平成23(行コ)279 懲戒処分取消等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成24年10月31日 東京高等裁判所
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判決文本文91,884 文字)

- 1 -平成24年10月31日判決言渡平成23年(行コ)第279号懲戒処分取消等請求控訴事件 主文 1 原判決中控訴人P1,同P2,同P3,同P4,同P5,同P6,同P7,同P8,同P9,同P10,同P11ことP12,同P13,同P14,同P15ことP16,同P17,同P18,同P19,同P20,同P21,同P22,同P23に関する部分を次のとおり変更する。 (1) 東京都教育委員会が,別紙2懲戒処分等一覧表の「処分日」欄記載の日付で,上記1の各控訴人らに対して行った同一覧表の「処分内容」欄記載の各懲戒処分(ただし,同一覧表記載番号「30-1」,「32-1」,「49-1」の懲戒処分を除く。)をいずれも取り消す。 (2) 上記1の控訴人らのその余の請求をいずれも棄却する。 2 上記1の控訴人らを除くその余の控訴人らの本件各控訴をいずれも棄却する。 3 控訴人P6,同P8及び同P17と被控訴人との間に生じた訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを4分し,その3を同控訴人らの負担とし,その余を被控訴人の負担とし,上記1の控訴人らのうち上記3名を除く控訴人らと被控訴人との間に生じた訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを2分し,その- 2 -1を同控訴人らの負担とし,その余を被控訴人の負担とし,その余の控訴人らの控訴費用は,同控訴人らの 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを2分し,その- 2 -1を同控訴人らの負担とし,その余を被控訴人の負担とし,その余の控訴人らの控訴費用は,同控訴人らの負担とする。 事実 及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決中控訴人らに関する部分を取り消す。 2 東京都教育委員会が,別紙2懲戒処分等一覧表の「処分日」欄記載の日付で,各控訴人に対して行った同一覧表の「処分内容」欄記載の各懲戒処分(ただし,同一覧表記載番号「21-2」の懲戒処分を除く。)をいずれも取り消す。 3 被控訴人は,控訴人らに対し,各控訴人に対応する別紙2懲戒処分等一覧表の「請求金額」欄記載の金員及びこれに対する平成19年10月11日(訴状送達日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は,東京都教育委員会(以下「都教委」という。)が,東京都内の都立高等学校又は都立養護学校の教職員であった控訴人らについて,平成17年3月4日から平成18年4月7日までの間に控訴人らの所属校で行われた卒業式又は入学式(以下「卒業式等」という。)において,各所属校の校長(以下「本件各校長」という。)から,事前に,① 国旗に向かって起立し,国歌を斉唱することを命ずる職務命令を受けていたにもかかわらず,国歌斉唱時に起立せず(控訴人P24及び同P25を除く控訴人らの関係),②国歌斉唱時にピアノによる国歌の伴奏をすることを命ずる職務命令を受けていたにもかかわらず,ピアノ伴奏を行わなかった(控訴人P24及び同P25の関係)のは,地方公務員法(以下「地公法」という。)32条,33条に違反するとして,地公法29条1項1号ないし3号に基づき,控 いたにもかかわらず,ピアノ伴奏を行わなかった(控訴人P24及び同P25の関係)のは,地方公務員法(以下「地公法」という。)32条,33条に違反するとして,地公法29条1項1号ないし3号に基づき,控訴人らに- 3 -対し,別紙2懲戒処分等一覧表の「処分日」欄記載の日付で,同一覧表の「処分内容」欄記載の各懲戒処分(以下,各懲戒処分を併せて,「本件各処分」という。)をしたことから,控訴人らが,本件各処分は憲法13条,19条,20条,23条,26条,31条,教育基本法(ただし,平成18年法律第120号による改正前のもの。以下同じ。)10条1項に違反するなどと主張して,本件各処分(ただし,同一覧表の番号「21-2」の懲戒処分を除く。)の取消しを求めるとともに,本件各処分により精神的苦痛を被ったと主張して,都教委の設置者である被控訴人に対し,国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき,損害賠償(慰謝料)を求める事案である。 2 原審は,控訴人らの請求はいずれも理由がないとして,これを棄却した。 そこで,控訴人らが,これを不服として,本件各控訴を提起した。なお,原審共同原告であったP26及び同P27は,原審の敗訴判決に対して控訴を提起しなかった。 3 前提事実,争点及び争点に関する当事者の主張は,次のとおり補正し,当審における当事者の主張を後記4及び5のとおり加えるほかは,原判決の「事実及び理由」中「第2 事案の概要等」の2及び3並びに「第3 争点に関する当事者の主張」のうちの控訴人らと被控訴人に関する部分に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決12頁6行目の「(以下,これを「本件不伴奏」という。)」を「(以下,国家斉唱時にピアノ伴奏をしないことを「不伴奏」といい,上記控訴人2名のピアノ不伴奏を「本件不伴奏」と 用する。 (1) 原判決12頁6行目の「(以下,これを「本件不伴奏」という。)」を「(以下,国家斉唱時にピアノ伴奏をしないことを「不伴奏」といい,上記控訴人2名のピアノ不伴奏を「本件不伴奏」という。)」に改め,8行目の「略称し,」の次に「不伴奏と,併せて「不起立等」といい,」を加え,18行目の次に行を改めて次のように加える。「ウ(ア) 控訴人P10は,都立P28養護学校の平成15年度の卒業式(平成16年3月24日)において起立斉唱するよう同校長から職- 4 -務命令を受けたが,これに従わなかったとして,都教委から平成16年4月6日付けで,減給処分10分の1・1月の(以下「P10先行減給処分」という。)を受けた。 (イ) 最高裁判所は,平成24年1月16日,P10先行減給処分を取り消す旨の判決をした(最高裁平成○年(行ツ)第○号,同年(行ヒ)第○号平成24年1月16日第一小法廷判決(裁判所時報1547号10頁。以下「最高裁平成24年判決②」という。)。」(2) 原判決54頁9行目の「最高裁平成8年3月8日判決・民集50巻3号469頁」を「最高裁平成8年3月8日第二小法廷判決・民集50巻3号469頁(以下「最高裁平成8年判決」という。)」に改める。 4 当審における控訴人らの主張(1) 本件各職務命令の発令につき本件各校長に裁量がなかったことについて本件通達の発出をめぐる議論の経過や本件通達発出後の都教委の本件各校長に対する指導態様,及び,例外なく全ての都立学校で包括的職務命令が発せられ,2校以外は全て文書による個別職務命令が発せられたという事実等に鑑みると,本件各校長が,本件通達発出後,本件実施指針の定める卒業式等の実施のために職務命令を発する必要性を自ら判断して控訴人らに対する本件 外は全て文書による個別職務命令が発せられたという事実等に鑑みると,本件各校長が,本件通達発出後,本件実施指針の定める卒業式等の実施のために職務命令を発する必要性を自ら判断して控訴人らに対する本件各職務命令を発したとの事実はない。この事実は多くの校長経験者の証言等からも明らかである。 (2) 本件通達の発出の真の意図について都教委は,平成11年通達における国旗国歌条項にいう「指導」とは,国旗掲揚,国家斉唱という集団行動を「学校が実施する」ということであり,そのような集団行動に「教職員や生徒の参加を求めること」ではないと理解していた。そして,都立学校における国旗掲揚,国歌斉唱の実施率- 5 -は,平成12年度卒業式等以降100%になったから,都教委としては,当時において,国旗国歌条項における指導上の課題はなくなっていた。 にもかかわらず,本件通達が発出されたのは,平成▲年に都知事に就任したP29やその任命に係る教育長らが,教職員に国旗国歌を強制するといった偏った政治信念を有していたためである。本件通達,更に本件各職務命令は,国旗国歌条項についての都教委の指導による改善が見られなかったため発せられたものではなく,国旗国歌という国家シンボルに「敬意を表明」することができないという教職員の世界観・歴史観や教育観,信仰に対する否定的評価をし,これらの者に制裁を加えるといった政治的意図をもって発せられたものである。したがって,本件通達は,平成11年通達と質的に異なり,その延長線上に位置付けられるものではない。 (3) 公権力が国家シンボルに対する特定の行為を強制することは許されないことについてア国家シンボルに対する特定の具体的行為(国歌を起立して斉唱する,国歌をピアノで伴奏するなど)を公の儀式で行うことを唯一正 家シンボルに対する特定の行為を強制することは許されないことについてア国家シンボルに対する特定の具体的行為(国歌を起立して斉唱する,国歌をピアノで伴奏するなど)を公の儀式で行うことを唯一正しいことと決め付け,これを国民に強制することは,国民に対する国家への統合の強制であり,個人の尊厳を否定するものであるから,立憲主義に反し,客観的に違法である。 イ最高裁判例によれば,個人が自主的に決定すべき事柄等については,多数決原理によっても協力義務を課すことができないところ,個人が国家シンボルとどのように向き合うかは個人が自由に決定すべき事柄であるから,多数決原理をもって国家への帰属に肯定的な価値を認め,国家を中心に個人を肯定する考えや態度を強制することは許されない。 アメリカ連邦最高裁は,国家シンボルを尊重しつつも,これに対する儀礼的行為を国民に強制することは違憲である旨一貫して判断している。 (4) 起立斉唱等の義務付けは憲法19条に反することについて- 6 -ア(ア) 憲法19条は個々人の思想及び良心の自由を保障したものであるから,一般的,客観的に見て思想及び良心との結び付きが認められない行為であっても,当該個々人が個別的,主観的に「思想及び良心」と結び付くと考える行為については,これを公権力により強制することは,その個人の思想及び良心と抵触することになる。 したがって,一般的客観的基準により思想及び良心の自由の保護範囲を画定するのは誤りである。 (イ) 上記(ア)によれば,儀礼的所作であっても,これを強制することは,当該強制を受ける個人との関係で,思想及び良心の自由の制約の問題になる場合がある。 (ウ) 思想及び良心の自由につき,直接的制約と間接的制約に分けて考えることは,合憲性審査基準の 制することは,当該強制を受ける個人との関係で,思想及び良心の自由の制約の問題になる場合がある。 (ウ) 思想及び良心の自由につき,直接的制約と間接的制約に分けて考えることは,合憲性審査基準の適用回避となり,両者の区別が判然としないから,有害無益であり,間接的にせよ公権力による思想及び良心の自由に対する制約がある場合には,当該制約が憲法上許容されるか否かは,厳格な合憲性審査基準によって審査されなければならない。 イ思想及び良心の自由は,精神的自由の中枢に位置し,個人の尊厳を支える不可欠の条件であるから,その自由の保障は絶対的なものであり,制約が正当化できるかどうかは厳格な合憲性審査基準により判断されるべきである。 いわゆる猿払事件の最高裁判決(最高裁昭和49年11月6日大法廷判決・刑集28巻9号393頁)の合憲性審査基準である目的審査,目的と手段の関連性審査,利益均衡の審査によると,本件通達及び本件各職務命令は,控訴人らの思想及び良心の自由を侵害するものであり,許されない。 ウ学校行事における秩序・規律の維持及び学校における意思統一という目的や学校教育法,学習指導要領及び国旗国歌法は,起立斉唱等を強制- 7 -することの正当化根拠にはならない。また,子どもの学習権を充足させるといった教師に求められる職務の公共性等に照らすと,控訴人らが公務員であり,その職務に公共性があることをもって,起立斉唱等を強制することを正当化する根拠とすることはできない。 エ国旗に向かい起立斉唱をすることは,客観的に見て国家に対する忠誠を示す意味があるから,一定の思想性を持つ行為である。国家とどう向き合うかは,個人の自律的判断に委ねられる事柄であるから,上記行為を国家が強制することは許されない。 オ起立斉唱等の強制は,これをすることがで あるから,一定の思想性を持つ行為である。国家とどう向き合うかは,個人の自律的判断に委ねられる事柄であるから,上記行為を国家が強制することは許されない。 オ起立斉唱等の強制は,これをすることができない思想を有する教師をあぶり出す効果があるから,沈黙の自由を侵害する。 カ本件各処分は,起立斉唱等をすることができない思想・信条を有していることを理由にされた不利益取扱いであり憲法19条に反する。 キバーネット判決は,国旗に向かって国歌を斉唱することの義務付けが憲法上許されないことを示すアメリカ連邦最高裁の判例であり,本件においても参考となる。 (5) 本件通達,本件各職務命令及び本件各処分が憲法20条に違反することについてア(ア) 起立斉唱等の強制が信仰の自由に対する間接的制約であるとすれば,その合憲性は厳格な審査基準により判定されるべきである。 (イ) 「日の丸」や「君が代」は宗教国家の象徴であり,国家宗教の象徴でもあった。「日の丸」や「君が代」は,歴史的に国家神道という宗教そのものと深く結び付いており,現在においても中立的なものと認められるに至っていない。このような「日の丸」や「君が代」の宗教性とこれを受容し難いと考える控訴人らの信念に鑑みると,本件通達,本件各職務命令は,同控訴人らに「日の丸」や「君が代」を式次第に含む儀式への参加を強制するものとして,憲法20条2項違反に- 8 -当たる。また,同強制は控訴人P2ら3名の信仰の自由を直接侵害する行為であり,本件各処分は信仰を理由に不利益をもたらすものとして憲法20条1項に違反する。 イ信仰の自由の制約についての合憲性判定基準としては,目的審査,手段審査及び目的と手段との関連審査を中心とする厳格な審査基準が要求される。 (6) 本件通達及び本件各職務命 条1項に違反する。 イ信仰の自由の制約についての合憲性判定基準としては,目的審査,手段審査及び目的と手段との関連審査を中心とする厳格な審査基準が要求される。 (6) 本件通達及び本件各職務命令が憲法13条,23条及び26条に違反することについて教師には,公権力によって一方的な見解を教授することを強制されない自由があり,教育の本質的要請から,教授の具体的内容及び方法につき創意工夫や一定程度の裁量が保障されている。 本件通達及び本件各職務命令は,教職員に対し,「国旗に向かって起立し,国歌を斉唱すること」という特定の行動を義務付けるものであり,国歌斉唱時に「起立斉唱」以外の行為を認めないことは,「国歌斉唱時に起立斉唱することが正しい」との一方的な観念に基づく指導を強制されることにほかならないから,教師の上記裁量の余地を奪っていることは明らかである。 したがって,本件通達及び本件職務命令は,控訴人ら教師の教授の自由を侵害し,違憲である。 (7) 学習指導要領(国旗国歌条項)の法的拘束力について昭和51年大法廷判決の趣旨を踏まえると,国旗国歌条項は,飽くまで大綱的基準としての法的拘束力を有するだけであるから,教師に対し一方的な観念や理論を生徒に教えるように強制する趣旨を含まない上,教師には創造的かつ弾力的な教育の余地が残されているというべきである。この限りで,国旗国歌条項は,教育の目的に沿った全国的な最小限基準,合理的基準と認められるものである。 - 9 -したがって,教師に対し,一律に起立斉唱等を命じたり,生徒に対する内心の自由の説明を禁止したりすることは,国旗国歌条項の上記の大綱的基準性を否定することにほかならず,学習指導要領の趣旨に反する。 (8) 本件通達及び本件各職務命令が教育基本法10条1 徒に対する内心の自由の説明を禁止したりすることは,国旗国歌条項の上記の大綱的基準性を否定することにほかならず,学習指導要領の趣旨に反する。 (8) 本件通達及び本件各職務命令が教育基本法10条1項が禁止する「不当な支配」に当たることについてア昭和51年大法廷判決は,公立学校においては,教育委員会は,学校に対する管理権に基づき,学校の教育課程の編成について基準を設定し,一般的な指示を与え,指導,助言を行うとともに,「特に必要な場合」には,具体的な命令を発することができると判示した。 行政調査ではない純粋な教育活動について,その内容又は方法に関して教育委員会が校長に対しある特定の教育活動を禁止する具体的な職務命令を発することが「特に必要な場合」は,原則として考えられないから,本件通達の発出が特に必要であったとはいえない。 イ都教育庁指導部長が都立高等学校長宛てに平成10年11月20日に通知した「入学式及び卒業式などにおける国旗掲揚及び国歌斉唱の指導の徹底について」の別紙「都立高等学校における国旗掲揚及び国歌斉唱に関する実施指針」(以下「平成10年実施指針」という。)が徹底されていない実態が見られたという事実はないから,これを理由として本件通達の発出が特に必要であったとはいえない。なお,国旗を掲揚した三脚を舞台袖の見えない所に置いたり,国歌斉唱時に起立をしない教職員がいたとしても,そのことが上記の「特に必要な場合」を基礎付ける事情にはならない。 ウ平成10年実施指針における国旗を式典会場の正面に掲げるという方法は,十分に徹底されていたから,本件通達における国旗掲揚についての指示内容は,校長の裁量を不当に制約するものである。また,会場設営の方法につきフロア式・対面式の禁止は,学校ごとの実態や生徒の発- 10 分に徹底されていたから,本件通達における国旗掲揚についての指示内容は,校長の裁量を不当に制約するものである。また,会場設営の方法につきフロア式・対面式の禁止は,学校ごとの実態や生徒の発- 10 -達段階及び特性に合わせて生徒達に「厳粛かつ清新な気分」を味合わせるために行われていた卒業式等を禁止するものであり,校長の裁量権を不当に制約するものである。さらに,校長が教師に対し起立を促すかどうか,起立斉唱や伴奏の方法をどのようにするかは,校長の教育的配慮に基づく裁量に属することであり,本件通達はこれを不当に制約するものである。 (9) 本件通達及び本件各職務命令が自由権規約18条に違反することについてア市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下,「自由権規約」という。)18条の解釈に当たっては,条約法条約31条及び自由権規約の関係規定に基づき,自由権規約委員会による一般的見解,最終意見及び見解等の有権的解釈が十分に尊重されなければならないところ,これらによれば,本件通達及び本件各職務命令による起立斉唱等の強制は,自由権規約18条1項に反することが明らかである。 イ児童の権利に関する条約12条及び14条によって保護される利益(子どもの意見表明権,思想及び良心の自由並びに宗教の自由)は,公共の利益である上,控訴人らの利益に反するものではないから,控訴人らが本件各処分の違法性を基礎付ける根拠として,本件通達及び本件職務命令が同条約12条及び14条に違反する旨主張することは,行訴法10条1項に反しない。 (10) 本件各処分は裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものであることについてア最高裁平成23年(行ツ)第242号,同年(行ヒ)第265号平成24年1月16日第一小法廷判決(裁判所時報1547号3頁。以下 量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものであることについてア最高裁平成23年(行ツ)第242号,同年(行ヒ)第265号平成24年1月16日第一小法廷判決(裁判所時報1547号3頁。以下「最高裁平成24年判決①」という。)及び最高裁平成○年(行ツ)第○号,同年(行ヒ)第○号平成24年1月16日第一小法廷判決(最高- 11 -裁平成24年判決②。以下,両判決を併せて「最高裁平成24年両判決」ともいう。)は,起立斉唱等を命じる職務命令違反につき,戒告処分とすることは,過去の同種の行為による懲戒処分等の処分歴の有無等にかかわらず,基本的に懲戒権者の裁量の範囲内に属する事項ということができるとする一方,減給処分以上の重い処分を選択することが許容されるためには,過去の非違行為による懲戒処分等の処分歴や不起立行為等の前後における態度等(以下,併せて「過去の処分歴等」という。)に鑑み,学校の規律や秩序の保持等の必要性と処分による不利益の内容との権衡との観点から,当該処分を選択することの相当性を基礎付ける具体的事情が認められる場合であることを要すると解すべきである旨判示した。 (ア) 最高裁判所が上記後半部分の判示に至った理由は,① 不起立等の行為の動機が思想及び良心の自由に由来するものであり,行為態様が積極的な妨害行為を伴うものでないこと,② 減給処分は直接の給与上の不利益があり,将来の昇給等にも影響を及ぼすこと,③ 卒業式や入学式等の式典のたびに懲戒処分が累積して加重されると,短期間で不利益が拡大していくことにあると解される。 上記①及び③は,減給処分のみならず戒告処分にも当てはまる。また,②についても,減給処分と戒告処分との間には質的差異はなく,量的な差もごく小さい。さらに,不起立等により処分を受けた教職員が 上記①及び③は,減給処分のみならず戒告処分にも当てはまる。また,②についても,減給処分と戒告処分との間には質的差異はなく,量的な差もごく小さい。さらに,不起立等により処分を受けた教職員が被る不利益の最大のものは,思想及び良心の自由の制約ないし否定であるから,その苦痛の程度は減給処分と戒告処分とで異ならない。 (イ) また,控訴人らが本件不起立等を行った原因・動機は,憲法上保障を受けるべき思想及び良心の自由に由来するものであるから,処分の量定の際の考慮事項としては極めて重要であり,他の考慮事項である,例えば,公務員関係の秩序維持など憲法的価値でないものと比較- 12 -できないほど大きい。 (ウ) したがって,最高裁平成24年両判決の採用する論理によっても,本件各処分のうちの各戒告処分は裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法である。 イ(ア) 最高裁判所は,いわゆる神戸税関事件において,懲戒処分が公務員関係の秩序維持のために科される制裁である旨判示した(最高裁昭和52年12月20日第三小法廷判決・民集31巻7号1101頁。 以下「神戸税関事件最高裁判決」という。)が,教育部門においては,生徒の価値観の多様性や個性の尊重の保障という教育本来の目的に適合した行政が行われなければならないから,「公務員秩序の維持」の名の下に教育公務員に対する非教育的な行為の強制を行ったり,これに違反したとして懲戒処分をすることは,行政権力の教育に対する不当な支配を目的とするものであり,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものとして違法となる。 本件各処分は,本件通達によって控訴人らに対し上記の強制をし,これに違反したとしてされたものであるから,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法である ものとして違法となる。 本件各処分は,本件通達によって控訴人らに対し上記の強制をし,これに違反したとしてされたものであるから,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法である。 (イ) 最高裁平成8年判決は,宗教上の信条に基づき高等専門学校における剣道の実技を拒否した生徒に対する退学処分を,裁量権の範囲を超えるものとして違法であると判示した。その審査基準を本件に当てはめると,本件各処分は社会観念上著しく妥当を欠き,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものであるから,違法である。 ウ(ア) 本件各処分は,公務員秩序の維持といった本来の懲戒処分の目的をもってされたものではなく,起立斉唱等に反対する教職員をあぶり出し,懲戒処分をすることによって教育現場から排除することを目的としたものであるから,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したも- 13 -のとして違法である。 (イ) 戒告処分は,減給処分と異なり本給の減額はないものの,それ以外の教職員の給与や身分に関わる不利益は減給処分と全く同じである。 すなわち,戒告処分においても,勤勉手当の減額,昇給延伸・圧縮を受け,処分を受けた年度の特別昇給はなく,生涯賃金,退職金,年金支給額も影響を受ける。また,戒告処分は,懲戒処分の履歴への記載や永年勤続表彰に伴うリフレッシュ休暇,退職時の感謝状授与の有無等の扱い,さらに処分を受けたことによる再雇用職員・非常勤職員への不採用,再発防止研修の受講強制についても減給処分と同様の不利益を受ける。減給処分と戒告処分は,同じ根拠法令によって規律・運用されており,両処分の間において,その不利益が「直接的」,「間接的」などという区別はない。 したがって,減給処分と戒告処分によって受ける被懲戒者の不利益の違いによって, よって規律・運用されており,両処分の間において,その不利益が「直接的」,「間接的」などという区別はない。 したがって,減給処分と戒告処分によって受ける被懲戒者の不利益の違いによって,懲戒権者の裁量権の範囲の逸脱又はその濫用の有無を区別するとの考えは,およそ根拠がない。 エ本件において,減給処分及び停職処分を受けた控訴人らは,いずれも,本件通達発出以降の卒業式等で不起立等をしたことにより過去に戒告等の処分を受け,本件不起立により,更に処分を受けた者であって,最高裁平成24年両判決において裁量権の範囲を超えるものとして違法であると判断されて停職処分及び減給処分10分の1・1月を取り消された2名と基本的に同様の事情がある(なお,最高裁平成24年判決②において上記減給処分10分の1・1月を取り消されたのは,控訴人らのうち減給処分10分の1・6月の処分を受けた控訴人P10である。)。 そして,上記控訴人らは,いずれも国旗・国歌に関連して,過去に不起立等以外に「非違行為」として懲戒処分等を受けたことはなく,卒業式等を積極的に妨害する等により秩序を乱したこともない。 - 14 -以上によれば,最高裁平成24年両判決の基準に照らしても,本件各処分のうち停職処分及び各減給処分は違法であり,取り消されるべきである。 (11) 控訴人らに生じた損害についてア控訴人らは,教育の本質である生徒と教師との人格的接触による数々の教育活動の経験を経て,自らの教師としての「職業倫理」を獲得した。 そして,この職業倫理のゆえに,本件通達及び本件各職務命令による起立斉唱等の強制に従うことのできない「起立できない教師」となった。 「起立できない教師」である控訴人らが,起立斉唱等の強制に直面して精神的葛藤を生じ,「君が代症候群」ともい 及び本件各職務命令による起立斉唱等の強制に従うことのできない「起立できない教師」となった。 「起立できない教師」である控訴人らが,起立斉唱等の強制に直面して精神的葛藤を生じ,「君が代症候群」ともいうべきストレス障害となったことについては,反対尋問にも耐えたP30証人の証言及び意見書がその機序及び程度を明らかにしており,その内容は十分に信用できる。 イ控訴人らの精神的苦痛は,本件通達及び本件各職務命令が発せられた時,更に卒業式等が行われた時のみならず,その後も続いている。すなわち,控訴人らは,処分を受けたことを理由に,担任を持たせてもらえない,再雇用を拒否される,主任から外される,永年勤続感謝状をもらえない等の不利益を被っている。そして,控訴人らが処分を受けたことに起因して「卒業式・入学式に参列できないこと」,「担任を持たせてもらえないこと」,「異動させられること」,「主任から外されること」,「再雇用職員として採用されないこと」による精神的苦痛については,本件各処分が取り消されても慰謝されることはない。 ウ控訴人らは,本件各処分により以下の経済的不利益を受けている。 (ア) 戒告処分を受けた控訴人らは,昇給欠格基準により昇給延伸3箇月,勤勉手当の10%カットとなった。 (イ) 減給処分10分の1・1月の懲戒処分を受けた控訴人らは,給料の10%カット1箇月,昇給延伸3箇月,勤勉手当の10%カットと- 15 -なった。 (ウ) 減給処分10分の1・6月の懲戒処分を受けた控訴人P10は,給料の10%カット6箇月,昇給延伸3箇月,賞与(夏季手当)の10%カット,賞与に際して勤勉手当の10%カットとなった。 (エ) 停職処分1月の懲戒処分を受けた控訴人P7は,平成18年3月30日に処分がされた翌日であ 昇給延伸3箇月,賞与(夏季手当)の10%カット,賞与に際して勤勉手当の10%カットとなった。 (エ) 停職処分1月の懲戒処分を受けた控訴人P7は,平成18年3月30日に処分がされた翌日である同月31日付けで早期退職をしたが,同月31日分の給与相当額である2万2426円を返納させられた。 (オ) 減給処分・停職処分が取り消されれば本給の減額によって生じる経済的不利益は回復するが,回復までには時間がかかり,費やした時間を回復することはできない。 また,戒告処分により生じる経済的被害は,訴状記載のシミュレーションのとおりであり,戒告処分時41歳,勤続17年,戒告処分時の号給が2級7号の者は定年退職時までに103万7424円の実損を被る。このように,戒告処分においても経済的不利益が生じ,これが取り消されることによってその経済的不利益が回復されることはない。 (カ) 本件不起立等により本件各処分を受けた控訴人らは,定年後の再雇用につき採用拒否となり,得べかりし利益を失った。 (キ) 控訴人らの中には,本件各処分を受けたことにより,定年を待たずに退職した者も多い。定年までの収入が得られなくなったことも,本件通達に起因する損害である。 (ク) 戒告処分以上の被処分者は,「昇給時期の短縮」や「6箇月短縮の永年勤続特別昇給」の対象から除外され,損害を被った。 (ケ) 戒告処分と減給処分とは,「本給の減額」の有無しか違いがなく,戒告処分によっても相当の経済的不利益が生じている。 戒告処分については,特別昇給,勤続永年表彰が遡って実施された- 16 -ものとして給与の再計算が行われなければ,処分によって生じた経済的不利益は回復されることなく残されることになる。また,懲戒処分が事後的に取り ,特別昇給,勤続永年表彰が遡って実施された- 16 -ものとして給与の再計算が行われなければ,処分によって生じた経済的不利益は回復されることなく残されることになる。また,懲戒処分が事後的に取り消されたとしても,再雇用職員としての採用拒否,早期退職を余儀なくされた者について,その損害が回復されることにはならない。 (コ) 以上のような処分の取消しだけでは慰謝されることのない控訴人らの精神的苦痛を慰謝し,あるいは経済的不利益を回復するために相当な金額は少なくとも1処分当たり50万円を下ることはなく,また,被控訴人の不法行為と相当因果関係のある損害となる弁護士費用は,上記損害額の1割である各5万円を下ることはない。 5 当審における被控訴人の主張(1)ア最高裁平成24年両判決について(ア) 最高裁平成24年両判決は,起立斉唱等を命じる職務命令違反について減給処分以上の重い懲戒処分を選択することが許容されるためには,過去の非違行為による処分歴等に鑑み,学校の規律や秩序の保持等の必要性と処分による不利益の内容との権衡との観点から,当該処分を選択することの相当性を基礎付ける具体的事情が認められる場合であることを要すると解すべきである旨判示した。 したがって,上記「相当性を基礎付ける具体的な事情が認められる場合」には,起立斉唱等を命じる職務命令違反について減給処分以上の重い懲戒処分をすることが許されるというべきである。 (イ) 控訴人らのうち減給処分以上の懲戒処分を受けた以下の21名(以下「控訴人P1ら21名」という。)には,後記イ以下に述べるとおり,過去の処分歴に係る非違行為の内容,頻度等に照らすと,上記相当性を基礎付ける具体的事情があるから,上記控訴人らに対する減給処分以上の重い懲戒処分には,懲戒権者としての は,後記イ以下に述べるとおり,過去の処分歴に係る非違行為の内容,頻度等に照らすと,上記相当性を基礎付ける具体的事情があるから,上記控訴人らに対する減給処分以上の重い懲戒処分には,懲戒権者としての裁量権の範囲の- 17 -逸脱又はその濫用はない。 イ控訴人P1(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号2)について控訴人P1は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P1は,都教委による事情聴取において「理不尽な職務命令には従う必要はありません。」などと述べた上で,事情聴取書への署名,押印を拒否し(乙106の2),また,上記研修の受講報告書に「こうした研修を行うことが法治国家で認められていいのだろうか。…質問,応答が認められない研修があっていいのだろうか。」などと記載し(乙106の4),反省の態度を示さなかった。 控訴人P1は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,平成16年度卒業式において校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「2」の処分(以下「本件P1減給処分」という。)を受けた。 なお,控訴人P1は,平成16年度卒業式の前日のホームルームにおいて,生徒に対し,国旗国歌に関する行動については,内心の自由があるから,自分の考えで行動してよいとの発言をした(控訴人P1は,このことにより平成17年5月27日付けで,指導部長から厳重注意を受けた。乙106の12~15)。控訴人P1は,本件不起立に関する都教委の事情聴取の際に「責任を取る必要は全くありません。」,「本件通達は明らかに憲法違反,法令違反,教育基本法に違反している。」などと述べた上で 6の12~15)。控訴人P1は,本件不起立に関する都教委の事情聴取の際に「責任を取る必要は全くありません。」,「本件通達は明らかに憲法違反,法令違反,教育基本法に違反している。」などと述べた上で,事情聴取書への署名,押印を拒否しており(乙106の2),上記研修における行動などに照らせば,本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到- 18 -底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P1に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 ウ控訴人P2(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号5)について控訴人P2は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P2は,上記不起立に関する校長の事実確認や都教委による事情聴取に応じず(乙107の1・2),また,上記研修の受講報告書に「現在係争中ですので,記述を留保いたします。」などと記載し(乙107の4),反省の態度を示さなかった。 控訴人P2は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,平成16年度卒業式において,校長,副校長の指示を無視し,本件不起立という職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「5」の処分(以下「本件P2減給処分」という。)を受けた。控訴人P2は,本件不起立に関する都教委の事情聴取を拒否しており(乙107の6),上記研修における行動などに照らしても,本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否したも た。控訴人P2は,本件不起立に関する都教委の事情聴取を拒否しており(乙107の6),上記研修における行動などに照らしても,本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否したものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P2に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 エ控訴人P3(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号15)について控訴人P3は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P3は,上記不起立に関する校長の事実確認や都教委による事情聴取に応じず(乙108の2),また,- 19 -上記研修中,質問を発したり,ビデオ撮影をしようとしたりした(乙108の4)。 控訴人P3は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,平成16年度卒業式において,校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「15」の処分(以下「本件P3減給処分」という。)を受けた。控訴人P3は,本件不起立に関する校長からの事実確認,都教委の事情聴取を拒否しており(乙108の5・6),上記研修における行動などに照らしても,控訴人P3の本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ず,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P3に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められること 「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P3に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 オ控訴人P4(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号24)について控訴人P4は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P4は,上記研修の受講報告書の所感欄に,「今後とも日本国憲法および教育基本法に基づいた教育を行なっていきたいと考えています。」と記載した(乙109の4)。 控訴人P4は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,平成16年度卒業式において校長,副校長の指示を無視し,不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「24」の処分(以下「本件P4減給処分」という。)を受けた。 控訴人P4は,本件不起立に関する都教委の事情聴取においても,弁護士の同席を要求し,これを拒否しており(乙109の6),上記研修に- 20 -おける行動などに照らしても,控訴人P4の本件不起立の前後における態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P4に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 カ控訴人P5(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号25)について控訴人P5は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故 カ控訴人P5(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号25)について控訴人P5は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。控訴人P5は,上記不起立に関する校長の事実確認に対し正面から回答せず(乙110の1),都教委による事情聴取に応じず(乙110の2),また,上記研修の受講報告書に,「今回,『思想・良心の自由』(憲法19条)について係争中であり,記述を留保する。なお,講義は90分予定を60分で打ち切った。質問には全く答えず退出した講師こそ,地方公務員の職務専念義務違反ではないか。」などと記載した(乙110の4)。 控訴人P5は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,平成16年度卒業式において本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「25」の処分(以下「本件P5減給処分」という。)を受けた。控訴人P5は,本件不起立に関する校長の事情聴取,都教委の事情聴取をも拒否しており(乙110の5・6),上記研修における行動などに照らせば,控訴人P5の本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P5に対し減給処分を選択することについて「相当性を- 21 -基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 キ控訴人P6(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号30-1・2)について控訴人P6は,職務命令に違反する不起立により平成17年3月31日付け戒告処分(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「30-1」の処分)を受けた。なお,控訴人 等一覧表記載番号30-1・2)について控訴人P6は,職務命令に違反する不起立により平成17年3月31日付け戒告処分(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「30-1」の処分)を受けた。なお,控訴人P6は,上記不起立に関する都教委による事情聴取に対し弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙111の2)。 控訴人P6は,上記戒告処分を受けたにもかかわらず,上記戒告処分のわずか1週間後に行われた平成17年度入学式において校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「30-2」の処分(以下「本件P6減給処分」という。)を受けた。控訴人P6は,その後の都教委の事情聴取も拒否しており(乙111の5),これらの行動などに照らせば,控訴人P6の本件不起立の前後における態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P6に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 ク(ア) 控訴人P7(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号31-1・2)について控訴人P7は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分(以下「P7戒告処分」という。)を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。 その後,控訴人P7は,校長から平成16年度卒業式において起立斉唱するよう職務命令書を交付された際に,校長が適法に発した職務- 22 -命令について「法的根拠がない」などと述べた上,校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反を行い,別紙2懲戒処分等 よう職務命令書を交付された際に,校長が適法に発した職務- 22 -命令について「法的根拠がない」などと述べた上,校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反を行い,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「31-1」の処分(以下「本件P7減給処分①」という。)を受けた。控訴人P7は,非違行為後の校長の事実確認,都教委の事情聴取をも拒否したものであって(乙112の5・6),服務事故再発防止研修における行動などに照らせば,控訴人P7の本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P7に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 (イ) 控訴人P7は,本件P7減給処分①を受け,再度,服務事故再発防止研修の受講を再度命じられたが,基本研修は受講したものの,専門研修についてはこれを拒否したため(乙112の8・10),これを処分事由として,平成17年12月1日付け減給10分の1・6月の処分(以下「P7減給処分②」という。)を受けた。控訴人P7は,上記非違行為後の都教委からの事情聴取の際に,ネクタイに小型マイクを仕掛けて録音しようとし,再三にわたり録音を止めるように言われたもののこれに従わなかったため,結果的に事情聴取を行うことができないという事態を招いた(乙112の9)。控訴人P7は,上記のP7減給処分②を受けた後,服務事故再発防止研修(基本研修・専門研修)の受講を再度命じられ,同研修を受講した。 しかし,控訴人P7は,平成17年度卒業式において,校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反行為を行い 発防止研修(基本研修・専門研修)の受講を再度命じられ,同研修を受講した。 しかし,控訴人P7は,平成17年度卒業式において,校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反行為を行い,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「30-2」の処分(以下「本件P7停- 23 -職処分」という。)を受けた。控訴人P7は,上記職務命令を受けた際,事前に校長からの職務命令書の受取りを拒否するなどの抵抗を示し,また,非違行為後に関する校長の事実確認を拒否し,都教委の事情聴取には出頭すらしなかったのであり(乙112の14~16),上記研修命令拒否を含め服務事故再発防止研修における行動などに照らせば,控訴人P7の本件不起立の前後における態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P7に対し本件停職処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 ケ控訴人P8(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号32-1・2)について控訴人P8は,職務命令に違反する不起立により平成17年3月31日付け戒告処分(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「32-1」の処分)を受けた。なお,控訴人P8は,上記不起立に関する校長の事実確認や都教委による事情聴取に応じず,事情聴取書への署名,押印も拒否した(乙113の1~3)。 控訴人P8は,上記戒告処分を受けたわずか1週間後の平成17年度入学式において,校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反行為を再び行い,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「32-2」の処分(以下「本件P8減給処分」という。)を受けた。控訴人P8は,本件不起 いて,校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反行為を再び行い,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「32-2」の処分(以下「本件P8減給処分」という。)を受けた。控訴人P8は,本件不起立に関する校長からの事実確認では回答を拒否し(乙113の4・6),都教委の事情聴取については出頭すらしなかったのであり(乙113の5),以上の行動などに照らせば,控訴人P8の本件不起立の前後における態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するもの- 24 -といわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P8に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 コ控訴人P9(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号35)について控訴人P9は,職務命令に違反する不起立により平成16年4月6日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P9は,上記不起立に関する都教委による事情聴取を拒否し(乙114の2),また,上記研修の受講報告書に,研修に対する批判等を記載した上,「『10.23通達』は『憲法』『教育基本法』に違反しているから無効です。」などの記載がある「『服務事故再発防止研修』について私の意見」と題する文書を添付した(乙114の4・5)。 控訴人P9は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,平成16年度卒業式において,校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反行為を行い,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「35」の処分(以下「本件P9減給処分」という。)を受けた。 控訴人P9は,本件不起立に対し関する校長の事実確認に対して 視し,本件不起立をして職務命令違反行為を行い,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「35」の処分(以下「本件P9減給処分」という。)を受けた。 控訴人P9は,本件不起立に対し関する校長の事実確認に対しては「職務命令書は受け取りましたがこの様な調査は遺憾です,報告内容は,管理職が判断して下さい,こういう態度だということを報告しても構わないです。」と述べるなど反抗的な態度を示し(乙114の6・8),また,都教委の事情聴取は拒否しており(乙114の7),上記研修における行動などに照らせば,控訴人P9の本件不起立の前後における態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P9に対し減給処- 25 -分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 サ控訴人P10(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号36)について(ア) 控訴人P10は,平成14年度の都立P28養護学校の入学式の打合せにおいて,入学式における国旗掲揚,国歌斉唱を取り止めるよう校長に申し入れ,同入学式においては,国旗掲揚,国歌斉唱に反対し,抗議する意思を表明すべく,ブラウスの,① 右胸に縦約10㎝,横約15㎝の黒の枠を,また,その枠内の中央に直径約3㎝の塗りつぶした赤い丸を描き,この絵柄に向かって左上から右下方向に黒色の斜線を入れた模様を手書きするとともに,② 背中に直径約20㎝のハートの絵柄に鎖を描いた模様等を手書きし,上記ブラウスを着用して臨んだ(乙115の3・4)。 校長は,入学式当日,副校長から,控訴人P10が上着を脱いでおり,ブラウスに上記図柄が記載されているとの報告を いた模様等を手書きし,上記ブラウスを着用して臨んだ(乙115の3・4)。 校長は,入学式当日,副校長から,控訴人P10が上着を脱いでおり,ブラウスに上記図柄が記載されているとの報告を受けたため,控訴人P10に対し,ブラウスの上に上着を着用するよう口頭で職務命令を発出したが,控訴人P10は上記職務命令に従わなかった。 都教委は,控訴人P10に対し,上記職務命令違反により,平成14年11月6日付けで,戒告処分(以下「P10戒告処分」という。)をした。 控訴人P10は,上記行為に対する関する校長の事情聴取に応じず,かえって校長に対する抗議をした(乙115の5・6)。 (イ) 控訴人P10は,都立P28養護学校の平成15年度の卒業式において,職務命令違反により不起立をしたため,平成16年4月6日付けで,減給10分の1・1月の処分(P10先行減給処分)を受けた。 控訴人P10は,校長からの事実確認を拒否し,都教委からの事情- 26 -聴取についても,弁護士の同席を要求し,これを拒否した(乙115の10~12)。 控訴人P10は,服務事故再発防止研修の基本研修を受講したが,受講報告書に「不起立は憲法を尊重する教育公務員として,違法な職務命令に従えなかったからだ。違法な服務研修に抗議する。」(乙115の13),「憲法19条を侵す職務命令および根拠となる2003.10.23通達のみなおしが求められる。」などと記載し(乙115の17),反省の態度を示さなかった。 なお,P10先行減給処分は,最高裁平成24年判決②において取り消された。 (ウ) 控訴人P10は,上記戒告処分及び減給処分を受けたにもかかわらず,平成16年度卒業式において,校長,副校長の指示を無視し 減給処分は,最高裁平成24年判決②において取り消された。 (ウ) 控訴人P10は,上記戒告処分及び減給処分を受けたにもかかわらず,平成16年度卒業式において,校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反行為を行い,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「36」の処分(以下「本件P10減給処分」という。)を受けた。控訴人P10は,本件不起立に関する校長からの事実確認や都教委からの事情聴取を拒否する等をしており(乙115の18~20),上記研修における行動など上記一連の行動に照らしても,控訴人P10の本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P10に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 シ控訴人P11ことP12(以下「控訴人P12」という。別紙2懲戒処分等一覧表記載番号43)について控訴人P12は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月3- 27 -1日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P12は,上記不起立に関し,校長からの事実確認を拒否し(乙116の1),都教委による事情聴取においても回答を拒否し,事情聴取書への署名,押印も拒否した(乙116の2)。 控訴人P12は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,再度,平成17年度卒業式において本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「43」の処分(以下「本件P12減給処分」という。)を受けた。控訴 受けたにもかかわらず,再度,平成17年度卒業式において本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「43」の処分(以下「本件P12減給処分」という。)を受けた。控訴人P12は,職務命令書交付時には抵抗を示し(乙116の7),本件不起立を現認した副校長が起立を促したのに,これを拒否して本件不起立を続け,卒業式後における校長からの事実確認を拒否し(乙116の5・7),また,都教委の事情聴取において,「特に反省する必要はないと考えています。」などと述べ,事情聴取書への署名,押印を拒否した(乙116の6)。これらのことや服務事故再発防止研修における行動などに照らしても,控訴人P12の本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P12に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 ス控訴人P13(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号44)について控訴人P13は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P13は,上記不起立に関する校長からの事実確認に対し,答える必要はありませんと述べてこれを- 28 -拒否し(乙117の1),都教委からの事情聴取も拒否し(乙117の2),上記研修の受講報告書にも「(服務事故と)無関係の者が命令により講義をきかされていることに強い苦痛を感じている。」などと記載した(乙117の4)。 控訴人P13は,上記戒告処分を受け,再発防止研 の受講報告書にも「(服務事故と)無関係の者が命令により講義をきかされていることに強い苦痛を感じている。」などと記載した(乙117の4)。 控訴人P13は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,再度,平成18年度入学式において本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「44」の処分(以下「本件P13減給処分」という。)を受けた。控訴人P13は,平成18年度の入学式当日のホームルームにおいて,生徒に対し,起立斉唱等に関し不適切な指導をした(控訴人P13は,このことにより平成18年6月9日付けで,指導部長から厳重注意を受けた。乙117の11)。また,控訴人P13は,上記の職務命令書の交付を受けても,それを会議室内にそのまま置いていくという不謹慎な態度を示したばかりか,本件不起立の際,副校長が2度も起立を促したのに,あえてそれを無視し,起立しなかったものである。のみならず,控訴人P13は,本件不起立に関する校長からの事実確認,都教委からの事情聴取をも拒否しているのであり(乙117の5~7),服務事故再発防止研修における行動などに照らしても,本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P13に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 セ控訴人P14(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号46)について控訴人P14は,職務命令に違反する不起立(国歌斉唱時に式場から退席)により平成16年2月17日付け戒告処分を受け,教育公務員と- 29 -しての 戒処分等一覧表記載番号46)について控訴人P14は,職務命令に違反する不起立(国歌斉唱時に式場から退席)により平成16年2月17日付け戒告処分を受け,教育公務員と- 29 -しての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P14は,同研修の受講報告書に「(地公法)32条に違反しているのは明らかに,都教委側と考える。」,「一方的に都側が正しいとするスタンスで,このような研修を行うこと自体がおかしいのではないか。」などと記載した(乙118の4)。 控訴人P14は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,平成17年度卒業式において,校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「46」の処分(以下「本件P14減給処分」という。)を受けた。上記服務事故再発防止研修における行動などに照らせば,控訴人P14の本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P14に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 ソ控訴人P15ことP16(以下「控訴人P16」という。別紙2懲戒処分等一覧表記載番号47)について控訴人P16は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P16は,上記不起立に関する校長からの事実確認を拒否し,都教委からの事情聴取にも応じなかった上(乙119の1~3),研修の受講報告書に,「ほと すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P16は,上記不起立に関する校長からの事実確認を拒否し,都教委からの事情聴取にも応じなかった上(乙119の1~3),研修の受講報告書に,「ほとんどお題目だけの内容のない講義であった。」,「教育公務員として新たに本質的なことを学ぶ場とは全くならなかった。」と記載した(乙119の4)。 控訴人P16は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,再度,平成17年度卒業式において本件不起立をして職- 30 -務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「47」の処分(以下「本件P16減給処分」という。)を受けた。控訴人P16は,本件不起立を現認した副校長が起立を促したにもかかわらず,あえてこれを無視して起立しなかった(乙119の5)。のみならず,控訴人P16の卒業式における座席は生徒や保護者などからよく見える場所に位置しており,本件不起立については,参列者の目にとまり,厳粛なる式典の雰囲気に悪影響を与えた。 しかも,控訴人P16は,都教委からの事情聴取においては,自らの職務命令違反について,「責任を感じておりません。」,「職務命令は誤ったものであり,これを出した校長,出させた東京都教育委員会が誤りである。全体の奉仕者として一点のやましい所,責任もありません。」などと述べているのであり(乙119の6),服務事故再発防止研修における行動などに照らせば,控訴人P16の本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P16に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が のであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P16に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 タ控訴人P17(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号49-1・2)について控訴人P17は,職務命令に違反する不起立により平成18年3月31日付け戒告処分(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「49-1」の処分)を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P17は,上記不起立に関する都教委による事情聴取において,本件通達は法的に誤っている旨述べた(乙120の2)。 - 31 -控訴人P17は,上記戒告処分を受けたにもかかわらず,そのわずか1週間後の平成18年度入学式において,校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「49-2」の処分(以下「本件P17減給処分」という。)を受けた。控訴人P17は,都教委による事情聴取においても,憲法及び国法に違反した内容が職務命令として出されたなどと述べた(乙120の5)。これらの行動などに照らせば,控訴人P17の本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P17に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 チ控訴人P18(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号50)について控訴人P18は,職務命令に違反する不起立により平成16年 基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 チ控訴人P18(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号50)について控訴人P18は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。控訴人P18は,同研修の受講報告書に「一般論,理念として伺いました。」など記載して何ら反省を示さなかった(乙121の4)。 控訴人P18は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,平成17年度卒業式において,再度,本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「50」の処分(以下「本件P18減給処分」という。)を受けた。控訴人P18は,本件不起立を見た副校長から起立を促されたのに,あえてこれを無視し,また,卒業式後に校長から本件不起立について確認された際も,控訴人P18は何も答えず無言を貫いた(乙121の- 32 -7)。のみならず,控訴人P18は,都教委からの事情聴取において,自らの職務命令違反について,「東京都に対して責任を取る必要はない。」,「生徒に対する責任についても,とる必要はない。」,「10.23通達は,行政による教育への介入だ。」,「教育基本法10条に違反しているので,職務命令に従う必要はない。」などと述べているのであり(乙121の6),また,上記再発防止研修における行動などに照らせば,控訴人P18の不起立行為の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P18に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事 いものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P18に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 ツ控訴人P19(という。別紙2懲戒処分等一覧表記載番号51)について控訴人P19は,職務命令に違反する不起立により平成16年5月25日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P19は,上記不起立に関する都教委による事情聴取を拒否し(乙122の2),また,同研修の受講報告書に「地方公務員として30年余働いてきて,今まで何も問題にされたこともないのに,退職近くになって,今さら地公法についての講義を受ける必要がなぜあるのかわからなかった。」などと記載した(乙122の4)。 控訴人P19は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,再度,平成17年度卒業式において本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「51」の処分(以下「本件P19減給処分」という。)を受けた。控訴人P- 33 -19は,副校長が起立を促したのに,あえて起立しなかったものであり(乙122の5・7),都教委による事情聴取について,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙122の6)。これに加え,服務事故再発防止研修における行動などに照らせば,控訴人P19の本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないものなのであり,都教委において,控訴人P19に対し減給処分を選択する 信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないものなのであり,都教委において,控訴人P19に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 テ控訴人P20(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号54)について控訴人P20は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P20は,上記研修の受講報告書に「今回職務命令に従わなかったのは,これが『明白に違法』だからと考えるからだ。」などと記載(乙123の4),何ら反省を示さなかった。 控訴人P20は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,再度,平成18年度入学式において校長,副校長の指示を無視し,本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「54」の処分(以下「本件P20減給処分」という。)を受けた。控訴人P20は,副校長から3回も起立することを促されたにもかかわらず,あえてこれを無視して起立しなかったのであり(乙123の5~7),都教委による事情聴取においても,「自分の行動は都民の期待に答えたものです。今回の職務命令や通達については違法なものであると考えます。このことに責任を取れ- 34 -と言われても,違和感があります。」などと述べた(乙123の6)。 これらのことに加え,上記研修における行動などに照らせば,控訴人P20の本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認する どに照らせば,控訴人P20の本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P20に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 ト控訴人P21(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号57)について控訴人P21は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P21は,上記不起立に関する都教委からの事情聴取を拒否した(乙124の2)。 控訴人P21は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,再度,平成17年度卒業式において本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「57」の処分(以下「本件P21減給処分」という。)を受けた。控訴人P21は,本件不起立に関する校長からの事実確認にも素直に答えず,また,都教委からの事情聴取を拒否したことに加え(乙124の4・5),上記再発防止研修における行動などに照らしても,控訴人P21の本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができない。 さらに,控訴人P21の本件不起立は,卒業式という厳粛な儀式の雰囲気を壊しただけでなく,生徒たちに対して教育上重大問題となる悪影響を与えたのであって,その非違行為は決して看過できるもので- 35 -はない。すなわち,控訴人P21は,不起立をしたこと 儀式の雰囲気を壊しただけでなく,生徒たちに対して教育上重大問題となる悪影響を与えたのであって,その非違行為は決して看過できるもので- 35 -はない。すなわち,控訴人P21は,不起立をしたことにより過去に処分された事実を生徒たちに話したことから,生徒たちが控訴人P21の卒業式における行動に大きな関心を寄せていた状況の下において,生徒たちと目を合わせた後に,あえて着席したものであり,卒業式の後に,生徒たちから「筋を通したんだ。」などと声をかけられている。 このように,控訴人P21の不起立は,厳粛な式典の雰囲気に悪影響を与えるにとどまらず,生徒たちに重大な悪影響を及ぼしたものであり,教育公務員の行為として決して許されないものである。控訴人P21の上記行為は,正に学習指導要領の「国歌を斉唱するよう指導するものとする」という教師に与えられた指導上の責務に反する。 以上のとおり,控訴人P21の本件不起立に関しては,都教委において,減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかであるナ控訴人P22(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号64)について控訴人P22は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P22は,上記不起立に関する校長の事実確認に答えず,都教委からの事情聴取も拒否し(乙125の1・2),また,上記研修の受講報告書に「一般的な事例としてのこれまでの服務事故に今回の不起立がどのように位置づけられるかも不明であった。」などと記載しており(乙125の4),何ら反省の態度を示さなかった。 控訴人P22は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず, 立がどのように位置づけられるかも不明であった。」などと記載しており(乙125の4),何ら反省の態度を示さなかった。 控訴人P22は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,再度,平成17年度卒業式において本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「64」の処分(以下「本件P22減給処分」という。)を受けた。しか- 36 -も,その態様は,副校長が起立を促したのに,あえて起立しないという悪質なものである(乙125の5・7)。さらに,卒業式終了後,校長が控訴人P22の不起立について確認しようとしても,控訴人P22は,これを無視したり,「だから不当だと発言したんですよ」と発言するなどして,反抗的態度を示し,都教委からの事情聴取を拒否した(乙125の5・6)。これらに加え,上記再発防止研修における行動など本件不起立の前後における態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P22に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が認められることは明らかである。 ニ控訴人P23(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号66)について控訴人P23は,職務命令に違反する不起立により平成16年3月31日付け戒告処分を受け,教育公務員としての自覚を促すための服務事故再発防止研修を受講した。なお,控訴人P23は,上記不起立に関する校長からの事実確認や都教委からの事情聴取を拒否し(乙126の1~3),また,上記研修の受講報告書の所感欄に「現在係争中なので,この件についての記述は留保します。」と記載した(乙126の4)。 控訴人P2 認や都教委からの事情聴取を拒否し(乙126の1~3),また,上記研修の受講報告書の所感欄に「現在係争中なので,この件についての記述は留保します。」と記載した(乙126の4)。 控訴人P23は,生徒に対し,卒業式で立つ,立たない,歌う,歌わないは生徒一人一人の判断の問題である旨発言したことについて,平成17年5月30日付けで,不適切な指導を理由に,都教委指導部長から厳重注意を受けた(乙126の5)。 控訴人P23は,上記戒告処分を受け,再発防止研修を受けたにもかかわらず,平成17年度卒業式において本件不起立をして職務命令違反行為を繰り返し,別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「66」の処- 37 -分(以下「本件P23減給処分」という。)を受けた。控訴人P23は,本件不起立に関する校長の事情聴取,都教委の事情聴取を拒否しているのであり(乙126の6~8),上記再発防止研修における行動などに照らせば,控訴人P23の本件不起立の前後における上記態度は,上司の職務命令を確信的に拒否するものといわざるを得ないものであり,「学校の規律や秩序の保持」等の観点からすれば,到底放置,容認することができないから,都教委において,控訴人P23に対し減給処分を選択することについて「相当性を基礎付ける具体的な事情」が存在したことは明らかである。 (2) 控訴人らの国家賠償請求が失当であることについてア国賠法上の違法性及び過失が認められないことについて(ア) 本件各処分は適法であるが,仮に本件各処分のうち減給処分以上の処分が処分量定につき裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとして取り消されるべきものとしても,そのことから直ちに被控訴人の損害賠償責任が肯定されるわけではない。 すなわち,本件の被控訴人に対する損害賠 定につき裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるとして取り消されるべきものとしても,そのことから直ちに被控訴人の損害賠償責任が肯定されるわけではない。 すなわち,本件の被控訴人に対する損害賠償請求は,国賠法1条1項によるものであるから,控訴人らの請求が認容されるには,被控訴人の公務員の行為に違法性が認められなければならない。 そして,国賠法1条1項所定の違法が認められるためには,「国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違背して当該国民に損害を加えた」ことが必要であり(最高裁昭和60年11月21日第一小法廷判決・民集39巻7号1512頁),また,行政処分の違法を理由とする場合には,当該処分が効力発生要件適合性を欠くだけでは足らず,当該公務員が「職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすこと」をしなかったと認め得るような事情があったことを必要とする(最高裁昭和53年10月- 38 -20日第二小法廷判決・民集32巻7号1367頁,最高裁昭和57年3月12日第二小法廷判決・民集36巻3号329頁,最高裁平成元年6月29日第一小法廷判決・民集43巻6号664頁,最高裁平成5年3月11日第一小法廷判決・民集47巻4号2863頁)。 行政処分取消訴訟における違法性は,行政処分の法的効果発生の前提である法的要件充足性の有無を問題とするのに対し,国家賠償請求訴訟における違法性は,損害補塡の責任を誰に負わせるのが公平かという見地に立って行政処分の法的要件以外の諸種の要素も対象として総合判断すべきものであるから,国賠法1条1項にいう違法性は,行政処分の効力発生要件に関する違法性とはその性質を異にするものである(最高裁判所判例解説民事篇平成5年度(上)377頁)。 (イ) また,国賠法1条 ものであるから,国賠法1条1項にいう違法性は,行政処分の効力発生要件に関する違法性とはその性質を異にするものである(最高裁判所判例解説民事篇平成5年度(上)377頁)。 (イ) また,国賠法1条1項による損害賠償責任の要件たる公務員の故意・過失については,法令の解釈につき異なる見解が対立して疑義を生じており,よるべき明確な判例学説がなく,実務上の取扱いも分かれていて,そのいずれについても一応の論拠が認められる場合に,公務員がその一方の解釈に立脚して公務を執行したときは,後にその執行が違法と判断されたからといって,直ちに当該公務員に過失があったとすることはできない(最高裁昭和46年6月24日第一小法廷判決・民集25巻4号574頁,最高裁昭和49年12月12日第一小法廷判決・民集28巻10号2028頁)。 (ウ) 本件において,控訴人らに職務命令違反があり,懲戒事由該当性が認められること自体は明らかであって,都教委が控訴人らを懲戒処分に付したこと自体には,何ら職務上通常尽くすべき注意義務違反も,過失もなかったことは明らかである。 減給以上の処分を受けた控訴人P1ら21名は,いずれも過去に懲戒処分を受けていたものであり,懲戒権者たる都教委が,処分量定に- 39 -おいて,控訴人らの処分歴を考慮すること自体については,神戸税関事件最高裁判決が「懲戒権者は,…当該公務員の右行為の前後における態度,懲戒処分等の処分歴…等,諸般の事情を考慮して,懲戒処分をすべきかどうか,また,懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択すべきか,を決定することができる」と判示しており,何ら違法ではない。 (エ) 最高裁平成24年両判決は,不起立等については,個人の歴史観ないし世界観等に起因するものであるとの特殊性があり,不起立等に対する懲戒において減 きる」と判示しており,何ら違法ではない。 (エ) 最高裁平成24年両判決は,不起立等については,個人の歴史観ないし世界観等に起因するものであるとの特殊性があり,不起立等に対する懲戒において減給処分以上の処分を選択するには,過去の1回の卒業式等における不起立行為等による懲戒処分の処分歴があることのみをもって直ちにその相当性を基礎付けるには足りず,上記の場合に比べて過去の処分歴に係る非違行為がその内容や頻度等において規律や秩序を害する程度の相応に大きいものであるなど,過去の処分歴が減給処分の不利益の内容との権衡を勘案してもなお規律や秩序の保持等の必要性の高さを十分に基礎付けるものであることを要すると判示している。 しかしながら,上記判示は,最高裁平成24年両判決によって初めて示された判断であって,神戸税関事件最高裁判決においては,懲戒処分の処分量定において懲戒権者は過去の処分歴等を考慮することができ,また,懲戒処分は社会観念上著しく不合理でない限り,裁量権の範囲内のものとして適法であるとされていた。 (オ) 以上によれば,都教委が上記控訴人P1ら21名に対し,減給処分以上の処分に付することを裁量の範囲内の適法行為であると判断したことはやむを得ないことであって,都教委には,職務上通常尽くすべき注意義務違反も,過失もない。 イ慰謝すべき損害がないことについて- 40 -(ア) 本件各処分のうち,停職処分を受けた控訴人P7については,P7停職処分が違法として取り消されれば,取消判決の効力によって経済的不利益は遡って回復される。 また,本件停職処分を受けたこと自体による精神的苦痛については,公務員には就労請求権が認められていないことからすれば,処分自体が取り消されれば回復する。 したがって れる。 また,本件停職処分を受けたこと自体による精神的苦痛については,公務員には就労請求権が認められていないことからすれば,処分自体が取り消されれば回復する。 したがって,控訴人P7について慰謝すべき損害はない。 (イ) また,上記控訴人P1ら21名に対する本件各処分については,控訴人P7に対する本件停職処分のほかは全て減給処分であり,減給処分については,その不利益はもっぱら経済的不利益にとどまるものである。 仮に上記控訴人らに対する減給処分が違法として取り消されれば,取消判決の効力によって上記経済的不利益は遡って回復される。 減給処分を受けたこと自体による精神的苦痛についても,処分自体が取り消されれば回復する。 したがって,減給処分を受けた上記控訴人らについては,慰謝すべき損害は存在しない。 第3 当裁判所の判断 1 事実関係本件判断の前提となる事実関係は,次のとおり補正するほかは,原判決の「事実及び理由」中「第4 争点に対する判断」の1のうちの控訴人らと被控訴人に関する部分に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決77頁13行目の「改善されていはいるが」を「改善されてはいるが」に改める(2) 原判決96頁13行目の「平成16度卒業式」を「平成16年度卒業式」に改める。- 41 -(3) 原判決99頁1行目の「平成17度卒業式」を「平成17年度卒業式」に改める。(4) 原判決100頁14行目の次に行を改めて次のように加える。 「カ都教委の懲戒処分の量定基準について都教委は,教職員の非違行為への対応として,過去の非違事例を類型化し,これらに対する懲戒処分の標準的な処分量定を作成して公表していること,本件各処分 カ都教委の懲戒処分の量定基準について都教委は,教職員の非違行為への対応として,過去の非違事例を類型化し,これらに対する懲戒処分の標準的な処分量定を作成して公表していること,本件各処分当時の当該処分量定の内容は,概要,以下のとおりであることが認められる(甲278)。 (ア) 処分量定の決定以下①~③のほか,適宜,非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとする。処分量定を定める表(省略)における処分量定は,飽くまで標準であり,個別の事案の内容や処分の加重によっては,同表に掲げる処分量定以外とすることもあり得る。また,同表に掲げられていない非違行為についても,懲戒処分の対象となり得る。 ① 非違行為の態様,被害の大きさ及び司法の動向など社会的重大性の程度② 非違行為を行った職員の職責,過失の大きさ及び職務への影響など信用失墜の度合い③ 日常の勤務態度及び常習性など非違行為を行った職員固有の事情(イ) 処分量定の加重過去に非違行為を行い懲戒処分を受けたにもかかわらず,再び同様の非違行為を行った場合は,量定を加重する(以下「同種再非違行為加重方針」という。)。 (ウ) 職務命令違反に関する処分量定- 42 -上記表では,職務に伴う非行としての勤務態度不良(職務命令違反,職場離脱等)についての処分量定は,減給と戒告としている。 キ本件各処分の量定について(ア) 証拠(乙71,86の2)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 都教委は,控訴人らの本件不起立等について,以下a~dの4事項を考慮するとともに,過去の同種事案に関する処分内容を参考として処分 及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 都教委は,控訴人らの本件不起立等について,以下a~dの4事項を考慮するとともに,過去の同種事案に関する処分内容を参考として処分量定を行っており,都教育庁人事部職員課における事情聴取,処分量定案の検討,教職員懲戒分限審査委員会に対する諮問,同委員会による答申,都教委における決定という一連の手続を経て本件各処分を行った。 a 本件不起立等は,児童・生徒にとって学校生活に有意義な変化や折り目をつけるために重要な学校行事である卒業式等の場において,公教育を担う教育公務員が,公教育の根幹である学習指導要領に基づき教育課程を適正に実施するために発せられた重要な職務命令に違反するという重大な非違行為であること。 b 本件不起立等は,卒業式等の来賓,保護者はもとより,適正に国旗・国歌指導を受けることとされている児童・生徒を目の前にして教職員が行ったものであり,教育上好ましくないこと。 c 本件不起立等は,平成11年通達以後,校長が適正に卒業式等を実施するよう指導を繰り返し行い,さらに,本件通達が発せられた後にも,本件通達に基づいて校長が教職員に対して適正に卒業式等を実施するように指導を行った経過があったにもかかわらず,発生した職務命令違反であること。 d 学校も組織である以上,上司の職務上の命令に従うことは当然のことであり,本件不起立等は,組織人としての職務上の義務違- 43 -反であること。 (イ) 起立斉唱等を命ずる職務命令に違反した教職員に対する懲戒処分については,本件通達発出後本件各処分時までにおいては,初回の非行は戒告処分,再非行の場合は,前記の同種再非違行為加重方針により,例外なく前回処分よりも重い処 務命令に違反した教職員に対する懲戒処分については,本件通達発出後本件各処分時までにおいては,初回の非行は戒告処分,再非行の場合は,前記の同種再非違行為加重方針により,例外なく前回処分よりも重い処分とされていた。 都教委は,それまでの同種事案の懲戒処分例を参考にし,控訴人らに対し本件各処分をしたが,戒告処分については,上記a~dの事項により,決して軽微な非行とはいえないことが考慮され,減給処分以上の処分については,これに加え,繰り返し同様の非違行為を行った責任は重いとして,前記の同種再非違行為加重方針により処分が加重された。」 2 争点(1)(本案前の争点)及び(2)(本案の争点)のアないしコについて(1) 争点(1)(本案前の争点)及び(2)(本案の争点)のアないしコについての判断は,当審における控訴人らの主張に対する判断を後記(2)のとおり加えるほかは,原判決の「事実及び理由」中「第4 争点に対する判断」の2ないし10(原判決100頁15行目冒頭から138頁25行目末尾まで)のうちの控訴人らと被控訴人に関する部分に記載のとおりであるから,これを引用する。 (2) 当審における控訴人らの主張に対する判断ア本件各職務命令の発令についての本件各校長の裁量について控訴人らは,本件通達の発出をめぐる議論の経過や本件通達発出後の都教委の本件各校長に対する指導態様,及び,例外なく全ての都立学校で包括的職務命令が発せられ,2校以外は全て文書による個別職務命令が発せられたという事実などに鑑みると,本件各校長が,本件通達発出後,本件実施指針の定める卒業式等の実施のために本件各職務命令を発する必要性を自ら判断して控訴人らに対する本件各職務命令を発したと- 44 -の事実はなく,このことは多くの校長経験者 本件通達発出後,本件実施指針の定める卒業式等の実施のために本件各職務命令を発する必要性を自ら判断して控訴人らに対する本件各職務命令を発したと- 44 -の事実はなく,このことは多くの校長経験者の証言等からも明らかである旨主張する(前記第2の4(1))。 (ア) 本件通達の発出をめぐる議論の経過についてa まず,本件通達をめぐる議論については,甲13によれば,本件通達が発出された直前である平成15年10月1日の第3回対策本部幹事会における討議では,「通達名が,指導でいいのかどうか。」,「文言にふくみをもたせないようにするべきである。」,「『職務命令を発した場合において』とある。これだと,職務命令を発しなければ処分しないということになる。」という発言がされたことが認められる。 しかし,通達名を「指導」としないことが直ちに校長の裁量を否定することにはつながらないし,その余の発言は,その文脈からすると,職務命令を発しない場合に処分しない,逆に言えば,職務命令を発した場合にだけ処分をすると理解される表現は避けるべきであるというものであり,職務命令に関する校長の裁量を否定すべきであるとの意見であるとは解されない。 b また,甲14によれば,平成15年10月9日の第4回対策本部幹事会では,「この通達は校長に対しての職務命令であるから,教職員への周知は必要である。」,「入学式や卒業式の適正実施に向けて,教職員に対し繰り返し指導していただく。それでも,校長の指導に従わないときは,職務命令を発するということだ。」との発言がされたことが認められるが,上記発言のうち前者は校長の裁量とは関係がないし,後者は,むしろ校長に起立斉唱等に関する職務命令を発する裁量があること前提とするものであることが明らかである。 c さらに,甲15によ められるが,上記発言のうち前者は校長の裁量とは関係がないし,後者は,むしろ校長に起立斉唱等に関する職務命令を発する裁量があること前提とするものであることが明らかである。 c さらに,甲15によれば,平成15年10月17日の第3回対策- 45 -本部会合においては,通達及び実施指針案が提示されたが,その中には,校長の職務命令に関する条項が復活し,従来の「校長が,…職務命令を発した場合において…教職員が…服務上の責任を問われることがあることを,教職員に周知すること」との文言が,「教職員が本通達に基づく校長の指示に従わない場合は,服務上の責任が問われることを,教職員に周知すること」に変更されたことが認められる。 しかし,上記の「本件通達に基づく校長の指示」との文言は,校長が本件通達に基づき必ず上記指示(職務命令)を発令しなければならないことを意味するとは解されないし,甲15には,上記の文言の変更が上記のような趣旨で行われたことをうかがわせる記載もない。また,「校長の指示に従わない場合は,服務上の責任が問われる」との文言は,上記の「指示」(後に「職務命令」と変更)が出されている場合で,かつ,教職員がこれに従わない場合に当該教職員の責任を問うことを想定したものであり,上記文言の変更が校長の裁量を否定する根拠となるとは解されない。 d そして,平成11年通達が廃止されたこと(甲1)も,本件通達において,校長の裁量を否定する根拠となるとは解されず,他に,本件通達をめぐる議論の経過の中に,本件各職務命令を発することにつき本件各校長に裁量がないことを裏付けるものはない。 e 証拠(甲11~15)及び弁論の全趣旨によれば,本件通達発出をめぐる議論においては,卒業式等における起立斉唱等の適正実施のためには,校長が教職員に対し職務命令を発 いことを裏付けるものはない。 e 証拠(甲11~15)及び弁論の全趣旨によれば,本件通達発出をめぐる議論においては,卒業式等における起立斉唱等の適正実施のためには,校長が教職員に対し職務命令を発し,教職員がこれに従わない場合には,服務上の責任を問うことが実効的である旨議論されたことが認められるものの,校長には上記職務命令を発するか否かについての裁量はなく必ずこれを発しなければならない旨の議- 46 -論はされていなかったことが認められる。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (イ) 本件通達発出後の都教委の本件各校長に対する指導態様についてa 前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の1(5)ウ及びエ(原判決85頁10行目冒頭から91頁17行目末尾まで)に説示のとおり,本件通達発出以後の都教委の本件各校長に対する指導については,平成15年10月23日の「教育課程の適正実施にかかわる説明会」におけるP31人事部長の指導,同日の校長連絡会における主任指導主事による指導,同月から同年11月にかけて予定されていた都立学校15校の周年式典に向けた指導主事等による各校校長に対する個別的指導(甲607~610),同年12月9日の都立高校校長連絡会及び平成16年1月30日におけるP32指導課長による指導,同年2月10日の都立高校校長連絡会後の学区毎の連絡会における指導主事による指導等が行われたことが認められる。そして,上記各指導の内容は,卒業式等における起立斉唱等の適正実施(本件実施指針の適正実施)のためには,校長が教職員に対し職務命令を発し,教職員がこれに従わない場合には服務上の責任を問うことが実効的であることを前提に,職務命令発令の方法(書式を含む。)や発令する際の注意事項等を細かく教示するも ,校長が教職員に対し職務命令を発し,教職員がこれに従わない場合には服務上の責任を問うことが実効的であることを前提に,職務命令発令の方法(書式を含む。)や発令する際の注意事項等を細かく教示するものであり,これらの指導の結果,平成15年度及び16年度の卒業式において全ての学校で職務命令が発せられていることを併せ考えると,上記の指導は相当強力なものであったことが認められる。 しかし,教職員に対する職務命令を発令する権限は各校長にあり(学校教育法28条3項,40条,51条及び76条),その権限を行使するかどうかについては当然に校長に裁量が認められるべき- 47 -ところ,上記各証拠によっても,都教委が本件各校長から,起立斉唱等を適正に実施するために職務命令を発するかどうかの判断権を法的に奪う措置を採った事実は認められず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。もとより,起立斉唱等を確実に実施するためには,教職員に対する職務命令を発することが実効的であることは明らかであるから,各学校において上記適正実施がされなかった場合に学校管理者として責任を負う立場にある各校長が,自らの判断で職務命令を発することは十分に考えられるところであり,平成15年度及び16年度の卒業式において全ての学校で職務命令が発せられている事実をもって,校長に上記の裁量がなかったということもできない。 b 控訴人らは,校長経験者の人事委員会における発言によれば,職務命令を発するか否かにつき本件各校長に裁量がなかったことは明らかである旨主張し,これに沿う証拠として,甲23,24,552,576,624~626等を挙げ,また,被控訴人提出に係る乙41の1~25(枝番号があるものはその全てを含む。)にも,上記主張に沿う部分がある旨主張する。 しかし,上記各証拠にお 4,552,576,624~626等を挙げ,また,被控訴人提出に係る乙41の1~25(枝番号があるものはその全てを含む。)にも,上記主張に沿う部分がある旨主張する。 しかし,上記各証拠における校長経験者の各発言は,当時において,職務命令を出さざるを得ない状況にあった旨を述べるものであるが,上記aに説示のとおり,起立斉唱等を確実に実施するためには,各校長において教職員に対する職務命令を発することが実効的であったところ,各学校において起立斉唱等の確実な実施がされなかった場合に学校管理者として責任を負う立場にある各校長が,その確実な実施のためには職務命令を発するしかないと自ら判断してこれを発することは十分に考えられるところであり,各校長がこのような立場にあったからといって法的に職務命令を発する裁量が都- 48 -教委によって奪われていたということはできない。したがって,上記の旨を述べる校長経験者の発言をもって,控訴人らの上記主張を裏付けるものとはいえない。なお,上記乙41の1~25中には,各校長が都教委からの命令ではなく,自らの判断で職務命令を発令した旨を発言した部分もある(乙41の3〔539項〕・5〔80,136,137,147,149,150頁〕・11〔10項〕・18〔379,380項〕,なお,乙72(1~5,7頁),86の3(2~9頁)中にも同様の発言がある。)。 c したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (ウ) 以上によれば,本件各校長が,本件通達発出後,本件実施指針の定める卒業式等の実施のための職務命令を発することにつき裁量がなかった旨の控訴人らの主張は,採用することができない。 イ本件通達の発出の意図について(ア) 控訴人らは,本件通達が発出されたのは,国旗国歌条項について 令を発することにつき裁量がなかった旨の控訴人らの主張は,採用することができない。 イ本件通達の発出の意図について(ア) 控訴人らは,本件通達が発出されたのは,国旗国歌条項についての都教委の指導による改善が見られなかったからではなく,平成▲年に都知事に就任したP29やその任命に係る教育長らが,国旗国歌という国家シンボルに「敬意を表明」することができない教職員の世界観・歴史観や教育観,信仰に対し否定的評価をし,これらの者に対し制裁を加えるという政治的目的で発出されたものである旨主張する(前記第2の4(2))。 しかしながら,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の7(2)のア及びイ(原判決121頁21行目冒頭から123頁11行目末尾まで)に認定説示のとおり,都立高等学校における国旗掲揚,国歌斉唱の実施率は,平成12年度卒業式から100%となったものの,国旗を掲揚した三脚を舞台袖の見えないところに置いたり,国歌斉唱時に教員が起立しないなどの実態があったこと,都教委- 49 -は,このような実態を踏まえ,平成14年11月には平成11年通達に基づいて一層の改善を図るよう依頼する通知を発出するなどして指導を継続したが,平成14年度卒業式及び平成15年度入学式における国旗掲揚の方法等についての調査結果は,平成10年度実施指針で定められた方針どおりに国旗掲揚等を行った都立学校等は全体の半分にも満たないものであり,また,国歌斉唱時に起立をしない教員がいるなどの実態がなおあったこと,そこで,都教委は,平成15年6月に本件対策本部を設置し,卒業式等の適正実施について検討した結果を取りまとめ,以上の課題を解決するためには各学校で国旗掲揚及び国歌斉唱の実施についてより一層の改善,充実を図る必要があるとして,同年 に本件対策本部を設置し,卒業式等の適正実施について検討した結果を取りまとめ,以上の課題を解決するためには各学校で国旗掲揚及び国歌斉唱の実施についてより一層の改善,充実を図る必要があるとして,同年10月23日,都立学校長に対し,本件通達を発出したことが認められる。 そして,上記の本件通達発出までの経過に加えて,本件通達の内容が,国旗掲揚及び国歌斉唱によって国旗・国歌を尊重する態度を育てることが求められている卒業式等の学校行事において,児童・生徒に範を示すべき立場にある教職員らに対して儀式的行事における儀礼的所作として国歌斉唱時に起立を求めるものであって,合理性を有するものであることにも鑑みると,平成▲年に都知事に就任したP29やその任命に係る教育長らが,国旗国歌という国家シンボルに「敬意を表明」することができない教職員の世界観・歴史観や教育観,信仰を否定し,これらの者に対し制裁を加えるという政治的目的をもって本件通達を発出したものということはできないというべきである。 (イ) 控訴人らは,上記主張に沿う証拠として,甲92,95~97,170の1・3,171等を挙げるが,これらによって上記控訴人らの主張を認めることはできず,他に控訴人らの上記主張を認めるに足りる証拠はない。 - 50 -また,控訴人らは,上記(ア)の認定説示につき,国家斉唱時に教員が起立しないなどの実態があった旨の校長経験者等の供述(乙62,70,72~79,84,85,86の1・3~5)は,都教委の支配下にある者の供述であり,客観性がなく信用できない旨主張するが,供述内容は具体的で,相互に信用性を補完し合っている上,平成14年度卒業式及び平成15年度入学式における国旗掲揚の方法等についての調査結果(甲11,557)とも合致しているか できない旨主張するが,供述内容は具体的で,相互に信用性を補完し合っている上,平成14年度卒業式及び平成15年度入学式における国旗掲揚の方法等についての調査結果(甲11,557)とも合致しているから,十分信用でき,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 ウ公権力が国家シンボルに対する特定の行為を強制することは許されないとの主張について(ア) 控訴人らは,公権力が国家シンボルに対する特定の具体的行為(国歌を起立して斉唱する,国歌をピアノで伴奏するなど)を公の儀式で行うことを唯一正しいことと決め付け,これを国民に強制することは,国民に対する国家への統合の強制であり,個人の尊厳を否定するものであるから,立憲主義に反し客観的に違法であるし,最高裁判例によれば,個人が自主的に決定すべき事柄等については,多数決原理によっても協力義務を課すことができないところ,個人が国家シンボルとどのように向き合うかは個人が自由に決定すべき事柄であるから,多数決原理をもって国家への帰属に肯定的な価値を認め,国家を中心に個人を肯定する考えや態度を強制することは許されない旨主張する(前記第2の4(3)ア及びイ)。 (イ) しかしながら,本件通達及び本件各職務命令は,国民一般を対象とするものではなく,生徒等に対し法令等に従って教育指導を行う義務を負う公務員である控訴人らに対するものであるから,国民一般に対する行為の強制と控訴人らに対する行為の強制とを同一に論ずることはできない。そして,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対す- 51 -る判断」中の3(原判決101頁24行目冒頭から111頁24行目末尾まで)に説示のとおり,本件通達及び本件各職務命令は,公務員であり都立学校の教職員である控訴人らに対し,卒業式等の教育上の 51 -る判断」中の3(原判決101頁24行目冒頭から111頁24行目末尾まで)に説示のとおり,本件通達及び本件各職務命令は,公務員であり都立学校の教職員である控訴人らに対し,卒業式等の教育上の特に重要な節目となる儀式的行事において,生徒等への配慮を含め,教育上の行事にふさわしい秩序を確保して式典の円滑な進行を図る目的で発せられたものであり,その内容は,卒業式等の式典における慣例上の儀礼的所作として,かつ,国旗国歌条項に沿った教育指導の一つとして,国歌斉唱時の起立斉唱を求めるものであって,学校教育の目標や卒業式等の儀式的行事の意義,在り方等を定めた関係法令等の諸規定の趣旨に沿い,地方公務員の地位の性質及びその職務の公共性を踏まえたものということができ,思想及び良心の自由について間接的な制約となる面はあるものの,その目的,内容,これによってもたらされる制約の態様等を総合的に較量すれば,制約を許容し得る程度の必要性及び合理性が認められ,憲法19条に反しないし,また,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の4ないし10(原判決111頁25行目冒頭から138頁25行目末尾まで)に説示のとおり,憲法13条,20条,23条,26条などにも反しないというべきである。 したがって,本件通達及び本件各職務命令は,国民一般を対象とするものではないことはさておいても,憲法に違反して,控訴人らに対し,国家への統合を強制したり,個人の尊厳を否定し,多数決原理で国家への帰属に肯定的な価値を認めて国家を中心に個人を肯定する考えや態度を強制するものとはいえないから,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 エ起立斉唱等の義務付けは憲法19条に反しないことについて(ア)a 控訴人らは,憲法19条は個々人の思想及び良心の るものとはいえないから,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 エ起立斉唱等の義務付けは憲法19条に反しないことについて(ア)a 控訴人らは,憲法19条は個々人の思想及び良心の自由を保障- 52 -したものであるから,一般的,客観的に見て思想及び良心との結び付きが認められない行為であっても,当該個々人が個別的,主観的に「思想及び良心」と結び付くと考える行為については,これを公権力により強制することは,その個人の思想及び良心と抵触することになり,儀礼的所作であっても,これを強制することは,当該強制を受ける個人との関係で,思想及び良心の自由の制約の問題になる場合がある旨主張する(前記第2の4(4)ア(ア)及び(イ))。 しかし,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の3(2)(原判決102頁18行目冒頭から104頁23行目末尾まで)に説示のとおり,人の思想及び良心の本質又は核心部分を直接否定するような外部的行為を強制することは,その人の思想及び良心を侵害することにほかならないから,憲法19条違反の問題が生じ得ると解されるところ,各人が自己の思想及び良心の本質又は核心部分を直接否定する外部的行為であると独自に考え,主張しさえすれば当該外部的行為を強制されない自由が一般的に認められるとするならば,社会生活が成り立たず,社会秩序が維持できないことは明らかであり,これを承認することはできないことからすると,ある外部的行為を強制することが思想及び良心の本質又は核心部分を直接否定し,ひいては思想及び良心の自由を侵害することになるかどうかは,その外部的行為自体を一般的,客観的な見地から判断して行うのが相当であると解される。 そうすると,社会一般において儀礼的所作であると承認されている行為を強制する行為 することになるかどうかは,その外部的行為自体を一般的,客観的な見地から判断して行うのが相当であると解される。 そうすると,社会一般において儀礼的所作であると承認されている行為を強制する行為は,仮に当該行為を強制される個人が主観的,個別的に「思想及び良心」と結び付くと考えたとしても,思想及び良心の自由を直接侵害する行為とはいえないというべきである。なお,これが思想及び良心の自由に対する間接的な制約となる場合が- 53 -あることは,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の3(3)(原判決104頁24行目冒頭から107頁15行目末尾まで)に説示のとおりであり,この場合は,制約の目的及び内容並びにこれによってもたらされる制約の態様等を総合的に考量して,制約を許容し得る程度の必要性及び合理性が認められるか否かの観点から判断するのが相当であり,これが認められれば,当該制約は許容されるというべきである(最高裁平成23年6月6日第一小法廷判決・民集65巻4号1855頁参照)。 以上によれば,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 b 控訴人らは,上記のように,思想及び良心の自由につき,直接的制約と間接的制約に分けて考えることは,合憲性審査基準の適用回避となり,両者の区別が判然としないから,有害無益であり,間接的にせよ公権力による思想及び良心の自由に対する制約がある場合には,当該制約が憲法上許容されるか否かは,厳格な合憲性審査基準によって審査されなければならない旨主張する(前記第2の4(4)ア(ウ))。 しかし,思想及び良心の自由の制約の態様が直接的か,あるいは間接的かといった制約の態様の違いによって,合憲性の判定の仕方が異なるのは当然であるから,控訴人らの上記主張は,採用することができない(前掲最 し,思想及び良心の自由の制約の態様が直接的か,あるいは間接的かといった制約の態様の違いによって,合憲性の判定の仕方が異なるのは当然であるから,控訴人らの上記主張は,採用することができない(前掲最高裁平成23年6月6日第一小法廷判決参照)。 (イ) 控訴人らは,思想及び良心の自由は,精神的自由の中枢に位置し,個人の尊厳を支える不可欠の条件であるから,その自由の保障は絶対的なものであり,制約が正当化できるかどうかは厳格な合憲性審査基準により判断されるべきであり,いわゆる猿払事件の最高裁判決(最高裁昭和49年11月6日大法廷判決・刑集28巻9号393頁)の- 54 -合憲性審査基準である目的審査,目的と手段の関連性審査,利益均衡の審査によると,本件通達及び本件各職務命令は,控訴人らの思想及び良心の自由を侵害するものであり,許されない旨主張する(前記第2の4(4)イ)。 思想及び良心の自由が,精神的自由の中枢に位置し,個人の尊厳を支える不可欠の条件であることは明らかであり,それが内心にとどまる限りその自由の保障は絶対的なものであることは疑いのないところである。 しかし,思想及び良心の自由が外部的行為として現れ,社会一般の規範等と抵触する場合には,その保障が絶対的であるということはできない。この場合は,制約が合憲か否かが問題となり得るのであり,その制約が正当化できるか否かの判断基準も,上記のとおり,制約の態様によって異なるものであるというべきである。 本件では,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の3(3)(原判決104頁24行目冒頭から107頁15行目末尾まで)に説示のとおり,控訴人らが,本件通達及び本件各職務命令により,個人の歴史観ないし世界観及びこれに由来する社会生活上ないし教育上の信念等に由来す 決104頁24行目冒頭から107頁15行目末尾まで)に説示のとおり,控訴人らが,本件通達及び本件各職務命令により,個人の歴史観ないし世界観及びこれに由来する社会生活上ないし教育上の信念等に由来する行動(敬意の表明の拒否)と異なる外部的行動を求められる限りにおいて,控訴人らの思想及び良心の自由に対する間接的な制約となる面があることは否定し難いところ,このような間接的な制約が許容されるか否かは,本件通達及び本件各職務命令の目的及び内容並びにこれによってもたらされる制約の態様等を総合的に考慮して,制約を許容し得る程度の必要性及び合理性が認められるか否かという観点から判断するのが相当である(前掲最高裁平成23年6月6日第一小法廷判決参照)。控訴人ら主張に係るいわゆる猿払事件の最高裁判決は,本件のように思想及び良心の自由に対する間- 55 -接的な制約が問題となった事案ではなく,公務員の政治活動に対する直接的な制約が問題となった事案であり,事案が異なるから,その判断基準を本件に適用することはできない。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (ウ) 控訴人らは,学校行事における秩序・規律の維持及び学校における意思統一という目的や学校教育法,学習指導要領及び国旗国歌法をもって,起立斉唱等を強制することの正当化根拠にはならないし,子どもの学習権を充足させるといった教師に求められる職務の公共性等に照らすと,控訴人らが公務員であり,その職務に公共性があることをもって,起立斉唱等を強制することを正当化する根拠とすることはできない旨主張する(前記第2の4(4)ウ)。 しかし,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の3(3)(原判決104頁24行目冒頭から107頁15行目末尾まで)に説示のとおり,卒業式等の 旨主張する(前記第2の4(4)ウ)。 しかし,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の3(3)(原判決104頁24行目冒頭から107頁15行目末尾まで)に説示のとおり,卒業式等の教育上の特に重要な節目となる儀式的行事においては,生徒等への配慮を含め,教育上の行事にふさわしい秩序を確保して式典の円滑な進行を図ることが必要であるところ,学校教育法は,小・中・高等学校における教育目標として,国家の現状と伝統についての正しい理解と国際協調の精神の涵養を掲げ(18条2号,36条1号,42条1号),国旗国歌条項も,学校の儀式的行事の意義を踏まえて国旗掲揚及び国歌斉唱による教育指導を行う旨を定めており,また,国旗国歌法は,従来の慣習を法文化して,日の丸を国旗とし,君が代を国歌とする旨を定めているのであるから,住民全体の奉仕者として法令等及び上司の職務上の命令に従って職務を遂行すべきこととされる地方公務員である控訴人らにとっては,その地位の性質及びその職務の公共性(憲法15条2項,地公法30条,32条)に鑑み,児童・生徒に対する学習指導要領(国旗国歌条項)- 56 -に沿った教育指導の一つとして行われる卒業式等において起立斉唱等するよう発せられた本件各職務命令に従わなければならないのは当然である。そして,上記の説示によれば,控訴人らが,本件通達や本件各職務命令に従うことは,生徒の学習権の充足にも資するものであって,これをないがしろにするものとは到底解されない。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (エ) 控訴人らは,国旗に向かい起立斉唱をすることは,客観的に見て国家に対する忠誠を示す意味があるから,一定の思想性を持つ行為であるところ,国家とどう向き合うかは,個人の自律的判断に委ねられる事柄である 控訴人らは,国旗に向かい起立斉唱をすることは,客観的に見て国家に対する忠誠を示す意味があるから,一定の思想性を持つ行為であるところ,国家とどう向き合うかは,個人の自律的判断に委ねられる事柄であるから,上記行為を国家が強制することは許されない旨主張する(前記第2の4(4)エ)。 しかし,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の3(2)及び(3)(原判決102頁18行目冒頭から107頁15行目末尾まで)に説示のとおり,卒業式等において起立斉唱する行為は,一般的,客観的に見て,出席する教職員にとって通常想定される行為であり,卒業式等における慣例上の儀礼的所作としての性質を有する行為ということができ,かつ,そのような所作として外部からも認識されるものというべきであって,国旗及び国歌に対する敬意の表明の要素が含まれることを否定することはできないものの,国家に対する忠誠を示す意味があるとまでは認められない。そして,本件通達及び本件各職務命令が憲法19条等に反しないものであることは前記ウ(イ)に説示のとおりである。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (オ) 控訴人らは,起立斉唱等の強制は,これをすることができないとの思想を有する教師をあぶり出す効果があるから,沈黙の自由を侵害する上,本件各処分は,起立斉唱等をすることができないとの思想・- 57 -信条を有していることを理由にされた不利益取扱いであり憲法19条に反する旨主張する(前記第2の4(4)オ及びカ)。 しかし,控訴人らの上記主張に理由がないことは,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の3(4)ウ(原判決109頁23行目冒頭から110頁12行目末尾まで)に説示のとおりである。 (カ) 控訴人らは,バーネット判決は ないことは,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の3(4)ウ(原判決109頁23行目冒頭から110頁12行目末尾まで)に説示のとおりである。 (カ) 控訴人らは,バーネット判決は,国旗に向かって国歌を斉唱することの義務付けが憲法上許されないことを示すアメリカ連邦最高裁の判例であり,本件においても参考となる旨主張する(前記第2の4(4)キ)。 しかし,バーネット判決と本件とでは事案が異なることは,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の3(4)オ(原判決110頁20行目冒頭から111頁21行目末尾まで)に説示のとおりであるから,控訴人らの上記主張は,採用することができない。。 オ本件通達,本件各職務命令及び本件各処分が憲法20条に違反しないことについて(ア)a 控訴人らは,起立斉唱等の強制が信仰の自由に対する間接的制約であるとすれば,その合憲性は厳格な審査基準により判定されるべきである旨主張する(前記第2の4(5)ア(ア))。 しかし,信仰の自由についても,その制約が許容されるか否かの判断については,前記の思想及び良心の自由の場合と同様に,その制約の態様が直接的か,あるいは間接的かといった制約の態様の違いによって差があり,合憲性の判定の仕方も異なるというべきである。 本件では,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の4(原判決111頁25行目冒頭から113頁2行目末尾まで)に説示のとおり,控訴人P2ら3名が,本件通達及び本件各職- 58 -務命令によって,その信仰に由来する行動(敬意の表明の拒否)と異なる外部的行動を求められる限りにおいて,控訴人P2ら3名の信教の自由についての間接的な制約があるというべきである。そして,この場合に制約が許容 って,その信仰に由来する行動(敬意の表明の拒否)と異なる外部的行動を求められる限りにおいて,控訴人P2ら3名の信教の自由についての間接的な制約があるというべきである。そして,この場合に制約が許容されるか否かについては,制約の目的及び内容並びに制限を介して生ずる制約の態様等を総合的に考量して,上記の制約を許容し得る程度の必要性及び合理性が認められるか否かという観点から判断するのが相当である。なお,本件通達及び本件各職務命令の目的及び内容並びに制限を介して生ずる制約の態様等を総合的に考量すれば,上記の制約を許容し得る程度の必要性及び合理性が認められる。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 b 控訴人P2ら3名は,「日の丸」や「君が代」は,宗教国家及び国家宗教の象徴でもあった上,歴史的に国家神道という宗教そのものと深く結び付いており,現在においても中立的なものと認められるに至っていないから,これらの宗教性を受容し難いと考える同控訴人らの信念に鑑みると,本件通達,本件各職務命令は,同控訴人らに「日の丸」や「君が代」を式次第に含む儀式への参加を強制するものとして,憲法20条2項違反に当たり,また,同控訴人らの信仰の自由を直接侵害する行為であり,本件各処分は信仰を理由に不利益をもたらすものとして同条1項に違反する旨主張する(前記第2の4(5)ア(イ))。 しかし,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の4(原判決111頁25行目冒頭から113頁2行目末尾まで)に説示のとおり,卒業式等における起立斉唱等は,儀式的行事における都立学校職員という社会的な立場にある者としての行動にすぎず,本件通達及び本件各職務命令が,同控訴人らの有する信仰を否- 59 -定したり,その信仰の有 等における起立斉唱等は,儀式的行事における都立学校職員という社会的な立場にある者としての行動にすぎず,本件通達及び本件各職務命令が,同控訴人らの有する信仰を否- 59 -定したり,その信仰の有無について告白を強要したりするものであるということはできないし,また,卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱は,国旗及び国歌に対する敬意の表明の要素が含まれることは否定できないものの,一般的,客観的に見て,儀式的行事における儀礼的所作に当たる行為であり,それを超えて,宗教的意味合いを持つ行為であるということはできない。そして,控訴人P2ら3名が,本件通達及び本件各職務命令によって,その信仰に由来する行動(敬意の表明の拒否)と異なる外部的行動を求められることとなり,その限りにおいて,その信教の自由についての間接的な制約となる面があるとしても,本件通達及び本件各職務命令の目的及び内容並びに上記の制限を介して生ずる制約の態様等を総合的に衡量すれば,上記の制約を許容し得る程度の必要性及び合理性が認められるものである。 そうすると,同控訴人らに対する関係で本件通達及び本件各職務命令は信教の自由を侵害しないから,控訴人P2ら3名に対する本件各職務命令違反を理由としてされた本件各処分が信教の自由を侵害するものであるということはできない。 したがって,同控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (イ) 控訴人P2ら3名は,信仰の自由の制約についての合憲性判定基準は目的審査,手段審査及び目的と手段との関連審査を中心とする厳格な審査基準が要求される旨主張する(前記第2の4(5)イ)。 しかし,信仰の自由についても,その制約が許容されるか否かの判断については,前記の思想及び良心の自由の場合と同様に,その制約の態様が直接的か,あ 要求される旨主張する(前記第2の4(5)イ)。 しかし,信仰の自由についても,その制約が許容されるか否かの判断については,前記の思想及び良心の自由の場合と同様に,その制約の態様が直接的か,あるいは間接的かといった制約の態様の違いによって差があり,合憲性の判定の仕方も異なるというべきであり,本件における控訴人P2ら3名に対する関係では,前記(ア)に説示のとお- 60 -り,間接的制約が問題になるにすぎないから,同控訴人らの上記主張は,採用することができない。 カ本件通達及び本件各職務命令が憲法13条,23条及び26条に違反しないことについて控訴人らは,教師には公権力によって一方的な見解を教授することを強制されない自由があり,教育の本質的要請から,教授の具体的内容及び方法につき創意工夫や一定程度の裁量が保障されているところ,本件通達及び本件各職務命令は,教職員に対し,「国旗に向かって起立し,国家を斉唱すること」という特定の行動を義務付けるものであり,国家斉唱時に「起立斉唱」以外の行為を認めないことは,「国家斉唱時に起立斉唱することが正しい」との一方的な観念に基づく指導を強制されることにほかならず,教師の上記裁量の余地を奪っていることは明らかであるから,控訴人ら教師の教授の自由を侵害し,違憲である旨主張する(前記第2の4(6))。 しかし,国旗・国歌を尊重することが国際慣習となっていることは周知の事実であることに加え,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の3(2)(原判決102頁18行目冒頭から104頁23行目末尾まで)に説示のとおり,卒業式等における起立斉唱等は,儀式的行事において,都立学校職員という社会的な立場にある者として通常想定される行動であり,教職員の教育上の信念等を否定したり,特定の 行目末尾まで)に説示のとおり,卒業式等における起立斉唱等は,儀式的行事において,都立学校職員という社会的な立場にある者として通常想定される行動であり,教職員の教育上の信念等を否定したり,特定の思想や観念と結び付くものであると評価することはできないから,本件通達及び本件各職務命令によって卒業式等における起立斉唱等を教師に対して義務付けることが,教師に対し,一方的な見解や観念を児童・生徒に教授したり,植え付けたりすることを強制し,教師に認められた指導上の裁量を不当に制約するものということはできない。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 - 61 -キ学習指導要領(国旗国歌条項)の法的拘束力について控訴人らは,昭和51年大法廷判決の趣旨を踏まえると,国旗国歌条項は,飽くまで大綱的基準としての法的拘束力を有するだけであるから,教師に対し一方的な観念や理論を生徒に教えるように強制する趣旨を含まない上,教師には創造的かつ弾力的な教育の余地が残されているというべきであるから,教師に対し,一律に起立斉唱等を命じたり,生徒に対する内心の自由の説明を禁止したりすることは,国旗国歌条項の上記の大綱的基準性を否定することにほかならず,学習指導要領の趣旨に反する旨主張する(前記第2の4(7))。 しかし,前記カに説示のとおり,本件通達及び本件各職務命令は,控訴人らに対し,一方的な見解や観念を生徒に教えるように強制する趣旨を含まないから,これらを発することが,学習指導要領(国旗国歌条項)又はその大綱的基準性に反するとはいえない。なお,本件各職務命令は,控訴人らに対し,内心の自由の説明を禁止することを命令するものではない。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 ク本件通達及び本件各 いえない。なお,本件各職務命令は,控訴人らに対し,内心の自由の説明を禁止することを命令するものではない。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 ク本件通達及び本件各職務命令が教育基本法10条1項が禁止する「不当な支配」に当たらないことについて(ア) 控訴人らは,昭和51年大法廷判決が,公立学校においては,教育委員会は学校に対する管理権に基づき,学校の教育課程の編成について基準を設定し,一般的な指示を与え,指導,助言を行うとともに,「特に必要な場合」には,具体的な命令を発することができると判示したところ,行政調査ではない純粋な教育活動について,その内容又は方法に関して教育委員会が校長に対しある特定の教育活動を禁止する具体的な職務命令を発することが「特に必要な場合」は,原則として考えられないから,本件通達の発出が特に必要であったとはいえな- 62 -い旨主張する(前記第2の4(8)ア)。 しかしながら,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の7(2)のア及びイ(原判決121頁21行目冒頭から123頁11行目末尾まで)に認定説示のとおり,都立高等学校における国旗掲揚,国歌斉唱の実施率は,平成12年度卒業式から100%となったものの,国旗を掲揚した三脚を舞台袖の見えない所に置いたり,国歌斉唱時に教員が起立しないなどの実態があったこと,都教委は,このような実態を踏まえ,平成14年11月には平成11年通達に基づいて一層の改善を図るよう依頼する通知を発出するなどして指導を継続したが,平成14年度卒業式及び平成15年度入学式における国旗掲揚の方法等についての調査結果は,平成10年度実施指針で定められた方針どおりに国旗掲揚等を行った都立学校等は全体の半分にも満たないものであり, 平成14年度卒業式及び平成15年度入学式における国旗掲揚の方法等についての調査結果は,平成10年度実施指針で定められた方針どおりに国旗掲揚等を行った都立学校等は全体の半分にも満たないものであり,また,国歌斉唱時に起立をしない教員がいるなどの実態がなおあったこと,そこで,都教委は,平成15年6月に本件対策本部を設置し,卒業式等の適正実施について検討した結果を取りまとめ,以上の課題を解決するためには各学校で国旗掲揚及び国歌斉唱の実施についてより一層の改善,充実を図る必要があるとして,同年10月23日,都立学校長に対し,本件通達を発出したこと,これら本件通達発出の経緯に照らすと,本件通達を発出する必要性が認められ,また,上記のように,校長を通じて平成10年実施指針の徹底を指導したにもかかわらず,これが徹底されていない実態が広く見られたことに照らせば,これを実現するために,卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施方法等も定めた本件通達により具体的な命令を発することが「特に必要」であったということができる。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (イ) 控訴人らは,平成10年実施指針が徹底されていない実態が見ら- 63 -れたという事実はないから,これを理由として本件通達の発出が特に必要であったとはいえないし,国旗を掲揚した三脚を舞台袖の見えない所に置いたり,国歌斉唱時に起立をしない教職員がいたとしても,そのことが上記の「特に必要な場合」を基礎付ける事情にはならない旨主張する(前記第2の4(8)イ)。 しかし,平成10年実施指針が徹底されていない実態が見られたのは,前記(ア)のとおりである。 また,国旗国歌条項の制定趣旨等は,前記引用に係る原判決の「第 4 争点に対する判断」中の しかし,平成10年実施指針が徹底されていない実態が見られたのは,前記(ア)のとおりである。 また,国旗国歌条項の制定趣旨等は,前記引用に係る原判決の「第 4 争点に対する判断」中の6の(1)ア(原判決116頁5行目冒頭から117頁5行目末尾まで)に説示のとおりであり,生徒等に国旗・国歌に対する一層正しい認識を持たせ,それらを尊重する態度を育てることなどを目的として,卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱による教育指導を求めるということにあることに照らすと,国旗国歌条項が,単に国旗掲揚及び国歌斉唱を実施すれば足りるという趣旨で定められたものであると解することはできないから,平成13年以降全ての都立学校の卒業式等において国旗掲揚及び国歌斉唱を実施しているとはいえ,国旗を掲揚した三脚を舞台袖の見えない所に置いたり,教師が起立斉唱をしないといった実態は,上記の国旗国歌条項の制定趣旨等に鑑み,国旗・国歌に関する教育,指導の在り方として望ましくないものというべきであり,このような実態を踏まえて国旗・国歌の指導をより一層改善,充実することを目的としてされた本件通達の発出は,前記「特に必要な場合」の要件を満たすものであった。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (ウ) 控訴人らは,① 平成10年実施指針における国旗を式典会場の正面に掲げるという方法は,十分に徹底されていたこと,② 会場設営の方法につきフロア式・対面式の禁止は,学校ごとの実態や生徒の- 64 -発達段階及び特性に合わせて生徒達に「厳粛かつ清新な気分」を味わうことを可能にするために行われていた卒業式等を禁止するものであること,③ 校長が教師に対し起立を促すかどうか,起立斉唱や伴奏の方法をどのようにするかは,校長の教育的配慮に基づく裁 新な気分」を味わうことを可能にするために行われていた卒業式等を禁止するものであること,③ 校長が教師に対し起立を促すかどうか,起立斉唱や伴奏の方法をどのようにするかは,校長の教育的配慮に基づく裁量に属するものであることからすると,本件通達における国旗掲揚についての指示内容は,校長の裁量を不当に制約するものである旨主張する(前記第2の4(8)ウ)。 しかし,上記①については,平成10年実施指針における国旗を式典会場の正面に掲げるという方法が十分に徹底されていなかったことは前記(ア)に認定説示のとおりである。 また,上記②については,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の7(3)オ(イ)(原判決126頁20行目冒頭から127頁8行目末尾まで)に説示のとおり,本件実施指針において,会場設営の方法について,「卒業式を体育館で実施する場合には,舞台壇上に演台を置き,卒業証書を授与する」,「入学式,卒業式等における式典会場は,児童・生徒が正面を向いて着席するように設営する。」等としており,相当程度具体的に指示する内容のものであるとこころ,会場設営の方法としては,これ以外の方法(いわゆるフロア方式等)も考えられるが,卒業生に対する卒業証書の授与を式典会場の正面舞台の壇上において行い,参列者が当該授与の場面(正面舞台)を注目するという形式の会場設営の方法は,卒業式等に参列する児童・生徒(特に卒業生)に対して,厳粛かつ清新な気分を味わせて教育効果を高めるものということができるから,上記指示内容は相当であり,このような会場設営の方法を具体的に命じることが,卒業式等の実施における校長の裁量権を不当に制約するものとはいえない。 さらに,上記③については,前記アに説示のとおり,本件通達は,- 65 -卒業式等におい の方法を具体的に命じることが,卒業式等の実施における校長の裁量権を不当に制約するものとはいえない。 さらに,上記③については,前記アに説示のとおり,本件通達は,- 65 -卒業式等において,教職員に対し,起立斉唱等をするよう職務命令を発することを義務付けるものではないから,職務命令を発することに関する校長の裁量は何ら制約されていないというべきである。また,本件実施指針の定める起立斉唱の方法(式典会場において,教職員は,会場の指定された席で国旗に向かって起立し,国歌を斉唱する。)は,一般的な方法であり,伴奏の方法(国歌斉唱は,ピアノ伴奏等により行う。)も,卒業式等に参列する児童・生徒に対し,厳粛かつ清新な気分を味わせて教育効果を高めるという観点からも通常望ましいものであり,これらの方法は相当であるから,上記方法の指示が卒業式等の実施における学校(校長)の裁量権を不当に制約するものということはできない。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 ケ本件通達及び本件各職務命令が自由権規約18条に違反しないことについて(ア) 控訴人らは,自由権規約18条の解釈に当たっては,条約法条約31条及び自由権規約の関係規定に基づき,自由権規約委員会による一般的見解,最終意見及び見解等の有権的解釈が十分に尊重されなければならないところ,これらによれば,本件通達及び本件各職務命令による起立斉唱等の強制は,自由権規約18条1項に反することが明らかである旨主張する(前記第2の4(9)ア)。 しかし,本件通達及び本件各職務命令が憲法19条,20条に違反するものではないことは,前記引用に係る原判決の「第3 争点に対する判断」中の3及び4(原判決101頁24行目冒頭から113頁2行目末尾まで)に説示のとおり 本件各職務命令が憲法19条,20条に違反するものではないことは,前記引用に係る原判決の「第3 争点に対する判断」中の3及び4(原判決101頁24行目冒頭から113頁2行目末尾まで)に説示のとおりであるから,本件通達及び本件各職務命令が自由権規約18条1項に反するとはいえず,控訴人主張に係る上記自由権規約委員会による一般的見解,最終意見及び見解等の有- 66 -権的解釈によっても,上記結論が左右されるものではない。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (イ) 控訴人らは,児童の権利に関する条約12条及び14条によって保護される利益(子どもの意見表明権,思想及び良心の自由並びに宗教の自由)は,公共の利益である上,控訴人らの利益に反するものではないから,控訴人らが本件各処分の違法性を基礎付ける根拠として,本件通達及び本件職務命令が同条約12条及び14条に違反する旨主張することは,行訴法10条1項に反しない旨主張する(前記第2の4(9)イ)。 しかし,仮に,控訴人らの上記主張が,行訴法10条1項に反しないとしても,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の8(2)(原判決134頁11行目冒頭から末行末尾まで)に説示のとおり,本件通達は,本件実施指針に定められていないことについては,教職員や児童・生徒の自主的工夫の余地があり,弾力的な実施が可能であり,卒業式等の実施方法について,各学校の裁量の余地を残しているということができるから,本件通達(本件実施指針)に基づいて国旗・国歌の指導を行うことが,児童・生徒の思想及び良心の自由又は信教の自由を侵害するという関係にあるということはできない。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 3 争点(2)ケ(本件各 とが,児童・生徒の思想及び良心の自由又は信教の自由を侵害するという関係にあるということはできない。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 3 争点(2)ケ(本件各処分は裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものであるか)について(1) 職務命令に違反する不起立等に対する懲戒処分における懲戒権者の裁量についてア(ア) 公務員に対する懲戒処分について,懲戒権者は,懲戒事由に該当すると認められる行為の原因,動機,性質,態様,結果,影響等のほか,当該公務員の上記行為の前後における態度,懲戒処分等の処分歴,- 67 -選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響等,諸般の事情を考慮して,懲戒処分をすべきかどうか,また,懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択すべきかを決定する裁量権を有しており,その判断は,それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したと認められる場合に,違法となるものと解される(最高裁昭和52年12月20日第三小法廷判決・民集31巻7号1101頁,最高裁平成2年1月18日第一小法廷判決・民集44巻1号1頁参照)。 (イ) 地方公務員に対する懲戒処分は,軽い順に,戒告,減給,停職,免職の4種類がある(地公法29条1項)。戒告処分は,その責任を確認してその将来を戒める処分であり,減給処分は,処分それ自体によって一定期間給与が減額されるという直接の給与上の不利益が及ぶ処分であり,停職処分は,処分それ自体によって地方公務員たる法的地位に一定の期間における職務の停止及び給与の全額の不支給という直接の職務上及び給与上の不利益が及ぶ処分である。なお,戒告処分においては,本給の減額はないが,昇給の延伸や勤勉手当の減額が条例に基づいて行われる。 イ(ア の停止及び給与の全額の不支給という直接の職務上及び給与上の不利益が及ぶ処分である。なお,戒告処分においては,本給の減額はないが,昇給の延伸や勤勉手当の減額が条例に基づいて行われる。 イ(ア) 本件において,前記ア(ア)の諸事情についてみると,本件不起立等の性質,態様は,全校の生徒等の出席する重要な学校行事である卒業式等において行われた教員による職務命令違反であり,本件不起立等は,その結果,影響として,学校の儀式的行事としての式典の秩序や雰囲気を一定程度損なう作用をもたらすものであって,それにより式典に参列する生徒への影響も伴うことは否定し難い。 (イ) 他方,本件不起立等の動機,原因は,控訴人らの信念等に基づくもので,控訴人らの歴史観ないし世界観等に由来する「君が代」や「日の丸」に対する否定的評価等のゆえに,本件各職務命令により求- 68 -められる行為と自らの歴史観ないし世界観等に由来する外部的行動とが相違することであり,個人の歴史観ないし世界観等に起因するものである。また,本件不起立等の性質,態様は,上記のとおり,その結果,影響として,学校の儀式的行事としての式典の秩序や雰囲気を一定程度損なう作用をもたらすものであって,それにより式典に参列する生徒への影響も伴うことは否定し難い面がある一方,卒業式等に対する積極的な妨害等の作為ではなく,物理的に式次第の遂行を妨げるものではない。そして,本件不起立等の結果,影響も,上記のような面がある一方で,本件不起立等のこのような性質,態様に鑑みると,当該式典の進行に具体的にどの程度の支障や混乱をもたらしたかについて客観的な評価の困難な事柄であり,本件不起立等により卒業式等の運営,進行に具体的に支障が生じた事実を認めるに足りる証拠はない。 ウ本件各職務命令は,前記引用に係る原判 混乱をもたらしたかについて客観的な評価の困難な事柄であり,本件不起立等により卒業式等の運営,進行に具体的に支障が生じた事実を認めるに足りる証拠はない。 ウ本件各職務命令は,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」中の3ないし10(原判決101頁24行目冒頭から138頁25行目末尾まで)に説示のとおり,憲法19条,23条などに違反するものではなく,学校教育の目標や卒業式等の儀式的行事の意義,在り方等を定めた関係法令等の諸規定の趣旨に沿って,地方公務員の地位の性質及びその職務の公共性を踏まえ,生徒等への配慮を含め,教育上の行事にふさわしい秩序の確保とともに式典の円滑な進行を図るものであって(前掲最高裁平成23年6月6日第一小法廷判決参照),このような観点から,その遵守を確保する必要性があるものということができる。このことに加え,前記のとおり,その結果,影響として,学校の儀式的行事としての式典の秩序や雰囲気を一定程度損なう作用をもたらすものであって,それにより式典に参列する生徒への影響も伴うことは否定し難い面があることによれば,本件各職務命令の違反に対し,教職員の規律- 69 -違反の責任を確認してその将来を戒める処分である戒告処分をすることは,学校の規律や秩序の保持等の見地からその相当性が基礎付けられるものであって,法律上,処分それ自体によって教職員の法的地位に直接の職務上ないし給与上の不利益を及ぼすものではないことも併せ考慮すると,前記認定した将来の昇給等への影響や勤勉手当への影響を勘案しても,過去の同種の行為による懲戒処分等の処分歴の有無等にかかわらず,基本的に懲戒権者の裁量権の範囲内に属する事柄ということができると解される。 前記イ(イ)においてみた事情に関しては,本件不起立等に対する懲戒において戒告を超 等の処分歴の有無等にかかわらず,基本的に懲戒権者の裁量権の範囲内に属する事柄ということができると解される。 前記イ(イ)においてみた事情に関しては,本件不起立等に対する懲戒において戒告を超えてより重い減給以上の処分を選択することについて,本件事案の性質等を踏まえた慎重な考慮を必要とする事情であるとはいえるものの,このことを勘案しても,本件各職務命令の違反に対し懲戒処分の中で最も軽い戒告処分をすることが裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たるとは解し難い。また,本件各職務命令の違反に対し1回目の違反であることに鑑みて訓告や指導等にとどめることなく戒告処分をすることに関しては,これを裁量権の範囲内における当不当の問題として論ずる余地はあり得るとしても,その一事をもって直ちに裁量権の範囲の逸脱又はその濫用として違法の問題を生ずるとまではいい難い(最高裁平成24年判決②参照)。 エ他方,前記イ(イ)においてみた事情によれば,本件不起立等に対する懲戒において戒告を超えてより重い減給以上の処分を選択することについては,事案の性質等を踏まえた慎重な考慮が必要となるものといえる。 そして,減給処分は,処分それ自体によって教職員の法的地位に一定の期間における本給の一部の不支給という直接の給与上の不利益が及び,将来の昇給等にも相応の影響が及ぶ上,本件通達を踏まえて毎年度2回以上の卒業式や入学式等の式典のたびに懲戒処分が累積して加重される- 70 -と短期間で反復継続的に不利益が拡大していくこと等を勘案すると,上記のような考慮の下で本件不起立等に対する懲戒において戒告を超えて減給の処分を選択することが許容されるのは,過去の非違行為による懲戒処分等の処分歴や不起立行為等の前後における態度等(以下,併せて「過去の処分歴等」という。)に鑑み,学校の 懲戒において戒告を超えて減給の処分を選択することが許容されるのは,過去の非違行為による懲戒処分等の処分歴や不起立行為等の前後における態度等(以下,併せて「過去の処分歴等」という。)に鑑み,学校の規律や秩序の保持等の必要性と処分による不利益の内容との権衡の観点から当該処分を選択することの相当性を基礎付ける具体的な事情が認められる場合であることを要すると解すべきである。 したがって,不起立等に対する懲戒において減給処分を選択することについて,上記の相当性を基礎付ける具体的な事情が認められるためには,例えば過去の1回の卒業式等における不起立等による懲戒処分の処分歴がある場合に,これのみをもって直ちにその相当性を基礎付けるには足りず,上記の場合に比べて過去の処分歴に係る非違行為がその内容や頻度等において規律や秩序を害する程度の相応に大きいものであるなど,過去の処分歴等が減給処分による不利益の内容との権衡を勘案してもなお規律や秩序の保持等の必要性の高さを十分に基礎付けるものであることを要するというべきである(最高裁平成24年判決②参照)。 オ(ア) 以上の点について,控訴人らは,まず,戒告処分も,これより重い減給以上の処分と同様に,不起立等の行為の動機が思想及び良心の自由に由来するものであり,行為態様が積極的な妨害行為を伴うものでないこと,給与上の不利益には,質的差異はなく,量的な差もごく小さいこと,卒業式や入学式等の式典のたびに懲戒処分が累積して加重されると,短期間で不利益が拡大していくものであることを挙げ,戒告処分についても,減給処分などと同様に慎重な考慮が必要である旨主張する(第2の4(10)ア(ア))。 しかし,本件各処分のうち戒告処分を受けた控訴人らの本件不起立- 71 -等の動機が,思想及び良心の自由に由来し, どと同様に慎重な考慮が必要である旨主張する(第2の4(10)ア(ア))。 しかし,本件各処分のうち戒告処分を受けた控訴人らの本件不起立- 71 -等の動機が,思想及び良心の自由に由来し,行為態様も積極的な妨害行為を伴うものでないことことは認められるものの,給与上の不利益については,戒告処分が,勤勉手当の減額という条例上の不利益や将来の昇給等への間接的な影響を受けるのにとどまるのに対し,減給や停職処分は,法律上の不利益として一定期間,給与そのものが直接減額ないし不支給とされるのみならず,その結果が期末手当,退職金,年金等に直接影響するなど多大な不利益を伴うものである。それゆえ,減給以上の処分は,短期間に懲戒処分が累積して加重されると,重ねて戒告処分をされるのと比較し,重大な法律上の不利益が短期間に拡大していくことになるものである。これらの事情に照らすと,戒告処分とこれより重い減給や停職処分とで,処分選択の際に要求される慎重さの程度に差があることはやむを得ないものというべきである。 控訴人らは,戒告処分は,減給処分と異なり,本給の減額はないものの,それ以外の教職員の給与や身分に関わる不利益は全く同じであるなどと主張し,戒告処分においても,退職金,年金支給額に影響を受ける旨主張する(第2の4(10)ウ(イ))が,弁論の全趣旨によれば,戒告処分による退職金及び年金支給額への影響は,本給の昇給の延伸や圧縮による間接的なものであり,その額も減給処分と比べて相当低いことが認められるから,採用することができないし,控訴人ら主張に係るその他の主張も上記説示に照らし,採用することができない。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (イ) また,控訴人らは,本件不起立等を行った原因・動機は,憲法上保障を 他の主張も上記説示に照らし,採用することができない。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (イ) また,控訴人らは,本件不起立等を行った原因・動機は,憲法上保障を受けるべき思想及び良心の自由に由来するものであり,公務員関係の秩序維持など憲法的価値でないものと比較できないほど大きいから,処分の量定の際の考慮事項としては極めて重要であり,戒告処分においてもより慎重な対応をすべきである旨主張する(第2の4(1- 72 -0)ア(イ))。 しかし,前記ウに説示のとおり,本件各職務命令は憲法19条などに違反するものではなく,学校教育の目標や卒業式等の儀式的行事の意義,在り方等を定めた関係法令等の諸規定の趣旨に沿って,地方公務員の地位の性質及びその職務の公共性を踏まえ,生徒等への配慮を含め,教育上の行事にふさわしい秩序の確保とともに式典の円滑な進行を図るものであって(前掲最高裁平成23年6月6日第一小法廷判決参照),その遵守を確保する必要性は大きいというべきである。なお,公務員の選定罷免権を国民固有の権利とし,全ての公務員が全体の奉仕者であるなどと定める憲法(15条1項,2項)が,公務員秩序の維持を憲法的価値と認めていないとはいえない。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (2) 本件各処分のうち戒告処分を受けた控訴人らについてア控訴人P33,同P34,同P35,同P36,同P37,同P38,同P39,同P40,同P41,同P42,同P43,同P44,同P45,同P46,同P47,同P48,同P49(以下「控訴人P49」という。),同P50,同P51,同P52,同P53,同P54,同P55,同P6,同P8,同P56,同P57,同P58,同P59,同P60,同P61,同P ,同P48,同P49(以下「控訴人P49」という。),同P50,同P51,同P52,同P53,同P54,同P55,同P6,同P8,同P56,同P57,同P58,同P59,同P60,同P61,同P24,同P62,同P63,同P17,同P64,同P65,同P66,同P25,同P67,同P68,同P69,同P70,同P71,同P72,同P73は,前記引用に係る原判決の「第4 争点に対する判断」の1(6)のイ(原判決96頁9行目冒頭から98頁2行目末尾まで)及びオ(原判決98頁23行目冒頭から100頁14行目末尾まで)に認定のとおり,卒業式等における本件不起立等を処分事由として,いずれも本件各処分のうちの戒告処分を受けたが,上記戒告処分は上記控訴人らにとって初めて受けた懲戒処分であったことが認められる。 - 73 -しかし,前記(1)ウの説示によれば,このように過去に処分歴のない者に対してされた戒告処分であっても,社会観念上著しく妥当を欠くものとはいえず,上記控訴人らに対する各戒告処分は,懲戒権者としての裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法であるとはいえないものと解するのが相当である。 イ(ア) 控訴人らは,懲戒処分は公務員関係の秩序維持のために科される制裁であるが,教育部門においては,生徒の価値観の多様性や個性の尊重の保障という教育本来の目的に適合した行政が行われなければならないから,本件通達によって「公務員秩序の維持」の名の下に教育公務員に対する非教育的な行為の強制を行ったり,これに違反したとして懲戒処分をすることは,行政権力の教育に対する不当な支配を目的とするものであり,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものとして違法となる旨主張する(前記第2の4(10)イ(ア))。 しかし,前記(1)ウ は,行政権力の教育に対する不当な支配を目的とするものであり,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものとして違法となる旨主張する(前記第2の4(10)イ(ア))。 しかし,前記(1)ウに説示のとおり,本件通達や本件各職務命令は,憲法19条,23条などに違反するものではなく,学校教育の目標や卒業式等の儀式的行事の意義,在り方等を定めた関係法令等の諸規定の趣旨に沿って,地方公務員の地位の性質及びその職務の公共性を踏まえ,生徒等への配慮を含め,教育上の行事にふさわしい秩序の確保とともに式典の円滑な進行を図るものであって(前掲最高裁平成23年6月6日第一小法廷判決参照),教育に対する不当な支配を目的として,控訴人らに非教育的行為を強制するものとはいえない。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (イ) 控訴人らは,最高裁平成8年判決における審査基準を本件に当てはめると,本件各処分は社会観念上著しく妥当を欠き,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものであるから,違法である旨主張する(前記第2の4(10)イ(イ))。 - 74 -しかし,最高裁平成8年判決は,宗教上の信条に基づいて剣道実技を拒否した学生が,原級留置,退学処分という極めて重い不利益処分の取消しを求めた事案であって,本件とは事案を異にするから,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (ウ) 控訴人らは,本件各処分は,公務員秩序の維持といった本来の懲戒処分の目的をもってされたものではなく,起立斉唱等に反対する教職員をあぶり出し,懲戒処分をすることによって教育現場から排除することを目的としたものであるから,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法である旨主張する(前記第2の4(10)ウ(ア))。 しかし, ,懲戒処分をすることによって教育現場から排除することを目的としたものであるから,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法である旨主張する(前記第2の4(10)ウ(ア))。 しかし,本件各処分の目的が,起立斉唱等に反対する教職員をあぶり出し,懲戒処分をすることによって教育現場から排除することを目的としたものでないことは,前記(1)ウに説示のとおりである。 したがって,控訴人らの上記主張は,採用することができない。 (3) ア本件各処分のうち減給処分及び停職処分を受けた控訴人らについて前記(1)のとおり,最高裁平成24年両判決によれば,職務命令に違反する不起立等に対する懲戒処分において,戒告処分を超えて減給以上の重い処分を選択することが許容されるのは,過去の非違行為による懲戒処分等の処分歴や不起立等の前後における態度等に鑑み,学校の規律や秩序の保持等の必要性と処分による不利益の内容との権衡の観点から当該処分を選択することの相当性を基礎付ける具体的な事情が認められる場合であることを要すると解すべきである。 そうすると,上記控訴人らに対する減給又は停職の懲戒処分が懲戒権者の裁量の範囲内のものであるかを判断するに当たっては,最高裁平成24年両判決のいう具体的事情の有無について検討する必要があるので,以下では,上記控訴人らの本件不起立につき,上記具体的事情の有無を- 75 -個別に検討する。 なお,被控訴人は,取消請求の対象となった減給処分及び停職処分がされた時以降の事情についても主張しているが,懲戒処分の違法性の判断の基礎とすべき事情は,処分時に存在した一切の事情であって,処分後の事情は含まれないから,処分後の事情については,最高裁平成24年両判決のいう具体的事情として考慮されない。 イ控訴人P1,同P2, 基礎とすべき事情は,処分時に存在した一切の事情であって,処分後の事情は含まれないから,処分後の事情については,最高裁平成24年両判決のいう具体的事情として考慮されない。 イ控訴人P1,同P2,同P3,同P4,同P5,同P6,同P8,同P9,同P12,同P13,同P14,同P16,同P17,同P18,同P19,同P20,同P21,同P22及び同P23について(ア) 控訴人P1(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号2)についてa 処分歴等について控訴人P1は,都立P74高校の平成15年度卒業式(平成16年3月16日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わなかった(乙106の1・3)。 控訴人P1は,都教委による平成16年3月25日の事情聴取において,「理不尽な職務命令には従う必要はありません。」などと述べた上で,事情聴取書への署名,押印を拒否した(乙106の2)。 都教委は,控訴人P1に対し,上記不起立につき,同月31日付けで,戒告処分をした。 その後,控訴人P1は,同年8月2日に服務事故再発防止研修(基本研修)を受講したが,受講後に提出した受講報告書に,「こうした研修を行うことが法治国家で認められていいのだろうか。…質問,応答が認められない研修があっていいのだろうか。」などと記載した(乙106の4)。 b 本件P1減給処分について- 76 -控訴人P1は,都立P74高校の平成16年度卒業式(平成17年3月17日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,本件不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった(乙106の5・7)。 控訴人P1は,都教委による平成17年3月24日の事情聴取において,不 務命令を受けたが,これに従わず,本件不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった(乙106の5・7)。 控訴人P1は,都教委による平成17年3月24日の事情聴取において,不起立について「責任を取る必要は全くありません。」,「10・23通達は明らかに憲法違反,法令違反,教育基本法に違反している。」などと述べた上で,事情聴取書への署名,押印を拒否した(乙106の6)。 都教委は,懲戒処分の量定の決定に際して,過去に非違行為を行い懲戒処分を受けたにもかかわらず再び同様の非違行為を行った場合には量定を加重するという処分量定の方針(同種非違行為加重方針)を採っており(甲278),控訴人P1に対し,本件不起立につき,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P1減給処分)をした。 なお,控訴人P1は,平成18年度入学式当日のホームルームにおいて,生徒に対し,国旗国歌に関する行為については,内心の自由があるから,自分の考えで行動してよい旨発言し,本件P1減給処分後,このことにより指導部長から平成17年5月27日付けで,厳重注意を受けた((乙106の12~15)。 (イ) 控訴人P2(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号5)についてa 処分歴等について控訴人P2は,都立P75高校の平成15年度卒業式(平成16年3月5日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わなかった(乙107の1・3)。 控訴人P2は,卒業式終了後の校長からの事実確認に対し,「答- 77 -えられません」と述べてこれを拒否し(乙107の1),都教委からの平成16年3月18日の事情聴取において「私は,本日動揺していますので,弁護士の同席の有無にかかわらず受けたくありません。このこと えられません」と述べてこれを拒否し(乙107の1),都教委からの平成16年3月18日の事情聴取において「私は,本日動揺していますので,弁護士の同席の有無にかかわらず受けたくありません。このことについては,弁護士と都教委の間で確認した上で,別の機会を設けていただけますか。」と述べ,同月25日に設定された事情聴取にも結局応じなかった(乙107の2)。 都教委は,控訴人P2に対し,上記不起立につき,同月31日付けで戒告処分をした。 その後,控訴人P2は,同年8月9日に服務事故再発防止研修(基本研修)を受講したものの,受講後に提出した受講報告書に,「現在係争中ですので,記述を留保いたします。」などと記載した(乙107の4)。 b 本件P2減給処分について控訴人P2は,都立P75高校の平成16年度卒業式(平成17年3月16日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず(乙107の5・7),不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった。 控訴人P2は,都教委による平成17年3月25日の事情聴取を拒否した(乙107の6)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P2に対し,本件不起立につき,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P2減給処分)をした。 なお,控訴人P2には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (ウ) 控訴人P3(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号15)について- 78 -a 処分歴等について控訴人P3は,都立P76高校の平成15年度卒業式(平成16年3月3日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けた 15)について- 78 -a 処分歴等について控訴人P3は,都立P76高校の平成15年度卒業式(平成16年3月3日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わなかった(乙108の1・3)。 控訴人P3は,卒業式終了後の校長からの事実確認に対し,起立しなかった点は弁護士同席でなければ答えられない旨述べ(乙108の1),都教委からの平成16年3月25日の事情聴取についても,「事情聴取を受けることは希望する,ただし,代理人である弁護士との同席が条件である。」として,これに応じなかった(乙108の2)。 都教委は,控訴人P3に対し,上記不起立につき,同月31日付けで戒告処分をした。 控訴人P3は,同年8月9日に服務事故再発防止研修(基本研修)を受講したものの,研修中,質問を発したり,ビデオ撮影をしようとしたりした(乙108の4)。ただし,これにより,同研修の実施が妨げられたことを認めるに足りる証拠はない。 b 本件P3減給処分について控訴人P3は,都立P76高校の平成16年度卒業式(平成17年3月4日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった(乙108の5・7)。 控訴人P3は,卒業式終了後の校長からの事実確認に対し,弁護士の同席がないとして,不起立だったかどうかに答えず(乙108の5),都教委からの平成17年3月24日の事情聴取にも応じなかった(乙108の6)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採って- 79 -おり(甲278),控訴人P3に対し,本件不起立につき,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P3減給 6)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採って- 79 -おり(甲278),控訴人P3に対し,本件不起立につき,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P3減給処分)をした。 なお,控訴人P3には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (エ) 控訴人P4(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号24)についてa 処分歴等について控訴人P4は,都立P77高校の平成15年度卒業式(平成16年3月13日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わなかった(乙109の1・3)。 都教委は,控訴人P4に対し,上記不起立につき,平成16年3月31日付けで戒告処分をした。 控訴人P4は,同年8月9日に服務務事故再発防止研修(基本研修)を受講したものの,受講後に提出した受講報告書の所感欄に,「今後とも日本国憲法および教育基本法に基づいた教育を行なっていきたいと考えています。」と記載した(乙109の4)。 b 本件P4減給処分について控訴人P4は, 都立P77高校の平成16年度卒業式(平成17年3月15日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった(乙109の5・7)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P4に対し,本件不起立につき,平成17年3月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P4減給処分)をした。 なお,控訴人P4には,上記各処分の対象とされた非違行為以外- 80 -に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (オ) 控訴人P5(別紙2懲戒 1月の処分(本件P4減給処分)をした。 なお,控訴人P4には,上記各処分の対象とされた非違行為以外- 80 -に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (オ) 控訴人P5(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号25)についてa 処分歴等について控訴人P5は,都立P78高校の平成15年度卒業式(平成16年3月12日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わなかった(乙110の1・3)。 控訴人P5は,卒業式終了後の校長からの事実確認において,起立しなかったかどうかについては答えず(乙110の1),都教委からの平成16年3月24日の事情聴取を拒否した(乙110の2)。 都教委は,控訴人P5に対し,上記不起立につき,平成16年3月31日付けで,戒告処分をした。 控訴人P5は,同年8月2日に服務事故再発防止研修(基本研修)を受講したものの,受講後に提出した受講報告書に,「今回『思想・良心の自由』(憲法19条)について係争中であり,記述を留保する。なお,講義は90分予定を60分で打ち切った。質問には全く答えず退出した講師こそ,地方公務員の職務専念義務違反ではないか。」などと記載した(乙110の4)。 b 本件P5減給処分について控訴人P5は,都立P78高校の平成16年度卒業式(平成17年3月12日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わなかった(乙110の5・7)。 控訴人P5は,卒業式終了後の校長からの事実確認に対し,「弁護士の立会いがなければ,不起立だったかどうかは答えられません。」と述べて事実確認を拒否し(乙110の5),都教委による平成17年3月23日の事情聴取においても,弁護士の立会いを要- 81 - 護士の立会いがなければ,不起立だったかどうかは答えられません。」と述べて事実確認を拒否し(乙110の5),都教委による平成17年3月23日の事情聴取においても,弁護士の立会いを要- 81 -求し,事情聴取を拒否した(乙110の6)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P5に対し,本件不起立につき,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P5減給処分)をした。 なお,控訴人P5には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (カ) 控訴人P6(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号30-1・2)についてa 処分歴等について控訴人P6は,都立P79高校の平成16年度卒業式(平成17年3月11日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,不起立を現認した副校長から2回起立を促されたが,これに応じなかった(乙111の1・3)。 控訴人P6は,都教委による平成17年3月22日の事情聴取に対して,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙111の2)。 都教委は,控訴人P6に対し,上記不起立につき,同月31日付けで,戒告処分(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「30-1」の処分)をした。 b 本件P6減給処分について控訴人P6は,都立P79高校の平成17年度入学式(平成17年4月7日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,本件不起立を現認した副校長から2回起立を促されたが,これに応じなかった(乙111の4・6)。 控訴人P6は,平成17年4月15日の都教委からの事情聴取に- 82 -対し,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙111の5)。 都教委は, れに応じなかった(乙111の4・6)。 控訴人P6は,平成17年4月15日の都教委からの事情聴取に- 82 -対し,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙111の5)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P6に対し,本件不起立につき,同年5月27日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P6減給処分)をした。 なお,控訴人P6には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (キ) 控訴人P8(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号32-1・2)についてa 処分歴等について控訴人P8は,都立P80高校の平成16年度卒業式(平成17年3月11日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった(乙113の1・3)。 控訴人P8は,卒業式後の校長からの事実確認に対し,昨年の卒業式の審理が出ていないので,今回のことについて確認する必要はないなどとして,繰り返し回答を拒否し(乙113の1・3),都教委による平成17年3月23日の事情聴取に対しても,ほとんどの質問に回答せず,責任を感じるとか,責任の意味が分からないと述べ,事情聴取書への署名,押印も拒否した(乙113の2)。 都教委は,控訴人P8に対し,上記不起立につき,同月31日付けで,戒告処分をした。 b 本件P8減給処分について控訴人P8は,都立P80高校の平成17年度入学式(平成17年4月7日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受け- 83 -たが,これに従わず,本件不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった(乙113の4・6)。 控 年4月7日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受け- 83 -たが,これに従わず,本件不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった(乙113の4・6)。 控訴人P8は,入学式終了後の校長からの事実確認において,回答を拒否し(乙113の4・6),都教委による平成17年4月14日の事情聴取については,出頭しなかった(乙113の5)。 都教委は,前記の同種の再非違行為につき加重する量定の方針に従い(甲278),控訴人P8に対し,本件不起立につき,同年5月27日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P8減給処分)をした。 なお,控訴人P8には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (ク) 控訴人P9(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号35)についてa 処分歴等について控訴人P9は,都立P81養護学校の平成15年度卒業式(平成16年3月19日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わなかった(乙114の1・3)。 控訴人P9は,都教委による平成16年3月26日の事情聴取について,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙114の2)。 都教委は,控訴人P9に対し,上記不起立につき,同年4月6日付けで,戒告処分をした。 控訴人P9は,同年8月9日に服務事故再発防止研修(基本研修)を受講したが,受講後に提出した受講報告書には,研修に対する批判等を記載した上,「『10.23通達』は『憲法』『教育基本法』に違反しているから無効です。」などの記載がある「『服務事故再発防止研修』について私の意見」と題する文書(乙114の- 84 -4・5)を添付した。 b 本件P9減給処分について控訴人P9は,都立P81養護学校 す。」などの記載がある「『服務事故再発防止研修』について私の意見」と題する文書(乙114の- 84 -4・5)を添付した。 b 本件P9減給処分について控訴人P9は,都立P81養護学校の平成16年度卒業式(平成17年3月18日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,本件不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった(乙114の6・8)。 控訴人P9は,卒業式終了後の校長からの事実確認に対して,「職務命令書は受け取りましたがこの様な調査は遺憾です,報告内容は,管理職が判断して下さい,こういう態度だということを報告しても構わないです。」と述べ(乙114の6・8),都教委による平成17年3月25日の事情聴取に対しては,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙114の7)。 都教委は,前記の同種の再非違行為につき加重する量定の方針に従い(甲278),控訴人P9に対し,本件不起立につき,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P9減給処分)をした。 なお,控訴人P9には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (ケ) 控訴人P12(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号43)についてa 処分歴等について控訴人P12は,都立P75高校の平成15年度卒業式(平成16年3月5日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わなかった(乙116の1・3)。 控訴人P12は,卒業式後の校長からの事実確認に対し,思想,信条に関することなので答えられないとして,これを拒否し(乙116の1),都教委による平成16年3月18日の事情聴取におい- 85 -ても,事実関係の確認に対して,「質 らの事実確認に対し,思想,信条に関することなので答えられないとして,これを拒否し(乙116の1),都教委による平成16年3月18日の事情聴取におい- 85 -ても,事実関係の確認に対して,「質問には答えられません。職務命令があったとしても無効と考えます。」などと述べて,回答を拒否し,事情聴取書への署名,押印も拒否した(乙116の2)。 都教委は,控訴人P12に対し,上記不起立につき,同月31日付けで,戒告処分をした。 控訴人P12は,同年8月9日に服務事故再発防止研修を受講した(乙116の4)。 b 本件P12減給処分について控訴人P12は,都立P75高校の平成17年度卒業式(平成18年3月10日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,副校長から起立を促されたが,拒否した(乙116の5・7)。なお,控訴人P12は,職務命令書の受取りも拒否した(乙116の7)。 控訴人P12は,卒業式後の校長からの事実確認に対し,一切お答えするつもりはありませんと述べて,これを拒否し(乙116の5・7),都教委による平成18年3月23日の事情聴取においても,上記職務命令違反について,「特に反省する必要はないと考えています。」などと述べ,事情聴取書への署名,押印を拒否した(乙116の6)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P12に対し,本件不起立につき,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P12減給処分)をした。 なお,控訴人P12には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (コ) 控訴人P13(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号44)について- 86 なお,控訴人P12には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (コ) 控訴人P13(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号44)について- 86 -a 処分歴等について控訴人P13は,都立P82高校の平成15年度卒業式(平成16年3月12日)において起立斉唱をするよう校長から職務命令を受けたが,これに従わず,本件不起立を現認した教頭から起立を促されたが,これに応じなかった(乙117の1・3)。なお,控訴人P13は,校長から手渡された職務命令書を会議室内に放置した(乙117の1)。 控訴人P13は,卒業式後の校長からの事実確認に対し,答える必要はありませんと述べてこれを拒否し(乙117の1),都教委からの平成16年3月25日の事情聴取も拒否した(乙117の2)。 都教委は,控訴人P13に対し,上記不起立につき,同月31日付けで,戒告処分をした。 控訴人P13は,同年8月9日に服務事故再発防止研修を受講したが,受講報告書には,「服務事故の例として,体罰,セクハラ等があげられたが,そのようなことと無関係の者が命令により講義をきかされていることに強い苦痛を感じている。」などと記載した(乙117の4)。 b 本件P13減給処分について控訴人P13は,平成17年4月1日に都立P83高校に異動し,同校長から,同校の平成18年度入学式(平成18年4月7日)において起立斉唱をするよう職務命令を受けたが,これに従わず,本件不起立を現認した副校長から「ご起立下さい」と2度促されたにもかかわらず,これに応じなかった(乙117の5・7)。 控訴人P13は,卒業式後の校長からの事実確認に対し,答えた ,本件不起立を現認した副校長から「ご起立下さい」と2度促されたにもかかわらず,これに応じなかった(乙117の5・7)。 控訴人P13は,卒業式後の校長からの事実確認に対し,答えたくありませんなどと述べて,事実確認を拒否し(乙117の5・- 87 -7),都教委からの平成18年4月24日の事情聴取についても,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙117の6)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P13に対し,本件不起立につき,同年5月26日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P13減給処分)をした。 なお,控訴人P13は,平成18年度入学式当日のホームルームにおいて,生徒に対し,宗教上の理由で国歌を歌えない生徒がいたとしても,異なる考えを認め合うことが大切である旨の発言をした(控訴人P13は,本件P13減給処分後,このことにより平成18年6月9日付けで指導部長から厳重注意を受けた(甲545,546,乙117の11)。 (サ) 控訴人P14(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号46)についてa 処分歴等について控訴人P14は,平成15年11月8日の都立P84高校の創立40周年記念式典(周年行事)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,司会者が国歌斉唱と発声したときに自席を離れ,後方の出口から式場外へ出て,国歌斉唱が終わり,校歌斉唱となった時点で自席に戻った(乙118の1・3)。 都教委は,控訴人P14に対し,上記行為につき,平成16年2月17日付けで,戒告処分をした。 控訴人P14は,同年8月9日に服務事故再発防止研修(基本研修)を受講したが,受講後に提出した受講 は,控訴人P14に対し,上記行為につき,平成16年2月17日付けで,戒告処分をした。 控訴人P14は,同年8月9日に服務事故再発防止研修(基本研修)を受講したが,受講後に提出した受講報告書には,「(地公法)32条に違反しているのは明らかに,都教委側と考える。」,「一方的に都側が正しいとするスタンスで,このような研修を行うこと自体がおかしいのではないか。」などと記載した(乙118の- 88 -4)。 bP14減給処分について控訴人P14は,都立P84高校の平成17年度卒業式(平成18年3月10日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,本件不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった(乙118の5,乙118の7)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P14に対し,上記行為につき,平成18年3月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P14減給処分)をした。 なお,控訴人P14には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (シ) 控訴人P16(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号47)についてa 処分歴等について控訴人P16は,都立P85高校の平成15年度卒業式(平成16年3月16日)において起立斉唱をするよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わなかった(乙119の1・3)。 控訴人P16は,卒業式後の校長からの事実確認に対し,何も答えず,これを拒否し(乙119の1・3),都教委からの平成16年3月24日の事情聴取に対しても「答えられません。」と述べた(乙119の2)。 都教委は,控訴人P16 の事実確認に対し,何も答えず,これを拒否し(乙119の1・3),都教委からの平成16年3月24日の事情聴取に対しても「答えられません。」と述べた(乙119の2)。 都教委は,控訴人P16に対し,上記行為につき,同月31日付けで,戒告処分をした。 控訴人P16は,同年8月9日に服務事故再発防止研修を受講したが,受講報告書に,「ほとんどお題目だけの内容のない講義であった。」,「教育公務員として新たに本質的なことを学ぶ場とは全- 89 -くならなかった。」と記載した(乙119の4)。 b 本件P16減給処分について控訴人P16は,都立P85高校の平成17年度卒業式(平成18年3月15日)において起立斉唱をするよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった(乙119の5・7)。なお,控訴人P16の上記卒業式における席は,壇上正面に向かって右側最前列に位置し,生徒や保護者からよく見える場所にあったが,当日の卒業式は,特に混乱もなく執り行われた(弁論の全趣旨)。 控訴人P16は,都教委からの平成18年3月23日の事情聴取において,自らの職務命令違反について「責任を感じておりません。」,「職務命令は誤ったものであり,これを出した校長,出させた東京都教育委員会が誤りである。全体の奉仕者として一点のやましい所,責任もありません。」などと述べた(乙119の6)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P16に対し,本件不起立につき,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P16減給処分)をした。 なお,控訴人P16には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業 に対し,本件不起立につき,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P16減給処分)をした。 なお,控訴人P16には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (ス) 控訴人P17(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号49-1・2)についてa 処分歴等について控訴人P17は,都立P86高校の平成17年度卒業式(平成18年3月9日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,本件不起立を現認した副校長から2回起立- 90 -を促されたが,これに応じなかった(乙120の1・3)。 控訴人P17は,都教委による平成18年3月22日の事情聴取において,本件通達は法的に誤っている旨述べた(乙120の2)。 都教委は,控訴人P17に対し,上記不起立につき,同月31日付けで,戒告処分(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「49-1」の処分)をした。 b 本件P17減給処分について控訴人P17は,平成18年4月1日付けで,都立P87高校に異動し,同校の平成18年度入学式(同月7日)において起立斉唱をするよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,本件不起立を現認した副校長から2回起立を促されたが,これに応じなかった(乙120の4・6)。 控訴人P17は,都教委による同月19日の事情聴取において,憲法及び国法に違反した内容が職務命令として出されたなどと述べた(乙120の2・6)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P17に対し,本件不起立につき,同年5月26日付で,減給10分の1・1月の処分(本件P17減給処分)をした。 なお,控訴人P17には,上記各処分の対 方針を採っており(甲278),控訴人P17に対し,本件不起立につき,同年5月26日付で,減給10分の1・1月の処分(本件P17減給処分)をした。 なお,控訴人P17には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (セ) 控訴人P18(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号50)についてa 処分歴等について控訴人P18は,都立P88高校の平成15年度卒業式(平成16年3月12日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたがこれに従わなかった(乙121の1・3)。 - 91 -都教委は,控訴人P18に対し,上記不起立につき,平成16年3月31日付けで,戒告処分をした。 控訴人P18は,同年8月9日に,服務事故再発防止研修を受講したが,受講報告書に「一般論,理念として伺いました。」などと記載した(乙121の4)。 b 本件P18減給処分について控訴人P18は,都立P88高校の平成17年度卒業式(平成18年3月11日)において起立斉唱をするよう同校長から職務命令を受けたがこれに従わず,不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった(乙121の5・7)。 控訴人P18は,卒業式終了後の校長からの事実確認に対し,ご迷惑をおかけしますと答え(乙121の5),都教委からの平成18年3月24日の事情聴取において,自らの職務命令違反について「東京都に対して責任を取る必要はない。」,「生徒に対する責任についても,とる必要はない。」,「10,23通達は,行政による教育への介入だと思います。これは,教育基本法10条に違反しているので,職務命令に従う必要はない。」などと述べた(乙121の6)。 都教委は,同種の再非違行為につき 23通達は,行政による教育への介入だと思います。これは,教育基本法10条に違反しているので,職務命令に従う必要はない。」などと述べた(乙121の6)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P18に対し,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P18減給処分)をした。 なお,控訴人P18には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (ソ) 控訴人P19(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号51)についてa 処分歴等について控訴人P19は,都立P89高校の平成16年度入学式(平成1- 92 -6年4月7日)において起立斉唱をするよう同校長から職務命令を受けたがこれに従わなかった(乙122の1・3)。 控訴人P19は,都教委による平成16年4月19日の事情聴取について,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙122の2)。 都教委は,控訴人P19に対し,上記不起立につき,同年5月25日付けで,戒告処分をした。 控訴人P19は,同年8月9日に,服務事故再発防止研修の受講したが,その受講報告書に,同研修について「地方公務員として30年余働いてきて,今まで何も問題にされたこともないのに,退職近くになって,今さら地公法についての講義を受ける必要がなぜあるのかわからなかった。」などと記載した(乙122の4)。 b 本件P19減給処分について控訴人P19は,都立P89高校の平成17年度卒業式(平成18年3月10日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたがこれに従わず,副校長から「ご起立下さい」と促されたにもかかわらず,起立しなかった(乙122の5・7)。 控訴人 (平成18年3月10日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたがこれに従わず,副校長から「ご起立下さい」と促されたにもかかわらず,起立しなかった(乙122の5・7)。 控訴人P19は,都教委による平成18年3月22日の事情聴取について,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙122の6)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P19に対し,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P19減給処分)をした。 なお,控訴人P19には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (タ) 控訴人P20(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号54)について- 93 -a 処分歴等について控訴人P20は,都立P90高校の平成15年度卒業式(平成16年3月12日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたがこれに従わず,教頭から立ち上がるよう促されても起立しなかった。(乙123の1・3)。 控訴人P20は,都教委による平成16年3月22日の事情聴取には応じたものの,職務命令について責任を取る必要はない旨述べた(乙123の2)。 都教委は,控訴人P20に対し,上記不起立につき,同月31日付けで,戒告処分をした。 控訴人P20は,同年8月9日に,服務事故再発防止研修を受講したが,その受講報告書に,同研修について「今回職務命令に従わなかったのは,これが『明白に違法』だからと考えるからだ。」などと記載した(乙123の4)。 b 本件P20減給処分について控訴人P20は,都立P91高校の平成18年度入学式(平成18年4月7日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けた どと記載した(乙123の4)。 b 本件P20減給処分について控訴人P20は,都立P91高校の平成18年度入学式(平成18年4月7日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,副校長から「先生起立して下さい」と3回促されたが,これに応じなかった(乙123の5・7)。 控訴人P20は,入学式終了後に,校長から「国歌斉唱時に起立しませんでしたね」と聞かれたが,「そのことは自分から答えない」と発言した(乙123の5・7)。また,控訴人P20は,都教委による平成18年4月24日の事情聴取には応じたものの,「自分の行動は都民の期待に答えたものです。今回の職務命令や通達については違法なものであると考えます。このことに責任を取れと言われても,違和感があります。」などと述べ,不起立の事実確- 94 -認について回答を拒否した(乙123の6)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P20に対し,同年5月26日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P20減給処分)をした。 なお,控訴人P20には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (チ) 控訴人P21(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号57)についてa 処分歴等について控訴人P21は,都立P77高校の平成15年度卒業式(平成16年3月13日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたがこれに従わなかった(乙124の1・3)。 控訴人P21は,都教委による平成16年3月26日の事情聴取に対し,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙124の2)。 都教委は,控訴人P21に対し,上記不起立につき,同月31日付けで,戒 21は,都教委による平成16年3月26日の事情聴取に対し,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙124の2)。 都教委は,控訴人P21に対し,上記不起立につき,同月31日付けで,戒告処分をした。 b 本件P21減給処分について控訴人P21は,都立P77高校の平成17年度卒業式(平成18年3月15日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,教頭から起立を促されたが,これに応じなかった(乙124の4)。 控訴人P21は,校長からの事実確認に対し,「この点については返事を差し控えさせてください。」と述べ(乙124の4),都教委による平成18年3月16日の事情聴取についても,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙124の5)。 控訴人P21は,不起立により上記戒告処分を受けた事実を生徒- 95 -に伝えていたため,上記卒業式で,控訴人P21が再び不起立行為をするかどうかを注目する生徒もいた。そして,生徒の中には,上記卒業式の前に控訴人P21に対し,「処分されると経済的不利になるなら我慢して立っちゃえよ。」,「筋を通せよ」などと述べる者もいた。また,卒業式後,控訴人P21に対し,「また処分されるんだろう,頑固に筋を通したんだ」など述べる生徒もいた(乙124の7,甲589の231)。しかし,当日の卒業式は,特に混乱もなく,運営され,進行した(弁論の全趣旨)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P21に対し,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P21減給処分)をした。 なお,控訴人P21には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (ツ) 控訴 けで,減給10分の1・1月の処分(本件P21減給処分)をした。 なお,控訴人P21には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (ツ) 控訴人P22(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号64)についてa 処分歴等について控訴人P22は,都立P92高校の平成15年度卒業式(平成16年3月13日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,教頭が「お立ち下さい」と起立を促したが,起立しなかった(乙125の1・3)。 控訴人P22は,卒業式終了後の校長からの事実確認に対し,職務命令自体が違反であると思うのでそのことに関わることは答えないと述べ(乙125の1),都教委による平成16年3月22日の事情聴取において,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙125の2)。 都教委は,控訴人P22に対し,上記不起立につき,同月31日付けで,戒告処分をした。 - 96 -控訴人P22は,同年8月2日に,服務事故再発防止研修を受講したが,その受講報告書に,同研修について「一般的な事例としてのこれまでの服務事故に今回の不起立がどのように位置づけられるのかも不明であった。」などと記載した(乙125の4)。 b 本件P22減給処分について控訴人P22は,都立P92高校の平成17年度卒業式(平成18年3月11日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,副校長から「P22先生,立って下さい」と促されたにもかかわらず,起立しなかった(125の5・7)。 控訴人P22は,卒業式終了後,校長室から事実確認をされた際,「だから不当だと発言したんですよ。」などと述べ(乙125の5),都教委による平成18 らず,起立しなかった(125の5・7)。 控訴人P22は,卒業式終了後,校長室から事実確認をされた際,「だから不当だと発言したんですよ。」などと述べ(乙125の5),都教委による平成18年3月23日の事情聴取において,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙125の6)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P22に対し,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P22減給処分)をした。 なお,控訴人P22には,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められない。 (テ) 控訴人P23(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号66)についてa 処分歴等について控訴人P23は,都立P93高校の平成15年度卒業式(平成16年3月10日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたがこれに従わなかった(乙126の1・3)。 控訴人P23は,卒業式終了後の校長からの事実確認に対して,お答えする必要はありませんと述べて,事実確認を拒否し(乙12- 97 -6の1・3),都教委による平成16年3月25日の事情聴取についても,弁護士の立会いを要求し,事情聴取を拒否した(乙126の2)。 都教委は,控訴人P23に対し,上記不起立につき,同月31日付けで,戒告処分をした。 控訴人P23は,同年8月9日に,服務事故再発防止研修(基本研修)を受講したものの,受講報告書の「所感」欄に,「現在係争中なので,この件についての記述は留保します。」と記載した(乙126の4)。 なお,乙126の5によれば,控訴人P23は,平成17年5月30日に,都教委指導部長から教育課程の実施に係る指導を受けたことが認めら いての記述は留保します。」と記載した(乙126の4)。 なお,乙126の5によれば,控訴人P23は,平成17年5月30日に,都教委指導部長から教育課程の実施に係る指導を受けたことが認められるが,同証拠からは,その内容が,被控訴人が主張する内容の不適切な指導に対する厳重注意であったかどうかは明らかではない。 bP23減給処分について控訴人P23は,都立P93高校の平成17年度卒業式(平成18年3月10日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたがこれに従わなかった(乙126の6・8)。 控訴人P23は,卒業式終了後の校長からの事実確認に対して,特に言うことはないと述べて,事実確認を拒否し(乙126の6・8),都教委による平成18年3月22日の事情聴取についても,弁護士の立会いを要求し,事情聴取を拒否した(乙126の7)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P23に対し,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P23減給処分)をした。 (ト) 検討- 98 -上記(ア)ないし(テ)の各a及びbの認定事実によれば,本件各処分のうち上記控訴人らが受けた減給処分(以下「本件各減給処分」という。)より前の上記控訴人らの不起立による処分歴は,それぞれ戒告処分の1回だけであること,本件各減給処分は,同種の再非違行為に対し加重するという都教委の量定の方針(同種再非違行為加重方針)に従ってされたものであること,しかし,上記各戒告処分の対象となった不起立及び本件各減給処分の対象となった不起立は,積極的に式典の進行を妨害する行為ではなく,各卒業式等の運営や進行に具体的な支障を来した事実も認められないこと,上記控訴人らの中には,上記の戒告処 た不起立及び本件各減給処分の対象となった不起立は,積極的に式典の進行を妨害する行為ではなく,各卒業式等の運営や進行に具体的な支障を来した事実も認められないこと,上記控訴人らの中には,上記の戒告処分の対象となった不起立や本件不起立に関する事情聴取,更には再発防止のための研修(本件各処分後の研修を除く。)に拒否的で,何ら反省の態度を示していない者もいるが,これらの行為は研修の実施や進行を積極的に妨害するものではなく,これに具体的な支障を来したものではなかったことが明らかである。以上に加えて,本件不起立の前後における上記控訴人らの態度において特に処分の加重を根拠付けるべき事情もうかがわれないこと(控訴人P1に対する平成17年5月27日付け厳重注意及び控訴人P13に対する平成18年6月9日付け厳重注意の対象となった各行為は,その態様等に照らすと,上記事情に当たるということはできない。)にも照らすと,上記控訴人らについては,過去の非違行為による懲戒処分等の処分歴や不起立行為の前後における態度等(過去の処分歴等)に鑑み,学校の規律や秩序の保持等の必要性と処分による不利益の内容との権衡の観点から減給処分を選択することの相当性を基礎付ける具体的な事情があったとは認め難いというべきである。 そうすると,上記のように過去の不起立による戒告1回の処分歴があることのみを理由に上記控訴人らに対してされた本件各減給処分は,- 99 -減給の期間の長短及び割合の多寡にかかわらず,処分の選択が重きに失するものとして社会通念上著しく妥当を欠き,懲戒権者としての裁量権の範囲を超えるものとして違法の評価を免れないと解するが相当である。 ウ控訴人P7の減給処分及び停職処分(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号31-1・2)について(ア) 平成16年3月 権の範囲を超えるものとして違法の評価を免れないと解するが相当である。 ウ控訴人P7の減給処分及び停職処分(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号31-1・2)について(ア) 平成16年3月31日付け戒告処分(P7戒告処分)について控訴人P7は,都立P80高校の平成15年度卒業式(平成16年3月12日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わなかった(乙112の1・3)。 控訴人P7は,卒業式終了後の校長からの事実確認を再三にわたり拒否し(乙112の1・3),都教委からの平成16年3月23日の事情聴取については出頭しなかった(乙112号の2)。 都教委は,控訴人P7に対し,上記不起立につき,同月31日付けで,P7戒告処分をした。 控訴人P7は,同年8月2日に服務事故再発防止研修(基本研修)を受講したが,受講後に提出した受講報告書には,「失礼千万である。」,「10.23より始まった一連の事柄に,これを読む方はどのように関ってきたのでしょうか。そのことに多少なりとも罪悪感はないのでしょうか。」などと記載した(乙112の4)。 (イ) 本件P7減給処分①及びP7減給処分②についてa 控訴人P7は,都立P80高校の平成16年度卒業式(17年3月11日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず(乙112の5・7),本件不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった。 また,控訴人P7は,上記卒業式前の平成17年3月8日に,校- 100 -長から職員室において副校長同席の下,職務命令書を渡された際に,「法的根拠がないですね。」と述べた(乙112の7)。 控訴人P7は,卒業式終了後の校長からの事実確認に対し,昨年の - 100 -長から職員室において副校長同席の下,職務命令書を渡された際に,「法的根拠がないですね。」と述べた(乙112の7)。 控訴人P7は,卒業式終了後の校長からの事実確認に対し,昨年の卒業式についての(人事委員会)審理の結論が出ていないとの理由により回答を拒否する(乙112の5)とともに,都教委からの同月28日の事情聴取について,弁護士の同席を要求し,事情聴取を拒否した(乙112の6)。 都教委は,同種の再非違行為につき加重する量定の方針を採っており(甲278),控訴人P7に対し,本件不起立につき,同月31日付けで,減給10分の1・1月の処分(本件P7減給処分①)をした。 なお,控訴人P7には,本件P7減給処分①当時,上記各処分の対象とされた非違行為以外に非違行為と評価される業務実態は認められなかった。 b 控訴人P7は,同年7月21日,服務事故再発防止研修の基本研修は受講したものの,同年9月13日に実施される専門研修の受講を職務命令として都教委から命じられ,また,校長から同研修の受講のために東京都教職員研修センターに出張する旨の職務命令と受けていたにもかかわらず,同研修を受講しないという職務命令違反及び信用失墜行為をした(乙112の8・10)。 控訴人P7は,同年10月14日,上記研修命令違反についての都教委による事情聴取において,ネクタイに小型マイクを仕掛けて録音しようとしたため,事情聴取を行うことができなかった(乙112の9)。 都教委は,控訴人P7に対し,前記の同種の再非違行為につき加重する量定の方針に従い(甲278),上記職務命令違反及び信用- 101 -失墜行為を理由として同年12月1日付けで,減給10分の1・6月の処分(P7減給処分②)をした(乙112の11・12)。な する量定の方針に従い(甲278),上記職務命令違反及び信用- 101 -失墜行為を理由として同年12月1日付けで,減給10分の1・6月の処分(P7減給処分②)をした(乙112の11・12)。なお,東京都人事委員会は,平成23年8月3日,上記処分に関する平成18年1月20日付け審査請求を棄却した(乙112の13)。 控訴人P7は,再度,服務事故再発防止研修(基本研修・専門研修)の受講を命じられ,平成18年2月1日に同研修を受講したが,受講後に提出した受講報告書に,研修に対する批判や講師への非難等を記載した(乙112の18)。また,事前に提出した課題研修の報告書には「今回の事柄は服務事故ではなく2003年10月23日付の通達から始まる東京都教育委員会の暴挙である。」,「人権感覚のない教育委員を辞めさせるしかないでしょう。」などと記載した(乙112の17)。 (ウ) 本件P7停職処分について控訴人P7は,都立P80高校の平成17年度卒業式(平成18年3月10日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,本件不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった(乙112の14・16)。なお,控訴人P7は,職務命令書の受取りを拒否し,結局,職務命令書は控訴人P7の机上に置く方法で交付された(乙112の14・16)。 控訴人P7は,卒業式後の校長からの事実確認において回答を繰り返し拒否し(乙112の14・16),都教委による平成18年3月22日の事情聴取にも出頭しなかった(乙112の15)。 都教委は,前記の同種の再非違行為につき加重する量定の方針に従い(甲278),控訴人P7に対し,本件不起立につき,同月30日付けで,停職1月の処分(本件停職処分)をした。 (エ) 検討 都教委は,前記の同種の再非違行為につき加重する量定の方針に従い(甲278),控訴人P7に対し,本件不起立につき,同月30日付けで,停職1月の処分(本件停職処分)をした。 (エ) 検討- 102 -a 本件P7減給処分①についての検討前記(ア)及び(イ)aの認定事実によれば,控訴人P7については,本件P7減給処分①の前の不起立等による処分歴はP7戒告処分の1回だけであること,同処分の対象となった不起立及び上記減給処分の対象となった不起立は,積極的に式典の進行を妨害する行為ではなく,卒業式の運営進行に支障を来した事実も認められないこと,控訴人P7の事情聴取の際や服務事故再発防止研修時の態度等には,不起立についての反省の態度が見られないものの,研修の実施や進行を積極的に妨害するものではなかったことが明らかである。そして,控訴人P7には,本件P7減給処分①当時において,その他,過去の非違行為による懲戒処分等の処分歴や不起立行為等の前後における態度等(過去の処分歴等)に鑑み,学校の規律や秩序の保持等の必要性と処分による不利益の内容との権衡の観点からP7減給処分①を選択することの相当性を基礎付ける具体的な事情があったとは認められない。 そうすると,控訴人P7に対する本件P7減給処分①は,過去に不起立による戒告1回の処分歴があることのみを理由にされたというほかなく,減給の期間の長短及び割合の多寡にかかわらず,処分の選択が重きに失するものとして社会通念上著しく妥当を欠き,上記処分は懲戒権者としての裁量権の範囲を超えるものとして違法の評価を免れないと解するが相当である。 b 本件P7停職処分についての検討前記(ア)~(ウ)の認定事実によれば,本件不起立 ての裁量権の範囲を超えるものとして違法の評価を免れないと解するが相当である。 b 本件P7停職処分についての検討前記(ア)~(ウ)の認定事実によれば,本件不起立等による控訴人P7に対する懲戒処分は,① 戒告,② 減給処分10分の1・1月,③ 減給処分10分の1・6月,④ 停職処分と,段階的に加重されたものであり,都教委は,懲戒処分の量定の決定に際して,- 103 -過去に非違行為を行い懲戒処分を受けたにもかかわらず再び同様の非違行為を行った場合には量定を加重するという処分量定の方針に従い(甲278),控訴人P7に対し,本件P7停職処分をしたことが明らかである。そして,上記aに説示のとおり,本件P7停職処分の量定の際に重要な前提事実として考慮された処分歴である本件P7減給処分①は,懲戒権者としての裁量権の範囲を超えるものとして違法の評価を免れないから,取り消されるべきであり,また,本件においては,本件P7停職処分の際に,P7減給処分①の処分歴がなかったとしても本件P7停職処分が選択されていたことを基礎付ける事情も認められない。 そうすると,本件P7停職処分は,懲戒権者が処分の際に前提事実として考慮した過去の処分歴等の有無の判断を誤ってされたものであるから,懲戒権者としての裁量権の範囲を超えるものとして違法と解するのが相当である。 エ控訴人P10の減給処分(別紙2懲戒処分等一覧表記載番号36)について(ア) 処分歴等についてa 平成14年11月6日付け戒告処分(P10戒告処分)について控訴人P10は,都立P28養護学校の平成12年度の卒業式において,「日の丸・君が代強制に反対」との文言を記したゼッケンを着用して式に臨み,平成13年度の入学式で 戒告処分)について控訴人P10は,都立P28養護学校の平成12年度の卒業式において,「日の丸・君が代強制に反対」との文言を記したゼッケンを着用して式に臨み,平成13年度の入学式では「君が代やめて」及び「日の丸君が代やめてください」などの文言をブラウスに手書きし,上記ブラウスを着用して式に臨み,さらに,平成13年度の卒業式においても,国旗掲揚,国歌斉唱に反対する旨を表示する図柄をブラウスに手書きし,上記ブラウスを着用して式に臨んでいた(甲129,乙115の1・2)。 - 104 -控訴人P10は,平成14年4月5日頃に行われた入学式の打合せにおいて,入学式における国旗掲揚,国歌斉唱を取り止めるよう校長に対し申し入れるとともに,国旗掲揚,国歌斉唱に反対し,抗議する意思を表明すべく,ブラウスの,① 右胸に縦約10㎝,横約15㎝の黒の枠を,また,その枠内の中央に直径約3㎝の塗りつぶした赤い丸を描き,この絵柄に向かって左上から右下方向に黒色の斜線を入れた模様を手書きするとともに,② 背中に直径約20㎝のハートの絵柄に鎖を描いた模様等を手書きし,上記ブラウスを着用して入学式に臨んだ(甲129,乙115の3・4)。 校長は,入学式当日,副校長から,控訴人P10が上着を脱いでおり,ブラウスに上記図柄が記載されているとの報告を受けたため,同日午前9時25分頃,控訴人P10に対し,ブラウスの上に上着を着用するよう口頭で職務命令を発出したが,控訴人P10は上記職務命令に従わず,上着を着用しないまま入学式に臨んだ。 都教委は,控訴人P10に対し,上記職務命令違反により,同年11月6日付けで,戒告処分(P10戒告処分)をした。 控訴人P10は,校長の事情聴取に応じなかったのみな 。 都教委は,控訴人P10に対し,上記職務命令違反により,同年11月6日付けで,戒告処分(P10戒告処分)をした。 控訴人P10は,校長の事情聴取に応じなかったのみならず,「申し入れ書」を江崎校長に提出する等の抗議をした(乙第115の5・6)。 b 平成16年4月6日付け減給処分10分の1・1月の処分(P10先行減給処分)について控訴人P10は,都立P28養護学校の平成15年度の卒業式(平成16年3月24日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,不起立を現認した同教頭から2回起立を促されたが,これに応じなかった(乙115の10・12)。 - 105 -控訴人P10は,同日の事実確認を拒否し(乙115の10・12),都教委からの平成16年4月5日の事情聴取についても,弁護士の同席を要求し,これを拒否した(乙115の11)。 都教委は,控訴人P10に対し,前記の同種の再非違行為につき加重する量定の方針に従い(甲278),上記不起立につき,同月6日付けで,減給10分の1・1月の処分(P10先行減給処分)をした。 控訴人P10は,同年8月2日に服務事故再発防止研修の基本研修を受講し,同月30日には専門研修を受講したが,受講報告書に,「不起立は憲法を尊重する教育公務員として,違法な職務命令に従えなかったからだ。違法な服務研修に抗議する。」(乙115の13),「憲法19条を侵す職務命令および根拠となる2003.10.23通達のみなおしが求められる。」(乙115の17)などと記載した。 なお,上記減給処分は,最高裁平成24年判決②において取り消された。 (イ) 本件P10減給処分につい .23通達のみなおしが求められる。」(乙115の17)などと記載した。 なお,上記減給処分は,最高裁平成24年判決②において取り消された。 (イ) 本件P10減給処分について控訴人P10は,都立P28養護学校の平成16年度の卒業式(平成17年3月24日)において起立斉唱するよう同校長から職務命令を受けたが,これに従わず,本件不起立を現認した副校長から起立を促されたが,これに応じなかった(乙115の18・20)。なお,控訴人P10は,上記職務命令書の受取り自体を拒否した(乙115の18・20)。 控訴人P10は,校長からの事実確認を拒否し(乙115の18・20),都教委からの平成17年3月28日の事情聴取についても,弁護士の立会いを要求し,事情聴取を拒否した(乙115の19)。 - 106 -都教委は,懲戒処分の量定の決定に際して,過去に非違行為を行い懲戒処分を受けたにもかかわらず再び同様の非行を行った場合には量定を加重するという処分量定の方針を採っており(甲278),同月31日,控訴人P10に対し,減給10分の1・6月の処分(本件P10減給処分)をした。 (ウ) 上記(ア)及び(イ)の認定事実によれば,本件不起立による本件P10減給処分は,① 戒告,② 減給処分10分の1・1月,③ 減給処分10分の1・6月と,段階的に加重されてきたものであり,都教委は,懲戒処分の量定に際して,過去に非違行為を行い懲戒処分を受けたにもかかわらず再び同様の非違行為を行った場合には量定を加重するという上記処分量定の方針に従い(甲278),控訴人P10に対し,本件P10減給処分をしたことが明らかである。そして,本件P10減給処分の量定の際に重要な前提事実として考慮された処分歴であるP10先行減給処分は,最高裁平成24年判 278),控訴人P10に対し,本件P10減給処分をしたことが明らかである。そして,本件P10減給処分の量定の際に重要な前提事実として考慮された処分歴であるP10先行減給処分は,最高裁平成24年判決②において,懲戒権者としての裁量権の範囲を超えるものとして違法であることが確定しており,また,本件においては,本件P10減給処分の際に,P10先行減給処分の処分歴がなかったとしても,本件P10減給処分が選択されていたことを基礎付ける事情も認められない。 そうすると,本件P10減給処分は,懲戒権者が処分の際,前提事実として考慮した過去の処分歴等の有無の判断を誤ってされたものであるから,裁量権の範囲を超えるものとして違法と解するのが相当である。 4 争点(2)コ(控訴人らの損害の有無及び額)について(1) 戒告処分を受けた控訴人らの請求について前記3(2)に説示のとおり,上記控訴人らの本件各処分のうちの戒告処分の取消請求は理由がないから,上記各処分は適法であり,懲戒権者が,- 107 -上記各処分をするに当たり,職務上通常尽くすべき注意義務を怠ったことを基礎付ける事実は何ら認められない。 したがって,上記控訴人らの国賠法1条1項に基づく損害賠償請求は,その余の点について判断するまでもなく理由がない。 (2) 減給処分及び停職処分を受けた控訴人らの請求についてア前記3(3)に説示のとおり,本件各処分のうちの減給処分及び停職処分は,懲戒権者に与えられた裁量権の範囲を超えるものとして違法であり,取り消されるべきものである。しかし,行政処分が違法であるからといって,直ちに国賠法1条1項所定の違法が肯定されるわけではなく,その違法が肯定されるのは,国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が職 消されるべきものである。しかし,行政処分が違法であるからといって,直ちに国賠法1条1項所定の違法が肯定されるわけではなく,その違法が肯定されるのは,国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くさなかったと認め得るような事情がある場合に限られる(最高裁昭和53年10月20日第二小法廷判決・民集32巻7号1367頁,最高裁平成5年3月11日第一小法廷判決・民集47巻4号2863頁)。また,国賠法1条1項所定の公務員の故意・過失については,法令の解釈につき異なる見解が対立して疑義を生じており,よるべき明確な判例学説がなく,実務上の取扱いも分かれていて,そのいずれについても一応の論拠が認められる場合に,公務員がその一方の解釈に立脚して公務を執行したときは,後にその執行が違法と判断されたからといって,直ちに当該公務員に過失があったとすることはできない(最高裁昭和46年6月24日第一小法廷判決・民集25巻4号574頁,最高裁昭和49年12月12日第一小法廷判決・民集28巻10号2028頁)。 イ本件において,都教委が上記控訴人らの本件不起立について,戒告を超えて減給以上の懲戒処分を選択したのは,前記3(3)に説示のとおり,上記控訴人らには不起立等による処分歴があったところ,過去に非違行為を行い懲戒処分を受けたにもかかわらず,再び同様の非違行為を行っ- 108 -た場合には処分の量定を加重するという同種再非違行為加重方針(甲278)に従ったためである。なお,控訴人P49の別紙2懲戒処分等一覧表記載番号「21-2」の減給処分(本件では取消請求の対象となっていない。)についても,前記補正の上引用した原判決の「第4 争点に対する判断」中の1(6)イ(ウ)に説示のとおり,上記の同種再非違行為加重方針(甲2 -2」の減給処分(本件では取消請求の対象となっていない。)についても,前記補正の上引用した原判決の「第4 争点に対する判断」中の1(6)イ(ウ)に説示のとおり,上記の同種再非違行為加重方針(甲278)に従って処分がされている。 ところで,過去に非違行為を行い懲戒処分を受けたにもかかわらず,再び同様の非違行為を行った場合には,その非違性の程度は,後者の方が重いことは明らかであるというべきであるから,上記の場合に処分を加重するという基本方針自体は合理的であって,何ら不相当,不合理なものではない。また,処分を選択する懲戒権者には,社会観念上著しく不合理でない限り,どのような処分を選択するのかにつき広範な裁量が認められているところ,本件不起立は軽微な非違行為であるとはいえない上,本件各処分当時において,再度の不起立に対する懲戒処分について減給以上の懲戒処分を選択することが,懲戒権者としての裁量権の範囲を超えるものであるとの見解が一般的であったというような事情もない。 これらの事情に照らすと,都教委が,上記控訴人らの本件不起立について,同種再非違行為加重方針に従って量定をし,加重した処分をしたことが,本件各処分当時において懲戒権者に課された職務上通常尽くすべき注意義務に違反するものと評価することはできないし,当該判断に過失があったということもできない。 ウ以上によれば,上記控訴人らの国賠法1条1項に基づく損害賠償請求は,その余の点について判断するまでもなく理由がない。 第4 結論以上によれば,控訴人P1,同P2,同P3,同P4,同P5,同P6,- 109 -同P7,同P8,同P9,同P10,同P12,同P13,同P14,同P16,同P17,同P18,同P19,同P20,同P21,同P22,同 1,同P2,同P3,同P4,同P5,同P6,- 109 -同P7,同P8,同P9,同P10,同P12,同P13,同P14,同P16,同P17,同P18,同P19,同P20,同P21,同P22,同P23(控訴人P1ら21名)の被控訴人に対する,東京都教育委員会が別紙2懲戒処分等一覧表の「処分日」欄記載の日付で,上記控訴人らに対して行った同一覧表の「処分内容」欄記載の各懲戒処分(ただし,同一覧表記載番号「30-1」,「32-1」,「49-1」の懲戒処分を除く。)の取消請求はいずれも理由があるから,認容すべきであり,上記控訴人らのその余の請求及び上記控訴人らを除くその余の控訴人らの請求はいずれも理由がないから,棄却すべきであるところ,これと異なり控訴人らの請求を全て棄却した原判決は一部失当であって,控訴人P1ら21名の本件各控訴は一部理由があるから,原判決中控訴人P1ら21名に関する部分を上記のとおり変更し,その余の控訴人らの本件各控訴はいずれも理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第15民事部 裁判長裁判官井上繁規 裁判官笠井勝彦 裁判官齋藤繁道

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