昭和29(ネ)138 登記を為すことを命ずる義務あることの確認請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和29年6月29日 仙台高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を取消す。      控訴人の本件訴を却下する。      訴訟費用は第一、二審とも控訴人の負担とする。          事    実  控訴代理人が陳述したものとみな

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判決文本文1,677 文字)

主文 原判決を取消す。 控訴人の本件訴を却下する。 訴訟費用は第一、二審とも控訴人の負担とする。 事実 控訴代理人が陳述したものとみなされる控訴伏の記載によれば、控訴人は「原判決を取消す、被控訴人は福島地方法務局大宮出張所登記官吏が昭和二十七年九月六日に抹消した福島県南会津郡a村大字b字cd番のe山林五十七町三反八畝二十七歩に生立する別紙目録記載の立木の保存登記につき同官吏に対し抹消回復登記なすべき旨を命ずる義務あることを確認する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする」との判決を求める。というにあり、被控訴代理人は控訴棄却の判決を求めた。 当事者双方の事実上の主張は原判決事実摘示と同一であるからここにこれを引用する。 理由 控訴人の本件訴の適否を審按するに、控訴人は昭和二十六年六月五日別紙目録記載の立木につき福島地方法務局大宮出張所受附第四五九号を以てこれが保存登記を経由したがその後被控訴人は訴外王子製紙株式会社の異議を容れ右出張所登記官吏に対し前記保存登記を抹消すべき旨を命じたので控訴人はこの処分を不服として昭和二十六年九月二十六日その取消訴訟を福島地方裁判所へ提起し、同年十二月二十八日控訴人勝訴の判決を受け該判決は確定した。ところが既に大宮出張所登記官吏は被控訴人の前記命令に基きさきに控訴人のした保存登記を抹消していたので控訴人は昭和二十七年六月十八日被控訴人に対し不動産登記法第百五十条所定の異議を申立てて右抹消登記の回復を計つた。かような場合被控訴人としては同法第百五十四条所定の「相当の処分」として、登記官吏に対して右抹消登記の回復を命ずべき義務があるにも拘らず、被控訴人はその存在を争い且つ右控訴人の異議に対する決定もしないので、 合被控訴人としては同法第百五十四条所定の「相当の処分」として、登記官吏に対して右抹消登記の回復を命ずべき義務があるにも拘らず、被控訴人はその存在を争い且つ右控訴人の異議に対する決定もしないので、控訴人は被控訴人に対し右義務の存在確認を求めるため本訴に及んだと云うのである。 ところで右請求原因事実の主張自体において明らかなように控訴人は既に別訴において被控訴人の前記処分違法なりとして争い、勝訴の判決を得、しかもこの判決は確定しているのである。それであるから控訴人の本件請求は既に行政訴訟において違法であるとする判断を受けた被控訴人の処分について更に別個な観点から裁判所に対していわば行政権に対する監督権の発動を期待するものに他ならずその主張する被控訴人の義務もいわゆる具体的争訟に関するものではない。 <要旨>然しながら司法権は行政権に対する一般的監督権を有するものではなく、単に訴訟当事者間における具体的</要旨>な法適用の保障的機能を認められているに過ぎないのであるから、控訴人の主張するように、未だ行政処分が為されていないのに、遵拠すべき法規や行政処分の型態を裁判所が決定指示して行政庁に対しこれが作為義務の存在を確認することが出来るとせば、当該判決が行政庁を拘束するものである点に鑑み、結局裁判所が行政庁に対し行政処分の給付を命ずるのと実質において異るところなく窮極において裁判所をして行政に関与し行政権を監督する機能を営ましめるに至るものであつて、かような事項を目的とする訴は三権分立の建前から当然裁判所において受理することを許されないものと云わなければならない。 本件訴もその性質右の如きものである以上到底不適法として却下を免れないものと云うべきである。 従つてこれと異る趣旨に出た原判決は取消すべきものとし、民事訴訟法第三百八十六条、第 ればならない。 本件訴もその性質右の如きものである以上到底不適法として却下を免れないものと云うべきである。 従つてこれと異る趣旨に出た原判決は取消すべきものとし、民事訴訟法第三百八十六条、第九十六条、第八十九条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判長判事板垣市太郎判事檀崎喜作判事沼尻芳孝)(別紙目録は省略する。)

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