【DRY-RUN】○ 主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求めた裁判 一 請求の趣旨 1 被告がAに対し昭和三九年八月三日付でなした、別紙物件目録(一)記載の土 地を同目
○ 主文原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実第一当事者の求めた裁判一請求の趣旨 1 被告がAに対し昭和三九年八月三日付でなした、別紙物件目録(一)記載の土地を同目録(二)記載の土地に換地するとの処分は無効であることを確認する。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 との判決二請求の趣旨に対する答弁主文同旨の判決第二当事者の主張一請求原因 1 原告は故Aの子でその相続人であるが、Aは、別紙物件目録(一)記載の土地(以下、本件従前地という)、および、同地上の同目録(二)記載の建物(以下、本件建物という)を所有していたところ、被告は、昭和三九年八月三日、大阪都市計画此花地区復興土地区画整理事業の施行者として、右土地につき同目録(二)記載の土地を換地する旨の処分(以下、本件換地処分という)をなし、その頃Aに対しその旨通知した。 2 しかし、被告のなした右換地処分には次のような明白かつ重大な瑕疵があるから無効である。 (一) 本件従前地は、これに隣接する大阪市<以下略>、同番<以下略>および同番<以下略>に隣接する同番<以下略>の各土地(以下、隣接各土地という)とともに、本件建物を含む四戸一棟の建物の敷地を構成し、各土地がそれぞれ各戸の敷地になつていて、これを減歩するとその利用状況を著しく損うものであつたから、ほぼ従前どおりの位置、地積の換地をなすべきであつたのに、被告は、本件従前地について三八・七一平方メートル(一一・七一坪)から二六・七一平方メートル(八・〇八坪)へと実に一二平方メートル(三・六三坪)の減歩をもたらす換地処分をなした。しかも、被告は本件従前地のうち、右減歩にほぼ相当する部分一二・二九平方メートル(三・七二坪)を、B外一四名に換地したため、本件建物は、その一部が右Bらに対する換地部分を占拠 らす換地処分をなした。しかも、被告は本件従前地のうち、右減歩にほぼ相当する部分一二・二九平方メートル(三・七二坪)を、B外一四名に換地したため、本件建物は、その一部が右Bらに対する換地部分を占拠することとなつて、Aは右土地部分をBらから賃借することを余儀なくされるに至つており、本件換地処分は、著しく現実の利用状況を無視したものといわなければならない。 ちなみに、前記Bらに対する換地部分は、間口一・三八メートル(〇・七六間)、奥行八・九一メートル(四・九間)の非常に細長い土地であり、それ自体としてはいかなる用途にも使用することができない。 (二) 本件従前地は、地形、交通の便、その他あらゆる点からみて、隣接各土地と同一の条件にあり、等しい価値があると認められるにもかかわらず、隣接各土地についてはそのいずれに対しても地積の増加をもたらす換地処分をしながら、本件従前地についてのみ(一)のごとき大幅な減歩をもたらす換地処分をなし、損益の公平な分担という観点からみて、隣接各土地に比較して著しく差別的な取扱をなした。 以上の次第で、本件換地部分は、若干の清算金(従前土地の価格四万五四二五円、換地の価格三万三〇三一円、清算金一万二三九四円)がAに交付された点を考慮しても、土地区画整理法(以下、単に法という)第八九条に定める換地指定の基準、原則を著しく逸脱し、明白かつ重大な瑕疵を有するものとして無効たらざるを得ない。 3 よつて、本件換地処分が無効であることの確認を求める。 二請求の原因に対する認否 1 請求原因1のうち、原告の身分関係は不知、その余は認める。 2 同2のうち、本件従前地が隣接各土地とともに四戸一棟の建物の敷地を構成していること、本件従前地について原告主張のような換地処分がなされたこと、右土地のうち減歩にほぼ相当する部分がB外一四名に対 2 同2のうち、本件従前地が隣接各土地とともに四戸一棟の建物の敷地を構成していること、本件従前地について原告主張のような換地処分がなされたこと、右土地のうち減歩にほぼ相当する部分がB外一四名に対し換地されたこと、Aに対し清算金一万二三九四円が支払われたことは認め、その余は争う。 なお、隣接各土地については、従前地における利用状況のとおりに仮換地および換地処分がなされたために、登記簿上増換地となつているだけのことで、現実に地積が増加しているのではない。 三被告の主張 1 本件従前地については、昭和二六年一〇月二五日仮換地指定がなされたが、その当時の右上地および本件建物の所有者はCであつた。 ところで、本来土地区画整理事業においては、仮換地指定および換地処分にともない、減歩がなされるのが通常であるところ、隣接各土地は、本件従前地とともに四戸一棟の建物の敷地を構成していて、いずれも減歩して仮換地を指定するときはその利用状況を著しく損うことになるため、隣接各土地についてはほとんど従前どおりの位置、地積の仮換地指定を、前記仮換地指定と同時に、なした。ただ、本件従前地の所有者であつたCは、本件土地区画整理事業施行地区内の各所に多くの土地を所有していたので、本件従前地に此花区<以下略>の土地二五一・三七平方メートル(七六・〇四坪)の一部(その後、昭和三九年三月二日、法第八二条により被告において分筆の手続をなし、同所<地名略>宅地一七・五二平方メートル《五・三〇坪》となつた)を加え、その両者に対する仮換地として本件事業ブロツク番号六四符号九の土地三八・〇一平方メートル(一一・五〇坪)-右仮換地の位置、実測地積は本件従前地のそれにほぼ一致する-を指定し、右のB所有土地については、原則にかえつて減歩がなされたのである。 2 右仮換地指定の後、本件従前地お 方メートル(一一・五〇坪)-右仮換地の位置、実測地積は本件従前地のそれにほぼ一致する-を指定し、右のB所有土地については、原則にかえつて減歩がなされたのである。 2 右仮換地指定の後、本件従前地および本件建物はCからDに売渡され、更にEを経て、昭和三一年四月一〇日Aの所有するところとなつた。しかし、右仮換地についての従前地のうち前記<地名略>の土地の一部は、登記簿上依然としてCの所有のままであつたから、被告は、本件換地処分をなすに際して、Aに対し、仮換地指定が前述のとおりなされており、換地処分も仮換地指定に従つてなされるので、右仮換地の位置、地積に相当する換地処分を受けるためには、本件従前地のほか、前記<地名略>(分筆後の表示)の土地をも取得する必要があることを説明した。 けれども、換地計画の決定がなされた昭和三九年七月三一日になつても、右<地名略>の土地は、登記簿上依然としてCの相続人B外一四名の所有のままであつたので、被告は昭和三九年八月三日、仮換地指定に従い、右仮換地に相当する土地を分割して、此花区<以下略>二六・七一平方メートル(八・〇八坪-別紙物件目録(二)記載の土地)と同所<地名略>一二・二九平方メートル(三・七二坪)とし、本件従前地についてはAに対し右<地名略>の土地を、前記<地名略>の土地についてはB外一四名に対し<地名略>の土地を、それぞれ換地とする処分をした。 3 土地区画整理事業は、宅地および公共施設の整備を図りながら、事業の開始から長期間を要して達成されるものであり、その間仮換地においては建物の移転がなされるなどほとんど永続的な使用収益がなされることとなるのであるから、仮換地指定も、換地処分に至る過渡的な処分であるとはいえ、当然将来の換地処分まで見越してなされるのであつて、換地処分が、その位置、形状および地積等の 永続的な使用収益がなされることとなるのであるから、仮換地指定も、換地処分に至る過渡的な処分であるとはいえ、当然将来の換地処分まで見越してなされるのであつて、換地処分が、その位置、形状および地積等の点において仮換地指定と異なつてなされるということはほとんどあり得ない。したがつて、仮換地指定後換地処分までの間に、土地区画整理事業施行地区内の土地を取得しようとする者は、必要とする土地の地積に対応する従前地を調査してそのすべてを取得すべきであり、たまたま従前地の一部を取得しなかつたからといつて、その調整を施行者の側でなすべきであるということにはならない。 以上の事情を考慮すれば、本件換地処分は違法ではない。 四被告の主張に対する認否および反論 1 被告の主張1は認める。 2 同2のうち、Aが昭和三一年四月一一日本件従前地および本件建物を売買により取得したこと、並びに、本件従前地および此花区<以下略>の土地について、昭和三九年八月三日仮換地指定に従つて被告主張のとおりの換地処分がなされたことは認める。 3 本件換地処分を正当とする被告の主張は、仮換地指定ないし換地指定の基準について、(仮)換地と従前地との土地間の照応関係によらず、土地の所有者の照応関係によろうとするものであつて、不当である。 第三証拠(省略)○ 理由一請求原因1のうち、原告の身分関係を除くその余の事実は、当事者間に争いがなく、成立に争いのない甲第三号証の二、原告本人尋問の結果によれば、Aは昭和四三年一一月一日死亡し、その子である原告が同人を相続したことが認められる。 二そこで本件換地処分に、原告主張のごとく、法第八九条の規定に違反する重大かつ明白な瑕疵が存するか否かについて判断する。 1 本件従前地および隣接各土地について、昭和二六年一〇月二五日仮換地指定がなされたが、右各 地処分に、原告主張のごとく、法第八九条の規定に違反する重大かつ明白な瑕疵が存するか否かについて判断する。 1 本件従前地および隣接各土地について、昭和二六年一〇月二五日仮換地指定がなされたが、右各土地は四戸一棟の建物の敷地を構成し、各土地が各戸の敷地になつていて、右各土地についていわゆる原地換地をなすにつき減歩をするときは、その利用状況を著しく損うことになるため、隣接各土地についてはほとんど従前どおりの位置、地積の仮換地指定がなされたこと(なお、証人Fの証言によれば、隣接各土地に対する仮換地の地積が増加しているように見えるのは、仮換地指定の際行なわれた測量の結果、実測地積が従来各土地につき表示されていた公簿面積を上回るものとなつたからにすぎず、現実には地積に増加を来しているのではないことが認められる)、しかし、本件従前地については、その当時の所有者であつたCが本件土地区画整理事業施行地区内の各所に土地を所有していたのでそのうちの此花区<以下略>(ただし、昭和三九年三月二日分筆後の表示)宅地一七・五二平方メートル(五・三〇坪)と本件従前地との二筆の土地につき、Cに対し、本件従前地の位置、地積にほぼ相当する一区画すなわち本件事業ブロツク番号六四符号九の土地三八・〇一平方メートル(一一・五〇坪)が仮換地として指定されたこと、そして右仮換地指定の後、Aが本件従前地および本件建物を売買により取得したこと、本件従前地と前記<地名略>の土地について、昭和三九年八月三日、AとB外一四名に対しそれぞれ被告主張のごとき換地処分がなされ、右二筆の土地に対する前記仮換地のうち、二六・七一平方メートル(八・〇八坪)が前者の、一二・二九平方メートル(三・七二坪)が後者の各換地となつたことは、当事者間に争いがなく、証人Fの証言によれば、隣接各土地については、仮換地 換地のうち、二六・七一平方メートル(八・〇八坪)が前者の、一二・二九平方メートル(三・七二坪)が後者の各換地となつたことは、当事者間に争いがなく、証人Fの証言によれば、隣接各土地については、仮換地指定のとおり換地処分がなされたことが認められる。また、原告本人尋問の結果によれば、本件換地処分の結果、本件建物の一部がBらに対する換地部分上に存することになり、Aは右部分を同人らから賃借せざるを得なくなつたことが認められる。 2 法第八九条第一項は、換地指定の標準につき、換地と従前の宅地とが位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等において照応すべき旨を規定しているから、換地処分は右諸点において従前の宅地と大体同一条件にあると認められる宅地を指定することを要するとともに、区画整理の対象とされる各土地相互の間においても、不公平に失することのないようにすべきものと解される。 ところが、1の事実によると、本件換地処分においては、地積が三八・七一平方メートルから二六・七一平方メートルへと一二平方メートルの減歩(その割合は約三一パーセントに達する)がなされて甚だ狭い土地となり、しかも本件従前地のうち右減歩にほぼ相当する部分がB外一四名の所有地に対する換地として指定されたため、本件建物の敷地は二分されて所有者を異にすることとなつた結果、Aは右Bらに対する換地部分を同人らから賃借せざるを得なくなつたのである。他方隣接各土地は、前叙のとおり、本件従前地と同様四戸一棟の建物の各戸の敷地として利用されていたものであり、かつ、原告本人尋問の結果および弁論の全趣旨によれば、位置、環境、交通の便等の条件においても本件従前地とほぼ同程度にあると認められるところ、本件従前地と異なり、隣接各土地については、ほぼ従前どおりの位置、地積の換地処分がなされたことは前認定のとおりである 、環境、交通の便等の条件においても本件従前地とほぼ同程度にあると認められるところ、本件従前地と異なり、隣接各土地については、ほぼ従前どおりの位置、地積の換地処分がなされたことは前認定のとおりである。以上の事実に徴すると、本件換地処分は、他に特段の事情のない限り、土地の面積、利用状況において従前地との照応関係に欠けるものであり、近隣土地に対する換地処分に比し不公平のそしりをも免れず、違法というほかはないであろう。 3 被告は、本件従前地についてなされた仮換地指定は照応関係に欠けるところがなく適法であるから、これに従いなされた本件換地処分も違法でないと主張する。 しかし、仮に右仮換地指定が適法になされたとしても、その後の、区画整理事業の進捗とは無関係の事情によつて、従前地と換地とが照応しないことになる場合には、仮換地指定に従いそのまま換地処分をなすことは許されないから、右主張は理由がない。 また、本件換地処分につき、Aに対し清算金一万二三九四円が交付されていることは当事者間に争いがないが、清算金は土地区画整理事業の施行によつて生ずる各土地相互の間の不均衡を是正するため、徴収あるいは交付されるもので、それによつて各土地の均衡を図ることを趣旨とするのであるから、右清算金の交付は本件換地処分に存する前記照応関係の欠如を補正し得るものではない。 4 しかしながら、原告本人尋問の結果によれば、Aが交付を受けた清算金は、その当時前記Bらに対する換地部分を買い取るのにほぼ見合う額であつたことが認められるから、右清算金は、前叙のとおり、土地相互間の不均衡を是正するためのもので、減歩に対する補償を本来の目的とするものでないけれども、実質的には、本件換地処分によつてAが蒙つた損害を相当程度補填することに寄与したといい得るし、更に、本件換地処分によつて本件建物の敷 のもので、減歩に対する補償を本来の目的とするものでないけれども、実質的には、本件換地処分によつてAが蒙つた損害を相当程度補填することに寄与したといい得るし、更に、本件換地処分によつて本件建物の敷地の利用が続けられなくなつたということもないのであり(前記のごとくAは右処分後Bらからその換地部分を賃借し、原告本人尋問の結果によれば、原告は、最近同人らから右部分を買い取つて、本件建物の敷地全部について所有権を回復し、引続き敷地を利用していることが認められる)、これらの事情を考慮すると、本件換地処分に、これを無効としなければならないほどの重大な瑕疵があると断ずることはできない。 三以上によれば、原告の本訴請求は、理由がないことに帰するから、失当として棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八九条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官石川恭鴨井孝之大谷筵禎男)(別紙)物件目録(一) 大阪市<以下略>宅地三八・七一平方メートル(一一・七一坪)(二) 大阪市<以下略>宅地二六・七一平方メートル(八・〇八坪)(三) 大阪市<以下略>家屋番号同町<以下略>木造瓦葺二階建居宅床面積一階二三・三〇平方メートル(七・〇五坪)二階一五・五三平方メートル(四・七〇坪)以上
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