令和3年1月15日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成30年(ワ)第36690号特許権侵害損害賠償請求事件口頭弁論終結日令和2年10月19日判決 原告株式会社DAPリアライズ 被告シャープ株式会社同訴訟代理人弁護士生田哲郎 佐野辰巳名越秀夫高橋隆二吉浦洋一 主文 1 原告の主位的請求を棄却する。 2 被告は,原告に対し,980万1770円及びこれに対する令和元年5月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告のその余の予備的請求を棄却する。 4 訴訟費用は,これを10分し,その9を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 5 この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 (目次) 第1 請求 ............................................................... 6 第2 事案の概要 ......................................................... 6 1 事案の要旨 ......................................................... 6 2 前提事実(当事者間に争いがない事実並びに ..... 6 1 事案の要旨 ......................................................... 6 2 前提事実(当事者間に争いがない事実並びに後掲の証拠(以下,書証番号は特記しない限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実) 7(1) 当事者 .......................................................... 7 (2) 本件特許 ........................................................ 7(3) 特許請求の範囲 .................................................. 8(4) 本件発明の構成要件の分説 ........................................ 8(5) 被告各製品の構成 ............................................... 10(6) 被告による被告各製品の製造販売 ................................. 10 (7) 原告による別件訴訟 ............................................. 11(8) 不法行為に基づく損害賠償請求権についての消滅時効の援用 ......... 11 3 争点 .............................................................. 12第3 争点に関する当事者の主張 .......................................... 12 1 争点 ............................ 12第3 争点に関する当事者の主張 .......................................... 12 1 争点1(被告各製品が本件発明の技術的範囲に属するか(構成要件D及びH の充足性))について ................................................... 12(原告の主張) ...................................................... 12(1) 構成要件Dの「必要な処理」又は「処理」を行う「中央演算回路」について .............................................................. 12(2) 構成要件D及びHの「単一のVRAM」について ................. 15 (3) 小括 ......................................................... 17(被告の主張) ...................................................... 18(1) 構成要件Dの「必要な処理」又は「処理」を行う「中央演算回路」について .............................................................. 18(2) 構成要件D及びHの「単一のVRAM」について ................. 20 (3) 小括 ......................................................... 23 ................. 20 (3) 小括 ......................................................... 23 2 争点2-1(甲11公報を主引用例とする進歩性欠如)について ........ 24(被告の主張) ...................................................... 24(1) 本件発明と甲11公報に記載された発明との対比 ................. 24(2) 相違点に係る構成の容易想到性 ................................. 29(3) 原告主張の相違点について ..................................... 31 (4) 小括 ......................................................... 33(原告の主張) ...................................................... 33(1) 本件発明と甲11発明の対比について ........................... 33(2) 相違点甲に係る構成の容易想到性について ....................... 35 3 争点2-2(乙4公報を主引用例とする進歩性欠如)について .......... 37 (被告の主張) ...................................................... 37(1) 本件発明と乙4公報に記載された発明との対比 ................... 37(2) 相違点に係る ................................... 37(1) 本件発明と乙4公報に記載された発明との対比 ................... 37(2) 相違点に係る構成の容易想到性 ................................. 41(3) 原告主張の相違点について ..................................... 42(原告の主張) ...................................................... 42 (1) 本件発明と乙4発明の対比について ............................. 42(2) 相違点乙に係る構成の容易想到性について ....................... 43 4 争点2-3(サポート要件違反)について ............................ 43(被告の主張) ...................................................... 43(原告の主張) ...................................................... 44 5 争点2-4(本件訂正についての訂正要件違反)について .............. 44(被告の主張) ...................................................... 44(原告の主張) ...................................................... 45 6 争点3(特許権侵害の不法行為による損害の発生の有無及びその額)について .. ...................................................... 45 6 争点3(特許権侵害の不法行為による損害の発生の有無及びその額)について .................................................................... 46 (原告の主張) ...................................................... 46 (1) 本件発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額 ........... 46(2) 被告の主張する実施料率について ............................... 50(被告の主張) ...................................................... 51(1) 本件発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額について ... 51(2) 原告の主張する実施料率について ............................... 51 7 争点4(本件発明の実施についての不当利得返還義務の有無及び返還すべき利得の額)について .................................................... 53(原告の主張) ...................................................... 53(被告の主張) ...................................................... 53 8 争点5(不法行為に基づく損害賠償請求権に係る消滅時効の抗弁の成否)に ついて .................................................. 53 8 争点5(不法行為に基づく損害賠償請求権に係る消滅時効の抗弁の成否)に ついて ................................................................ 54(被告の主張) ...................................................... 54(原告の主張) ...................................................... 55第4 当裁判所の判断 .................................................... 56 1 本件明細書の記載事項等 ............................................ 56 2 争点1(被告各製品が本件発明の技術的範囲に属するか(構成要件D及びHの充足性))について ................................................... 82(1) 被告各製品は,構成要件Dの「必要な処理」又は「処理」を行う「中央演算回路」を備えるか .................................................. 82(2) 被告各製品は,構成要件D及びHの「単一のVRAM」を備えるか ... 88 (3) 被告各製品の構成要件D及びHの充足性について ................... 93 3 争点2-1(甲11公報を主引用例とする進歩性欠如)について ........ 93(1) 甲11公報の記載 品の構成要件D及びHの充足性について ................... 93 3 争点2-1(甲11公報を主引用例とする進歩性欠如)について ........ 93(1) 甲11公報の記載事項等 ......................................... 93(2) 乙4公報の記載事項等 ........................................... 98(3) 甲11発明と本件発明との対比 .................................. 105 (4) 相違点③について .............................................. 107 (5) 小括 .......................................................... 109 4 争点2-2(乙4公報を主引用例とする進歩性欠如)について ......... 110(1) 乙4発明と本件発明との対比 .................................... 110(2) 相違点⑤について .............................................. 110(3) 小括 .......................................................... 111 5 争点2-3(サポート要件違反)について ........................... 111 6 争点2-4(本件訂正についての訂正要件違反)について ............. 112 7 争点5(不法行為に基づく損害賠償請求権についての消滅時効の成否)に ........... 111 6 争点2-4(本件訂正についての訂正要件違反)について ............. 112 7 争点5(不法行為に基づく損害賠償請求権についての消滅時効の成否)について ................................................................. 114(1) 消滅時効の成否 ................................................ 114 (2) 原告の主張について ............................................ 115(3) 小括 .......................................................... 116 8 争点4(本件発明の実施についての不当利得返還義務の有無及び返還すべき利得の額)について ................................................... 116(1) 不当利得返還義務の発生について ................................ 116 (2) 実施料相当額について .......................................... 116 9 結論 ............................................................. 123別紙一覧 ............................................................... 125別紙1 特許請求の範囲 ................................ .................................................. 125別紙1 特許請求の範囲 ................................................. 126別紙2 被告製品目録 ................................................... 128 別紙3 被告各製品の構成要素 ........................................... 129別紙4 被告各製品の本件発明に対応する構成(原告の主張) ............... 131別紙5 被告各製品の販売状況 ........................................... 134別紙6 本件明細書の図面 ............................................... 135別紙7 別件発明の構成要件 ............................................. 136 別紙8 甲11公報の図面 ............................................... 138 別紙9 乙4公報の図面 ................................................. 139別紙10 本件訂正前の特許請求の範囲 ................................... 141 第1 請求 1 主位的請求 被告は,原告に対し,1億円及びこれに対する平成30年12月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 予備的請求被告は,原告 第1 請求 1 主位的請求 被告は,原告に対し,1億円及びこれに対する平成30年12月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 予備的請求被告は,原告に対し,1億円並びにうち3000万円に対する令和元年5月14日から支払済みまで年5分の割合による金員及びうち7000万円に対す る令和2年7月9日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は,発明の名称を「携帯情報通信装置及び携帯情報通信装置を使用したパーソナルコンピュータシステム」とする特許第4555901号の特許(以 下「本件特許」という。)に係る特許権(以下「本件特許権」という。)の特許権者である原告が,別紙2「被告製品目録」記載の各製品(以下,併せて「被告各製品」という。)が本件特許の特許請求の範囲の請求項1記載の発明(以下「本件発明」という。)の技術的範囲に属するものであり,被告による被告各製品の製造,販売が本件特許権の実施に当たると主張して,以下の金員の支払を 求める事案である。 (1) 主位的請求本件特許権侵害の不法行為による損害賠償請求権に基づく,損害金1億円(特許法102条3項による損害金の一部請求)及びこれに対する不法行為後の日である平成30年12月4日(訴状送達の日の翌日)から支払済みま での平成29年法律第44号による改正前の民法(以下「改正前民法」とい う。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払請求。 (2) 予備的請求本件発明の実施料相当額の支払を免れたことによる不当利得返還請求権に基づく,利得金の一部として1億円並びにうち3000万円に対する返還請求の翌日である令和元年5月14日(令和元年5月13日付け訴えの変更申 施料相当額の支払を免れたことによる不当利得返還請求権に基づく,利得金の一部として1億円並びにうち3000万円に対する返還請求の翌日である令和元年5月14日(令和元年5月13日付け訴えの変更申 立書の直送の日の翌日)から支払済みまでの改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金及びうち7000万円に対する返還請求の翌日である令和2年7月9日(令和2年7月8日付け訴えの変更申立書の送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払請求。 2 前提事実(当事者間に争いがない事実並びに後掲の証拠(以下,書証番号は 特記しない限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者ア原告原告は,各種情報処理・通信システムの考案・開発等を目的とする株式会社である(甲50)。 イ被告被告は,電機メーカーであり,スマートフォンを始めとする携帯情報通信装置の企画,製造,販売等を行っている株式会社である。 (2) 本件特許ア原告は,平成17年12月21日(優先日平成16年12月24日及び 平成17年7月28日,優先権主張国日本)を出願日とする特許出願(特願2005-367373号)の一部を分割して出願した特許出願(特願2006-277062号)の一部を更に分割して,平成20年6月23日,新たに本件特許の特許出願(特願2008-162678号。以下「本件出願」という。)をし,平成22年7月30日,本件特許権の設定 登録(請求項の数4)を受けた(甲1ないし3)。 イ原告は,平成28年5月19日,本件出願の願書に添付した特許請求の範囲を訂正することを求める旨の訂正審判請求(訂正2016-390069号事件)をし,同年10月17日,上記特許請求の範 イ原告は,平成28年5月19日,本件出願の願書に添付した特許請求の範囲を訂正することを求める旨の訂正審判請求(訂正2016-390069号事件)をし,同年10月17日,上記特許請求の範囲の請求項2ないし4について訂正することを認め,同請求項1に係る訂正についての審判請求は成り立たない旨の審決がされたため,これに対し,同年11月2 9日,審決取消訴訟(知的財産高等裁判所平成28年(行ケ)第10257号事件)を提起したが,平成29年10月19日,原告の請求を棄却する判決がされ,同判決は同年11月7日確定し,上記審決も同日確定した(甲1,3,32)。 ウ原告は,平成30年4月9日,前記イの特許請求の範囲を本件特許の特 許請求の範囲のとおり訂正すること(以下「本件訂正」という。)を求める旨の訂正審判請求(訂正2018-390070号事件)をし,同年7月25日,本件訂正を認める旨の審決がされ,同審決は,同年8月2日確定した(審決確定後の請求項の数1。甲1,3)。 (3) 特許請求の範囲 本件特許の特許請求の範囲の請求項1(本件訂正後のもの)は,別紙1「特許請求の範囲」記載のとおりである。 (4) 本件発明の構成要件の分説本件発明は,次のとおり,構成要件に分説することができる(以下,分説に係る各構成要件については頭書の符号に対応させて「構成要件A」などと いう。)。 A ユーザーがマニュアル操作によってデータを入力し,該入力データを後記中央演算回路へ送信する入力手段と;B 無線信号を受信してデジタル信号に変換の上,後記中央演算回路に送信するとともに,後記中央演算回路から受信したデジタル信号を無線信号に 変換して送信する無線通信手段と; C 後記中央演算回路を動作させるプログラム に変換の上,後記中央演算回路に送信するとともに,後記中央演算回路から受信したデジタル信号を無線信号に 変換して送信する無線通信手段と; C 後記中央演算回路を動作させるプログラムと後記中央演算回路で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と;D 前記入力手段から受信したデータと前記記憶手段に格納されたプログラムとに基づき,前記無線通信手段から受信したデジタル信号に必要な処理を行い,リアルタイムでデジタル表示信号を生成するか,又は,自らが処 理可能なデータファイルとして前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理する中央演算回路と,該中央演算回路の処理結果に基づき,単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を後記ディスプレイ制御手段又は後記インターフ ェース手段に送信するグラフィックコントローラと,から構成されるデータ処理手段と;E 画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルと,前記グラフィックコントローラから受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルの各々の画素を駆動するディス プレイ制御手段とから構成されるディスプレイ手段と;F 外部ディスプレイ手段を備えるか,又は,外部ディスプレイ手段を接続するかする周辺装置を接続し,該周辺装置に対して,前記グラフィックコントローラから受信したデジタル表示信号に基づき,外部表示信号を送信するインターフェース手段と; G を備える携帯情報通信装置において,H 前記グラフィックコントローラは,前記携帯情報通信装置が「本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像デー インターフェース手段と; G を備える携帯情報通信装置において,H 前記グラフィックコントローラは,前記携帯情報通信装置が「本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データ」を処理して画像を表示する場合に,前記単一のVRAMから「前記ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータ」を読み 出し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を 生成し,該デジタル表示信号を前記ディスプレイ制御手段に送信する機能と,前記単一のVRAMから「前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータ」を読み出し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を前記インターフェース手段に送信する機能と,を実現し, I 前記インターフェース手段は,前記グラフィックコントローラから受信した「ビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を,デジタルRGB,TMDS,LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれかの伝送方式で伝送されるデジタル外部表示信号に変換して,該デジタル外部表示信号を前記周辺装置に送信する機能を有する, J ことにより,前記外部ディスプレイ手段に,「前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像」を表示できるようにした,K ことを特徴とする携帯情報通信装置。 (5) 被告各製品の構成 ア被告各製品は,別紙3「被告各製品の構成要素」のとおりの構成要素を有している(弁論の全趣旨)。 イ被告各製品は,別紙4「被告各製品の本件発明に対応する構成(原告の主張)」記載の構成(以下,符号に対応させて「構成a」などという。)のうち,構成 おりの構成要素を有している(弁論の全趣旨)。 イ被告各製品は,別紙4「被告各製品の本件発明に対応する構成(原告の主張)」記載の構成(以下,符号に対応させて「構成a」などという。)のうち,構成a,b,c,e,f,g(「以上を備える」の部分を除く。),i, j(「以上により」の部分を除く。),kを備えており,構成要件A,B,C,E,F,G(「を備える」の部分を除く。),I,J(「ことにより」の部分を除く。),Kを充足する(弁論の全趣旨)。 (6) 被告による被告各製品の製造販売被告は,遅くとも平成22年12月以降,被告各製品を製造,販売してお り,被告各製品それぞれの発売日,販売台数,売上高は,別紙5「被告各製 品の販売状況」のとおりである(乙6,弁論の全趣旨)。 被告による,被告各製品の製造,販売は,遅くとも平成23年9月30日には終了していた。 (7) 原告による別件訴訟原告は,平成24年1月9日頃,被告を共同被告の一部として,発明の名 称を「携帯情報通信装置,携帯情報通信装置を使用したパーソナルコンピュータシステム及び携帯情報通信装置用外部入出力ユニット」とする特許第3872502号の特許(以下「別件特許」という。)に係る特許権(以下「別件特許権」という。)に基づいて,被告各製品が別件特許の特許請求の範囲の請求項3記載の発明(以下「別件発明」という。その構成要件は別紙7「別 件発明の構成要件」記載のとおり。)の技術的範囲に属するものであり,被告による被告各製品の製造,販売が別件特許権の侵害に当たる等として,特許権侵害の不法行為による損害賠償を求める訴訟(東京地方裁判所平成24年(ワ)第237号特許権侵害損害賠償請求事件。以下,「別件訴訟」という。)を提起した(甲4,9)。 別 る等として,特許権侵害の不法行為による損害賠償を求める訴訟(東京地方裁判所平成24年(ワ)第237号特許権侵害損害賠償請求事件。以下,「別件訴訟」という。)を提起した(甲4,9)。 別件訴訟においては,平成25年8月2日,被告各製品はいずれも別件発明の技術的範囲に属さず,また,別件発明及びその訂正後の発明はいずれも進歩性を欠くために特許無効審判によって無効にされるべきものであるとして,原告の請求をいずれも棄却するとの判決(以下「別件判決」という。)がされ,同判決は確定した(乙1,5,弁論の全趣旨)。 (8) 不法行為に基づく損害賠償請求権についての消滅時効の援用原告は,平成30年11月25日に本件訴訟を提起したところ,被告は,平成31年4月19日の第1回弁論準備手続期日において,原告の主位的請求に係る本件特許権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求権につき,消滅時効を援用する旨の意思表示をした(当裁判所に顕著な事実)。 なお,被告は,原告の予備的請求に係る不当利得返還請求権については消 滅時効の主張をしていない。 3 争点(1) 被告各製品が本件発明の技術的範囲に属するか(構成要件D及びHの充足性)(争点1)(2) 無効の抗弁(特許法104条の3第1項)の成否(争点2) ア特開2004-214766号公報(甲11。以下「甲11公報」という。)を主引用例とする進歩性欠如(争点2-1)イ特開2000-66649号公報(乙4。以下「乙4公報」という。)を主引用例とする進歩性欠如(争点2-2)ウサポート要件違反(争点2-3) エ本件訂正についての訂正要件違反(争点2-4)(3) 特許権侵害の不法行為による損害の発生の有無及びその額(争点3)(4) 本件発明の実施に ウサポート要件違反(争点2-3) エ本件訂正についての訂正要件違反(争点2-4)(3) 特許権侵害の不法行為による損害の発生の有無及びその額(争点3)(4) 本件発明の実施についての不当利得返還義務の有無及び返還すべき利得の額(争点4)(5) 不法行為に基づく損害賠償請求権に係る消滅時効の抗弁の成否(争点5) 第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1(被告各製品が本件発明の技術的範囲に属するか(構成要件D及びHの充足性))について(原告の主張)(1) 構成要件Dの「必要な処理」又は「処理」を行う「中央演算回路」につい てア 「処理」の意義(ア) 一般的に,コンピュータによる電算処理において,「処理」とは「信号処理」又は「データ処理」を指し,「信号処理」は「信号を別の信号へと変換すること」,「データ処理」は「データを別の形式のデータに変換 すること」を意味する。 このような「信号処理」及び「データ処理」の一般的な語義から,構成要件D中の中央演算回路が行う「必要な処理」又は「処理」の意義は「信号を別の信号へと変換する信号処理,又は,データの別の形式のデータへと変換するデータ処理」(以下,この処理を「広義の処理」ということがある。)であると解される。 (イ) 前記(ア)の理解は構成要件Dの記載と整合的である。 すなわち,構成要件Dにおいて,中央演算回路は,「前記無線通信手段から受信したデジタル信号に必要な処理を行」って「デジタル表示信号を生成する」と特定されているが,ここで行われる「必要な処理」とは,「前記無線通信手段から受信したデジタル信号」を別の信号である「デ ジタル表示信号」に変換することに他ならない。 また,構成要件Dにおいて,中央演算回路は ,ここで行われる「必要な処理」とは,「前記無線通信手段から受信したデジタル信号」を別の信号である「デ ジタル表示信号」に変換することに他ならない。 また,構成要件Dにおいて,中央演算回路は,「前記記憶手段」から「読み出した」「データファイル」に含まれるデータを「処理する」ともされており,グラフィックコントローラは,「該中央演算回路の処理結果に基づき,単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読 み出しを行い,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し」とされ,ここでいう「該中央演算回路の処理結果」には,「中央演算回路」が「前記記憶手段」から「読み出した」「データファイル」に含まれるデータを「処理」した結果も含まれることは明らかである。そして,中央演算回路からグラフィックコントローラに送信 されるデジタル信号は「デジタル表示信号」であるから,中央演算回路は,「前記記憶手段」から「読み出した」「データファイル」に含まれるデータを「処理する」ことによって,「デジタル表示信号」によって「伝達」されるデータを生成するのであり,これは,「前記記憶手段」から「読み出した」「データファイル」に含まれるデータを,別の形式のデー タである「デジタル表示信号」によって「伝達」されるデータに変換す ることに他ならない。 (ウ) さらに,本件出願の願書に添付した明細書(甲2。以下,図面を含めて「本件明細書」といい,明細書の発明の詳細な説明に記載された段落番号及び図面については,単に【0001】,【図1】などと記載する。)の中央演算回路が行う処理に係る記載(【0114】ないし【0116】, 【0118】,【0120】,【0132】,【0145】)においても,「処理」という語は,信号 ,【図1】などと記載する。)の中央演算回路が行う処理に係る記載(【0114】ないし【0116】, 【0118】,【0120】,【0132】,【0145】)においても,「処理」という語は,信号を別の信号へと変換する信号処理又はデータを別の形式のデータへと変換するデータ処理という意義で使用されている。 (エ) 被告は,中央演算回路が行う「処理」について,「適切な処理」に限定されると主張するが,本件明細書の記載(【0032】)によれば,「適 切に処理する」主体は,「ディスプレイ手段」又は「データ処理手段及びディスプレイ手段」であるとされ,「適切に処理する」主体には,必ず「ディスプレイ手段」が含まれており,そのことに対応して,「適切な処理」の結果としては,「ディスプレイ手段の画面を構成する物理的な画素の色表示として過不足なく現実化する」ことが特定されている。一方, 「中央演算回路」は,データ処理手段の一構成要素であってディスプレイ手段ではなく,「画面」や「物理的な画素」を有さない。したがって,本件明細書における「適切に処理する」の定義においては,中央演算回路が「適切に処理する」ことは想定されていない。 また,被告の上記主張は,「処理する」の解釈に係る別件判決の判示に 依拠するものであるが,別件発明と本件発明では構成要件が異なるから,その判示は,本件発明における中央演算回路が行う「処理」には当てはまらない。 さらに,被告の主張は,本件明細書に記載された「付属ディスプレイパネルにおいては,その画面解像度に相当する部分だけを切り出した部 分画像しか表示できなかったり,画素を間引くことによって画質を落と した全体画像しか表示できなかったりしたような画像を,高解像度外部ディスプレイ手段においては,その本来の 出した部 分画像しか表示できなかったり,画素を間引くことによって画質を落と した全体画像しか表示できなかったりしたような画像を,高解像度外部ディスプレイ手段においては,その本来の解像度のままの全体画像として表示できるようになる」(【0078】第2文)との作用効果が本件発明の作用効果の一つであることを前提とするものであるが,本件明細書において上記の作用効果を奏しない構成が複数記載されていることに照 らし,そのような作用効果は,本件発明に係る携帯情報通信装置が必ず奏すべき作用効果とはいえない。 イ被告各製品が「必要な処理」又は「処理」を行う「中央演算回路」を備えていること被告自身も,被告各製品における,中央演算回路に当たるモバイルプロ セッサ(MSM8255又はMSM8655)の機能について,「タッチパネルから受信したデータと内部メモリに格納されたプログラムに基づき,無線通信手段から受信したデジタル信号(画像データ)を処理(広義の処理を指す)して,内蔵ディスプレイ表示用ビットマップデータ(内蔵用データ)と,画像解像度がHD(1280×720画素)である外部表示用 ビットマップデータ(外部用データ)を生成する。」旨の説明をしており,広義の処理を行うことは認めている。 したがって,被告各製品は,構成要件Dの「必要な処理」又は「処理」を行う「中央演算回路」を備えている。 (2) 構成要件D及びHの「単一のVRAM」について ア構成要件D及びHの「単一のVRAM」の意義(ア) 「単一のVRAM」の意義の解釈に際しては,本件明細書中の「VRAM」に付された「符号」や,図面中の「符号」に対応した図形に着目すべきである。 本件明細書の記載(【0115】,【0117】及び【0127】)にお 意義の解釈に際しては,本件明細書中の「VRAM」に付された「符号」や,図面中の「符号」に対応した図形に着目すべきである。 本件明細書の記載(【0115】,【0117】及び【0127】)にお いて,「VRAM」には,「VRAM(Video RAM)1_10C」又は「V RAM1_10C」などと,「10C」という符号が一貫して付されている。また,本件発明の携帯情報通信装置の構成を説明するブロック図である【図1】には,「10C」という符号が付された「VRAM1」という図形が,一つだけ記されている。 これらの記載から,「単一のVRAM」とは,「VRAMが,物理的に 分離した複数の部品から構成されていない」ことと解される。 なお,【図1】にいう「構成」については,「部品構成」を意味すると解するのが通常であるが,これは,「本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置の部品構成」(【0170】)を説明するものであり,「本件発明の構成」は,【図1】で示されている構成に限定される訳ではない。 そもそも本件発明の構成要件では,VRAMと液晶コントローラICが別部品であるか否かについては全く特定していないから,【図1】においてVRAMと液晶コントローラICが別部品であったとしても,本件発明においてVRAMと液晶コントローラICが別部品である必要はない。 (イ) 被告は,「IT用語辞典バイナリ」と題するウェブページ(乙2)の 記載に基づき,「VRAM」を「メモリ領域」と解釈するが,そのような解釈は一般的なものではない。 また,被告は,本件明細書の記載(【0115】,【0117】,【0127】)から,本件発明の「携帯情報通信装置」の動作を抽出,要約した上で,「単一のVRAM」について,一つの仮想画面のビットマップデータ 被告は,本件明細書の記載(【0115】,【0117】,【0127】)から,本件発明の「携帯情報通信装置」の動作を抽出,要約した上で,「単一のVRAM」について,一つの仮想画面のビットマップデータ を書き込むメモリ領域が単一であるとの解釈を示しているが,情報携帯端末の働きについての被告の理解は正確ではなく,正しくは以下のとおり要約されるべきである。 ① LCDパネル(内蔵ディスプレイ)に画像を表示させる場合,グラフィックコントローラが仮想画面におけるビットマップデータ(38 40×2400画素)を生成し,VRAMに書き込み,LCDパネル の画面解像度と同じ解像度(240×320画素)のビットマップデータをVRAMから切り出しLCDドライバに送信する(【0115】,【0117】)② 外部ディスプレイ装置に画像を表示させる場合,グラフィックコントローラが仮想画面におけるビットマップデータ(3840×240 0画素)を生成し,VRAMに書き込み,外部ディスプレイの画面解像度と同じ解像度(640×480画素)のビットマップデータをVRAMから切り出してTMDSトランスミッタに送信する(【0127】)。 そして,本件明細書では,上記①の動作において書き込まれる仮想画 面のビットマップデータと上記②の動作において書き込まれる仮想画面のビットマップデータとが共通であるとは限定されておらず,また,VRAM内部のメモリ領域に関して何らの記載もない。 したがって,上記①の動作によって切り出されるLCDパネル(内蔵ディスプレイ)用ビットマップデータと上記②の動作によって切り出さ れる外部ディスプレイ用ビットマップデータが,同一のメモリ領域から読み出されるということはできず,被告の上記主張は理由がない。 イ レイ)用ビットマップデータと上記②の動作によって切り出さ れる外部ディスプレイ用ビットマップデータが,同一のメモリ領域から読み出されるということはできず,被告の上記主張は理由がない。 イ被告各製品が「単一のVRAM」を備えていること被告各製品の液晶コントローラICに内蔵されるVRAMが物理的に分離した複数の部品から構成されないことを被告は認めているから,被告各 製品は構成要件D及びHの「単一のVRAM」を備えている。 (3) 小括以上のとおり,被告各製品は,構成要件Dの「処理」する「中央演算回路」を備えており,構成要件D及びHの「単一のVRAM」を備えているから,別紙4「被告各製品の本件発明に対応する構成(原告の主張)」記載d及びh の構成を有しており,構成要件D及びHを充足する。 (被告の主張)(1) 構成要件Dの「必要な処理」又は「処理」を行う「中央演算回路」についてア 「処理する」の意義(ア) 別件訴訟における判断 別件判決(乙1)は,別件発明の構成要件Iの「処理する」の意義について,別件発明に係る明細書記載の「適切に処理する」(【0032】)であると解し,さらに,「適切に処理する」の意義を同明細書の【0032】の記載から解釈して,「構成要件Iの「処理する」とは,データ処理手段が画像データファイルについて,物理的な現実化にあたって画素数 を間引いて表示画像の解像度を小さくしたり,画素を補間して表示画像の解像度を大きくしたりといったことをしない処理をすることをいうもの」と判示した。 そして,本件発明の構成要件Dの「前記無線通信手段から受信したデジタル信号に必要な処理を行い,リアルタイムでデジタル表示信号を生 成するか,又は,自らが処理可能なデータファイルとし 示した。 そして,本件発明の構成要件Dの「前記無線通信手段から受信したデジタル信号に必要な処理を行い,リアルタイムでデジタル表示信号を生 成するか,又は,自らが処理可能なデータファイルとして前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理する」との構成は,別件発明の構成要件Iの「前記画像データファイルをリアルタイムで処理することによって,及び/又は,前記画像データファイルを前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理することによって…デジタル表示 信号を生成する」との構成と,実質的に同一である。また,別件発明に係る明細書の【0032】は,本件明細書の【0032】と同一である。 したがって,本件発明の構成要件Dの「処理する」の意義は,別件訴訟における別件発明の構成要件Iにおける「処理する」の意義と同一と解されるべきである。 すなわち,本件発明の構成要件Dの「処理する」とは,「適切に処理す る」(【0032】)ことであり,その意義は,より具体的には,「データ処理手段が画像データファイルについて,物理的な現実化にあたって画素数を間引いて表示画像の解像度を小さくしたり,画素を補間して表示画像の解像度を大きくしたりといったことをしない処理をすることをいうもの」と解される。 (イ) 本件発明の作用効果との関係本件発明の作用効果の一つは,「付属ディスプレイパネルにおいては,その画面解像度に相当する部分だけを切り出した部分画像しか表示できなかったり,画素を間引くことによって画質を落とした全体画像しか表示できなかったりしたような画像を,高解像度外部ディスプレイ手段に おいては,その本来の解像度のままの全体画像として表示できるようになる」(【0078】第2文)というものである。 そして,この できなかったりしたような画像を,高解像度外部ディスプレイ手段に おいては,その本来の解像度のままの全体画像として表示できるようになる」(【0078】第2文)というものである。 そして,この作用効果を奏するためには,「適切な処理」(【0032】)が行われる必要があるから,構成要件Dにおける中央演算回路の「処理」については,前記(ア)のとおり,「適切な処理」と解すべきである。 イ被告各製品が「必要な処理」又は「処理」を行う「中央演算回路」を備えていないこと被告各製品で使用されているモバイルプロセッサ(MSM8255又はMSM8655)は,タッチパネルから受信したデータと内部メモリに格納されたプログラムに基づき,無線通信手段から受信したデジタル信号 (画像データ)を処理して,別紙3「被告各製品の構成要素」の一覧表における「内蔵ディスプレイの解像度」に記載の解像度の内蔵ディスプレイ表示用ビットマップデータ(内蔵用データ)と,画像解像度がHD(1280×720画素)である外部表示用ビットマップデータ(外部用データ)を生成する。そして,当該モバイルプロセッサから液晶コントローラIC を経由してインターフェース手段であるHDMI送信ICに送信される表 示信号の画素数は常に一律にHD(1280×720画素又は720p)となるように設計されている。 したがって,上記モバイルプロセッサは,ウェブサーバからダウンロードした画像データファイルの画素数(本来画像度)がHD未満の場合(低解像度の場合)には,画素を補間してHDの表示信号を生成し,同画像デ ータファイルの画素数がHDを超える場合(高解像度の場合)には,画素を間引いて表示画像の解像度を小さくしてHDの表示信号を生成している。 このように,被告各製品の の表示信号を生成し,同画像デ ータファイルの画素数がHDを超える場合(高解像度の場合)には,画素を間引いて表示画像の解像度を小さくしてHDの表示信号を生成している。 このように,被告各製品のモバイルプロセッサは,画素の補間処理及び画素の間引き処理をしていることから,「適切な処理」をするものではないので,被告各製品は,本件発明の構成要件Dの「必要な処理」又は「処理」 を行う「中央演算回路」を備えていない。 (2) 構成要件D及びHの「単一のVRAM」についてア 「単一のVRAM」の意義(ア) 「VRAM」とは,ディスプレイに画像を表示するために必要なデータを保持するメモリ領域を意味することから(乙2),構成要件D及びH の「単一のVRAM」とは,一つの仮想画面のビットマップデータを書き込むメモリ領域が単一であると解釈できる。 (イ)a 「単一のVRAM」という語句は,本件訂正により特許請求の範囲の記載に追加されたものであるが,本件訂正に係る審決(甲3)では,新規事項の追加の有無の判断において,本件明細書の記載(【011 2】,【0115】,【0117】,【0122】,【0127】)が引用されているところ,それらの記載を要約すれば,次のようになる。 ① まず,グラフィックコントローラが仮想画面におけるビットマップデータ(3840×2400画素)を生成し,VRAMに書き込みを行う(【0115】)。 ② 次に,LCDパネルの画面解像度と同じ解像度(240×320 画素)のビットマップデータをVRAMから切り出しLCDドライバに送信する(【0117】)。 ③ また,外部ディスプレイの画面解像度と同じ解像度(640×480画素)のビットマップデータをVRAMから切り出してTMDSトランスミッ から切り出しLCDドライバに送信する(【0117】)。 ③ また,外部ディスプレイの画面解像度と同じ解像度(640×480画素)のビットマップデータをVRAMから切り出してTMDSトランスミッタに送信する(【0127】)。 このように,本件発明では,VRAM,すなわち「ディスプレイに画像を表示するために必要なデータを保持するメモリ領域」にデータサイズの大きい仮想画面のビットマップデータを書き込み(例として3840×2400画素),このメモリ領域に書き込まれた該仮想画面のビットマップデータから内蔵ディスプレイ用ビットマップデータ (例として240×320画素)や外部ディスプレイ用ビットマップデータ(例として640×480画素)を切り出している。 この動作では,一つの仮想画面(3840×2400画素)のビットマップデータが書き込まれるメモリ領域と,内蔵ディスプレイ用ビットマップデータ(240×320画素)及び外部ディスプレイ用ビ ットマップデータ(640×480画素)が切り出されるメモリ領域が同一であるので,「単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行」っていることになる。 このような本件明細書の記載は,一つの仮想画面のビットマップデータを書き込むメモリ領域が単一であることを示すものである。 b 原告は,上記動作の理解について,内蔵ディスプレイに画像を表示させる場合(【0117】)と,外部ディスプレイに画像を表示させる場合(【0127】)とで,書き込まれる仮想画面のビットマップデータが共通であるとは限定されていないと主張する。 しかしながら,本件明細書には,これを異なるものとしなければな らない理由が記載されていないことから,それぞれの動作によって書 き込まれる仮 であるとは限定されていないと主張する。 しかしながら,本件明細書には,これを異なるものとしなければな らない理由が記載されていないことから,それぞれの動作によって書 き込まれる仮想画面のビットマップデータは同一と考えるのが当業者の通常の理解である。 したがって,本件明細書の【0117】と【0127】に記載された各切り出し動作の元となる仮想画面のビットマップデータが共通のものに限定されていないとする原告の上記主張は誤りである。 (ウ) 原告は,本件明細書の記載(【0115】,【0117】,【0127】,【図1】)を根拠として,「単一のVRAM」とは,「VRAMが,物理的に分離した複数の部品から構成されていない」ことを意味すると主張するが,本件明細書において,そのような記載はない。 また,原告は,上記主張の根拠として,本件発明の携帯情報通信装置 の構成を説明するブロック図である【図1】において「10C」という符号が付された「VRAM1」という図形が一つだけ記されていることを挙げる。しかしながら,【図1】は,部品単位で符号が付された図面ではなく,機能単位で符号が付された図面であると解すべきである。したがって,【図1】に10Cの符号が付された「VRAM1」が一つしか描かれ ていないからといって,符号10Cに相当する物理的に分離した部品が一つであるということにはならない。この点,仮に,【図1】の符号が物理的に分離された部品単位に付されているとすれば,符号10Bの付された「グラフィックコントローラ1」と符号10Cの付された「VRAM1」とは物理的に分離した別の部品ということになる。そのように解 釈した場合,被告各製品は,液晶コントローラIC内にVRAMが内蔵されており,VRAMと液晶コントローラIC 付された「VRAM1」とは物理的に分離した別の部品ということになる。そのように解 釈した場合,被告各製品は,液晶コントローラIC内にVRAMが内蔵されており,VRAMと液晶コントローラICとが物理的に分離された部品ではないから,後記イ(イ)のとおり,「単一のVRAM」の要件を満たさないことになり,原告の主張と矛盾する。 したがって,原告の上記主張は理由がない。 イ被告各製品が「単一のVRAM」を備えていないこと (ア) 前記アのとおり,本件発明の構成要件D及びHにおける「単一のVRAM」とは,一つの仮想画面のビットマップデータを書き込むメモリ領域が単一であるという意義である。 これに対し,被告各製品は,内蔵ディスプレイに画像を表示するために必要なデータを保持するメモリ領域として,内蔵ディスプレイの解像 度(960×540など)のビットマップデータを書き込む第1のグラフィックメモリ領域と,外部ディスプレイに画像を表示するために必要なデータを保持するメモリ領域として,HDの解像度(1280×720)のビットマップデータを書き込む第2のグラフィックメモリ領域が別個に設けられている。 したがって,被告各製品は,構成要件D及びHの「単一のVRAM」を備えていない。 (イ) 原告は,前記ア(ウ)のとおり,「単一のVRAM」の意義が,物理的に単一の電子部品であるVRAMと解釈できると主張するが,同主張を前提とすると,「VRAM1」には「10C」という符号が付され,「グラフィ ックコントローラ1」には「10B」という別の符号が付されていることから,「VRAM」と「グラフィックコントローラ」とは物理的に別の電子部品と解釈される。 これに対し,被告各製品では,VRAMは液晶コントローラICに内蔵 10B」という別の符号が付されていることから,「VRAM」と「グラフィックコントローラ」とは物理的に別の電子部品と解釈される。 これに対し,被告各製品では,VRAMは液晶コントローラICに内蔵されており,「VRAM」と「グラフィックコントローラ」が物理的に 別の電子部品となっているわけではない。 したがって,原告の上記主張を前提とする場合,被告各製品は「単一のVRAM」を備えていない。 (3) 小括以上のとおり,被告各製品は,構成要件Dの「必要な処理」又は「処理」 を行う「中央演算回路」並びに構成要件D及びHの「単一のVRAM」を備 えていないから,構成要件D及びHを充足するとは認められない。 2 争点2-1(甲11公報を主引用例とする進歩性欠如)について(被告の主張)(1) 本件発明と甲11公報に記載された発明との対比本件発明と優先日前に頒布された刊行物である甲11公報に記載された発 明(以下「甲11発明」という。)を本件発明の構成要件ごとに対比すると,次のようになる。 ア構成要件Aとの対比甲11発明は,ダイヤルキーやブラウザ操作キー等を備えた入力デバイスである操作部14を備え,CPU等からなる制御部10を備えている (甲11公報【0016】)。また,操作部14と制御部10が結ばれているから,操作部14で入力されたデータが,制御部10に送信されている(甲11公報【図1】)。 したがって,甲11発明の操作部14は本件発明の入力手段に相当し,甲11発明の制御部10は甲11発明の中央演算回路に相当するから,構 成要件Aについて,本件発明と甲11発明は一致する。 イ構成要件Bとの対比甲11発明は,アンテナ11aを介して電波を送受信する送受信部11を備えている(甲11公報 路に相当するから,構 成要件Aについて,本件発明と甲11発明は一致する。 イ構成要件Bとの対比甲11発明は,アンテナ11aを介して電波を送受信する送受信部11を備えている(甲11公報【0016】)。また,送受信部11と制御部10は結ばれているから,送受信部11で受信した信号が制御部10に送信 され,制御部10からの信号が送受信部11に送信されている。さらに,アンテナ11aで受信する信号は無線信号で,CPU等からなる制御部に送受信される信号はデジタル信号であることは技術常識であるから,送受信部11は,受信した無線信号をデジタル信号に変換して制御部10に送信し,制御部10から受信したデジタル信号を無線信号に変換してアンテ ナ11aから送信している。 したがって,甲11発明の送受信部11は本件発明の無線通信手段に相当するから,構成要件Bについて,本件発明と甲11発明は一致する。 ウ構成要件Cとの対比甲11発明は,ROMやRAMから成る情報格納手段である記憶部16を備えている(甲11公報【0016】)。制御部を動作させるプログラム をROM(readonlymemory)に格納することは技術常識に照らして自明であるから,記憶部16は制御部10を動作させるプログラムを格納していることが自明である。 また,制御部10は,記憶部16から所望の情報を読み出して画像出力部17に送出し,該情報を外部出力するように要求するのであるから(甲 11公報【0018】),制御部10で処理可能なデータファイルを記憶部16が格納することが明らかである。 したがって,甲11発明の記憶部16は,本件発明の記憶手段に相当するから,構成要件Cについて,本件発明と甲11発明は一致する。 エ構成要件Dとの対比 部16が格納することが明らかである。 したがって,甲11発明の記憶部16は,本件発明の記憶手段に相当するから,構成要件Cについて,本件発明と甲11発明は一致する。 エ構成要件Dとの対比 甲11発明では,表示部12(内部表示装置)及び外部表示装置2にデジタル表示信号を送信する主体につき,単に「制御部10」としか記載されていないのに対し,本件発明では,中央演算回路の処理結果に基づき,グラフィックコントローラが,単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,読み出したビットマップデータを伝達す るデジタル表示信号を生成し,当該デジタル表示信号をディスプレイ制御手段(内部表示装置用の制御手段)とインターフェース手段(外部表示装置用のデータ送信手段)に送信すると具体的に記載されている点で,両者は相違する。(相違点1)オ構成要件Eとの対比 甲11発明は,液晶ディスプレイ等から成る情報表示手段である表示部 12を備えている(甲11公報【0016】)。液晶ディスプレイが,画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示する液晶パネルと,前記液晶パネルの画面を構成している各々の画素を駆動する制御手段とから構成されていることは技術常識であるから,本件発明と甲11発明とは,「画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示する ディスプレイパネルと,…受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段とから構成されるディスプレイ手段」の点で一致する。 他方で,本件発明では,デジタル表示信号の受信につき,「グラフィックコントローラから」と特定されているのに対し,甲11発明では単に「制 御部10」と記載されている点で, 段」の点で一致する。 他方で,本件発明では,デジタル表示信号の受信につき,「グラフィックコントローラから」と特定されているのに対し,甲11発明では単に「制 御部10」と記載されている点で,両者は相違する。(相違点2)カ構成要件Fとの対比甲11発明は,入力された情報を外部表示装置2で読取可能な画像信号形式に変換して出力するインターフェース部である画像出力部17を備える(甲11公報【0016】)。 甲11発明の画像出力部17は,本件発明のインターフェース手段に相当するから,構成要件Fについて,本件発明と甲11発明は一致する。 キ構成要件Gとの対比甲11発明は携帯電話機であり,携帯情報通信装置の一種であるから,構成要件Gについて,本件発明と甲11発明は一致する。 ク構成要件Hとの対比甲11発明は,「制御部10は,送受信部11を介して指定サーバから所望のWebコンテンツ情報を取得して画像出力部17に送出し,該情報を外部出力するように要求する。該要求を受けた画像出力部17は,制御部10からの入力情報に所定の信号処理を施して外部表示装置2に出力する。 このような動作により,外部表示装置2には,閲覧中のWebコンテンツ 情報が表示されることになる。…また,携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについても,表示部12のサイズや解像度に依存することなく正常に表示することが可能となる」(甲11公報【0020】)という構成及び機能を備えている。したがって,甲11発明は,制御部10が,ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像の デジタル表示信号を生成し,インターフェース手段に送信する機能を実現する点で,本件発明と一致する。 他方で,本件発明は,グラフィックコン プレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像の デジタル表示信号を生成し,インターフェース手段に送信する機能を実現する点で,本件発明と一致する。 他方で,本件発明は,グラフィックコントローラが,単一のVRAMから,ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータを読み出して,デジタル表示信号を生成してディスプレイ制 御手段に送信する機能と,ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータを読み出して,デジタル表示信号を生成してインターフェース手段に送信する機能とを有するのに対し,甲11発明では,制御部10と表示部12が接続されていること(甲11公報【図1】)及び制御部10が所望のWebコンテンツ情報を取得して画像 出力部17に送出すること(甲11公報【0020】)が記載されているに留まる点で,両者は相違する。(相違点3)ケ構成要件Iとの対比甲11発明では,「画像出力部17は,制御部10からの入力情報に所定の信号処理を施して外部表示装置2に出力する」(甲11公報【0020】) から,甲11発明の画像出力部17は本件発明のインターフェース手段に相当する。 他方で,本件発明では,デジタル外部表示信号の伝送方式が「デジタルRGB,TMDS,LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれか」に限定されているのに対し,甲11発明では限定されていない点で, 両者は相違する。(相違点4) コ構成要件Jとの対比甲11発明は,「携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについても,表示部12のサイズや解像度に依存することなく正常に表示することが可能となる」(甲11公報【0020】)のであるから,構成要件Jについて,本件 での閲覧が意図されていないWebコンテンツについても,表示部12のサイズや解像度に依存することなく正常に表示することが可能となる」(甲11公報【0020】)のであるから,構成要件Jについて,本件発明と甲11発明は一致する。 サ構成要件Kとの対比本件発明と甲11発明はいずれも携帯情報通信装置であるから,構成要件Kについて,本件発明と甲11発明は一致する。 シ小括以上のとおり,本件発明と甲11発明の構成は,次の点で相違し,その 余は一致する。 (相違点1)本件発明では,中央演算回路の処理結果に基づき,グラフィックコントローラが,単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号 を生成し,当該デジタル表示信号をディスプレイ制御手段(内部表示装置用の制御手段)とインターフェース手段(外部表示装置用のデータ送信手段)に送信すると具体的に記載されているのに対し,甲11発明では,表示部12(内部表示装置)及び外部表示装置2にデジタル表示信号を送信する主体につき,単に「制御部10」としか記載されていない点。 (相違点2)本件発明では,デジタル表示信号の受信につき,「グラフィックコントローラから」と特定されているのに対し,甲11発明では単に「制御部10」と記載されている点。 (相違点3) 本件発明は,グラフィックコントローラが,単一のVRAMから,ディ スプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータを読み出して,デジタル表示信号を生成してディスプレイ制御手段に送信する機能と,ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータを読み出して,デジタル表示信号を生 ータを読み出して,デジタル表示信号を生成してディスプレイ制御手段に送信する機能と,ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータを読み出して,デジタル表示信号を生成してインターフェース手段に送信する機能とを有するのに対し,甲11発明 では,制御部10と表示部12が接続されていること(甲11公報【図1】)及び制御部10が所望のWebコンテンツ情報を取得して画像出力部17に送出すること(甲11公報【0020】)が記載されているに留まる点。 (相違点4)本件発明では,デジタル外部表示信号の伝送方式が「デジタルRGB, TMDS,LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれか」に限定されているのに対し,甲11発明では限定されていない点。 (2) 相違点に係る構成の容易想到性ア相違点1について(ア) 乙4公報には,「表示メモリ(VRAM)」に,「内部・外部共有表示 エリア」と「外部表示エリア」を設けることが記載されている(乙4公報【図7】(a))。そして,本件発明の「単一のVRAM」は,「ディスプレイに画像を表示するための必要なデータを保持するメモリ領域」が「単一」であるという意義である。この点,上記の【図7】(a)では,表示メモリ(VRAM)内に「内部・外部共有表示エリア」があり,そ こにおいて「共有」という語が使われていることから,内部ディスプレイに画像を表示するための必要なデータを保持するメモリ領域と外部ディスプレイに画像を表示するための必要なデータを保持するメモリ領域が「共有」されて一つになっている。さらに,この「内部・外部共有表示エリア」に連続して「外部表示エリア」が設けられていることから, 両者が一体となって一つのメモリ領域を形成している。そうすると, 「共有」されて一つになっている。さらに,この「内部・外部共有表示エリア」に連続して「外部表示エリア」が設けられていることから, 両者が一体となって一つのメモリ領域を形成している。そうすると,乙 4公報においては,本件発明の「単一のVRAM」に相当する「内部・外部共有表示エリア」と「外部表示エリア」が連続して形成されている一つのメモリ領域(乙4公報【図7】(a))に表示イメージを書き込み/読み出しをすることが記載されているといえる。また,ビットマップデータが表示イメージの代表的なデータ形式であることは技術常識であ る。 したがって,乙4公報には,次の技術的事項が記載されている。 「表示コントローラ20が,単一のVRAMに対し,ビットマップデータなどの表示イメージを書き込み/読み出しを行い,その表示イメージに応じて内部表示装置22及び外部表示装置24に描画イメージを表 示させる」(イ) 甲11発明の構成要件Dにおいては,「制御部10」が内部表示装置及び外部表示装置に表示させることしか記載されておらず,その具体的な制御機構が限定されていないが,当業者であれば,甲11発明の実施を試みる際,甲11発明の「制御部10」に乙4公報に記載された内部 表示装置及び外部表示装置に表示させる機構に係る前記(ア)の技術的事項を適用し,相違点1に係る本件発明の構成とすることを容易に想到できたといえる。 イ相違点2について相違点2は,本件発明の構成要件Eにおいては「グラフィックコントロ ーラ」と具体的に記載されているのに対し,甲11発明においては「制御部10」としか記載されていない点であり,相違点1と同様,「制御部10」に係るものである。 したがって,前記アのとおり,当業者であれば,甲11発明の実施を試み のに対し,甲11発明においては「制御部10」としか記載されていない点であり,相違点1と同様,「制御部10」に係るものである。 したがって,前記アのとおり,当業者であれば,甲11発明の実施を試みる際,甲11発明の「制御部10」に乙4公報に記載された「表示コン トローラ20」(本件発明の「グラフィックコントローラ」に相当する。) に係る前記ア(ア)の技術事項を適用し,相違点2に係る本件発明の構成とすることを容易に想到できたといえる。 ウ相違点3について本件発明の構成要件Hに係る相違点3は,実質的に相違点2と同様である。 したがって,前記イと同様に,相違点3は,甲11発明の「制御部10」に乙4公報に記載された「表示コントローラ20」に係る技術的事項を適用することによって,当業者が容易に想到できたことである。 エ相違点4について本件発明の構成要件Iでは,「デジタル外部表示信号」の「伝送方式」が 「デジタルRGB,TMDS,LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれか」に限定されているが,これらは,優先日当時の周知技術である伝送方式が列挙されているにすぎない。 したがって,当業者であれば,甲11発明の実施を試みる際,甲11発明の「外部表示装置2に出力する」方式に上記の周知技術を適用し,相違 点4に係る本件発明の構成とすることを容易に想到できたといえる。 (3) 原告主張の相違点についてア相違点甲の認定について原告は,訂正2012-390058号事件の審決(甲31)における認定に基づき,本件発明と甲11発明との間に相違点甲があると主張する が,それは構成要件Hについての相違点3をより正確に認定するとの趣旨の主張であり,相違点3と異なる新たな相違点を主張するものではないとい 本件発明と甲11発明との間に相違点甲があると主張する が,それは構成要件Hについての相違点3をより正確に認定するとの趣旨の主張であり,相違点3と異なる新たな相違点を主張するものではないというべきである。 イ相違点甲に係る構成の容易想到性について(ア) 原告は,乙4公報に記載された「携帯情報処理装置」は,構成要件H の「画像データを処理して画像を表示する」構成を有していないと主張 する。 しかしながら,乙4公報には,「出力装置として内蔵した表示デバイス以外に外部表示機器を接続可能な携帯情報処理装置,及び外部表示出力の制御方法」(乙4公報【0001】)が記載されており,また,「内蔵した表示デバイスにおいて表示する描画イメージと同じ描画イメージを外 部表示機器において表示させる」(乙4公報【0003】)ことが記載されている。さらに,乙4公報の【図7】では,VRAMの「内部」「表示エリア」の画像データを「内部表示装置」に表示させ,「外部表示エリア」の画像データを「外部表示装置」に表示させることが示唆されている。 これらのことから,当業者が乙4公報に記載された技術的事項を甲1 1発明に係る携帯情報通信装置に適用する際に,乙4公報に記載された「描画イメージ」に代えて,携帯情報通信装置で受信した画像イメージを表示させることは,当業者が通常行う設計事項の変更にすぎないと解される。したがって,原告の上記主張は理由がない。 (イ) 原告は,相違点甲(実質的に相違点3と同じ。)の容易想到性に関し, 前記アの審決における甲11発明(同審決の引用発明1)の認定に基づき,当業者が甲11発明に対して他の技術を適用するならば,当該技術は,当然,Webコンテンツに類する画像データを入力する機能を有する携帯情報処理装置 ける甲11発明(同審決の引用発明1)の認定に基づき,当業者が甲11発明に対して他の技術を適用するならば,当該技術は,当然,Webコンテンツに類する画像データを入力する機能を有する携帯情報処理装置に係る技術であって,乙4公報に記載された携帯情報処理装置(携帯機器2)は,Webコンテンツを閲覧する機能及び外 部から画像データを入力するための他の手段を有していないから,甲11発明に乙4公報に記載された技術的事項を適用することには阻害要因が存在すると主張する。 しかしながら,当業者,すなわち,「その発明(携帯情報通信装置の発明)の属する技術の分野における通常の知識を有する者」(特許法29条 2項)であれば,携帯情報通信装置の隣接技術分野である携帯情報処理 装置についても十分な知識を有するため,甲11発明に適用する技術的事項は,Webコンテンツに類する画像データを入力する機能を有する携帯情報処理装置に係る技術に限定されない。それゆえ,特段の阻害事由がない限り,甲11発明の要素技術の一部を他の携帯情報処理装置に係る発明の要素技術の一部に置き換えてみることは,当業者が通常に行 う設計事項の変更にすぎないと解すべきである。 したがって,原告の上記主張は理由がない。 (4) 小括以上のとおり本件発明は,甲11発明並びに乙4公報に記載された技術的事項及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明することができたもので あるから,進歩性を欠き,無効とされるべきものである(特許法123条1項2号,29条2項)。 (原告の主張)(1) 本件発明と甲11発明の対比について被告は,本件発明の進歩性欠如の主張を行うに当たり,引用発明である甲 11発明の認定を行わないまま,構成要件ごとの対比を行っている結果,本件発 (1) 本件発明と甲11発明の対比について被告は,本件発明の進歩性欠如の主張を行うに当たり,引用発明である甲 11発明の認定を行わないまま,構成要件ごとの対比を行っている結果,本件発明と甲11発明との間の相違点の認定も不正確なものとなっている。 この点,訂正2012-390058号事件の審決(甲31)においては,甲11発明(同審決の引用発明1)の内容が次のように認定されている。 「ダイヤルキーやブラウザ操作キー等を備えた入力デバイスである操作部 14と,CCDカメラやCMOSカメラから成る画像撮影手段である撮像部15と,送信回路と受信回路を有して成り,アンテナを介して電波を送受信することで,基地局との双方向通信を行う送受信部11と, ROMやRAMから成る情報格納手段である記憶部16と, CPU等から成り,装置全体の動作を制御する制御部10と,液晶ディスプレイ等から成る情報表示手段である表示部12と,入力された情報(静止画や動画,文字など)を外部表示装置2で読取可能な画像信号形式(例えば,ビデオ信号形式)に変換して出力するインターフェイス部である画像出力部17と, を備えるとともに,制御部10は,送受信部11を介して指定サーバから所望のWebコンテンツ情報を取得して画像出力部17に送出し,該情報を外部出力するように要求し,該要求を受けた画像出力部17は,制御部10からの入力情報に所定の 信号処理を施して外部表示信号2に出力することによって,携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについても,表示部12のサイズや解像度に依存することなく正常に表示することが可能となる携帯電話機1」そこで,上記の認定に基づき,本件発明と甲11発明とを対比すると,両 いないWebコンテンツについても,表示部12のサイズや解像度に依存することなく正常に表示することが可能となる携帯電話機1」そこで,上記の認定に基づき,本件発明と甲11発明とを対比すると,両 者の間には,少なくとも,構成要件Hについて,次の相違点(相違点甲)が存在する。 (相違点甲)本件発明の「携帯情報通信装置」の「グラフィックコントローラ」は,「前記携帯情報通信装置が「本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より 大きい画像データ」を処理して画像を表示する場合に,前記単一のVRAMから「前記ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータ」を読み出し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を前記ディスプレイ制御手段に送信する機能と,前記単一のVRAMから「前記ディスプレイパネ ルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータ」を読 み出し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を前記インターフェース手段に送信する機能と,を実現する」のに対して,甲11発明の「携帯電話機」(「携帯情報通信装置」に相当する。)は,「携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツ」を処理し,「制御部」 (「グラフィックコントローラ」を構成要素とする「データ処理手段」に相当する。)は「画像出力部」(「インターフェース手段」に相当する。)に情報を出力するものの,甲11発明の「制御部」は,「前記携帯情報通信装置が「本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データ」を処理して画像を表示する場合」に相当する「携帯電話機での閲覧が意図されてい ないWebコン 部」は,「前記携帯情報通信装置が「本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データ」を処理して画像を表示する場合」に相当する「携帯電話機での閲覧が意図されてい ないWebコンテンツ」を処理する場合に,「VRAMから「ビットマップデータ」を読み出す」とも,「「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成する」ともされていない点。 (2) 相違点甲に係る構成の容易想到性について被告は,本件発明は,甲11発明並びに乙4公報に記載された技術的事項 及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明することができたものであるから,進歩性を欠き,無効とされるべきものであると主張するが,以下のとおり,当業者は,甲11発明に乙4公報に記載された技術的事項を適用して,相違点甲に係る構成を容易に想到することはできない。 ア相違点甲は,「前記携帯情報通信装置が「本来解像度がディスプレイパネ ルの画面解像度より大きい画像データ」を処理して画像を表示する場合」におけるグラフィックコントローラの機能に係る相違点であるが,乙4公報に記載された携帯情報処理装置は,構成要件Hに係る「「本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データ」を処理して画像を表示する」構成はおろか,そもそも「画像データを処理して画像を表示す る」構成すら有していない。 したがって,当業者は,乙4公報に記載された技術的事項を考慮したとしても,本件発明と甲11発明との間の相違点甲に係る構成を容易に想到することはできない。 イ本件発明の課題は,「大画面外部ディスプレイ手段において,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示すること」(【003 1】)にあり,一方,甲11発明が「付属ディスプレ イ本件発明の課題は,「大画面外部ディスプレイ手段において,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示すること」(【003 1】)にあり,一方,甲11発明が「付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示する」ことに関して有している機能は,「携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについても,表示部12のサイズや解像度に依存することなく正常に表示すること」(甲11公報【0020】)である。そうすると,本件発明の課題を解決するために,当 業者が甲11発明に対して他の技術を適用するとするならば,当該技術は,当然,「Webコンテンツに類する画像データを入力する機能」を有する携帯情報処理装置に係る技術であるべきである。 しかしながら,乙4公報に記載された携帯情報処理装置(携帯機器2)は,「Webコンテンツを閲覧する機能」はおろか「通信手段」すら有して おらず,さらには,外部から「画像データ」を入力するための手段も一切有していない。 ここで置き換えるべきは,甲11発明の「制御部10」と乙4公報に記載された「CPU10,表示コントローラ20及び表示メモリ18」であるところ,甲11発明の「制御部10」は,「画像データであるWebコン テンツを処理する機能」を基本的な機能とするのに対して,乙4公報に記載された「CPU10,表示コントローラ20及び表示メモリ18」は,「Webコンテンツに類する画像データ」を処理する機能を有していない。 このような事情に鑑みると,甲11発明の「制御部10」を乙4公報に記載された「CPU10,表示コントローラ20及び表示メモリ18」に 置き換えることには動機付けがなく,むしろ阻害要因が存在するというべ きである。 ウ外部から「画像デ 4公報に記載された「CPU10,表示コントローラ20及び表示メモリ18」に 置き換えることには動機付けがなく,むしろ阻害要因が存在するというべ きである。 ウ外部から「画像データ」を入力する手段を一切有していない乙4公報の携帯情報処理装置(携帯機器2)において表示される「描画イメージ」に変えて,甲11発明の携帯通信装置で受信した画像データを処理した画像イメージを表示させるようにすると,「CPU10」から「表示コントロー ラ20」(「グラフィックコントローラ」に対応するとされる。)に送信される表示データの種類や大きさも当然変わることになるが,それに対応して「表示コントローラ20」や「表示メモリ18」(「VRAM」に対応するとされる。)にいかなる変更を加えればよいのか不明であり,少なくとも,甲11公報や乙4公報には,その変更の方法について示唆するような記載 は一切ない。したがって,乙4公報に記載された「描画イメージ」に変えて,甲11発明の携帯通信装置で受信した画像データを処理した画像イメージを表示させる変更は容易ではなく,被告の主張するような当業者が通常に行う設計事項の変更ではあり得ない。 3 争点2-2(乙4公報を主引用例とする進歩性欠如)について (被告の主張)(1) 本件発明と乙4公報に記載された発明との対比本件発明と優先日前に頒布された刊行物である乙4公報に記載された発明(以下「乙4発明」という。)を本件発明の構成要件ごとに対比すると,次のようになる。 ア構成要件Aとの対比乙4発明は,「入力装置16」を備えており(乙4公報【0012】,【図2】),構成要件Aについて,本件発明と乙4発明は一致する。 イ構成要件Bとの対比乙4発明には構成要件Bの「無線通信手段」が明 4発明は,「入力装置16」を備えており(乙4公報【0012】,【図2】),構成要件Aについて,本件発明と乙4発明は一致する。 イ構成要件Bとの対比乙4発明には構成要件Bの「無線通信手段」が明示されていない点で, これを備えている本件発明と相違する。(相違点5) ウ構成要件Cとの対比乙4発明は,「ROM14」を備えており(乙4公報【0012】,【図2】),構成要件Cについて,本件発明と乙4発明は一致する。 エ構成要件Dとの対比乙4公報には,次の記載がある。 「アプリケーションプログラム35の実行により提供される機能によって,ユーザからの指示を入力装置16から指定させる」(乙4公報【0035】)。 「アプリケーション35によって出力方法の指定が入力されると,OS38の制御のもとで,内部表示用と外部表示用のそれぞれの描画プログラ ム(以下,内部表示ドライバ36,外部表示ドライバ37)に従って,表示コントローラ20に対してユーザからの指定の設定,すなわち内部表示と外部表示に用いる表示データ(描画イメージ)を示すアドレスを表示コントローラ20内のレジスタ20bに設定する」(乙4公報【0036】)。 「アプリケーションプログラム35は,内部表示装置22と外部表示装 置24において描画させるイメージ,すなわち内部表示イメージと外部表示イメージの2種類を,それぞれの表示装置の解像度に合わせて,表示メモリ18上にライトする」(乙4公報【0037】)。 「表示コントローラ20は,アプリケーションプログラム35によってライトされた内部表示イメージと外部表示イメージに応じて,内部表示装 置22と外部表示装置24に対して,それぞれに応じた描画イメージを表示させる」(乙4公報【0038】)。 そ 35によってライトされた内部表示イメージと外部表示イメージに応じて,内部表示装 置22と外部表示装置24に対して,それぞれに応じた描画イメージを表示させる」(乙4公報【0038】)。 そして,乙4発明の「ユーザからの指示」は,本件発明の「入力手段から受信したデータ」に相当し,乙4発明の「アプリケーションプログラム35」,「描画プログラム」(「内部表示ドライバ36,外部表示ドライバ3 7」)及び「OS38」は,本件発明の「記憶手段に格納されたプログラム」 に相当し,乙4発明の「表示コントローラ20」は,本件発明の「グラフィックコントローラ」に相当するといえる。また,乙4発明の「表示メモリ18」は,本件発明の「単一のVRAM」に相当する(乙4公報【図7】(a)参照)。 したがって,構成要件Dについて,本件発明と乙4発明は一致する。 オ構成要件Eとの対比乙4発明の「内部表示装置22」は,予め内蔵されたLCD等によって構成される表示デバイスであり(乙4公報【0017】),前記2(被告の主張)(1)オのとおり,LCDすなわち液晶ディスプレイは,本件発明のディスプレイ手段と同じ構成である。 したがって,構成要件Eについて,本件発明と乙4発明は一致する。 カ構成要件Fとの対比乙4発明は,「表示コントローラ20」が,「表示メモリ18に格納された表示データに応じて」,「外部表示装置24」に「画面を表示させる」(乙4公報【0016】)から,構成要件Fについて,本件発明と乙4発明は一 致する。 キ構成要件Gとの対比乙4発明は「携帯情報処理装置」であるのに対し,本件発明は「携帯情報通信装置」である点で,両者は相違する。(相違点6)ク構成要件Hとの対比 乙4発明では,「表示コント 要件Gとの対比乙4発明は「携帯情報処理装置」であるのに対し,本件発明は「携帯情報通信装置」である点で,両者は相違する。(相違点6)ク構成要件Hとの対比 乙4発明では,「表示コントローラ」が,「前記内部表示装置による内部表示と,前記外部表示装置による外部表示とをそれぞれ制御して,前記表示メモリに格納された表示データに応じた画面を表示させる」(乙4公報【請求項1】)。 そして,乙4発明の「表示メモリ」が前記エのとおり本件発明の「単一 のVRAM」に相当するほか,乙4発明の「内部表示」は本件発明の「デ ィスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像」の表示に相当し,乙4発明の「外部表示」は本件発明の「ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像」の表示に相当する。 したがって,構成要件Hについて,本件発明と乙4発明は一致する。 ケ構成要件Iとの対比 乙4発明では,デジタル外部表示信号の伝送方式が限定されていないが,本件発明では,「デジタルRGB,TMDS,LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれかの伝送方式」に限定されている点で,両者は相違する。(相違点7)コ構成要件Jとの対比 乙4発明は,「内蔵した表示デバイスの解像度よりも高解像度の外部表示機器を利用することで生じる,より広い画面表示サイズを有効に利用すること」ができるようにしたものである(乙4公報【0006】,【0104】)から,構成要件Jについて,本件発明と乙4発明は一致する。 サ構成要件Kとの対比 乙4発明は「携帯情報処理装置」であるのに対し,本件発明は「携帯情報通信装置」である点で,両者は相違する。(相違点8)シ小括以上のとおり,本件発明と乙4発明の構成は,次の点で相違し 乙4発明は「携帯情報処理装置」であるのに対し,本件発明は「携帯情報通信装置」である点で,両者は相違する。(相違点8)シ小括以上のとおり,本件発明と乙4発明の構成は,次の点で相違し,その余は一致する。 (相違点5)本件発明は「無線通信手段」を備えているのに対し,乙4発明にはこれが明示されていない点。 (相違点6,8)本件発明は「携帯情報通信装置」であるのに対し,乙4発明は「携帯情 報処理装置」である点。 (相違点7)本件発明では,デジタル外部表示信号の伝送方式が「デジタルRGB,TMDS,LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれかの伝送方式」に限定されているのに対し,乙4発明では,これが限定されていない点。 (2) 相違点に係る構成の容易想到性ア相違点5,6及び8について相違点5,6及び8は,本件発明は通信手段が明示された携帯情報通信装置であるのに対し,乙4発明は通信手段が明示されていない携帯情報処理装置であると要約することができる。 そして,携帯情報通信装置も携帯情報処理装置も,「携帯性を確保するために装置の小型化が要求され,それに伴って出力装置として内蔵した表示デバイスの表示サイズも小さくなってしまう」(乙4公報【0002】)という解決すべき課題が共通しており,外部表示装置のより広い画面表示サイズを有効に利用するという課題も共通することは,いずれも技術常識で ある。そうすると,当業者であれば,乙4発明における外部表示出力の制御方法を携帯情報通信装置に適用することを試みるといえる。 したがって,上記相違点5,6及び8は,乙4発明及び技術常識により当業者が容易に想到できたものである。 イ相違点7について 本件発明では,「デジ 信装置に適用することを試みるといえる。 したがって,上記相違点5,6及び8は,乙4発明及び技術常識により当業者が容易に想到できたものである。 イ相違点7について 本件発明では,「デジタル外部表示信号」の「伝送方式」が「デジタルRGB,TMDS,LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれか」に限定されているが,これらは,優先日当時の周知技術である伝送方式が列挙されているだけにすぎない。 したがって,当業者であれば,乙4発明に周知技術を適用することによ り相違点7に係る本件発明の構成とすることを容易に想到できたといえる。 (3) 原告主張の相違点について原告は,乙4発明が本件発明の「画像データを処理して画像を表示する」構成を有していないために,両者には相違点乙があると主張する。 しかしながら,相違点乙は,前記(2)アと同様に,乙4発明を携帯情報通信装置に適用する際に当業者が通常に行う設計事項の変更にすぎない。 したがって,相違点乙は,乙4発明及び技術常識により当業者が容易に想到できたものである。 (原告の主張)(1) 本件発明と乙4発明の対比について本件発明と乙4発明との間には,少なくとも,構成要件Hについて,以下 の相違点(相違点乙)が存在する。 (相違点乙)本件発明の携帯情報通信装置の「グラフィックコントローラ」は,「前記携帯情報通信装置が「本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データ」を処理して画像を表示する場合に,前記単一のVRAMから 「前記ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータ」を読み出し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を前記ディスプレイ制御手 スプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータ」を読み出し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を前記ディスプレイ制御手段に送信する機能と,前記単一のVRAMから「前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータ」を読み出 し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を前記インターフェース手段に送信する機能と,を実現」するのに対して,乙4発明の携帯情報処理装置は,「「本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データ」を処理して画像を表示する」とされていな いだけでなく,そもそも「「画像データ」を処理して画像を表示する」ともさ れていない点。 (2) 相違点乙に係る構成の容易想到性について被告は,相違点乙について,乙4発明を携帯情報通信装置に適用する際に当業者が通常に行う設計事項の変更にすぎないと主張する。 しかしながら,相違点乙に係る構成の容易想到性の論理付けに際しては, 「乙4発明に何らかの技術を適用する」ことによって相違点乙に係る構成が容易に想到できることを論理付けるべきところ,上記の被告の主張では「携帯情報通信装置に乙4発明を適用する」ことが前提となっており論理付けとして相当でない。 仮に,被告が主張するような論理付けが許容されるとしても,前記2(原 告の主張)(2)のとおり,携帯情報通信装置に乙4発明に係る技術を適用して構成要件乙に係る構成に想到することは,当業者が通常に行う設計事項の変更ではあり得ない。 以上のとおり,相違点乙に係る構成が設計事項の変更にすぎないとする被告の主張は失当であり,相違点乙に係る構成は 成要件乙に係る構成に想到することは,当業者が通常に行う設計事項の変更ではあり得ない。 以上のとおり,相違点乙に係る構成が設計事項の変更にすぎないとする被告の主張は失当であり,相違点乙に係る構成は,当業者が容易に想到できた ものではない。 4 争点2-3(サポート要件違反)について(被告の主張)本件明細書においては,「適切な処理」(【0032】)以外のデータ処理又は信号処理を行うことによって,「付属ディスプレイパネルにおいては,その画面 解像度に相当する部分だけを切り出した部分画像しか表示できなかったり,画素を間引くことによって画質を落とした全体画像しか表示できなかったりしたような画像を,高解像度外部ディスプレイ手段においては,その本来の解像度のままの全体画像として表示できるようになる」(【0078】第2文)という本件発明の作用効果を達成できることについて,記載されていない。 そうすると,仮に,原告が主張するように,本件発明の構成要件Dの「処理」 が「広義の処理」であるとした場合,本件発明は本件明細書に記載されていない発明を包含することになる。 したがって,本件特許は,特許法36条6項1号の要件を満たさず,特許無効審判により無効とされるべきである。 (原告の主張) 被告の主張は争う。 本件明細書には,中央演算回路が行う「処理」について,は「適切な処理」には限定されず,「広義の処理」であることをサポートする数多くの記載がある。 したがって,中央演算回路が「適切な処理」を行う構成のみが本件明細書に開示されているとの前提自体が誤りである。 5 争点2-4(本件訂正についての訂正要件違反)について(被告の主張)本件訂正では,構成要件D及びHに「単一のVRAM」という語句を追加し 開示されているとの前提自体が誤りである。 5 争点2-4(本件訂正についての訂正要件違反)について(被告の主張)本件訂正では,構成要件D及びHに「単一のVRAM」という語句を追加しているところ,「単一」という日本語は,「三省堂国語辞典第七版」(乙3)において「そのものばかりであること」と説明されているように,一つであること に積極的な意味を有する言葉である。 しかしながら,VRAMの数に関しては,本件明細書において,発明の第1の実施形態の説明(【0115】,【0117】,【0127】)では「VRAM1_10C」と記載され,【図1】,【図8】には符号「10C」が付された「VRAM1」が描かれているだけであり,VRAMが一つに限定され,他にVRAMがある べきでないことは明示されていない。また,本件明細書において,VRAMが複数ではなく単一であることによって生じる作用効果は全く記載されていない。 すなわち,本件明細書には,VRAMが「単一」であることの積極的な意義は記載されておらず,「単一」であることによる作用効果も記載されていない。そうすると,本件特許の特許請求の範囲及び本件明細書の全てを総合しても,V RAMが「単一」であることの積極的な意義を見出すことができず,「単一のV RAM」にするという技術的事項は導き出せないから,請求項1の構成要件D及びHに「単一のVRAM」との語句を追加する各訂正事項は,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正ではないというべきである。 したがって,本件訂正は,特許法126条5項の要件を満たさない訂正であ り,本件特許は,同法123条1項8号により無効とされるべきものである。 (原告の主張)被告の主張は いうべきである。 したがって,本件訂正は,特許法126条5項の要件を満たさない訂正であ り,本件特許は,同法123条1項8号により無効とされるべきものである。 (原告の主張)被告の主張は争う。 以下のとおり,本件特許の特許請求の範囲の記載に「単一のVRAM」との語句を追加することは新規事項の追加に当たらない。 (1) 被告は,「単一」が積極的な意味を有する言葉であるから,「単一のVRAM」が本件明細書等の記載を総合することにより導かれる技術的事項であるといえるためには,VRAMが単一であると限定することの積極的な意義(作用効果等)が本件明細書等に記載されていなければならないと主張する。 しかしながら,独立行政法人工業所有権情報・研修館が運営する特許情報 プラットフォームで検索した結果(甲27ないし30)によれば,本件発明における「VRAM」のような「装置に内蔵される部品や要素」について「単一」という語が使われる場合,当業者は,何らの積極的な意味も込めず,ただ単に数が複数ではなく一つであるという意味で使用されている,すなわち,「単数」の代替語として使用されていると理解するというべきである。 また,被告が引用する「三省堂国語辞典第七版」(乙3)においては,「ひとつ」との語義も記載されていることから,上記の当業者の理解は,同辞典の語義解釈とも矛盾しない。 したがって,「単一」の積極的な意義が本件明細書等に記載されている必要はなく,被告の上記主張は理由がない。 (2) 本件発明は,構成要件AないしKの構成を採用することで,携帯情報通 信装置に接続される高解像外部ディスプレイ手段に画像を送信するための機能を,高解像外部ディスプレイ手段向けの専用の表示データ生成手段を別個に使用することなく実 採用することで,携帯情報通 信装置に接続される高解像外部ディスプレイ手段に画像を送信するための機能を,高解像外部ディスプレイ手段向けの専用の表示データ生成手段を別個に使用することなく実現するとの作用効果を奏する。 そして,VRAMが「単一」ではないとすると,携帯情報通信装置に内蔵されたディスプレイ向けの表示データを生成するためのVRAMとは別に, 高解像外部ディスプレイ手段向けの表示データを生成するための専用の手段であるVRAMを別個に使用することになるのであるから,本件発明の作用効果を奏さない。すなわち,VRAMが「単一」であることによってはじめて本件発明の作用効果を奏するといえる。 以上のとおり,VRAMが単一であることの作用効果は,本件明細書等の 記載を総合することにより導かれるものであって,仮に「単一」であることの積極的意義の記載が本件明細書等に求められるとしても,「単一のVRAM」は,本件明細書等の記載を総合することにより導かれる技術的事項である。 したがって,本件訂正は,本件明細書等に記載した事項の範囲内のもので あって,特許法126条5項の要件を満たす。 6 争点3(特許権侵害の不法行為による損害の発生の有無及びその額)について(原告の主張)(1) 本件発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額 被告が賠償すべき本件発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額(特許法102条3項)は,以下のとおり,前記前提事実(6)の被告各製品の売上高(別紙5「被告各製品の販売状況」の売上欄記載の金額)に本件発明に係る相当な実施料率を乗じることにより算定される。 ア相当な実施料率認定の考慮要素 本件発明の相当な実施料率の認定においては,次の(ア)ないし(エ)の事情 記載の金額)に本件発明に係る相当な実施料率を乗じることにより算定される。 ア相当な実施料率認定の考慮要素 本件発明の相当な実施料率の認定においては,次の(ア)ないし(エ)の事情 を考慮すべきである。 (ア) 本件発明の価値(重要性と非代替性)被告は,被告各製品が発売された時期において,全社的な事業戦略の一環として,高解像度画像外部表示機能付き携帯電話の販売に注力することで同業他社からの差別化を図ろうとしており,本件発明は,被告に とって,携帯電話に特別の価値を付与する重要な特許発明であった。 また,その当時,高解像度外部ディスプレイ手段において,専用の表示データ生成手段を別個に使用することなく,携帯情報通信装置に付属するディスプレイパネルの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示できるという本件発明の作用効果を実現するためには,本件発明を実施 する以外に選択肢はなかった。 (イ) 本件発明を被告各製品に用いることによる売上げ及び利益への貢献a 本件発明の売上げへの貢献被告各製品は,本件発明を実施することなく製造,販売できなかったものであるから,本件発明の実施は,被告各製品の売上高合計であ る980億1770万4000円の全額に貢献したものである。 b 本件発明の利益への貢献本件発明を実施することによって,高解像度画像外部表示を低コストで実現できることになる。 被告各製品のように単一のVRAMを内蔵する液晶コントローラI Cを一つ使用する構成を取ることによって,このような液晶コントローラICを二つ使用する場合と比較して少なくとも製品1台当たり960円程度のコストが削減できるから,本件発明の実施は,18.5億円(被告各製品の総販売台数×960円)を下らない利益の全額に貢献し ーラICを二つ使用する場合と比較して少なくとも製品1台当たり960円程度のコストが削減できるから,本件発明の実施は,18.5億円(被告各製品の総販売台数×960円)を下らない利益の全額に貢献したものである。 (ウ) 業界における実施料率の相場 a 文献に記載された実施料率の相場社団法人発明協会研究センター編「実施料率〔第5版〕」(平成15年発行。甲36)及び株式会社帝国データバンクが作成した「知的財産の価値評価を踏まえた特許等の活用の在り方に関する調査研究報告書~知的財産(資産)価値及びロイヤルティ料率に関する実態把握~ 本編平成22年3月」(甲38。以下「本件報告書」という。)は,業界における実施料率を示すものとして考慮されるべきである。 本件報告書のうち,本件発明に最も近い,「コンピュータテクノロジー」に関する「2009年11月5日~2010年2月15日」の国内アンケート結果での実施料率は,平均値3.1%,最大値7.5%, 最小値0.5%である。 b 被告とC社とのライセンス料率について被告が主張するライセンス実績(乙7)のうち,業界における実施料の相場を示すものとして考慮し得るのは,一時金方式(一括払い方式)ではなくランニング契約(継続実施料)の方式を取るC社との契 約のみである。ただし,被告が主張するC社とのライセンス料率には疑義があり,また,当該料率はC社とのクロスライセンスによって減額されたものと考えられるため,C社との契約におけるライセンス料率とされる●(省略)●%は,あくまで本件発明の実施料率の下限を示すものとして考慮すべきである。 (エ) 原告の営業方針原告は,自社が考案・開発した情報処理・通信システムを自社自身で製造,販売することはせず,自社の特許 で本件発明の実施料率の下限を示すものとして考慮すべきである。 (エ) 原告の営業方針原告は,自社が考案・開発した情報処理・通信システムを自社自身で製造,販売することはせず,自社の特許発明に係る実施権を他社に許諾し,当該他社が当該特許発明を実施した製品を販売する対価として実施料を得ることを営業方針としている。 また,原告は,そのほかの事業からの収入によって運営資金が確保で きているため,ライセンス料が少額になる傾向のある一時金方式(一括払い方式)によって,運営資金を獲得する必要もない。 したがって,原告は,自社の特許発明に係る実施権を他社に許諾する場合には,ランニング方式(継続実施料方式)を採用するとともに,実施料率としては,安易に妥協することなく,当該特許発明が本来有する 価値(重要性や付加価値)に応じた適正な値を設定することを方針とするものである。 ただし,これまでのところ,原告が保有する特許権については,本件特許権を含め,ライセンス実績はない。 イ本件発明の相当な実施料率 前記アのとおり,被告各製品が発売された時期には,本件発明は携帯電話に特別の付加価値を付与する重要な特許発明であったこと(前記ア(ア)),1%の実施料率による実施料相当額は,本件発明を被告各製品に用いることによる売上げや営業利益への貢献を考慮すると,決して高い値ではないこと(前記ア(イ)),1%の実施料率は,業界における実施料の相場を示す 文献に記載された実施料率からして,決して高い値ではなく,また,業界における実施料率の相場の下限を示すものとして考慮すべき被告とC社との契約におけるライセンス料率(●(省略)●%)に照らしても,決して高い値ではないこと(前記ア(ウ)),原告の営業方針は,C社などの製造, 実施料率の相場の下限を示すものとして考慮すべき被告とC社との契約におけるライセンス料率(●(省略)●%)に照らしても,決して高い値ではないこと(前記ア(ウ)),原告の営業方針は,C社などの製造,販売企業との間の契約よりも実施料率を引き上げる理由とは考えられても, 引き下げるべき理由はないことから(前記ア(エ)),本件発明の実施料率は少なくとも1%が相当である。 ウ被告各製品の製造,販売についての実施料相当額被告各製品の販売状況は,別紙5「被告各製品の販売状況」記載のとおりであり,被告各製品における本件発明の実施料率は,前記イのとおり, いずれも売上高の1%を下らないから,被告各製品の実施料相当額は,そ れぞれ次の金額を下らず,その合計は9億8017万7040円を下らない。 イ号製品 ●(省略)●円ロ号製品 ●(省略)●円ハ号製品 ●(省略)●円 ニ号製品 ●(省略)●円ホ号製品 ●(省略)●円ヘ号製品 ●(省略)●円ト号製品 ●(省略)●円チ号製品 ●(省略)●円 リ号製品 ●(省略)●円ヌ号製品 ●(省略)●円(2) 被告の主張する実施料率について被告は,アプリ特許(標準必須特許以外の特許をいう。以下同じ。)1件当たりの実施料率を基準とすべきとするが,アプリ特許1件当たりの寄与と本 件発明の寄与が同じであるとする前提が誤りであり,アプリ特許を一くくりにして標準必須特許よりも重要性が劣るとするのも相当でない。本件発明は,前記(1)ア(ア)のとおり,被告にとって重要なものであった。 また,被告は,ライセンス契約の対象となったアプリ特許1件あたりの実施料率を計算しているが,ライセンス契約における実施料率を考える際には, 対象となる全ての特許を基準とす 要なものであった。 また,被告は,ライセンス契約の対象となったアプリ特許1件あたりの実施料率を計算しているが,ライセンス契約における実施料率を考える際には, 対象となる全ての特許を基準とするのではなく,そのうちの代表的な特許の数を基準とすべきである。被告従業員作成の陳述書(乙7)に記載された,被告と各社との契約において,本件発明に係る特許のような重要な価値を有する特許が複数含まれるとは限らないから,契約の対象となる特許(代表特許)の数はそれぞれ1件として計算すべきである。 さらに,上記の被告従業員作成の陳述書(乙7)によれば,C社以外のラ イセンシーについては,一時金方式(一括払い方式)を使用しているところ,一時金方式ではランニング方式(継続実施料方式)と比較して実施料が減額される傾向があるが,上記陳述書においては,その点も考慮されていない。 したがって,被告が主張する本件発明の実施料率は相当でない。 (被告の主張) (1) 本件発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額についてア相当な実施料率について携帯電話の技術分野の特許には,大別すると,携帯電話事業分野の標準規格の実施に不可欠な特許(標準必須特許)と,標準必須特許以外の特許(アプリ特許)があり,本件発明に係る特許は,アプリ特許に該当する。 また,本件発明は,携帯電話に特別高い価値を付与するアプリ特許発明ではないから,本件発明の実施料率は,アプリ特許1件あたりの実施料率によって推定することができる。 被告は,被告各製品の製造,販売に当たって,アプリ特許等のライセンス契約を締結した実績があり,当該実績に基づいてアプリ特許1件当たり のライセンス料率を計算すると,パテントファミリー単位で,1件当たりのライセンス料率は●(省 たって,アプリ特許等のライセンス契約を締結した実績があり,当該実績に基づいてアプリ特許1件当たり のライセンス料率を計算すると,パテントファミリー単位で,1件当たりのライセンス料率は●(省略)●%と算出される。 したがって,被告各製品の製造,販売についての本件発明の実施料率は,●(省略)●%が相当である。 イ実施料相当額について 被告各製品の販売状況は,別紙5「被告各製品の販売状況」記載のとおりであり,被告各製品における本件発明の実施料率は,前記アのとおり,●(省略)●%であるから,被告各製品の総売上高に対する実施料相当額は,合計●(省略)●円と推定される。 (2) 原告の主張する実施料率について ア本件発明の価値(重要性と非代替性)について 被告各製品は,その売上高,販売台数,平均販売価格から見て,被告の事業戦略上,同時期に発売していた被告の他の携帯電話と比較して格別に重要な位置付けにあったものとはいえない。 また,被告各製品の販売当時において,HDMIを用いて画像を外部出力する機能を備えるために本件発明を利用しなければならないものではな かったから,その意味でも本件発明が被告各製品にとって重要であったとはいえない。 イ本件発明を被告各製品に用いることによる売上げ及び利益への貢献について画像外部表示機能の有無による携帯電話の販売価格又は販売数量への影 響は,いずれも存在しないか,軽微なものに留まるから,本件発明の売上げへの貢献はわずかなものにすぎなかった。 ウ業界における実施料率の相場について(ア) 文献に記載された実施料率の相場について「実施料率〔第5版〕」(甲36)は,平成4年から10年の統計デー タであるが,当時の「電子計算機」では,携帯電話やスマ 施料率の相場について(ア) 文献に記載された実施料率の相場について「実施料率〔第5版〕」(甲36)は,平成4年から10年の統計デー タであるが,当時の「電子計算機」では,携帯電話やスマートフォンのように極めて多数のアプリ特許を使用することが想定されておらず,参考にならない。 また,本件報告書に記載された「電気」分野の「コンピュータテクノロジー」も,広範な技術分野をまとめて統計処理しており,被告各製品 の技術分野と直接対比できる統計データではない。 (イ) 被告とC社とのライセンス料率について被告とC社とのライセンス契約の締結に当たっては,過去分の清算のため,形式上はクロスライセンスの形としているが,料率の算定に当たって実質的にはクロスライセンスの価値は考慮されていない。 C社とのライセンス料率は,時期によって異なるが,特許権1件あた りの平均実施料率は●(省略)●%であった。初年度の料率は,リストに掲載されていない関連特許や契約後に出願された特許を含めてのライセンスであったため高くなっていたが,本件発明についてはそのような事情は存在していないため,本件発明の実施料率は上記アの●(省略)●%が妥当であり,仮にそれより多いとしても0.01%を超えないと 解すべきである。 エ原告の営業方針について原告にはライセンスの実績がないため,この部分の主張は,単なる願望にすぎず,客観性がない。 オ小括 したがって,以上の要素に基づく原告主張の実施料率は相当でない。 7 争点4(本件発明の実施についての不当利得返還義務の有無及び返還すべき利得の額)について(原告の主張)被告は,本件特許の登録日以降の期間に,特許権者である原告から何らの実 施許諾を得ないまま,本件発明の技術 についての不当利得返還義務の有無及び返還すべき利得の額)について(原告の主張)被告は,本件特許の登録日以降の期間に,特許権者である原告から何らの実 施許諾を得ないまま,本件発明の技術的範囲に属する被告各製品を製造,販売した。その結果,本件発明の実施料相当額の支払を免れることで,同額の利益を得ており,その利益の合計額は前記6(原告の主張)(1)の9億8017万7040円を下らない。 (被告の主張) 被告各製品における本件発明の実施についての被告の利益は,被告各製品の利益のうち本件発明の実施が寄与した利益と解されるが,前記6(被告の主張)(1)のアプリ特許1件当たりのライセンス料相当額が本件発明の実施が寄与した利益額と同じと推定することができる。 したがって,被告の現存利益の額は,前記6(被告の主張)(1)の実施料相当 額である合計●(省略)●円である。 8 争点5(不法行為に基づく損害賠償請求権に係る消滅時効の抗弁の成否)について(被告の主張)(1) 原告は,遅くとも別件訴訟の判決言渡日である平成25年8月2日には,被告が被告各製品の製造,販売を行っていたことを知っていたし,また,被 告各製品の本件発明に対応する構成を知っていた。 さらに,原告は,遅くとも同日には,上記の製造,販売による損害についても,別件訴訟の訴状(甲4)に記載した程度に知っていた。 したがって,原告は,遅くとも平成25年8月2日には原告が主張する不法行為の損害及び加害者を知っていたことになるから,改正前民法724条 前段の消滅時効は遅くとも同日の翌日から進行し,本訴の訴状提出時(平成30年11月25日)には既に3年の時効期間が経過していた。 (2) 原告の主張に対する反論訂正審判における訂正は,実質 前段の消滅時効は遅くとも同日の翌日から進行し,本訴の訴状提出時(平成30年11月25日)には既に3年の時効期間が経過していた。 (2) 原告の主張に対する反論訂正審判における訂正は,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものであってはならない(特許法126条6項)から,訂正前の特許請求の 範囲の技術的範囲に属さなかった物が訂正後の特許請求の範囲の技術的範囲に属するということはない。 このため,被害者(特許権者)は,加害者の製造,販売する物がその時点に登録されていた特許発明の技術的範囲に属するとの認識を持ったときから損害賠償請求権を行使できるので,同時点から改正前民法724条前段の消 滅時効が進行すると解すべきである。 また,訂正審判の請求や訂正審決の確定は,改正前民法の定める時効の中断事由に該当せず,時効の完成に何ら影響を与えない。 したがって,消滅時効の抗弁が成り立つ余地がないとの原告の主張は理由がない。 (原告の主張)(1) 原告が別件訴訟の判決言渡日に被告各製品が本件発明の技術的範囲に属することを認識することは,原理的に不可能である。すなわち,本件特許の訂正登録日は平成30年8月13日であるから,本件発明の技術的範囲はそれ以前には確定しておらず,したがって,原告が被告各製品が本件発明の技術 的範囲に属することを認識できるのは,本件特許の訂正登録日以降になり,改正前民法724条前段の消滅時効の起算点は本件特許の訂正登録日(平成30年8月13日)よりも前に遡ることはないから,時効期間は満了していない。 (2) 以下のとおり,原告は,本件訂正に係る訂正登録日よりも前には,進歩性 欠如によって本件特許権を実質的に行使できなかったものであり,この点からも,原告が被告各製品 は満了していない。 (2) 以下のとおり,原告は,本件訂正に係る訂正登録日よりも前には,進歩性 欠如によって本件特許権を実質的に行使できなかったものであり,この点からも,原告が被告各製品の製造,販売による損害を知った時は同訂正登録日以降であると解釈すべきである。 ア本件訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項1記載の発明(以下「本件訂正前発明」という。)は,別件訴訟における訂正後の別件発明より も,技術的範囲が広いものであった。そして,別件訴訟において,別件発明及びその訂正後の発明は進歩性を有しないと判断されているから,より技術的範囲が広い本件訂正前発明も当然進歩性を有しないものであったといえる。 また,本件訂正前発明が進歩性を有しないことは,本件特許について本 件訂正に係る訂正請求に先立って平成28年5月19日に請求した訂正審判(訂正2016-390069)における審決(甲32)においても裏付けられていた。 このように,本件訂正前発明は進歩性を有していないものであったから,仮に,本件特許権者である原告が,訂正登録日以前に,本件特許権の侵害 に係る訴訟を提起したとしても,特許法104条の3第1項の抗弁が成立 するとの判断がされることは確実である。 したがって,原告は,本件訂正に係る訂正登録日よりも前には,本件特許権を実質的に行使できなかったのであり,本件特許権は,訂正登録を待って初めて行使できるようになったのである。 イ原告は,訂正される以前の本件特許権が実質的に行使できないと認識し ている以上,被告が,本件訂正前発明の技術的範囲に属する被告各製品の製造,販売を行っていることを認識したとしても,本件訂正に係る訂正登録日よりも前には,その行為によって「賠償を請求することができる損害」 る以上,被告が,本件訂正前発明の技術的範囲に属する被告各製品の製造,販売を行っていることを認識したとしても,本件訂正に係る訂正登録日よりも前には,その行為によって「賠償を請求することができる損害」が生じているとは認識しておらず,同訂正登録によって本件特許権が行使可能になって初めて,損害の発生を現実に認識し得たのである。 ウ本件訂正に係る訂正登録前の本件特許権のように進歩性欠如によって実質的に行使することができない特許権の場合には,当該特許権に係る発明の技術的範囲に属する製品の製造,販売を認識した時点から消滅時効が進行すると解すると,特許権者は当該認識後の3年以内という短い期間内に,当該特許権の侵害に係る訴訟を提起することを強いられ,結果として,特 許法104条の3第1項に基づき,特許権が行使できないとの判決が下されてしまい,訂正請求によって行使可能な特許権とした後であれば賠償されたはずの損害が賠償されないことが確定してしまうことになる。このような解釈は,特許権者に不利益を与えるものであり不当である。 (3) したがって,被告主張の消滅時効の抗弁は成り立つ余地がない。 第4 当裁判所の判断 1 本件明細書の記載事項等(1) 本件明細書(甲2)には,次のような記載がある(下記記載中に引用する【図1】については,別紙6「本件明細書の図面」参照)。 ア 【技術分野】 【0001】 本発明は,携帯電話機などの携帯情報通信装置,携帯情報通信装置とともに用いる接続ユニット,及び携帯情報通信装置とともに用いる外部入出力ユニットに関する。 イ 【背景技術】【0002】 最近の電子・情報技術及び通信技術の進歩によって,無線通信によってデータを送受信する機能を有する,PHS(Persona いる外部入出力ユニットに関する。 イ 【背景技術】【0002】 最近の電子・情報技術及び通信技術の進歩によって,無線通信によってデータを送受信する機能を有する,PHS(PersonalHandyphoneSystem)を含む携帯電話用端末装置(以下,「PHSを含む携帯電話用端末装置」を「携帯電話機」と略記する)やPDA(PersonalDigitalAssistants)をはじめとする携帯情報通信装置は多機能化し,電子メールの送受信機能は もちろん,インターネットに接続したウェブサーバからHTML(HyperTextMarkupLanguage),XML(eXtensibleMarkupLanguage)又はそれらをベースとするマークアップ言語で記述された文書ファイル(以下,マークアップ文書ファイルと略記する)及びそのリンクファイルを取得し,適切にレイアウトした上で,通常は液晶ディスプレイである付属ディスプ レイに文字や画像を表示することによってウェブページを閲覧するブラウザ機能を標準的に有するようになってきている。 【0003】また,ウェブサーバからゲームプログラムをダウンロードしてフラッシュメモリ等の記憶手段に格納した上で,付属するキー操作部を操作するこ とによって該プログラムを作動させるとともに必要なデータをマニュアル入力することにより,付属ディスプレイに表示される画像の変化を楽しむゲーム機能についても,多くの携帯電話機が保有するようになってきている。さらに,一部の携帯電話機については,テレビジョン放送の電波信号(以下,テレビ放送信号と略記する)を受信し,テレビ番組の映像を付属 ディスプレイに表示するためのテレビチューナ機能をも有するようになっ ている。特に は,テレビジョン放送の電波信号(以下,テレビ放送信号と略記する)を受信し,テレビ番組の映像を付属 ディスプレイに表示するためのテレビチューナ機能をも有するようになっ ている。特に,テレビチューナ機能については,携帯情報通信装置向けの地上デジタル放送の開始が予定されており,このデジタルテレビチューナ機能と上述のブラウザ機能を携帯電話機上で結合することにより,携帯電話機ユーザーに対して,一斉性のある電波放送と,パーソナル性,インタラクティブ性を持つインターネット通信の双方の特性を活かしたサービス を提供することが可能になると期待されている。 【0004】このような事情により,携帯電話機を中心とする携帯情報通信装置において,文字や映像を含む画像の表示機能は,今後,ますます重要性を増していくものと考えられる。ところが,携帯電話機をはじめとする携帯情報 通信装置においては,その携帯性が重視されるため大きいサイズのディスプレイを付属させることができない。このため,携帯電話機の場合,画面サイズは最大でも2.5 インチ程度であり,また,画面解像度は最大でもQVGA(QuarterVideoGraphicsArray)サイズ(携帯電話機においては,通常,縦長画面であるため,水平画素数×垂直画素数=240×320 画素)とな っている。 【0008】一方,携帯情報通信装置でゲームを楽しむ場合でも,そのゲームはグラフィックスがサイズの小さな付属ディスプレイに表示できる程度の比較的単純なゲームに限定される。このため,「ケータイ向けサイト」からダウン ロードされる,いわゆる「ケータイアプリ」のゲームは,ゲーム専用機向けやパソコン向けのゲームの世界では一世代から数世代前のゲームが大半であり,結果として,短 「ケータイ向けサイト」からダウン ロードされる,いわゆる「ケータイアプリ」のゲームは,ゲーム専用機向けやパソコン向けのゲームの世界では一世代から数世代前のゲームが大半であり,結果として,短時間の暇つぶしに楽しまれるケースがほとんどである。 また,付属ディスプレイの画面解像度が最大でもQVGAである携帯電 話機でテレビ番組を視聴する場合,できる限り大きな画面で視聴するため に横置き(水平画素数×垂直画素数=320×240 画素)とすることが通常であるが,その場合でも,テレビ放送が前提とする有効走査線の数(=垂直画素数。アナログテレビ放送の場合,480 本)は付属ディスプレイの画面垂直解像度(240 画素)より大きいため,画素を間引いて表示する必要がある。 特に,デジタルテレビ放送においては,有効走査線数(垂直画素数)に加 えて,有効水平画素数も規定されているが,最も解像度の小さい480i 方式の場合でも水平画素数×垂直画素数=720×480 画素,いわゆる「フルハイビジョン方式」である1080i 方式においては1920×1080 画素であって,いずれにせよ,付属ディスプレイの画面解像度が最大でもQVGAである携帯電話機では,十分なテレビチューナ機能及び表示機能を有するテレビジ ョン受像機(以下,テレビ受像機と略記する)によってテレビ放送信号を適切に処理した場合に表示される本来の解像度を有する画像(以下,テレビ放送における本来画像と略記する)を全画面表示することはできず,それより解像度の低い画質の劣った画像しか表示できない。 【0009】 このような事情から,携帯情報通信装置のユーザーは,携帯情報通信装置とともにパソコンを所有することも多い。そのような場合には,長いメールを送受信したり,パソコ 示できない。 【0009】 このような事情から,携帯情報通信装置のユーザーは,携帯情報通信装置とともにパソコンを所有することも多い。そのような場合には,長いメールを送受信したり,パソコン向けウェブページを閲覧したり,あるいはグラフィックスが大きなサイズの画面でなければ表示できないような複雑なゲームを楽しんだりする際にはパソコンを利用し,携帯情報通信装置は, 短いメールを送受信したり,「ケータイ向けサイト」にアクセスしてウェブページを閲覧したりするためだけに携帯情報通信装置を利用するという使い分けが行われる。あるいはまた,パソコンと携帯情報通信装置を接続し,ネットワークへの接続のためだけに携帯情報通信装置の無線通信手段を使用し,該無線通信手段によって取得されたデータの処理は,もっぱらパソ コンによって行うというような使い方がなされる。 また,最近では,テレビチューナを内蔵しディスプレイでテレビ番組が視聴できる機能を有する,いわゆる「AV(AudioVisual)パソコン」が販売されるようになってきているが,このようなパソコンとテレビチューナ付き携帯電話機を併用する場合,外出時や移動時にはテレビチューナ付き携帯電話機でテレビ番組を視聴し,自宅や自室では「AVパソコン」で 視聴するという使い分けが行われる。 【0010】ところが,このような方法において使用されるパソコンは,通常は,携帯情報通信装置で行われる電子メールの送受信やウェブページの閲覧等に限定されない汎用的な用途に使用できるように設計されているため,携帯 情報通信装置自体のデータ処理手段よりも高機能であるCPU(CentralProcessingUnit)等のプロセッサを有している。その上,ハードウェアを起動させるためには るため,携帯 情報通信装置自体のデータ処理手段よりも高機能であるCPU(CentralProcessingUnit)等のプロセッサを有している。その上,ハードウェアを起動させるためには,別途,OS(OperatingSystem)等のソフトウェアも準備しなければならないため,パソコンを所有するために要するコストは,携帯電話機をはじめとする携帯情報通信装置自体を所有するために要 するコストより,通常は大きい。 このため,データ通信やデータ処理のニーズが電子メールの送受信やウェブページの閲覧等に限られるような多数のユーザーにとって,上記のように,長文の電子メールを読んだり,パソコン向けウェブページを閲覧したりする際の,付属ディスプレイの画面サイズ・解像度が小さいことに起 因する不便さを解消するためだけに別途パソコンを所有することは,経済的に不合理である。 一方,携帯情報通信装置のデータ処理手段は,汎用的な用途には必ずしも向いていないとは言え,付属ディスプレイに画像を表示するための表示データ処理機能については,表示画面が小さいということを除けば,パソ コンにおけるCPU等のプロセッサの機能に匹敵する。それにもかかわら ず,上記のようなパソコンと携帯情報通信装置との使い分けを行うとすれば,同種のものに二重投資を行うことになり,結果として少なくとも一方の稼働率の低下をもたらすため,資源の効率的な利用の観点からも好ましくない。 【0011】 同様の「不合理な二重投資」と「非効率的な資源利用」という問題は,携帯情報通信装置がテレビチューナ機能を有する場合についても生じる。 すなわち,テレビ番組の映像や音声を楽しむためには,テレビ放送信号を受信し,テレビ番組の映像をディスプレイやテレビモニタに表示 は,携帯情報通信装置がテレビチューナ機能を有する場合についても生じる。 すなわち,テレビ番組の映像や音声を楽しむためには,テレビ放送信号を受信し,テレビ番組の映像をディスプレイやテレビモニタに表示するためのテレビチューナ回路を必要とする。一方,通常の携帯情報通信装置のユ ーザーは,携帯情報通信装置におけるテレビチューナ回路とテレビ受像機又は「AVパソコン」におけるテレビチューナ回路の双方を所有することを強いられ,結果として少なくとも一方のテレビチューナ回路の稼働率は低下せざるを得ない。 【0013】 このような事情から,携帯情報通信装置の携帯性を損なわないために付属ディスプレイのサイズを現状通りに維持したままで,しかもパソコンを併用することなく,長文の電子メールやパソコン向けウェブページ,娯楽性の高いゲーム,さらにはテレビ番組の映像などを大きな画面で表示すること,特に,長文の電子メールについては,垂直スクロールを繰り返すこ となく読めること,パソコン向けウェブページについては,パソコンでの画面イメージに近いレイアウトで表示し,しかも水平スクロールを繰り返すことなく閲覧できること,テレビ番組については,テレビ放送における本来画像を全画面表示することが課題とされている。 【0014】 このような課題を解決するため,携帯情報通信装置に,該携帯情報通信 装置の付属ディスプレイよりも画面が大きい外部ディスプレイ装置(以下,大画面外部ディスプレイ装置と略称する)を接続することにより,大画面外部ディスプレイ装置で画像を表示する技術がいくつか開示されており,そして,それらの技術は,以下の3つのタイプに分類される。 第一種:携帯情報通信装置と大画面外部ディスプレイ装置を何らかの接 続ユニットを介して接 で画像を表示する技術がいくつか開示されており,そして,それらの技術は,以下の3つのタイプに分類される。 第一種:携帯情報通信装置と大画面外部ディスプレイ装置を何らかの接 続ユニットを介して接続するタイプ第二種:携帯情報通信装置と大画面外部ディスプレイ装置は直接的に接続されるが,その代わり,大画面外部ディスプレイ装置としては,携帯情報通信装置から受信した表示データに各種の処理を施す機能を有する画像表示装置が使用されるタイプ 第三種:携帯情報通信装置と大画面外部ディスプレイ装置は直接的に接続され,しかも,大画面外部ディスプレイ装置としては,携帯情報通信装置との間での何らかのインターフェース手段は備えていることを除けば,テレビモニタ等の汎用的なディスプレイが用いられるタイプ【0015】 このうち,第一種の技術は,例えば,特許文献1,特許文献2,特許文献3及び特許文献4において開示されている。これらの特許文献で開示される技術においては,携帯情報通信装置とは別にパソコンを用いる必要はないが,その代わりに,別途,プロセサ(特許文献1の場合),CPU(特許文献2の場合),読出制御回路(特許文献3の場合),表示制御手段(特 許文献4の場合)といった,何らかの表示データ処理手段を備えた接続ユニットが必要である。…【0016】しかしながら,この場合においても,画像や文字を表示するための表示データ処理機能に限って考えれば,携帯情報通信装置側と接続ユニット側 で,表示する画面のサイズが異なるということを除けばほぼ同等の機能を 有する表示データ処理手段を二重に保有することになる。このため,多かれ少なかれ,パソコンを併用する場合と同様の「不合理な二重投資」と「非効率的な資源利用」の問題は生じることにな の機能を 有する表示データ処理手段を二重に保有することになる。このため,多かれ少なかれ,パソコンを併用する場合と同様の「不合理な二重投資」と「非効率的な資源利用」の問題は生じることになる。…【0017】一方,第二種の技術は,例えば,特許文献5,特許文献6,特許文献7, 特許文献8及び特許文献9において開示されている。このタイプの技術においては,パソコンやそれに準ずるような接続ユニットは不要であるが,今度は,大画面外部ディスプレイ装置として,テレビ受像機のような汎用的なディスプレイ装置をそのままでは使用できず,制御系(マイクロコンピュータ)(特許文献5の場合),制御部15(特許文献6の場合。無線電 話機側の制御部10とは別),高精細変換部や表示処理部(特許文献7の場合),拡大回路や表示回路(特許文献8の場合)あるいやCPU(特許文献9の場合)といった表示データ処理手段を備えた画像表示装置を使用しなければならない。 … 【0018】さて,上記で説明した通り,第二種の技術においても,携帯情報通信装置側と大画面外部ディスプレイ装置側でほぼ同等の機能を有する表示データ処理手段を二重に有することになり,結果的に「不合理な二重投資」や「非効率な資源利用」の問題が生じる。… 【0019】それに対して,第三種の技術は,接続ユニットや特殊な画像処理装置を使用せず,携帯情報通信装置と汎用的な大画面外部ディスプレイ装置だけで構成される。このため,一般的にいって,「不合理な二重投資」や「非効率な資源利用」の問題が,少なくとも第一種の技術や第二種の技術よりは 少ないと考えられる。 【0020】この第三種の技術として既に実用化されているものに,いわゆる「テレビ(TV)出力機能」又は「 が,少なくとも第一種の技術や第二種の技術よりは 少ないと考えられる。 【0020】この第三種の技術として既に実用化されているものに,いわゆる「テレビ(TV)出力機能」又は「AV出力機能」を有する携帯電話機がある。 このような携帯電話機においては,携帯電話機とテレビモニタを,携帯電話機側は携帯電話機に固有の接続端子とし,テレビモニタ側はビデオ端子 とするケーブルで接続することにより,該携帯電話機に付属するデジタルカメラ機能を用いて撮影した静止画や動画,あるいは一部のゲームを,携帯電話機の付属ディスプレイよりも大画面であるテレビモニタに表示することができる。しかし,その場合にテレビモニタに表示される画像の解像度は,付属ディスプレイの画面解像度(最大でもQVGA)と同じである ため,該画像は,テレビモニタの中央部に小さく表示されるか,画質の粗い拡大画像が全画面に表示されるかのいずれかである。 【0021】現在のところ,「TV出力機能」又は「AV出力機能」によってテレビモニタに表示されるのは,撮影した静止画や動画,又は一部のゲームに限ら れているが,仮に,これらの携帯電話機が「フルブラウザ機能」又は「PCサイトビュー機能」を有し,閲覧したパソコン向けウェブページをテレビモニタで閲覧できるようになったとしても,それはあくまでも付属ディスプレイに表示される画面イメージを拡大表示するだけであって,画面イメージの解像度が増えるわけではない。したがって,ウェブページの作成 者が本来意図したはずの,パソコンの画面イメージとして実現されるレイアウトでの表示が,テレビモニタにおいて実現できるわけではない。また,仮に,これらの携帯電話機がテレビチューナ機能を有し,受信した映像をテレビモニタに出力できたとしても イメージとして実現されるレイアウトでの表示が,テレビモニタにおいて実現できるわけではない。また,仮に,これらの携帯電話機がテレビチューナ機能を有し,受信した映像をテレビモニタに出力できたとしても,テレビ放送における本来画像がテレビモニタに表示されるわけではない。 【0022】 したがって,上記の課題を解決するためには,「TV出力機能」又は「AV出力機能」を有する携帯電話機のように,ただ単に付属ディスプレイに表示される画像を大画面外部ディスプレイ装置に拡大表示するという機能を有するに留まらず,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を大画面外部ディスプレイ装置に表示する機能を有する携帯情報通 信装置を提供することが必要である。 これにより,付属ディスプレイでは自らの画面解像度に相当する部分だけを切り出した部分画像しか表示できなかったり,画素を間引くことによって画質を落とした全体画像しか表示できなかったりした画像を,大画面外部ディスプレイにおいては,その本来の解像度のままの全体画像として 表示できるようになる。また,特に,水平方向の画素数が付属ディスプレイの画面水平解像度より大きい画像を大画面外部ディスプレイ装置に表示する機能を有する場合には,一行あたりに表示できる文字数を増やすことができ,その結果,長文の電子メールであっても,何行にもわたって表示され,垂直スクロールを何度も繰り返さなければならないということはな くなる。また,それらの効果が総合されることにより,パソコン向けウェブページも,大画面外部ディスプレイ装置において,パソコンの画面イメージとして実現されるレイアウトで閲覧できるようになる。 ウ 【発明が解決しようとする課題】【0031】 本発明はこのような事情に 大画面外部ディスプレイ装置において,パソコンの画面イメージとして実現されるレイアウトで閲覧できるようになる。 ウ 【発明が解決しようとする課題】【0031】 本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,携帯電話機やPDAをはじめとする携帯情報通信装置に大画面外部ディスプレイ装置を接続することにより,より一般的には,携帯情報通信装置に大画面ディスプレイ手段を含む周辺装置,及び/又は,大画面ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続することにより,該大画面 外部ディスプレイ手段において,付属ディスプレイの画面解像度よりも解 像度が大きい画像を表示すること,特に,長文の電子メールについては,垂直スクロールを繰り返すことなく読めること,パソコン向けウェブページについては,パソコンでの画面イメージに近いレイアウトで表示し,しかも水平スクロールを繰り返すことなく閲覧できること,テレビ番組については,テレビ放送における本来画像を表示することを,該大画面外部デ ィスプレイ手段向けの専用の表示データ生成手段を,付属ディスプレイに画像を表示するためにもともと必要である表示データ生成手段(以下,付属表示データ生成手段と略記する)とは別個に使用することなく,大画面ディスプレイ手段を含む周辺装置,及び/又は,大画面ディスプレイ手段が接続される周辺装置と間のインターフェース手段の追加と,付属表示デ ータ生成手段への若干の機能追加だけで実現する携帯情報通信装置を提供する点にある。また,携帯情報通信装置及び大画面外部ディスプレイ装置とともに用いられ,該大画面外部ディスプレイ装置の画面に,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示するための接続ユニットを提供する点にある。さらに, 及び大画面外部ディスプレイ装置とともに用いられ,該大画面外部ディスプレイ装置の画面に,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示するための接続ユニットを提供する点にある。さらに,携帯情報通信装置とともに用いられ, 自らに付属する大画面外部ディスプレイパネルに,該携帯情報通信装置の付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示する外部入出力ユニットを提供する点にある。 エ 【課題を解決するための手段】【0032】 上記目的を達成するために,携帯情報通信装置に係る第1の発明は,ユーザーがマニュアル操作によって入力したデータを後記データ処理手段に送信する入力手段と,無線信号を受信してデジタル信号に変換の上,後記データ処理手段に送信するとともに,後記データ処理手段から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と,後記データ処 理手段を動作させるプログラムと後記データ処理手段で処理可能なデータ ファイルとを格納する記憶手段と,前記入力手段から送信されたデータ及び前記記憶手段に格納されたプログラムに基づき,前記無線通信手段から受信したデジタル信号及び/又は前記記憶手段から読み出したデータに必要な処理を行って,デジタル表示信号及びその他のデジタル信号を生成して送信するデータ処理手段と,画面を構成する各々の画素が駆動されるこ とにより画像を表示するディスプレイパネルAと,前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルAの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段Aとから構成されるディスプレイ手段とを備える携帯情報通信装置であって,外部ディスプレイ手段を含む周辺装置,又は,外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続し,該 周 ディスプレイ制御手段Aとから構成されるディスプレイ手段とを備える携帯情報通信装置であって,外部ディスプレイ手段を含む周辺装置,又は,外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続し,該 周辺装置に対して,前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき,外部表示信号を送信するインターフェース手段A1と,前記データ処理手段で生成されたデジタル表示信号の送信先として,前記ディスプレイ制御手段Aと前記インターフェース手段A1の少なくともいずれか一方を選択して指定する送信先指定手段とを備えるとともに,前記データ処 理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って,前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記インターフェース手段A1を指定した場合には,該インターフェース手段A1から,高解像度外部表示信号を送信する機能を実現するようにしたものである。 なお,本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「デジタル表示信号」 には,後で詳述する「ビットマップデータ」等のデジタル画像データに直接対応した信号だけでなく,デジタル画像データの生成(描画)を命令する描画命令のデジタル信号も含む。 また,本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「外部表示信号」とは,周辺装置における外部ディスプレイ手段がそれを受信して適切に処理 することにより画像を表示することが可能であるような信号を意味する。 そして,表示信号,画像データファイル又は動画信号(以下,表示信号等と略記する)を「適切に処理する」とは,ディスプレイ手段,又は,データ処理手段及びディスプレイ手段が,表示信号等に含まれている画素ごとの論理的な色情報を,ディスプレイ手段の画面を構成する物理的な画素の色表示として過不足なく現実化することを意味しており,より ,データ処理手段及びディスプレイ手段が,表示信号等に含まれている画素ごとの論理的な色情報を,ディスプレイ手段の画面を構成する物理的な画素の色表示として過不足なく現実化することを意味しており,より具体的には, 物理的な現実化にあたって画素を間引いて表示画像の解像度を小さくしたり,画素を補間して表示画像の解像度を大きくしたりしないことを意味している。 さらに,本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「高解像度」とは,表示信号等の本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度(水平 画素数×垂直画素数)より大きいことを意味し,特に,「高解像度外部表示信号」とは,本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい外部表示信号を意味する。また,表示信号等の「本来画像」とは,十分な大きさの画面解像度を有するディスプレイ手段,又は,データ処理手段と十分な大きさの画面解像度を有するディスプレイ手段とが,該表示信 号等を受信して適切に処理することにより表示される本来の画像を意味し,「本来解像度」とは「本来画像」の解像度を意味する。 さらに,本「明細書」及び「特許請求の範囲」においては,「周辺装置における~手段」という表記によって,「周辺装置に含まれた~手段又は周辺装置に接続された~手段」を意味する。 【0045】また,携帯情報通信装置に係る第14の発明は,第5乃至第13のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において,前記インターフェース手段A1は,前記データ処理手段から受信したビットマップデータ又は自らが生成したビットマップデータに必要な変換を行うことにより,デジタルR GB,TMDS(TransitionMinimizedDifferentialSignaling),LVD S(Lo ットマップデータに必要な変換を行うことにより,デジタルR GB,TMDS(TransitionMinimizedDifferentialSignaling),LVD S(LowVoltageDifferentialSignaling )(又はLDI(LVDSDisplayInterface))及びGVIF(GigabitVideoInterFace)のうちのいずれかの伝送方式で伝送されるデジタル外部表示信号を生成し送信する機能を有するようにしたものである。 オ 【発明の効果】 【0078】第1乃至第15の発明の携帯情報通信装置においては,携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に高解像度外部ディスプレイ手段を含む周辺装置,及び/又は,外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続して高解像度外部表示信号を送信することにより,該高解像度外部ディス プレイ手段の画面において,携帯情報通信装置に付属するディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する高解像度画像を表示することができる。これにより,付属ディスプレイパネルにおいては,その画面解像度に相当する部分だけを切り出した部分画像しか表示できなかったり,画素を間引くことによって画質を落とした全体画像しか表示できなかった りしたような画像を,高解像度外部ディスプレイ手段においては,その本来の解像度のままの全体画像として表示できるようになる。特に,水平方向の本来の画素数がディスプレイパネルの画面水平解像度より大きい高水平解像度外部表示信号を送信する機能が実現されることにより,該高解像度外部ディスプレイ手段の画面における一行あたりの表示文字数を,付属 ディスプレイパネルにおける表示文字数よりも増やすことができる。これによ 信号を送信する機能が実現されることにより,該高解像度外部ディスプレイ手段の画面における一行あたりの表示文字数を,付属 ディスプレイパネルにおける表示文字数よりも増やすことができる。これにより,例えば,長文の電子メールを読むような場合でも,付属ディスプレイパネルにおけるように何行にもわたって表示され,垂直スクロールを何度も繰り返さなければならないため,理解に困難が伴うというようなことはなくなる。 しかも,そのような高解像度外部表示信号の送信は,付属ディスプレイ パネルにおいて画像を表示するためにもともと必要であるデータ処理手段と,外部ディスプレイ手段を含む周辺装置,及び/又は,外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続するために不可欠のインターフェース手段だけによって実現されている。このため,従来の技術のように,携帯情報通信装置に備えられた表示データ処理手段とは別に,外部ディスプレ イ手段を含む周辺装置向けの専用の表示データ生成手段を設ける必要はなく,「不合理な二重投資」や「非効率な資源利用」の問題は回避できる。 カ 【発明を実施するための最良の形態】【0111】(第1の実施形態) 図1は,本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置,携帯情報通信装置用接続ユニット,及び両者を接続した上で該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムの構成及び機能を説明するためのブロック図であり,特に,該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合について説明している。 【0112】この実施形態においては,携帯電話機1 は,それ単独として,音声通話用,携帯テレビ電話でのコミュニケーション用,データ通信・処理用,テレビ放送番組の視聴用,被写体の いる。 【0112】この実施形態においては,携帯電話機1 は,それ単独として,音声通話用,携帯テレビ電話でのコミュニケーション用,データ通信・処理用,テレビ放送番組の視聴用,被写体の撮影用,又は,画像データ及び/又は音声データの保存・再生用として使用することができ,音声通話以外の用途 で使用する場合には,各種の画像が,付属ディスプレイパネルであるLCD(LiquidCrystalDisplay)パネル15A に表示される。 以下では,LCDパネル15AはQVGAサイズの画面解像度を有し,通常は縦長画面(水平画素数×垂直画素数=240×320 画素)で使用するものとして説明するが,それ以外の解像度であってもよい。 【0115】 一方,コミュニケーションの相手先から電波信号(無線動画信号)として公衆ネットワークに送信された画像(動画)データは通信用アンテナ111A で受信され,RF送受信部111B 及びベースバンドプロセッサ11 を経由することによりデジタル信号に変換された上で,中央演算回路1_10A1 に送信される。中央演算回路1_10A1 では,フラッシュメモリ14A に格納され たプログラムに基づいて必要な処理を行い,該デジタル信号に対応した描画命令をグラフィックコントローラ1_10B に送信する。 グラフィックコントローラ1_10B は,該描画命令に基づき,あらかじめ十分な大きさ(以下では,QUXGA Wide(QuadUltra XGA Wide)サイズ(水平画素数×垂直画素数=3840×2400 画素)として説明する)の論理 解像度を有するように設定された仮想画面におけるビットマップデータを生成し,必要に応じてVRAM(Video RAM)1_10C への書き込み/読 0×2400 画素)として説明する)の論理 解像度を有するように設定された仮想画面におけるビットマップデータを生成し,必要に応じてVRAM(Video RAM)1_10C への書き込み/読み出しを行いつつ,該ビットマップデータをLCDドライバ15B に送信する。…LCDドライバ15B は,該ビットマップデータに基づいて,ソース・ドラ イバ部とゲート・ドライバ部とを作動させることによりLCDパネル15Aの画面を構成する各々の画素を駆動し,最終的にコミュニケーションの相手からの無線動画信号に対応した画像がLCDパネル15A に表示される。…【0116】次に,携帯電話機1 がデータ通信・処理用に使用される場合,…キー操作 部16A を操作することによって入力され,キー入力コントローラ16B でデジタル信号に変換されたデータ,及び/又は,インターネットプロトコルに準拠した電波信号を公衆ネットワークから通信用アンテナ111A で受信し,RF送受信部111B 及びベースバンドプロセッサ11 を経由することによりデジタル信号に変換されたデータが,バス19を経由して中央演算回路1_10A1 に転送される。中央演算回路1_10A1 では,フラッシュメモリ14A に格納さ れたプログラムに基づいて必要な処理を行い,処理されたデータは,バス 19 を経由して,フラッシュメモリ14A 及びRAM(RandomAccessMemory)14B や,グラフィックコントローラ1_10B や,ベースバンドプロセッサ11に転送される。そして,最終的には,LCDパネル15Aに画像が表示されたり,スピーカ18B から音声が出力されたり,通信用アンテナ111A から電波 信号が送信されたり,フラッシュメモリ14Aにデータが保 る。そして,最終的には,LCDパネル15Aに画像が表示されたり,スピーカ18B から音声が出力されたり,通信用アンテナ111A から電波 信号が送信されたり,フラッシュメモリ14Aにデータが保存されたりする。 …【0117】特に,携帯電話機1 が,インターネットに接続したウェブサイトにアクセスし,該ウェブサイトを構成するウェブページを閲覧している場合には, 中央演算回路1_10A1 は,フラッシュメモリ14A に格納されたブラウザプログラムに従って,通信用アンテナ111A,RF送受信部111B,ベースバンドプロセッサ11 及びバス19 を経由して,ウェブページを構成するマークアップ文書ファイル及びそのリンクファイルを取得し,ウェブページのレイアウト形式に応じて以下のように描画命令を生成・送信する。すなわち,ウ ェブページがリキッドレイアウト,又はLCDパネル15Aの画面水平解像度(240 画素)よりも狭い固定幅レイアウトを採用していれば,LCDパネル15A の画面水平解像度と同じ水平画素数を有するページ画像の描画命令を,ウェブページがLCDパネル15Aの画面水平解像度よりも広い固定幅レイアウトを採用していれば,該固定幅と同じ水平画素数を有するページ画像の 描画命令を,それぞれ生成し,該描画命令をグラフィックコントローラ1_10B に送信する。 グラフィックコントローラ1_10B は,該描画命令に基づき仮想画面におけるビットマップデータを生成しVRAM1_10C に書き込むとともに,LCDパネル15A に表示され,LCDパネル15A の画面解像度と同じ解像度を 有する画像を記述するビットマップデータをVRAM1_10C から切り出し てLCDドライバ15B に送信する。LCDドライバ15B LCDパネル15A の画面解像度と同じ解像度を 有する画像を記述するビットマップデータをVRAM1_10C から切り出し てLCDドライバ15B に送信する。LCDドライバ15B は,該ビットマップデータに基づいてLCDパネル15Aの画面を構成する各々の画素を駆動し,最終的に前記ウェブページに対応したページ画像の全部又は一部に,必要に応じて画面の上部・下部に表示されるメニュー表示等を組み合わせた全画面画像がLCDパネル15A に表示される。 この際,ページ画像の解像度がLCDパネル15Aの画面解像度より大きい場合には,キー操作部16A において画面スクロール機能を担うキーを操作することによって入力されるデータに応じて,中央演算回路1_10A1 が描画命令を変更することにより,VRAM1_10C から切り出されるビットマップデータは仮想画面上を徐々に遷移し,その結果として,LCDパネル15Aに おいてページ画像がスクロール表示される。 【0118】また,携帯電話機1 がテレビ番組の視聴用に使用される場合,テレビ受信用アンテナ112A で受信したテレビ放送信号は,テレビチューナ112B 及びAD/DA変換部1_112C でデジタル動画信号及びデジタル音声信号に変換さ れ,バス19 を経由して中央演算回路1_10A1 に送信される。 携帯電話機1においては,テレビ番組の画像を,LCDパネル15A を縦置きにして表示する(→縦長画面(水平画素数×垂直画素数=240×320 画素))か,横置きにして表示する(→横長画面(水平画素数×垂直画素数=320×240 画素))かを,キー操作部16A を操作することによって選択するこ とができ,中央演算回路1_10A1 は,この選択に対応した入力信号及び前記 長画面(水平画素数×垂直画素数=320×240 画素))かを,キー操作部16A を操作することによって選択するこ とができ,中央演算回路1_10A1 は,この選択に対応した入力信号及び前記デジタル動画信号に基づき,LCDパネル15A に表示される画面イメージ(ただし,縦長画面の場合,上部及び/又は下部に非表示領域が生じた画面イメージ)のビットマップデータを作成する描画命令を生成し,該描画命令をグラフィックコントローラ1_10B に送信する。この際,テレビ放送 における本来画像の水平・垂直画素数は,縦長画面,横長画面のいずれの 場合でも,LCDパネル15A の水平・垂直画素数よりも大きいため,描画命令の生成にあたっては,AD/DA変換部1_112C から送信されるデジタル動画信号を一部間引くことによって,解像度の低い画像の全体画像の描画命令を生成する。 グラフィックコントローラ1_10B,VRAM1_10C 及びLCDドライバ 15B の動作は,キー操作部16A の操作に従った画像のスクロールがないことを除けば,ウェブページのページ画像を表示する場合と同様であり,結果として,LCDパネル15A にテレビ放送の動画がリアルタイムで表示される。 … 【0119】また,携帯電話機1 が被写体の撮影用に使用される場合,被写体から反射又は放射される光信号は,携帯テレビ電話でのコミュニケーションの場合と同じ経路でデジタル動画信号に変換され中央演算回路1_10A1 に送信される。また,中央演算回路1_10A1,グラフィックコントローラ1_10B,VR AM1_10C 及びLCDドライバ15B は,テレビ放送番組を視聴する場合と同様に動作し,結果として,LCDパネル15Aに被写体の映像(動画)がリアル フィックコントローラ1_10B,VR AM1_10C 及びLCDドライバ15B は,テレビ放送番組を視聴する場合と同様に動作し,結果として,LCDパネル15Aに被写体の映像(動画)がリアルタイムで表示される。 この際,CCD12B によって撮像される本来画像の水平・垂直画素数は,縦長画面,横長画面のいずれの場合でも,LCDパネル15Aの水平・垂直画 素数よりも大きいため,中央演算回路1_10A1 が描画命令を生成する際には,AD/DA変換部2_12C から送信されるデジタル動画信号を一部間引くことによって,解像度の低い画像の全体画像の描画命令を生成する。 【0120】一方,携帯電話機1においては,上記のように…デジタル動画信号に基 づいてLCDパネル15A に動画をリアルタイムに表示したりするだけでな く,デジタル音声信号及び/又はデジタル動画信号をデータファイルに変換して保存したり,該保存したデータファイルを読み出して必要な処理を行うことにより,音声を出力したり,画像を表示したり,あるいは両者を組み合わせたムービーとして再生することができる。 このような画像データ及び/又は音声データの保存・再生用に使用され る場合,中央演算回路1_10A1 は,キー操作部16A を操作することにより入力されたデータに基づきフラッシュメモリ14Aにアクセスして,デジタル動画信号を変換したビットマップデータやデジタル音声信号を変換したデジタル音声データを必要に応じて圧縮したデータファイルとして書き込んだり,逆にデータファイルを読み出して必要な処理を行うことにより,描画 命令をグラフィックコントローラ1_10B に出力したり,デジタル音声信号をベースバンドプロセッサ11 経由でCODEC18C に出力したりす イルを読み出して必要な処理を行うことにより,描画 命令をグラフィックコントローラ1_10B に出力したり,デジタル音声信号をベースバンドプロセッサ11 経由でCODEC18C に出力したりする。 …【0121】以上が携帯電話機1 をそれ単独として使用する場合の機能の概略である が,携帯電話機1 は,接続ユニット3 と接続するための外部接続端子部A_13D を備えており,外部接続端子部A_13D と,接続ユニット3 に備えられたインターフェース部B_33 を構成する外部接続端子B_33Dとを接続ケーブル2 を介して接続することにより,携帯電話機1 と接続ユニット3 を一体的な情報通信システムとして動作させることができるようになる。 【0122】一方,接続ユニット3 は,周辺装置と接続するためのインターフェース部C1_35 とインターフェース部C2_36 を備えており,インターフェース部C1_35 には,LCDである外部ディスプレイ装置5 が,インターフェース部C2_36 には,フルキーボードである外部キーボード61 とマウス62 が, それぞれ接続されている。… 以下では,原則として,外部ディスプレイ装置5(LCD)の画面解像度は,VGAサイズ(水平画素数×垂直画素数=640×480 画素)であるものとして説明するが,それ以上の解像度であってもよい。 【0123】さて,作動中の携帯電話機1 と,インターフェース部C1_35 に外部ディ スプレイ装置5 が接続しており作動中の接続ユニット3(以下では,「インターフェース部C1_35 に外部ディスプレイ装置5 が接続しており作動中」のことを「作動中」と略記する)を接続した場合,作動中の携帯電話機1を接続ユニット3 に接続し,接続ユニ (以下では,「インターフェース部C1_35 に外部ディスプレイ装置5 が接続しており作動中」のことを「作動中」と略記する)を接続した場合,作動中の携帯電話機1を接続ユニット3 に接続し,接続ユニット3 を起動させた場合,あるいは携帯電話機1 を作動中の接続ユニット3 に接続し,携帯電話機1 を起動させた場 合に,携帯電話機1 の中央演算回路1_10A1 は,接続ユニット3 から,接続ユニット3 が接続していることを検知する信号(以下,接続検知信号と略記),及び接続ユニット3 のインターフェース部C1_35 に接続された外部ディスプレイ装置5 の画面解像度データを,外部接続端子部B_33D,接続ケーブル2,外部接続端子部A_13D 及びバス19 を経由して受信する。 そして,携帯電話機1 の中央演算回路1_10A1 が前記接続検知信号を受信した場合,中央演算回路1_10A1 は,LCDパネル15A の画面水平解像度又は画面解像度に対応した画像の描画命令に替えて,以下で説明するように,LCDパネル15A の画面解像度より大きな解像度を有する画像の描画命令を生成し,グラフィックコントローラ1_10B に対して送信する。また,中央 演算回路1_10A1は,上記の描画命令とともに,VRAM1_10Cから切り出したビットマップデータを,LCDドライバ15B に送信する替わりに,TMDSトランスミッタ13A に送信するように命令する送信命令を生成し,該送信命令をグラフィックコントローラ1_10B に送信する。 【0124】 まず,インターネットに接続したウェブサイトにアクセスし,該ウェブ サイトを構成するウェブページを閲覧している場合には,中央演算回路1_10A1 は,フラッシュメモリ14A に格納されたブ まず,インターネットに接続したウェブサイトにアクセスし,該ウェブ サイトを構成するウェブページを閲覧している場合には,中央演算回路1_10A1 は,フラッシュメモリ14A に格納されたブラウザプログラムに従い,ウェブページのレイアウト形式に応じて以下のように描画命令を生成・送信する。すなわち,ウェブページがリキッドレイアウト,又は外部ディスプレイ装置5 の画面水平解像度(640 画素)よりも狭い固定幅レイアウトを 採用していれば,外部ディスプレイ装置5の画面水平解像度と同じ水平画素数を有するページ画像の描画命令を生成・送信し,ウェブページが外部ディスプレイ装置5 の画面水平解像度よりも広い固定幅レイアウトを採用していれば,該固定幅と同じ水平画素数を有するページ画像の描画命令を生成・送信する。 一方,テレビ放送を視聴している場合及び被写体を撮影している場合には,それぞれAD/DA変換部1_112C 及びAD/DA変換部2_12C から送信されるデジタル動画信号における本来画像の解像度は,外部ディスプレイ装置5 における画面解像度より依然として大きいため,中央演算回路1_10A1 は,該デジタル動画信号を一部間引くことによって,解像度を外部デ ィスプレイ装置5 の画面解像度に合わせた低画質の全体画像の描画命令が生成・送信される。 【0125】なお,携帯テレビ電話でのコミュニケーションを行っている場合には,携帯テレビ電話における無線動画信号の本来画像の解像度は,LCDパネ ル15A の画面解像度を上回らないため,携帯電話機1 を接続ユニット3 と接続した場合でも,中央演算回路1_10A1 からの描画命令が描画を命令する画像の解像度は変わらない。ただし,フラッシュメモリ14Aが画像の補間プログラムを ため,携帯電話機1 を接続ユニット3 と接続した場合でも,中央演算回路1_10A1 からの描画命令が描画を命令する画像の解像度は変わらない。ただし,フラッシュメモリ14Aが画像の補間プログラムを格納しており,中央演算回路1_10A1 がそれに従って作動する場合には,外部ディスプレイ装置5の画面解像度(無線動画信号の本来画像の解 像度より大きい)と同じ解像度を有する画像の描画命令を生成・送信する ことができる。 【0126】ところで,外部ディスプレイ装置5として,画面解像度がVGAサイズであるようなものに替えて,フルハイビジョンテレビモニタ(水平画素数×垂直画素数=1920×1080 画素)のように,画面解像度が十分に大きい(た だし,あらかじめ設定された仮想画面の論理解像度(3840×2400 画素)よりも小さい)ものを使用する場合には,中央演算回路1_10A1 が生成・送信する描画命令は,以下のように変わる。 まず,ウェブページを閲覧している場合には,ほとんどのウェブページは,仮に固定幅レイアウトを採用している場合でも該固定幅が外部ディス プレイ装置5 の画面水平解像度を超えることはないため,中央演算回路1_10A1 においては,外部ディスプレイ装置5 の画面水平解像度と同じ水平画素数を有するページ画像の描画命令が生成・送信される。 次に,テレビ放送を視聴している場合,又は被写体を撮影している場合にも,デジタル動画信号における本来画像の解像度は,外部ディスプレイ 装置5 の画面解像度を超えることはないため,中央演算回路1_10A1 においては,デジタル動画信号における本来画像の描画命令が生成・送信される。 その際,視聴しているテレビ放送がアナログテレビ放送である場合や,この説明で想定している ため,中央演算回路1_10A1 においては,デジタル動画信号における本来画像の描画命令が生成・送信される。 その際,視聴しているテレビ放送がアナログテレビ放送である場合や,この説明で想定しているようにCCD12B の解像度(1280×1024画素)がフルハイビジョンサイズ(1920×1080 画素)より小さい場合には,描画命令 が生成される本来画像の解像度は外部ディスプレイ装置5の画面解像度より小さくなるが,フラッシュメモリ14Aが画像の補間プログラムを格納しており,中央演算回路1_10A1 がそれに従って作動する場合には,外部ディスプレイ装置5 の画面解像度(デジタル動画信号の本来画像の解像度より大きい)と同じ解像度を有する画像の描画命令を生成することができる。 【0127】 グラフィックコントローラ1_10B は,中央演算回路1_10A1から受信した描画命令に基づき,あらかじめ設定された仮想画面上においてビットマップデータを生成し,VRAM1_10C に書き込む。さらに,グラフィックコントローラ1_10Bは,中央演算回路1_10A1から入手した外部ディスプレイ装置5 の画面解像度データに基づき,外部ディスプレイ装置5 の画面解像度 と同じ解像度を有し,外部ディスプレイ装置5の画面に表示される画像を記述するビットマップデータをVRAM1_10C から切り出す。その上で,中央演算回路1_10A1 から受信した送信命令に基づき,該ビットマップデータをTMDSトランスミッタ13A に送信し,TMDSトランスミッタ13A は,該ビットマップデータを,外部接続端子部A_13D を経由して接続ユニット 3 のインターフェース部B_33 にTMDS伝送方式で送信する。 【0132】また,携帯電話機1 の 3A は,該ビットマップデータを,外部接続端子部A_13D を経由して接続ユニット 3 のインターフェース部B_33 にTMDS伝送方式で送信する。 【0132】また,携帯電話機1 の中央演算回路1_10A1 は,外部キーボード61 又はマウス62 を操作することによって入力されたデータに基づき,上記のようにフラッシュメモリ14A にアクセスするかわりに,バス19,外部接続端子 部A_13D,接続ケーブル2 及び接続ユニット3 のインターフェース部B_33を経由してHDD34 にアクセスすることにより,ビットマップデータやデジタル音声データを必要に応じて圧縮したデータファイルとして書き込んだり,逆にデータファイルを読み出して必要な処理を行うことにより,描画命令をグラフィックコントローラ1_10B に出力したり,デジタル音声信 号をベースバンドプロセッサ11 経由でCODEC18C に出力したりする。 また,中央演算回路1_10A1 は,フラッシュメモリ14A に格納されたデータファイルを読み出して,バス19,外部接続端子部A_13D,及び接続ユニット3 のインターフェース部B_33 を経由して,HDD34 に保存することができる。 … 【0152】この実施形態においては,携帯電話機1は,音声通話,携帯テレビ電話又はデータ通信のための電波信号(以下では,通信電波信号と略記する)に加えてGPS信号を受信し,電気信号に変換する共用アンテナ113A,通信電波信号を変換した電気信号とGPS信号を変換した電気信号を,それぞ れRF送受信部111B とGPSダウンコンバータ113B に振り分ける共用器113D,GPS信号を変換した電気信号の周波数を変換するGPSダウンコンバータ113B 及び該周 気信号を,それぞ れRF送受信部111B とGPSダウンコンバータ113B に振り分ける共用器113D,GPS信号を変換した電気信号の周波数を変換するGPSダウンコンバータ113B 及び該周波数変換された電気信号をデジタル信号に変換するAD/DA変換部3_113C を備えている(一方,CCD等の撮像手段は備えていない)。 中央演算回路1_10A1 は,外部入出力ユニット4 に備えられたHDD44 にアクセスして格納された画像データファイルを読み出すか,あるいは,共有アンテナ113A で受信したインターネットプロトコルに準拠した電波信号を,共用器113D,RF送受信部111B 及びベースバンドプロセッサ11 経由で変換したデジタル信号を受信するかして,地図情報を含む画像データを 取得する。そして,該地図情報をAD/DA変換部3_113C からのデジタル信号とを組み合わせることにより,自らの現在位置情報を含む地図画像を記述するビットマップデータを,あらかじめ十分な大きさの論理解像度を有するように設定された仮想画面上で作成するように命令する描画命令をリアルタイムでグラフィックコントローラ1_10B に送信する。 (2) 前記⑴の記載事項及び本件発明に係る特許請求の範囲(別紙1)によれば,本件明細書には,本件発明に関し,次のとおりの開示があることが認められる。 ア携帯電話機をはじめとする携帯情報通信装置においては,その携帯性が重視され,大きいサイズのディスプレイを付属させることができないこと から,携帯情報通信装置のユーザーは,携帯情報通信装置とともにパソコ ンを所有することも多い(【0002】ないし【0004】,【0008】,【0009】)。 しかしながら,パソコンは,通常,汎用的な用途に 装置のユーザーは,携帯情報通信装置とともにパソコ ンを所有することも多い(【0002】ないし【0004】,【0008】,【0009】)。 しかしながら,パソコンは,通常,汎用的な用途に使用できるように設計されているため,高機能なプロセッサを有している上,ソフトウェアも準備しなければならず,その所有に要するコストは大きく,上記の不便さ を解消するためだけに別途パソコンを所有することは,経済的に不合理である一方,携帯情報通信装置のデータ処理手段は,表示画面が小さいということを除けば,パソコンにおけるプロセッサの機能に匹敵するから,上記のようなパソコンと携帯情報通信装置との使い分けを行うとすれば,同種のものに二重投資を行うことになり,資源の効率的な利用の観点からも 好ましくない(【0010】,【0011】,【0013】)。 そのため,従来,携帯情報通信装置に,その付属ディスプレイよりも画面が大きい大画面外部ディスプレイ装置を接続することにより,同装置で画像を表示する技術がいくつか開示されていたが,いずれも,「不合理な二重投資」と「非効率な資源利用」という問題を十分に回避できるものでは なかった(【0014】ないし【0022】)。 イ本件発明は,前記アの課題を解決するため,別紙1「特許請求の範囲」(【請求項1】)に記載された構成を採用することで,携帯電話機等の携帯情報通信装置に大画面ディスプレイ手段を含む周辺装置及び/又は大画面ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続することにより,大画面外 部ディスプレイ手段において,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示することを,付属ディスプレイに画像を表示するためにもともと必要である表示データ生成手段(付属表示データ生成手段)とは別個に大 段において,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示することを,付属ディスプレイに画像を表示するためにもともと必要である表示データ生成手段(付属表示データ生成手段)とは別個に大画面外部ディスプレイ手段向けの専用の表示データ生成手段を使用することなく,上記のような周辺装置との間のインターフェース手 段の追加と付属ディスプレイに画像を表示するための付属表示データ生成 手段への若干の機能追加だけで実現するという作用効果を奏する(【0031】)。 2 争点1(被告各製品が本件発明の技術的範囲に属するか(構成要件D及びHの充足性))について(1) 被告各製品は,構成要件Dの「必要な処理」又は「処理」を行う「中央演 算回路」を備えるかア 「必要な処理」又は「処理」を行う「中央演算回路」の意義(ア) 特許請求の範囲の記載について構成要件Dにおいては,本件発明の「携帯情報通信装置」が,「データ処理手段」を備え,これが「中央演算回路」及び「グラフィックコント ローラ」から構成されると規定されているところ,そのうち,「中央演算回路」について,「前記入力手段から受信したデータと前記記憶手段に格納されたプログラムとに基づき,前記無線通信手段から受信したデジタル信号に必要な処理を行い,リアルタイムでデジタル表示信号を生成するか,又は,自らが処理可能なデータファイルとして前記記憶手段に一 旦格納し,その後読み出した上で処理する」ものと規定され,また,「グラフィックコントローラ」について,「該中央演算回路の処理結果に基づき,単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を後記ディスプレイ制 処理結果に基づき,単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を後記ディスプレイ制御手段又は後記イ ンターフェース手段に送信する」ものと規定されている。 これらの記載からは,「中央演算回路」が,入力手段から受信したデータと記憶手段に格納されたプログラムとに基づき,受信した「デジタル信号」に「必要な処理」を行って「デジタル表示信号」を生成する機能,データファイルとして記憶手段に格納した「デジタル信号」を読み出し た上で「処理」する機能及びその「処理結果」に基づき「グラフィック コントローラ」を動作させる機能を有しているものと理解できる。 (イ) 本件明細書の記載について本件明細書には,「【課題を解決するための手段】」として,「データ処理手段」が「前記入力手段から送信されたデータ及び前記記憶手段に格納されたプログラムに基づき,前記無線通信手段から受信したデジタル 信号及び/又は前記記憶手段から読み出したデータに必要な処理を行って,デジタル表示信号及びその他のデジタル信号を生成して送信する」,「本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「デジタル表示信号」には,…「ビットマップデータ」等のデジタル画像データに直接対応した信号だけでなく,デジタル画像データの生成(描画)を命令する描画命 令のデジタル信号も含む」(【0032】)との記載がある。 これらの記載に照らし,前記(ア)の特許請求の範囲の記載を解釈すれば,構成要件Dの「中央演算回路」及び「グラフィックコントローラ」によって構成される「データ処理手段」のうち,特に「データ」と「プログラム」とに基づいて動作する「中央演算回路」が,「必要な処理 すれば,構成要件Dの「中央演算回路」及び「グラフィックコントローラ」によって構成される「データ処理手段」のうち,特に「データ」と「プログラム」とに基づいて動作する「中央演算回路」が,「必要な処理」又は 「処理」を行うことで,「ビットマップデータ」等のデジタル画像データに直接対応した信号又は描画命令のデジタル信号も含む「デジタル表示信号」を生成するものと理解できる。 (ウ) 被告の主張について被告は,本件発明の構成要件Dの「処理する」とは,本件明細書にお ける「適切に処理する」(【0032】)ことに限定されると主張するので,以下検討する。 a 特許請求の範囲及び本件明細書の各記載について本件明細書においては,「適切に処理する」の定義として,「表示信号,画像データファイル又は動画信号(以下,表示信号等と略記する) を「適切に処理する」とは,ディスプレイ手段,又は,データ処理手 段及びディスプレイ手段が,表示信号等に含まれている画素ごとの論理的な色情報を,ディスプレイ手段の画面を構成する物理的な画素の色表示として過不足なく現実化することを意味しており,より具体的には,物理的な現実化にあたって画素を間引いて表示画像の解像度を小さくしたり,画素を補間して表示画像の解像度を大きくしたりしな いことを意味している。」と記載されている(【0032】)。 また,上記記載と同じ段落には,「適切に処理する」ことに関連して,「本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「外部表示信号」とは,周辺装置における外部ディスプレイ手段がそれを受信して適切に処理することにより画像を表示することが可能であるような信号を意味す る。」,「また,表示信号等の「本来画像」とは,十分な大きさの画面解像度を有するディスプレイ手段, 段がそれを受信して適切に処理することにより画像を表示することが可能であるような信号を意味す る。」,「また,表示信号等の「本来画像」とは,十分な大きさの画面解像度を有するディスプレイ手段,又は,データ処理手段と十分な大きさの画面解像度を有するディスプレイ手段とが,該表示信号等を受信して適切に処理することにより表示される本来の画像を意味し,「本来解像度」とは「本来画像」の解像度を意味する。」との記載がある。 これに対し,構成要件Dには「適切に処理する」との記載はなく,当該記載に関連する「外部表示信号」,「本来画像」及び「本来解像度」との記載もないから,本件明細書における上記の各記載は,構成要件Dの「必要な処理」ないし「処理」に係るものとは認められず,それらの解釈を左右するものとはいえない。 b 本件発明の作用効果との関係について被告は,本件明細書に記載されている「付属ディスプレイパネルにおいては,その画面解像度に相当する部分だけを切り出した部分画像しか表示できなかったり,画素を間引くことによって画質を落とした全体画像しか表示できなかったりしたような画像を,高解像度外部デ ィスプレイ手段においては,その本来の解像度のままの全体画像とし て表示できるようになる」(【0078】第2文)という作用効果を奏するためには,「適切な処理」(【0032】)が行われる必要があるから,構成要件Dにおける「中央演算回路」の「必要な処理」及び「処理」については「適切な処理」と解すべきであると主張する。 しかしながら,本件明細書の「【発明が解決しようとする課題】」 (【0031】)の記載においては,外部ディスプレイ手段に表示しようとする,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像について,その解像度 明細書の「【発明が解決しようとする課題】」 (【0031】)の記載においては,外部ディスプレイ手段に表示しようとする,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像について,その解像度が本来の解像度のままの全体画像である旨の記載はない。 むしろ,本件明細書の「【発明を実施するための最良の形態】」にお いては,「中央演算回路1_10A1 は,…AD/DA変換部1_112C から送信されるデジタル動画信号を一部間引くことによって,解像度の低い画像の全体画像の描画命令を生成する」(【0118】),「テレビ放送を視聴している場合及び被写体を撮影している場合には,それぞれAD/DA変換部1_112C及びAD/DA変換部2_12Cから送信されるデジ タル動画信号における本来画像の解像度は,外部ディスプレイ装置5における画面解像度より依然として大きいため,中央演算回路1_10A1 は,該デジタル動画信号を一部間引くことによって,解像度を外部ディスプレイ装置5 の画面解像度に合わせた低画質の全体画像の描画命令が生成・送信される」(【0124】),「フラッシュメモリ14A が画像の補間 プログラムを格納しており,中央演算回路1_10A1 がそれに従って作動する場合には,外部ディスプレイ装置5の画面解像度(無線動画信号の本来画像の解像度より大きい)と同じ解像度を有する画像の描画命令を生成・送信することができる」(【0125】),「フラッシュメモリ14A が画像の補間プログラムを格納しており,中央演算回路1_10A1 が それに従って作動する場合には,外部ディスプレイ装置5の画面解像度 (デジタル動画信号の本来画像の解像度より大きい)と同じ解像度を有する画像の描画命令を生成することができる」「(【0126】 れに従って作動する場合には,外部ディスプレイ装置5の画面解像度 (デジタル動画信号の本来画像の解像度より大きい)と同じ解像度を有する画像の描画命令を生成することができる」「(【0126】)との記載がある。これらの記載からは,外部ディスプレイ手段の解像度と表示画像の本来の解像度との関係によっては,外部ディスプレイ手段に画像を表示するに当たり,画素を間引いて表示画像の解像度を小さ くしたり,画素を補間して表示画像の解像度を大きくしたりする実施例が示されていると理解できる。 そうすると,本件発明が解決しようとする課題及び本件発明の作用効果としては,高解像度外部ディスプレイ手段において,その本来の解像度のままの全体画像として表示できるという点ではなく,前記1 (2)イのとおり,大画面外部ディスプレイ手段において,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示することを,付属表示データ生成手段とは別個に大画面外部ディスプレイ手段向けの専用の表示データ生成手段を使用することなく,付属表示データ生成手段への若干の機能追加だけで実現する点にあると認めるのが相当であ る。 したがって,外部ディスプレイ手段に表示される画像が,本来の解像度のままの全体画像でなくとも,付属ディスプレイの画面解像度よりも大きい画像であれば,本件発明の作用効果を奏するといえるから,構成要件D中の「必要な処理を行い」及び「処理する」は,本件明細 書における「適切に処理する」(【0032】)に限定されるものとは認められない。 c 別件判決における判断との関係について証拠(乙4)及び弁論の全趣旨によれば,別件判決においては,別件発明の構成要件Iに「前記データ処理手段は,前記画像データファ イルの本来解像度が前記ディスプレ 決における判断との関係について証拠(乙4)及び弁論の全趣旨によれば,別件判決においては,別件発明の構成要件Iに「前記データ処理手段は,前記画像データファ イルの本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大き い場合でも,前記画像データファイルをリアルタイムで処理することによって,及び/又は,前記データファイルを前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理することによって,前記画像データファイルの本来画像の全体画像のデジタル表示信号を生成する機能を有する」とあるところ,そこでの「処理する」は別件特許に係る明細 書の「適切に処理する」(本件明細書の【0032】と同じ記載。)をいうとの判断がされたことが認められる。 しかしながら,別件発明の構成要件Iにおける「データ処理手段」は,上記のとおり,「画像データファイル」を「処理する」ことによって「前記画像データファイルの本来画像の全体画像のデジタル表示信 号を生成する」と規定されているものであるのに対して,本件発明の構成要件Dの「中央演算回路」の処理については,前記aのとおり,「処理」の結果として生成されるものが「本来画像の全体画像」である旨の規定はない。 したがって,別件発明の構成要件Iにおける「処理する」の解釈は, 本件発明の構成要件Dにおける「処理する」の解釈を左右するものではない。 d 以上のとおり,被告の指摘する各点を考慮しても,本件発明の構成要件D中の「必要な処理を行い」ないし「処理する」は,本件明細書における「適切に処理する」(【0032】)に限定されないというべき である。 (エ) 小括以上によれば,構成要件Dにおいて「中央演算回路」が行う「必要な処理」ないし「処理」は,「適切に処理する」こと,すなわち,画像 0032】)に限定されないというべき である。 (エ) 小括以上によれば,構成要件Dにおいて「中央演算回路」が行う「必要な処理」ないし「処理」は,「適切に処理する」こと,すなわち,画像データファイルの本来画像の全体画像のデジタル表示信号を生成することに は限定されず,無線通信手段から受信したデジタル信号又は記憶手段か ら読み出したデータファイルから,ビットマップデータ等のデジタル画像データに直接対応した信号又はデジタル画像データの生成を命令する描画命令のデジタル信号を含むデジタル表示信号を生成することであると認めるのが相当である。 イ 「必要な処理」又は「処理」を行う「中央演算回路」該当性 前記前提事実(5)ア及び弁論の全趣旨によれば,被告各製品におけるモバイルプロセッサは,構成要件Dの「中央演算回路」に該当し,タッチパネルから受信したデータと内部メモリに格納されたプログラムに基づき,無線通信手段から受信したデジタル信号(画像データ)を処理して,別紙3「被告各製品の構成要素」の一覧表における「内蔵ディスプレイの解像度」 に記載された解像度の内蔵ディスプレイ表示用ビットマップデータ(内蔵用データ)及び画像解像度がHD(1280×720画素)である外部表示用ビットマップデータ(外部用データ)を生成し,これを伝達する信号をグラフィックコントローラに送信する機能を有するものと認められる。 したがって,被告各製品におけるモバイルプロセッサの上記の機能は, 無線通信手段から受信したデジタル信号から,ビットマップデータ等のデジタル画像データに直接対応した信号であるデジタル表示信号を生成するものに該当するから,被告各製品は,構成要件Dの「必要な処理」を行う「中央演算回路」を備えるものと認められる。 マップデータ等のデジタル画像データに直接対応した信号であるデジタル表示信号を生成するものに該当するから,被告各製品は,構成要件Dの「必要な処理」を行う「中央演算回路」を備えるものと認められる。 (2) 被告各製品は,構成要件D及びHの「単一のVRAM」を備えるか ア 「単一のVRAM」の意義(ア) 特許請求の範囲の記載についてa 構成要件Dにおいては,「グラフィックコントローラ」が,「該中央演算回路の処理結果に基づき,単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,「該読み出したビットマップデー タを伝達するデジタル表示信号」を生成」すると規定されている。 また,構成要件Hにおいては,「グラフィックコントローラ」が,「前記単一のVRAMから「前記ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータ」を読み出し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成」すること及び「前記単一のVRAMから「前記ディスプレイパネルの画 面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータ」を読み出し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成」することが規定されている。 なお,構成要件Hにおける「前記単一のVRAM」の文言から,構成要件Dと構成要件Hの「単一のVRAM」は同一の意義を持つもの と解される。 これらの記載から,構成要件D及びHの「単一のVRAM」は,「グラフィックコントローラ」により,「ビットマップデータの書き込み/読み出し」がされるものであって,その「読み出し」においては,携帯情報通信装置の「ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を 有する画像のビットマップデータ」又は「ディスプレイ の書き込み/読み出し」がされるものであって,その「読み出し」においては,携帯情報通信装置の「ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を 有する画像のビットマップデータ」又は「ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータ」の読み出しがされるものであると理解できる。 b 他方で,本件発明の特許請求の範囲(請求項1)には,「単一のVRAM」を定義する記載はないところ,「単一」について,「三省堂国語 辞典第七版」には,「そのものばかりであること。」,「ひとつ。」等の記載があり(乙3),また,「VRAM」について,「IT用語がわかる辞典」の解説には,「「videorandomaccessmemory」の頭文字から。「ビデオRAM」「ビデオメモリー」「グラフィックスメモリー」ともいう。」との記載が,「ASCII.jpデジタル用語辞典」の解説には,「デ ィスプレーに表示する画像データを一時的に蓄積するメモリーで,ビ デオカードなどに搭載されている。」との記載が,「ブリタニカ国際大百科事典小項目辞典」の解説には,「ディスプレイに表示する画像データを記憶するために使われる半導体RAM。」との記載がある(甲15)。 これらの記載から,「単一のVRAM」の一般的な語義については, コンピュータのディスプレイに表示する画像データを一時的に蓄積するメモリが,一つ存在することを意味するものと理解できる。 c 以上によれば,構成要件D及びHの「単一のVRAM」については,画像のビットマップデータの書き込み及び2種類の解像度を有する画像のビットマップデータの読み出しがされるメモリが一つ存在するこ とを意味すると解するのが相当である。 (イ) 本件明細書の記載について本件明細 ータの書き込み及び2種類の解像度を有する画像のビットマップデータの読み出しがされるメモリが一つ存在するこ とを意味すると解するのが相当である。 (イ) 本件明細書の記載について本件明細書においても,「単一のVRAM」の定義規定は置かれていないが,「グラフィックコントローラ1_10B は…必要に応じてVRAM(Video RAM)1_10C への書き込み/読み出しを行いつつ,該ビット マップデータをLCDドライバ15Bに送信する。」(【0115】)との記載があり,また,【図1】においては,「VRAM1」が,「中央演算回路1」,「グラフィックコントローラ1_10B」,「LCDドライバ」等と同列に記載されている。 これらの記載からは,構成要件D及びHの「VRAM」について,中 央演算回路,グラフィックコントローラ,LCDドライバ等と同様の物理的に把握可能なハードウェアと理解するのが相当であって,さらに,前記(ア)の検討結果と総合すれば,「単一のVRAM」とは,ハードウェアとしての一つのVRAM(ディスプレイに表示する画像データを一時的に蓄積するメモリ)をいうものと解することができる。 (ウ) 被告の主張について 被告は,構成要件D及びHの「VRAM」とは,ハードウェアではなく,ディスプレイに画像を表示するために必要なデータを保持するメモリ領域を指し,「単一のVRAM」とは,一つの仮想画面のビットマップデータを書き込むメモリ領域が単一という意義であると主張するので,以下検討する。 a 特許請求の範囲の記載について本件発明の特許請求の範囲(請求項1)には,「メモリ領域」ないし「仮想画面」に係る記載はない。 「VRAM」の語義について,「IT用語辞典バイナリ」と題するウェブページ(乙2 範囲の記載について本件発明の特許請求の範囲(請求項1)には,「メモリ領域」ないし「仮想画面」に係る記載はない。 「VRAM」の語義について,「IT用語辞典バイナリ」と題するウェブページ(乙2)においては,被告が主張するように,「ディスプレ イに画像を表示するために必要なデータを保持するメモリ領域」との記載があるものの,前記(ア)bのとおり,「メモリ領域」との語義については触れていない解説も複数あり,「VRAM」を「メモリ領域」との意義で使用することが一般的であるとは認められない。 b 本件明細書の記載について 被告は,本件明細書において,VRAMにデータサイズの大きい仮想画面のビットマップデータを書き込み,この仮想画面のビットマップデータから内蔵ディスプレイ用ビットマップデータや外部ディスプレイ用ビットマップデータを切り出す動作が記載されており(【0115】,【0117】,【0127】),この動作では,一つの仮想画面のビ ットマップデータが書き込まれるメモリ領域と,内蔵ディスプレイ用ビットマップデータ及び外部ディスプレイ用ビットマップデータが切り出されるメモリ領域が同一であることが前提とされているから,本件明細書の上記の記載は,一つの仮想画面のビットマップデータを書き込むメモリ領域が単一であることを示すものであると主張する。 しかしながら,被告が指摘する本件明細書の記載は,「VRAM (Video RAM)1_10C」をハードウェアとしてのメモリと理解することと矛盾するものではない。 その他,本件明細書において,構成要件D及びHの「VRAM」が,ハードウェアではなく,メモリ領域であることを示すような記載は見当たらない。 c したがって,構成要件D及びHの「単一のVRAM」が,一 本件明細書において,構成要件D及びHの「VRAM」が,ハードウェアではなく,メモリ領域であることを示すような記載は見当たらない。 c したがって,構成要件D及びHの「単一のVRAM」が,一つの仮想画面のビットマップデータを書き込むメモリ領域が単一であることを意味するとの被告の前記主張は,採用することができない。 (エ) 小括以上によれば,構成要件D及びHの「単一のVRAM」は,ハードウ ェアとしてのVRAM(ディスプレイに表示する画像データを一時的に蓄積するメモリ)が一つであることを意味するものと認めるのが相当である。 イ 「単一のVRAM」該当性(ア) 前記前提事実(5)ア及び弁論の全趣旨によれば,被告各製品の構成に ついて,ハードウェアとしてのVRAMが一つ内蔵されていると認めるのが相当である。 したがって,被告各製品のVRAMは,構成要件D及びHにおける「単一のVRAM」に該当するから,被告各製品は,これを備えるものと認められる。 (イ) 被告は,本件明細書の【図1】では符号10Bの「グラフィックコントローラ1」と符号10Cの「VRAM1」とが物理的に分離した別の部品として記載されているところ,被告各製品においては,VRAMはグラフィックコントローラに相当する液晶コントローラICに内蔵されており,液晶コントローラICとVRAMが物理的に別の部品になって いないから,被告各製品は「単一のVRAM」を備えないと主張する。 しかしながら,「グラフィックコントローラ」と「VRAM」とが一体的に構成されているかどうかは,「VRAM」が単一であるかどうかとは別の問題であるといえ,「グラフィックコントローラ」と「VRAM」が一体であるか否かという点については,本件発明のいずれの構成 一体的に構成されているかどうかは,「VRAM」が単一であるかどうかとは別の問題であるといえ,「グラフィックコントローラ」と「VRAM」が一体であるか否かという点については,本件発明のいずれの構成要件においても特定がされていない。 また,ブロック図である本件明細書の【図1】において符号10Bの「グラフィックコントローラ1」と符号10Cの「VRAM1」とが別個に記載されているかどうかによって,本件発明における「VRAM」と「グラフィックコントローラ」との間の物理的構成が限定されるともいえない。 したがって,被告の上記主張は採用することができない。 (3) 被告各製品の構成要件D及びHの充足性について以上のとおり被告各製品が構成要件Dの「必要な処理」又は「処理」を行う「中央演算回路」並びに構成要件D及びHの「単一のVRAM」を備えること,そして,前記前提事実(5)ア及び弁論の全趣旨によれば,被告各製品は, いずれも,構成要件D及びHを充足し,本件発明の技術的範囲に属するものと認められる。 3 争点2-1(甲11公報を主引用例とする進歩性欠如)について(1) 甲11公報の記載事項等ア優先日(甲第1号証,甲第2号証及び弁論の全趣旨から,平成16年1 2月24日を本件発明についての優先日(以下「本件優先日」という。)と認める。)前に頒布された刊行物である甲11公報には次のような記載がある(下記記載中に引用する【図1】については,別紙8「甲11公報の図面」参照)。 (ア) 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は,携帯電話機(通信機能搭載のパームトップPCやPDA[PersonalDigital/DataAssistant]などの携帯電子機器を含む)に関するものである。 技術分野】 本発明は,携帯電話機(通信機能搭載のパームトップPCやPDA[PersonalDigital/DataAssistant]などの携帯電子機器を含む)に関するものである。 (イ) 【0002】【従来の技術】 従来より,携帯電話機の多くは,各種情報(静止画や動画,文字など)を表示する手段として,数インチの表示部(液晶ディスプレイなど)を有して成る。 (ウ) 【0004】【発明が解決しようとする課題】 確かに,上記構成から成る携帯電話機は,アドレス帳や電子メールの内容,或いは携帯電話機での閲覧を目的として作成されたWebコンテンツ等を表示部に出力することができるので,ユーザにとって非常に便利である。 【0005】 しかしながら,上記構成から成る携帯電話機では,本体の携帯性を考慮して表示部の設置面積を大きくとれないため,表示内容の視認性や臨場感が乏しい上,ユーザの視力低下を招くおそれがあった。また,携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについては,正常に表示することすらできなかった。 【0007】本発明は,上記の問題点に鑑み,本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性や臨場感を向上させることが可能な携帯電話機の提供を第1の目的と…する。 (エ) 【0008】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために,本発明に係る携帯電話機は,入力された情報を外部表示装置で読取可能な画像信号形式に変換して出力する画像出力部を有して成り,前記外部表示装置への情報出力を行う構成としている。このような構成とすることにより,本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性や臨場感を向上させることが可能となる。 【0012】ま ,前記外部表示装置への情報出力を行う構成としている。このような構成とすることにより,本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性や臨場感を向上させることが可能となる。 【0012】また,上記構成から成る携帯電話機において,前記外部表示装置に出力される情報は,サーバから取得されたWebコンテンツ情報とすればよい。このような構成とすることにより,外部表示装置には,閲覧中のWebコンテンツ情報が表示されることになるので,携帯電話機本体の携 帯性を損なうことなく,表示内容の視認性を向上させることが可能となる上,携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについても,正常に表示することが可能となる。…(オ) 【0015】【発明の実施の形態】 図1は本発明に係る携帯電話機の要部構成を示すブロック図である。本図に示すように,本発明に係る携帯電話機1は,制御部10と,送受信部11と,表示部12と,音声部13と,操作部14と,撮像部15と,記憶部16と,画像出力部17と,を有して成る。 【0016】 制御部10は,CPU[CentralProcessingUnit]等から成り,上記各部11~17を含む装置全体の動作を制御する。送受信部11は,送信回路と受信回路を有して成り,アンテナ11aを介して電波を送受信することで,基地局(不図示)との双方向通信を行う。なお,アンテナ11aとしては,携帯性や格納性に優れたロッドアンテナを用いるとよい。 表示部12は,液晶ディスプレイ等から成る情報表示手段である。音声 部13は,マイク13aやスピーカ13bを制御する音声入出力手段である。操作部14は,ダイヤルキーやブラウザ操作キー等を備えた入力デバイスである。撮像部15は,CCDカメラやCMO 音声 部13は,マイク13aやスピーカ13bを制御する音声入出力手段である。操作部14は,ダイヤルキーやブラウザ操作キー等を備えた入力デバイスである。撮像部15は,CCDカメラやCMOSカメラから成る画像撮影手段である。記憶部16は,ROMやRAMから成る情報格納手段である。本発明の特徴部分である画像出力部17は,入力された 情報(静止画や動画,文字など)を外部表示装置2で読取可能な画像信号形式(例えば,ビデオ信号形式)に変換して出力するインターフェイス部である。 【0018】第1の具体例は,記憶部16の格納情報(アドレス帳や電子メールの内 容等)を外部表示装置2に出力する場合である。この場合,制御部10は,記憶部16から所望の情報を読み出して画像出力部17に送出し,該情報を外部出力するように要求する。該要求を受けた画像出力部17は,制御部10からの入力情報に所定の信号処理を施して外部表示装置2に出力する。このような動作により,外部表示装置2には,携帯電話 機1の記憶部16から読み出された情報が表示されることになる。従って,外部表示装置2として表示部12より大型のモニタ装置を用いれば,携帯電話機1本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性を向上させることが可能となる。 【0020】 第3の具体例は,閲覧中のWebコンテンツ情報を外部表示装置2に出力する場合である。この場合,制御部10は,送受信部11を介して指定サーバから所望のWebコンテンツ情報を取得して画像出力部17に送出し,該情報を外部出力するように要求する。該要求を受けた画像出力部17は,制御部10からの入力情報に所定の信号処理を施して外部 表示装置2に出力する。このような動作により,外部表示装置2には, 閲 出力するように要求する。該要求を受けた画像出力部17は,制御部10からの入力情報に所定の信号処理を施して外部 表示装置2に出力する。このような動作により,外部表示装置2には, 閲覧中のWebコンテンツ情報が表示されることになる。従って,外部表示装置2として表示部12より大型のモニタ装置を用いれば,携帯電話機1本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性を向上させることが可能となる。また,携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについても,表示部12のサイズや解像度に依存すること なく正常に表示することが可能となる。 (カ) 【0026】【発明の効果】上記したように,本発明に係る携帯電話機であれば,本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性や臨場感を向上させることが可能とな る。…イ前記アの記載事項によれば,甲11公報には,甲11発明に関し,次のような開示があることが認められる。 (ア) 従来より,携帯電話機の多くは,各種情報(静止画や動画,文字など)を表示する手段として,数インチの表示部(液晶ディスプレイなど)を 有しており,このような構成から成る携帯電話機は,アドレス帳や電子メールの内容,或いは携帯電話機での閲覧を目的として作成されたWebコンテンツ等を表示部に出力することができるので,ユーザにとって非常に便利であったが,本体の携帯性を考慮して表示部の設置面積を大きくとれないため,表示内容の視認性や臨場感が乏しい上,ユーザの視 力低下を招くおそれがあり,また,携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについては,正常に表示することすらできなかった(【0002】,【0004】,【0005】)。 (イ) 「本発明」は,前記(ア)の問題点に鑑み,本体の携 機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについては,正常に表示することすらできなかった(【0002】,【0004】,【0005】)。 (イ) 「本発明」は,前記(ア)の問題点に鑑み,本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性や臨場感を向上させることを目的とし,この目 的を達成するために, 「ダイヤルキーやブラウザ操作キー等を備えた入力デバイスである操作部14と,送信回路と受信回路を有して成り,アンテナを介して電波を送受信することで,基地局との双方向通信を行う送受信部11と,ROMやRAMから成る情報格納手段である記憶部16と, CPU等から成り,装置全体の動作を制御する制御部10と,液晶ディスプレイ等から成る情報表示手段である表示部12と,入力された情報(静止画や動画,文字など)を外部表示装置2で読取可能な画像信号形式(例えば,ビデオ信号形式)に変換して出力するインターフェース部である画像出力部17と, を備えるとともに,制御部10は,送受信部11を介して指定サーバから所望のWebコンテンツ情報を取得して画像出力部17に送出し,該情報を外部出力するように要求し,該要求を受けた画像出力部17は,制御部10からの入力情報に所定 の信号処理を施して外部表示装置2に出力することによって,携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツについても,表示部12のサイズや解像度に依存することなく正常に表示することが可能になる携帯電話機1」を提供するものである(【0007】,【0008】,【0015】,【0016】,【0018】,【0020】)。 このような構成とすることにより,「本発明」に係る携帯電話機は,本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性や臨場感を向上 】,【0015】,【0016】,【0018】,【0020】)。 このような構成とすることにより,「本発明」に係る携帯電話機は,本体の携帯性を損なうことなく,表示内容の視認性や臨場感を向上させることが可能となるという作用効果を奏する(【0026】)。 (2) 乙4公報の記載事項等ア本件優先日前に頒布された刊行物である乙4公報には,次のような記載 がある(下記記載中に引用する【図1】,【図2】,【図6】,【図7】は,別 紙9「乙4公報の図面」参照)。 (ア) 【特許請求の範囲】【請求項1】内蔵された内部表示装置における表示以外に,外部表示装置を接続して表示させることが可能な携帯情報処理装置において,前記内部表示装置と,前記内部表示装置よりも高解像度の前記外部表示 装置に表示させる表示データを格納する表示メモリと,前記内部表示装置による内部表示と,前記外部表示装置による外部表示とをそれぞれ制御して,前記表示メモリに格納された表示データに応じた画面を表示させる表示コントローラと,前記前記内部表示装置による内部表示の内容を選択的に前記外部表示装 置に表示させる表示制御手段とを具備したことを特徴とする携帯情報処理装置。 (イ) 【発明の詳細な説明】a 【0002】【従来の技術】一般に,携帯情報処理装置は,携帯性を確保するため に装置の小型化が要求され,それに伴って出力装置として内蔵した表示デバイスの表示サイズも小さくなってしまうため,例えば特開平8-115063号に開示されているように,大きな表示サイズでの表示を可能とするために外部表示機器であるCRTを接続可能な機能が設けられている。 【0003】携帯情報処理装置は,外部表示機器を接続した場合,内蔵した表示デバイス ,大きな表示サイズでの表示を可能とするために外部表示機器であるCRTを接続可能な機能が設けられている。 【0003】携帯情報処理装置は,外部表示機器を接続した場合,内蔵した表示デバイスにおいて表示する描画イメージと同じ描画イメージを外部表示機器において表示させる。 b 【0004】【発明が解決しようとする課題】このように従来の携帯情報処理装置 では,外部表示機器を接続した場合には,内蔵した表示デバイスでの 描画イメージと同じ描画イメージを,外部表示機器において表示させていた。 【0005】従って,外部表示機器を用いた場合には,画面の物理的な表示サイズが大きくなるだけであって,外部表示機器の解像度が内蔵した表示デバイスの解像度よりも高く,より多くの情報を表示可能 であったとしても,同じ情報を提供するだけとなっていた。 【0006】つまり,従来の携帯情報処理装置では,内蔵した表示デバイスの解像度よりも高解像度の外部表示機器を利用することで生じる,より広い画面表示サイズを有効に利用することができなかった。 【0007】本発明は前記のような事情を考慮してなされたもので, 外部表示機器における表示を有効に活用することが可能な携帯情報処理装置及び外部表示出力の制御方法を提供することを目的とする。 c 【0008】【課題を解決するための手段】本発明は,内蔵された内部表示装置における表示以外に,外部表示装置を接続して表示させることが可能な 携帯情報処理装置において,内部表示装置における内部表示用の表示データを格納するための領域と,内部表示装置よりも高解像度の外部表示装置における外部表示用の表示データを格納するための領域を表示メモリに確保し,内部表示用の表示データを選択的に外部表示用の領域に データを格納するための領域と,内部表示装置よりも高解像度の外部表示装置における外部表示用の表示データを格納するための領域を表示メモリに確保し,内部表示用の表示データを選択的に外部表示用の領域に格納することで,解像度の違いによる外部表示装置における表 示領域を有効に利用できるようにしている。 d 【0009】【発明の実施の形態】以下,図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。はじめに,本実施形態における携帯情報処理装置(携帯機器2)の基本構成,及び動作の概略について説明する。 【0011】図2は、図1に示す携帯機器2のシステム構成を示すブ ロック図である。…【0012】図1に示すように,本実施形態における携帯機器2は,CPU10,システムメモリ(DRAM)12,ROM14,入力装置16,表示メモリ18,表示コントローラ20,及び内部表示装置22を有して構成されている。また,携帯機器2は,表示コントロー ラ20を介して,外部表示装置24(図1中に示す外部表示デバイス4)を接続して表示させることができる。 【0013】CPU10は,システム全体の制御を司るもので,システムメモリ12やROM14に格納されたプログラム,例えば表示制御に関係するOS(オペレーティングシステム),表示描画プログラム, デバイスドライバ等に従って各種の制御を実行する。 【0014】システムメモリ12は,プログラムやデータ等の一時使用の記憶領域として使用される。ROM14は,プログラム等の本体の記憶領域として使用される。 【0015】入力装置16は,画面の座標位置等入力するペン(タブ レット)やマウス等のポインティングデバイス,文字等を入力するキーボードなどにより構成される。表示メモリ18は,内部表示 る。 【0015】入力装置16は,画面の座標位置等入力するペン(タブ レット)やマウス等のポインティングデバイス,文字等を入力するキーボードなどにより構成される。表示メモリ18は,内部表示装置22及び外部表示装置24において表示させる表示データの記憶領域として使用される。表示メモリ18の記憶領域の制御については後述する。 【0016】表示コントローラ20は,内部表示装置22及び外部表示装置24における表示を制御するもので,表示メモリ18に格納された表示データに応じて,内部表示装置22と外部表示装置24に対して異なる画面を表示させることができる。 【0017】内部表示装置22は,携帯機器2に予め内蔵されたLC D等によって構成される表示デバイスであり,携帯機器2の筐体のサ イズに応じて比較的,表示サイズが小さい表示装置である。…【0018】外部表示装置24は,携帯機器2にケーブル等(無線等による接続も可能)を介して任意に接続されるCRT等によって構成される表示デバイスであり,本実施形態では内部表示装置22よりも表示サイズが大きく,かつ高解像度であるものが用いられるものとす る。 【0033】次に,内部表示装置22及び外部表示装置24における描画の動作について説明する。図6は,内部表示装置22及び外部表示装置24で描画を行なうための簡単な流れの仕組みを示す図である。 【0034】ここでは,システムは定常状態であり,通常の表示,す なわち内部表示装置22における内部表示が行われているものとし,さらに外部表示装置24による外部表示を行わせる。 【0035】まず,外部表示装置24において外部表示させるために,ユーザによって外部表示装置24への表示データ(描画イメージ)の出力方法を指定させ さらに外部表示装置24による外部表示を行わせる。 【0035】まず,外部表示装置24において外部表示させるために,ユーザによって外部表示装置24への表示データ(描画イメージ)の出力方法を指定させる。この出力方法の指定は,例えばアプリケーシ ョンプログラム35の実行により提供される機能によって,ユーザからの指示を入力装置16から指定させる。出力方法の指定の内容としては,例えば「内部表示と同じ描画イメージを表示する」,「内部表示と異なった描画イメージを表示する」といった指定があるものとする。 【0036】アプリケーション35によって出力方法の指定が入力さ れると,OS38の制御のもとで,内部表示用と外部表示用のそれぞれの描画プログラム(以下,内部表示ドライバ36,外部表示ドライバ37)に従って,表示コントローラ20に対してユーザからの指定の設定,すなわち内部表示と外部表示に用いる表示データ(描画イメージ)を示すアドレスを表示コントローラ20内のレジスタ20bに 設定する。 【0037】一方,アプリケーションプログラム35は,内部表示装置22と外部表示装置24において描画させるイメージ,すなわち内部表示イメージと外部表示イメージの2種類を,それぞれの表示装置の解像度に合わせて,表示メモリ18上にライトする。 【0038】表示コントローラ20は,アプリケーションプログラム 35によってライトされた内部表示イメージと外部表示イメージに応じて,内部表示装置22と外部表示装置24に対して,それぞれに応じた描画イメージを表示させる。 【0039】図7は,前述のようにして内部表示イメージと外部表示イメージがライトされる,表示メモリ18の使用方式の一例を示す図 である。図7(a)に示す例は,解像度の異な ージを表示させる。 【0039】図7は,前述のようにして内部表示イメージと外部表示イメージがライトされる,表示メモリ18の使用方式の一例を示す図 である。図7(a)に示す例は,解像度の異なる内部表示装置22(低解像度)と外部表示装置24(高解像度)に対して,表示メモリ18の表示エリアの一部を共有させることを示している。 e 【0104】【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば,内部表示装置に おける内部表示用の表示データを格納するための領域と,内部表示装置よりも高解像度の外部表示装置における外部表示用の表示データを格納するための領域を表示メモリに確保し,内部表示用の表示データを選択的に外部表示用の領域に格納することで,解像度の違いによる外部表示装置における表示領域を有効に利用することが可能となる。 イ前記アの記載事項によれば,乙4公報には,乙4発明に関し,次のような開示があることが認められる。 (ア) 一般に,携帯情報処理装置は,携帯性を確保するために装置の小型化が要求され,それに伴って出力装置として内蔵した表示デバイスの表示サイズも小さくなってしまうことから,大きな表示サイズでの表示を可 能とするために外部表示機器であるCRTを接続可能な機能が設けられ ているところ,従来の携帯情報処理装置では,外部表示機器を接続した場合に,内蔵した表示デバイスでの描画イメージと同じ描画イメージを外部表示機器において表示させていたため,画面の物理的な表示サイズが大きくなるだけであって,外部表示機器の解像度が内蔵した表示デバイスの解像度よりも高く,より多くの情報を表示可能であったとしても, 同じ情報を提供するだけとなっており,内蔵した表示デバイスの解像度よりも高解像度の外部表示機器を利用する 度が内蔵した表示デバイスの解像度よりも高く,より多くの情報を表示可能であったとしても, 同じ情報を提供するだけとなっており,内蔵した表示デバイスの解像度よりも高解像度の外部表示機器を利用することで生じる,より広い画面表示サイズを有効に利用することができなかった(【0002】ないし【0006】)。 (イ) 「本発明」は前記(ア)のような事情を考慮してなされたもので,外部 表示機器における表示を有効に活用することを目的として,「画面の座標位置等入力するペン(タブレット)やマウス等のポインティングデバイス,文字等を入力するキーボードなどにより構成される入力装置16と,プログラムやデータ等の一時使用の記憶領域として使用されるシステ ムメモリ12及びプログラム等の本体の記憶領域として使用されるROM14と,システムメモリ12やROM14に格納されたプログラム等に従って各種の制御を実行するCPU10と,内部表示装置22及び外部表示装置24における表示を制御する表示 コントローラ20と,携帯機器2に予め内蔵されたLCD等によって構成される表示デバイスである内部表示装置22と,を備えるとともに,アプリケーションプログラム35によって内部表示装置22と外部表 示装置24において描画させるイメージ,すなわち内部表示イメージと 外部表示イメージの2種類が,それぞれの表示装置の解像度に合わせて,表示メモリ18上にライトされ,表示コントローラ20は,表示メモリ18に格納された表示データ(描画イメージ)に応じて,内部表示装置22とケーブル等を介して任意に接続される外部表示装置24(CRT等によって構成される内部表示装置よりも高解像度である表示デバイス) に対して異なる画面を表示させることが に応じて,内部表示装置22とケーブル等を介して任意に接続される外部表示装置24(CRT等によって構成される内部表示装置よりも高解像度である表示デバイス) に対して異なる画面を表示させることができる携帯情報処理装置である携帯機器2」を提供するものである(【請求項1】,【0007】,【0008】,【0012】ないし【0018】,【0034】ないし【0038】)。 このように,内部表示装置における内部表示用の表示データを格納するための領域と,内部表示装置よりも高解像度の外部表示装置における 外部表示用の表示データを格納するための領域を表示メモリに確保し,内部表示用の表示データを選択的に外部表示用の領域に格納することで,解像度の違いによる外部表示装置における表示領域を有効に利用することが可能となるという効果を奏する(【0104】)。 (3) 甲11発明と本件発明との対比 前記(1)イの甲11発明と本件発明とを対比すると,構成要件D,E,H,Iに対応する構成に関して,以下の各点で相違することが認められ,その余は一致する。このうち,構成要件Hに係る相違点については,被告が主張する相違点3と原告が主張する相違点甲は実質的には同じ点を指摘するものといえ,下記の相違点③のとおり認定するのが相当である。 (相違点①)構成要件Dに対応する構成として,本件発明では,中央演算回路の処理結果に基づき,グラフィックコントローラが,単一のVRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を生成し,当該デジタル表示信号をディスプレ イ制御手段(内部表示装置用の制御手段)とインターフェース手段(外部表 示装置用のデータ送信手段)に送信する,と具体的に特 ジタル表示信号を生成し,当該デジタル表示信号をディスプレ イ制御手段(内部表示装置用の制御手段)とインターフェース手段(外部表 示装置用のデータ送信手段)に送信する,と具体的に特定されているのに対して,甲11発明では表示部12(内部表示装置)及び外部表示装置2にデジタル表示信号を送信するのが単に「制御部10」としか特定されていない点。 (相違点②) 構成要件Eに対応する構成として,本件発明ではグラフィックコントローラから受信したデジタル表示信号に基づき,ディスプレイ手段が制御される旨の特定がされているのに対し,甲11発明では単に「制御部10」が液晶ディスプレイ等からなる情報表示手段である表示部12を制御するとしか特定されていない点。 (相違点③)構成要件Hに対応する構成として,本件発明の「グラフィックコントローラ」は,「前記携帯情報通信装置が「本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データ」を処理して画像を表示する場合」の機能として,「前記単一のVRAMから「前記ディスプレイパネルの画面解像度と同じ 解像度を有する画像のビットマップデータ」を読み出し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を前記ディスプレイ制御手段に送信する機能と前記単一のVRAMから「前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータ」を読み出し,「該読み出したビットマップデータを伝達す るデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を前記インターフェース手段に送信する機能」を有すると特定されているのに対して,甲11発明においては,制御部10が液晶ディスプレイ等からなる表示部12を制御すること,「携帯電話機での閲 タル表示信号を前記インターフェース手段に送信する機能」を有すると特定されているのに対して,甲11発明においては,制御部10が液晶ディスプレイ等からなる表示部12を制御すること,「携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツ」を外部表示装置2に出力して「表示部12のサイズや解像度に依存することなく正 常に表示する」際に,「制御部10」が,「指定サーバから所望のWebコン テンツ情報を取得して画像出力部17に送出する」ことが示されるに留まり,これらの表示の際に「VRAMからビットマップデータを読み出す」とも「読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を生成する」とも特定されていない点。 (相違点④) 構成要件Iに対応する構成として,本件発明ではインターフェース手段による,デジタル外部表示信号の伝送方式がデジタルRGB,TMDS,LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれかに限定されているのに対し,甲11発明では画像出力部17から外部表示装置2への伝送方式が限定されていない点。 (4) 相違点③について事案に鑑み,前記(3)の相違点のうち,構成要件Hに係る相違点③について,まず検討する。 ア本件発明の相違点③に係る構成(構成要件H)と乙4発明の構成との異同 (ア) 被告は,乙4発明の構成を相違点③(被告主張の相違点3)に係る甲11発明の構成に適用することにより,本件発明の構成要件Hに至ると主張する(前記第3の2(被告の主張)(1)ク)。しかしながら,本件発明において,「携帯情報通信装置」の「グラフィックコントローラ」は,「前記携帯情報通信装置が「本来解像度がディスプレイパネルの画面解 像度より大きい画像データ」を処理して画像を表示する場合に」VRAMか 「携帯情報通信装置」の「グラフィックコントローラ」は,「前記携帯情報通信装置が「本来解像度がディスプレイパネルの画面解 像度より大きい画像データ」を処理して画像を表示する場合に」VRAMから「画像のビットマップデータ」を読み出し,「読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成するのに対して,乙4発明では,「携帯情報処理装置」である「携帯機器2」が「本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データ」を処理して画 像を表示するとはされておらず,「表示コントローラ20」は「表示メモ リ18」に格納された「表示データ(描画イメージ)」を表示するものである。 そうすると,この点において,本件発明の構成要件Hと乙4発明における構成には上記相違点(原告主張の相違点乙に相当するものであり,以下「相違点⑤」という。)が存在するものと認められる。 (イ) 被告は,構成要件Hと乙4発明との間に前記(ア)の相違点があるとしても,設計事項の変更にすぎないと主張する。 しかしながら,本件発明が「携帯情報通信装置」を提供するものであるのに対し,乙4発明は「携帯情報処理装置」を提供するものであって,本件発明の「無線通信手段」を備えるものではないから,両発明は異な る装置に係るものである。 そして,乙4公報には,本件発明の「携帯情報通信装置」のように,外部から入力された画像を処理することを示唆する記載はなく,内部表示装置の解像度よりも本来解像度が大きな高解像度画像の処理についての記載もない。 そうすると,相違点⑤について,当業者が通常行う設計変更に係る事項にすぎないということはできない。 (ウ) したがって,本件発明の構成要件Hと乙4発明の構成には相違点⑤が存在し,これは設計事項と そうすると,相違点⑤について,当業者が通常行う設計変更に係る事項にすぎないということはできない。 (ウ) したがって,本件発明の構成要件Hと乙4発明の構成には相違点⑤が存在し,これは設計事項とはいえないため,相違点③に係る甲11発明の構成に乙4発明の構成を適用したとしても,本件発明の構成要件Hに 至るものではない。 イ乙4発明の適用による相違点③の容易想到性について甲11発明は,前記(1)イのとおり,「携帯電話機」の発明であり,「送受信部11」が外部から受信した「携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツ」に係る情報を「制御部10」が「画像出力部17」に 送出し,「画像出力部17」がこの情報を外部表示装置2に出力して「表示 部12のサイズや解像度に依存することなく正常に表示する」ものであるところ,甲11公報には,「制御部10」及び「画像出力部17」が携帯電話機の「表示部12」の画面解像度よりも大きい解像度を有する「Webコンテンツ等」を「外部表示装置2」に表示するに当たっての問題点やその具体的な解決の方向を示唆するような記載はない。他方,乙4発明は, 前記ア(イ)のとおり,「無線通信手段」を備えない「携帯情報処理装置」の発明であって,乙4公報には,外部から入力された画像を処理することを示唆する記載はなく,「Webコンテンツ」のように本来解像度が内部表示装置の解像度より大きな高解像度画像の処理についての記載もない。 そうすると,甲11公報に接した当業者が,乙4発明を認識していたと しても,「携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツ」を「外部表示装置2」に出力して「表示部12」のサイズや解像度に依存することなく正常に表示するための具体的な構成として,乙4発明の構成を採用 「携帯電話機での閲覧が意図されていないWebコンテンツ」を「外部表示装置2」に出力して「表示部12」のサイズや解像度に依存することなく正常に表示するための具体的な構成として,乙4発明の構成を採用する動機付けがあるとは認められない。 したがって,当業者において,甲11発明に乙4発明を組み合わせるこ とによって,相違点③に係る構成を容易に想到することができたものとは認められない。 (5) 小括以上によれば,相違点③に係る甲11発明の構成に乙4発明の構成を適用しても本件発明の構成要件Hには至らず,また,当業者が相違点③に係る甲 11発明の構成に乙4発明の構成を適用する動機付けも認められないから,その余の点について判断するまでもなく,本件発明は,本件優先日前に当業者が甲11発明に基づいて,容易に発明をすることができたものとはいえない。 したがって,本件発明について,甲11公報を主引用例とする進歩性欠如 の無効理由(特許法123条1項2号,29条2項)は認められない。 4 争点2-2(乙4公報を主引用例とする進歩性欠如)について(1) 乙4発明と本件発明との対比前記3(2)イの乙4発明と本件発明とを対比すると,前記3(4)アのとおり,構成要件Hに関して相違点⑤が存在し,また,その他に,少なくとも,構成要件B,構成要件G,構成要件I及び構成要件Kに関して,以下の各点で相 違することが認められる。 (相違点⑥)構成要件Bに対応する構成として,乙4発明には無線通信手段が明示されていない点。 (相違点⑦) 構成要件G及びKに対応する構成として,本件発明は携帯情報通信装置であるのに対して,乙4発明は携帯情報処理装置である点。 (相違点⑧)構成要件Iに対応する構成として,本件発明ではイ ) 構成要件G及びKに対応する構成として,本件発明は携帯情報通信装置であるのに対して,乙4発明は携帯情報処理装置である点。 (相違点⑧)構成要件Iに対応する構成として,本件発明ではインターフェース手段による,デジタル外部表示信号の伝送方式がデジタルRGB,TMDS,LV DS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれかに限定されているのに対し,乙4発明では,外部表示装置24への伝送方式が限定されていない点。 (2) 相違点⑤について事案に鑑み,前記(1)の相違点のうち,構成要件Hに係る相違点⑤について,まず検討すると,前記3(4)アで検討したところからすれば,相違点⑤は当業 者が通常行う設計変更に係る事項とは認められない。 なお,被告において具体的に主張するものではないが,仮に,相違点⑤に係る乙4発明の構成に甲11発明の「送受信部11を介して指定サーバから所望のWebコンテンツ情報を取得」するという構成を適用するとしたとしても,前記3(4)アで検討したとおり,これによって相違点⑤が解消されるも のではない。また,乙4発明は,携帯情報処理装置であって,無線通信手段 を備えるものではなく,乙4公報にも外部から入力された高解像度画像を処理することを示唆する記載はないから,乙4発明に接した当業者が,外部から入力された高解像度画像を処理するために,乙4発明に甲11発明を組み合わせる動機付けも認められない。 (3) 小括 したがって,その余の点について判断するまでもなく,本件発明は,本件優先日前に当業者が乙4発明に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえないから,本件発明について,乙4公報を主引用例とする進歩性欠如の無効理由(特許法123条1項2号,29条2項)は認められない。 業者が乙4発明に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえないから,本件発明について,乙4公報を主引用例とする進歩性欠如の無効理由(特許法123条1項2号,29条2項)は認められない。 5 争点2-3(サポート要件違反)について 前記2(1)アのとおり,構成要件Dの「必要な処理を行」う及び「処理する」は,本件明細書の「適切に処理する」(【0032】)に限定されないとと解される。これを前提に,被告は,「適切に処理する」こと以外のデータ処理又は信号処理を行うことによって,「付属ディスプレイパネルにおいては,その画面解像度に相当する部分だけを切り出した部分画像しか表示できなかったり,画素を 間引くことによって画質を落とした全体画像しか表示できなかったりしたような画像を,高解像度外部ディスプレイ手段においては,その本来の解像度のままの全体画像として表示できるようになる」(【0078】第2文)という本件発明の作用効果を達成できることは,本件明細書に記載されていないとして,本件発明は,本件明細書の発明の詳細な説明に記載したものではなく,サポー ト要件(特許法36条6項1号の要件)を満たさないと主張する。 しかしながら,前記1(1)の本件明細書の記載によれば,本件明細書の発明の詳細な説明には,被告が主張する上記の作用効果に対応する課題のみならず,前記1(2)のとおり,外部ディスプレイ手段において,付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示することを,不合理な二重投資や非効 率な資源利用がないように,外部ディスプレイ手段向けの専用の表示データ生 成手段を,付属ディスプレイに画像を表示するためにもともと必要である表示データ生成手段(付属表示データ生成手段)とは別個に使用することなく,付属表 スプレイ手段向けの専用の表示データ生 成手段を,付属ディスプレイに画像を表示するためにもともと必要である表示データ生成手段(付属表示データ生成手段)とは別個に使用することなく,付属表示データ生成手段への若干の機能追加だけで実現することに係る課題が開示されており,前記2(1)ア(ウ)bで検討したところに照らせば,本件発明が解決しようとする課題は,後者であると認めるのが相当である。 そして,当業者は,本件明細書の発明の詳細な説明の記載から,上記のような本件発明の課題について,本件発明の構成を採用することによって解決できることを認識できるというべきである。 そうすると,本件発明に係る特許請求の範囲の記載と本件明細書の発明の詳細な説明の記載とを対比すれば,特許請求の範囲に記載された本件発明が,本 件明細書の発明の詳細な説明に記載された発明で,その発明の詳細な説明の記載により当業者が本件発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえるから,本件発明は,本件明細書の発明の詳細な説明に記載したものであると認められる。 したがって,被告のサポート要件違反の主張は理由がない。 6 争点2-4(本件訂正についての訂正要件違反)について(1) 本件特許に本件訂正前の特許請求の範囲は,別紙10「本件訂正前の特許請求の範囲」に記載のとおりである(甲2,3,32)。 すなわち,本件訂正では,訂正後の本件発明における構成要件D及びHに対応する部分について「単一のVRAM」という語句が追加され,グラフィ ックコントローラが「単一のVRAM」に対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い(構成要件D),グラフィックコントローラが「単一のVRAM」からディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像の ラが「単一のVRAM」に対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い(構成要件D),グラフィックコントローラが「単一のVRAM」からディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータ及びディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータを読み出す(構成要件H)ことが特定 されている(甲3。本件訂正における訂正事項4及び7)。 (2) 被告は,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面には「単一のVRAM」という語句はなく,また,「単一のVRAM」という技術的事項は上記の明細書,特許請求の範囲又は図面のすべての記載を総合することによっても導かれる技術的事項ではないとして,特許請求の範囲の記載に「単一のVRAM」という語句を追加することは特許法126条5項に違 反すると主張する。 そこで検討するに,本件明細書には,本件発明における「VRAM」の動作に対応する記載(【0115】,【0117】,【0127】等)があり,グラフィックコントローラが「VRAM」に対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行うこと,グラフィックコントローラが「VRAM」からデ ィスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する画像のビットマップデータ及びディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータを読み出すことが開示されているほか,【図1】にも「VRAM」の記載が存在する。 そして,前記2(2)アのとおり,本件発明における「単一のVRAM」とは, 「VRAM」がハードウェアとして一つであることを指すと解すべきところ,本件明細書においては,「VRAM」のハードウェアとしての個数についての特定はされていないが,VRAMが物理 M」とは, 「VRAM」がハードウェアとして一つであることを指すと解すべきところ,本件明細書においては,「VRAM」のハードウェアとしての個数についての特定はされていないが,VRAMが物理的に複数であることを必要とするような記載は見られない。そして,【図1】における「VRAM1」の記載も,「VRAM」が物理的に一つのハードウェアであることと矛盾するものでは ない。 また,本件明細書に開示された本件発明の外部ディスプレイ手段向けの専用の表示データ生成手段を,付属ディスプレイに画像を表示するためにもともと必要である表示データ生成手段とは別個に使用しないという作用効果(前記1(2)イ)は,「VRAM」をハードウェアとして一つのものとして構 成することと矛盾しない。 そうすると,特許請求の範囲に「単一のVRAM」との文言を加える訂正は,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内での訂正であり,特許法126条5項の要件に適合するものというべきである。 なお,被告は,本件明細書等からは,VRAMが「単一」であることの積 極的な意義を見出すことができず,「単一のVRAM」にするという技術的事項は導き出せないことも根拠とするが,仮に,本件発明において,「VRAM」を一つのハードウェアとして構成すること自体には特段の技術的意義がないとしても,「単一」のものに限定することが新規の技術的事項の追加になるものではない。 したがって,被告の訂正要件違反の主張は理由がない。 7 争点5(不法行為に基づく損害賠償請求権についての消滅時効の成否)について事案に鑑み,争点3に先立って,争点5について判断する。 (1) 消滅時効の成否 前記前提事実(2),(6)ないし( 5(不法行為に基づく損害賠償請求権についての消滅時効の成否)について事案に鑑み,争点3に先立って,争点5について判断する。 (1) 消滅時効の成否 前記前提事実(2),(6)ないし(8)のとおり,本件特許の登録は平成22年7月30日にされており,被告各製品の製造,販売は同年12月から平成23年9月の期間に行われたものであったところ,原告は,平成24年1月9日頃,被告による被告各製品の製造,販売が別件特許権の侵害に当たる等として,特許権侵害の不法行為による損害賠償請求を求める別件訴訟を提起し, 平成25年8月2日に別件判決が言い渡された。 そして,証拠(甲4,5,乙1,5)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,別件訴訟の審理を通じて,遅くとも別件判決の言渡日である平成25年8月2日までには,被告各製品の具体的な構成について本件の訴状で記載した程度には認識していたものと認められる。 したがって,本件の主位的請求に係る不法行為に基づく損害賠償請求権に ついては,原告が遅くとも同日までにその損害及び加害者を知ったものと認められるから,改正前民法724条前段の3年の時効期間は同日から進行し,平成28年8月2日の経過をもって,本件訴訟提起前に消滅時効が完成したものと認められる。 (2) 原告の主張について ア原告は,本件特許に係る訂正登録日が平成30年8月13日であるから,本件発明の技術的範囲はそれ以前には確定しておらず,したがって,原告が被告各製品が本件発明の技術的範囲に属することを認識できるのは,本件特許の訂正登録日以降になると主張する。 しかしながら,証拠(甲3)及び弁論の全趣旨によれば,本件訂正は, いずれも,特許請求の範囲の減縮(特許法126条1項ただし書1号)又は「明瞭でない記 特許の訂正登録日以降になると主張する。 しかしながら,証拠(甲3)及び弁論の全趣旨によれば,本件訂正は, いずれも,特許請求の範囲の減縮(特許法126条1項ただし書1号)又は「明瞭でない記載の釈明」(同3号)を目的としてなされたものであり,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではなく,同条6項の規定に適合するとして許容されたものである。このような事情に照らせば,前記(1)のとおり被告各製品の構成を認識していた原告は,本件訂正に係る 訂正登録前から,被告各製品が本件特許に係る発明(本件訂正前発明)の技術的範囲に属することを認識できたというべきである。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 イ原告は,本件訂正前発明は進歩性を有していないものであったから,本件訂正の訂正登録日以前には,本件特許権を実質的に行使できなかったと も主張する。 しかしながら,本件訂正前発明が進歩性欠如の無効理由を含むものであったとしても,無効理由を解消するための訂正請求に係る登録がされる前に本件特許権に基づく損害賠償請求訴訟を提起することは妨げられない。 そして,当該訴訟の中で本件訂正前発明について特許法104条の3第1 項の無効の抗弁が主張されたとしても,訂正の再抗弁として,訂正によっ て無効理由が解消することを主張立証することにより,これを争うことは可能であったものである。 したがって,原告において,本件訂正の訂正登録がされるまで本件特許権侵害の損害賠償請求権を実質的に行使できなかったとはいえず,原告の上記主張は,前記(1)の判断を左右するものではない。 (3) 小括以上によれば,原告の主位的請求に係る不法行為に基づく損害賠償請求権は時効によって消滅しているから,その余の点について の上記主張は,前記(1)の判断を左右するものではない。 (3) 小括以上によれば,原告の主位的請求に係る不法行為に基づく損害賠償請求権は時効によって消滅しているから,その余の点について判断するまでもなく,原告の主位的請求は理由がない。 8 争点4(本件発明の実施についての不当利得返還義務の有無及び返還すべき 利得の額)について(1) 不当利得返還義務の発生について前記2のとおり,被告各製品は,いずれも本件発明の技術的範囲に属するものであり,前記3ないし6のとおり,本件発明に無効理由が存在するとは認められないから,前記前提事実(6)の被告による被告各製品の製造,販売は 本件発明の実施に該当する。 そして,被告は特許権者である原告に対して実施料を支払わずに上記の実施を行ったものであるから,被告による被告各製品の製造,販売により,被告はその実施料相当額の利得を得て,原告は同額の損失を被ったものと認められる。 (2) 実施料相当額についてア前記前提事実(6)の被告による被告各製品の製造,販売に係る本件発明の実施料相当額は,別紙5「被告各製品の販売状況」記載の被告各製品の売上高を基準とし,そこに実施に対し受けるべき料率を乗じて算定するのが相当である。 そして,特許発明の実施に対し受けるべき料率を認定するに当たっては, ①当該特許発明の実際の実施許諾契約における実施料率や,それが明らかでない場合には業界における実施料の相場等も考慮に入れつつ,②当該特許発明自体の価値すなわち特許発明の技術内容や重要性,他のものによる代替可能性,③当該特許発明を当該製品に用いた場合の売上げ及び利益への貢献や侵害の態様,④特許権者と侵害者との競業関係や特許権者の営業 方針等訴訟に現れた諸事情を 術内容や重要性,他のものによる代替可能性,③当該特許発明を当該製品に用いた場合の売上げ及び利益への貢献や侵害の態様,④特許権者と侵害者との競業関係や特許権者の営業 方針等訴訟に現れた諸事情を総合考慮するのが相当である。 イ実施料率認定の考慮要素に係る事情(ア) 原告における特許発明の実施許諾の実績等本件発明についての実施許諾契約が締結されたことはない(弁論の全趣旨)。 原告は,携帯情報通信装置等を製造,販売するメーカーではなく,被告との競業関係はない。原告は,自社が考案・開発した情報処理・通信システムについて,自社自身で製造,販売することはせず,他社に実施許諾をして実施料を得ることを営業方針としているものの,これまで原告が保有する特許発明について,実施許諾契約の締結に至った例はない (甲50,弁論の全趣旨)。 (イ) 文献に記載された実施料の相場等a 本件発明に関連する実施料の相場等について,以下のような文献の記載がある。 (a) 本件報告書(「知的財産の価値評価を踏まえた特許等の活用の在 り方に関する調査研究報告書~知的財産(資産)価値及びロイヤルティ料率に関する実態把握~ 本編平成22年3月」。甲38)には,国内企業・団体を対象として,平成21年11月から平成22年2月に実施されたアンケート結果として,技術分類のうち「電気」の製品分野においては,ロイヤルティ料率の平均値が2.9%(最 大値9.5%,最小値0.5%)であり,「コンピュータテクノロジ ー」の製品分野においては,ロイヤルティ料率の平均値が3.1%(最大値7.5%,最小値0.5%)であることの記載がある。 また,本件報告書では,「電気」の製品分野である,エレクトロニクス業界のライセンス交渉実態及びロイヤルテ イヤルティ料率の平均値が3.1%(最大値7.5%,最小値0.5%)であることの記載がある。 また,本件報告書では,「電気」の製品分野である,エレクトロニクス業界のライセンス交渉実態及びロイヤルティ決定手順について,次のような記載がされている。 規格技術に関する特許に係るパテントプールの例では,地デジの通信規格技術について,特許300件ほどのパテントプールが形成され,地デジTV一台あたり,200円の特許料が徴収されていること,MPEG2ビデオ圧縮技術について,特許100件ほどのパテントプールが形成され,DVDなどの製品1台あたり,2米ドル の特許料が徴収されていること。 デバイス等の製品は,数百から数千の要素技術で成り立っており,一つのデバイスが関連する特許は膨大な量となり,1件あたりのロイヤルティ料率を定めると100%を超えてしまうため,デバイスに関する特許は,各社が保有する特許群の中で代表的な特許を選抜 し,クロスライセンスによる交渉を行うことが主流であり,交渉によって得られたロイヤルティの差がロイヤルティ料率又は一時金として設定され,その相場は1%未満となること。 (b) 発明協会研究センター編「実施料率〔第5版〕」(平成15年発行。 甲36)には,電子計算機・その他の電子応用装置の技術分野にお いて,「平成4年度~平成10年度」の実施料率の平均値は,イニシャル有りが13.5%,イニシャル無しが33.2%との記載がある。 b 前記aのとおり,本件報告書及び前記「実施料率〔第5版〕」には,電気等の分野の実施料率の平均値等の記載があるものの,本件報告書 では,エレクトロニクス業界のライセンス交渉実態について,一つの デバイスが関連する特許が膨大な量となることから,実施料率の定めに特 料率の平均値等の記載があるものの,本件報告書 では,エレクトロニクス業界のライセンス交渉実態について,一つの デバイスが関連する特許が膨大な量となることから,実施料率の定めに特徴がある旨の記載がされており,そこで例示されている実施料率は,上記の平均値を大幅に下回るものである。 このような事情は携帯電話機(スマートフォン)である被告各製品にも当てはまるものと考えられるから,被告各製品に関して,業界に おける実施料の相場等として上記の平均値等の記載を採用するのは相当とはいえない。 (ウ) 被告における被告各製品に関する実施許諾契約の実績a 被告従業員作成の陳述書(乙7,10),においては,被告各製品に関する実施許諾契約の内容について,以下の説明がされている。 (a) 携帯電話に関する特許は,携帯電話の分野における標準規格の実施に不可欠な特許(標準必須特許)とそれ以外の特許(アプリ特許)に分けられるところ,被告は,携帯電話メーカー業界の慣行として,いずれについても,実施許諾地域を全世界として,複数の特許権を一括でライセンス契約を締結している。 ライセンス料の方式には,売上高に一定の料率を掛けて算出されるランニングロイヤルティを支払う「ランニング方式」と,契約締結時に実施料を一括して支払う「一時金方式」がある。 (b) 標準必須特許のライセンスを含めず,被告各製品の製造,販売に関連する●(省略)●社との間のライセンス契約について,パテン トファミリー単位で1件辺りのライセンス料率を算定する(一時金方式を取るものについてもライセンス期間中の売上高からライセンス料率を算定する)と,平均●(省略)●%となる。 (c) 前記(b)の●(省略)●社のうち,ランニング方式での契約は1社(C社)であ 方式を取るものについてもライセンス期間中の売上高からライセンス料率を算定する)と,平均●(省略)●%となる。 (c) 前記(b)の●(省略)●社のうち,ランニング方式での契約は1社(C社)であり,残りは一時金方式であった。このC社との契約 においては,●(省略)●平成29年までの平均では約●(省略) ●%であった。 (d) 平成22年頃の画像処理・外部出力関連の標準規格としてはHDMI通信規格を含む4規格が存在し,被告は,その当時,被告各製品の販売に関連し,特許ライセンス料を含むこれらの規格の使用許諾料として,1台当たり合計●(省略)●米ドルを支払っていた。 b 前記aの陳述書の記載内容は,本件報告書における前記(イ)a(a)の記載とも整合的であり,前記(ア)のとおり,原告による実施許諾の実績がないことも踏まえれば,本件発明に関し,業界における実施料の相場等を示すものとして,上記陳述書の説明内容を参考とするのが相当である。 (エ) 本件発明の代替可能性,利益への貢献等a 本件発明の課題や作用効果は,前記1(2)のとおりであり,特許請求の範囲(請求項1)に記載された構成を採用することによって,不合理な二重投資や非効率な資源利用を避けつつ,携帯電話機等の携帯情報通信装置に周辺装置を接続することにより,大画面外部ディスプレ イ手段において付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示することを実現するというものである。そして,被告各製品においては,別紙3「被告各製品の構成要素」記載のとおり,HDMI端子を介した外部表示機能を実現する際に本件発明が実施されているものである。 そうすると,被告各製品において,本件発明は,不合理な二重投資や非効率な資源利用を避けるという作 おり,HDMI端子を介した外部表示機能を実現する際に本件発明が実施されているものである。 そうすると,被告各製品において,本件発明は,不合理な二重投資や非効率な資源利用を避けるという作用効果を実現するものにすぎないといえ,HDMI端子を介した外部表示に係る通信規格等に関する特許発明のように,外部表示機能の実現自体のために必須のものとまでは認められない。 また,不合理な二重投資や非効率な資源利用を避けつつ,携帯電話 機に外部表示機能を実施するという作用効果につき,これを本件発明の構成以外では実現できないことを認めるに足りる証拠はない。 したがって,本件発明が他の技術によって代替不可能なほどに重要なものであるとまではいえないというべきである。 b 原告は,本件発明を実施することによって,使用するVRAMない し液晶コントローラICの数が少なくなるため,実施しない構成と比較して少なくとも製品1台当たり960円のコストが削減できると主張する。 しかしながら,前記aのとおり,不合理な二重投資や非効率な資源利用を避けつつ,携帯電話機に外部表示機能を実施することが,本件 発明における構成以外では実現できないとは認められない上,被告において,本件発明の構成を採用しない場合であっても,製造コストの低い部品構成を試みること自体は,製造業者として当然のことと考えられる。 そうすると,他の方法と比較して,本件発明の構成を採用すること が被告の利益にどの程度貢献しているかにつき,原告が主張するような具体的な金額によって確定することはできないというべきである。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 ウ実施料率の認定(ア) 前記イ(ア)ないし(ウ)によれば,①実際の実施許諾契約におけ 額によって確定することはできないというべきである。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 ウ実施料率の認定(ア) 前記イ(ア)ないし(ウ)によれば,①実際の実施許諾契約における実施料 率,業界における実施料の相場等について,次の点を指摘することができる。 本件発明を含め,原告による特許発明の実施許諾の実績はない。また,業界における実施料の相場等として,本件報告書及び前記「実施料率〔第5版〕」における平均値等の記載を採用することも相当ではない。こ のような状況に照らせば,本件発明に関し,業界における実施料の相場 等を示すものとしては,被告が締結した被告製品に関する特許の実施許諾契約の内容を参考とするのが相当である。 そして,被告従業員の前記陳述書においては,被告各製品に関連する標準必須特許以外のライセンス契約において,パテントファミリー単位での特許権1件あたりのライセンス料率が●(省略)●%であり,その うち,ランニング方式での契約をとるC社との契約においてはライセンス料率の平均が約●(省略)●%であったこと,また,被告が,平成22年頃,被告各製品の販売に関連し,画像処理・外部出力関連の標準規格の特許ライセンス料を含む使用許諾料として支払っていた額は1台当たり合計●(省略)●米ドルであったことが説明されている(別紙5 「被告各製品の販売状況」記載の売上合計を販売台数合計で除して算出した,被告各製品1台当たりの売上高は約●(省略)●円である。)。 なお,上記陳述書における被告従業員の説明によれば,これらのライセンス契約のうち,C社を含む一部の会社との間の契約においてはクロスライセンスの条項が設けられていたところ,前記イ(イ)a(a)によれば, クロスライセンスの存在はラ 明によれば,これらのライセンス契約のうち,C社を含む一部の会社との間の契約においてはクロスライセンスの条項が設けられていたところ,前記イ(イ)a(a)によれば, クロスライセンスの存在はライセンス料率を引き下げる要因と考えられるから,上記の被告従業員の説明に係るライセンス料率についても,クロスライセンスによる減額がされていた可能性は否定されない。 (イ) 前記(ア)の点に加え,前記イ(エ)のとおり,②本件発明が被告各製品にとって代替不可能なものとは認められず,③本件発明を実施することに よる被告の利益の程度も明らかではないこと,前記イ(ア)のとおり,④原告と被告との間に競業関係がなく,原告は,特許発明について自社での実施はしておらず,他社に実施許諾をして実施料を得ることを営業方針としているものの,これまで保有する特許発明について,実施許諾契約の締結に至ったことはないことといった事情を総合考慮すれば,本件発 明について,被告各製品の製造,販売に対して受けるべき実施料率は0. 01%と認めるのが相当である。 エ被告が返還すべき利得の額以上によれば,被告が返還すべき利得額は,別紙5「被告各製品の販売状況」記載の被告各製品の売上高合計980億1770万4000円に実施料率0.01%を乗じた980万1770円と認められる。 9 結論以上の次第で,原告の主位的請求に係る不法行為による損害賠償請求については,理由がないから,これを全部棄却し,予備的請求に係る不当利得返還請求については,利得金980万1770円及びこれに対する返還請求の日の翌日である令和元年5月14日(同月13日付け訴えの変更申立書の直送の日の 翌日)から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限 円及びこれに対する返還請求の日の翌日である令和元年5月14日(同月13日付け訴えの変更申立書の直送の日の 翌日)から支払済みまで改正前民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,その限度で認容することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 國分隆文 裁判官 小川暁 裁判官 矢野紀夫 別紙一覧別紙1 特許請求の範囲別紙2 被告製品目録別紙3 被告各製品の構成要素別紙4 被告各製品の本件発明に対応する構成(原告の主張) 別紙5 被告各製品の販売状況別紙6 本件明細書の図面別紙7 別件発明の構成要件別紙8 甲11公報の図面別紙9 乙4公報の図面 別紙10 本件訂正前の特許請求の範囲 別紙1 特許請求の範囲 【請求項1】ユーザーがマニュアル操作によってデータを入力し,該入力データを後記中央演算回路へ送信する入力手段と; 無線信号を受信してデジタル信号に変換の上,後記中央演算回路に送信するとともに,後記中央演算回路から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と;後記中央演算回路を動作させるプログラムと後記中央演算回路で処理可能なデータファ 演算回路に送信するとともに,後記中央演算回路から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と;後記中央演算回路を動作させるプログラムと後記中央演算回路で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と; 前記入力手段から受信したデータと前記記憶手段に格納されたプログラムとに基づき,前記無線通信手段から受信したデジタル信号に必要な処理を行い,リアルタイムでデジタル表示信号を生成するか,又は,自らが処理可能なデータファイルとして前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理する中央演算回路と,該中央演算回路の処理結果に基づき,単一のVRAMに対してビットマップデータの 書き込み/読み出しを行い,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を後記ディスプレイ制御手段又は後記インターフェース手段に送信するグラフィックコントローラと,から構成されるデータ処理手段と;画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパ ネルと,前記グラフィックコントローラから受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段とから構成されるディスプレイ手段と;外部ディスプレイ手段を備えるか,又は,外部ディスプレイ手段を接続するかする周辺装置を接続し,該周辺装置に対して,前記グラフィックコントローラから受信 したデジタル表示信号に基づき,外部表示信号を送信するインターフェース手段 と;を備える携帯情報通信装置において,前記グラフィックコントローラは,前記携帯情報通信装置が「本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データ」を処理して画像を表示する場合に,前記単一の える携帯情報通信装置において,前記グラフィックコントローラは,前記携帯情報通信装置が「本来解像度がディスプレイパネルの画面解像度より大きい画像データ」を処理して画像を表示する場合に,前記単一のVRAMから「前記ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度 を有する画像のビットマップデータ」を読み出し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を前記ディスプレイ制御手段に送信する機能と,前記単一のVRAMから「前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像のビットマップデータ」を読み出し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デ ジタル表示信号を前記インターフェース手段に送信する機能と,を実現し,前記インターフェース手段は,前記グラフィックコントローラから受信した「ビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を,デジタルRGB,TMDS,LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれかの伝送方式で伝送されるデジタル外部表示信号に変換して,該デジタル外部表示信号を前記周辺装置に送信する 機能を有する,ことにより,前記外部ディスプレイ手段に,「前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する画像」を表示できるようにした,ことを特徴とする携帯情報通信装置。 以上 別紙2 被告製品目録 1 イ号製品スマートフォン「docomoNEXTseriesAQUOSPHONESH-12C」 2 ロ号製品 スマートフォン「IS05」 3 ハ号製品スマートフォン「AQUOSPHONEIS12SH」 4 ニ号製品スマートフォン「GALAPAGOS ESH-12C」 2 ロ号製品 スマートフォン「IS05」 3 ハ号製品スマートフォン「AQUOSPHONEIS12SH」 4 ニ号製品スマートフォン「GALAPAGOSSoftBank 003SH」 5 ホ号製品スマートフォン「GALAPAGOSSoftBank 005SH」 6 ヘ号製品スマートフォン「AQUOSPHONESoftBank 006SH」 7 ト号製品 スマートフォン「AQUOSPHONETHEHYBRIDSoftBank 007SH」 8 チ号製品スマートフォン「AQUOSPHONETHEHYBRIDSoftBank 007SHJ」 9 リ号製品スマートフォン「SoftBank 007SHKT」 10 ヌ号製品スマートフォン「DM009SH」以上 別紙3 被告各製品の構成要素 被告各製品は,いずれもスマートフォンであって,以下の構成要素を備えている。 1 タッチパネル 2 無線通信手段(無線通信用メインアンテナ及び無線送受信用IC) 3 内部メモリ及びmicroSDカード 4 モバイルプロセッサ及びVRAMを内蔵する液晶コントローラIC 5 液晶ディスプレイパネル及び液晶ドライバIC 6 HDMI送信IC及びmicroHDMI端子 被告各製品の上記の各構成要素は,次の参考図の通りに接続されている(ただし,参考図におけるモバイルプロセッサの型番及び液晶ディスプレイパネルの解像度はイ号製品におけるものである。)。 無線送受信用IC内部メモリmicroSDカードMSM8255液晶コントローラICタッチパネル液晶ディスプレイパネル(960×540画素 けるものである。)。 無線送受信用IC内部メモリmicroSDカードMSM8255液晶コントローラICタッチパネル液晶ディスプレイパネル(960×540画素)HDMI送信ICmicroHDMI端子無線通信用メインアンテナ液晶ドライバICVRAM 上記の構成要素は,次の表のとおり,モバイルプロセッサの型番,液晶ディスプレイパネルの解像度及び液晶コントローラICの型番が異なる以外は,被告各製品において共通するものである。 モバイルプロセッサ内蔵ディスプレイの解像度液晶コントローラICイ号製品MSM8255960×540LR388J2ロ号製品MSM8655854×480LR388G7ハ号製品MSM8655960×540LR388J2ニ号製品MSM8255800×480LR388G7ホ号製品MSM8255800×480LR388G7ヘ号製品MSM8255960×540LR388J2ト号製品MSM8255854×480LR388J2チ号製品MSM8255854×480LR388J2リ号製品MSM8255854×480LR388J2ヌ号製品MSM8255800×480LR388G7以上 別紙4 被告各製品の本件発明に対応する構成(原告の主張) 被告各製品の構成を,本件発明の構成要件に対応させて表現すれば,次の通りになる(本件発明の構成要件における用語を太字で表記する)。 a 入力手段としての,タッチパネルを備える。 そして,このタッチパネルは,ユーザーがマニュアル操作によって入力した ,次の通りになる(本件発明の構成要件における用語を太字で表記する)。 a 入力手段としての,タッチパネルを備える。 そして,このタッチパネルは,ユーザーがマニュアル操作によって入力したデータを,中央演算回路であるモバイルプロセッサに送信する。 b 無線通信手段としての,無線通信用メインアンテナ及び無線送受信用ICを備える。 そして,この無線通信用メインアンテナ及び無線送受信用ICは,無線信号を受信してデジタル信号に変換の上,モバイルプロセッサ(中央演算回路)に送信するとともに,モバイルプロセッサ(中央演算回路)から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する。 c 記憶手段としての,内部メモリ及び外部メモリであるmicroSDカード を備える。 そして,この内部メモリは,モバイルプロセッサ(中央演算回路)を動作させるプログラムを格納する。 また,このmicroSDカードは,モバイルプロセッサ(中央演算回路)で処理可能なデータファイルを格納する。 d データ処理手段としての,モバイルプロセッサ(中央演算回路)及び液晶コントローラIC(グラフィックコントローラ)を備える。 そして,このモバイルプロセッサは,タッチパネル(入力手段)から受信したデータと内部メモリ(記憶手段)に格納されたプログラムとに基づき,メインアンテナ及び無線送受信用IC(無線通信手段)から受信したデジタル信号 に必要な処理を行い,リアルタイムでデジタル表示信号を生成するか,又は, 自らが処理可能なデータファイルとしてmicroSDカード(記憶手段)に一旦格納し,その後読み出した上で処理する。 また,この液晶コントローラICは,単一のVRAMを内蔵しており,モバイルプロセッサ(中央演算回路)の処理結果に基づ てmicroSDカード(記憶手段)に一旦格納し,その後読み出した上で処理する。 また,この液晶コントローラICは,単一のVRAMを内蔵しており,モバイルプロセッサ(中央演算回路)の処理結果に基づき,前記VRAMに対してビットマップデータの書き込み/読み出しを行い,「該読み出したビットマップ データを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を,ディスプレイ制御手段である液晶ドライバIC又はインターフェース手段であるHDMI送信ICに送信する。 e ディスプレイ手段としての,液晶ディスプレイパネル(ディスプレイパネル)と液晶ドライバIC(ディスプレイ制御手段)を備える。 そして,この液晶ディスプレイパネルは,別紙3「被告各製品の構成要素」の「内蔵ディスプレイの解像度」に記載の解像度であり,画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示する。また,この液晶ドライバICは,液晶コントローラIC(グラフィックコントローラ)から受信したデジタル表示信号に基づき液晶ディスプレイパネル(ディスプレイパネル)の各々の 画素を駆動する。 f インターフェース手段としての,HDMI送信IC及びmicroHDMI端子を備える。 そして,このmicroHDMI端子は,外部ディスプレイ手段を備える周辺装置を接続することができる。 また,HDMI送信ICは,液晶コントローラIC(グラフィックコントローラ)から受信したデジタル表示信号に基づき,外部表示信号をmicroHDMI端子を介して周辺装置に送信する。 g 以上を備えるスマートフォン(携帯情報通信装置)である。 h 液晶コントローラIC(グラフィックコントローラ)は,被告各製品(携帯 情報通信装置)が「本来解像度が1280×720 画素である(デ 上を備えるスマートフォン(携帯情報通信装置)である。 h 液晶コントローラIC(グラフィックコントローラ)は,被告各製品(携帯 情報通信装置)が「本来解像度が1280×720 画素である(ディスプレイパネル の画面解像度より大きい)画像データ」を処理して画像を表示する場合に,内蔵するVRAMから,「別紙3「被告各製品の構成要素」の「内蔵ディスプレイの解像度」に記載の解像度である(ディスプレイパネルの画面解像度と同じ解像度を有する)画像のビットマップデータ」を読み出し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号を液 晶ドライバIC(ディスプレイ制御手段)に送信する機能と,内蔵するVRAMから「1280×720 画素である(ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する)画像のビットマップデータ」を読み出し,「該読み出したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号」を生成し,該デジタル表示信号をHDMI送信IC(インターフェース手段)に送信する機能と,を実現する。 iHDMI送信IC(インターフェース手段)は,液晶コントローラIC(グラフィックコントローラ)から受信したビットマップデータを伝達するデジタル表示信号を,HDMI信号(TMDS方式で伝送されるデジタル外部表示信号)に変換し,該HDMI信号をHDMI端子(インターフェース手段)を介して周辺装置に送信する。 j 以上により,周辺装置に備えられる外部ディスプレイ手段に,「1280×720 画素である(ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する)画像」を表示できるようにした,k スマートフォン(携帯情報通信装置)である。 以上 別紙5 被告 ある(ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する)画像」を表示できるようにした,k スマートフォン(携帯情報通信装置)である。 以上 別紙5 被告各製品の販売状況 被告各製品の販売開始日,販売台数及び売上高は,それぞれ以下のとおりである。 被告製品発売日販売台数(台)売上(千円)イ号製品平成23年5月●(省略)●●(省略)●ロ号製品平成23年3月●(省略)●●(省略)●ハ号製品平成23年6月●(省略)●●(省略)●ニ号製品平成22年12月●(省略)●●(省略)●ホ号製品平成23年2月●(省略)●●(省略)●へ号製品平成23年6月●(省略)●●(省略)●ト号製品平成23年6月●(省略)●●(省略)●チ号製品平成23年6月●(省略)●●(省略)●リ号製品平成23年6月●(省略)●●(省略)●ヌ号製品平成23年2月●(省略)●●(省略)●合計●(省略)●98,017,704以上 別紙6 本件明細書の図面【図1】 以上 別紙7 別件発明の構成要件 A ユーザーがマニュアル操作によって入力したデータを後記データ処理手段に送信する入力手段と,B 無線信号を受信してデジタル信号に変換の上,後記データ処理手段に送信する とともに,後記データ処理手段から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と,C 後記データ処理手段を動作させるプログラムと後記データ処理手段で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と,D 前記入力手段から送信 ル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と,C 後記データ処理手段を動作させるプログラムと後記データ処理手段で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と,D 前記入力手段から送信されたデータ及び前記記憶手段に格納されたプログラム に基づき,前記無線通信手段から受信したデジタル信号及び/又は前記記憶手段から読み出したデータに必要な処理を行って,デジタル表示信号及びその他のデジタル信号を生成して送信するデータ処理手段と,E 画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルAと,前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき前記 ディスプレイパネルAの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段Aとから構成されるディスプレイ手段と,F 外部ディスプレイ手段を含む周辺装置,又は,外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続し,該周辺装置に対して,前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき,TMDS方式で伝送されるデジタル外部表示信号を 送信するインターフェース手段A1と,G を備えるとともに,前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って,該インターフェース手段A1から,高解像度デジタル外部表示信号を送信する機能を実現する携帯情報通信装置であって,H 前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って,ユーザーエージェント 情報を含みインターネットプロトコルに準拠した無線信号を送信する機能と,イ ンターネットプロトコルに準拠した無線信号を受信することにより,インターネットに接続したウェブサーバからデータファイルを取得する機能と,を実現するとともに,I 前記データ処理手段は,前記画像データファイルの本来解像度が前記ディ 無線信号を受信することにより,インターネットに接続したウェブサーバからデータファイルを取得する機能と,を実現するとともに,I 前記データ処理手段は,前記画像データファイルの本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合でも,前記画像データファイルをリア ルタイムで処理することによって,及び/又は,前記データファイルを前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理することによって,前記画像データファイルの本来画像の全体画像のデジタル表示信号を生成する機能を有するJ ことを特徴とする携帯情報通信装置。 以上 別紙8 甲11公報の図面【図1】 以上 別紙9 乙4公報の図面 【図1】 【図2】 【図6】 【図7】 以上 別紙10 本件訂正前の特許請求の範囲 【請求項1】ユーザーがマニュアル操作によってデータを入力し,該入力データを後記データ処理手段へ送信する入力手段と; 無線信号を受信してデジタル信号に変換の上,後記データ処理手段に送信するとともに,後記データ処理手段から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と;後記データ処理手段を動作させるプログラムと後記データ処理手段で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と; 前記入力手段から受信したデータと前記記憶手段に格納されたプログラムとに基づき,前記無線通信手段から受信したデジタル信号に必要な処理を行い,リアルタイムでデジタル表示信号を生成するか,又は,自らが処理可能なデータファイルとして前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理することによりデジタル表示信 ジタル信号に必要な処理を行い,リアルタイムでデジタル表示信号を生成するか,又は,自らが処理可能なデータファイルとして前記記憶手段に一旦格納し,その後読み出した上で処理することによりデジタル表示信号を生成するかして,該デジタル表示信号を後記ディスプレイ制御手段又は 後記インターフェース手段に送信するデータ処理手段と;画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルと,前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段とから構成されるディスプレイ手段と; 外部ディスプレイ手段を備えるか,又は,外部ディスプレイ手段を接続するかする周辺装置を接続し,該周辺装置に対して,前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき,外部表示信号を送信するインターフェース手段と;を備える携帯情報通信装置において, 前記データ処理手段は,前記ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を 有する画像(以下,高解像度画像と略称する)のビットマップデータを生成して,該ビットマップデータを前記インターフェース手段に送信する機能を有し,前記インターフェース手段は,前記データ処理手段から受信したビットマップデータを,デジタルRGB,TMDS,LVDS(又はLDI)及びGVIFのうちのいずれかの伝送方式で伝送されるデジタル外部表示信号に変換して,該デジタル外 部表示信号を前記周辺装置に送信する機能を有する,ことを特徴とする携帯情報通信装置。 以上 携帯情報通信装置。 以上
▼ クリックして全文を表示