋立地にはスライドゲート(埋立地から調整池への浸出水の流入を遮断する水門をいう。)があるか ら、万一の場合でも溢水を防ぐことができる、⑤令和元年秋頃の降雨量は事後的な事情にすぎず、平成22年管理要領に即した計算をすれば足りる旨主張する。 しかし、平成22年管理要領といった近年の知見ではなく、敢えて昭和54年研究という古い知見に依拠すべき合理的な理由はなく、昭和54 年研究に依拠することそれ自体が不合理である。 また、第Ⅱ期埋立地以降の埋立地でも、埋立終了後の なく、敢えて昭和54年研究という古い知見に依拠すべき合理的な理由はなく、昭和54 年研究に依拠することそれ自体が不合理である。 また、第Ⅱ期埋立地以降の埋立地でも、埋立終了後の天端は土砂を被せて覆土するのみであり、天端からの雨水の浸透は避け得ないから、土堰堤の遮水シートを理由に既・未埋立区画の浸出係数を0.1とするのは土堰堤の遮水シートを過大評価するものであるし、スライドゲートがあるのは第Ⅲ期埋立地のみであるから、その効果は限定的であり、この点を措く としても、そもそもスライドゲートの存在をもって、調整池の基準適合性が補われていると判断することは許されない。 近年における豪雨の頻度や強度の増加は公知の事実といってよく、また、令和元年秋頃の降雨量が過去の降雨量とかけ離れて多いというほどのものでもないから、本件変更許可処分時においても十分に想定するこ とが可能であり、想定すべきものであったといえる。被告の主張は、要するに、平成22年管理要領に依拠しさえすればよいというものであるが、そのような考え方は合理性を欠く。 ウ調整池の基準適合性前記アのとおり、第Ⅲ期埋立地の未処理の浸出水の量が調整池の容積を 超過するおそれがあるから、第Ⅲ期埋立地の調整池は、基準省令1条1項5号ホの基準に適合していない。 本件変更許可処分には、基準適合性を満たす調整池が設けられていることという許可の要件を満たさないのにされた違法がある。 (2) 被告の主張 ア水収支水収支の具体的な計算は、平成22年管理要領が示す方法に従って行われるが、この方法に従って計算した場合に未処理の浸出水が調整池の容積を超過することはない。 すなわち、降雨量について、平成22年管理要領は、埋立期間と同じ期 間の直近の年間 方法に従って行われるが、この方法に従って計算した場合に未処理の浸出水が調整池の容積を超過することはない。 すなわち、降雨量について、平成22年管理要領は、埋立期間と同じ期 間の直近の年間降水量が最大の年と、月間降水量が最大のものがある年の それぞれの日降水量時系列を用いるものとしており、これに従って、平成元年と平成16年の実際の降水実績を用いつつステップごとに水収支を計算すると、未処理の浸出水が調整池の容量を超過することはない。 なお、浸出係数について、新井総合は、第Ⅰ期埋立地の許可申請時には、昭和54年研究に依拠して、埋立中区画を0.5、既・未埋立区画のそれ を0.3としていたが、本件変更許可申請に際しては、安全性に配慮して、埋立中区画を0.8としたものである。また、既・未埋立区画については、第Ⅱ期埋立地以降のそれを0.3から0.1としているが、これは、土堰堤の底面にも遮水シートを敷設することから、本来は内部に雨水が流入することはなく、浸出係数を0とすることもあり得たものの、安全性に配慮 して法面の浸出係数を0.1としたものであり、いずれも合理的であり、不当ではない。 イ原告らの主張について(ア) 原告らは、令和元年秋頃の実際の降雨量を水収支の計算に用いることを前提に調整池の容量の不足を主張するが、令和元年秋頃の降雨は、一 連の大型台風により記録的な大雨が短期間のうちに3回連続して発生したという稀有なものである上、そもそも本件変更許可処分の後に生じた事情であり、本件変更許可処分の適法性に何ら影響しない。 (イ) また、原告らは、水収支について、①調整池の容量は設計上の最大容量の9割とすべきである、②第Ⅱ期埋立地及び第Ⅲ-1埋立地の埋立中 区画で浸出係数を0.3としているものを0. しない。 (イ) また、原告らは、水収支について、①調整池の容量は設計上の最大容量の9割とすべきである、②第Ⅱ期埋立地及び第Ⅲ-1埋立地の埋立中 区画で浸出係数を0.3としているものを0.8とすべきである、③既・未埋立区画の浸出係数を埋立中区画の0.8の6割となる0.48とすべきである旨主張する。 しかし、調整池の最大容量を設計値の9割程度とすべき根拠はなく、浸出係数についても、前記アのとおり、新井総合は、元々は昭和54年 研究に依拠した浸出係数を採用していたところ、第Ⅲ期埋立地では、安 全性に配慮して、埋立中区画のみ0.8を採用したものである(原告らが指摘する0.3が採用されている区画は、正しくは埋立を終了した第Ⅱ期埋立地と第Ⅲ-1期埋立地の天端を指しており、埋立中区画ではない。)。既・未埋立区画の浸出係数を0.1としたものについても、前記アのとおり、第Ⅱ期埋立地以降、土堰堤の底面にも遮水シートが敷設さ れることになったからであり、こうした個別の事情を踏まえることなく、一律に埋立中区画の6割とすべきであるとする原告らの主張は失当である。 なお、第Ⅲ期埋立地ではスライドゲートが設けられているが、処分行政庁は、スライドゲートの設置をもって調整池が基準に適合していると 判断したものではない。 ウ調整池の基準適合性前記アのとおり、第Ⅲ期埋立地の調整池の容量に不足はない。調整池は、浸出液処理設備に流入する保有水の水量及び水質を調整することができる構造となっており、基準省令1条1項5号ホの基準に適合するものであ る。 6 浸出液処理設備の基準適合性(基準省令1条1項5号ヘ)(争点6)(1) 原告らの主張第Ⅲ期埋立地の浸出液処理設備は、第Ⅰ期埋立地に係る埋立処分を終了することが するものであ る。 6 浸出液処理設備の基準適合性(基準省令1条1項5号ヘ)(争点6)(1) 原告らの主張第Ⅲ期埋立地の浸出液処理設備は、第Ⅰ期埋立地に係る埋立処分を終了することができることを前提に設計されている。なぜなら、第Ⅰ期埋立地の埋 立処分を終了し、その後に一定期間排水処理を続けて第Ⅰ期埋立地を廃止すること(廃棄物処理法9条5項、15条2の6第3項)ができなければ、本件処分場全体の浸出液をまとめて処理している浸出液処理設備をいつまでも運転し続けなければならないことになるが、設備には当然寿命があり、そのような永久的な運転はできないからである。実際、本件変更許可申請におい て、本件処分場の全体での埋立計画期間は約40年と計画されており、第Ⅲ 期埋立地の浸出液処理設備が、40年以内に第Ⅰ期埋立地の埋立処分を終了することができることを前提に設計されていることは明らかである。 しかるに、第Ⅰ期埋立地については、平成24年に被告から搬入停止の行政指導がされており、保有水の貯留が解消されない限り、埋立処分を終了することができない状況にあるが、第Ⅰ期埋立地の保有水の貯留が解消される 目途は立っていない。しかも、第Ⅰ期埋立地は、その内部に大量の保有水が貯留されたままであり、準好気性構造となることはないから、有害な物質が安定することはなく、環境省令で定める基準に適合することはないため、廃止をすることもできない。このように、第Ⅰ期埋立地は埋立処分の終了も廃止もできないことから、第Ⅲ期埋立地の浸出液処理設備は、第Ⅰ期埋立地か ら排出される浸出液を永遠に処理し続けなければならないのであり、これが不可能であることは明らかである。 第Ⅰ期埋立地から保有水が漏えいしていることが発覚したのが平成24年1月、被 埋立地か ら排出される浸出液を永遠に処理し続けなければならないのであり、これが不可能であることは明らかである。 第Ⅰ期埋立地から保有水が漏えいしていることが発覚したのが平成24年1月、被告の行政指導により新井総合が第Ⅰ期埋立地の改善を完了した旨の報告書(平成25年改善報告書)を提出したのが平成25年11月22日、 新井総合が本件変更許可申請をしたのが平成28年12月7日、処分行政庁が本件変更許可処分をしたのが平成30年8月6日であるところ、第Ⅰ期埋立地の保有水の水位は、平成25年改善報告書が提出されてから本件変更許可申請時までは約3年間、本件変更許可処分時までは約4年8か月、低下しないままであった。 上記のとおり、本件変更許可処分の当時、第Ⅰ期埋立地の保有水の貯留は解消することができないという状態にあったから、処分行政庁は、このことを前提として、本件変更許可処分に際し、第Ⅲ期埋立地の浸出液処理設備の審査をしなければならなかった。にもかかわらず、処分行政庁は、新井総合の平成25年改善報告書に記載された措置をすれば第Ⅰ期埋立地の保有水の 貯留を解消することができるとの誤った判断を前提として、第Ⅲ期埋立地の 浸出液処理設備は基準省令1条1項5号に適合する旨の判断をした。 したがって、本件変更許可処分には、基準省令1条1項5号への基準に適合する浸出液処理設備を設けるという許可の要件を満たさないのにされた違法がある。 (2) 被告の主張 ア浸出液処理設備の基準適合性基準省令1条1項5号ヘは、保有水等集排水設備により集められた保有水に係る放流水の水質を法令で定められた基準に適合させることができる浸出液処理設備を設けることを定めている。 第Ⅲ期埋立地の浸出液処理設備には重金属類等の除去設備が 等集排水設備により集められた保有水に係る放流水の水質を法令で定められた基準に適合させることができる浸出液処理設備を設けることを定めている。 第Ⅲ期埋立地の浸出液処理設備には重金属類等の除去設備が設けられ ており、これらの設備については、既存埋立地の浸出水の処理後の水質実績から第Ⅲ期埋立地の浸出水の処理後の水質実績を予測することにより、処理後の浸出水の水質を法令の基準に適合させることができるものであることが確認されている(なお、法令の基準は複数あるが、新井総合は項目ごとにそのうちで最も厳しい基準値を採用している。)。また、浸出液処 理設備の規模についても、調整池の容量等を勘案して設置されており、処理能力は、平均日降水量及び最大月間降水量の日換算値を勘案したものとなっている。 このように、第Ⅲ期埋立地の浸出液処理設備は、保有水等集排水設備により集められた保有水に係る放流水の水質を法令で定められた基準に適 合させることができる構造となっており、基準省令1条1項5号ヘの基準に適合するものである。 イ原告らの主張について原告らは、第Ⅰ期埋立地は埋立処分の終了も廃止もできないから、第Ⅲ期埋立地の浸出液処理設備は永遠に稼働しなければならないが、そのよう な設備は存在し得ず、第Ⅲ期埋立地の浸出液処理設備は基準適合性を欠く 旨主張する。 しかし、基準省令1条1項5号ヘは、浸出液の水量及び水質を放流水の排水基準に適合させることができる浸出液処理設備が設けられていることのみを求めているのであり、当該規定の基準適合性を検討するに当たり、運転年数を論じる原告らの主張は失当である。この点を措くとしても、 第Ⅲ期埋立地の浸出液処理設備は、第Ⅰ期埋立地の埋立処分の終了を前提とするものではないし、適切に維持管理 性を検討するに当たり、運転年数を論じる原告らの主張は失当である。この点を措くとしても、 第Ⅲ期埋立地の浸出液処理設備は、第Ⅰ期埋立地の埋立処分の終了を前提とするものではないし、適切に維持管理をすればその能力は維持され続けるのであるから、原告らの主張は前提を誤っている。 また、原告らは、第Ⅰ期埋立地の埋立処分を終了及び廃止することができない状態であることを前提に独自の主張をしているが、そもそも、本件 変更許可処分の当時も現在も、そのような状態にはなく、原告らの主張は、この点でも前提を欠いている。第Ⅰ期埋立地では、一部に水を含む層について準好気性の機能を十分に果たしていない箇所があると考えられるものの、洗浄により通水が確認された保有水等集排水設備と新たに設置された保有水等集排水設備により、排水機能は維持されていると考えられるの であり、この点において、第Ⅰ期埋立地は準好気性の機能を果たしているといえる。加えて、新井総合は、新たな改善計画を被告に提出しており、保有水の貯留の解消が不可能であるなどという状況にはない。 7 経理的基礎の有無(施行規則12条の2の3第2号)(争点7)(1) 原告らの主張 本件変更許可処分は、以下のとおり、廃棄物処理法15条の2第1項3号、施行規則12条の2の3第2号の許可の要件(経理的基礎)を満たさないのにされた違法な処分である。 ア記載の欠缺や書類の不備等本件変更許可申請には、①事業者の資金調達方法が全額借入金である にもかかわらず、融資の実行が相当程度確実であるとはいえないこと(本 件変更許可処分時において、借入先、借入残高、年間返済額、返済期限、利率等の融資内容及びその条件が明確にされていないこと)、②本件変更許可申請での経理的基礎に関する資料である「 こと(本 件変更許可処分時において、借入先、借入残高、年間返済額、返済期限、利率等の融資内容及びその条件が明確にされていないこと)、②本件変更許可申請での経理的基礎に関する資料である「施設の変更及び維持管理に要する資金の総額及び調達方法を記載した書類」(以下「資金総額調達書」という。)における記載の不備(②-1経理的基礎を有することが同 書類から一見して明らかではないこと、②-2埋立終了後の維持管理に要する費用の記載がないこと、②-3調達方法の欄に維持管理積立金の記載がないこと)、③決算報告書における収支の不安定(第39期~42期の4期のうち、2期で債務超過であり、1期で自己資本比率10%を満たしていないこと)の点で、法15条の2第1項3号、規則12条の2の 3第2号の許可要件(経理的基礎)を欠いている。 イ第Ⅰ期埋立地の改善費用の不計上(ア) 第Ⅰ期埋立地の土堰堤の法尻から保有水が現在も浸出していることそれ自体は被告も認めているが、モニタリング井戸や地下水集水ピットからは現在も高濃度の塩化物イオンが検出されている。その原因に ついて、第Ⅰ期漏えい事故で埋立地外に浸出した保有水に含まれる高濃度の塩化物イオンが土壌中に残留し、これが降雨によって流れて移動したものとは到底考え難く、また、放流水の影響を受けない位置に設置すべきものとされるモニタリング井戸で高濃度の塩化物イオンが検出されていることからしても、第Ⅰ期埋立地からは現在も保有水が漏 えいしている疑いが濃厚である。実際、法尻対策工事の遮水シートの折返し部分は開放されており、特に雨天時には折返し部分から浸出水が溢れ出てしまう構造となっている上、それら法尻対策工事の構造部分が適切に維持管理されているとも考え難く、土堰堤の法尻からの浸出水は、そ 返し部分は開放されており、特に雨天時には折返し部分から浸出水が溢れ出てしまう構造となっている上、それら法尻対策工事の構造部分が適切に維持管理されているとも考え難く、土堰堤の法尻からの浸出水は、その一部がなおも埋立地外に漏えいしている。 また、第Ⅰ期埋立地内には、平成25年3月の時点で、量にして31 万0100㎥、重量比にして46%もの大量の保有水が貯留していたが、平成25年改善報告書から10年以上を経過した現在でも、保有水の水位に有意な低下はなく、貯留する保有水を排出する目途も立っていない。 (イ) このように、保有水の貯留が原因となって保有水の漏えいが続いて いたことからすれば、第Ⅰ期埋立地については、平成25年改善報告書の改善内容とは異なる抜本的な改善、すなわち、第Ⅰ期埋立地の埋設廃棄物を掘削して撤去したり、土堰堤の底面に遮水工を設置したりするといった抜本的な改善が必要であることは明らかといえる。実際、新井総合も、令和5年頃から、こうした抜本的な改善策を一部実行し、ある いは今後実行しようとしている。 そして、第Ⅰ期埋立地から保有水が漏えいしていることが発覚したのが平成24年1月、被告の行政指導により新井総合が第Ⅰ期埋立地の改善を完了したと報告したのが平成25年11月22日、新井総合が本件変更許可申請をしたのが平成28年12月7日、処分行政庁が本件変更 許可処分をしたのが平成30年8月6日であるところ、第Ⅰ期埋立地の保有水の水位は、新井総合から平成25年改善報告書が提出されてから、本件変更許可申請時までは約3年間、本件変更許可処分時までは約4年8か月間、低下しないままであったのであり、このことは、新井総合はもちろん、処分行政庁も当然に知悉していた。 そうであれば、新井総合は、 申請時までは約3年間、本件変更許可処分時までは約4年8か月間、低下しないままであったのであり、このことは、新井総合はもちろん、処分行政庁も当然に知悉していた。 そうであれば、新井総合は、本件変更許可申請に際し、保有水の貯留を解消するための抜本的な改善の費用(その額は巨額にのぼると容易に推認されるところであり、新井総合自身、「経営状況を踏まえ、経営基盤を損なわないよう計画を検討する」と述べているほどである。)を資金計画に計上すべきであったのであり、処分行政庁も、本件変更許可処分の 当時、抜本的な改善の費用を踏まえた経理的基礎の審査をすべきであっ た。しかるに、新井総合は、その費用を計上せず、処分行政庁もその費用を踏まえた経理的基礎の審査をしなかった。 (ウ) また、平成25年改善報告書の改善内容の一つである法尻対策工事についても、保有水が漏えいし続けていた以上、その不備を改善する必要があった。 すなわち、新井総合が本件変更許可申請をした平成28年12月には、保有水の水位が下がらないために土堰堤の法尻から漏えいしている浸出水量が第Ⅰ期埋立地全体の浸出水量の4分の1(25%)にものぼっていた上、本件変更許可処分時において、複数のモニタリング井戸から平成24年1月の保有水の漏えいの発覚時と同程度の高濃度の塩化物イオ ンが検出されていた。そうとすれば、本件変更許可処分の当時、第Ⅰ期埋立地から保有水が処分場外に漏えいしないための対策として、土堰堤の法尻から浸出する保有水を全量回収して浸出液処理設備で処理するための設備を設けるといった費用についても資金計画に計上させた上で、経理的基礎の審査をしなければならなかったはずであるが、処分行政庁 はこうした経理的基礎の審査をしなかった。 (エ) 第Ⅰ期埋立 の設備を設けるといった費用についても資金計画に計上させた上で、経理的基礎の審査をしなければならなかったはずであるが、処分行政庁 はこうした経理的基礎の審査をしなかった。 (エ) 第Ⅰ期埋立地の抜本的な改善の要否を措くとしても、本件変更許可処分の当時、第Ⅰ期埋立地は、埋立処分の終了の見込みすら立たない状況にあったから、第Ⅰ期埋立地については、計画上の期間を相当に超過して浸出液処理設備を運転するなどし、また、それらの設備を維持管理 し続ける必要があったといえる。 しかるに、新井総合は、こうした浸出液処理設備の運転費や維持管理費のほか、法尻対策工事の維持管理費や、第Ⅰ期埋立地への雨水浸入を減少させるための遮水シートの設置費及び維持管理費等を資金計画に計上せず、処分行政庁も、これらの費用を確保しているか否かを考慮し た経理的基礎の審査をしなかった。 (オ) 以上のとおり、新井総合は、第Ⅰ期埋立地の改善に多額の費用を要するため、第Ⅲ期埋立地を的確かつ継続して維持管理するに足りる経理的基礎を有していなかったのであり、本件変更許可処分には、これを看過してされた違法がある。 ウ既存埋立地の廃棄物処理施設設置許可の取消しの蓋然性 前記3(1)アのとおり、土堰堤には遮水工を設けなければならないにもかかわらず、第Ⅰ期埋立地の土堰堤は底面に遮水シートがなく、第Ⅱ期埋立地の土堰堤は底面に一重の遮水シートがあるのみであり、いずれも基準省令に違反している。また、第Ⅰ期埋立地内に保有することができる保有水の最大値は39万㎥であるが、現在の保有水の貯水量は約31万㎥と 考えられ、既に限界に近い。そうとすれば、第Ⅰ期埋立地と第Ⅱ期埋立地の設置許可は、廃棄物処理法15条の3第2項の規定に基づき取り消されるべきもので あるが、現在の保有水の貯水量は約31万㎥と 考えられ、既に限界に近い。そうとすれば、第Ⅰ期埋立地と第Ⅱ期埋立地の設置許可は、廃棄物処理法15条の3第2項の規定に基づき取り消されるべきものであり、第Ⅰ期及び第Ⅱ期埋立地の設置許可が取り消されると、新井総合が経理的基礎を欠くに至ることは明らかといえる。 また、許可処分が取り消されないとしても、第Ⅰ期埋立地も第Ⅱ期埋立 地も大規模な漏えい事故を起こす蓋然性があり、そのような事故が発生した場合、新井総合が直ちに経理的基礎を失うことはいうまでもない。 しかるに、処分行政庁は、第Ⅰ期埋立地及び第Ⅱ期埋立地の設置許可が取り消される蓋然性や大規模な漏えい事故を起こす蓋然性を考慮した経理的基礎の審査をしなかった。 (2) 被告の主張ア経理的基礎の要件充足性処分行政庁は、経理的基礎の有無について、許可事務通知に基づき、施設の変更及び維持管理に要する資金の総額及び調達方法を記載した書類(資金総額調達書)を踏まえ、申請書に添付される3期分の決算書等を基 に審査をしている。 そして、処分行政庁は、新井総合について、直前期の自己資本比率が10%を上回っていることや、直前3期分の平均経常利益及び直前期の経常利益が黒字であること等を確認し、また、事業に要する資金のほとんどを借入れで賄う計画であったことについても、シンジケートローンを組成する意向を表明する旨の金融機関作成の書類によりその確実性を確認 した。さらに、処分行政庁は、事業収支計画書や資金計画書に基づき、借入れでも事業を継続することができることを確認している。 なお、第Ⅰ期埋立地の改善対策が経理的基礎に与える影響について、本件変更許可処分がされた平成30年当時は、第Ⅰ期埋立地の土堰堤の法尻からの浸 入れでも事業を継続することができることを確認している。 なお、第Ⅰ期埋立地の改善対策が経理的基礎に与える影響について、本件変更許可処分がされた平成30年当時は、第Ⅰ期埋立地の土堰堤の法尻からの浸出水や埋立地内部の保有水の集排水機能の強化を図っていた ところであり、これらの効果を見ていく必要があったことから、処分行政庁は、これらの対策を継続していく前提での審査をしている。そして、第Ⅰ期埋立地は搬入停止となっていたものの、それでもなお適切な収益が見込まれる経営状態にあったことは、上記のとおりである。 イ原告らの主張について (ア) 原告らは、記載の欠缺や書類の不備等の形式的不備等があると主張するが、許可事務通知は飽くまで助言にすぎないから、仮に、形式的な不備等があったとしても、直ちに経理的基礎を欠くとしなければならないものではない。そして、処分行政庁が、新井総合から提出された各種の書類に基づいて経理的基礎について適正な審査をし、新井総合が 経理的基礎を有すると確認したことは、前記アのとおりであり、その判断において取り消されるべき違法はない。 (イ) 原告らは、①内部掘削を含む抜本的な対策を講じるための費用や、②第Ⅰ期埋立地の計画上の期間を相当超過して第Ⅰ期埋立地の維持管理をし続ける費用を考慮して経理的基礎の有無を審査すべきであった旨 主張する。 しかし、本件変更許可処分がされた当時、新井総合がした対策によって第Ⅰ期埋立地の保有水の埋立地外への漏えいはなくなっており、埋立地内の保有水の貯留という問題はあったものの、法的には内部掘削を含めた抜本的な対策は要求されていなかった。また、本件変更許可処分の当時、保有水の貯留の原因は究明中であったから、その当時におい て、第Ⅰ期埋立地の保有水の貯留 あったものの、法的には内部掘削を含めた抜本的な対策は要求されていなかった。また、本件変更許可処分の当時、保有水の貯留の原因は究明中であったから、その当時におい て、第Ⅰ期埋立地の保有水の貯留を解消することができないことが判明していたといった状況にもなかった。 なお、結果として、その後も第Ⅰ期埋立地の保有水の水位に低下は見られず、新井総合は、令和5年12月、内部掘削を含めた抜本的な対策案を示すに至っているが、処分行政庁が本件変更許可処分時にこれら のことを予見することは不可能であったから、処分行政庁が本件変更許可処分の当時に抜本的な対策に関する費用を含めて経理的基礎の審査をしていないことは、何ら問題となるものではない。 8 不正等のおそれの有無(廃棄物処理法7条5項4号ト)(争点8)(1) 原告らの主張 新井総合は、平成18年7月から浸出水を本件処分場内に貯留したところ、被告は、平成19年5月、これを早急に改めるよう勧告を発している。しかるに、新井総合は、この勧告を無視し、平成20年12月まで浸出水の場内貯留を継続したから、廃棄物処理法7条5項4号ト所定の「不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」に該当す るというべきである。 本件変更許可処分には、申請者が不正等の行為をするおそれのある者でないことという許可の要件を満たさないのにされた違法がある。 (2) 被告の主張ア新井総合の法適合性 処分行政庁は、許可事務通知に即して審査をしたが、新井総合がその業 務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由は見当たらなかったのであり、新井総合は、廃棄物処理法7条5項4号ト所定の者に該当しない。 イ原告らの主張につい 務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由は見当たらなかったのであり、新井総合は、廃棄物処理法7条5項4号ト所定の者に該当しない。 イ原告らの主張について原告らは、新井総合が被告の勧告を無視して埋立地内に浸出水を貯留し 続けたと主張するが、新井総合は、被告の勧告を受けて、調整池を増設する改善計画書を提出し、これに沿って浸出水の場内貯留を解消しているのであり、勧告を無視したという事実はない。 第5 当裁判所の判断 1 認定事実 前提事実、括弧内記載の各証拠(以下の(3)~(7)については、乙B1、B2、証人A及び同Bのほか、括弧内に記載したもの)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実を認めることができる。 (1) 原告らについてア原告らの住所や職業、処分場を基点とした自宅の方角、処分場(外周部) から自宅までの距離、処分場を基点とした利用する田畑・酒蔵・事務所等の方角とその処分場(外周部)からの距離、井戸水飲用の有無、井戸水の飲用以外での生活用水としての利用の有無、井戸水の職業的な利用の有無、御腹川又は小櫃川の河川水の利用の有無、小櫃川沿いにある大寺浄水場を取水源とする水道水の利用の有無ないし可否、農業、酒造業その他の職業 の別、粉塵・臭気・騒音・振動被害の影響の有無その他これらに関する補足説明等は、別紙原告及び居住状況等一覧表の該当各欄記載のとおりである(証拠につき、同じく同別紙の「書証(甲)」欄記載の各書証のほか、原告番号33、75、78、95及び147の各本人)。 イ原告らの多くは、久留里地区(千葉県君津市大字久留里及びその近辺) に居住している。久留里地区は、上総掘りと呼ばれる採掘法によって掘削 される自噴式井戸が多数あ 7の各本人)。 イ原告らの多くは、久留里地区(千葉県君津市大字久留里及びその近辺) に居住している。久留里地区は、上総掘りと呼ばれる採掘法によって掘削 される自噴式井戸が多数あることで知られ、その井戸水は「平成の名水百選」に選ばれるなどしており、生活用水や農業用水、酒造りその他の様々な用途に使用されている。(甲C20、21)(2) 本件環境影響調査書ア新井総合は、平成28年12月7日、本件変更許可申請をするに際し、 廃棄物処理法15条3項所定の生活環境影響調査書(本件環境影響調査書)を申請書に添付した。 本件環境影響調査書は、埋立作業やこれに伴う廃棄物搬入車両の走行による大気質(粉じん)や騒音、振動、悪臭への影響のほか、埋立地からの浸出水や処理水による河川水の水質への影響、水分環境としての地下水の 水質や水位への影響等について調査したものである(甲A1の12・7-1~7頁)。 イ大気質の調査においては、予測地点(6地点(林道戸面蔵玉線、君津市道(福野)、市原市道85号線(石塚)、市原市道85号線(菅野)、林道坂畑線(保育園付近)、国道465号線(稲ヶ崎)。各地点の位置関係は、甲 A1の12・8-1-18頁の図8-1.4参照)における車両の走行に伴う排出ガス及び粉じん(二酸化窒素、浮遊粒子状物質)の影響評価、埋立作業及び廃棄物搬入車両の走行に伴う本件処分場付近の自然歩道及び林道大福山線(甲A1の12・8-1-4頁の調査地点2及び3。事業区域及びその周辺200mの範囲内にある。)における粉じんの評価がそれぞれ されている(甲A1の12・8-1-1~49頁)。 また、上記6地点は、本件処分場の施工時及び供用時における車両等の走行に伴う騒音及び振動の予測評価地点となって 粉じんの評価がそれぞれ されている(甲A1の12・8-1-1~49頁)。 また、上記6地点は、本件処分場の施工時及び供用時における車両等の走行に伴う騒音及び振動の予測評価地点となっている(甲A1の12・8-5-1~43頁、8-6-1~20頁)。 ウ河川水の水質及び水底の底質の調査においては、御腹川に沿って御腹川 が小櫃川に合流する地点まで(本件処分場の北側ないし北西方向)が調査 対象区域とされ、本件処分場から御腹川が小櫃川に合流する地点までの距離は直線で概ね10㎞弱であり(甲A1の12・8-2-2頁、23頁、28頁の図8-2.5(1)、8-3-2~3頁、弁論の全趣旨)、本件処分場の施工時及び供用時における水質及び水底の底質に関する評価がされている(甲A1の12・8-2-24頁、32~44頁、49~53頁、5 7~60頁、甲A1の12・8-3-5~8頁)。 エ本件処分場の周辺地域では、上総層群及び下総層群下部に地下水が分布しており、これらの地下水については、いわゆる上総掘りの井戸として飲料水及び農業用水として利用されている(甲A1の12・8-4-37頁)こと等を踏まえて、本件処分場の施工時及び供用時における地下水の水質 及び水位について調査がされている。 本件環境影響調査では、本件処分場周辺における地下水の利用状況について現地調査を実施した上で、埋立地及び埋立廃棄物を要因とする地下水利用地点における地下水の水質変化の予測をしている(甲A1の12・8-4-48頁)。調査対象地域は、「図8-4.15」(甲A1の12・8- 41、42頁)のとおりであり、本件処分場の周辺の「想定地質断面図」(図8-4-7(1)、(2)。甲A1の12・8・4-15~18頁)及び地下水の流動方向(図 4.15」(甲A1の12・8- 41、42頁)のとおりであり、本件処分場の周辺の「想定地質断面図」(図8-4-7(1)、(2)。甲A1の12・8・4-15~18頁)及び地下水の流動方向(図8-4.12、図8-4.13。甲A1の12・8-4-30、31頁)等を踏まえて、本件処分場の東方向(北東、東及び南東)は検討対象からは除かれ、本件処分場から北西端の地点までの距離は 直線で10㎞弱、南端の地点までの距離は直線で2㎞程度、南西端の地点までの距離は直線で3㎞程度である。 地下水の水質及び水位の調査範囲(図8-4.15(原告ら第2準備書面9頁の図面も併せて参照))には、大気質、本件処分場の施工時及び供用時における車両等の走行に伴う騒音及び振動の予測評価地点となっている 6地点(前記認定事実(2)イ)が含まれる。 オ本件処分場の埋立て及び浸出水処理施設等の稼働に伴う悪臭の調査においては、本件処分場の周辺約200mの範囲を調査地域として、悪臭の予測評価がされている(甲A12の8-7-1~33)。 (3) 第Ⅰ期漏えい事故と対応の経緯等ア第Ⅰ期埋立地は、平成16年4月に運用を開始したが、平成24年1月、 第Ⅰ期埋立地の外側周縁に設けられたモニタリング井戸のうち、第Ⅰ期埋立地の西側にある調整池の北西側周縁に設けられたモニタリング井戸(No.1。第Ⅰ期漏えい事故の後、傍らにNo.1A、No.1Bが新たに設けられており、以下、「モニタリング井戸1」、「モニタリング井戸1A」のようにして特定する。)及び北側法尻の北側周縁に設けられたモニタリ ング井戸(No.3。以下「モニタリング井戸3」という。なお、モニタリング井戸3にも傍らに井戸が設けられた。)において高濃度の塩化物イオンが検出された(前記 尻の北側周縁に設けられたモニタリ ング井戸(No.3。以下「モニタリング井戸3」という。なお、モニタリング井戸3にも傍らに井戸が設けられた。)において高濃度の塩化物イオンが検出された(前記前提事実(1)イ、乙A3の1、モニタリング井戸の位置につき乙A8・8頁、A60・1の3頁)。 被告は、保有水が漏えいしている疑いがあるとして、平成24年1月3 1日付けで、新井総合に対し、原因の究明や改善計画の報告のほか、埋立地への廃棄物の搬入の停止を勧告した(乙A3の1)。これを受けて、新井総合は、埋立地への廃棄物の搬入を停止するとともに、同年3月26日、被告に対し、要旨、モニタリング井戸における塩化物イオン濃度が上昇した原因について、漏水検知システムは正常に稼働しており、システムの設 置範囲における遮水構造の損傷によるものではないと考えられるが、第Ⅰ期埋立地内の保有水の水位が高いため、土堰堤の法尻やガス抜き管から保有水が浸出してこれが埋立地外に漏えいしたと考えられる旨の改善報告書を提出した(甲A46)。 上記改善報告書を審査した被告は、更なる調査検討や対策の必要がある と判断し、平成24年3月30日、新井総合に対し、保有水の流出の経路 の特定や他の要因の検討、改善策の効果の確認など、より詳細な調査を実施すること等を改めて勧告した(甲A47、乙A3の2)。 イ被告の再度の勧告を受けた新井総合は、大学や研究機関に所属する第三者の学識者からなる「君津環境整備センター・Ⅰ期処分場改善促進委員会」との委員会を組織して(委員会の構成員については乙A60・3の2頁参 照)、第Ⅰ期漏えい事故の原因や改善策とその効果についての更なる調査を実施した。その後、新井総合は、複数回にわたって改善報告書を提出した上で、 て(委員会の構成員については乙A60・3の2頁参 照)、第Ⅰ期漏えい事故の原因や改善策とその効果についての更なる調査を実施した。その後、新井総合は、複数回にわたって改善報告書を提出した上で、平成25年11月22日、改善を概ね完了したとして、第Ⅰ期漏えい事故の原因や改善策とその効果を網羅的に整理した改善報告書(平成25年改善報告書。乙A60号証がその全体である。)を被告に提出した。 平成25年改善報告書の内容は、要旨、①保有水の流出は、遮水工の破損によるものではなく、保有水の貯留量の増大により土堰堤の法尻及び法尻平坦部の埋立地法面に沿って敷設されているガス抜き管から保有水が浸出し(以下、保有水が浸出した場所をいうときは「法尻付近」ということがある。)、これが埋立地外に流出したものである、②改善内容のうち、 法尻付近から浸出した保有水が埋立地外に漏えいするのを遮断する対策として、ガス抜き管対策(ガス抜き管を無孔管(プレスト管)と連結する。)及び法尻対策(遮光マットを切断して法尻部の既設法面遮水シートに厚さ1.5㎜の遮水シートを溶着し、土堰堤側に折り返す。)の各工事を行い、平成24年3月にこれらを完了した、③改善内容のうち、保有水の水位を 低下させる対策として、保有水等集排水管の本管(葉脈状に配置される保有水等集排水管の本管)の洗浄のほか、強制排水用の揚水井戸の設置、追加の保有水等集排水管の本管(管径1000㎜)の設置、第Ⅰ期埋立地の天端部への暗渠配水管の設置等を行い、平成24年8月までにこれらを完了した、④これらの対策の効果として、モニタリング井戸1及び3で塩化 物イオンの濃度の低下が確認された、⑤他方、保有水の水位については、 当初は水位の低下の効果が顕著に現れたが、その後の水位は概ね一定とな の効果として、モニタリング井戸1及び3で塩化 物イオンの濃度の低下が確認された、⑤他方、保有水の水位については、 当初は水位の低下の効果が顕著に現れたが、その後の水位は概ね一定となっており、目標の水位である195m(これは標高であり、第Ⅰ期埋立地の最も底部の標高は154.5mである。乙A60・3の17頁)を下回る194mを達成してはいるものの、汚泥を主とした廃棄物が固結して形成された不透水層の影響のため、水位の低下が困難な状況にあるというも のである(乙A60・1の1~16頁)。 ウその後、新井総合は、平成26年8月に第Ⅰ期埋立地の天端部に雨水の浸透を抑制するためのビニールシートを設置し、次いで、平成27年10月にこれを高密度ポリエチレンシート(厚さ0.5㎜。本件処分場の遮水工で使用されている遮水シートと同性状のもの。)に変更した(乙A13の 1、弁論の全趣旨(被告準備書面(3)21頁))。また、平成28年6月からは第Ⅰ期埋立地の外側法面も同様の遮水シートで被覆する工事を開始し、同年12月にこれを完了した(乙A62・12頁、弁論の全趣旨(被告準備書面(3)21頁))。 並行して、新井総合は、平成27年2月18日付け、同年8月24日付 け、平成28年9月14日付け、平成29年4月26日付け、平成31年2月13日付けで、改善報告書を被告に提出した。それらの内容は、主として前回の報告以後の観測データを追加で報告するといったものであり、要旨、モニタリング井戸1及び3の塩化物イオンの濃度は20mg/L(第Ⅰ期埋立地の運用開始前の数値である。乙A60・4の1頁)以下で 推移しており、水質は汚染前の状態にほぼ回復しているものの、保有水の水位は、4か所ある水位の観測井戸の一つを除き、目標で L(第Ⅰ期埋立地の運用開始前の数値である。乙A60・4の1頁)以下で 推移しており、水質は汚染前の状態にほぼ回復しているものの、保有水の水位は、4か所ある水位の観測井戸の一つを除き、目標である195mを上回っている旨のものである。(乙A13の1、A14の2、A25、A28、A39、A78、弁論の全趣旨(被告準備書面(3)21頁以下))エその後も保有水の水位に有意な低下はなく、新井総合は、令和5年11 月20日、同日付けの「Ⅰ期処分場における今後の改善について」と題す る報告書を被告に提出し、既存の対策により保有水の埋立地外への流出を遮断することができているものの、保有水の目標水位への低下を達成することができなかったことから、今後の方針として、既存の対策を強化するとともに、埋立地内部の掘削に向けた改善対策を計画する旨を報告した(乙A62・47、48頁)。 次いで、新井総合は、令和5年12月11日付けの「Ⅰ期埋立地改善について」と題する報告書を被告に提出し、第Ⅰ期埋立地をより健全な状態とするための自主的な改善対策として、一部の廃棄物及び中間覆土を掘削しながら、埋立地内部の保有水の水位の低下や滞水エリアの解消方法を模索することとしたこと、その際、経営状況を踏まえ、経営基盤を損なわな いように計画すること等を報告した(乙A61)。 (4) 第Ⅰ期漏えい事故の原因に関する観測データ等ア平成25年改善報告書は、第Ⅰ期漏えい事故の原因について、遮水工の破損ではなく、土堰堤の法尻付近の浸出水の埋立地外への漏えいであるとしたが、その主な根拠は以下のとおりである。 (ア) 地下水集水ピット地下水集排水管で捕捉された水が流入する地下水集水ピットは、平成24年7月末日まで渇水状態であ いであるとしたが、その主な根拠は以下のとおりである。 (ア) 地下水集水ピット地下水集排水管で捕捉された水が流入する地下水集水ピットは、平成24年7月末日まで渇水状態であった。その後、地下水集水ピットへの流入が継続的にみられるようになり、当初は1日当たり60~80㎥の流入があったものの、流入量は減少傾向にある(なお、平成25年 5月14日を最後に、以降は地下水集水ピットへの流入量の記録はない。)。 塩化物イオン濃度についても、当初は75mg/Lで、その後は最大で150mg/Lであったが、以後は低下して60~80mg/Lで推移し、平成25年10月頃は50mg/Lであった。(以上につき乙 A60・3の45、46頁、A60・4の3~10頁) (イ) 漏水検知システム遮水工に設けられた漏水検知システムについて、平成24年2月15日に現地で作動状況の確認をするなどして、システムが正常に作動していることが確認されているところ、これまでに漏水が検知されたことはなかった(乙A8の2、A8の4、A8の5、A8の6・1枚目、 A8の6の1、A32、A60・3の23、24頁)。 (ウ) 塩化物イオンの濃度モニタリング井戸における塩化物イオンの濃度は、第Ⅰ期埋立地の運用を開始する前のモニタリング井戸1が20mg/L、モニタリング井戸3が21mg/Lであり、以降、概ね20mg/L前後で推移し ていたが、平成24年1月に急激に上昇し、同月30日にモニタリング井戸1で510mg/L、モニタリング井戸3で830mg/Lが検出された。 もっとも、その後の塩化物イオンの濃度は全体として下降傾向にあり、平成25年10月15日の時点では、モニタリング井戸1の塩化物 イオン濃度は グ井戸3で830mg/Lが検出された。 もっとも、その後の塩化物イオンの濃度は全体として下降傾向にあり、平成25年10月15日の時点では、モニタリング井戸1の塩化物 イオン濃度は35mg/L、モニタリング井戸3は18mg/Lであった。(以上につき乙A60・3の35、36、88、89頁、A60・4の1頁、29~38頁)(エ) 土堰堤の法尻からの浸出水平成23年10月及び平成24年3月に土堰堤の法尻や法尻にある ガス抜き管からの保有水の浸出と処分場外への漏えいが現認された。 法面法尻部の土の電気伝導率(土壌ダイレクトEC計)による調査の結果、ガス抜き管周辺と法尻部に保有水流出といえるEC値の高い場所が確認された。(乙A60・3の26~34、42、43、86頁)(オ) 不透水層の形成 ボーリング調査の結果、廃プラスチック、木片、鉄片等が特徴的に集 中している部分には空隙が形成されており、他方、標高200mよりも深い埋立層では、廃材と汚泥が密着して固結されていることが確認された(乙A60・3の19~22、87頁)。 イ平成25年改善報告書以降、本件変更許可処分がされる平成30年8月までの間の第Ⅰ期埋立地の保有水の水位やモニタリング井戸等におけ る塩化物イオンの濃度は、以下のとおりである。 (ア) 保有水の水位保有水の水位を観測するための観測井戸の水位は、有意な低下は見られておらず、本件変更許可処分がされた平成30年8月頃の水位は、4本の観測井戸のうち最も水位の低いものが約187mであり、その余の 3本はそれぞれ約200m、約205m、約202mであった(乙A14の2)。 (イ) モニタリング井戸1モニタリング井戸1(井戸の深度25m)での塩化物イオ 87mであり、その余の 3本はそれぞれ約200m、約205m、約202mであった(乙A14の2)。 (イ) モニタリング井戸1モニタリング井戸1(井戸の深度25m)での塩化物イオンの濃度は、その後も漸減しており、平成30年8月の濃度は24mg/Lであっ た。 モニタリング井戸1A(井戸の深度12m)での塩化物イオンの濃度は、平成25年10月が510mg/Lであり、その後に突発的に高い数値を示すことはあるものの、30mg/L前後に低減することを繰り返しており(各年の最高値は、平成26年4月の690mg/L、平 成27年9月の160mg/L、平成28年8月の520mg/L、平成29年11月の460mg/Lである。)、平成30年8月の濃度は26mg/Lであった。 モニタリング井戸1B(井戸の深度28m)での塩化物イオンの濃度は、平成25年10月が28mg/Lであったが、その後、上昇傾向を 示した後に下降に転じることを繰り返している(平成27年4月に5 90mg/Lを示した後、平成28年3月に190mg/Lまで低減し、その後、再び上昇傾向に転じて同年6月に350mg/Lを示した後、平成29年3月に120mg/Lまで低減している。)。平成30年2月には300mg/Lの濃度が検出されたが、その後低減し、同年8月の濃度は53mg/Lであった。(以上につき甲A23、井戸の深度 につき乙A60・3の15頁)(ウ) モニタリング井戸3モニタリング井戸3での塩化物イオンの濃度は、平成25年10月以降、特異な上昇はみられておらず、平成30年8月の濃度は15mg/Lであった(甲A23)。 (エ) 地下水集水ピット地下水集水ピットでの塩化物イオンの濃度は、若干の変動はあ 0月以降、特異な上昇はみられておらず、平成30年8月の濃度は15mg/Lであった(甲A23)。 (エ) 地下水集水ピット地下水集水ピットでの塩化物イオンの濃度は、若干の変動はあるものの、100mg/Lを超えることはなく、平成30年8月の濃度は81mg/Lであった(甲A23)。 (5) 第Ⅱ期埋立地の構造、設備等 第Ⅱ期埋立地は、平成25年1月に運用が開始されたが、第Ⅰ期漏えい事故を踏まえた種々の対策が講じられた。 すなわち、第Ⅱ期埋立地の基本的な構造や設備は、第Ⅰ期埋立地と同様であるが、①保有水等集排水管の本管の管径は、人が直接に入って管理することができるよう1000㎜に拡大され、②保有水等集排水管の維持管理の ための管理用竪坑とこれに近接する竪型集排水管が設置され、③高さ10m(埋立層4層)ごとに中段集排水管(葉脈状の支管であり、竪型集排水管に接続されていて、集水された保有水は最下層にある本管に導水される。)が設けられたほか、④第Ⅰ期埋立地でも設けられていた土堰堤の内側法尻の二重の遮水シートに加え、底面にも一重の遮水シートが敷設され、併せて、 法尻の外周部の遮水工の末端にある遮水工の固定工の嵩上げがされ、また、 ⑤不透水層が形成されないよう混合埋立てを行うものとされ、受入廃棄物を事前に配車調整して、当日の受入品目が偏らないよう調整するものとされた(甲A1の2・53~55頁、A1の3・32頁、乙A49)。 第Ⅱ期埋立地では、保有水の漏えいや水位の上昇といった事態はみられていない(甲A1の2・55頁、乙B2・5頁、証人A・6頁、証人B・7 1頁)。 (6) 本件変更許可申請における第Ⅲ期埋立地の構造、設備等本件変更許可申請では、第Ⅱ期埋立地で講じられた種々の い(甲A1の2・55頁、乙B2・5頁、証人A・6頁、証人B・7 1頁)。 (6) 本件変更許可申請における第Ⅲ期埋立地の構造、設備等本件変更許可申請では、第Ⅱ期埋立地で講じられた種々の対策を引き継ぐものとされたほか、調整池に面する貯留堰堤の埋立地側背面の排水機能の強化等が図られた(甲A1の2・56~58頁)。 本件変更許可申請における第Ⅲ期埋立地の基本的な構造や設備等は、以下のとおりである(争点に関係するもののみ摘示する。)。 ア遮水工遮水工のうちの遮水層については、下部から順に以下のとおりである(甲A1の2・22~29頁、乙A8の1、A66、A67、弁論の全趣 旨(被告準備書面(2)2~3頁))。 なお、これらの遮水層の構造は、第Ⅰ期埋立地及び第Ⅱ期埋立地と同様である(当事者間に争いがない。)。 ① ベントナイト改良層(厚さ500㎜)埋立地の底面部については、粘土鉱物の一種であるベントナイトと 土を混合して転圧した不透水性の層を設ける。 ② 短繊維不織布(厚さ10㎜)埋立処分に用いる車両の走行又は作業による衝撃その他の負荷により二重の遮水シートが同時に損傷することを防止する層として短繊維不織布を設ける。 ③ 自己修復シート(厚さ4㎜) 基準省令には規定がないが、破損した遮水シートから保有水が浸出した際に浸出水を吸収して遮水層を形成する層として、ポリエステル長繊維不織布にポリエチレン樹脂をコーティングし、紙おむつ等の吸収材として使用されている高吸収性樹脂を間に閉じ込めた構造となっている自己修復シートを設ける。 ④ 下面遮水シート(厚さ1.5㎜)物性や施工性、安全性、耐久性を総合的に評価した結果、50年の耐用年数を有する遮水シ 性樹脂を間に閉じ込めた構造となっている自己修復シートを設ける。 ④ 下面遮水シート(厚さ1.5㎜)物性や施工性、安全性、耐久性を総合的に評価した結果、50年の耐用年数を有する遮水シートとして、低密度ポリエチレンシートを設ける。 ⑤ 漏水検知システム下面電極 基準省令には規定がないが、漏水を検知するためのものとして、検知用電極をメッシュ状に配置する層を設ける。漏水があった場合に生ずる電圧の変化を管理棟のコンピュータで監視して、漏水を検知する仕組みとなっている。 ⑥ 短繊維不織布(厚さ10㎜) 上記②と同様である。 ⑦ 上面遮水シート(厚さ1.5㎜)上記④と同様である。 ⑧ 漏水検知システム上面電極上記⑤と同様である。 ⑨ 短繊維不織布(厚さ10㎜)上記②と同様である。 イ土堰堤廃棄物の流出を防止するための土堰堤は、土砂を転圧した盛土によるものとされ、基準省令1条1項4号イ所定の構造耐力上の安全を備える (甲A1の2・18、19頁、乙A65、前記前提事実(2)ウ)。 なお、土堰堤は、埋立地の一部を構成するものとは位置付けられていなかったが、土堰堤の内側法面と底面に二重の遮水シートを敷設するものとされた。また、土堰堤の遮水工の安全性を高めるため、土堰堤側から順に、①遮水シートを防護する機能を持つ畳や山砂等の保護層、②遮水シートの防護のための不織布、③上面遮水シート、④②と同様の不織布、⑤下 面遮水シート、⑥②と同様の不織布という二重シート構造が採用されている。(甲A1の2・13、28、29頁)ウ保有水等集排水設備第Ⅱ期埋立地で講じられた対策(前記(5)①ないし④)を引き継ぎ、これと同様の 不織布という二重シート構造が採用されている。(甲A1の2・13、28、29頁)ウ保有水等集排水設備第Ⅱ期埋立地で講じられた対策(前記(5)①ないし④)を引き継ぎ、これと同様のものとする(甲A1の2・32、33、53~55頁、乙A7 1、A72)。 エ調整池の容量等第Ⅲ期埋立地における埋立ての進捗状況に応じた各ステップ(ステップ1からステップ3)の水収支計算に基づいて、調整池の容量等が計算されている。本件許可変更申請に記載されている水収支計算の詳細は、以下 のとおりである(甲A1の2・33、34、資Ⅱ-1~7頁、A7)。 (ア) 降水量埋立期間と同期間である直近40年間の近傍の降水量データのうち、年間降雨量が最大の平成元年(年間降水量2891㎜)と月間降雨量が最大の平成16年(月間降水量797㎜)のそれぞれの日降水量時系列 (実際の日々の降水量)を用いる(乙A40、A43)。 (イ) 浸出係数a ステップ1ステップ1は、第Ⅰ期埋立地につき運用停止中、第Ⅱ期埋立地につき埋立終了済み、第Ⅲ-1期埋立地につき運用中の状態を想定したも のであり、各埋立地の浸出係数は以下のとおりである(甲A1の2・ 資Ⅱ-2頁)。 ① 第Ⅰ期埋立地「埋立中区画」(正しくは「既埋立区画平坦天端」を意味する。)につき0.8、「既・未埋立区画」(正しくは「既埋立区画法面」を意味する。甲A1の2・資Ⅱ―2頁(表2、図1)参照)につき、 0.3。 なお、埋立中区画の浸出係数は、施設の安全性に配慮して蒸発散の少ない冬場を考慮し0.8と設定(第Ⅰ期埋立地建設時は0.5)し、埋立完了後の浸出係 1)参照)につき、 0.3。 なお、埋立中区画の浸出係数は、施設の安全性に配慮して蒸発散の少ない冬場を考慮し0.8と設定(第Ⅰ期埋立地建設時は0.5)し、埋立完了後の浸出係数は、第Ⅰ期及び第Ⅱ期埋立地の建設時は不透水性材料で造成された斜面であることから0.3としていた が、第Ⅱ期埋立地以降は土堰堤底面に遮水シートを敷設する埋立管理を実施しているため、埋立法面には浸透がないが安全を見て0.1として計算されており、また、埋立地天端の完了面は従前どおり0.3として計算されている(甲A7・9-3頁参照)。 ② 第Ⅱ期埋立地 「埋立中区画」(正しくは「既埋立区画平坦天端」を意味する。 被告準備書面(10)・22~23頁参照)につき0.3、「既・未埋立区画」(正しくは「既埋立区画法面」を意味する。甲A1の2・資Ⅱ―2頁(表2、図1)参照)につき0.1。 ③ 第Ⅲ-1期埋立地 埋立中の区画につき0.8。 b ステップ2ステップ2は、第Ⅲ-1期埋立地が埋立終了となって、第Ⅲ-2期埋立地の運用が開始され、同埋立地の高さが貯留堰堤の高さである標高170mとなった状態を想定したものであり、各埋立地の浸出係 数は以下のとおりである(甲A1の2・資Ⅱ-4頁)。 ① 第Ⅰ期埋立地ステップ1に同じ。 ② 第Ⅱ期埋立地ステップ1に同じ。 ③ 第Ⅲ-1期埋立地 「埋立中区画」(正しくは「既埋立区画平坦天端」を意味する。 甲A1の2・資Ⅱ―4頁(表4、図2)参照)につき0.3、「既・未埋立区画」(正しくは「既埋立区画法面」を意味する。甲A1 「埋立中区画」(正しくは「既埋立区画平坦天端」を意味する。 甲A1の2・資Ⅱ―4頁(表4、図2)参照)につき0.3、「既・未埋立区画」(正しくは「既埋立区画法面」を意味する。甲A1の2・資Ⅱ―4頁(表4、図2)参照)につき0.1。 ④ 第Ⅲ-2期埋立地 埋立中の区画につき0.8、「既・未埋立区画」(正しくは「未埋立区画」を意味する。甲A1の2・資Ⅱ―4頁(表4、図2)参照)につき0.1。 c ステップ3ステップ3は、第Ⅲ-2期埋立地の運用が更に進み、同埋立地の高 さが標高205mとなった状態を想定したものであり、各埋立地の浸出係数は以下のとおりである(甲A1の2・資Ⅱ-6頁)。 ① 第Ⅰ期埋立地ステップ1に同じ。 ② 第Ⅱ期埋立地 ステップ1に同じ。 ③ 第Ⅲ-1期埋立地ステップ2に同じ。 ④ 第Ⅲ-2期埋立地埋立中の区画につき0.8、「既埋立区画」(正しくは「未埋立区 画」及び「既埋立区画法面」を意味する。甲A1の2・資Ⅱ-6頁 (表6、図3)参照))につき0.1。 (ウ) 調整池の容量等調整池の容量は、ステップ1では既存の調整池の設計上の容量である3万㎥、ステップ2以降では新たに設置する調整池の設計上の容量である1万5000㎥を加算した4万5000㎥とし、浸出液処理設 備の1日当たりの処理量は、ステップ1では既存の浸出液処理設備の480㎥、ステップ2以降では新たに設置する浸出液処理設備の320㎥を加算した800㎥とした上で、直近40年間の降雨実績(前記(ア))による検証計算を行った結果、全てのケースで安全性が 液処理設備の480㎥、ステップ2以降では新たに設置する浸出液処理設備の320㎥を加算した800㎥とした上で、直近40年間の降雨実績(前記(ア))による検証計算を行った結果、全てのケースで安全性が確認された(甲1の2・33、資Ⅱ-1、2、4、6頁、甲A7・9-4、5頁)。 オ浸出水処理後の排水第Ⅲ期埋立地の保有水は、新たに設置する浸出液処理設備が稼働するまでは既存の浸出液処理設備で処理し、新たな浸出液処理設備の稼働後は当該設備で処理する。 そして、既存の浸出液処理設備は、重金属等の有害な物質を除去するこ とができる設備を備えており、新たに設置する浸出液処理設備では、更にカルシウム除去設備や脱塩処理設備も設けるものとされ、これらの浸出液処理設備は、排水を排水基準(基準が複数あるものにあっては、そのうち最も厳しいもの。)に適合させることができるものとされている。(以上につき甲A1の2・31、35~39、資Ⅲ-2~5頁) カ埋立方法第Ⅱ期埋立地で講じられた対策を引き継ぎ、同様に混合埋立てを行う(甲A1の3・32頁)。 (7) 本件変更許可申請における資金計画ア新井総合は、本件変更許可申請において、施設の変更及び維持管理に要 する資金の総額及び調達方法を記載した書類(資金総額調達書。甲A13 の1)や、事業収支計画書とこれと併せて作成された資金計画書(甲A16)のほか、貸借対照表や損益計算書(甲A14、乙A35)、納税証明書(甲A15)等を申請書に添付し、あるいは追加で提出した。 イ資金総額調達書によれば、本件変更許可申請に係る事業の開始に要する資金の総額は145億8000万円であり、その内訳は土木工事が1 27億6560万円、水処理工事が18億1440万円であり、 イ資金総額調達書によれば、本件変更許可申請に係る事業の開始に要する資金の総額は145億8000万円であり、その内訳は土木工事が1 27億6560万円、水処理工事が18億1440万円であり、その全額を借入れにより調達するとされている(甲A13の1)。 調達方法については、株式会社C銀行を幹事銀行とするシンジケートローンによることとされ、シンジケートローンの組成や融資を確約するものではないが、同銀行が総額150億円のシンジケートローンの組成 を検討する意向を表明する旨の「君津環境整備センター第Ⅲ期増設計画に係る融資検討に係る意向表明書」と題する書面が本件変更許可申請書に添付されていた(甲A13の2)。 ウ事業収支計画書とこれと併せて作成された資金計画書には、各年度における借入残高や年間返済額(支払利息や借入金償還額)、借入金の償還 を予定する期限等のほか、埋立終了から廃止までに要する経費や維持管理積立金等が記載されている。 収支については、単年度で赤字を計上する年もあるものの、資金累計収支で赤字となることはなく、最終的には114億5074万9000円の黒字が見込まれるとされている。(以上につき甲A16) エ貸借対照表等は、追加で提出されたものを併せて、本件変更許可処分の直前5年の事業年度(39~43期)のものが提出された。 自己資本比率は、直前の事業年度(43期)で約22.4%であり、損益についても、直前3年の事業年度(41~43期)の経常利益はいずれも黒字となっている。(以上につき甲A14、乙A35) (8) 本件変更許可処分等 ア処分行政庁は、その当時における第Ⅰ期漏えい事故の調査結果とそれへの対策や効果の状況を踏まえ、第Ⅰ期埋立地の土堰堤の法尻付近からの浸出 (8) 本件変更許可処分等 ア処分行政庁は、その当時における第Ⅰ期漏えい事故の調査結果とそれへの対策や効果の状況を踏まえ、第Ⅰ期埋立地の土堰堤の法尻付近からの浸出水の漏えいや、埋立地内部の保有水の水位が高いことに対する対策を今後とも継続しつつ、その効果の検証を継続していくとの前提で、本件変更許可申請についての審査をした(乙B1の2・19~20頁、証人 A・13、41頁)。 そして、処分行政庁は、本件変更許可申請の申請書及び所定の添付書類に基づき、本件変更許可申請が廃棄物処理法所定の許可の基準を満たすものであると判断して、平成30年8月6日、本件変更許可処分をした(甲A2)。 イ新井総合は、その後、シンジケートローンにより、複数の金融機関から順次融資を受けて第Ⅲ期埋立地の建設工事を進め、令和2年2月4日からは第Ⅲ-1期埋立地の運用を、令和4年12月21日からは第Ⅲ-2期埋立地の運用をそれぞれ開始した(乙B1の2・7頁、B2・11頁)。 2 原告適格(争点1)について (1) 行政事件訴訟法9条は、取消訴訟の原告適格について規定するが、同条1項にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され、又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうところ、産業廃棄物の最終処分場の周辺に居住する住民のうち、当該最終処分場から有害な物質が排出 された場合にこれに起因する大気や土壌の汚染、水質の汚濁、悪臭等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は、当該最終処分場の設置の許可処分及び許可変更処分の取消し及び無効確認を求めるにつき法律上の利益を有する者として、その取消訴訟における原告 は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は、当該最終処分場の設置の許可処分及び許可変更処分の取消し及び無効確認を求めるにつき法律上の利益を有する者として、その取消訴訟における原告適格を有するものというべきである。 そして、産業廃棄物の最終処分場の周辺に居住する住民が、当該最終処分 場から有害な物質が排出された場合にこれに起因する大気や土壌の汚染、水質の汚濁、悪臭等により健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者に当たるか否かは、当該住民の居住する地域が上記の著しい被害を直接的に受けるものと想定される地域であるか否かによって判断すべきものと解され、当該住民の居住する地域がそのような地域で あるか否かについては、産業廃棄物の最終処分場の種類や規模等の具体的な諸条件を考慮に入れた上で、当該住民の居住する地域と当該最終処分場の位置との距離関係を中心として、社会通念に照らし、合理的に判断すべきものである。 しかして、廃棄物処理法15条3項は、産業廃棄物の最終処分場の設置に 係る許可及び変更の申請に際して、当該最終処分場の設置が周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類(環境影響調査報告書)を申請書に添付しなければならない旨を規定しているところ、当該最終処分場の設置が周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の対象とされる地域は、最終処分場からの有害な物質の排出に起因する大気や 土壌の汚染、水質の汚濁、悪臭等がその周辺の一定範囲の地域に広がり得る性質のものであることや、上記の環境影響調査報告書に記載されるべき調査の項目と内容及び調査の対象とされる地域の選定の基準等に照らせば、一般に、当該最終処分場の種類や規模及び埋立ての対象とされる産業廃棄物等の であることや、上記の環境影響調査報告書に記載されるべき調査の項目と内容及び調査の対象とされる地域の選定の基準等に照らせば、一般に、当該最終処分場の種類や規模及び埋立ての対象とされる産業廃棄物等の種類等の具体的な諸条件を踏まえ、その設置により生活環境に影響 が及ぶおそれのある地域として上記の調査の対象に選定されるものであるということができる。(以上につき、最高裁平成4年9月22日第三小法廷判決・民集46巻6号571頁、最高裁平成26年7月29日第三小法廷判決・民集68巻6号620頁参照)。 (2) これを本件についてみると、本件変更許可申請書に添付された本件環境 影響調査書は、環境影響調査の項目として、大気質や騒音、振動、悪臭等の ほか、河川水の水質及び水底の底質や地下水の水質及び水位を挙げており、このうち、河川水の水質及び水底の底質については、御腹川に沿って御腹川が小櫃川に合流する地点(本件処分場の北側ないし北西方向)までの直線距離にして概ね10㎞圏内が調査対象区域とされ、また、地下水の水質や水位については、本件処分場の東方向(北東、東及び南東)を除き、本件処分場 から北西端の地点まで概ね10㎞圏内と、南から南西の概ね3㎞圏内が調査対象区域とされ、大気質、騒音及び振動に関する環境影響調査の予測対象地点はこの調査対象区域に含まれるものであり、悪臭の調査対象区域(本件処分場の周辺200m)もこれに含まれるものである(前記認定事実(2))。 そして、本件処分場は、燃え殻や汚泥、廃プラスチック類、紙くず、木く ず、繊維くず、動植物性残さ、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ばいじん等を埋立ての方法で処理する管理型最終処分場であり、本件変更許可申請は、従前 ず、繊維くず、動植物性残さ、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ばいじん等を埋立ての方法で処理する管理型最終処分場であり、本件変更許可申請は、従前の埋立容量200万2260㎥を420万9640㎡へと大きく増加させるものであった上、本件処分場は、御腹川の源流に位置し、浸出水を処理した後は地下水を 含めて排水を御腹川に放流する構造であること(前記前提事実(2)ア、イ、同(4)イ)、前記(1)のとおり、環境影響調査報告書において、当該最終処分場の設置が周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の対象とされる地域は、一般に、当該最終処分場の種類や規模及び埋立ての対象とされる産業廃棄物等の種類等の具体的な諸条件を踏まえ、その設置により生活環境に影 響が及ぶおそれのある地域として上記の調査の対象に選定されるものであることに鑑みれば、河川水の水質及び水底の底質や地下水の水質及び水位の調査対象区域である本件処分場の北から西の方角の10㎞圏内及び南から南西の3㎞圏内に居住等する原告らについては、本件処分場から有害な物質が排出された場合にこれに起因する水質の汚濁等により健康又は生活環境に係 る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者に当たると認めるのが相当 である。そして、ここでいう居住等については、自宅の住所の所在地のみならず、水質の汚濁等の影響を直接的に受ける農業、酒蔵(日本酒)等の事業所の所在地もこれに含まれる。 (3) 原告らは、環境影響調査報告の調査対象地域に居住等していない原告らであっても、①地下水を取水源とする井戸を飲用水ないし生活用水として利 用した場合、汚染水を体内に取り込んで健康被害を受けるおそれがある、②汚染水が混入した河川水を水稲栽培などの農業 ない原告らであっても、①地下水を取水源とする井戸を飲用水ないし生活用水として利 用した場合、汚染水を体内に取り込んで健康被害を受けるおそれがある、②汚染水が混入した河川水を水稲栽培などの農業に利用した場合、その農作物を飲食することで汚染物質を体内に取り込んで健康被害を受けるおそれがあり、また、農作物の枯死等により事業を営むことができなくなるおそれがある、③水道水の取水源は小櫃川沿いに設けられた大寺浄水場であるから、水 道水を利用した場合、御腹川を介して小櫃川に流入した汚染水を取り込んで健康被害を受けるおそれがある、④本件処分場から有害な物質が排出された場合、その職業ないし営む事業について、風評被害を受けるおそれがある旨主張する。 本件処分場は、御腹川の源流に位置し、浸出水を処理した後は地下水を含 めて排水を御腹川に放流する構造であることは前示のとおりであり、このため、本件環境影響調査書では、河川水及び水底の調査においては、御腹川に沿って御腹川が小櫃川に合流する地点までの環境影響調査が実施されているが(前記認定事実(2)ウ)、汚染物質は水による希釈効果があるから、御腹川が小櫃川と合流する地点を超えた本件環境影響調査の調査対象区域外の原告 らについては、本件処分場から排水される汚染水によって健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがある者であると認めることは困難である(なお、念のため説示すると、大寺浄水場は、本件処分場から直線で20㎞程度の距離があると認められるから、大寺浄水場を取水源とする水道を利用していることを理由として、健康又は生活環境に係る著しい被害を 直接的に受けるおそれがあると認めることは困難である。)。 また、地下水については、河川水とは異なり、汚染物質の希 していることを理由として、健康又は生活環境に係る著しい被害を 直接的に受けるおそれがあると認めることは困難である。)。 また、地下水については、河川水とは異なり、汚染物質の希釈効果は期待することができないものの、本件環境影響調査書では、本件処分場の周辺の「想定地質断面図」及び地下水の流動方向等を踏まえ、本件処分場の東方向(北東、東及び南東)を除いた調査対象区域(本件処分場から北西端の地点までの距離は直線で10㎞弱、南端の地点までの距離は直線で2㎞程度、南 西端の地点までの距離は直線で3㎞程度であり、久留里地区の湧水群は含まれている。)における地下水の水質及び水位の調査が実施されているが(前記認定事実(2)エ)、この調査対象区域外に汚染された地下水の到達する可能性やその状況等に関しては、原告らが提出する種々の意見書(甲C6、12~14、22)によっても明らかではない(久留里地区の湧水群の地下水の影 響や浦田地区(これは本件環境影響調査の調査対象区域に含まれる。)に汚染された地下水が到達する可能性を指摘するにとどまる。)。そうすると、本件環境影響調査書における地下水の水質及び水位に関する調査対象区域外に居住等する原告らについて、地下水が汚染されたことによる健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあると認めることは困難である。 (4) 被告は、①本件変更許可申請では、第Ⅲ期埋立地から保有水が浸出しても、埋立地外に漏えいしない計画となっており、本件処分場から有害な物質が外部に排出されることはないから、原告らが本件処分場の有害な物質に起因する被害を受けるおそれはない、②調査対象地域に居住する原告らであっても、井戸水を飲用に利用していない者や水道水を利用することが可能である者に つ いから、原告らが本件処分場の有害な物質に起因する被害を受けるおそれはない、②調査対象地域に居住する原告らであっても、井戸水を飲用に利用していない者や水道水を利用することが可能である者に ついては、本件処分場からの有害な物質に起因して著しい被害を直接に受けるおそれのある者に当たらない旨主張する。 しかし、上記①については、本件変更許可申請が廃棄物処理法やこれを受けた基準省令所定の基準を満たすこと等を理由に有害な物質が本件処分場外に排出されるおそれはない旨をいうものと解されるが、原告適格の有無は、 有害な物質が排出されたと仮定して、その場合に原告らがこれに起因した被 害を受けるおそれがあるか否かを判断するものである。被告が主張するところは本案の問題にほかならず、その主張するところをもって原告適格が否定されるものとはいえない。 また、調査対象地域の多くを占める久留里地区では、広く井戸が利用されており(なお、本件環境影響調査書でもこれを前提とした環境影響調査を実 施している(前記認定事実(2)エ)。)、その井戸水は様々な用途で活用されている(甲C21)というのであるから、調査対象地域に居住する者であれば、自宅では井戸水を飲用水や生活用水に現に利用していなくとも、自宅を離れた日常生活の様々な場面で井戸水に接する機会があり得ることはいうまでもなく(このことは、例えば、停電時に水道水が利用できないため、付近の井 戸水を利用することが想定される(原告番号33本人・11頁)。)、そうであれば、調査対象地域に居住する原告らについては、日常的に井戸水を飲用水として利用しているかとか、水道水の利用が可能であるかといった事情にかかわらず、本件処分場から有害な物質が排出された場合、これに起因して著しい健康又は生活環境 告らについては、日常的に井戸水を飲用水として利用しているかとか、水道水の利用が可能であるかといった事情にかかわらず、本件処分場から有害な物質が排出された場合、これに起因して著しい健康又は生活環境に係る被害を直接に受けるおそれのある者に当たると 認めるのが相当であり、上記②についても理由がない。 (5) これまで説示したところを踏まえると、本件環境影響調査書の調査対象地域に居住等する原告ら、すなわち、別紙原告及び居住状況等一覧表の「処分場(外周部)から自宅までの距離(㎞)」欄及び「利用する田畑・酒蔵・事業所等の処分場(外周部)からの距離(㎞)」欄記載の距離が概ね10㎞以内で あり、かつ、「処分場を基点とした自宅の方角」及び「処分場を基点とした利用する田畑・酒蔵・事業所等の方角」が「東」又は「北東」でない原告らについては、本件変更許可処分の取消しを求める原告適格を有するものと認めることができる。 そうすると、原告番号1、5、6、8、9、11~13、15、28、2 9、41、43、44、48~50、52、55、59、61、62、69、 70、72、73、76、83~85、87、88、93、95、96、98、100、105、106、108、113~115、119、122、134、139、143~146及び151については、原告適格を有するものと認めることはできないから、これらの原告らの訴えは不適法であり、却下されるべきである。 3 遮水工の基準適合性(基準省令1条1項5号イ)(争点2)(1) 基準適合性ア本件変更許可申請は、廃棄物処理法15条の2の6第1項の規定に基づいて、既存の廃棄物処理施設である本件処分場についての変更の許可を求めるものであり、同条2項が準用する15条の2第1項1号が規定す ア本件変更許可申請は、廃棄物処理法15条の2の6第1項の規定に基づいて、既存の廃棄物処理施設である本件処分場についての変更の許可を求めるものであり、同条2項が準用する15条の2第1項1号が規定する技 術上の基準に適合していることを要する。そして、同号が規定する技術上の基準については基準省令がこれを定めているところ、管理型最終処分場である本件処分場については、基準省令2条1項4号が準用する1条1項5号が規定する、埋立地からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染を防止するための措置が講じられていることを要し、その措置の一つに同 号イの遮水工がある。遮水工の基準については、基準省令の定めを具体化するものとして、留意事項通知(Ⅰ10)が公布されており、基準省令の適合性についての具体的な技術的事項に関する運用を定めるものであるから、基準省令の適合性の判断に当たっては、留意事項を踏まえて判断するのが相当である(なお、争点3以下における本件変更許可申請の基準省令 の適合性の判断においても同じ。)。 これらの遮水工に係る基準省令の定め及びこれに関する留意事項通知の定めは、別紙一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令/運用に伴う留意事項記載のとおりである。 イしかして、基準省令1条1項5号イは、埋立地には、廃棄物の保有水及 び雨水等の埋立地からの浸出を防止するため、同号(1)ないし(3)の要件を 備えた遮水工を設けることを定める。 (ア) 同号(1)は、(イ)ないし(ハ)のいずれかの要件を備えた遮水層又はこれらと同等以上の遮水層を有することを定めるところ、本件変更許可申請では、本件処分場の遮水層の構造は、不透水性のベントナイト改良層厚さ500mm を敷設するとされ いずれかの要件を備えた遮水層又はこれらと同等以上の遮水層を有することを定めるところ、本件変更許可申請では、本件処分場の遮水層の構造は、不透水性のベントナイト改良層厚さ500mm を敷設するとされており(前記認定事実(6)ア①)、基準省令 1条1項5号イ(1)(イ)所定の層に当たる(留意事項通知Ⅰ10(三)参照)。 また、本件変更許可申請では、二重の遮水シートの表面に短繊維不織布(埋立処分に用いる車両の走行又は作業による衝撃その他の負荷により二重の遮水シートが同時に損傷することを防止する。厚さ10㎜)を敷設し、その遮水シートはアスファルト系以外の低密度ポリエチレンシ ートで厚さは1.5㎜とされ、遮水シートの素材は、物性、安全性、耐久性等を総合的に評価して選択されており(前記認定事実(6)ア②、④、⑥、⑨)、基準省令1条1項5号(1)(ハ)所定の遮水層の要件も満たす(留意事項Ⅰ10(五)、(六)参照)。 その他、遮水層として、基準省令及び留意事項通知の要件とはされて いないが、本件変更許可申請では下面遮水シートの下層に自己修復シート(前記認定事実(6)ア③)が設けられているほか、漏水検知システム(前記認定事実(6)ア⑤、⑧)も設けられている。 (イ) 同号(2)は、基礎地盤は、埋め立てる廃棄物の荷重その他予想される負荷による遮水層の損傷を防止するために必要な強度を有し、かつ、遮水 層の損傷を防止することができる平らな状態であることを定めるところ、本件変更許可申請では、基礎地盤の支持力が埋立荷重を上回ること(甲A1の12・16~17頁、乙A65)、基礎地盤の沈下量の予測を行い、遮水シートを損傷しないこと(乙A66)、基礎地盤は平らな状態であること(甲A1の12・23~24頁、乙A67)がそれぞ こと(甲A1の12・16~17頁、乙A65)、基礎地盤の沈下量の予測を行い、遮水シートを損傷しないこと(乙A66)、基礎地盤は平らな状態であること(甲A1の12・23~24頁、乙A67)がそれぞれ確認されて おり、これらの荷重計算や沈下量の予測等について原告らから特段の指 摘はない。本件変更許可申請に係る基礎地盤は、基準省令1条5号(2)の要件に適合する。 (ウ) 同号(3)は、遮水層の表面を、日射によるその劣化を防止するために必要な遮光の効力を有する不織布又はこれと同等以上の遮光の効力及び耐久力を有する物で覆うことを定めるところ、本件変更許可申請では、埋 立地法面の第1層目の短繊維不織布は、日射による劣化を防止するために設けることとされており(甲1の2・24頁、乙A66)、同号(3)に適合する。 ウ以上のとおり、本件変更許可申請における第Ⅲ期埋立地の遮水工は、基準省令1条1項5号イに適合する。 (2) 原告らの主張について原告らは、第Ⅰ期漏えい事故の原因が遮水工の破損にあることを前提に、第Ⅰ期埋立地と同じ構造である第Ⅲ期埋立地の遮水工についても同様に破損のおそれがあるから、第Ⅲ期埋立地の遮水工は基準省令の定める技術上の基準に適合しない旨主張する(前記第4の2(1)イ)。 しかし、ここで問題となっているのは、第Ⅲ期埋立地の遮水工が基準省令の定める技術上の基準に適合するか否かであって、第Ⅰ期漏えい事故の原因ではない。原告らは、第Ⅲ期埋立地の遮水工に関していかなる点が基準省令の定めるいかなる基準に適合していないかについて具体的に指摘するものではない。この点を措くとしても、後記8のとおり、第Ⅰ期漏えい事故の原因 は、遮水工の破損によるものではなく、原告らの主張はその前提を欠くもの 基準に適合していないかについて具体的に指摘するものではない。この点を措くとしても、後記8のとおり、第Ⅰ期漏えい事故の原因 は、遮水工の破損によるものではなく、原告らの主張はその前提を欠くものである。 (3) 小括以上のとおり、本件変更許可申請における第Ⅲ期埋立地における遮水工は、基準省令1条1項5号イの各要件に適合するものであるから、本件変更許可 処分について同号に規定する技術的基準に適合しないのに許可された違法な 処分である旨の原告らの主張は理由がない。 4 土堰堤の遮水工の基準適合性(基準省令1条1項5号イ)(争点3)(1) 土堰堤に係る技術上の基準(遮水工の要否)ア本件変更許可申請における土堰堤は、廃棄物の流出を防ぐ堤防の役割を果たす、土砂を転圧した盛土であるが(前記認定事実(6)イ)、基準省令2 条1項4号が準用する1条1項4号は、廃棄物の流出を防止するための擁壁、えん堤その他の設備(擁壁等)について、同号イ所定の構造耐力上の安全性や同号ロ所定の腐食防止の措置を求めるものの、遮水工を設けることは求めていない。 他方、基準省令1条1項5号イは、埋立地(埋立処分の場所をいう。基 準省令1条1項1号)からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染を防止するための措置として遮水工を設けることを定める。すなわち、同号は、廃棄物の保有水及び雨水等が埋立地から浸出して公共の水域及び地下水を汚染することを防止するための措置として、埋立地とこれに接する基礎地盤との間を遮断する構造としての遮水工を設けることを求めたもの と解される。こうした解釈は、同号イ(1)柱書、同(1)(ハ)及び同号イ(2)において、遮水工が敷設される場所が地盤(基礎地盤)であることを前提とした規定をしているこ 設けることを求めたもの と解される。こうした解釈は、同号イ(1)柱書、同(1)(ハ)及び同号イ(2)において、遮水工が敷設される場所が地盤(基礎地盤)であることを前提とした規定をしていることからも裏付けられる。 留意事項通知Ⅰ5は、擁壁等が埋立地の一部を構成する場合には、保有水等の擁壁等からの浸出を防止するために基準省令1条1項5号イ(1)の 遮水層と同等の遮水の機能を有する必要がある旨を明らかにしているが、上記の解釈を前提とすれば、擁壁等には原則として遮水工を設ける必要がないものの、擁壁等が基礎地盤と一体となって埋立地の一部を構成している場合には、基準省令1条1項5号イにいう埋立地に当たるものとして、保有水等が埋立地から浸出することを防止するために、遮水工を設ける必 要があるというべきである。 イこれを本件についてみると、第Ⅲ期埋立地の土堰堤の設置状況を示した模式図は別紙図面1のとおりであり(前記前提事実(2)ウ)、第Ⅲ期埋立地の土堰堤は、基礎地盤と一体となっておらず、埋立地の一部を構成するものでないことは明らかである。 したがって、第Ⅲ期埋立地の土堰堤については、遮水工の設置が基準省 令によって求められているということはできない。 (2) 原告らの主張について原告らは、①本件処分場の土堰堤は、公共の水域及び地下水の汚染を防止するための重要な構造の一部であるから、土堰堤にも遮水工が設けられるべきである、②本件処分場の土堰堤は埋立処分に必須の構造であるから、埋 立地の一部を構成するというべきである、③留意事項通知や被告の指導要綱も、土堰堤に遮水工を設けることを定めている旨主張する(前記第4の3(1)ア)。 しかし、ここで問題となっている土堰堤は、廃棄物の流出を防ぐ堤防の役割を べきである、③留意事項通知や被告の指導要綱も、土堰堤に遮水工を設けることを定めている旨主張する(前記第4の3(1)ア)。 しかし、ここで問題となっている土堰堤は、廃棄物の流出を防ぐ堤防の役割を果たす、土砂を転圧した盛土であり、いわゆる擁壁等に当たるものであ り、埋立地の一部を構成するものではないため、基準省令1条1項5号イの要件適合性が問題とはならず、留意事項通知Ⅰ5は、原告らの主張を裏付けるものではないことは、前記で説示したとおりである。 なお、原告らが指摘する指導要綱(基準第4-4-(1)ハ))(甲A54~56)には、「第4の2-(5)~(7)の規定により築造し、しゃ水工を施すこ と。」とあるが、これは土堰堤に遮水工を施す必要がある場合について、基準第4の2(5)~(7)に記載の基準によって土堰堤を築造し、遮水工を施すものとしているにすぎず、土堰堤には必ず遮水工を施す必要があることを規定したものではない(被告準備書面(13)8~9頁参照)。 原告らの主張は、いずれも理由がない。 (3) 小括 以上のとおり、土堰堤には基準省令1条1項5号イに規定する遮水工を設けることは要求されていないから、これがあることを前提として、本件変更許可処分について、土堰堤の遮水工の審査を欠いてされた違法があるとする原告らの主張は理由がない。 5 保有水等集排水設備の基準適合性(基準省令1条1項5号ニ)(争点4) (1) 基準適合性基準省令2条1項4号が準用する1条1項5号ニは、保有水を有効に集め、速やかに排出することができる堅固で耐久力を有する構造の管渠その他の集排水設備(保有水等集排水設備)を設けることを定めており、留意事項通知Ⅰ15は、集排水設備としては、管渠等を埋立地の底面に敷設する等 排出することができる堅固で耐久力を有する構造の管渠その他の集排水設備(保有水等集排水設備)を設けることを定めており、留意事項通知Ⅰ15は、集排水設備としては、管渠等を埋立地の底面に敷設する等 の工夫がとられるが、埋立地の地形条件、保有水等の流出量等を考慮に入れて施工するとともに、スケール等による断面の縮小にも対応できるように管径を十分に大きくすること等を定めている。 これを本件についてみるに、本件変更許可申請における保有水等集排水設備は、第Ⅱ期埋立地で講じられた保有水等集排水設備の対策が引き継が れており(前記認定事実(6)ウ)、具体的には、第Ⅲ期埋立地の底面に近い最下層に保有水等集排水管の本管が設置され、これにつながるように葉脈状に支管が配置され、それらの支管は高さ10m(埋立層4層)ごとに中段集排水管として幾段にもわたって配置されており、これらの中段集排水管は、竪型集排水管で本管と接続されて、支管で集水された保有水が本管に導水 されて速やかに浸出液処理設備に排出される構造となっており、また、本管の管径は、作業員が直接に管内に入ることができるように1000mm に拡大されている(前記認定事実(5))。 これらの構造及び設備を有する本件変更許可申請における保有水等集排水設備は、基準省令1条1項5号ニの定める基準に適合するものであると 認めることができる(なお、第Ⅲ期埋立地と同様の構造の保有水等集排水設 備が設けられている第Ⅱ期埋立地において、保有水の水位の上昇といった事態はみられていない(前記認定事実(5))。)。 (2) 原告らの主張について原告らは、第Ⅰ期埋立地の保有水の貯留の原因が埋立地内部に不透水層が形成されたことであったならば、第Ⅲ期埋立地でも同様の事態が生ずる可能 性が高く、 ))。)。 (2) 原告らの主張について原告らは、第Ⅰ期埋立地の保有水の貯留の原因が埋立地内部に不透水層が形成されたことであったならば、第Ⅲ期埋立地でも同様の事態が生ずる可能 性が高く、いかに充実した保有水等集排水設備を設けたところで、保有水を有効に集め、速やかに排出することはできないとして、本件変更許可申請における保有水等集排水設備は基準省令の定める技術上の基準に適合しない旨主張する(前記第4の4(1))。 しかし、第Ⅰ期埋立地における保有水の貯留の原因として、埋立地内部に 不透水層が形成されたことにより埋立地内部の保有水を適切に排出することができなかったことによるものであったならば、そこで問題とすべきは、保有水等集排水設備の技術上の基準の適合性ではなく、不透水層が形成されることとなった原因にあるというべきであって、第Ⅰ期埋立地で不透水層が形成されたことをもって、本件変更許可申請における第Ⅲ期埋立地の保有水等 集排水設備の技術上の基準の不適合をいう原告らの主張は当を得ないものである(なお、混合埋立てがされるようになった第Ⅱ期埋立地で保有水の水位の上昇がみられていない(前記認定事実(5))ことからすると、不透水層が形成された主な原因は、第Ⅰ期埋立地における埋立方法に問題があったことがうかがわれる。本件変更許可申請では、第Ⅲ期埋立地でも引き続き混合埋立 ての方法を採るとされている(前記認定事実(6)カ)。)。 (3) 小括以上のとおり、本件変更許可申請における保有水等集排水設備は、基準省令1条1項5号ニの要件に適合するものであるから、本件変更許可処分について同号に規定する技術的基準に適合していないのに許可された違法な処分 である旨の原告らの主張は理由がない。 6 調整池の基準 の要件に適合するものであるから、本件変更許可処分について同号に規定する技術的基準に適合していないのに許可された違法な処分 である旨の原告らの主張は理由がない。 6 調整池の基準適合性(基準省令1条1項5号ホ)(争点5)(1) 基準適合性ア調整池の容量の算出方法(ア) 基準省令2条1項4号が準用する1条1項5号ホは、保有水等集排水設備により集められ、浸出液処理設備に流入する保有水の水量及び 水質を調整することができる耐水構造の調整池を設けることを定めており、留意事項通知Ⅰ16は、調整池の容量について、保有水等集排水設備によって集められる保有水の量、浸出液処理設備の規模等を勘案して設定することを定めているが、具体的な算定方法について言及するところはない。 (イ) 平成22年管理要領は、社団法人全国都市清掃会議(当時。現在は、公益社団法人全国都市清掃会議)が編集及び刊行に係るものである。全国都市清掃会議は、廃棄物処理事業を実施している市町村等が共同してその事業の効率的な運営及びその技術の改善のために必要な調査研究等を行うことにより、清掃事業の円滑な推進を図り、もって住民の生 活環境の保全及び公衆衛生の向上に役立てることを目的として設立された社団法人である。 平成22年管理要領は、調整設備容量(調整池の容量)を算出する方法について、発生した日浸出水量と浸出水処理設備の処理能力(計画流入水量)との間で水量収支を考慮し決定するものとし、水収支計算で用 いる日降水量時系列は、最終処分場の存在する地域の気象台や測候所の埋立期間と同じ期間の直近の年降水量データの最大年及び最大月間降水量が発生した年の日降水量時系列を用いるものとし、両者を比較して最大調整設備容量が大きい方で、かつ、内部 在する地域の気象台や測候所の埋立期間と同じ期間の直近の年降水量データの最大年及び最大月間降水量が発生した年の日降水量時系列を用いるものとし、両者を比較して最大調整設備容量が大きい方で、かつ、内部貯留を生じない規模の浸出水調整設備容量を選択するものとする。 具体的には、平成22年管理要領は、①浸出水発生量を、計算式(Q (1日の浸出水量(㎥/日))=C(浸出係数。雨水が埋立地内に浸透する割合を示す係数)/1000×I(降水量(㎜/日))×A(埋立面積(㎡))で算出し、②Qから浸出液処理設備の1日の処理量(㎥/日)を控除して、③必要となる調整池の容量を時系列で算出するものとしている。 そして、①の計算式で用いる浸出係数については、埋立地の埋立中の区画と覆土を施して表面水を直接排除している埋立終了後の区画とでは自ずと異なるものであり、埋立てを終了した埋立地については、最終覆土の土質や勾配等により異なるが、原則として最終覆土は難透水性の土壌を用いた最終覆土がされること、覆土表面の締固めを行うこと、 覆土表面に勾配を設け、それに応じた雨水排除を行うこと、植生密度が小さいこと等から、概ね埋立中の区画の6割に相当するものとしている。(以上につき甲C10、C11、乙C4、C7)(ウ) 浸出係数については、昭和54年研究があり、同研究では、浸出係数は、埋立中区画が0.4~0.7(標準値0.5)、埋立終了区画が0. 2~0.4(標準値0.3)とされている(乙C6)。 なお、甲A12の意見書では、埋立中区画の浸出係数のうち、東京の9月及び10月の月別浸出係数を0.78としている(他の月のものは証拠として提出されていないため不明であるが、両月は秋雨前線が活発となる時期であるため、梅雨時期(6月、7月) 浸出係数のうち、東京の9月及び10月の月別浸出係数を0.78としている(他の月のものは証拠として提出されていないため不明であるが、両月は秋雨前線が活発となる時期であるため、梅雨時期(6月、7月)を除けば、その他の 月ではこの係数を相当下回ることはたやすく想像することができる。)。 イ水収支の計算の基準適合性(ア) 前記ア(ア)のとおり、留意事項通知は、調整池の容量については、保有水等集排水設備によって集められる保有水の量、浸出液処理設備の規模等を勘案して設定することを定めているが、具体的な算定方法を 定めていない。 平成22年管理要領は、調整設備容量(調整池の容量)を算出する方法について、発生した日浸出水量と浸出水処理設備の処理能力(計画流入水量)との間で水量収支を考慮し決定するものとして、具体的な算式を含めて明らかにしており、この管理要領は、関係団体による調査研究の結果であるところ(前記ア(イ))、本件変更許可申請においても、基本 的にはこの算式に沿って、浸出水調整設備容量(調整池の容量)を検討している(甲A7・9-3頁以下)。 (イ) そして、本件変更許可申請における浸出水調整設備量の水収支計算は、第Ⅲ期埋立地の埋立ての進捗状況に応じたステップ1ないし3に分けた上で、それぞれの段階において、平成22年管理要領に沿って、 埋立期間と同期間である直近40年間の近傍の降水量データのうち、年間降雨量が最大の平成元年と月間降雨量が最大の平成16年のそれぞれの日降水量時系列を用いた水収支計算をしているところ、本件許可申請では、浸出水発生量の計算において、浸出係数について、0.8、0.3、0.1の数値を用いている(前記(6)エ)。 すなわち、本件変更許可申請における浸出水発生量の計 ところ、本件許可申請では、浸出水発生量の計算において、浸出係数について、0.8、0.3、0.1の数値を用いている(前記(6)エ)。 すなわち、本件変更許可申請における浸出水発生量の計算では、①運用が停止されている第Ⅰ期埋立地の「既埋立区画平坦天端」と、現に廃棄物が搬入されて埋立処分がされている区画(ステップ1の第Ⅲ-1期埋立地並びにステップ2及び3の第Ⅲ-2期埋立地)については0.8、②遮水工はないものの、土堰堤その他覆土の処理がされている区画(第 Ⅰ期の「既埋立区画法面」、第Ⅱ期の「既埋立区画平坦天端」、ステップ2の第Ⅲ-1期の「既埋立区画平坦天端」)で0.3、③土堰堤の内側法面と底面に遮水シートが敷設された区画(第Ⅱ期埋立地以降の埋立地の天端を除いた既埋立区画法面)で0.1の各浸出係数が採用されている。 (ウ) 各浸出係数の当否について検討するに、①の浸出係数は、第Ⅰ期埋立 地の申請時点では浸出係数0.5としていたものの、「施設の安全性」を考慮して0.8としたものであり(前記認定事実(6)エ(イ)a①)、昭和54年研究における埋立中の区画における浸出係数を超える数値である。原告らが指摘するところによっても、秋雨前線の影響を受ける時期(9月、10月)の東京の地域における埋立中区間の浸出係数は0. 78であり、1年を通じた埋立中区間はこれを下回ることは明らかである(0.6程度)から、この浸出係数を採用したことに問題点は見当たらない。 次に、②の浸出係数は、昭和54年研究における埋立終了区画の標準値を採用したものである(前記ア(ウ))。平成22年管理要領では、埋立 終了後の区画の浸出係数は、埋立中区画の浸出係数の6割に相当するものとするが(前記ア(イ))、前示のとおり、第Ⅰ期埋立地 値を採用したものである(前記ア(ウ))。平成22年管理要領では、埋立 終了後の区画の浸出係数は、埋立中区画の浸出係数の6割に相当するものとするが(前記ア(イ))、前示のとおり、第Ⅰ期埋立地の「既埋立区画平坦天端」及び第Ⅲ期以降の埋立中区画の浸出係数(0.8)は、「施設の安全性」を考慮して、昭和54年研究における標準値を超える数値を採用したものである(なお、通年でみれば、東京の地域における埋立 中区間の浸出係数は0.6程度である。)ため、埋立中の区画(0.8)の数値を前提として4割を控除しなければ不合理な係数であるとまではいえない。もとより、平成22年管理要領が昭和54年研究の浸出係数の妥当性を積極的に排除していると認めるに足りない。 また、③の浸出係数は、第Ⅱ期埋立地以降の土堰堤の内側法面と底面 に遮水シートが敷設された区画に関するものであり、②の埋立終了区画よりも遮水シートにより埋立地への遮水効果が期待できるから、②の浸出係数よりもさらに減じた数値を採用した点に不合理な点があるとまではいえない。平成22年管理要領でも、埋立中区画の浸出係数から4割を控除する根拠として、この数値はこれまでの実測値ではある が、実際の最終覆土の性質や勾配等により異なることも付記している (甲C10・350頁)。 このように、本件変更許可申請における日浸出水発生量の算定に不合理な点はない。 そして、本件変更許可申請では、この浸出水発生量及び浸出水処理設備の処理能力(ステップ1では480㎥/日、ステップ2以降では80 0㎥/日)を踏まえて、調整池の容量について、ステップ1では既存の調整池の設計上の容量である3万㎥、ステップ2以降では新たに設置する調整池の設計上の容量である1万5000㎥を加算した4万5 0㎥/日)を踏まえて、調整池の容量について、ステップ1では既存の調整池の設計上の容量である3万㎥、ステップ2以降では新たに設置する調整池の設計上の容量である1万5000㎥を加算した4万5000㎥とされたものであり(前記(6)エ(ウ))、本件変更許可申請における調整池は、発生した日浸出水量と浸出水処理設備の処理能力(計画流 入水量)との間で水量収支を考慮し決定されたもの(留意事項通知Ⅰ16)といえるから、本件変更許可申請の調整池は、基準省令1条1項5号ホの基準に適合する。 (2) 原告らの主張についてア原告らは、令和元年秋頃の実際の降雨量を水収支の計算の前提にした上 で、水処理施設は常時完全に機能するとは限らないから、調整池の最大容量は理論値の9割として計算すべきであり、また、埋立を修了した区画の浸出係数については、「埋立中区画」の浸出係数0.8とするのであれば、平成22年管理要領によりその6割に相当する0.48として計算すべきであり、これを基にして算定すれば、各ステップにおいて未処理の浸出水 の量は調整池の容量を実質的に超過する旨主張する(前記第4の5(1)ア)。 しかし、本件変更許可処分は、平成30年8月6日にされたものであるから、本件変更許可処分後の令和元年秋頃の降雨量を前提に水収支を計算して基準省令1条1項5号ホの基準に適合しない旨の原告らの主張は、この時点で当を得ないものである。原告らが指摘する平成22年管理要領に おいても、水収支計算で用いる日降水量時系列は、最終処分場の存在する 地域の気象台や測候所の埋立期間と同じ期間の直近の年降水量データの最大年及び最大月間降水量が発生した年の日降水量時系列を用いるとしているが(前記(1)ア(イ))、原告らは、この 存在する 地域の気象台や測候所の埋立期間と同じ期間の直近の年降水量データの最大年及び最大月間降水量が発生した年の日降水量時系列を用いるとしているが(前記(1)ア(イ))、原告らは、この管理要領に沿って本件変更許可処分前の日降水量時系列を前提として計算した場合に、本件変更許可処分の調整池の容量が不足することについて、具体的な主張立証をしていない。 また、調整池の最大容量を設計値の9割程度として計算しなければならないとすることについては、基準省令及び留意事項はもとより、平成22年管理要領又は昭和54年研究にもこれに沿う記載があることはうかがわれない。なお、本件変更許可申請における水収支の計算において、埋立区画を終了した浸出係数を0.3とした点に不合理な点があるとまではい えないことは、前記(1)イ(ウ)のとおりである。 イその他、原告らは、スライドゲートの存否についても言及するが(前記第4の5(1)イ(イ))、基準省令1条1項5号ホの基準適合性の判断において、スライドゲートの存否等は留意事項を含めても勘案すべき事情とされておらず、同号の基準適合性の判断において問題となるものではない。 (3) 小括以上のとおり、本件変更許可申請における調整池は、基準省令1条1項5号ホの要件に適合するものであるから、本件変更許可処分について同号に規定する技術的基準に適合していないのに許可された違法な処分である旨の原告らの主張は理由がない。 7 浸出液処理設備の基準適合性(基準省令1条1項5号ヘ)(争点6)(1) 基準適合性基準省令2条1項4号が準用する1条1項5号へは、保有水等集排水設備により集められた保有水に係る放流水の水質を所定の排水基準に適合させることができる浸出液処理設備を設ける )(1) 基準適合性基準省令2条1項4号が準用する1条1項5号へは、保有水等集排水設備により集められた保有水に係る放流水の水質を所定の排水基準に適合させることができる浸出液処理設備を設けることを定めており、留意事項通 知Ⅰ17は、浸出液処理設備の規模は、保有水等集排水設備により集められ る保有水の量、調整池の容量等を勘案して設定することや、その処理能力が、少なくとも当該地域における日平均降雨量に対応したものとすること等を定めている。 これを本件についてみるに、本件変更許可申請における浸出液処理設備は、新たに設置する浸出液処理設備が稼働するまでは既存の浸出液処理設 備を利用するものとされ、新たな浸出液処理設備の稼働後は当該設備で処理するものとされており、既存の浸出液処理設備が、重金属等の有害な物質を除去することができる設備を備えていることや、新たに設置する浸出液処理設備では、更にカルシウム除去設備や脱塩処理設備も設けるものとされていること、これらの浸出液処理設備が排水を排水基準(基準が複数ある ものにあっては、そのうち最も厳しいもの。)に適合させることができるものとされており(前記認定事実(6)オ)、処理能力も平均日降水量に対応したものとされたことは、前記認定事実(6)エ(ウ)のとおりである(原告らも、浸出液処理設備がこのような性能を有するものであることそれ自体は争っていない。)。 したがって、本件変更許可申請における浸出液処理設備は、基準省令1条1項5号ヘの定める基準に適合するものであるといえる。 (2) 原告らの主張について原告らは、第Ⅰ期埋立地は埋立処分の終了も廃止もできないから、第Ⅲ期埋立地の浸出液処理設備は永遠に稼働しなければならないが、そのような設 備は物理的にこの世 (2) 原告らの主張について原告らは、第Ⅰ期埋立地は埋立処分の終了も廃止もできないから、第Ⅲ期埋立地の浸出液処理設備は永遠に稼働しなければならないが、そのような設 備は物理的にこの世に存在し得ないから、本件変更許可申請における浸出液処理設備は基準適合性を欠いている旨主張する(前記第4の6(1))。 しかし、基準省令1条1項5号ヘは、浸出液の水量及び水質を放流水の排水基準に適合させることができる浸出液処理設備を設けることを定めているのであって、基準省令の定めるところでない設備の運転可能年数を問題 として、これを欠くことを理由に基準適合性を欠くとすることはできない。 原告らの主張は、その前提を欠いており、これを採用することはできない(本争点で原告らが問題とするところは、つまるところ、経理的基礎の問題に帰着すべきものである。)。 (3) 小括以上のとおり、本件変更許可申請における浸出液処理設備は、基準省令1 条1項5号ヘの要件に適合するものであるから、本件変更許可処分について同号に規定する技術的基準に適合していないのに許可された違法な処分である旨の原告らの主張は理由がない。 8 経理的基礎の有無(施行規則12条の2の3第2号)(争点7)(1) 記載の欠缺や書類の不備等があるとの点について ア本件変更許可申請は、廃棄物処理法15条の2の6第1項の規定に基づいて、既存の廃棄物処理施設である本件処分場についての変更の許可を求めるものであり、同条2項が準用する15条の2第1項3号は、申請者の能力が環境省令で定める基準に適合するものであることを要する旨定めている。そして、同号の委任を受けた施行規則12条の2の3第2号は、 申請者の能力について、産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理を的 が環境省令で定める基準に適合するものであることを要する旨定めている。そして、同号の委任を受けた施行規則12条の2の3第2号は、 申請者の能力について、産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理を的確に、かつ、継続して行うに足りる経理的基礎を有することを要する旨定めている。 その上で、経理的基礎の審査については、地方自治法245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言としての許可事務通知が発出されており、 産業廃棄物の処理業や処理施設の許可等に当たっては、許可事務通知の定める要領に十分留意の上、厳格な運用に努めるものとされている(乙C9)。 許可事務通知は、産業廃棄物の処理業や処理施設の許可等について、施行規則12条の2の3第2号の規定を具体化し、あるいは敷衍するものとして、許可等の事務のための留意事項を定めたものであるから、本件変更許 可申請についての施行規則12条の2の3第2号の適合性の判断に当た っては、同留意事項を踏まえて判断されるべきである。 イ(ア) 新井総合は、本件変更許可申請において、事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した書類(資金総額調達書)、直前3年の各事業年度における貸借対照表や損益計算書、納税証明書等(施行規則12条の9第3項6号及び7号)のほか、事業収支計画書とこれ と併せて作成された資金計画書(許可事務通知第1の4(6)⑥)を添付し、あるいは追加で提出しており、許可事務通知所定の書類を提出している(前記認定事実(7)ア、エ)。 (イ) そして、資金総額調達書にいう事業の開始に要する資金の総額とは、事業の開始及び継続に必要と判断される一切の資本をいい(許可事務 通知第1の4(3))、同書類には、資本金の調達方法、借入先、借入残高や年間返済額等の資金の調 業の開始に要する資金の総額とは、事業の開始及び継続に必要と判断される一切の資本をいい(許可事務 通知第1の4(3))、同書類には、資本金の調達方法、借入先、借入残高や年間返済額等の資金の調達に関する一切の事項を記載させるものとされている(許可事務通知第1の4(4))ところ、本件変更許可申請に係る資金総額調達書には、資金の総額が145億8000万円であり、その内訳として土木工事127億6560万円、水処理工事18億1 440万円との記載及び資金の総額と同額の金員を借入れにより調達する旨の記載があるのみであるものの、ともに提出された事業収支計画書及び資金計画書には、埋立地を廃止するまでの維持管理その他に要する経費や維持管理積立金等の記載がされており、また、各年度における借入残高や年間返済額(支払利息や借入金償還額)のほか、借入金 の償還を予定する期限も記載されている(前記認定事実(7)イ及びウ)。 本件変更許可申請に係る資金総額調達書は、ともに提出された事業収支計画書等によってその内容が補完されており、これらを全体としてみれば、許可事務通知の求める事項が記載されていたものと認めることができる。 (ウ) また、事業を的確かつ継続して行うに足りる経理的基礎を有すると 判断されるためには、利益が計上できていること又は自己資本比率が10%を超えていること等を要し(許可事務通知第1の4(6))、利益が計上できているか否かは、原則として、過去3年間程度の損益平均値をもって判断するものとされている(同(6)③)。 しかるところ、本件変更許可処分がされた平成30年8月の直前3 年の事業年度(41~43期)の経常利益はいずれも黒字であり、直前期(43期)の自己資本比率も22.4%であった(前記認定事実( しかるところ、本件変更許可処分がされた平成30年8月の直前3 年の事業年度(41~43期)の経常利益はいずれも黒字であり、直前期(43期)の自己資本比率も22.4%であった(前記認定事実(7)エ)から、許可事務通知の求める経理的基礎の要件を満たすものであったといえる。 ウ原告らは、①事業者の資金調達方法が全額借入金であるにもかかわら ず、融資の実行が相当程度確実であるとはいえない、②資金総額調達書には埋立終了後の維持管理に要する費用や維持管理積立金の記載がなく、経理的基礎を有することが同書類のみからは一見して明らかでない、③第39期~42期の4期のうち、2期で債務超過であり、1期で自己資本比率10%を満たしておらず、収支が不安定であることを挙げて、経理的 基礎の要件を欠く旨主張する(前記第4の7(1)ア)。 しかし、融資の実行が相当程度確実であることは、許可事務通知の求めるところではなく、この点を措くとしても、株式会社C銀行が同銀行を幹事銀行とする総額150億円のシンジケートローンの組成を検討する意向を表明する旨の書類が提出されていたこと(前記認定事実(6)イ)から すれば、融資には一定の確実さがあったと評価することができる(なお、本件変更許可処分の後、実際に、シンジケートローンによる複数の金融機関から融資が実行されている(前記認定事実(8)イ)。)。 また、資金総額調達書とともに提出された事業収支計画書及び資金計画書には、埋立地を廃止するまでの維持管理その他に要する経費や維持 管理積立金等の記載がされていることは前記イ(イ)のとおりであるとこ ろ、許可事務通知において、資金総額調達書の記載のみから一見して経理的基礎を有することが明らかである必要がある旨の通知をしているとはう 載がされていることは前記イ(イ)のとおりであるとこ ろ、許可事務通知において、資金総額調達書の記載のみから一見して経理的基礎を有することが明らかである必要がある旨の通知をしているとはうかがわれない(かえって、許可事務通知は、経理的基礎を有さないとの判断に慎重を期すべきこと定めている(許可事務通知第1の4(6)⑧)。)。 資金総額調達書に記載がない限り、他の資料から経理的基礎の審査をす ることが許されないかのようにいう上記②は、当を得ないものである。 なお、許可事務通知の定めに従った場合、新井総合が許可事務通知の求める経理的基礎の要件を満たしていたことは、前記イ(ウ)のとおりである。 上記③は、許可事務通知を離れて経理的基礎の有無を論ずるものであり、これまた当を得ない。 したがって、原告らの主張は、いずれも採用することができない。 エ以上のとおり、本件変更許可申請において、新井総合が提出した経理的基礎に関する書類に許可事務通知等に反した記載の欠缺や書類の不備等はないから、これを理由として新井総合が施行規則12条の2の3第2号に規定する経理的基礎を欠く旨の原告らの主張は理由がない。 (2) 第Ⅰ期漏えい事故の原因等についてア原告らは、本件変更許可処分の当時、第Ⅰ期埋立地では保有水の漏えいが続いており、また、保有水の水位も下がっていなかったから、法尻対策工事といった改善策では不十分であり、第Ⅰ期埋立地を掘削して撤去したり、土堰堤の底面に遮水工を設置したりするといった抜本的な改善 が必要であることが明らかであったとした上で、こうした抜本的な改善のためには多額の費用を要するが、処分行政庁は、本件変更許可処分に当たり、こうした改善費用を含めて新井総合の経理的基礎について審査をしておらず、また、第Ⅰ かであったとした上で、こうした抜本的な改善のためには多額の費用を要するが、処分行政庁は、本件変更許可処分に当たり、こうした改善費用を含めて新井総合の経理的基礎について審査をしておらず、また、第Ⅰ期埋立地及び第Ⅱ期埋立地の設置許可が取り消される蓋然性等があるため、新井総合は、第Ⅲ期埋立地を的確かつ継 続して維持管理するに足りる経理的基礎を有するものではない旨主張す る(前記第4の7(1)イ、ウ)。 原告らの上記の主張は、第Ⅰ期漏えい事故の原因が遮水工の破損である可能性を前提としたものであるとも解されるので、本件変更許可処分当時における第Ⅰ期漏えい事故の原因及びその対策等の状況について検討する。 イ本件変更許可処分がされた平成30年8月当時における第Ⅰ期漏えい事故の原因に関する調査とその調査結果、対策やその効果の状況(前記認定事実(3)、(4))によれば、当時における第Ⅰ期漏えい事故の原因については、以下のとおり、少なくとも遮水工の破損によるものとはいえず、埋立地内部に不透水層が形成された結果、保有水が貯留されたことによ るものと考えることに合理性があったといえる。 (ア) 第Ⅰ期漏えい事故について、その原因が遮水工の破損であるとした場合、漏えいした保有水が遮水工の直下にある地下水集排水管に捕捉されて、地下水集水ピットへの流入が続くことになるが、第Ⅰ期漏えい事故の当時(平成24年1月)はもとより、その後も平成24年7月 末日まで地下水集水ピットは渇水状態であった。その後、地下水集水ピットへの流入がみられるようになったものの、流入量は減少していていき、平成25年5月14日を最後に、以降は流入量の記録自体がなくなっている。また、地下水集水ピットに集水された水が遮水工の破損により漏えいした保有水であ るようになったものの、流入量は減少していていき、平成25年5月14日を最後に、以降は流入量の記録自体がなくなっている。また、地下水集水ピットに集水された水が遮水工の破損により漏えいした保有水であったならば、保有水に近い高濃度の 塩化物イオンが検出され続けるものと考えられるが、地下水集水ピットの水の塩化物イオン濃度は、高くとも150mg/Lにとどまっており(なお、第Ⅰ期埋立地の処理前の浸出水の塩化物イオンの濃度は、令和6年時点で3000mg/L前後である(甲A89)。)、平成25年改善報告書が提出された平成25年10月頃には50mg/Lにま で低下している。その後の地下水集水ピットでの塩化物イオンの濃度 についても、顕著な上昇といったものはみられていない。 (以上につき、前記認定事実(4)ア(ア)、同イ(エ))以上で指摘した観測データは、遮水工が破損して保有水が漏えいしているとすることを積極的に否定する事情であるということができる。 (イ) 次いで、モニタリング井戸における塩化物イオンの濃度をみると、 遮水工に破損が生じているのであれば、高濃度の塩化物イオンが検出され続けると考えられるが、平成24年1月30日にモニタリング井戸1で510mg/L、モニタリング井戸3で830mg/Lが検出された後は、全体として下降傾向にあり、平成25年10月15日の時点では、モニタリング井戸1での塩化物イオン濃度は35mg/L、モ ニタリング井戸3は18mg/Lにまで低下している。その後をみても、モニタリング井戸1及び3のいずれでも塩化物イオンの濃度は引き続き漸減しており、平成30年8月のモニタリング井戸1での塩化物イオン濃度は24mg/L、モニタリング井戸3は15mg/Lとなっている。 他方、モニ 3のいずれでも塩化物イオンの濃度は引き続き漸減しており、平成30年8月のモニタリング井戸1での塩化物イオン濃度は24mg/L、モニタリング井戸3は15mg/Lとなっている。 他方、モニタリング井戸1A及び1Bでは、突発的に高い数値を示すことがあり、その原因として、第Ⅰ期漏えい事故で漏えいした保有水に含まれる塩化物イオンがモニタリング井戸1A及び1Bの近傍の土壌に付着し、これらが降雨によって徐々に地下に浸透したために検出されたという被告が主張する機序も一応考えられなくはないが、仮説の 域を出るものではない(なお、新井総合は、この機序に加えて、浸出水処理後の処理水(比較的高濃度の塩化物イオンを含む。)を令和3年2月4日までモニタリング井戸1近傍の水路に放流しており、この放流水が増水時に地下浸透し、地表又は土壌中に残留又は蓄積された塩化物イオンが地下水に移行した可能性も指摘する(乙A79。証人B・1 7~19、31~32頁)。そして、モニタリング井戸1Bは、より深 い層の地下水を観測しており、地下水の浸透に時間差が生じることから、モニタリング井戸1Aでの塩化物イオンの濃度の上下に遅れて上昇傾向や下降傾向を示しているとも一応考えることができなくはない。)。もっとも、塩化物イオンの濃度は、突発的に上昇してもその後に低減することを繰り返している上、それらの上昇した際の濃度も、年ご とに下降傾向にあったのであるから、遮水工が破損して保有水が漏えいし続けていることと整合的とはいい難い。(以上につき前記認定事実(4)ア(ウ)、同イ(イ))いずれにせよ、モニタリング井戸における塩化物濃度の数値からすると、第Ⅰ期漏えい事故の原因が少なくとも遮水工の破損ではないこ とが裏付けられている。 (ウ) 地下水集 (ウ)、同イ(イ))いずれにせよ、モニタリング井戸における塩化物濃度の数値からすると、第Ⅰ期漏えい事故の原因が少なくとも遮水工の破損ではないこ とが裏付けられている。 (ウ) 地下水集水ピットの観測データ及びモニタリング井戸における塩化物濃度の推移に加えて、遮水工には漏水検知システムが設けられており、正常に作動することが確認されているが、漏水は一度も検知されていない(前記認定事実(4)ア(イ))ことからすれば、少なくとも、本件変 更許可処分がされた平成30年8月頃の時点において、第Ⅰ期漏えい事故の原因は遮水工の破損にあるとはいえない状況にあったといえる。 上記のとおり、第Ⅰ期漏えい事故の原因が遮水工の破損にあるとはいえないことに加えて、平成23年10月及び平成24年3月に土堰堤の法尻付近から保有水が埋立地外に漏えいしている状況が実際に確 認されていたこと(前記認定事実(4)ア(エ))、法尻対策工事が完了して以降、モニタリング井戸3で塩化物イオンの濃度の上昇がみられていないこと(前記認定事実(4)イ(ウ)。なお、法尻対策工事による流出遮断効果を確認するために溶着遮水シートを外側から押さえる土のう袋内の土の電気伝導率をEC計で測定した結果(平成25年12月7日か ら平成27年3月30日まで間、週1回の測定頻度)、全ての計測にお いて電気伝導率は、バックグランド値を超えることはなかったことも確認されている(乙A62・24頁)。)からすれば、処分行政庁が、本件変更許可処分がされた平成30年8月当時、第Ⅰ期漏えい事故について、埋立地内部の保有水の水位が上昇し、土堰堤の法尻やガス抜き管から浸出した保有水が埋立地外に漏えいしたものであり、保有水の水 位が上昇した原因としては、ボーリング調査の結果、第Ⅰ い事故について、埋立地内部の保有水の水位が上昇し、土堰堤の法尻やガス抜き管から浸出した保有水が埋立地外に漏えいしたものであり、保有水の水 位が上昇した原因としては、ボーリング調査の結果、第Ⅰ期埋立地内には廃棄物が固結し不透水層が形成されていることが確認されたこと、揚水井戸の設置や排水機能の強化によっても保有水の水位に有意な低下がみられなかったこと(前記認定事実(4)ア(オ)、同イ(ア))から、埋立地内部に不透水層が形成されたことによるものと判断したことにつ いては、一定の合理性があったということができる。 ウ原告らは、第Ⅰ期漏えい事故の原因を遮水工の破損であるとし、その根拠として、①地下水集水ピットに流入した水からは高濃度の塩化物イオンが検出されているが、これらは暗渠配水管から流入したものではなく、地下水集排水管から流入したものであり、地下水排水設備に浸出水が漏えい していることは遮水工が破損していることを示すものである、②第Ⅰ期埋立地からは雨水の浸透量をはるかに上回る量の保有水が排出されているが、保有水の水位は低下しておらず、その原因として考えられるのは地下水の流入以外になく、地下水が流入していることは遮水工が破損していることを示すものである、③漏水検知システムは、システムとしての信頼性 を欠くものである上、一部のデータが欠落するなどもしており、漏水が検知されていなかったからといって、漏えいがなかったことの根拠となるものではない旨主張し(前記第4の2(1)ア)、また、④モニタリング井戸から高濃度の塩化物イオンが検出されていることも、遮水工の破損を裏付けるものである旨主張する(前記第4の7(1)イ(ア))。 しかし、地下水集水ピットにつながる地下水集排水管は、第Ⅰ期漏えい 事故の当時は 検出されていることも、遮水工の破損を裏付けるものである旨主張する(前記第4の7(1)イ(ア))。 しかし、地下水集水ピットにつながる地下水集排水管は、第Ⅰ期漏えい 事故の当時は渇水状態にあり(なお、地下水集排水管が渇水状態であったことは、新井総合作成の維持管理記録で確認されており(乙A60・3の23頁、A60・4の2~10頁)、その信用性を否定するような証拠ないし事情は見当たらない。)、その後に流入がみられたものの、流入量は減少してやがて渇水状態となっていること、地下水集水ピットに集水された水 の塩化物イオンの濃度は、保有水のそれを著しく下回るものであったことは前示のとおりであって、地下水集水ピットに流入する水について、遮水工に破損が生じていてそこから漏えいした保有水が地下水集排水管によって捕捉されて流入したものとは認め難い。むしろ、第Ⅰ期埋立地に以前にあった沢に沿って地下水集排水管の更に地下に設置された暗渠配水 管(その配置状況につき乙A60・3の12~14頁参照)から流入したものであったと考えるのがより合理的であるといえる(乙A60・3の45頁)。 また、本件変更許可処分時点(及びそれ以降も)保有水の水位は顕著な低下は認められないが、仮に、第Ⅰ期埋立地内に地下水が流入しているの であれば、遮水工の外側に設置された地下集排水管でも地下水が捕捉されると考えられるが、そのような状況が認められないことはこれまで説示しているとおりであり、原告らの主張(②)はその前提を欠いている。 漏水検知システムには異常値が多数検出されているが(異常値が検出されることそれ自体は、システム上不可避であり、直ちに漏えいが生じて いることを示すものではない。)、遮水工が破損して漏えいが生じている場合、そうした異常値 多数検出されているが(異常値が検出されることそれ自体は、システム上不可避であり、直ちに漏えいが生じて いることを示すものではない。)、遮水工が破損して漏えいが生じている場合、そうした異常値は同一箇所でその後も継続して検出されることとなるはずであるが、そうした継続的な数値の異常は検出されていない(甲A4)。また、平成23年7月頃の約1か月間のデータが欠落してはいるものの(乙A31、A32)、遮水工が破損して漏えいが生じていれば、 その後であっても検出されるはずの継続的な数値の異常は検出されてい ない。漏水検知システムに異常値が検出されたり、一部のデータが欠落しているからといって、全体のシステムの信頼性がないとまではいえず、上記③の主張も理由がない。 なお、モニタリング井戸1Aや1Bで突発的に高い濃度の塩化物イオンが検出されることが度々計測されているものの、遮水工が破損して保 有水が漏えいし続けていることと整合的とはいい難いことは、前記イ(イ)のとおりである。 原告らの主張は、いずれも採用することができない。 エ以上のとおり、本件変更許可処分がされた平成30年8月当時、処分行政庁が、第Ⅰ期漏えい事故については遮水工が破損したものではなく、埋 立地内部の保有水の水位が上昇し、土堰堤の法尻やガス抜き管から浸出した保有水が埋立地外に漏えいしたものであり、保有水の水位が上昇した原因としては、埋立地内部に不透水層が形成されたことによるものと判断したことについては、一定の合理性があったということができる。 (3) 第Ⅰ期埋立地の改善費用の不計上について ア廃棄物処理法は、都道府県知事は、産業廃棄物処理施設の設置者の能力が環境省令で定める基準に適合していないと認めるときは、産業廃棄物処理施設の設置 Ⅰ期埋立地の改善費用の不計上について ア廃棄物処理法は、都道府県知事は、産業廃棄物処理施設の設置者の能力が環境省令で定める基準に適合していないと認めるときは、産業廃棄物処理施設の設置者に対し、期限を定めて必要な改善を命じ、又は期間を定めて当該産業廃棄物処理施設の使用の停止を命ずることができ(15条の2の7第2号)、必要に応じて同法15条1項所定の産業廃棄物処理施 設の設置の許可を取り消すことができる(15条の3第2項)旨を定めている。 本件変更許可申請当時、第Ⅰ期埋立地において発生した第Ⅰ期漏えい事故について、申請者である新井総合において種々の対策が実施され、その経過をモニタリングしていたことは前記認定事実(3)イ及びウのとお りであるところ、仮に、本件変更許可処分後に第Ⅰ期漏えい事故に関して 判明した事情からすると、従前の改善策では不十分であり、抜本的対策工事が必要であるため、設置者である新井総合の経理的基礎に疑義が生じたとしても、新井総合に対する改善命令等や本件処分場の設置許可取消が問擬されるべきであって、本件変更許可処分における経理的基礎の要件適合性の問題ではない。本件変更許可処分における設置者である新井 総合の経理的基礎の要件適合性に関する処分行政庁の判断の適否については、処分時において処分行政庁が把握し、又は把握すべき事情を基礎として判断されるべきである。 しかるところ、本件変更許可処分当時、処分行政庁が、第Ⅰ期漏えい事故については遮水工が破損したものではなく、埋立地内部の保有水の水 位が上昇し、土堰堤の法尻やガス抜き管から浸出した保有水が埋立地外に漏えいしたものであり、保有水の水位が上昇した原因としては、埋立地内部に不透水層が形成されたことによるものと判断 保有水の水 位が上昇し、土堰堤の法尻やガス抜き管から浸出した保有水が埋立地外に漏えいしたものであり、保有水の水位が上昇した原因としては、埋立地内部に不透水層が形成されたことによるものと判断したことについては、一定の合理性があったことは前記で説示したとおりである。そして、第Ⅰ期埋立地については、本件変更許可処分の時点で、目標とする保有水の水 位にまで達してはいないが、前示のとおり、法尻対策工事や強制排水用の揚水井戸の設置等の種々の対策が講じられ(なお、これらの対策費用が計上された資料を基に経理的基礎の審査が行われた(乙B1の2・16頁、証人A・10~11頁)。)、その経過をモニタリングされていたところであり、また、モニタリング井戸1A及び1Bから突発的に高い塩化物イオ ン濃度を計測することはあるものの、全般的には塩化物イオン濃度は下降傾向にあり(前記認定事実(4)ア(ウ)、イ)、抜本的対策をしなければならないほど差し迫った事情があったというわけではないから、本件変更許可処分に当たり、処分行政庁が第Ⅰ期埋立地の保有水位を下げるための抜本的対策費用を経理的基礎に含めて判断しなかったことについて誤 りがあるとはいえない。 イ原告らは、第Ⅰ期埋立地からは、保有水の貯留が原因となって、埋立地外に保有水の漏えいが続いていたことからすれば、埋設廃棄物の掘削や土堰堤の法尻から浸出する保有水を全量回収して浸出液処理設備で処理することができる設備の設置等の抜本的な対策工事のための費用や、第Ⅰ期埋立地について計画上の期間を超えた浸出液処理設備を維持管理す るための費用等を経理的基礎として審査すべきである旨主張する(第4の7(1)イ)。 しかし、処分行政庁が、第Ⅰ期漏えい事故について、遮水工が破 期間を超えた浸出液処理設備を維持管理す るための費用等を経理的基礎として審査すべきである旨主張する(第4の7(1)イ)。 しかし、処分行政庁が、第Ⅰ期漏えい事故について、遮水工が破損したものではなく、埋立地内部の保有水の水位が上昇し、土堰堤の法尻やガス抜き管から浸出した保有水が埋立地外に漏えいしたものであると判断し たことに一定の合理性があることは前記で説示したとおりであり、また、法尻対策工事がされた以降、モニタリング井戸3で塩化物イオンの濃度の上昇は認められず、平成25年12月7日から平成27年3月30日までの間の法尻対策工事で施工された溶着遮水シートを外側から押さえる土のう袋内の土の電気伝導率のEC測定結果がバックグランド値 を超えることがなかったことからすると、土堰堤の法尻付近から保有水が埋立地外に漏えいし続けているとも認め難いから、遮水工の破損や土堰堤の法尻付近から保有水が埋立地外に漏えいし続けていることを理由として、抜本的対策工事のための費用や第Ⅰ期埋立地について計画上の期間を超えた浸出液処理設備を維持管理するための費用等を経理的基礎 として審査すべきである旨の原告らの主張は、その前提を欠くものである。 本件変更許可処分当時、第Ⅰ期埋立地の保有水の水位は、目標とする数値に達しておらず、また、モニタリング井戸1A及び1Bの塩化物イオン濃度は突発的に上昇することはあったものの、法尻対策工事や強制排水 用の揚水井戸の設置等の種々の対策が講じられ、その経過をモニタリン グされていたところであり、また、モニタリング井戸1A及び1Bから突発的に高い塩化物イオン濃度を計測することはあるものの、全般的には塩化物イオン濃度は下降傾向にあり、抜本的対策をしなければならない グされていたところであり、また、モニタリング井戸1A及び1Bから突発的に高い塩化物イオン濃度を計測することはあるものの、全般的には塩化物イオン濃度は下降傾向にあり、抜本的対策をしなければならないほど差し迫った事情があったというわけではないことは前記で説示したとおりである。本件変更許可処分後も第Ⅰ期埋立地の保有水は十分に低 下しないため、新井総合は、令和5年12月、第Ⅰ期埋立地の一部の廃棄物及び中間覆土を掘削しながら、埋立地内部の保有水の水位の低下及び滞水エリアの解消方法を模索する旨の意向を表明しているが(前記前提事実(3)エ)、こうした内部掘削による抜本的対策の必要性は、本件変更許可処分当時、処分行政庁が予測すべき事態であったとはいえないから、本 件変更許可処分において、第Ⅰ期埋立地の抜本的対策工事のための費用を含めた経理的基礎を審査すべきであったとはいえない。 (4) 既存埋立地の廃棄物処理施設設置許可の取消しの蓋然性について原告らは、①本件処分場の土堰堤には遮水工を設けなければならないにもかかわらず、第Ⅰ期埋立地と第Ⅱ期埋立地の土堰堤に遮水工は設けられ ておらず、基準省令に反しており、また、本件変更許可処分当時、第Ⅰ期埋立地には大量の保有水が貯留されており、第Ⅰ期埋立地及び第Ⅱ期埋立地の設置許可は早晩取り消されるべきであり、第Ⅰ期埋立地及び第Ⅱ期埋立地の設置許可が取り消されると、新井総合が経理的基礎を欠くに至ることは明らかである、②設置許可処分が取り消されないとしても、第Ⅰ期埋立地 と構造が類似する第Ⅱ期埋立地でも漏えい事故が生ずる可能性があり、そのような事故が発生した場合には新井総合が経理的基礎を失うとして、処分行政庁には第Ⅰ期埋立地及び第Ⅱ期埋立地の設置許可が取り消される蓋然性や大規模 第Ⅱ期埋立地でも漏えい事故が生ずる可能性があり、そのような事故が発生した場合には新井総合が経理的基礎を失うとして、処分行政庁には第Ⅰ期埋立地及び第Ⅱ期埋立地の設置許可が取り消される蓋然性や大規模な事故を起こす蓋然性を考慮した経理的基礎を審査しなかった違法がある旨主張する(前記第4の7(1)ウ)。 しかし、基準省令上、第Ⅲ期埋立地の土堰堤に遮水工を設けることが求め られていないことは前記4(1)のとおりであって、このことは、第Ⅲ期埋立地と土堰堤の設置の状況を同じくする第Ⅰ期埋立地と第Ⅱ期埋立地についても同様であるから、原告らの主張はその前提を欠いている。 また、本件変更許可処分当時、第Ⅰ期埋立地の保有水の水位は目標とする数値に達していなかったが、種々の対策工事を実施していたところであっ て、抜本的対策工事をしなければ大規模な事故が発生するなどの差し迫った状況にあったとまではいえないことは、これまで説示しているとおりである。 原告らの主張は、いずれも前提を欠くものであって、理由がない。 (5) 小括 以上のとおり、新井総合が提出した経理的基礎に関する書類に許可事務通知等に反した記載の欠缺や書類の不備等はないから、これを理由として新井総合が施行規則12条の2の3第2号に規定する経理的基礎を欠く旨の原告らの主張は理由がなく、また、本件変更許可処分に当たり、処分行政庁が第Ⅰ期埋立地の保有水位を下げるための抜本的対策費用を経理的基礎に含めて 判断しなかったことについて誤りがあるとはいえないから、本件変更許可処分について、施行規則12条の2の3第2号に適合しないのにされた違法な処分である旨の原告らの主張は理由がない。 9 不正等のおそれの有無(廃棄物処理法7条5項4号ト)(争点8)(1) 廃棄 分について、施行規則12条の2の3第2号に適合しないのにされた違法な処分である旨の原告らの主張は理由がない。 9 不正等のおそれの有無(廃棄物処理法7条5項4号ト)(争点8)(1) 廃棄物処理法15条の2の6第2項が準用する15条の2第1項4号は、 施設の変更の許可の申請者は、廃棄物処理法14条5項2号イないしヘまでのいずれにも該当しないことを定め、同号イは、申請者は、廃棄物処理法7条5項4号イないしトのいずれかに該当しないことを定める。そして、同号トは、施設の変更の許可の申請者が、不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者に該当しないことを定めている。 しかるところ、許可事務通知は、法第7条第5項第4号トの規定は、申請 者の資質及び社会的信用の面から、将来、その業務に関して不正又は不誠実な行為をすることが相当程度の蓋然性をもって予想され、業務の適切な運営を期待できないことが明らかである者について、許可をしてはならないとの趣旨であると定めている(許可事務通知第1の5(5))。 (2) 原告らは、新井総合について、被告の勧告を無視して浸出水を本件処分場 内に貯留し続けたことがあるとして、「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがある」者に該当する旨主張する(前記第4の8(1))。 しかし、新井総合は、設計雨量を上回る降雨に対応するための措置として、埋立地内に仮の貯留地を設けて浸出水を貯留したことがあったものの(乙A30の1)、平成19年5月8日、被告から埋立地内での貯留を解消するよう 勧告(甲A6)がされたことから、浸出水処理に係る改善計画書(乙A30の2)を同年6月に被告に提出した上で、これに基づいて調整池を増設し、平成21年1月30日には浸出 での貯留を解消するよう 勧告(甲A6)がされたことから、浸出水処理に係る改善計画書(乙A30の2)を同年6月に被告に提出した上で、これに基づいて調整池を増設し、平成21年1月30日には浸出水処理に係る改善報告書(乙A30の4)を被告に提出して改善処理の完了を報告しているのであり、被告の勧告を無視したなどの事実は認められない。 その他、本件全証拠を検討しても、新井総合について、その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由があると認めるに足りる証拠はない。 (3) 以上によれば、新井総合は、「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがある」者(廃棄物処理法7条5項4号ト)に該当するとはいえな いから、本件変更許可処分について、同号に該当するのに許可された違法な処分である旨の原告らの主張は理由がない。 第6 結論以上によれば、原告番号1、5、6、8、9、11~13、15、28、29、41、43、44、48~50、52、55、59、61、62、69、 70、72、73、76、83~85、87、88、93、95、96、98、 100、105、106、108、113~115、119、122、134、139、143~146及び151の訴えは、原告適格を欠くものであり、不適法であるから却下すべきである。 また、本件変更許可処分には取り消されるべき違法はなく、その余の原告らの請求は理由がないからいずれも棄却すべきである。 よって、主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官岡山忠広裁判官塚原洋一裁判官藤枝健太)廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則/一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省 る。 (裁判長裁判官岡山忠広裁判官塚原洋一裁判官藤枝健太)廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則/一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理施設の許可事務等の取扱いについて(通知)(平成30年3月30日環循規発第18033029号) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類)第十一条の二法第十五条第三項の書類には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一設置しようとする産業廃棄物処理施設の種類及び規模並びに処理する産業廃棄物の種類を勘案し、当該産業廃棄物処理施設を設置することに伴い生ずる大気質、騒音、振動、悪臭、水質又は地下水に係る事項のうち、周辺地域の生活環境に影響を及ぼすおそれがあるものとして調査を行つたもの(以下この条において「産業廃棄物処理施設生活環境影響調査項目」という。)二産業廃棄物処理施設生活環境影響調査項目の現況及びその把握の方法三当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響の程度を予測するために把握した水象、気象その他自然的条件及び人口、土地利用その他社会的条件の現況並びにその把握の方法四当該産業廃棄物処理施設を設置することにより予測される産業廃棄物処理施設生活環境影響調査項目に係る変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲並びにその予測の方法五当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響の程度を分析した結果六大気質、騒音、振動、悪臭、水質又は地下水のうち、これらに係る事項を産業廃棄物処理施設生活環境影響調査項目に含めなかつたもの及びその理由七その他当該産業廃棄物 ぼす影響の程度を分析した結果六大気質、騒音、振動、悪臭、水質又は地下水のうち、これらに係る事項を産業廃棄物処理施設生活環境影響調査項目に含めなかつたもの及びその理由七その他当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査に関して参考となる事項第2 3 生活環境影響調査書産業廃棄物処理施設の設置許可及び変更許可の申請書には、当該施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類(以下「生活環境影響調査書」という。)を添付しなければならないこと。 生活環境影響調査書の記載事項は、規則第11条の2に規定されているが、その詳細は次のとおりとすること。 (1)~(7) 略(8) 環境影響評価法に基づく評価書又は地方公共団体における環境影響評価に関する条例等に基づき実施された結果であって、生活環境影響調査に相当する内容を有するものを、法に基づく生活環境影響調査書として添付することは差し支えないこと。 (9)・(10) 略 第2 2 許可の性質法第15条の2第1項は、施設の設置に関する計画が技術上の基準に適合すること、施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画が周辺地域の生活環境の保全及び周辺施設について適正な配慮がなされたものであること、申請者の能力が技術上の基準に適合すること及び申請者が欠格要件に該当しないことのいずれの要件にも適合する場合には、必ず許可をしなければならないものと解されており、法の定める要件に適合する場合においても、なお都道府県知事に対して、許可を与えるか否かについての裁量権を与えるものではないこと。 一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令(産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準)第二条法第十五条 か否かについての裁量権を与えるものではないこと。 一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令(産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準)第二条法第十五条の二第一項第一号の規定による産業廃棄物の最終処分場の技術上の基準は、第一条第一項第三号の規定の例によるほか、次のとおりとする。 注)次のとおりは別葉「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令/運用に伴う留意事項」へ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(適正な配慮がなされるべき周辺の施設)第十二条の二の二法第十五条の二第一項第二号(法第十五条の二の六第二項において準用する場合を含む。)の環境省令で定める周辺の施設は、第四条の二に規定する施設とする。 産業廃棄物の最終処分場許可基準一覧表廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成30年8月時点)(産業廃棄物処理施設)第十五条産業廃棄物処理施設(廃プラスチック類処理施設、産業廃棄物の最終処分場その他の産業廃棄物の処理施設で政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置しようとする者は、当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。 (許可の基準等)第十五条の二都道府県知事は、前条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。 3 前項の申請書には、環境省令で定めるところにより、当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類を添付しなければならない。(ただし書略) 2 前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。( ての調査の結果を記載した書類を添付しなければならない。(ただし書略) 2 前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。(各号略)4~6 略一その産業廃棄物処理施設の設置に関する計画が環境省令で定める技術上の基準に適合していること。 二その産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画が当該産業廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮がなされたものであること。 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則/一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理施設の許可事務等の取扱いについて(通知)(平成30年3月30日環循規発第18033029号)産業廃棄物の最終処分場許可基準一覧表廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成30年8月時点) (適正な配慮がなされるべき周辺の施設)第四条の二法第八条の二第一項第二号(法第九条第二項において準用する場合を含む。)の環境省令で定める周辺の施設は、当該施設の利用者の特性に照らして、生活環境の保全について特に適正な配慮が必要であると認められる施設とする。 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(産業廃棄物処理施設を設置しようとする者の能力の基準)第十二条の二の三法第十五条の二第一項第三号(法第十五条の二の六第二項において準用する場合を含む。)の環境省令で定める基準は、次のとおりとする。 一産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理を的確に行うに足りる知識及び技能を有すること。 二産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理を的確に、かつ、継続して行うに足り める基準は、次のとおりとする。 一産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理を的確に行うに足りる知識及び技能を有すること。 二産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理を的確に、かつ、継続して行うに足りる経理的基礎を有すること。 第2 6 経理的基礎第1の4の例によること。 なお、第1の4(6)⑥の「審査対象を当該申請に係る事業の将来の見通しに限定することが不適当な場合」には、製造事業者が自社処分のための施設を設置しようとする場合などが該当すること。 第1 4 経理的基礎(1) 申請者が法人である場合には、事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した書類並びに貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表並びに法人税の納付すべき額及び納付済額を証する書類(税務署の受付印又は電子申請等証明書のある確定申告書の写し、確定申告書の別表の写し等の関係書類及び納税証明書(その1)納税額等証明書)の内容を十分審査し、事業を的確に、かつ、継続して行うに足りる経理的基礎を有するか否かを判断すること。 なお、個別注記表の内容の確認に当たっては、重要な会計方針に係る事項に関する注記、貸借対照表に係る注記、損益計算書に関する注記、株主資本等変動計算書に関する注記及びリースにより使用する固定資産に関する注記について確認すること。 (2) 申請者が個人である場合には、事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した書類、資産に関する調書並びに所得税の納付すべき額及び納付済額を証する書類(税務署の受付印又は電子申請等証明書のある確定申告書の写し、確定申告書の別表の写し等の関係書類及び納税証明書(その1)納税額等証明書)の内容を十分審査し、事業を的確に、かつ、継続して行うに足りる経理的基礎を有するか否かを判断すること。 定申告書の写し、確定申告書の別表の写し等の関係書類及び納税証明書(その1)納税額等証明書)の内容を十分審査し、事業を的確に、かつ、継続して行うに足りる経理的基礎を有するか否かを判断すること。 (3) 「事業の開始に要する資金の総額」とは、事業の開始及び継続に必要と判断される一切の資金をいうものであって、資本金の額のほか、事業の用に供する施設の整備に要する費用、最終処分場の埋立処分終了後の維持管理に要する費用、損害賠償保険の保険料、事業の開始及び継続的運営に支障を来すおそれのある抵当権等の登記を抹消する費用などが含まれるものであること。 なお、抵当権等の登記を抹消する費用の妥当性を判断する方法としては、事業の用に供する不動産の登記簿謄本(「表題部」、「権利部(甲区)」及び「権利部(乙)」)を確認し、所有権以外の登記がある場合には、その抹消の必要性及び抹消に係る費用について確認する方法があること。 (4) 資金の調達を記載した書類には、資本金の調達方法、借入先(融資に係る条件を含む。)、借入残高、年間返済額、返済期限、利率など資金の調達に関する一切の事項を記載させるものとし、利益(当期純利益をいう。(6)において同じ。)をもって資金に充てるものについてはその見込み額を記載させること。 (5) 廃棄物処理業以外の事業を兼業している場合には、できる限り廃棄物処理部門における経理区分を明確にして書類を提出させること。 (6) 事業を的確かつ継続して行うに足りる経理的基礎を有すると判断されるためには、利益が計上できていること又は自己資本比率(貸借対照表上の純資産の額を、当該額と当該貸借対照表上の負債の額の合計額で除して得た値をいう。)が10パーセントを超えていること及び申請に係る事業の将来の見通しについて適切な収益が見込まれると判 率(貸借対照表上の純資産の額を、当該額と当該貸借対照表上の負債の額の合計額で除して得た値をいう。)が10パーセントを超えていること及び申請に係る事業の将来の見通しについて適切な収益が見込まれると判断できるものであること(申請に係る事業について適切な収益が見込まれない場合にあっては、廃棄物処理部門あるいは企業全体として適切な収益が見込まれること)が望ましいものと考えられるが、なお、以下に留意して判断されたいこと。 ① 事業の用に供する施設について、法定耐用年数に見合った減価償却が行われていること、役員報酬が著しく少なく計上されていないことなどを確認すること。 三申請者の能力がその産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画に従つて当該産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則/一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理施設の許可事務等の取扱いについて(通知)(平成30年3月30日環循規発第18033029号)産業廃棄物の最終処分場許可基準一覧表廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成30年8月時点) ② 中間処理業者にあっては、未処理の廃棄物の適正な処理に要する費用が留保され、最終処分業者にあっては、埋立処分終了後の維持管理に要する費用が計上されていることなどを確認すること。 ③ 利益が計上できているか否かについては、原則として、過去3年間程度の損益平均値をもって判断するが、欠損である場合であっても直前期が黒字に転換しており、かつ、経営の改善の見込みがあるときは、容認される 利益が計上できているか否かについては、原則として、過去3年間程度の損益平均値をもって判断するが、欠損である場合であっても直前期が黒字に転換しており、かつ、経営の改善の見込みがあるときは、容認される余地があること。 ④ 自己資本比率が10パーセントを超えていない場合であっても、少なくとも債務超過の状態でなく、かつ、持続的な経営の見込み又は経営の改善の見込みがあるときは、容認される余地があること。 ⑤ 多額の設備投資を要する場合にあっては、設備投資の当初に利益を計上できないことが多いことから、減価償却率に応じた損益の減少などを勘案して判断すること。 ⑥ 申請に係る事業の規模が大きい場合や申請者の自己資本に比して多額の設備投資を要するなど、申請に係る事業の将来の見通しについて適切な収益が見込まれるかの確認が特に必要と認める場合の確認方法としては、当該事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した書類として、設備投資に要する資金の額が当該申請者の資金調達額と当期純利益の合計額を超えないか否かについて確認できる事業収支計画書の提出を求める方法などがあること。 なお、申請に係る事業について、その将来の見通しについて適切な収益が見込まれない場合や審査対象を当該申請に係る事業のみの将来の見通しに限定することが不適当な場合は、適宜、審査対象を廃棄物処理部門又は事業全体に係る将来の見通しに拡大することが可能であること。 また、当期純利益とは、申請者の事業全体の当期純利益ではなく、当該申請に係る事業の当期純利益をいい、その算出に当たっては一般管理費や各種税金等の申請に係る事業のみからでは算定できない費用について、申請者の事業全体に係るこれらの費用から対象とする事業範囲に応じて按分して算出すること。 ⑦ 維持管理積立金、各種税金 般管理費や各種税金等の申請に係る事業のみからでは算定できない費用について、申請者の事業全体に係るこれらの費用から対象とする事業範囲に応じて按分して算出すること。 ⑦ 維持管理積立金、各種税金、社会保険料又は労働保険料等の義務的支払いが履行されていない場合、当該法人の経理的基礎に疑義があると解されることから、これらの義務的支払いが履行されていないとの情報を入手した場合には、⑥に準じた方法により慎重に経理的基礎を判断すること。 ⑧ 経理的基礎を有さないと判断するに当たっては、金融機関からの融資の状況を証明する書類、中小企業診断士の診断書等を必要に応じて提出させ、また、商工部局、労働経済部局などの協力も求めるなどして、慎重に判断すること。 ⑨ 7で後述する優良産廃処理業者については、産業廃棄物処理業者として有するべき経理的基礎及び優良基準における財務体質の健全性に係る基準の双方を満たしている必要があること。 第2 7 欠格要件(1) 第1の5(1)から(5)までの例によること。 (2) 暴力団員等に関する欠格要件第1の5(6)の例によること。なお、警察本部長への意見聴取は、別紙1に規則様式第18号、第26号又は第27号の写しを添付することにより、文書で行うこと。 第十四条第五項二イ第七条第五項第四号イからトまでのいずれかに該当する者ロ暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(以下この号において「暴力団員等」という。)ハ営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人がイ又はロのいずれかに該当するものニ法人でその役員又は政令で定める使用人のうちにイ又はロのいず 暴力団員等」という。)ハ営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人がイ又はロのいずれかに該当するものニ法人でその役員又は政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるものホ個人で政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるものヘ暴力団員等がその事業活動を支配する者第1 5 欠格要件(1) 総論欠格要件は、法に従った適正な業の遂行を期待し得ない者を類型化して排除するために申請者の一般的適性についての要件を定めたものであって、これらに該当しないことが許可の要件とされていることから、許可に当たっては、これらに該当する事由の有無について確実に調査を行い、該当する場合は速やかに不許可処分を行うこと。また、更新許可の場合においては、速やかに従前の許可の取消しを行うこと。法第14条第3項、同条第8項、第14条の4第3項又は同条第8項の規定に基づき許可の有効期間の満了後にその効力が継続する場合も同様であること。この際、許可の更新申請に対しては、不許可処分を行うこと。 なお、欠格要件該当の有無について関係行政機関に照会する場合にあっては、(6)に関する場合を除き、法第23条の5の規定に基づき行うものであること。 (2)~(4),(6) 略四申請者が第十四条第五項第二号イからヘまでのいずれにも該当しないこと。 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則/一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理施設の許可事務等の取扱いについて(通知)(平成30年3月30日環循規発第18033029号)産業廃棄物の最終処分場許可基準一覧表廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成30年8月時 産業廃棄物処理施設の許可事務等の取扱いについて(通知)(平成30年3月30日環循規発第18033029号)産業廃棄物の最終処分場許可基準一覧表廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成30年8月時点) 第七条第五項第四号イ~チ略トその業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者(5) おそれ条項法第14条第5項第2号イ及び第10項第2号並びに法第14条の4第5項第2号及び第10項第2号による法第7条第5項第4号トの規定(以下「おそれ条項」という。)は、法第7条第5項第4号イからヘまで及び法第14条第5項第2号ロからへまでのいずれにも該当しないが、申請者の資質及び社会的信用の面から、将来、その業務に関して不正又は不誠実な行為をすることが相当程度の蓋然性をもって予想され、業務の適切な運営を期待できないことが明らかである者について、許可をしてはならないとの趣旨であること。具体的には、次のような者については、特段の事情がない限り、これに該当するものとして考えられること。 ① 過去において、繰り返し許可の取消処分を受けている者 ② 法、浄化槽法(昭和58年法律第43号)、令第4条の6各号に掲げる法令若しくはこれらの法令に基づく処分に違反し、公訴を提起され、又は逮捕、勾留その他の強制の処分を受けている者 ③ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。第32条の3第7項及び第32条の11第1項を除き、以下「暴力団対策法」という。)の規定に違反し、又は刑法(明治40年法律第45号)第204条、第206条、第208条、第208条の2、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰ニ関スル法律(大正15年法律第60号)の罪を犯し、公訴を提起され、又は逮捕、勾留 第45号)第204条、第206条、第208条、第208条の2、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰ニ関スル法律(大正15年法律第60号)の罪を犯し、公訴を提起され、又は逮捕、勾留その他の強制の処分を受けている者(当該違反又は罪が廃棄物の処理に関連してなされ又は犯された場合に限る。) ④ 法第7条第5項第4号ハに掲げる法令又はこれらの法令に基づく処分に係る違反を繰り返しており、行政庁の指導等が累積している者 ⑤ 収集運搬業者が道路交通法(昭和35年法律第105号)に違反して廃棄物の過積載を行い、又は処分業者が廃棄物処理施設の拡張のために森林法(昭和26年法律第249号)に違反して許可を受けずに森林の伐採等の開発行為を行い、若しくは都市計画法(昭和43年法律第100号)や農地法(昭和27年法律第229号)に違反して開発許可や農地の転用の許可を受けずに廃棄物処理施設を設置するなど、廃棄物処理業務に関連して他法令に違反し、繰り返し罰金以下の刑に処せられた者(なお、繰り返し罰金以下の刑に処せられるまでに至っていない場合でも、廃棄物処理業務に関連した他法令違反に係る行政庁の指導等が累積することなどにより、上記と同程度に的確な業の遂行を期待し得ないと認められる者については、下記⑧に該当すると解して差し支えないこと。) ⑥ 自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的、又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団員を利用している者(例えば、自己又は自社と友誼関係にある暴力団の威力を相手方に認識させることにより、その影響力を利用するため、自己又は自社と友誼関係にある者が暴力団員であることを告げ、若しくは暴力団の名称入り名刺等を示し、又は暴力団員に対し暴力団対策法第9条各号に定める暴力的要求行為の要求等を行った者) ⑦ るため、自己又は自社と友誼関係にある者が暴力団員であることを告げ、若しくは暴力団の名称入り名刺等を示し、又は暴力団員に対し暴力団対策法第9条各号に定める暴力的要求行為の要求等を行った者) ⑦ 暴力団員に対して、自発的に資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与している者(例えば、相手方が暴力団又は暴力団員であることを知りながら、自発的に用心棒その他これに類する役務の有償の提供を受け、又はこれらのものが行う事業、興行、いわゆる「義理ごと」等に参画し、参加し、若しくは援助している者) ⑧ その他上記に掲げる場合と同程度以上に的確な業の遂行を期待し得ないと認められる者 3 略 2 第十五条第三項から第六項まで及び第十五条の二第一項から第四項までの規定は、前項の許可について、同条第五項の規定は、前項の許可を受けた者について準用する。 (変更の許可等)第十五条の二の六産業廃棄物処理施設の設置者は、当該許可に係る第十五条第二項第四号から第七号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、環境省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、その変更が環境省令で定める軽微な変更であるときは、この限りでない。 2~5 略 1 構造基準遮断型安定型管理型第1条第1項第1号(第2条第1項第2号イ、第2条第1項第3号イ、第2条第1項第4号)埋立処分の場所(以下「埋立地」という。)の周囲には、みだりに人が埋立地に立ち入るのを防止することができる囲いが設けられていること。 第1条第1項第1号(第2条第1項第3号イ、第2条第1項第4号)次項第17号の規定により閉鎖された埋立地 )の周囲には、みだりに人が埋立地に立ち入るのを防止することができる囲いが設けられていること。 第1条第1項第1号(第2条第1項第3号イ、第2条第1項第4号)次項第17号の規定により閉鎖された埋立地を埋立処分以外の用に供する場合においては、埋立地の範囲を明らかにすることができる囲い、杭その他の設備が設けられていること。 第1条第1項第2号(第2条第1項第1号)入口の見やすい箇所に、様式第1により一般廃棄物の最終処分場であることを表示する立札その他の設備が設けられていること。 遮断型最終処分場については、有害な特別管理産業廃棄物又は有害な産業廃棄物の最終処分場であることを表示する立札その他の設備が設けられていること。 第1条第1項第3号(第2条第1項)地盤の滑りを防止し、又は最終処分場に設けられる設備の沈下を防止する必要がある場合においては、適当な地滑り防止工又は沈下防止工が設けられていること。 第1条第1項第4号(第2条第1項第3号、第2条第1項第4号)埋め立てる一般廃棄物の流出を防止するための擁壁、えん堤その他の設備であつて、次の要件を備えたもの(以下「擁壁等」という。)が設けられていること。 イ.自重、土圧、水圧、波力、地震力等に対して構造耐力上安全であること。 Ⅰ 6 構造耐力(第4号イ)荷重及び外力として自重、土圧、水圧、地震力を、さらに水面埋立地においては波力を採用して擁壁等の安定計算(静的設計計算をいう。)を行い、安全性を確認すること。安定計算の対象としては、基礎地盤の支持力、擁壁等構造物の転倒及び滑動等があり十分な安全率を見込んで行うこと。 その他の荷重及び外力としては、積載荷重、積雪荷重、風圧力があり、埋立地の状況に応じて採用すること。 ロ.埋め立てる一般廃棄物、地表水、地下水及び土壌の性状に応じた有効な腐食防止のための措置が こと。 その他の荷重及び外力としては、積載荷重、積雪荷重、風圧力があり、埋立地の状況に応じて採用すること。 ロ.埋め立てる一般廃棄物、地表水、地下水及び土壌の性状に応じた有効な腐食防止のための措置が講じられていること。 Ⅰ 7 腐食防止(第4号ロ)擁壁等に使用される材料には、コンクリート、鋼材、土砂等があるが、コンクリート、鋼材等は接触する水等の性状により腐食される場合があり、なかでも広く使われているコンクリートについては、酸、海水、塩類、動植物油類等が影響を及ぼすことが知られているので十分注意することが必要であること。 擁壁等の腐食防止対策として、例えばコンクリートの場合にあってはその配合設計、打ち込み、養生等の施工管理での対応のほか、樹脂等による被覆、塗装、アスファルト被覆等の措置が、また、鋼材の場合にあってはモルタル又はコンクリート被覆、樹脂等による被覆、塗装、電気防食、腐食を考慮した厚さの設定等の措置があること。 〇 Ⅰ 4 地滑り防止工、沈下防止工(第3号)最終処分場の地盤が地滑り(水面埋立地(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号。以下「令」という。)第5条第2項に規定する水面埋立地をいう。以下同じ。)にあっては、滑り。)を起こすと最終処分場の機能が阻害され、また、最終処分場に設けられる浸出液処理設備等の設備が沈下を起こすとこれらの設備の機能が阻害されるので、地滑り防止工又は沈下防止工を設ける必要があること。地滑り防止工としては、滑動力軽減のための排土、地表水の浸透防止工、地下水の排除設備、滑り抑制のための工作物の設置等があり、また、沈下防止工としては、土質安定処理、地盤置換、杭基礎工、ケーソン基礎工等があること。 最終処分場の設置する場所が、斜面、崖等である場合には地滑りの有無を、軟弱地盤等である場合には沈下の有無 があり、また、沈下防止工としては、土質安定処理、地盤置換、杭基礎工、ケーソン基礎工等があること。 最終処分場の設置する場所が、斜面、崖等である場合には地滑りの有無を、軟弱地盤等である場合には沈下の有無を細心の注意を払って検討し、必要な地盤支持力等が十分に安全性をもって確保される工法を採用すること。 〇〇〇〇 Ⅰ 5 擁壁等(第4号)擁壁、えん堤等の種類及び構造は、埋立地の地形、地質、土質の条件及び必要な高さ等を勘案して決定すること。また、擁壁等が埋立地の一部を構成する場合には、保有水等の擁壁等からの浸出を防止するために命令第1条第1項第5号イ(1)の遮水層と同等の遮水の機能を有する必要があること。なお、埋立地の周囲が、一般廃棄物の流出しない地形である場合は、擁壁等を設ける必要がないこと。 水面埋立地にあっては、護岸が擁壁等に該当するものであること。 ×〇〇一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令/運用に伴う留意事項〇 Ⅰ 2 囲い(第1号)囲いは人により容易に破壊されず、かつ、人が通り抜けられない構造であり、相当の高さを有するものであること。ただし、埋立地が人のみだりに立ち入ることができないようになっている事業場内にある場合、又は埋立地の周囲が人のみだりに立ち入ることが出来ない海面、河川、崖等の地形である場合は、その周囲については囲いを設ける必要はないこと。 〇〇〇〇埋立地の開口部を閉鎖して埋め立て処分以外の用に供する場合にあっては、囲い、杭その他の設備により埋立地の範囲を明示すること。なお、その他の設備には、標識、境界線等が該当すること。 ×〇 Ⅰ 3 立札(第2号)一般廃棄物の種類は、ごみ、粗大ごみ、焼却灰、し尿処理汚泥等に区分して記載すること。連絡先は最終処分場の管理全般につい 他の設備には、標識、境界線等が該当すること。 ×〇 Ⅰ 3 立札(第2号)一般廃棄物の種類は、ごみ、粗大ごみ、焼却灰、し尿処理汚泥等に区分して記載すること。連絡先は最終処分場の管理全般について責任をもって対応しうる者の住所、氏名、電話番号等を記載すること。その他の設備としては、看板、壁面埋込板等が挙げられること。 Ⅳ 2 立札(第1号)遮断型最終処分場(令第7条第14号イに掲げる産業廃棄物の最終処分場をいう。以下同じ。)のうち、令第6条の4第1項第3号イ(1)から(6)までに掲げる特別管理産業廃棄物の埋立処分の用に供されるものにあっては「有害な特別管理産業廃棄物の最終処分場」と、令第6条第1項第3号ハ(1)から(5)までに掲げる産業廃棄物の埋立処分の用に供されるものにあっては「有害な産業廃棄物の最終処分場」と、また安定型最終処分場(令第7条第14号ロに掲げる産業廃棄物の最終処分場をいう。以下同じ。)又は管理型最終処分場(令第7条第14号ハに掲げる産業廃棄物の最終処分場をいう。以下同じ。)にあっては「産業廃棄物の最終処分場」と区分して表示しなければならないこと。 産業廃棄物の種類は、法第2条第4項及び令第2条に規定する区分によるものであるが、有害な特別管理産業廃棄物が埋め立てられる最終処分場又は有害な産業廃棄物が埋め立てられる最終処分場である場合には、含有する有害物質の種類ごとに細分した産業廃棄物の種類に区分して記載すること。 連絡先は、最終処分場の管理全般について責任をもって対応しうる者の住所、氏名、電話番号等を記載すること。 その他の設備としては、看板、壁面埋込板等があげられること。 〇〇〇〇〇:適用、× :適用なし技術上の基準を定める省令※1運用に伴う留意事項について※5産業廃棄物最終処分場一般廃棄物最終処分場〇 1 構 、壁面埋込板等があげられること。 〇〇〇〇〇:適用、× :適用なし技術上の基準を定める省令※1運用に伴う留意事項について※5産業廃棄物最終処分場一般廃棄物最終処分場〇 1 構造基準遮断型安定型管理型一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令/運用に伴う留意事項〇:適用、× :適用なし技術上の基準を定める省令※1運用に伴う留意事項について※5産業廃棄物最終処分場一般廃棄物最終処分場第1条第1項第5号(第2条第1項第4号)埋立地(内部仕切設備により区画して埋立処分を行う埋立地については、埋立処分を行つている区画。以下この号、次号及び次項第12号において同じ。)からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染を防止するための次に掲げる措置が講じられていること。ただし、公共の水域及び地下水の汚染を防止するために必要な措置を講じた一般廃棄物のみを埋め立てる埋立地については、この限りでない。 イ.埋立地(地下の全面に厚さが5m以上であり、かつ、透水係数が100nm/s(岩盤にあつては、ルジオン値が1)以下である地層又はこれと同等以上の遮水の効力を有する地層(以下「不透水性地層」という。)があるものを除く。以下イにおいて同じ。)には、一般廃棄物の投入のための開口部及びニに規定する保有水等集排水設備の部分を除き、一般廃棄物の保有水及び雨水等(以下「保有水等」という。)の埋立地からの浸出を防止するため、次の要件を備えた遮水工又はこれと同等以上の遮水の効力を有する遮水工を設けること。ただし、埋立地の内部の側面又は底面のうち、その表面に不透水性地層がある部分については、この限りでない。 Ⅰ 9 表面遮水工(第5号イ 水工又はこれと同等以上の遮水の効力を有する遮水工を設けること。ただし、埋立地の内部の側面又は底面のうち、その表面に不透水性地層がある部分については、この限りでない。 Ⅰ 9 表面遮水工(第5号イ)(1)表面遮水工の構成埋立地の地下の全面に不透水性地層がない場合は、命令第1条第1項第5号イ(1)から(3)までに規定する遮水層、基礎地盤及び遮光のための不織布等で構成される遮水工(表面遮水工)を設けること。 (2)不透水性地層不透水性地層が存在するか否かの判断は、厚さが5メートル以上であり、かつ、透水係数が100nm/s(1×10-5cm/s)(岩盤にあってはルジオン値が1)以下である地層又はこれと同等以上の遮水の効力を有する地層が連続して存在しているか否かを調査して行うこと。 ここで、「これと同等以上の遮水の効力を有する地層」とは、透水係数が100nm/s(1×10-5cm/s)(岩盤にあってはルジオン値が1)以下であって、厚さ及び透水係数又はルジオン値から判断して遮水の効力が同等以上であると認められるものであること。ただし、透水係数又はルジオン値が十分に小さな地層であっても厚さが5mに満たないものである場合の遮水の効力の評価は、一定の透水係数又はルジオン値及び厚さを有する地層が連続して存在していることを十分に確認することにより行うこととし、また、埋立処分される廃棄物の荷重や遮水工等の施工時に生じる負荷等に起因する埋立地底面部の沈下による当該地層への影響について十分に把握した上で行うこと。 なお、地盤改良等により、本文に示す厚さ及び透水係数等を有する地層と同等以上の遮水の効力を有するようにした地層は不透水性地層に該当するものであること。 (3)透水係数の測定方法透水係数は、原位置において試験を行う場合は、地盤工学会基準(以下「JGS」という。)1314( 以上の遮水の効力を有するようにした地層は不透水性地層に該当するものであること。 (3)透水係数の測定方法透水係数は、原位置において試験を行う場合は、地盤工学会基準(以下「JGS」という。)1314(1995年)によるボーリング孔を用いた透水試験方法、JGS1315(1995年)による揚水試験方法、JGS1316(1995年)による締め固めた地盤の透水試験方法等により求めること。室内において試験を行う場合は日本工業規格A1218(1993年)により求めること。 (4)ルジオン値の測定方法ルジオン値は、JGS1323(1995年)によるルジオン試験方法等により求めること。 Ⅰ 10 遮水層(第5号イ(1))(一) 表面遮水工における遮水層の構造遮水の機能を高める観点から、複数の遮水材を組み合わせた構造としており、立地場所の地形、地質、地下水等の自然的条件及び現場の状況に応じて適切に選択して施工すること。 (二) 法面の遮水層埋立地の法面勾配は、遮水工の施工性、滑り、盛土の安定性の観点から50%未満を原則とすること。ただし、地形の制約からこれにより難いためやむを得ず50%以上とする場合には、命令第1条第1項第5号イ(1)(イ)から(ハ)までに規定する遮水層を設けることが困難なことがあるため、予想される保有水等の水位よりも高い位置にある法面に限り、命令第1条第1項第5号イ(1)ただし書に規定する遮水層を設けることができること。 保有水等の水位が達するおそれがある高さは、当該地域の降雨の状況並びに保有水等集排水設備及び調整池による排水機能等を勘案して設定すること。 (三) 命令第1条第1項第5号イ(1)(イ)に規定する遮水層粘土その他の材料の層の透水係数は10nm/s(=1×10-6cm/s)以下としているが、これは現場発生土又は購入土にベントナイト等を混合し十 三) 命令第1条第1項第5号イ(1)(イ)に規定する遮水層粘土その他の材料の層の透水係数は10nm/s(=1×10-6cm/s)以下としているが、これは現場発生土又は購入土にベントナイト等を混合し十分に締め固めることにより達成可能なものであること。 また、遮水シートと粘土等の層との間は空隙のないように敷設すること。 (四) 命令第1条第1項第5号イ(1)(ロ)に規定する遮水層アスファルト・コンクリートの層の透水係数は1nm/s(=1×10-7cm/s)以下としているが、これはアスファルト・コンクリートを十分に締め固めることにより達成可能なものであること。 遮水シートとアスファルト・コンクリートの層との間は空隙のないように敷設すること。 (五) 命令第1条第1項第5号イ(1)(ハ)に規定する遮水層遮水シートを保護する観点から、基礎地盤と遮水シートが接する面に不織布等による保護層を敷設すること。 二重の遮水シートの間には、埋立作業又は埋立作業用の車両の走行による衝撃その他の負荷により双方の遮水シートが同時に損傷することを防止することができる十分な厚さと強度を有する不織布、合成樹脂等の材料を挿入すること。 (六) 遮水シート表面遮水工の遮水材として遮水シートを使用することが一般的に行われており、その材料としては合成ゴム系、合成樹脂系及びアスファルト系のものが一般的に用いられていること。 遮水シートの厚さは、施工作業及び埋立作業によりその表面に傷が発生した場合又は品質が劣化した場合においても十分な強度及び遮水性を確保すること並びに補修等を可能とすることを考慮して、アスファルト系以外の遮水シートについては1.5mm以上、アスファルト系の遮水シートについては3mm以上とすること。 命令第1条第1項第5号イ(1)に規定する保有水等の浸出を防止するために必要な遮水の効力、 ファルト系以外の遮水シートについては1.5mm以上、アスファルト系の遮水シートについては3mm以上とすること。 命令第1条第1項第5号イ(1)に規定する保有水等の浸出を防止するために必要な遮水の効力、強度及び耐久力を有する遮水シートとは以下の性質を有するものをいうこと。なお、遮水シートの接合部についても同様の性質又は性能を有する必要があること。 ① 遮水の効力遮水シートの材質について埋立地内部の保有水等を浸出させない十分な遮水性を有すること。また、遮水シートの表面に穴、亀裂等が認められないこと。 ② 強度廃棄物又は保有水等により想定される荷重、埋立作業用の車両等による衝撃力、これらにより生じる安定計算上許容しうる基礎地盤の変位並びに想定される温度応力に対し、強度及び伸びにより対応できる性能を有すること。 ③ 耐久力ア耐候性遮水シートは、紫外線の影響によりその品質が劣化するおそれがあることから、紫外線に長期間暴露したとしても引っ張りに対する遮水シートの強度や伸びの率が、暴露前と比較して大きく劣化しない性質を有すること。 イ熱安定性遮水シートの表面温度は直射日光により夏期には摂氏約60度から70度まで上昇する一方、冬期は摂氏氷点下約20度まで低下する可能性があり、また、廃棄物の分解反応により埋立地の層の内部の温度が上昇することがあるため、これらの温度変化に対する耐性を有すること。 ウ耐酸性、耐アルカリ性等埋立地の保有水等の水素イオン濃度を想定して、酸性及びアルカリ性に耐えうる性質を有すること。 このほか、耐油性その他の埋め立てられる廃棄物の化学的な性状に対する耐性を有すること。 エその他大気中のオゾンの影響による品質劣化や、曲げによる応力が継続した場合に発生するひび割れに対する耐性を有すること。 ④ その他遮水シートの敷設、接合等において不具合が する耐性を有すること。 エその他大気中のオゾンの影響による品質劣化や、曲げによる応力が継続した場合に発生するひび割れに対する耐性を有すること。 ④ その他遮水シートの敷設、接合等において不具合が生じないよう、施工性のよいものであること。 ×〇〇Ⅰ 8 水質汚染防止措置(第5号柱書き)括弧書に規定する埋立地の内部を内部仕切設備により区画して逐次埋立処分を行う埋立地(以下「区画埋立地」という。)は、埋立処分が長期間にわたる場合、あるいは埋立地の面積が広い場合等に行われるものであること。 ただし書の一般廃棄物には、平成10年3月5日付け衛環第8号厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知の1に掲げる一般廃棄物及び平成10年3月26日付け環水企第111号・衛環第23号環境庁水質保全局企画課長及び厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知に掲げる目標基準適合溶融固化物が該当すること。 (1)次のいずれかの要件を備えた遮水層又はこれらと同等以上の効力を有する遮水層を有すること。ただし、遮水層が敷設される地盤(以下「基礎地盤」という。)のうち、その勾配が50%以上であつて、かつ、その高さが保有水等の水位が達するおそれがある高さを超える部分については、当該基礎地盤に吹き付けられたモルタルの表面に、保有水等の浸出を防止するために必要な遮水の効力、強度及び耐久力を有する遮水シート(以下「遮水シート」という。)若しくはゴムアスファルト又はこれらと同等以上の遮水の効力、強度及び耐久力を有する物を遮水層として敷設した場合においては、この限りでない。 (イ)厚さが50cm以上であり、かつ、透水係数が10nm/s以下である粘土その他の材料の層の表面に遮水シートが敷設されていること。 (ロ)厚さが5cm以上であり、かつ、透水係数が1nm/s以下であるアスファルト・コンク 上であり、かつ、透水係数が10nm/s以下である粘土その他の材料の層の表面に遮水シートが敷設されていること。 (ロ)厚さが5cm以上であり、かつ、透水係数が1nm/s以下であるアスファルト・コンクリートの層の表面に遮水シートが敷設されていること。 (ハ)不織布その他の物(二重の遮水シートが基礎地盤と接することによる損傷を防止することができるものに限る。)の表面に二重の遮水シート(当該遮水シートの間に、埋立処分に用いる車両の走行又は作業による衝撃その他の負荷により双方の遮水シートが同時に損傷することを防止することができる十分な厚さ及び強度を有する不織布その他の物が設けられているものに限る。)が敷設されていること。 × 1 構造基準遮断型安定型管理型一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令/運用に伴う留意事項〇:適用、× :適用なし技術上の基準を定める省令※1運用に伴う留意事項について※5産業廃棄物最終処分場一般廃棄物最終処分場(2) 基礎地盤は、埋め立てる一般廃棄物の荷重その他予想される負荷による遮水層の損傷を防止するために必要な強度を有し、かつ、遮水層の損傷を防止することができる平らな状態であること。 Ⅰ 11 基礎地盤(第5号イ(2))基礎地盤の施工は、その上部に設けられる遮水層の損傷を防止するため、突起物や角れき等の除去、抜根を行った上で整形及び締め固め等を行い、十分な強度を有し、かつ、その表面が平滑になるよう整地すること。なお、命令第1条第1項第5号イ(1)(ハ)に規定する遮水層の場合には、基礎地盤の凹凸が遮水シートに及ぼす影響が同号イ(1)(イ)又は(ロ)に規定する遮水層よりも大きいと考えられるため、 整地すること。なお、命令第1条第1項第5号イ(1)(ハ)に規定する遮水層の場合には、基礎地盤の凹凸が遮水シートに及ぼす影響が同号イ(1)(イ)又は(ロ)に規定する遮水層よりも大きいと考えられるため、特に平滑に仕上げる必要があること。 (3)遮水層の表面を、日射によるその劣化を防止するために必要な遮光の効力を有する不織布又はこれと同等以上の遮光の効力及び耐久力を有する物で覆うこと。ただし、日射による遮水層の劣化のおそれがあると認められない場合には、この限りでない。 Ⅰ 12 遮水層の不織布等による被覆(第5号イ(3))遮水シート、ゴムアスファルト等の日射により劣化するおそれがあるものが遮水層の表面に敷設された場合は、遮光の効力及び耐久力を有する不織布等で覆うこと。 ロ.埋立地(地下の全面に不透水性地層があるものに限る。以下ロにおいて同じ。)には、保有水等の埋立地からの浸出を防止するため、開口部を除き、次のいずれかの要件を備えた遮水工又はこれらと同等以上の遮水の効力を有する遮水工を設けること。 (1) 薬剤等の注入により、当該不透水性地層までの埋立地の周囲の地盤が、ルジオン値が1以下となるまで固化されていること。 (2) 厚さが50cm以上であり、かつ、透水係数が10nm/s以下である壁が埋立地の周囲に当該不透水性地層まで設けられていること。 (3) 鋼矢板(他の鋼矢板と接続する部分からの保有水等の浸出を防止するための措置が講じられるものに限る。)が埋立地の周囲に当該不透水性地層まで設けられていること。 (4)イの(1)から(3)に掲げる要件。 Ⅰ 13 鉛直遮水工等(第5号ロ)埋立地の地下の全面に不透水性地層があることが確認されている場合の措置であり、当該不透水性地層に到達するまでの間の地層に対して命令第1条第1項第5号ロに規定する鉛直遮水工又は表 直遮水工等(第5号ロ)埋立地の地下の全面に不透水性地層があることが確認されている場合の措置であり、当該不透水性地層に到達するまでの間の地層に対して命令第1条第1項第5号ロに規定する鉛直遮水工又は表面遮水工を、埋立地の地形、地質、地下水等の自然的条件及び現場の状況に応じて適切に選択して施工すること。その他の工法としては、アスファルト・コンクリートで目地止めした水密コンクリート製ケーソンを設置する方法等があるが、遮水の効力について同号ロに規定する鉛直遮水工等と同等以上であることを確認した上で採用すること。 水面埋立地において護岸が遮水工に該当する場合には、護岸が遮水機能を有していなければならないこと。 ハ.地下水により遮水工が損傷するおそれがある場合には、地下水を有効に集め、排出することができる堅固で耐久力を有する管渠その他の集排水設備(以下「地下水集排水設備」という。)を設けること。 Ⅰ 14 地下水集排水設備(第5号ハ)地下水の湧出等がある場合には、これにより遮水機能が損なわれることがないよう地下水集排水設備を設ける必要があること。 地下水集排水設備の構造及び配置は、地下水の湧水箇所、湧水量、埋立地底部の地形等を勘案して決定すること。 ニ.埋立地には、保有水等を有効に集め、速やかに排出することができる堅固で耐久力を有する構造の管渠その他の集排水設備(水面埋立処分を行う埋立地については、保有水等を有効に排出することができる堅固で耐久力を有する構造の余水吐きその他の排水設備。以下「保有水等集排水設備」という。)を設けること。ただし、雨水が入らないよう必要な措置が講じられる埋立地(水面埋立処分を行う埋立地を除く。)であつて、腐敗せず、かつ、保有水が生じない一般廃棄物のみを埋め立てるものについては、この限りでない。 Ⅰ 15 保有水等集排水設備(第5号ニ) が講じられる埋立地(水面埋立処分を行う埋立地を除く。)であつて、腐敗せず、かつ、保有水が生じない一般廃棄物のみを埋め立てるものについては、この限りでない。 Ⅰ 15 保有水等集排水設備(第5号ニ)埋立地からの保有水等の浸出による公共の水域及び地下水の汚染のおそれがないよう、保有水等を有効に集め速やかに排除できる集排水設備を設置する必要があること。 集排水設備としては、管渠又は蛇篭を埋立地の底面に敷設する等の工法がとられるが、埋立地の地形条件、保有水等の流出量等を考慮に入れて施工するとともに、スケール等による断面の縮小にも対応できるよう管路の径を十分に大きくとること。また、目詰まり防止のため管渠等のまわりに砕石等の被覆材を敷設することも有効であること。 本文の括弧書は、水面埋立処分を行う埋立地にあっては、一般廃棄物の投入に伴い余剰となる保有水等を排出することが要求されるので、集水のための設備は必要ではなく、余水吐き、吐水ポンプ等の排水設備を設けなければならないことを規定していること。 ただし書は、埋立地の開口部が屋根又はシート等で覆われ雨水が入らないように措置されている埋立地(以下「被覆型埋立地」という。)であって、腐敗せず、かつ、保有水が生じない一般廃棄物のみを埋め立てるものにあっては、保有水等集排水設備の設置は必要でないことを規定しており、被覆型埋立地であっても、生ごみや泥状の廃棄物を埋立てるものについては、保有水等集排水設備の設置が必要であること。 ホ.保有水等集排水設備により集められ、ヘに規定する浸出液処理設備に流入する保有水等の水量及び水質を調整することができる耐水構造の調整池を設けること。ただし、水面埋立処分を行う最終処分場又はヘただし書に規定する最終処分場にあつては、この限りでない。 Ⅰ 16 調整池(第5号ホ)調整池は耐水構造とし、亀裂 とができる耐水構造の調整池を設けること。ただし、水面埋立処分を行う最終処分場又はヘただし書に規定する最終処分場にあつては、この限りでない。 Ⅰ 16 調整池(第5号ホ)調整池は耐水構造とし、亀裂や漏水の生じるおそれのないものとすること。調整池の容量は、保有水等集排水設備により集められる保有水等の量、浸出液処理設備の規模等を勘案して設定すること。 ただし書は、保有水等の集水のための設備の設置を必要としない水面埋立処分を行う最終処分場又は排除した保有水等を下水道等に放流するための貯留槽が設けられている最終処分場にあっては、調整池を設置する必要がないことを規定したものであること。 ヘ.保有水等集排水設備により集められた保有水等(水面埋立処分を行う埋立地については、保有水等集排水設備により排出される保有水等。以下同じ。)に係る放流水の水質を別表第1の上欄に掲げる項目ごとに同表の下欄に掲げる排水基準及び法第8条第2項第7号に規定する一般廃棄物処理施設の維持管理に関する計画(以下「維持管理計画」という。)に放流水の水質について達成することとした数値(ダイオキシン類(ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)第2条第1項に規定するダイオキシン類をいう。)に関する数値を除く。)が定められている場合における当該数値(以下「排水基準等」という。)並びにダイオキシン類対策特別措置法施行規則(平成11年総理府令第67号)別表第2の下欄に定めるダイオキシン類の許容限度(維持管理計画においてより厳しい数値を達成することとした場合にあつては、当該数値)に適合させることができる浸出液処理設備を設けること。ただし、保有水等集排水設備により集められた保有水等を貯留するための十分な容量の耐水構造の貯留槽が設けられ、かつ、当該貯留槽に貯留された保有水等が当該最終処 ることができる浸出液処理設備を設けること。ただし、保有水等集排水設備により集められた保有水等を貯留するための十分な容量の耐水構造の貯留槽が設けられ、かつ、当該貯留槽に貯留された保有水等が当該最終処分場以外の場所に設けられた本文に規定する浸出液処理設備と同等以上の性能を有する水処理設備で処理される最終処分場にあつては、この限りでない。 Ⅰ 17 浸出液処理設備(第5号ヘ)浸出液処理設備からの放流水の水質を、排水基準を定める総理府令(昭和46年総理府令第35号。以下「排水基準令」という。)第1条に規定する排水基準(生物化学的酸素要求量、化学的酸素要求量及び浮遊物質量については、命令第1条第1項第5号ヘの表に掲げる数値)及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)第8条第2項第7号に規定する一般廃棄物処理施設の維持管理に関する計画(以下「維持管理計画」という。)に定める数値に適合させることができる浸出液処理設備を設置すること。 「排水基準を定める総理府令第1条に規定する排水基準」とは、排水基準令第1条に規定する別表第1及び別表第2に掲げる許容限度をいうものであること。なお、排水基準令別表第2の備考2の規定は除かれているので、一日当たりの平均的な放流水の量が50m3未満の場合においても当該排水基準を遵守しなければならないことに留意すること。また、当該排水基準は、その規定の仕方により、水質汚濁防止法第3条第3項に基づく上乗せ排水基準の適用はないこと。 浸出液処理設備を設けるに当たっては、浸出液処理設備で処理する浸出液の量が最小となり、かつ、平均化されるようにすること。そのためには、一般廃棄物の締固め、覆土等を行い、雨水及び地表水の埋立地内への浸透を抑制し、埋立地から浸出してくる保有水等と分離して放流することが有効であること なり、かつ、平均化されるようにすること。そのためには、一般廃棄物の締固め、覆土等を行い、雨水及び地表水の埋立地内への浸透を抑制し、埋立地から浸出してくる保有水等と分離して放流することが有効であること。浸出液処理設備としては、浸出液の質に応じて沈殿設備、ばっ気設備、ろ過設備等の設備を組み合わせて設置することが一般的であること。 浸出液処理設備の規模は、保有水等集排水設備により集められる保有水等の量、調整池の容量等を勘案して設定すること。なお、浸出水処理設備の処理能力は、少なくとも当該地域における日平均降雨量に対応したものとすること。 卜.ヘに規定する浸出液処理設備に保有水等集排水設備により集められた保有水等を流入させるために設ける導水管又は当該浸出液処理設備の配管(以下「導水管等」という。)の凍結による損壊のおそれのある部分には、有効な防凍のための措置が講じられていること。 ―注1)最終処分基準省令※1別表第1に規定されている排水基準(BOD、COD、SSについては、それぞれ60、90、60mg/L以下と総理府令※2排水基準より強化されている。)注2)維持管理計画※3上の排水基準(環境影響評価等の結果に基づき生活環境を守るためにより厳しい数値が設定された場合の基準)注3)ダイオキシン類対策特別措置法施行規則別表第2××○○ ― 1 構造基準遮断型安定型管理型一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令/運用に伴う留意事項〇:適用、× :適用なし技術上の基準を定める省令※1運用に伴う留意事項について※5産業廃棄物最終処分場一般廃棄物最終処分場第1条第1項第6号(第2条第1項第2号、第2条第1項第4号)○× :適用、× :適用なし技術上の基準を定める省令※1運用に伴う留意事項について※5産業廃棄物最終処分場一般廃棄物最終処分場第1条第1項第6号(第2条第1項第2号、第2条第1項第4号)○×○○埋立地の周囲には、地表水が埋立地の開口部から埋立地へ流入するのを防止することができる開渠その他の設備が設けられていること。 第2条第1項第2号ロ○×××(遮断型最終処分場の)埋立地には、産業廃棄物の投入のための開口部を除き、次の要件を備えた外周仕切設備が設けられていること。 (1) 日本工業規格A1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)により測定した一軸圧縮強度が25N/mm2以上で、水密性を有する鉄筋コンクリートで造られ、かつ、その厚さが35cm以上であること又はこれと同等以上の遮断の効力を有すること。 (2) 第1条第1項第4号イに掲げる要件を備えていること。 (3) 埋め立てた産業廃棄物と接する面が遮水の効力及び腐食防止の効力を有する材料で十分に覆われていること。 (4) 地表水、地下水及び土壌の性状に応じた有効な腐食防止のための措置が講じられていること。 (5) 目視等により損壊の有無を点検できる構造であること。 第2条第1項第2号ハ○×××(遮断型最終処分場の)面積が50m2を超え、又は埋立容量が250m3を超える埋立地は、ロ(1)から(4)までに掲げる要件を備えた内部仕切設備により、一区画の面積がおおむね50m2を超え、又は一区画の埋立容量がおおむね250m3を超えないように区画すること。 第2条第1項第3号ロ×○××(安定型最終処分場の)擁壁等の安定を保持するため必要と認められる場合においては、埋立地の内部の雨水等を排出することができる設備が設けられていること。 第2条第1項第3号ハ×○×× ××(安定型最終処分場の)擁壁等の安定を保持するため必要と認められる場合においては、埋立地の内部の雨水等を排出することができる設備が設けられていること。 第2条第1項第3号ハ×○××(安定型最終処分場の)埋め立てられた産業廃棄物への安定型産業廃棄物(令第6条第1項第3号イに規定する安定型産業廃棄物をいう。以下同じ。)以外の廃棄物の付着又は混入の有無を確認するための水質検査に用いる浸透水(安定型産業廃棄物の層を通過した雨水等をいう。以下同じ。)を埋立地から採取することができる設備(以下「採取設備」という。)が設けられていること。 注)なお、※1及び※5については、平成12年8月14日付け総理府厚生省令第3号により、「命令」を「省令」に改めている(環境省が設立されたことによるもの)。 Ⅳ 4 (3) 雨水等の排出設備(第3号ロ)(安定型最終処分場の)擁壁等の安定を保持するため、必要に応じ、埋立地内部の雨水等を排出するための排水管、蛇篭等を設置すること。なお、これらの設備の設置により、擁壁等の構造耐力上の安全性を損なわないよう留意すること。 また、排出の必要がある雨水等を少なくする方法として、埋立地への地表水の流入を防止することができる側溝等の設置も有効であること。 Ⅳ 4 (4) 浸透水の採取設備(第3号ハ)(安定型最終処分場の)浸透水の採取設備は、埋め立てられた安定型産業廃棄物の層を通過した雨水等を採取して水質を検査することにより、安定型産業廃棄物以外の廃棄物の混入の有無を確認するためのものであり、埋立地の内部に敷設された多孔性の管や蛇篭等で構成されること。 浸透水の採取設備は、埋立処分が行われている場所の廃棄物の層を通過する浸透水を採取できるよう、当該場所の変更に伴って、必要に応じ、場所を変更して設置すること。 ※1 最終処 や蛇篭等で構成されること。 浸透水の採取設備は、埋立処分が行われている場所の廃棄物の層を通過する浸透水を採取できるよう、当該場所の変更に伴って、必要に応じ、場所を変更して設置すること。 ※1 最終処分基準省令:一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令(昭和52年3月14日総・厚令1号)※2 総理府令:排水基準を定める省令(昭和46年6月21日総理府令第35号)※3 維持管理計画:廃棄物処理法第8条第2項第7号※4 ダイオキシン類対策特別措置法に基づく廃棄物の最終処分場の維持管理の基準を定める省令(平成12年1月14日総・厚令2号)※5 一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令の運用に伴う留意事項について(平成10年07月16日環水企301・衛環63) Ⅰ 18 開渠(第6号)地表水が埋立地内に流入しないように集水域に応じた開渠その他の設備で地表水を排除し、保有水等の量を抑制することが必要であること。 Ⅳ 3 (3) 外周仕切設備(第2号ロ)命令第2条第1項第2号ロ(1)は、遮断の効力を規定する要件であること。外周仕切設備の材料は埋立地をその外部と遮断するために必要な遮断の効力が得られるものでなければならず、水密性を有する鉄筋コンクリートを使用することとし、鉄筋コンクリートの遮断の効力を圧縮強度及び厚さにより具体的に規定していること。 命令第2条第1項第2号ロ(2)は、構造耐力を規定する要件であり、Ⅰの6【注:構造耐力(第4号イ)】に準じて取り扱うものであること。 命令第2条第1項第2号ロ(3)は、産業廃棄物と接する面の耐水性及び耐食性に関する規定であり、高分子材料による被覆、塗装等により対応すること。 命令第2条第1項第2号ロ(4)は、外周仕切設備の外面の腐食防止を規定する要 第2号ロ(3)は、産業廃棄物と接する面の耐水性及び耐食性に関する規定であり、高分子材料による被覆、塗装等により対応すること。 命令第2条第1項第2号ロ(4)は、外周仕切設備の外面の腐食防止を規定する要件であり、Ⅰの7【注:腐食防止(第4号ロ)】に準じて取り扱うものであること。 命令第2条第1項第2号ロ(5)は、点検を可能とする構造に関する規定であり、外周仕切設備の側面部及び底面部の周囲に、点検路や点検のためビデオカメラ等の機器を通すことができる空間を設ける構造等とすること。 Ⅳ 3 (4) 内部仕切設備(第2号ハ)(遮断型最終処分場の)埋立地の内部は、1区画の面積がおおむね50m2以下、又は容量がおおむね250m3以下となるように区画すること。ただし、埋立地の面積が50m2以下、かつ、容量が250m3以下である場合には、内部仕切設備を設ける必要がないこと。 遮断の効力、構造耐力、遮水の効力及び腐食防止の効力については、外周仕切設備についての規定に準じて取り扱うものであること。

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