【DRY-RUN】○ 主文 一 本件控訴を棄却する。 二 控訴費用は控訴人の負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の申立 一 控訴の趣旨 1 原判決を取消す。 2 被控訴人が、控訴人の昭和六二年六月八日付で行った浄化槽清
○ 主文一本件控訴を棄却する。 二控訴費用は控訴人の負担とする。 ○ 事実第一当事者の申立一控訴の趣旨 1 原判決を取消す。 2 被控訴人が、控訴人の昭和六二年六月八日付で行った浄化槽清掃業許可申請及び浄化槽汚泥収集運搬業許可申請に対して、同年七月一四日付で行った各不許可処分を取消す。 3 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。 二控訴の趣旨に対する答弁主文と同旨第二当事者の主張次に訂正、付加するほか、原判決の事実摘示のとおりであるから、これを引用する。 一原判決の訂正 1 原判決七枚目表一二行目の「のうち」から同一三行目の「その余の事実」までを削除する。 2 同七枚目裏一二行目の「従って」から同八枚目表二行目末尾までを削除する。 3 同八枚目裏一二行目冒頭の「できず、」を「できない。」と改め、同行の「運搬業許可申請」から同九枚目表二行目末尾までを削除する。 二控訴人の主張 1 本件区域(湖東広域衛生管理組合(以下単に「組合」という)を構成する滋賀県愛東町、湖東町、秦荘町、愛知川町、豊郷町、甲良町、多賀町の七町)における浄化槽汚泥は、将来減少することはなく、増加するものと見られる。すなわち、滋賀県生活環境部環境事業課平成二年三月発行の「滋賀県の廃棄物」(甲第一二号証)によれば、平成二年三月現在の同県下の浄化槽設置基数は、四万八五八五基であって、昭和六一年度の四万二六八八基と比較すると、四年間で五八九五基、一四パーセントも増加しており、この傾向は、本件区域でも同じであるから、浄化槽の設置数は著しい増加傾向ということができる。 その一方で、滋賀県土木部発行の平成二年版「滋賀県の下水道事業」(甲第一三号証)によれば、平成元年の管渠延長は一六・五キロメートルで、年平均五キロメートルしか進展せず、特に多賀第一幹線は、平 きる。 その一方で、滋賀県土木部発行の平成二年版「滋賀県の下水道事業」(甲第一三号証)によれば、平成元年の管渠延長は一六・五キロメートルで、年平均五キロメートルしか進展せず、特に多賀第一幹線は、平成元年度予定は〇・四キロメートルしかなく、同年度でようやく一・八キロメートルしか完成しないという遅々とした進み方であるから、浄化槽の設置数は、減少どころか、むしろ増加傾向が顕著である。 2 被控訴人の主張(原判決五枚目表一行目から六行目まで)によれば、本件運搬業不許可処分の理由は、「今後し尿及び浄化槽汚泥収集運搬量は確実に減少することが見込まれる。」とし、「このような状況の中で、新規業者の営業を許可することは、将来、し尿及び浄化槽汚泥の収集運搬事業の縮小等に伴う補償費の出費を余儀なくされることになり、組合の財政に多大な負担を課することになる。」ということにあり、決して「し尿及び浄化槽汚泥の収集運搬量の急激な増加を予測することが困難である。」からではない。 したがって、「今後、し尿及び浄化槽汚泥の収集運搬量の急激な増加を予測することが困難」であっても、それは、「今後し尿及び浄化槽汚泥収集運搬量は確実に減少することが見込まれる」のではなく、また、「将来、し尿及び浄化槽汚泥の収集運搬事業の縮小等に伴う補償費の出費を余儀なくされることになり、組合の財政に多大な負担を課することになる。」ことが認められるものでもないから、被控訴人の本件運搬業不許可処分の判断過程が誤っていたことになり、右不許可処分は、取り消されるべきである。 3 仮に、し尿及び浄化槽汚泥の収集運搬量の急激な増加を予測することが困難であるとしても、それがただちに「本件運搬業許可申請が処理計画に適合しない。」ということにはならない。 もし、「既存四業者の過去の実績に照らし、本件区域内のし尿及び 量の急激な増加を予測することが困難であるとしても、それがただちに「本件運搬業許可申請が処理計画に適合しない。」ということにはならない。 もし、「既存四業者の過去の実績に照らし、本件区域内のし尿及び浄化槽汚泥の収集運搬が支障なく実行できる。」ということだけで、「本件運搬業許可申請が処理計画に適合しない。」とするのであれば、仮にその収集運搬量の急激な増加が予想される場合でも、既存四業者がこれに応じた収集運搬の体制をとることはいくらでも可能であるから、永久不変に新規の運搬業許可申請は不許可とされることになり、このようなことは、あまりにも既存業者の立場を重視するものであって、不合理である。 自由主義経済体制の下では、地方自治体も競争原理をできるだけ取入れることが必要不可欠であり、一方、し尿浄化槽清掃業の許可処分が覇束裁量である以上、「本件区域内のし尿及び浄化槽汚泥の収集運搬が支障なく実行できる。」か否かを検討するのは当然として、それは、本件運搬業許可申請を許可すれば支障が生じ、これを却下して初めて、「本件区域内のし尿及び浄化槽汚泥の収集運搬が支障なく実行できる」と判断した場合にのみ、右申請を不許可とすることが許されるものと解すべきである。 その意味から、控訴人にとっても、既存四業者にとっても、何ら「支障」が生じないにもかかわらず、控訴人の本件運搬業許可申請を不許可にしたことは、仮に運搬業の許可が自由裁量であるとしても、その裁量権を誤って行使し、あるいは濫用した点で違法というべきである。 4 また、既存四業者の過去の実績も、決して本件区域内のし尿及び浄化槽汚泥の収集運搬が支障なく処理されてきたというものではなく、住民からの多くの不平、不満があり、かつ、住民に多大な負担をもたらしたものである。 第一に、既存四業者間で担当区域割りをしているため、各業 槽汚泥の収集運搬が支障なく処理されてきたというものではなく、住民からの多くの不平、不満があり、かつ、住民に多大な負担をもたらしたものである。 第一に、既存四業者間で担当区域割りをしているため、各業者による地域独占が定着し、住民による業者選定の自由が失われ、契約自由の原側が蹂躪されているから、必然的に業者の力が強くなり、年末やお盆休みなど早くから申し込みをしているのに来てくれないとの苦情が寄せられている。 第二に、料金の面では、浄化槽清掃については、条例で料金が決定されず、業者の料金決定が基本的に自由であるため、地域間、業者間で不均衡が著しく、また、し尿汲み取りの料金は、組合の議会で条例として決定されるものの、料金値上げ申請に対しては、これに応じないと、業者の方で汲み取り拒否宣言をする虞れがあるので、ほとんど値上げ申請がそのまま認められることになっている。 このような実情から、特に控訴人の居住する甲良町では、同町在住の地元業者に新規の許可を与え、住民サービスを向上させてほしいという要望が多く寄せられているのが実情である。 5 営業の自由は、憲法二二条によって保障される基本的人権であり、し尿浄化槽清掃業についても、営業の自由が保障されるべきものであるのみならず、浄化槽清掃業の許可については、浄化槽法三六条において、客観的な技術上の基準に適合することと、欠格事由に該当しないことを許可要件としているが、市町村は、右要件を充足している限り、必ず許可すべき拘束を受けるものと解されている。 そうであるとすれば、し尿浄化槽の清掃に必然的に伴う汚泥の収集運搬業についても、営業の自由を保障した憲法の精神に従って、法の許す限りこれを許可すべきであり、抽象的、観念的な法解釈や既存業者の既得権保護の目的から、控訴人の許可申請を不許可とすることは、憲法二二条に違反し ても、営業の自由を保障した憲法の精神に従って、法の許す限りこれを許可すべきであり、抽象的、観念的な法解釈や既存業者の既得権保護の目的から、控訴人の許可申請を不許可とすることは、憲法二二条に違反し、許されない。 また、し尿浄化槽の設置者は、実際上、自らその清掃や、清掃によって生ずる汚泥の運搬処理ができないため、これを業者に委託するものであるところ、前述のように、既存業者が地域割で浄化槽設置者との契約を独占している実情においては、どのような不都合、不満があっても、その特定の業者に依頼するしかない。そのため、浄化槽が満杯になり、早く処理してほしいと思っても、業者の都合で来てもらえなかったり、もつときれいに清掃してほしいと思っても、その業者のやり方でしか清掃してもらえず、料金の決定も業者の自由に委ねられている。 このようなことは、国民としての幸福追求の権利や、健康で文化的な生活を営む権利を侵害するものであり、本件各不許可処分は、憲法一三条、二五条に違反し、無効である。 三控訴人の主張に対する認否と反論 1 いずれも争う。 2 組合は、昭和五五年以来既存四業者に許可を与え、し尿および浄化槽汚泥の収集、運搬業務に従事させてきたが、四業者は、これまで人的、物的設備に大きな変動なしに右業務を行ってきており、住民からの苦情もなかったものであり、このような状況の中で新規業者の申請を許可することは、既存四業者の経営を圧迫する結果、業者間に過度の競争を招来し、生活環境の確保と公衆衛生の推進を阻害するおそれがあることから、右四業者に許可を与えて、し尿および浄化槽汚泥の収集、運搬をさせるとの昭和六二年度の処理計画が策定されたものである。 処理計画の変更ないし改定は、業者数を変更するだけに止まるような単純なものではなく、組合を構成する七町との協議、管内住民への周知徹 集、運搬をさせるとの昭和六二年度の処理計画が策定されたものである。 処理計画の変更ないし改定は、業者数を変更するだけに止まるような単純なものではなく、組合を構成する七町との協議、管内住民への周知徹底等を要し、搬入量を根本的に見直す必要があり、特に一二月度においては搬入量が貯留槽の容量および処理能力を大幅に超過するおそれがあり、また、既存業者のバキューム車等の設備更新計画および従業員数の見直し、収集量の変更に伴う経営上の問題等の検討をする必要がある。 被控訴人は、昭和六二年度の処理計画に適合しないものとして、本件不許可処分をしたものである。 右昭和六二年度処理計画は、し尿及び浄化槽汚泥の収集運搬量の急激な増加を予測していないが、仮にその急激な増加が予測される事態になれば、毎年の改定期にその都度検討されることになるけれども、組合の年度別処理量の推移を見ると、昭和六三年までは増加傾向にあったが、平成元年度は昭和六三年度より減少している。 第三証拠(省略)○ 理由一被控訴人は、滋賀県湖東地域の愛知郡および犬上郡内の愛東町、湖東町、秦荘町、愛知川町、豊郷町、甲良町、多賀町の七町(本件区域)が、各地域におけるし尿処理に関する事務を共同して行うことを目的として設立した一部事務組合である湖東広域衛生管理組合の管理者であること、控訴人は、昭和六二年六月八日付で、被控訴人に対し、浄化槽法三五条に定める浄化槽清掃業の許可申請(本件清掃業許可申請)および廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)七条に定める浄化槽汚泥収集運搬業の許可申請(本件運搬業許可申請)を行ったが、被控訴人は、同年七月一四日付で右各申請につき不許可処分を行ったこと、控訴人は、その頃右清掃業許可申請に対する不許可処分(本件清掃業不許可処分)を知ったので、同月二七日付で、被控訴人 )を行ったが、被控訴人は、同年七月一四日付で右各申請につき不許可処分を行ったこと、控訴人は、その頃右清掃業許可申請に対する不許可処分(本件清掃業不許可処分)を知ったので、同月二七日付で、被控訴人に対し、本件清掃業不許可処分に対する異議申立をしたが、被控訴人は、同年九月一七日付で右異議申立を棄却し、控訴人は、昭和六三年二月二二日頃、右異議申立棄却と本件運搬業許可申請に対する不許可処分(本件運搬業不許可処分)を知ったこと、以上の事実は当事者間に争いがない。 二右争いがない事実のほか、成立に争いのない乙第一号証の一ないし一三、第二号証、第三号証の一、二、第四ないし第六号証、原審証人Aの証言により成立の認められる乙第二一、第二二号証、原審証人B、同C、同A、同Dの各証言および弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。 1 控訴人は、組合の区域内で浄化槽清掃業を営もうとして、昭和六二年六月八日付で、被控訴人に対し、浄化槽法三五条に定める浄化槽清掃業の許可申請(本件清掃業許可申請)をするとともに、浄化槽清掃業をする場合、浄化槽より生ずる汚泥の運搬、収集をすることが必要であるところから、そのための廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)七条に定める浄化槽汚泥収集運搬業の許可申請(本件運搬業許可申請)を併せて行った。 2 そこで、被控訴人は、同月一〇日に、組合の管理者、副管理者会(管理者である被控訴人と、組合を構成する七町のうち、被控訴人の属する多賀町を除くその余の六町の町長である副管理者をもって構成する会議)を、同月一九日に、組合の議会、総務および建設各常任委員会の正、副委員長、副管理者らによる合同会議を、それぞれ開催して審議し(乙第二〇、第二一号証参照)、更に、組合の処理計画、し尿等の収集、処理の状 、同月一九日に、組合の議会、総務および建設各常任委員会の正、副委員長、副管理者らによる合同会議を、それぞれ開催して審議し(乙第二〇、第二一号証参照)、更に、組合の処理計画、し尿等の収集、処理の状況、住民からの苦情の有無、既存四業者の意向等について検討したうえ、同年七月一四日付で控訴人の右各申請につき不許可処分を行った。 3 被控訴人の控訴人に対する右同日付の不許可通知書(乙第二号証)では、右清掃業許可申請に対する不許可処分(本件清掃業不許可処分)のみを掲記し、その理由として、本件区域内では、昭和五五年以来、し尿浄化槽清掃業者四社によって浄化槽の清掃を行ってきており、右四社は、本件区域内のし尿浄化槽の清掃をする十分な施設と能力を備えているので、新規業者の申請を許可することは、既存業者の経営を圧迫する結果、業者間の過度の競争により、生活環境の確保と公衆衛生の推進を阻害するおそれがあるため、と記載してあった。 4 そこで、控訴人は、同月二七日に、被控訴人に対し、行政不服審査法に基づく異議の申立をしたが、これに対し、被控訴人は、同年九月一七日付の「浄化槽清掃業の許可申請による不許可に対する異議の申し立について」と題する文書(乙第四号証)を控訴人に送付した。右文書の内容は、前記同年七月一四日付不許可通知書記載の右清掃業許可申請に対する不許可の理由に、「浄化槽清掃の結果引き抜かれた汚泥を適正に処理する体系が見当たらない。右汚泥の収集、運搬については、廃棄物処理法七条の許可を必要とするが、組合では、同法六条一項の基本計画で、年々増加する浄化槽汚泥の収集、運搬に対処する必要があり、将来、浄化槽汚泥の増加によりスムーズな収集を図るため、新規業者の導入に柔軟な個別対応が出来る体系を目指しているが、当分の間、現状維持により対処していきたい。しかし、浄化槽汚 に対処する必要があり、将来、浄化槽汚泥の増加によりスムーズな収集を図るため、新規業者の導入に柔軟な個別対応が出来る体系を目指しているが、当分の間、現状維持により対処していきたい。しかし、浄化槽汚泥の収集、運搬の許可のある者に浄化槽汚泥の収集、運搬の委託契約がなされ、その契約書の写しが提出されれば、その旨確認のうえ可否決定する。」という理由を追記する、というものであった。 しかし、控訴人は、浄化槽汚泥の収集、運搬の許可のある者との間で、浄化槽汚泥の収集、運搬の委託契約を締結することはせず、被控訴人に対し、その契約書の写しを提出することもしなかった。 5 被控訴人の作成にかかる前記昭和六二年七月一四日付不許可通知書と同年九月一七日付の「浄化槽清掃業の許可申請による不許可に対する異議の申し立について」と題する文書等に示されているように、要するに、控訴人の本件運搬業の許可申請に対する被控訴人の不許可処分の理由は、組合は、本件区域内では、昭和五五年以来、し尿浄化槽清掃業者四社によって浄化槽の清掃を行ってきており、右四社は、本件区域内のし尿浄化槽の清掃をする十分な施設と能力を備えており、昭和六二年度においても、右四社の既存業者によってし尿および浄化槽汚泥の処理を行うこととして、廃棄物処理法六条一項の処理計画を定めているから、控訴人の本件収集運搬業の許可申請は、同法七条二項一、二号に適合しないというにあり、また、控訴人の本件清掃業許可申請に対する被控訴人の不許可処分の理由は、自ら、し尿・浄化槽の清掃によって生ずる汚泥を運搬、処理できず、かつ、汚泥の収集運搬業の許可を有する業者との間で、汚泥の収集運搬を委託する契約も締結していないから、浄化槽法三六条二号ホに該当するというにある。 三本件運送業不許可処分の適否 1 一般廃棄物を収集、運搬、処分すること 業の許可を有する業者との間で、汚泥の収集運搬を委託する契約も締結していないから、浄化槽法三六条二号ホに該当するというにある。 三本件運送業不許可処分の適否 1 一般廃棄物を収集、運搬、処分することは、生活環境の保全および公衆衛生の向上を図ることを目的とする市町村が処理しなければならないその固有の事務(地方自治法別表第二の(十一))であって、市町村は、自らの処理計画に従ってこれを処理しなければならないが、自らまたは委託によって処理できないときは、業者にその事務を代行させることになり、その場合、業者に対し、廃棄物処理法七条の一般廃棄物処理業の許可を与えることになるところ、右許可については、市町村長は、市町村自体による処理が困難であること、市町村の定める一般廃棄物処理計画に適合することを基準として(同法七条二項一、二号)、法の目的に照らし、当該市町村の実情に応じて、自律的、専門技術的、政策的に判断をするもので、右判断に当っては、広範な裁量権を与えられているのである。 2 したがって、愛東町外六か町の各地域におけるし尿処理に関する事務を共同して行う目的で設立された組合の管理者である被控訴人も廃棄物処理法七条の一般廃棄物処理業の許可を与えるか否かについては、広範な裁量権を有するものであるから、被控訴人の行った本件不許可処分は、それが社会観念上著しく妥当を欠き、その与えられな裁量権を逸脱し、これを濫用したと認められる場合でない限り、違法となるものではないと解すべきところ、本件全証拠によっても、被控訴人の行った本件運搬業不許可処分が、社会観念上著しく妥当を欠き、その裁量権を逸脱して、これを濫用したものであると認めることはできない。 3 かえって、成立に争いのない甲第六号証の二、乙第二四号証の一ないし七、弁論の全趣旨により成立の認められる乙第八号証、原 き、その裁量権を逸脱して、これを濫用したものであると認めることはできない。 3 かえって、成立に争いのない甲第六号証の二、乙第二四号証の一ないし七、弁論の全趣旨により成立の認められる乙第八号証、原審証人Cの証言により成立の認められる乙第九、第一二、第一九号証、原審証人Aの証言により成立の認められる乙第二〇号証、原審証人C、同Aの各証言および弁論の全趣旨を総合すれば、次の事実が認められる。すなわち、(一) 組合は、昭和四九年の設立当初は、し尿処理施設もなく、し尿等も投棄していたが、昭和五四年九月からは、し尿処理施設で処理するようになり、また、その頃から、原判決添付別紙1記載の愛犬清掃社ら四業者(既存四業者)に浄化槽清掃業および一般廃棄物(し尿)処理業の許可を与え、一貫して、し尿および浄化槽汚泥の収集、運搬、処理を右四業者に依存してきた。 (二) 昭和五五年度から昭和六一年度までの本件区域内のし尿等の処理量の推移は、原判決添付別紙3記載のとおりであり、昭和五六年度から昭和六三年度までの既存四業者の収集運搬機材等の推移は原判決添付別紙2記載のとおりである。 (三) し尿、特に浄化槽汚泥の処理量は年々増加の傾向にあるものの、既存四業者は、設備等営業体制を大きく変えることなしに、処理量の増加に対応し、本件区域内のし尿および浄化槽汚泥の収集、運搬、処理を支障なく行ってきており、し尿および浄化槽汚泥の収集、運搬についての、住民からの苦情も、汲み取りになかなか来てもらえないというものが、年間一、二件あるに止まり、組合の毎年度の処理計画は、おおむね適正かつ順調に遂行されてきた。 (四) 組合は、右のような過去の実績をふまえ、昭和六二年度についても、し尿、浄化槽汚泥、農村下水道汚泥の年間収集量を合計二万三〇八五キロリットル(し尿一万八九九八キロリットル、浄 遂行されてきた。 (四) 組合は、右のような過去の実績をふまえ、昭和六二年度についても、し尿、浄化槽汚泥、農村下水道汚泥の年間収集量を合計二万三〇八五キロリットル(し尿一万八九九八キロリットル、浄化槽汚泥三六七三キロリットル、農村下水道汚泥九四五キロリットル)と予定し、これを、既存四業者の愛犬清掃社が七七二八キロリットル(し尿五八六二キロリットル、浄化槽汚泥一八六六キワリットル)、愛知川清掃社が七三三七キロリットル(し尿六六六三キロリットル、浄化槽汚泥六七四キロリットル)、北川清掃社が七〇〇〇キロリットル(し尿六四七三キロリットル、浄化槽汚泥五二七キロリットル)、北川産業株式会社が一〇三〇キロリットル(浄化槽汚泥のみ)を、各搬入するものとして、一般廃棄物処理計画を定めている(乙第九号証)。 そして、前記本件区域内のし尿等の処理量の推移および既存四業者によるこれまでの処理の実績に照らし、右処理計画は適正であって、同年度のし尿等の収集、運搬、処理も、既存四業者によって十分に可能であり、新規の業者の参入を認める必要はなく、新規の業者が参入すれば、かえって、過度の競争による混乱を生じ、既存四業者の経営の安定を損ない、本件区域内の住民の生活環境の保全と公衆衛生の向上の目的を阻害する結果になりかねない。 以上の事実が認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。 右認定の事実によれば、控訴人の本件運搬業許可申請のなされた昭和六二年当時、組合の管内の七か町の一般廃棄物の収集、運搬、処分が困難な状況にはなかったし、また、右申請は、組合の一般廃棄物処理計画に適合しないものであるから、控訴人の本件運搬業許可申請は、廃棄物処理法七条二項一号、二号により、その許可をしてはならない場合に当たるものというべきである。したがって、本件運搬業不許可処分は、適法であると ないものであるから、控訴人の本件運搬業許可申請は、廃棄物処理法七条二項一号、二号により、その許可をしてはならない場合に当たるものというべきである。したがって、本件運搬業不許可処分は、適法であるというベきである。 4 (一)もっとも、控訴人は、わが国の自由主義経済体制および私的独占を禁止した独占禁止法の趣旨からすれば、許認可行政を通じて一定の取引分野において新規参入および競争を制限して、許認可の申請を不許可処分にすることは、その必要性が具体的かつ明白でない限り違法であるところ、本件運搬業不許可処分は、既存四業者の圧力により、同業者の地域独占体制の維持に手を貸すものであり、また、被控訴人は、既存四業者の保護を優先するあまり、控訴人の本件許可申請以前に、既に新規業者は許可しない方針を決定済で、控訴人の申請について、新規参入の必要性、既存四業者の営業への打撃の有無、本件区域内の業務量との関係や将来の予測等の具体的な検討をしないで、本件不許可処分をしたものであるから、仮に、右処分が被控訴人の自由裁量であるとしても、その裁量権を誤って行使したか、濫用した違法がある、と主張する。 しかし、本件における全証拠によるも、控訴人の右主張を認めることはできず、かえって、控訴人の右主張のような事実関係のないことは、前記に認定したところから明らかであるから、控訴人の右主張は採用できない。 (二) また、控訴人は、既存四業者の過去の実績も、決して支障なく処理されてきたというものではなく、住民からの多くの不平、不満があり、各業者による地域独占が定着し、住民による業者選定の自由が失われ、必然的に業者の力が強くなり、年末やお盆休みなど早くから申し込みをしているのに来てくれないとの苦情が寄せられているし、料金の面では、浄化槽清掃については、条例で料金が決定されず、業者の 由が失われ、必然的に業者の力が強くなり、年末やお盆休みなど早くから申し込みをしているのに来てくれないとの苦情が寄せられているし、料金の面では、浄化槽清掃については、条例で料金が決定されず、業者の料金決定が自由であるため、地域間、業者間で不均衡が著しく、また、し尿汲み取りの料金は、組合の議会で条例として決定されるものの、料金値上げ申請に対しては、これに応じないと、業者の方で汲み取り拒否宣言をすることを恐れて、ほとんど値上げ申請がそのまま認められることになっていて、住民は過大な負担を強いられている、とも主張する。 しかし、右控訴人の主張事実を認めるに足りる証拠はなく、かえって、前記認定のとおり、本件区域内の住民からは、各町を通じて精々年間一、二件の苦情がある程度であり、また、料金についても、成立に争いのない乙第二五号証によれば、汲み取り料金については、滋賀県の他地区と比べて、本件区域の料金が、必ずしも高額ではないことが認められるので、控訴人の右主張は理由がない。 (三) さらに、控訴人は、種々の事情を挙げ、(1)控訴人のした本件運搬業許可申請については、廃棄物処理法七条二項一号の「当該市町村による一般廃棄物の収集、運搬および処分が困難であること」、同二号の「その申請の内容が前条一項の規定に定められた計画に適合するものであること」の要件を充たしている、(2)既存四業者の昭和六一年度の収集運搬量は、昭和五五年度の一・九倍であるから、本件運搬業許可を既存四業者に限定しておくことは、生活環境の保全および公衆衛生の向上のために許されない、(3)控訴人の新規参入により既存の業者の経営を過度に圧迫する状況にはない、、(4)組合の処理能力の余力からしても、控訴人の本件運搬業の許可申請を拒否すべきではない、等々の主張をしている。しかし、前記三の3に認定の事 入により既存の業者の経営を過度に圧迫する状況にはない、、(4)組合の処理能力の余力からしても、控訴人の本件運搬業の許可申請を拒否すべきではない、等々の主張をしている。しかし、前記三の3に認定の事実関係及び原審証人Cの証言によれば、前述のとおり、控訴人の本件運搬業許可申請当時、組合では、廃棄物処理法七条二項一号所定の「当該市町村による一般廃棄物の収集、運搬および処分が困難」な状況にはなかったし、また、控訴人の右申請は、廃棄物処理法七条二項二号に違反し、その内容が組合の定めた計画に適合しないものであったと認めるべきであって、控訴人の右主張は、いずれも、その前提事実を認めることができないか、独自の見解であって、採用できない。 (四) その他、控訴人は、当審において、本件運搬業不許可処分が不当であり、裁量の範囲を逸脱した違法があるなどとして、縷々主張するが、控訴人が指摘するような事実があるとしても、それだけでは、本件運搬業不許可処分が、社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権を逸脱し、これを濫用したものと認めるに足りないか、あるいは、控訴人の独自の見解であって、採用し難い。 四本件清掃業不許可処分の適否 1 浄化槽の清掃業を営もうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する市町村長の許可を受けなければならず(浄化槽法三五条)、市町村長は、清掃業の業務に関し、不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者に対しては、右許可をしてはならないのである(右同法三六条二号ホ)。 ところで、浄化槽清掃業の通常の営業形態では、し尿浄化槽を清掃した者は、清掃の結果、引き抜いた汚泥を自分で運搬して処分しなければならないから、廃棄物処理法七条の一般廃棄物処理業の許可を得ているか、そうでなければ、その許可を得ている業者に委託するなど、その汚泥 た者は、清掃の結果、引き抜いた汚泥を自分で運搬して処分しなければならないから、廃棄物処理法七条の一般廃棄物処理業の許可を得ているか、そうでなければ、その許可を得ている業者に委託するなど、その汚泥の運搬、処分の方法につき確実な方策をもたない限り、実際上し尿浄化槽清掃業を営むことはできないことになる。したがって、一般廃棄物処理業の許可を得ていない者が、し尿浄化槽清掃業の許可申請をしてきた場合には、その許可を得ている業者に委託するなど、その汚泥の運搬、処分の方法につき確実な方策を有しない以上、これをその場に放置するか、不法投棄することになりかねず、公衆衛生上不適法な行為に出るおそれが強いものとして、浄化槽法三六条二号ホの欠格事由に該当し、その申請を不許可にするほかはないものといわなければならない。 2 本件においては、前記認定のとおり、控訴人は、本件運搬業の許可を受けられない者であるから、自ら汚泥を運搬、処理することができず、また、控訴人において、浄化槽汚泥の収集、運搬の許可のある者と浄化槽汚泥の収集、運搬の委託契約を締結するなど、その汚泥の運搬、処分の方法につき確実な方策をとることをしなかったものであるから、結局、控訴人は、浄化槽法三六条二号ホの欠格事由に該当するものというぺきである。 したがって、本件清掃業不許可処分も適法であるというべきである。 五なお、控訴人は、営業の自由は憲法二二条によって保障される基本的人権であるところ、浄化槽清掃業についても、営業の自由が保障されるべきものであるのみならず、浄化槽清掃業の許可については、浄化槽法三六条の要件を充足している限り、必ず許可すべき拘束を受けるものであるから、浄化槽の清掃に必然的に伴う汚泥の収集運搬業についても、営業の自由を保障した憲法の精神に従って、法の許す限りこれを許可すべきであり 要件を充足している限り、必ず許可すべき拘束を受けるものであるから、浄化槽の清掃に必然的に伴う汚泥の収集運搬業についても、営業の自由を保障した憲法の精神に従って、法の許す限りこれを許可すべきであり、抽象的、観念的な法解釈や既存業者の既得権保護の目的から、控訴人の許可申請を不許可とすることは憲法二二条に違反し、許されない等、種々の主張をして、本件各不許可処分は、憲法一三条、二五条に違反し、無効であるなどと主張する。 しかし、営業の自由は、憲法二二条によって保障される基本的人権であるけれども、公共の福祉のための合理的制限を受けることはやむを得ないところ、本件においては、前記認定のように、控訴人が、廃棄物処理法あるいは浄化槽法に定める要件を充足しないために、本件各不許可処分を受けたものであるから、右各不許可処分は、何ら憲法二二条に違反するものではない。 また、控訴人主張の如く、浄化槽清掃業の許可申請については、浄化槽法三六条の要件を充足しているところからこれを許可すべき場合には、廃棄物処理法七条に基づく廃棄物の収集、運搬処分の事業についても、これを許可すべきであるとすれば、明文の規定もないのに、浄化槽法三六条の許可を主とし、廃棄物処理法七条の許可をこれに付随する必然的なものとすることになり、右各許可を別個の法律に定めた法の建前に反することになって、不合理である。このことは、昭和五三年度までは、当時の廃棄物処理法七条の許可については、厚生省令で定める場合にはこの限りでないという例外規定があり、同法施行規則二条二号により、右同法九条一項の許可を受けた浄化槽清掃業者が浄化槽汚泥の運搬を行う場合には、廃棄物処理法七条一項の許可を要しないとされていたのに、右規定は、昭和五三年八月一〇日、厚生省令五一号により廃止されたことからも、明らかというべきである。 槽清掃業者が浄化槽汚泥の運搬を行う場合には、廃棄物処理法七条一項の許可を要しないとされていたのに、右規定は、昭和五三年八月一〇日、厚生省令五一号により廃止されたことからも、明らかというべきである。のみならず、控訴人主張のように解すれば、浄化槽清掃業の許可をすることによって、市町村の一般廃棄物処理計画の変更が必要になるなど、逆に、処理計画が制約を受けることになり、し尿浄化槽が一般家庭に普及したことに伴い、旧廃棄物処理法施行規則二条二号を廃止することにより、市町村の処理計画との整合性を図ることにした新廃棄物処理法の趣旨に反することになって、不当であるといわなければならない。控訴人の右主張は、独自の見解であって採用できない。 さらに、本件各不許可処分が、単に、抽象的、観念的な法解釈や既存業者の既得権保護の目的のみで行われたものでないことは、前記認定の右不許可処分がなされた経緯と事情から明らかである。そして、本件区域内の既存四業者によるし尿等の処理について、住民の苦情が多いとはいえず、住民が特に不利益を被っているものともいえないことは、前述したとおりであって、仮に、控訴人の指摘するような事実があったとしても、前記認定のような経緯と事情のもとに行われた本件各不許可処分が、住民の幸福追求の権利や、健康で文化的な生活を営む権利を侵害するものであって、憲法一三条、二五条に違反し、無効であるとはいえない。 したがって、控訴人の右主張は理由がなく、その他、控訴人が、本件各不許可処分が違法であって、取り消されるべきであるとして主張するところは、いずれも独自の見解であって、採用できない。 六以上の理由により、本件清掃業不許可処分および本件運搬業不許可処分は、いずれも適法であって、その取消を求める控訴人の本訴請求は理由がないから、失当として棄却すべきである。よ って、採用できない。 六以上の理由により、本件清掃業不許可処分および本件運搬業不許可処分は、いずれも適法であって、その取消を求める控訴人の本訴請求は理由がないから、失当として棄却すべきである。よって、これと同旨の原判決は相当であって、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、控訴費用の負担につき民訴法九五条、八九条に従い、主文のとおり判決する。 (裁判官後藤勇高橋史朗小原卓雄)(原裁判等の表示)○ 主文原告の各請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実第一当事者の求めた裁判一請求の趣旨 1 被告が、原告の昭和六二年六月八日付で行った浄化槽清掃業許可申請及び浄化槽汚泥収集運搬業許可申請に対して昭和六二年七月一四日付で行った各不許可処分を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 二請求の趣旨に対する答弁主文同旨第二当事者の主張一請求原因 1 被告は、湖東地域の愛知郡、犬上郡内の愛東、湖東、秦荘、愛知川、豊郷、甲良、多賀の七町(以下、本件区域という)が各地域における、し尿処理に関する事務を共同して行う目的で設立した一部事務組合である湖東広域衛生管理組合(以下、組合という)の管理者である。 原告は、昭和六二年六月八日付で、被告に対し、浄化槽法三五条に定める浄化槽清掃業の許可申請(以下、本件清掃業許可申請という)及び廃棄物処理及び清掃に関する法律(以下、廃棄物処理法という)七条に定める浄化槽汚泥収集運搬業の許可申請(以下、本件運搬業許可申請という)を行った。これに対し、被告は、同年七月一四日付で右各申請に対し不許可処分を行った。原告は、そのころ右清掃業許可申請に対する不許可処分(以下、本件清掃業不許可処分という)を知ったので、同月二七日付で右清掃業不許可処分に対する異議申立をなし、被告 で右各申請に対し不許可処分を行った。原告は、そのころ右清掃業許可申請に対する不許可処分(以下、本件清掃業不許可処分という)を知ったので、同月二七日付で右清掃業不許可処分に対する異議申立をなし、被告は、同年九月一七日付で右異議申立を棄却した。原告は昭和六三年二月二二日ころ右異議申立棄却と右運搬業許可申請に対する不許可処分(以下、本件運搬業不許可処分という)を知った。 2 しかしながら、被告の右各不許可処分は違法であるから、その取消を求める。 二請求原因に対する認否 1 請求原因1の事実は認める。 2 請求原因2の主張は争う。 三被告の主張 1 本件運搬業不許可処分について(一) 運搬業許可制度の性質一般廃棄物を収集運搬処分することは、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする市町村の固有事務である(地方自治法二条三項七号、四項、九項、別表第二、二、(十一))。従って、市町村(地方公共団体の組合を含む。以下同じ)は、その区域内における一般廃棄物の処理について、市町村が定めた一定の計画(廃棄物処理法六条一項)に従って、一般廃棄物を収集運搬処分しなければならないが、これを全て市町村自ら直接又は委託により行うことが実際上できない場合もあるので、かかる場合一般廃棄物処理業者をして処理させることとし、市町村に課せられた一般廃棄物処理事務を代行するものとして規制されるべきものであるから、市町村長あるいは地方公共団体の組合の管理者は、その営業の許可については、市町村の作成した一般廃棄物処理計画に従い、法の目的に照らし、当該市町村の実情のもと自律性、専門技術政策的判断の尊重される広範な裁量権をもつものと解される。 (二) 処理計画組合の昭和六二年度一般廃棄物処理計画は、本件区域内の年間収集量がし尿一万八九九八キロリットル、浄化槽汚泥三六七 、専門技術政策的判断の尊重される広範な裁量権をもつものと解される。 (二) 処理計画組合の昭和六二年度一般廃棄物処理計画は、本件区域内の年間収集量がし尿一万八九九八キロリットル、浄化槽汚泥三六七三キロリットル、農村下水道汚泥四一四キロリットル、合計二万三〇八五キロリットルと予定し、これを別紙1のとおり愛犬清掃社ことE、愛知川衛生社ことF、北川清掃社ことG、北川産業株式会社の四業者(以下、既存四業者という)で収集運搬するものとしており、原告の前記申請は右計画に適合しない。 (三) 既存四業者の収集運搬設備、能力被告は、昭和五五年以来変わりなく、既存四業者に対して、し尿及び浄化槽汚泥の運搬業許可を与えており、近年、本件区域内のし尿及び浄化槽汚泥の収集運搬量は増加傾向にあるものの、別紙2のとおり設備、従業員などを擁して既存四業者は右業務を行い、その結果、本件区域内のし尿及び浄化槽汚泥は支障なく収集運搬されており、住民からも苦情は出ていない。 ちなみに、既存四業者は、昭和六一年度には、し尿一万八八四八キロリットル、浄化槽汚泥三八五五キロリットル、合計二万二七〇三キロリットルを収集し、組合の設置するし尿処理施設に運搬している。 以上のとおり、既存四業者は本件区域内のし尿及び浄化槽汚泥収集運搬について十分な施設と能力を備えており、新規業者を加える必要はなかった。 (四) 新規業者参入の幣害(1) 前記(三)に述べた状況で、新規業者の営業を許可することは、既存四業者の経営を圧迫することによって業者間の過度の競争を招来し、ひいては廃棄物処理法の目的とする「生活環境の保全及び公衆衛生の向上」を阻害する結果となる恐れがある。 (2) 下水道整備の進行琵琶湖流域下水道計画に基づき、本件区域の属する彦根長浜処理区においては、昭和六〇年度までに処理場用地の買 活環境の保全及び公衆衛生の向上」を阻害する結果となる恐れがある。 (2) 下水道整備の進行琵琶湖流域下水道計画に基づき、本件区域の属する彦根長浜処理区においては、昭和六〇年度までに処理場用地の買収をほぼ完了し、一部施設の調査及び基本設計が行われた。昭和六一年度には処理施設の詳細設計が行われるとともに一部敷地造成工事に着手し、昭和六二年度より処理施設の本格的工事に着工するとともに幹線管渠工事の延長を行うものとされている。本件区域の多賀町は昭和六三年度より、愛知川町及び秦荘町は昭和六四年度より、甲良町及び豊郷町は昭和六六年度より、それぞれ着工の予定である。 また、愛東町及び湖東町においては農業集落排水事業(農村下水道)の実施が全町において計画されており、既に一部稼働している。 以上の点から、今後し尿及び浄化槽汚泥の収集運搬量は確実に減少することが見込まれる。 このような状況で、新規業者の営業を許可することは、将来、し尿及び浄化槽汚泥の収集運搬事業の縮小等に伴う補償費の出費を余儀なくされることとなり、組合の財政に多大の負担を課することになる。 既に、許可業者で組織する協同組合から補償救済について関係当局に対し陳情がなされでいる。 五判断過程被告は、運搬業許可不許可処分が被告かぎりでできるものであるところ、事柄の性質に鑑み昭和六二年六月一〇日、同月一九日の二回に渡って会議を開き、副管理者(管理者を除く本件区域内六町長)の意見を聞き、慎重に検討したうえ、以上の点から不許可処分をしたものである。 六よって、本件の運搬業許可申請は廃棄物処理法七条二項一号及び二号に適合しでいないと認め、不許可としたものであり、本件運搬業不許可処分は適法である。 2 本件清掃業不許可処分について(一) 既存四業者の経営圧迫による浄化槽法の目的不達成被告は、昭和五五 及び二号に適合しでいないと認め、不許可としたものであり、本件運搬業不許可処分は適法である。 2 本件清掃業不許可処分について(一) 既存四業者の経営圧迫による浄化槽法の目的不達成被告は、昭和五五年以来変わりなく、既存四業者に対し清掃業許可を与えており、既存四業者は本件区域内に所在する浄化槽を清掃する十分な施設と能力を備えている。 新規業者の営業を許可することは、既存四業者の経営を圧迫することによって業者間の過度の競争を招来し、ひいては浄化槽法の目的とする「生活環境の保全及び公衆衛生の向上」を阻害する結果となる恐れがある。 (二) 浄化槽法三六条二号ホに該当する浄化槽の清掃は、清掃の結果引き抜かれた汚泥(以下、浄化槽汚泥という)の収集運搬を伴うものであるが、これには運搬業許可を要するところ、原告は運搬業許可を受けておらず、また、被告は原告に対し、昭和六二年九月一七日に、運搬業許可業者と浄化槽汚泥の収集運搬について委託契約を締結し、その契約書の写しが提出されれば右事実を確認のうえ可否を決定する旨通知したが、原告は右契約を締結せず、右書類は提出されていない。 そうすると、仮に原告が清掃業許可を受けて、浄化槽清掃業を行おうとしても、清掃の結果引き抜かれた汚泥をその場に放置するか不正に投棄することになりかねず、公衆衛生上不適正な行為に出るおそれが強い。 よって、浄化槽法三六条二号ホに該当する。 (三) 判断過程等被告は、前記1(五)のとおり慎重な検討を行い、前記2(二)のとおり、運搬業が不許可である場合の浄化槽汚泥の処理方法について適切な方法を有するかどうかを調査検討したうえで清掃業不許可処分を確定的になしたものである。 (四) したがって、本件清掃業不許可処分は適法である。 四被告の主張に対する認否 1 本件運搬業不許可処分について被告の主張 うかを調査検討したうえで清掃業不許可処分を確定的になしたものである。 (四) したがって、本件清掃業不許可処分は適法である。 四被告の主張に対する認否 1 本件運搬業不許可処分について被告の主張1(一)は争う。 被告の主張1(二)のうち原告の申請が右計画に適合しないとする点は争う。 被告の主張1(三)の事実のうち、既存四業者に許可を与えてきたこと、昭和六一年度の実績は認め、その余の事実は否認する。 被告の主張1(四)の事実のうち、本件区域が琵琶湖流域下水道計画の対象地域であること及び愛東町、湖東町において農村下水道計画が実施されていることは認め、その余の事実は否認する。 被告の主張1(五)の事実は否認する。 被告の主張1(六)は争う。 2 本件清掃業不許可処分について被告の主張2(一)の事実のうち、既存四業者に許可を与えてきたことは認め、その余の事実は否認する。 被告の主張2(二)の事実のうち、浄化槽の清掃に収集運搬が伴うこと及び原告に運搬業許可並びに委託契約のいずれもないことは認め、その余の事実は否認し、法的主張は争う。 被告の主張2(三)の事実のうち、浄化槽汚泥の処理方法について適切な方法を有するか調査したことは認め、その余の事実は否認する。 被告の主張2(四)は争う。 五原告の反論 1 本件清掃業不許可処分及び運搬業不許可処分の必要性(一) 浄化槽清掃業の実態浄化槽の清掃は浄化槽を掃除し、汚物を抜き取り、新しい水を張ることから成るうえ、現在はバキューム車が使用され、その収集運搬まで行っているのが実態で、浄化槽汚泥の引き抜きにその収集運搬を伴わない清掃業は技術的には不可能である。 また、収集運搬を他業者に委託することは、経済的に採算が採れず、また、現実問題として競争業者に委託することは不可能であり、浄化槽汚泥の収集運搬は清掃業の付随的 わない清掃業は技術的には不可能である。 また、収集運搬を他業者に委託することは、経済的に採算が採れず、また、現実問題として競争業者に委託することは不可能であり、浄化槽汚泥の収集運搬は清掃業の付随的業務という関係にあるというのが実態であるからである。従って、清掃業許可だけ与えて運搬業許可を与えない場合には、清掃によって生じた浄化槽汚泥をその場に放置するか、または、不許可のままに収集運搬するか、不法に投棄することを余儀なくされる事態が生ずることにもなりかねない。 (二) 清掃業許可申請とあわせて当該業務にかかる浄化槽汚泥の運搬業許可申請がなされた場合には、一対のものとして同時に許可することが必要である。 法は清掃業許可だけがなされ運搬業が許可されないという事態を予定しておらず、そのような事態を生じさせる解釈運用は、「廃棄物を適正に処理し生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする」廃棄物処理法に全くそぐわない。まして、清掃業許可申請に対して、運搬業許可申請が不許可であることから「不正又は不誠実な行為を行うおそれがある」との規定に当てはめて清掃業についても不許可とすることは、清掃業許可制度を典型的な警察許可制度の一種であるとする通説判例の立場から到底許されない。浄化槽の清掃が市町村の自治事務とされず、浄化槽法が一定の技術上の基準に適合し、かつ、一定の欠格事由に該当しない限り、必ず許可する制度を設けた以上、市町村が清掃業者の「営業の自由」を不当に侵害してはならないことは言うまでもない。 廃棄物処理法七条および浄化槽法三六条を整合的に解釈すれば、被告は、清掃業許可申請とあわせて当該業務にかかる浄化槽汚泥の運搬業許可申請を受けた場合、運搬業務をあわせて行わなくとも、清掃業を行うについて支障がないだけの処理体制 法三六条を整合的に解釈すれば、被告は、清掃業許可申請とあわせて当該業務にかかる浄化槽汚泥の運搬業許可申請を受けた場合、運搬業務をあわせて行わなくとも、清掃業を行うについて支障がないだけの処理体制が整備されていない以上、従前の計画により浄化槽汚泥の収集運搬業務が支障なく処理されていることだけを理由として運搬業不許可処分をすることはできず、運搬業許可申請が廃棄物処理法七条二項三号、四号の要件を充足し、かつ、清掃業許可申請の要件を充足している場合には、両申請をあわせて許可し、浄化槽汚泥に関する処理計画はこれにあわせて変更しなければならないものと解すべきである。 (三) また、わが国の自由主義経済体制及び私的独占を禁止した独占禁止法の趣旨からして、許認可行政を通じて一定の取引分野において新規参入を制限し、当該分野における競争を制限する場合には、不許可処分は、処分の必要性が具体的でかつ明白でないかぎり違法となる。本件運搬業不許可処分は、既存四業者の圧力によりなされ、同業者の地域独占体制の維持に手を貸す結果となったものであるから、被告は既存四業者の既得権擁護をはかったものでなく公共のためにその必要があったことを主張すべきであり、収集運搬が支障なく行われているというだけでは足りないというべきである。 2 決定の先取りによる裁量権の不行使本件清掃業不許可処分及び運搬業不許可処分は既存四業者の圧力をうけ、その経営の保護を優先するあまり、原告の申請以前の時点で新規業者は許可しない方針を決定ずみであったのであって、本件清掃業許可申請及び運搬業許可申請について、新規参入の必要性、参入による既存業者の営業への打撃の有無、これを許可すれば、本件区域内の業務量を越えることになるか、将来の予測はどうか等について具体的な調査検討をなさないままに不許可を決定したものであ 参入の必要性、参入による既存業者の営業への打撃の有無、これを許可すれば、本件区域内の業務量を越えることになるか、将来の予測はどうか等について具体的な調査検討をなさないままに不許可を決定したものであるから、本件運搬業許可が仮に自由裁量であるとしても、その裁量権を誤って行使し、あるいは濫用した点で違法である。 3 本件運搬業不許可処分について(一) 廃棄物処理法七条二項一号、二号について(1) 廃棄物処理法七条二項一号については、組合で収集運搬処分をすることが困難であるために、既存四業者に許可を与えてこれに当たらせているのであるから、この要件には適合している。 (2) 同項二号については、被告が計画に適合しないというのは、単に既存四業者でまかなえるというだけのことであって、原告の新規参入を認めれば処理計画が狂って遂行できなくなるということまでもいっているものではない。組合自身、昭和六二年度の処理計画において年々浄化槽が異常に増加しつづけていることを強調し、その回答書においても新規業者の参入の必要性を自認している。したがって、この要件にも適合している。 (二) 既存四業者の収集運搬量について昭和五五年以降の既存四業者による浄化槽汚泥とし尿の運搬収集量の推移は別表3の処理量のとおりであり、昭和五五年度の一業者平均の浄化槽汚泥運搬収集量は約五〇五キロリットルであったものが、昭和六一年度には約九六四キロリットルと約一・九倍となっている。 よって、昭和五五年度の各業者平均約五〇五キロリットルが適正を運搬収集量とするならば、昭和六一年度までに三ないし四業者に新規参入させるべきであった。また、仮に昭和六一年度に新規に一業者に運搬業許可を与えたとしても一業者平均の浄化槽汚泥運搬収集量は約七七一キロリットルとなり、昭和五九年度の一業者平均の浄化槽汚泥運搬 新規参入させるべきであった。また、仮に昭和六一年度に新規に一業者に運搬業許可を与えたとしても一業者平均の浄化槽汚泥運搬収集量は約七七一キロリットルとなり、昭和五九年度の一業者平均の浄化槽汚泥運搬収集量約七六二キロリットルをうわまわる。したがって、原告に運搬業許可を与え、新規参入を認めたからといって、既存四業者の経営を圧迫することによって業者間の過度の競争を招来することはない。 かえって、既存四業者に限定しておくことは生活環境の保全及び公衆衛生の向上のためには許されない。 (三) 原告の新規参入により既存業者の経営を過度に圧迫するという状況はない(1) 本件の運搬業許可申請は、清掃業許可を得て清掃を行うだけでは、営業として採算が採れないため、浄化槽汚泥を運搬収集することができるようにするためになしたものである。 12 1本件区域内におけるし尿浄化槽の普及は昭和六一年度で組合の管轄する七町の総人口五万八六四五人に対し、浄化槽人口八八〇五人で一五パーセントにすぎない。今後、浄化槽の設置基数は後述のとおり増加する傾向にあるが、それを原告が全部独占することはありえず、既存四業者の収集運搬の持分も存続するのであるから、原告が新規に参入したからといって、既存業者の経営に打撃になることはない。 (3) し尿及び浄化槽汚泥の増加傾向(1) 本件区域内の浄化槽汚泥量の昭和六一年度の伸びは七・一パーセント(約二五五キロリットル増加)であり、年々増加する傾向にある。滋賀県下では、県下一円で、浄化槽設置基数は急カーブで上昇を続け、昭和六一年度で四万三六八八基に達している。これは、昭和三三年を一〇〇とした場合、実に一万二三七三(一二三倍)という増加率を示している。これは、水洗化による生活改善を希望する消費者の指向があり、他方滋賀県下の下水道が未普及であるというこ る。これは、昭和三三年を一〇〇とした場合、実に一万二三七三(一二三倍)という増加率を示している。これは、水洗化による生活改善を希望する消費者の指向があり、他方滋賀県下の下水道が未普及であるということから、必然的に家庭用浄化槽に依存せざるをえないということがもたらした現象であり、今後も増加する傾向にある。 (2) 合併浄化槽汚泥の増加滋賀県下の下水道の普及率は昭和六二年度では一七パーセントにすぎず、県内家庭の汚水汚泥のほぼ五分の四が垂れ流しとなり、琵琶湖の汚濁が進行している。そこで、滋賀県は、昭和六三年度九月県議会の家庭用合併処理浄化槽(以下、合併浄化槽という)普及促進決議もあって、合併浄化槽の設置を極力推進しつつある。また、厚生省も昭和六二年度から合併浄化槽設置補助制度を発足させ、補助金の三分の一ずつを国、県、市が負担することとなった。 合併浄化槽はし尿のみでなく、風呂、台所等からの排水を一緒に処理し、BOD二〇ppmというレベルで処理しようというものであることから、浄化槽に蓄積される汚泥も家庭用単独し尿浄化槽(以下、単独浄化槽という)と比べると増加するため、浄化槽汚泥の収集運搬量も増加することとなる。 以上から、合併浄化槽汚泥量は今後も目覚ましい勢いで増加することは必然である。 (3) 琵琶湖流域下水道計画本件区域は琵琶湖流域下水道計画の対象区域であり、彦根長浜処理区に属する。しかし、その整備状況は、彦根市内の浄化センター施設工事は着工したばかりであるうえ、昭和六二年度において管渠延長三・六キロメートル、累計四・七キロメートル、全体計画第一期で一〇〇・九一〇キロメートルの四・七バーセントにすぎず、特に、本件区域に接続する幹線は、わずかに多賀幹線が六二年度末で〇・七キロメートル、外の幹線は全くの未着手の状況にある。管渠延長をとっても、 期で一〇〇・九一〇キロメートルの四・七バーセントにすぎず、特に、本件区域に接続する幹線は、わずかに多賀幹線が六二年度末で〇・七キロメートル、外の幹線は全くの未着手の状況にある。管渠延長をとっても、昭和六〇年度から六三年度まで四年間で一一・五キロメートルにすぎないから、一年でわずかに二・九キロメートルにすぎない。 このままのテンポで進行すれば、一〇幹線一〇〇キロメートルに達するには、実に三五年を必要とすることになる。現に、最末端に位置する湖東町、愛東町は、流域下水道の到達を待っていてはあまりにも長期間を要することを見込んで、早くから、彦根長浜処理区から事実上脱退して、農村下水道の供給に踏み切っている。 したがって、本件区域に下水道が普及することにより、浄化槽が減少することは遠い将来のことであり、浄化槽汚泥は今後増加の一途をたどることは明らかである。 (4) 以上のとおり、本件区域内では、一般家庭は今後し尿浄化槽を設置し、浄化槽汚泥はますます急速に増加する傾向にある。 (4) また、自家処理人口が毎年半分以下に減っていく傾向があることから、運搬業の対象となるし尿そのものも増えることになる。 (5) 以上からして、原告が新規参入しても、既存四業者との適度の競合は可能である。 (四) 組合し尿処理施設の処理能力の余力組合が設置するし尿処理施設は、日量八〇キロリットルの処理能力がある。したがって、年間二万九二〇〇キロリットルの処理能力があり、既存四業者による年間処理契約量二万三〇九五キロリットルに比べてもはるかに余力がある。そして、本件区域の汲み取り対象人口四万九八四〇人のうち計画収集人口は三万六八八九人であり、一人一日に排出するし尿の量は一・二リットルであるから、汲み取り収集によるし尿の処理量は一日四三・二キロリットルとなる。そうすると、八〇キロリ 四万九八四〇人のうち計画収集人口は三万六八八九人であり、一人一日に排出するし尿の量は一・二リットルであるから、汲み取り収集によるし尿の処理量は一日四三・二キロリットルとなる。そうすると、八〇キロリットルから四三・二キロリットルを差し引いた残り三六・八キロリットルが浄化槽汚泥を処理できることになる。まして、浄化槽汚泥は汲み取りし尿に比べ、量のうえでも回数(年一回)のうえでもはるかに少ないのであるから、処理能力の余力はなおさらあることになる。 よって、し尿処理施設の処理能力の余力からしても、本件申請を拒否する理由はない。 (五) 浄化槽設置者等の利益(1) 高料金負担浄化槽の維持管理料金は、財団法人滋賀県浄化槽協会に支払う法定検査料金と民間業者に支払う清掃汲み取り料金とから成る。このこと自体が住民にとっては二重負担高料金化の原因になっている。浄化槽の清掃維持管理の最終責任は設置者にあり、設置者が適当と思われる業者を選択して、清掃汲み取りの管理契約を結ぶことになっている。しかし、現実には業者が少なく、収集区域が限定されているため(地域によっては、一業者しか許可されていない)、あるいは、新規参入が不当に押さえられているための事実上の地域独占体制によって自由競争原理が働いていない。滋賀県環境整備事業協同組合による基準料金表があるが、拘束性はなく、しかも単独し尿浄化槽のみに適用されるにすぎない。 このため、下水道料金よりもはるかに高い浄化槽の維持管理料金が住民に押し付けられているのが実情である。また、適正な自由競争によるサービスの向上を妨げることにより公衆衛生を阻害することになる。 (2) したがって、本件申請に対して、既存四業者の経営維持を過度に配慮して不許可とすることは、設置者の業者選択の自由の幅を狭め、ひいては、申請者たる清掃業者の職業選 公衆衛生を阻害することになる。 (2) したがって、本件申請に対して、既存四業者の経営維持を過度に配慮して不許可とすることは、設置者の業者選択の自由の幅を狭め、ひいては、申請者たる清掃業者の職業選択の自由、営業の自由を過度に規制するものであるから、本件運搬業不許可処分は憲法にも違反し、無効である。 (六) 補償について下水道普及により既存四業者が廃業する場合の補償は義務づけられたものではないし、補償した例もない。また、許可にあたって「将来廃業しても補償を要求しない」との条件をつければよいのであり、現に右のような条件をつけている例もある。したがって、補償の必要性ということは不許可の理由とはならない。 4 本件清掃業不許可処分について(一) 清掃業許可は覊束裁量浄化槽法三五条による清掃業許可制度は、本来それ自体で処理する機能をもつ浄化槽の清掃等の維持管理であることから、法はこれを市町村の自治事務とすることなく一定の基準(技術適合基準、欠格事由不該当)に達したものは許可するものであり、その許可要件の認定には裁量が認められない。 本件清掃業不許可処分のように、新規業者の参入は既存業者の経営を圧迫するという既存業者の保護を理由とすることは、法律に違反し、違法である。 (二) 浄化槽法三六条二号ホ(1) 浄化槽法三六条二号ホにいう「不正又は不誠実な行為をするおそれ」とは、その業者が不正又は不誠実な行為をしたとかの過去の実績に関することや、その規模能力から見て誠実に業務を遂行する能力がない等の事情から判断される事柄であって、同号イ、ロ、ハ、ニの事項に準ずる内容の一般的条項であり、委託契約書を提出しないからといって、この条項を根拠に不許可にすることは法の適用を誤っている。 (2) 加えて、清掃業不許可処分時には、不許可理由として浄化槽法三六条二号ホに 容の一般的条項であり、委託契約書を提出しないからといって、この条項を根拠に不許可にすることは法の適用を誤っている。 (2) 加えて、清掃業不許可処分時には、不許可理由として浄化槽法三六条二号ホに該当するということは考慮されていなかったものである。 第三証拠(省略)○ 理由一請求原因について請求原因1の事実はすべて当事者間に争いがない。 二裁量権の範囲等 1 し尿浄化槽清掃業については、浄化槽法三六条において、客観的な技術上の基準に適合すること(同条一号)、欠格事由に該当しないこと(同条二号)を許可要件として定めるに止まり、また、右許可制度の趣旨は、清掃業は、本来それ自体で処理する機能をもつ浄化槽の内部の清掃等の維持管理にあることから、地方自治法はこれを市町村の責務とせずに、ただ、専門的知識、経験を持ち必要な器材を有する者によって浄化槽が適正に維持管理がなされなければ市町村の生活環境の保全及び公衆衛生の向上に多大の影響を及ぼす可能性が高いため、主として技術的観点から許可要件を定め、この要件を満たした者に限ってその業務をなしうべきものとすることにあるので、市町村長等は右要件を充足していると認められる限りは必ず許可すべき拘束を受けるものと解すべきである。 他方、一般廃棄物処理業については、廃棄物処理法七条二項三号、四号において浄化槽法三六条一号、二号と同趣旨の要件を定めるほか、さらに廃棄物処理法七条二項一号において当該市町村による処理の困難性、同項二号において当該市町村の定めた処理計画との適合性という相当幅の広い要件が加えられており、また右許可制度の趣旨は、浄化槽内のし尿等も含め一般廃棄物を一定の計画に従って収集、処分することは、生活環境の保全及び公衆衛生の向上をはかることを目的とする市町村の責務(地方自治法二条九項、同法別表第二、 可制度の趣旨は、浄化槽内のし尿等も含め一般廃棄物を一定の計画に従って収集、処分することは、生活環境の保全及び公衆衛生の向上をはかることを目的とする市町村の責務(地方自治法二条九項、同法別表第二、二(十一))であるが、これをすべて市町村がみずから処理することは実際上不可能であるため、許可を与えた業者をして代行させることにより、自ら処理したのと同様の効果を確保しようとすることにあるので、右許可を与えるかどうかは、廃棄物処理法の目的と当該市町村の処理計画に照らし、市町村の汚物処理事務の円滑な遂行に必要適切であるか否かという観点から決定すべきもので、その意味において市町村長等には広範な裁量権が与えられていると解すべきである。 2 両許可制度の在り方原告は浄化槽の清掃はバキューム車を利用して行われ、技術的経済的要請から必然的に浄化槽汚泥の収集運搬を伴うこと、他の業者に浄化槽汚泥の収集運搬のみを委託することは競業関係にあるため現実的には不可能であることから、清掃業の許可申請と右浄化槽の清掃の結果出た浄化槽汚泥を収集運搬することを目的とする運搬業許可申請がなされ、清掃業許可申請が浄化槽法三六条一号の要求する技術的要件を満たしているにもかかわらず、運搬業許可申請が処理計画に適合しないという理由で運搬業許可が得られないことや他業者への運搬収集の委託契約がないことなどから、浄化槽法三六条二号ホに該当するとして、清掃業許可申請をも不許可とすることは、結局のところ、運搬業に対する裁量権の行使により、浄化槽法が清掃業許可を覊束裁量にかからせたことを変更し、清掃業者の営業の自由や浄化槽設置者の業者選択の自由を不当に制約するものであり、むしろ、清掃業許可をしたうえ、右許可にあわせて処理計画も変更すべきであると主張する。 ところで、浄化槽汚泥も一般廃棄物(廃棄物処 営業の自由や浄化槽設置者の業者選択の自由を不当に制約するものであり、むしろ、清掃業許可をしたうえ、右許可にあわせて処理計画も変更すべきであると主張する。 ところで、浄化槽汚泥も一般廃棄物(廃棄物処理法二条)であるところ、昭和五三年までは当時の廃棄物処理法施行規則二条二号により、清掃業許可を受けた浄化槽清掃業者が浄化槽汚泥の運搬業を行う場合には、同法七条一項の許可を必要としないとされていた。しかし、右規定は昭和五三年八月一〇日厚生省令五一号により廃止された。右省令の趣旨は、浄化槽が一般家庭に普及したことに伴い、浄化槽汚泥処理の市町村における一般廃棄物処理事業に占める割合が増加したので、清掃業許可を受けた浄化槽清掃業者が清掃後の浄化槽汚泥の収集運搬または処理を行うに当たっては、浄化槽汚泥の収集運搬または処理を事業の範囲とする運搬業の許可を要することとして市町村の処理計画との整合性を図ることにある。したがって、市町村には浄化槽汚泥を収集運搬処分する責任があり、清掃業の専門性に鑑みて清掃業の資格を有する者にのみ、浄化槽汚泥の収集運搬を代行させることによって、浄化槽汚泥の収集運搬と市町村の処理計画との整合性を図り、もって前記廃棄物処理法の目的を達成する責務があるというべきである。 仮に、原告主張のように清掃業許可申請があるごとに処理計画を変更すべきであるとすると、収集運搬の対象となるべきし尿及び浄化槽汚泥量には限度があることから、業者間の競争の激化を招き、特定の日に市町村の処理能力を越えた汚泥が処理施設に持ち込まれるといった事態を招来することにもなり、市町村の汚物事務の円滑な遂行のために汚物の受入れ能力を定めた処理計画を無用のものにし、さらには過度の競争の結果業者の設備の低下等による処理計画の破綻をもたらすことにもなる。また、右申請ごとに既存業 町村の汚物事務の円滑な遂行のために汚物の受入れ能力を定めた処理計画を無用のものにし、さらには過度の競争の結果業者の設備の低下等による処理計画の破綻をもたらすことにもなる。また、右申請ごとに既存業者の業務範囲を減少させることは利益処分撤回制限の法理から見ても問題がある。 したがって、運搬業許可にあって、清掃業業務を中心に据えて清掃業許可との整合性をもたらせるように裁量権を制約すべきでははないというべきである。 三本件運搬業許可について 1 成立に争いのない乙第二号証、第六号証、証人Aの証言により真正に成立したと認められる乙第二一号証、第二二号証、証人C、同Aの各証言及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 (一) 被告は本件清掃業許可申請及び運搬業許可申請を受けて、被告及び同人を除く組合を構成する六町の町長から成る副管理会の議会に諮問したところ、右議会は、昭和六二年六月一〇日及び同月一九日の各審議を経て、議会の議長、副議長、組合における総務建設各常任委員会正副委員長の意見も聴取したうえ、本件運搬業許可申請書、組合の処理量及び処理計画などの収集状況、住民からの苦情状況、既存四業者からの不許可の要望などを検討した結果、右議会は既存四業者で組合のし尿及び浄化槽汚泥は支障なく処理されているので、不許可という方向でおおよその合意に達したこと。 (二) 被告は右処理計画、既存四業者によって組合のし尿及び浄化槽汚泥が支障なく運搬収集されてきたという過去の実績、従前既存四業者にし尿及び浄化槽汚泥の処理を依存してきたという経緯からくる既存四業者の既得利益に対する配慮、琵琶湖流域下水道及び農村下水道の普及による既存四業者に対する救済措置の必要性、副管理者会の意向などを考慮して本件運搬業不許可処分をしたもので、原告主張のように既存四業者の保護のみを に対する配慮、琵琶湖流域下水道及び農村下水道の普及による既存四業者に対する救済措置の必要性、副管理者会の意向などを考慮して本件運搬業不許可処分をしたもので、原告主張のように既存四業者の保護のみを考慮して右処分をしたものではない。 2 当事者間に争いがない事実と前掲乙第六号証、成立に争いのない甲第一号証、第三号証、第五号証、第六号証の二、第七号証ないし第九号証、乙第一一号証、第一三号証ないし第一八号証(但し、第一三号証及び第一七号証の手書き部分は証人Cの証言により真正に成立したと認められる)、証人Cの証言により真正に成立したと認められる乙第八号証、第九号証、第一九号証、証人Aの証言により真正に成立したと認められる乙第二〇号証、証人B、同C、同Aの各証言及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められ、且つ以下のとおり考察される。 (一) 組合のし尿処理施設の処理能力は日量八〇キロリットルであり、その内訳は設計段階ではし尿六八キロリットル、浄化槽汚泥一二キロリットルである。 (二) 組合の昭和六二年度一般廃棄物処理計画は、本件区域内の年間収集量がし尿一万八九九八キロリットル、浄化槽汚泥三六七三キロリットル、農村下水道汚泥四一四キロリットル、合計二万三〇八五キロリットルと予定し、これを別紙1のとおり既存四業者で収集運搬するものとしていた。 (三) 組合は昭和四九年に設立され、従前はし尿及び汚泥は投棄していたところ、昭和五四年九月からはし尿処理施設を設けて既存四業者のし尿及び浄化槽汚泥の搬入を認めたうえ組合自ら処分するようになった。被告は、昭和五五年以降既存四業者に右各許可を与え続けてきた。 また、住民からの苦情も、汲み取りになかなか来てもらえないという旨のものが、組合あるいは組合を構成する各町の町長に年間一、二件あるに止まった。 (四) 昭和五五年 四業者に右各許可を与え続けてきた。 また、住民からの苦情も、汲み取りになかなか来てもらえないという旨のものが、組合あるいは組合を構成する各町の町長に年間一、二件あるに止まった。 (四) 昭和五五年度以降昭和六一年度までの本件区域内の処理量の推移は別紙3のとおりであり、昭和五六年度以降昭和六三年度までの既存四業者の収集運搬設備等の推移は別紙2のとおりである。処理量は年々増加する傾向にあるものの、たとえば昭和五八年度から六一年度までの間に処理量は三四一二キロリットル増加しているが、既存四業者合わせて積載量一〇キロリットル、保有のバキューム車数一台を増加したに止まり、また、処理量の増加が大きかった昭和五八年度及び昭和六〇年度は設備に変化がなく、昭和六一年度に積載量が四キロリットル増加しているに止まる。したがって、既存四業者は設備を大きく変更することなく、運搬収集量の増加に対処してきた。 (五) 昭和六〇年度及び昭和六一年度の本件区域の人口構成を見ると、昭和六〇年度の本件区域内の計画収集人口五万八八七一人、浄化槽人口は八二二一人、非水洗化人口五万〇六五〇人、非水洗化人口中計画収集人口三万四一五九人、同自家処理人口一万六四九一人であり、昭和六一年度の本件区域内の計画収集人口五万八六四四人、浄化槽人口は八八〇四人、非水洗化人口四万九八四〇人、非水洗化人口中計画収集人口三万六八八九人、同自家処理人口は一万二九五一人であり、昭和六〇年度に比べ昭和六一年度は本件区域内の計画収集人口二二七人減少、浄化槽人口五八三人増加、非水洗化人口八一〇人減少、非水洗化人口中計画収集人口二七三〇人増加、同自家処理人口三五四〇人減少という結果となっている。したがって、前記(四)も考慮すると、本件区域内では、自家処理人口が計画収集人口及び浄化槽人口に転換することによっても収 収集人口二七三〇人増加、同自家処理人口三五四〇人減少という結果となっている。したがって、前記(四)も考慮すると、本件区域内では、自家処理人口が計画収集人口及び浄化槽人口に転換することによっても収集運搬量が増加しているものと思われる。 (六) 滋賀県における一人当たりのし尿量は、昭和四六年度には年間約〇・五四キロリットルであったものが、昭和六一年度には〇・六四キロリットルになっており、年々増加する傾向で、これによっても収集運搬量が増加しているといえる。 (七) 昭和六〇年度及び昭和六一年度の実績では、本件区域における一人当たりの年間のし尿量約〇・五一キロリットル、浄化槽汚泥量約〇・四四キロリットルであり、組合の昭和六二年度の予測ではし尿量約〇・五五キロリットル、浄化槽汚泥量は約〇・四四キロリットルである。したがって、今後は単純浄化槽により水洗化する場合は収集運搬量は減少する。 (八) 合併浄化槽はし尿のみならず生活雑排水をも処理し、しかもBOD除去率を九〇パーセントとするので、し尿のみを処理し、しかもBOD除去率を六五パーセントとする単独浄化槽の汚泥量に比べ合併浄化槽の汚泥量は五・三倍になる。 本件区域は琵琶湖下水道計画の対象地域であるが、後記のとおりその整備が当分見込めない地域であるため、また、農村下水道計画の対象区域でも幹線から離れたところに住も住民(その数は一集落に二ないし三戸程度に止まる)は合併浄化槽設置補助制度の対象となり、浄化槽設置者は設置費用の二分の一を補助してもらえる. 他方、合併浄化槽の設置費用は七〇ないし一五〇万円であって、単独浄化槽に比べ三ないし五倍高額であり、滋賀県では合併浄化槽設置を進める行政指導は一般家庭や小規模事務所に対してはしておらず、また、一般的に浄化槽の設置は新築の際なされることが非常に多いことから、本件区 槽に比べ三ないし五倍高額であり、滋賀県では合併浄化槽設置を進める行政指導は一般家庭や小規模事務所に対してはしておらず、また、一般的に浄化槽の設置は新築の際なされることが非常に多いことから、本件区域内で合併浄化槽の設置基数が今後著しく増加し、その結果浄化槽汚泥が急速に増加するとは考えられない。 (九) 本件区域は琵琶湖流域下水道計画の対象地域で、彦根長浜処理区に属しているが、その進捗状況は、昭和六一年度に彦根市内の浄化センター施設工事は着工したばかりであるうえ、昭和六二年度において管渠延長三・六キロメートル、累計四・七キロメートル、全体計画第一期で一〇〇・九一〇キロメートルの四・七パーセントにすぎず、特に、本件区域に接続する幹線は、わずかに多賀幹線が昭和六二年度末で〇・七キロメートル、外の幹線は全くの未着手の状況にある。管渠延長をとっても、昭和六〇年度から昭和六三年度まで四年間で一一・五キロメートルにすぎない。したがって、右計画によっては当分の間収集運搬量が減少することはない。 (一〇) 愛東町、湖東町及び秦荘町常安寺地区においては農村下水道計画が実施されている。計画対象人口は愛東町五八六八人、湖東町一万一四二〇人、秦荘町常安寺地区二一〇人、合計一万七四九八人、昭和六一年度までに供用開始を受けているのは愛東町五七六人、湖東町一一〇二人、秦荘町常安寺地区二一〇人、合計一八八八人である。農村下水道はし尿のみならず生活雑排水をも処理し、しかもBOD除去率を概ね九〇バーセントとするものであって、いわば合併浄化槽の集団化したものであるから、農村下水道汚泥量は単純浄化槽汚泥量よりも多く、また、運搬収集の対象となる。他方、湖東町においては平成二年から、他の地域でも将来的にはコンポスト化によって、農村下水道汚泥は収集運搬の対象ではなくなる。したがって 量は単純浄化槽汚泥量よりも多く、また、運搬収集の対象となる。他方、湖東町においては平成二年から、他の地域でも将来的にはコンポスト化によって、農村下水道汚泥は収集運搬の対象ではなくなる。したがって、農村下水道計画は数年間は収集運搬量を増加させるものと考えられる。 (二) 本件区域の人口増加は急激ではない。また、下水道の普及が後れているため、浄化槽を設置して水洗化を計ろうとする指向がある。 (三) したがって、今後も、本件区域では、自家処理人口の計画収集人口、浄化槽人口、農村下水道人口への転換、し尿自体の増加、人口の増加、合併浄化槽設置基数の増加、コンポスト化を伴わない農村下水道の普及により収集運搬量が増加する見込みがあるが、他方、自家処理人口や計画収集人口の単純浄化槽人口への転換、合併浄化については費用負担や設置が新築の際なされることが多いこと、農村下水道についてはコンポスト化、人口が急増するとは考えられないことなどの、減少要因や緩和要因も併存しているので、従前に比べてその急激な増加を予測することは困難であり、本件運搬業許可申請が処理計画に適合せず、既存四業者の過去の実績に照らし、本件区域内し尿及び浄化槽汚泥の収集運搬が支障なく実行できるとした被告の判断は相当である。 3 以上を総合すると、原告の運搬業許可申請が、廃棄物処理法七条二項一号及び二号に適合していないとしてなした本件運搬業不許可処分は適法というべきである。 4 原告は、許認可行政を通じて一定の取引分野において新規参入を排除し、当該分野における競争を制限し、営業の自由や浄化槽設置人の業者選択の自由などを制限する場合には、不許可処分は、そうすることの必要性が具体的でかつ明白でないかぎり原則として違法となるべきであるところ、本件運搬業不許可処分は新規参入を拒否し、不許可とすべき積極的 択の自由などを制限する場合には、不許可処分は、そうすることの必要性が具体的でかつ明白でないかぎり原則として違法となるべきであるところ、本件運搬業不許可処分は新規参入を拒否し、不許可とすべき積極的理由がなんらないうえ、本件運搬業申請を許可した場合に組合の浄化槽汚泥の収集運搬がより適切に実現されるかについて全く判断していないので裁量権の行使に誤りがあるか、これを濫用したもので違法であると主張する。 しかしながら、前示のとおり裁量基準として一定の技術的水準を有することなどの他に、いかなる基準によるべきかは市町村の汚物事務処理の円滑な遂行に必要適切か否かという観点から決せられるべきであり、既存四業者によりし尿及び浄化槽汚泥の収集運搬が支障なく実行できるか否かの判断により運搬業許可申請の許否を決することは、結局のところ市町村が自ら地域内のし尿及び浄化槽汚泥の収集運搬をしたと同一の成果が得られるかを判断しているものであって、法の趣旨目的に反することなく、被告の裁量権の行使が恣意的であるとはいえず、適法として許される範囲内のものであるから原告の右主張は理由がない。 四本件清掃業許可について 1 前記のとおり清掃業許可制度は覊束裁量制度であるから、被告主張の既存四業者の経営圧迫による法目的の不達成のおそれといった事情を考慮して不許可とすることはできない。 2 浄化槽の清掃は必然的に清掃の結果引き抜かれた浄化槽汚泥の収集運搬を伴うことは当事者間に争いがない。そして、浄化槽清掃業者が自ら処分できるか、運搬業許可を得るか運搬業許可業者と浄化槽汚泥の収集運搬の契約を締結するのでなければ、結局浄化槽汚泥をその場に放置するか不正に投棄することになり、その業務に関し不正又は不誠実な行為をすることになるので、浄化槽法三六条二号ホに該当することになる。 3 成立に争 締結するのでなければ、結局浄化槽汚泥をその場に放置するか不正に投棄することになり、その業務に関し不正又は不誠実な行為をすることになるので、浄化槽法三六条二号ホに該当することになる。 3 成立に争いのない乙第一号証の一ないし一三及び弁論の全趣旨によれば、原告に自ら浄化槽汚泥を処分する能力がないことは明らかである。そして、被告は本件清掃業不許可処分後の昭和六二年九月一七日にではあるが、原告が運搬業許可業者との間で浄化槽汚泥を収集運搬するについでの契約を締結することができれば清掃業許可を与える旨を原告に通知し、結局、原告は右契約を締結できなかったことも当事者間に争いがない。 これにより、被告は原告が浄化槽汚泥を適法に処理する方途を有するか否かの調査検討をしたものであって、本件清掃業不許可処分の瑕疵は治癒されたものと考えられる。 4 したがって、浄化槽法三六条二号ホに該当するとしてなした本件清掃業不許可処分は適法というべきである。 五以上の次第で、原告の各請求はいずれも理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担について、行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。
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