主文 被告人を懲役3年に処する。 この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、令和6年7月13日午前2時46分頃、神奈川県藤沢市ab番地cd号被告人方において、次女であるA(当時54歳)に対し、その承諾を得て、殺意をもって、その頸部に帯を巻いて絞め上げ、よって、その頃、同所において、同人を頸部圧迫による窒息により死亡させて殺害した。 (法令の適用)罰条 刑法202条後段刑種の選択懲役刑を選択刑の執行猶予刑法25条1項訴訟費用刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)(量刑の理由)被告人は、被害者が精神疾患にり患してから、30年以上にわたり、入退院を繰り返す同人を介護していた。令和6年6月に退院した後、大声を出すなどする被害者を再度入院させようとしたが、医療機関の対応から望む入院ができないなどと考えて追い詰められ、死にたい、殺してくれなどと言う被害者を苦しみから解放しようなどと思い、同人を殺害し、自らも自殺を図った。始めは失敗したのに、凶器の帯を替えてまで殺害を遂げているのであって、殺意は強いものであったし、被害者の姉である長女の悲しみは深く、被害者の死亡という結果は重大であることはいうまでもない。医療関係者や長女など、周囲に介護の協力を求めることができたのに、被告人が自ら介護の負担を抱え込み、被害者の命を奪うことによって解決を図るという独善的な犯行につながってしまった点は、非難されるべきである。しかしながら、母として被告人なりに被害者に寄り添い、長年介護を続けた被告人の負担は大 きかったといえ、加齢による自らの衰えもある中で追い詰められて行った本件犯行について被告 るべきである。しかしながら、母として被告人なりに被害者に寄り添い、長年介護を続けた被告人の負担は大 きかったといえ、加齢による自らの衰えもある中で追い詰められて行った本件犯行について被告人ばかりを責めることもできないのであって、その刑責を判断するに当たって、この点は十分に酌むべきである。被告人が、本件犯行を後悔する姿勢を示し、被害者の死を悼んで、被害者の供養をしたいと述べていることも考慮し、被告人に対しては、主文の刑を科してその責任を明確にした上、比較的長い期間を定めてその刑の執行を猶予し、社会内で被害者への償いの日々を送らせることがふさわしいものと判断した。 (求刑懲役3年)令和6年11月5日横浜地方裁判所第2刑事部 裁判官世森ユキコ
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