平成22(ワ)38566 不正競争行為差止請求事件

裁判年月日・裁判所
平成23年6月30日 東京地方裁判所
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判決文本文16,579 文字)

- 1 -平成23年6月30日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成22年(ワ)第38566号不正競争行為差止請求事件口頭弁論終結日平成23年6月2日判決大阪市<以下略>原告株式会社イーエムシステムズ同訴訟代理人弁護士千田適同徳村初美同奥村太朗同藤澤泰子東京都豊島区<以下略>被告株式会社シンリョウ同訴訟代理人弁護士松島洋同江森史麻子 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求 1 被告は,別紙被告製品目録1ないし3(枝番号を含む。以下同じ。)記載の薬袋(これらを総称して,以下「被告製品」という。)を製造し,販売してはならない。 2 被告は,その本店,営業所,工場及び倉庫に保有する被告製品を廃棄せよ。 第2 事案の概要本件は,別紙原告製品目録1ないし4(枝番号を含む。以下同じ。)記載の薬袋(以下「原告製品1」,「原告製品2」等といい,これらを総称して「原- 2 -告製品」ということがある。)を販売する原告が,原告製品の形態は需要者の間に広く認識されている商品等表示に該当し,被告が被告製品を販売する行為は不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項1号の不正競争に該当すると主張して,同法3条に基づき,被告製品の製造及び販売の差止め並びに被告製品の廃棄を求める事案である。 1 争いのない事実等(末 競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項1号の不正競争に該当すると主張して,同法3条に基づき,被告製品の製造及び販売の差止め並びに被告製品の廃棄を求める事案である。 1 争いのない事実等(末尾に証拠を掲記した事実以外は,当事者間に争いのない事実である。)(1) 当事者原告は,医療業務処理用コンピューターソフトウェアの開発,販売等を主たる業務とする会社である。 被告は,薬袋等の診療事務用品の販売を業とする会社である。 (2) 原告製プリンターの製造及び販売原告は,平成8年ころから,薬局専用の薬袋プリンター(商品名「yakty」。以下「原告製プリンター」という。)を製造し,全国の病院,医院及び薬局に販売している。原告製プリンターは,患者名,薬名及び薬の用法等を薬袋に印刷する機能を有するプリンターである(甲3の1~7,乙16)。 (3) 原告製品の販売及びその形態原告は,遅くとも平成12年ころから,原告製プリンター専用の薬袋である原告製品を製造し,主として,原告製プリンターを使用する病院,医院及び薬局に販売している(甲1の1)。 原告製品の形態は,別紙原告製品目録1ないし4の「商品の形態」の項に記載のとおりである。 (4) 被告製品の販売及びその形態被告は,遅くとも平成18年ころから,被告製品を販売している。 被告製品の形態は,別紙被告製品目録1ないし3の「商品の形態」の項に記載のとおりである。 - 3 - 2 争点(1) 原告製品の形態は,不競法2条1項1号の「商品等表示」として需要者の間に広く認識されているものといえるか(争点1)(2) 被告製品の形態は原告製品の形態に類似し,被告製品の販売は原告製品との混同を生じさせるか(争点2) 3 争点に関する当事者の主張( 間に広く認識されているものといえるか(争点1)(2) 被告製品の形態は原告製品の形態に類似し,被告製品の販売は原告製品との混同を生じさせるか(争点2) 3 争点に関する当事者の主張(1) 争点1(原告製品の形態は,不競法2条1項1号の「商品等表示」として需要者の間に広く認識されているものといえるか)について[原告の主張]商品の形態も,その形態が,他の商品と識別し得る独特の特徴を有し,かつ,これが長期間継続的かつ独占的に使用されるか,又は,短期間であっても,商品形態について強力な宣伝等が伴って使用されたような場合には,その形態が不競法2条1項1号の「商品等表示」として需要者の間に広く認識されたものとして,同号により保護される。 プリンター用の薬袋は,紙を素材とし,縦が長く横が短い,長方形の形状とならざるを得ないものである。そのため,プリンター用薬袋の製造者が,他社の製造するプリンター用薬袋と自社製品との差別化を図るためには,薬袋のサイズや模様を独自のものとする他に,方法がない。 原告は,次のとおり,他の薬袋と識別し得る独特のサイズと模様を有する薬袋を,長期間継続的かつ独占的に,需要者である薬局に販売してきたものであり,原告製品のサイズ,又は,サイズ及び模様は,周知の商品等表示に該当する。 ア原告製品のサイズについて市販されている一般的なプリンター用薬袋のサイズは,A6(横10.5cm×縦14.8cm。なお,横,縦の順序については,以下同じ。),B6(12.8cm×18.2cm),A5(14.8cm×21.0cm),B5(18.2cm×25.7cm)及びA4- 4 -(21.0cm×29.7cm)の,5種類である。また,高園産業株式会社(以下「高園産業」という。)の製造する薬袋プリンター向けのものと cm),B5(18.2cm×25.7cm)及びA4- 4 -(21.0cm×29.7cm)の,5種類である。また,高園産業株式会社(以下「高園産業」という。)の製造する薬袋プリンター向けのものとして,同社等が販売している薬袋のサイズは,大型S(12.5cm×21.0cm),大型L(12.5cm×23.0cm),特大(15.0cm×25.0cm)及び特々大(18.0cm×32.0cm)の,4種類である。 これに対し,原告製品のサイズは,S(12.0cm×20.3cm),M(16.4cm×22.9cm)及びL(20.6cm×29.7cm)の3種類(以下「原告製品サイズ」という。)であり,上記の一般的なプリンター用薬袋のサイズ及び高園産業製プリンター用の薬袋のサイズと異なっており,極めて特徴的である。 原告が,原告製品の大きさを上記サイズとした理由は,原告製プリンターで印刷する場合に上記サイズが最も適しているからであり,このサイズの薬袋は,原告が原告製プリンター専用に開発したものである。 このように,プリンター用薬袋については,それぞれの薬袋に固有のサイズを特定することにより,他の薬袋と区別している。原告製品の需要者は,薬袋プリンターを使用している病院,医院及び調剤薬局という,極めて限られた者であることから,原告製品サイズのプリンター用薬袋については,原告製プリンター用の薬袋であると認識する。 イ原告製品の模様について原告製品は,無地のもの(原告製品1及び3)と,模様を付したもの(原告製品2及び4)とが存在する。原告製品2,4に付された模様は,薬袋の表面上部に,四隅をR形状にした細長の枠を設け,枠の下部に,枠に接着して略正方形の着色部を設ける,というものである(以下「原告製品模様」という。)。そして,原告製プリンターにより,こ 模様は,薬袋の表面上部に,四隅をR形状にした細長の枠を設け,枠の下部に,枠に接着して略正方形の着色部を設ける,というものである(以下「原告製品模様」という。)。そして,原告製プリンターにより,この細長の枠内に患者名が印刷され,略正方形の着色部に薬名,薬の用法等が印刷される。 この模様は,原告製品2,4に固有の,極めて特徴的なものであり,原告製品2,4が販売される以前には,これと同一の模様の付された薬袋は- 5 -存在しなかった。原告製品2,4の需要者は,そのサイズのみならず,その模様も相まって,原告製品と他社製品とを区別している。 ウ原告製品サイズ及び原告製品模様の商品等表示としての周知性について(ア) 原告は,平成11年に,原告製プリンター専用の薬袋として,原告製品の製造,販売を開始した。原告は,原告製品の販売開始から現在までの間,原告製プリンター専用の薬袋としては原告製品サイズの大きさの薬袋しか販売しておらず,薬袋に模様を付す場合は,一貫して原告製品模様を付してきた。 平成11年以後の原告製品の販売枚数は,次のとおりであり,原告は,原告製品を長期間継続的に,かつ,大量に販売した。 平成11年度 475万5000枚平成12年度 1184万2000枚平成13年度 2034万5100枚平成14年度 3234万1900枚平成15年度 4056万4600枚平成16年度 4503万0400枚平成17年度 5707万3600枚平成18年度 6222万2200枚平成19年度 6469万5100枚平成20年度 6711万03 平成17年度 5707万3600枚平成18年度 6222万2200枚平成19年度 6469万5100枚平成20年度 6711万0300枚平成21年度 6995万9800枚平成22年度(ただし,4月から8月まで)3152万0400枚(イ) また,原告は,平成11年以後,消耗品カタログ(甲1の1,2)を作成して全国の薬局に販売したり,「EMail」という名称の広告誌(甲2の1,2)を全国の薬局に送付したりするなどして,自社製品- 6 -の宣伝に努めてきた。これらのカタログ及び広告誌には,原告製品が掲載され,原告製品サイズや原告製品模様も掲載されている。 (ウ) このように原告製品が大量に販売され,カタログ等による宣伝もされたことにより,原告製品サイズ,又は,原告製品サイズ及び原告製品模様は,遅くとも,被告製品の販売が開始された平成18年ころには,原告の製造する薬袋の商品等表示として,原告製品の需要者である薬袋プリンターを使用している病院,医院及び調剤薬局の間での周知性を有するに至り,現在(本件訴訟の口頭弁論終結時)まで上記周知性を維持している。なお,原告製品は薬袋であり,その需要者は限られた薬局であって,一般消費者ではないから,テレビやインターネット等による強力な宣伝は必要ない。 [被告の主張]ア原告製品の形態は,自他識別性を有しておらず,不競法2条1項1号の「商品等表示」に該当しないこと商品の形態であっても,それが他の同種商品と識別し得る独特の形態である場合には,商品出所表示機能を有し,不競法2条1項1号の「商品等表示」に該当する場合がある。そして,そのような商品形態が,永年使用され,又は強力に宣伝等が が他の同種商品と識別し得る独特の形態である場合には,商品出所表示機能を有し,不競法2条1項1号の「商品等表示」に該当する場合がある。そして,そのような商品形態が,永年使用され,又は強力に宣伝等がされたことにより,商品等表示として周知性を獲得した場合には,当該商品形態は,同号による保護を受けることができる。 しかしながら,原告の主張する原告製品の形態(薬袋のサイズが原告製品サイズであること,又は,原告製品サイズの薬袋に原告製品模様が付されていること)は,次のとおり,薬袋として通常有するありふれた形態であり,外観上も何ら特徴的な形態とはいえない。 したがって,上記形態は,自他識別性を欠き,商品等表示たり得ない。 また,上記形態は,商品等表示としての周知性を有するものでもない。 - 7 -(ア) 薬袋のサイズについて原告製品のサイズは,形は同じ(縦長の長方形)で,その大きさが異なるというだけのものである。また,その大きさも,原告製品のSサイズ,Mサイズ及びLサイズは,それぞれ,通常市販されている薬袋のB6サイズ,B5サイズ及びA4サイズと,1cm ないし2cm ほどの差しかない。 したがって,このようなサイズの違いをもって,原告製品が他の商品と区別されて認識し得る自他識別性を有しているとはいえない。 (イ) 薬袋の模様について原告製品模様は,薬袋の表面上部に患者名を印刷するための細長の枠を設け,その枠の下に薬名,薬の用法等を印刷するための略正方形の着色部を設け,着色方法として網掛け技法を用いるというものである。 しかしながら,このような模様は,以下のとおり,薬袋として機能するために不可避的なデザインであり,市場に多く出回っているありふれたものである。 したがって,原告製品模様をもって,原告製品2,4が自 しかしながら,このような模様は,以下のとおり,薬袋として機能するために不可避的なデザインであり,市場に多く出回っているありふれたものである。 したがって,原告製品模様をもって,原告製品2,4が自他識別性を有しているとはいえない。 a 「細長の枠」について薬袋にとって最も重要な部分は,患者名の記載,印字を行う部分であり,これによって,診療所や薬局において薬の取違えが生じることを防いでいる。 そのため,従来の手書き用の薬袋においても,患者名の記載欄は,「内用薬」などの記載のすぐ下の部分に設けられるなど,薬袋を手にしたときに最も目立つようにデザインされてきたものであり,これは,プリンター用薬袋についても同様である。 そして,そのための最もシンプルかつ合理的な方法は,患者名が印- 8 -字される「細長」の部分をある程度の太さの枠で囲むなどして,周りに比べて白地が映える工夫をすることであり,被告製品以外の被告の販売する薬袋でも,患者名印字部分の印字が際立つように,「細長」の形の白地が映えるデザインを採るものが少なくない。他社が販売している薬袋でも,同様に,患者名印字部分に「細長の枠」を設けているものが少なくない。 以上のとおり,プリンター用薬袋における患者名印字部分を「細長の枠」とすることは,ありふれた形態である。 b 「略正方形の着色部分」について薬袋は,伝統的に縦長の形状の紙製の袋であり,上部に薬の取り出し口がある。また,薬の脱落を防ぐために上部を折って利用することも多く,上部には何らの装飾も設けないことが一般的であった。 そのため,薬袋に何らかのデザインを施す場合,利用することができる部分は,薬袋の上部を除く,下3分の2ほどの部分になり,これをいっぱいに使って何らかの図形によるまとまりを表現しようと そのため,薬袋に何らかのデザインを施す場合,利用することができる部分は,薬袋の上部を除く,下3分の2ほどの部分になり,これをいっぱいに使って何らかの図形によるまとまりを表現しようとすれば,略正方形になることが通例である。このような取扱いは,プリンター用薬袋になっても踏襲されており,被告の販売する,原告製プリンター以外のプリンター用の薬袋のサンプルにおいても,略正方形を利用したデザインが設けられているものが少なくない。他社の販売している薬袋でも,同様に,略正方形を利用した枠ないし模様が設けられている。 したがって,プリンター用薬袋における略正方形を利用したデザインは,ありふれたものである。 c 網掛け技法による着色について単色印刷において,色調に変化を持たせるとすれば,その色を薄める他に方法がない。 - 9 -そこで,いわゆる網掛け技法によって濃度を下げて印刷することが行われており,従来の手書き用の薬袋においても,デザイン上,網掛けによる濃度の薄い部分を用いることは,よく行われてきた。 現在は,印刷技術が向上し,より広い部分に安定した色調を出すことが可能になったため,単色印刷の色調に変化を持たせる方法として,網掛けは多用されており,被告の販売する,原告製プリンター以外のプリンター用の薬袋のサンプルにおいても,略正方形のデザインに網掛けによる着色を行っている。他社の販売している薬袋でも,同様に,略正方形を利用した枠ないし模様に網掛けによる着色が行われている。 したがって,プリンター用薬袋における略正方形の網掛けによる着色部分は,ありふれたものである。 (ウ) 原告製品の形態の周知性について原告製品の販売個数は,原告の主張どおりだとしても,平 がって,プリンター用薬袋における略正方形の網掛けによる着色部分は,ありふれたものである。 (ウ) 原告製品の形態の周知性について原告製品の販売個数は,原告の主張どおりだとしても,平成11年度から平成19年度までの合計で3億3886万9900枚であり,年間平均では3765万枚余りにすぎない。また,原告が,原告製品における原告製品サイズ及び原告製品模様について強力な宣伝を行った様子はうかがえない。 これに対し,被告は,平成22年8月決算期において,年間4億枚以上の薬袋を販売しており,そのうちプリンター用薬袋の販売枚数は1億3800万枚余りである。また,被告は,平成9年ころから,顧客の個別の要望に応じて,原告製プリンター向けの薬袋の販売を始めており,その後,注文が多くなったため,平成11年9月ころには,規格品として恒常的に販売するようになり,平成18年より少し前から,原告製品と同じサイズの原告製プリンター向け薬袋(被告製品)の販売を開始した。なお,被告が販売する原告製プリンター向け薬袋のサイズには,変- 10 -遷があり,平成12年ころには,小型(11.6cm×14.8cm),中型(15.2cm×21.0cm),大型(16.2cm×24.2cm)及び特大(20.6cm×29.5cm)の4種類が主流であり,平成13年ころには,小型(11.6cm×14.8cm),中型(12.0cm×20.3cm),大型(16.4cm×22.8cm)及び特大(20.7cm×29.7cm)の4種類が主流であった。 さらに,中央メディカルシステム株式会社も,平成19年9月ころから,原告製品サイズと同じサイズの原告製プリンター向け薬袋を販売しており,現在では,他の会社も,原告製品サイズと同じサイズの薬袋を販売している。 以上のとおり,原告製品 社も,平成19年9月ころから,原告製品サイズと同じサイズの原告製プリンター向け薬袋を販売しており,現在では,他の会社も,原告製品サイズと同じサイズの薬袋を販売している。 以上のとおり,原告製品の販売個数は,被告における薬袋の販売個数と比較しても極めて少数であり,また,原告製品サイズの薬袋は,原告によって長期間継続的かつ独占的に使用されているものではなく,原告が原告製品サイズ及び原告製品模様について強力な宣伝を行った様子もうかがえない。したがって,原告製品サイズ,又は原告製品サイズと原告製品模様は,商品等表示として需要者の間に広く認識されているとはいえない。 イ原告製品のサイズは,原告製プリンターで印字することが可能な薬袋という,機能に由来する技術的形態であり,商品等表示たり得ないこと原告製プリンターは,原告製品サイズと異なるサイズのプリンター用薬袋を用いた場合,プリンターに不具合が生じるおそれがある。 したがって,原告製品サイズは,原告製プリンター用の薬袋を製造しようとすれば,必然的に採らざるを得ない形態であり,原告製プリンター用の薬袋という機能と必然的に結び付いている。このようなサイズについて,独占的,排他的支配を認めることは,商品の自由な流通を阻害するものであり,許されない。 また,原告製品サイズは,原告製プリンターで印字することが可能- 11 -であるという,商品の機能に由来するものであり,基本的な形状を同じくする同種の薬袋は古くから存在するので,他の薬袋と識別し得る特別顕著性を有するとはいえない。 以上のとおり,原告製品のサイズは,原告製プリンターで印字することが可能な薬袋という,商品の機能に由来する技術的形態であって,不競法全体の観点からしても,「商品等表示」たり得ない。 ウ原告製品サイズ り,原告製品のサイズは,原告製プリンターで印字することが可能な薬袋という,商品の機能に由来する技術的形態であって,不競法全体の観点からしても,「商品等表示」たり得ない。 ウ原告製品サイズや原告製品模様は,原告製品の形態の一部分にすぎないこと原告が商品等表示として主張する原告製品サイズないし原告製品サイズと原告製品模様は,商品形態そのものではない。 原告は,原告製品の商品形態のうち,薬の取り出し口の位置・形状,取り出し口に付けられた横長の彩色部分と「取り出し口」との記載,薬袋としての糊付けの態様,薬袋の四隅が直角か又は丸みを帯びているか,などをすべて捨象し,自分に都合の良い,薬袋のサイズないしサイズと模様のみを,商品等表示と特定している。 しかしながら,需要者が,原告製品の形態全体からサイズないしサイズと模様だけを切り出して,商品等表示と感ずる理由はなく,原告の主張は失当である。 (2) 争点2(被告製品の形態は原告製品の形態に類似し,被告製品の販売は原告製品との混同を生じさせるか)について[原告の主張]ア被告製品の形態は原告製品の形態と類似すること被告製品のサイズは,S(12.0cm×20.3cm),M(16.4cm×22.9cm)及びL(20.6cm×29.7cm)の3種類であり,原告製品サイズと全く同じである。 また,被告製品は,薬袋の表面上部に細長の枠を設け,その枠の下に略- 12 -正方形の着色部が設けられているものであり,この模様は,原告製品模様に類似する。 イ被告製品の販売は原告製品との混同を生じさせること原告製品及び被告製品は,いずれも,単価が極めて低額な商品であり,需要者は,1回に何万枚と大量に注文する。このような商品においては,需 イ被告製品の販売は原告製品との混同を生じさせること原告製品及び被告製品は,いずれも,単価が極めて低額な商品であり,需要者は,1回に何万枚と大量に注文する。このような商品においては,需要者は,薬袋のサイズや模様に着目して商品を購入するのであり,製造会社の名に着目して商品を購入するものではない。 したがって,被告が,原告製品と同一のサイズの商品又は原告製品2,4と同一のサイズ及び模様の商品(被告製品)を販売すれば,当然,需要者は,被告製品と原告製品とを混同するおそれがある。また,原告は,原告製品を直接需要者に販売するほか,関連会社や全国にある販売代理店を経由して販売しているから,需要者は,被告を原告製品の販売代理店と誤認して,被告製品を購入する可能性がある。 [被告の主張]被告は,昭和19年に創業し,病院,医院,診療所,薬局等を需要者として,薬袋を主力製品とする医療用印刷製品の企画販売等の業務を長年行ってきた会社であり,東京本社のほか,全国に5つの営業所及び1つの駐在所を設けている。特に,関東地域には多くの顧客を抱えており,シェアの60%を占めている。したがって,これらの需要者の間で,被告及び被告の販売する薬袋をはじめとする商品は,広く認識されている。 また,被告は,カタログやチラシなどを発行して薬袋等の販売活動をしており,このカタログなどには,被告製品は原告の純正品ではない旨を明示している。病院等の需要者は,このカタログを見て,被告の商品であると認識して被告製品を発注するのであるから,被告製品と原告製品とを混同するおそれはない。 そして,被告は,上記のとおり病院等の需要者に周知の薬袋メーカーであ- 13 -るから,需要者が被告を原告製品の販売代理店であると誤認して被告製品を購入する可 を混同するおそれはない。 そして,被告は,上記のとおり病院等の需要者に周知の薬袋メーカーであ- 13 -るから,需要者が被告を原告製品の販売代理店であると誤認して被告製品を購入する可能性もない。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(原告製品の形態は,不競法2条1項1号の「商品等表示」として需要者の間に広く認識されているものといえるか)について(1) 商品の形態が「商品等表示」に該当する場合商品の形態は,本来的には,当該商品の機能・効用の発揮や美観の向上等の見地から選択されるものであり,必ずしも,商品の出所を表示することを目的として選択されるものではない。しかしながら,特定の商品の形態が,その形態をもって当該商品と他の同種の商品とを識別することが可能なほどの独特の特徴を有し,かつ,当該形態が長期間継続的かつ独占的に使用され,又は,その使用が短期間であっても,商品形態について強力な宣伝等がされた場合には,その形態は,出所表示機能を獲得し,需要者の間に広く認識されるに至ることがあり得る。したがって,このような商品の形態は,不競法2条1項1号の「商品等表示」として需要者の間に広く認識されているものといえる。 そこで,このような観点から,差止請求の基準時である本件口頭弁論終結時において,原告製品の形態(薬袋のサイズが原告製品サイズであること,又は,原告製品サイズの薬袋に原告製品模様が付されていること)が不競法2条1項1号の「商品等表示」として需要者の間に広く認識されているものと認められるか否かについて判断する。 (2) 認定事実前記争いのない事実等に加え,証拠(甲1~5,7,17,乙1,4~9,11~13,17~33。なお,枝番号のあるものは,枝番号を含む。)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 定事実前記争いのない事実等に加え,証拠(甲1~5,7,17,乙1,4~9,11~13,17~33。なお,枝番号のあるものは,枝番号を含む。)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 アプリンター用薬袋の販売開始と薬袋のサイズ- 14 -(ア) 薬袋は,かつては手書き用のものしか存在しなかったが,昭和61年ころ,高園産業により,薬局向けの業務処理システムの一環として,薬袋に直接患者名や服用方法等を印字することのできるプリンター及びこのプリンター用の薬袋の製造,販売が始められた。 その後,平成元年には株式会社湯山製作所が,平成8年には原告が,それぞれ,薬袋に印字することのできるプリンター及び同プリンターで印字することのできる薬袋の製造,販売を始め,その後も,数社が,プリンターを含む薬局用システムの販売を始めた。 (イ) 薬袋に印字することのできるプリンターとしては,株式会社リコー,キヤノン株式会社,京セラ株式会社等の製造する汎用プリンターが用いられることが多い。そのため,これらのプリンター用の薬袋のサイズは,いわゆる定型のサイズ,すなわち,A6(10.5cm×14.8cm),B6(12.8cm×18.2cm),A5(14.8cm×21.0cm),B5(18.2cm×25.7cm)及びA4(21.0cm×29.7cm)の5種類とするものが一般的である。 これに対し,高園産業製プリンター用の薬袋及び原告製プリンター用の薬袋のサイズだけは,上記の定型的なものではない。高園産業製プリンター用の薬袋として,同社等が販売している薬袋のサイズは,大型S(12.5cm×21.0cm),大型L(12.5cm×23.0cm),特大(15.0cm×25.0cm)及び特々大(18.0cm×32.0cm)の4種類である。 売している薬袋のサイズは,大型S(12.5cm×21.0cm),大型L(12.5cm×23.0cm),特大(15.0cm×25.0cm)及び特々大(18.0cm×32.0cm)の4種類である。 一方,原告製プリンター用の薬袋として原告や被告等が販売している薬袋のサイズは,平成18年ころ以後は,S(12.0cm×20.3cm),M(16.4cm×22.9cm)及びL(20.6cm×29.7cm)の3種類(原告製品サイズ)である(なお,原告は,平成12年ころにも上記3種類のサイズの薬袋を原告製プリンター用の薬袋として販売していたことが認められるものの(甲1の1),後記(ウ)のとおり,少なくとも平成13年ころまでは,- 15 -他のサイズの薬袋も原告製プリンター用薬袋として販売していたことがうかがえる。)。原告製品サイズと異なるサイズのプリンター用薬袋を原告製プリンターに用いた場合,プリンターに不具合が生じるおそれがある。 (ウ) 被告は,昭和25年に設立された株式会社であり,薬袋を主力製品とし,医療用印刷用品の企画販売等の業務を長年行っている。 被告は,東京本社のほか,全国に5つの営業所(大阪,横浜,埼玉,千葉,名古屋)及び1つの駐在所(福岡)を設けており,関東地域を中心に約50億円の年商がある。 被告は,平成元年ころから,プリンター用薬袋の販売を始め,遅くとも平成11年ころから,全国の病院,医院,診療所,薬局等に対し,原告製プリンター用の薬袋の販売を開始した(乙23)。被告が販売する原告製プリンター用の薬袋のサイズは,平成12年ころは,小型(11.6cm×14.8cm),中型(15.2cm×21.0cm),大型(16.2cm×24.2cm)及び特大(20.6cm×29.5cm)の4種類が主流であり(乙27),平成13年こ ろは,小型(11.6cm×14.8cm),中型(15.2cm×21.0cm),大型(16.2cm×24.2cm)及び特大(20.6cm×29.5cm)の4種類が主流であり(乙27),平成13年ころは,小型(11.6cm×14.8cm),中型(12.0cm×20.3cm),大型(16.4cm×22.8cm)及び特大(20.7cm×29.7cm)の4種類が主流であった(乙28)。なお,被告が平成13年に販売した上記中型サイズ,大型サイズ及び特大サイズの薬袋は,それぞれ,原告製品のSサイズ,Mサイズ及びLサイズと,サイズが同一(中型サイズ),又は,ほぼ同一(大型サイズ,特大サイズ。いずれも,原告製品サイズと縦又は横の長さが0.1cm 違うのみ。)である。 また,被告は,平成18年ころ以後は,上記(イ)のとおり,原告製プリンター用の薬袋として,Sサイズ,Mサイズ及びLサイズの3種類のみを販売している。 (エ) 原告製プリンター用の薬袋の販売は,原告,被告以外の会社も- 16 -行っている。中央メディカルシステム株式会社は,平成19年9月ころから,原告製品サイズと同じサイズの原告製プリンター向け薬袋を販売しており(甲7),現在は,株式会社メディングも,原告製品サイズと同じサイズの薬袋を販売している(乙13)。 イ薬袋に記載される事項及び薬袋に付される模様(ア) 薬袋は,伝統的に,縦長の長方形の形状の紙製の袋を用い,上部に薬の取り出し口を設けるタイプのものがほとんどである。また,薬袋の表面には,内用薬,外用薬ないし頓服薬の別,患者名,薬名,薬の用法,病院名等が記載されるのが一般的である。 一方,薬袋は,薬の脱落を防ぐために上部を折って利用することも多く,その上部ないし上端部には特段の装飾を設けないのが一般的である。 ,薬名,薬の用法,病院名等が記載されるのが一般的である。 一方,薬袋は,薬の脱落を防ぐために上部を折って利用することも多く,その上部ないし上端部には特段の装飾を設けないのが一般的である。 そのため,上記の患者名や薬名等が記載される位置は,薬袋の上部ないし上端部を除いた部分であり,各事項を記載する位置も,あらかじめ定められているものが大半である(乙7~9)。 (イ) 横書きの薬袋の場合,「内用薬」,「外用薬」,「頓服薬」などと記載されたすぐ下の部分に,患者名を記載する欄を設け,さらにその下の部分に,薬名や薬の用法等を記載する欄を設けるというデザインのものが,プリンター用の薬袋の販売が開始される以前から,数多く見られる(乙7~9)。また,これらの記載欄が目立つように,患者名の記載欄を四隅の角が丸みを帯びた横長の略長方形の枠で囲むもの,薬袋の横幅にあわせた略正方形の枠で薬の用法等の記載欄を囲むもの,その枠内を網掛け技法によって着色するものなども,原告が原告製プリンター用の薬袋を販売する以前ないし原告が同薬袋の販売を始めたのと同時期のころから,しばしば見られた(乙7~11,24~28)。その後も,現在に至るまで,これらと同様のデザインの薬袋は,複数の会社から,- 17 -多数の種類のものが販売されている(乙4~6,17~22,29~33)。 (ウ) 原告は,遅くとも平成12年ころから,原告製プリンター用の薬袋として,原告製品模様を付した薬袋の製造,販売を始めた(甲1の1)。 原告製品模様の形状は,別紙原告製品目録2及び4の「商品の形態」に記載のとおりである。すなわち,薬袋の上部から中央部にかけての部分に,四隅の角が丸みを帯びた横長の長方形(横幅が薬袋の横幅よりやや短い程度のもの)の薄く色付けされた枠(患者名を記載する欄 形態」に記載のとおりである。すなわち,薬袋の上部から中央部にかけての部分に,四隅の角が丸みを帯びた横長の長方形(横幅が薬袋の横幅よりやや短い程度のもの)の薄く色付けされた枠(患者名を記載する欄)があり,その枠の下に,同枠に接して,白抜きの一本のラインを含む略正方形(横幅は,上記枠の横幅と同じ。)の色付き部分(網掛け技法により,上記枠と同系統の色で着色されたもの。 薬名,薬の用法等を記載する欄)がある。 (エ) 被告は,遅くとも平成11年ころから,原告製プリンター用の薬袋の販売を開始し,これらの薬袋に付される図柄については,顧客の指定するデザインによる印刷に応じていた。 被告は,原告製プリンター用の薬袋の販売を始めた当初から,顧客の注文があれば,別紙被告製品目録2及び3の「商品の形態」に記載の模様(以下「被告製品模様2」という。)を付した薬袋を販売し(乙27,28),遅くとも平成14年ころからは,原告製プリンター用の薬袋でなくとも,顧客の注文に応じて被告製品模様2を付した薬袋を販売した(乙29~31)。被告製品模様2の形状は,原告製品模様とほぼ同じである。 また,被告は,原告製プリンター用の薬袋として,遅くとも平成18年ころから,別紙被告製品目録1の「商品の形態」に記載の模様(以下「被告製品模様1」という。)を付した薬袋の販売を始め- 18 -た(乙32,33)。被告製品模様1の形状は,薬袋の中央部に,上の二隅の角が丸みを帯びた略正方形(一辺の長さが薬袋の横幅よりやや短い程度のもの)の薄く色付けされた枠があり,この枠の中の上部に,枠と同色で同じ太さの一本の横線が引かれ(この線より上部が,患者名を記載する欄となる。),その線より下部は,上記枠と同程度の色で,網掛け技法を用いて薄く着色されている(この部分が,薬名,薬の用法等 枠と同色で同じ太さの一本の横線が引かれ(この線より上部が,患者名を記載する欄となる。),その線より下部は,上記枠と同程度の色で,網掛け技法を用いて薄く着色されている(この部分が,薬名,薬の用法等が記載される欄となる。),というものである。 また,被告は,原告製プリンター用の薬袋以外の薬袋にも,被告製品模様1を付して販売している(乙4)。 (3) 原告製品サイズの「商品等表示」該当性について原告製品は,上記認定のとおり,一般的なプリンター用の薬袋及び高園産業製プリンター用の薬袋とサイズが異なっており,このサイズ(原告製品サイズ)の薬袋は,原告製プリンター用の薬袋に特有のものであるといえる。 しかしながら,他方で,薬袋の形状は,伝統的に縦長の長方形の形状のものが採用されており,原告製品の形状も,縦長の長方形(原告製品3,4は,四角が丸みを帯びた縦長の長方形)という点では他の薬袋と同様であり,ありふれた形状である。このようなありふれた形状の薬袋について単に縦横の長さといったサイズに違いがあるというだけでは,他の同種商品と識別することが可能なほどの独特の特徴があるということはできない(なお,原告製品サイズは,一般的なプリンター用の薬袋のサイズとの間で,薬袋の縦横の長さや,縦横の長さの比率等において,顕著な差もみられない。)。 したがって,原告製品サイズは,不競法2条1項1号の「商品等表示」に該当しないというべきである。 (4) 原告製品サイズ及び原告製品模様の「商品等表示」該当性について原告製品サイズがそれだけでは「商品等表示」に該当しないことは,(3)で説示したとおりである。 - 19 -原告製品模様の形態は,前記認定のとおり,薬袋の上部から中央部にかけての部分に,四隅の角が丸みを帯びた横長の長方形の,薄く色付けされた枠が いことは,(3)で説示したとおりである。 - 19 -原告製品模様の形態は,前記認定のとおり,薬袋の上部から中央部にかけての部分に,四隅の角が丸みを帯びた横長の長方形の,薄く色付けされた枠があり,その枠の下に,同枠に接して,白抜きの一本のラインを含む略正方形の色付き部分を設けるというものであり,原告は,遅くとも平成12年ころから,この模様を付した原告製プリンター用の薬袋を販売しているものである。 しかしながら,薬袋の表面の上部ないし上端部を除いた部分に,内用薬,外用薬ないし頓服薬の別,患者名,薬名,薬の用法,病院名等を記載することや,横書きの薬袋の場合に,「内用薬」,「外用薬」,「頓服薬」などと記載されたすぐ下の部分に,患者名を記載する欄を設け,その下の部分に,薬名や薬の用法等を記載する欄を設けること,さらに,これらの記載欄が目立つように,患者名の記載欄を四隅の角が丸みを帯びた横長の略長方形の枠で囲んだり,薬袋の横幅にあわせた略正方形の枠で薬の用法等の記載欄を囲み,その枠内を網掛け技法によって着色したりすることなどは,原告が原告製プリンター用の薬袋を販売する以前ないし原告が同薬袋の販売を始めたのと同時期のころから,しばしば見られたものであり,その後も,現在に至るまで,複数の会社から,これらと同様の多数の種類の薬袋が販売されていることは前記認定のとおりである。 このように,原告製品模様は,他社製品にも多く見られるありふれた形態であるというべきであり,原告製品サイズと原告製品模様とを合わせても,ありふれたものというほかない。したがって,原告製品サイズ及び原告製品模様は,不競法2条1項1号の「商品等表示」には該当しない。 (5) 原告は,平成11年度から平成22年度までの間に原告製品を約4億枚販売したものであり,このように原告 ,原告製品サイズ及び原告製品模様は,不競法2条1項1号の「商品等表示」には該当しない。 (5) 原告は,平成11年度から平成22年度までの間に原告製品を約4億枚販売したものであり,このように原告製品を長期間継続的に,かつ,大量に販売したことにより,原告製品サイズ,又は原告製品サイズ及び原告製品模様は原告製品の需要者である薬局等との間で「周知の商品等表示」となった旨- 20 -主張する。 しかしながら,原告製品サイズや原告製品模様は識別性を欠くありふれた形態として「商品等表示」に該当しないと解すべきことは,前記説示のとおりであり,このようなありふれた形態のものについては,仮に特定人によって長期にわたり独占的に大量に販売され,その結果として原告製品サイズや原告製品模様が需要者に広く知られるようになったとしても,不競法2条1項1号にいう「商品等表示」として周知性を獲得することはできないというべきである(なお,前記認定によれば,原告が原告製品サイズの薬袋の販売を開始した時期とほぼ同時期には,被告においても,原告製品サイズとほぼ同じサイズの薬袋ないし同薬袋に原告製品模様とほぼ同様の模様を付したものの販売を始め,その後も販売を継続しているものであるから,原告において原告製品サイズの薬袋ないし原告製品模様を付した原告製品サイズの薬袋を長期間独占的に販売していたとも認められない。)。 (6) 以上のとおりであるから,原告製品サイズも,原告製品サイズ及び原告製品模様も,いずれも,不競法2条1項1号の「商品等表示」に該当するものとは認められない。 2 よって,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第47部 裁判長裁判官阿部正 よって、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。 主文 東京地方裁判所民事第47部 裁判長裁判官 阿部正幸 裁判官 山門優 裁判官 志賀勝

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